JP2016050782A - 超音波検査方法及び超音波検査装置 - Google Patents

超音波検査方法及び超音波検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】欠陥の傾斜角を評価でき、欠陥の範囲又は/及び中心位置の評価精度を高めることができる超音波検査方法及び超音波検査装置を提供する。
【解決手段】超音波検査方法において、被検体1の軸方向及び厚さ方向における欠陥仮想位置yp,zp及び仮想傾斜角αからなる三次元座標系にて欠陥のエコー強度を示す三次元画像41を生成して表示し、三次元画像41上のエコー強度の一かたまりの分布に対してエコー強度の最大値を求め、これに対応する欠陥の仮想傾斜角αを実傾斜角として求める。そして、欠陥の実傾斜角に対応するエコー強度の分布を抽出して、欠陥の仮想位置からなる二次元座標系にて示す二次元画像を生成して表示し、二次元画像上のエコー強度の一かたまりの分布に対応する欠陥の仮想位置の範囲に基づき、欠陥の実範囲又は/及び実中心位置を求める。
【選択図】図12

Description

本発明は、被検体の表面一方向及び厚さ方向のそれぞれにおける欠陥の範囲又は/及び中心位置の評価を行う超音波検査方法及び超音波検査装置に関する。
発電プラントにおける構成機器の保全は正常な運転を維持するために必要であり、非破壊検査技術の果たす役割は重要性が高い。特に原子力プラントでは、原子炉圧力容器(RPV)や再循環系配管などの原子炉一次系機器の健全性確保が重要であり、欠陥が生じやすい溶接部に対し、超音波探傷試験(UT)が実施され、欠陥の検出やその範囲(大きさ)等の評価を行っている。
欠陥の範囲等を評価するための従来の超音波検査方法として、例えば、超音波を送信する送信用探触子と、超音波を受信する受信用探触子と、を用いるタンデム法が知られている(例えば特許文献1参照)。このタンデム法では、欠陥の仮想位置(言い換えれば、欠陥が存在するか否かを観測する位置)に対して溶接部の幅方向一方側に送信用探触子及び受信用探触子を配置する。そして、送信用探触子から欠陥の仮想位置に到達するように超音波を送信し、欠陥が存在する場合に、欠陥で反射された超音波を受信用探触子で受信する。そして、超音波の受信によって欠陥が存在することを検出し、欠陥の存在位置を連続的に検出することにより、欠陥の範囲等の評価を行うことが可能である。
なお、超音波を送信する複数の圧電素子(振動子)からなる送信素子群(送波用振動子群)と、超音波を受信する複数の圧電素子(振動子)からなる受信素子群(受波用振動子群)と、を用いるタンデム法も知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−14082号公報 特開2007−163470号公報
しかしながら、上記従来技術には、次のような課題が存在する。上述したタンデム法では、例えば被検体の使用中又は使用後の検査であれば、被検体の経年劣化によって生じる欠陥であって、被検体の厚さ方向(又は溶接部の境界方向)に延在する欠陥を想定する。すなわち、欠陥の傾斜角を想定し、その欠陥で高効率に反射する超音波の反射角に基づいて超音波の伝播経路を想定することが可能である。しかし、例えば被検体の製造後(使用前)の検査であれば、被検体の製造時に生じる欠陥を想定するため、欠陥の傾斜角が不明な場合がある。そして、欠陥の傾斜角が想定した値と異なれば、超音波の伝播経路に誤差が生じ、欠陥の範囲又は/及び中心位置の評価に誤差が生じる可能性がある。
本発明の目的は、欠陥の傾斜角を評価でき、欠陥の範囲又は/及び中心位置の評価精度を高めることができる超音波検査方法及び超音波検査装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、代表的な本発明は、被検体の内部に超音波を送信する送信素子群と、前記被検体の内部に欠陥が存在する場合に、前記欠陥で反射された超音波を受信する受信素子群とを用いる超音波検査方法であって、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置の変更並びに前記欠陥の仮想傾斜角の変更に応じて予め解析された複数の超音波伝播経路のそれぞれに基づき、前記送信素子群による超音波の送信位置及び送信角並びに前記受信素子群による超音波の受信位置及び受信角を可変制御し、前記超音波伝播経路毎に取得した受信超音波の波形データから前記欠陥のエコー強度を取得し、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置並びに前記欠陥の仮想傾斜角からなる三次元座標系にて前記欠陥のエコー強度を示す場合を想定し、所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対してエコー強度の最大値を求め、このエコー強度の最大値に対応する前記欠陥の仮想傾斜角を実傾斜角として求め、前記欠陥の実傾斜角に対応するエコー強度の分布を抽出して、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置からなる二次元座標系にて示す場合を想定し、所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対応する前記被検体の仮想位置の範囲に基づき、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の実範囲又は/及び実中心位置を求める。
本発明によれば、欠陥の傾斜角を評価でき、欠陥の範囲又は/及び中心位置の評価精度を高めることができる。
本発明の第1の実施形態における超音波検査装置の構成を表すブロック図である。 本発明の第1の実施形態における送信用アレイ探触子、受信用アレイ探触子、及び探触子移動装置の構造を表す被検体の軸方向断面図である。 図2中矢印III方向から見た図である。 図2中矢印IV方向から見た図である。 本発明の第1の実施形態における送受信装置の機能的構成をアレイ探触子とともに表すブロック図である。 本発明の第1の実施形態における超音波伝播経路の解析を説明するための図であり、欠陥の仮想傾斜角α=0である場合を示す。 本発明の第1の実施形態において被検体の軸方向における欠陥の仮想位置の変化に対応した超音波伝播経路の変化を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態において被検体の厚さ方向における欠陥の仮想位置の変化に対応した超音波伝播経路の変化を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態において欠陥の仮想傾斜角の変化に対応した超音波伝播経路の変化を説明するための図である。 入射側の媒質が鋼、透過側の媒質が空気である場合の媒質境界における横波の反射効率を表す図である。 欠陥の仮想傾斜角の変更に応じて設定する超音波の送信角及び受信角の具体例を表す図である。 本発明の第1の実施形態における三次元画像の一例を表す図である。 本発明の第1の実施形態における二次元画像の一例を表す図である。 本発明の第1の実施形態における超音波検査方法の手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における超音波検査装置の構成を表すブロック図である。 本発明の第2の実施形態における投影画像の一例を表す図である。 本発明の第1の変形例における二次元画像の一例を表す図である。 本発明の第2の変形例における超音波検査装置の構成を表すブロック図である。 本発明の第3の変形例における超音波検査装置の構成を表すブロック図である。 本発明の第4の変形例における超音波検査装置の構成を表すブロック図である。 本発明の第4の変形例における送受信用アレイ探触子及び探触子移動装置の構造を表す被検体の軸方向断面図である。 本発明の第4の変形例における送受信装置の機能的構成をアレイ探触子とともに表すブロック図である。 本発明の第4の変形例における超音波伝播経路の解析を説明するための図であり、欠陥の仮想傾斜角α=0である場合を示す。 本発明の第4の変形例における超音波伝播経路の解析を説明するための図であり、欠陥の仮想傾斜角α=0でない場合を示す。 本発明の第4の変形例における超音波検査方法の手順を説明するためのフローチャートである。
本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態における超音波検査装置の構成を表すブロック図である。図2は、本実施形態における送信用アレイ探触子、受信用アレイ探触子、及び探触子移動装置の構造を表す被検体の軸方向断面図である。図3は、図2中矢印III方向から見た図であり、図4は、図2中矢印IV方向から見た図である。図5は、本実施形態における送受信装置の機能的構成をアレイ探触子とともに表すブロック図である。
本実施形態の超音波検査装置は、円筒状の被検体1(詳細には、例えば原子炉圧力容器の胴体)において周方向(図3中上下方向、図4中左右方向)に延在する溶接部2を検査対象とし、欠陥3の検出及び評価を行うためのものである。
本実施形態の超音波検査装置は、送信用アレイ探触子4A、受信用アレイ探触子4B、探触子移動装置5、送受信装置6、伝播経路制御部7、入力装置8、計算装置9、記憶装置10、及び表示装置11を備えている。計算装置9は、機能的構成として、伝播経路解析部12及びエコー強度データ作成部13を有している。なお、計算装置9はコンピュータや電子部品を搭載した基板等で構成され、記憶装置10はハードディスクやランダムアクセスメモリ(RAM)等で構成されている。また、表示装置11はディスプレイ等で構成され、入力装置8はマウスやキーボード、タッチパネル等で構成されている。
探触子移動装置5は、送信用アレイ探触子4A及び受信用アレイ探触子4Bを被検体1の外周面に沿って機械的に移動させるものである。この探触子移動装置5は、被検体1の外周側に取付けられた円環状の軌道14と、この軌道14に沿って(すなわち、図3及び図4中矢印D1で示す方向であって、被検体1の周方向に)移動可能に設けられた周方向移動装置15と、この周方向移動装置15に設けられ、軌道14に対して垂直な方向に(すなわち、図2及び図3中矢印D2で示す方向であって、被検体1の軸方向に)アーム16を移動させるアーム移動装置17と、アーム16に沿って(すなわち、被検体1の軸方向に)移動可能に設けられ、送信用アレイ探触子4Aを保持する探触子保持装置18Aと、アーム16に沿って移動可能に設けられ、受信用アレイ探触子4Bを保持する探触子保持装置18Bとを備えている。
周方向移動装置15は、軌道14の外周側に形成されたラック19と噛み合うピニオン20と、このピニオン20を回転させるモータ(図示せず)と、このモータの回転量を検出するエンコーダ(図示せず)とを有している。そして、ピニオン20が回転することにより、周方向移動装置15が被検体1の周方向に移動し、これに伴い、送信用アレイ探触子4A及び受信用アレイ探触子4Bが被検体1の周方向に移動するようになっている。
アーム移動装置17は、軌道14に対して垂直な方向にアーム16を移動させるモータ(図示せず)と、このモータの回転量を検出するエンコーダ(図示せず)とを有している。そして、アーム16が被検体1の軸方向に移動することにより、送信用アレイ探触子4A及び受信用アレイ探触子4Bが被検体1の軸方向に移動する。これにより、例えば軌道14の位置を基準として、被検体1の軸方向(言い換えれば、被検体1の表面一方向)における送信用アレイ探触子4Aと受信用アレイ探触子4Bの間の中心位置Kを調整可能としている。
探触子保持装置18Aは、押付アーム21Aと、この押付アーム21Aの先端側に取付けられ、送信用アレイ探触子4Aを保持する探触子ホルダ22Aと、押付アーム21Aを被検体1側に付勢して、送信用アレイ探触子4Aを被検体1の表面に押圧する付勢機構(図示しないが、例えばバネ、空気圧シリンダ、又は油圧シリンダ)とを有している。同様に、探触子保持装置18Bは、押付アーム21Bと、この押付アーム21Bの先端側に取付けられ、受信用アレイ探触子4Bを保持する探触子ホルダ22Bと、押付アーム21Bを被検体1側に付勢して、受信用アレイ探触子4Bを被検体1の表面に押圧する付勢機構とを有している。
また、探触子保持装置18Aは、アーム16の一方側(図3中下側、図4中右側)側面に形成されたラック23Aと噛み合うピニオン24Aと、このピニオン24Aを回転させるモータ(図示せず)と、このモータの回転量を検出するエンコーダ(図示せず)とを有している。同様に、探触子保持装置18Bは、アーム16の他方側(図3中上側、図4中左側)側面に形成されたラック23Bと噛み合うピニオン24Bと、このピニオン24Bを回転させるモータ(図示せず)と、このモータの回転量を検出するエンコーダ(図示せず)とを有している。なお、探触子保持装置18Aと探触子保持装置18Bは、アーム16を挟んで対向するように設けられており、互いに干渉しないようになっている。
そして、例えばピニオン24A,24Bが一方向に同じ回転量で回転すれば、探触子保持装置18Aと探触子保持装置18Bが同じ移動量で互いに離れるように移動する。これにより、被検体1の軸方向における送信用アレイ探触子4Aの中心位置CAと受信用アレイ探触子4Bの中心位置CBの間の相対距離Lが大きくなる。一方、例えばピニオン24A,24Bが反対方向に同じ回転量で回転すれば、探触子保持装置18Aと探触子保持装置18Bが同じ移動量で互いに近づくように移動する。これにより、被検体1の軸方向における送信用アレイ探触子4Aの中心位置CAと受信用アレイ探触子4Bの中心位置CBの間の相対距離Lが小さくなる。このようにしてアレイ探触子4A,4B間の中心位置Kを固定したまま、アレイ探触子4A,4B間の相対距離Lを調整可能としている。なお、探触子保持装置18Aと探触子保持装置18Bが同一方向に移動したり、異なる移動量で移動することも可能である。
送信用アレイ探触子4Aは、ウェッジ25Aと、ウェッジ25Aの傾斜面に配列された複数の圧電素子(振動子)26Aとを有している。送信用アレイ探触子4Aの圧電素子26Aの総数(図中では32個)は、超音波を送信する送信素子群27Aを構成する圧電素子の数(図中では4個)より多くなっている。
同様に、受信用アレイ探触子4Bは、ウェッジ25Bと、ウェッジ25Bの傾斜面に配列された複数の圧電素子(振動子)26Bとを有している。受信用アレイ探触子4Bの圧電素子26Aの総数(図中では32個)は、超音波を受信する受信素子群27Bを構成する圧電素子の数(図中では4個)より多くなっている。
送受信装置6は、入出力制御部28、遅延時間制御部29、パルサ30、レシーバ31、及びデータ収録部32を有している。
遅延時間制御部29は、入出力制御部28を介して伝播経路制御部7から送信遅延パターン及び受信遅延パターンを入力し、送信遅延パターンに基づいてパルサ30を制御するとともに、受信遅延パターンに基づいてレシーバ31を制御するようになっている。
パルサ30は、送信遅延パターンに基づき、送信用アレイ探触子4Aの圧電素子26Aから送信素子群27Aを選択して、送信素子群27Aを構成する各圧電素子へ駆動信号を出力するとともに、各駆動信号の出力タイミング(すなわち、各圧電素子の送信タイミング)を制御する。これにより、送信素子群27Aによる超音波の送信位置及び送信角を可変制御する。
レシーバ31は、受信遅延パターンに基づき、受信用アレイ探触子4Bの圧電素子26Bから受信素子群27Bを選択して、受信素子群27Bを構成する各圧電素子から波形信号を入力するとともに、各波形信号の入力タイミング(すなわち、各圧電素子の受信タイミング)を制御して合成する。これにより、受信素子群27Bによる超音波の受信位置及び受信角を可変制御する。そして、合成した波形信号に対し所定の処理(詳細には、アナログ信号からデジタル信号への変換処理等)を行って波形データを取得し、データ収録部32に収録する。この波形データは、超音波の路程と強度(波高値)の関係からなる離散データである。
伝播経路制御部7は、探触子移動装置5及び送受信装置6を連携して制御するものである。そのため、探触子移動装置5からエンコーダの検出情報を入力して、現在の周方向移動装置15の周方向位置(言い換えれば、アレイ探触子4A,4Bの周方向位置)を把握するとともに、現在のアレイ探触子4A,4B間の中心位置K及び相対距離Lを把握している。また、送受信装置6から制御情報を入力して現在の送信遅延パターン及び受信遅延パターンを把握している。
そして、探触子移動装置5に制御指令を出力して、周方向移動装置15を被検体1の周方向に所定のピッチで移動させて、その周方向位置を可変制御する。これにより、被検体1の周方向における超音波の送信位置及び受信位置を可変制御する。また、記憶装置10で予め記憶された探触子間中心位置のインデックスデータ33に基づき、探触子移動装置5に制御指令を出力して、アレイ探触子4A,4B間の中心位置Kを可変制御する。これにより、被検体1の軸方向における超音波の送信位置及び受信位置を可変制御する。また、記憶装置10で予め記憶された探触子間相対距離のインデックスデータ34に基づき、探触子移動装置5に制御指令を出力して、アレイ探触子4A,4B間の相対距離Lを可変制御する。これにより、被検体1の軸方向における超音波の送信位置及び受信位置を可変制御する。また、記憶装置10で予め記憶された遅延パターンのインデックスデータ35に基づき、送受信装置6に送信遅延パターン及び受信遅延パターンを出力する。これにより、被検体1の軸方向における超音波の送信位置及び受信位置を可変制御するとともに、超音波の送信角及び受信角を可変制御するようになっている。
計算装置9の伝播経路解析部12は、事前に、上述したインデックスデータ33,34,35を作成するために、入力装置8で入力された被検体1の寸法や音速等の条件に基づき、超音波が効率よく伝播する経路を解析するものである。ここで、本実施形態の特徴の一つとして、被検体1の軸方向及び厚さ方向における欠陥の仮想位置(言い換えれば、欠陥が存在するか否かを観測する位置)の変更だけでなく、欠陥の仮想傾斜角の変更に応じて超音波の伝播経路を解析するようになっている。
詳細には、まず、例えば図6で示すように、欠陥3の仮想傾斜角α=0である場合(すなわち、欠陥3が被検体1の厚さ方向に延在している場合)を想定して、超音波の伝播経路を解析する。被検体1の周方向をX軸とし、被検体1の軸方向をY軸(詳細には、例えば軌道14の位置をY=0)とし、被検体1の厚さ方向をZ軸(詳細には、被検体1の外周面の位置をZ=0)として、検査範囲Sを設定するとともに、検査範囲S内の欠陥3の仮想位置P(x,y,z)を設定する。そして、例えば、送信用探触子4Aの送信素子群27Aからウェッジ25Aを介し被検体1に送信された横波モードの超音波が、被検体1の内周面で一度反射した後、欠陥3の仮想位置Pに到達する場合を想定する。また、欠陥3の仮想位置Pで反射された超音波が受信用探触子4Bの受信素子群27Bにウェッジ25Bを介し受信される場合を想定する。このような超音波伝播経路Fによれば、アレイ探触子4A,4B間の中心位置K及び相対距離Lは、下記の式(1)を用いて演算することができる。
Figure 2016050782
ここで、tは被検体1の厚さである。また、θは送信素子群27Aによる超音波の送信角(屈折角)、θは受信素子群27Bによる超音波の受信角(屈折角)である。なお、本実施形態では、欠陥3の仮想傾斜角α=0である場合に、送信角θ=受信角θ=基準屈折角θ(詳細には、例えば45度)としている。また、欠陥3の仮想傾斜角α=0である場合に、送信素子群27Aによる超音波の送信位置Eを送信用アレイ探触子4Aの中心位置CAとし、受信素子群27Bによる超音波の受信位置Eを受信用アレイ探触子4Bの中心位置CBとしている。
上記の式(1)から明らかなように、アレイ探触子4A,4B間の中心位置Kは、被検体1の軸方向における欠陥3の仮想位置ypに対応する。すなわち、例えば図7(a)で示すように、yp=0を想定した場合、アレイ探触子4A,4B間の中心位置K=Kに制御すればよい。また、例えば図7(b)で示すように、yp=yp_maxを想定した場合、アレイ探触子4A,4B間の中心位置K=K(但し、K>K)に制御すればよい。そのため、欠陥3の仮想位置ypの変更に応じてアレイ探触子4A,4B間の中心位置Kを順次演算し、それらをインデックスデータ33として記憶装置10に記憶させる。
また、上記の式(1)から明らかなように、アレイ探触子4A,4B間の相対距離Lは、被検体1の厚さ方向における欠陥3の仮想位置zpに対応する。すなわち、例えば図8(a)で示すように、zp≒0を想定した場合、アレイ探触子4A,4B間の相対距離L=Lに制御すればよい。また、例えば図8(b)で示すように、zp≒zp_maxを想定した場合、アレイ探触子4A,4B間の相対距離L=L(但し、L<L)に制御すればよい。そのため、欠陥3の仮想位置zpの変更に応じてアレイ探触子4A,4B間の相対距離Lを順次演算し、それらをインデックスデータ34として記憶装置10に記憶させる。
次に、欠陥3の仮想傾斜角α=0でない場合を想定して、超音波の伝播経路を解析する。この場合、α=0である場合に対して、送信素子群27Aによる超音波の送信位置E及び送信角θを変更するとともに、受信素子群27Bによる超音波の受信位置E及び受信角θを変更しなければならない。具体的には、例えば図9(a)で示すように、α=α(但し、α>0)である場合、送信素子群27Aによる超音波の送信位置Eを、欠陥3の仮想位置Pに近づけるようにシフト量ΔTだけシフトする。また、受信素子群27Bによる超音波の受信位置Eを、欠陥3の仮想位置Pから離れるようにシフト量ΔRだけシフトする。また、超音波の送信角θを、補正値β(但し、α>0の場合、β<0)だけ補正する。また、超音波の受信角θを、補正値β(但し、α>0の場合、β>0)だけ補正する。
また、例えば図9(b)で示すように、α=α(但し、α<0)である場合、送信素子群27Aによる超音波の送信位置Eを、欠陥3の仮想位置Pから遠ざけるようにシフト量ΔTだけシフトする。また、受信素子群27Bによる超音波の受信位置Eを、欠陥3の仮想位置Pに近づけるようにシフト量ΔRだけシフトする。また、超音波の送信角θを、補正値β(但し、α<0の場合、β>0)だけ補正する。また、超音波の受信角θを、補正値β(但し、α<0の場合、β<0)だけ補正する。
ここで、欠陥3における超音波の反射効率を高めるためには、欠陥3に対する超音波の入射角φと反射角φを等しくする必要がある。したがって、下記の式(2)を満たすように、超音波の送信角θ及び受信角θを設定する必要がある。
Figure 2016050782
また、図10で示すように、横波の入射角が35度以上であれば、横波の反射効率が最大の1.0となる(詳細には、横波入射波から横波反射波へのエネルギー分配率が最大の1.0となり、縦波反射波へのエネルギー分配率が最小の0となる)。そのため、被検体1の内周面に対する超音波の入射角、すなわち送信素子群27Aによる超音波の送信角θを35度以上とし、かつ、欠陥3に対する超音波の入射角φを35度以上とすることが好ましい。この条件と上記の式(2)を満たす超音波の送信角θ及び受信角θの具体例の一つとして、下記の式(3)が考えられる。
Figure 2016050782
また、他の具体例として、下記の式(4)が考えられる。この式(4)を満たす欠陥の仮想傾斜角αと超音波の送信角θ及び受信角θの関係を、図11に示す。
Figure 2016050782
上述したように超音波の送信角θ及び受信角θを設定すれば、超音波の送信位置Eのシフト量ΔT及び受信位置Eのシフト量ΔRを、下記の式(5)を用いて演算することができる。
Figure 2016050782
そして、欠陥の仮想傾斜角αの変更に応じて、超音波の送信位置E及び送信角θに対応する送信遅延パターンを生成するとともに、超音波の受信位置E及び受信角θに対応する受信遅延パターンを生成し、それらをインデックスデータ35として記憶装置10に記憶させる。
上述の図1及び図5に戻り、送受信装置6の入出力制御部28は、データ収録部32から波形データを読み込むとともに、この波形データの取得条件である制御情報(詳細には、例えば周方向移動装置14の位置、アレイ探触子4L,4B間の中心位置K及び相対距離L、並びに送信遅延パターン及び受信遅延パターン)を伝播経路制御部7等から入力し、それらを関連付けさせて記憶装置10に出力し、記憶装置10に記憶させる。
計算装置9のエコー強度データ作成部13は、記憶装置10で記憶された波形データ36とこれに関連付けられた制御情報を読み込む。そして、伝播経路解析部12の助力によって制御情報に対応する超音波の伝播経路に基づいて欠陥の路程を取得し、波形デー36タから欠陥のエコー強度を抽出する。また、伝播経路解析部12の助力によって欠陥の仮想位置P(x,y,z)及び仮想傾斜角αを取得し、前述したエコー強度と関連付ける。このようにしてエコー強度データ37を作成して、記憶装置10に記憶させるようになっている。
表示装置11は、機能的構成として、三次元画像表示部38、実傾斜角入力部39、及び二次元画像表示部40を有している。
三次元画像表示部38は、記憶装置10で記憶されたエコー強度データ37に基づき、被検体1の周方向における欠陥の仮想位置xp毎に、例えば図12で示すような三次元画像41を生成して表示するようになっている。この三次元画像41は、被検体1の軸方向及び厚さ方向における欠陥の仮想位置yp,zpと仮想傾斜角αからなる三次元座標系にて、対応するエコー強度を示している。具体的には、複数の閾値との大小関係によってエコー強度のレベルを判定し、そのレベルに応じた色調でエコー強度を示している。また、三次元画像41は、カーソルの移動や数値の入力等によって任意の座標(ypi,zpi,αi)を選択する座標選択欄42と、選択された任意の座標(ypi,zpi,αi)におけるエコー強度(数値)を表示するエコー強度表示欄43とを有している。したがって、検査者は、三次元画像41上にて、所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布を確認することが可能である。また、その分布に対してエコー強度の最大値を探し、このエコー強度の最大値に対応する仮想傾斜角αを実傾斜角として読み取ることが可能である。
実傾斜角入力部39は、検査者が実傾斜角を入力するためのものである。具体的には、例えば、三次元画像41の座標選択欄42に実傾斜角を表示させつつ、入力ボタン(図示せず)等を操作することで、実傾斜角を入力するようになっている。
二次元画像表示部40は、実傾斜角入力部39で入力された実傾斜角に対応するエコー強度の分布を抽出し、これに基づき、例えば図13で示すような二次元画像44を生成して表示するようになっている。二次元画像44は、被検体1の軸方向及び厚さ方向における欠陥の仮想位置yp,zpからなる二次元座標系にて、対応するエコー強度を示している(すなわち、二次元画像44は、YZ断面の探傷画像に相当する)。具体的には、複数の閾値との大小関係によってエコー強度のレベルを判定し、そのレベルに応じた色調でエコー強度を示している。したがって、検査者は、二次元画像44上にて、所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布を確認することが可能である。また、その分布に対応する欠陥3の仮想位置ypの範囲に基づき、被検体1の軸方向における欠陥3の実範囲(ya〜yb)又は/及び実中心位置(yc)を読み取ることが可能である。また、その分布に対応する欠陥3の仮想位置zpの範囲に基づき、被検体1の厚さ方向における欠陥3の実範囲(za〜zb)又は/及び実中心位置(zc)を読み取ることが可能である。
なお、上記において、探触子移動装置5は、特許請求の範囲に記載の、送信素子群を機械的に移動させて超音波の送信位置を可変制御する送信位置制御部、及び受信素子群を機械的に移動させて超音波の受信位置を可変制御する受信位置制御部を構成する。また、送受信装置6は、特許請求の範囲に記載の、送信素子群を電子的に選択して超音波の送信位置を可変制御する送信位置制御部、送信素子群を構成する各素子の送信タイミングを制御して超音波の送信角を可変制御する送信角制御部、受信素子群を電子的に選択して超音波の受信位置を可変制御する受信位置制御部、及び受信素子群を構成する各素子の受信タイミングを制御して超音波の受信角を可変制御する受信角制御部を構成する。
次に、本実施形態の超音波検査装置を用いた超音波検査方法を説明する。図14は、本実施形態における超音波検査方法の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップ100において、伝播経路制御部7は、探触子移動装置5を制御して、1番目の欠陥仮想位置xpに対応するように、周方向移動装置15を移動させる。その後、ステップ110に進み、1番目の欠陥仮想位置ypに対応するように、アーム移動装置17でアーム16を移動させて、アレイ探触子4A,4B間の中心位置Kを調整する。その後、ステップ120に進み、1番目の欠陥仮想位置zpに対応するように、探触子保持装置18A,18Bを移動させて、アレイ探触子4A,4B間の相対距離Lを調整する。
そして、ステップ130に進み、送受信装置6は、1番目の欠陥仮想傾斜角αに対応した送信遅延パターン及び受信遅延パターンを用いた超音波の送受信(すなわち、探傷)を実施し、受信超音波の波形データ36を記憶装置10に記憶させる。その後、ステップ140に進み、計算装置9のエコー強度データ作成部13は、波形データ36からエコー強度データ37を作成して、記憶装置10に記憶させる。
その後、ステップ150に進み、遅延パターンの走査が完了したか否か(すなわち、g番目の欠陥仮想傾斜角αに対応した送信遅延パターン及び受信遅延パターンを用いて探傷を実施したか否か)を判定する、最初のうちは、ステップ150の判定が満たされないから、上述したステップ130及び140が繰り返される。すなわち、2番目、3番目、…g番目の欠陥仮想傾斜角αに対応した遅延パターンを用いた探傷をそれぞれ実施し、エコー強度データ37をそれぞれ作成して記憶する。
その後、ステップ150の判定が満たされて、ステップ160に進み、相対距離Lの走査が完了したか否か(すなわち、h番目の欠陥仮想位置zpに対応した相対距離Lに調整したか否か)を判定する。最初のうちは、ステップ160の判定が満たされないから、上述したステップ120〜150が繰り返される。すなわち、2番目、3番目、…h番目の欠陥仮想位置zpに対応した相対距離Lにそれぞれ調整した上で、上述したステップ130〜150が繰り返される。
その後、ステップ160の判定が満たされて、ステップ170に進み、中心位置Kの走査が完了したか否か(すなわち、i番目の欠陥仮想位置ypに対応した中心位置Kに調整したか否か)を判定する。最初のうちは、ステップ170の判定が満たされないから、上述したステップ110〜160が繰り返される。すなわち、2番目、3番目、…i番目の欠陥仮想位置ypに対応した中心位置Kにそれぞれ調整した上で、上述したステップ120〜160が繰り返される。その後、ステップ170の判定が満たされて、ステップ180に移る。
ステップ180では、表示装置11の三次元画像表示部38は、エコー強度データ37に基づいて三次元画像41を生成して表示する。そして、ステップ190に進み、検査者は、三次元画像41上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対してエコー強度の最大値を求め、このエコー強度の最大値に対応する欠陥の仮想傾斜角αを実傾斜角として求める。その後、欠陥の実傾斜角を入力する。
そして、ステップ200に進み、表示装置11の二次元画像表示部40は、入力された欠陥実傾斜角に対応するエコー強度分布を抽出し、これに基づき、二次元画像44を生成して表示する。そして、ステップ210に進み、検査者は、二次元画像44上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対応する欠陥仮想位置yp,zpの範囲に基づき、被検体1の軸方向及び厚さ方向のそれぞれにおける欠陥3の実範囲又は/及び実中心位置を求める。
そして、ステップ220に進み、周方向移動装置15の移動が完了したか否か(すなわち、j番目の欠陥仮想位置xpに対応した位置に移動したか否か)を判定する、最初のうちは、ステップ220の判定が満たされないから、上述したステップ100〜210が繰り返される。すなわち、2番目、3番目、…j番目の欠陥仮想位置xpに対応した位置に移動した上で、上述したステップ110〜210が繰り返される。その後、ステップ220の判定が満たされて、検査が終了する。
以上のように本実施形態においては、欠陥3の傾斜角を評価することができる。また、その傾斜角に基づき、被検体1の軸方向及び厚さ方向のそれぞれにおける欠陥3の範囲又は/及び中心位置を評価するので、欠陥3の範囲又は/及び中心位置の評価精度を高めることができる。
本発明の第2の実施形態を、図15及び図16を用いて説明する。
図15は、本実施形態における超音波検査装置の構成を表すブロック図である。図16は、本実施形態における投影画像の一例を表す図である。なお、本実施形態において、上記第1の実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜、説明を省略する。
本実施形態の表示装置11は、上述した三次元画像表示部36に代えて、投影画像表示部45を有している。
投影画像表示部45は、記憶装置10で記憶されたエコー強度データ37に基づき、被検体1の周方向における欠陥の仮想位置xp毎に、投影画像46を生成して表示する。詳しく説明すると、投影画像表示部45は、欠陥の仮想位置yp及び仮想傾斜角αが同じ条件で、欠陥の仮想位置zpに応じて異なる欠陥のエコー強度に対して最大値を求め、このエコー強度の最大値を欠陥の仮想位置yp及び仮想傾斜角αからなる二次元座標系にて示す投影画像46を生成して表示する。投影画像46は、例えば図16で示すように、カーソルの移動や数値の入力等によって任意の座標(ypi,αi)を選択する座標選択欄47と、選択された任意の座標(ypi,αi)におけるエコー強度(数値)を表示するエコー強度表示欄48とを有している。したがって、検査者は、投影画像46上にて、所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布を確認することが可能である。また、その分布に対してエコー強度の最大値を探し、このエコー強度の最大値に対応する仮想傾斜角αを実傾斜角として読み取ることが可能である。
以上のように構成された本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、欠陥の傾斜角を評価でき、欠陥の範囲又は/及び中心位置の評価精度を高めることができる。
なお、上記第2の実施形態において、投影画像表示部45は、欠陥の仮想位置yp及び仮想傾斜角αが同じ条件で、欠陥の仮想位置zpに応じて異なる欠陥のエコー強度に対して最大値を求め、このエコー強度の最大値を欠陥の仮想位置yp及び仮想傾斜角αからなる二次元座標系にて示す投影画像46を生成して表示する場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、欠陥の仮想位置zp及び仮想傾斜角αが同じ条件で、欠陥の仮想位置ypに応じて異なる欠陥のエコー強度に対して最大値を求め、このエコー強度の最大値を欠陥の仮想位置zp及び仮想傾斜角αからなる二次元座標系にて示す投影画像を生成して表示してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第1及び第2の実施形態において、二次元画像表示部40は、例えば図13で示すような二次元画像44を生成して表示する場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば図17で示すような二次元画像40Aを生成して表示してもよい(第1の変形例)。この二次元画像40Aは、任意の欠陥仮想位置ypiを選択するカーソル49を有しており、選択された任意の欠陥仮想位置yipにおける欠陥仮想位置zpとエコー強度の関係(Z方向のエコー強度分布に相当)も示している。これにより、検査者の判断による欠陥の範囲又は/及び中心位置の評価精度をさらに高めることができる。
また、上記第1の実施形態においては、検査者が三次元画像41から欠陥の実傾斜角を求めて入力する実傾斜角入力部39を有する場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば図18で示す第2の変形例のように、実傾斜角入力部39に代えて、実傾斜角演算部50(第1演算部)を有していてもよい。この実傾斜角演算部50は、三次元画像41上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布におけるエコー強度の最大値を演算処理し、このエコー強度の最大値に対応する欠陥の仮想傾斜角αを実傾斜角として演算処理する。このような変形例においても、上記同様の効果を得ることができる。
さらに、例えば図19で示す第3の変形例のように、実範囲/実中心位置演算部51(第2演算部)を有していてもよい。この実範囲/実中心位置演算部51は、二次元画像44上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対応する欠陥の仮想位置yp,zpの範囲に基づき、被検体1の軸方向及び厚さ方向のそれぞれにおける欠陥3の実範囲又は/及び実中心位置を演算処理する。このような変形例においても、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第1の実施形態等において、記憶装置10のエコー強度データ37は、エコー強度に対して欠陥の仮想位置xp,yp,zp並びに仮想傾斜角αを関連付けており、表示装置11は、yp−zp−α座標系の三次元画像41とyp−zp座標系の二次元画像44を生成して表示する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、記憶装置10のエコー強度データ37は、エコー強度に対して周方向移動装置15の位置、アレイ探触子4A,4B間の中間位置及び相対距離L、並びに送信遅延パターン及び受信遅延パターンを関連付けてもよく、表示装置は、K−L−α座標系の三次元画像を生成して表示してもよい。そして、K−L−α座標系の三次元画像上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対してエコー強度の最大値を求め、このエコー強度の最大値に対応する欠陥の仮想傾斜角を実傾斜角として求めてもよい。その後、欠陥の実傾斜角に対応するエコー強度の分布を抽出して、K−L座標系の二次元画像を生成して表示してもよい。そして、K−L座標系の二次元画像上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対応する中間位置Kの範囲に基づき、被検体1の軸方向における欠陥の実範囲又は/及び実中心位置を求めてもよい。また、K−L座標系の二次元画像上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対応する相対距離Lの範囲に基づき、被検体1の厚さ方向における欠陥の実範囲又は/及び実中心位置を求めてもよい。これらの場合も、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第2及び第3の変形例においては、三次元画像41を生成して表示する三次元画像表示部38を有する場合を例にとって説明したが、これに限られず、三次元画像表示部38を有しなくともよい。すなわち、実傾斜角演算部50は、記憶装置10で記憶されたエコー強度データ37に対する処理として、欠陥の仮想位置yp,zp及び仮想傾斜角αからなる三次元座標系にて欠陥のエコー強度を示す場合を想定し、この三次元座標系上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布におけるエコー強度の最大値を演算処理し、このエコー強度の最大値に対応する欠陥の仮想傾斜角αを実傾斜角として演算処理してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第3の変形例においては、二次元画像44(又は44A)を生成して表示する二次元画像表示部40を有する場合を例にとって説明したが、これに限られず、二次元画像表示部40を有しなくともよい。すなわち、実範囲/中心位置演算部51は、記憶装置10で記憶されたエコー強度データ37に対する処理として、実傾斜角演算部50で演算された欠陥の実傾斜角に対応するエコー強度の分布を抽出して、欠陥の仮想位置yp,zpからなる二次元座標系にて示す場合を想定し、この二次元座標系上で所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対応する欠陥の仮想位置の範囲に基づき、被検体1の軸方向及び厚さ方向のそれぞれにおける欠陥の実中心位置又は実範囲を演算処理してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第1の実施形態等においては、例えば図2等で示すように、欠陥3の仮想位置Pに対して遠いほうに送信用探触子4Aを配置し、欠陥3の仮想位置Pに対して近いほうに受信用探触子4Bを配置する場合を例にとって説明したが、これに限られず、欠陥3の仮想位置Pに対して近いほうに送信用探触子4Aを配置し、欠陥3の仮想位置Pに対して遠いほうに受信用探触子4Bを配置してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第1の実施形態等においては、送信素子群27Aを含む複数の素子26Aを有する送信用探触子4Aと、受信素子群27Bを有する複数の素子26Bを有する受信用探触子4Bとを備えた場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、例えば送信素子群及び受信素子群を含む複数の素子を有する送受信用探触子を備えていてもよい。このような第4の変形例について詳述する。
図20は、本変形例における超音波検査装置の構成を表すブロック図である。図21は、本変形例における送受信用探触子及び探触子移動装置の構造を表す被検体の軸方向断面図である。図22は、本変形例における送受信装置の機能的構成をアレイ探触子とともに表すブロック図である。なお、本変形例において、上記第1の実施形態等と同等の部分は同一の符号を付し、適宜、説明を省略する。
本変形例の超音波検査装置は、送受信用アレイ探触子52、探触子移動装置5A、送受信装置6A、伝播経路制御部7A、入力装置8、計算装置9、記憶装置10、及び表示装置11を備えている。
探触子移動装置5Aは、送受信用アレイ探触子52を被検体1の外周面に沿って機械的に移動させるものである。この探触子移動装置5Aは、この探触子移動装置5は、被検体1の外周側に取付けられた円環状の軌道14と、この軌道14に沿って(すなわち、被検体1の周方向に)移動可能に設けられた周方向移動装置15と、この周方向移動装置15に設けられ、軌道14に対して垂直な方向に(すなわち、図20中矢印D2で示す方向であって、被検体1の軸方向に)アーム16Aを移動させるアーム移動装置17と、アーム16Aに設けられ、送受信用アレイ探触子52を保持する探触子保持装置18とを備えている。
探触子保持装置18は、押付アーム21と、この押付アーム21の先端側に取付けられ、送受信用アレイ探触子52を保持する探触子ホルダ22と、押付アーム21を被検体1側に付勢して、送受信用アレイ探触子52を被検体1の表面に押圧する付勢機構(図示しないが、例えばバネ、空気圧シリンダ、又は油圧シリンダ)とを有している。
送受信用アレイ探触子52は、ウェッジ25と、ウェッジ25の傾斜面に配列された複数の圧電素子(振動子)26とを有している。送受信用アレイ探触子52の圧電素子26の総数は、送信素子群27A及び受信素子群27Bを構成する圧電素子の数より多くなっている。
送受信装置6Aのパルサ30は、送信遅延パターンに基づき、送受信用アレイ探触子52の圧電素子26から送信素子群27Aを選択して、送信素子群27Aを構成する各圧電素子へ駆動信号を出力するとともに、各駆動信号の出力タイミング(すなわち、各圧電素子の送信タイミング)を制御する。これにより、送信素子群27Aによる超音波の送信位置及び送信角を可変制御する。
送受信装置6Aのレシーバ31は、受信遅延パターンに基づき、送受信用アレイ探触子52の圧電素子26から受信素子群27Bを選択して、受信素子群27Bを構成する各圧電素子から波形信号を入力するとともに、各波形信号の入力タイミング(すなわち、各圧電素子の受信タイミング)を制御して合成する。これにより、受信素子群27Bによる超音波の受信位置及び受信角を可変制御する。
伝播経路制御部7Aは、探触子移動装置5Aに制御指令を出力して、周方向移動装置15を被検体1の周方向に所定のピッチで移動させて、その周方向位置を可変制御する。これにより、被検体1の周方向における超音波の送信位置及び受信位置を可変制御する。また、記憶装置10で予め記憶された探触子位置のインデックスデータ53に基づき、探触子移動装置5Aに制御指令を出力して、送受信用アレイ探触子52の中心位置Mを可変制御する。これにより、被検体1の軸方向における超音波の送信位置及び受信位置を可変制御する。また、記憶装置10で予め記憶された遅延パターンのインデックスデータ54に基づき、送受信装置6に送信遅延パターン及び受信遅延パターンを出力する。これにより、被検体1の軸方向における超音波の送信位置及び受信位置を可変制御するとともに、超音波の送信角及び受信角を可変制御するようになっている。
計算装置9の伝播経路解析部12は、事前に、上述したインデックスデータ53,54を作成するために、入力装置8で入力された被検体1の寸法や音速等の条件に基づき、超音波が効率よく伝播する経路を解析する。
詳細には、まず、例えば図23で示すように、欠陥3の仮想傾斜角α=0である場合(すなわち、欠陥3が被検体1の厚さ方向に延在している場合)を想定して、超音波の伝播経路を解析する。超音波伝播経路Fによれば、送受信用アレイ探触子52の中心位置Mは、上述したアレイ探触子4A,4B間の中心位置Kと同様に、演算することができる。すなわち、送受信用アレイ探触子52の中心位置Mは、被検体1の軸方向における欠陥3の仮想位置ypに対応する。そのため、欠陥3の仮想位置ypの変更に応じて送受信用アレイ探触子52の中心位置Mを順次演算し、それらをインデックスデータ53として記憶装置10に記憶させる。
また、仮想傾斜角α=0である場合に、送信素子群27Aによる超音波の送信位置Eをアレイ探触子52の位置GAとし、受信素子群27Bによる超音波の受信位置Eをアレイ探触子の位置GBとしたときに、GA,GB間の距離N(これを、素子群間の相対基準距離という)は、上述したアレイ探触子4A,4B間の相対距離Lと同様に、演算することができる。すなわち、素子群間の相対距離Nは、被検体1の厚さ方向における欠陥3の仮想位置zpに対応する。
次に、例えば図24で示すように、欠陥3の仮想傾斜角α=0でない場合を想定して、超音波の伝播経路を解析する。そして、上記第1の実施形態等と同様、欠陥の仮想傾斜角αの変更に応じて、超音波の送信角θの補正値β及び受信角θの補正値βを演算するとともに、超音波の送信位置Eのシフト量ΔT及び受信位置Eのシフト量ΔRを演算する。
そして、欠陥の仮想位置zp及び仮想傾斜角αの変更に応じて、超音波の送信位置E及び送信角θに対応する送信遅延パターンを生成するとともに、超音波の受信位置E及び受信角θに対応する受信遅延パターンを生成し、それらをインデックスデータ54として記憶装置10に記憶させる。
次に、本変形例の超音波検査装置を用いた超音波検査方法を説明する。図25は、本変形例における超音波検査方法の手順を説明するためのフローチャートである。この図25においては、図14のステップ110〜170に代えて、ステップ230〜270としている。そのため、ステップ230〜270のみ説明し、他のステップの説明を省略する。
ステップ240では、送受信装置6Aは、1番目の欠陥仮想位置zpに対応し、かつ1番目の欠陥仮想傾斜角αに対応した送信遅延パターン及び受信遅延パターンを用いた超音波の送受信(すなわち、探傷)を実施し、受信超音波の波形データ36を記憶装置10に記憶させる。その後、ステップ250に進み、計算装置9のエコー強度データ作成部13は、波形データ36からエコー強度データ37を作成して、記憶装置10に記憶させる。
その後、ステップ260に進み、遅延パターンの走査が完了したか否か(すなわち、h番目の欠陥仮想位置zpに対応し、かつg番目の欠陥仮想傾斜角αに対応した送信遅延パターン及び受信遅延パターンを用いて探傷を実施したか否か)を判定する、最初のうちは、ステップ260の判定が満たされないから、上述したステップ240及び250が繰り返される。すなわち、1番目の欠陥仮想位置zpに対応し、かつ2番目、3番目、…g番目の欠陥仮想傾斜角αに対応した遅延パターンを用いた探傷をそれぞれ実施し、エコー強度データ37をそれぞれ作成して記憶する。また、2番目の欠陥仮想位置zpに対応し、かつ1番目、2番目、3番目、…g番目の欠陥仮想傾斜角αに対応した遅延パターンを用いた探傷をそれぞれ実施し、エコー強度データ37をそれぞれ作成して記憶する。…h番目の欠陥仮想位置zpに対応し、かつ1番目、2番目、3番目、…g番目の欠陥仮想傾斜角αに対応した遅延パターンを用いた探傷をそれぞれ実施し、エコー強度データ37をそれぞれ作成して記憶する。
その後、ステップ260の判定が満たされて、ステップ270に進み、中心位置Mの走査が完了したか否か(すなわち、i番目の欠陥仮想位置ypに対応した中心位置Mに調整したか否か)を判定する。最初のうちは、ステップ270の判定が満たされないから、上述したステップ230〜260が繰り返される。すなわち、2番目、3番目、…i番目の欠陥仮想位置ypに対応した中心位置Kにそれぞれ調整した上で、上述したステップ240〜260が繰り返される。その後、ステップ270の判定が満たされて、ステップ180に移る。
以上のような本変形例においても、上記第1の実施形態等と同様、欠陥の傾斜角を評価でき、欠陥の範囲又は中心位置の評価精度を高めることができる。
なお、上記第1の実施形態等においては、アレイ探触子4A,4Bがウェッジ25A,25Bを有する場合を例にとり、上記第4の変形例においては、アレイ探触子52がウェッジ25を有する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ウェッジを有しなくともよく、複数の圧電素子26が被検体1の表面に沿って配列されるように構成してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第1の実施形態等においては、送信素子群27Aを構成する圧電素子の数より多い圧電素子26Aを有する送信用探触子4Aと、受信素子群27Bを構成する圧電素子の数より多い圧電素子26Bを有する受信用探触子4Bとを備えた場合(言い換えれば、欠陥の仮想傾斜角αの変更に応じて、送信用アレイ探触子4Aの圧電素子26Aから送信素子群27Aを電子的に選択して超音波の送信位置を可変制御し、送信素子群27Aを構成する各圧電素子の送信タイミングを制御して超音波の送信角を可変制御し、受信用アレイ探触子4Bの圧電素子26Bから受信素子群27Bを電子的に選択して超音波の受信位置を可変制御し、受信素子群27Bを構成する各圧電素子の受信タイミングを制御して超音波の受信角を可変制御する場合)を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、送信素子群27Aを構成する圧電素子の数と同数の圧電素子26Aを有する送信用探触子と、受信素子群27Bを構成する圧電素子と同数の圧電素子26Bを有する受信用探触子とを備えてもよい。そして、欠陥の仮想傾斜角αの変更に応じて、送信素子群27Aを有する送信用アレイ探触子を機械的に移動させて超音波の送信位置を可変制御し、送信素子群27Aを構成する各圧電素子の送信タイミングを制御して超音波の送信角を可変制御し、受信素子群27Bを有する受信用アレイ探触子を機械的に移動させて超音波の受信位置を可変制御し、受信素子群27Bを構成する各圧電素子の受信タイミングを制御して超音波の受信角を可変制御してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記第4の変形例においては、送信素子群27A及び受信用素子群27Bを有する送受信用探触子52を機械的に移動させる探触子移動装置5Aを備えた場合(言い換えれば、被検体1の軸方向における欠陥の仮想位置ypの変更に応じて、送受信用探触子52を機械的に移動させて超音波の送信位置及び受信位置を可変制御する場合)を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、探触子移動装置5Aを備えなくともよい。そして、被検体1の軸方向における欠陥の仮想位置ypの変更に応じて、送受信用探触子52の圧電素子から送信素子群27A及び受信素子群27Bを電子的に選択して超音波の送信位置及び受信位置を可変制御してもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
なお、以上においては、円筒状の被検体1において周方向に延在する溶接部2を検査対象とする場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば平板状の被検体において直線的に延在する溶接部を検査対象としてもよい。
1 被検体
3 欠陥
4A 送信用アレイ探触子
4B 受信用アレイ探触子
5,5A 探触子移動装置
6,6A 送受信装置
7,7A 伝播経路制御部
13 エコー強度データ作成部
27A 送信素子群
27B 受信素子群
38 三次元画像表示部
39 実傾斜角入力部
40 二次元画像表示部
41 三次元画像
44,44A 二次元画像
45 投影画像表示部
46 投影画像
49 実傾斜角演算部
50 実範囲/実中心位置演算部
51 送受信用アレイ探触子

Claims (12)

  1. 被検体の内部に超音波を送信する送信素子群と、前記被検体の内部に欠陥が存在する場合に、前記欠陥で反射された超音波を受信する受信素子群とを用いる超音波検査方法であって、
    前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置の変更並びに前記欠陥の仮想傾斜角の変更に応じて予め解析された複数の超音波伝播経路のそれぞれに基づき、前記送信素子群による超音波の送信位置及び送信角並びに前記受信素子群による超音波の受信位置及び受信角を可変制御し、
    前記超音波伝播経路毎に取得した受信超音波の波形データから前記欠陥のエコー強度を取得し、
    前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置並びに前記欠陥の仮想傾斜角からなる三次元座標系にて前記欠陥のエコー強度を示す場合を想定し、前記三次元座標系上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対してエコー強度の最大値を求め、このエコー強度の最大値に対応する前記欠陥の仮想傾斜角を実傾斜角として求め、
    前記欠陥の実傾斜角に対応するエコー強度の分布を抽出して、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置からなる二次元座標系にて示す場合を想定し、前記二次元座標系上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対応する前記欠陥の仮想位置の範囲に基づき、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向のそれぞれにおける前記欠陥の実範囲又は/及び実中心位置を求めることを特徴とする超音波検査方法。
  2. 請求項1記載の超音波検査方法において、
    前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置並びに前記欠陥の仮想傾斜角からなる三次元座標系にて前記欠陥のエコー強度を示す三次元画像を生成して表示し、
    前記三次元画像上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対してエコー強度の最大値を求め、このエコー強度の最大値に対応する前記欠陥の仮想傾斜角を実傾斜角として求めることを特徴とする超音波検査方法。
  3. 請求項1記載の超音波検査方法において、
    前記被検体の表面一方向及び厚さ方向のうちのいずれか一方における前記欠陥の仮想位置並びに前記欠陥の仮想傾斜角が同じ条件で、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向のうちのいずれか他方における前記欠陥の仮想位置に応じて異なる前記欠陥のエコー強度に対して最大値を求め、このエコー強度の最大値を前記被検体の表面一方向及び厚さ方向のうちのいずれか一方における前記欠陥の仮想位置並びに前記欠陥の仮想傾斜角からなる二次元座標系にて示す投影画像を生成して表示し、
    前記投影画像上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対してエコー強度の最大値を求め、このエコー強度の最大値に対応する前記欠陥の仮想傾斜角を実傾斜角として求めることを特徴とする超音波検査方法。
  4. 請求項1記載の超音波検査方法において、
    前記欠陥の実傾斜角に対応するエコー強度の分布を抽出して、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置からなる二次元座標系にて示す二次元画像を生成して表示し、
    前記二次元画像上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対応する前記欠陥の仮想位置の範囲に基づき、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向のそれぞれにおける前記欠陥の実範囲又は/及び実中心位置を求めることを特徴とする超音波検査方法。
  5. 請求項1記載の超音波検査方法において、
    前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置の変更に応じて、前記送信素子群を含む複数の素子を有する送信用アレイ探触子と前記受信素子群を含む複数の素子を有する受信用アレイ探触子を機械的に移動させて超音波の送信位置及び受信位置を可変制御し、
    前記欠陥の仮想傾斜角の変更に応じて、前記送信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記送信素子群を電子的に選択して超音波の送信位置を可変制御し、前記送信素子群を構成する各素子の送信タイミングを制御して超音波の送信角を可変制御し、前記受信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記受信素子群を電子的に選択して超音波の受信位置を可変制御し、前記受信素子群を構成する各素子の受信タイミングを制御して超音波の受信角を可変制御することを特徴とする超音波検査方法。
  6. 請求項1記載の超音波検査方法において、
    前記被検体の表面一方向における前記欠陥の仮想位置の変更に応じて、前記送信素子群及び前記受信素子群を含む複数の素子を有する送受信用アレイ探触子を機械的に移動させて超音波の送信位置及び受信位置を可変制御し、
    前記被検体の厚さ方向における前記欠陥の仮想位置の変更に応じて、前記送受信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記送信素子群を電子的に選択して超音波の送信位置を可変制御し、前記送受信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記受信素子群を電子的に選択して超音波の受信位置を可変制御し、
    前記欠陥の仮想傾斜角の変更に応じて、前記送受信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記送信素子群を電子的に選択して超音波の送信位置を可変制御し、前記送信素子群を構成する各素子の送信タイミングを制御して超音波の送信角を可変制御し、前記送受信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記受信素子群を電子的に選択して超音波の受信位置を可変制御し、前記受信素子群を構成する各素子の受信タイミングを制御して超音波の受信角を可変制御することを特徴とする超音波検査方法。
  7. 被検体の内部に超音波を送信する送信素子群と、前記被検体内に欠陥が存在する場合に、前記欠陥で反射された超音波を受信する受信素子群とを備えた超音波検査装置であって、
    前記送信素子群を機械的に移動させるか若しくは電子的に選択して超音波の送信位置を可変制御する送信位置制御部と、
    前記送信素子群を構成する各素子の送信タイミングを制御して超音波の送信角を可変制御する送信角制御部と、
    前記受信素子群を機械的に移動させるか若しくは電子的に選択して超音波の受信位置を可変制御する受信位置制御部と、
    前記受信素子群を構成する各素子の受信タイミングを制御して超音波の受信角を可変制御する受信角制御部と、
    前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置の変更並びに前記欠陥の仮想傾斜角の変更に応じて予め解析された複数の超音波伝播経路のそれぞれに基づき、前記送信位置制御部、前記送信角制御部、前記受信位置制御部、及び前記受信角制御部を制御して、前記送信素子群による超音波の送信位置及び送信角並びに前記受信素子群による超音波の受信位置及び受信角を可変制御する伝播経路制御部と、
    前記超音波伝播経路毎に取得した受信超音波の波形データから前記欠陥のエコー強度を取得し、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置並びに前記欠陥の仮想傾斜角と関連付けたエコー強度データを作成するエコー強度データ作成部と、
    前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置並びに前記欠陥の仮想傾斜角からなる三次元座標系にて前記欠陥のエコー強度を示す三次元画像を生成して表示する三次元画像表示部と、
    前記三次元画像上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布におけるエコー強度の最大値に対応する前記欠陥の仮想傾斜角を検査者が読み取って実傾斜角として入力する実傾斜角入力部と、
    前記欠陥の実傾斜角に対応するエコー強度の分布を抽出して、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置からなる二次元座標系にて示す二次元画像を生成して表示する二次元画像表示部と、を備えたことを特徴とする超音波検査装置。
  8. 請求項7記載の超音波検査装置において、
    前記三次元画像表示部に代えて、投影画像表示部を備え、
    前記投影画像表示部は、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向のうちのいずれか一方における前記欠陥の仮想位置並びに前記欠陥の仮想傾斜角が同じ条件で、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向のうちのいずれか他方に応じて異なる前記欠陥のエコー強度に対して最大値を求め、このエコー強度の最大値を前記被検体の表面一方向及び厚さ方向のうちのいずれか一方における前記欠陥の仮想位置並びに前記欠陥の仮想傾斜角からなる二次元座標系にて示す投影画像を生成して表示し、
    前記実傾斜角入力部は、前記投影画像上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布におけるエコー強度の最大値に対応する前記欠陥の仮想傾斜角を検査者が読み取って実傾斜角として入力することを特徴とする超音波検査装置。
  9. 請求項7記載の超音波検査装置において、
    前記実傾斜角入力部に代えて、第1演算部を備え、
    前記第1演算部は、前記三次元画像上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布におけるエコー強度の最大値を演算処理し、このエコー強度の最大値に対応する前記欠陥の仮想傾斜角を実傾斜角として演算処理することを特徴とする超音波検査装置。
  10. 請求項9記載の超音波検査装置において、
    第2演算部を備え、
    前記第2演算部は、前記二次元画像上の所定の閾値より大きなエコー強度の一かたまりの分布に対応する前記欠陥の仮想位置の範囲に基づき、前記被検体の表面一方向及び厚さ方向のそれぞれにおける前記欠陥の実範囲又は/及び実中心位置を演算処理することを特徴とする超音波検査装置。
  11. 請求項7記載の超音波検査装置において、
    前記送信素子群を含む複数の素子を有する送信用アレイ探触子と、
    前記受信素子群を含む複数の素子を有する受信用アレイ探触子とを備え、
    前記伝播経路制御部は、
    前記被検体の表面一方向及び厚さ方向における前記欠陥の仮想位置の変更に応じて、前記送信用アレイ探触子と前記受信用アレイ探触子を機械的に移動させて超音波の送信位置及び受信位置を可変制御し、
    前記欠陥の仮想傾斜角の変更に応じて、前記送信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記送信素子群を電子的に選択して超音波の送信位置を可変制御し、前記送信素子群を構成する各素子の送信タイミングを制御して超音波の送信角を可変制御し、前記受信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記受信素子群を電子的に選択して超音波の受信位置を可変制御し、前記受信素子群を構成する各素子の受信タイミングを制御して超音波の受信角を可変制御することを特徴とする超音波検査装置。
  12. 請求項7記載の超音波検査装置において、
    前記送信素子群及び前記受信素子群を含む複数の素子を有する送受信用アレイ探触子を備え、
    前記伝播経路制御部は、
    前記被検体の表面一方向における前記欠陥の仮想位置の変更に応じて、前記送受信用アレイ探触子を機械的に移動させて超音波の送信位置及び受信位置を可変制御し、
    前記被検体の厚さ方向における前記欠陥の仮想位置の変更に応じて、前記送受信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記送信素子群を電子的に選択して超音波の送信位置を可変制御し、前記送受信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記受信素子群を電子的に選択して超音波の受信位置を可変制御し、
    前記欠陥の仮想傾斜角の変更に応じて、前記送受信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記送信素子群を電子的に選択して超音波の送信位置を可変制御し、前記送信素子群を構成する各素子の送信タイミングを制御して超音波の送信角を可変制御し、前記送受信用アレイ探触子を構成する前記複数の素子から前記受信素子群を電子的に選択して超音波の受信位置を可変制御し、前記受信素子群を構成する各素子の受信タイミングを制御して超音波の受信角を可変制御することを特徴とする超音波検査装置。
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