JP2016050193A - ヘリコバクター・ピロリの除菌用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 胃炎、消化性潰瘍および/または胃がん等の疾患の原因とされているヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)の除菌用組成物を提供する。
【解決手段】 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobactor pylori)で免疫した哺乳動物の初乳、常乳または血清あるいはそれらから単離したヘリコバクター・ピロリ抗体および補体を含有するヘリコバクター・ピロリの除菌用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、胃炎、消化性潰瘍および/または胃がん等の疾患の原因とされているヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)の除菌用組成物に関する。
ヘリコバクター・ピロリは、1983年にウォレンとマーシャルにより発見されたヒト等の胃の内部に生息している細菌であり、これまでに、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃がん等の疾患の要因として関連していることが明らかになってきている。
これらの疾患の治療および予防の観点から、ヘリコバクター・ピロリの除菌を行うことは極めて有効かつ必要であり、現在、ヘリコバクター・ピロリの除菌は、プロトンポンプ阻害剤と2種の抗菌剤を組み合わせて投与することにより行われている。しかし、これらの薬剤を用いる除菌法では、耐性菌の出現により除菌率が低下するなどの問題が報告されている。
これに代わるヘリコバクター・ピロリの除菌法として、ウシ免疫初乳抗体を利用することも提案されている。
例えば、特許文献1には、ヒトの胃内に存在する細菌であるヘリコバクター・ピロリに特異的に結合する非変性免疫グロブリンおよび薬理学的および/または栄養学的に許容し得る担体をヘリコバクター・ピロリに伴う胃炎の治療に用いることが提案されているが、ヘリコバクター・ピロリの除菌率は十分ではなかった。
また、非特許文献1には、未処理の牛(非免疫牛)の血清およびヘリコバクター・ピロリを4〜5回免疫した牛(免疫牛)の血清について、これらがヘリコバクター・ピロリに対して抗菌作用を有するか否かをin vitroで検討している。その結果、非免疫牛の非加熱血清および免疫牛の非加熱血清のいずれもがヘリコバクター・ピロリの増殖を検出限界以下に抑制したと報告している。また、ヘリコバクター・ピロリで免疫した牛および非免疫牛の血清、初乳ならびに常乳のヘリコバクター・ピロリに対する抗菌活性について検討した結果では、免疫された牛ならびに非免疫牛の非加熱と加熱した血清と初乳には共に抗菌活性が存在するが、血清と初乳では免疫しても抗菌活性が増強しなかったことおよび抗菌活性は抗体の力価とは関連しなかったことを報告している。すなわち、この論文ではヘリコバクター・ピロリに対する抗体の有無に関係なく抗菌活性があると報告しており、その活性は、抗体によるものではなくリゾチームのような抗菌物質によって発現されていると推察される。
特許第2968095号
Journal of Applied Bacteriology 1995,78, 655-662
本発明は、胃炎、消化性潰瘍および/または胃がん等の疾患の要因に関連の深いヘリコバクター・ピロリを除菌することにより、これらの疾患の治療および予防を図ることのできる除菌用組成物を提供することを目的とするものである。
本発明は、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobactor pylori)で免疫し、ヘリコバクター・ピロリに対する高い抗体活性を有する哺乳動物(ウシなど)の初乳、常乳または血清あるいはそれらから単離したヘリコバクター・ピロリ抗体と補体を含有するヘリコバクター・ピロリの除菌用組成物に関する。
すなわち、本発明には、以下の態様が含まれる。
(1)ヘリコバクター・ピロリで免疫し、ヘリコバクター・ピロリに対する高い抗体活性を有する哺乳動物の初乳、常乳または血清あるいはそれらから単離したヘリコバクター・ピロリ抗体および補体を含有するヘリコバクター・ピロリの除菌用組成物。
(2)哺乳動物がウシである上記1の除菌用組成物。
(3)ヘリコバクター・ピロリでの免疫が6回以上行われたものであることを特徴とする上記1または2の除菌用組成物。
(4)ヘリコバクター・ピロリでの免疫が12〜18回行われたものであることを特徴とする上記1〜3の除菌用組成物。
(5)ヘリコバクター・ピロリに対するIFA抗体価が1:8〜1:512、あるいはそれ以上の力価を有する抗体を含む上記1〜3の除菌用組成物。
(6)液体製剤、粉末製剤、錠剤またはカプセル製剤の形態である上記1〜5の除菌用組成物。
本発明の除菌用組成物は、ヘリコバクター・ピロリの高い除菌率を示し、しかもこの高い除菌率を短期間の投与で達成することができる。
本発明者らは、ヘリコバクター・ピロリで免疫した哺乳動物の初乳、例えばウシの初乳、および血清からの抗体を反復投与するin vivo試験により、2か月間の投与で90%以上のヘリコバクター・ピロリを除菌できることを確認した。これは、これはプロトンポンプ阻害剤と2種の抗菌剤を組み合わせて投与した場合の成績に匹敵する効果である。
さらに、驚くべきことには、ウシの免疫初乳抗体または血清抗体と補体を併用した場合には、わずか3日間の投与でヘリコバクター・ピロリを75〜100%除菌できることが確認できた。これらの方法は、これまでの薬剤投与による方法と異なり、耐性菌の出現の可能性が全くないという点でも優れている。さらに、何度でも反復応用が可能な点も、薬剤投与による方法よりも優れている。
本発明においては、ヘリコバクター・ピロリを免疫した哺乳動物、例えばウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ラクダ、ウサギ等、から採取した初乳、常乳から得られる乳清が免疫初乳抗体、免疫常乳抗体として、またヘリコバクター・ピロリを免疫した哺乳動物からの血清が血清抗体として、使用される。哺乳動物としては、ウシ、ヤギ、ヒツジ等が好ましく、牛、例えば乳牛が特に好ましい。本発明で使用するヘリコバクター・ピロリは、例えばATCC(American Type Culture Collection)のような生物資源バンクから、例えばATCC株26695として入手することができる。
本発明においては、初乳抗体の場合には、ヘリコバクター・ピロリを、分娩前のウシなどの哺乳動物の血管、皮内、皮下、筋肉内等へ免疫し、分娩後に採取した初乳を遠心分離して得られる脱脂乳からカゼインを取り除いて得られた乳清等を免疫初乳抗体として使用することができる。常乳中の抗体も同様にして除菌に使用することができる。
血清抗体の場合には、ヘリコバクター・ピロリをウシなどの哺乳動物の血管、皮内、皮下、筋肉内等へ免疫し、抗体価が上昇したのちに採取した血液を凝固させたのちに、遠心分離することによって細胞成分を除いて血清抗体を得ることができる。
本発明においては、ヘリコバクター・ピロリでの免疫は、6回以上、好ましくは8回以上、さらに好ましくは、10回以上または12回以上行われ、特に好ましくは12〜18回程度免疫が行われる。免疫回数が少ない場合、例えば5回以下では、高い抗体価の抗体を得ることが困難なために、in vivoで十分な除菌効果を得ることができない。
本発明において免疫初乳抗体と併用される補体としては、ウシの血清を用いることができる。例えば、健康なウシ(乳牛)から採取した血液から得られた液状成分を遠心分離することによって細胞成分を除いて、新鮮な血清を得ることができる。他方、抗凝固剤を加えて採取した血液から得た新鮮血漿も補体として使用できる。
本発明の除菌用組成物は、ヘリコバクター・ピロリ抗体と補体を単独で、或いはこれらを薬理学的に許容し得る担体と組み合わせて用いることができる。本発明の除菌用組成物の投与形態は、液体製剤、粉末製剤、錠剤、カプセル製剤等の通常の医薬組成物で使用されるいずれの形態であってよいが、乳清として採取したヘリコバクター・ピロリ抗体と採取した補体を、液体製剤として投与するのが好ましい。
ヘリコバクター・ピロリ抗体と補体の投与量は、患者の症状等に応じて変更することができるが、ヘリコバクター・ピロリ抗体として、患者の体重あたり0.1〜1.0mL/Kg、好ましくは0.2〜0.8mL/Kg、特に好ましくは0.3〜0.5mL/Kgの範囲で、1日1〜4回程度投与するのが好ましい。
ヘリコバクター・ピロリ抗体と併用する補体の量は、抗体に対して0.1〜10倍、好ましくは0.5〜2倍であるが、ほぼ同程度の量とするのが最も好ましい。
次に、実施例および試験例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例および試験例のみに限定されるものではない
実施例1
ヘリコバクター・ピロリで免疫したウシの免疫初乳抗体の製造
ブレインハートインフージョン培地(BHI培地)で培養したヘリコバクター・ピロリを、滅菌生理食塩水で1×106〜1×107CFU(Colony forming unit)/mLに調製した。このヘリコバクター・ピロリ抗原とフロイントの完全アジュバントを等量ずつ混和して調製したエマルジョン1mLを乳牛の皮内10箇所へ分けて免疫した。この免疫は、分娩約4か月前の乳牛へ週に1回、計14回行った。分娩後、5日までの初乳を採取した。
採取した初乳130Lを低速遠心(1000×g、20分間)して上層の脂肪と下層の細胞成分を除去し、中間層の脱脂乳を得た。室温(25℃前後)に置いた脱脂乳あるいは37℃に加温した脱脂乳1000mLに対してレンネット(ICNiochemicals Inc., OH, USA)を100mgの割合で加えて混和し、カゼインを凝固させるために室温に1晩静置した。凝固したカゼインを取り除くために遠心(2000×g、15分間)を行い、上清の乳清を免疫初乳抗体として70L採取し、本実験に用いた。
この乳清を分離する方法は、Edkins(Edkins J.S. : The changes produced in casein by the action of pancreatic and rennet extracts. The Journal of physiology, 12,
193-219. 1891)の手法に従った。
実施例2
ヘリコバクター・ピロリに対する血清抗体の製造
雄の乳牛(4か月齢)にヘリコバクター・ピロリ1×107CFU/mLを12回免疫し、ヘリコバクター・ピロリに対する抗体(ウシ抗ヘリコバクター・ピロリ抗体)を作製した。この抗体の抗体価は、蛍光抗体法間接法(IFA法)による測定でIFA価が1:64(参考までに免疫初乳抗体のIFA抗体価は1:32であった)であった。
実施例3
新鮮血清(補体)の採取
健康なウシ(乳牛)から採取した血液600mLを、室温(25℃前後)に1時間静置して凝固させ、その後、2〜4℃下に2〜3時間静置して血餅を収縮させて得られた液状成分を遠心(2000×g、15分間)し、細胞成分を除いて血清約300mLを得た。得られたこれらの新鮮血清は、直ちに5mLずつに小分けして使用時まで−80℃に凍結保存した。
同様な方法によって、ヒトおよびモルモットの新鮮血清を補体として得た。
[除菌効果の測定方法]
スナネズミへの各種液状成分の投与あるいはヘリコバクター・ピロリの接種には、全て経口ゾンデを用いた。ヘリコバクター・ピロリの除菌に関する実験には、5〜10週齢のスナネズミ(106匹)を用いた。スナネズミへのヘリコバクター・ピロリの接種は、感染が成立しやすくするために0.1%重曹0.3mLを投与して胃内のpHを中性付近に調整後、5×107CFUのヘリコバクター・ピロリを1日に1回、2日間接種した。
その2週間後に、ELISAによって、ヘリコバクター・ピロリに対する血中のIgMおよびIgG抗体価の上昇から感染の成立が確認できたスナネズミを除菌の実験に用いた。なお、このヘリコバクター・ピロリに対するIgGおよびIgMクラスの抗体価の上昇が、ヘリコバクター・ピロリ感染成立の指標となることは、別な実験で確認済みである。
除菌処置を施したスナネズミは、除菌処置終了後1か月間は無処理で通常どおりに飼育し、1か月後に安楽死させ、胃のホモジネート10μlをウマ血清加BHI培地に塗抹して37℃、微好気環境下で7日間培養した後に、ヘリコバクター・ピロリのコロニー形成の有無によって除菌効果を判定した。
試験例1
ウシの免疫初乳抗体のみによる除菌実験
ウシの免疫初乳抗体のみによる除菌実験では、抗体が機能を発揮できる胃内環境を整えるためにスナネズミへ0.1%重曹0.3mLを投与して胃内のpHを中性付近に調整した後に、実施例1で得られたウシの免疫初乳抗体0.5mLを1日2回、1か月間または2か月間経口投与した。対照群へは、免疫初乳抗体の代わりにヘリコバクター・ピロリに対する抗体を含まない別の乳牛の初乳乳清を同量投与した。
結果を表1に示す。
Figure 2016050193
表1から明らかなとおり、ヘリコバクター・ピロリの除菌率は、ウシの免疫初乳抗体1か月間投与群で83%(10/12例)、2か月間投与群では92%(11/12例)と高い値を示しているのに対し、対照群の除菌率はいずれも0%(0/6例)であった。
本実験に用いた免疫初乳抗体は、IFAでヘリコバクター・ピロリの菌体と鞭毛の両方に対する抗体活性を有していたことから、抗体分子がヘリコバクター・ピロリの菌体や鞭毛へ結合することによってヘリコバクター・ピロリの運動性や胃粘膜への定着の阻害に加えてヘリコバクター・ピロリとの免疫複合体が形成されて排泄が促進され、除菌効果が発現されたものと考えられた。
試験例2
ウシの免疫初乳抗体と補体とによる除菌実験
ウシの免疫初乳抗体と補体とによる除菌実験では、上記のウシの免疫初乳抗体のみによる除菌処置の場合と同様に、スナネズミへ0.1%重曹0.3mL投与後、実施例1で得られた免疫初乳抗体および実施例3で得られたウシ血清からなる補体をそれぞれ0.5mL、1日2回、2日間および3日間経口投与した。対照群のスナネズミへは、免疫初乳抗体と56℃で30分間加熱して不活化した補体を実験群と同じ条件で投与した。
結果を表2に示す。
Figure 2016050193
表2から明らかなとおり、ウシの免疫初乳抗体と補体の2日間投与群で83%(10/12例)、3日間投与群では100%(12/12例)という短期間で高い除菌効果が認められた。これらの対照群における除菌率は、いずれも0%(0/11例)であった。
in vitroで、ヘリコバクター・ピロリへ免疫初乳抗体とウシ血清からなる補体とを作用させた場合に、ヘリコバクター・ピロリが強く傷害(溶菌)される現象が確認されたことから、胃内においても、in vitroと同様に、活性化された補体によってヘリコバクター・ピロリの菌体が傷害された結果、短期間で強い除菌効果が発現したと考えられた。
ウシ血清に代えて、ヒトおよびモルモットの血清を補体として使用したin vitroの実験でも有効性が確認されたが、ウシの場合に比べれば細胞傷害作用が弱かったことから、ウシの免疫初乳抗体にはウシ血清からなる補体が特に有効であるといえる。
試験例3
ヘリコバクター・ピロリに対する血清抗体と補体(新鮮ウシ血清)とを用いたヘリコバクター・ピロリの除菌実験
本除菌実験は、免疫初乳抗体と補体とを用いた実験と全く同じ条件で実施した。
除菌効果:
ヘリコバクター・ピロリの感染が確認されたスナネズミへヘリコバクター・ピロリに対する血清抗体と補体とを1日2回、2日間および3日間投与した結果、表3に示す通り、2日間投与群ならびに3日間投与群ともに12例中9例(75%)でヘリコバクター・ピロリの除菌が確認された(対照群については、表2参照)。
これらの結果から、胃内のヘリコバクター・ピロリの除菌には、ヘリコバクター・ピロリで免疫したウシなどの免疫初乳抗体および血清中の抗体の両方が、ウシ血清である補体の存在下で、有効に補体を活性化させて、ヘリコバクター・ピロリを傷害し、除菌することが確認された。
Figure 2016050193
試験例4
ヘリコバクター・ピロリで免疫した牛(免疫牛)および非免疫牛の初乳ならびにヘリコバクター・ピロリで免疫した牛(免疫牛)と非免疫牛の血清から、プロテインG−セファロース4Bカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーによって、それぞれのIgG(抗体)を分離し、これらのIgGがin vitroで補体を活性化してヘリコバクター・ピロリを傷害するか否かを培養系で確認した。その結果を次の表4に示す。
Figure 2016050193
ヘリコバクター・ピロリに対する抗体活性を有している牛(免疫牛)の初乳および血清から分離したIgGと補体との組合せでは、in vitroでヘリコバクター・ピロリの傷害作用が強く発現された。他方、非免疫牛の初乳および血清から分離したIgGと補体との組合せでヘリコバクター・ピロリの傷害作用が全く発現されなかった。
これらの結果は、免疫牛由来のIgG抗体がヘリコバクター・ピロリに反応(結合)して免疫複合体を形成した結果、補体が活性化されてヘリコバクター・ピロリを傷害したことを裏付けるものである。他方、非免疫牛由来のIgGは、ヘリコバクター・ピロリに結合できないので免疫複合体が形成されず、そのため補体が活性化されないのでヘリコバクター・ピロリを傷害することができなかったと容易に解釈することができる。
このように、本請求の原理は、ヘリコバクター・ピロリの菌体および鞭毛に対する抗体がin vivoとin vitroの両方においてヘリコバクター・ピロリと結合して免疫複合体を形成すると補体が活性化されてヘリコバクター・ピロリを傷害するものである。その結果として、in vivoにおけるヘリコバクター・ピロリの除菌作用が発現する訳で、乳汁あるいは血清中に生理学的に含有されているリゾチームのような抗菌物質によるヘリコバクター・ピロリの傷害とは全く作用原理が異なるものである。
本発明の組成物は、ヒトを含む哺乳動物の胃内に存在し、胃炎、消化性潰瘍または胃がんの要因になり得ると考えられているヘリコバクター・ピロリの除菌に有用である。
ヒトのヘリコバクター・ピロリの除菌治療においては、薬剤耐性菌の出現による除菌率の低下および薬剤に対する過敏症患者への薬剤投与が問題となっている。それに対して、免疫初乳抗体、免疫常乳抗体または免疫血清抗体と補体とを用いる方法は、耐性菌出現の恐れが全くなく、反復投与ができる有用なヘリコバクター・ピロリの除菌法として応用が可能である。特に、胃内で補体を活性化させる方法は、初めての試みであるが極めて有効性が高く、しかも短期間で除菌が可能であるので、薬剤治療で除菌ができない患者に対しても有用な治療法となり得ることが期待される。

Claims (6)

  1. ヘリコバクター・ピロリで免疫した哺乳動物の初乳、常乳または血清あるいはそれらから単離したヘリコバクター・ピロリ抗体および補体を含有するヘリコバクター・ピロリの除菌用組成物。
  2. 哺乳動物がウシである請求項1に記載の除菌用組成物。
  3. ヘリコバクター・ピロリでの免疫が6回以上行われたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の除菌用組成物。
  4. ヘリコバクター・ピロリでの免疫が12〜18回行われたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の除菌用組成物。
  5. ヘリコバクター・ピロリに対するIFA抗体価が1:8〜1:512、あるいはそれ以上の力価を有する抗体を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の除菌用組成物。
  6. 液体製剤、粉末製剤、錠剤またはカプセル製剤の形態である請求項1〜5のいずれか1項に記載の除菌用組成物。
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