JPH08502718A - 抗炎症因子、その単離方法、および用途 - Google Patents

抗炎症因子、その単離方法、および用途

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JPH08502718A JP3514820A JP51482091A JPH08502718A JP H08502718 A JPH08502718 A JP H08502718A JP 3514820 A JP3514820 A JP 3514820A JP 51482091 A JP51482091 A JP 51482091A JP H08502718 A JPH08502718 A JP H08502718A
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Abstract

(57)【要約】 この発明は、産乳動物から採取したミルクから単離した実質上純粋な形の抗炎症因子、この因子の精製、同定、および特性決定、ならびに抗炎症因子の抗炎症有効量を動物へ投与することを含む動物における炎症の処置方法に関するものである。好ましい実施態様ではこの因子を、超免疫状態に維持した産乳動物によって生産されたミルクから単離する。

Description

【発明の詳細な説明】 抗炎症因子、その単離方法、および用途 この出願は米国特許出願第384625号(1982年6月3日出願、現在出 願放棄)の1部継続出願であり、米国特許第4636384号(1983年10 月27日出願)の分割出願である米国特許第4897265号(1987年1月 9日出願)の1部継続出願である米国特許第4956349号(1988年4月 4日出願)および米国特許出願第910297号[1986年9月17日出願( 米国特許出願第576001号(1983年2月1日出願、現在出願放棄)のフ ァイルラッパー継続出願)]の1部継続出願である。これらは引用することによ り本明細書に完全に包含させる。 [発明の背景] [発明の分野] この発明は抗炎症因子(AF)、その実質上純粋な形の生産方法、および炎症 処置におけるその使用方法に関するものである。 [従来技術の説明] ドーランドズ・メジカル・ディクショナリーで定義されているように、炎症と は「組織に障害または破壊があったとき、有害な薬剤および障害された組織を双 方とも破壊、希薄化、または隔離するように誘発された局所的な保護反応」であ る。炎症は、微小血管構造の開孔、血液成分の細胞間質腔への溢出、および白血 球の炎症組織への遊走を特徴とする。通常これは肉眼的に、発赤、浮腫、圧痛( 痛覚過敏)および疼痛等のよく知られた臨床徴候を伴う。この複雑な反応の過程 で、ヒスタミン、5−ヒドロキシトリプタミン、各種の化学走性因子、ブラジキ ニン、ロイコトリエン、およびプロスタグランジンのような化学的伝達物質が局 所的に遊離される。食細胞が炎症領域に移動し、細胞リソソーム膜が破れ、分解 系酵素を放出し得る。これらすべての事象は炎症性反応に関係する。 慢性関節リウマチの患者の炎症は、恐らく抗原(γ−グロブリン)が抗体(リ ウマトイド因子)および補体と結合して、局所的に化学走性因子が放出され、白 血球を誘引することに起因する。白血球は抗原、抗体、および補体の複合体を貪 食し、同時にリソソームに含まれている多種類の酵素を放出する。ついでこれら のリソソーム酵素は軟骨およびその他の組織に損傷を起し、これによって炎症の 程度をさらに悪化させる。また細胞性免疫反応も起る。この過程が進行するとき プロスタグランジンも放出される。 炎症中に生じると考えられるプロスタグランジン類は、発赤および局所的な血 流の増加を起す。一般にプロスタグランジン類の2つの重要な血管効果は、他の 炎症媒介因子、即ち、長時間持続する血管拡張因子の作用、ならびにノルエピネ フリンおよびアンジオテンシンのような物質の血管収縮因子効果に対抗する容量 により分担されない。 多数の炎症媒介因子は、毛細血管後および集合細静脈の血管透過性(溢出)を 増大する。また白血球の炎症領域への遊走は炎症反応の重要な特徴である。 アルサス反応は、皮下部位で、抗原がその抗原に対する抗体と結合して免疫複 合体を形成することによって生じた炎症反応である。好中球は、皮下注射部位で 生成した免疫複合体のFc部分へ特徴的に付着し、そこで消化酵素を放出して、 目に見える急性の炎症を起す。即ち反応はまず好中球を介し、反応を発現する因 子のこれらの細胞に対する効果を介して起る。 因子が、血管から炎症部位への好中球遊走を妨害するには幾つかの経路がある 。考えられる1つの経路は辺縁趨行(マージネーション)、即ち血管壁に並んで いる内皮細胞への炎症細胞の可逆的な「粘着」の阻止である。正常状態では好中 球の約50%が可逆的に粘着するが、急性の炎症反応の過程では、粘着ははるか に強力となり、これが好中球遊走過程のキー段階である。プロスタグランジン類 は化学走性反応に直接関与しないようであるが、アラキドン酸代謝の別の生産物 、ロイコトリエンは極めて強力な化学走性物質である。 抗炎症反応は上記の定義のような炎症によって特徴付けられる任意の反応であ る。炎症反応が多くの生理的不快、即ち、疼痛およびさまざまな疾患および損傷 に伴って現れる機能喪失を起すことは医学に携わる当業者の周知のことである。 従って炎症反応を緩和する効果を有する薬理的薬剤を投与することは、普通一般 の医療行為である。これらの特性を有する薬剤は抗炎症薬として分類される。抗 炎症薬は広範なスペクトルの疾患の処置に使用され、しばしば同一の薬物がさま ざまな疾患の処置に使用される。抗炎症薬による処置は疾患に対する処置ではな く、症状、即ち炎症の処置であることが最も多い。 抗炎症薬、鎮痛薬、解熱薬は異質な化合物群であり、化学的に無縁であること が多いにもかかわらず、ある種の治療作用および副作用を共有する。コルチコス テロイド類は抗炎症反応の処置に最も広く使用される化合物群に属するものであ る。タンパク分解酵素は抗炎症効果を有すると考えられるもう1つの化合物群で ある。副腎皮質に直接または間接に作用してステロイドを産生し、分泌を起すホ ルモン類は、もう1つの抗炎症性化合物に属するものである。多数の非ホルモン 系抗炎症薬が報告されている。これらのうち、最も広く使用されているのはサリ チレート類である。アセチルサリチル酸、即ちアスピリンは最も広く処方される 鎮痛、解熱、抗炎症薬である。ステロイド系および非ステロイド系抗炎症薬の例 は、フィジシャンズ・デスク・レファランス、1987に列挙されている(それ らの製剤のリストは207〜208頁を参照)。 天然および合成コルチコステロイド製剤は、血圧の上昇、塩類および水分の貯 留、カリウムおよびカルシウム排泄の増加等を含む多くの重篤な副作用を起す。 そのうえコルチコステロイド類は感染の徴候をマスクし、感染性微生物の播種を 増大する。これらのホルモン類は、妊娠中の婦人への使用に安全と見なされては おらず、長期のコルチコステロイド処置は胃酸分泌過多および/または胃潰瘍を 伴う。またこれらの化合物による処置は糖尿病を悪化するので、インスリンの一 層高い投与量を必要とし、また精神障害を惹起し得る。内在性コルチコステロイ ドの産生を間接的に増大するホルモン系抗炎症薬は、これと同じ有害な副作用の 可能性がある。 非ホルモン系抗炎症薬は、高投与量で多種多様な好ましくない副作用を伴う有 害であり得る合成生化学的な化合物である。例えばサリチレートは、この部類の 化合物による中毒の特徴である重篤な酸塩基平衡失調をもたらす。サリチレート は直接・間接に呼吸を刺激する。サリチレートの毒性量では、血管運動抑制に続 発する中枢性呼吸麻痺、およひ循環虚脱をひき起す。サリチレートの服用は心窩 部痛、悪心、嘔吐を生じ得る。サリチレートによって起る消化管出血はよく知ら れている。サリチレートは肝障害を起こし、血液凝固時間の延長をもたらす。従 ってサリチレートによる血小板止血の阻害は出血破綻を来たすから、アスピリン は重篤な肝障害、低プロトロンビン血症、ビタミンK欠乏症、または血友病患者 では投与すべきでない。サリチレート中毒は日常的に起ることで、アメリカ合衆 国では、毎年10000例以上の重篤なサリチレート中毒があり、その幾例かは 致死的で、多くは小児で起る[グッドマンおよびギルマン、ザ・ファーマコロジ カル・ベーシス・オブ・セラピューティックス、第7版、1985年、参照]。 従って現在入手可能な抗炎症薬が多数あるにもかかわらず、副作用および有害反 応が全くない安全かつ有効な抗炎症薬製品の必要性は今日もなお存在する。 もし天然食品生産物、例えばミルクから誘導された製品のようなもので抗炎症 効果を有するものが得られたら、容易に投与でき、容易に入手可能で安全な治療 用組成物であろう。 種々の治療効果を有するミルクの生産が先行技術で報告されている。例えばベ ックは、ストレプトコッカス・ミュータンスに対する抗体を含んでいるう歯抑制 効果を有するミルクを報告した(米国特許第4324782号)。このミルクは ストレプトコッカス・ミュータンス抗原でウシを2段階で免疫し、治療用ミルク を得ることにより入手される。 ストールらは、超免疫状態で維持したウシから採取したミルクを動物へ投与す ることからなる動物における喫煙に伴う血管疾患または肺疾患の処置方法を報告 した(米国特許第4636384号)。ベックは、抗炎症因子産生状態で維持し たウシから採取したミルクの抗炎症有効量を動物へ投与することからなる動物に おける炎症の処置方法を報告した(米国特許第4284623号)。ハインバッ ハ(米国特許第3128230号)は、抗原混合物をウシに接種することによる α−、β−、γ−成分からなるグロブリンを含有するミルクを報告した。またピ ーターソンら(米国特許第3376198号)、ホルム(米国特許出願公開第6 28987号)、タナーら(英国特許第1211876号)、およびS.A.ビ オケマ(英国特許第1442283号)も、抗体含有ミルクを報告している。 然し上記の参考文献中で、所望の治療効果を生じる治療用ミルク成分(複数も あり)の本質を報告したものはない。例えばベック(米国特許第4284623 号)が治療用手段として使用したミルク生産物は液体全乳、液体無脂肪乳漿、ま たは全乳粉末の何れかからなる。これらのミルク生産物は何れも抗炎症作用を有 しているが、実際に治療効果を提供する因子(複数もあり)は、まだ単離もしく は同定されていない。 [発明の要約] この発明は、単離し、精製した抗炎症性ミルク生産物が動物における疾患の抗 炎症処置に最も有用であるという発明者らの考察に基づいている。 これを念頭においてこの発明は、超免疫ウシ科のミルクの抗炎症因子[以下、 ミルク抗炎症因子(MAIF)と呼ぶ]を単離し、部分精製し、その特性を決定 した。 従ってこの発明は、特定の多価抗原に対してあらかじめ超免疫した産乳動物の ミルクから単離し、精製したミルク抗炎症因子を含む。この因子は、抗炎症効果 を生じるのに十分な量および計画のもとで単離し、精製し、投与すると、炎症状 態に対して有効である。超免疫したウシのミルクから活性因子が単離できたこと は、正常なウシのミルク中にも、MAIFが少量ながら存在するという予想外な 発見につながった。正常なウシのミルク中のMAIF濃度が、認め得る抗炎症特 性をミルクへ付与するにはあまりに低い事実のため、この発見は隠されたままに なっていた。ところが正常なミルクのMAIFは、この発明の単離方法によって 濃縮すると、炎症を処置するのに有効に使用できる。 この発明はさらに、細胞性炎症反応の遮断手段として、細胞性炎症反応を有効 に遮断し得るのに十分な超免疫ミルク因子の遮断量を動物へ投与することによる 精製したMAIFの用途を含む。遮断量とは、特に炎症細胞が好中球であるとき 、炎症細胞の移動を阻止するのに十分な量である。またMAIFはアルサス反応 中に起る炎症反応を阻止するのに使用する。またMAIFは動物の感染に起因す る細胞性炎症反応を阻止するのに使用できる。MAIFはまた、APR放出から 生じた細胞性炎症反応を遮断する手段として使用できる。MAIFはまた、超免 疫ミルク因子の有効遮断量を動物へ投与することにより、動物におけるサイトカ イン作用を阻害するのに使用できる。上記のサイトカイン作用の阻害は、炎症細 胞の受容体で起る。MAIFはまた、好中球の内皮細胞への粘着を防止するのに 使用し得る。この使用はMAIFの遮断量を動物へ投与することからなり、ここ で遮断量とは粘着を防止するのに十分有効な投与量である。MAIFは都合よく 静脈内に投与される。 [図面の説明] この発明およびそれに付随する多くの利点について一層完全な理解を容易にす るため、以下、添付図面について詳細に説明する。 第1図:好ましい方法の段階2、DEAE−セルロース・カラムを用いたイオ ン交換クロマトグラフィーによるMAIFの単離。 第2図:好ましい方法の段階3、セファデックスG−10モレキュラーシーブ ・カラムを用いたDEAE−セルロース・クロマトグラフィー(第1図)からの MAIFピーク(2番目)の分別。 第3図:ラットのカラゲニン誘発浮腫に対する免疫ミルクの効果(足蹠重量、 %対照足蹠、平均値±sem、n=10)。 第4図:ラットの肉跳浮腫に対する腹腔内MAIFの効果(μ1、平均値±S D、n=6)。 第5図:ラットの足蹠浮腫試験におけるMAIF腹腔内投与の用量−反応曲線 (%対照、平均値±SD、n=6)。 第6図:ラットの肉趾浮腫に対する超免疫ミルク因子(MAIF):プラセボ (ラクトース)の効果(対照の%、平均値±SD、n=6)。 第7図:ラットの肉趾浮腫に対する静注および経口MAIFの効果(対照の% 、平均値±SD、n=6)。 第8図:ラットの肉趾浮腫に対するMAIF静注低投与量の効果(対照の%、 平均値±SD、n=6)。 第9図:ラットの足蹠浮腫試験におけるMAIF静注の用量−反応曲線(対照 の%、平均値±SD、n=6)。 第10図:操作1、双子の動物群/限外濾過実験(平均対照浮腫に対する%、 平均値±SD、n=6)。 第11図:操作2、双子の動物群/限外濾過実験(平均対照浮腫に対する%、 平均値±SD、n=6)。 第12図:操作3、双子の動物群/限外濾過実験(平均対照浮腫に対する%、 平均値±SD,n=6)。 第13図:ラットの肉趾浮腫の阻止に対する種々のMAIF処置の効果(肉趾 浮腫(μ1)、平均値±SD、n=6)。 第14図:ラットの肉趾浮腫の阻止に対するMAIF画分および免疫wpcの 効果(肉趾浮腫(μ1)、平均値±SD,n=6)。 第15図:ラット肉趾のカラゲニン反応に対する5種の異なった麻酔の効果。 浮腫の蓄積を同一動物で特定の間隔でモニターした(各測定値はn=6)。 第16図:ラット肉趾のカラゲニン反応の2相性の証明(各測定値はn=5、 麻酔薬としてエーテルを使用)。 第17図:エーテル麻酔したラットで、ラット1匹当たり5mg(A)および 40mg(B)のMAIF投与はカラゲニンによる炎症反応を阻止しない(各測定 値はn=4)。 第18図:MAIF40mg静注による2次性、食細胞性反応中のカラゲニン誘 発浮腫蓄積の抑制[カラゲニン誘発(0時間)、各測定値は対照群:n=12、 MAIF処置群:n=10]。 第19図:MAIF(異なった時間で、ラット1匹当たり4mgを静注投与) のラット肉趾におけるカラゲニン反応に対する効果(全例とも誘発4時間後に浮 腫を検査、各測定値はn=12)。 第20図:MAIF (20mg静注)の逆受動アルサス反応に対する効果(* *=p<0.01、**=p<0.05)。 第21図:血管構造から皮下に埋め込んだ滅菌スポンジへ移動する好中球の移 動能に対するMAIF投与量減少の効果(*=p<0.01)。 第22図:皮下に埋め込んだスポンジへ蓄積する炎症細胞の蓄積能を阻止する MAIF(ラット1匹当たり20mg投与)の埋め込み時、および埋め込み後12 0分までの効果(*=p<0.01)。 第23図:正常動物で皮下へ埋め込んだスポンジへの細胞炎症性浸潤の時間的 経過。 第24図:MAIF投与(40mg静注)の注射後24時間における循環好中球 数およびリンパ球数に対する効果。 第25図:MAIF静注投与と循環好中球数との間の用量−反応相関関係(p <0.01)。 第26図:MAIF(40mg静注)による感染誘発浮腫の抑制。2群の平均値 は対照群:87±22μ1、MAIF:4 5±17μ1(p<0.01)。 第27図:静注投与したMAIF(ラット1匹当たり40mg)の細菌複製およ び皮下へ埋め込んだエシェリキア・コリ感染スポンジに対する効果。 第28図:MAIF(ラット1匹当たり40mg静注)による感染スポンジへの 炎症性細胞浸潤の抑制。 第29図:MAIF(ラット1匹当たり40mg静注)のエシェリキア・コリ感 染スポンジにおける炎症液蓄積の中間相(4〜16時間)抑制に対する効果。 第30図:静注投与(40mg)したMAIFの誘発時および48時間後の実験 的腎盂腎炎の病原に対する効果。左側グラフの点線は平均バックグラウンド腎重 量を表す(*=p<0.01、**=p<0.02)。 [好ましい実施態様の説明] この発明はMAIFの単離および精製、および疾患を抗炎症処置する目的でM AIFを動物へ投与することを含む。 「ミルク抗炎症因子(MAIF)」の語は、超免疫ミルクまたは正常なウシの ミルクの何れかから得られた因子をいう。「実質上純粋なMAIF」の語は、こ の発明の目的のために、高分子量の物質(>10000ダルトン)を除去し、低 分子量のイオン交換クロマトグラフィーによって負に荷電した種を単離したのち 、HPLCクロマトグラフィーで単一な主要対称ピークとして溶出する抗炎症因 子をいう。正常ミルクおよび超免疫ミルクの双方とも、本明細書で報告した方法 で処理することによってMAIFを得ることができる。 「超免疫ミルク」の語は、この発明の目的のために、超免疫状態で維持した産 乳動物から得られたミルクであって、超免疫に関する詳細は、以下にさらに詳細 に説明する。 「乳漿(ホエイ)」の語は、この発明の目的のために、乳脂を除去したミルク を表す。 「正常ミルク」の語は、この発明の目的のために、通常の手段で乳業を行うこ とにより産乳動物から得られるミルクをいう。 「産乳動物」の語は、この発明の目的のために、商業的に実施可能な量でミル クを生産する哺乳動物を表し、好ましくはウシ、ヒツジ、およびヤギであって、 一層好ましくはボス属(ウシ科)に属する乳牛、詳細には最高の産乳量が得られ るホルスタインのような品種である。 「細菌性抗原」の語は、この発明の目的のために、乾熱滅菌した細菌細胞の凍 結乾燥品をいう。 「マイクロカプセル化した形態」の語は、この発明の目的のために、産乳動物 へ投与するため、1またはそれ以上の細菌性抗原をカプセル化したポリマー製微 粒子をいう。 「炎症」の語は、この発明の目的のために、組織に障害または破壊があったと き、有害な薬剤および障害された組織を双方とも破壊、希薄化、または隔離する ように誘発された局所的な保護反応を表し、急性の形では、続発する疼痛、発熱 、発赤、腫脹、および機能の喪失等の典型的な症状を特徴とし、組織学的には透 過性および血流の増大、血漿タンパク質を含有する液体の滲出、好中球の炎症病 巣への遊走等を伴う細動脈、毛細血管、および細静脈の拡張を含んだ複雑な一連 の事象を含む。 「処置」の語は、この発明の目的のために、疾患の症状および/または疾患の 病原性要因を改善し、もしくは完全に解消することをいう。 「投与する」の語は、この発明の目的のために、対象を経口、静注、非経口( 静脈内、筋肉内、または皮下)、または経直腸のような経路により物質で処置す る任意の方法をいう。 「動物」の語は、この発明の目的のために、炎症にかかった任意の生きている 生物を表し、ヒト、飼育動物、家畜、動物園の動物等を含む。 この発明の単離し、精製したミルク生産物で処置し得る炎症状態の例を挙げれ ば、急性および亜急性粘液包嚢炎、急性非特異性腱炎、全身性エリテマトーデス 、全身性皮膚筋炎、急性リウマチ性心炎、天疱瘡、水疱性皮膚炎、疱疹、重症紅 疹、多形性剥脱性皮膚炎、肝硬変、季節性習慣性鼻炎、気管支喘息、異所性皮膚 炎、血清病、角膜炎、眼性虹彩炎、びまん性尿道炎、脈絡膜炎、視神経炎、交感 性眼炎、症候性サルコイドーシス、レフラー症候群、ベリリウム中毒症、溶血性 貧血、乳腺炎、乳様突起炎、接触皮膚炎、アレルギー性結膜炎、乾癬性関節炎、 強直性脊椎炎、急性通風性関節炎、および帯状疱疹等を含む群から選ばれた疾患 である。また単離し、精製したミルク生産物は、可能性ある炎症性薬物に暴露さ れた個体を処置するのに使用し得る。 この発明の一部は、ウシ科のような産乳動物を超免疫の特殊状態にすると、動 物が極めて有用なMAIFの超正常量を有するミルクを生産するという発見に基 づいている。このMAIFはヒトおよびその他の動物における炎症症状を抑制す るだけでなく、受容個体内で炎症性因子の存在が予想される場合の予防的薬剤で ある。「超正常量」の語は、超免疫した動物のミルクで見られる過剰量を表す。 ウシをウシの疾患に対して普通に免疫し、環境への普通の露出によって種々の抗 原に対して感作しても、正常なウシのミルクはこれらの超正常量を含有し得ない 事実から分かるように、単なる免疫感受性の誘導では、ミルク中でMAIFの超 正常量の出現を生じさせるのに十分ではない。ミルクが所望の超正常量を得られ るのは特殊な超免疫状態の場合のみである。 この特殊状態は、初回免疫を投与したのち、十分に高投与量の特異抗原で定期 的に追加免疫することによって達成され得る。ブースターの好ましい投与量は、 ウシ科の一次免疫を生じるのに必要な投与量の50%に等しいか、またはそれよ り多い量であるべきである。即ち、ウシが普通に免疫状態と呼ばれる状態であっ つても、ミルク中にその特性を生じ得ないブースター投与量の下方限界がある。 必要条件である超免疫状態を達成するためには、最初の一連のブースター投与の のち、超免疫ミルクを試験することが不可欠である。ミルク中に有用な因子が存 在しなければ、その特性がミルク中に現れるまで高投与量の追加的なブースター を投与する。 MAIFの超正常量を含有する超免疫ミルクの生産方法は、同時係属出願の米 国特許出願第069139号(1987年7月2日出願)および同時係属出願の 米国特許出願第910297号[1986年9月17日出願(米国特許出願第5 76001号(1983年2月1日出願)の出願記録継続)]に報告されている 。これらをすべて参考文献として本明細書に完全に包含させる。要約すると、M AIFの超正常量を含有する超免疫ミルクの1生産方法は、(1)抗原選択、( 2)ウシ科の一次免疫、(3)感受性誘導を確認する血清試験、(4)好適な投 与量のブースターによる超免疫、および所望により(5)ミルクの抗炎症性の試 験、(6)超免疫ウシ科からのミルクの採取、および(7)ミルクを処理してM AIFを単離する段階を含む。 段階1:任意の抗原、または抗原の組合わせを採用し得る。抗原は細菌性、ウ イルス性、原虫性、真菌性、細胞性、または産乳動物の免疫系が応答し得る任意 のその他の物質であり得る。この段階で決定的な条件は、産乳動物で抗原(複数 もあり)が免疫および超免疫状態を誘導できるだけでなく、ミルク中にMAIF の超正常量を生産できなければならない点である。任意の抗原を使用してMAI Fの超正常量を生産することができる。好ましい1ワクチンは、実施例IAで詳 細に報告した「シリーズ100」ワクチンと呼ばれる細菌性の多価抗原混合物で ある。 段階2:抗原(複数もあり)は感作を起し得る任意の方法で投与できる。1方 法では、乾熱滅菌した細菌1×106〜1×1020、好ましくは108〜1010、 最も好ましくは2×108から誘導した抗原からなるワクチンを筋肉内注射によ って投与する。ただし静脈内注射、腹腔内注射、直腸坐薬、または経口投与のよ なその他の方法も使用し得る。 段階3:産乳動物が抗原に対して感受性になったか、どうかを測定する必要が ある。感受性の試験には免疫技術の当業者に周知の多数の方法がある[メソッヅ ・イン・イムノロジー・アンド・イムノケミストリー、C.A.ウイリアムおよび W.M.チェース、アカデミック・プレス社、ニューヨーク、1〜5巻(1975 年)]。好ましい方法は細菌の多重種を含む多価ワクチンを抗原として使用し、 ワクチン刺激前後の動物の血清内の凝集抗体の存在を試験する方法である。ワク チン免疫後のミルク抗体の出現は感受性を意味する。この時点で段階4へ進むこ とができる。 段階4:この段階は感作した動物で超免疫状態を誘導し、その状態を維持する ことを含む。これは一次感作を達成するのに使用したのと同一の多価ワクチンを 一定間隔で繰り返しブースター投与することによって達成される。多価細菌抗原 では、2週間のブースター間隔が最適である。ただし動物が確実に超免疫状態か ら抗原に対して免疫寛容状態へ推移しないようにする必要がある。 好ましい実施態様では、ウシ科の超免疫は、実施例IBで詳細に説明したよう に調製したマイクロカプセル化ワクチンの単一投与によって達成し得る。超免疫 の制御放出形態の利点は、抗原への一定の露出によって動物を確実に超免疫状態 に維持し得ることである。 別法として、異なった免疫手法を組合わせることもできる。例えばマイクロカ プセル化した抗原と液体抗原を同時に投与することができ、あるいは一次免疫を 筋肉内注射で行い、ブースターをマイクロカプセル化手段によって経口投与また は非経口投与することもできる。一次免疫および超免疫の多くの異なった組合わ せが当業者に既知である。 段階5:ミルクの抗炎症活性水準を試験する必要がある。この試験は、超免疫 ミルクまたはそれから誘導された生産物の何れかの炎症に対する効果を試験する 任意の研究手技によって実施できる。化学的に誘発したラット足蹠の炎症は、抗 炎症薬の標準的な検定方法である。 段階6:この段階はミルクの採取および加工を含む。ミルクは通常の方法によ って採取できる。ミルクを加工し、MAIFを単離する方法を下記に説明する。 MAIFを単離し、精製し、試験する最も簡単な方法は、 1.超免疫ミルクを脱脂して脱脂ミルクを生産し、 2.脱脂ミルクからカゼインを除去して乳漿を生産し、 3.限外濾過によって乳漿から分子量約10000ダルトン以上の巨大分子を 除き、 4.イオン交換樹脂カラムを使用して段階3からの生産物を分別し、分子量約 10000ダルトン以下の負に荷電したMAIF種を単離し、 5.段階4からの負に荷電した種をモレキュラーシーブ・クロマトグラフィー によって分離し、 6.段階5からのMAIFの生物検定を行う 段階を含む。 別の好ましい実施態様では、モレキュラーシーブ・クロマトグラフィーで分離 した生物活性を有する画分を、分子量約5000ダルトン以上の巨大分子を滞留 させるメンブランへ通す濾過によってさらに精製する。 7.ミルク因子の抗炎症作用を、ラット足蹠へカラゲニン溶液を注射すること によって起した浮腫について試験する。ラット足蹠試験は抗炎症薬の標準的な動 物試験である[C.A.ウインター、G.A.リスレー、A.W.ナス、「カラジーナ ン・インデュースト・エデマ・イン・ザ・ヒンド・ポウ・オブ・ザ・ラット・ア ズ・アン・アッセイ・フォア・アンチインフラメートリー・ドラッグズ」、プロ シーディング・オブ・ザ・ソサエティー・フォア・エキスペリメンタル・バイオ ロジー・アンド・メジシン、3巻、544頁(1967年)]。そのほかさまざ まな試験方法が使用し得る[A.S.ウェトニック、C.セービン、「ジ・エフェ クツ・オブ・クロニキシン・アンド・ベータウレタゾン・オン・アジュバント・ インデュースト・アートリチス・アンド・エキスペリメンタル・アラージック・ エンセファロミエリチス・イン・ラッツ」、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ ファーマコロジー、22巻、741頁(1972年)]。然しラット足蹠試験は 、最も簡単で直接試験でき、すべての抗炎症薬に十分適合するものであることが 判明した。この試験はベックが詳細に報告しており(米国特許第4284623 号)、ラット足蹠試験について報告している部分を参考文献として本明細書に包 含させた。簡単に説明すると、この試験は成熟白ラットの肉趾へ少量のカラゲニ ンを注射することからなる。この処理によって炎症反応が誘発されることが分か っている。生じた腫脹の程度を定量化できる。好適な経路により、好ましくは腹 腔内注射により、AFを含有する試料をラットへ投与し、炎症経過の遮断または 改善を容量計測法または重量計測法の何れかによって定量する。 以上を要約すると、ミルクを脱脂し、カゼインを除去し、分子量10000ダ ルトン以上の巨大分子を除き、ついでイオン交換クロマトグラフィー、続いてモ レキュラーシーブ・クロマトグラフィーを行うことによって、超免疫したミルク から抗炎症因子を単離することができる。抗炎症因子の好適な調製品の生物活性 は、本明細書で説明したようなラットに対する用量−反応実験を実施することに よって試験できる。 この発明の組成物は抗炎症活性を提供し得る任意の手段によって投与し得る。 例えば投与は、非経口的に、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内に投与し得、または 経口で投与し得る。 経口投与用の固体投与形態は、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、および顆粒等で ある。そのような固体投与形態では、活性化合物をスクロース、ラクトース、ま たはデンプンのような少なくとも1種類の不活性な希釈剤と混和する。またその ような投与形態では、通常実施されるように不活性な希釈剤以外にも追加的な物 質を含有できる。またカプセル、錠剤、および丸剤の場合は、投与形態は緩衝剤 も含有し得る。錠剤および丸剤はさらに腸溶性コーティングで調製することがで きる。 経口投与用の液体投与形態は、製薬技術で一般に使用される不活性希釈剤を含 有する乳剤、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル等を含む。不活性希釈 剤以外にも、そのような組成物は湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤のような助剤、およ び甘味剤を加えることができる。 非経口投与用のこの発明の製剤は、滅菌水溶液または非水溶液、懸濁液、また は乳液等を含む。非水溶媒または担体の例を挙げれば、プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、およびオレイン酸エチル のような注射用の有機酸エステル等である。 この発明の組成物中の活性成分の投与量は変わり得る。ただし活性成分の量は 好適な投与形態が得られるような量にすべきである。投与形態の選択は、所望の 治療効果、投与経路、および処置期間によって定める。 投与量および投与回数は、患者の年令および全般的な健康状態により、副作用 の可能性を考慮して定める。投与はまた、他の薬物との併用処置、および投与薬 物に対する患者の耐容性によって変わり得る。 この発明はMAIFが単離でき、精製でき、ヒトおよび動物のさまざまな炎症 過程を処置するのに有効であるという予期しない発見に一部基づいている。好ま しい実施態様では、産乳動物を細菌抗原ワクチンに対して超免疫することによっ てMAIFを生産する。動物を超免疫するのに使用するワクチンは抗炎症活性を 含んでいない。従って混合細菌抗原ワクチンに対して免疫した動物から得られ、 単離し、精製した因子による処置が、炎症経過を軽減し、または解消するのに有 効であることは予想外なことである。 以上、全般にわたってこの発明を説明したので、以下に具体的な実施例を挙げ てこの発明をさらに詳細に説明する。実施例は単に発明を説明する目的のための ものであって、発明の範囲を制限する目的をもつものではない。 実施例1A S−100ワクチンの製造 アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから入手された下表1に示さ れている細菌のスペクトルを含む細菌培養物を、15mlの培地により再構成し、 37℃で一夜インキュベーションした。一旦良好な生長が達成されると、細菌懸 濁液の約半分を用いて1リットルのブロスに接種し、接種物を37℃でインキュ ベーションした。残りの懸濁液を滅菌グリコール管へ移し、6箇月以下の間−2 0℃で貯蔵した。 培養物において良好な生長が認識できた後、懸濁液を20分間遠心分離して培 地を除去することにより細菌細胞を採取した。得られた細菌沈澱物を滅菌食塩水 溶液に再懸濁し、細菌試料を3回遠心分離することにより細胞から培地を洗い落 とした。3回目の滅菌食塩水洗浄後、遠心分離で得られた細菌沈澱物を少量の二 重蒸留水に再懸濁した。 ガラス製フラスコに入れた培地不含有細菌懸濁液を一夜80℃水浴中に置くこ とにより、前記懸濁液を加熱殺菌した。ブロス培養物の生存力を、少量の加熱殺 菌細菌により試験した。ワクチンに使用する場合細菌は死滅していなくてはなら ないため、ブロスに加熱殺菌した細菌を接種し、37℃で5日間インキュベーシ ョンし、生育状況を毎日チェックした。 加熱殺菌された細菌を凍結乾燥により乾燥した。次いで、2.2×108細菌細 胞/ml(食塩水)の濃度(660nmでの光学密度読み取り)となるように、乾燥 細菌を滅菌食塩水溶液と混合した。 雌牛に毎日多価液体ワクチンの5m1試料の注射をした。多価抗原に対する牛抗 体に関する酵素結合免疫検定法を用いることにより、注射された牛の抗体(Ig G)力価レベルを定期的に測定した。 実施例1B 免疫化方法 上記方法で加熱殺菌細菌を製造した。得られた多価抗原試料(S−100)を 慣用的相分離方法によりマイクロカプセル封入して、多価抗原含有微粒子製品を 製 造した。一般に、抗原含有形状マトリックス材料は、生物適合性材料、好ましく は生物分解性または生物腐食性材料のポリマー、好ましくはポリ酪酸、ポリグリ コール酸、酪酸およびグリコール酸のコポリマー、ポリカプトラクトン、コポリ オキサレート、蛋白質、例えばコラーゲン、グリセリンの脂肪酸エステルおよび セルロースエステルから形成される。これらのポリマーは当業界ではよく知られ ており、例えばアメリカ合衆国3773919、アメリカ合衆国3887699 、アメリカ合衆国4118470、アメリカ合衆国4076798に記載されて いる(これらを全て引用して説明の一部とする)。使用されたポリマー性マトリ ックス材料は、生物分解性ラクチドーグリコリド・コポリマーであった。 加熱殺菌した細菌抗原を前記マトリックス材料に、好ましくは直径1−500 ミクロン、好ましくは10−250ミクロンのミクロスフェアとして封入した。 封入方法は慣用的であり、相分離方法、界面反応および物理的方法を含む。微粒 子から宿主体内への細菌抗原の最適放出速度を与えるためには、多くの組み合わ せのマトリックスおよび多くの濃度の多様な抗原が使用され得る。これらの組み 合わせは、過度の実験を行わずとも当業界の熟練者により決定され得る。 実施例における微粒子は直径250ミクロン未満であった。次いで、22%( 16.5mg)の多価抗原を含む微粒子約750mgを、約3ccの賦形剤(水中1重 量%のトウィーンおよび2重量%のカルボキシメチルセルロース)に懸濁した。 大群の牛から小群の牛を選択した。これらの無作為に選択された牛のうちの5 頭を対照として選んだ。4頭の牛に、多価抗原含有微粒子の筋肉内注射をした。 2.0mRadのガンマ照射により微粒子試料を滅菌した。接種された牛および対照 牛から得られた牛乳試料から抗体(IgG)力価レベルを定期的に測定した。 実施例2 超免疫化牛乳からのMAIF因子の単離 段階1:牛乳ろ液製造 超免疫化牛からの新鮮な牛乳20リットルを、クリーム分離器(デラバル・モ デル102)にかけて脱脂した。 生成した16リットルの脱脂乳を限外ろ過にかけることにより、中空繊維透析 ろ過/濃縮装置(アミコンDL−10L)を用いて高分子量の種類(10000 ダルトンより大)を除去した。濃縮装置は、2つの10000ダルトン分子量カ ットオフ・カートリッジ(アミコンH510-43)を備えている。メーター上80 のポンプ速度および各々30psiおよひ25の引き入れおよび引き出し圧力で脱 脂乳を流した。 1時間当たり流速4リットルでカートリッジから出てくるろ液(<10000 ダルトン)12リットルを、冷凍または凍結乾燥して貯蔵し、さらに精製した。 段階2:イオン交換クロマトグラフィー ろ液中の牛乳抗炎症因子MAIFは、アニオン交換クロマトグラフィー・カラ ムにより最初に単離された。 この方法では、DEAE−セファロースCL−6Bゲル(ファーマシア)を用 いて、滅菌二重蒸留水、pH7.0により平衡状態にした5×10cmガラス製カ ラムを充填した。 1リットルのろ液(<10000)をカラムに適用し、1時間当たり160ml の流速で滅菌二重蒸留水、pH7.0により溶離した。10ミリリットル分画を 集め、光学密度が連結されたレコーダー(ファーマシアREC−482)に印刷 されるLKBユニコード4700吸光光度計において280nmでモニターした。 陽性および中性荷電を有するMAIF以外の物質は、DEAE−セファロース ・ゲルに結合しない。それらはフォールスルーピーク(第1ピーク)で溶離する 。陰性荷電をもつMAIFはゲルにより保持される。 MAIFを放出させるため、滅菌生理食塩水、pH7.0を用いてカラムを逐 次勾配により溶離した。典型的プロフィールを図1に示す。個々の分画の生物検 定は、第2ピークがMAIFを含むことを示した。第2ピークおよびその前後を 含む分画を用いて、さらに精製する。回収試験は、この方法によって8.8グラ ムの乾燥粉末が得られたことを示す。 段階3:ゲルろ過クロマトグラフィー 段階2から得られた第2ピークは、MAIFおよび他の陰性荷電分子を含む。 従って、追加的精製段階が必要とされた。それ以上の精製を行うためには、ゲル ろ過カラムを用いて、分子量に基づき様々な成分を分離することが好都合である 。 この方法では、セファデックスG−10樹脂(ファーマシア)を2.5×80c mガラス製カラムに充填し、滅菌二重蒸留水、pH7.0により平衡状態にした。 段階2からの第2分画2グラムを滅菌二重蒸留水に再溶解し、カラムの上部に適 用した。カラムを1時間当たり30mlの流速で溶離した。分画(3.3ml)を集 め、254nmおよび280nm(ファーマシア・デュオ・オプティカル・ユニット )でモニターするとともに、連結されたレコーダー(ファーマシアREC−48 2)において光学密度が印字された。 典型的には、図2に示されている通り、溶離プロフィールには3つのピークが 存在した。第1および第2ピークは、MAIF活性を含んでいた。 第1ピークは、活性MAIFを含むG−10カラム上で形成される凝集物であ る。 第2ピークはMAIFの非凝集形態を含む。凝集形態(ピーク1)および非凝 集形態(ピーク2)は両方ともラット生物検定では生物活性を示す。 実施例3 牛乳抗炎症因子の特性検定 上記方法により製造されたMAIFの非凝集形態の分子量は、10000ダル トン未満であることが見出された。これは、ホエーからのMAIFの分離におけ る第1段階が、分子量>10000ダルトンの化学種を通過させない膜を用いた 限外ろ過により行なわれるという事実から推定された。 MAIFは陰性荷電を有する。これは、DEAEセルロースイオン交換カラム へ牛乳限外ろ過物を適用することにより測定された。MAIFは水を用いたカラ ムからは溶離しなかった。溶離媒質を塩化ナトリウム(0.9%、pH)に変え ると、幾つかのピークの溶離が誘発された(図1)。中性および陽性荷電化学種 はイオン 交換樹脂に付着せず、陰性荷電化学種は塩濃度を高めることにより溶離される。 10000ダルトン未満分子量透過物をDEAEカラムに適用した場合、中性塩 類および糖類は水により溶離した(ピーク1、図1)。緩衝剤を食塩水に変更す ると、3つの明確なピークが溶離した(ピーク2−4)。第2ピークおよびその 前後は、ラット検定においてMAIF生物活性を含んでいた。従って、MAIF は陰性荷電を有するという結論に達した。 MAIFの別の化学的特性は、それが塩除去プロセス中に凝集物を形成すると いうことである。二重蒸留水により平衡状態にし、7のpH値で水により溶離し たセファデックスG−10カラムに<10000ダルトン分子量透過物を通過さ せると、この特性は明白になる(図2)。3つのピークはG−10カラムから溶 離した。第1ピークは、分子量が10000ダルトンまたはそれより大きいこと を示唆する空隙率で溶離した。10000ダルトンより大きい分子は限外ろ過に よりこの試料から予め除去されていたため、これは予想外であった。第2ピーク は、抗炎症因子に関して予想される位置で溶離した。第1および第2ピークは両 方ともラット足検定において抗炎症生物活性を呈したが、第3ピークは活性を欠 いていた。第1および第2ピークが両方とも抗炎症生物活性を有することが見出 されたのは驚くべきことであった。G−10カラム(段階3)の第1ピークから 回収された物質を凍結乾燥し、G−100カラムに適用した。単一ピークは、分 子量が100000ダルトンまたはそれより大であることを示唆する空隙率で溶 離された。段階3G−10カラムは、塩を除去すると同時に、異なる分子量の化 学種を分離する。従って、G−10カラム通過中およびその結果としての塩除去 中に、抗炎症因子は高分子量凝集物を形成したという結論に達した。凝集の度合 は塩濃度により変動した。 凝集特性は、抗炎症因子の存在故に抗炎症生物活性を有する広いスペクトルの 相異なる分子量化学種が形成され得るという可能性を示唆している。この特性の 発見は、最終生成物の凝集程度により異なる広いスペクトルの相異なる生化学特 性を有する牛乳抗炎症因子が生成され得ることを示唆している。例えば、より大 きいかまたは小さい分子量の凝集物を用いることにより、さらに長いかまたは短 い生物学的半減期を有する製剤が製造され得、この場合分子量分布はプロセス中 における塩濃度により制御され得る。本明細書に記載されているカラム・クロマ トグラフィー方法の結果、生物活性を有する最小分子量化学種が得られた(すな わち、段階3G−10カラムからのピーク2)。この観察結果はまた、凝集物形 成に関する他の方法の使用を示唆している。例えば、水中で希釈すると、凝集の 発生が誘発される。塩類、特にカルシウムと結合する化学薬剤は、凝集物形成を 誘発し得る。この発見が為されたため、凝集物を形成し、MAIFを分離する別 法は、当業界の熟練者には明白なものである。 実施例4 生物活性検定 ラットの足へのカラゲーニン溶液の注射により誘発された浮腫においてMAI Fの抗炎症作用を試験した。MAIFの凍結乾燥試料を適当な賦形剤に溶かし、 実験用ラットへ腹腔内投与した。次いで、ラットに対し0.1mlの1%食塩水溶 液の量で各後足へカラゲーニンを投与した。注射が行なわれる前および注射の2 .5時間後に、隙間ゲージを用いて足を測定した。結果を表2および3に示す。 対照および超免疫牛乳からのMAIFの非凝集形態(G−10カラムからのピ ーク2)は、1mgないし0.25mg間の用量でラットの足の炎症を低減化させた (表2)。超免疫牛乳および調整牛乳は両方とも活性を呈した。しかしながら、 超免疫物質の方がより強力であった。我々は、このことから、MAIFが超免疫 牛から得られた牛乳においてより高濃度で生成されるという結論に達した。 超免疫牛乳または調整牛乳のいずれかから分離されると、DEAEカラムから の第2ピークは活性を呈した。この活性は超免疫牛乳の場合の方が実質的に大き い(表3)。 G−10カラムからの第1ピークは、MAIFの凝集化形態であり、ラット足 試験において活性を呈した(表2)。しかしながら、凝集化形態は、等重量に基 づいた場合非凝集化形態ほど強力ではない。 これらの試験から、MAIF因子は天然では牛乳中に存在しないという結論に 達した。牛の超免疫化により、牛乳中のMAIFの濃度はより高くなる。MAI Fは、様々な方法によって牛乳から分離され得る小さな陰性荷電分子である。M AIF因子は、天然では牛乳中に存在しないが、加工処理中に形成される高分子 量凝集物を形成し得る。 実施例5 抗炎症因子の化学分析 抗炎症因子試料を化学的に分析した。X線回折試験での測定によると、MAI Fは結晶構造ではない。MAIF製品は、炭水化物組成と一致する元素分析結果 を与えた。C、H、O比は、幾つかのカルビノール基がカルボキシルに酸化され たポリマー性またはコポリマー性物質と一致した。塩素イオンに対するカルシウ ム当量の僅かの過剰分は、一部カルボン酸塩類として説明され得る。残りはナト リウムまたはカリウム塩類であり得る。しかしながら、溶解作用またはより的確 には非溶解作用は、塩様および/またはさらに高い分子量組成を示唆していた。 純粋な存在状態での物質は、可変量のカルシウムおよび塩素の塩類、恐らくはC aC12を含むと思われる。 いずれの製品も、その組成においてペプチド成分を一切排除する顕著な量の窒 素を含んでいなかった。同様に、顕著な窒素の不存在は、主要成分(複数もあり 得る)としてのアミノ糖類および他の窒素含有物質、例えば様々な複合脂質の存 在を除外し得る。 熱分解マススペクトルは、重要な痕跡量の18炭素脂肪酸を示した。この事実 は、痕跡量のNおよびPと考え合わせると、因子中における複合脂質の存在を示 唆している。 赤外線分光法は、カルビノールおよびカルボン酸官能性と一致する吸光度を示 した。紫外線、可視および蛍光分光法は、赤外線により示されたそれらの量を凌 ぐ顕著な量の発色団を全く示さなかった。 化学試験はオリゴマー炭水化物と一致するが、カルボニル官能基(アルデヒド またはケトン)はサブユニット連鎖において結び付いている。オリゴマー炭水化 物はまた、カルボキシレートへのある程度の側鎖酸化を含む。 MAIF製品は、実質的には純粋であるが、完全には純粋ではない。 実施例6 ラット足浮腫試験:経口投与 ラット・カラゲーニン肉し検定を用いることにより、インビボ抗炎症薬剤とし てのMAIFの有効性を試験した。30匹の成熟白ラットを、無作為に1群当た り10ラットから成る3群に分割した。それらの群に対し、5連続の毎日の処置 では、超免疫化動物から得られた10mgの脱脂粉乳、非免疫化動物から得られた 10mgの脱脂粉乳投与または非処置(毎日20mlの水のみ)を施した。粉末を2 0mlの水に溶かして経口投与した。5日目に、各ラットの右足に、0.1mlの食 塩水中1%カラゲーニンを注射した。この方法は、急性炎症(浮腫)を誘発する ことが知られている。注射の24時間後、ラットを殺し、足を切断し、左(対照 )および右(浮腫発生)足の重量を比較した。検定結果を表4(グラム重量とし て表現)および図3(対照足の平均重量のパーセンテージとして表現)に示す。 非免疫乳および水対照群の場合と比べて、免疫乳処置ラットではカラゲーニン 注射に対する炎症反応が著しく低減化した。ラットの全般的健康に対する副作用 または有害作用の証拠は全く検出されなかった。これらのデータから、超免疫化 動物からの脱脂粉乳を毎日使用すると、ラットの肉しにおいてカラゲーニン注射 により誘発される炎症応答はほぼ完全に遮断されるという結論に到達し得る。 実施例7 定量的ラット足浮腫試験 一連の実験は超免疫乳分画において行なわれた。これらの実験は、腹腔内投与 された場合のMAIFの抗炎症活性を確認し、用量応答曲線を確立して代替的投 与経路を調査し、それ以上の研究の基礎を形成し得る投与法を研究すべく設計さ れた。 ストール・ミルク・バイオロジックス・インターナショナルにより配給された 、G−10カラムからのピーク1は、特許番号4956349に記載された方法 に従い製造された。市販供給源から得られたラクトースをプラセボとして使用し た。アスピリンを陽性対照として使用した。アスピリンを水に溶かし、検定で活 性を示すことが知られている用量の1キログラム当たり200mgの割合で胃管栄 養法により経口投与した。カッパ・カラゲーニン(シグマC−1263)の2% 溶液は、最も再生可能な結果を生じることが見出されたため、これらの実験で使 用された。しん出物の容量に対して直接比率でカラゲーニン誘発性病変に局在す る同位体標 識ヒト血清アルブミン(125I−HSA)用いることにより、肉し検定を修正し た。肉しにおける全放射能数を測定し、これを、注射された動物からの既知容量 の血しょうにおける数と比較することにより、血しょう均等物のマイクロリット ルで浮腫の直接測定結果が得られる。125I−HSAを1ラット当たり1.0マイ クロキュリーの用量で静脈内注射した。雌のダーク・アグーチ・ラットを使用し た。ラットは約12週令で、体重は160グラムないし200グラムであり、一 集団同系交配コロニーから得られた。 カラゲーニン肉跳検定を行うため、0.1mlの2%カラゲーニンを麻酔ラット の各後肉しに皮下注射した。この注射の直後に、尾部静脈中へ0.5mlの食塩水 中125I−HSAの1.0マイクロキュリーの注射を行った。4時間後、各ラット を秤量し、血液試料を採取し、ラットを安楽死させた。次いで、両後ろ足を摘出 し、各足および200μl血しょう標準物質における放射能レベルを、自動式ガ ンマ計数管で測定した。これらの測定結果から、各足における浮腫の容積を計算 し、マイクロリットルで表した。 実験1: 腹腔内用量応答。 図4は、ラクトース(CON)、アスピリンおよび非処置(NoRx)の場合 と比較したMAIFの腹腔内投与の効果を示す。全処置(ラクトース、アスピリ ン、MAIF)は、カラゲーニン注射の30分前に施された。 カラゲーニン注射の結果、平均250μlの浮腫が生じた(NoRx)。浮腫 はアスピリンおよび全用量のMAIFにより阻止されたが、ラクトースでは阻止 されなかった。平均対照(非処置)浮腫のパーセンテージとしてデータを表すこ とにより誘導された腹腔内MAIF用量応答曲線を図5に示す。 実験2:様々なMAIF投与経路の効果。 図6は、肉跳浮腫に対するラクトースおよびMAIFの経口(ORAL)、筋 肉内(IM)、皮下(SUB Q)および静脈内(IV)投与の効果を示す。ま た、陽性対照(アスピリン)および非処置対照(NO Rx)も示されている。 次のスケジュールに従って、カラゲーニン攻撃前に製品を投与した。アスピリ ン:経口、30分前、皮下MAIF:1時間前、経口MAIF:24、16およ び1時間前、筋肉内MAIF:30分前、静脈内MAIF:攻撃の時点(同位体 も注射された)。 結果は、独立した各検定において平均対照浮腫のパーセンテージとして表され 、全投与経路によるMAIFが浮腫形成を阻止したことを示す。静脈内投与され た40ミリグラムのMAIFは、ほぼ完全にカラゲーニンに対する炎症応答を阻 止した。これらの結果はMAIFの抗炎症活性を立証しており、上記実験1の結 果を考慮に入れると、MAIFの様々な投与経路に関する有効性の序列はIV> IP>IM>SUB Q>ORALであることを示唆している。 実験3:静脈内および延長経口投与の浮腫に対する効果:用量応答。 図7は、ラットの肉跳浮腫に対するIVおよび経口MAIF投与の効果を示す 。MAIF経口処置(1日1ラットに対し40mg)は、6日間毎日および同じく カラゲーニン攻撃の1時間前に行なわれた(PO)。静脈内処置(5、10)2 0mg)は、カラゲーニン攻撃の時点で施された(IV)。また、陽性対照(アス ピリン)および陰性対照(非処置)も示されている。 図7に示された結果は、3つのMAIF用量が全て検定ではアスピリンの活性 さえも凌ぐ抗炎症活性を誘導するが、延長経口投与は顕著ではあるが制限された 活性を誘導することを示している。 従って、試験を延長することにより、MAIFのさらに低減化した静脈内用量 の効果を調べた。ラクトースプラセボの静脈内用量は対照として包含された。こ れらの試験の結果を図8に示す。2.5および1mgMAIFの静脈内用量(IV )は、アスピリンにより誘導される活性範囲内での抗炎症活性を誘導した。10 mlの静脈内ラクトースプラセボ(10mgPLAC IV)は、その範囲内で活性 を誘導しなかった。 実験2および3の結果を組み合わせ、独立した各検定における平均対照浮腫( 非処置)のパーセンテージとしてこれらの結果を表すことにより、静脈内用量応 答曲線を導いた。曲線を図9に示す。 定量的ラット足浮腫試験から導かれ得る結論は次の通りである。特許第495 6349号の記載に従い抽出および精製された、G−10カラムからの牛乳分画 ピーク1は、ラット足部浮腫モデルで試験された場合、一貫して抗炎症活性を示 す。カラゲーニン注射の時点で静脈内投与された1ラット当たり4mgMAIFの 用量は、浮腫を徹底的に阻止するのに充分であるため、他の製品をさらに別の実 験で比較する場合の標準として選択された。 実施例8 同一双生牛から得られた超免疫乳製品の抗炎症特性。 同一双生牛から得られた様々な牛乳分画の生物活性試験することにより、牛乳 の抗炎症活性に対する接種の効果を研究した。特許第4956349号記載の抽 出方法に基づき、限外ろ過を使用する抽出計画が案出された。処理順序は次の通 りであった。 免疫化双生牛、非免疫化対照双生牛から牛乳試料を製造し、免疫化牛から予め 製造された脱脂粉乳に水を加えて元に戻した。試料群は、45組の同一双生牛に より構成された。各双生組の一方の牛に対し、週2回(bi-weekly)ストールS 100混合細菌ワクチン(特許第4956349号に記載)を接種した。上記ラ ット・カラゲーニン肉し検定を用いて静脈内注射により様々な分画の生物活性を 試験した。 試験される仮説は、(a)超免疫化は上記抗炎症活性に関与していたというこ と、(b)MAIFは限外ろ過により商業規模で抽出され得るということ、およ び(c)透過物の希釈は抗炎症因子の凝集を誘発し、その結果、それは3000 0分子量限外ろ過膜により保持されるということであった。 図10は、非接種対照双生牛の牛乳および免疫化牛からの再構成粉乳から製造 された様々な分画の生物活性を試験すべく設計された双生牛限外ろ過実験の結果 を示す。試験された分画は次の通りである。ピーク1、G−10カラム製品、4 ml(OHIO MAIF STD)、非接種双生牛からのR2最終活性保持物質( CONTROL TWIN R2)、再構成粉乳からのP2最終透過物(RECO N S100 P2)、非接種双生牛からの透析R2最終活性保持物質(CON D IALYZED R2)、再構成粉乳からの透析最終活性保持物質(S100 D IALYZED R2)。 透析の後でさえ、非免疫化牛から製造されたR2最終活性保持物質分画からは 、抗炎症活性は全く検出され得なかった。再構成粉乳から製造された最終透過P2 分画からは、抗炎症活性は全く検出されなかった。再構成粉乳活性保持物質R2 分画は、透析後にMAIF標準物質の活性の範囲内での抗炎症活性を呈した。 図11は、接種および非接種双生牛並びに免疫化牛からの再構成粉乳から製造 された様々な牛乳分画の生物活性を試験すべく設計された双生牛群限外ろ過実験 の結果を示す。試験された分画は次の通りである。ピーク1、G−10カラム製 品、4ml(OHIO MAIF STD)、非接種双生牛からの透析最終活性保持 物質R2(CON DIALYZED R2)、再構成粉乳からの最終活性保持物質 R2(RECON S100 R2)、接種双生牛からの最終活性保持物質R2(I MMUNE TWIN R2)、:1に希釈した再構成粉乳からの最終活性保持物 質R1(S1 00 DILUTED R1)。 非接種対照双生牛からの透析活性保持物質R2または接種双生牛からの非透析 活性保持物質R2からは、抗炎症活性はほとんど検出されなかった。ある程度の 活性は分散ダイヤグラムにより検出され得る。免疫化牛からの再構成ストール粉 乳から透析せずに製造されたR。活性保持物質は、強い抗炎症性を示した。しか しながら、牛乳から製造されたホエーの希釈ではなく限外ろ過前の再構成粉乳の 希釈により製造された製品は、僅かしか活性を示さなかった。この結果は、抗炎 症活性がホエー分画からより効果的に抽出されることを示している。 図12は、接種双生牛からの透析活性保持物質の生物活性を試験すべく設計さ れた双生牛群限外ろ過実験の結果を示す。試験された分画は次の通りである。ピ ーク1、G−10カラム製品(OHIO MAIF STD)、接種双生牛からの 透析最終活性保持物質R2(IMM DIALYZED R2)、G−10製品から の透析最終活性保持物質(DIALYZED OHIO MAIF)。これらの結 果は、抗炎症活性が、透析後の免疫化双生牛からのR2分画に存在したことを示 している。透析されたMAIFは、非透析MAIF標準物質よりも検定では活性 が強かった。この結果は、透析が、抗炎症活性に関与する牛乳因子をさらに濃縮 するための有効な手段であることを示唆している。 上記の図10−12で示された結果は、次の結論を裏付けする。(1)抗炎症 活性は、希釈透過物の限外ろ過により免疫化牛からの再構成粉乳から抽出され得 る。(2)抗炎症活性は、非免疫化牛の牛乳から製造された上記製品からは立証 されなかった。(3)抗炎症活性は、免疫化牛の牛乳から製造された希釈透過物 の限外ろ過後に最終活性保持物質R2において立証されたが、活性を立証するた めには透析が必要であった。 実施例9 MAIFの安定性、MAIFの加熱およびプロテイナーゼ処理。 牛乳抗炎症因子が化学的には蛋白質またはペプチドではないという先の証拠は 、一貫して窒素のほぼ完全な不存在を示す化学分析に大いに基づくものであった 。 さらにMAIFの特性検を行うため、標準として静脈内投与によりピーク1、G −10カラム製品4mgを用いた、ラット足部浮腫検定において幾つかの製品を試 験した。次のMAIFに関する処理を行った。6時間プロテイナーゼ(プロナー ゼ)処理、6時間非プロテイナーゼ処理対照、非処理陽性対照、100℃で30 分間加熱。 この検定の結果を図13に示す。この試験から導かれた結論は、抗炎症活性が 蛋白質またはペプチドに因るものではないこと、およびMAIFは煮沸によって 不活化されないということであった。プロナーゼ処理の有効性は、並行プロナー ゼ処理が完全に牛乳蛋白質を変成させるという発見により証明された。 実施例10 さらに精製されたMAIFおよび免疫化牛からのホエー蛋白質濃縮物の抗炎症 活性。 アミコンYM5膜を用いた限外ろ過からの活性保持物質および透過物を、ラッ ト足部浮腫検定で静脈内投与を用いて生物活性について試験した。この方法では 、特許第4956349号に従い製造されたG−10カラムのピーク1のMAI Fを、アミコンYM5膜での限外ろ過によりさらに精製した。この膜は、500 0分子量またはそれより大きい分子を保持する。また、免疫化動物からの牛乳か らホエー蛋白質濃縮物(WPC)を製造し、YM5膜によりろ過した。この検定 では、標準物質として静脈内経路により4mgピーク1、G−10カラム製品を用 いて下記の試料を試験した: アミコンYM5限外ろ過からの透過物、アミコン YM5限外ろ過からの活性保持物質、免疫化牛からのWPC、1ラット当たり3 0mg、市販製品(非免疫化牛)からのWPC、1ラット当たり3mg。 この検定の結果を図14に示す。これらの結果から、活性は全て、YM5フィ ルターに適用された分画の全重量の約0.5%を構成した活性保持物質中に存す ることが明白である。この実験で見られた浮腫の縮小は、20−25ミリグラム の物質の投与後に達成された。 WPCの活性に関して述べると、超免疫動物から製造されたWPCは、予想通 り明らかに抗炎症活性を示した。興味深いことに、非免疫化動物から製造された WPCもまた抗炎症活性を示した。非免疫化牛の牛乳における抗炎症活性の存在 は、それが天然物質には違いないことから、驚くべきことではない。その検出は 、生物検定の感度を反映する。 実施例11 カラゲーニン誘発性肉趾浮腫の連続モニター。 カラゲーニン注射の時点で4mgのMAIFを静脈内投与すると、40%ないし 50%の割合で肉し浮腫の増大が低減化されることが確立された。これらの結果 は、その物質が抗炎症性部分を含むという証拠を提供したが、MAIFの活性部 位または薬理学的プロフィールはほとんど指示されなかった。それらのデータを 得るためには、カラゲーニンに対する応答を通して終始肉し浮腫を連続モニター することを可能にする方法を確立することが必要であった。これは、取り外され たガンマ放射線検出器にラットの足を拘束することにより達成された。この方法 は、4時間以下の間動物に麻酔をかけることを必要とし、また、麻酔薬は炎症応 答を抑制することが知られているため、まずカラゲーニン誘発性浮腫に対する麻 酔薬の効果を測定することが必要であった。従って、ラットにおける麻酔誘発に 常用される5種の薬剤を評価した。これらは、エーテル、抱水クロラール、イノ バール-べット、ネンブタールおよびウレタンであった。結果を図15に示す。 炎症応答をこの技術により評価する場合、エーテルが特に優れた麻酔薬である ことは、これらの結果から明白であった。エーテルを使用したときに得られた曲 線の形状は2相応答を示した。より詳細に応答を描写するため、浮腫の容積を5 時間の期間にわたって12時点で測定するさらに別の実験を行った。結果は2相 応答を確認するものであった。初期応答は攻撃の0ないし1時間後に発生し、後 期応答は1.5ないし2時間後に発生した(図16)。 同じく他の研究者らにより観察された2相は、各々非食細胞性炎症応答(NP IR)および食細胞性炎症応答(PIR)と呼ばれた。 NPIRは可溶性伝達物質、例えばヒスタミンおよびブラジキニンにより、創 傷に応答して始動されるが、PIRは好中球の参与に依存している。従って、プ ロトコールは、MAIFを投与し、浮腫の増大を連続的にモニターすることによ り、薬剤の抗炎症特性が初期非細胞(NPIR)または後期細胞(PIR)のい ずれの相に対する作用の結果であるかを決定することを目標とするものであった 。カ ラゲーニン攻撃の時点で5mgまたは40mgのMAIF/ラットを静脈内投与し 、4時間の間一定間隔で浮腫の増大をモニターした。いずれの相の間でも浮腫の 増大に影響を及ぼす用量は無かった(図17)。 攻撃の4時間後にカラゲーニン誘発性浮腫に対するMAIFの効果を測定した 多くの過去の分析が分画における重大な抗炎症活性を立証していたため、この結 果は驚くべきことであった。従って、エーテルに連続暴露すると、MAIFのイ ンビボ活性抗炎症成分が抑制または不活化されると思われた。 以前の試験は、エーテルに対する短期暴露はMAIFの活性に影響を及ぼさな いことを示していた。従って、0、1、3および4時間の4時点のみで進行性浮 腫増大に対するMAIFの効果を測定する、すなわち動物のエーテル暴露を制限 する実験が行なわれた。初期非細胞性炎症応答に対する影響を評価するのに1時 間時点を選択し、後期食細胞性炎症応答に対する効果を定量するのに3および4 時間測定を選択した。この実験において、MAIFを40mg用量で投与した結果 、2次食細胞性仲介相中に浮腫の増大は低減化したが、1次可溶性伝達物質誘導 相に対する顕著な影響は無かった(図18)。 この一連の実験から下記の結論が導かれ得る。 1.エーテルは、カラゲーニンに対する炎症応答を連続的にモニターする実験 での使用に好ましい麻酔薬である。 2.連続エーテル麻酔は、カラゲーニン肉し検定においてMAIFのインビボ 抗炎症活性を阻止する。 3.MAIFは、カラゲーニンに対する炎症応答の後期食細胞仲介相を阻止す ることにより炎症を改善する。 実施例12 カラゲーニン誘発性肉し浮腫に対するMAIFの効果の時間推移。 攻撃の時点ではなくカラゲーニン注射の前後の選ばれた時点で薬剤を投与する 、さらに別の一連の実験を行った。この試験の目的は、 (a)炎症性剌激物質に関してMAIFの投与に最も有効な時間、 (b)抗炎症部分の生物学的半減期、 (c)MAIFが影響を及ぼす炎症応答発生での時点 に関する情報を提供することであった。 この試験は3部に分けて行なわれた。MAIFは、カラゲーニン注射の150 分前から150分後の範囲における11時点のうちの1時点で4mg/ラットの用 量で静脈内投与された。この実験の結果を図19および表5に示す。 試験された全時点で浮腫の顕著な阻止が観察された。しかしながら、阻止レベ ルは圏外両極値(±150分)では低かった。MAIF投与に対する興味深い周 期的応答が、攻撃時点に近い時点で処置された群において見られた。攻撃の15 分後に投与された場合よりも攻撃の30分後に投与された場合の方が、MAIF はより効果的であったという事実は、応答の2次食細胞仲介相が薬剤により阻止 されるという概念を裏付けている。MAIFは、攻撃15分前または攻撃時点で 投与されると、カラゲーニンに対する応答を強く阻止した。さらに、この薬剤が 血清中において比較的長い半減期(1−2時間)を有し、その有効性が攻撃時点 およ び炎症応答の動的性質に関連していることは明白である。 すなわち、抗炎症作用は炎症細胞、恐らくは好中球に対する作用に因るものと 推測される。 実施例13 逆受動アルチュス反応に対するMAIFの効果。 MAIFが好中球関与に影響を及ぼし得るという可能性は、この物質が逆受動 アルチュス反応(RPA)を変調する能力を評価することにより試験された。こ の免疫複合体誘発性応答は主として好中球仲介によるものであり、反応の発生に 影響する薬剤はこれらの細胞に対する効果を通じて効力を発揮する。RPAを誘 導するため、ラットに対し、卵アルブミンに対するうさぎ抗体の皮下注射および 天然卵アルブミンの静脈内注射を行った。卵アルブミン/卵アルブミン抗体免疫 複合体は、皮膚血管壁中およびその周囲に形成され、宿主好中球は抗体のFc部 分に結合し、激しい炎症反応が開始される。ただし、応答は免疫複合体により開 始されるが、それは宿主免疫系とは無関係に行なわれるものとする。 3つのパラメーターを用いて、RPAを定量する。これらは、(1)浮腫−12 5 I−HSAの蓄積を用いて測定、(2)出血−59Feによるインビボ予備標識 RBCにより評価、および(3)好中球蓄積−好中球特異酵素ミエロペルオキシ ダーゼ(MPO)の組織レベルの測定により測定−である。これらの検定法は、 当業界の通常熟練者には周知である。 18匹のラットを6匹から成る3群に分割した。うさぎ抗卵アルブミン(40 μl)を各動物の背部の4部位に皮下注射し、その直後に2mgの卵アルブミンを 静脈内注射した。1群の動物には他の処置を施さず、対照として使用した。第2 群には20mgのラクトース製品を静脈内注射し、最後の群には20mg(7)MA IFを静脈内注射した。ラクトースおよびMAIFは、両方とも卵アルブミンと 共に投与された。反応の激しさを攻撃の3.5時間後に評価した。MAIFをR PA応答開始前に20mg/ラットの用量で静脈内投与すると、応答の測定に使用 される3つのパラメーターは非常に顕著に阻止された(表6、図20)。また、 ラクトー ス対照物質は、好中球蓄積および出血の適度で僅かに意義のある抑制を誘発した 。これは、正常乳中に少量の抗炎症活性が存在することを示している。 好中球はRPAの1次仲介物質であるため、これらの結果は、MAIFが好中 球機能に対する作用を通して炎症応答を阻止し得るという追加的証拠を提供した 。 実施例14 脈管構造からの好中球遊走に対するMAIFの効果。 炎症応答において効果的に関与するためには、好中球はまず脈管構造から炎症 部位へ移動しなければならない。MAIFが好中球移動に干渉したか否かを測定 するため、滅菌ポリウレタンスポンジの皮下内植を用いた炎症モデルを使用した 。内植後スポンジを時々除去し、スポンジを秤量し、次いで浸潤物中の細胞を抽 出および計数することにより、応答の流体および細胞相が両方とも定量され得る 。内植の24時間後にスポンジから見出された細胞の>95%は好中球である。 2つの実験が行なわれた。第1の実験では、スポンジ内植の時点で動物を5、 10、20または40mgのMAIFにより処置した。スポンジを内植の24時間 後に除去した。各群は5ないし8ラットにより構成され、2つのスポンジを各動 物に内植した。結果を図21に示す。 20または40mgのMAIFは、スポンジ内植の時点で静脈内投与された場合 、炎症細胞の移動能力に対する著しい効果を示した。また、それほど顕著ではな いが、同等に重要な流体蓄積の阻止も見られた。2つの低用量のMAIFは、こ の 炎症モデルにおいて立証可能な効果を全く示さなかった。 炎症攻撃(スポンジ内植)およびMAIF投与間の時間関係を明確に描写すべ く設計された第2の実験が行なわれた。この試験では、スポンジ内植の30、6 0または120分後に20mgのMAIFを静脈内投与した。第4の対照群は未処 置のままで放置した。各群には5動物が存在した。2つのスポンジを各動物に内 植し、これらを24時間後に除去した。結果を図22に示す。内植の時点で20 mgのMAIFを投与したラットの標本群から得られた結果は、このグラフ上に包 含されている(図21参照)。 カラゲーニン誘発性肉し浮腫に対するMAIFの効果の時間経過から得られた 結果は、攻撃の60分後またはそれ以降に投与された場合、MAIFが比較的効 果的ではないことを示している。スポンジ内植に伴う炎症の抑制には20mgのM AIFが必要であるが、カラゲーニン誘発性浮腫の阻止には4mgで充分であるこ とは注目すべき点である。この解釈に固執する意図は無いが、この格差は、2種 の剌激因子により宿主に呈示された剌激レベルの差異に関連し得る。スポンジ内 植は、緩慢な炎症応答を誘発する比較的温和な剌激因子であり、細胞塊は内植の 8ないし16時間後に蓄積する(図23)。他方、カラゲーニンの皮下注射は、 比較的短期間にわたり相応じて強い応答を誘発する非常に強い剌激因子である( 図16)。 実施例15 循環性白血球に対するMAIFの効果。 幾つかの薬剤は好中球遊走を阻止し得る。例えばシクロホスファミドのような 細胞還元性であって、骨髄での造血を阻止することにより作用するものもあるが 、他の薬剤、例えばステロイド類および非ステロイド抗炎症薬剤は特定の作用部 位を有し、白血球増加を誘発することはない。従って、循環性白血球数および割 合に対するMAIFの効果を測定することは重要であった。 2実験が行なわれた。第1の実験では、MAIFを40mg/ラットの用量で6 動物から成る一群に静脈内投与し、対照群には食塩水を注射した。血液試料を、 基線、処置の1、4および24時間後に採取した。結果を図24に要約する。 MAIF投与の結果、循環性好中球数は増加し(4時間で最大)、相応じて末 梢血白血球数は減少した。一群のラットに食塩水、5、10または20mgのMA IFを静脈内投与するさらに別の用量応答試験を行った。各ラットからの血液は 、基線値を与えるために7日前に採取され、MAIF注射の4時間後に再び採取 された。結果を図25に示す。40mgMAIF投与の4時間後に採取された試料 から得られた結果は、グラフ上に含まれている(図24参照)。 全用量のMAIFは、循環性好中球数の増加および白血球数の減少を誘発した 。白血球に対する効果は用量に対して一次関係をなし、好中球数の増加は曲線形 であって、最大効果は10mg投与された動物から観察された。 これらの結果は、MAIFが、内皮細胞への好中球の接着に影響を及ぼすこと により炎症を調整するという概念を裏付けする。 また、ラットにおける循環白血球に対する3種の他の細胞標的化抗炎症/免疫 調節剤の効果に関係するデータが得られた。ステロイド薬剤メチルプレドニゾロ ンは、MAIFにより観察される比率と類似した白血球/好中球比の変化を誘発 する。薬剤投与および効果間の時間関係は幾分異なる。また、抗拒絶/抗炎症剤 シクロスポリンAは循環好中球数の増加を誘発するが、リンパ球数は用量によっ て増加するかまたは全く影響されない。対照的に、細胞傷害性薬剤シクロホスフ ァミドは、循環しているリンパ球および好中球の両方を枯渇させる。MAIFの 効果は、メチルプレドニゾロンの作用と近似していると思われる。 実施例16 MAIFによる感染誘発性炎症の抑制。 実験を行うことにより、鋭敏相反応体(APR)の血清レベルの変化を用いて MAIFの抗炎症活性が定量され得るか否かを測定した。APRは、炎症刺激因 子に応じて合成される一群の蛋白質である。これらのうちの一つ、アルファ2マ クログロブリンはヒトおよびラットの両方に共通しており、この炎症要素の測定 方法は利用可能である。MAIFの2回の静脈内注射(0および24時間)は、 アル ファ2マクログロブリンのピーク応答(48時間)を低減化しなかった。この結 果は、MAIFが後の炎症応答に全く影響を及ぼさないことを示している。 実施例17 牛乳由来の抗炎症因子のインビトロおよびインビボ評価(牛乳房マクロファー ジ検定、マウスでの感染モデル)。 超免疫牛乳分画(MAIF)と牛乳房マクロファージのインキュベーションに よって、食作用の程度は検出可能な程度には高められなかったが、マクロファー ジが食菌されたスタフィロコッカス・アウレウスを殺す能力は増強された。1キ ログラム当たり10mgのAIFを腹腔内注射されたマウスは、致死性スタフィロ コッカス・アウレウスによる腹腔内攻撃に対する抵抗増加を示した。 乳房内スタフィロコッカス・アウレウス・マスティティス攻撃モデルにおいて 、MAIF注射マウスはまた、顕著に低い乳房炎症および退縮並びに感染性生物 のクリアランス増加を示した。MAIF処置マウスからの乳房組織の定量的組織 構造分析は、対照マウスと比べて顕著に多いルーメン、少ない歯槽間結合組織お よび少ない白血球浸潤を示した。また、処置マウスの乳腺は、対照マウスよりも 少ないコロニー形成単位を含んでいた。MAIFは、白血球機能の調節により非 特異的防御系に対するその効果を発揮する思われる。 実施例18 実験的感染の病原に対するMAIFの効果。 ヒトが最もよく遭遇する炎症原は微生物であり、感染に対する宿主防御系を調 節する薬剤の作用を測定することは重要である。事実、多くの感染性疾患に伴う 組織損傷は、侵入生物ではなく感染に対する宿主応答により誘発される。感染に 対する炎症応答の調節能力は有用な臨床技術であり得るが、感染中における宿主 応答の阻止が不利益であり得ることを認識しなければならない。これは、特に好 中球阻止の場合に当てはまる。初期感染段階における好中球の参与を抑制する薬 剤による試験は、炎症および組織損傷は最初は抑制され得るが、低減化した細胞 応答の結果として生じる細菌負荷の増加が結局は組織損傷の悪化を導くことを立 証した。すなわち、(1)薬剤が感染誘発組織損傷を低減化し得るか否かを測定 し、そして(2)宿主応答の観察された抑制が感染重症度の増加を伴うか否かを 評価するために、MAIFの感染調節効力を評価することが必須である。 エシェリヒア・コリ075の皮下注射後の浮腫形成に対するMAIFの効果を 測定した。8動物から成る2群を使用した。一群は未処置で対照として用い、第 2群の各動物には0.5ml食塩水中MAIF40mgによる静脈内注射を行った。 MAIFの投与直後、エシェリヒア・コリ075の一夜培養物100μlをラッ トの毛を剃った背部の2皮膚部位に皮下注射し、次いでさらに別の2部位に10 0μlの食塩水の皮下注射を行った。感染した皮膚における浮腫容量の評価を行 うため、攻撃の時点で0.1μCiの125I−HSAの静脈内注射を行った。6時 間後、動物に麻酔をかけ、血液試料を採取し、背中の皮膚を摘出し、感染し、食 塩水注射された部位を打ち抜いた。組織数を上記血清数に関係づけることにより 、浮腫の容量を計算した。エシェリヒア・コリの存在の結果として蓄積する浮腫 の容量を得るため、食塩水注射部位の浮腫/血清容量を減じた。結果を図26に 示す。 MAIF投与の結果、浮腫形成が48%阻止された。この実験は、MAIFが 感染に対する局所的炎症応答を調節し得ることを確立した。 MAIF投与、細菌複製、流体の蓄積および炎症細胞浸潤間の関係を試験する ため、別の感染モデルを使用した。上記要領で製造し、内植したポリウレタンス ポンジを、内植の時点でエシェリヒア・コリ075の計量済試料により感染させ た。指定された間隔でスポンジを除去し、秤量することにより、流体しん出物の 容量を測定し、次いで培地中で圧搾することにより、スポンジから細菌および細 胞を除いた。当業界の熟練者に周知の技術を用いて、細菌および細胞数を評価し た。このモデルを用いて次の実験を行った。90動物を45動物から成る2群に 分けた。これらの群の一方は未処置であり、対照として用いた。第2群に対し、 MAIF40mgの静脈内注射を行った。次いで、スポンジを皮下内植し、内植の 時点で各スポンジに105エシェリヒア・コリ075を接種した。その後6−8 動物から成る群を時折殺し、スポンジにおける細菌状態および炎症浸潤物のサイ ズを測定した。結果を図27−29に示す。 細菌複製割合は、対照の場合よりもMAIF処置動物の場合の方がかなり高く 、4、8および16時間後では細菌数にして各々10、1000および1000 0倍の差異が存在した。その後、細菌数は減退したが、96時間後でもまだ大き な差異が存在していた(図27)。 感染に対する初期応答は、感染症状発現の結果における重大な決定因子である 。この実験では、MAIFが投与された動物における2、4および8時間後の細 胞浸潤物は、各々対照浸潤物の27%、35%および46%であった(図28B )。攻撃後最初の24時間で蓄積する細胞は>90%好中球であり、この段階中 におけるこの細胞成分の抑制は細菌数の急増の原因となり得る。2時間時点での 流体蓄積はMAIF投与の影響を被らなかったが、攻撃の4、8および16時間 後では顕著に少なかった。これは、MAIFがカラゲーニン肉しモデルにおける 浮腫形成の1次非細胞相を抑制しなかったという先の発見と一致する。先の試験 では、免疫調節剤シクロスポリンAおよびメチルプレドニゾロンを用いることに より、急性細胞炎症浸潤物の抑制および細菌複製の促進間の類似関連が示された 。しかしながら、これらの実験では、細菌負荷の増加により、攻撃の24ないし 48時間後に宿主応答が促進され、好中球の大量流入が存在した。組織が複雑な 場合、炎症応答が促進された結果、組織損傷および傷痕形成が著しく悪化した。 興味深いことに、MAIFの投与は初期炎症応答を抑制し、細菌数の10000 倍増加を伴ったが、攻撃の24−48時間後に好中球の大量流入は発生しなかっ た。 実施例19 実験的腎う腎炎に対するMAIFの効果。 組織損傷促進の続発症の誘発を伴わずに感染での炎症を抑制し得る薬剤は、重 要な可能性を有する。感染疾患の臨床的に適切なモデルは、前記可能性を確立す るための実験的基礎を提供し得る。 腎う腎炎は、基本的組織構造的特徴として局所炎症、組織破壊および傷痕形成 を示す感染疾患である。ヒトにおいて疾患の中心的病理学的特徴を再現する、充 分に特性確認された疾患モデルが利用され得る。腎う腎炎は、ラットにおいて予 め定められた数のエシェリヒア・コリ075を外科的に切開された腎臓に直接接 種することにより誘発される。攻撃後、細菌数は急増し、3〜4日後にピークに 到達する。正常動物では、感染レベルは5または6日後にかけて減退し、攻撃後 約10日でプラトーに達する。21日目までに、病変は消散し、鋸状傷痕組織の 焦点領域として存在する。この感染モデルに対するMAIFの効果を評価するた め、腎う腎炎を26動物の両腎臓で誘発させた。これらの動物の半分に対し、攻 撃時点および再び48時間後に40mg/ラットの用量でMAIFによる静脈内処 置を施した。各群からの7動物を腎う腎炎誘発の4日後に殺し、6動物から成る 残りの2群を21日目に殺した。腎臓を摘出して防腐処置を施し、秤量すること により、流体しん出物の相対容量を測定した。表面病変サイズの範囲を直接可視 化により評価し、腎臓をホモジネートして細菌数の計数を行った。結果を図30 に示す。 攻撃の4日後、炎症応答は、流体蓄積の阻止および腎臓表面における病変のサ イズで立証されたところによると、MAIF投与により抑制された。感染させた 皮下内植スポンジを用いた試験で先に観察されたところによると、炎症の初期抑 制の結果、MAIF処置動物では細菌数が対数的に増加した。21日目まで、腎 臓重量、細菌数または腎臓表面病変サイズにより測定された通り、病状の差異は 全く無かった。すなわち、MAIFによる初期炎症応答抑制の結果、腎う腎炎の 慢性(21日)相における組織破壊は低減化されず、他の抗炎症および免疫調節 薬剤の場合と同様に病的傷害の発生も促進されなかった。 実施例20 実験データの要約 カラゲーニン注射した肉しにおける浮腫の増大が連続的にモニターされ得る方 法が開発された。 炎症応答の初期非食細胞相はMAIFによる影響を被らず、反応の後期細胞推 進相は顕著に阻止された。カラゲーニン注射の前後に時折MAIFを投与するさ らに別の実験は、MAIFが2次好中球仲介炎症応答を調節することにより、そ の抗炎症効果を発揮するという追加的証拠を提供した。 MAIFは、静脈内注射後1−2時間の半減期を有することが示され、攻撃の 30分後に薬剤を投与すると、炎症の発生は抑制され得た。この結果は、MAI Fの可能な治療用途に関連している。 好中球は、急性炎症応答に関与する主要細胞である。アルチュス反応中、MA IF投与後に好中球蓄積の>80%減少が観察され、この場合、炎症反応の2次 特性、すなわち浮腫および出血の非常に顕著な阻止を伴った。この結果は、さら に、当然好中球が炎症のMAIF誘導的抑制における標的であることを意味した 。 炎症発生における重要段階の一つは、脈管構造から組織への好中球の遊走であ る。MAIFの静脈内投与は、好中球遊走の根深い用量依存的阻止を導くことが 示された。末梢血白血球に対するMAIFの効果を調べると、リンパ球数の対応 的減少を伴う、循環性好中球数の顕著な増加が観察された。また、この効果は、 用量依存的であったが、好中球数増加の場合には線形ではなかった。 最後に、上記薬剤は、感染に対する初期細胞性応答を顕著に抑制し、この効果 は皮下感染モデルにおける細菌数の対数的増加を誘発した。感染での急性炎症を 抑制する他の薬剤により観察されたように、この感染悪化は炎症応答のリバウン ドを誘発しなかった。また、臨床的に適切な感染モデル、腎う腎炎を用いた第2 の実験は、細菌数増加を伴った炎症に対する抑制効果を立証した。同じくリバウ ンド効果は全く観察されず、MAIF処置および対照群で生じる組織損傷の程度 に差異は無かった。 この一連の実験から、下記の結論が導かれ得る。 1.静脈内投与されたMAIFは、カラゲーニン誘発性炎症応答の2次好中球 仲介相を抑制する。 2.カラゲーニン肉し検定で評価した場合、MAIFは1−2時間の生物学的 半減期を有し、炎症誘発後に投与された場合でも有効である。後続実験は、有効 な半減期が用量および使用された炎症剌激因子の両方に依存的であることを示す 。 3.MAIFはインビボ好中球遊走を阻止する。 4.MAIF投与の結果、循環性好中球数は増加し、それに応じてリンパ球数 は減少する。 5.MAIFは、恐らくは好中球遊走に対する効果を介して、感染に対する宿 主防御を抑制する。 これらの試験で得られた実験データは、MAIFが炎症応答の好中球要素に対 して顕著な効果を有することを明白に立証している。現在までに我々が観察した 効果は、好中球自体に対するMAIFの直接効果の結果、または好中球応答を間 接的に改変する何等かの他の細胞性もしくは可溶性仲介物質の抑制(または剌激 )の結果であり得る。また、薬剤作用において単一特異的な薬剤は僅かしかない ことが広く許容されており、MAIFが若干の相異なる生物学的プロセスに影響 することが見出されることもあり得る。 この発明に関して総括的に記載したが、当業界の熟練者においては、本発明の 精神および範囲から逸脱することなくそこに多くの変更および修正が加えられ得 ることは容易に想到されるはずである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1992年3月30日 【補正内容】 請求の範囲 1.(i)産乳動物のミルクから脂肪を除いて脱脂ミルクを生産し、 (ii)脱脂ミルクを低温殺菌し、 (iii)低温殺菌した脱脂ミルクからカゼインを除いて乳漿を生産し、 (iv)乳漿から約10000ダルトンより上の分子量を有する巨大分子を除い て、 約10000ダルトンより上の分子量を有する巨大分子を有しない組成物を生産 し、 (v)段階(iv)で得た組成物のイオンカを減少して抗炎症活性を有する凝集 体を生産し、該凝集体が約5000ダルトンより上の分子量を有し、 (vi)段階(v)の組成物から約5000ダルトンより下の分子量を有する巨 大分子を除いて約5000ダルトンより下の分子量を有する巨大分子を有しない 組成物を生産し、 (vii)段階(vi)の組成物を採取する ことを含む方法によって生産した実質上純粋な形の抗炎症組成物。 2.段階(iv)の除去をメンブランフィルターによって実施する請求項1に記 載の組成物。 3.メンブランフィルターがアミコンYM5メンブランフィルターである請求 項2に記載の因子。 4.(i)産乳動物のミルクから脂肪を除いて脱脂ミルクを生産し、 (ii)脱脂ミルクを低温殺菌し、 (iii)低温殺菌した脱脂ミルクからカゼインを除いて乳漿を生産し、 (iv)乳漿から約10000ダルトンより上の分子量を有する巨大分子を除い て、約10000ダルトンより上の分子量を有する巨大分子を有しない組成物を 生産し、 (v)段階(iv)で得た組成物のイオンカを減少して抗炎症活性を有する凝集 体を生産し、該凝集体が約5000ダルトンより上の分子量を有し、 (vi)段階(v)の組成物から約5000ダルトンより下の分子量を有する巨 大分子を除いて約5000ダルトンより下の分子量を有する巨大分子を有しない 組成物を生産し、 (vii)段階(vi)の組成物を採取する ことを含む抗炎症組成物を実質上純粋な形で生産する方法。 5.段階(vi)の除去をメンブランフィルターによって実施する請求項4に記 載の方法。 6.メンブランフィルターがアミコンYM5メンブランフィルターである請求 項4に記載の方法。 8.細胞性炎症反応が炎症細胞の遊走である請求項26に記載の方法。 9.炎症細胞が好中球である請求項8に記載の方法。 10.細胞性炎症反応がアルサス反応である請求項26に記載の方法。 11.細胞性炎症反応が感染の結果である請求項26に記載の方法。 12.細胞性炎症反応が急性相反応物質放出の結果である請求項26に記載の方 法。 14.方法が、請求項1記載の方法により生産されたミルク抗炎症因子をサイト カイン作用を抑制するに充分な量で哺乳類へ投与することを含む、哺乳類におけ るサイトカイン作用を阻止する方法。 15.サイトカイン作用が炎症細胞の受容体で起る請求項10に記載の方法。 17.ミルク抗炎症因子を静脈内投与する請求項8〜12、14、15および2 6〜28の何れか1項に記載の方法。 18.ミルク抗炎症因子を経口で投与する請求項8〜12、14、15および2 6〜28の何れか1項に記載の方法。 19.ミルク抗炎症因子を腹腔内投与する請求項8〜12、14、15および2 6〜28の何れか1項に記載の方法。 20.ミルク抗炎症因子を筋肉内投与する請求項8〜12、14、15および2 6〜28の何れか1項に記載の方法。 21.ミルク抗炎症因子をウシで生産する請求項14、26、27および28の 何れか1項に記載の方法。 22.超免疫状態が、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・ エピテルミディス、ストレプトコッカス・ピオゲネスA1型、ストレプトコッカ ス・ピオゲネスA3型、ストレプトコッカス・ピオゲネスA5型、ストレプトコ ッカス・ピオゲネスA8型、ストレプトコッカス・ピオゲネスA12型、ストレ プトコッカス・ピオゲネスA14型、ストレプトコッカス・ピオゲネスA18型 、ストレプトコッカス・ピオゲネスA22型、アエロバクター・アエロゲネス、 エシェリキア・コリ、シュードモナス・アエルギノーザ、クレブシェラ・ニュー モニエ、サルモネラ・チフィムリウム、ヘモフィルス・インフルエンゼ、ストレ プトコッカス・ミチス、プロテウス・ブルガリス、シゲラ・ディセンテリエ、デ ィプロコッカス・ニューモニエ、プロプリオニバクター・アクネス、ストレプト コッカス・ミュータンス、またはストレプトコッカス・アガラクチエを含む細菌 性抗原の多価混合物の投与により誘導されたものである請求項14、26、27 および28の何れか1項に記載の方法。 23.多価細菌性抗原を経口により動物へ投与する請求項22に記載の方法。 24.多価ワクチンを非経口的に投与する請求項22に記載の方法。 25.炎症が、急性および亜急性粘液包嚢炎、急性非特異性鍵炎、全身性エリテ マトーデス、全身性皮膚筋炎、急性リウマチ性心炎、天疱瘡、水庖性皮膚炎、疱 疹、重症紅疹、多形性剥脱性皮膚炎、肝硬変、季節性習慣性鼻炎、気管支喘息、 異所性皮膚炎、血清病、角膜炎、眼性虹彩炎、びまん性尿道炎、脈絡膜炎、視神 経炎、交感性眼炎、症候性サルコイドーシス、レフラー症候群、べリリウム中毒 症、および溶血性貧血等を含む群から選ばれた疾患によって起ったものである請 求項14、26、27および28の何れか1項に記載の方法。 26.方法が、請求項1記載の方法により生産されたミルク抗炎症組成物を細胞 炎症反応を抑制するに充分な量で哺乳類へ投与することを含む、哺乳類における 細胞炎症反応を阻止する方法。 27.歩方が請求項1記載の方法により生産されたミルク抗炎症組成物をアルサ ス反応を抑制するに充分な量で哺乳類へ投与することを含む、哺乳類におけるア ルサス反応を阻止する方法。 28.方法が請求項1記載の方法により生産されたミルク抗炎症組成物を好中球 の内皮細胞への粘着を抑制するに充分な量で哺乳類へ投与することを含む、哺乳 類における好中球の内皮細胞への粘着を阻止する方法。 【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1992年9月30日 【補正内容】 明細書 抗炎症因子、その単離方法、および用途 この出願は米国特許出願第384625号(1982年6月3日出願、現在出 願放棄)の1部継続出願てあり、米国特許第4636384号(1983年10 月27日出願)の分割出願である米国特許第4897265号(1987年1月 9日出願)の1部継続出願である米国特許第4956349号(1988年4月 4日出願)およひ米国特許出願第910297号[1986年9月17日出願( 米国特許出願第576001号(1983年2月1日出願、現在出願放棄)のフ ァイルラッパー継続出願)]の1部継続出願である。これらは引用することによ り本明細書に完全に包含させる。 [発明の背景] [発明の分野] この発明は抗炎症因子、その実質上純粋な形の生産方法、および炎症処置にお けるその使用方法に関するものである。 [従来技術の説明] ドーランドズ・メジカル・ディクショナリーで定義されているように、炎症と は「組織に障害または破壊があったとき、有害な薬剤および障害された組織を双 方とも破壊、希薄化、または隔離するように誘発された局所的な保護反応」であ る。炎症は、微小血管構造の開孔、血液成分の細胞間質腔への溢出、および白血 球の炎症組織への遊走を特徴とする。通常これは肉眼的に、発赤、浮腫、圧痛( 痛覚過敏)および疼痛等のよく知られた臨床徴候を伴う。この複雑な反応の過程 で、ヒスタミン、5−ヒドロキシトリプタミン、各種の化学走性因子、ブラジキ ニン、ロイコトリエン、およびプロスタグランジンのような化学的伝達物質が局 所的に遊離される。食細胞が炎症領域に移動し、細胞リソソーム膜が破れ、分解 系酵素を放出し得る。これらすべての事象は炎症性反応に関係する。 慢性関節リウマチの患者の炎症は、恐らく抗原(γ−グロブリン)が抗体(リ に遮断し得るのに十分な超免疫ミルク因子の遮断量を動物へ投与することによる 精製したMAIFの用途を含む。遮断量とは、特に炎症細胞が好中球であるとき 、炎症細胞の移動を阻止するのに十分な量である。またMAIFはアルサス反応 中に起る炎症反応を阻止するのに使用する。またMAIFは動物の感染に起因す る細胞性炎症反応を阻止するのに使用できる。MAIFはまた、急性相反応物質 放出から生じた細胞性炎症反応を遮断する手段として使用できる。MAIFはま た、超免疫ミルク因子の有効遮断量を動物へ投与することにより、動物における サイトカイン作用を阻害するのに使用できる。上記のサイトカイン作用の阻害は 、炎症細胞の受容体で起る。MAIFはまた、好中球の内皮細胞への粘着を防止 するのに使用し得る。この使用はMAIFの遮断量を動物へ投与することからな り、ここで遮断量とは粘着を防止するのに十分有効な投与量である。MAIFは 都合よく静脈内に投与される。 [図面の説明] この発明およびそれに付随する多くの利点について一層完全な理解を容易にす るため、以下、添付図面について詳細に説明する。 第1図:好ましい方法の段階2、DEAE−セルロース・カラムを用いたイオ ン交換クロマトグラフィーによるMAIFの単離。 第2図:好ましい方法の段階3、セファデックスG−10モレキュラーシーブ ・カラムを用いたDEAE−セルロース・クロマトグラフィー(第1図)からの MAIFピーク(2番目)の分別。 第3図:ラットのカラゲニン誘発浮腫に対する免疫ミルクの効果(足蹠重量、 %対照足蹠、平均値±sem、n=10)。 第4図:ラットの肉跳浮腫に対する腹腔内MAIFの効果(μl、平均値±S D、n=6)。 第5図:ラットの足蹠浮腫試験におけるMAIF腹腔内投与の用量一反応曲線 (%対照、平均値±SD、n=6)。 第6図:ラットの肉趾浮腫に対する超免疫ミルク因子(MAIF):プラセボ [好ましい実施態様の説明] この発明はMAIFの単離および精製、および疾患を抗炎症処置する目的でM AIFを動物へ投与することを含む。 「ミルク抗炎症因子」の語は、超免疫ミルクまたは正常なウシのミルクの何れ かから得られた因子をいう。「実質上純粋なミルク抗炎症因子」の語は、この発 明の目的のために、高分子量の物質(>10000ダルトン)を除去し、低分子 量のイオン交換クロマトグラフィーによって負に荷電した種を単離したのち、H PLCクロマトグラフィーで単一な主要対称ピークとして溶出する抗炎症因子を いう。正常ミルクおよび超免疫ミルクの双方とも、本明細書で報告した方法で処 理することによってMAIFを得ることができる。 「超免疫ミルク」の語は、この発明の目的のために、超免疫状態で維持した産 乳動物から得られたミルクであって、超免疫に関する詳細は、以下にさらに詳細 に説明する。 「乳漿(ホエイ)」の語は、この発明の目的のために、乳脂を除去したミルク を表す。 「正常ミルク」の語は、この発明の目的のために、通常の手段で乳業を行うこ とにより産乳動物から得られるミルクをいう。 「産乳動物」の語は、この発明の目的のために、商業的に実施可能な量でミル クを生産する哺乳動物を表し、好ましくはウシ、ヒツジ、およびヤギであって、 一層好ましくはボス属(ウシ科)に属する乳牛、詳細には最高の産乳量が得られ るホルスタインのような品種である。 「細菌性抗原」の語は、この発明の目的のために、乾熱滅菌した細菌細胞の凍 結乾燥品をいう。 「マイクロカプセル化した形態」の語は、この発明の目的のために、産乳動物 へ投与するため、1またはそれ以上の細菌性抗原をカプセル化したポリマー製微 粒子をいう。 「炎症」の語は、この発明の目的のために、組織に障害または破壊があったと き、有害な薬剤および障害された組織を双方とも破壊、希薄化、または隔離する ように誘発された局所的な保護反応を表し、急性の形では、続発する疼痛、発熱 、発赤、腫脹、および機能の喪失等の典型的な症状を特徴とし、組織学的には透 過性および血流の増大、血漿タンパク質を含有する液体の滲出、好中球の炎症病 巣への遊走等を伴う細動脈、毛細血管、および細静脈の拡張を含んだ複雑な一連 の事象を含む。 「処置」の語は、この発明の目的のために、疾患の症状および/または疾患の 病原性要因を改善し、もしくは完全に解消することをいう。 「投与する」の語は、この発明の目的のために、対象を経口、静注、非経口( 静脈内、筋肉内、または皮下)、または経直腸のような経路により物質で処置す る任意の方法をいう。 「動物」の語は、この発明の目的のために、炎症にかかった任意の生きている 生物を表し、ヒト、飼育動物、家畜、動物園の動物等を含む。 この発明の単離し、精製したミルク生産物で処置し得る炎症状態の例を挙げれ ば、急性および亜急性粘液包嚢炎、急性非特異性鍵炎、全身性エリテマトーデス 、全身性皮膚筋炎、急性リウマチ性心炎、天疱瘡、水庖性皮膚炎、疱疹、重症紅 疹、多形性剥脱性皮膚炎、肝硬変、季節性習慣性鼻炎、気管支喘息、異所性皮膚 炎、血清病、角膜炎、眼性虹彩炎、びまん性尿道炎、脈絡膜炎、視神経炎、交感 性眼炎、症候性サルコイドーシス、レフラー症候群、ベリリウム中毒症、溶血性 貧血、乳腺炎、乳様突起炎、接触皮膚炎、アレルギー性結膜炎、乾癬性関節炎、 強直性脊椎炎、急性通風性関節炎、および帯状庖疹等を含む群から選ばれた疾患 である。また単離し、精製したミルク生産物は、可能性ある炎症性薬物に暴露さ れた個体を処置するのに使用し得る。 この発明の一部は、ウシ科のような産乳動物を超免疫の特殊状態にすると、動 物が極めて有用なMAIFの超正常量を有するミルクを生産するという発見に基 づいている。このMAIFはヒトおよびその他の動物における炎症症状を抑制す るだけでなく、受容個体内で炎症性因子の存在が予想される場合の予防的薬剤で によって起した浮腫について試験する。ラット足蹠試験は抗炎症薬の標準的な動 物試験である[C.A.ウインター、G.A.リスレー、A.W.ナス、「カラジーナ ン・インデュースト・エデマ・イン・ザ・ヒンド・ポウ・オブ・ザ・ラット・ア ズ・アン・アッセイ・フォア・アンチインフラメートリー・ドラッグズ」、プロ シーディング・オブ・ザ・ソサエティー・フォア・エキスペリメンタル・バイオ ロジー・アンド・メジシン、3巻、544頁(1967年)]。そのほかさまざ まな試験方法が使用し得る[A.S.ウェトニック、C.セービン、「ジ・エフェ クツ・オブ・クロニキシン・アンド・ベータウレタゾン・オン・アジュバント・ インデュースト・アートリチス・アンド・エキスペリメンタル・アラージック・ エンセファロミエリチス・イン・ラッツ」、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ ファーマコロジー、22巻、741頁(1972年)]。然しラット足蹠試験は 、最も簡単で直接試験でき、すべての抗炎症薬に十分適合するものであることが 判明した。この試験はベックが詳細に報告しており(米国特許第4284623 号)、ラット足蹠試験について報告している部分を参考文献として本明細書に包 含させた。簡単に説明すると、この試験は成熟白ラットの肉趾へ少量のカラゲニ ンを注射することからなる。この処理によって炎症反応が誘発されることが分か っている。生じた腫脹の程度を定量化できる。好適な経路により、好ましくは腹 腔内注射により、抗炎症因子を含有する試料をラットへ投与し、炎症経過の遮断 または改善を容量計測法または重量計測法の何れかによって定量する。 以上を要約すると、ミルクを脱脂し、カゼインを除去し、分子量10000ダ ルトン以上の巨大分子を除き、ついでイオン交換クロマトグラフィー、続いてモ レキュラーシーブ・クロマトグラフィーを行うことによって、超免疫したミルク から抗炎症因子を単離することができる。抗炎症因子の好適な調製品の生物活性 は、本明細書で説明したようなラットに対する用量−反応実験を実施することに よって試験できる。 この発明の組成物は抗炎症活性を提供し得る任意の手段によって投与し得る。 例えば投与は、非経口的に、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内に投与し得、または 経口で投与し得る。 経口投与用の固体投与形態は、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、および顆粒等で ある。そのような固体投与形態では、活性化合物をスクロース、ラクトース、ま たはデンプンのような少なくとも1種類の不活性な希釈剤と混和する。またその ような投与形態では、通常実施されるように不活性な希釈剤以外にも追加的な物 質を含有できる。またカプセル、錠剤、および丸剤の場合は、投与形態は緩衝剤 も含有し得る。錠剤および丸剤はさらに腸溶性コーティングで調製することがで きる。 経口投与用の液体投与形態は、製薬技術で一般に使用される不活性希釈剤を含 有する乳剤、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル等を含む。不活性希釈 剤以外にも、そのような組成物は湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤のような助剤、およ び甘味剤を加えることができる。 非経口投与用のこの発明の製剤は、滅菌水溶液または非水溶液、懸濁液、また は乳液等を含む。非水溶媒または担体の例を挙げれば、プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、およびオレイン酸エチル のような注射用の有機酸エステル等である。 この発明の組成物中の活性成分の投与量は変わり得る。ただし活性成分の量は 好適な投与形態が得られるような量にすべきである。投与形態の選択は、所望の 治療効果、投与経路、および処置期間によって定める。 投与量および投与回数は、患者の年令および全般的な健康状態により、副作用 の可能性を考慮して定める。投与はまた、他の薬物との併用処置、および投与薬 物に対する患者の耐容性によって変わり得る。 この発明はMAIFが単離でき、精製でき、ヒトおよび動物のさまざまな炎症 過程を処置するのに有効であるという予期しない発見に一部基づいている。好ま しい実施態様では、産乳動物を細菌抗原ワクチンに対して超免疫することによっ てMAIFを生産する。動物を超免疫するのに使用するワクチンは抗炎症活性を 含んでいない。従って混合細菌抗原ワクチンに対して免疫した動物から得られ、 4.ストレプトマイシス・ピオゲネス、A.3型 APT + 10389 5.ストレプトマイシス・ピオゲネス、A.5型 APT + 12347 6.ストレプトマイシス・ピオゲネス、A.8型 APT + 12349 7.ストレプトマイシス・ピオゲネス、A.12型 APT + 11434 8.ストレプトマイシス・ピオゲネス、A.14型 APT + 12972 9.ストレプトマイシス・ピオゲネス、A.18型 APT + 12357 10.ストレプトマイシス・ピオゲネス、A.22型 APT + 10403 11.アエロバクター・アエロゲネス BHI − 884 12.エシェリヒア・コリ BHI − 26 13.サルモネラ・エンテリティディス BHI − 13076 14.シュードモナス・エルギノサ BHI − 7700 15.クレブシエラ・ニューモニエ BHI − 9590 16.サルモネラ・ティフィムリウム BHI − 13311 17.ヘモフィルス・インフルエンゼ BHI − 9333 18.ストレプトマイシス・ミティス APT + 6249 19.プロテウス・ブルガリス BHI − 13315 20.シゲラ・ディセンテリエ BHI − 11835 21.ディプロコッカス・ニューモニエ APT + 6303 22.プロピオニバクター・アクネス ブロス + 11827 23.ストレプトマイシス・サングイス APT + 10556 24.ストレプトマイシス・サリバリウス APT + 13419 25.ストレプトマイシス・ムタンス BHI + 25175 26.ストレプトマイシス・アガラクチエ APT + 13813 雌牛に毎日多価液体ワクチンの5ml試料の注射をした。多価抗原に対する牛抗 体に関する酵素結合免疫検定法を用いることにより、注射された牛の抗体(Ig G)力価レベルを定期的に測定した。 実施例1B 免疫化方法 上記方法で加熱殺菌細菌を製造した。得られた多価抗原試料(S−100)を 慣用的相分離方法によりマイクロカプセル封入して、多価抗原含有微粒子製品を 製 (b)抗炎症部分の生物学的半減期、 (c)MAIFが影響を及ぼす炎症応答発生での時点 に関する情報を提供することであった。 この試験は3部に分けて行なわれた。MAIFは、カラゲーニン注射の150 分前から150分後の範囲における11時点のうちの1時点で4mg/ラットの用 量で静脈内投与された。この実験の結果を図19および表5に示す。 試験された全時点で浮腫の顕著な阻止が観察された。しかしながら、阻止レベ ルは圏外両極値(±150分)では低かった。MAIF投与に対する興味深い周 期的応答が、攻撃時点に近い時点で処置された群において見られた。攻撃の15 分後に投与された場合よりも攻撃の30分後に投与された場合の方が、MAIF はより効果的であったという事実は、応答の2次食細胞仲介相が薬剤により阻止 されるという概念を裏付けている。MAIFは、攻撃15分前または攻撃時点で 投与されると、カラゲーニンに対する応答を強く阻止した。さらに、この薬剤が 血清中において比較的長い半減期(1−2時間)を有し、その有効性が攻撃時点 およ ファ2マクログロブリンのピーク応答(48時間)を低減化しなかった。この結 果は、MAIFが後の炎症応答に全く影響を及ぼさないことを示している。 実施例17 牛乳由来の抗炎症因子のインビトロおよびインビボ評価(牛乳房マクロファー ジ検定、マウスでの感染モデル)。 超免疫牛乳分画(MAIF)と牛乳房マクロファージのインキュベーションに よって、食作用の程度は検出可能な程度には高められなかったが、マクロファー ジが食菌されたスタフィロコッカス・アウレウスを殺す能力は増強された。1キ ログラム当たり10mgのMAIFを腹腔内注射されたマウスは、致死性スタフィ ロコッカス・アウレウスによる腹腔内攻撃に対する抵抗増加を示した。 乳房内スタフィロコッカス・アウレウス・マスティティス攻撃モデルにおいて 、MAIF注射マウスはまた、顕著に低い乳房炎症および退縮並びに感染性生物 のクリアランス増加を示した。MAIF処置マウスからの乳房組織の定量的組織 構造分析は、対照マウスと比べて顕著に多いルーメン、少ない歯槽間結合組織お よび少ない白血球浸潤を示した。また、処置マウスの乳腺は、対照マウスよりも 少ないコロニー形成単位を含んでいた。MAIFは、白血球機能の調節により非 特異的防御系に対するその効果を発揮する思われる。 実施例18 実験的感染の病原に対するMAIFの効果。 ヒトが最もよく遭遇する炎症原は微生物であり、感染に対する宿主防御系を調 節する薬剤の作用を測定することは重要である。事実、多くの感染性疾患に伴う 組織損傷は、侵入生物ではなく感染に対する宿主応答により誘発される。感染に 対する炎症応答の調節能力は有用な臨床技術であり得るが、感染中における宿主 応答の阻止が不利益であり得ることを認識しなければならない。これは、特に好 中球阻止の場合に当てはまる。初期感染段階における好中球の参与を抑制する薬 剤による試験は、炎症および組織損傷は最初は抑制され得るが、低減化した細胞 応答の結果として生じる細菌負荷の増加が結局は組織損傷の悪化を導くことを立 証した。すなわち、(1)薬剤が感染誘発組織損傷を低減化し得るか否かを測定 し、そして(2)宿主応答の観察された抑制が感染重症度の増加を伴うか否かを 評価するために、MAIFの感染調節効力を評価することが必須である。 エシェリヒア・コリ075の皮下注射後の浮腫形成に対するMAIFの効果を 測定した。8動物から成る2群を使用した。一群は未処置で対照として用い、第 2群の各動物には0.5ml食塩水中MAIF40mgによる静脈内注射を行った。 MAIFの投与直後、エシェリヒア・コリ075の一夜培養物100μlをラッ トの毛を剃った背部の2皮膚部位に皮下注射し、次いでさらに別の2部位に10 0μlの食塩水の皮下注射を行った。感染した皮膚における浮腫容量の評価を行 うため、攻撃の時点で0.1μCiの125I−HSAの静脈内注射を行った。6時 間後、動物に麻酔をかけ、血液試料を採取し、背中の皮膚を摘出し、感染し、食 塩水注射された部位を打ち抜いた。組織数を上記血清数に関係づけることにより 、浮腫の容量を計算した。エシェリヒア・コリの存在の結果として蓄積する浮腫 の容量を得るため、食塩水注射部位の浮腫/血清容量を減じた。結果を図26に 示す。 MAIF投与の結果、浮腫形成が48%阻止された。この実験は、MAIFが 感染に対する局所的炎症応答を調節し得ることを確立した。 MAIF投与、細菌複製、流体の蓄積および炎症細胞浸潤間の関係を試験する ため、別の感染モデルを使用した。上記要領で製造し、内植したポリウレタンス ポンジを、内植の時点でエシェリヒア・コリ075の計量済試料により感染させ た。指定された間隔でスポンジを除去し、秤量することにより、流体しん出物の 容量を測定し、次いで培地中で圧搾することにより、スポンジから細菌および細 胞を除いた。当業界の熟練者に周知の技術を用いて、細菌および細胞数を評価し た。このモデルを用いて次の実験を行った。90動物を45動物から成る2群に 分けた。これらの群の一方は未処置であり、対照として用いた。第2群に対し、 MAIF40mgの静脈内注射を行った。次いで、スポンジを皮下内植し、内植の 時点で各スポンジに105エシェリヒア・コリ075を接種した。その後6− 【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1992年9月30日 【補正内容】 【図1】 【図2】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(i)産乳動物のミルクから脂肪を除いて脱脂ミルクを生産し、 (ii)脱脂ミルクを低温殺菌し、 (iii)低温殺菌した脱脂ミルクからカゼインを除いて乳漿を生産し、 (iv)乳漿から約10000ダルトン以上の分子量を有する巨大分子を除いて 透過物を生産し、 (v)透過物から約5000ダルトン以下の分子量を有する巨大分子を除いて 滞留物を生産し、 (vi)抗炎症因子を採取する ことを含む方法によって生産した実質上純粋な形の抗炎症因子。 2.段階(v)の除去をメンブランフィルターによって実施する請求項1に記 載の因子。 3.メンブランフィルターがアミコンYM5メンブランフィルターである請求 項2に記載の因子。 4.(i)産乳動物のミルクから脂肪を除いて脱脂ミルクを生産し、 (ii)脱脂ミルクを低温殺菌し、 (iii)低温殺菌した脱脂ミルクからカゼインを除いて乳漿を生産し、 (iv)乳漿から約10000ダルトン以上の分子量を有する巨大分子を除いて 透過物を生産し、 (v)透過物から約5000ダルトン以下の分子量を有する巨大分子を除いて 滞留物を生産し、 (vi)抗炎症因子を採取する ことを含む抗炎症因子を実質上純粋な形で生産する方法。 5.段階(v)の除去をメンブランフィルターによって実施する請求項4に記 載の方法。 6.メンブランフィルターがアミコンYM5メンブランフィルターである請求 項4に記載の方法。 7.ミルク抗炎症因子の遮断量を動物へ投与することを含み、ここでその遮断 量が細胞性炎症反応を有効に遮断するのに十分な量であることからなる動物にお ける細胞性炎症反応の遮断方法。 8.細胞性炎症反応が炎症細胞の遊走である請求項7に記載の方法。 9.炎症細胞が好中球である請求項8に記載の方法。 10.細胞性炎症反応がアルサス反応である請求項7に記載の方法。 11.細胞性炎症反応が感染の結果である請求項7に記載の方法。 12.細胞性炎症反応がAPR放出の結果である請求項7に記載の方法。 13.ミルク抗炎症因子の遮断量を動物へ投与することを含み、ここでその遮断 量がアルサス反応を有効に阻止するのに十分な量であることを含む方法てある動 物におけるアルサス反応を防止する方法。 14.ミルク抗炎症因子の有効な遮断量を動物へ投与することを含む方法である 動物におけるサイトカイン作用を阻止する方法。 15.サイトカイン作用が炎症細胞の受容体で起る請求項10に記載の方法。 16.ミルク抗炎症因子の遮断量を動物へ投与することを含み、ここでその遮断 量が好中球の粘着を有効に防止するのに十分な量であることを含む方法である好 中球の内皮細胞への粘着を防止する方法。 17.ミルク抗炎症因子を静脈内投与する請求項7〜16の何れか1項に記載の 方法。 18.ミルク抗炎症因子を経口で投与する請求項7〜16の何れか1項に記載の 方法。 19.ミルク抗炎症因子を腹腔内投与する請求項7〜16の何れか1項に記載の 方法。 20.ミルク抗炎症因子を筋肉内投与する請求項7〜16の何れか1項に記載の 方法。 21.ミルク抗炎症因子をウシで生産する請求項7、13、14、および16の 何れか1項に記載の方法。 22.超免疫状態が、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・ エピテルミディス、ストレプトコッカス・ピオゲネスA1型、ストレプトコッカ ス・ピオゲネスA3型、ストレプトコッカス・ピオゲネスA5型、ストレプトコ ッカス・ピオゲネスA8型、ストレプトコッカス・ピオゲネスA12型、ストレ プトコッカス・ピオゲネスA14型、ストレプトコッカス・ピオゲネスA18型 、ストレプトコッカス・ピオゲネスA22型、アエロバクター・アエロゲネス、 エシェリキア・コリ、シュードモナス・アエルギノーザ、クレブシェラ・ニュー モニエ、サルモネラ・チフィムリウム、ヘモフィルス・インフルエンゼ、ストレ プトコッカス・ミチス、プロテウス・ブルガリス、シゲラ・ディセンテリエ、デ ィプロコッカス・ニューモニエ、プロプリオニバクター・アクネス、アクチノマ イセス(嫌気性菌)、ストレプトコッカス・ミュータンス、またはストレプトコ ッカス・アガラクチエを含む細菌性抗原の多価混合物の投与により誘導されたも のである請求項7、13、14、および16の何れか1項に記載の方法。 23.多価細菌性抗原を経口により動物へ投与する請求項22に記載の方法。 24.多価ワクチンを非経口的に投与する請求項22に記載の方法。 25.炎症が、急性および亜急性粘液包嚢炎、急性非特異性鍵炎、全身性エリテ マトーデス、全身性皮膚筋炎、急性リウマチ性心炎、天疱瘡、水疱性皮膚炎、疱 疹、重症紅疹、多形性剥脱性皮膚炎、肝硬変、季節性習慣性鼻炎、気管支喘息、 異所性皮膚炎、血清病、角膜炎、眼性虹彩炎、びまん性尿道炎、脈絡膜炎、視神 経炎、交感性眼炎、症候性サルコイドーシス、レフラー症候群、ベリリウム中毒 症、および溶血性貧血等を含む群から選ばれた疾患によって起ったものである請 求項7、13、14、および16の何れか1項に記載の方法。
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