JP2016049742A - フィルム貼付装置、フィルム貼付方法およびフィルムセット - Google Patents

フィルム貼付装置、フィルム貼付方法およびフィルムセット Download PDF

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平 秋山
Taira Akiyama
平 秋山
一行 森田
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Abstract

【課題】フィルムの種類によらずに、簡易かつ確実に保護フィルムを貼り付けることができるフィルム貼付装置、フィルム貼付方法及びフィルムセットを提供する。
【解決手段】フィルム貼付装置10は、電子機器を収容する収容部20と、スライド移動して携帯電話Mの貼付面に保護フィルムを貼付する貼付ユニット30と、保護フィルムの端部を保持する仮固定部40と、を備える。貼付ユニット30は、アウターボックス22に設置された状態で、ガイド溝222に係合したガイドピンを軸にして回転遷移するとともに、インナーボックス21に収容された携帯電話状をスライド移動する。この貼付ユニット30の回転及びスライド移動は、図示しないフィルムセットの端部が牽引されることで行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器の保護フィルムを好適に貼り付けるためのフィルム貼付装置、フィルム貼付方法およびフィルムセットに関する。
スマートフォン、タブレット端末等の電子機器の貼付面を損傷から防いだり強い反射を抑制したり他人に見られないようにしたりするため、保護フィルムが市場に供給されている。このような保護フィルムは、樹脂フィルムの片面に接着層が形成されており、電子機器の貼付面に貼ることができるようになっている。この保護フィルムは、一般に接着層が形成された面にカバーフィルムを貼り合されてフィルムセットとして市販されており、貼付時には、保護フィルムからカバーフィルムを剥離して用いるようになっている。
ところで、従来、気泡や埃を含むことなく、保護フィルムを電子機器の貼付面に適切に貼り付けるためのフィルム貼付装置が提案されてきた。例えば、特許文献1には、2つのスライド溝、第一収容溝、および第二収容溝を備える収容本体と、ローラフレームにローラセットが設けられた、保護フィルムカバーを押し出すためのローラ装置とを備えたフィルムの貼り付け装置が開示されている。特許文献1に記載の貼り付け装置は、保護フィルムカバーとしては、保護フィルムと底膜(カバーフィルム)の他に、固定部材、固定薄膜、および押分部材を備えている。電子機器を第一収容溝に置き、保護フィルムカバーを第二収容溝に係合させて、ローラ装置を押して2つのスライド溝に沿ってスライドを移動させると、ローラ装置が保護フィルムカバーの押分部材を押し当てて底膜と保護フィルムを分離させ、保護フィルムが電子機器の表面に貼り付けられるようになっていた。
また、特許文献2には、台座とモバイル装置定位台と保護フィルム貼付装置とからなるモバイル装置用保護フィルム貼付装置が開示されている。この保護フィルム貼付装置は、保護フィルムおよび離型層(カバーフィルム)の他に、定位部、定位合わせユニット、三角形分離器を備えている。定位部は保護フィルムに取り付けられ、三角形分離器は離型層に取り付けられている。モバイル装置定位台にモバイル装置を収容して、保護フィルム貼付装置の定位部により保護フィルムの位置を固定してから、三角形分離器をモバイル装置の貼り付け面に寄りつけてスライドさせることにより、三角形分離器とともに離型層が保護フィルムから離脱していく。ユーザは保護フィルムを貼り付け面の裏面から押さえながら離型層をさらに剥がしていくことで、モバイル装置に保護フィルムを貼り付けることができるようになっている。
登録実用新案第3182202号公報 登録実用新案第3180690号公報
しかしながら、特許文献1に記載のフィルム貼付装置では、保護フィルムとして、保護フィルムと底膜(カバーフィルム)の他に、固定部材、固定薄膜、および押分部材といった特別な構造部材が必要であった。また、特許文献2に記載の貼付装置でも、保護フィルムと離型層(カバーフィルム)の他に、定形部、位置合わせユニット、三角分離器といった特別な構造部材が必要であった。つまり、特許文献1や特許文献2に記載のフィルム貼付装置は、いずれも専用の構造部材を備える特殊なフィルムセットが必須であり、フィルム貼付装置に用いることができるフィルムの種類が限られていた。
また、本発明者らの検討によれば、特許文献1及び2のように仮に専用のフィルムセットを用いない場合には、フィルム貼付装置の構成によっては、保護フィルムに貼り合わせたカバーフィルムの種類に依存して、保護フィルムからカバーフィルムがうまく剥離せず、結果として保護フィルムの貼り付けが適切にできないことがわかった。すなわち、カバーフィルムの引っ張り強さ、いわゆるコシの強さによっては、カバーフィルムが折れ曲がるなどして適切に剥離させることができない場合があった。そこで、本発明者らは、市販されるいかなるフィルムを用いた場合でも、簡易かつ確実な保護フィルムの貼り付けが可能なフィルム貼付装置、フィルム貼付装置において実現するフィルムの貼り付け方法について鋭意検討を重ね、本願発明に想到したものである。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルムの種類によらずに、簡易かつ確実に保護フィルムを貼り付けることができるフィルム貼付装置、フィルム貼付方法及びフィルムセットを提供することことにある。
上記課題を解決するため、本発明のフィルム貼付装置は、保護フィルムとカバーフィルムとを貼り合わせたフィルムセットから、前記カバーフィルムを剥離して前記保護フィルムを前記電子機器の貼付面に貼付するフィルム貼付装置であって、前記電子機器を収容する収容部と、前記収容部の一端側から他端側まで移動して前記電子機器の前記貼付面に前記保護フィルムを貼付する貼付ユニットと、前記保護フィルムの貼付時に、前記一端側における前記保護フィルムの端部を保持する仮固定部と、を備える。前記貼付ユニットは、前記保護フィルムを前記電子機器の前記貼付面に押圧して貼付するローラと、前記ローラに隣接して設けられ、前記ローラとの間で前記フィルムセットを挟持して、前記一端側における前記カバーフィルムの端部が牽引されることで、前記フィルムセットから前記カバーフィルムを剥離させるシャフトと、前記一端側における前記カバーフィルムの端部が牽引される際に、前記一端側から前記他端側までの移動をガイドするガイド部と、を備える。
以上の本発明によれば、保護フィルムの端部を仮固定部により保持させた状態で、カバーフィルムの端部を牽引すると、シャフトに牽引力が作用して貼付ユニットがスライド移動し、ローラが保護フィルムを電子機器の貼付面に押圧しながら摺動することにより、保護フィルムを電子機器の貼付面へ貼付することができる。本発明は、従来のように貼付ユニットに力を掛けて貼付ユニットをスライドさせることで保護フィルムを貼付面に貼付するのではなく、剥離させるカバーフィルムを牽引することで貼付ユニットがスライド移動する点に特徴がある。カバーフィルムを牽引するだけで貼付ユニットに移動させる力を働かせることができるので、カバーフィルムの種類に依存せず、どのようなカバーフィルムであっても電子機器の貼付面に対して保護フィルムを確実に貼付することができる。
好ましい態様では、前記貼付ユニットは、前記一端側において、前記フィルムセットを前記ローラと前記シャフトとの間に挟持させるセット位置と、前記電子機器の前記貼付面へ前記保護フィルムを貼付させる貼付位置と、の間を回動可能に構成され、前記セット位置において、前記ローラと前記シャフトとにより挟持された前記カバーフィルムの端部が牽引されることで、前記セット位置から前記貼付位置へ回動するように構成される。
上記好ましい態様によれば、貼付ユニットがセット位置と貼付位置とを回転移動する。保護フィルムを貼付面に貼付させる場合、貼付面側に保護フィルムの粘着層が形成されたカバーフィルム側を向け、その状態からカバーフィルムを湾曲させて牽引する必要がある。すなわち、剥離させたいカバーフィルムが保護フィルムと貼付面との間に挟まれた状態になるので、剥離開始時の位置関係からカバーフィルム端部を剥離させることが難しい。しかしながら、本態様では、セット位置において、カバーフィルムが貼付面と保護フィルムとの間に介在させない状態を作ることができる。したがって、剥離開始時の位置関係において、カバーフィルムの端部を容易に牽引することができるようになり、保護フィルムからカバーフィルムの剥離をスムーズに行うことができるようになる。
好ましい態様では、前記仮固定部は、前記セット位置と前記貼付位置との間を回動可能に構成され、前記ローラと前記シャフトとにより挟持された前記カバーフィルムの端部が牽引されることで、前記セット位置から前記貼付位置へ回動するように構成される。
この態様では、仮固定部においても、カバーフィルムの牽引により、セット位置から貼付位置へ移動させることができる。したがって、セット位置においてカバーフィルムが貼付面と保護フィルムとの間に介在させない状態から、貼付位置において剥離させたいカバーフィルムを保護フィルムと貼付面との間に挟まれた状態への移行をスムーズに行うことができる。
好ましい態様では、前記仮固定部は、前記一端側において前記ローラと着脱自在に係合する係合部を備え、前記係合部は、前記貼付ユニットが前記貼付位置から前記セット位置に回動する際に前記ローラと係合するように構成され、前記セット位置において、前記ローラと前記シャフトとにより挟持された前記カバーフィルムの端部が牽引されると、係合した前記ローラを回動させた後、前記貼付位置において前記ローラとの係合が解除されるように構成される。
この態様では、セット位置から貼付位置へ移動する際に、仮固定部の係合部が貼付ユニットのローラに係合しているので、貼付ユニットと仮固定部とは、ともに回動する。貼付ユニットと仮固定部は、カバーフィルムの端部が牽引されることにより、貼付位置に移動した後、係合部のローラへの係合は解除される。これにより、セット位置から貼付位置へ移動させるまでの局面においては、貼付ユニットと仮固定部がともに移動することで、牽引されるカバーフィルム及び仮固定部に保持された保護フィルムに一定のテンションを与えることができる。また、貼付位置へ移動した後は、貼付ユニットをスライド移動へスムーズに導くことができる。
好ましい態様では、前記仮固定部は、前記貼付位置において、前記収容部との間に前記フィルムセットを位置決めする位置決め部を備える。
この態様では、仮固定部にフィルムセットの位置決めを行う手段が設けられていることで、貼付ユニットが電子機器の貼付面に対して保護フィルムを貼付するに当たって、貼付面の正確な位置へ貼付することが可能になる。
好ましい態様では、前記貼付ユニットは、前記ローラ及び前記シャフトの両端を保持するとともに、前記ガイド部が形成された一対のサイドパネルを備え、前記ガイド部は、前記一端側における前記貼付ユニットの回動と前記一端側から前記他端側への移動をガイドする第1ガイドピンと、前記貼付位置における貼付ユニットの回動を規制する第2ガイドピンと、を備え、前記収容部は、前記一端側から前記他端側に向かって、前記第1及び第2ガイドピンがそれぞれ係合する第1及び第2の溝を備える。
この態様では、貼付ユニットに設けられた第1ガイドピンにより、セット位置から貼付位置への貼付ユニットの移動と、貼付位置からのスライド移動とを可能にし、第2ガイドピンにより、貼付ユニットのスライド移動時における回動を規制することで、貼付面にローラを確実に押さえつけることが可能になる。
好ましい態様では、前記シャフトは、棒状部材からなり、前記サイドパネルに対して着脱自在に構成される。
この態様では、シャフトをサイドパネルに対して着脱自在に構成したことにより、フィルムセットを、ローラとシャフトとの間に挟持させることを容易に行うことができるようになる。
また、本発明は、上述したフィルム貼付装置を用いて行うフィルム貼付方法としても捉えることが可能であり、このフィルム貼付方法は、前記仮固定部に前記保護フィルムを位置決めして保持させるステップと、前記ローラと前記シャフトとの間に前記フィルムセットを挟持させるステップと、前記カバーフィルムの前記牽引により、前記貼付ユニットを前記一端側から前記他端側まで移動させることで、前記ローラにより前記電子機器の貼付面に前記保護フィルムを貼付させるステップと、を実行する。
この態様によれば、保護フィルムの端部が仮固定部により保持された状態で、カバーフィルムの端部を牽引するという簡易な方法により、貼付ユニットをスライド移動させながら、ローラにより保護フィルムの貼付面への貼付を行うことができる。このような本発明によれば、カバーフィルムの種類に依存せず、どのようなカバーフィルムであっても電子機器の貼付面に対して保護フィルムを確実に貼付することができる。
好ましい態様では、前記仮固定部に前記保護フィルムを位置決めして保持させるステップと、前記ローラと前記シャフトとの間に前記フィルムセットを挟持させるステップと、前記セット位置において、前記ローラと前記シャフトとにより前記略平行に挟持された前記カバーフィルムの端部を牽引し、前記貼付ユニットを前記セット位置から前記貼付位置へ回動させるステップ、前記カバーフィルムの端部を牽引することで、前記貼付ユニットを前記一端側から前記他端側まで移動させ、前記ローラにより電子機器の貼付面に保護フィルムを貼付させるステップと、を実行する。
本態様では、セット位置において、カバーフィルムが貼付面と保護フィルムとの間に介在させない状態になるので、剥離開始時の位置関係において、カバーフィルムの端部を容易に牽引することができるようになり、保護フィルムからカバーフィルムの剥離をスムーズに行うことができるようになる。
また、本発明は、上述したフィルム貼付装置に用いるフィルムセットとしても捉えることが可能であり、このフィルムセットは、前記保護フィルムと前記カバーフィルムとを貼り合わせてなり、前記カバーフィルムは、少なくとも前記一端側において前記保護フィルムと重ならない余剰領域を備え、前記余剰領域には、前記仮固定部と前記収容部との間で前記電子機器に対する位置決めを行う位置決め穴が形成される。
この態様では、カバーフィルムに位置決め穴を形成することで貼付ユニットにより、電子機器の貼付面に保護フィルムが貼付される際に、貼付面の正確な位置へ貼付することが可能になる。
好ましい態様では、前記カバーフィルムは、前記保護フィルムと当接する当接フィルムと、前記保護フィルムとは当接せず着脱自在に取り付けられる取付けフィルムと、からなり、前記余剰領域は、前記取付けフィルムに形成される。
この態様では、カバーフィルムを、当接フィルムと着脱自在な取付けフィルムとに分けて構成することにより、例えば、市販のフィルムセットに対して取付けフィルムを貼り付けることで、本発明の装置及び方法を実現することができるようになる。
本発明によれば、フィルムの種類によらずに、簡易かつ確実に保護フィルムを電子機器の貼付面に貼り付けることができる。
本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置の全体構成を詳細に示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置における貼付ユニットの回転及びスライド構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るフィルムセットの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るフィルムセットの他の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置におけるフィルムセットの設置ステップを示す図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置におけるフィルムセットの位置決めステップを示す図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置におけるフィルムセットの設置ステップを示す図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置におけるフィルムセットの設置ステップを示す図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置におけるフィルムセットの設置ステップを示す図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置におけるフィルムセットの設置ステップを示す図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置における保護フィルムの貼付ステップを示す図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置における保護フィルムの貼付ステップを示す図である。 本発明の実施形態に係るフィルム貼付装置における保護フィルムを貼付した状態を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
[1.構成]
図1に本実施形態に係るフィルム貼付装置の全体構成を示し、図2にフィルム貼付装置の詳細な構成を示す。図1に示されるように、本実施形態に係るフィルム貼付装置10とフィルムセット100は、保護フィルム101とカバーフィルム102とを貼り合わせた状態から、カバーフィルム102を剥離して保護フィルム101を、スマートフォンに代表される携帯電話Mの貼付面に貼付するものである。なお、本実施形態において、電子機器の例として携帯電話を用いるが、本発明にいう電子機器としては携帯電話に限らず、タブレット型の端末、PDAなど貼付面を有し、保護フィルムを貼付する対象となり得るものは広く含まれる。
[1−1.フィルム貼付装置の全体構成]
図1に示されるように、フィルム貼付装置10は、電子機器を収容する収容部20と、スライド移動して携帯電話Mの貼付面に保護フィルムを貼付する貼付ユニット30と、保護フィルムの端部を保持する仮固定部40と、を備える。
図2に示されるように、収容部20は、平面形状が方形の平板状で、インナーボックス21と、アウターボックス22と、から構成される。収容部20は、例えば、ABS樹脂により形成することが好ましい。
インナーボックス21は、アウターボックス22に対して着脱自在に構成されている。インナーボックス21には、携帯電話M(図1参照)を収容するための方形の窪み21Aが形成されている。また、窪み21Aの側面の一部には、窪み21Aに収容された携帯電話Mを、指を挿入することで取り出し易くするための凹部21Bが、窪み21Aの外周側に張り出して形成されている。また、窪み21Aの底面及び側壁には、連続的に複数のリブ21Cが形成されている。
インナーボックス21は、携帯電話Mを収容することで、保護シートを貼付する携帯電話Mの位置決めを行う役割を担うため、収容される携帯電話Mとのクリアランスは少ないほうが保護シートの正確な位置決めが可能になる。そのため、インナーボックス21として、窪み21Aのサイズを携帯電話Mの種類に応じて複数パターン用意し、アウターボックス22に対して着脱自在にすることで、収容する携帯電話Mの種類に応じて交換可能に構成している。また、携帯電話Mとのクリアランスを可能な限り少なくするため、リブ21Cを設けて調整するとともに、凹部21Bにより携帯電話Mの取り出し易さを確保している。
インナーボックス21の窪み21Aの側壁21D側の開口端には、フィルムセットの位置決め穴に挿入して、携帯電話Mに対するフィルムセットの位置決めを行う位置決め部材21Eが設けられている。位置決め部材21Eは、長手方向端部に2つの位置決め突起21Fを備える。
アウターボックス22には、インナーボックス21を着脱可能に収容する収容溝221と、長尺方向の側壁22Lに形成されるガイド溝222が形成されている。ガイド溝222は、アウターボックス22の両側壁にそれぞれ2本ずつ設けられたガイド溝222Aとガイド溝222Bとからなる。
ガイド溝222Aには、アウターボックス22の短尺の一方の側壁22Sの端部222A1は水平方向に開口しており、他方の側壁22Tの端部222A2は垂直方向上向きに開口している。また、ガイド溝222Bには、側壁22S側の端部222B1は水平方向に開口しており、側壁22T側の端部222B2は垂直方向上向きに開口している。ガイド溝222Aとガイド溝222Bとは、後述する貼付ユニット30を、インナーボックス21の窪み21Aに収容される携帯電話Mの上をスライド移動させるガイドになるとともに、端部222A1及び端部222A2、端部222B1及び端部222B2から貼付ユニット30を取り付け又は取り外すことが可能な構成になっている。
側壁22Sには、アウターボックス22からインナーボックス21を取り出す際に、インナーボックス21に対して指を掛けるための切欠22Cが形成されている。この切欠22Cは、アウターボックス22の側壁22Sに設けられており、アウターボックス22の外周側からインナーボックス21の側壁21Sを露出させている。
貼付ユニット30は、ローラ31と、シャフト32と、ローラ31及びシャフト32の両端部を支持する一対のサイドパネル33と、一対のサイドパネル33間に介在するブラケットであってサイドパネル33の間隔を支持するブラケット34とを備える。貼付ユニット30は、ブラケット34により固定された一対のサイドパネル33の間で、ローラ31及びシャフト32を支持可能に構成されている。
ローラ31は、保護フィルムを携帯電話Mの貼付面に押圧して貼付する手段である。ローラ31は、ブラケット34に回動可能に軸支されるローラ軸31Aと、筒状でローラ軸31Aを周囲から覆う押圧ローラ31Bとからなる。ローラ軸31Aは、硬質の材料、例えば、POM樹脂などのプラスチックから構成され、押圧ローラ31Bはシリコン樹脂などの弾性ある素材から構成される。押圧ローラ31Bは、携帯電話Mの貼付面に対して保護フィルムを貼付する際に、ローラ軸31Aに支持された状態で貼付面に当接し、弾性応力により貼付面を押圧する。
シャフト32は、ローラ31に隣接して設けられ、ローラ31との間でフィルムセット100を挟持する手段である。シャフト32は、ローラ軸31Aと同様に、硬質の材料、例えば、POM樹脂などのプラスチックから構成される。シャフト32は、一端32Aをサイドパネル33Aに軸方向とは垂直の方向に軸支され、他端32Bをサイドパネル33Bに対して着脱自在に保持されるようになっている。
サイドパネル33は、平面形状が方形の平板状で、サイドパネル33Aとサイドパネル33Bとが向かい合って収容部20を挟むように形成されている。サイドパネル33の内側の面には、ローラ支持部33Cと、シャフト支持部33Dと、ブラケット取付部33Eと、突起状の第1ガイドピン33Fと、同じく突起状の第2ガイドピン33Gと、がそれぞれ対向して設けられている。
ローラ支持部33Cは、ローラ軸31Aの両端部を挟持してローラ31を軸支するための筒状部材である。シャフト支持部33Dは、ローラ支持部33Cに隣接して形成されている。特に、貼付ユニット30が、保護フィルムを携帯電話Mの貼付面に貼付する場面においては、ローラ支持部33Cの軸とシャフト支持部33Dの軸とが、貼付面と平行になるように設けられている。
シャフト支持部33Dは、上述のとおり、シャフト32の一端32Aを、シャフト32が開閉可能になるように軸支する33D1と、他端32Bをサイドパネル33Bに対して着脱自在に保持する33D2とからなる。
ブラケット取付部33Eは、ブラケット34をサイドパネル33の内側面にビス止め等の係止手段により固定して、サイドパネル33Aと33Bを所定の間隔で保持させるものである。
第1ガイドピン33Fは、上述したアウターボックス22の側壁に形成されたガイド溝222Aに係合するものである。第1ガイドピン33Fは、サイドパネル33の頂点近傍に形成されており、貼付ユニット30を大きく回動させるものである。すなわち、図2の状態において、ローラ支持部33Cとシャフト支持部33Dとは、図中垂直方向に並んで形成されているところ、第1ガイドピン33Fがガイド溝222Aに係合して貼付ユニット30全体が収容部20側に回動することで、ローラ支持部33Cとシャフト支持部33Dとが同一の水平平面内で並ぶようになる(図3の貼付位置(c)参照)。
第2ガイドピン33Gは、上述したアウターボックス22の側壁に形成されたガイド溝222Bに係合するものである。第2ガイドピン33Gは、シャフト支持部33Dに近接して形成されている。第2ガイドピン33Gは、第1ガイドピン33Fがガイド溝222Aに係合して貼付ユニット30全体が回動することで、ローラ支持部33Cとシャフト支持部33Dとが図中水平方向に並ぶようになった際に、ガイド溝222Bに係合するようになっている。第2ガイドピン33Gが、ガイド溝222Bに係合すると、貼付ユニット30は、水平方向位置が規制され、この状態においてローラ31は、携帯電話Mの貼付面に当接する位置になる。
なお、第1ガイドピン33Fとガイド溝222Aの係合状態と第2ガイドピン33Gとガイド溝222Bとの係合状態については、後に詳しく説明する。
仮固定部40は、保護フィルムの貼付時に、保護フィルムの端部を保持する保持ベース41と、保持ベース41を回動自在に支持する取付ホルダ42とからなる。
保持ベース41は、保護フィルムの端部を保持する保持面41Aと、保持ベース41の保持面41Aを垂直状態から、携帯電話Mの貼付面と同一の水平状態まで回動させるためのヒンジ部41Bとを備える。また、保持ベース41は、貼付ユニット30の回転に伴って、ローラ軸31Aに係合し、または係合を解除される係合片41Cを有する。
取付ホルダ42は、アウターボックス22を形成する側壁のうち、短尺の一方の側壁22Sに対向する側壁22T側に固定されている。取付ホルダ42は、側壁22T側のアウターボックス22上の平面にネジ止め等の係止手段により固定される平板部42Aと、平板部42Aの両側に立ち上がって形成された羽根部42Bとを備える。この羽根部42Bは、両側から保持ベース41のヒンジ部41Bを軸支する。
[1−2.貼付ユニットの回転及びスライド移動]
続いて、図3を用いて貼付ユニット30の回転する構成及びスライド移動する構成並びに貼付ユニット30とともに回転する仮固定部40の回転する構成について説明する。図3は、貼付ユニット30がアウターボックス22に設置された状態で、ガイド溝222に係合したガイドピンを軸にして回転遷移する状態を示す図である。すなわち、図3では、貼付ユニット30のセット位置(a)、回動中途状態(b)、貼付位置(c)を示している。
図3に示されるように、貼付ユニット30の第1ガイドピン33Fは、アウターボックス22のガイド溝222A及び222Bの開口に対して端部222A1から挿入される(図中(a)参照)。その後、ガイド溝222Aに沿うことで、貼付ユニット30が第1ガイドピン33Fを軸に回転する(図中(b)参照)。さらに、端部222B1に第2ガイドピン33Gが挿入され、第2ガイドピン33Gがガイド溝222Bに規制された状態になる(図中(c)参照)。なお、図中(a)の位置を貼付ユニット30のセット位置いい、図中(c)の位置を貼付ユニット30の貼付位置ということがある。
ガイド溝222Aは、図3に示されるように、端部222A1から端部222A2に向かって全体が側面視でL字状に形成される。具体的には、端部222A1から垂直方向に溝が形成された後、円弧状に湾曲した回転部222A3で、水平方向に向きを変え、端部222A2に至る。
一方、貼付ユニット30のサイドパネル33に形成された第1ガイドピン33Fは、ガイドボス33F1と、ピン33F2とから構成されている。図3に示されるように、回転部222A3においては、ガイドボス33F1がローラ軸となってピン33F2をガイド溝222Aに沿って円弧状に移動させる。
また、ガイド溝222Bは、全体が側面視でL字状に形成され、ガイド溝222Aの端部222A1から図中右方向にずれた位置に端部222B1が形成されている。端部222B1は、第2ガイドピン33Gより広径で、第2ガイドピン33Gを受け入れ易くなっている。
また、図3には仮固定部40が示されているが、貼付ユニット30に伴って回転する仮固定部40の保持ベース41は、ヒンジ部41Bをローラ軸とするものである。
図3には、仮想線により、ローラ31の回転軌跡31Rと、ヒンジ部41Bを軸とした仮固定部40の回転軌跡40Rとを示している。回転軌跡40Rは、ヒンジ部41Bがローラ軸となっているため、回転軌跡は真円である。一方、回転軌跡31Rは、第1ガイドピン33Fが回転部222A3によって回転させられることにより、回転するとともに図中矢印Dで示す貼付ユニット30のスライド方向に向かって楕円状の軌跡を描いて移動するものである。また、このとき、仮固定部40の保持ベース41に形成された係合片41Cは、図3(a)及び(b)の位置においてローラ31のローラ軸31Aに係合した状態になっているが、回転軌跡31Rが緩やかになる位置において、係合片41Cの係合は解除され、ローラ31は、スライド方向に向かってリリースされる構成である。
[2.フィルムセットの構成]
図4に本実施形態のフィルムセットの全体構成を示す。本実施形態のフィルムセット100は、図4に示されるように、保護フィルム101とカバーフィルム102とから構成される。保護フィルム101は、一面に粘着層を有するフィルムであって、携帯電話Mの貼付面に貼付されるものである。一方、カバーフィルム102は、保護フィルム101の粘着層と貼り合わされて、保護フィルム101が貼付されるまでの間、保護フィルム101の粘着層をカバーする役割を担うものである。
カバーフィルム102は、一端に保護フィルム101と重ならない余剰領域102Xが形成されている。余剰領域102Xには、仮固定部40とインナーボックス21との間で、フィルムセット100を携帯電話Mに対して位置決めする位置決め穴103が複数形成されている。この位置決め穴103は、インナーボックス21に設けられた位置決め部材21Eにおける位置決め突起21Fと一致する間隔で形成されている。
図5は、本実施形態のフィルムセット100の他の態様を示すフィルムセット100Aである。図5に示すように、フィルムセット100Aは、カバーフィルム102Aが、保護フィルム101と当接する当接フィルム102AAと、保護フィルム101とは当接せず着脱自在に取り付けられる取付けフィルム102ABと、からなる。取付けフィルム102ABには、余剰領域102XAが形成されている。すなわち、取付けフィルム102ABは、端部に糊付け面102ADを備えており、保護フィルム101の携帯電話Mへの貼付時に、カバーフィルム102Aの裏面に貼り付けて一体にして用いるものである。取付けフィルム102ABには、仮固定部40とインナーボックス21との間で、フィルムセット100を携帯電話Mに対して位置決めする位置決め穴103が複数形成されている。この位置決め穴103は、カバーフィルム102と同様に、インナーボックス21に設けられた位置決め部材21Eにおける位置決め突起21Fと一致する間隔で形成されている。
[3.作用]
以上のような本実施形態のフィルム貼付装置10の作用について図6〜図14を参照して説明する。なお、図6〜図11は、フィルム貼付装置10にフィルムセット100を設置する一連の手順を示すものであり、図12〜図14は、フィルムセット100からカバーフィルム102を剥離しながら保護フィルム101を携帯電話Mの貼付面に貼付する一連の手順を示すものである。
[2−1.フィルムセットの設置及び位置決め]
図6は、フィルムセット100をフィルム貼付装置10へセットする様子を示す図である。図6に示されるように、フィルム貼付装置10では、仮固定部40のヒンジ部41Bを軸として、保持ベース41を立ち上げた状態において、インナーボックス21に収容された携帯電話M上にフィルムセット100を位置合わせしてセットする。このとき、フィルムセット100の位置決め穴103に、インナーボックス21に設けられた位置決め部材21E(図6において不図示。図2、図3参照。)における位置決め突起21Fを挿入して位置決めを行う。また、このとき、保持ベース41の保護フィルム101の端部を保持する保持面41Aには、保護フィルム101の端部に貼付される貼付シールSLが設置されている。
なお、このとき、貼付ユニット30は、アウターボックス22の側壁22S側に移動させて待機させた状態になっている。
続いて、図7に示されるように、保持ベース41を、ヒンジ部41Bを軸として回転させ、保持ベース41の保持面41Aが保護フィルム101側に移動する。このとき、貼付シールSLを保護フィルム101に貼り付けることで、フィルムセット100の仮固定部40への位置決め固定が完了する。
次に、図8に示されるように、貼付ユニット30を、アウターボックス22の側壁22S側から側壁22T側へ矢印の向きに移動させる。このとき、貼付ユニット30の第1ガイドピン33F及び第2ガイドピン33G(図8において表れず。)は、アウターボックス22のガイド溝222A及び222Bに係合しており、この第1ガイドピン33F及び第2ガイドピン33Gがガイド溝222A及び222B内を移動することで、貼付ユニット30は携帯電話M上をスライド移動する。図8に示される貼付ユニット30の位置は、図3に示す(c)の位置である。
続いて、図9に示されるように、貼付ユニット30が、側壁22T側に移動させた後、貼付ユニット30を回転して起こして、貼付ユニット30をセット位置とする(図3(a)の状態を参照)。このとき、仮固定部40(図9において不図示。)に位置決め固定されたフィルムセット100は、貼付ユニット30の回転に伴って起き上がった状態になる。図9に示される貼付ユニット30の位置は、図3に示す(b)の位置であり、このとき、貼付ユニット30のローラ31のローラ軸31A(図9において不図示。)に仮固定部40の係合片41Cが係合した状態になる((図9において不図示。図3(c)参照)。
貼付ユニット30をセット位置に移行させた後、図10に示されるように、シャフト32の他端32Bをサイドパネル33Bのシャフト支持部33Dから外し、ローラ31とシャフト32との間にフィルムセット100を介在させる。
続いて、図11に示されるように、シャフト32をサイドパネル33Bに取り付け、ローラ31とシャフト32により、フィルムセット100を挟持した状態にする。これにより、フィルムセット100の設置及び位置決めが完了する。
[2−2.カバーフィルムの剥離と保護フィルムの貼付]
図11及び図12〜13を参照して、フィルムセット100からカバーフィルム102を剥離させつつ、保護フィルム101を携帯電話Mの貼付面に貼付する一連の手順を説明する。
図11に示される状態から、フィルムセット100の端部Eにおいて、カバーフィルム102を指で保持し、アウターボックス22の側壁22S側に牽引する。そうすると、図12に示されるように、仮固定部40に固定された保護フィルム101の端部と、カバーフィルム102とが逆方向に牽引されるため、シャフトに図12中の矢印方向の力が生じる。これにより、貼付ユニット30は、セット位置から貼付位置に向かって回転を開始する。
このときの貼付ユニット30の回転構成は、図3において(a)から(c)への変位として示したものである。すなわち、図13に示される状態は、図3における(c)のように、貼付ユニット30が回転を終え、第2ガイドピン33Gがガイド溝222Bに挿入され(図13において不図示)、ローラ31が携帯電話Mの貼付面に当接した状態である。また、仮固定部40もフィルムセット100が牽引される力に伴って、貼付ユニット30とともに回転する。このときの回転軌跡は、図3に示した軌跡40Rである。
図13に示されるように、この状態において、カバーフィルム102の端部Eを図中矢印方向に牽引されると、貼付ユニット30は、この牽引力に従って、図中矢印方向である側壁22S側にスライド移動する。このとき、押圧ローラ31Bは、ローラ軸31Aに支持された状態で携帯電話Mの貼付面に当接し、弾性応力により貼付面を押圧する。
図14は、カバーフィルム102の端部を牽引し切ることで、貼付ユニット30がアウターボックス22の側壁22Sまで移動するとともに、保護フィルム101の携帯電話Mの貼付面への貼付が完了し、カバーフィルム102がローラ31及びシャフト32から解放された状態を示す。
この状態では、保護フィルム101の貼付は完了しているので、貼付シールSLを剥がしてとともに、携帯電話Mを仮固定部40への固定を解除するとともに、窪み21Aに収容された携帯電話Mを、凹部21Bに指を挿入することで取り出す。これにより、貼付ステップは完了する。
[3.効果]
以上の本実施形態に係るフィルム貼付装置10によれば、保護フィルム101の端部を仮固定部40により保持させた状態で、カバーフィルム102の端部Eを牽引すると、シャフト32に牽引力が作用して貼付ユニット30がスライド移動し、ローラ31が保護フィルム101を携帯電話Mの貼付面に押圧しながら摺動することにより、保護フィルム101を携帯電話Mの貼付面へ貼付することができる。このようにカバーフィルム102を牽引するだけで、貼付ユニット30をスライド移動させ、ローラ31により貼付面へ保護フィルム101を貼付することができる。
フィルム貼付装置10は、従来のように貼付ユニットに力を掛けて貼付ユニットをスライドさせることで保護フィルムを貼付面に貼付するのではなく、剥離させるカバーフィルムを牽引する点に特徴がある。カバーフィルム102を牽引することで貼付ユニット30を移動させる力を働かせることで、カバーフィルム102の種類に依存せず、どのようなフィルムセット100であっても携帯電話Mの貼付面に対して保護フィルム101を確実に貼付することができる。
貼付ユニット30がセット位置と貼付位置とを回転移動する(図3の(a)及び(c)参照)。保護フィルム101を貼付面に貼付させる場合、貼付面側に保護フィルム101の粘着層が形成されたカバーフィルム102側を向け、その状態からカバーフィルム102を湾曲させて牽引する必要がある。すなわち、剥離させたいカバーフィルム102が保護フィルム101と貼付面との間に挟まれた状態になるので、剥離開始時の位置関係からカバーフィルム102端部を剥離させることが難しい。しかしながら、本態様では、セット位置において、カバーフィルム102が貼付面と保護フィルム101との間に介在させない状態を作ることができる。したがって、剥離開始時の位置関係において、カバーフィルム102の端部Eを容易に牽引することができるようになり、保護フィルム101からカバーフィルム102の剥離をスムーズに行うことができるようになる。
フィルム貼付装置10では、また、仮固定部40においても、カバーフィルム102の牽引により、セット位置から貼付位置へ移動させることができる。したがって、セット位置においてカバーフィルム102が携帯電話Mの貼付面と保護フィルム101との間に介在させない状態から、貼付位置における剥離させたいカバーフィルム102を保護フィルム101と貼付面との間に挟まれた状態への移行をスムーズに行うことができる。
また、セット位置から貼付位置へ移動する際に、仮固定部40の保持ベース41に形成された係合片41Cが貼付ユニット30のローラ軸31Aに係合しているので、貼付ユニット30と仮固定部40とはカバーフィルム102の端部が牽引されることにより、ともに回動する。貼付ユニット30と仮固定部40は、貼付位置に移動した後、係合片41Cのローラ軸31Aへの係合は解除される。これにより、セット位置から貼付位置へ移動させるまでの局面においては、貼付ユニット30と仮固定部40がともに移動することで、牽引されるカバーフィルム102及び仮固定部40に保持された保護フィルム101に一定のテンションを与えることができる。また、貼付位置へ移動した後は、貼付ユニット30をスライド移動へスムーズに導くことができる。
また、仮固定部40には、貼付位置において、インナーボックス21との間にフィルムセット100を位置決めする位置決め部材21Eが設けられている。これにより、貼付ユニット30が携帯電話Mの貼付面に対して保護フィルム101を貼付するに当たって、貼付面の正確な位置へ貼付することが可能になる。
貼付ユニット30のサイドパネル33に設けた第1ガイドピン33Fにより、セット位置から貼付位置への貼付ユニット30の移動と、貼付位置からのスライド移動とを可能にし、第2ガイドピン33Gにより、貼付ユニット30のスライド移動時における回動を規制することで、携帯電話Mの貼付面にローラ31を確実に押さえつけることが可能になる。
また、本実施形態のフィルムセット100によれば、カバーフィルム102に位置決め穴103を形成することで貼付ユニット30によって電子機器Mの貼付面に保護フィルム101を貼付される際に、保護フィルム101の貼付面への正確な位置決めが可能になる。
また、フィルムセット100の他の例であるフィルムセット100Aでは、カバーフィルム102Aを、当接フィルム102AAと着脱自在な取付けフィルム102ABとに分けて構成することにより、例えば、市販のフィルムセットに対して取付けフィルム102ABを貼り付けることで、フィルム貼付装置10により携帯電話へのフィルムの貼付を行うことができる。
さらに、本実施形態のフィルム貼付装置10を用いて行うフィルム貼付方法によれば、保護フィルム101の端部が仮固定部40により保持された状態で、カバーフィルム102の端部Eを牽引するという簡易な方法により、貼付ユニット30をスライド移動させながら、ローラ31により保護フィルム101を携帯電話Mの貼付面への貼付を行うことができる。このような本発明によれば、カバーフィルムの種類に依存せず、どのようなカバーフィルムであっても電子機器の貼付面に対して保護フィルムを確実に貼付することができる。
また、セット位置において、カバーフィルム102が携帯電話Mの貼付面と保護フィルム101との間に介在させない状態になるので、剥離開始時の位置関係において、カバーフィルム102の端部Eを容易に牽引することができるようになる。従って、保護フィルム101からカバーフィルム102の剥離をスムーズに行うことができるようになる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10…フィルム貼付装置、20…収容部、21…インナーボックス、21A…窪み、21B…凹部、21C…リブ、21D…側壁、21E…位置決め部材、21F…位置決め突起、21S,21T,22L,22S,22T…側壁、22…アウターボックス、22C…切欠、221…収容溝、222,222A…ガイド溝、222A1,222A2…端部、222A3…回転部、222B…ガイド溝、222B1,222B2…端部、30…貼付ユニット、31…ローラ、31A…ローラ軸、31B…押圧ローラ、32…シャフト、33,33A,33B…サイドパネル、33C…ローラ支持部、33D…シャフト支持部、33E…ブラケット取付部、33F…第1ガイドピン、33F1…ガイドボス、33F2…ピン、33G…第2ガイドピン、34…ブラケット、40…仮固定部、41…保持ベース、41A…保持面、41B…ヒンジ部、41C…係合片、42…取付ホルダ、42A…平板部、42B…羽根部、100,100A…フィルムセット、101…保護フィルム、102,102A…カバーフィルム、102AA…当接フィルム、102AB…取付けフィルム、102X,102XA…余剰領域、103…位置決め穴、E…端部、M…携帯電話、SL…貼付シール

Claims (11)

  1. 保護フィルムとカバーフィルムとを貼り合わせたフィルムセットから、前記カバーフィルムを剥離して前記保護フィルムを前記電子機器の貼付面に貼付するフィルム貼付装置であって、
    前記電子機器を収容する収容部と、
    前記収容部の一端側から他端側まで移動して前記電子機器の前記貼付面に前記保護フィルムを貼付する貼付ユニットと、
    前記保護フィルムの貼付時に、前記一端側における前記保護フィルムの端部を保持する仮固定部と、を備え、
    前記貼付ユニットは、
    前記保護フィルムを前記電子機器の前記貼付面に押圧して貼付するローラと、
    前記ローラに隣接して設けられ、前記ローラとの間で前記フィルムセットを挟持して、前記一端側における前記カバーフィルムの端部が牽引されることで、前記フィルムセットから前記カバーフィルムを剥離させるシャフトと、
    前記一端側における前記カバーフィルムの端部が牽引される際に、前記一端側から前記他端側までの移動をガイドするガイド部と、を備える、
    フィルム貼付装置。
  2. 前記貼付ユニットは、
    前記一端側において、前記フィルムセットを前記ローラと前記シャフトとの間に挟持させるセット位置と、前記電子機器の前記貼付面へ前記保護フィルムを貼付させる貼付位置と、の間を回動可能に構成され、
    前記セット位置において、前記ローラと前記シャフトとにより挟持された前記カバーフィルムの端部が牽引されることで、前記セット位置から前記貼付位置へ回動するように構成された、
    請求項1のフィルム貼付装置。
  3. 前記仮固定部は、
    前記セット位置と前記貼付位置との間を回動可能に構成され、
    前記ローラと前記シャフトとにより挟持された前記カバーフィルムの端部が牽引されることで、前記セット位置から前記貼付位置へ回動するように構成された、
    請求項2のフィルム貼付装置。
  4. 前記仮固定部は、前記一端側において前記ローラと着脱自在に係合する係合部を備え、
    前記係合部は、
    前記貼付ユニットが前記貼付位置から前記セット位置に回動する際に前記ローラと係合するように構成され、
    前記セット位置において、前記ローラと前記シャフトとにより挟持された前記カバーフィルムの端部が牽引されると、係合した前記ローラを回動させた後、前記貼付位置において前記ローラとの係合が解除されるように構成された、
    請求項3のフィルム貼付装置。
  5. 前記仮固定部は、前記貼付位置において、前記収容部との間に前記フィルムセットを位置決めする位置決め部を備えた、請求項3又は4のフィルム貼付装置。
  6. 前記貼付ユニットは、前記ローラ及び前記シャフトの両端を保持するとともに、前記ガイド部が形成された一対のサイドパネルを備え、
    前記ガイド部は、前記一端側における前記貼付ユニットの回動と前記一端側から前記他端側への移動をガイドする第1ガイドピンと、前記貼付位置における貼付ユニットの回動を規制する第2ガイドピンと、を備え、
    前記収容部は、前記一端側から前記他端側に向かって、前記第1及び第2ガイドピンがそれぞれ係合する第1及び第2の溝を備えた、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルム貼付装置。
  7. 前記シャフトは、棒状部材からなり、前記サイドパネルに対して着脱自在に構成された、請求項6のフィルム貼付装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のフィルム貼付装置を用いて行うフィルム貼付方法であって、
    前記仮固定部に前記保護フィルムを位置決めして保持させるステップと、
    前記ローラと前記シャフトとの間に前記フィルムセットを挟持させるステップと、
    前記カバーフィルムの前記牽引により、前記貼付ユニットを前記一端側から前記他端側まで移動させることで、前記ローラにより前記電子機器の貼付面に前記保護フィルムを貼付させるステップと、
    を実行するフィルム貼付方法。
  9. 請求項2〜7のいずれか1項に記載のフィルム貼付装置を用いて行うフィルム貼付方法であって、
    前記仮固定部に前記保護フィルムを位置決めして保持させるステップと、
    前記ローラと前記シャフトとの間に前記フィルムセットを挟持させるステップと、
    前記セット位置において、前記ローラと前記シャフトとにより前記略平行に挟持された前記カバーフィルムの端部を牽引し、前記貼付ユニットを前記セット位置から前記貼付位置へ回動させるステップ、
    前記カバーフィルムの端部を牽引することで、前記貼付ユニットを前記一端側から前記他端側まで移動させ、前記ローラにより電子機器の貼付面に保護フィルムを貼付させるステップと、
    を実行するフィルム貼付方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のフィルム貼付装置に用いるフィルムセットであって、
    前記保護フィルムと前記カバーフィルムとを貼り合わせてなり、
    前記カバーフィルムには、少なくとも前記一端側において前記保護フィルムと重ならない余剰領域が形成され、
    前記余剰領域には、前記仮固定部と前記収容部との間で前記電子機器に対する位置決めを行う位置決め穴が形成されたフィルムセット。
  11. 前記カバーフィルムは、前記保護フィルムと当接する当接フィルムと、前記保護フィルムとは当接せず着脱自在に取り付けられる取付けフィルムと、からなり、
    前記余剰領域は、前記取付けフィルムに形成された請求項10のフィルムセット。
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