JP2016048287A - 熱発電制御装置、定着装置、画像形成装置、熱発電制御方法及び熱発電制御プログラム - Google Patents

熱発電制御装置、定着装置、画像形成装置、熱発電制御方法及び熱発電制御プログラム Download PDF

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Satoru Tao
悟 田尾
政博 北山
Masahiro Kitayama
政博 北山
亮太 森本
Ryota Morimoto
亮太 森本
白井 孝明
Takaaki Shirai
孝明 白井
慶太 前嶋
Keita Maejima
慶太 前嶋
岡田 憲和
Norikazu Okada
憲和 岡田
卓磨 笠井
Takuma Kasai
卓磨 笠井
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誉 江原
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友主 山下
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Abstract

【課題】本発明は、回転することで熱伝導動作する熱伝導手段の熱を利用した熱電手段による発電効率を向上させる。
【解決手段】画像形成装置1は、定着部6が、加熱ヒータによって定着ローラ機構部が加熱されつつ、駆動モータによって回転されることで用紙Pにトナー画像を定着させる定着動作を行ない、該定着動作が完了すると加熱ヒータによる加熱が停止される。入出力制御部32は、駆動モータを制御して、定着部6の定着ローラ機構部を、定着動作時には定着時回転速度で回転させ、該定着動作終了時点から該定着時回転速度よりも遅い発電時回転速度で回転させる。充電器33は、定着ローラ機構部が、定着動作を終了して発電時回転速度で回転されている間、熱電素子29が定着ローラ機構部の熱を受けて発電する発電電力を蓄電池34に蓄電する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、熱発電制御装置、定着装置、画像形成装置、熱発電制御方法及び熱発電制御プログラムに関し、詳細には、動作停止後の余剰熱を利用する熱発電制御装置、定着装置、画像形成装置、熱発電制御方法及び熱発電制御プログラムに関する。
装置には、その駆動に伴って発熱する部品を多く使用しているが、特に、その駆動を停止すると、さらに、熱がオーバーシュートする部品を使用している装置がある。
例えば、電子写真方式の画像形成装置は、用紙、フィルム等の被記録媒体(以下、単に、用紙という。)に転写したトナー等の現像剤の画像(以下、単位、トナー画像という。)を用紙に定着する定着部を備えている。この定着部は、一般的に、加熱ヒータによって定着ローラを、定着可能な定着温度に加熱制御して、定着ローラと加圧ローラとの間に搬送されてくるトナー画像の転写されている用紙を加熱しつつ加圧して、トナー画像を用紙に定着する。
そして、定着ローラの温度は、動作中においては、所定の定着温度に温度制御されており、用紙が通過することで、熱が奪われるため、加熱ヒータへ通電して、発熱させることで、定着ローラを定着温度に制御している。
従来、記録媒体へ画像を形成する画像形成手段と、形成された画像を加熱定着するための発熱手段と、前記発熱手段の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換手段と、前記熱電変換手段により変換された前記電気エネルギーを充電する蓄電手段と、前記蓄電手段に充電された前記電気エネルギーを放電する放電手段と、前記発熱手段が発熱する熱エネルギー量を制御する熱エネルギー量制御手段と、前記画像形成手段の状態を監視する監視手段と、前記蓄電手段に前記電気エネルギーを充電するタイミングを指示する蓄電指示手段と、を有し、前記監視手段により前記画像形成手段が画像形成動作をしていない時に前記熱エネルギー量制御手段が前記熱エネルギー量を制御していると判断された場合、前記熱電変換手段が前記熱エネルギーを前記電気エネルギーへ変換し、前記蓄電手段が前記電気エネルギーを充電する画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
この従来技術は、画像形成手段が画像形成動作をしていない時に、加熱定着するための発熱手段が発熱する熱エネルギー量を制御する熱エネルギー量制御手段が熱エネルギー量を制御していると判断された場合、熱電変換手段が熱エネルギーを電気エネルギーへ変換する。すなわち、画像形成装置の待機時に、定着余剰熱を利用して発電している。
しかしながら、上記従来技術にあっては、単に、定着動作の待機時に、定着余剰熱を利用して発電しているのみであるため、熱電効率を向上させる上で、改良の必要があった。
すなわち、定着部においては、定着温度に制御されている定着ローラは、定着動作が完了すると、加熱ヒータへの通電は停止されるが、定着対象の用紙の通過がなくなるため、定着ローラの温度は、定着温度よりも高い温度へ上昇する。
一方、熱電変換に用いられる熱電素子は、その発電効率が、温度領域によって異なり、単に、高温であれば、発電効率が良いとは限らない。
そして、上記従来技術は、画像形成装置の待機時であるか否かにのみ着目して、定着余剰熱を利用して発電しているのみであるため、該待機時において発電効率が良好であるとは限らず、発電効率を向上させる上で、改良の必要があった。
そこで、本発明は、回転することで熱伝導動作する熱伝導手段の熱を利用した熱電手段による発電効率を向上させることを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の熱発電制御装置は、発熱手段によって加熱されつつ回転することで該発熱手段からの熱を所定の媒体に熱伝導動作し、該熱伝導動作が完了すると該発熱手段による加熱が停止される熱伝導手段と、前記熱伝導手段を回転させる回転手段と、前記熱伝導手段の熱を受けて該熱量に応じた電力を発電する熱発電手段と、前記熱発電手段の発電する発電電力を蓄電する蓄電手段と、前記回転手段を制御して、前記熱伝導手段を、前記熱伝導動作時には規定動作回転速度で回転させ、該熱伝導動作終了時点から該規定動作回転速度よりも遅い発電動作回転速度で回転させる回転制御手段と、前記熱伝導手段が、前記熱伝導動作を終了して前記発電動作回転速度で回転されている間、前記熱発電手段の発電電力を前記蓄電手段に蓄電させる蓄電制御手段と、を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、回転することで熱伝導動作する熱伝導手段の熱を利用した熱電手段による発電効率を向上させることができる。
本発明の一実施例を適用した画像形成装置の概略構成図。 定着部の拡大正面断面図。 画像形成装置の要部回路構成図。 定着ベルトの定着完了後の温度変化の一例を示す図。 熱電素子の発電効率と素子温度の関係の一例を示す図。 加熱ローラの回転速度と温度及び熱電素子の発電動作領域の関係を示す図。 印刷枚数に対応する発電用減速率と放熱用減速率のデータベースの一例を示す図。 熱電制御処理を示すフローチャート。 加熱ローラの回転速度を2回変更する場合の加熱ローラの温度及び熱電素子の発電動作領域の関係を示す図。
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図9は、本発明の熱発電制御装置、定着装置、画像形成装置、熱発電制御方法及び熱発電制御プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の熱発電制御装置、定着装置、画像形成装置、熱発電制御方法及び熱発電制御プログラムの一実施例を適用した画像形成装置1の概略構成図である。
図1において、画像形成装置1は、本体筐体2内に、下部から、給紙部3、搬送部4、画像形成部5、定着部6、書込部7、画像読取部8等が収納され、上部に、ADF(Auto Document Feeder)9が、また、側面に、排紙トレイ10が配設されている。
給紙部3は、用紙トレイ11a、11bと送り出し機構部12a、12b等を備えており、用紙トレイ11a、11bに収納されている複数枚の用紙Pを送り出し機構部12a、12bにより1枚ずつ分離して搬送部4に送り出す。
搬送部4は、複数の搬送ローラ13及びレジストローラ14等を備えており、給紙部3から送り出されてきた用紙Pを搬送ローラ13によりレジストローラ14へ搬送する。レジストローラ14は、搬送されてきた用紙Pを、一旦停止させ、画像形成部5における画像形成タイミングに合わせて、画像形成部5へ用紙Pを搬送する。
画像形成部5は、電子写真方式の画像形成部が用いられており、図1の時計方向に回転駆動される感光体15を中心として、その周囲に、帯電部、現像部16、転写・搬送部17、除電部、クリーニング部等が配設されている。画像形成部5は、帯電部で感光体15を一様に帯電させ、書込部7で、印刷ジョブの画像データに基づいて変更されたレーザ光を照射することで、感光体15に静電潜像を形成する。画像形成部5は、感光体15上に形成された静電潜像を、現像部16でトナーを付与することで現像してトナー画像を形成し、転写・搬送部17が、感光体15との間に、レジストローラ14から送られてくる用紙Pに、感光体15上のトナー画像を転写する。画像形成部5は、トナー画像の転写の完了した感光体15を除電部で除電した後、クリーニング部で清浄にして、再度、画像形成に使用する。転写・搬送部17は、トナー画像の転写された用紙Pを、定着部6へ搬送する。
定着部6は、図2に示すように、定着ローラ機構部21と加圧ローラ22が当接する状態で配設されており、定着ローラ機構部(熱伝導手段)21は、定着ベルト23が、定着ローラ24、加熱ローラ25及びテンションローラ26に張り渡されている。定着ローラ機構部21、すなわち、定着ベルト23、定着ローラ24、加熱ローラ25及びテンションローラ26は、例えば、定着ローラ24が図示しない駆動モータ(回転手段)によって回転駆動されることで、図2に矢印で示す時計方向に、回転駆動される。
定着部6は、定着ローラ24と加圧ローラ22が定着ベルト23を挟んで対向する状態で配設され、定着ベルト23と加圧ローラ22との間にトナー画像の転写された用紙Pが、トナー画像面が定着ベルト23側にして搬送されてくる。なお、図2において、Tgは、用紙P上のトナーまたはトナー画像である。
定着ローラ24は、SUS304等の芯金上に、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性層が形成されたローラ部材であり、定着部6の側板等に回転可能に支持されている。
加圧ローラ22は、定着部6の側板等に回転可能に支持されているとともに、図2に矢印で示すように、図示しない付勢部材(例えば、バネ等)によって所定の圧力で定着ローラ24方向に付勢されている。
加熱ローラ25は、金属材料からなる薄肉の円筒体であり、定着部6の側板等に回転可能に支持されているとともに、内部に、加熱ヒータ27が収納されている。加熱ヒータ(発熱手段)27は、ハロゲンヒータ、カーボンヒータ等が用いられ、通電されることで発熱して、その輻射熱によって、加熱ローラ25を加熱する。加熱ローラ25は、加熱ヒータ27によって加熱された熱によって定着ベルト23を、所定の目標定着温度Ref(図4参照)に加熱する。定着ベルト23は、目標定着温度Refに加熱された状態で、加圧ローラ22と対向する位置に搬送され、この位置に搬送されてくる用紙P上のトナー画像Tgを用紙Pに定着させる。
なお、定着ベルト23は、樹脂材料からなるベース層上に、弾性層、離型層が順次積層された多層構造の無端ベルトである。定着ベルト23の弾性層は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。定着ベルト23の離型層は、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)等で形成されている。定着ベルト23の表層に離型層を設けることにより、トナー画像Tgに対する定着ベルト23からの離型性(剥離性)を向上させることができる。テンションローラ26は、定着ベルト23に一定のテンションを与える。
したがって、上記加熱ローラ25、定着ベルト23、定着ローラ24及びテンションローラ26からなる定着ローラ機構部21は、全体として、加熱ヒータ(発熱手段)27によって加熱されつつ回転することで該加熱ヒータ27からの熱を所定の用紙(媒体)Pに熱伝導動作し、該熱伝導動作が完了すると該加熱ヒータ27による加熱が停止される熱伝導手段として機能している。
そして、定着部6は、定着ベルト23の近傍に、温度センサ28及び熱電素子29が配設されている。
温度センサ28は、サーモパイル等が用いられており、定着ベルト23の表面温度を検出する。
熱電素子(熱発電手段)29は、2種類の異なる金属または半導体を接合して、両端に温度差を生じさせると起電力が発生するゼーベック効果を利用した素子である。熱電素子29は、大きな電位差を得るためにp型半導体、n型半導体を組み合わせて使用した物が多いが、これらに限るものではない。
熱電素子29は、ホット(hot)面とコールド(cold)面を備え、ホット面が温度の比較的高い側に、コールド面が温度の比較的低い側になるように配設されることで、ホット面とコールド面の温度差に応じて発電する。本実施例の熱電素子29は、そのホット面が定着ベルト23に向くように配設されている。
再び、図1において、画像形成装置1は、定着部6で、トナー画像Tgの定着された用紙Pを、排紙トレイ10上に排出する。
画像読取部8は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )を利用したイメージスキャナ等が利用されており、画像読取部8の上部にADF9が配設されている。ADF9は、複数枚の原稿がセットされ、ADF9は、セットされた原稿を1枚ずつ画像読取部8の原稿読取位置に送給する。画像読取部8は、ADF9から搬送されてきた原稿に光を照射し、原稿で反射された光をCCDやCMOSで光電変換して、原稿の画像を所定の解像度で読み取る。
そして、画像形成装置1は、その要部回路構成が、図3に示すように示され、電源回路31、入出力制御部32、充電器33、蓄電池34、放電器35、切替回路36、負荷37及び平滑回路38等を備えている。
画像形成装置1は、図示しないスイッチ及び電源ケーブル等を介して、AC(交流)100V等の外部商用電源電力Pgが電源回路31及び定着部6に供給される。
電源回路31は、外部商用電源電力Pgから画像形成装置1の内部で必要な直流電源電力を生成して、画像形成装置1の各部、特に、切替回路36及び入出力制御部32へ供給する。
入出力制御部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び不揮発性メモリ等を備えている。入出力制御部32は、ROM内に、定着制御プログラム、本発明の熱発電制御プログラム等の各種プログラム及び必要なシステムデータを格納している。また、入出力制御部32は、不揮発性メモリとして、NVRAM(Non Volatile RAM)等の不揮発性メモリを備えており、不揮発性メモリには、本発明の熱発電制御方法の実施に用いる各種データを記憶している。
入出力制御部32は、ROM内のプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用しつつ、各部を制御して、定着部6の定着動作制御を行うとともに、本発明の熱発電制御方法を実行する。
すなわち、入出力制御部(回転制御手段)32は、定着部6の温度センサ28から定着ベルト23の温度信号が入力され、該温度信号に基づいて、加熱ヒータ27への通電制御を行う。また、入出力制御部32は、画像形成装置1の動作及び定着ベルト23の温度に基づいて、定着部6の加熱ローラ25を回転駆動するモータの制御を行い、定着ベルト23の回転のオン/オフ制御及び回転速度の制御を行う。
また、入出力制御部32は、充電器33、放電器35及び切替回路36に接続されており、これら充電器33、放電器35及び切替回路36の動作を制御する。
平滑回路38は、ダイオード38D及びコンデンサ38Cを備え、熱電素子29と充電器33の間に接続されている。平滑回路38は、熱電素子29の発電電力を平滑化して、充電器33へ入力する。
充電器(蓄電制御手段)33は、DDC(DC−DCコンバータ)が用いられており、入出力制御部32からのオン/オフ信号に応じて、平滑回路38を介して熱電素子29の発電する発電電力の蓄電池34への充電及び充電停止を行う。充電器33は、入出力制御部32によってオフされると、熱電素子29と充電器33の接続をオープン状態にし、熱電素子29の発電を電気的に停止する。
蓄電池(蓄電手段)34は、例えば、リチウムイオン電池等が用いられており、DC(直流)の蓄電電力を所定量蓄電して供給する能力を有している。
放電器35は、DDCが用いられており、入出力制御部32からのオン/オフ信号に応じて、蓄電池34に蓄電されている蓄電電力を切替回路36に供給する。
切替回路36は、電源回路31からの外部直流電源電力と、放電器35からの蓄電電力と、が入力され、入出力制御部32からの切換信号に応じて、外部直流電力と蓄電電力を切り換えて負荷37へ供給する。
負荷37は、画像形成装置1の直流電力で動作する各種負荷である。
上記熱電素子29を備えた定着部6、充電器33、蓄電池34及び入出力制御部32は、全体として、熱発電制御部40として機能している。
そして、画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の熱発電制御方法を実行する熱発電制御プログラムを読み込んで入出力制御部32のROM等に導入することで、後述する効率的な熱発電を行う熱発電制御方法を実行する熱発電制御部40を備えた画像形成装置1として構築されている。この熱発電制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、回転することで熱伝導動作する定着ローラ機構部21の熱を利用した熱電素子29による発電効率を向上させる。
画像形成装置1は、画像形成部5でトナー画像を転写した用紙Pを定着部6へ搬送する。定着部6は、定着ローラ機構部21及び加圧ローラ22を回転させて、用紙Pを加熱・加圧しつつ搬送し、トナー画像を用紙Pに定着させて、定着の完了した用紙Pを排紙トレイ10へ排出する。
そして、定着部6は、入出力制御部32が、温度センサ28の検出温度に基づいて、加熱ヒータ27への通電を制御することで、定着ベルト23が所定の目標定着温度Ref(図4参照)に温度制御される。
入出力制御部32は、定着対象の最終の用紙Pが定着部6を通過すると、加熱ヒータ27への通電を停止させ、加熱ローラ25、定着ローラ24、定着ベルト23等の定着ローラ機構部21を定着時と同じ速度で回転させる。
ところが、定着ベルト23は、最終の用紙Pが定着部6を通過すると、図4に示すように、その温度が、オーバーシュートし、定着時の目標定着温度Refを大きく超えた高い温度になる。すなわち、定着部6は、加熱ヒータ27へ通電することで加熱ローラ25の内部からローラ表面に向けて熱を与えて、加熱ローラ25の表面温度、すなわち、定着ベルト23を目標定着温度Refに加熱する。定着部6は、複数枚の連続印刷時には、加熱ローラ25の内部と表面に温度差が生じる。ところが、印刷終了により定着部6を通過する用紙Pがなくなると、加熱ローラ25内部の余剰熱が表面に伝わって、加熱ローラ25の温度、すなわち、定着ベルト23の温度が、図4に示したように、オーバーシュートする。
そのため、印刷終了後に定着ベルト23の回転を直ぐに停止させると、加熱ローラ25の表面温度が上昇し過ぎることで、定着ベルト23等が損傷、劣化する場合がある。
そこで、画像形成装置1は、印刷終了後においては、いわゆる通紙後回転動作を行う。通紙後回転動作は、加熱ローラ25等を所定の時間だけ回転駆動させ、定着ベルト23によって加熱ローラ25の余剰熱を、他の定着部材、例えば、加圧ローラ22、定着ローラ24等に放熱させる動作である。画像形成装置1は、この通紙後回転動作を行うことで、加熱ローラ25を停止しても、加熱ローラ25の表面温度のオーバーシュートによって、定着ベルト23等が損傷しないようにしている。
そして、この加熱ローラ25の表面温度のオーバーシュートは、連続印刷を長時間行うことで、大きくなる。すなわち、連続印刷によって、定着部6の各種定着部材(加熱ローラ25、定着ローラ24、加圧ローラ22、定着ベルト23等)の蓄熱量が大きくなって、印刷終了直後に加熱ローラ25の余剰熱が定着部材で吸収されにくくなり、オーバーシュートが大きくなる。また、加熱ローラ25の回転速度によってもオーバーシュートの大きさが変化する。すなわち、加熱ローラ25の回転速度、すなわち、定着ベルト23の回転速度が通常速度よりも遅くなると、加熱ローラ25の余剰熱が、定着ベルト23を介して他の定着部材に伝搬する速度が遅くなって、オーバーシュートが大きくなる。
一方、画像形成装置1は、上記定着ベルト23、すなわち、加熱ローラ25の表面温度を利用して、熱電素子29で発電して、発電電力を蓄電池34に蓄電する。この熱電素子29は、その発電効率が良好な温度領域があり、例えば、図5に示すように、本実施例の熱電素子29は、温度Aから温度Bまでの温度範囲が発電効率が良好な温度領域である発電動作領域(発電温度領域)となっている。図5では、例えば、温度Aが、170°であり、温度Bが、220°であり、熱電素子29の温度が、この発電動作領域から外れると、熱電素子29の発電効率が、急激に低下する。
そこで、画像形成装置1は、入出力制御部32の制御によって、定着完了時点から、加熱ローラ25、すなわち、定着ベルト23の回転速度を制御することで、定着ベルト23によって他の定着部材に放熱される放熱量を制御する。入出力制御部32は、図6(a)に示すように、定着時の加熱ローラ25の回転速度を、定着時回転速度(規定動作回転速度)Vpで回転させ、図6(b)に示すように、加熱ローラ25の表面温度を、目標定着温度Refに温度制御する。そして、入出力制御部32は、定着動作が完了すると、図6(a)に示すように、加熱ローラ25の回転速度を、定着時回転速度Vpよりも遅い発電動作回転速度(発電時回転速度)Vmに速度制御する。
入出力制御部32は、最終定着用紙Pが定着部6を通過するタイミングに、加熱ローラ25の回転速度を定着時回転速度Vpから発電時回転速度Vmに切り換える。
なお、図6において、通紙後回転許容時間Tbは、定着ベルト23等の定着部材の劣化を考慮した加熱ローラ25を目標定着温度Ref以上に保っておける限界時間であり、例えば、10秒から20秒程度であるが、定着部材によって適宜設定される。
入出力制御部32は、加熱ローラ25の回転速度を切り換えるとともに、充電器33にオンのオン/オフ信号を出力して、充電器33の充電動作を開始させて、熱電素子29による発電電力の蓄電池34への蓄電を開始させる。
このとき、加熱ローラ25の表面温度は、図6(b)に示すように、加熱ローラ25の回転速度が定着時回転速度Vpのままの場合よりも、発電時回転速度Vmの場合のほうが高くなり、さらに、熱電素子29の発電効率が良好な発電動作領域の温度状態が長く継続する。なお、図6(b)において、Vp時及びVm時として示す曲線が、それぞれのときの加熱ローラ25の表面温度、すなわち、定着ベルト23の表面温度であり、実線が、熱電素子29に伝達される素子温度である。図6(b)の素子温度の実線の上下に示されているハッチングが熱電素子29のコールド面からホット面までの温度の広がりを示しており、ホット面と記載されているのが、熱電素子29のホット面の温度、コールド面と記載されているのが、熱電素子29のコールド面の温度である。
また、上述のように、加熱ローラ25のオーバーシュートは、連続印刷の長さ等によって変化する。さらに、加熱ローラ25のオーバーシュートを大きくし過ぎると、上述のように、定着ベルト23等の定着部材の損傷や劣化を招く。
したがって、定着部材の劣化を防止しつつ、熱電素子29の良好な発電効率を長く維持させるためには、上記発電時回転速度Vmを、連続印刷の長さ等のオーバーシュートに影響する因子に基づいて制御する必要がある。
そこで、画像形成装置1は、入出力制御部32のROM、不揮発性メモリ等に、予め図7に示すような発電用減速率Vm/Vp、放熱用減速率Vo/Vpを、印刷枚数に対応させたデータベースDBを記憶している。なお、ここで、Voは、予め設定されている通紙後回転許容時間Tb内に予め設定されている上昇許容温度Toに低下させるための加熱ローラ25の回転速度、いわゆる安全用回転速度である。
なお、図7の定着蓄熱量[J]は、印刷動作時における加熱ヒータ27の消費電力量であるヒータ消費電力量Qc[J]と、用紙Pが定着部6から奪う熱量(用紙吸熱量Qp[J])から次式(1)に基づいて算出される。
定着蓄熱量[J]=ヒータ消費電力量Qc[J]ー用紙吸熱量Qp[J]・・・(1)
そして、ある印刷ジョブにおける定着蓄熱量[J]を求めるには、印刷動作中の加熱ヒータ27の消費電力[W]と点灯時間[h]からヒータ消費電力量Qc[J]を算出する。用紙吸熱量Qpは、定着部6に入る前と入った後の用紙Pの温度差[℃]を各用紙P毎に測定し、それらの用紙Pの温度差から用紙吸熱量[J]を算出する。ここで、定着蓄熱量[J]は、時間とともに増加する一方で、印刷枚数の増加に伴って、単調に増加する特性があり、印刷枚数に対して定着蓄熱量[J]の増加を実験によって予め測定する。定着蓄熱量[J]は、印刷中に加熱ヒータ27の点灯状態の監視、加熱ヒータ27の点灯時間の入出力制御部32での測定、定着部6に入る前と入った後の用紙温度差の測定によって可能である。ところが、処理が多いことと、特に、用紙温度を測定するための温度検知センサが別途必要で、コストアップにつながることから、本実施例の画像形成装置1は、事前に印刷ジョブと定着蓄熱量[J]の関係を実験で求め、印刷ジョブから定着蓄熱量[J]を推定して、上記データベースDBに記憶する。
そして、画像形成装置1は、熱電素子29による発電量を向上させるための加熱ローラ25の発電時の回転減速率である発電用減速率Vm/Vpを以下のようにして求める。
すなわち、各印刷ジョブ毎の定着蓄熱量[J]に対して、印刷終了後、加熱ローラ25の温度が印刷時よりもオーバーシュートする。このとき、各定着蓄熱量[J]に対して、加熱ローラ25の温度が、熱電素子29の発電動作領域の上限Bに到達する加熱ローラ25の発電時回転速度Vmを実験により求めておき、印刷等での通常の定着時回転速度Vpとの比から加熱ローラ25の発電用減速率Vm/Vpを算出する。
また、画像形成装置1は、通紙後の回転で、定着部材の安全を確保するために、必要最低限放熱するための加熱ローラ25の回転減速率である放熱用減速率Vo/Vpを以下のようにして求める。
すなわち、各定着蓄熱量[J]に対して、印刷終了後は、定着部材の劣化等を防止して安全性を確保するために、加熱ローラ25の余剰熱を、定着ベルト23を通じて放熱させる必要性がある。この放熱が適切に行われないと、加熱ローラ25の温度が上昇し過ぎて、定着ベルト23等が損傷する場合がある。
そこで、通紙後回転許容時間Tbに対して、通紙後回転で加熱ローラ25の余剰熱を最低限の熱量を放熱するための加熱ローラ25の安全用回転速度Voを実験により求める。具体的には、定着ベルト23等に損傷を与えないような加熱ローラ25の温度が、例えば、230℃である場合、安全用回転速度Voは、実験によって、加熱ローラ25の回転速度を徐々に減速して、加熱ローラ25の温度が230℃になる速度を求めて、その速度を安全回転速度Voとする。そして、入出力制御部32は、この安全回転速度Voと定着時回転速度Vpの比を取って、放熱用減速率Vo/Vpを算出する。そして、画像形成装置1は、上記発電用減速率Vm/Vpと放熱用減速率Vo/Vpを、入出力制御部32のROM等のデータベースDBに記憶する。
そして、入出力制御部32は、印刷ジョブの連続印刷枚数に基づいて、発電用減速率Vm/Vpと放熱用減速率Vo/Vpを読み出して、加熱ローラ25の速度制御に用いる。また、入出力制御部32は、発電用減速率Vm/Vpと放熱用減速率Vo/Vpのうち、大きい方を採用して、加熱ローラ25の回転速度を決定する。このようにすると、入出力制御部32は、加熱ローラ25の温度を、定着ベルト23等の定着部材の安全性を確保しつつ、加熱ローラ25の温度領域をできる限り長く熱電素子29の発電動作領域内に維持することができる。例えば、図7においては、入出力制御部32は、印刷枚数が、300枚までは、発電用減速率Vm/Vpを採用し、600枚では、発電用減速率Vm/Vp、放熱用減速率Vo/Vpのいずれでもよく、1200枚では、放熱用減速率Vo/Vpを採用する。例えば、印刷枚数が70枚であった場合、発電用減速率Vm/Vpが「0.82」、放熱用減速率放熱用減速率Vo/Vpが「0.5」であるため、加熱ローラ回転速度減速率としては、「0.82」を採用する。また、印刷枚数が1200枚であった場合、発電用減速率Vm/Vpが「0.97」、放熱用減速率Vo/Vpが「1.0」であるため、加熱ローラ回転速度減速率としては、「1.0」を採用する。
なお、図7においては、ある紙種・紙厚に対して求めた加熱ローラ回転速度減速率のデータベースDBが示されているが、これは一例にすぎない。画像形成装置1は、画像形成装置1が複数の紙種・紙厚を使用する場合は、それらの紙種・紙厚に対して加熱ローラ回転速度減速率のデータベースDBを作成し、紙種・紙厚、印刷枚数に応じて加熱ローラ回転速度減速率を求める。また、図7に示されている印刷枚数と印刷枚数の間の印刷枚数については、例えば、30〜70枚の場合、印刷枚数に対して、定着蓄熱量、発電用減速率、放熱用減速率を、それぞれ線形近似等で近似計算によって算出する。
そして、入出力制御部32は、図8に示すように、熱電制御処理を実行する。すなわち、定着動作に入ると、定着動作の対象の印刷ジョブから印刷ジョブ情報を取得する(ステップS101)。
入出力制御部32は、印刷ジョブ情報を取得すると、給紙部3、搬送部4、画像形成部5、定着部6とを駆動制御して、印刷を開始する(ステップS102)。入出力制御部32は、印刷を開始すると、印刷ジョブ情報と加熱ローラ25の検出温度(定着ベルト23の温度)からデータベースDBを参照して発電時回転速度Vmを算出する(ステップS103)。この印刷ジョブ情報は、熱電制御においては、主に、印刷枚数であるが、画素密度、画像濃度等も採用してもよい。
発電時速度を算出すると、入出力制御部32は、所定時間Ta内に、次の印刷ジョブが追加されたかチェックする(ステップS104)。
ステップS104で、次の印刷ジョブが追加されたとき(ステップS104で、YESのとき)、入出力制御部32は、一連の連続印刷として、ステップS103に戻って、該次の印刷ジョブを含めて発電時回転速度Vmを算出する(ステップS103)。
ステップS104で、次の印刷ジョブが追加されないとき(ステップS104で、NOのとき)、一連の連続印刷における最終紙が定着部6を通過するのを待つ(ステップS105)。
ステップS105で、最終紙が定着部6を通過すると(ステップS105で、YESのとき)、入出力制御部32は、充電器33を駆動させて、熱電素子29による発電を開始させ、加熱ローラ25の回転速度を発電時回転速度Vmに減速する(ステップS106)。なお、入出力制御部32は、印刷時、すなわち、定着時には、加熱ローラ25を定着時回転速度Vpで回転駆動させる。
入出力制御部32は、発電を開始すると、予め設定されている一定時間Twが経過するのを待って、上記通紙後回転許容時間Tbが経過したかチェックする(ステップS108)。なお、所定時間Twは、例えば、1秒であり、発電が確実に開始されるのを確保する時間である。
ステップS108で、通紙後回転許容時間Tbが経過していないと(ステップS108で、NOのとき)、入出力制御部32は、加熱ローラ25が目標定着温度Ref以下になったかチェックする(ステップS109)。
ステップS109で、加熱ローラ25が目標定着温度Ref以下になっていないとき(ステップS109で、NOのとき)、入出力制御部32は、ステップS107に戻って、通紙後回転許容時間Tb経過したかのチェックから上記同様に処理する(ステップS108、S109)。
ステップS108で、通紙後回転許容時間Tbが経過すると(ステップS108で、YESのとき)、入出力制御部32は、充電器33の駆動を停止させて、熱電素子29による発電を停止させ、加熱ローラ25の回転を停止させて、熱電制御処理を終了する(ステップS110)。すなわち、このとき、入出力制御部32は、通紙後回転許容時間Tbが経過したので、定着部材の損傷や劣化を防止する必要があると判断して、熱電制御処理を終了する。
ステップS109で、加熱ローラ25が目標定着温度Ref以下になると(ステップS109で、YESのとき)、入出力制御部32は、充電器33の駆動を停止させて、熱電素子29による発電を停止させ、加熱ローラ25の回転を停止させて、熱電制御処理を終了する(ステップS110)。すなわち、このとき、入出力制御部32は、熱電素子29の発電動作領域外の温度に低下したと判断して、熱電制御処理を週寮する。
このようにすると、定着部材の安全性を確保しつつ、熱電素子29を長時間発電動作領域で動作させることができ、定着部材の損傷、劣化を防止しつつ、発電効率を向上させることができる。
なお、上記説明においては、発電期間中に、加熱ローラ25の回転速度を1回のみ調整する場合について説明したが、加熱ローラ25の回転速度の調整は、1回に限るものではなく、複数回、例えば、図9に示すように、2回調整してもよい。
すなわち、入出力制御部32は、一連の連続印刷における最終紙が定着部6を通過すると、図9(a)に示すように、加熱ローラ25の回転速度を、定着時回転速度Vpから発電時回転速度Vmに減速させ、熱電素子29による発電動作を行う。このとき、図9(b)に示すように、加熱ローラ25の温度は、熱電素子29の発電動作領域の温度に急激に突入して、発電動作領域の上限温度B付近以下に維持される。
入出力制御部32は、その後、所定時間経過すると、あるいは、加熱ローラ25(定着ベルト23)の温度が所定温度に低下すると、加熱ローラ25の回転速度を、図9(a)に示すように、さらに遅い第2発電時回転速度Vm2に減速させる。定着部6は、加熱ローラ25の回転速度が低下すると、加熱ローラ25の蓄熱が定着ベルト23を介して他の定着部材(定着ローラ24、加圧ローラ22等)に伝搬する速度が低下する。したがって、図9(b)に示すように、加熱ローラ25の温度は、再度、上限温度B程度まで上昇した後、再度、低下することとなる。
なお、加熱ローラ25の回転速度の切替タイミングと切り替え後の回転速度は、上記例に限るものではない。例えば、図7において、印刷枚数が30枚であった場合、発電用減速率Vm/Vpを、「0.77」として、通紙後回転許容時間Tbの半分の時間Tb/2まで発電させ、残りのTb/2〜Tbの間を、発電用減速率Vm/Vpを、「0.45」とする等の方法であってもよい。
その結果、加熱ローラ25は、図9を図6と比較して分かるように、その温度が、熱電素子29の発電動作領域内に、より長い時間維持されることになり、熱電素子29の発電効率をより一層向上させることができる。
このように、本実施例の画像形成装置1は、その熱発電制御部40が、加熱ヒータ(発熱手段)27によって加熱されつつ回転することで該加熱ヒータ27からの熱を所定の用紙(媒体)Pに熱伝導動作し、該熱伝導動作が完了すると該加熱ヒータ27による加熱が停止される定着ローラ機構部(熱伝導手段)21と、前記定着ローラ機構部21を回転させる駆動モータ(回転手段)と、前記定着ローラ機構部21の熱を受けて該熱量に応じた電力を発電する熱電素子(熱発電手段)29と、熱電素子29の発電する発電電力を蓄電する蓄電池(蓄電手段)34と、前記駆動モータを制御して、前記定着ローラ機構部21を、前記熱伝導動作時には定着時回転速度(規定動作回転速度)Vpで回転させ、該熱伝導動作終了時点から該定着時回転速度Vpよりも遅い発電時回転速度(発電動作回転速度)Vmで回転させる入出力制御部(回転制御手段)32と、前記定着ローラ機構部21が、前記熱伝導動作を終了して前記発電時回転速度Vmで回転されている間、前記熱電素子29の発電電力を前記蓄電池34に蓄電させる充電器(蓄電制御手段)33と、を備えている。
したがって、熱伝導動作が終了すると、定着ローラ機構部21の回転速度を変更して、定着ローラ機構部21の温度を熱電素子29に応じた温度に調整して、該熱電素子29による発電電力を蓄電することができる。その結果、回転することで熱伝導動作する定着ローラ機構部21の熱を利用した熱電素子29による発電効率を向上させることができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、その熱発電制御部40が、定着ローラ機構部21が加熱ヒータ27によって加熱されつつ回転することで該加熱ヒータ27からの熱を所定の用紙(媒体)Pに熱伝導動作し、該熱伝導動作が完了すると該加熱ヒータ27による加熱が停止される熱伝導処理ステップと、駆動モータによって前記定着ローラ機構部21を回転させる回転処理ステップと、熱電素子29が前記定着ローラ機構部21の熱を受けて該熱量に応じた電力を発電する熱発電処理ステップと、前記熱電素子29の発電する発電電力を蓄電池34に蓄電する蓄電処理ステップと、前記駆動モータを制御して、前記定着ローラ機構部21を、前記熱伝導動作時には定着時回転速度Vpで回転させ、該熱伝導動作終了時点から該定着時回転速度Vpよりも遅い発電時回転速度Vmで回転させる回転制御処理ステップと、前記定着ローラ機構部21が、前記熱伝導動作を終了して前記発電時回転速度Vmで回転されている間、前記熱電素子29の発電電力を前記蓄電池34へ蓄電させる蓄電制御処理ステップと、を有する熱発電制御方法を実行している。
したがって、熱伝導動作が終了すると、定着ローラ機構部21の回転速度を変更して、定着ローラ機構部21の温度を熱電素子29に応じた温度に調整して、該熱電素子29による発電電力を蓄電することができる。その結果、回転することで熱伝導動作する定着ローラ機構部21の熱を利用した熱電素子29による発電効率を向上させることができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、入出力制御部32のCPU等の制御プロセッサに、定着ローラ機構部21が加熱ヒータ27によって加熱されつつ回転することで該加熱ヒータ27からの熱を所定の用紙(媒体)Pに熱伝導動作し、該熱伝導動作が完了すると該加熱ヒータ27による加熱が停止される熱伝導処理と、駆動モータによって前記定着ローラ機構部21を回転させる回転処理と、熱電素子29が前記定着ローラ機構部21の熱を受けて該熱量に応じた電力を発電する熱発電処理と、前記熱電素子29の発電する発電電力を蓄電池34に蓄電する蓄電処理と、前記駆動モータを制御して、前記定着ローラ機構部21を、前記熱伝導動作時には定着時回転速度Vpで回転させ、該熱伝導動作終了時点から該定着時回転速度Vpよりも遅い発電時回転速度Vmで回転させる回転制御処理と、前記定着ローラ機構部21が、前記熱伝導動作を終了して前記発電動作回転速度で回転されている間、前記熱電素子29の発電電力を前記蓄電池34へ蓄電させる蓄電制御処理と、を実行させる熱発電制御プログラムを搭載している。
したがって、熱伝導動作が終了すると、定着ローラ機構部21の回転速度を変更して、定着ローラ機構部21の温度を熱電素子29に応じた温度に調整して、該熱電素子29による発電電力を蓄電することができる。その結果、回転することで熱伝導動作する定着ローラ機構部21の熱を利用した熱電素子29による発電効率を向上させることができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、前記回転制御手段である入出力制御部32が、前記発電時回転速度Vmを、前記熱伝導動作時における加熱ヒータ27から前記定着ローラ機構部21へ供給される熱量から前記用紙Pに熱伝導される熱量を減算した余剰熱量と、該熱伝導動作後に該定着ローラ機構部21を該発電動作回転速度で回転させたときの放熱量とに基づいて決定する。
したがって、定着ローラ機構部21の熱量に応じた発電動作回転速度を決定して、熱電素子29の温度をより一層適切に制御し、回転することで熱伝導動作する定着ローラ機構部21の熱を利用した熱電素子29による発電効率をより一層適切に向上させることができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、前記回転制御手段である入出力制御部32が、前記用紙Pに熱伝導される熱量を、該媒体の種類、厚さ、処理枚数に基づいて決定する。
したがって、定着ローラ機構部21の熱量をより一層正確に求めて、回転することで熱伝導動作する定着ローラ機構部21の熱を利用した熱電素子29による発電効率をより一層適切に向上させることができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、前記熱電素子29が、所定の発電動作領域(発電温度領域)において電力を発電し、前記回転制御手段である入出力制御部32が、前記熱伝導動作が完了した後の前記定着ローラ機構部21が前記発電動作領域を維持する回転速度を、前記発電時回転速度Vmとして、前記駆動モータに該定着ローラ機構部21を回転させる。
したがって、定着ローラ機構部21の温度を、熱電素子29の発電に良好な発電動作領域に長時間維持することができ、発電効率をより一層向上させることができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、前記熱電素子29が、前記発電温度領域の上限温度として、前記熱伝導動作時の前記定着ローラ機構部21の温度よりも高い温度を有している。
したがって、熱伝導動作後に定着ローラ機構部21の回転速度を遅く制御することで、定着ローラ機構部21の温度を、熱電素子29の発電に良好な発電動作領域に長時間維持することができ、発電効率をより一層向上させることができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、前記回転制御手段である入出力制御部32が、前記発電動作回転速度を、複数段階で変化させる。
したがって、定着ローラ機構部21の温度を、熱電素子29の発電に良好な発電動作領域により一層長い時間維持することができ、発電効率をより一層向上させることができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、前記回転制御手段である入出力制御部32が、前記定着ローラ機構部21の耐熱上限温度と耐熱期間の範囲内で、前記発電時回転速度Vmと該発電時回転速度Vmでの回転の継続期間を設定して、前記駆動モータに該定着ローラ機構部21を回転させる。
したがって、定着ローラ機構部21、すなわち、定着部材の安全性、耐劣化性を確保しつつ、定着ローラ機構部21の温度を熱電素子29に応じた温度に調整することができ、熱電素子29の劣化を防止しつつ、発電効率をより一層向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 画像形成装置
2 本体筐体
3 給紙部
4 搬送部
5 画像形成部
6 定着部
7 書込部
8 画像読取部
9 ADF
10 排紙トレイ
11a、11b 用紙トレイ
12a、12b 送り出し機構部
13 搬送ローラ
14 レジストローラ
15 感光体
16 現像部
17 転写・搬送部
21 定着ローラ機構部
22 加圧ローラ
23 定着ベルト
24 定着ローラ
25 加熱ローラ
26 テンションローラ
27 加熱ヒータ
28 温度センサ
29 熱電素子
31 電源回路
32 入出力制御部
33 充電器
34 蓄電池
35 放電器
36 切替回路
37 負荷
38 平滑回路
38D ダイオード
38C コンデンサ
40 熱発電制御部
P 用紙
Tg トナー画像
Pg 外部商用電源電力
Tb 通紙後回転許容時間
特開2011−059273号公報

Claims (11)

  1. 発熱手段によって加熱されつつ回転することで該発熱手段からの熱を所定の媒体に熱伝導動作し、該熱伝導動作が完了すると該発熱手段による加熱が停止される熱伝導手段と、
    前記熱伝導手段を回転させる回転手段と、
    前記熱伝導手段の熱を受けて該熱量に応じた電力を発電する熱発電手段と、
    前記熱発電手段の発電する発電電力を蓄電する蓄電手段と、
    前記回転手段を制御して、前記熱伝導手段を、前記熱伝導動作時には規定動作回転速度で回転させ、該熱伝導動作終了時点から該規定動作回転速度よりも遅い発電動作回転速度で回転させる回転制御手段と、
    前記熱伝導手段が、前記熱伝導動作を終了して前記発電動作回転速度で回転されている間、前記熱発電手段の発電電力を前記蓄電手段に蓄電させる蓄電制御手段と、
    を備えていることを特徴とする熱発電制御装置。
  2. 前記回転制御手段は、
    前記発電動作回転速度を、前記熱伝導動作時における前記発熱手段から前記熱伝導手段へ供給される熱量から前記媒体に熱伝導される熱量を減算した余剰熱量と、該熱伝導動作後に該熱伝導手段を該発電動作回転速度で回転させたときの放熱量とに基づいて決定することを特徴とする請求項1記載の熱発電制御装置。
  3. 前記回転制御手段は、
    前記媒体に熱伝導される熱量を、該媒体の種類、厚さ、処理枚数に基づいて決定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の熱発電制御装置。
  4. 前記熱発電制御装置は、
    前記熱発電手段が、所定の発電温度領域において電力を発電し、
    前記回転制御手段は、
    前記熱伝導動作が完了した後の前記熱伝導手段が前記発電温度領域を維持する回転速度を、前記発電動作回転速度として、前記回転手段に該熱伝導手段を回転させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱発電制御装置。
  5. 前記熱発電手段は、
    前記発電温度領域の上限温度として、前記熱伝導動作時の前記熱伝導手段の温度よりも高い温度を有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱発電制御装置。
  6. 前記回転制御手段は、
    前記発電動作回転速度を、複数段階で変化させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱発電制御装置。
  7. 前記回転制御手段は、
    前記熱伝導手段の耐熱上限温度と耐熱期間の範囲内で、前記発電動作回転速度と該発電動作回転速度での回転の継続期間を設定して、前記回転手段に該熱伝導手段を回転させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の熱発電制御装置。
  8. 加熱手段によって加熱されつつ回転することで、該発熱手段からの熱を、現像剤像の転写された被記録媒体に熱伝導動作し、該被記録媒体上の該現像剤像を定着させるとともに、該熱伝導手段の熱を利用して熱発電する熱発電制御部を備えた定着装置であって、
    前記熱発電制御部として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の熱発電制御装置を備えていることを特徴とする定着装置。
  9. 印刷ジョブに基づいて現像剤像を被記録媒体に形成して、定着部において、加熱手段によって加熱されつつ回転する熱伝導手段が、該発熱手段からの熱を、該現像剤像の転写された該被記録媒体に熱伝導動作して、該被記録媒体上の該現像剤像を定着させ、該定着部の該熱伝導手段の熱を利用して熱発電する熱発電制御部を備えた画像形成装置であって、
    前記熱発電制御部として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の熱発電制御装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  10. 熱伝導手段が発熱手段によって加熱されつつ回転することで該発熱手段からの熱を所定の媒体に熱伝導動作し、該熱伝導動作が完了すると該発熱手段による加熱が停止される熱伝導処理ステップと、
    回転手段によって前記熱伝導手段を回転させる回転処理ステップと、
    熱発電手段が前記熱伝導手段の熱を受けて該熱量に応じた電力を発電する熱発電処理ステップと、
    前記熱発電手段の発電する発電電力を蓄電手段に蓄電する蓄電処理ステップと、
    前記回転手段を制御して、前記熱伝導手段を、前記熱伝導動作時には規定動作回転速度で回転させ、該熱伝導動作終了時点から該規定動作回転速度よりも遅い発電動作回転速度で回転させる回転制御処理ステップと、
    前記熱伝導手段が、前記熱伝導動作を終了して前記発電動作回転速度で回転されている間、前記熱発電手段の発電電力を前記蓄電手段へ蓄電させる蓄電制御処理ステップと、
    を有していることを特徴とする熱発電制御方法。
  11. 制御プロセッサに、
    熱伝導手段が発熱手段によって加熱されつつ回転することで該発熱手段からの熱を所定の媒体に熱伝導動作し、該熱伝導動作が完了すると該発熱手段による加熱が停止される熱伝導処理と、
    回転手段によって前記熱伝導手段を回転させる回転処理と、
    熱発電手段が前記熱伝導手段の熱を受けて該熱量に応じた電力を発電する熱発電処理と、
    前記熱発電手段の発電する発電電力を蓄電手段に蓄電する蓄電処理と、
    前記回転手段を制御して、前記熱伝導手段を、前記熱伝導動作時には規定動作回転速度で回転させ、該熱伝導動作終了時点から該規定動作回転速度よりも遅い発電動作回転速度で回転させる回転制御処理と、
    前記熱伝導手段が、前記熱伝導動作を終了して前記発電動作回転速度で回転されている間、前記熱発電手段の発電電力を前記蓄電手段へ蓄電させる蓄電制御処理と、
    を実行させることを特徴とする熱発電制御プログラム。
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