JP2016048229A - コード検査方法及びコード検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1本又は複数本のフィラメントからなるコードを回転しないように拘束する拘束工程と、コードの拘束を解除してコードを回転させ、コードの回転に伴う被検出体の回転方向及び回転角度を検出する回転検出工程と、コードの拘束を解除した時の被検出体の位置を基準位置とし、コードの回転により、被検出体の回転方向を連続n回(n≧3)逆転させ、被検出体の回転方向が逆転するときの被検出体の基準位置に対する回転角度をそれぞれA1、A2、…、Anとし、下記式(1)で算出されるA値を、コードの残留トーションとして求める、演算工程と、を含む。[数1]
【選択図】なし
Description
斯かる問題を解決するために、例えば、コード端部に負荷を与えて回転収束までの時間を短縮することが検討されている。しかしながら、この場合、径が細く剛性が低いコードにおいては、残留トーションを正確に測定できないという問題がある。
これは、コードの残留トーションが開放されて回転するとき、コード内部のフィラメント間に摩擦が生じて、コードの残留トーションが完全に解放されることが困難だからと考えられる。したがって、被検出体の停止位置をもってコードの残留トーションを測定する上記残留トーション測定方法では、一定の誤差を生じうるという問題がある。
この構成によれば、より短時間で正確にコードの残留トーションを測定することができる。
この構成によれば、切断工程の後に、回転検出工程とスプール交換工程とを別個独立して実施できるので、回転検出工程とスプール交換工程とを並行して行う場合、例えば、貯蔵用スプールと製品スプールとの間にコードが通線された状態で回転検出工程を行い、その後に切断工程及びスプール交換工程を行う場合に比べて、無駄な待ち時間を低減できる。
この構成によれば、製品スプールから引き出されたコードを回転検出工程の対象とするので、製品スプールによる巻き取りによる影響を加味して、より正確に残留トーションを測定できる。また、回転検出工程で用いたコード部分が、破棄されることなく空の製品スプールに巻き取られるので、検査に伴うコードのロスを回避できる。
この構成によれば、前記コードの切断端を巻き済みの製品スプールに固定する工程を、回転検出工程と並行して行われるスプール交換工程の一環として行うので、仮に回転検出工程の後に行う場合に比べて、無駄な待ち時間をさらに低減できる。
この構成によれば、無駄な待ち時間を低減しつつ、コードの真直性検査を行うことができる。
この構成によれば、切断手段による切断後に、回転検出手段による回転の検出とスプール交換とを別個独立して実施できるので、回転の検出とスプール交換とを並行して行う場合、例えば、貯蔵用スプールと製品スプールとの間にコードが通線された状態で回転の検出を行い、その後にコードの切断及びスプール交換を行う場合に比べて、無駄な待ち時間を低減できる。
コードの中でも、特に、径が細く剛性が低いコードである撚り線においては、上述の従来の測定方法では、コード端部の回転が収束するまでに長時間を要するが、本発明のコード検査方法及びコード検査装置によれば、測定時間を短縮できる点で有利である。
本発明のコード検査方法は、少なくとも、拘束工程と、回転検出工程と、演算工程とを含み、さらに、必要に応じて、その他の工程を含む。
なお、前記コードとしては、1本又は複数本のフィラメントからなる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、撚り線、などが挙げられる。コードを構成する材料は、例えば、スチール等の金属である。
上記拘束工程は、コードを回転しないように拘束する工程である。
上記回転検出工程は、前記コードの拘束を解除して前記コードを回転させ、前記コードの回転に伴う被検出体の回転方向及び回転角度を検出する工程である。
前記検出としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する図1における検出器6による検出、などが挙げられる。
前記被検出体としては、前記コードの回転に伴い回転する回転体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、回転角検出盤、などが挙げられる。
前記被検出体の回転角度の検出回数(後述する演算工程におけるn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3回〜8回が好ましく、3回〜6回がより好ましく、3回〜4回が特に好ましい。
上記演算工程は、前記コードの拘束を解除した時の前記被検出体の位置を基準位置とし、前記コードの回転により、前記被検出体の回転方向を連続n回(n≧3)逆転させ、前記被検出体の回転方向が逆転するときの前記被検出体の前記基準位置に対する回転角度をそれぞれA1、A2、…、Anとし、下記式(1)で算出されるA値を、前記コードの残留トーションとして求める工程である。なお、上記の「連続n回逆転させ」ることとは、実際にはn回以上逆転し得るが、そのうちのn回分を検出の対象とする、という意味である。
本発明のコード検査方法に含まれるその他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、演算結果の表示工程、などが挙げられる。
(第1実施形態)
図1〜図4を参照して、本発明のコード検査方法及びコード検査装置の第1実施形態を説明する。図1に示す、本実施形態のコード検査方法で用い得る、本実施形態のコード検査装置1は、コード20の残留トーションを測定するための装置であって、コード20をU字状に通線する少なくとも3個のシーブ、図示する例では2つの上部シーブ2、3とその中央下部に配置される中央下部シーブ4とからなる3個のシーブを備える。
ここで、被検出体5の外周面に間欠的に空孔を有するリング状の板部材を取り付け、検出器6がこの空孔の通過回数をカウントできる構成としてもよい。また、発光素子又は受光素子を用いて回転角度の検出ができる構成としてもよい。
の回転への干渉を可能な限り低減するのが好ましい。
本実施形態では、まず、撚線機または巻取り機が停止した後、検査装置1の中央下部シーブ4を規制しているシーブ固定ブロック10を、上下動作用エアシリンダ11が上昇させる(図2(C))。このエアシリンダ11によるシーブ固定ブロック10の上昇とともに、中央下部シーブ4は、動きを規制されていた状態から自由に回転可能になる。
A1〜Anを上記(1)式によって演算すると、Aの値を得ることができ、このAの値を残留トーションとする。
なお、被検出体5の回転角度(度(°))の位置を縦軸、測定時間(秒)を横軸とする座標において、上記のとおり得られたA1、A2・・・Anをプロットすると、図4に示すようになる。
図5は、本発明のコード検査方法の第2実施形態に用い得る、本発明のコード検査装置の第2実施形態における要部を示す斜視図である。
図5において、被検出体(スリット付円盤)15は、鉛直方向に延びるコード20の下部側一端に設けられ、鉛直方向を向く回転軸周りに回転可能である。
本実施形態のコード検出方法では、被検出体(スリット付円盤)15をコード20に吊るした状態にして、拘束工程において、拘束手段(図示せず)によりコード20の一部分を回転しないように拘束する。そして、回転検出工程において、コード20の拘束を解徐して、コード20を自由回転させて、コード20とともに回転する、スリット付円盤等からなる被検出体15の回転方向及び回転角度を、レーザセンサ等からなる検出器(回転検出手段)16を用いて検出する。その後、第1実施形態で説明した演算工程と同様の方法で、演算手段により、残留トーションを求める。
つぎに、図6〜図10を参照して、本発明のコード検査方法及びコード検査装置の第3実施形態を説明する。図6は、第3実施形態に係るコード検査方法を示すフローチャートであり、図7〜図10は、第3実施形態に係るコード検査方法に用い得る、第3実施形態に係るコード検査装置を、それぞれ異なる工程にある状態で示している。
本実施形態のコード検査装置1は、リワインド機71とスプール自動交換機72とを備えている。リワインド機71は、貯蔵用スプール30に巻き取られたコード20を、複数の製品スプール40に所定長さL1ずつ順次に巻き取る。スプール自動交換機72は、所定長さL1のコード20が巻かれた巻き済みの製品スプール40を、次にコード20が巻かれることとなる空の製品スプール45(図9、図10)と交換するとともに、製品スプール40、45を交換する間、コード20の検査を並行して行う。本実施形態では、コード20の検査として、残留トーション及び真直性を検査する。
キャプスタン32は、プーリ31を介して貯蔵用スプール30の下流側で通線されており、図示しないモータを有していて、そのモータの駆動によって、コード20を、貯蔵用スプール30側から、又は、製品スプール40側から、引き出す。
固定プーリ33は、キャプスタン32の下流側で通線されており、その位置が動かないように固定されている。
可動プーリ34は、固定プーリ33の下流側で通線されており、所定の方向に沿って、往復移動が可能である。より具体的に、本例の可動プーリ34は、巻取装置36に対する上側の位置と、上側チャック42aに対する上側の位置との間で、略水平面に沿う所定の方向(図7の左右方向)に沿って、往復移動可能である。
トラバース機構35は、巻取装置36によって製品スプール40にコード20が巻かれる間、製品スプール40の軸線方向に沿って往復移動しながら、製品スプール40に巻かれるコード20の巻き取り位置を案内する。
一対の可動貯線プーリ41a、41bと、固定貯線プーリ41cとは、図8に示すように、可動プーリ34が上側チャック42aに対する上側の位置へ移動した状態で、上流側の固定プーリ33と下流側の可動プーリ34との間で、可動貯線プーリ41b、固定貯線プーリ41c、可動貯線プーリ41aの順番で通線される。これにより、上述した貯線長さL2のコード20が、略固定プーリ33と製品スプール40との間で、一時的に貯線される。一対の可動貯線プーリ41a、41bは、互いにほぼ同じ水平位置にあり、固定貯線プーリ41cを間に挟んだ両側で、互いに連動して上下方向に往復移動可能に構成されている。固定貯線プーリ41cは、可動プーリ34及び固定プーリ33よりも下側に配置されている。一対の可動貯線プーリ41a、41b及び固定貯線プーリ41cが貯線しない(すなわち、通線されない)間、一対の可動貯線プーリ41a、41bは、図7に示すように、固定プーリ33及び可動プーリ34よりも上側に位置する。一方、一対の可動貯線プーリ41a、41b及び固定貯線プーリ41cが貯線する(すなわち、通線される)間、一対の可動貯線プーリ41a、41bは、図8に示すように、固定貯線プーリ41cよりも下側に位置し、この状態で、コード20が、固定プーリ33と可動プーリ34との間で略W字状に通線される。
切断器43は、コード20を切断するための溶断器として構成されており、上下方向において中間チャック42bと下側チャック42cとの間の位置と、その位置から外れた位置(本例では、その位置から図7の右側に外れた位置)との間で、往復移動可能である。
残留トーション測定手段60は、図5を参照して説明した、スリット付円盤等からなる被検出体15と、レーザセンサ等からなる検出器(回転検出手段)16とを備えている。検出器16は、コード20の回転に伴う被検出体15の回転方向及び回転角度を検出する。検出器16による検出結果に基づいて、図示しない演算手段により、コード20の残留トーションが求められる。演算手段によるコード20の残留トーションの求め方は、第1実施形態で説明した演算工程の方法を用いる。残留トーション測定手段60は、上下方向において中間チャック42bと下側チャック42cとの間の位置と、その位置から外れた位置(本例では、その位置から図7の左側に外れた位置)との間で、往復移動可能である。
初期状態では、図7の破線で示すように、予め貯線長さL2分のコード20が巻かれた製品スプール40が、巻取装置36に設置されている。また、可動プーリ34が、巻取装置36に対する上側の位置にある。コード20は、リワインド機71のみに通線されており、すなわち、貯蔵用スプール30、プーリ31、キャプスタン32、固定プーリ33、可動プーリ34、及び製品スプール40に、通線されている。また、一対の可動貯線プーリ41a、41bは、固定プーリ33及び可動プーリ34よりも上側に位置している。切断器43は、中間チャック42b及び下側チャック42cの間に位置していて、残留トーション測定手段60は、中間チャック42b及び下側チャック42cの間の位置から外れた位置にある。
まず、図7に破線で示すように、リワインド機71において、キャプスタン32により、貯蔵スプール30からコード20を引き出しながら、巻取装置36により、コード20を所定長さL1分だけ製品スプール40に巻き取る。これにより、製品スプール40には、所定長さL1に貯線長さL2を加算した長さのコード20が巻かれることとなる。
図7に実線で示すように、巻き取り工程(ステップS11)の後、作業者により、又は自動的に、製品スプール40を巻取装置36から取り出して、スプール自動交換機72の移動装置50に載せる。そして、図8に示すように、移動装置50によって、製品スプール40を、下側チャック42cに対する下側の位置まで移動させる。製品スプール40を移動させる間、製品スプール40を逆回転させながら、製品スプール40に巻かれたコード20を、捻じりを加えないようにしつつ徐々に引き出す(引き出し工程)。製品スプール40からコード20を引き出す間、図8に示すように、可動プーリ34を上側チャック42aに対する上側の位置まで移動させ、その後、一対の可動貯線プーリ41a、41bを固定貯線プーリ41cよりも下側の位置まで移動させることで、コード20を、固定プーリ33と可動プーリ34との間で略W字状に通線させる。この状態で、一対の可動貯線プーリ41a、41b及び固定貯線プーリ41c(貯線機構)により、製品スプール40から引き出された貯線長さL2分のコード20が、略固定プーリ33と製品スプール40との間で、一時的に貯線される(貯線工程)。このとき、製品スプール40には、所定長さL1分のコード20が巻かれている。
なお、貯線工程で一時的に貯線される貯線長さL2のコード20は、後述するように、次の製品スプール45がリワインド機71でコード20が巻かれる前に、その製品スプール45に巻かれることとなる。貯線長さL2を充分に確保することより、リワインド機71によってその製品スプール45にコード20が巻かれる際に、コード20が製品スプール45に対して滑る等の不具合を回避できる。
引き出し工程及び貯線工程(ステップS12)の後、図8に示すように、可動プーリ34と製品スプール40との間で上下方向に延在するコード20を、上側チャック42a及び中間チャック42b(拘束手段)により拘束する(拘束工程)。また、本例では、この拘束工程において、下側チャック42cによってもコード20を拘束する。そして、その拘束状態を維持しながら、切断器43によって、中間チャック42b及び下側チャック42cの間で、コード20を切断する(切断工程)。なお、切断後も、拘束状態を維持する間、両端が上側チャック42a及び中間チャック42b(拘束手段)により拘束されたコード部分20aは、回転により残留トーションが逃げないように保持される。
拘束工程及び切断工程(ステップS13)の後、図9に示すように、切断器43を、中間チャック42b及び下側チャック42cの間の位置から外れた位置へ退避させ、代わりに、残留トーション測定手段60を、中間チャック42b及び下側チャック42cの間の位置へと移動させる。次に、上側チャック42a及び中間チャック42bによるコード部分20aの拘束状態を維持しながら、中間チャック42bにより、切断工程により形成された、両端が拘束されたコード部分20a側のコード20の切断端20bを、被検出体15に固定する。次に、中間チャック42bによる拘束を解除し、コード部分20aに存在していた残留トーションにより、上側チャック42aと被検出体15との間のコード部分20aが回転し、これに伴い、被検出体15も回転される。その間、検出器16(回転検出手段)により、被検出体15の回転方向及び回転角度を検出する(回転検出工程)。その後、検出器16による検出結果に基づいて、図示しない演算手段により、コード部分20aの残留トーションが求められる(演算工程)。この演算工程は、第1実施形態で説明したものと同様である。なお、残留トーション測定手段として、本例の残留トーション測定手段60の代わりに、例えば、特開2002-90278号公報、特開2002-104736号公報、又は特開2013-148357号公報に記載されたものを用いてもよい。
回転検出工程の後、コード20の切断端20bから被検出体15を取り外すことで、上側チャック42aからぶら下がる、コード20の末端部分に、張力を作用させない状態にする。その状態で、カメラ44によって、そのコード20の末端部分を撮像して、コード20の真直性を検査する(真直性検査工程)。なお、真直性検査工程を行う手段として、カメラ44の代わりに、例えば特開2002-104736号公報に記載された手段を用いてもよい。
本例のように、回転検出工程後に自動的に真直性検査工程を行うようにすれば、無駄な待ち時間を設けることなく、効率的にこれら2種類のコード検査を行うことができる。ただし、真直性検査工程は省略してもよい。
なお、本実施形態では、検査工程(ステップS14)において、回転検出工程及び真直性検査工程以外の検査を行っても良い。そのような検査としては、コード20の撚乱れ有無の検査、コード20の外観検査、切断器43の検査等が挙げられる。
なお、本実施形態では、製品スプール40から引き出されたコード20を対象として回転検出等の検査を行うので、製品スプール40による巻き取り条件(巻取張力等)を加味して、より正確に、残留トーションや真直性等を検査できる。
本実施形態では、拘束工程及び切断工程(ステップS13)の後、検査工程(ステップS14)と並行して、スプール交換工程(ステップS15)を行う。スプール交換工程では、図9に示すように、所定長さL1のコード20が巻き付けられた巻き済みの製品スプール40を、図示しないスプール交換手段により、移動装置50から取り外し、代わりに、空の製品スプール45を、移動装置50に載せる。このような製品スプール40、45の交換を行うためのスプール交換手段の構成としては、例えば特開2002-1104736号公報に記載されたものを用いてよい。
さらに、スプール交換工程では、巻き済みの製品スプール40を移動装置50から取り外す前又は後において、図示しないスプール交換手段により、切断工程(ステップS13)で形成された、巻き済みの製品スプール40側のコード20の切断端20cを、該巻き済みの製品スプール40に固定する。このようなコード20の切断端20cを巻き済みの製品スプール40に固定する工程を行うためのスプール交換手段の構成としては、例えば、特許第3637090号又は特開2002-104736号公報に記載されたものを用いてよい。
また、本実施形態では、コード20の切断端20cを巻き済みの製品スプール40に固定する上記の工程を、検査工程と並行して行われるスプール交換工程の一環として行うので、仮に検査工程の後に行う場合に比べて、無駄な待ち時間をさらに低減できる。
検査工程(ステップS14)及びスプール交換工程(ステップS15)の後、切断工程(ステップS13)により形成された、拘束工程で拘束されていたコード部分20a(すなわち、回転検出工程で用いたコード部分20a)側のコード20の切断端20b(図9)を、図示しない空スプール端固定手段により、空の製品スプール45に固定する(空スプール端固定工程)。この際、コード20の切断端20bは、例えば、空の製品スプール45のコアに設けられた穴(図示せず)に挿入される等して、固定される。
空スプール端固定工程(ステップS16)の後、図10に示すように、移動装置50により空の製品スプール45を巻取装置36の近傍まで移動させる。その間、一対の可動貯線プーリ41a、41bを固定プーリ33及び可動プーリ34よりも上側の位置まで移動させ、その後、可動プーリ34を巻取装置36に対する上側の位置まで移動させることで、貯線機構をなす一対の可動貯線プーリ41a、41b及び固定貯線プーリ41cで貯線されていたコード20を徐々に解放する。それと並行して、貯線されていたコード20が、徐々に製品スプール45に巻き取られていく(空スプールへの貯線巻き取り工程)。図10に示すように、製品スプール45が巻取装置36の近傍位置に到達し、可動プーリ34が巻取装置36に対する上側の位置に到達した状態では、製品スプール45に、貯線長さL2分のコード20が巻かれていることとなる。
その後、製品スプール45を移動装置50から取り外して巻取装置36に設置し、ステップS11の巻き取り工程に戻って、1つ前の製品スプール40と同様に、この新たな製品スプール45に、リワインド機71により所定長さL1分のコード20を巻き取る。
<回転角度の検出工程>
図1〜3に示す検査装置1を用いて残留トーションを測定した。コード20の一端に被検出体5を取り付け、被検出体5の回転角度を測定した。
コード20を解放した後、8回分の回転方向の逆転が終わるまで、被検出体5の回転角度を測定して、A1〜A8を測定した。
図1〜3に示す検査装置1を用いて残留トーションを測定した。コード20の一端に被検出体5を取り付け、被検出体5の回転角度を測定した。
コード20を解放した後、被検出体5の動きが止まるまで待ち、静置した状態での被検出体5の回転角度を測定した。得られた回転角度を残留トーション値(°)とした。
また、実施例1の標準偏差と比較例1の標準偏差とを比較すると、実施例1の残留トーション値のばらつきは、比較例1の残留トーション値のばらつきよりも低減され、実施例の方法は同時再現性も優れることがわかる。
Claims (8)
- 前記被検出体の回転角度の検出回数が8回以下であることを特徴とする請求項1に記載のコード検査方法。
- 前記拘束工程では、貯蔵用スプールと、所定長さの前記コードが巻かれた巻き済みの製品スプールとの間に通線された、前記コードの一部分を、回転しないように拘束し、
前記拘束をする間に、前記拘束されたコード部分と前記巻き済みの製品スプールとの間で、前記コードを切断する、切断工程を行い、
前記切断工程の後、前記拘束されていたコード部分を用いて前記回転検出工程を行い、
前記切断工程の後、前記巻き済みの製品スプールを空の製品スプールと交換する、スプール交換工程を行う、請求項1又は2に記載のコード検査方法。 - 前記拘束工程に先立って、
前記貯蔵用スプールから引き出される前記コードを製品スプールに巻き取る、巻き取り工程と、
前記巻き取り工程の後、前記製品スプールを逆回転させながら前記製品スプールに巻かれた前記コードの一部を引き出して、前記所定長さのコードが巻かれた前記巻き済みの製品スプールを得るとともに、該コードの一部を、前記貯蔵用スプールと前記巻き済みの製品スプールとの間に配置される貯線機構に通線する、引き出し工程と、
を行い、
前記回転検出工程及び前記スプール交換工程の後、前記切断により形成された、前記拘束されていたコード部分側の前記コードの切断端を、前記空の製品スプールに固定する、空スプール端固定工程を行う、請求項3に記載のコード検査方法。 - 前記スプール交換工程は、前記切断により形成された、前記巻き済みの製品スプール側の前記コードの切断端を、該巻き済みの製品スプールに固定することを含む、請求項3又は4に記載のコード検査方法。
- 前記切断工程の後、前記拘束されていたコード部分側の前記コードの末端部分に対して、該コードの末端部分に張力が作用していない状態で、前記コードの真直性を検査する、真直性検査工程をさらに行う、請求項3〜5のいずれか一項に記載のコード検査方法。
- 1本又は複数本のフィラメントからなるコードを回転しないように拘束する、拘束手段と、
前記コードの拘束が解除されて前記コードが回転される間に、前記コードの回転に伴う被検出体の回転方向及び回転角度を検出する、回転検出手段と、
前記コードの拘束が解除された時の前記被検出体の位置を基準位置とし、前記コードの回転により、前記被検出体の回転方向を連続n回(n≧3)逆転させ、前記被検出体の回転方向が逆転する時の前記被検出体の前記基準位置に対する回転角度をそれぞれA1、A2、…、Anとし、下記式(1)で算出されるA値を、前記コードの残留トーションとして求める、演算手段と、
を備えることを特徴とする、コード検査装置。
- 前記拘束手段は、貯蔵用スプールと、所定長さの前記コードが巻かれた巻き済みの製品スプールとの間に通線された、前記コードの一部分を、回転しないように拘束するように構成され、
前記検査装置は、前記拘束手段が前記拘束をする間、前記拘束されたコード部分と前記巻き済みの製品スプールとの間で、前記コードを切断する、切断手段をさらに備えており、
前記回転検出手段は、前記切断手段により前記切断が行われた後、前記拘束されていたコード部分を用いて前記検出を行うように構成され、
前記検査装置は、前記切断手段により前記切断が行われた後、前記巻き済みの製品スプールを空の製品スプールと交換する、スプール交換手段をさらに備えている、請求項7に記載のコード検査装置。
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