JP2016046994A - 挿入型接続構造、冷媒配管、および超電導機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒容器とその開口端に挿入される挿入部材との間に形成されるクリアランスに適切な温度勾配を形成する挿入型接続構造を提供する。【解決手段】内部に極低温の液体冷媒が配置される冷媒容器11と、一部がその開口端内に挿入される挿入部材12と、を接続することで構成され、冷媒容器11と挿入部材12とが挿入軸方向にオーバーラップする部分に形成されるクリアランス10cのうち、挿入軸方向における冷媒容器11が配置される側が極低温となり、挿入部材12が配置される側が非極低温となる挿入型接続構造である。この挿入型接続構造は、クリアランス10cにおける極低温側の液体冷媒に接触する位置に設けられ、当該位置におけるクリアランス10cの周方向の一部に冷媒流入口13eを形成する流入口形成部材を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、内部に極低温の液体冷媒が配置された状態で使用される挿入型接続構造、およびその挿入型接続構造を用いた冷媒配管と超電導機器に関するものである。
内部に極低温の液体冷媒が配置される冷媒容器と、一部がその冷媒容器の開口端内に挿入される挿入部材と、とを接続することで構成され、冷媒容器と前記挿入部材とが挿入軸方向にオーバーラップする部分にクリアランスが形成される挿入型接続構造が知られている。この挿入型接続構造では、クリアランスのうち、挿入軸方向における冷媒容器が配置される側が極低温となり、挿入軸方向における挿入部材が配置される側が非極低温となる。例えば、特許文献1には、超電導ケーブルの端末構造に上記挿入型接続構造を適用した例が示されている。
図8は、超電導ケーブルSCと常電導リード2とを繋ぐ超電導ケーブルの端末構造100の概略半縦断面図である。超電導ケーブルSCは、二重管構造(図面上では簡略化して単管構造で示す)のケーブル断熱管5の内部にケーブルコア4を収納した構成を備える。代表的なケーブルコア4は、フォーマ、超電導導体層41、内部半導電層、ケーブル絶縁層42、外部半導電層、ケーブル遮蔽層43、保護層を有している(図面上は、層41,42,43のみを図示する)。
極低温で利用される超電導ケーブルSCの端末構造100は、ケーブル側断熱容器31、リード側断熱容器32、および絶縁部材33で構成される継手状の断熱構造体3を備える。ケーブル側断熱容器31は、超電導ケーブルSCのケーブル断熱管5のリード方向端部に設けられている。リード側断熱容器32は、常電導リード2のコア方向端部に取り付けられている。リード側断熱容器32のコア方向端部は、ケーブル側断熱容器31のリード方向端部に挿入されており、両断熱容器31,32の端部同士が、両断熱容器31,32の挿入軸方向(紙面上下方向)にオーバーラップしている。絶縁部材33は、ケーブル側断熱容器31とリード側断熱容器32とのオーバーラップ部分に介在され、接地電位となっているケーブル側断熱容器31と、高電位となっているリード側断熱容器32と、の間で所定の絶縁性能を発揮する。この絶縁部材33はリード側断熱容器32に一体に形成されている。なお、絶縁部材33はケーブル側断熱容器31に一体に形成されている形態であっても構わない。
上記構成では、絶縁部材33とケーブル側断熱容器31との間、およびリード側断熱容器32と常電導リード2との間に、クリアランス(部材間の径方向の間隙)が形成される。つまり、この端末構造100では、ケーブル側断熱容器31の開口端に絶縁部材33の一部を挿入した挿入型接続構造と、リード側断熱容器32の開口端に常電導リード2の一部を挿入した挿入型接続構造と、が形成されていると考えて良い。因みに、絶縁部材33がケーブル側断熱容器31に一体に形成されている場合、絶縁部材33の開口端にリード側断熱容器32を挿入した挿入型接続構造が形成される。
挿入型接続構造のクリアランスのうち、部材の挿入軸方向におけるケーブル側(紙面下側)の端部は、断熱構造体3の内部に面しており、液体冷媒10Lによって極低温状態になっている。一方、クリアランスのうち、上記挿入軸方向におけるリード側(紙面上側)の端部は、断熱構造体3の外部に面しており、上記極低温よりも温度が高い非極低温状態になっている。クリアランスの非極低温側1HSの端部近傍はシールされ、断熱構造体3の内部と外部とがクリアランスを介して連通しないようになっている。
上記クリアランスにおいては、クリアランスの非極低温側1HSからの熱侵入がある。そのため、極低温側1LSからクリアランスに浸入した液体冷媒10Lは、非極低温側1HSからの熱侵入によって気化し、当該クリアランスには挿入軸方向に沿った温度勾配が形成される。この温度勾配が急であるとクリアランスを介した熱の移動が大きくなり、温度勾配が緩いとクリアランスを介した熱の移動が小さくなる。
特開2013−59211号公報
上記クリアランスにおける液体冷媒と気化ガスとの境界位置を安定させ、クリアランスに緩やかな温度勾配を形成するには、挿入軸方向のクリアランスの長さを同じとした場合、クリアランスに存在し得る液体冷媒と気化ガスを少なくすること、即ちクリアランスをできるだけ狭くすることが有効である。しかしながら、断熱容器を大きくする場合など、各構成部材の寸法のばらつきや変歪などが生じても冷媒容器の端部に挿入部材を挿入できるように、上記クリアランスを大きくせざるを得ない。クリアランスが大きくなると、クリアランスに緩やかな温度勾配を形成することが難しく、クリアランスを介した熱侵入が増加するなどの問題が生じる。
また、挿入軸方向が水平方向に向いているなど、挿入軸方向が鉛直方向から傾いている場合、挿入型接続構造の内部に液体冷媒を満たしていったときに、クリアランスのうちの鉛直下方側の部分からクリアランス内に液体冷媒が流入する。クリアランス内で液体冷媒が気化するが、その気化ガスはクリアランスの鉛直上方側から挿入型接続構造の内部に逃げるため、クリアランスの鉛直下方側から流入する液体冷媒を押し戻す力が働き難い。そのため、クリアランスへの液体冷媒の流入が抑制され難く、クリアランスに緩やかな温度勾配を形成することが難しい。同様に、挿入軸方向が鉛直方向であっても、クリアランスの非極低温側が鉛直下方を向いている場合(つまり、図8の構成が上下反対となっている場合)、クリアランスへの液体冷媒の流入が抑制され難いため、クリアランスに緩やかな温度勾配を形成することが難しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、冷媒容器とその冷媒容器の開口端に挿入される挿入部材との間に形成されるクリアランスに緩やかな温度勾配を形成することができる挿入型接続構造を提供することにある。
本発明の一態様に係る挿入型接続構造は、内部に極低温の液体冷媒が配置される冷媒容器と、一部がその冷媒容器の開口端内に挿入される挿入部材と、を接続することで構成され、前記冷媒容器と前記挿入部材とが挿入軸方向にオーバーラップする部分に形成されるクリアランスのうち、前記挿入軸方向における前記冷媒容器が配置される側が極低温となり、前記挿入部材が配置される側が非極低温となる挿入型接続構造に係る。この挿入型接続構造は、前記クリアランスにおける前記極低温側の前記液体冷媒に接触する位置に設けられ、当該位置における前記クリアランスの周方向の一部に冷媒流入口を形成する流入口形成部材を備える。
上記挿入型接続構造によれば、冷媒容器と挿入部材とのクリアランスに緩やかな温度勾配を形成することができる。
挿入型接続構造の基本構成を示す概略縦断面図である。 実施形態1に示す中空長尺体を用いた挿入型接続構造の概略説明図である。 隘路における液体冷媒の状態を説明する概略説明図である。 実施形態3に示す波付き板材を用いた挿入型接続構造の概略説明図である。 実施形態4に示す中実長尺体を用いた挿入型接続構造の概略説明図である。 実施形態5に示すシール部材を用いた挿入型接続構造の概略説明図である。 実施形態7に示す挿入型接続構造であって、超電導ケーブルの端末構造に適用された挿入型接続構造の概略説明図である。 超電導ケーブルの端末構造における従来の挿入型接続構造の概略説明図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明に係る実施形態の内容を列記して説明する。
<1>実施形態の挿入型接続構造は、内部に極低温の液体冷媒が配置される冷媒容器と、一部がその冷媒容器の開口端内に挿入される挿入部材と、を接続することで構成され、前記冷媒容器と前記挿入部材とが挿入軸方向にオーバーラップする部分に形成されるクリアランスのうち、前記挿入軸方向における前記冷媒容器が配置される側が極低温となり、前記挿入部材が配置される側が非極低温となる挿入型接続構造に係る。この挿入型接続構造は、前記クリアランスにおける前記極低温側の前記液体冷媒に接触する位置に設けられ、当該位置における前記クリアランスの周方向の一部に冷媒流入口を形成する流入口形成部材を備える。
クリアランスに液体冷媒が浸入すると、液体冷媒がクリアランスのガス部の温度を下げると共に、液体冷媒が気化する。この気化ガスがクリアランスのガス部の体積を増加させる。液体冷媒の気化とガス部の液化とがバランスを取りながら、クリアランスの液体冷媒とガス部との境界が維持される。液体冷媒とガス部との熱の遣り取りは、クリアランス部の液体冷媒とガス部との境界の移動に伴うもので、移動する液体冷媒の体積に応じた熱収支が発生する。移動する液体冷媒の体積が小さいと、熱収支も小さくなり、上記境界の位置が安定する。従って、上記実施形態に係る挿入型接続構造のように、クリアランスにおける液体冷媒が接触する位置に流入口形成部材を配置し、狭小な冷媒流入口を形成することで、液体冷媒とガス部との境界の位置を極低温側寄りの位置で安定させることができる。その結果、クリアランスの温度勾配を緩やかにでき、侵入熱の増加を抑制することができる。
<2>実施形態の挿入型接続構造の一形態として、前記流入口形成部材は、前記クリアランスを周方向に仕切ることで前記極低温側から前記非極低温側に向かって伸びる隘路を形成する仕切り部材であって、前記隘路の前記極低温側の端部によって前記冷媒流入口が形成されている形態を挙げることができる。この形態の挿入型接続構造では、前記隘路のうち、前記非極低温側の端部が閉塞されている。
非極低温側が閉塞された隘路を形成することで、極低温側から隘路内に浸入した液体冷媒が気化したとき、隘路内のガス部の体積が膨張し、ガス部によって液体冷媒が極低温側に押される。その結果、隘路内の液体冷媒とガス部との境界、即ちクリアランス内の液体冷媒とガス部との境界が、極低温側寄りの位置で安定する。この隘路の断面積を所定の断面積以下とすれば、表面張力の作用によって隘路内に液体冷媒を浸入し難くすることができる。
<3>仕切り部材を備える実施形態の挿入型接続構造の一形態として、前記仕切り部材は、中空長尺体である形態を挙げることができる。
中空長尺体を、その孔の軸方向が挿入型接続構造の挿入軸方向に沿うようにクリアランスに配置することで、クリアランスにおける極低温側から非極低温側に向かって伸びる隘路を形成することができる。例えば、クリアランスの周方向に複数の中空長尺体を配置すれば、各中空長尺体の孔と、隣接する中空長尺体間の隙間が、隘路となる。中空長尺体は、厚み方向に弾性を有するものであることが好ましく、その中空長尺体を変形させた状態でクリアランスに挿入することが好ましい。これは、後述する実施形態1に示すように、クリアランスを形成する部材に、中空長尺体の外周面を密着させることができ、隣接する中空長尺体間の隙間で構成される各隘路が繋がることを抑制できるからである。また、中空長尺体の変形は、クリアランスの体積を小さくことにも寄与する。
<4>仕切り部材を備える実施形態の挿入型接続構造の一形態として、前記仕切り部材は、波付き板材である形態を挙げることができる。
波付き板材を、その山部の延伸方向が挿入型接続構造の挿入軸方向に沿うようにクリアランスに配置することで、挿入軸方向に沿う複数のクリアランスを形成することができる。具体的には、波付き板材における隣接する山部で囲まれる空間によって形成される隘路が、クリアランスに形成される。波付き板材は、コルゲート板のように板材の両面に波形状が形成されているものでも良いし、板材の片面にのみ波形状が形成されているものでも良い。波付き板材も、厚み方向に弾性を有するものであることが好ましく、その波付き板材を変形させた状態でクリアランスに挿入することが好ましい。
<5>仕切り部材を備える実施形態の挿入型接続構造の一形態として、前記流入口形成部材は、前記クリアランスに螺旋状に設けられることで前記極低温側から前記非極低温側に向かって螺旋状に伸びる隘路を形成する仕切り部材であって、前記隘路の前記極低温側の端部によって前記冷媒流入口が形成されている形態を挙げることができる。この形態の挿入型接続構造では、前記隘路のうち、前記非極低温側の端部が閉塞されている。
極低温側から非極低温側に向かって螺旋状に伸びる隘路を形成し、その隘路の非極低温部側の端部を閉塞させることで、上記<2>の構成と同様の理由により、クリアランス内の液体冷媒とガス部との境界が、極低温側寄りの位置で安定する。後述する実施形態4に示すように、この構成は特に、挿入軸方向が鉛直方向から傾いているときに有効である。
<6>仕切り部材を備える実施形態の挿入型接続構造の一形態として、前記隘路の前記非極低温側の端部を閉塞させる閉塞部材を備える形態を挙げることができる。
仕切り部材によって形成される隘路の非極低温側は、例えば仕切り部材の非極低温側を捻じったり折り曲げたりすることで閉塞させることができる。しかし、このような手法では、隘路が十分に閉塞されなかったり、経時的に閉塞状態が解消されたりする可能性もある。このような問題に対して、隘路の非極低温側を閉塞させるために仕切り部材とは別部材である閉塞部材を用いることで、隘路の非極低温側の端部を確実に閉塞させることができる。
<7>仕切り部材を備える実施形態の挿入型接続構造の一形態として、前記閉塞部材は、前記隘路における前記非極低温側の端部の位置に注入される高粘度材で構成される形態を挙げることができる。
高粘度材は、隘路の非極低温部側の端部に注入し易く、また当該端部を隙間無く閉塞させることが容易であるため、好ましい。
<8>実施形態の挿入型接続構造の一形態として、前記挿入軸方向が鉛直方向から傾いており、前記クリアランスの前記極低温側の端部をシールするシール部材で構成される前記流入口形成部材を備え、前記シール部材は、その鉛直方向の下端の位置に前記冷媒流入口となる連通孔を備える形態を挙げることができる。
課題の欄で既に説明したように、挿入型接続構造の挿入軸方向が水平方向に向いているなど、挿入軸方向が鉛直方向から傾いている場合、クリアランスへの液体冷媒の流入が抑制され難い。このような問題に対して、上記<7>の構成では、クリアランスの極低温側の端部をシール部材で封止すると共に、シール部材の鉛直方向の下端の位置に敢えて連通孔(冷媒流入口)を形成している。このような構成であれば、連通孔からクリアランス内に液体冷媒が流入し、クリアランス内で液体冷媒が気化したとき、その気化ガスの冷媒容器内への放出をシール部材が遮っているため、クリアランス内の圧力が増加し、液体冷媒をクリアランス外に押し出す力が発生する。その結果、クリアランスにおける液体冷媒の量を少なくすることができる。さらに<8>の構成では、シール部材に敢えて連通孔を形成することで、シール部材の損壊する可能性を低減できる。仮に、シール部材に連通孔を形成しなかった場合、シール部材の一面側と他面側とに過大な圧力差が生じて、シール部材が損壊する恐れがある。このシール部材は、仕切り部材と併用することが好ましい。
<9>実施形態に係る冷媒配管は、管状の断熱容器を複数繋ぎ合わせて構成される冷媒配管であって、繋ぎ合わされる二つの前記断熱容器の接続構造に、上記実施形態の挿入型接続構造を用いた冷媒配管である。
冷媒配管における管状の断熱容器の継手構造に実施形態の挿入型接続構造を適用することで、二つの断熱容器の繋ぎ目を介した熱侵入の増加を抑制することができる。
<10>実施形態に係る超電導機器は、超電導部材と、前記超電導部材の外周を覆う真空断熱構造と、を備える超電導機器であって、前記真空断熱構造の一部に、上記実施形態の挿入型接続構造を用いた超電導機器である。
超電導機器の真空断熱構造に実施形態の挿入型接続構造を適用することで、真空断熱構造における二つの断熱容器の繋ぎ目を介した熱侵入の増加を抑制することができる。
<11>実施形態の超電導機器の一形態として、前記超電導部材が超電導ケーブルのケーブルコアである形態を挙げることができる。
超電導ケーブルを用いた電力線路(超電導機器)に実施形態の挿入型接続構造を適用することで、超電導ケーブルへの侵入熱を低減することができる。適用箇所は、電力線路の中間接続部でも良いし、端末接続部でも良い。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、実施形態に係る挿入型接続構造、およびその挿入型接続構造を用いた冷媒配管を説明する。加えて、挿入型接続構造を用いた超電導機器の一例として、実施形態に係る挿入型接続構造を用いた超電導ケーブルの端末構造を説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるわけではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内の全ての変更が含まれることを意図する。
<実施形態1>
実施形態1では、極低温の液体冷媒を流通させる冷媒配管における入れ子状の継手構造に、実施形態の挿入型接続構造を適用した例を説明する。その説明にあたり、まず継手構造の一般的な基本構成を図1に基づいて説明し、その問題点を指摘する。次いで基本構造の問題点を解決する構成を図2、図3に基づいて説明する。
≪基本構成≫
図1は、二つの真空断熱管を繋ぎ合わせた継手構造(以下、挿入型接続構造1)の基本構成を示す概略縦断面図である。この図1では挿入型接続構造1の各部の寸法を誇張して示しており、挿入型接続構造1の連結を維持する部材などは図示を省略している。図1に示すように、挿入型接続構造1では、真空断熱管(冷媒容器)11の端部に、真空断熱管(挿入部材)12の端部を挿入し、両真空断熱管11,12の端部同士を挿入軸方向にオーバーラップさせて接続している。冷媒配管に適用されるこの挿入型接続構造1の内部には、例えば液体窒素などの極低温の液体冷媒10Lが流通される。
この挿入型接続構造1では、真空断熱管11と真空断熱管12とがオーバーラップする部分で、真空断熱管11の内周面と真空断熱管12の外周面との間にクリアランス10cが形成されている。クリアランス10cのうち、真空断熱管11,12の挿入軸方向(紙面左右方向)における挿入型接続構造1の内部に面する側、即ち真空断熱管11が配置される側は、液体冷媒10Lによって極低温となっている。一方、クリアランス10cのうち、挿入軸方向における挿入型接続構造1の外部に面する側、即ち真空断熱管12が配置される側は図示しないシール構造でシールされており、クリアランス10cを介して液体冷媒10Lが漏れないようになっている。クリアランス10c内に浸入した液体冷媒10Lの一部は気化しており、クリアランス10cには気化ガス10Gが存在している。以降、挿入軸方向における挿入型接続構造1の内部に面する側を極低温側1LS、挿入型接続構造1の外部に面する側を非極低温側1HSとする。
上記クリアランス10cでは、クリアランス10cへ流入する液体冷媒10Lを気化ガス10Gが押し返しており、クリアランス10cの極低温側1LSから非極低温側1HSに向かって徐々に温度が高くなる温度勾配が形成されている。この温度勾配によって、クリアランス10cを介した挿入型接続構造1内部への熱侵入の増加を抑制している。液体冷媒10Lと気化ガス10Gとの境界位置が非極低温側1HSに移動するほど、クリアランス10cに形成される温度勾配が急になり、熱侵入の増加を抑制する効果が小さくなる。
上記クリアランス10cは、真空断熱管11の端部の内径と、真空断熱管12の端部の外径と、の寸法差によって形成される。特に、両真空断熱管11,12の管径が大きくなると、真空断熱管11への真空断熱管12の嵌め込み性を考慮して、上記寸法差を大きめに設定する必要がある。上記寸法差を大きくすれば、クリアランス10cが大きくなり、クリアランス10cを介した熱侵入が大きくなる。
≪基本構造の問題点を解決する構成≫
上記基本構成の問題点を解決するために、本例では、図2に示すようにクリアランス10cに複数の中空長尺体13を挿入した挿入型接続構造1αとした。図2は、クリアランス10cにおける中空長尺体13の配置状態を模式的に示す挿入型接続構造1αの概略説明図である。図2では、真空断熱管11を点線で示すと共に、クリアランス10cを誇張して示している。
中空長尺体13は、クリアランス10cを周方向に仕切る仕切り部材であって、本例では、クリアランス10cの周方向に沿って複数並べられている。複数の中空長尺体13は、それぞれ独立していても良いし、シート材の一面側に一体に形成されていても良い。この中空長尺体13は、極低温側1LSから非極低温側1HSに向かって伸びる複数の隘路13iを形成すると共に、クリアランス10cの容積を減じる機能を持つ。中空長尺体13によって形成される隘路13iの極低温側1LSの端部であって液体冷媒10Lに接触する部分は、挿入型接続構造1αの内部からクリアランス10cに向かう液体冷媒10Lの流入を許容する冷媒流入口13eとして機能する。冷媒流入口13eは、クリアランス10cの横断面(断熱管11,12の挿入軸方向の直交する断面)の面積に比べて狭小なスポット状となっている。
中空長尺体13によって形成される隘路13iについて、図2の丸囲み拡大図を用いてより詳しく説明する。まず、中空長尺体13は、その長手方向に沿って伸びる中空孔を有しており、その中空孔によって隘路13iが形成されている(合わせて図3を参照)。加えて、本例における中空長尺体13は弾性変形して真空断熱管11の内周面および真空断熱管12の外周面に密着しており、そのため隣接する中空長尺体13の隙間によっても隘路13iが形成されている。
隘路13iの極低温側1LSの端部開口部である冷媒流入口13eは、クリアランス10cへの液体冷媒10Lの流入を抑制する機能を持つ。冷媒流入口13eの面積が小さくなるほど、表面張力の影響が強くなって、冷媒流入口13eを介した液体冷媒10Lの流入が抑制され易くなる。冷媒流入口13eの面積は、20mm以下とすることが好ましく、15mm以下とすることがより好ましく、10mm以下とすることが最も好ましい。
一方、隘路13iの非極低温側1HSの部分には、図3の縦断面図に示すように閉塞部材13sが設けられている。閉塞部材13sは、隘路13i内に流入した液体冷媒10Lが気化することで発生した気化ガス10Gを隘路13i内に封止する機能を持つ。この閉塞部材13sは、中空長尺体13に予め設けられていても良いし、中空長尺体13をクリアランス10cに挿入した後に形成されていても良い。例えば、シリコーングリースなどの高粘度材で閉塞部材13sを形成することが好ましい。高粘度材であれば、クリアランス10cに中空長尺体13を挿入した後、クリアランス10cの非極低温側1HSから高粘度材を注入するだけで、閉塞部材13sを形成することができる。また、高粘度材をクリアランス10cに注入する方法であれば、隣接する中空長尺体13の隙間(図2の丸囲み拡大図参照)に形成される隘路13iの非極低温側1HSの端部も同時に閉塞させることができる。その他、図2に示すクリアランス10cの非極低温側1HSの端部にリング状シール部材を押し込むなどして、当該端部を閉塞させても構わない。非極低温側に配置される閉塞部材には、中空長尺体13に求められるほどの極低温耐性は要求されない。なお、非極低温側1HSに注入する材料の量を多くしてクリアランス10c内の容積を減じることで、液体冷媒10Lと気化ガス10Gとの境界の位置を、より極低温側1LS寄りの位置にする効果が期待できる。
上記隘路13iを形成する中空長尺体13は、液体冷媒によって変質せず、クリアランス10cへの挿入を容易にする弾性をもった材料で構成すると良い。例えば、シリコーンゴムや、フッ素樹脂、カーボンファイバなどを中空長尺体13の材料として利用することができる。また、中空長尺体13の材料として、細い繊維状の樹脂(例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなど)を織物状にした後、それを一枚あるいは複数枚重ねてプレスしたものや、パイプ状にしたものを利用することもできる。繊維状の樹脂にすることで極低温でも使用可能になり、また中空長尺体13の弾性を高めることができる。弾性を持った中空長尺体13であれば、偏平させた状態でクリアランス10cに中空長尺体13を挿入することができ、挿入した中空長尺体13を両断熱管11,12に密着させることができる。
中空長尺体13の寸法は、クリアランス10cに応じて適宜選択することができる。例えば、中空長尺体13の長さは、クリアランス10cの長さ(紙面左右方向の長さ)より短くても、同じでも、長くても良い。但し、中空長尺体13の端部(冷媒流入口13e)が、クリアランス10cの極低温側1LSの端部近傍に配置されるように、中空長尺体13の長さを選択することが好ましい。また、中空長尺体13に形成される中空孔の断面積は、例えば、20mm以下とすることが好ましい。但し、弾性の中空長尺体13を用いる場合、クリアランス10cに挿入された中空長尺体13の中空孔が変形するため、上記中空孔の好ましい断面積はあくまで目安である。
クリアランス10cへの中空長尺体13の配置方法は特に限定されない。例えば、真空断熱管11の端部に真空断熱管12を挿入した後、クリアランス10cに中空長尺体13を挿入することで、クリアランス10cに中空長尺体13を配置することができる。あるいは、真空断熱管11の端部内周面に中空長尺体13を係止させた状態で真空断熱管11の端部に真空断熱管12を挿入する、あるいは真空断熱管12の端部外周面に中空長尺体13を係止させた状態で真空断熱管11の端部に真空断熱管12を挿入することで、クリアランス10cに中空長尺体13を配置することもできる。断熱管11,12に中空長尺体13を係止させるには、例えば断熱管11,12に中空長尺体13を嵌め込む凹部を形成するなどすれば良い。
≪実施形態の効果≫
以上説明した挿入型接続構造1αによれば、クリアランス10cに緩やかな温度勾配を形成することができる。その主な理由は以下の通りである。
実施形態1の挿入型接続構造1では、クリアランス10cに中空長尺体13を挿入することで、クリアランス10cの極低温側1LSの液体冷媒10Lに接触する位置に、クリアランス10cの横断面の面積よりも狭い冷媒流入口13eを形成している。狭小な冷媒流入口13eでは表面張力の影響が強く、そのため冷媒流入口13eを介してクリアランス10c内に液体冷媒10Lが流入し難い。
また、実施形態の挿入型接続構造1では、クリアランス10cに複数の隘路13iが形成され、その隘路13iの非極低温側1HSが閉塞部材13s(図3参照)で封止されており、その構成によってクリアランス10c内での液体冷媒10Lと気化ガス10Gとの境界の位置を安定させることができる。例えば、図3に示す中空長尺体13の内部に形成される隘路13iを例にして説明すれば、冷媒流入口13eを介して隘路13i内(即ち、クリアランス10c内)に液体冷媒10Lが流入すると、液体冷媒10Lが気化して気化ガス10Gが発生する。隘路13iの非極低温側1HSの端部は閉塞部材13sで封止されているため、気化ガス10Gは隘路13i外に逃げることができず、液体冷媒10Lを冷媒流入口13e側に強く押し戻す。そのため、クリアランス10cに液体冷媒10Lが浸入し難く、クリアランス10cにおける液体冷媒10Lと気化ガス10Gとの境界位置が、従来の構成よりもクリアランス10cの極低温側1LSの位置で安定する。その結果、クリアランス10cに緩やかな温度勾配が形成され、クリアランスを介した熱侵入の増加を抑制することができる。
さらに、実施形態1の挿入型接続構造1では、クリアランス10cに複数の中空長尺体13が挿入されており、クリアランス10cの容積が減じられている。つまり、中空長尺体13によってクリアランス10cを実質的に小さくすることができる。そのため、クリアランス10cに存在し得る液体冷媒10Lと気化ガス10Gが少なくなり、クリアランス10cを介した熱侵入の増加を抑制することができる。
<実施形態2>
実施形態1の中空長尺体13の代わりに、中実長尺体(仕切り部材)を用いることもできる。その場合、クリアランス10cの幅よりも径の大きな中実長尺体を偏平させた状態でクリアランス10cに挿入すれば、両真空断熱管11,12と中実長尺体との間の隙間によって隘路を形成することができる。その結果、実施形態1の構成と同様の効果を得ることができる。
<実施形態3>
実施形態3では、クリアランス10cに波付き板材(仕切り部材)14を挿入した挿入型接続構造1βを図4に基づいて説明する。図4の見方は、実施形態1の図2と同様である。
波付き板材14は、実施形態1の中空長尺体13とは異なる形態の仕切り部材であって、中空長尺体13と同様にクリアランス10cに隘路14iを形成する。本例の波付き板材14は、その一面側と他面側に波形状が形成されるコルゲート板である。波付き板材14の材料には、中空長尺体13に利用できるものと同じものを利用することができる。
上記波付き板材14をクリアランス10cに挿入した場合、図4の丸囲み拡大図に示すように、真空断熱管11の内周面に波付き板材14の一面側の山部が接触すると共に、真空断熱管12の外周面に波付き板材14の他面側の山部が接触する。その結果、真空断熱管11の内周面と波付き板材14とで囲まれる空間で構成される隘路14iと、真空断熱管12の外周面と波付き板材14とで囲まれる空間で構成される隘路14iと、がクリアランス10cに形成される。隘路14iの極低温側1LSの端部は、クリアランス10c内への液体冷媒10Lの流入を許容する冷媒流入口14eとして機能する。冷媒流入口14eの好ましい面積は、実施形態1で説明した冷媒流入口13eの好ましい面積と同じである。
図示を省略しているが、隘路14iの非極低温側1HSには閉塞部材が設けられている。閉塞部材としては、実施形態1で例示したものを利用することができる。
≪実施形態の効果≫
上記実施形態3の構成においても、波付き板材14によってクリアランス10cの容積を減じ、かつクリアランス10cの極低温側1LSの液体冷媒10Lに接触する位置に狭小な冷媒流入口14eを形成することができる。そのため、実施形態1と同様に、クリアランス10cを介した熱侵入の増加を抑制することができる。
<変形実施形態3−1>
実施形態3の波付き板材14の代わりに、平面板の一面側にアーチ状の山部を少なくとも一つ並べた片波板を利用することもできる。例えば、平面板の一面側にコルゲート板の一面側の山部を接合することで形成した片波板を利用することができる。このような片波板とする場合、平面板の熱膨張係数が山部の熱膨張係数よりも大きくなるように、両者の材料を異ならせることが好ましい。そのような片波板を極低温に冷却すると、冷却前よりも山部の高さが高くなる。極低温での山部の収縮量よりも平面板の収縮量が大きいため、山部が盛り上がったように変形するからである。このような片波材であれば、クリアランスに挿入し易く、挿入した後に冷却されたときに山部を管壁に密着させることができる。
<実施形態4>
実施形態4では、クリアランス10cに中実長尺体(仕切り部材)15を螺旋状に配置した挿入型接続構造1γを図5に基づいて説明する。図5の見方は、実施形態1の図2と同様である。なお、中実長尺体15の中間部分は図示を省略している。
中実長尺体15は、クリアランス10cに螺旋状に配置され、真空断熱管11の内周面と真空断熱管12の外周面とに密着している。その結果、クリアランス10cにおける中実長尺体15の各ターン間の隙間に螺旋状の隘路15iが形成される。螺旋状の隘路15iの極低温側1LSの端部は、クリアランス10c内への液体冷媒10Lの流入を許容する冷媒流入口15eとして機能する。冷媒流入口15eの好ましい面積は、実施形態1で説明した冷媒流入口13eの好ましい面積と同じである。一方、図示を省略しているが、隘路15iの非極低温側1HSには閉塞部材が設けられている。閉塞部材としては、実施形態1で例示したものを利用することができる。
上記の中実長尺体15の材料には、中空長尺体13に利用できるものと同じものを利用することができる。中実長尺体15に弾性を持たせることで、中実長尺体15を両断熱管11,12に密着させることができ、螺旋状に伸びる隘路15iの各ターンが独立された状態になる。ここで、中実長尺体15の代わりに、中空長尺体を利用することもできる。
≪実施形態の効果≫
上記実施形態4の構成においても、中実長尺体15によってクリアランス10cの容積を減じ、かつクリアランス10cの極低温側1LSの液体冷媒10Lに接触する位置に狭小な冷媒流入口15eを形成することができる。そのため、実施形態1と同様に、クリアランス10cを介した熱侵入の増加を抑制することができる。
ここで、挿入軸方向が鉛直方向から傾いている場合、クリアランス10cの鉛直上方側の部分よりも鉛直下方側の部分で、液体冷媒10Lの浸入位置が非極低温側1HS寄りになり、当該鉛直下方側の部分においてクリアランス10cを介した熱侵入が増加する傾向にある。これに対して、螺旋状に隘路15iが形成されている実施形態5の構成では、液体冷媒10Lが螺旋状に移動するため、クリアランス10cの鉛直上方側と鉛直下方側とで液体冷媒10Lの浸入位置に差ができ難い。そのため、クリアランス10cの鉛直下方側の部分における熱侵入の増加を抑制することができる。
<実施形態4−1>
クリアランス10cに螺旋状に配置する中実長尺体15は、一つである必要はない。例えば、2本、3本、あるいは4本以上の中実長尺体15を並行に並べた状態でクリアランス10c内に螺旋状に配置しても良い。つまり、ある中実長尺体15のターン間に、別の中実長尺体15のターンが配置された状態としても良い。その場合、互いに独立した複数の螺旋状の隘路15iが形成される。
<実施形態5>
実施形態5では、クリアランス10cの極低温側1LSにシール部材16を設けた挿入型接続構造1δを図6に基づいて説明する。図6の見方は、実施形態1の図2と同様である。
シール部材16は、クリアランス10cの極低温側1LSの端部をシールする部材であって、本例では真空断熱管12の極低温側1LSの端部に一体に形成されている。シール部材16は、シリコーンゴムなどの弾性を有する材料で構成すると良い。そうすることで、真空断熱管11の端部に真空断熱管12の端部を挿入する際、シール部材16によって真空断熱管11の内周面が損傷し難い。また、シール部材16が弾性を有することで、シール部材16が真空断熱管11の内周面に密着し、クリアランス10cの極低温側1LSを気密にシールすることができる。シール部材16による気密性を確保するには、シール部材16の外形を真空断熱管11の内形と同じかそれ以上の大きさにすると良い。
上記シール部材16は、その鉛直方向の下端の位置に連通孔16eを備える。この連通孔16eは、挿入型接続構造1γの内部からクリアランス10cに向かう液体冷媒10Lの流入を許容する冷媒流入口として機能する。
一方、クリアランス10cの非極低温側1HSの端部は、閉塞部材16sによって封止されている。閉塞部材16sとしては例えばOリングや、実施形態1で説明した高粘度材などを用いることができる。Oリングを用いる場合は、真空断熱管11の内周面に環状溝を形成し、その環状溝にOリングを嵌め込んでおいてから、真空断熱管11の端部に真空断熱管12の端部を挿入すれば良い。両断熱管11,12を繋げてから、クリアランス10cの非極低温側1HSからOリングを押し込んでも構わない。
以上説明した構成を備える挿入型接続構造1δであれば、クリアランス10cへの過剰な液体冷媒の流入を抑制することができる。この挿入型接続構造1δを備える冷媒配管に液体冷媒を流通させるにあたり、まず冷媒配管に冷媒ガスを吹き流すと、冷媒ガスは連通孔16eを介してクリアランス10cの内部に流入する。次いで冷媒配管に徐々に液体冷媒を流通させていくと、液体冷媒は連通孔16eを介してクリアランス10cに流入する。このとき、クリアランス10c内には冷媒ガスが充満している上、クリアランス10c内の液体冷媒が気化して気化ガスが発生する。クリアランス10cは、シール部材16と閉塞部材16sで封止されているため、クリアランス10cの外に逃げることができず、クリアランス10c内の圧力が高まる。その結果、クリアランス10cの気体が、連通孔16eからの液体冷媒の流入を押し止め、クリアランス10cへの過剰な液体冷媒の流入が抑制され、クリアランス10c内に緩やかな温度勾配が形成される。
<実施形態6>
実施形態1〜4で説明した仕切り部材と、実施形態5で説明したシール部材は、組み合わせて用いることができる。その場合、仕切り部材やシール部材を単独で用いた挿入型接続構造よりも、クリアランスを介した熱侵入の増加を抑制することができる挿入型接続構造とすることができる。
<実施形態7>
実施形態7では、本発明の一形態に係る挿入型接続構造1εを備える超電導ケーブルの端末構造を図7に基づいて説明する。なお、超電導ケーブルの端末構造については図8の従来図を用いて既に説明しているため、実施形態7に係る図7では、超電導ケーブルや常電導リードの図示を省略している。
挿入型接続構造1εは、絶縁部材12Iを介して真空断熱管11と真空断熱管12とを接続することで構成される。これら真空断熱管11、真空断熱管12、および絶縁部材12Iはそれぞれ、図8におけるケーブル側断熱容器31、リード側断熱容器32、および絶縁部材33に相当する。つまり、真空断熱管11は接地電位となっており、真空断熱管12は高電位となっており、絶縁部材12Iによって両管11,12の間が絶縁されている。
本例の挿入型接続構造1εでは、高電位となる真空断熱管12の端部に絶縁部材12Iを一体に形成しており、そのため接地電位となる真空断熱管11と絶縁部材12Iとの間にクリアランス10cが形成される。そこで、そのクリアランス10cに、実施形態1〜4で説明した仕切り部材や、実施形態5で説明したシール部材を設け、クリアランス10cを介した熱侵入の増加を抑制する。もちろん、実施形態5で説明したように、仕切り部材とシール部材とを組み合わせてクリアランス10cを介した熱侵入の増加を抑制しても良く、その場合、クリアランス10cを介した熱侵入の増加を抑制する効果が最も高くなる。なお、クリアランス10cの非極低温側1HSは、絶縁部材12Iの外周面には金属層を形成しておき、その金属層と真空断熱管11とを溶接するなどして封止すると良い。
ここで、真空断熱管11に絶縁部材12Iを一体化し、真空断熱管12と絶縁部材12Iとの間にクリアランスを形成しても良い。
その他、超電導ケーブルにおける実施形態の挿入型接続構造の適用箇所は、端末構造に限定されるわけではなく、中間接続構造であっても構わない。また、超電導モータなどの超電導機器において二つの断熱容器を繋ぎ合わせる際、実施形態の挿入型接続構造を適用しても構わない。
<実施形態8>
実施形態1〜7では、真空断熱管11と真空断熱管12の挿入軸方向が水平方向に向いた挿入型接続構造を説明した。これに対して、実施形態1〜7の挿入型接続構造は、断熱容器(挿入部材)12が鉛直上方に配置される縦置き構造であっても、断熱容器(挿入部材)12が鉛直下方に配置される逆置き構造であっても良い。縦置き構造でも逆置き構造でも、クリアランス10cに仕切り部材13,14,15などを設けることで、クリアランス10cを介した熱侵入の増加を抑制することができる。
本発明の挿入型接続構造は、冷媒配管や超電導機器における二つの断熱容器の連結に好適に利用することができる。
1,1α,1β,1γ,1δ,1ε 挿入型接続構造
1LS 極低温側 1HS 非極低温側
11 真空断熱管(冷媒容器)
12 真空断熱管(挿入部材)
12I 絶縁部材
10c クリアランス 1LS 極低温側 1HS 非極低温側
10L 液体冷媒 10G 気化ガス
13 中空長尺体(仕切り部材) 13s 閉塞部材
14 波付き板材(仕切り部材)
13e,14e 冷媒流入口 13i,14i 隘路
15 中実長尺体(仕切り部材)
15e 冷媒流入口 15i 隘路
16 シール部材 16e 連通孔(冷媒流入口) 16s 閉塞部材
100 端末構造
2 常電導リード
3 断熱構造体(挿入型接続構造)
31 ケーブル側断熱容器 32 リード側断熱容器 33 絶縁部材
4 ケーブルコア
41 超電導導体層 42 ケーブル絶縁層 43 ケーブル遮蔽層
5 ケーブル断熱管
SC 超電導ケーブル

Claims (11)

  1. 内部に極低温の液体冷媒が配置される冷媒容器と、一部がその冷媒容器の開口端内に挿入される挿入部材と、を接続することで構成され、前記冷媒容器と前記挿入部材とが挿入軸方向にオーバーラップする部分に形成されるクリアランスのうち、前記挿入軸方向における前記冷媒容器が配置される側が極低温となり、前記挿入部材が配置される側が非極低温となる挿入型接続構造であって、
    前記クリアランスにおける前記極低温側の前記液体冷媒に接触する位置に設けられ、当該位置における前記クリアランスの周方向の一部に冷媒流入口を形成する流入口形成部材を備える挿入型接続構造。
  2. 前記流入口形成部材は、前記クリアランスを周方向に仕切ることで前記極低温側から前記非極低温側に向かって伸びる隘路を形成する仕切り部材であって、前記隘路の前記極低温側の端部によって前記冷媒流入口が形成されており、
    前記隘路のうち、前記非極低温側の端部が閉塞されている請求項1に記載の挿入型接続構造。
  3. 前記仕切り部材は、中空長尺体である請求項2に記載の挿入型接続構造。
  4. 前記仕切り部材は、波付き板材である請求項2に記載の挿入型接続構造。
  5. 前記流入口形成部材は、前記クリアランスに螺旋状に設けられることで前記極低温側から前記非極低温側に向かって螺旋状に伸びる隘路を形成する仕切り部材であって、前記隘路の前記極低温側の端部によって前記冷媒流入口が形成されており、
    前記隘路のうち、前記非極低温側の端部が閉塞されている請求項1に記載の挿入型接続構造。
  6. 前記隘路の前記非極低温側の端部を閉塞させる閉塞部材を備える請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の挿入型接続構造。
  7. 前記閉塞部材は、前記隘路における前記非極低温側の端部の位置に注入される高粘度材で構成される請求項6に記載の挿入型接続構造。
  8. 前記挿入軸方向が鉛直方向から傾いており、
    前記クリアランスの前記極低温側の端部をシールするシール部材で構成される前記流入口形成部材を備え、
    前記シール部材は、その鉛直方向の下端の位置に前記冷媒流入口となる連通孔を備える請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の挿入型接続構造。
  9. 管状の断熱容器を複数繋ぎ合わせて構成される冷媒配管であって、
    繋ぎ合わされる二つの前記断熱容器の接続構造に、請求項1に記載の挿入型接続構造を用いた冷媒配管。
  10. 超電導部材と、前記超電導部材の外周を覆う真空断熱構造と、を備える超電導機器であって、
    前記真空断熱構造の一部に、請求項1に記載の挿入型接続構造を用いた超電導機器。
  11. 前記超電導部材が超電導ケーブルのケーブルコアである請求項10に記載の超電導機器。
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