JP2016046469A - 半導体装置の製造方法及び封止用シート - Google Patents

半導体装置の製造方法及び封止用シート Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂封止時の封止体の反りを抑制し、その後の封止体のハンドリング性や半導体装置の信頼性の低下を防止可能な半導体装置の製造方法及び封止用シートを提供すること。【解決手段】 チップ実装配線層が基材に固定された支持体を準備する工程A、前記配線層の線膨張係数と熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値が15ppm/K以下である第1の封止層、及び前記基材の線膨張係数と熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値が6ppm/K以下である第2の封止層を準備する工程B、前記第1の封止層と前記第2の封止層とを備え、前記チップが埋め込まれた積層体を前記支持体上に形成する工程C、並びに前記積層体を熱硬化させる工程Dを含む半導体装置の製造方法。【選択図】 図6A

Description

本発明は、半導体装置の製造方法及び封止用シートに関する。
従来、シリコン半導体を用いたICや、有機半導体を用いた有機EL素子など、種々の半導体材料にて構成される半導体素子(以下、単に「素子」ともいう。)は、通常、ウェハ基板面に素子をマトリクス状に多数繰り返して形成した後、ダイシングによって個々の素子である半導体チップ(ベアチップとも呼ばれる)へと分断することによって製造されている。その際、基板上に形成された素子を保護するために多数の素子を一括で樹脂封止するための樹脂シートが提案されている(特許文献1)。
さらに、半導体チップの裏面側(回路面とは反対側)から樹脂封止した後、チップの回路面上に再配線層を形成し、さらに、再配線層に外部端子を形成したファン・アウト・ウエハレベル・パッケージ(Fan−Out Wafer−Level Package)と呼ばれる技術が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
特許文献2や特許文献3に記載されている半導体装置の製造方法では、まず、間隔をあけて複数の半導体チップを配置した後、これら複数の半導体チップを一括で樹脂封止して封止体を形成する。この際、半導体チップの裏面は、樹脂で覆われない態様で封止する。その後、半導体チップの表面(素子面)に再配線層を形成し、金属バンプ等の外部接続端子を形成した後、個々の半導体チップごと又は1のパッケージとなる複数の半導体チップごとに分断している。
特開2006−19714号公報 米国特許第7,202,107号 特開2001−308116号公報
特許文献1や特許文献2に記載されている半導体装置の製造方法では、樹脂封止時の樹脂の流動による力、あるいは封止樹脂の熱硬化により樹脂が収縮する力等により半導体チップ間の距離が熱硬化前から変動する。そのため、再配線層を形成する際に、半導体チップの電極位置と再配線層の導体部分とがうまく対応せず、接続不良が発生する場合がある。また、封止樹脂に関しても、再配線層との接着性の高いことが求められる。
これに対し、本出願人は、仮止め用シート上に再配線が形成された配線層に半導体チップを予めフリップチップ実装しておき、その後、封止用シートにて半導体チップを樹脂封止することで樹脂流動や熱収縮の影響を排除して、配線層と半導体チップとの接続不良を抑制する技術について出願を行っている(本願出願時では未公開)。
しかしながら、上記配線層を用いる半導体装置の製造方法では、樹脂封止時に封止体の反りが発生してしまい、その後のハンドリング性や得られる半導体装置の信頼性の低下を招来する場合があることが判明した。
本発明の目的は、樹脂封止時の封止体の反りを抑制し、その後の封止体のハンドリング性や半導体装置の信頼性の低下を防止可能な半導体装置の製造方法及び封止用シートを提供することにある。
本願発明者らは、封止用の樹脂シート、基材及び配線層の3者間の樹脂封止時の熱膨張等の熱応答挙動のミスマッチにより上記不具合が生じているのではないかとの考えに基づいて鋭意検討した結果、下記の構成を採用することにより、前記の課題を解決できることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、チップ実装配線層が基材に固定された支持体を準備する工程A、
前記配線層の線膨張係数と熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値が15ppm/K以下である第1の封止層、及び前記基材の線膨張係数と熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値が6ppm/K以下である第2の封止層を準備する工程B、
前記第1の封止層と前記第2の封止層とを備え、前記チップが埋め込まれた積層体を前記支持体上に形成する工程C、並びに
前記積層体を熱硬化させる工程D
を含む半導体装置の製造方法に関する。
当該製造方法では、配線層の線膨張係数及び基材の線膨張係数のそれぞれに近似する線膨張係数(熱硬化後)を有する第1の封止層及び第2の封止層の積層体を支持体上に形成した上でチップ(半導体チップ)を樹脂封止するので、封止用シートとしての積層体の熱応答挙動と半導体チップが固定された支持体の熱応答挙動との整合が図られ、樹脂封止時の封止体全体の反りを抑制することができる。その結果、後工程でのハンドリング性を確保することができるとともに、高信頼性の半導体装置を製造することができる。なお、熱硬化後の線膨張係数は、150℃で1時間熱硬化させた後のガラス転移温度以下での50℃〜80℃の線膨張係数をいう。
当該製造方法では、前記工程Cの前に、前記第1の封止層と前記第2の封止層との積層体を形成し、前記工程Cにおいて、前記チップを埋め込みながら前記積層体を前記支持体上に配置してもよい。あるいは、前記工程Cにおいて、前記第1の封止層及び前記第2の封止層を順不同で前記支持体上に逐次積層して前記積層体を前記支持体上に形成してもよい。当該製造方法では、第1の封止層及び第2の封止層の積層順序を問わず、熱硬化時に両層の積層体が形成されていれば樹脂封止時の封止体の反りを効率的に抑制することができる。
当該製造方法では、前記積層体は、前記支持体側から前記第1の封止層及び前記第2の封止層を備えることが好ましい。支持体上に積層体を形成した封止体を側面からみたときに、配線層及び配線層に熱応答挙動が近似する第1の封止層が内側に配置され、基材及び基材に熱応答挙動が近似する第2の封止層が外側に配置されることで、封止体の構成要素として熱応答挙動の対称性を付与することができ、より効率的に封止体の反りを抑制することができる。
本発明はまた、半導体チップの封止に用いられる封止用シートであって、
熱硬化後の線膨張係数が10ppm/K以上30ppm/K未満である第1の封止層と、
熱硬化後の線膨張係数が1ppm/K以上10ppm/K以下である第2の封止層と
を備える封止用シートに関する。
このような封止用シートでは、第1の封止層の熱応答挙動が配線層に近似し、第2の封止層の熱応答挙動が一般的な基材に近似するので、上記半導体装置の製造方法に好適に用いることができる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 仮止め用シート上に複数の配線層が所定の間隔をおいて積層されている例を示す平面図である。 仮止め用シート上に複数の配線層が所定の間隔をおいて積層されている他の例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 半導体チップが配線層に実装される様子を示す部分拡大図である。 本発明の一実施形態に係る封止層を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る封止用シートを説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。ただし、図の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大または縮小等して図示した部分がある。図1、図4、図7〜図11は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。図5は、半導体チップが配線層に実装される様子を示す部分拡大図である。図6Aは、本発明の一実施形態に係る封止層を説明するための断面模式図であり、図6Bは、本発明の一実施形態に係る封止用シートを説明するための断面模式図である。
<工程A:支持体準備工程>
本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、チップ実装配線層が基材に固定された支持体を準備する。以下では、支持体が、基材と仮止め用シートと配線層とを備える積層構造を有する場合について説明する。まず、図1に示すように、基材1と仮止め用シート5と配線層2とがこの順で積層された支持体10を作製する。
(基材)
基材1は、一定以上の強度を有することが好ましい。基材1としては、特に限定されないが、Ni箔、Al箔等の金属箔、金属板、ガラス板、シリコンウェハ、SiCウェハ、GaAsウェハ等の化合物ウェハ等が挙げられる。また、基材1として、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリフェニルスルフイド、アラミド(紙)、ガラス、ガラスクロス、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂、紙等を用いることもできる。なかでも、寸法変化が少なく、ロール状に巻ける点で金属泊が好ましい。
基材1は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用しても良い。基材の厚みは、特に限定されないが、例えば、通常10μm〜20mm程度である。
(仮止め用シート)
仮止め用シート5としては、熱膨張性粘着剤層や放射線硬化型粘着剤層を有する構成を採用することができる。放射線硬化型粘着剤層としては、従来公知の放射線硬化型の粘着剤(例えば、紫外線硬化型の粘着剤)を採用することができる。本実施形態では、仮止め用シート5が熱膨張性粘着剤層を有する場合について説明する。
(熱膨張性粘着剤層)
熱膨張性粘着剤層は、ポリマー成分と、発泡剤とを含む粘着剤組成物により形成することができる。ポリマー成分(特にベースポリマー)としては、アクリル系ポリマー(「アクリルポリマーA」と称する場合がある)を好適に用いることができる。アクリルポリマーAとしては、(メタ)アクリル酸エステルを主モノマー成分として用いたものが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、sec−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステル等のアルキル基の炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエステル等)及び(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステル等)などが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは単独で又は2種以上を併用してもよい。
なお、前記アクリルポリマーAは、凝集力、耐熱性、架橋性などの改質を目的として、必要に応じて、前記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体成分に対応する単位を含んでいてもよい。このような単量体成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イコタン酸などの酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換又は無置換)アミド系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(置換又は無置換)アミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−ビニルピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタムなどの窒素原子含有環を有するモノマー;N−ビニルカルボン酸アミド類;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルなどの酸素原子含有複素環を有するモノマー;フッ素系(メタ)アクリレートなどのフッ素原子を含有するアクリル酸エステル系モノマー;シリコーン系(メタ)アクリレートなどのケイ素原子を含有するアクリル酸エステル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー等が挙げられる。
前記アクリルポリマーAは、単一モノマー又は2種以上のモノマー混合物を重合に付すことにより得られる。重合は、溶液重合(例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合など)、乳化重合、塊状重合、懸濁重合、光重合(例えば、紫外線(UV)重合など)等の何れの方式で行うこともできる。
アクリルポリマーAの重量平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは35万〜100万、更に好ましくは45万〜80万程度である。
また、熱膨張性粘着剤には、粘着力を調整するため、外部架橋剤を適宜に用いることもできる。外部架橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤等のいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法が挙げられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、さらには、粘着剤としての使用用途によって適宜決定される。外部架橋剤の使用量は、一般的には、前記ベースポリマー100重量部に対して、20重量部以下
(好ましくは0.1重量部〜10重量部)である。
熱膨張性粘着剤層は、前述のように、熱膨張性を付与するための発泡剤を含有している。そのため、仮止め用シート5から基材1を剥離する際には、熱膨張性粘着剤層を少なくとも部分的に加熱して、該加熱された熱膨張性粘着剤層の部分に含有されている発泡剤を発泡及び/又は膨張させることにより、熱膨張性粘着剤層が少なくとも部分的に膨張し、この熱膨張性粘着剤層の少なくとも部分的な膨張により、該膨張した部分に対応した粘着面(基材1との界面)が凹凸状に変形して、該熱膨張性粘着剤層と基材1との接着面積が減少し、これにより、両者間の接着力が減少し、仮止め用シート5から基材1を剥離させることができる。なお、仮止め用シート5は基材1を剥離させた後は、ピール剥離により配線層2から剥離することができる。
(発泡剤)
熱膨張性粘着剤層において用いられている発泡剤としては、特に制限されず、公知の発泡剤から適宜選択することができる。発泡剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。発泡剤としては、熱膨張性微小球を好適に用いることができる。
(熱膨張性微小球)
熱膨張性微小球としては、特に制限されず、公知の熱膨張性微小球(種々の無機系熱膨張性微小球や、有機系熱膨張性微小球など)から適宜選択することができる。熱膨張性微小球としては、混合操作が容易である観点などより、マイクロカプセル化されている発泡剤を好適に用いることができる。このような熱膨張性微小球としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球などが挙げられる。前記殻は、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質で形成される場合が多い。前記殻を形成する物質として、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。
熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法や、界面重合法などにより製造できる。なお、熱膨張性微小球には、例えば、松本油脂製薬株式会社製の商品名「マツモトマイクロスフェアー」のシリーズ(例えば、商品名「マツモトマイクロスフェアーF30」、同「マツモトマイクロスフェアーF301D」、同「マツモトマイクロスフェアーF50D」、同「マツモトマイクロスフェアーF501D」、同「マツモトマイクロスフェアーF80SD」、同「マツモトマイクロスフェアーF80VSD」など)の他、エクスパンセル社製の商品名「051DU」、同「053DU」、同「551DU」、同「551−20DU」、同「551−80DU」などの市販品を使用することができる。
なお、発泡剤として熱膨張性微小球を用いた場合、該熱膨張性微小球の粒径(平均粒子径)としては、熱膨張性粘着剤層の厚みなどに応じて適宜選択することができる。熱膨張性微小球の平均粒子径としては、例えば、100μm以下(好ましくは80μm以下、さらに好ましくは1μm〜50μm、特に1μm〜30μm)の範囲から選択することができる。なお、熱膨張性微小球の粒径の調整は、熱膨張性微小球の生成過程で行われていてもよく、生成後、分級などの手段により行われてもよい。熱膨張性微小球としては、粒径が揃えられていることが好ましい。
(その他の発泡剤)
本実施形態では、発泡剤としては、熱膨張性微小球以外の発泡剤も用いることもできる。このような発泡剤としては、種々の無機系発泡剤や有機系発泡剤などの各種発泡剤を適宜選択して使用することができる。無機系発泡剤の代表的な例としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水酸化ホウ素ナトリウム、各種アジド類などが挙げられる。
また、有機系発泡剤の代表的な例としては、例えば、水;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなどの塩フッ化アルカン系化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ系化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3´−ジスルホニルヒドラジド、4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)などのヒドラジン系化合物;p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などのセミカルバジド系化合物;5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物;N,N´−ジニトロソペンタメチレンテロラミン、N,N´−ジメチル−N,N´−ジニトロソテレフタルアミドなどのN−ニトロソ系化合物などが挙げられる。
本実施形態では、加熱処理により、熱膨張性粘着剤層の接着力を効率よく且つ安定して低下させるため、体積膨張率が5倍以上、なかでも7倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有する発泡剤が好ましい。
発泡剤(熱膨張性微小球など)の配合量は、熱膨張性粘着剤層の膨張倍率や接着力の低下性などに応じて適宜設定しうるが、一般には熱膨張性粘着剤層を形成するベースポリマー100重量部に対して、例えば1重量部〜150重量部(好ましくは10重量部〜130重量部、さらに好ましくは25重量部〜100重量部)である。
本実施形態では、発泡剤としては、発泡開始温度(熱膨張開始温度)(T)が120℃〜220℃の範囲のものを好適に用いることができ、より好ましい発泡開始温度は、130℃〜200℃の範囲である。発泡剤の発泡開始温度を120℃以上とすることにより、剥離させたくない段階で発泡剤が発泡してしまうことを抑制することができ、取り扱い性や生産性を確保することができる。一方、発泡剤の発泡開始温度を220℃以下とすることにより、剥離する工程(工程F)において、容易に基材1を剥離することができる。なお、発泡剤の発泡開始温度(T)は、熱膨張性粘着剤層の発泡開始温度(T)に相当する。
なお、発泡剤を発泡させる方法(すなわち、熱膨張性粘着剤層を熱膨張させる方法)としては、公知の加熱発泡方法から適宜選択して採用することができる。
本実施形態では、熱膨張性粘着剤層は、加熱処理前の適度な接着力と加熱処理後の接着力の低下性のバランスの点から、発泡剤を含有しない形態での弾性率が23℃〜150℃において5×10Pa〜1×10Paであることが好ましく、さらに好ましくは5×10Pa〜8×10Paであり、特に5×10Pa〜5×10Paであることが好適である。熱膨張性粘着剤層の発泡剤を含有しない形態での弾性率(温度:23℃〜150℃)を5×10Pa以上とすることにより、熱膨張性が劣り、剥離性が低下することを抑制できる。また、熱膨張性粘着剤層の発泡剤を含有しない形態での弾性率(温度:23℃〜150℃)を1×10Pa以下とすることにより、初期接着性を良好とすることができる。
なお、発泡剤を含有しない形態の熱膨張性粘着剤層は、粘着剤(発泡剤は含まれていない)により形成された粘着剤層に相当する。従って、熱膨張性粘着剤層の発泡剤を含有していない形態での弾性率は、粘着剤(発泡剤は含まれていない)を用いて測定することができる。なお、熱膨張性粘着剤層は、23℃〜150℃における弾性率が5×10Pa〜1×10Paである粘着剤層を形成可能な粘着剤と、発泡剤とを含む熱膨張性粘着剤により形成することができる。
熱膨張性粘着剤層の発泡剤を含有しない形態での弾性率は、発泡剤が添加されていない形態の熱膨張性粘着剤層(すなわち、発泡剤が含まれていない粘着剤による粘着剤層)(サンプル)を作製し、レオメトリック社製動的粘弾性測定装置「ARES」を用いて、サンプル厚さ:約1.5mmで、φ7.9mmパラレルプレートの治具を用い、剪断モードにて、周波数:1Hz、昇温速度:5℃/分、歪み:0.1%(23℃)、0.3%(150℃)にて測定し、23℃および150℃で得られた剪断貯蔵弾性率G´の値とした。
熱膨張性粘着剤層の弾性率は、粘着剤のベースポリマーの種類、架橋剤、添加剤などを調節することによりコントロールすることができる。
熱膨張性粘着剤層の厚さは、特に制限されず、接着力の低減性などにより適宜に選択することができ、例えば、5μm〜300μm(好ましくは20μm〜150μm)程度である。ただし、発泡剤として熱膨張性微小球が用いられている場合、熱膨張性粘着剤層の厚さは、含まれている熱膨張性微小球の最大粒径よりも厚いことが好ましい。熱膨張性粘着剤層の厚さが薄すぎると、熱膨張性微小球の凹凸により表面平滑性が損なわれ、加熱前
(未発泡状態)の接着性が低下する。また、加熱処理による熱膨張性粘着剤層の変形度が小さく、接着力が円滑に低下しにくくなる。一方、熱膨張性粘着剤層の厚さが厚すぎると、加熱処理による膨張乃至発泡後に、熱膨張性粘着剤層に凝集破壊が生じやすくなり、糊残りが発生する場合がある。
なお、熱膨張性粘着剤層は単層、複層の何れであってもよい。
本実施形態では、熱膨張性粘着剤層には、各種添加剤(例えば、着色剤、増粘剤、増量剤、充填剤、粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、架橋剤など)が含まれていても良い。
本実施形態では、仮止め用シート5は、少なくとも熱膨張性粘着剤層と感圧性接着剤層とを有するものであることが好ましい。この場合、熱膨張性粘着剤層が基材1側、感圧性接着剤層が配線層2側となるように積層するのが好ましい。このように積層することにより、後述する剥離工程(工程E)では、まず、熱発泡により基材1を仮止め用シート5から剥離し、その後、ピール剥離により仮止め用シート5を配線層2から剥離することができる。これにより、基材1と仮止め用シート5とを配線層2から剥離することができる。
仮止め用シート5は例えば、粘着剤(感圧接着剤)と、発泡剤(熱膨張性微小球など)と、必要に応じて溶媒やその他の添加剤などとを混合して、シート状の層に形成する慣用の方法を利用し形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤、発泡剤(熱膨張性微小球など)、および必要に応じて溶媒やその他の添加剤を含む混合物を、適当なセパレータ(剥離紙など)上に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させ、これを基材1上に転写(移着)することにより得ることができる。また、前記混合物を直接、基材1に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させてもよい。
(配線層)
配線層2は、仮止め用シート5上に形成することにより得られる。仮止め用シート5上に配線層2を形成する方法としては、セミアディティブ法や、サブトラクティブ法など、従来公知の回路基板やインターポーザーの製造技術を用いることができる。これにより、再配線が形成された配線層2が得られる。具体的には、例えば、特開2010−141126号公報に記載の方法を採用することができる。本実施形態では、基材1上に形成された仮止め用シート5上に配線層2を形成する。そのため、製造工程中、寸法安定性が良好となり、また、薄い配線回路基板の取り扱い性が良好となる点でより優れる。
以上により、基材1と仮止め用シート5と配線層2とがこの順で積層された支持体10が得られる。
支持体10は、ロール状に巻かれた状態であってもよく、ロール状に巻かれていない短冊状であってもよい。ロール状に巻く場合、基材1は、巻くことが可能な金属箔等を使用する。また、仮止め用シート5、及び、配線層2は通常、巻くことが可能な程度にフレキシブルな状態で形成されている。
配線層2は、仮止め用シート5上に連続的に積層されていてもよく、仮止め用シート5上に、複数の配線層2が所定の間隔をおいて積層されていてもよい。
図2は、仮止め用シート上に複数の配線層が所定の間隔をおいて積層されている例を示す平面図である。図3は、仮止め用シート上に複数の配線層が所定の間隔をおいて積層されている他の例を示す平面図である。図2に示す例では、複数の平面視で円形状の配線層2が所定の間隔をおいて仮止め用シート5上に積層されている。図3に示す例では、複数の平面視で矩形状の配線層2が所定の間隔をおいて仮止め用シート5上に積層されている。
支持体10を作製した後、図4に示すように、支持体10の配線層2上に、半導体チップ3をフリップチップ実装し、半導体チップを支持体に固定する。具体的には、図5に示すように、配線層2に形成されている接続用導体部21と半導体チップ3に形成されている電極31とを接続して、配線層2上に半導体チップ3をフリップチップ実装する。フリップチップ実装には、例えば、従来公知のフリップチップボンダーを用いることができる。半導体チップ3と配線層2との間の空間には従来公知のアンダーフィル材を充填してもよい。
<工程B:封止層準備工程>
本実施形態の工程Bでは、図6Aに示すように、配線層2の線膨張係数と熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値が15ppm/K以下である第1の封止層21、及び基材1の線膨張係数と熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値が6ppm/K以下である第2の封止層22を準備する。配線層2の線膨張係数と第1の封止層21の熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値は、14ppm/K以下であることが好ましく、13ppm/K以下であることがさらに好ましい。基材1の線膨張係数と第2の封止層22の熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値は、5.8ppm/K以下であることが好ましく、5.6ppm/K以下であることがさらに好ましい。基材1、配線層及び封止層という3者間の線膨張係数をこのような特定の関係におくことで、支持体10上の半導体チップ3を封止層で樹脂封止した際の封止体の反りを抑制し、その結果、後工程での封止体のハンドリング性や得られる半導体装置の信頼性を確保することができる。
第1の封止層21及び第2の封止層22は、エポキシ樹脂と硬化剤と無機充填剤との混合物を混練し、得られる混練物を塑性加工することで好適に形成することができる。これら封止層の熱硬化後の線膨張係数は、エポキシ樹脂や硬化剤によって形成される架橋の度合い、無機充填剤の種類や量、必要に応じて添加される可撓性付与剤の種類や量、液状原料や固形原料の配合割合等によって制御することができる。目的の線膨張係数となるように材料を配合して第1の封止層21及び第2の封止層22を形成すればよい。
前記エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂等の各種エポキシ樹脂を用いることができる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。中でも、下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂が好ましい。下記一般式
(1)で示されるエポキシ樹脂を含んでいると、柔軟性に優れる。そのため、配線層や半導体チップとの接着性にさらに優れる。
Figure 2016046469

(式中、R〜Rは、同一または相異なって、メチル基または水素原子を示し、Xは、−CH−、−O−、または、−S−を示す。)
上記一般式(1)におけるR〜Rは、ベンゼン環に置換されるメチル基または水素原子を示し、好ましくは、R〜Rのすべてが、メチル基または水素原子である。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、下記化学式(2)〜(4)で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂、例えば、下記化学式(5)〜(7)で示される4,4’−チオビスフェノール型エポキシ樹脂、例えば、下記化学式(8)〜(10)で示される4,4’−オキシビスフェノール型エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記エポキシ樹脂のなかでは、柔軟性を考慮すると、好ましくは、下記化学式(2)で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂、下記化学式(5)で示される4,4’−チオビスフェノール型エポキシ樹脂、下記化学式(8)で示される4,4’−オキシビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられ、タックレスの観点を考慮すると、さらに好ましくは、下記化学式(2)で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられる。化学式(2):
Figure 2016046469
化学式(3):
Figure 2016046469
化学式(4):
Figure 2016046469
化学式(5):
Figure 2016046469
化学式(6):
Figure 2016046469
化学式(7):
Figure 2016046469
化学式(8):
Figure 2016046469
化学式(9):
Figure 2016046469
化学式(10):
Figure 2016046469
前記エポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、前記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、90〜800g/eq、好ましくは、100〜500g/eqである。
また、前記エポキシ樹脂の軟化点は、例えば、30〜100℃、好ましくは、40〜90℃である。
前記エポキシ樹脂の含有割合は、混練物100重量部に対して、例えば、1〜50重量部、封止用シートの可撓性を考慮すると、好ましくは、3〜20重量部、さらに好ましくは、4〜8重量部である。
前記硬化剤は、前記エポキシ樹脂の硬化剤であって、特に制限されず、例えば、フェノール樹脂、酸無水物系化合物、アミン系化合物などが挙げられる。
前記フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂(ビフェニルアラルキル骨格を有するフェノール樹脂)、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、レゾール樹脂などが挙げられる。
前記酸無水物系化合物としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ピロメリット酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ジクロロコハク酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、クロレンディック酸無水物などが挙げられる。
前記アミン系化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、それらのアミンアダクト、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどが挙げられる。
前記硬化剤は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、前記硬化剤のなかでは、硬化反応性(信頼性)を考慮すると、好ましくは、フェノール樹脂が挙げられ、硬化後の各封止層の強度と硬化反応性とのバランスを考慮すると、さらに好ましくは、ビフェニルアラルキル樹脂が挙げられる。
また、前記硬化剤の配合割合は、混練物100重量部に対して、例えば、1〜20重量部、好ましくは、2〜10重量部であり、エポキシ樹脂100重量部に対して、例えば、30〜130重量部、好ましくは、40〜120重量部である。
また、前記硬化剤としてフェノール樹脂を用いた場合、フェノール樹脂は、上記したエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、フェノール樹脂の水酸基の当量数が、例えば、0.5〜2当量、好ましくは、0.8〜1.2当量となるように添加される。
また、必要により、混練物は、前記硬化剤とともに硬化促進剤を含有する。
前記硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートなどの有機リン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。
前記硬化促進剤は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、前記硬化促進剤のなかでは、イミダゾール系化合物が挙げられ、さらに好ましくは、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールが挙げられる。
前記硬化促進剤の含有割合は、混練物100重量部に対して、例えば、0.01〜5重量部、好ましくは、0.05〜3重量部である。
また、前記硬化促進剤の含有割合は、硬化剤100重量部に対して、例えば、0.5〜10重量部、好ましくは、1〜5重量部である。
前記無機充填剤としては、特に制限されず、公知の充填剤などが挙げられる。
具体的には、石英ガラス、タルク、シリカ(例えば、溶融シリカ、結晶性シリカなど)、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭酸カルシウム(例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、白艶華など)、酸化チタンなどの粉末が挙げられる。
前記充填剤は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、前記充填剤のなかでは、硬化後の各封止層の線膨張係数の低減を考慮すると、好ましくは、シリカ粉末が挙げられ、さらに好ましくは、溶融シリカ粉末が挙げられる。
また、前記溶融シリカ粉末としては、例えば、球状溶融シリカ粉末、粉砕溶融シリカ粉末が挙げられ、混練物の流動性を考慮すると、好ましくは、球状溶融シリカ粉末が挙げられる。
前記球状溶融シリカ粉末の平均粒子径は、例えば、0.1〜40μm、好ましくは、0.1〜30μm、さらに好ましくは、0.3〜15μmである。なお、平均粒子径は、レーザー回折錯乱式粒度分布測定装置により測定することができる。
第1の封止層21及び第2の封止層22中の前記無機充填剤の配合割合は、各封止層を構成する全組成物中の70−90体積%であることが好ましく、75−85体積%であることがより好ましい。前記無機充填剤の配合割合を前記数値範囲内とすることにより、低反り性、樹脂はみ出しの抑制、及び、高信頼性を実現し易くなる。
また、前記充填剤の配合割合は、エポキシ樹脂100重量部に対して、例えば、1000〜3000重量部、好ましくは、1300〜2500重量部である。
また、混練物には、各封止層の可撓性の向上を考慮すると、可撓性付与剤を添加することもできる。
前記可撓性付与剤は、各封止層に可撓性を付与するものであれば、特に制限されないが、例えば、ポリアクリル酸エステルなどの各種アクリル系共重合体、例えば、ポリスチレン−ポリイソブチレン系共重合体、スチレンアクリレート系共重合体などのスチレン骨格を有する熱可塑性エラストマー、例えば、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などのブタジエン骨格を有する熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、イソプレンゴム、アクリロニトリルゴムなどのゴム質重合体などが挙げられる。なかでも、低反り性の観点から、スチレン骨格、及び、ブタジエン骨格のいずれかを含有する重量平均分子量1万以上のポリマーからなる熱可塑性エラストマーが好ましい。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値をいう。
前記可撓性付与剤は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
また、前記可撓性付与剤のなかでは、混練物の耐熱性および強度を考慮すると、好ましくは、スチレン骨格を有するエラストマーが挙げられ、さらに好ましくは、ポリスチレン−ポリイソブチレン系共重合体が挙げられる。
前記可撓性付与剤の含有割合は、混練物100重量部に対して、例えば、30重量部未満、接着性および耐熱性を考慮すると、好ましくは、10重量部未満、さらに好ましくは、5重量部未満である。
また、混練物には、上記成分に加えて、上記したエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂(以下、その他のエポキシ樹脂とする。)、さらに、必要に応じて、難燃剤、カーボンブラックなどの顔料などの公知の添加剤を適宜の割合で添加することもできる。
なお、その他のエポキシ樹脂を添加する場合、その他のエポキシ樹脂の含有割合は、上記のエポキシ樹脂およびその他のエポキシ樹脂の総量100重量部に対して、例えば、30重量部未満、各封止層の可撓性を考慮すると、好ましくは、20重量部未満である。
このような混練物を調製するには、上記した各成分を、上記した配合割合において配合し、溶融混練する。
溶融混練する方法としては、特に限定されないが、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などの公知の混練機により、溶融混練する方法などが挙げられる。
混練条件としては、温度が、上記した各成分の軟化点以上であれば特に制限されず、例えば、30〜150℃、エポキシ樹脂の熱硬化性を考慮すると、好ましくは、40〜140℃、さらに好ましくは、60〜120℃であり、時間が、例えば、1〜30分間、好ましくは、5〜15分間である。これによって、混練物が調製される。
このような混練物は、塑性加工されることにより第1の封止層21及び第2の封止層22として調製される。具体的には、溶融混練後の混練物を冷却することなく高温状態のままで、塑性加工することで、各封止層が調製される。
このような塑性加工方法としては、特に制限されず、平板プレス法、Tダイ押出法、ロール圧延法、ロール混練法、インフレーション押出法、共押出法、カレンダー成形法などが挙げられる。
塑性加工温度としては、上記した各成分の軟化点以上であれば、特に制限されないが、エポキシ樹脂の熱硬化性および加工性を考慮すると、例えば、40〜150℃、好ましくは、50〜140℃、さらに好ましくは、60〜120℃である。以上によって、第1の封止層21及び第2の封止層22が調製される。
第1の封止層21及び第2の封止層22の厚さは特に限定されないものの、それぞれ独立して100μm〜800μmが好ましく、150μm〜700μmがより好ましい。
(封止用シート)
本実施形態では、次工程である工程C(積層体形成工程)の前に、第1の封止層21と第2の封止層22との積層体20を形成し(図6B参照)、工程Cにおいて、半導体チップ3を埋め込みながら積層体20を支持体10上に配置する(図7参照)。従って、本実施形態では第1の封止層21と第2の封止層22とを予め貼り合わせた積層体20が封止用シート(以下、封止用シートの符号として「20」を用いることがある。)として機能する。
第1の封止層21と第2の封止層22との積層は、公知のラミネータで両者を貼り合わせることで行うことができる。ラミネート条件は、圧力0.3±0.2MPa、温度60±10℃、速度300±200mm/minが好適である。これにより封止用シートが得られる。
封止用シート20の厚みは、例えば、100〜1600μm、好ましくは、300〜1400μmである。
封止用シート20は、エポキシ樹脂や無機充填剤を含有するワニスをフィルム上などに塗布することなく、混練物が塑性加工されることにより形成される。
そのため、無機充填剤の配合割合を増加させることができ、封止用シートの性能の向上を十分に図ることができる。
また、封止用シート20は、耐熱性の妨げになる可撓性付与剤を多量に配合しなくとも、十分な可撓性を有するので、その接着性および耐熱性の向上を図ることができる。
したがって、封止用シート20は、無機充填剤の配合割合を増加させることができ、かつ、その接着性および耐熱性の向上を図ることができる。
また、封止用シート20は、前記混練物を、塑性加工して得ているため、無機充填剤の配合割合を多くしても良好な膜質の封止用シートを得ることができる。そのため、無機充填剤の配合割合を多くし、封止用シートの熱硬化後の線膨張係数を低くすることができる。その結果、例えば、熱硬化後の封止シートの線膨張係数に起因する半導体装置の反りを抑制することができる。
<工程C:積層体形成工程>
次に、図7に示すように、第1の封止層21と第2の封止層22とを備え、半導体チップ3が埋め込まれた積層体20を支持体10上に形成する。本実施形態では、第1の封止層21と第2の封止層22とを貼り合わせた封止用シート(図7では、第1の封止層21と第2の封止層22とを区別せずに封止用シート20として図示している。)を半導体チップ3をその内部に埋め込みながら支持体10上に配置することで積層体20を形成することができる。封止用シートは、第1の封止層21側を支持体10に対向するように配置する。
半導体チップ3を封止用シート20に埋め込む方法としては、特に限定されず、熱プレスやラミネータなど公知の方法により行うことができる。熱プレス条件としては、温度が、例えば、40〜100℃、好ましくは50〜90℃であり、圧力が、例えば、0.1〜10MPa、好ましくは0.5〜8MPaであり、時間が、例えば0.3〜10分間、好ましくは0.5〜5分間である。また、封止用シート20の半導体チップ3及び配線層2への密着性および追従性の向上を考慮すると、減圧条件下(例えば0.1〜5kPa)においてプレスすることが好ましい。
<工程D:熱硬化工程>
次に、積層体(封止用シート)20を熱硬化させる。
熱硬化処理の条件は、熱硬化処理の熱により仮止め用シート5が剥離しないように設定する。好ましくは、封止用シート20の熱硬化時の加熱温度が、後述する仮止め用シート5の剥離時の加熱温度よりも10℃以上低くなるように設定する。これにより、熱硬化時に仮止め用シート5が剥離することをより確実に防止することができる。前記熱硬化処理の条件として、加熱温度が好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。一方、加熱温度の上限が、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。加熱時間が、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。一方、加熱時間の上限が、好ましくは180分以下、より好ましくは120分以下である。また、必要に応じて加圧してもよく、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.5MPa以上である。一方、上限は好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下である。
<工程E:剥離工程>
次に、基材1と仮止め用シート5とを配線層2から剥離する。具体的には、まず、図8に示すように、基材1を仮止め用シート5から剥離する。基材1の仮止め用シート5からの剥離は、仮止め用シート5の熱膨張性粘着剤層を加熱して、基材1と仮止め用シート5との接着力を減少させて剥離する。
剥離処理の条件としては、熱硬化時の加熱温度よりも高く設定する。前記剥離処理の条件として、加熱温度が好ましくは110℃以上、より好ましくは130℃以上である。一方、加熱温度の上限が、好ましくは220℃以下、より好ましくは200℃以下である。加熱時間が、好ましくは0.2分以上、より好ましくは0.5分以上である。一方、加熱時間の上限が、好ましくは5分以下、より好ましくは3分以下である。
基材1を仮止め用シート5から剥離した後、図9に示すように、配線層2から仮止め用シート5をピール剥離する。ピール剥離は、例えば、常温で行なうことができる。なお、配線層2から基材1と仮止め用シート5とを剥離した後は、必要に応じて、配線層2の面をウエット洗浄やプラズマ洗浄等により洗浄してもよい。
<工程F:バンプ形成工程>
次に、必要に応じて、配線層2上の所定箇所にバンプ4を形成する(図10参照)。
<工程G:ダイシング工程>
次に、必要に応じて、ダイシングを行う(図11参照)。これにより、個々の半導体チップ3ごと又は1のパッケージとなる複数の半導体チップ3ごとに分断された半導体装置30を得ることができる。
上述の実施形態では、第1の封止層21と第2の封止層22とを予め積層した封止用シートを準備しておき、これを支持体10上に半導体チップ3を埋め込みながら配置することで積層体20を形成している。積層体20の形成手順はこれに限定されず、第1の封止層21及び第2の封止層22を順不同で支持体10上に逐次積層して積層体20を支持体10上に形成してもよい。第1の封止層21及び第2の封止層22は順不同で積層されるので、半導体チップ3を埋め込みながら第1の封止層21を支持体10上に配置し、その後、第2の封止層22を第1の封止層21上に積層して積層体20を形成してもよい。反対に、半導体チップ3を埋め込みながら第2の封止層22を支持体10上に配置し、その後、第1の封止層21を第2の封止層22上に積層して積層体20を形成してもよい。逐次積層する場合の第1の封止層21又は第2の封止層22の厚さは、半導体チップの厚さより薄くてもよく、同じであってもよく、厚くてもよい。
上述の実施形態では、積層体又は封止用シート20は、第1の封止層21と第2の封止層22とを少なくとも備えていればよく、さらに1層又は2層以上の追加層を備えていてもよい。例えば、第1の封止層21の熱硬化後の線膨張係数と第2の封止層22の熱硬化後の線膨張係数との差が大きい場合に、両封止層の線膨張係数の中間的な値の線膨張係数を有する第3の封止層を第1の封止層と第2の封止層との間にさらに設け、各封止層間の線膨張係数の差を小さくして封止体の反りを効率的に抑制することができる。
上述の実施形態では、仮止め用シート5から基材1を剥離した後、仮止め用シート5を配線層2から剥離する場合について説明した。しかしながら、本発明はこの例に限定されず、配線層2から基材1と仮止め用シート5との積層物を剥離してもよい。この場合、仮止め用シート5は、配線層2との接着面に熱膨張性粘着剤層を有する構成とし、加熱により配線層2と仮止め用シート5との接着力を減少させて、剥離すればよい。
以上、本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明したが、本発明における半導体装置の製造方法は、上述した例に限定されず、本発明の要旨の範囲内で適宜変更可能である。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の要旨をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、部とあるのは、重量部を意味する。
(製造例A〜E)
<封止層A〜Eの作成>
表1に示す処方(単位:重量部)において、各成分を配合し、2軸混練機により100℃で10分間溶融混練し混練物を調製した。
次いで、得られた混練物を、平板プレスによりシート状に形成して、厚み800μm、サイズφ12インチ(直径300mm)の封止層A〜Eを得た。
製造例で使用した成分について説明する。
(a)エポキシ樹脂:新日鐵化学(株)製のYSLV−80XY(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキン当量191g/eq.軟化点80℃)
(b)エポキシ樹脂:三菱化学(株)製のエピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキン当量185g/eq)
(c)フェノール樹脂:明和化成社製のMEH−7851−SS(水酸基当量203g/eq.、軟化点67℃)
(d)フェノール樹脂:明和化成社製のH−4(水酸基当量105g/eq.、軟化点71℃)
(e)フェノール樹脂:明和化成社製のMEH−7500−3S(水酸基当量107g/eq)
(f)熱可塑性樹脂:カネカ社製のSIBSTER 072T(スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、重量平均分子量:7,3000)
(g)添加剤:東レダウコーニング(株)製のFCA−107
(h)無機充填剤:電気化学工業社製のFB−9454FC(溶融球状シリカ、平均粒子径20μm
(i)無機充填剤:電気化学工業社製のFB−5SDC(溶融球状シリカ、平均粒子径5μm)
(j)無機充填剤:(株)アドマテックス製のSO−25R(溶融球状シリカ、平均粒子径0.5μm)
(k)シランカップリング剤:信越化学社製のKBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
(l)カーボンブラック:三菱化学社製の#20
(m)硬化促進剤:四国化成工業社製の触媒 2PHZ−PW
(n)硬化促進剤:四国化成工業社製の触媒 2E4MZ−A
Figure 2016046469
(封止層のガラス転移温度(Tg)の測定)
封止層A〜Eを150℃で1時間加熱して熱硬化させ、この硬化物からサンプルサイズを長さ25mm×幅1.0mm×厚さ200μmとして測定試料を得た。この測定試料の貯蔵弾性率をTAインスツルメント製RSA3で測定した。具体的には、−50〜300℃の温度域での貯蔵弾性率及び損失弾性率を、周波数1Hz、昇温速度10℃/minの条件下で測定し、tanδ(G”(損失弾性率)/G’(貯蔵弾性率))の値を算出することによりガラス転移温度(Tg)を得た。結果を表1に示す。
(線膨張係数の測定)
製造した封止層A〜Eの熱硬化後の線膨張係数の測定は、熱機械分析装置(TAインスツルメント製:型式TMAQ400)を用いて行った。具体的には、各封止層を150℃で1時間加熱して熱硬化させ、この硬化物からサンプルサイズを厚さ500μm×直径8mmの円盤状にして測定試料を得た後、測定試料を圧縮測定用治具にセットし、荷重0.012N、昇温速度0.5℃/min、変調モードの条件下で測定し、Tg以下の線膨張係数(α1)を得た。結果を表1に示す。
<実施例1〜6>
(半導体パッケージの作製)
基材としての厚み780μmの直径12インチウエハ上に仮固定テープ(日東電工(株)製、商品名「No.3195V」)、配線層をこの順に積層し、配線層上に半導体チップ(7mm角、厚み780μm)をチップ実装間隔(チップの端とチップの端との間隔)4.8mmで実装することで、チップ実装ウェハを準備した。半導体チップは、421個配列した。
得られたチップ実装ウェハ上に、以下に示す加熱加圧条件下、封止層A〜Eを表2に示す順で真空プレスにより逐次的に貼付けた。
<貼り付け条件>
温度:90℃
加圧力:0.5MPa
真空度:2000Pa
プレス時間:3分
大気圧に開放した後、熱風乾燥機中、150℃、1時間の条件で積層体を熱硬化させ、封止体を得た。
<比較例1〜2>
表3に示す封止層を用いたこと以外は、実施例1と同様に封止体を得た。
(反りの評価)
得られた封止体の反りは、封止体に反りが生じて外側に凸となった部分を平坦な台に対向するようにして封止体を台の上に置き、台面から封止体の最も高い部分の高さを定規にて測定し、高さが5mm以下であった場合を「○」、5mmを超えていた場合を「×」として評価した。結果を表2〜4に示す。
Figure 2016046469
Figure 2016046469
表の結果からも明らかなように、配線層の線膨張係数と第1の封止層の熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値が15ppm/K以下であり、基材(ウェハ)の線膨張係数と第2の封止層の熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値が6ppm/K以下である実施例1〜6では、封止体の反りが抑制されていた。一方、第1の封止層及び第2の封止層の一方又は両方の熱硬化後の線膨張係数が上記範囲を外れる比較例1〜2では封止体の反りが発生していた。
1 基材
2 配線層
3 半導体チップ
4 半導体装置
5 仮止め用シート
10 支持体
20 積層体(封止用シート)

Claims (5)

  1. チップ実装配線層が基材に固定された支持体を準備する工程A、
    前記配線層の線膨張係数と熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値が15ppm/K以下である第1の封止層、及び前記基材の線膨張係数と熱硬化後の線膨張係数との差の絶対値が6ppm/K以下である第2の封止層を準備する工程B、
    前記第1の封止層と前記第2の封止層とを備え、前記チップが埋め込まれた積層体を前記支持体上に形成する工程C、並びに
    前記積層体を熱硬化させる工程D
    を含む半導体装置の製造方法。
  2. 前記工程Cの前に、前記第1の封止層と前記第2の封止層との積層体を形成し、
    前記工程Cにおいて、前記チップを埋め込みながら前記積層体を前記支持体上に配置する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記工程Cにおいて、前記第1の封止層及び前記第2の封止層を順不同で前記支持体上に逐次積層して前記積層体を前記支持体上に形成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記積層体は、前記支持体側から前記第1の封止層及び前記第2の封止層を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 半導体チップの封止に用いられる封止用シートであって、
    熱硬化後の線膨張係数が10ppm/K以上30ppm/K未満である第1の封止層と、
    熱硬化後の線膨張係数が1ppm/K以上10ppm/K以下である第2の封止層と
    を備える封止用シート。

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