JP2014170847A - 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物 - Google Patents

半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2014170847A
JP2014170847A JP2013042128A JP2013042128A JP2014170847A JP 2014170847 A JP2014170847 A JP 2014170847A JP 2013042128 A JP2013042128 A JP 2013042128A JP 2013042128 A JP2013042128 A JP 2013042128A JP 2014170847 A JP2014170847 A JP 2014170847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
sheet
wafer
dicing tape
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2013042128A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisahide Takamoto
尚英 高本
Hiroyuki Hanazono
博行 花園
Kosuke Morita
浩介 盛田
Akihiro Fukui
章洋 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2013042128A priority Critical patent/JP2014170847A/ja
Priority to PCT/JP2014/055131 priority patent/WO2014136687A1/ja
Priority to KR1020157022935A priority patent/KR20150125937A/ko
Priority to US14/772,724 priority patent/US20160013089A1/en
Priority to CN201480012151.7A priority patent/CN105027266A/zh
Priority to TW103107300A priority patent/TW201502228A/zh
Publication of JP2014170847A publication Critical patent/JP2014170847A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Wire Bonding (AREA)
  • Dicing (AREA)

Abstract

【課題】 ウエハと支持体とが仮止め層を介して接合された支持体付きウエハから支持体を剥離する際、支持体付きウエハの他方の面に貼り付けられたシート状樹脂組成物が溶解されることを抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 貫通電極が形成されているウエハの一方の面に支持体が仮止め層を介して接合された支持体付きウエハを準備する工程A、ダイシングテープと、ダイシングテープの中央部に積層されたシート状樹脂組成物と、ダイシングテープの中央部よりも外側の領域に積層されたバリア層とを有するダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物を準備する工程B、支持体付きウエハの他方の面を、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物のシート状樹脂組成物に貼り付ける工程C、及び、仮止め層を溶剤により溶解させて、支持体をウエハから剥離する工程Dとを具備する半導体装置の製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物に関する。
近年、半導体装置の製造においては、半導体チップを薄型化し、さらにこれをシリコン貫通電極(TSV;through silicon via)によって結線しながら多層に積層していく半導体作製技術が用いられている。これを実現するためには、半導体回路を形成したウエハを回路非形成面(「裏面」ともいう)研削によって薄型化し、さらに裏面にTSVを含む電極形成を行う工程が必要である(例えば、特許文献1参照)。
このような半導体作製技術においては、薄型化による強度不足を補うためにウエハに支持体を接合した状態で裏面研削が行なわれる。また、貫通電極を形成する際には、高温での処理(例えば、250℃以上)が含まれることから、支持体には耐熱性を有する材質のもの(例えば、耐熱ガラス)が使用されている。
一方、従来、半導体チップが基板上にフリップチップボンディングにより実装された(フリップチップ接続された)フリップチップ型の半導体装置に用いられるシート状樹脂組成物であって、半導体チップと基板との界面封止用に用いるシート状樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。
図7〜図10は、従来の半導体装置の製造方法の一例を説明するための図である。図7に示すように、従来の半導体装置の製造方法においては、まず、貫通電極(図示せず)が形成されているウエハ110の一方の面110aに支持体120が仮止めシート130を介して接合された支持体付きウエハ100を準備する。支持体付きウエハ100は、例えば、回路形成面及び回路非形成面を有するウエハの回路形成面を仮止め層を介して、支持体に接合する工程、支持体と接合したウエハの回路非形成面を研削する工程、及び、回路非形成面を研削したウエハの回路非形成面に加工(例えば、TSV形成、電極形成、金属配線形成)を施す工程により得られる。なお、ウエハに支持体を接合するのは、ウエハ研削の際の強度を確保するためである。また、上記加工を施す工程には、高温での処理(例えば、250℃以上)が含まれる。そのため、支持体にはある程度の強度を有し且つ耐熱性を有するもの(例えば、耐熱ガラス)が用いられる。
次に、図8に示すように、ダイシングテープ150上にシート状樹脂組成物160が形成されたダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物140を準備する。シート状樹脂組成物160としては、例えば、特許文献2で開示されているシート状樹脂組成物を用いる。
次に、図9に示すように、支持体付きウエハ100の他方の面110bを、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物140のシート状樹脂組成物160に貼り付ける。
次に、図10に示すように、仮止め層130を溶剤により溶解させて、支持体120をウエハ110から剥離する。
その後、ウエハ110は、シート状樹脂組成物160とともにダイシングされて、シート状樹脂組成物付きチップとされる(図示せず)。さらに、シート状樹脂組成物付きチップは、搭載用基板に貼り付けられ、チップが有する電極と搭載用基板が有する電極とが接合されるとともに、チップと搭載用基板との間隙がシート状組成物により封止される。
これにより、貫通電極が形成されているチップが搭載用基板に実装され、且つ、チップと搭載用基板との間隙がシート状組成物により封止された半導体装置を得ることができる。
特開2012−12573号公報 特許第4438973号公報
しかしながら、上述した従来の半導体装置の製造方法では、仮止め層130を溶剤により溶解させて、支持体120をウエハ110から剥離する工程を行なう際、シート状樹脂組成物160の側面が露出しているため、溶剤によりシート状樹脂組成物160も溶解されてしまう(図10参照)。そのため、チップと搭載用基板との間隙を封止するためのシート状樹脂組成物として機能しなくなるといったおそれがある。また、歩留りが低下するおそれがある。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウエハと支持体とが仮止め層を介して接合された支持体付きウエハから支持体を剥離する際、支持体付きウエハの他方の面に貼り付けられたシート状樹脂組成物が溶解されることを抑制することが可能な半導体装置の製造方法、当該半導体装置の製造方法において使用されるシート状樹脂組成物、及び、当該半導体装置の製造方法において使用されるダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物を提供することにある。
本願発明者等は、下記の構成を採用することにより、前記の課題を解決できることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、半導体装置の製造方法であって、
貫通電極が形成されているウエハの一方の面に支持体が仮止め層を介して接合された支持体付きウエハを準備する工程A、
ダイシングテープと、前記ダイシングテープの中央部に積層されたシート状樹脂組成物と、前記ダイシングテープの前記中央部よりも外側の領域に積層されたバリア層とを有するダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物を準備する工程B、
前記支持体付きウエハの前記ウエハの他方の面を、前記ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物の前記シート状樹脂組成物に貼り付ける工程C、及び、
前記仮止め層を前記溶剤により溶解させて、前記支持体を前記ウエハから剥離する工程Dとを具備することを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、ウエハの一方の面に支持体が仮止め層を介して接合された支持体付きウエハを準備する。また、ダイシングテープと、前記ダイシングテープの中央部に積層されたシート状樹脂組成物と、前記ダイシングテープの前記中央部よりも外側の領域に積層されたバリア層とを有するダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物を準備する。その後、前記支持体付きウエハの前記ウエハの他方の面を、前記ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物の前記シート状樹脂組成物に貼り付ける。ダイシングテープの中央部よりも外側の領域には、バリア層が積層されているため、ダイシングテープの中央部に積層されているシート状樹脂組成物の側面は、バリア層で少なくとも一部が覆われている。従って、仮止め層を溶剤により溶解させて、支持体をウエハから剥離する際、溶剤がシート状樹脂組成物に接触し難くなっている。その結果、シート状樹脂組成物が溶解されることを抑制することができる。
前記構成において、前記シート状樹脂組成物は、前記ウエハの前記他方の面よりも外形が小さく、前記工程Cは、前記ウエハの外周部分が前記バリア層上に積層される態様で、前記支持体付きウエハの前記他方の面を、前記ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物の前記シート状樹脂組成物に貼り付ける工程であることが好ましい。前記シート状樹脂組成物が、前記ウエハの前記他方の面よりも外形が小さく、前記工程Cが、前記ウエハの外周部分が前記バリア層上に積層される態様で、前記支持体付きウエハの前記他方の面を、前記ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物の前記シート状樹脂組成物に貼り付ける工程であると、前記シート状樹脂組成物は、より溶剤に接触し難くなる。その結果、シート状樹脂組成物が溶解されることをより抑制することができる。
前記構成においては、前記工程Dの後、前記ウエハを前記シート状樹脂組成物とともにダイシングして、シート状樹脂組成物付きチップを得る工程Eを具備することが好ましい。上記の通り、シート状樹脂組成物の溶解は、抑制されている。従って、工程Eにより得られるシート状樹脂組成物付きチップにおけるシート状樹脂組成物は、チップと搭載用基板との間隙を封止するためのシート状樹脂組成物として充分に機能するものとなる。
前記構成においては、前記工程Eの後、前記シート状樹脂組成物付きチップを搭載用基板に配置し、前記チップが有する電極と前記搭載用基板が有する電極とを接合するとともに、前記チップと前記搭載用基板との間隙を前記シート状組成物により封止する工程Fを具備することが好ましい。上記の通り、シート状樹脂組成物の溶解は、抑制されている。従って、前記工程Fにより得られる半導体装置(チップと搭載用基板との間隙がシート状組成物により封止された半導体装置)の歩留りを向上させることができる。
前記構成において、前記工程Cは、減圧下で行なわれることが好ましい。前記工程Cを減圧下にて行なうと、ウエハとシート状樹脂組成物との界面のボイド発生を抑制で、より好適にウエハとシート状樹脂組成物とを貼り合わせることができる。
また、本発明は、前記課題を解決するために、シート状樹脂組成物であって、前記に記載の半導体装置の製造方法において使用されることを特徴とする。
また、本発明は、前記課題を解決するために、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物であって、
ダイシングテープと、
前記ダイシングテープの中央部に積層されたアンダーフィル用シート状樹脂組成物と、
前記ダイシングテープの前記中央部よりも外側の領域に積層されたバリア層と
を有することを特徴とする。
本発明によれば、ウエハと支持体とが仮止め層を介して接合された支持体付きウエハから支持体を剥離する際、支持体付きウエハの他方の面に貼り付けられたシート状樹脂組成物が溶解されることを抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。 従来の半導体装置の製造方法の一例を説明するための断面模式図である。 従来の半導体装置の製造方法の一例を説明するための断面模式図である。 従来の半導体装置の製造方法の一例を説明するための断面模式図である。 従来の半導体装置の製造方法の一例を説明するための断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1〜図6は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面模式図である。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、貫通電極が形成されているウエハの一方の面に支持体が仮止め層を介して接合された支持体付きウエハを準備する工程A(支持体付きウエハ準備工程)、ダイシングテープと、前記ダイシングテープの中央部に積層されたシート状樹脂組成物と、前記ダイシングテープの前記中央部よりも外側の領域に積層されたバリア層とを有するダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物を準備する工程B(ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物準備工程)、前記支持体付きウエハの前記ウエハの前記他方の面を、前記ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物の前記シート状樹脂組成物に貼り付ける工程C(貼付工程)、及び、前記仮止め層を前記溶剤により溶解させて、前記支持体を前記ウエハから剥離する工程D(支持体剥離工程)とを少なくとも具備する。
[支持体付きウエハ準備工程]
支持体付きウエハ準備工程(工程A)では、まず、貫通電極(図示せず)が形成されているウエハ11の一方の面11aに支持体12が仮止め層13を介して接合された支持体付きウエハ10を準備する(図1参照)。支持体付きウエハ10は、例えば、回路形成面及び回路非形成面(裏面)を有するウエハの回路形成面を仮止め層13を介して、支持体12に接合する工程(支持体接合工程)、支持体12と接合したウエハの回路非形成面を研削する工程(ウエハ裏面研削工程)、及び、回路非形成面を研削したウエハの回路非形成面に加工(例えば、TSV(貫通電極)形成、電極形成、金属配線形成)を施す工程(回路非形成面加工工程)により得られる。ウエハの回路非形成面に加工を施す工程としては、より具体的には、電極等の形成のための金属スパッタリング、金属スパッタリング層をエッチングするウェットエッチング、金属配線形成のマスクとするためのレジストの塗布、露光、及び現像によるパターンの形成、レジストの剥離、ドライエッチング、金属めっきの形成、TSV形成のためのシリコンエッチング、シリコン表面の酸化膜形成等、従来公知のプロセスが挙げられる。なお、ウエハ11に支持体12を接合するのは、ウエハ研削の際の強度を確保するためである。また、上記加工を施す工程には、高温での処理(例えば、250℃以上)が含まれる。そのため、支持体12にはある程度の強度を有し且つ耐熱性を有するもの(例えば、耐熱ガラス)が用いられる。
(支持体)
支持体12としては、ある程度の強度を有し、且つ、耐熱性を有するものを用いることができる。支持体12としては、例えば、耐熱ガラス、耐熱エンジニアプラスチック、ウエハ(例えば、ウエハ11)等を挙げることができる。
(ウエハ)
ウエハ11としては、シリコンウエハ、ゲルマニウムウエハ、ガリウム−ヒ素ウエハ、ガリウム−リンウエハ、ガリウム−ヒ素−アルミニウムウエハ等を挙げることができる。
(仮止め層)
仮止め層13を構成する接着剤組成物としては、上記ウエハ裏面研削工程や、上記回路非形成面加工工程を行なう際に、支持体11及びウエハ12から剥離せず、且つ、上記工程D(支持体剥離工程)において溶剤により溶解し、支持体11をウエハ12から剥離可能となるように選択する限り、特に限定されない。このような仮止め層13を形成するための形成材料は、特に限定されないが、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、脂肪族オレフィン系樹脂、水添スチレン系熱可塑性エラストマー、アクリル樹脂等を挙げることができる。
前記ポリイミド樹脂は、一般的に、その前駆体であるポリアミド酸をイミド化(脱水縮合)することにより得ることができる。ポリアミド酸をイミド化する方法としては、例えば、従来公知の加熱イミド化法、共沸脱水法、化学的イミド化法等を採用することができる。なかでも、加熱イミド化法が好ましい。加熱イミド化法を採用する場合、ポリイミド樹脂の酸化による劣化を防止するため、窒素雰囲気下や、真空中等の不活性雰囲気下にて加熱処理を行なうことが好ましい。
前記ポリアミド酸は、適宜選択した溶媒中で、酸無水物とジアミンとを実質的に等モル比となるように仕込み、反応させて得ることができる。
前記ポリイミド樹脂としては、特に限定されないが、エーテル構造を有するジアミンに由来する構成単位を有するものを用いることができる。前記エーテル構造を有するジアミンは、エーテル構造を有し、且つ、アミン構造を有する端末を少なくとも2つ有する化合物である限り、特に限定されない。前記エーテル構造を有するジアミンのなかでも、グリコール骨格を有するジアミンであることが好ましい。
前記グリコール骨格を有するジアミンとしては、例えば、ポリプロピレングリコール構造を有し、且つ、アミノ基を両末端に1つずつ有するジアミン、ポリエチレングリコール構造を有し、且つ、アミノ基を両末端に1つずつ有するジアミン、ポリテトラメチレングリコール構造を有し、且つ、アミノ基を両末端に1つずつ有するジアミンを挙げることができる。また、これらのグリコール構造の複数を有し、且つ、アミノ基を両末端に1つずつ有するジアミンを挙げることができる。
前記エーテル構造を有するジアミンの分子量は、100〜5000の範囲内であることが好ましく、150〜4800であることがより好ましい。前記エーテル構造を有するジアミンの分子量が100〜5000の範囲内であると、低温での接着力が高く、且つ、高温において剥離性を奏する仮止め層13をえやすい。
前記ポリイミド樹脂の形成には、エーテル構造を有するジアミン以外に、エーテル構造を有さない他のジアミンを併用することもできる。エーテル構造を有さない他のジアミンとしては、脂肪族ジアミンや芳香族ジアミンを挙げることができる。エーテル構造を有さない他のジアミンを併用することにより、被着体との密着力をコントロールすることができる。エーテル構造を有するジアミンと、エーテル構造を有さない他のジアミンとの混合比率としては、モル比で、100:0〜20:80が好ましく、99:1〜30:70がより好ましい。
前記脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,9−ジオキサ−1,12−ジアミノドデカン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(α、ω−ビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン)などが挙げられる。前記脂肪族ジアミンの分子量は、通常、50〜1,000,000であり、好ましくは100〜30,000である。
芳香族ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン等が挙げられる。前記芳香族ジアミンの分子量は、通常、50〜1000であり、好ましくは100〜500である。なお、本明細書において、分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値(重量平均分子量)をいう。
前記酸無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二無水物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸無水物と前記ジアミンを反応させる際の溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロペンタノン等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、複数を混合して用いてもよい。また、原材料や樹脂の溶解性を調整するために、トルエンや、キシレン等の非極性の溶媒を適宜、混合して用いてもよい。
仮止め層13にエーテル構造を有するジアミンに由来する構成単位を有するポリイミド樹脂を用いる場合、仮止め層13は、50℃のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に60秒間浸漬し、150℃で30分乾燥した後の重量減少率が1.0重量%以上であることが好ましく、1.2重量%以上であることがより好ましく、1.3重量%以上であることがさらに好ましい。また、前記重量減少率は、大きいほど好ましいが、例えば、50重量%以下、30重量%以下である。50℃のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に60秒間浸漬し、150℃で30分乾燥した後の重量減少率が1重量%以上であると、仮止め層13がN−メチル−2−ピロリドンに溶け出し、充分に重量減少しているといえる。その結果、仮止め層13をN−メチル−2−ピロリドンにより容易に剥離することができる。仮止め層13の前記重量減少率は、例えば、原材料のNMPに対する溶解性によりコントロールすることができる。すなわち、原材料として、NMPに対する溶解性の高いものを選択するほど、当該原材料を用いて得られた仮止め層13は、NMPに対する溶解性は高くなる。
前記シリコーン樹脂としては、例えば、過酸化物架橋型シリコーン系粘着剤、付加反応型シリコーン系粘着剤、脱水素反応型シリコーン系粘着剤、湿気硬化型シリコーン系粘着剤等が挙げられる。前記シリコーン樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記シリコーン樹脂は、耐熱性が高い点で優れる。前記シリコーン樹脂の中でも、不純物が少ない点で、付加反応型シリコーン系粘着剤が好ましい。
仮止め層13に前記シリコーン樹脂を用いる場合、仮止め層13には、必要に応じて、他の添加剤を含有し得る。このような他の添加剤としては、例えば、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤などが挙げられる。難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂などが挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。イオントラップ剤としては、例えば、ハイドロタルサイト類、水酸化ビスマスなどが挙げられる。このような他の添加剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
前記アクリル樹脂としては、特に限定されるものではなく、炭素数30以下、特に炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステルの1種又は2種以上を成分とする重合体(アクリル共重合体)等が挙げられる。前記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、又はドデシル基等が挙げられる。
また、前記重合体を形成する他のモノマーとしては、特に限定されるものではなく、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸若しくはクロトン酸等の様なカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸若しくは無水イタコン酸等の様な酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル若しくは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等の様なヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の様なスルホン酸基含有モノマー、又は2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の様な燐酸基含有モノマーが挙げられる。
仮止め層13は、例えば、次の通りにして作製される。まず、仮止め層形成用の樹脂組成物溶液(仮止め層13をポリイミド樹脂で形成する場合は、前記ポリアミド酸を含む溶液)を作製する。次に、前記溶液を基材上に所定厚みとなる様に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させる。前記基材としては、SUS304、6−4アロイ、アルミ箔、銅箔、Ni箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンや、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルムや紙等が使用可能である。また、塗布方法としては特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工、スピンコート塗工等が挙げられる。また、乾燥条件としては、例えば乾燥温度50〜150℃、乾燥時間3〜30分間の範囲内で行われる。これにより、本実施形態に係る仮止め層13が得られる。
ウエハ11と支持体12とが仮止め層13を介して接合された支持体付きウエハ10は、仮止め層13を支持体12に転写した後、ウエハ11を貼り合わせて作製することができる。又は、仮止め層13をウエハ11に転写した後、支持体12を貼り合わせて作製することができる。また、支持体付きウエハ10は、仮止め層形成用の樹脂組成物溶液を直接、支持体12に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させて仮止め層13とし、その後、ウエハ11を貼り合わせて作製してもよい。又は、仮止め層形成用の樹脂組成物溶液を直接、ウエハ11に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させて仮止め層13とし、その後、支持体12を貼り合わせて作製してもよい。
[ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物準備工程]
次に、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物準備工程(工程B)では、ダイシングテープ15と、ダイシングテープ15の中央部15aに積層されたシート状樹脂組成物16(アンダーフィル用シート状樹脂組成物16)と、ダイシングテープ16の中央部15aよりも外側の領域15bに積層されたバリア層17とを有するダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物14を準備する(図2参照)。ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物14は、ダイシングテープ15、シート状樹脂組成物16、及び、バリア層17が予め貼り合わせられた状態のものを準備してもよく、ダイシングテープ15、シート状樹脂組成物16、及び、バリア層17を別個に準備し、これらを貼り合わせることによって準備してもよい。シート状樹脂組成物16の形状は、特に限定されないが、円形、矩形等とすることができる。また、シート状樹脂組成物16の外形も特に限定されないが、ウエハ11の他方の面11bの外形と同じであるか、ウエハ11の他方の面11bの外形よりも小さいことが好ましい。シート状樹脂組成物16の外形が、ウエハ11の他方の面11bの外形よりも小さい場合、後述する貼付工程(工程C)において、ウエハ11の外周部分は、バリア層17上に積層される態様で、支持体付きウエハ10の他方の面11bが、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物14のシート状樹脂組成物16上に貼り付けられることになる。シート状樹脂組成物16の形状について、ウエハ11の他方の面11bよりも外形が小さいとは、ウエハ11を貼り合わせた際に、ウエハ11の他方の面11bの外周部分がシート状樹脂組成物16により覆われない態様で貼り付けることが可能な形状をいう。シート状樹脂組成物16の形状としては、例えば、ウエハ11が円形状(例えば、直径が290mm)である場合、ウエハ11よりも径が小さい円形状(例えば、直径が280mm)を挙げることができる。この場合、ウエハ11とシート状樹脂組成物16とは、中心が揃うようにして積層することが好ましい。なお、本実施形態では、シート状樹脂組成物16の外形が、ウエハ11の他方の面11bの外形よりも小さい場合について説明する。
(ダイシングテープ)
前記ダイシングテープ15は、基材上に粘着剤層が形成されて構成されている。前記基材は粘着剤層等の支持母体として用いることができる。前記基材としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、フェルト、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックフィルムなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体;これらの積層体(例えば、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム同士の積層体)等の適宜な薄葉体を用いることができる。本発明では、基材としては、プラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチック材における素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体等のエチレンをモノマー成分とする共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;アクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリウレタン;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリ塩化ビニリデン;ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体);セルロース系樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂などが挙げられる。
また前記基材の材料としては、前記樹脂の架橋体等のポリマーが挙げられる。前記プラスチックフィルムは、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸又は二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。延伸処理等により熱収縮性を付与した樹脂シートによれば、ダイシング後にその基材を熱収縮させることにより粘着剤層とシート状樹脂組成物16との接着面積を低下させて、半導体素子の回収の容易化を図ることができる。
前記基材の表面は、隣接する層との密着性、保持性等を高める為、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的処理、下塗剤(例えば、後述する粘着物質)によるコーティング処理を施すことができる。
前記基材は、同種又は異種のものを適宜に選択して使用することができ、必要に応じて数種をブレンドしたものを用いることができる。また、前記基材には、帯電防止能を付与する為、前記の基材上に金属、合金、これらの酸化物等からなる厚さが30〜500Å程度の導電性物質の蒸着層を設けることができる。前記基材は単層あるいは2種以上の複層でもよい。
前記基材の厚さ(積層体の場合は総厚)は、特に制限されず強度や柔軟性、使用目的などに応じて適宜に選択でき、例えば、一般的には1000μm以下(例えば、1μm〜1000μm)、好ましくは10μm〜500μm、さらに好ましくは20μm〜300μm、特に30μm〜200μm程度であるが、これらに限定されない。
なお、前記基材には、本発明の効果等を損なわない範囲で、各種添加剤(着色剤、充填材、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、難燃剤など)が含まれていてもよい。
前記粘着剤層は粘着剤により形成されており、粘着性を有している。このような粘着剤としては、特に制限されず、公知の粘着剤の中から適宜選択することができる。具体的には、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、これらの粘着剤に融点が約200℃以下の熱溶融性樹脂を配合したクリ−プ特性改良型粘着剤などの公知の粘着剤(例えば、特開昭56−61468号公報、特開昭61−174857号公報、特開昭63−17981号公報、特開昭56−13040号公報等参照)の中から、前記特性を有する粘着剤を適宜選択して用いることができる。また、粘着剤としては、放射線硬化型粘着剤(又はエネルギー線硬化型粘着剤)や、熱膨張性粘着剤を用いることもできる。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤を好適に用いることができ、特にアクリル系粘着剤が好適である。アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系重合体(単独重合体又は共重合体)をベースポリマーとするアクリル系粘着剤が挙げられる。
前記アクリル系粘着剤における(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適である。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状の何れであっても良い。
なお、前記アクリル系重合体は、凝集力、耐熱性、架橋性などの改質を目的として、必要に応じて、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他の単量体成分(共重合性単量体成分)に対応する単位を含んでいてもよい。このような共重合性単量体成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸)、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルメタクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、N−ビニルカプロラクタムなどの窒素含有モノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどの複素環、ハロゲン原子、ケイ素原子などを有するアクリル酸エステル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー等が挙げられる。これらの共重合性単量体成分は1種又は2種以上使用できる。
粘着剤として放射線硬化型粘着剤(又はエネルギー線硬化型粘着剤)を用いる場合、放射線硬化型粘着剤(組成物)としては、例えば、ラジカル反応性炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に有するポリマーをベースポリマーとして用いた内在型の放射線硬化型粘着剤や、粘着剤中に紫外線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分が配合された放射線硬化型粘着剤などが挙げられる。また、粘着剤として熱膨張性粘着剤を用いる場合、熱膨張性粘着剤としては、例えば、粘着剤と発泡剤(特に熱膨張性微小球)とを含む熱膨張性粘着剤などが挙げられる。
本発明では、前記粘着剤層には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤(例えば、粘着付与樹脂、着色剤、増粘剤、増量剤、充填材、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、架橋剤など)が含まれていても良い。
前記架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤を用いることができる。具体的には、架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤が好適である。架橋剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、架橋剤の使用量は、特に制限されない。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネ−ト、水素添加キシレンジイソシアネ−トなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられ、その他、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]なども用いられる。また、前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。
なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施すことも可能である。
前記粘着剤層は、例えば、粘着剤(感圧接着剤)と、必要に応じて溶媒やその他の添加剤などとを混合して、シート状の層に形成する慣用の方法を利用し形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤および必要に応じて溶媒やその他の添加剤を含む混合物を、前記基材上に塗布する方法、適当なセパレータ(剥離紙など)上に前記混合物を塗布して粘着剤層を形成し、これを前記基材上に転写(移着)する方法などにより、粘着剤層を形成することができる。
前記粘着剤層の厚さは特に制限されず、例えば、5μm〜300μm(好ましくは5μm〜200μm、さらに好ましくは5μm〜100μm、特に好ましくは7μm〜50μm)程度である。前記粘着剤層の厚さが前記範囲内であると、適度な粘着力を発揮することができる。なお、前記粘着剤層は単層、複層の何れであってもよい。
(シート状樹脂組成物)
シート状樹脂組成物16は、ウエハ11がダイシングされて形成されるチップ20(図6参照)と搭載用基板22(図6参照)との間隙を封止する機能を有する。シート状樹脂組成物16の構成材料としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを併用したものが挙げられる。また、熱硬化性樹脂単独でも使用可能である。
前記熱可塑性樹脂としては、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBT等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又はフッ素樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂のうち、イオン性不純物が少なく耐熱性が高く、半導体チップの信頼性を確保できるアクリル樹脂が特に好ましい。
前記アクリル樹脂としては、特に限定されるものではなく、炭素数30以下、特に炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステルの1種又は2種以上を成分とする重合体等が挙げられる。前記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、へキシル基、へプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、又はドデシル基等が挙げられる。
また、前記重合体を形成する他のモノマーとしては、特に限定されるものではなく、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸若しくはクロトン酸等の様なカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸若しくは無水イタコン酸等の様な酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル若しくは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等の様なヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の様なスルホン酸基含有モノマー、又は2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の様な燐酸基含有モノマーが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、又は熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。特に、半導体チップを腐食させるイオン性不純物等の含有が少ないエポキシ樹脂が好ましい。また、エポキシ樹脂の硬化剤としてはフェノール樹脂が好ましい。
前記エポキシ樹脂は、接着剤組成物として一般に用いられるものであれば特に限定は無く、例えばビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオンレン型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の二官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂、又はヒダントイン型、トリスグリシジルイソシアヌレート型若しくはグリシジルアミン型等のエポキシ樹脂が用いられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらのエポキシ樹脂のうちノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型樹脂又はテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂は、硬化剤としてのフェノール樹脂との反応性に富み、耐熱性等に優れるからである。
さらに、前記フェノール樹脂は、前記エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであり、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらのフェノール樹脂のうちフェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂が特に好ましい。封止信頼性を向上させることができるからである。
前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、例えば、前記エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.5〜2.0当量になるように配合することが好適である。より好適なのは、0.8〜1.2当量である。すなわち、両者の配合割合が前記範囲を外れると、十分な硬化反応が進まず、エポキシ樹脂硬化物の特性が劣化し易くなるからである。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の熱硬化促進触媒としては、特に制限されず、公知の熱硬化促進触媒の中から適宜選択して用いることができる。熱硬化促進触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱硬化促進触媒としては、例えば、アミン系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、ホウ素系硬化促進剤、リン−ホウ素系硬化促進剤などを用いることができる。
また、シート状樹脂組成物16には、無機充填剤を適宜配合することができる。無機充填剤の配合は、導電性の付与や熱伝導性の向上、貯蔵弾性率の調節等を可能にする。
前記無機充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミナ、酸化ベリリウム、炭化珪素、窒化珪素等のセラミック類、アルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、クロム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム、半田等の金属、又は合金類、その他カーボン等からなる種々の無機粉末が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。なかでも、シリカ、特に溶融シリカが好適に用いられる。
無機充填剤の平均粒径は、0.1〜30μmの範囲内であることが好ましく、0.5〜25μmの範囲内であることがより好ましい。なお、本発明においては、平均粒径が相互に異なる無機充填剤同士を組み合わせて使用してもよい。また、平均粒径は、光度式の粒度分布計(HORIBA製、装置名;LA−910)により求めた値である。
前記無機充填剤の配合量は、有機樹脂成分100重量部に対し100〜1400重量部に設定することが好ましい。特に好ましくは230〜900重量部である。無機充填剤の配合量を100重量部以上にすると、耐熱性や強度が向上する。また、1400重量部以下とすることにより、流動性が確保できる。これにより、接着性や埋め込み性が低下することを防止できる。
なお、シート状樹脂組成物16には、前記無機充填剤以外に、必要に応じて他の添加剤を適宜に配合することができる。他の添加剤としては、例えば難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤、カーボンブラック等の顔料等が挙げられる。前記難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。前記シランカップリング剤としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。前記イオントラップ剤としては、例えばハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。また、高温硬化時の粘性の向上を考慮し、粘度調整用の添加剤として、エラストマー成分を添加することもできる。エラストマー成分は、樹脂を増粘するものであれば、特に制限されないが、例えば、ポリアクリル酸エステルなどの各種アクリル系共重合体;ポリスチレンーポリイソブチレン系共重合体、スチレンアクリレート系共重合体などのスチレン骨格を有するエラストマー;ブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、エチレンー酢酸ビニルコポリマー(EVA)、イソプレンゴム、アクリロニトリルゴムなどのゴム質重合体などが挙げられる。また、実装時に半田の酸化膜を除去することを目的として、有機酸を添加することもできる。
また、シート状樹脂組成物16の120℃における粘度は100〜10000Pa・sが好ましく,更に500〜3000Pa・sがより好ましい。前記粘度が100Pa・s以上であると、熱硬化時に表面形状が大きく変形することを抑制することができる。また、10000Pa・s以下とすることにより、樹脂の流動性が悪くなり部品の端面を十分に充填することができなくなることを抑制することができる。
シート状樹脂組成物16の厚さ(複層の場合は、総厚)は特に限定されないものの、硬化後の樹脂の強度や充填性を考慮すると100μm以上1000μm以下が好ましい。なお、シート状樹脂組成物16の厚さは、チップ20と搭載用基板22との間隙の幅を考慮して適宜設定することができる。
シート状樹脂組成物16は、例えば、次の通りにして作製される。まず、シート状樹脂組成物16の形成材料である樹脂組成物溶液を作製する。当該樹脂組成物溶液には、前述の通り、前記樹脂組成物やフィラー、その他各種の添加剤等が配合されている。
次に、樹脂組成物溶液を基材セパレータ上に所定厚みとなる様に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させ、シート状樹脂組成物16を形成する。塗布方法としては特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等が挙げられる。また、乾燥条件としては、例えば乾燥温度70〜160℃、乾燥時間1〜5分間の範囲内で行われる。
(バリア層)
バリア層17は、シート状樹脂組成物16の側面の少なくとも一部を覆うように形成されており、シート状樹脂組成物16が支持体剥離工程(工程D)で使用される溶剤に溶解されないようにシート状樹脂組成物16を保護する機能を有する。バリア層17の構成材料としては、後述する工程D(支持体剥離工程)において使用される溶剤により溶解し難いものが好ましい。このようなバリア層17を形成するための構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、金属、無機物等を挙げることができる。前記アクリル樹脂や、前記シリコーン樹脂としては、例えば、ダイシングテープ15を構成する粘着剤層と同様のものを用いることができる。
バリア層17の厚さ(複層の場合は、総厚)は特に限定されないものの、シート状樹脂組成物16の側面が溶剤に接触しないようにすることを考慮するとシート状樹脂組成物16の厚さと同じかそれよりも薄い(例えば、シート状樹脂組成物16よりも5〜10μm薄い)ことが好ましい。なお、バリア層17の厚さは、シート状樹脂組成物16の厚さよりも厚くてもよい。バリア層17の厚さが、シート状樹脂組成物16の厚さよりも薄い場合であっても、シート状樹脂組成物の側面の少なくとも一部は溶剤に接触しないようにすることができるからである。
(ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物の作製方法)
本実施形態に係るダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物14は、予めシート状樹脂組成物16を中央部15aに対応する大きさに形成するとともに、バリア層17を外側の領域15bに対応する大きさに形成しておき、これらをダイシングテープ15に貼り合わせることにより得られる。貼り合わせは、例えば圧着により行うことができる。このとき、ラミネート温度は特に限定されず、例えば30〜50℃が好ましく、35〜45℃がより好ましい。また、線圧は特に限定されず、例えば0.1〜20kgf/cmが好ましく、1〜10kgf/cmがより好ましい。また、ダイシングテープ15上に直接、シート状樹脂組成物16を形成するための樹脂組成物溶液やバリア層17の形成用溶液を塗布し、乾燥させることによっても得ることができる。
[貼付工程]
次に、貼付工程(工程C)では、支持体付きウエハ10の他方の面11bを、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物14のシート状樹脂組成物16上に貼り付ける。貼り合わせは、ウエハ11の他方の面11bの外周部分がシート状樹脂組成物16により覆われない態様で貼り付ける(図3参照)。本実施形態では、シート状樹脂組成物16の外形が、ウエハ11の他方の面11bの外形よりも小さいため、ウエハ11の外周部分がバリア層17上に積層される態様で、支持体付きウエハ10の他方の面11bがダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物14のシート状樹脂組成物16上に貼り付けられる。そのため、シート状樹脂組成物16は、より溶剤に接触し難くなっている。貼り合わせは、例えば圧着により行うことができる。このとき、ラミネート温度は特に限定されず、例えば、20〜120℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。また、圧力は特に限定されず、例えば0.05〜1.0MPaが好ましく、0.1〜0.8MPaがより好ましい。貼り合わせは、減圧下で行なわれることが好ましい。減圧下にて行なうと、ウエハ11とシート状樹脂組成物16との界面のボイド発生を抑制でき、より好適にウエハ11とシート状樹脂組成物16とを貼り合わせることができる。減圧条件としては、5〜1000Paが好ましく、10〜500Paがより好ましい。この工程Cを減圧条件で行なう場合、例えば、減圧チャンバー内で行なうことができる。
[支持体剥離工程]
次に、支持体剥離工程(工程D)では、仮止め層13を溶剤により溶解させて、支持体12をウエハ11から剥離する(図4参照)。この際、支持体12を吸引してウエハ11から引き離す方向に力を加えてもよい。前記溶剤としては、仮止め層13を形成するための形成材料が、ポリイミド樹脂である場合、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc),N−メチル−2−ピロリドン(NMP),N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等を用いることが好ましい。また、仮止め層13を形成するための形成材料が、シリコーン樹脂である場合、前記溶剤としては、トルエン、塩化メチレン、トリクロロエタン等を用いることが好ましい。また、仮止め層13を形成するための形成材料が、脂肪族オレフィン系樹脂である場合、前記溶剤としては、トルエン、酢酸エチル等を用いることが好ましい。また、仮止め層13を形成するための形成材料が、水添スチレン系熱可塑性エラストマーである場合、前記溶剤としては、トルエン、酢酸エチル等を用いることが好ましい。また、仮止め層13を形成するための形成材料が、アクリル樹脂である場合、前記溶剤としては、アセトン、メチルケチルケトン、メタノール、トルエン、酢酸エチル等を用いることが好ましい。本実施形態では、仮止め層13を溶剤により溶解させる一方、シート状樹脂組成物16やバリア層17は当該溶媒により溶解されにくいことが好ましい。このような仮止め層13の材質、溶剤、シート状樹脂組成物16の材質、及び、バリア層17の材質の好適な組み合わせとしては、仮止め層13としてポリイミド樹脂、溶剤としてNMP、シート状樹脂組成物16としてエポキシ樹脂、バリア層17としてアクリル樹脂の組み合わせや、仮止め層13として脂肪族オレフィン系樹脂、溶剤としてトルエン、シート状樹脂組成物16としてエポキシ樹脂、バリア層17としてポリイミド樹脂の組み合わせ等を挙げることができる。
[ダイシング工程]
次に、ダイシング工程(工程E)では、ウエハ11をシート状樹脂組成物16とともにダイシングして、シート状樹脂組成物16付きチップ20を得る(図5参照)。ダイシングは従来公知のプレードダイシングやレーザーダイシングを採用することができる。
[アンダーフィル工程]
次に、アンダーフィル工程(工程F)では、シート状樹脂組成物16付きチップ20を搭載用基板22に配置し、チップ20が有する電極(図示せず)と搭載用基板22が有する電極(図示せず)とを、チップ20が有する電極上に形成されたパンプ21を介して接合するとともに、チップ20と搭載用基板22との間隙をシート状組成物16により封止(アンダーフィル)する(図6参照)。具体的には、まず、シート状樹脂組成物16付きチップ20のシート状樹脂組成物16を搭載用基板22に対向させて配置し、次に、フリップチップボンダーを用い、シート状樹脂組成物16付きチップ20側から圧力を加えることにより行なうことができる。これにより、チップ20が有する電極と搭載用基板22が有する電極とが、チップ20が有する電極上に形成されたパンプ21を介して接合するとともに、チップ20と搭載用基板22との間隙がシート状組成物16により封止(アンダーフィル)される。ボンディング温度は50〜300℃が好ましく、より好ましくは100〜280℃である。また、ボンディング圧力は0.02〜10MPaが好ましく、より好ましくは0.05〜5MPaである。
以上、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、貫通電極が形成されているチップ20が搭載用基板22に実装され、且つ、チップ20と搭載用基板22との間隙がシート状組成物16により封止された半導体装置を得ることができる。本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、ダイシングテープ15の中央部15aよりも外側の領域15bには、バリア層17が積層されているため、ダイシングテープ15の中央部15aに積層されているシート状樹脂組成物16の側面は、バリア層17で少なくとも一部が覆われている。従って、仮止め層13を溶剤により溶解させて、支持体12をウエハ11から剥離する際、溶剤がシート状樹脂組成物に接触し難くなっている。その結果、シート状樹脂組成物16が溶解されることを抑制することができる。また、上述の通り、シート状樹脂組成物16の溶解が抑制されているため、工程Eにより得られるシート状樹脂組成物16付きチップ20におけるシート状樹脂組成物16は、チップ20と搭載用基板22との間隙を封止するためのシート状樹脂組成物として充分に機能するものとなる。また、シート状樹脂組成物16の溶解が抑制されているため、工程Fにより得られる半導体装置(チップと搭載用基板との間隙がシート状組成物により封止された半導体装置)の歩留りを向上させることができる。
上述した実施形態では、シート状樹脂組成物16の外形が、ウエハ11の他方の面11bの外形よりも小さい場合について説明したが、本発明におけるシート状樹脂組成物の外形は、ウエハの他方の面の外形と同じであってもよい。このような形状であっても、ウエハの他方の面とバリア層によりシート状樹脂組成物が覆われるため、溶剤に接触しにくくすることができる。
上述した実施形態では、バリア層17をダイシングテープ15から剥がさない場合について説明した。しかしながら、本発明においてはこの例に限定されず、工程D(支持体剥離工程)の後(例えば、工程Dの後、且つ、ダイシング工程の前)、バリア層をダイシングテープから剥離してもよい。工程D(支持体剥離工程)の後にバリア層をダイシングテープから剥離する場合、剥離しない場合と比較して、バリア層による半導体素子への汚染が抑制できる点で優れる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の要旨をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、部とあるのは、重量部を意味する。
(実施例1)
<シート状樹脂組成物の作製>
下記(a)〜(g)をメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度が23.6重量%の樹脂組成物溶液を得た。
(a)アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(商品名「パラクロンW−197CM」、根上工業株式会社製):100部
(b)エポキシ樹脂1(商品名「エピコート1004」、JER株式会社製):56部
(c)エポキシ樹脂2(商品名「エピコート828」、JER株式会社製):19部
(d)フェノール樹脂(商品名「ミレックスXLC−4L」、三井化学株式会社製):75部
(e)球状シリカ(商品名「SO−25R」、株式会社アドマテックス製):167部
(f)有機酸(商品名「オルトアニス酸」、東京化成株式会社製):1.3部
(g)イミダゾール触媒(商品名「2PHZ−PW」、四国化成株式会社製):1.3部
この樹脂組成物溶液を、シリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム(剥離ライナー)上に塗布した後、130℃で2分間乾燥させた。これにより、厚さ20μm、直径190mmの円形のシート状樹脂組成物Aを作製した。
<ダイシングテープの作製>
まず、1L丸底セパラブルフラスコ、セパラブルカバー、分液ロート、温度計、窒素導入管、リービッヒ冷却器、バキュームシール、攪拌棒、攪拌羽を備える重合用実験装置を準備した。
次に、アクリル酸2−メトキシエチル(品名:アクリックスC−1、東亜合成社製)50部、アクリロイルモルフォリン(品名:ACMO、興人社製)35部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(品名:アクリックスβHEA、東亜合成社製)15部、及び、熱重合開始剤としての2,2´−アゾビス−イソブチロニトリル(キシダ化学社製)をモノマー総量(100部)に対し0.2重量%(すなわち、0.2部)を、溶媒としての酢酸エチルにモノマー総量が溶液の20重量%となるように上記重合用実験装置に投入した。その後、常温(23℃)で窒素置換をしながら1時間攪拌を行なった。
次に、窒素の流入下、ウォーターバスにて上記重合用実験装置内の溶液温度が60℃±2℃となるように制御しつつ、10時間攪拌し、中間重合物溶液を得た。なお、上記中間重合物の重合途中には、重合中の温度制御や、急激な粘度上昇(例えば、モノマー側鎖の極性基等に起因する水素結合による粘度上昇)を防止するために酢酸エチル滴下を適宜行なった。
次に、上記中間重合物溶液を室温(23℃)まで冷却し、その後、メタクリル酸2−イソシアナトエチル(カレンズMOI;昭和電工社製)16重量部、ジラウリン酸ジブチルスズIV(和光純薬工業社製)0.1重量部を添加した。
次に、空気雰囲気下で50℃に保持しつつ24時間攪拌して、最終重合物溶液を得た。
上記最終重合物溶液に、最終重合物溶液中の固形分100重量部に対してジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本化薬製)30重量部、光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184;チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)3重量部、及び、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL;日本ポリウレタン社製)3重量部を混合して均一に攪拌し、粘着剤溶液を得た。
得られた粘着剤溶液をシリコーン系離型処理されたPETフィルムの離型処理面にアプリケーターを用いて塗布した後、120℃の乾燥機にて2分間乾燥し、厚さ30μmの粘着剤層Aを得た。
次に、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(製品名:ノバッテクLD、日本ポリエチレン社製)をTダイ押し出しで製膜した。この直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層の厚さは、100μmであった。次に、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層の片面をコロナ処理し、コロナ処理面に、前記粘着剤層Aをハンドローラーを用いて貼り合せた。その後、50℃で72時間放置して密着させ、本実施例に係るダイシングテープAを得た。
<バリア層の作製>
粘着剤層Aの作製に用いたものと同じ粘着剤溶液を、シリコーン系離型処理されたPETフィルムの離型処理面にアプリケーターにて塗布し、120℃の乾燥機にて2分間乾燥し、厚さ30μmの粘着剤層を得た。次いで、外径(外側の直径)240mm、内径(内側の直径)190mmのドーナツ状に加工し、バリア層Aとした。
<ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物の作製>
シート状樹脂組成物Aを、上記ダイシングテープAの粘着剤層A上に、ハンドローラーを用いて貼り合せ、次いで、シート状樹脂組成物Aの外側の領域にバリア層Aをハンドローラーで貼り合わせた。貼り合わせは、室温(23℃)にて行なった。これにより、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物Aを作製した。
<仮止め層の作製>
窒素気流下の雰囲気において、2528.0gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)中に、ポリエーテルジアミン(ハインツマン製、D−4000、分子量:4023.5)29.5g、4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(DDE、分子量:200.2)90.3g、及び、ピロメリット酸二無水物(PMDA、分子量:218.1)100.0gを70℃で混合し反応させ、ポリアミド酸溶液Aを得た。室温(23℃)にまで冷却した後、ポリアミド酸溶液Aをセパレータ上に塗布し、90℃で3分乾燥後させ、厚さ100μmの仮止め層Aを得た。
<接着剤溶液の調整>
表1の配合に従った点以外は仮止め層A用溶液(ポリアミド酸溶液A)と同様の方法で接着剤層用溶液B(ポリアミド酸溶液B)を得た。得られた接着剤層用溶液が室温(23℃)になるまで冷却した。
Figure 2014170847
[プロセス評価]
仮止め層Aを直径195mm、厚さ725μmのシリコンウエハに貼り付けた。貼り付けは、温度90℃、圧力0.1MPaでロールラミネートにより行った。貼り付け後、300℃、1.5時間、窒素雰囲気下で仮止め層Aをイミド化した。
シリコンウェハが貼り付けられた仮止め層Aのもう一方の面に、支持体としての台座(直径200mm、厚さ726μmのシリコンウエハ)を貼り付けた。貼り付けは、温度120℃、圧力0.3MPaで行った。
次いで、仮止め層Aと台座のベベル部との間に、接着剤層用溶液Bを塗布し、乾燥させ、接着剤層Bを形成した。これにより、仮止め層Aを台座に固定した。
以上により、台座、仮止め層A及びシリコンウェハが順次積層された積層体を得た。
得られた積層体を用いてバックグラインドをウエハ厚が50μmになるまで行った。次いで、得られた研削積層体をダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物Aに80℃、0.2MPa、10mm/sの条件でラミネートした。この際、ウエハ固定治具も同時にダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物Aにラミネートした。なお、ラミネートは、接着剤層Bがウエハの外部に出ないように行なった。
次いで、台座を下にして粘着剤層AまでNMP溶液に30秒浸し、取り出した。ピンセットを用いて台座を剥離し、得られたダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物A付きのシリコンウエハをダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物Aの基材(直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層)側から観察し、接着剤層BにNMP溶液が侵入している場合を×、侵入していない場合を〇とした。結果を表2に示す。
(比較例1)
シート状樹脂組成物の直径を230mmに変更したこと、及び、バリア層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、プロセス評価を行なった。なお、シリコンウエハの直径が195mmであることから、比較例1では、シート状樹脂組成物がシリコンウエハから平面視ではみ出ている。結果を表2に示す。
Figure 2014170847
10 支持体付きウエハ
11 ウエハ
11a (ウエハ11の)一方の面
11b (ウエハ11の)他方の面
12 支持体
13 仮止め層
14 ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物
15 ダイシングテープ
15a (ダイシングテープの)中央部
15b (中央部15aよりも)外側の領域
16 シート状樹脂組成物
17 バリア層
20 チップ
22 搭載用基板

Claims (7)

  1. 貫通電極が形成されているウエハの一方の面に支持体が仮止め層を介して接合された支持体付きウエハを準備する工程A、
    ダイシングテープと、前記ダイシングテープの中央部に積層されたシート状樹脂組成物と、前記ダイシングテープの前記中央部よりも外側の領域に積層されたバリア層とを有するダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物を準備する工程B、
    前記支持体付きウエハの前記ウエハの他方の面を、前記ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物の前記シート状樹脂組成物に貼り付ける工程C、及び、
    前記仮止め層を前記溶剤により溶解させて、前記支持体を前記ウエハから剥離する工程Dとを具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記シート状樹脂組成物は、前記ウエハの前記他方の面よりも外形が小さく、
    前記工程Cは、前記ウエハの外周部分が前記バリア層上に積層される態様で、前記支持体付きウエハの前記他方の面を、前記ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物の前記シート状樹脂組成物に貼り付ける工程であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記工程Dの後、前記ウエハを前記シート状樹脂組成物とともにダイシングして、シート状樹脂組成物付きチップを得る工程Eを具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記工程Eの後、前記シート状樹脂組成物付きチップを搭載用基板に配置し、前記チップが有する電極と前記搭載用基板が有する電極とを接合するとともに、前記チップと前記搭載用基板との間隙を前記シート状組成物により封止する工程Fを具備することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記工程Cは、減圧下で行なわれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の半導体装置の製造方法において使用されるシート状樹脂組成物。
  7. ダイシングテープと、
    前記ダイシングテープの中央部に積層されたアンダーフィル用シート状樹脂組成物と、
    前記ダイシングテープの前記中央部よりも外側の領域に積層されたバリア層と
    を有することを特徴とするダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物。
JP2013042128A 2013-03-04 2013-03-04 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物 Withdrawn JP2014170847A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013042128A JP2014170847A (ja) 2013-03-04 2013-03-04 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物
PCT/JP2014/055131 WO2014136687A1 (ja) 2013-03-04 2014-02-28 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物
KR1020157022935A KR20150125937A (ko) 2013-03-04 2014-02-28 반도체 장치의 제조 방법, 시트형 수지 조성물, 및 다이싱 테이프 일체형 시트형 수지 조성물
US14/772,724 US20160013089A1 (en) 2013-03-04 2014-02-28 Semiconductor device production method, sheet-shaped resin composition, dicing tape-integrated sheet-shaped resin composition
CN201480012151.7A CN105027266A (zh) 2013-03-04 2014-02-28 半导体装置的制造方法、片状树脂组合物及切割胶带一体型片状树脂组合物
TW103107300A TW201502228A (zh) 2013-03-04 2014-03-04 半導體裝置之製造方法、片狀樹脂組合物及切晶帶一體型片狀樹脂組合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013042128A JP2014170847A (ja) 2013-03-04 2013-03-04 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014170847A true JP2014170847A (ja) 2014-09-18

Family

ID=51693021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013042128A Withdrawn JP2014170847A (ja) 2013-03-04 2013-03-04 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014170847A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5978246B2 (ja) ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム、及び、半導体装置の製造方法
TWI467644B (zh) 切晶帶一體型晶圓背面保護膜
TWI429034B (zh) 覆晶型半導體背面用膜及其應用
TWI591150B (zh) 切晶帶一體型晶圓背面保護膜、半導體器件之製造方法、覆晶安裝半導體器件
JP5805367B2 (ja) ダイシングテープ一体型ウエハ裏面保護フィルム
JP6272729B2 (ja) ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム、及び、半導体装置の製造方法
WO2015060105A1 (ja) 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物及びダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物
JP5641641B2 (ja) ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム及び半導体装置の製造方法
JP2012033557A (ja) 半導体装置製造用フィルム、半導体装置製造用フィルムの製造方法、及び、半導体装置の製造方法。
JP2016225496A (ja) 半導体裏面用フィルム及びその用途
JP2018019022A (ja) ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム、及び、半導体装置の製造方法
JP5681377B2 (ja) 半導体装置の製造方法、及び、フリップチップ型半導体装置
JP5640051B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2014170845A (ja) 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物
WO2014136687A1 (ja) 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物
JP2016213243A (ja) 一体型フィルム、フィルム、半導体装置の製造方法および保護チップの製造方法
JP5917577B2 (ja) ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム及び半導体装置の製造方法
JP5636471B2 (ja) フリップチップ型半導体裏面用フィルム及びその用途
JP2014170848A (ja) 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物
WO2014083974A1 (ja) 半導体装置の製造方法
JP5927249B2 (ja) 半導体装置製造用フィルムを用いた半導体装置の製造方法
JP5978333B2 (ja) ダイシングテープ一体型ウエハ裏面保護フィルム
JP2014170847A (ja) 半導体装置の製造方法、シート状樹脂組成物、及び、ダイシングテープ一体型シート状樹脂組成物
JP5976857B2 (ja) ダイシングテープ一体型ウエハ裏面保護フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151221

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20160524