JP2016046232A - 電子デバイスとその製造方法、および電子デバイス製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】封着層を良好に、かつ効率的に形成できる電子デバイスの製造方法を提供する。【解決手段】電子デバイスの製造方法は、積層工程と、封着工程とを有する。積層工程は、第1の封止領域を有する第1の表面を有する第1の基板と、この第1の封止領域に対応する第2の封止領域を有する第2の表面を有する第2の基板とを、第1の表面と第2の表面とが対向するように、かつ第1の封止領域と第2の封止領域との間に封着ガラスおよびレーザ吸収材を含む封着材料の焼成層である少なくとも一つの矩形形状の封着材料層を介して積層して組立体とする。封着工程は、封着材料層の少なくとも一つを覆う大きさを有するレーザ光を照射して、封着材料層の少なくとも一つを溶融させて第1の基板と第2の基板との間に封着層を形成する。【選択図】図6

Description

本発明は、電子デバイスとその製造方法、および電子デバイス製造装置に関する。
有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display:OELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の平板型ディスプレイ装置(FPD)は、1対のガラス基板が封着されたガラスパッケージにより発光素子が封着された構造を有する。また、液晶表示装置(LCD)についても、1対のガラス基板間に液晶が封着された構造を有する。さらに、発光ダイオード(LED)、高輝度光ダイオードバックライト、ディスプレイに使用する光源、自動車照明、装飾照明、標識、広告照明用途を含む照明デバイスでは、ガラス基板とセラミックス基板が封着された構造を有する。
封着には、封着ガラスが好適に用いられる。封着ガラスによる封着は、例えば、1対のガラス基板を封着ガラスを含む封着材料層を介して積層してガラス組立体とした後、封着材料層を400〜600℃に加熱して行う。この際、焼成炉を用いてガラス組立体の全体を加熱すると、加熱により発光素子等の電子素子部が損傷しやすい。このため、レーザ光を用いて、封着材料層のみを加熱するレーザ封着の適用が検討されている。
レーザ封着は、例えば以下のように行われる。まず、封着ガラスをビヒクルと混合して封着材料ペーストを調製する。この封着材料ペーストを電子素子部が搭載されない一方のガラス基板の枠状の封止領域に塗布して枠状塗布層とし、この枠状塗布層を封着ガラスの焼成温度(封着ガラスの軟化温度以上の温度)まで加熱する。これにより、封着ガラスが溶融し、ガラス基板に焼き付けられて封着材料層が形成される。次いで、この封着材料層を有するガラス基板と、電子素子部が搭載された他方のガラス基板とを封着材料層を介して積層してガラス組立体とした後、ガラス基板を通して封着材料層にレーザ光を照射して封着材料層を加熱および溶融させる。これにより、1対のガラス基板が封着ガラスからなる封着層により接合される。
従来、レーザ光として封着材料層の幅と同程度か僅かに大きい点状の照射形状を有するものを用いて、封着材料層に沿って1周するように走査しながら照射して封着層を形成している(例えば、特許文献1参照)。
また、封着材料層を1周するようにレーザ光を走査しながら照射した場合、照射開始位置付近または照射終了位置付近の残留応力により損傷等が発生することから、照射開始位置付近または照射終了位置付近でレーザ光の出力を低減することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、本出願人は封着材料層の1組の対辺の一方の対辺から他方の対辺にかけて、これらの対辺の長さ以上の長さを有する線状のレーザ光を走査しながら照射する技術の特許出願をしている。(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−524419号公報 特開2008−527655号公報 特願2013−105939号明細書
しかしながら、封着材料層を1周するようにレーザ光を走査しながら照射する場合、照射開始位置付近または照射終了位置付近に繋ぎ目が発生しやすく、気密性、接着強度、信頼性、製造歩留等が低下しやすい。照射開始位置付近または照射終了位置付近でレーザ光の出力を低減することも知られているが、必ずしも調整が容易でなく、調整が適切に行われないと溶融状態の異なる領域が発生して、気密性、信頼性、製造歩留等が低下する。
また、封着材料層を1周するように点状のレーザ光を走査しながら照射する場合、封着層の形成に時間がかかる。特に、1対のガラス基板間に多数の封着材料層が形成される場合、多数の封着材料層について順次1周するようにレーザ光を走査しながら照射する必要があり、多くの時間を要する。
また、封着材料層の1組の対辺の1方の対辺から他方の対辺にかけて線状のレーザ光を走査しながら照射する場合は、繋ぎ目の発生のおそれは低減する。しかし、依然として照射開始位置付近および照射終了位置付近に残留応力が発生するものもあり、気密性、信頼性、製造歩留等を改善する余地のあるものであった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、封着層を良好に、かつ効率的に形成できる電子デバイスの製造方法の提供を目的とする。また、このような製造方法により製造された電子デバイス、このような製造方法に用いられる電子デバイス製造装置の提供を目的とする。
本発明の電子デバイスの製造方法は、積層工程と、封着工程とを有する。積層工程は、第1の封止領域を有する第1の表面を有する第1の基板と、この第1の封止領域に対応する第2の封止領域を有する第2の表面を有する第2の基板とを、第1の表面と第2の表面とが対向するように、かつ第1の封止領域と第2の封止領域との間に封着ガラスおよびレーザ吸収材を含む封着材料の焼成層である少なくとも一つの矩形形状の封着材料層を介して積層して組立体とする。封着工程は、封着材料層の少なくとも一つを覆う大きさ以上の大きさを有するレーザ光を照射して、封着材料層の少なくとも一つを溶融させて第1の基板と第2の基板との間に封着層を形成する。
本発明の電子デバイスは、第1の封止領域を有する第1の表面を有する第1の基板と、第1の封止領域に対応する第2の封止領域を有する第2の表面を有し、第1の表面と第2の表面とが対向するように配置された第2の基板と、第1の封止領域と第2の封止領域との間に配置された封着層とを有し、本発明の電子デバイスの製造方法により製造される。
本発明の電子デバイス製造装置は、試料台と、レーザ光源と、レーザ照射ヘッドと、出力制御部と、移動機構と、走査制御部とを有する。試料台は、組立体が載置される。組立体は、第1の封止領域を有する第1の表面を有する第1の基板と、この第1の封止領域に対応する第2の封止領域を有する第2の表面を有する第2の基板とが、第1の表面と第2の表面とが対向するように、かつ第1の封止領域と第2の封止領域との間に封着ガラスおよびレーザ吸収材を含む封着材料の焼成層である封着材料層を介して積層される。
レーザ光源は、レーザ光を出射する。レーザ照射ヘッドは、レーザ光源から出射されたレーザ光を封着材料層の大きさ以上の大きさを有する形状に照射する光学系を有する。出力制御部は、レーザ照射ヘッドから封着材料層に照射されるレーザ光の出力を制御する。移動機構は、試料台とレーザ照射ヘッドとの位置を相対的に移動させる。走査制御部は、上記した封着材料上まで照射位置を移動するための移動機構を制御する。
本発明によれば、封着層を良好に、かつ効率的に形成できる電子デバイスの製造方法を提供できる。また、このような製造方法により製造された電子デバイス、およびこのような製造方法に用いられる電子デバイス製造装置を提供できる。
電子デバイスの製造工程を示す断面図である。 電子素子部を有する第1の基板を示す平面図である。 図2に示す第1の基板のA−A線断面図である。 封着材料層を有する第2の基板を示す平面図である。 図4に示す第2の基板のB−B線断面図である。 レーザ光の照射方法の一例を示す外観図である。 図6に示すレーザ光の照射方法の平面図である。 レーザ光の照射方法の第1の変形例を示す平面図である。 レーザ光の照射方法の第2の変形例を示す平面図である。 図9に示すレーザ光の照射方法の断面図である。 レーザ光の照射方法の第3の変形例を示す断面図である。 電子デバイス製造装置の一実施形態を示す平面図である。 図12に示す製造装置の正面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図1〜6は、電子デバイスの製造工程の一実施形態を示す図である。
電子デバイスとしては、例えば、OELD、FED、PDP、LCD等のFPD、LED素子等の発光素子を使用した照明装置が挙げられる。
電子デバイスは、例えば以下のようにして製造される。まず、図1(a)に示すように、第1の基板1と第2の基板2とを用意する。そして、第1の基板1に電子素子部4を搭載するとともに、第2の基板2に封着材料層7を形成した後、図1(b)に示すように、第1の基板1と第2の基板2とを、表面1a、2aが対向するように封着材料層7を介して積層して組立体10とする(積層工程)。
さらに、図1(c)に示すように、組立体10の第2の基板2を通して、封着材料層7にレーザ光11を照射する。これにより、図1(d)に示すように、第1の基板1と第2の基板2との間に封着層12を形成して、第1の基板1と第2の基板2との間に電子素子部4が気密封止された電子デバイス13を製造する(封着工程)。
以下、電子デバイスの製造工程について具体的に説明する。
第1および第2の基板1、2には、例えば、公知の組成を有する無アルカリガラスやソーダライムガラス等からなるガラス基板が用いられる。また、第1および第2の基板1、2には、必要に応じて、ガラス中にセラミックス粉末が分散されたガラスセラミックスからなるガラスセラミックス基板等が用いられる。
無アルカリガラスは30〜50×10−7/K程度の熱膨張係数を有する。ソーダライムガラスは80〜90×10−7/K程度の熱膨張係数を有する。無アルカリガラスの代表的なガラス組成としては、質量%表示で、SiO 50〜70%、Al 1〜20%、B 0〜15、MgO 0〜30%、CaO 0〜30%、SrO 0〜30%、BaO 0〜30%を含有するものが挙げられる。ソーダライムガラスの代表的なガラス組成としては、質量%表示で、SiO 55〜75%、Al 0.5〜10%、CaO 2〜10%、SrO 0〜10%、NaO 1〜10%、KO 0〜10%を含有するものが挙げられる。なお、ガラス組成は、これらに限定されない。また、第1および第2の基板1、2の少なくとも一方は化学強化ガラス等でもよい。
図2、3に示すように、第1の基板1は、素子形成領域3が設けられた表面1aを有する。素子形成領域3には対象物である電子デバイスに応じた電子素子部4が設けられる。電子素子部4は、例えば、OELDであればOEL素子、FEDであれば電子放出素子、PDPであればプラズマ発光素子、LCDであれば液晶表示素子、LEDであればLED素子を備える。電子素子部4は、公知の素子構造を有し、その素子構造は特に限定されない。第1の基板1の表面1aの周辺部には、素子形成領域3の外周に沿って矩形枠状または円形枠状の第1の封止領域5が設けられる。
本明細書で使用する「矩形枠状」とは、四角形を形成する4本の直線を交差して得られるものだけでなく、4本の直線の交差部(角部)に湾曲部が形成されるものも含む。また、長円形状のものや、対向する2本の直線の両端をそれぞれ湾曲部で接合したものも含む。
図4、5に示すように、第2の基板2は、第1の基板1の表面1aと対向する表面2aを有する。表面2aの周辺部には、第1の封止領域5に対応する枠状の第2の封止領域6が設けられる。第1の封止領域5および第2の封止領域6は、封着層の形成領域となる。第2の封止領域6は、さらに封着材料層7の形成領域となる。
電子素子部4は、第1の基板1の表面1aと第2の基板2の表面2aとの間に封止される。図1に示す電子デバイスの製造工程では、第1の基板1は、その表面1aに電子素子部4が設けられる素子用ガラス基板である。第2の基板2は、第1の基板1の表面1aに形成された電子素子部4を封止する封止用ガラス基板である。ただし、電子素子部4の構成はこれに限られるものではない。
例えば、電子素子部4がOEL素子等の場合、第1の基板1の表面1aに素子構造体を構成する配線膜や電極膜等の素子膜が形成される。電子素子部4を構成する素子膜やそれらに基づく素子構造体は、第1の基板1の表面1aに形成される。さらに、封止用ガラス基板を構成する第2の基板2の表面2aには、必要に応じて、カラーフィルタ等の有機樹脂膜が形成される。
第2の基板2の封止領域6には、図1(a)、図4、および図5に示すように、第2の基板2の周辺部の全周に封着材料層7が形成される。封着材料層7は、封着ガラスとレーザ吸収材とを含む封着材料の焼成層である。封着材料は、必要に応じて低膨張充填材等の無機充填材を含み、さらにこれら以外の充填材や添加材を含む。
封着ガラスには、例えば錫−リン酸系ガラス、ビスマス系ガラス、バナジウム系ガラス、鉛系ガラス等の低融点ガラスが用いられる。これらのうち、第1および第2の基板1、2に対する封着性(接着性)やその信頼性(接着信頼性や密閉性)、さらには環境や人体に対する影響性等を考慮して、錫−リン酸系ガラスやビスマス系ガラスからなる低融点の封着ガラスが好ましい。
錫−リン酸系ガラスは、55〜68モル%のSnO、0.5〜5モル%のSnO、および20〜40モル%のP(基本的には合計量を100モル%とする)を含む組成が好ましい。
上記した3成分で形成されるガラスは、ガラス転移点が低く、低温用の封着材料に適したものであるが、SiO等のガラスの骨格を形成する成分やZnO、B、Al、WO、MoO、Nb、TiO、ZrO、LiO、NaO、KO、CsO、MgO、CaO、SrO、BaO等のガラスを安定化させる成分等を任意成分として含有していてもよい。ただし、任意成分の含有量が多すぎると、ガラスが不安定となって失透が発生し、またガラス転移点や軟化点が上昇するおそれがあるため、任意成分の合計含有量は30モル%以下が好ましい。この場合のガラス組成は、基本成分と任意成分との合計量が基本的には100モル%となるように調整される。
ビスマス系ガラスは、70〜90質量%のBi、1〜20質量%のZnO、および2〜12質量%のB(基本的には合計量を100質量%とする)の組成を有することが好ましい。
上記した3成分で形成されるガラスはガラス転移点が低く、低温用の封着材料に適したものであるが、Al、CeO、SiO、AgO、MoO、Nb、Ta、Ga、Sb、LiO、NaO、KO、CsO、CaO、SrO、BaO、WO、P、SnOx(xは1または2である)等の任意成分を含有してもよい。ただし、任意成分の含有量が多すぎるとガラスが不安定となって失透が発生し、またガラス転移点や軟化点が上昇するおそれがあるため、任意成分の合計含有量は30質量%以下が好ましい。この場合のガラス組成は、基本成分と任意成分との合計量が基本的には100質量%となるように調整される。
封着材料はレーザ吸収材を含有する。レーザ吸収材として、例えば、Fe、Cr、Mn、Co、Ni、およびCuから選ばれる少なくとも1種の金属、および/または上記金属を含む酸化物等の金属化合物の少なくとも1種が用いられる。また、これら以外の顔料、例えば、ITO、ドーパントを含む錫系酸化物(ATOやFTO)などの透明導電性酸化物やバナジウムの酸化物(具体的にはVO、VOおよびV)でもよい。
レーザ吸収材の含有量は、封着材料に対して0.1〜40体積%の範囲が好ましい。レーザ吸収材の含有量が0.1体積%未満であると封着材料層7を十分に溶融させることができないおそれがある。レーザ吸収材の含有量が40体積%を超えると第2の基板2との界面近傍で局所的に発熱するおそれがあり、また封着材料の溶融時の流動性が劣化して第1の基板1との接着性が低下するおそれがある。レーザ吸収材の含有量は、好ましくは37体積%以下である。
封着ガラス、レーザ吸収材、および低膨張充填材は、それぞれ粉末状、または粒子状である。以下、封着ガラス粉末を単に封着ガラスと、レーザ吸収材粒子またはレーザ吸収材粉末を単にレーザ吸収材と、また低膨張充填材粒子または低膨張充填材粉末を単に低膨張充填材と記す場合がある。
封着材料は、必要に応じて、封着ガラスより低い熱膨張係数を有する低膨張充填材を含有する。低膨張充填材としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、珪酸ジルコニウム、チタン酸アルミニウム、ムライト、コージェライト、ユークリプタイト、スポジュメン、リン酸ジルコニウム系化合物、石英固溶体、ソーダライムガラス、および硼珪酸ガラスから選ばれる少なくとも1種が好ましい。リン酸ジルコニウム系化合物としては、(ZrO)、NaZr(PO、KZr(PO、Ca0.5Zr(PO、NbZr(PO、Zr(WO)(PO、またはこれらの複合化合物が挙げられる。
低膨張充填材の含有量は、封着ガラスの熱膨張係数が第1および第2の基板1、2の熱膨張係数に近づくように設定することが好ましい。具体的には、封着ガラス、第1および第2の基板1、2の熱膨張係数にもよるが、封着材料に対して0.1〜50体積%の範囲が好ましい。含有量は、封着材料層7の厚さ等によっても適宜変更できる。ただし、含有量が50体積%を超えると、封着材料の溶融時の流動性が劣化して第1の基板1との接着性が低下するおそれがある。好ましくは45体積%以下である。レーザ吸収材との合計含有量として封着材料の特性に影響するため、これらの合計含有量は0.1〜50体積%が好ましい。
封着ガラスにレーザ吸収材や低膨張充填材等を配合して封着材料とする。また、封着材料をビヒクルと混合して封着材料ペーストを調製する。
ビヒクルは、有機バインダを溶剤に溶解して調製する。有機バインダとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、オキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、プロピルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル系モノマーの1種以上を重合して得られるアクリル系樹脂等の有機樹脂が用いられる。溶剤としては、セルロース系樹脂の場合は、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート等の溶剤が、アクリル系樹脂の場合は、メチルエチルケトン、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート等の溶剤が用いられる。
封着材料ペーストの粘度は、塗布装置に対応した粘度に合わせればよく、有機バインダと溶剤との割合や、封着材料とビヒクルとの割合により調整できる。封着材料ペーストには、消泡剤や分散剤のように公知のガラスペーストにおける添加物を加えてもよい。封着材料ペーストの調製には、攪拌翼を備えた回転式の混合機やロールミル、ボールミル等を用いた公知の方法を適用できる。
その後、第2の基板2の周辺部に設けられた枠状の封止領域6の全周に渡って封着材料ペーストを塗布し、乾燥させて、枠状塗布層を形成する。封着材料ペーストは、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法を適用して塗布し、またはディスペンサ等を用いて塗布する。枠状塗布層は、例えば120℃以上の温度で10分以上乾燥させることが好ましい。乾燥は、枠状塗布層内の溶剤を除去するために実施される。枠状塗布層内に溶剤が残留すると、その後の焼成で有機バインダを十分に除去できないおそれがある。
枠状塗布層の厚さは、焼成後の厚さが1μm以上となるもの、すなわち封着材料層7の厚さが1μm以上となるものが好ましい。このような厚さの場合、枠状塗布層の形成条件や焼成条件等の調整により、封着材料層7を良好に焼成できる。枠状塗布層の厚さは、焼成後の厚さが150μm以下となるものがより好ましい。均一な焼成の観点から、枠状塗布層の厚さは、焼成後の厚さが20μm以下となるものが特に好ましい。また厚さの分布は、レーザ照射時に封着材料層7の全体と第1の基板1が接触するように5μm以下であることが好ましい。また、枠状塗布層の幅は、焼成後の幅が0.1〜3.0mmとなるものが好ましい。
その後、枠状塗布層中の有機バインダを除去しつつ、封着材料を焼成して封着材料層7を形成する。焼成は、例えば、焼成炉を用いて、封着ガラスの軟化点以上の温度(例えば軟化点より10〜100℃高い温度)に加熱する。これにより、枠状塗布層内のバインダを除去するとともに、第2の基板2に枠状塗布層を焼き付けて封着材料層7を形成する。
さらに、図1(b)に示すように、第1の基板1と第2の基板2とを表面1a、2aが対向するように封着材料層7を介して積層して組立体10とする(積層工程)。また、図1(c)に示すように、封着材料層7にレーザ光11を照射して、図1(d)に示すように、第1の基板1と第2の基板2との間に封着層12を形成して電子デバイス13とする(封着工程)。
図6は、封着工程におけるレーザ光11の照射方法の一例を示す外観図である。また、図7は、図6の照射方法を示す平面図である。本発明では、矩形枠状の封着材料層7の外周縁であるL×Lで表される領域以上のL×Lで示される領域を有する矩形形状のレーザ光11を照射する。L×Lの最大領域は、照射対象となるガラス基板の大きさとすることができる。本明細書で使用する「矩形形状」とは、長方形等の四角形だけでなく、角部が曲線になっているものや、長円形のものも含む。また上記で定義した矩形枠状も含む。
なお、ここでのレーザ光11の大きさ(L×L)は、ビーム強度がビーム最大強度の13.5%となる領域で定義する。
本発明では、このような照射方法を採用することで、封着材料層7の全体の封着材料の溶融および急冷固化をレーザ光11の照射により同時に行い、封着層12を形成する。
本発明の照射方法によれば、封着材料層7の全体を同時に、封着材料層7の大きさ(L×L)以上の大きさ(L×L)を有する矩形形状のレーザ光11で照射する。従って、照射開始位置付近または照射終了位置付近におけるレーザ光の繰り返しの照射がなくなり、これらの付近における繋ぎ目が発生しない。
また、本発明の照射方法によれば、レーザ光の照射開始位置付近または照射終了位置が無いことから、応力集中部が発生せず、また封着材料層7の溶融状態が全体として均一になることから、気密性、信頼性、製造歩留等が良好となる。
さらに、本発明の照射方法によれば、レーザ光11の走査が不要となるので、従来の封着材料層に沿って1周させる照射方法に比べて、処理時間が半分以下と短くできる。
レーザ光11は、特に限定されるものではないが、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザ、HeNeレーザ等から所望のレーザ光が使用される。
レーザ光11の照射時間は、レーザ光11の照射により封着材料層7の全体を溶融できればよく、0.3s以上が好ましい。照射時間が0.3s以上の場合、封着材料層7が十分に溶融して、第1の基板1と第2の基板2との接合強度が良好となる。また、照射時間は3s以下が好ましい。照射時間が3s以下の場合、電子素子部に熱の影響を与えることなく封着層12を形成できる。
レーザ光11の照射強度についても、レーザ光の照射により封着材料層7の全体を溶融できればよく、レーザ光11の照射時間等によっても異なるが、100〜1000W/cmが好ましい。照射強度が100W/cm以上の場合、レーザ光の照射により封着材料層7の全体を十分に溶融できる。また、照射強度が1000W/cm以下の場合、第1の基板1および第2の基板2の過剰な加熱によるクラックや割れ等の発生を抑制できる。
なお、封着材料層7の形状は、必ずしも長方形状に限られず、正方形状であってもよい。
また、レーザ光11の照射が行われる封着材料層7の大きさは、レーザ光の照射できる範囲内の大きさであればよい。通常、このような大きさは主としてレーザ光11を出射するレーザ光源の出力により制限され、500cm以下が好ましい。なお、本発明の照射方法は、小型の封着材料層7が多数設けられている場合に、特に処理時間が短くなり有効である。したがって、封着材料層7としては、1辺の長さが50mm以下であるものが好ましく、30mm以下であるものがより好ましい。
また、レーザ光11は、一般的には封着材料層7が形成された第2の基板2を通して封着材料層7に照射することが好ましいが、これとは反対に第1の基板1を通して封着材料層7に照射してもよいし、または第1の基板1と第2の基板2との両側から照射してもよい。
次に、レーザ光11の照射方法の変形例について説明する。
図8は、レーザ光11の照射方法の第1の変形例を示す平面図である。
組立体10としては、第1の基板1と第2の基板2との間に複数個の封着材料層7が並列して配置されてもよい。この場合、レーザ光11として、並列する全ての封着材料層7を同時に照射する大きさ(L×L)を有するものを用い、これら9個の封着材料層7の全体にレーザ光11を同時に照射する。
具体的には、9個の封着材料層7を完全に覆う大きさ(3L+2L)×(3L+2L)以上の大きさ(L×L)を有するレーザ光11を用いて、組立体10にレーザ光11を照射する。
大きさ(L×L)以外のレーザ光11の特性、例えば、照射時間、および照射強度等は、封着材料層7が1つの場合と同様にできる。すなわち、レーザ光11の照射により9個の並列する封着材料層7を溶融できれば必ずしも限定されないが、走査時間は0.3〜3s、および照射強度は100〜1000W/cmがそれぞれ好ましい。
また、第1の変形例(図8)では、複数の並列する封着材料層7の全てについてレーザ光11を照射する例を図示したが、封着材料層7が複数並列する場合であっても個別にあるいは一部の個数毎にレーザ光11を照射してもよい。
図9は、レーザ光11の照射方法の第2の変形例を示す平面図である。また、図10は、図9に示すレーザ光11の照射方法のC−C線断面図である。
封着工程では、組立体10に対してレーザ光11の照射側に、組立体10の第1の基板1と第2の基板2との間に荷重を印加し、かつレーザ光11を透過する透光基板14を配置したものである。透光基板14としては、組立体10の第1の基板1と第2の基板2との間に有効に荷重を印加でき、かつレーザ光11を透過するものであれば特に制限されず、公知の組成を有する無アルカリガラスやソーダライムガラス等からなるガラス基板等が用いられる。
また、透光基板14には、レーザ光11の照射による電子素子部4の損傷等を抑制するために、電子素子部4に対応する領域に、この電子素子部4へのレーザ光11の照射を抑制する遮蔽材15を配置してもよい。遮蔽材15としては、電子素子部4へのレーザ光11の照射を抑制するものであれば特に制限されず、例えば、吸収膜、反射膜等が挙げられるが、耐久性が良好なことから反射膜が好ましい。以下の図11に示すようにレーザ光11を斜め方向から照射する場合には、レーザ光11の手前側の光を遮るためにも、レーザ光の入射角度と同じ角度の状態で、電子素子部4が遮蔽されるように遮蔽材15は、形状、大きさおよび配置が決められる。
図11は、レーザ光11の照射方法の第3の変形例を示す断面図である。
レーザ光11の照射方向は、組立体10の表面に対して垂直方向の他、図11に示すように、組立体10の表面に対して斜め方向でもよい。この場合、電子デバイス13の製造にかかわる作業者が安全に作業を行えるように、組立体10の表面で反射されたレーザ光11を遮蔽するために、レーザ光11の反射先にレーザビームダンパーを配置してもよい。
レーザビームダンパーとしては、レーザ光11の反射形状等に応じて、公知のレーザビームダンパーを適宜選択して使用できる。このようなレーザビームダンパーとしては、例えば、レーザ光11が内部に入射する筒状部を有するものであって、その内面に無反射コーティングが施されたもの、さらにはレーザ光11のビーム強度が高いときのための水冷部を有するものが挙げられる。
レーザ光11を斜め方向から照射する場合、複数の方向からレーザ光11を照射することも可能となる。このように複数のレーザ光11で封着材料層7を同時に照射する場合には、一つのレーザ光11の出力を低下させることが可能となる。
以上の説明では、封着材料層7の外形が矩形状の場合について説明したが、封着材料層7の外形は、円形状、長円形状等の対辺が明確に規定できない形状でもよい。本発明の封着工程は、封着材料層7の外形に関係なく、レーザ光11を照射して封着材料層7の全体を照射する。従って、レーザ光11の大きさ等は、このような封着材料層7の全体を同時に照射できればよい。
次に、電子デバイス13の製造に用いられる電子デバイス製造装置について説明する。ここで、電子デバイス製造装置は、特に、レーザ光11の照射により封着層12を形成する封着工程に用いられる。
図12、13に電子デバイス製造装置の一実施形態を示す。電子デバイス製造装置21は、例えば、組立体10が載置される試料台22と、レーザ光11を出射するレーザ光源23と、レーザ光源23から出射されたレーザ光11を封着材料層7に照射するレーザ照射ヘッド24とを具備する。
図示を省略したが、レーザ照射ヘッド24はレーザ光源23から出射されたレーザ光11を所定のビーム形状に整形して封着材料層7に照射する光学系を有する。ビーム形状を成形する光学系として例えば、フライアイレンズを用いたビームホモジナイザー等が用いられる。レーザ光源23から出射されたレーザ光11は、レーザ照射ヘッド24に送られる。このときのレーザ光11の出力は、出力制御部25により制御される。出力制御部25は、例えばレーザ光源23に入力される電流を制御することによりレーザ光11の出力を制御する。また、出力制御部25はレーザ光源23から出射されたレーザ光11の出力を制御する出力変調器を有していてもよい。
レーザ照射ヘッド24から照射されるレーザ光11は、封着材料層7の全体に照射される。すなわち、レーザ照射ヘッド24は、Xステージ26によりX方向に移動する。Xステージ26は2個のYステージ27A、27BによりY方向に移動する。Xステージ26は固定された試料台22の上方を移動し、Xステージ26と試料台22との位置関係は、Xステージ26とYステージ27A、27Bとにより調整される。なお、移動機構は、例えば、レーザ照射ヘッド24をX方向に移動させるXステージ26と、試料台22をY方向に移動させるYステージとで構成してもよい。
Xステージ26とYステージ27A、27Bとは走査制御部28により制御される。上記したように封着材料層7の全体にレーザ光を照射するようにXステージ26およびYステージ27A、27B(移動機構)により位置を調整する。
電子デバイス製造装置21は、さらに出力制御部25や走査制御部28を総合的に制御する主制御系29を具備する。また、電子デバイス製造装置21は、封着材料層7の加熱温度を測定する図示しない放射温度計を備える。また、電子デバイス製造装置21は、図9、10に示したように、第1の基板1と第2の基板2との間に荷重を印加し、かつレーザ光11を透過する透光基板14を備えてもよい。さらには、同図に示したように、レーザ光11の照射による電子素子部4の損傷等を抑制するために、この電子素子部4へのレーザ光11の照射を抑制する遮蔽材15を備えてもよい。また、図11に示したように、組立体10の表面で反射されたレーザ光11を遮蔽するためのレーザビームダンパーを備えてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態においては、封着材料層7を溶融させて封着層12を形成するために矩形形状のレーザ光11を用いることに加えて、枠状塗布層を焼成して封着材料層7を形成するために同様な矩形形状のレーザ光11を用いてもよい。すなわち、上記した実施形態の説明では、焼成炉を用いて枠状塗布層を焼成して封着材料層7を形成する方法を示したが、このような焼成炉を用いる方法に代えて、枠状塗布層全体に矩形形状のレーザ光11を照射して封着材料層7を形成してもよい。
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
なお、以下の説明は本発明を限定するものではく、本発明の趣旨に沿った形での改変が可能である。
(実施例1)
Bi 83質量%、B 5質量%、ZnO 11質量%、Al 1質量%の組成を有し、平均粒径が1μmのビスマス系封着ガラス(軟化温度:410℃)と、低膨張充填材として平均粒径が4.3μmのコージェライト粉末と、レーザ吸収材として平均粒径が1.0μmのドーパントを含む錫系酸化物粉末としてATO粉末を用意した。
コージェライト粉末およびレーザ吸収材の粒度分布は、粒度分析計(日機装社製、マイクロトラックHRA)を用いて測定した。測定条件は、測定モード:HRA−FRAモード、Particle Transparency:yes、Spherical Particles:no、Particle Refractive index:1.75、Fluid Refractive index:1.33とした。測定は、測定対象を水に分散させたスラリーを超音波で分散させた後に測定した。
上記したビスマス系封着ガラス61体積%とコージェライト粉末26体積%とレーザ吸収材13体積%とを混合して封着材料(熱膨張係数(50〜350℃):66×10−7/K)を作製した。封着材料83質量%を、バインダ成分としてエチルセルロース5質量%をジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル95質量%に溶解して作製したビヒクル17質量%と混合して封着材料ペーストを調製した。
次に、ホウケイ酸ガラス(熱膨張係数:51×10−7/K)からなるガラス基板(寸法:7mm×7mm×0.2mmt、第2の基板)を用意し、メッシュサイズが180(目開き91μm)、乳剤厚が10μmのスクリーン版を使用したスクリーン印刷法により封着材料ペーストを塗布して枠状塗布層を形成した。枠状塗布層は、外形が6mm×6mm、線幅が0.3mm、コーナー部の曲率半径Rが0.5mmである。
このようにして枠状塗布層が形成されたガラス基板を120℃×10分の条件で乾燥させた後、480℃×10分の条件で焼成することによって、膜厚が18μm、線幅が0.3mmの封着材料層を形成した。
その後、他のガラス基板(寸法:7mm×7mm×0.5mmt、第1の基板)と、封着材料層が形成されたガラス基板とを積層して組立体とした。次いで、封着材料層が形成されたガラス基板上に透光基板14となる152mm角で厚み6mmの合成石英基板を配置した状態で、合成石英基板および封着材料層が形成されたガラス基板を通して、封着材料層にレーザ光を照射して評価用ガラスパッケージを作製した。
レーザ光は、波長940nmの半導体レーザー(レーザーライン社製、装置名:LDF)を用い、照射光学系の内部に2軸のホモジナイザー(レーザーライン社製)を配置して、ビーム強度がピーク値の13.5%となる11×11mmで、強度分布が均一である矩形形状の照射形状に調整し、かつ照射強度を600W/cmに調整した。
また、レーザ光の照射は、図6に示すように、組立体の上方から封着材料層の全体に同時に照射して、1対のガラス基板を封着層により封着して評価用ガラス-ガラスパッケージを作製した。この封着材料層を封着するのに要した時間は0.5秒であった。
その後、評価用ガラス-ガラスパッケージにおける各ガラス基板や封着層の状態を観察したところ、クラックや割れの発生は認められず、1対のガラス基板が良好に封着されていることが確認された。また、評価用ガラスパッケージの気密性をレッドチェック試験で評価したところ、良好な気密性を有することが確認された。
(実施例2)
表1に示すように、第1の基板を凹形状を有するセラミックスに変更する以外は、実施例1と同様に封着を行って評価用ガラス‐セラミックスパッケージを製造した。なお第1の基板を構成するセラミックスは、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体であるガラスセラミックスとした。その結果、いずれも、外観や気密性等が良好となることが確認された。
(比較例1および2)
比較例1および比較例2は、それぞれ実施例1および実施例2と同一構成の部材を用いた組立体とし、次いで、封着材料層が形成されたガラス基板上に合成石英基板を配置した状態で、波長808nm、スポット径1.50mm、照射強度26Wのレーザ光(LIMO製半導体レーザー)を4mm/sの走査速度で封着材料層に沿って周方向に1周するように走査しながら照射し封着材料層の溶融および急冷固化を行って、1対のガラス基板を封着して評価用ガラス-ガラスパッケージおよびガラス‐セラミックスパッケージを製造した。この封着に要した時間は5秒であった。
比較例1および2の評価用パッケージでは、封着材料層に沿って封着層に繋ぎ目が発生しないように周方向に1周するようにレーザ光を走査しながら照射することから、封止に要する時間が長くなる。また、レーザ光が複数回照射される領域、すなわち複数回加熱される領域がある。このような領域とそれ以外の領域とでは、封着幅が異なり封着状態が異なることから長期間信頼性を維持することが難しくなるおそれがある。一方、実施例の評価用パッケージでは、封着材料層の全体を一度のレーザ光の照射で加熱しているので、繋ぎ目がなく略均一な封着幅の封着層が得られる。したがって、短時間で良好な封着層を形成でき長期間信頼性を維持できるパッケージが得られる。さらに、実施例1、2および比較例1、2で製造した評価用パッケージの温度サイクル試験(500サイクル、1サイクル:−40〜150℃)を実施した。そして、この温度サイクル試験後のガラス基板と封着部との間またはセラミックス基板と封着部との間の割れや剥離の有無を観察した。これらの結果を表1に示す。実施例1および2では基板や封着部に異常はなく良好な封着が維持されていたが、比較例1および2では、封着部に割れが生じる結果となった。
Figure 2016046232
1…第1の基板、1a…表面、2…第2の基板、2a…表面、3…素子形成領域、4…電子素子部、5…第1の封止領域、6…第2の封止領域、7…封着材料層、10…組立体、11…レーザ光、13…電子デバイス、14…透光基板、15…遮蔽材、21…電子デバイス製造装置、22…試料台、23…レーザ光源、24…レーザ照射ヘッド、25…出力制御部、26…Xステージ、27A、27B…Yステージ、

Claims (15)

  1. 第1の封止領域を有する第1の表面を有する第1の基板と、前記第1の封止領域に対応する第2の封止領域を有する第2の表面を有する第2の基板とを、前記第1の表面と前記第2の表面とが対向するように、かつ前記第1の封止領域と前記第2の封止領域との間に封着ガラスおよびレーザ吸収材を含む封着材料の焼成層である少なくとも一つの矩形形状の封着材料層を介して積層して組立体とする積層工程と、
    前記封着材料層の少なくとも一つを覆う大きさを有するレーザ光を照射して、前記封着材料層の少なくとも一つを溶融させて前記第1の基板と前記第2の基板との間に封着層を形成する封着工程と
    を有する電子デバイスの製造方法。
  2. 前記封着工程において、前記組立体に対して前記レーザ光の照射側に、前記第1の基板と前記第2の基板との間に荷重を印加し、かつ前記レーザ光を透過する透光基板を介して、前記レーザ光の照射を行う請求項1記載の電子デバイスの製造方法。
  3. 前記透光基板は、前記封着材料層で囲まれる領域内で電子素子部に対応する領域に、前記電子素子部への前記レーザ光の照射を抑制する遮蔽材を有する請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記レーザ光の照射時間が0.3〜3sである請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 前記封着材料は、前記レーザ吸収材の含有量が0.1〜40体積%、かつ前記レーザ吸収材と低膨張充填材との合計した含有量が0.1〜50体積%である請求項1乃至4のいずれか1項記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記封着材料層は20μm以下の厚さを有する請求項1乃至5のいずれか1項記載の電子デバイスの製造方法。
  7. 前記封着材料層は5μm以下の厚さ分布を有する請求項1乃至6のいずれか1項記載の電子デバイスの製造方法。
  8. 前記第1の基板および前記第2の基板はガラス基板である請求項1乃至7のいずれか1項記載の電子デバイスの製造方法。
  9. 前記第1の基板と前記第2の基板とが異種材料からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の電子デバイスの製造方法。
  10. 前記第2の基板がガラスからなり前記第1の基板がセラミックスからなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の電子デバイスの製造方法。
  11. 第1の封止領域を有する第1の表面を有する第1の基板と、
    前記第1の封止領域に対応する第2の封止領域を有する第2の表面を有し、前記第1の表面と前記第2の表面とが対向するように配置された第2の基板と、
    前記第1の封止領域と前記第2の封止領域との間に配置された封着層と
    を有する電子デバイスであって、
    請求項1乃至10のいずれか1項記載の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイス。
  12. 第1の封止領域を有する第1の表面を有する第1の基板と、前記第1の封止領域に対応する第2の封止領域を有する第2の表面を有する第2の基板とが、前記第1の表面と前記第2の表面とが対向するように、かつ前記第1の封止領域と前記第2の封止領域との間に封着ガラスおよびレーザ吸収材を含む封着材料の焼成層である少なくとも一つの矩形形状の封着材料層を介して積層された組立体が載置される試料台と、
    レーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光を前記封着材料層の少なくとも一つを覆う大きさを有する形状に照射する光学系を有するレーザ照射ヘッドと、
    前記レーザ照射ヘッドから前記封着材料層に照射されるレーザ光の出力を制御する出力制御部と、
    前記試料台と前記レーザ照射ヘッドとの位置を調整するために移動させる移動機構と、前記移動機構を制御する走査制御部と
    を具備する電子デバイス製造装置。
  13. 前記組立体に対して前記レーザ光の照射側に配置され、前記第1の基板と前記第2の基板との間に荷重を印加し、かつ前記レーザ光を透過する透光基板を有する請求項12記載の電子デバイス製造装置。
  14. 前記透光基板は、前記封着材料層で囲まれる領域内で電子素子部に対応する領域に、前記電子素子部への前記レーザ光の照射を抑制する遮蔽材を有する請求項13記載の電子デバイス製造装置。
  15. 前記遮蔽材は、反射膜である請求項14記載の電子デバイス製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114206799A (zh) * 2019-08-14 2022-03-18 日本电气硝子株式会社 接合体的制造方法和接合体的制造装置
CN114555538A (zh) * 2019-10-10 2022-05-27 日本电气硝子株式会社 接合体的制造方法及接合体的制造装置

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