JP2016042029A - 潤滑油の品質評価方法及び品質評価装置 - Google Patents

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Akihiko Yano
昭彦 矢野
泰広 小林
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泰広 小林
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【課題】複数の評価方法を併用することで、従来に比べて精度のよい品質評価が可能な潤滑油の品質評価方法及び当該方法を実施するための品質評価装置を提供する。【解決手段】潤滑油の品質評価方法は、回転機械に使用される潤滑油の品質評価方法であって、順に、潤滑油を第1の劣化度に劣化させる第1劣化工程と、潤滑油をろ過したフィルタの色情報に基づいて第1の劣化情報を求める第1の評価工程と、潤滑油を第2の劣化度に劣化させる第2の劣化工程と、該潤滑油の残渣量に基づいて第2の劣化情報を求める第2評価工程とを備える。【選択図】図2

Description

本開示は、潤滑油の品質評価方法及び前記方法を実施するための品質評価装置に関する。
タービンのような回転機械では、軸受の潤滑や冷却のために潤滑油が広く用いられている。潤滑油の性質は、その種類によって様々であり、用途に応じて適切な種類を選択する必要がある。特に潤滑油の劣化特性は回転機器の性能に影響が大きいため、潤滑油の選択の際における重要指標の一つとなっている。
潤滑油の劣化特性の評価方法は、様々な手法が提案されている。例えば特許文献1には、スラッジ生成性に基づいた評価方法が開示されている。特許文献1では、TOSTで未使用状態の潤滑油(すなわち新油)を実験室的に強制的に劣化させ、RPVOT残存率が25%になる際のスラッジ量を基準にスラッジ生成性を評価する方法が提案されている(ASTM D4378によれば、タービンに使用される潤滑油はRPVOT残存率が25%まで使用可能であると規定されている)。
また特許文献2には、新油の評価方法ではないが、使用済みの潤滑油(すなわち使用油)をフィルタでろ過し、ろ過後のフィルタの着色状態を分析する、いわゆるメンブレンパッチ法(MPC:Membrane Patch Colorimetry)を用いた評価方法が開示されている。メンブレンパッチ法では、主に、潤滑油に含まれるバーニッシュ(軸受や油圧制御系のスプール弁にラッカーが付着する現象であり、軸受の温度上昇やスプール弁の動作不良を発生させる要因と考えられている)のリスクを数値化できることが提案されている。
特許第4209093号 特許第5190660号
上述したように、潤滑油の品質評価は、潤滑油に含まれるスラッジやバーニッシュに基づいて行われている。ところで、スラッジとバーニッシュは当業者間においても定義が一義的に定められていないのが現状である。ある者は、スラッジとバーニッシュは同じ成分であって、潤滑油中で生成されるものがスラッジであり、メタル表面にコーティング状に生成されるものがバーニッシュであると考えている。また他の者は、スラッジの前駆体がバーニッシュであると考えている。更に他の者は、スラッジは添加剤の劣化物であり、バーニッシュは潤滑油の基油の劣化物であると考えている。
このようにスラッジ及びバーニッシュの違いは、明確になっていないのが現状である。そのため、特許文献1及び2のように様々な評価方法が提案されているものの、これらは個別で運用されるにとどまっている。
また、特許文献1のスラッジ生成性に関する評価は、フィルタ上の残渣量に基づいた評価であるため、例えば潤滑油の劣化初期段階において残渣量が微量である場合や残渣の前駆体しか存在しない場合には、十分な品質評価を行うことが難しいという問題がある。
一方、特許文献2のメンブレンパッチ法は、潤滑油の種類によって着色の程度が異なるため、様々な種類の潤滑油に適用可能な評価方法としては、十分に活用されていないのが現状である。
また、いずれの方法においても、仮に潤滑油中に摩耗粉のような異物が混在する場合には、評価結果が異物の影響を受けてしまい、評価精度の低下、或いは、評価自体が困難になってしまう場合がある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、複数の評価方法を併用することで、従来に比べて精度のよい品質評価が可能な潤滑油の品質評価方法及び当該方法を実施するための品質評価装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る潤滑油の品質評価方法は、回転機械に使用される潤滑油の品質評価方法であって、順に、前記潤滑油の劣化度が第1の劣化度になるように前記潤滑油を劣化させる第1の劣化工程と、前記潤滑油をフィルタでろ過すると共に、該フィルタの色情報に基づいて第1の劣化情報を求める第1の評価工程と、前記潤滑油の劣化度が前記第1の劣化度より高い第2の劣化度になるように前記潤滑油を劣化させる第2の劣化工程と、前記潤滑油の残渣量に基づいて第2の劣化情報を求める第2評価工程と
を備えることを特徴とする。
上記(1)の構成によれば、複数の劣化度において異なる劣化情報を取得することにより、潤滑油の品質について従来に比べて精度のよい評価が可能となる。
第1の劣化度では、潤滑油をろ過したフィルタの色情報に基づいた第1の評価工程を実施する。劣化度が小さい段階では、ろ過後のフィルタ残渣が少ないため、感度の高い第1の評価工程を実施することで、精度のよい劣化情報を取得できる。
一方、第1の劣化度に比べて劣化が進行した第2の劣化度では、潤滑油の残渣量に基づいた第2の評価工程を実施する。第2の劣化度では、ろ過後のフィルタ残渣が多いため、第1の評価工程に比べて感度の低い第2の評価工程を実施しても適切に劣化情報を収集することができる。
このように取得した第1及び第2の劣化情報を組み合わせて評価することで、従来のように単一の劣化情報に基づく品質評価に比べて、精度の良い品質評価を行うことができる。
(2)また幾つかの実施形態では、前記第1の評価工程、及び、前記第2の評価工程の結果を、前記第1の劣化情報が第1の基準値以上であり、且つ、前記第2の劣化情報が第2の基準値未満である第1クラスと、前記第1の劣化情報が前記第1の基準値未満であり、且つ、前記第2の劣化情報が前記第2の基準値未満である第2クラスと、前記第2の劣化情報が前記第2の基準値以上である第3クラスとに分類する分類工程を更に備える。
上記(2)の構成によれば、第1及び第2の劣化情報について、それぞれ基準値に基づいた劣化評価を行うことで、潤滑油を劣化特性に基づいて分類することができる。従来の評価方法では、単一の劣化情報に基づいて評価されていたため、特定の基準値を超えたか否かに基づいて、2種類の劣化特性(例えば、劣化度が「大」又は「小」など)しか評価できなかった。それに対し、本構成では、第1クラス乃至第3クラスという3種類の劣化特性を評価できる。
このように、本実施形態では従来に比べて潤滑油の劣化特性をより詳細に評価可能である。
(3)本発明の少なくとも一実施形態に係る潤滑油の品質評価装置は、回転機械に使用される潤滑油の品質評価システムであって、前記潤滑油について劣化試験を行う劣化試験装置と、前記潤滑油の劣化度を測定する劣化度測定部と、前記潤滑油をフィルタでろ過すると共に、該フィルタの色情報に基づいて第1の劣化情報を求める第1の評価装置と、前記潤滑油の残渣量に基づいて第2の劣化情報を求める第2の評価装置とを備え、前記劣化試験装置によって前記潤滑油の劣化度が第1の劣化度になった場合に、前記第1の評価装置によって第1の劣化情報を求め、前記劣化試験装置によって前記潤滑油の劣化度が前記第1の劣化度より高い第2の劣化度になった場合に、前記第2の評価装置によって第2の劣化情報を求めることを特徴とする。
上記(1)の構成によれば、上述の潤滑油の品質評価方法(上記各種態様を含む)を公的に実施することができる。
本発明の一実施形態は、複数の評価方法を併用することで、従来に比べて精度のよい品質評価が可能な潤滑油の品質評価方法及び当該方法を実施するための品質評価装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る潤滑油の品質評価装置の全体構成を示す模式図である。 図1の品質評価装置によって実施される処理内容を示すフローチャートである。 潤滑油におけるRPVOT残存率とスラッジとの相関の一例を示すグラフである。 潤滑油におけるRPVOT残存率とスラッジとの相関の他の例を示すグラフである。 潤滑油におけるRPVOT残存率とスラッジとの相関の他の例を示すグラフである。 図2の第1の評価工程のサブルーチンを示すフローチャートである。 図4のS202に示すメンブランフィルタ作成に使用されるろ過装置を概略的に示す模式図である。 メンブランフィルタがセットされる第1の評価部を概略的に示す模式図である。 RPVOT残存率とMPCとの相関を示すグラフの一例である。 図2の第2の評価工程のサブルーチンを示すフローチャートである。 RPVOT残存率とスラッジとの相関を示すグラフの一例である。 図2の分類工程のサブルーチンを示すフローチャートである。 MPC及びスラッジによる分類例を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る潤滑油の品質評価装置の全体構成を示す模式図である。図2は、図1の品質評価装置によって実施される処理内容を示すフローチャートである。図3は、異なる種類の潤滑油におけるRPVOT残存率とスラッジとの相関例を示すグラフである。図4は、図2の第1の評価工程のサブルーチンを示すフローチャートである。図5は、図4のS202に示すメンブランフィルタ作成に使用されるろ過装置を概略的に示す模式図である。図6は、メンブランフィルタがセットされる第1の評価部を概略的に示す模式図である。図7はRPVOT残存率とMPCとの相関を示すグラフの一例である。図8は、図2の第2の評価工程のサブルーチンを示すフローチャートである。図9は、RPVOT残存率とスラッジとの相関を示すグラフの一例である。図10は、図2の分類工程のサブルーチンを示すフローチャートである。図11は、MPC及びスラッジによる分類例を示すグラフである。
本実施形態に係る品質評価装置1は、評価対象の潤滑油に対して劣化処理を実施する劣化試験部10と、第1の評価工程を実施する第1の評価部20と、第2の評価工程を実施する第2の評価部30と、第1の評価分20及び第2の評価部30による評価結果を記憶可能な記憶部40と、記憶部40に記憶された評価結果に基づいて潤滑油の劣化状態を分類する分類部50と、評価結果及び分類結果を表示可能な表示部60とを備える。
これらの品質評価装置1の構成要素は、例えばコンピュータのような電子演算器によって構成される。例えば、記憶部40に予め記録された所定のプログラムが実行されることにより、上記各種構成要素が機能ブロックとして実現される。
劣化試験部10は酸化劣化装置であり、例えばASTM D943に示される95℃TOST試験や、ASTM D7873に示される120℃Dry
TOST試験、あるいはJIS K2514で規定される試験に準拠した試験装置が採用される。劣化試験部10は、評価対象の潤滑油に対して試験時間を設定して強制的に劣化させることにより、任意の劣化度の試験油を生成可能である。
第1の評価部20は、第1の評価工程においてMPC(メンブレンパッチ分析)を実施する。第1の評価部20で実施されるMPCの詳細については後述する。
第2の評価部30は、第2の評価工程においてスラッジ生成性評価法を実施する。スラッジ生成性評価法の詳細については後述する。
記憶部40は、第1の評価部20及び第2の評価部30による評価結果を記憶可能なデバイスであって、例えばメモリ、ハードディスク、USBのような各種態様を採用可能である。
分類部50は、予め規定された所定基準に基づいて、評価対象の潤滑油を劣化特性によって複数のクラスに分類する。
表示部60は、評価結果及び分類結果を表示可能なデバイスであって、例えばディスプレイである。
続いて上記構成を有する品質評価装置1によって実施される品質評価方法の具体的内容について、図2を参照して説明する。本実施形態では、評価対象である潤滑油は未使用状態、すなわち、初期劣化度がゼロである新油を用い、以下に述べる各工程を実施することにより、潤滑油の品質特性が評価される。
まず評価対象の潤滑油(新油)を用意し、第1の劣化工程(ステップS100)を実施する。第1の劣化工程では、劣化試験部10によって潤滑油の劣化状態が第1の劣化度になるように強制的に劣化処理が行われる。第1の劣化度は、好ましくはRPVOT残存率が50%以上、更に好ましくは70±10%であるとよい。本実施形態では、第1の劣化度として、潤滑油のRPVOT残存率がA1(=75%)になるように、劣化処理が行われる。
ここで第1の劣化度として、RPVOT残存率が上記範囲であることが好ましい理由について、図3A乃至図3Cを参照して補足的に説明する。図3A乃至図3Cには、それぞれ異なる3種類の潤滑油におけるRPVOT残存率とスラッジとの相関が示されている。
図3Aの例では、RPVOT残存率が低下する従い、スラッジ量が増加し、その後、スラッジ量が略一定の領域を経て、RPVOT残存率が25%未満の領域において再び増加する傾向を示している。これは典型的な潤滑油の特性例であり、RPVOT残存率が25%以上においてスラッジ量Sが第2の基準値S1未満であるため、良好な劣化特性を有する潤滑油の例である。
一方、図3Bでは、RPVOT残存率が低下すると、RPVOT残存率が大きい領域ではスラッジ量が急激に増加した後、その後ゆるやかな増加傾向を示している。また、図3Cでは、RPVOT残存率が低下するに従い、スラッジ量は極大値を有している。
従来の評価方法では、図3B及び図3Cにおいても、RPVOT残存率が25%以上においてスラッジ量Sが第2の基準値S1未満であるため、良好な劣化特性を有するとして図3Aと同様に分類されていた。しかしながら、図3Bや図3CのようにRPVOT残存率が50%以上の領域において、特徴的な特性を有する場合には、バーニッシュのリスクが多い場合があり、実際には図3Aとは区別して評価することが好ましい。そこで、本実施形態では、第1の劣化状態をRPVOT残存率が50%以上の領域(好ましくは70±10%の領域)とし、当該領域で第1の評価工程を実施することで、従来に比べて精度のよい評価を行うことができる。
再び図2に戻って、劣化処理が完了すると、当該劣化した潤滑油について、第1の評価工程が実施され(ステップS200)、第1の劣化情報が取得される。
続いて、第2の劣化工程(ステップS300)が実施される。第2の劣化工程では、再び劣化試験部10によって、潤滑油の劣化状態が第2の劣化度になるように、強制的に劣化処理が行われる。第2の劣化度は、第1の劣化度に比べて劣化状態が進行した状態であり、本実施形態では、第2の劣化度として、潤滑油のRPVOT残存率がA2(=25%)になるように、劣化処理が行われる。
劣化処理が完了すると、当該劣化した潤滑油について、第2の評価工程が実施され(ステップS400)、第2の劣化情報が取得される。
続いて、分類工程(ステップS500)では、第1の評価工程(ステップS200)及び第2の評価工程(ステップS400)で取得した第1及び第2の劣化情報に基づいて、劣化特性に基づいて潤滑油を分類する。
表示工程(ステップS600)では、第1の評価工程(ステップS200)及び第2の評価工程(ステップS400)で取得した第1及び第2の劣化情報を含む評価結果や、分類工程(ステップS500)における分類結果をディスプレイのようなデバイス上に表示する。
次に、第1の評価工程(ステップS200)及び第2の評価工程(ステップS400)の詳細について説明する。
第1の評価工程(ステップS200)では、図4に示される手順に従って、メンブレンパッチ分析が実施される。
まず所定の劣化状態にある潤滑油(図2では、RPVOT残存率が75%に劣化された潤滑油)を用意し(ステップS201)、メンブランフィルタを作成する(ステップS202)。
メンブランフィルタの作成は、例えば図5に示されたろ過装置200を使用して実施される。
ろ過装置200は、防塵用蓋202と、シリンダ204と、フラスコ206と、真空ポンプ208とを備える。シリンダ204とフラスコ206との間には、メンブランフィルタ210が取り付けられる。ステップS200で用意した潤滑油は、例えば油25mlをシリンダ82に注入し、真空ポンプ208を使用してフラスコ206内を減圧することにより行われる。ろ過装置200によりろ過された油はフラスコ206の底部に滴下する。また、油に含まれる汚染物は、メンブランフィルタ210によってシリンダ204側の表面およびメンブランフィルタ210の内部に捕捉された状態となる。
メンブランフィルタ210としては、種々のものを用いることが可能であるが、例えば、孔径0.8μm,直径25mmのセルロースアセテート製のメンブランフィルタ210(アドバンテック東洋株式会社製,製品名:C080A025A)を用いることができる。
続いてステップS202で作成したメンブランフィルタを第1の評価部20にセットする(ステップS203)。図6に示すように、第1の評価部20は、第1光源120,122と、第1カラーセンサ104と、第2光源124,126と、第2カラーセンサ108と、メンブランフィルタ210をセットするための設置部110とを備える。
第1光源120,122は、油の劣化の状態を監視するために、メンブランフィルタ210の第1面(ろ過前の油が存在した側に配置されていた面)212の側に設けられており、第1面212に対して第1光(可視光線)を発光可能に構成されている。第2光源124,126は、第1面212の裏側の面である第2面214の側に設けられており、第2面214に対して第2光(可視光線)を発光可能に構成されている。
尚、第1光源120,122及び第2光源124,126は、例えば白色LEDによって構成される。
設置部110には、空洞部114が形成されている。空洞部114によって、第1光源120,122からの第1光に基づく第1透過光が、第1カラーセンサ104側に遮断されず、かつ第2光源124,126からの第2光が、第2面214に到達可能なようになっている。特に、メンブランフィルタ210は、メンブランフィルタ210のうち、油をろ過した部分、つまり汚染物216を捕捉した部分が空洞部114に合致するよう、セットされる。
第1カラーセンサ104は、第2面214の側に設けられる。第1カラーセンサ104は、第1光が設置部110にセットされたメンブランフィルタ210を透過した第1透過光、つまり第1面212から入射し、第2面214から出射した第1透過光の色成分を検出する。また、第1カラーセンサ104は、第2光が設置部110にセットされたメンブランフィルタ210の第2面214で反射した第2反射光の色成分を検出する。
第2カラーセンサ108は、第1面212の側に設けられる。第2カラーセンサ108は、第2光が設置部110にセットされたメンブランフィルタ210を透過した第2透過光、つまり第2面214から入射し、第1面212から出射した第2透過光の色成分を検出する。また、第2カラーセンサ108は、第1光が設置部110にセットされたメンブランフィルタ210の第1面212で反射した第1反射光の色成分を検出する。
第1カラーセンサ104および第2カラーセンサ108は、RGBカラーセンサによって構成され、波長が380nm〜780nmの範囲の可視光線領域を、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分(色信号)に分けて検出する。検出される各色成分は、256階調の各値で表される。以下、赤(R)、緑(G)、青(B)の各値を総称して適宜「RGB値」と称することとする。
ここで、メンブランフィルタ210は、その表面が波打ちせずに設置面112と略平行な面を形成するように、リング状ホルダ213により保持されている。リング状ホルダ213は、互いに連結される一対の部材からなり、一対の部材の間にメンブランフィルタ210の外周縁部が挟まれた状態で保持される。
続いて、第1光源120,122から第1光を投射し(S204)、メンブランフィルタ210を透過した第1透過光を、第1カラーセンサ104で、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分に分けて検出する(S205)。そして、第1光源120,122からの第1光がメンブランフィルタ210の第1面212で反射した第1反射光を、第2カラーセンサ108で、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分に分けて検出する(S206)。
続いて、第2光源124,126から第2光を投射し(S207)、第2カラーセンサ108で、メンブランフィルタ210を透過した第2透過光を、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分に分けて検出する(S208)。そして、第2光源124,126からの第2光がメンブランフィルタ210の第2面214で反射した第2反射光を、第1カラーセンサ104で、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分に分けて検出する(S209)。
続いて、第1の評価部20は、第1カラーセンサ104および第2カラーセンサ108のそれぞれによって検出された、第1透過光の各色成分(RGB値)と、第2反射光の各色成分(RGB値)と、第2透過光の各色成分(RGB値)と、第1反射光の各色成分(RGB
値)とを用いて、第1透過光、第2透過光、第1反射光および第2反射光のそれぞれについて、最大色差を演算する(S210)。
ここで、最大色差は、RGB値の各値のうち、最大値と最小値との差であり、これにより、汚染物の性状を大まかに分類できることがわかっている。最大色差が大きい場合は、汚染物中のトルエンに可溶なスラッジなどの酸化生成物が多く、油をろ過したメンブランフィルタ210の色は茶系に変化する。最大色差が小さい場合は、メンブランフィルタ210の色が黒系、白系のときである。黒系に変化する場合、トルエンに不溶な摩耗粉や混入物が多量に混入している。白系は逆に劣化が進んでいない清浄な油である。
第1透過光を例にすれば、第1透過光のR値が「235」で、G値が「219」で、B値が「190」である場合、R値とG値との差(絶対値。以下同じ)は「16」であり、R値とB値との差は「45」であり、G値とB値との差は「29」である。したがって、最大色差は、「45」である。すなわち、制御装置は、第1透過光の最大色差について、「45」を演算結果として取得する。なお、第2透過光などについても、同様に演算される。その説明(例示)は省略する。
続いて第1の評価部20は、ΔERGBを演算する(S211)。油をろ過したメンブランフィルタ210の色は、油の汚れとともに濃色化し、白(255,255,255)から離れてゆくことから、白(255,255,255)と任意のメンブランフィルタ210との2色間距離をΔERGBと定義した。ΔERGBは、白(255,255,255)である場合に、最小値(0)となり、色が濃くなり黒(0,0,0)となると最大値(441.67)を示す。
尚、S118では、S116と同様に、第1透過光の各色成分(RGB値)と、第2反射光の各色成分(RGB値)と、第2透過光の各色成分(RGB値)と、第1反射光の各色成分(RGB値)とを用いて、第1透過光、第2透過光、第1反射光および
第2反射光のそれぞれについて、ΔERGBを演算する。また、油の酸化生成物の色は、R値≧G値≧B値である。
このように取得した最大色差、及び、ΔERGBは、第1の劣化情報として記憶部40に記憶される(ステップS212)。第1の劣化情報は、RPVOT残存率とMPC(最大色差、及び、ΔERGB)とが対応付けられた状態で記憶され、例えば図7に示されるように、関数的な振る舞いを有する。
続いて第2の評価工程(ステップS400)では、図8に示される手順に従って、スラッジ生成性評価が実施される。
まず所定の劣化状態にある潤滑油(図2では、RPVOT残存率が25%に劣化された潤滑油)を用意し(ステップS401)、ろ過未処理のメンブランフィルタ単体重量W1を測定する(ステップS402)。そして、ステップS401で用意した潤滑油をメンブランフィルタでろ過する(ステップS403)。このとき、潤滑油のろ過処理量(ろ過された潤滑油の重量)L(kg)を測定する(ステップS404)。
続いて、ろ過処理が完了した後のメンブランフィルタの重量W2を測定する(ステップS405)。メンブランフィルタの重量は、ろ過時に潤滑油中に含まれるスラッジ等が残存することによって、ろ過処理前に比べて少なからず増加している。そして、メンブランフィルタの残渣重量W(mg)を次式
W=W2―W1 (1)
により算出する(ステップS406)。更に、この結果に基づいて、スラッジ生成性Tを次式
T(mg/kg)=W/L (2)
により算出する(ステップS407)
このように取得したスラッジ生成性Tは、第2の劣化情報として記憶部40に記憶される(ステップS408)。第2の劣化情報は、RPVOT残存率とスラッジ生成性Tとが対応付けられた状態で記憶され、例えば図9に示されるように、関数的な振る舞いを有する。
続いて、分類部50における分類手順について、図10及び図11を参照して説明する。
記憶部40には第1の劣化情報(MPCの評価結果M)に対応する第1の基準値M1、及び、第2の劣化情報(スラッジ生成性の評価結果S)に対応する第2の基準値S1が予め記憶されている。図10に示すように、分類部50は、まず記憶部からを第1の基準値M1及び第2の基準値S1を取得する(ステップS501)。分類部50はまず第2の劣化情報Sが第2の基準値S1より大きいか否かを判定する(ステップS502)。第2の劣化情報Sが第2の基準値S1より大きい場合(ステップS502:YES)、分類部50は、評価対象の潤滑油を第1クラス(図11を参照)に分類する(ステップS503)。
一方、第2の劣化情報Sが第2の基準値S1以下である場合(ステップS502:NO)、分類部50は、更に、第1の劣化情報Mが第1の基準値M1より大きいか否かを判定する(ステップS504)。第1の劣化情報Mが第1の基準値M1より大きい場合(ステップS502:YES)、分類部50は、評価対象の潤滑油を第2クラス(図11を参照)に分類する(ステップS505)。第1の劣化情報Mが第1の基準値M1以下である場合(ステップS502:NO)、分類部50は、評価対象の潤滑油を第3クラス(図11を参照)に分類する(ステップS506)。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の劣化度において異なる劣化情報を取得することにより、潤滑油の品質について従来に比べて精度のよい評価が可能となる。
劣化度の小さい第1の劣化度では、潤滑油をろ過したフィルタの色情報に基づいた評価を実施する。劣化度が小さい段階では、ろ過後のフィルタ残渣が少ないため、感度の低い残渣量に基づいた評価に代えて、感度の高い色情報に基づいた第1の劣化情報を取得することで、精度よく劣化状態を評価することができる。
一方、劣化度の大きな第2の劣化度では、潤滑油の残渣量に基づいた評価を実施する。劣化度が大きい段階では、ろ過後のフィルタ残渣が多いため、感度の低い残渣量に基づいた第2の劣化情報を取得することで、第1の劣化情報とは異なる観点から、劣化状態を適切に評価することができる。
このように、複数の劣化度において異なる劣化情報を組み合わせて評価することで、単一の劣化情報にもとづいていた従来方法に比べて、潤滑油の品質をより詳しく評価することができる。
また、第1の劣化情報については第1の基準値、第2の劣化情報については第2の基準値を用いて、それぞれ評価を行うことによって、少なくとも3種類の劣化状態(第1クラス乃至第3クラス)を評価可能である。一般的な評価方法では、単一の劣化情報に基づいた評価が行われており、典型的には、当該劣化情報に対応する特定の基準値を超えたか否かに基づいて、2種類の劣化状態(例えば、劣化度が「大」又は「小」など)しか評価できなかった。
このように、本実施形態では従来に比べて潤滑油の劣化状態をより詳細に評価可能である。
本開示は、潤滑油の品質評価方法及び当該方法を実施するための品質評価装置に利用可能である。
10 劣化試験部
20 第1の評価部
30 第2の評価部
40 記憶部
50 分類部
60 表示部
100 品質評価装置
200 ろ過装置
202 防塵用蓋
204 シリンダ
206 フラスコ
208 真空ポンプ
210 メンブランフィルタ

Claims (3)

  1. 回転機械に使用される潤滑油の品質評価方法であって、順に、
    前記潤滑油の劣化度が第1の劣化度になるように前記潤滑油を劣化させる第1劣化工程と、
    前記潤滑油をフィルタでろ過すると共に、該フィルタの色情報に基づいて第1の劣化情報を求める第1の評価工程と、
    前記潤滑油の劣化度が前記第1の劣化度より高い第2の劣化度になるように前記潤滑油を劣化させる第2の劣化工程と、
    前記潤滑油の残渣量に基づいて第2の劣化情報を求める第2評価工程と
    を備えることを特徴とする潤滑油の品質評価方法。
  2. 前記第1の評価工程、及び、前記第2の評価工程の結果を、
    前記第1の劣化情報が第1の基準値以上であり、且つ、前記第2の劣化情報が第2の基準値未満である第1クラスと、
    前記第1の劣化情報が前記第1の基準値未満であり、且つ、前記第2の劣化情報が前記第2の基準値未満である第2クラスと、
    前記第2の劣化情報が前記第2の基準値以上である第3クラスと
    に分類する分類工程を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油の品質評価方法。
  3. 回転機械に使用される潤滑油の品質評価システムであって、
    前記潤滑油について劣化試験を行う劣化試験装置と、
    前記潤滑油の劣化度を測定する劣化度測定部と、
    前記潤滑油をフィルタでろ過すると共に、該フィルタの色情報に基づいて第1の劣化情報を求める第1の評価装置と、
    前記潤滑油の残渣量に基づいて第2の劣化情報を求める第2の評価装置と、
    を備え、
    前記劣化試験装置によって前記潤滑油の劣化度が第1の劣化度になった場合に、前記第1の評価装置によって第1の劣化情報を求め、
    前記劣化試験装置によって前記潤滑油の劣化度が前記第1の劣化度より高い第2の劣化度になった場合に、前記第2の評価装置によって第2の劣化情報を求めることを特徴とする潤滑油の品質評価システム。
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