JP2016041438A - 「黒点」溶接用ラッピングカッター - Google Patents
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Abstract
【課題】スポット溶接電極材料の消費を制限するスポット溶接用のラッピングカッターを提供する。【解決手段】本体11がラップしようとする電極先端の形を実質的に補完するようなボウルの形状をした凹面を持つ少なくとも一つの面と;前記凹面16の中にせり出し実質的に補完的な形で切り刃22,23を受けるよう意図された,その端が凹面の壁からある距離をおいて伸びる放射状の溝穴20,21,及び電極側面の適宜ラッピング手段を含む。【選択図】図1
Description
本発明は,固定した台付きのあるいはロボットにより運搬される手動抵抗スポット溶接設備の電極ラッピング用の取り外し可能なラッピングカッターに関する。
一般的に,モーターあるいは動作レバーと関連した自由回転式装置,あるいは他の装置と関連する工具ホルダーリングに取り外し可能に取り付けられた実質的に円筒形的なラッピングカッターはすでに特許申請番号FR 95 10645や特許申請番号FR 96 14505により本願出願人の名義で提案されている。
この円筒形的本体はボウル状にくぼんだ放射状の面を含み,そこには少なくとも一つの,軸方向に交叉するプリズム状の空洞が,丸い扇形を画定する。
ラッピングカッターはまた,プリズム状の空洞の放射状の面に沿って取り外し可能に取り付けられるように適合された,本体より硬い物質からできた少なくとも一つの取り外し可能な切り刃を含む。
この切り刃は多かれ少なかれ大きな逃げ付きの刃先を持っており,この刃先は凹面に対して突出し,そして,その形はラップしようとする先端の形状に対応している。
もちろん,ラッピングカッターが電極のラッピングを(後者を取り外すことなく)元の場所で実行しようと意図している場合は,ラッピングカッターは同じトングの2本の同軸電極を同時に扱うことができるように2枚あってもよい。この場合,本体の二つの放射状の面は,対称の中央平面に対して対称的な二つの同軸の凹面を有する。その部分用の刃は前記平面に対して実質的に対称的な二つの刃先を含む。
しかしながら,たとえば板金用に400個の溶接点ごとにラッピングが必要なため,このことは電極の銅をかなり消費することになり,従って材料の高コスト化と摩耗した電極交換のために多々中断することとなる。アルミニウムの溶接の場合,特に溶接品質の低下を招く電極上のアルミナ堆積物のためにラッピングはさらに頻繁になり,たとえば20から25スポット毎となる。銅のコストはこの組み立て方法をアルミニウムに使うことに疑問を抱かせるようなものになる。
本発明の目的は,従ってさらに特にこれらの欠点を排除することにある。特に,本発明の目的は,スポット溶接電極材料の消費を制限する方法と装置を提供することにある。
この目的のため,本発明では,その本体がラップしようとする先端に実質的に補完的なボウル形の凹面を持つ少なくとも一つの主要な放射状の面;前記凹面中にせり出し実質的に補完的な形で切り刃を受けるよう意図された,その端が凹面の壁からある所定の距離をおいて伸びる放射状の溝穴,そして電極側面の適宜ラッピング手段を含むスポット溶接電極用のラッピングカッターを提案する。
好ましくは,前記適宜ラッピング手段は,ボウルの底と刃の上との間に,取り除かれた切り屑が電極端上のものよりも側面上のものの方が大きくなるように変化する軸方向のある距離を有する。さらに,できれば切り屑は特にいわゆる「黒点」溶接では先端では皆無である方がよい。距離はできれば中央から遠ざかるに従い小さくなる方がよい。
このようなカッターはできれば空洞の中心近くに形成された放射状のプラットホームを含む。このプラットホームは,少なくとも部分的には,各刃の底面により形成されていてもよい。また刃の底面の近くで,ボウルの一部により形成されていてもよい。刃はその底面で形成される中空を含んでもよい。底面の逃げはできれば実質的にゼロであるとよい。こうして電極の先端は,ラッピング時には十分に距離ないし余地がある。
カッターの凹面はできれば刃の斜面上で肩を形成し,前記肩の高さ,いわゆる凹角は,斜面が上昇するに従い減少する。好ましくは,斜面に沿って,肩(40)の底面に対する切断線の高さは前記肩の高さ,すなわち凹角よりも大きい。
できれば刃の斜面は,切り込みが電極先端よりも側面上でより攻撃的になるように変化するアンダーカットを形成する。こうして好ましくは,アンダーカットは軸から遠ざかるにつれて減少する。
本発明の実施形態を,添付図面の非限定的例示について以下に述べる。
図1は,スポット溶接電極用のダブルラッピングカッター10を示す。カッター10は主軸X10に対し実質的に円筒状の本体11を含む。カッターは図1に破線で示す放射状平面Pに対して実質的に対称である。対称平面Pのどちらかの側には,カッターはラッピング手段13を有する。2本の電極を含む溶接トングのために,トングにより効果を発揮する締め込みが電極各々と各ラッピング手段に対してかみ合いを招き,カッターはある意味2本の電極の間に挟まれることになる。図1では,電極の一つのために意図されたラッピング手段13をカッター頂部に見ることができる。
円筒体11は,たとえば鋼板製である。カッターは,またその中に二つの駆動面15を形成する駆動輪14を含む;該輪14は本体11の上端から放射状に伸びている。前記駆動輪14はラッピングカッター10を回転し2本の電極を同時にラッピングする。カッター10の平面及び底面は互いに実質的に同一である。そのため,図1及び図2に示す平面のみを説明する。
それぞれの面はボウル16の形状の凹面をしている。ラッピングカッター10はまた軸に沿って動く,断面が長方形でカッターの軸に対して径方向に対向する2本の溝穴20,21を含む。2本の溝穴20,21は,二つの凹面でせり出し,カッターの中心軸からカッターの半径より小さい距離を駆動輪14まで放射状に伸びる。
これら溝穴20,21のそれぞれには,補完的な断面を持つ刃22,23が係合し,その形状がラップすべき電極先端の半分の形状に実質的に対応する二つの刃先24を含む。同じ刃の二つの刃先24のそれぞれは,切断線を形成し,多かれ少なかれそれぞれの凹面16の壁に対して突出しつつ広がる。切断線はかくして壁からD24の距離にある。刃22,23は重なり,これはたとえばそれらが互いに各ボウル16の中心で相互に並列に設けられている。
ラッピングカッターのくぼんだ面のそれぞれは,各刃に近い領域には,放射面にカッターの中心軸から始まる円状の扇形の断面を持つそれぞれ凹型のぬすみ30を含む。ぬすみのそれぞれはめくらで(移動せず;non-traversing)軸平面に湾曲した形を持ち,その深さは,主要面に対して,本体の中心から始まり増加しその後,最大を過ぎた後は,本体の円筒壁まで減少する。これらのぬすみ30はラッピング中に形成される切り屑を放射的に排出させ,詰まり現象そして詰まりのために生じるラッピングの不正確さを防ぐ。
本発明を,図4から図7の断面図を参照し,特に図3の詳細を参照しつつ説明する。断面は本体の軸X10に平行に,刃22の内一つを横切り,対応する刃先24の軸平面に垂直方向にとられている。
図示した例では,本体11は,40mmに実質的に等しい外径D11を有する。図4から図7にそれぞれ図示される垂直断面IV−IV,V−V,VI−VI,VII−VIIの位置は,図2の平面図,また図3の立面図にマークされている。
図4のIV−IV矢視断面は,軸X10から0.2mmの距離にとられている;図5のV−V矢視断面は,図4のそれからD45=1.7mmの距離にとられている;図6のVI−VI矢視断面は,図5のそれからD56=4mmの距離にとられている;そして図7のVII−VII矢視断面は,図6のそれからD67=8mmの距離にとられている。図3において,図4の断面は,破線で示され,他の断面は実線で示されている。対称平面Pのアウトラインは水平点線で示されている。刃先24を擁する軸平面P24のアウトラインは垂直な破線で示されている。
図4及び図5に示すように,各刃22,23は,軸X10に近接してボウルの隣接領域32と共に,軸X10に直交するプラットホームを形成する底面31を含む;すなわちプラットホーム31,32の領域には,刃の逃げはない;このように,断面IV−IVではボウル16のプロフィールC4は刃の底面31とは肩を形成しない。
V−V矢視断面では,刃の底面31はわずかな中空36を形成する。ボウル16のプロフィールC5はその中に刃の底面31と共に高さH5の肩を形成する。刃の逃げはそこにはない。
底面31の向こうに,刃は軸X10から離れる方向に動くと上昇する斜面34を形成する。底面31と斜面はそれらの間に結合線35(図1及び図2を参照)を形成する。
VI−VI矢視断面では,刃の斜面34は,ボウル16のプロフィールC6と共に,H6がV−V矢視断面の肩の高さH5より大きくなるように,高さH6の肩40を形成する。加えて,刃には,VI−VI矢視断面で切断線の先端L6が肩より高くなるように,つまり肩40の底面上の切断先端L6の高さH61が切断におけるこの肩の高さH6より大きくなるように,そしてその故にH61>H6となるように,アンダーカットH61を設ける。
VII−VII矢視断面において,刃の斜面34は,ボウル16のプロフィールC7により,高さH7がV−V矢視断面の肩の高さH6より小さくなるように,高さH7の肩40を形成する。加えて,VII−VII矢視断面で切断線の先端L7が肩より高くなるように,すなわち肩40の底面上の切断先端L7の高さH71が切断での肩の高さH6より大きく,そして故にH71>H7となるように,刃にアンダーカットCD7を設ける。
肩40の高さH5,H6,H7は一般に凹角と言われる。
このように,ボウルの領域32には,軸X10の近くには,肩も刃の逃げあるいはアンダーカットもない。逃げは結合部35までゼロのままである一方,軸X10から遠ざかるにつれ肩40が形成され結合部35と実質的に一直線にその高さの最高に達する。肩40はその後斜面34に沿って徐々に底面31から遠ざかるにつれ減少する。このような配置は切り屑の厚さの制御を可能にし,こうして切り屑は軸X10から遠ざかるにつれて大きくなり,すなわち電極の先端よりも側面においてより大きくなり,先端はプラットホーム31,32に落ち着く。アンダーカットはこのように斜面に沿って変化し,切断は電極先端周辺よりも側面で攻撃的になる。
カッターの凹角H5,H6,H7は,いわば刃とガイドボウルとの間の距離であるが,物質の除去を制御する。除去する厚さは特に前もって装置によって決めることができ,回転数,溶接トングの締め付け力及び/又はラッピングカッターの回転速度も考慮に入れられる。
好ましくは,刃に使う物質はHSS又は溶接鋼材用カーバイドタイプとする。電極の動作面に研磨仕上げを持たせるためには,アルミニウムの溶接用によりきめ細かいカーバイドを使ってもよい。
本来本発明は説明された例に限定されない。このようにカッターはダブルではなく単一でもよい。
Claims (10)
- その本体(11)がラップしようとする電極先端の形を実質的に補完するようなボウルの形をした凹面(16)を持つ少なくとも一つの面と;前記凹面(16)の中にせり出し実質的に補完的な形(24)で切り刃(22,23)を受けるよう意図された,その端が前記凹面(16)の壁からある距離をおいて伸びる放射状の溝穴(20,21),及び電極側面の適宜ラッピング手段を含むスポット溶接用のラッピングカッター(10)。
- 前記凹面(16)の中央周辺に放射状のプラットホーム(31,32)を含むことを特徴とする請求項1記載のスポット溶接用のラッピングカッター(10)。
- 前記プラットホームが少なくとも一部分なりとも各刃の底面(31)により形成されていることを特徴とする請求項2記載のスポット溶接用のラッピングカッター(10)。
- 前記プラットホームがボウルの一部(32)により刃の底面の近くに形成されていることを特徴とする請求項3記載のスポット溶接用のラッピングカッター(10)。
- 前記切り刃の少なくとも一方がその底面にぬすみ(36)を含むことを特徴とする請求項2〜4いずれか1項記載のスポット溶接用のラッピングカッター(10)。
- 前記切り刃の底面(31)の逃げが実質的にゼロであることを特徴とする請求項2〜5いずれか1項記載のスポット溶接用のラッピングカッター(10)。
- 前記凹面(16)が刃の斜面(34)の上に肩(40)を形成し,前記肩(40)の高さ(H5−H7)が斜面が上昇するにつれ減少することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のスポット溶接用のラッピングカッター(10)。
- 前記斜面に沿って,肩の底面に対する切断線(L6,L7)の高さ(H61,H71)が前記肩の高さ(H6,H7)よりも大きいことを特徴とする請求項7記載のスポット溶接用のラッピングカッター(10)。
- 切断が電極先端よりも側面で攻撃的になるように前記切り刃の前記斜面(34)が変化するアンダーカット(C6,CD7)を形成することを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載のスポット溶接用のラッピングカッター(10)。
- 前記アンダーカット(C6,CD7)が軸(X10)から遠ざかるにつれ減少することを特徴とする請求項9記載のスポット溶接用のラッピングカッター(10)。
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JP2014166077A JP2016041438A (ja) | 2014-08-18 | 2014-08-18 | 「黒点」溶接用ラッピングカッター |
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- 2014-08-18 JP JP2014166077A patent/JP2016041438A/ja active Pending
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