JP2016041244A - 縫合装置及び縫合糸 - Google Patents

縫合装置及び縫合糸

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Abstract

【課題】内視鏡的処置術に用いる小型且つ操作性が高い縫合装置及びこの縫合装置に適した縫合糸を提供する。
【解決手段】本発明の縫合装置1は、下端部が基台20に連結されていて上端部から縫合糸10を押し出す押出機構30と、下端部が前記基台に連結されていて上端部から前記縫合糸を引き込む引込機構40とを備えており、前記押出機構及び引込機構はそれぞれ少なくとも第1リンク部材31、第2リンク部材32及び糸保持部33から構成されており、前記第1リンク部材はその下端の第1関節部34において前記基台に対して回転可能に軸支されると共にその上端の第2関節部38において前記第2リンク部材に対して相対的に回転可能に軸支されており、前記糸保持部は前記縫合糸を保持した状態で前記第2リンク部材の長手方向に沿って移動可能に支持されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、腹部の切開を必要としない内視鏡的処置術に用いる小型且つ操作性が高い縫合装置及びこの縫合装置に適した縫合糸に関する。
外科手術は大きく分けて拡大手術と縮小手術の二つに分けられる。拡大手術は患者の体表を切り開いて患部を治療する従来の手術方式である。
近年では医療機器の進歩に伴い、患者の術後の生活の質(QOL:クオリティ・オブ・ライフ)を重要視し始めており、現在では縮小手術(低侵襲手術)の方が増えてきている。低侵襲手術は内視鏡を用いた手術方式であり、体表の切開面積が拡大手術よりも小さいため、侵襲が比較的小さいとされている。ただし、手術内容は従来の拡大手術とほとんど変わらない。また、医師により熟練度が異なるため、必ずしも拡大手術より低侵襲であるとはいえない。
代表的な低侵襲手術として、腹腔鏡手術と内視鏡的処置術があげられる。腹腔鏡手術は拡大手術よりも切開面積が小さいため患者への負担を軽減できる。しかし、医療機器を操作して拡大手術とほぼ同じ内容の手術を行うため手術時間が長くなる。当然、手術時間が長いほど患者への負担も大きくなり、従来の手術よりも劣る場合もある。その中でも特に影響が大きいのは縫合である。小さな針を患部に通して掴み直す動作は、処置具越しでは難しい作業であるため、従来の手術と比較すると大きな時間を要する。
内視鏡的処置術では口から内視鏡を挿入して手術を行うため、体表に傷を作らず、腹腔鏡手術よりも低侵襲性に優れ、外的ストレスも少ない。しかし、小さな腫瘍しか取り除けないという短所がある。その原因は現状では縫合する方法が無いことにある。大きな腫瘍の場合、縫合を行えない内視鏡的処置術では切除できない。治療するには別の手術に移行する必要があり、その結果、手術時間の延長もしくは手術回数の増加となり、身体への負担はより大きくなる。
従来の縫合装置として例えば特許文献1には、組織を穿孔する様に設定された縫合用の曲針と、縫合糸を係合する様に前記針上に配設される針スリットと、針が組織を穿孔後、縫合糸の少なくとも一部を回収するために縫合装置の遠位端側面に配設された捕捉装置と、可撓性コイルに配設され、針を操作する様に設計されたワイヤとを具備する内視鏡用縫合器が開示されている。
特開2009-178568号公報
ところが、上記従来技術では以下のような問題があった。
すなわち、針と縫合糸とが別体の構成になっており、2本の縫合糸の端部を把持しながらノット(結び目)を作って胃壁等の組織を縫合していくという複雑な作業を、内視鏡で監視しながら進めていく必要があるため、縫合作業が複雑且つ時間を要するという問題があった。また、装置が比較的大型になり、患者に負担が掛かるという問題もあった。
本発明はこのような問題に鑑み、腹部の切開を必要としない内視鏡的処置術に用いる小型且つ操作性が高い縫合装置及びこの縫合装置に適した縫合糸を提供することを課題とする。
本発明の縫合装置は、下端部が基台に連結されていて上端部から縫合糸を押し出す押出機構と、下端部が前記基台に連結されていて上端部から前記縫合糸を引き込む引込機構とを備えており、前記押出機構及び引込機構はそれぞれ少なくとも第1リンク部材、第2リンク部材及び糸保持部から構成されており、前記第1リンク部材はその下端の第1関節部において前記基台に対して回転可能に軸支されると共にその上端の第2関節部において前記第2リンク部材に対して相対的に回転可能に軸支されており、前記糸保持部は前記縫合糸を保持した状態で前記第2リンク部材の長手方向に沿って移動可能に支持されていることを特徴とする。
また、前記糸保持部は、前記縫合糸が挿入される開口部を有する糸保持部本体と、U字状のパイプと、パイプ内に挿入される複数のボールと、パイプの一方の端部に挿入されてその下端において前記ボールと接触する第1ロッドと、パイプの他方の端部に挿入されてその下端において前記ボールと接触すると共にその上端において前記糸保持部本体に接合される第2ロッドと、前記第1ロッドを下方に引っ張る第1ワイヤと、前記第2ロッドを下方に引っ張る第2ワイヤとを備えており、前記第1ワイヤを下方に引っ張ることで前記第1ロッドが前記パイプ内を下方に移動し、当該第1ロッドに押された前記複数のボールが前記パイプ内を移動することで、前記第2ロッドが前記パイプ内を上方に移動し、これにより前記糸保持部本体が前記縫合糸を保持した状態で前記第2リンク部材の長手方向に沿って上方に移動することを特徴とする。
また、前記縫合糸はその先端に針を備えており、その中間に先端から後端に向かって拡径するコマを連続させてなる段付き部を備えており、その後端に当該縫合糸自身が挿入されることで前記段付き部で締結される締結部を備えていることを特徴とする。
また、前記縫合糸が生体内で吸収される材料からなることを特徴とする。
また、前記縫合糸の針がポリ乳酸からなり、コマがポリカプロラクトンからなることを特徴とする。
また、縫合作業開始時点において、前記針は前記押出機構の第2リンク部材の上端に位置しており、前記段付き部は前記押出機構の糸保持部及び前記引込機構の糸保持部に保持されており、前記締結部は前記引込機構の第2リンク部材の上端に位置しており、前記押出機構の第2リンク部材と、前記引込機構の第2リンク部材の上端同士を対向させた状態で、押出機構から順次押し出される縫合糸を引込機構が順次引き込むことで縫合糸を環状に形成し、前記締結部において固定することを特徴とする。
本発明の縫合装置は、押出機構と引込機構がほぼ同一の構造を備えるため、装置全体を小型化することができる。
また、縫合糸の押出動作及び引込動作を、ワイヤを引っ張る動作だけで行うことができるので、縫合作業を簡略化でき、また、作業時間の短縮にも貢献できる。
また、縫合糸が針と糸の両方の機能を兼ね備えているので、縫合作業を簡略化できる。また、段付き部を備えることで縫合糸が挿入方向と反対の方向に移動し難くすることができ、作業効率を向上できる。
また、縫合糸を生体内で吸収される材料で形成することにすれば、抜糸作業が不要となり、患者の負担を軽減できる。
また、縫合糸の針をポリ乳酸、コマをポリカプロラクトンで形成する場合、針が固く、段付き部が柔らかくなる。針を固くすることで胃壁等の縫合対象物に縫合糸を貫通させ易くできると共に、縫合終了後に針部分だけを折って切断し、除去し易くなる利点がある。また、段付き部を柔らかくすることで縫合糸を環状に変形させ易くなると共にその径を容易に小さくできる利点がある。
縫合装置の外観を示す図(a)及び(b) 縫合装置の内部構造を示す図 縫合糸の構造を示す図(a)〜(d) 第1リンク部材の構造示す図 第1リンク部材の構造示す図 第1リンク部材の構造示す図 第2リンク部材の構造示す図 第2リンク部材の構造示す図 第2リンク部材の構造示す図 糸保持部の構造を示す断面図 糸保持部の構造を示す斜視図(a)及び断面図(b) 糸保持部の構造を示す断面図 糸保持部の構造を示す断面図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 縫合装置の動作を示す模式図 実施例1において縫合糸の成形に使用した金型を示す図 成形時の時間と温度の関係を示すグラフ コマの寸法を示す図 引張強度試験を説明するための図 引張強度試験の結果を示すグラフ 正送り試験を説明するための図 正送り試験の結果を示すグラフ 逆送り試験を説明するための図 逆送り試験の結果を示すグラフ 試験結果をまとめた表(a)及びJISの医療用絹製縫合糸の基準を示す表(b) 実施例2の縫合糸を示す図 3種類の縫合糸の引張強度試験の結果を示すグラフ 縫合糸を豚の胃壁に縫合した状態を示す図
本発明の縫合装置1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように縫合装置1は縫合糸10、基台20、押出機構30及び引込機構40から概略構成される。図1(a)に示した状態において縫合装置1の寸法は例えば直径が6mm、高さが32mm程度と従来の縫合装置と比較して小型化することができる。
基台20、押出機構30及び引込機構40は金属材料又は樹脂材料で構成される。金属材料としては例えば、ステンレス、アルミニウム、チタニウム等が挙げられ、樹脂材料としては例えばPEEK、ポリカーボネイト、ポリサルフォン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
図3(a)〜(d)に示すように縫合糸10はその先端に針11を備えており、その中間に先端から後端に向かって拡径するコマ12を連続的に形成した段付き部13を備えており、その後端に締結部14を備えている。
縫合糸10は生体内で吸収される材料で形成されており、例えば生分解性プラスチックとして知られるポリ乳酸等を用いるのが好ましい。
締結部14の内面はコマ12の形状に対応して前方から後方に向かって縮径するように形成されている。針11の先端を締結部14の前方から後方に挿入していくことで、縫合糸10は段付き部13において段階的に係止され、これにより縫合糸10を環状に締結する仕組みになっている。締結部14によって縫合糸10は挿入方向と反対方向には移動し難い(締結部14から抜け出し難い)構造になっている。
基台20はその表面に押出機構30及び引込機構40を連結するための土台となる部材である。図示は省略するが、基台20の下側にはチューブが接続されており、当該チューブ内に後述するワイヤ等が挿入されて作業者の手元に至るようになっている。
押出機構30はその下端部が基台20に連結されており、その上端部から縫合糸10を外側に押し出すために設けられる。
なお、押出機構30と引込機構40の構造はほぼ同様であり、以下、引込機構40の図を用いて説明する場合がある。
押出機構30は、具体的には第1リンク部材31、第2リンク部材32及び糸保持部33から構成されている。
第1リンク部材31は本実施の形態では2本の柱状部材で構成されており、その下端の第1関節部34において基台20に対して回転可能に軸支されている。
第1リンク部材31を第1関節部34を中心にして回転させるための機構については周知の技術を使用すればよいため詳細な説明は省略するが、例えば図4〜図6に示すように第1リンク部材31の下端に左右方向に沿った円弧状の案内環35を設ける。また、基台20に対して上下動可能に支持した第1のT字状部材36の上辺の一部に凸部37を設け、当該凸部37を案内環35の内部に位置させる。そして、第1のT字状部材36を上方に移動させることで凸部37が案内環35の内部を摺動していき、当該凸部37の外力を受けて第1リンク部材31が第1関節部34を中心にして回転する(開く)構成を採用できる。第1リンク部材31を閉じる場合には第1のT字状部材36を下方に移動させればよい。
なお、第1リンク部材31はその上端の第2関節部38において第2リンク部材32に対して相対的に回転可能に軸支されているので、第1リンク部材31の回転動作に伴って第2リンク部材32も移動することになる。
第2リンク部材32は本実施の形態では2本の円柱で構成されており、その下端は第2関節部38において軸支されると共にその上端同士は接合されている。
第2リンク部材32を第2関節部38を中心にして回転させるための機構についても周知の技術を使用すればよいため詳細な説明は省略するが、例えば図7〜図9に示すように第1リンク部材31の2本の柱状部材の内側面に溝31aを設けておき、当該溝31aの内部を摺動する第2のT字状部材39の上辺を当該溝31aに嵌め込むと共に第2のT字状部材39の下端を第2リンク部材32の下端に軸支しておく。そして、第2のT字状部材39を下方に移動させることで、第2のT字状部材39の上辺が溝31aの内部を摺動していき、第2のT字状部材39の下端に引っ張られた第2リンク部材32が第2関節部38において屈曲する構成を採用できる。第2リンク部材32を伸ばす(屈曲を解除する)場合には第2のT字状部材39を上方に移動させればよい。
糸保持部33は縫合糸10を保持した状態で第2リンク部材32の長手方向に沿って移動可能となるように支持されている。
具体的には、図10及び図11に示すように糸保持部33は糸保持部本体33a、パイプ33b、複数のボール33c、第1ロッド33d、第2ロッド33e、第1ワイヤ33f及び第2ワイヤ33gから構成されている。第1ワイヤ33f及び第2ワイヤ33gは第2リンク部材32及び第1リンク部材31に沿って配置され、基台20からチューブ内を通って作業者の手元に至る。
糸保持部本体33aは縫合糸10が挿入される半円形の開口部33hを有する。「半円形」とは、円形の開口の側面の一部が切り取られていることを意味する。
糸保持部本体33aは第2リンク部材32の2本の円柱が挿入される開口部33iも備えており、これによって糸保持部本体33aが第2リンク部材32の長手方向に沿って移動可能な構造になっている。
半円形の開口部33hの内面は、縫合糸10が挿入方向(押出方向)へは移動容易であり且つ挿入方向と反対方向へは移動し難くなるようにコマ12の形状に対応した縮径構造を備えている。
パイプ33bはその下側が屈曲したU字状に形成されており、第2リンク部材32の2本の円柱の間に配置された状態で当該屈曲箇所において上記第2関節部38に固定されている。
ボール33cはパイプ33b内に挿入される金属製の球体であり、少なくともパイプ33bの屈曲箇所全体に及ぶ程度の数が挿入される。
第1ロッド33dは、パイプ33bの一方の端部(本実施の形態では右側)に挿入される棒状部材である。第1ロッド33dはその下端においてボール33cと接触すると共に第1ワイヤ33fが接続され、第1ワイヤ33fを下方に引っ張ることでパイプ33bの右側の内部を下方に移動するようになっている。
第2ロッド33eは、パイプ33bの他方の端部(本実施の形態では左側)に挿入される棒状部材である。第2ロッド33eはその下端においてボール33cと接触すると共にその上端において糸保持部本体33aに接合される。第2ロッド33eの下端には第2ワイヤ33gが接続されており、第2ワイヤ33gを下方に引っ張ることでパイプ33bの左側の内部を下方に移動するようになっている。
次に、押出機構30単体の動作について説明する。
糸保持部本体33aの半円形の開口部33hには、その下方から上方に向かって縫合糸10が挿入されており、これにより糸保持部33は縫合糸10を保持している。
この状態から図12に示すように第1ワイヤ33fを下方に引っ張ると第1ロッド33dがパイプ33bの右側の内部を下方に移動していき、当該第1ロッド33dに押された最も右側のボール33cから順に各ボール33cがパイプ33b内の屈曲箇所を左方向に移動していく。そして、図13に示すように最も左側に位置するボール33cによって第2ロッド33eは上方に押し上げられ、糸保持部本体33aは縫合糸10を保持した状態で、第2リンク部材32の2本の円柱に案内されながら長手方向に沿って上方に移動する。そして、第2リンク部材32の上端部から縫合糸10が押し出されることで一回の押出動作が完了する。
引込機構40は、その下端部が基台20に連結されており、その上端部から縫合糸10を内部に引き込むために設けられる。上述の通り引込機構40の構造は上記押出機構30とほぼ同様であるため同一の符号を付してその説明は省略する。
また、図示は省略するが、引込機構40の糸保持部本体33aの半円形の開口部33hの内面は、縫合糸10が挿入方向(引込方向)へは移動容易であり且つ挿入方向と反対方向へは移動し難くなるようにコマ12の形状に対応した縮径構造を備えている。
次に、引込機構40単体の動作について説明する。
糸保持部本体33aの半円形の開口部33hには、上記押出機構30から押し出された縫合糸10が、その上方から下方に向かって挿入されており、これにより糸保持部33は縫合糸10を保持している。この状態では縫合糸10は環状になっている。
この状態から第2ワイヤ33gを下方に引っ張ることで第2ロッド33eがパイプ33bの左側の内部を下方に移動していき、糸保持部本体33aは縫合糸10を保持した状態で、第2リンク部材32の2本の円柱に案内されながら長手方向に沿って下方に移動する。これにより一回の引込動作が完了する。
なお、第2ロッド33eに押された最も左側のボール33cから順に複数のボール33cがパイプ33b内の屈曲箇所を右方向に移動していき、最も右側に位置するボール33cによって第1ロッド33dは上方に押し上げられた状態になっている。
押出機構30による一回の押出動作と引込機構40による一回の引込動作は交互にタイミングを合わせて行うのが好ましく、これにより縫合糸10が押出機構30と引込機構40との間で過度に弛んで絡まったり、過度に引っ張られて切断されることを防止できる。
上述した通り、縫合糸10は押出機構30と引込機構40のそれぞれの糸保持部本体33aにおいて挿入方向に移動容易となるように保持されている。したがって、一回の押出動作が完了した後、押出機構30の第2ワイヤ33gを下方に引っ張ることで上方に押し上げられた状態の第2ロッド33e及び糸保持部本体33aは下方に引き下げられ、縫合糸10は半円形の開口部33h内を相対的に挿入方向(上方)に移動する。また、一回の引込動作が完了した後、引込機構40の第1ワイヤ33fを下方に引っ張ることで、下方に押し下げられていた第2ロッド33e及び糸保持部本体33aは上方に引き上げられ、縫合糸10は半円形の開口部33h内を相対的に挿入方向(下方)に移動していく。
このような押出動作及び引込動作を繰り返し行い、環状になった縫合糸10の径を次第に小さくしていくことで縫合作業を行なう。
次に、縫合装置1全体の動作について説明する。
図14は、基台20に対して押出機構30及び引込機構40を垂直方向に起立させると共に縫合糸10を保持させた状態を模式的に示している。
この状態から第1のT字状部材36を上方に移動させると、図15〜図17に示すように第1リンク部材31が第1関節部34を中心にして回転する。
第1リンク部材31が回転し終えた後、第2のT字状部材39を下方に移動させることで図18に示すように第2リンク部材32を第2関節部38を中心にして回転させていき、最終的に図19に示すように第2リンク部材32の上端同士が間隔を開けてほぼ対向する位置まで回転させる。実際の縫合作業時にはこの状態で第2リンク部材32の上端同士の間に胃壁等の縫合対象物100を位置させることになる。
なお、第1のT字状部材36と第2のT字状部材39とを同時に移動させてもよい。
次に、押出機構30の第1ワイヤ33fを下方に引っ張ることで、図20〜図22に示すように縫合糸10を押出機構30の第2リンク部材32の上端から外側に押し出す。
図23に示すように押し出された縫合糸10はまずその針11が自身の締結部14に挿入され、次に当該針11は引込機構40の糸保持部本体33aに保持されることで、縫合糸10が環状に形成される。
そして、上述の通り押出動作と引込動作とをタイミングを合わせながら繰り返し行うことで、図24及び図25に示すように環状になった縫合糸10の径を小さくしていき、適当なタイミングで押出動作と引込動作を終了する。
次に、第2のT字状部材39を上方に移動させることで、図26に示すように第2リンク部材32の上端同士を遠ざける方向に回転させる。
第2リンク部材32の回転に伴い、縫合糸10は各糸保持部本体33aの半円形の開口部33hの側面から抜け出し、これによって一本の縫合糸10による縫合対象物100への一箇所の縫合作業が完了する。
そして、作業者は縫合装置1を体内から一旦取り出し、新たな縫合糸10をセットした後、再び体内に挿入し、次の縫合箇所で縫合作業を行う。
なお、一連の縫合作業は作業者が縫合装置1とは別に体内に挿入している内視鏡で監視しながら行うことになる。
次に、本発明の縫合装置に適した縫合糸の実施例1を説明する。
本実施例では縫合糸の条件である生体内で吸収される材料としてポリカプロラクトンを用いた。
図27は縫合糸の成形に使用した金型である。溶融させたポリカプロラクトンを金型に注入し、金型温度85度、90度、95度の3パターンで図28に示すとおり5分間加熱し、20 MPaで5分押圧後、冷水で急冷することで3種類の縫合糸を得た。図29に示すとおり一つのコマの長さを1.5 mm, 大径部の径を1.0 mm, 小径部の径を0.6 mmにした。
3種類の縫合糸の評価試験として、引張強度試験、正送り試験及び逆送り試験を行った。
引張強度試験として図30に示すとおり各縫合糸の段付き部の前後を把持し、前方に向かって引っ張った。
図31は引張強度試験の結果を示すグラフである。
正送り試験として図32に示すとおり各縫合糸を締結部に挿入した状態で段付き部の前方と締結部を把持し、前方に向かって引っ張った。
図33は正送り試験の結果を示すグラフである。
逆送り試験として図34に示すとおり各縫合糸を締結部に挿入した状態で段付き部の前方と締結部を把持し、後方に向かって引っ張った。
図35は正送り試験の結果を示すグラフである。
図36(a)は試験結果をまとめたものであり、図36(b)に示すJISの医療用絹製縫合糸の基準を満たしていることが分かった。
次に、本発明の縫合装置に適した縫合糸の実施例2を説明する。
本実施例では図37に示すとおり縫合糸の条件である生体内で吸収される材料として針にポリ乳酸を用い、コマ(段付き部)にポリカプロラクトンを用いた。成形方法は実施例1と同様であるが、金型に対して最初にポリ乳酸を注入し、次にポリカプロラクトンを注入した点が異なる。
図38は3種類の縫合糸の引張強度試験の結果を示すグラフである。途中で部分的に破断しているが、針と段付き部との接合箇所では破断しなかった。
図39は手作業により縫合糸を豚の胃壁に貫通させ、環状に縫合した状態を示している。
本発明は内視鏡的処置術に用いる小型且つ操作性が高い縫合装置及びこの縫合装置に適した縫合糸に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
1 縫合装置
10 縫合糸
11 針
12 コマ
13 段付き部
14 締結部
20 基台
30 押出機構
31 第1リンク部材
31a 溝
32 第2リンク部材
33 糸保持部
33a 糸保持部本体
33b パイプ
33c 複数のボール
33d 第1ロッド
33e 第2ロッド
33f 第1ワイヤ
33g 第2ワイヤ
33h 半円形の開口部
33i 開口部
34 第1関節部
35 案内環
36 第1のT字状部材
37 凸部
38 第2関節部
39 第2のT字状部材
40 引込機構
100 縫合対象物

Claims (8)

  1. 下端部が基台に連結されていて上端部から縫合糸を押し出す押出機構と、
    下端部が前記基台に連結されていて上端部から前記縫合糸を引き込む引込機構とを備えており、
    前記押出機構及び引込機構はそれぞれ少なくとも第1リンク部材、第2リンク部材及び糸保持部から構成されており、
    前記第1リンク部材はその下端の第1関節部において前記基台に対して回転可能に軸支されると共にその上端の第2関節部において前記第2リンク部材に対して相対的に回転可能に軸支されており、
    前記糸保持部は前記縫合糸を保持した状態で前記第2リンク部材の長手方向に沿って移動可能に支持されていることを特徴とする縫合装置。
  2. 前記糸保持部は、前記縫合糸が挿入される開口部を有する糸保持部本体と、U字状のパイプと、パイプ内に挿入される複数のボールと、パイプの一方の端部に挿入されてその下端において前記ボールと接触する第1ロッドと、パイプの他方の端部に挿入されてその下端において前記ボールと接触すると共にその上端において前記糸保持部本体に接合される第2ロッドと、前記第1ロッドを下方に引っ張る第1ワイヤと、前記第2ロッドを下方に引っ張る第2ワイヤとを備えており、
    前記第1ワイヤを下方に引っ張ることで前記第1ロッドが前記パイプ内を下方に移動し、当該第1ロッドに押された前記複数のボールが前記パイプ内を移動することで、前記第2ロッドが前記パイプ内を上方に移動し、これにより前記糸保持部本体が前記縫合糸を保持した状態で前記第2リンク部材の長手方向に沿って上方に移動することを特徴とする請求項1に記載の縫合装置。
  3. 前記縫合糸はその先端に針を備えており、その中間に先端から後端に向かって拡径するコマを連続させてなる段付き部を備えており、その後端に当該縫合糸自身が挿入されることで前記段付き部で締結される締結部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の縫合装置。
  4. 前記縫合糸が生体内で吸収される材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の縫合装置。
  5. 縫合作業開始時点において、前記針は前記押出機構の第2リンク部材の上端に位置しており、前記段付き部は前記押出機構の糸保持部及び前記引込機構の糸保持部に保持されており、前記締結部は前記引込機構の第2リンク部材の上端に位置しており、
    前記押出機構の第2リンク部材と、前記引込機構の第2リンク部材の上端同士を対向させた状態で、押出機構から順次押し出される縫合糸を引込機構が順次引き込むことで縫合糸を環状に形成し、前記締結部において固定することを特徴とする請求項3に記載の縫合装置。
  6. 先端に針を備えており、中間に先端から後端に向かって拡径するコマを連続させてなる段付き部を備えており、後端に自身が挿入されることで前記段付き部で締結される締結部を備えていることを特徴とする縫合糸。
  7. 生体内で吸収される材料からなることを特徴とする請求項6に記載の縫合糸。
  8. 前記針がポリ乳酸からなり、前記コマがポリカプロラクトンからなることを特徴とする請求項7に記載の縫合糸。
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