JP2016040426A - プラチナシールド技術を用いた繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗濯により抗菌、消臭効果を高めた繊維を提供する。【解決手段】本発明の繊維は、抗菌剤とプラチナをナノサイズの微小粒子にしたプラチナナノコロイドの成分を含む水溶液を塗布して、表面に上記プラチナナノコロイドの成分を付着させ、洗濯回数を増やすことによりプラチナナノコロイドの成分が持つ触媒効果を発揮させ、抗菌性、消臭性を高めたものである。【選択図】 なし
Description
本発明は、プラチナシールド技術を用いた繊維に関する。
従来、抗菌性の繊維については種々の技術が提案されている。たとえば、抗菌作用を有する金属イオンを保持させた無機微粒子を0.5〜10重量%含有する繊維形成性重合体が繊維表面の少なくとも一部に存在している合成繊維であって、下記の抗菌試験による150回の洗濯後の肺炎桿菌の減菌率が80%以上であることを特徴とする抗菌性繊維が開示されたものがある(特許文献1参照)。
一方、今日では、プラチナ(白金)をナノサイズの微小粒子にした所謂「プラチナナノコロイド」が、消臭、除菌の効果を高めるものとして注目されている。
しかしながら、プラチナナノコロイドの抗菌、消臭効果に着目して、それを利用した繊維は実現されていない。また、プラチナナノコロイドの成分が持つ触媒効果を発揮させることで、抗菌性、消臭性が高まることに着目した繊維はない。
そこで、本発明は、上述した技術的な課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、洗濯により少なくとも抗菌、消臭効果を高めたプラチナシールド技術を用いた繊維を提供することにある。
上述したような技術的な課題を解決するために、本発明の一態様に係る繊維は、抗菌剤とプラチナをナノサイズの微小粒子にしたプラチナナノコロイドの成分とを含む水溶液を塗布して、上記プラチナナノコロイドの成分を表面に付着させ、洗濯回数を増やすことにより上記プラチナナノコロイドの成分が持つ触媒効果を発揮させ、抗菌性、消臭性を高めたことを特徴とする。
本発明に係る繊維によれば、プラチナシールド技術を用いて、洗濯により抗菌、消臭効果を高めることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るプラチナシールド技術を用いた繊維について詳細に説明する。
本発明の繊維は、プラチナをナノサイズの微小粒子にしたプラチナナノコロイドの成分をプラチナシールド技術により繊維の表面に付着し固定化させたものであり、抗菌、消臭を実現するものである。
ここで、「プラチナナノコロイド」とは、白金をナノサイズの微小粒子にした白金粒子が均一に分散した状態のものである。プラチナナノコロイドの白金粒子の平均粒径は、例えば1〜10nmとなっている。
ここで、繊維をプラチナナノコロイドの水溶液に浸して上記効果を奏するよう生成する場合には、例えば、抗菌処理液として例えば平均粒径が1〜10nmの白金粒子を含むコロイド溶液を用いてよい。このようなプラチナナノコロイド溶液は、例えば、塩化白金銀イオン(PtCl4 2−)とアスコルビン酸などの白金イオンに対して還元能力を有する還元剤を水中で反応させ、白金イオンを還元することで調整できる。
このように、本実施形態は、プラチナをナノサイズの微小粒子にしたプラチナナノコロイドの成分を含む水溶液を塗布、或は浸して、あるいは更に抗菌剤を含む水溶液を塗布あるいは浸して、その表面にプラチナナノコロイドの成分を付着させ、洗濯回数を増やすことによりプラチナナノコロイドの成分が持つ触媒効果を発揮させ、抗菌性、消臭性を高めた繊維が提供される。
このような構成によれば、プラチナシールド技術による除菌、消臭効果が奏されることになる。ここで、「プラチナシールド技術」とは、プラチナ粒子の付着作用によりシールドで包み込み、抗ウイルス・消臭・抗菌などの効果を奏する技術である。
本発明の繊維は、洗濯回数を増やすことによってナノプラチナ自身の持つ触媒効果が発揮され、抗菌性、消臭性が高まることが明らかとなった。また、それにより、抗酸化性を保ち、例えば肌への刺激性を緩和することも明らかとなった。さらに、既存の薬剤に加えることで、触媒作用による相乗効果が得られ、さらに高い効果を付与し、抗酸化作用により薬剤の肌などへの刺激性を抑えることも可能とした。
以下、本発明の実施例について説明する。
先ず、実施例1〜12は、ナノプラチナ水溶液に抗菌剤を配合した水溶液を対象試料に塗布して実験を行ったものである。このような加工が施された繊維を、プラチナナノシールド技術を用いた繊維という。
先ず、実施例1〜12は、ナノプラチナ水溶液に抗菌剤を配合した水溶液を対象試料に塗布して実験を行ったものである。このような加工が施された繊維を、プラチナナノシールド技術を用いた繊維という。
(実施例1,2)
実施例1,2では、抗菌性試験を行い、特にプラチナシールド技術を用いた繊維が、洗濯回数を増やすことによってナノプラチナ自身の持つ触媒効果が発揮され、抗菌性、消臭性が高まるか否かについて検証を行った。試験の詳細は以下の通りである。
[試験菌株]
黄色ぶどう球菌 staphylococcus aureus NBRC 12732
[試験方法]
JIS L 1902:2008 定量試験(菌液吸収法)
但し、洗濯方法はJIS L 0217 103号の試験方法による。
(洗剤は、JAFET標準配合洗剤を使用)
生菌数の測定法:混釈平板培養法
実施例1,2では、抗菌性試験を行い、特にプラチナシールド技術を用いた繊維が、洗濯回数を増やすことによってナノプラチナ自身の持つ触媒効果が発揮され、抗菌性、消臭性が高まるか否かについて検証を行った。試験の詳細は以下の通りである。
[試験菌株]
黄色ぶどう球菌 staphylococcus aureus NBRC 12732
[試験方法]
JIS L 1902:2008 定量試験(菌液吸収法)
但し、洗濯方法はJIS L 0217 103号の試験方法による。
(洗剤は、JAFET標準配合洗剤を使用)
生菌数の測定法:混釈平板培養法
以下に実施例1,2の試験結果を示す。
ここで、logb-loga=2.8≧1.0
ゆえに、試験は有効であるといえる。
ゆえに、試験は有効であるといえる。
また、殺菌活性値、静菌活性値は、次式により算出した。
殺菌活性値=loga-logc
静菌活性値=(logb-loga)-(logc-logo)
殺菌活性値=loga-logc
静菌活性値=(logb-loga)-(logc-logo)
さらに、繊維評価技術評議会における抗菌防臭効果の基準は次のとおりである。
静菌活性値≧2.2
静菌活性値≧2.2
(実施例3〜5)
同様に、同じ条件下で、同じ試験方法で、実施例3乃至5についても試験を行った。
同様に、同じ条件下で、同じ試験方法で、実施例3乃至5についても試験を行った。
その結果を以下に示す。
(実施例6〜9)
同様に、同じ条件下で、同じ試験方法で、実施例6乃至8についても試験を行った。
同様に、同じ条件下で、同じ試験方法で、実施例6乃至8についても試験を行った。
その結果を以下に示す。
(実施例9)
同様に、同じ条件下で、同じ試験方法で、実施例9についても試験を行ったが、実施例1乃至8に比して顕著な効果が観察された。
同様に、同じ条件下で、同じ試験方法で、実施例9についても試験を行ったが、実施例1乃至8に比して顕著な効果が観察された。
その結果を以下に示す。
以上のとおり、実施例1乃至9において、洗濯10回後よりも洗濯50回後において良好な静菌活性値を得たことから、抗菌性が高まったことがわかる。なお、130℃前後まで熱をかけても効果に問題がないと考えられ、プラチナの融点(1768℃)を越えなければ、問題なく使用できると推測される。
(実施例10〜12)
次に、実施例1乃至9と洗濯方法に係る条件だけを変えて、実施例10乃至12についても実験を行った。即ち、洗濯方法は、業務用クリーニングとした。業務用クリーニングとは、各種ユニフォームや寝具、リネン製品、おしぼり等に適用されるクリーニングをいうものとする。
次に、実施例1乃至9と洗濯方法に係る条件だけを変えて、実施例10乃至12についても実験を行った。即ち、洗濯方法は、業務用クリーニングとした。業務用クリーニングとは、各種ユニフォームや寝具、リネン製品、おしぼり等に適用されるクリーニングをいうものとする。
その結果を以下に示す。
このように、業務用クリーニング適用においても、静菌活性値が2.9〜3.9と良好な値を得ることができた。
(実施例13)
以上の実施例1〜12は、ナノプラチナ水溶液に抗菌剤を配合した水溶液を対象試料に塗布して実験を行ったものであったが、次に説明する実施例13は、ナノプラチナ水溶液の純度100%の水溶液を試料に塗布して実験を行ったものである。その基本的な試験方法は、前述した実施例1,2と同様であるが、試験菌株をモラクセラ菌(Moraxella osloensis ATCC 19976)としている点で相違している。
以上の実施例1〜12は、ナノプラチナ水溶液に抗菌剤を配合した水溶液を対象試料に塗布して実験を行ったものであったが、次に説明する実施例13は、ナノプラチナ水溶液の純度100%の水溶液を試料に塗布して実験を行ったものである。その基本的な試験方法は、前述した実施例1,2と同様であるが、試験菌株をモラクセラ菌(Moraxella osloensis ATCC 19976)としている点で相違している。
その結果を以下に示す。
このように、ナノプラチナ水溶液100%を用いた場合は、静菌活性値が5.1と良好な値となっていることから、抗菌、除菌効果が高いと考えられる。
(比較例1,2)
以上の実施例1〜13の実験結果が良好であることを証明するために、未加工の試料についても、実施例1,2と同様の条件で、同様の試験方法で実験を行った。
以上の実施例1〜13の実験結果が良好であることを証明するために、未加工の試料についても、実施例1,2と同様の条件で、同様の試験方法で実験を行った。
その結果を以下に示す。
この比較例1,2の結果から、未加工、即ちナノプラチナ水溶液を塗布していない試料については、洗濯10回後の静菌活性値が0.1、洗濯50回後の静菌活性値が0.3となっており、いずれも高い値ではなく、洗濯回数を増すほどに静菌活性値が顕著に高くなるとは言えない結果となっていることがわかる。この結果との比較からも、実施例1〜13においては、洗濯回数を増すほどに、ナノプラチナ自身の持つ触媒効果が発揮され、抗菌性、消臭性が高まることが明らかとなった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。例えば、ナノプラチナ水溶液をイオン交換水等で所定倍に希釈化して使用したり、抗菌剤以外のものを配合したりしてもよいことは勿論である。
Claims (2)
- 抗菌剤とプラチナをナノサイズの微小粒子にしたプラチナナノコロイドの成分とを含む水溶液を塗布して、上記プラチナナノコロイドの成分を表面に付着させ、洗濯回数を増やすことにより上記プラチナナノコロイドの成分が持つ触媒効果を発揮させ、抗菌性、消臭性を高めたことを特徴とする繊維。
- プラチナをナノサイズの微小粒子にしたプラチナナノコロイドの成分を含む水溶液を塗布して、上記プラチナナノコロイドの成分を表面に付着させ、洗濯回数を増やすことにより上記プラチナナノコロイドの成分が持つ触媒効果を発揮させ、抗菌性、消臭性を高めたことを特徴とする繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014164777A JP2016040426A (ja) | 2014-08-13 | 2014-08-13 | プラチナシールド技術を用いた繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014164777A JP2016040426A (ja) | 2014-08-13 | 2014-08-13 | プラチナシールド技術を用いた繊維 |
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JP2014164777A Pending JP2016040426A (ja) | 2014-08-13 | 2014-08-13 | プラチナシールド技術を用いた繊維 |
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JP (1) | JP2016040426A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102276411B1 (ko) * | 2021-06-18 | 2021-07-13 | 주식회사 희붐 | 백금나노를 함유한 이염방지시트 |
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2014
- 2014-08-13 JP JP2014164777A patent/JP2016040426A/ja active Pending
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