JP2016038901A - 発光素子のレイアウトを決定する方法、装置、システム及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】内部に配置された複数の発光素子により照らされる筐体を設計する際に、その発光素子の個数及び配置位置をより容易に決定する方法、装置、システム及びプログラムを提供する。【解決手段】任意形状の表面を有し内部に複数の発光素子が配置される筐体の、任意形状の輪郭に関する情報及び表面から発光素子の配置面までの奥行きに関する情報を取得し、配置面上における輪郭の内側を発光素子の配置領域として決定し、取得された奥行きに関する情報をもとに、発光素子の間隔と配置面からの奥行きとの対応関係を参照することにより、配置領域における発光素子の間隔を決定し、決定された間隔に基づき配置領域内に複数の素子ノードを配置し、素子ノードの個数及び配置位置に関する情報を、筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として出力する。【選択図】図7
Description
本発明は、発光素子のレイアウトを決定する方法、装置、システム及びプログラムに関する。
内部に配置された発光素子による照明付きの掲示板、看板、広告板などのサインボードが、店舗や事業所などで広く用いられている。こうしたサインボードには、矩形のものや、企業などのロゴマークの形状のもの、チャンネル文字と呼ばれる厚みのある文字形状のものなどがある(例えば、特許文献1,2を参照)。以下では、掲示板、看板、広告板といった様々な形態のサインボードをまとめて、単に「看板」という。
図21(a)〜図21(c)は、チャンネル文字の電飾看板の一例を示す正面図、縦側面図及び横側面図である。電飾看板90は、アルファベットの「B」の形状であり、主要な構成要素として、筐体91と、複数の発光素子92と、拡散板93とを有する。図21(a)は、拡散板93を取り除いた電飾看板90の正面図を示す。筐体91は、その内部が空洞であり、底面911と、「B」の形状に合わせた側壁912とを有する。発光素子92は、例えば発光ダイオード(LED)であり、筐体内部の底面911上に配置される。発光素子92は、図示しない配線により互いに接続され、図示しない電源に接続される。以下では、図21(a)の正面図における看板の縦、横の長さをそれぞれ「高さ」、「幅」といい、看板の厚さのことを「奥行き」という。本明細書では、例えば、高さ及び幅が100mm以上、奥行きが30mm〜500mm程度の大きさの看板を対象とする。
発光素子92が配置された底面911に対向する筐体正面には、拡散板93が取り付けられる。拡散板93は、発光素子92からの光を拡散させる働きをする。拡散板93を設けない場合には、電飾看板90の発光を均一にするために内部に多数の発光素子92を敷き詰める必要があるが、拡散板93を用いることにより、比較的少ない個数の発光素子92でも、発光が均一になる。拡散板93は、例えば、乳白色のアクリル板やフレキシブルフェイスシートで構成され、様々な透過率(濁り具合)のものがある。
看板の内部に組み込まれる発光素子の配置(レイアウト)は、設計者の手作業で決定されている。しかしながら、広く使用されているLED(発光ダイオード)などの発光素子は点光源であるため、チャンネル文字などの複雑な形状の場合には、点灯させたときに看板全体で均一な照度が得られるように発光素子を配置することは難しい。例えば、配置される発光素子の間隔を広げ過ぎると、照度のバラつき(ムラ)が生じるという不具合がある。逆に間隔を狭くし過ぎると、明るくなり過ぎるとともに個数が多くなり過ぎて、LEDを筐体内に配置する際に余計な手間がかかるか、または消費電力が上がるなどして、好ましくない。このように、看板の内部に発光素子をレイアウトするためにはノウハウが必要であり、多くの時間がかかるため、必要な発光素子の個数、適切な配置位置、必要コストなどを即座に把握することは難しい。こうした状況を改善するためには、チャンネル文字などの看板の用途における発光素子の配置を自動的に決定できるソフトウェアが求められる。看板に使用される文字の形状は、長さ、幅、傾斜、丸みなどが1つずつ異なるため、この自動配置のソフトウェアは、様々な看板に対応可能なものでなければならない。
そこで、本発明は、内部に配置された複数の発光素子により照らされる筐体を設計する際に、その発光素子の個数及び配置位置をより容易に決定する方法、装置、システム及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の方法は、任意形状の表面を有し内部に複数の発光素子が配置される筐体の、任意形状の輪郭に関する情報及び表面から発光素子の配置面までの奥行きに関する情報を取得する取得ステップと、配置面上における輪郭の内側を発光素子の配置領域として決定する領域決定ステップと、取得された奥行きに関する情報をもとに、発光素子の間隔と配置面からの奥行きとの対応関係を参照することにより、配置領域における発光素子の間隔を決定する間隔決定ステップと、決定された間隔に基づき配置領域内に複数の素子ノードを配置する配置ステップと、素子ノードの個数及び配置位置に関する情報を、筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として出力する出力ステップとを有する。
上記の方法の配置ステップは、配置領域内で、輪郭に沿って、所定の距離を輪郭との間に空けてオフセットラインを演算し、オフセットラインに沿って複数の素子ノードを配置することを含むことが好ましい。
上記の方法の配置ステップは、配置領域における決定された間隔に基づく複数の素子ノードのそれぞれの近傍領域で覆われない部分に対して細線化処理を行い、細線化された各線分に沿ってさらに素子ノードを配置することをさらに含むことが好ましい。
上記の方法の配置ステップは、オフセットラインを演算することができないか、又は決定された間隔に基づく複数の素子ノードのそれぞれの近傍領域で覆われない部分が配置領域において予め定められた基準値以上の割合の面積を占める場合に、配置領域の全体に対して細線化処理を行い、細線化された各線分に沿ってさらに素子ノードを配置することをさらに含むことが好ましい。
上記の方法の配置ステップは、複数の素子ノードのうち間隔が予め定められた距離より短い複数の素子ノードを1つの素子ノードに統合することをさらに含むことが好ましい。
上記の方法は、輪郭に沿って複数の固定ノードを配置する第2の配置ステップと、決定された間隔に応じたばね定数を有する複数のばねにより複数の素子ノードのそれぞれを隣接する固定ノードと他の素子ノードの少なくとも何れか一方に接続した力学モデルを用いて、複数の素子ノードのそれぞれに一定の力が及ぶような、配置領域における複数の素子ノードの位置を算出する算出ステップと、算出された各位置に複数の素子ノードを再配置する再配置ステップとをさらに有することが好ましい。
上記の方法では、筐体は、表面に、発光素子からの光を拡散させる拡散板を有し、対応関係は、発光素子の間隔と、配置面からの奥行きと、さらに配置面から奥行きだけ離れた位置に拡散板が配置されたときに発光素子の発光により拡散板を通して得られる照度値との対応関係であることが好ましい。
上記の方法の間隔決定ステップでは、発光素子の発光により拡散板を通して得られる照度値が予め定められた基準値以上になるように、発光素子の間隔を決定することが好ましい。
上記の方法は、拡散板を通して得られる照度の条件の入力を受け付ける条件受付ステップをさらに有し、間隔決定ステップでは、発光素子の発光により拡散板を通して得られる照度値が照度に関する複数の予め定められた基準値のうち受け付けられた条件に応じた基準値以上になるように、発光素子の間隔を決定することが好ましい。
上記の方法では、任意形状は矩形であり、領域決定ステップは、取得された奥行きに関する情報をもとに、筐体の奥行きと発光素子の配置が禁止される筐体の側壁からの距離との第2の対応関係を参照することにより、配置面上の輪郭に沿った帯状領域を特定し、配置面上における帯状領域を除いた輪郭の内側を配置領域として決定することを含み、間隔決定ステップでは、さらに配置領域の大きさを用いて発光素子の間隔を決定することが好ましい。
上記の方法は、使用される発光素子の種類の入力を受け付ける種類受付ステップをさらに有し、間隔決定ステップでは、複数種類の発光素子についての対応関係のうち受け付けられた種類の発光素子についての対応関係を参照することにより、発光素子の間隔を決定することが好ましい。
上記の方法の取得ステップでは、表面の画像データから輪郭を抽出することにより、輪郭に関する情報を取得することが好ましい。
本発明の装置は、任意形状の表面を有し内部に複数の発光素子が配置される筐体の、任意形状の輪郭に関する情報及び表面から発光素子の配置面までの奥行きに関する情報を取得する取得部と、発光素子の間隔と配置面からの奥行きとの対応関係を記憶する記憶部と、配置面上における輪郭の内側を発光素子の配置領域として決定する領域決定部と、取得された奥行きに関する情報をもとに、対応関係を参照することにより、配置領域における発光素子の間隔を決定する間隔決定部と、決定された間隔に基づき配置領域内に複数の素子ノードを配置する配置部と、素子ノードの個数及び配置位置に関する情報を、筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として出力する出力部とを有する。
本発明のシステムは、互いに通信可能な端末装置及びサーバ装置を含むシステムであって、端末装置は、任意形状の表面を有し内部に複数の発光素子が配置される筐体の、任意形状の輪郭に関する情報及び表面から発光素子の配置面までの奥行きに関する情報を取得する取得部と、取得された輪郭及び奥行きに関する情報をサーバ装置に送信し、筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報をサーバ装置から受信する端末通信部と、受信された個数及び配置位置に関する情報を表示する表示部とを有し、サーバ装置は、発光素子の間隔と配置面からの奥行きとの対応関係を記憶する記憶部と、配置面上における輪郭の内側を発光素子の配置領域として決定する領域決定部と、取得された奥行きに関する情報をもとに、対応関係を参照することにより、配置領域における発光素子の間隔を決定する間隔決定部と、決定された間隔に基づき配置領域内に複数の素子ノードを配置する配置部と、端末装置から輪郭及び奥行きに関する情報を受信し、素子ノードの個数及び配置位置に関する情報を、筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として端末装置に送信するサーバ通信部とを有する。
本発明のプログラムは、平面上に配置される複数の発光素子の間隔と発光素子の配置面からの奥行きとの対応関係を記憶する記憶部を有するコンピュータに、任意形状の表面を有し内部に複数の発光素子が配置される筐体の、任意形状の輪郭に関する情報及び表面から配置面までの奥行きに関する情報を取得し、配置面上における輪郭の内側を発光素子の配置領域として決定し、取得された奥行きに関する情報をもとに、対応関係を参照することにより、配置領域における発光素子の間隔を決定し、決定された間隔に基づき配置領域内に複数の素子ノードを配置し、素子ノードの個数及び配置位置に関する情報を、筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として出力することを実現させる。
本発明によれば、内部に配置された複数の発光素子により照らされる筐体を設計する際に、その発光素子の個数及び配置位置をより容易に決定することが可能になる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は図面又は以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
以下では、任意形状の看板の筐体内に発光素子をレイアウトするための方法と、その方法を実現する装置、システム及びプログラムについて説明する。この方法は、看板の筐体の輪郭及び奥行きに関する情報を取得し、その奥行き、看板表面の拡散板の性質などに応じた適切な発光素子の間隔を決定し、筐体の内側における発光素子の配置位置を自動的に計算するソフトウェアとして実行される。以下では、発光素子の一例として、点光源であるLED又はLEDモジュールを想定し、LED又はLEDモジュールのことを本明細書では単にLEDという。
図1は、端末装置1の概略構成図である。端末装置1は、看板内のLEDのレイアウト分析を行うためのソフトウェアを実行可能な装置であり、記憶部11と、制御部12と、操作部13と、表示部14と、端末通信部15とを有する。端末装置1は、例えばタブレット端末、ノートPC、デスクトップPCなどのコンピュータである。
記憶部11は、例えば半導体メモリ、磁気ディスクなどであり、制御部12が実行するプログラムやそのプログラムに関する入出力データといった端末装置1の動作に必要なデータを記憶する。制御部12は、CPU、RAM、ROMなどにより構成され、記憶部11に記憶されるプログラムを実行することにより、後述する各機能を実現する。操作部13は、例えばタッチパネル、キーボード、マウスなどの指示装置により構成され、ユーザによる入力操作を受け付ける。表示部14は、例えば液晶ディスプレイであり、タッチパネルディスプレイとして操作部13と一体化されていてもよい。表示部14は、出力部の一例であり、LEDの配置位置に関する演算結果を表示する。なお、表示部14は、端末装置1に接続された、端末装置1とは別個の表示装置であってもよい。端末通信部15は、端末装置1が外部装置との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。
図2は、表示部14に表示される入出力画面の例を示す図である。まず、図2を用いて、端末装置1で実行されるソフトウェアの機能の概略について説明する。
最初に、ユーザは、入出力画面20の左側に表示される入力欄21に、操作部13を介して、看板の筐体の奥行きや外形(輪郭)に関する情報を入力する。入出力画面20では、ユーザは、看板全体の幅、高さ及び奥行きの数値を入力可能である。また、ユーザは、操作部13を介して、看板に使用される拡散板(面材)の種類及びLEDの型番(モジュール名)を選択するとともに、記憶部11に記憶されている看板の画像データのファイル名も選択して、それらの情報を入力する。例えば、チャンネル文字などのより複雑な形状の場合には、端末装置1は、看板の画像データについて画像認識を行うことにより、LEDによる表示領域の外形(輪郭)に関する情報を取得する。
また、看板の平均照度について複数段階の基準値を設けて、照度に関する複数のモードの何れかを、ユーザが操作部13を介して選択できるようにしてもよい。このモードには、例えば、照度がより高い値になる配置が出力される「明るさ優先」のモードや、照度をより低い値としてLEDの個数を減らしコストを抑えた配置が出力される「個数(低消費電力)優先」のモードなどがある。
そして、端末装置1は、入力された筐体の奥行きなどの形状に関する情報及び拡散板の種類の情報に応じて、筐体内部におけるLEDの初期配置を決定する。その際は、例えば、筐体の奥行きと、その奥行きについての最適なLEDの間隔(ピッチ)とを対応付けたテーブルを参照することにより、筐体の奥行きからLEDの間隔を決定する。必要なLEDの個数は、決定された間隔で、筐体内部に例えば格子状にLEDを配置することにより決まる。さらに、端末装置1は、例えば後述する力学モデルのアルゴリズムを用いて、筐体内部のLEDのレイアウトに関する演算を行い、各LEDの最適な配置位置を決定する。また、端末装置1は、LEDの間隔とその間隔でLEDが配置されたときの看板の平均照度とを対応付けた別のテーブルを参照することにより、奥行きに応じて決定された間隔の値から、平均照度の値を得る。例えば、こうして得られた平均照度の値が基準値を下回る(暗過ぎる)場合や、基準値を大幅に上回る(明る過ぎる)場合などには、端末装置1が再度上記のテーブルを参照して、平均照度が基準範囲内に収まるようにLEDの間隔を決め直してもよい。あるいは、ユーザが操作部13を介してLEDの個数と間隔を調整できるようにしてもよい。
そして、端末装置1は、入出力画面20の右側に表示される出力欄22に、図2に示すような図面の形態で、得られたLEDの個数及び配置位置に関する情報を出力する。図2では、「3M」というチャンネル文字に対するLEDのレイアウトが行われた結果の例を示している。例えば、出力欄22の上部には、チャンネル文字内のLEDの配置位置を示す図が表示され、出力欄22の下部には、使用されるLEDの名称、間隔(ピッチ)、個数、消費電力及びコスト、並びに平均照度及び必要な定電流電源の台数の情報が表示される。ユーザは、看板の内部にLEDをレイアウトする際に、この図面を参照することにより、必要なLEDの個数及びそれらの配置位置を容易に把握することが可能になる。
図3は、力学モデルについて説明するための図である。次に、端末装置1の第1の動作例として、力学モデルのアルゴリズム(グラフ描画アルゴリズム)を使用したLEDのレイアウト方法について説明する。
このアルゴリズムでは、LEDに対応するノードを2次元状に配置し、近接するノード間をつないだグラフを構成して、各ノードに仮想的な力を割り当てる。その際、図3に示すように、グラフの各辺をフックの法則に従うばねとみなし、各ノードをクーロンの法則に従う電荷をもつ粒子とみなして、各ノードに仮想的な弾性力と静電気力(引力と斥力)を割り当てる。ばねと電荷による仮想的な引力と斥力の大きさは、ノード間の間隔が近くなるほど大きくなるように、各ノードを初期配置するときの間隔に応じて定められる。
そして、端末装置1は、その力学系を時間発展させることにより、各ノードに働く力が釣り合った平衡状態の配置を求める。各ノードの位置を決定する力学モデルの計算公式は、図3のように記述される。端末装置1は、図3に示す式に従って、仮想的な力による各ノードの移動位置を算出し、各ノードに働く力が釣り合った平衡状態に達するまで、その力と各ノードの位置の計算を繰り返す。この平衡状態では、各辺の長さがほぼ等しく、各ノードが互いに均等な距離に配置される。したがって、最終的に算出された各ノードの位置にLEDを配置すれば、看板全体の照度が均一になる。端末装置1は、このアルゴリズムを用いて、任意形状の看板について、平均照度が均一になるようなLEDの配置を自動決定する。
図4(a)〜図4(c)は、力学モデルの適用例を示す図である。ここでは、簡単のため、看板の形状を3角柱とし、その表面(正面)の形状は図4(a)〜図4(c)に示す正3角形であるとする。看板内のLEDの配置領域も、表面と同じ大きさの正3角形である。例えば、ユーザが操作部13を介してその正3角形の大きさを入力することにより、端末装置1は、看板の輪郭の座標情報を取得する。
まず、図4(a)に示すように、端末装置1は、看板の奥行きに応じて定められた間隔で、配置領域51の輪郭52に沿って固定ノード53を配置する。図4(a)では、この間隔に対応する大きさの格子を重ねて示している。固定ノード53は、他のノードによる上記の力によって位置が変化しない固定点であり、配置領域51内に配置される他のノードに対して斥力のみを及ぼす。固定ノード53は、配置領域51内の他のノード(以下で説明する素子ノード54)の移動範囲を輪郭52の内側に制限するために設けられる。なお、固定ノード53の位置は、輪郭52の直上でもよいし、配置領域51の外側又は内側で輪郭52に接する位置でもよい。
次に、図4(b)に示すように、端末装置1は、配置領域51内に、例えば固定ノード53と同じ間隔で、LEDに対応する素子ノード54を格子状に配置する。すなわち、力学モデルの初期状態として、素子ノード54を等間隔にグリッド配置する。各素子ノード54は、他のノードによる上記の力によって位置が変化する点であり、配置領域51内に配置される他の素子ノード54に対して引力と斥力の両方を及ぼす。なお、固定ノード53と素子ノード54の両方を必ずしも同じ間隔で配置しなくてもよく、例えば輪郭が複雑な形状の場合には、素子ノード54の間隔よりも固定ノード53の間隔を狭くしてもよい。
端末装置1は、各素子ノード54を、図4(b)に符号55で示したように、その素子ノード54からの距離が一定範囲内にある(すなわち、その素子ノード54に近接する)固定ノード53及び他の素子ノード54と結びつける。上記の引力と斥力は、このように互いに結びつけられたノード間で作用する。そして、端末装置1は、各素子ノード54の位置座標が収束するまで、上記の力学モデルに基づき、各素子ノード54の位置を繰り返し計算する。これにより、図4(c)に示すように、各素子ノード54が輪郭52からある程度離れ、またノード間が互いに近付き過ぎず、離れ過ぎない配置が得られる。すなわち、LEDの間隔が狭くなり過ぎて消費電力が上がり過ぎることがなく、逆にLEDの間隔が広くなり過ぎて照度のムラが生じることがなくなる。
なお、上記の手順をとると、輪郭52内に配置されるLEDの個数は、配置領域51内における、看板の奥行きに応じて定められた間隔の格子点の個数に一致する。ただし、平衡状態の配置が得られた後で、ユーザが操作部13を介してLEDの個数を増減できるようにしてもよい。この場合、端末装置1は、調整された個数の素子ノード54について再度上記の力学モデルの計算を行って、素子ノード54を再配置させてもよい。
また、図3に示した力学モデルの計算式に、ダンピングを組み込んでもよい。これにより、各素子ノード54は減衰振動するため、各素子ノード54の位置の収束が速くなる効果がある。
図5(a)〜図5(c)は、看板の奥行きと、LEDの間隔と、看板の平均照度との対応関係の例を示す図である。次に、記憶部11に記憶される、LEDのレイアウト分析のために必要な情報について説明する。
図5(a)は、看板の奥行きとLEDの間隔との対応関係を示すグラフ(検量線)の例を示す。このグラフは、特定の種類のLEDと拡散板を使用した場合において、異なる奥行きdについて、その奥行きの看板にLEDを配置したときに、拡散板を通して得られる照度のムラが生じない限界の間隔(ピッチ)pをプロットしたものである。例えば、拡散板上の照度が最も高い部分と低い部分との比が80%以上であればムラがあると定義してもよい。あるいは、ムラの有無は、例えば、看板の表面上で明るいところと暗いところの照度差が基準範囲内であるか否かにより判断してもよい。端末装置1では、看板に使用されるLEDと拡散板の種類の組合せごとに、このような対応関係(検量線)を予め測定により作成し、記憶部11に記憶しておく。そして、端末装置1は、その対応関係を参照することにより、取得した看板の奥行きの値から、LEDをグリッド配置するときの間隔を決定する。
図5(b)は、看板の奥行き及びLEDの間隔と、照度のムラの有無とを対応付けたテーブルの例を示す。このテーブルは、特定の種類のLEDと拡散板を使用した場合において、異なる奥行きdと間隔pの組について、その奥行きの看板にその間隔でLEDを配置したときに、拡散板を通して得られる照度にムラが生じるか否かを示したものである。図5(b)では、照度のムラが生じない組を「○」で、照度のムラが生じる組を「×」で、それぞれ示している。図5(a)の検量線は、異なる奥行きについて、このように照度のムラが生じない限界の間隔を測定することにより作成される。
図5(c)は、看板の奥行き及びLEDの間隔と、平均照度とを対応付けたテーブルの例を示す。このテーブルも、特定の種類のLEDと拡散板を使用した場合において、異なる奥行きdと間隔pの組について、その奥行きの看板にその間隔でLEDを配置したときに、拡散板を通して得られる平均照度Lの値を表にしたものである。端末装置1では、LEDと拡散板の種類の組合せごとに、こうしたテーブルを予め用意しておく。
このように、記憶部11は、発光素子の間隔とその配置面からの奥行きとの対応関係(図5(a))を記憶する。この対応関係は、発光素子の間隔と、配置面からの奥行きと、さらに配置面から奥行きだけ離れた位置に拡散板が配置されたときに発光素子の発光により拡散板を通して得られる照度値との対応関係(図5(b)及び図5(c))であってもよい。記憶部11は、使用されるLEDと拡散板の種類(型番、品番)の組合せごとに、こうした対応関係を記憶する。言い換えると、記憶部11は、看板の筐体の特性及び発光素子の特性に応じた、看板の表面における照度の情報を記憶する。ここで、「筐体の特性」には、筐体の奥行き、輪郭などの形状に関する情報や、筐体の表面に設置された拡散板の光拡散性質に関する情報が含まれる。
なお、記憶部11は、看板の大きさ(奥行き、縦横の長さ)や、使用されるLEDの型番、消費電力などの情報を記憶してもよい。この場合には、ユーザは操作部13を介してこれらの情報を入力しなくてもよい。
図6は、第1の動作例における制御部12の機能ブロック図である。上記した各機能を実現するために、制御部12は、取得部121と、領域決定部122と、間隔決定部123と、配置部124と、算出部125とを有する。これらの各部は、記憶部11に記憶されたプログラムを制御部12のCPUがRAMに読み込んで実行することにより実現される機能ブロックである。
取得部121は、任意形状の表面を有し内部に複数の発光素子が配置される筐体の、任意形状の輪郭に関する情報及び表面から発光素子の配置面までの奥行きに関する情報を取得する。例えば、取得部121は、ユーザによる入力操作を受け付けるか、記憶部11を参照することにより、筐体の奥行きに関する情報を取得する。
また、端末装置1は、記憶部11か又は端末通信部15を介して外部装置から、看板の表面の写真や図面などの画像データを取得する。そして、取得部121は、その画像データから、例えばOCRなどの画像認識の技術を使用して、LEDにより表示させたい文字、図形又は絵などの領域の輪郭を抽出することにより、輪郭に関する情報を取得する。この場合、取得部121は、画像データから任意形状の筐体表面の輪郭及び発光素子の配置領域に関する情報を取得する画像解析部として機能する。
なお、看板の形状が予め分かっている場合や、矩形などの単純なものである場合には、輪郭や奥行きに関する情報は、記憶部11に記憶しておいてもよい。これらの場合には、輪郭や奥行きに関する情報は記憶部11から取得できるため、取得部121は上記した画像解析部としての機能をもたなくてもよい。
領域決定部122は、配置面上における輪郭の内側を発光素子の配置領域として決定する。領域決定部122は、取得部121により特定された輪郭の内側を配置領域として自動的に決定してもよいし、例えばユーザが操作部13を介して配置領域を選択する操作を受け付けることにより、配置領域を決定してもよい。
間隔決定部123は、取得部121により取得された奥行きに関する情報をもとに、図5(a)に示したような発光素子の間隔と配置面からの奥行きとの対応関係を参照することにより、配置領域における発光素子の間隔を決定する。あるいは、間隔決定部123は、図5(b)及び図5(c)に示したような奥行きと間隔と平均照度との対応関係を参照することにより、拡散板を通して得られる照度値が予め定められた基準値以上になるように、発光素子の間隔を決定してもよい。実際には、上記の対応関係は、代表的な奥行きと間隔の数値についてテーブルの形式で記憶しておき、そのテーブルにない奥行きが入力された場合には、間隔決定部123は、線形補間を行うことにより、間隔の値を求める。なお、発光素子の間隔は最終的には算出部125により調整されるため、間隔決定部123による決定は仮のものである。
あるいは、上記した「明るさ優先」モードと「個数(低消費電力)優先」モードとを入出力画面20においてユーザが選択できるようにする場合には、モードに応じて、拡散板を通して得られる照度の基準値を予め設定しておく。この場合、「明るさ優先」モードの基準値の方が、「個数(低消費電力)優先」モードの基準値よりも高くなる。間隔決定部123は、選択されたモードに応じた照度の基準値を満たすように、例えば図5(c)の対応関係を参照して、発光素子の間隔を決定する。すなわち、間隔決定部123は、発光素子の発光により拡散板を通して得られる照度値が照度に関する複数の予め定められた基準値のうち、受け付けられた照度の条件に応じた基準値以上になるように、発光素子の間隔を決定する。
また、使用される発光素子の種類(型番)を入出力画面20にユーザが選択できるようにする場合には、間隔決定部123は、複数種類の発光素子について記憶部11に記憶されている対応関係のうち、選択された種類の発光素子についての対応関係を参照して、発光素子の間隔を決定する。
配置部124は、間隔決定部123により決定された間隔で、領域決定部122により決定された配置領域内に、例えば格子状に複数の素子ノードを配置する。また、配置部124は、その配置領域の輪郭に沿って、複数の固定ノードを配置する。
算出部125は、間隔決定部123により決定された間隔に応じたばね定数を有する複数のばねにより、配置部124が配置した複数の素子ノードのそれぞれを、隣接する固定ノードと他の素子ノードの少なくとも何れか一方に接続して、上記した力学モデルを構成する。そして、算出部125は、この力学モデル用いて、図3に示した計算式に従い、複数の素子ノードのそれぞれに一定の力が及ぶような、配置領域における複数の素子ノードの最適な位置を算出する。算出部125が素子ノードの位置を算出するたびに、複数の素子ノードは、算出された各位置に、配置部124により再配置される。なお、ばね定数の値は、間隔決定部123により決定された間隔が短いほど大きな値になるように、算出部125が配置演算を行うときに計算により求めてもよいし、予め記憶部11に記憶しておいてもよい。
算出部125の演算により得られた素子ノードの個数及び配置位置に関する情報は、筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として、例えば図2に示したような入出力画面20の形態で、表示部14に表示される。あるいは、端末装置1は、端末通信部15を介して、この発光素子の個数及び配置位置に関する情報を、外部装置に出力してもよい。
図7は、力学モデルを用いた端末装置1の第1の動作例を示すフロー図である。図7に示す各ステップの処理は、記憶部11に記憶されているプログラムに基づいて、制御部12の各機能ブロックにより、端末装置1の各要素と協働して実行される。
まず、取得部121は、入出力画面20においてユーザにより選択された看板の図面ファイルを読み込む(ステップS11)。この図面ファイルは、特定のフォントの文字画像には限定されず、任意形状のチャンネル文字、ロゴマークなどの画像でもよい。そして、取得部121は、ステップS11で得られた画像データをビットマップ画像(ラスタ画像)に変換する(ステップS12)。
また、取得部121は、入出力画面20においてユーザが入力した、看板の奥行き、大きさなどの情報を受け付ける(ステップS13)。そして、取得部121は、ステップS12で得られたビットマップ画像に対して2値化処理を行って、画像処理によりチャンネル文字などの輪郭を抽出し、その輪郭を表示部14に表示させる(ステップS14)。ここで、ステップS14で抽出された輪郭のデータからノイズを取り除くために、正しい輪郭部分(LEDの配置領域)を、ユーザに操作部13を用いて選択させる。これにより、領域決定部122は、選択された輪郭の内側を、LEDの配置領域として決定する(ステップS15)。なお、領域決定部122は、ユーザの操作を介さずに、ステップS14で抽出された輪郭の内側が配置領域であると自動的に決定してもよい。
続いて、間隔決定部123は、ステップS13で受け付けられた奥行きの値をもとに、図5(a)の対応関係を参照して、LEDの間隔を仮決定する(ステップS16)。また、配置部124は、ステップS15で決定された配置領域内に、ステップS16で決定された間隔で、複数の素子ノードを仮配置するとともに、その配置領域の輪郭に沿って、複数の固定ノードを配置する(ステップS17)。そして、算出部125は、この力学モデル用いて、配置領域における複数の素子ノードの最終的な配置位置を算出する(ステップS18)。
最後に、制御部12は、ステップS17で配置された素子ノードの個数を使用されるLEDの個数として、また、ステップS18で算出された最終的な各素子ノードの座標をLEDの配置位置として、図2の入出力画面20内に示したようなレイアウト図面を作成する。そして、制御部12は、作成したレイアウト図面を表示部14に出力して表示させる(ステップS19)。以上で、端末装置1の動作は終了する。
なお、看板(LEDの配置領域)が矩形などの単純な形状である場合には、上記した力学モデルを使用しなくても、配置領域内に適切なピッチで等間隔にLEDを配置すれば、それが最適な配置になる。以下では、端末装置1の第2の動作例として、力学モデルを使用しない、矩形の看板に対するLEDのレイアウト方法について説明する。
図8(a)及び図8(b)は、矩形の看板に対するLEDのレイアウトについて説明するための図である。この看板80の大きさは、幅が1750mm、奥行きが200mmであるとする。図8(a)及び図8(b)は、拡散板を取り除いた看板80の正面図を示す。以下では、簡単のため、看板の高さ方向の寸法は特定せず、幅方向の配置のみについて説明する。高さ方向の配置についても、高さの寸法に応じて以下と同様の計算が行われる。
図5(a)を用いて説明した看板の奥行きとLEDの間隔(ピッチ)との対応関係(検量線)を参照することにより、奥行きが200mmの場合のピッチとして、例えば420mmが得られたとする。このように検量線から決まるピッチで等間隔にLEDを配置すると、最外殻のLEDと看板の側壁との距離が、LEDのピッチに比べて近くなる場合がある。上記の例では、図8(a)に示すように、矩形の輪郭内に420mmのピッチでLEDを5個配置すると、最外殻の1と5のLEDは看板80の側壁81から60mmの距離に配置され、420mmのピッチと比べて側壁81に近くなる。そこで、端末装置1は、看板80の内部における側壁81の周囲には、LEDを配置しないように制限する。これは、看板の側壁とLEDとの物理的干渉を避けるという理由と、最外殻のLEDを側壁から離してなるべくLEDのピッチを小さくした方が、同じ個数のLEDを使用する場合でも照度が大きくなるという理由による。
図9は、看板の奥行きと、LEDの配置が禁止される看板の側壁からの距離との対応関係の例を示すグラフである。このグラフ(検量線)は、異なる奥行きについて、その奥行きの看板内部に側壁との間隔を空けてLEDを配置したときに、照度のムラが基準値未満となる(ムラが生じない)限界の側壁からの距離をプロットしたものである。端末装置1では、このような対応関係(検量線)を予め測定により作成し、記憶部11に記憶しておく。そして、端末装置1は、その対応関係を参照することにより、取得した看板の奥行きの値をもとに看板の側壁からの距離を求め、看板の内部における側壁に沿ったその距離に等しい太さの帯状領域を特定する。この帯状領域には、LEDを配置することが禁止される。
図8(a)に示す看板80について、図9の検量線から、LEDの配置が禁止される看板の側壁からの距離が180mmと求められたとする。この場合には、図8(b)に示すように、看板80の内部における側壁81に沿った太さ180mmの帯状領域82へのLEDの配置が禁止される。したがって、看板80では、帯状領域82の内側の領域83がLEDの配置領域となる。この配置領域におけるLEDのピッチは、ピッチ=(看板幅−側壁からの距離×2)/(初期ピッチから求められたLEDの個数−1)=(1750−180×2)/4≒350mmという計算式により再計算される。
以上の機能を実現するために、対象となる看板が矩形の場合には、上記した制御部12の各機能ブロックは、下記のように動作する。
取得部121の動作は、上記した力学モデルを使用する第1の動作例の場合と同様である。
領域決定部122は、取得部121により取得された奥行きに関する情報をもとに、図9に示したような奥行きと側壁からの距離との対応関係(第2の対応関係)を参照することにより、発光素子の配置面上の輪郭に沿った帯状領域を特定する。そして、領域決定部122は、その配置面上において、特定された帯状領域を除いた輪郭の内側を、発光素子の配置領域として決定する。
また、間隔決定部123は、取得部121により取得された奥行きに関する情報をもとに、図5(a)の対応関係を参照してLEDの間隔(ピッチ)を仮決定するとともに、そのピッチで配置領域内に等間隔で発光素子を配置したときの発光素子の個数を求める。また、間隔決定部123は、上記の帯状領域を除いて決定された配置領域の大きさをもとに、発光素子の最終的な間隔を決定する。
また、配置部124は、間隔決定部123により決定された間隔で、領域決定部122により決定された配置領域内に、等間隔に発光素子を配置する。看板が矩形の場合には、これが最終的な発光素子の配置になるため、算出部125の処理は不要になる。
図10は、矩形の看板に対してLEDをレイアウトする端末装置1の第2の動作例を示すフロー図である。図10に示す各ステップの処理は、記憶部11に記憶されているプログラムに基づいて、制御部12の各機能ブロックにより、端末装置1の各要素と協働して実行される。
まず、取得部121は、入出力画面20においてユーザが入力した、看板の奥行き、配置面の縦横の長さ、拡散板の種類などの情報を取得する(ステップS21)。また、領域決定部122は、ステップS21で受け付けられた奥行きの値をもとに、図9の対応関係を参照して、看板の側壁に沿った、LEDの配置が禁止される帯状領域を特定する(ステップS22)。そして、領域決定部122は、その帯状領域を除いた看板の内側をLEDの配置領域と決定し、決定された配置領域の端部に最外殻のLEDを配置する(ステップS23)。
続いて、間隔決定部123は、ステップS21で取得された奥行きに関する情報をもとに、図5(a)の対応関係を参照してLEDの間隔(ピッチ)を仮決定する。そして、間隔決定部123は、そのピッチで配置領域内に等間隔でLEDを配置したときのLEDの個数を求める(ステップS24)。さらに、間隔決定部123は、ステップS23で決定された配置領域の大きさをもとに、LEDの最終的な間隔を決定する(ステップS25)。そして、配置部124は、ステップS25で決定された間隔で、領域決定部122により決定された配置領域内に、等間隔に発光素子を配置する(ステップS26)。
最後に、制御部12は、配置領域内に配置されたLEDの個数及び各LEDの座標の情報を用いて、図2の入出力画面20内に示したようなレイアウト図面を作成する。そして、制御部12は、作成したレイアウト図面を表示部14に出力して表示させる(ステップS27)。以上で、端末装置1の動作は終了する。
なお、力学モデルを使用してLEDをレイアウトする場合にも、領域決定部122は、図9に示した対応関係(検量線)を用いて求められる看板の側壁に沿った帯状領域を除いて、配置領域を決定してもよい。この場合、配置部124がその帯状領域と配置領域との境界上に固定ノードを配置して、算出部125により、配置領域における素子ノードの配置位置を算出すればよい。
図7を用いて説明した第1の動作例では、まずLEDが格子状に仮配置され、各LEDの配置位置が力学モデルにより決定される。しかしながら、単に格子状にLEDを配置するのでは、例えば線幅が狭いチャンネル文字の場合には、十分な個数のLEDが仮配置されず、看板全体の照度が均一にならないことがある。そこで、以下では、端末装置1の第3の動作例として、線幅が細いチャンネル文字であっても平均照度を均一化できるようにする、オフセットラインの演算と細線化処理を用いたLEDのレイアウト方法について説明する。
図11は、第3の動作例における制御部12の機能ブロック図である。図示した各部は、記憶部11に記憶されたプログラムを制御部12のCPUがRAMに読み込んで実行することにより実現される。取得部121、領域決定部122、間隔決定部123及び算出部125の動作は、上記した力学モデルを使用する第1の動作例の場合と同様である。
配置部124は、間隔決定部123により決定された間隔に基づき、領域決定部122により決定された配置領域内に、複数の素子ノードを配置する。第3の動作例では、配置部124は、オフセットライン演算部124A、ノード配置部124B、領域判定部124C、細線化処理部124D及びノード統合部124Eの機能ブロックで構成される。以下では、配置部124の各機能ブロックの詳細について説明する。
オフセットライン演算部124Aは、領域決定部122により決定された配置領域内で、取得部121により特定された輪郭に沿って、輪郭との間及び互いの間に所定の距離を空けて、1又は複数本のオフセットラインを算出する。オフセットラインは、それに沿って素子ノード(LED)を配置するための仮想的な線であり、その位置がオフセットライン演算部124Aにより算出される。
例えば、輪郭と輪郭に隣接するオフセットラインとの間の間隔p1は、間隔決定部123により決定された間隔(ピッチ)pと同じでもよいし、その間隔pを第1の係数c1(0<c1<1とする)倍に縮小した大きさでもよい。また、オフセットライン同士の間隔p2は、間隔決定部123により決定された間隔pと同じでもよいし、その間隔pを第2の係数c2(0<c1≦c2<1とする)倍に縮小した大きさでもよい。ただし、間隔p1,p2は、オフセットライン上にLEDを配置したときに隣接するLED同士の間に照度のムラが生じないように、図5(a)〜図5(c)に例示した対応関係から得られた間隔pより少し短くすることが好ましい。
図12はチャンネル文字の輪郭の例を示す図であり、図13は、図12に示す輪郭に沿ったオフセットライン61の例を示す図である。図示した例では、「3M」というチャンネル文字のうち、例えば左下の破線60で囲んだ部分では、両側の輪郭から2本ずつのオフセットライン61が引かれる。この部分では、下側の輪郭から見て2本目のオフセットラインと上側の輪郭から見て2本目のオフセットラインとの間に間隔p2を空けて3本目のオフセットラインを引くことはできない。このため、オフセットライン演算部124Aは、破線60の部分では、両側の輪郭から2本ずつのオフセットラインしか引けないと判定する。このように、オフセットライン演算部124Aは、輪郭から配置領域の内側に向かって、新たなオフセットラインが引けなくなるまで、オフセットラインの位置の算出を繰り返す。
ノード配置部124Bは、オフセットライン演算部124Aにより算出されたオフセットラインに沿って、複数の素子ノードを配置する。この素子ノードの位置がLEDの配置位置となる。1本のオフセットライン上で隣接する素子ノード同士の間隔p3は、間隔決定部123により決定された間隔pと同じでもよいし、その間隔pを予め定められた係数c3(0<c3<1とする)倍に縮小した大きさでもよい。ただし、間隔p3についても、素子ノードの位置に従って配置された隣接するLED同士の間に照度のムラが生じないように、図5(a)〜図5(c)に例示した対応関係から得られた間隔pより少し短くすることが好ましい。なお、素子ノードの配置間隔を求めるときの係数c3は、上記の第1の係数c1又は第2の係数c2と同じであってもよい。
図14は、図13に示すオフセットラインに沿った素子ノードの配置例を示す図である。図14において、符号62で示す複数の点は、ノード配置部124Bにより配置された素子ノードの位置であり、符号63で示す複数の小円は、素子ノードの位置を中心とし、間隔決定部123により決定された間隔pを直径とする円である。個々の小円63の内側は、1つのLEDで照度のムラなく照明できる領域に相当する。隣接する素子ノードの間隔p3を間隔決定部123により決定された間隔pより少し小さくすることから、小円63同士には重なりが生じる。
また、ノード配置部124Bは、オフセットラインの角部には優先的に素子ノードを配置してもよい。この場合には、ノード配置部124Bは、オフセットラインが予め定められた基準値よりも小さい角度をなす点(すなわち、オフセットラインが角張っている点)を特徴点と認識する。例えば、ノード配置部124Bは、その基準値との関係に応じて、オフセットラインが180度未満の160度、140度、120度または100度の角度をなす点などを特徴点と認識する。そして、ノード配置部124Bは、それらの特徴点には、上記の間隔p3にかかわらず、優先的に素子ノードを配置する。
また、ノード配置部124Bは、領域決定部122が決定した配置領域内において、後述する細線化処理部124Dが細線化処理を行って得られた線分に沿って、オフセットラインの場合と同様に、間隔p3で素子ノードを配置する。
領域判定部124Cは、まず、オフセットライン上の素子ノードの位置にLEDが配置されたときに配置領域内において照度のムラが発生し得る領域(すなわち、LEDの未配置領域)を特定する。例えば、領域判定部124Cは、配置領域内において、素子ノードの位置を中心とし、間隔決定部123により決定された間隔pを直径とする円(小円63)に外接する矩形領域で覆われない領域を、照度のムラが発生し得る領域(未配置領域)として特定する。これは、照度のムラなく照明できる小円63で覆われない領域であっても、面積が小円63に比べて十分小さければ人間は照度不足を感じないと考えられるので、未配置領域として小円63より十分大きな面積の領域を特定するためである。
図15は、図14に示す素子ノードの配置について、領域判定部124Cにより特定された領域を示す図である。図15では、各素子ノードを中心とする小円63(近傍領域)とチャンネル文字「3M」の輪郭の外側とを黒色で示し、領域判定部124Cが特定した未配置領域を白色で示す。
そして、領域判定部124Cは、特定した未配置領域、すなわち、間隔決定部123により決定された間隔pに基づく各素子ノードの近傍領域で覆われない部分の合計面積を算出する。さらに、領域判定部124Cは、配置領域全体の面積に対する未配置領域の合計面積の割合を算出し、その面積の割合が予め定められた面積判定の基準値以上であるか否かを判定する。この面積の割合、すなわち、図15における配置領域全体(あるいは、「3M」の輪郭に外接する矩形領域全体)の面積に対する白色領域の面積の割合が基準値以上である場合には、LEDが配置されていない領域が相対的に多く残されている。このため、領域判定部124Cの判定は、オフセットラインを利用した配置位置の決定方法によりLEDをうまくレイアウトできるか否かの判定を意味する。
領域判定部124Cが算出した面積の割合が基準値未満の場合には、オフセットラインを利用した配置位置の決定方法によりLEDをうまくレイアウトでき、未配置領域の面積の割合はその基準値未満である。この場合、その残った未配置領域にも、後述する細線化処理部124Dが細線化処理を行った結果に従って、ノード配置部124Bにより間隔p3で素子ノードを配置してもよい。これにより、配置領域の全体が上記の小円63により覆われ、照度のムラが発生しないLEDのレイアウトが得られる。
図16は、図15に示す白色領域に素子ノードが配置された状態を示す図である。図14と同様に、符号62は素子ノードの位置を示し、符号63は素子ノードの位置を中心とし間隔pを直径とする円を示す。図14と図16の符号62で示す点全体が、図示した例におけるLEDのレイアウトになる。
細線化処理部124Dは、領域判定部124Cが算出した未配置領域の面積の割合、すなわち、間隔決定部123により決定された間隔pに基づく各素子ノードの近傍領域で覆われない部分が配置領域において占める面積の割合が面積判定の基準値未満である場合には、その未配置領域に対して細線化処理を行う。この細線化処理は、残った未配置領域にもさらにLEDを配置するためのものである。その際、細線化処理部124Dは、未配置領域(複数存在する場合には、個々の未配置領域)の2値化画像を生成し、その2値化画像を1画素幅の線画像に変換する。細線化処理部124Dは、面積が細線化処理用の基準値以上である未配置領域についてのみ、細線化処理を行ってもよい。この場合の細線化処理用の基準値は、間隔決定部123により決定された間隔pの大きさに応じて変化する値であることが好ましい。
また、細線化処理部124Dは、領域判定部124Cが算出した未配置領域の面積の割合、すなわち、間隔決定部123により決定された間隔pに基づく各素子ノードの近傍領域で覆われない部分が配置領域において占める面積の割合が面積判定の基準値以上である場合には、配置領域の全体に対して細線化処理を行う。この場合、基準値以上の割合で未配置領域が残っており、オフセットラインを利用した配置位置の決定方法ではLEDをうまくレイアウトできないため、配置領域の全体に対して細線化処理を行うことにより、配置領域の全体が覆われるように配置位置を決定する。その際、細線化処理部124Dは、配置領域全体の2値化画像を生成し、その2値化画像を1画素幅の線画像に変換する。
また、細線化処理部124Dは、オフセットライン演算部124Aが配置領域内にオフセットラインを1本も引けないと判定した場合にも、同様に、配置領域の全体に対して細線化処理を行う。
さらに、細線化処理部124Dは、細線化処理を行って得られた線画像における中心線の端点及び交点を特徴点として抽出する。また、細線化処理部124Dは、抽出された交点で、線画像における中心線を複数の線分に仮想的に分割する。こうして得られた各線分に沿って、上記のオフセットラインのときと同様に、ノード配置部124Bにより、例えば上記の間隔p3で素子ノードが配置される。このとき、各線分の端点にも、ノード配置部124Bにより素子ノードが配置される。
図17(a)〜図18(f)は、細線化処理を利用した素子ノードの別の配置例を示す図である。図17(a)は、「A」というチャンネル文字の輪郭を示す。図17(b)は、図15と同様に、図17(a)の例における「A」の輪郭の外側を黒色で示し、領域判定部124Cにより特定された未配置領域を白色で示す。この例では、文字の線幅が狭いため、オフセットライン演算部124Aが配置領域内にオフセットラインを1本も引けないと判定したとする。したがって、図17(b)における白色領域は、輪郭の内側における配置領域全体と同じである。図17(c)は、図17(b)の2値化画像に対し、細線化処理部124Dが細線化処理を行って得られた線画像を示す。
図18(d)は、図17(c)の線画像における文字「A」の中心線71から抽出された特徴点を示す。この例では、特徴点として、3個の端点72と、3個の交点73が抽出される。図18(e)は、図18(d)に示した各交点73で中心線71が分割された状態を示す。この例では、中心線71は、端点72または交点73を端点とする5本の線分74に分割される。図18(f)は、図18(d)に示した各線分74上に配置された素子ノード75を示す。この例では、図18(d)に示した端点72及び交点73と、それらの間の各線分74上に、計15個の素子ノード75が配置される。図18(f)に示す素子ノード75の配置が、図示した例におけるLEDのレイアウトになる。
ノード統合部124Eは、ノード配置部124Bにより配置された複数の素子ノードのうち、間隔が予め定められた距離より短い複数の素子ノードを、1つの素子ノードに統合する。例えば、隣接する2個の素子ノードの間隔が間隔決定部123により決定された間隔pに基づく基準値以下である場合には、ノード統合部124Eは、その2個の素子ノードを削除し、それらの中点に1個の素子ノードを配置することで、素子ノードを統合する。また、ノード統合部124Eは、統合の対象となる素子ノードが3個以上ある場合には、それらの重心位置を統合後の素子ノードの位置とする。
図19は、オフセットラインの演算と細線化処理を用いた端末装置1の第3の動作例を示すフロー図である。図19に示す各ステップの処理は、記憶部11に記憶されているプログラムに基づいて、制御部12の各機能ブロックにより、端末装置1の各要素と協働して実行される。
まず、取得部121は、入出力画面20においてユーザにより選択された看板(チャンネル文字)の図面ファイルを読み込む(ステップS31)。また、取得部121は、入出力画面20においてユーザが入力した、看板の奥行き、大きさなどの情報を受け付けるとともに、例えば読み込まれた画像を2値化画像に変換して、画像処理により対象のチャンネル文字などの輪郭を特定する(ステップS32)。領域決定部122は、こうして抽出された輪郭の内側を、LEDの配置領域として決定する。また、間隔決定部123は、受け付けられた奥行きの値をもとに、例えば図5(a)の対応関係を参照して、LEDの間隔のデータを取得する(ステップS33)。
そして、オフセットライン演算部124Aは、領域決定部122により決定された配置領域内において、ステップS32で特定された輪郭に沿ってオフセットラインを算出する(ステップS34)。このときオフセットラインを算出できた場合(ステップS35でYes)には、ノード配置部124Bは、算出されたオフセットラインに沿って、ステップS33で取得された間隔に基づき、複数の素子ノードを配置する(ステップS36)。
さらに、領域判定部124Cは、ステップS36で配置された素子ノードの近傍領域で覆われない部分を、照度のムラが発生し得る領域(未配置領域)として特定する(ステップS37)。そして、領域判定部124Cは、配置領域全体の面積に対するその未配置領域の合計面積の割合を算出し、その面積の割合が予め定められた面積判定の基準値以上であるか否かを判定する(ステップS38)。
その結果、未配置領域の面積の割合が基準値未満であると判定された場合(ステップS38でYes)には、細線化処理部124Dは、その未配置領域に対して細線化処理を行う(ステップS39)。一方、未配置領域の面積の割合が基準値以上であると判定された場合(ステップS38でNo)には、細線化処理部124Dは、配置領域の全体に対して細線化処理を行う(ステップS40)。ステップS34でオフセットライン演算部124Aがオフセットラインを1本も算出できなかった場合(ステップS35でNo)にも、細線化処理部124Dは、配置領域の全体に対して細線化処理を行う(ステップS40)。
ステップS39,40で細線化処理が行われた後、細線化処理部124Dは、得られた中心線の端点及び交点を特徴点として抽出する(ステップS41)。また、細線化処理部124Dは、ステップS41で抽出された交点で、中心線を複数の線分に仮想的に分割する(ステップS42)。そして、ノード配置部124Bは、ステップS41で抽出された特徴点上、及び特徴点同士の間におけるステップS42で分割された各線分に沿って、複数の素子ノードを配置する(ステップS43)。
さらに、ノード統合部124Eは、ステップS36,S43で配置された複数の素子ノードのうち、間隔が予め定められた距離より短い複数の素子ノードを、1つの素子ノードに統合する(ステップS44)。
最後に、制御部12は、配置領域内に配置された素子ノードの個数及び各素子ノードの座標の情報を用いて、図2の入出力画面20内に示したようなレイアウト図面を作成する。そして、制御部12は、作成したレイアウト図面を表示部14に出力して表示させる(ステップS45)。以上で、端末装置1の動作は終了する。
なお、上記の処理により素子ノードの配置位置が決定された後で、ユーザが操作部13を介して手動で素子ノードの追加、削除及び移動をできるようにしてもよい。
また、図19のフロー図で説明したように、第3の動作例により得られた配置を最終的なLEDのレイアウトとしてもよい。この場合、算出部125の処理は不要になる。端末装置1では、オフセットラインの演算と細線化処理を用いることにより、線幅が細いチャンネル文字であっても、平均照度を均一化できる適切なLEDのレイアウトを自動的に算出することが可能になる。
あるいは、図19のフローで得られる素子ノードの配置を、力学モデルにおける図7のステップS17での仮配置として使用してもよい。すなわち、力学モデルを用いてLEDをレイアウトする際に、初期配置として、素子ノードを単に格子状に配置するのではなく、オフセットラインの演算と細線化処理により得られる配置を使用することにより、チャンネル文字の形状にかかわらずより最適なレイアウト結果が得られる。
図20は、通信システム2の概略構成図である。通信システム2は、互いに通信可能な端末装置3及びサーバ装置4を含む。これらの各装置は、有線又は無線の通信ネットワーク5を介して互いに接続される。
端末装置3は、上記した端末装置1と同様に、記憶部31と、制御部32と、操作部33と、表示部34と、端末通信部35とを有する。端末装置3は、例えば操作部33を介して入力された、対象となる看板の筐体の輪郭及び奥行きに関する情報を取得する。端末装置3では、端末通信部35が、取得された輪郭及び奥行きに関する情報をサーバ装置4に送信し、看板の筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報をサーバ装置4から受信する。そして、表示部34が、受信された個数及び配置位置に関する情報を表示する。
サーバ装置4は、記憶部41と、制御部42と、サーバ通信部43とを有する。記憶部41は、発光素子の間隔と配置面からの奥行きとの対応関係などの、上記した発光素子のレイアウト処理に必要な情報を記憶する。
制御部42は、上記した端末装置1の制御部12と同様に、レイアウト処理を行う機能ブロックとして、領域決定部422と、間隔決定部423と、配置部424と、算出部425とを有する。領域決定部422は、サーバ通信部43を介して取得された輪郭の情報をもとに、発光素子の配置領域を決定する。間隔決定部423は、サーバ通信部43を介して取得された奥行きに関する情報をもとに、記憶部41に記憶されている対応関係を参照することにより、配置領域における発光素子の間隔を決定する。配置部424は、決定された間隔に基づき、上記した第1〜第3の動作例の何れかの方法で、配置領域内に複数の素子ノードを配置する。算出部425は、上記した力学モデルを用いて、素子ノードの最終的な配置位置を算出する。
サーバ通信部43は、端末装置3から輪郭及び奥行きに関する情報を受信し、素子ノードの個数及び配置位置に関する情報を、筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として端末装置3に送信する。
このように、看板のデータなどの取得及び発光素子のレイアウト結果の表示と、実際のレイアウト処理とを別の装置で行ってもよい。サーバ装置4として端末装置3より高性能なものを使用すれば、レイアウト処理を高速化かつ高精度化することが可能である。
以上説明してきたように、端末装置1,3を使用することにより、看板内部の発光素子のレイアウトを手作業で行う場合よりも短い時間で、看板の平均照度が均一になるようなレイアウト結果が得られる。特に、ユーザは、そうしたレイアウトに関するノウハウをもたなくても、簡単な操作で、看板内部にLEDなどの発光素子を容易にレイアウトすることが可能になる。また、上記の方法では、文字を線図として処理するため、任意のフォント及びサイズのチャンネル文字に、また文字だけでなく任意の形状の線図内にも、発光素子をレイアウトすることが可能である。
なお、上記の各機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体などのコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供してもよい。
1 端末装置
11 記憶部
12 制御部
121 取得部
122 領域決定部
123 間隔決定部
124 配置部
124A オフセットライン演算部
124B ノード配置部
124C 領域判定部
124D 細線化処理部
124E ノード統合部
125 算出部
13 操作部
14 表示部
2 通信システム
3 端末装置
4 サーバ装置
11 記憶部
12 制御部
121 取得部
122 領域決定部
123 間隔決定部
124 配置部
124A オフセットライン演算部
124B ノード配置部
124C 領域判定部
124D 細線化処理部
124E ノード統合部
125 算出部
13 操作部
14 表示部
2 通信システム
3 端末装置
4 サーバ装置
Claims (15)
- 任意形状の表面を有し内部に複数の発光素子が配置される筐体の、前記任意形状の輪郭に関する情報及び前記表面から前記発光素子の配置面までの奥行きに関する情報を取得する取得ステップと、
前記配置面上における前記輪郭の内側を前記発光素子の配置領域として決定する領域決定ステップと、
取得された前記奥行きに関する情報をもとに、前記発光素子の間隔と前記配置面からの奥行きとの対応関係を参照することにより、前記配置領域における前記発光素子の間隔を決定する間隔決定ステップと、
決定された間隔に基づき前記配置領域内に複数の素子ノードを配置する配置ステップと、
前記素子ノードの個数及び配置位置に関する情報を、前記筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする方法。 - 前記配置ステップは、
前記配置領域内で、前記輪郭に沿って、所定の距離を前記輪郭との間に空けてオフセットラインを演算し、
前記オフセットラインに沿って複数の素子ノードを配置する、
ことを含む、請求項1に記載の方法。 - 前記配置ステップは、
前記配置領域における決定された間隔に基づく前記複数の素子ノードのそれぞれの近傍領域で覆われない部分に対して細線化処理を行い、
細線化された各線分に沿ってさらに素子ノードを配置する、
ことをさらに含む、請求項2に記載の方法。 - 前記配置ステップは、前記オフセットラインを演算することができないか、又は決定された間隔に基づく前記複数の素子ノードのそれぞれの近傍領域で覆われない部分が前記配置領域において予め定められた基準値以上の割合の面積を占める場合に、
前記配置領域の全体に対して細線化処理を行い、
細線化された各線分に沿ってさらに素子ノードを配置する、
ことをさらに含む、請求項2に記載の方法。 - 前記配置ステップは、前記複数の素子ノードのうち間隔が予め定められた距離より短い複数の素子ノードを1つの素子ノードに統合することをさらに含む、請求項3又は4に記載の方法。
- 前記輪郭に沿って複数の固定ノードを配置する第2の配置ステップと、
決定された間隔に応じたばね定数を有する複数のばねにより前記複数の素子ノードのそれぞれを隣接する固定ノードと他の素子ノードの少なくとも何れか一方に接続した力学モデルを用いて、前記複数の素子ノードのそれぞれに一定の力が及ぶような、前記配置領域における前記複数の素子ノードの位置を算出する算出ステップと、
算出された各位置に前記複数の素子ノードを再配置する再配置ステップと、
をさらに有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。 - 前記筐体は、前記表面に、前記発光素子からの光を拡散させる拡散板を有し、
前記対応関係は、前記発光素子の間隔と、前記配置面からの奥行きと、さらに前記配置面から前記奥行きだけ離れた位置に前記拡散板が配置されたときに前記発光素子の発光により前記拡散板を通して得られる照度値との対応関係である、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。 - 前記間隔決定ステップでは、前記発光素子の発光により前記拡散板を通して得られる照度値が予め定められた基準値以上になるように、前記発光素子の間隔を決定する、請求項7に記載の方法。
- 前記拡散板を通して得られる照度の条件の入力を受け付ける条件受付ステップをさらに有し、
前記間隔決定ステップでは、前記発光素子の発光により前記拡散板を通して得られる照度値が照度に関する複数の予め定められた基準値のうち受け付けられた条件に応じた基準値以上になるように、前記発光素子の間隔を決定する、請求項8に記載の方法。 - 前記任意形状は矩形であり、
前記領域決定ステップは、
取得された前記奥行きに関する情報をもとに、筐体の奥行きと前記発光素子の配置が禁止される筐体の側壁からの距離との第2の対応関係を参照することにより、前記配置面上の前記輪郭に沿った帯状領域を特定し、
前記配置面上における前記帯状領域を除いた前記輪郭の内側を前記配置領域として決定する、ことを含み、
前記間隔決定ステップでは、さらに前記配置領域の大きさを用いて前記発光素子の間隔を決定する、請求項1に記載の方法。 - 使用される発光素子の種類の入力を受け付ける種類受付ステップをさらに有し、
前記間隔決定ステップでは、複数種類の発光素子についての前記対応関係のうち受け付けられた種類の発光素子についての対応関係を参照することにより、前記発光素子の間隔を決定する、請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。 - 前記取得ステップでは、前記表面の画像データから前記輪郭を抽出することにより、前記輪郭に関する情報を取得する、請求項1〜11の何れか一項に記載の方法。
- 任意形状の表面を有し内部に複数の発光素子が配置される筐体の、前記任意形状の輪郭に関する情報及び前記表面から前記発光素子の配置面までの奥行きに関する情報を取得する取得部と、
前記発光素子の間隔と前記配置面からの奥行きとの対応関係を記憶する記憶部と、
前記配置面上における前記輪郭の内側を前記発光素子の配置領域として決定する領域決定部と、
取得された前記奥行きに関する情報をもとに、前記対応関係を参照することにより、前記配置領域における前記発光素子の間隔を決定する間隔決定部と、
決定された間隔に基づき前記配置領域内に複数の素子ノードを配置する配置部と、
前記素子ノードの個数及び配置位置に関する情報を、前記筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として出力する出力部と、
を有することを特徴とする装置。 - 互いに通信可能な端末装置及びサーバ装置を含むシステムであって、
前記端末装置は、
任意形状の表面を有し内部に複数の発光素子が配置される筐体の、前記任意形状の輪郭に関する情報及び前記表面から前記発光素子の配置面までの奥行きに関する情報を取得する取得部と、
取得された前記輪郭及び奥行きに関する情報を前記サーバ装置に送信し、前記筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報を前記サーバ装置から受信する端末通信部と、
受信された前記個数及び配置位置に関する情報を表示する表示部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記発光素子の間隔と前記配置面からの奥行きとの対応関係を記憶する記憶部と、
前記配置面上における前記輪郭の内側を前記発光素子の配置領域として決定する領域決定部と、
取得された前記奥行きに関する情報をもとに、前記対応関係を参照することにより、前記配置領域における前記発光素子の間隔を決定する間隔決定部と、
決定された間隔に基づき前記配置領域内に複数の素子ノードを配置する配置部と、
前記端末装置から前記輪郭及び奥行きに関する情報を受信し、前記素子ノードの個数及び配置位置に関する情報を、前記筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として前記端末装置に送信するサーバ通信部と、を有する、
ことを特徴とするシステム。 - 平面上に配置される複数の発光素子の間隔と前記発光素子の配置面からの奥行きとの対応関係を記憶する記憶部を有するコンピュータに、
任意形状の表面を有し内部に複数の発光素子が配置される筐体の、前記任意形状の輪郭に関する情報及び前記表面から前記配置面までの奥行きに関する情報を取得し、
前記配置面上における前記輪郭の内側を前記発光素子の配置領域として決定し、
取得された前記奥行きに関する情報をもとに、前記対応関係を参照することにより、前記配置領域における前記発光素子の間隔を決定し、
決定された間隔に基づき前記配置領域内に複数の素子ノードを配置し、
前記素子ノードの個数及び配置位置に関する情報を、前記筐体の内部に配置される発光素子の個数及び配置位置に関する情報として出力する、
ことを実現させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015018821A JP2016038901A (ja) | 2014-08-08 | 2015-02-02 | 発光素子のレイアウトを決定する方法、装置、システム及びプログラム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014162483 | 2014-08-08 | ||
JP2014162483 | 2014-08-08 | ||
JP2015018821A JP2016038901A (ja) | 2014-08-08 | 2015-02-02 | 発光素子のレイアウトを決定する方法、装置、システム及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016038901A true JP2016038901A (ja) | 2016-03-22 |
Family
ID=55529868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015018821A Pending JP2016038901A (ja) | 2014-08-08 | 2015-02-02 | 発光素子のレイアウトを決定する方法、装置、システム及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016038901A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019528560A (ja) * | 2016-08-10 | 2019-10-10 | エー. カーティス,ジェフリー | 照明アセンブリおよびその製造方法 |
WO2022153398A1 (ja) * | 2021-01-13 | 2022-07-21 | 日本電信電話株式会社 | 位置制御装置、方法およびプログラム |
-
2015
- 2015-02-02 JP JP2015018821A patent/JP2016038901A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019528560A (ja) * | 2016-08-10 | 2019-10-10 | エー. カーティス,ジェフリー | 照明アセンブリおよびその製造方法 |
WO2022153398A1 (ja) * | 2021-01-13 | 2022-07-21 | 日本電信電話株式会社 | 位置制御装置、方法およびプログラム |
JP7464151B2 (ja) | 2021-01-13 | 2024-04-09 | 日本電信電話株式会社 | 位置制御装置、方法およびプログラム |
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