JP2016037912A - ベローズポンプ装置 - Google Patents
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Description
このベローズポンプは、例えば、特許文献1に記載されているように、ポンプヘッドの左右方向(水平方向)の両側にポンプケースを連結して2つの空気室を形成し、各空気室の内部にそれぞれ左右方向に伸縮可能な一対のベローズを設け、各空気室に交互に加圧空気を供給することによって各ベローズを収縮又は伸長させるように構成されている。ベローズポンプには、各空気室に供給する加圧空気を適正な空気圧に調整する機械式レギュレータが接続されている。
P=at+b
ただし、Pは前記空気圧、aは圧力増加係数、tは前記ベローズの収縮経過時間、bは初期空気圧である。
この場合、ベローズが収縮している間に移送流体の吐出圧力が落ち込むのを効果的に低減することができる。
[ベローズポンプの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るベローズポンプ装置の概略構成図である。本実施形態のベローズポンプ装置は、例えば半導体製造装置において薬液や溶剤等の移送流体を一定量供給するときに用いられる。このベローズポンプ装置は、ベローズポンプ1と、当該ベローズポンプ1に加圧空気(作動流体)を供給するエアコンプレッサ等の空気供給装置2と、前記加圧空気の空気圧を調整する機械式レギュレータ3及び2個の第1及び第2電空レギュレータ51,52と、2個の第1及び第2切換バルブ4,5と、ベローズポンプ1の駆動を制御する制御部6とを備えている。
本実施形態のベローズポンプ1は、ポンプヘッド11と、このポンプヘッド11の左右方向(水平方向)の両側に取り付けられる一対のポンプケース12と、各ポンプケース12の内部において、ポンプヘッド11の左右方向の側面に取り付けられる2個の第1及び第2ベローズ13,14と、各ベローズ13,14の内部において、ポンプヘッド11の左右方向の側面に取り付けられる4個のチェックバルブ15,16と、を備えている。
第1及び第2ベローズ13,14は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素樹脂により有底筒形状に形成され、その開放端部に一体形成されたフランジ部13a,14aはポンプヘッド11の側面に気密状に押圧固定されている。第1及び第2ベローズ13,14の各周壁は蛇腹形状に形成され、互いに独立して水平方向に伸縮可能に構成されている。具体的には、第1及び第2ベローズ13,14は、後述する作動板19の外面がポンプケース12の底壁部12aの内方側面に当接する最伸長状態と、後述するピストン体23の内方側面がポンプケース12の底壁部12aの外方側面に当接する最収縮状態との間で伸縮するようになっている。
第1及び第2ベローズ13,14の底部の外面には、ボルト17及びナット18により作動板19が連結部材20の一端部とともに固定されている。
ポンプケース12は、有底円筒状に形成されており、その開口周縁部は、対応するベローズ13(14)のフランジ部13a(14a)に気密状に押圧固定されている。これにより、ポンプケース12の内部には、気密状態が保持された吐出側空気室21が形成されている。
ポンプケース12には吸排気ポート22がそれぞれ設けられており、吸排気ポート22は、切換バルブ4(5)、電空レギュレータ51(52)及び機械式レギュレータ3を介して空気供給装置2に接続されている(図1参照)。これにより、空気供給装置2から機械式レギュレータ3、電空レギュレータ51(52)及び切換バルブ4(5)及び吸排気ポート22を介して吐出側空気室21の内部に加圧空気を供給することで、ベローズ13(14)が収縮するようになっている。
各ポンプケース12の底壁部12aの下方には、移送流体の吐出側空気室21への漏洩を検知するための漏洩センサ40が取り付けられている。
また、図2右側の吐出側空気室21が形成されたポンプケース12と、図2右側の吸込側空気室26が形成されたピストン体23及びシリンダ体25とにより、第2ベローズ14を最伸長状態と最収縮状態との間で連続して伸縮動作させる第2エアシリンダ部(第2駆動装置)28が構成されている。
ポンプヘッド11は、PTFEやPFA等のフッ素樹脂から形成されている。ポンプヘッド11の内部には、移送流体の吸込通路34と吐出通路35とが形成されており、この吸込通路34及び吐出通路35は、ポンプヘッド11の外周面において開口し、当該外周面に設けられた吸込ポート及び吐出ポート(いずれも図示省略)に接続されている。吸込ポートは移送流体の貯留タンク等に接続され、吐出ポートは移送流体の移送先に接続される。また、吸込通路34及び吐出通路35は、それぞれポンプヘッド11の左右両側面に向けて分岐するとともに、ポンプヘッド11の左右両側面において開口する吸込口36及び吐出口37を有している。各吸込口36及び各吐出口37は、それぞれチェックバルブ15,16を介してベローズ13,14の内部と連通している。
各吸込口36及び各吐出口37には、チェックバルブ15,16が設けられている。
吸込口36に取り付けられたチェックバルブ15(以下、「吸込用チェックバルブ」ともいう)は、バルブケース15aと、このバルブケース15aに収容された弁体15bと、この弁体15bを閉弁方向に付勢する圧縮コイルバネ15cとを有している。バルブケース15aは有底円筒形状に形成されており、その底壁にはベローズ13,14の内部に連通する貫通孔15dが形成されている。弁体15bは、圧縮コイルバネ15cの付勢力により吸込口36を閉鎖(閉弁)し、ベローズ13,14の伸縮に伴う移送流体の流れによる背圧が作用すると吸込口36を開放(開弁)するようになっている。
これにより、吸込用チェックバルブ15は、自身が配置されているベローズ13,14が伸長したときに開弁して、吸込通路34からベローズ13,14内部に向かう方向(一方向)への移送流体の吸引を許容し、当該ベローズ13,14が収縮したときに閉弁して、ベローズ13,14内部から吸込通路34に向かう方向(他方向)への移送流体の逆流を阻止する。
次に、本実施形態のベローズポンプ1の動作を図3及び図4を参照して説明する。なお、図3及び図4においては第1及び第2ベローズ13,14の構成を簡略化して示している。
図3に示すように、第1ベローズ13が収縮し、第2ベローズ14が伸長した場合、ポンプヘッド11の図中左側に装着された吸込用チェックバルブ15及び吐出用チェックバルブ16の各弁体15b,16bは、第1ベローズ13内の移送流体から圧力を受けて各バルブケース15a,16aの図中右側にそれぞれ移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が閉じるともに、吐出用チェックバルブ16が開き、第1ベローズ13内の移送流体が吐出通路35からポンプ外へ排出される。
以上の動作を繰り返し行うことで、左右のベローズ13,14は、交互に移送流体の吸引と排出とを行うことができる。
図1において、第1切換バルブ4は、空気供給装置2から第1エアシリンダ部27の吐出側空気室21及び吸込側空気室26への加圧空気の給排を切り換えるものであり、例えば一対のソレノイド4a,4bを有する三位置の電磁切換弁からなる。各ソレノイド4a,4bは制御部6から指令信号を受けて励磁されるようになっている。なお、本実施形態の第1切換バルブ4は、三位置の電磁切換弁からなるが、中立位置を有しない二位置の電磁切換弁であっても良い。
制御部6は、第1検知手段29及び第2検知手段31(図2参照)の検知信号に基づいて、各切換バルブ4,5を切り換えることで、ベローズポンプ1の第1エアシリンダ部27及び第2エアシリンダ部28の各駆動を制御するものである。
図5は、制御部6の内部構成を示すブロック図である。制御部6は、第1及び第2算出部6a,6bと、第1及び第2決定部6c,6dと、駆動制御部6eとを有している。
本実施形態の第1決定部6cは、例えば、以下の式を用いて第1時間差を決定する。
第1時間差=(第1伸長時間+第1収縮時間)/2
本実施形態の第2決定部6dは、例えば、以下の式を用いて第2時間差を決定する。
第2時間差=(第2伸長時間+第2収縮時間)/2
電源スイッチ8は、ベローズポンプ1への通電をオンオフ操作する操作指令を出力するものであり、その操作指令は制御部6に入力される。スタートスイッチ9は、ベローズポンプ1を駆動させる操作指令を出力するものであり、その操作指令は制御部6に入力される。停止スイッチ10は、第1ベローズ13及び第2ベローズ14をいずれも最収縮状態としたスタンバイ状態とする操作指令を出力するものである。
図6は、制御部6が行うベローズポンプ1の駆動制御の一例を示すタイムチャートである。電源スイッチ8がオフのとき、第1及び第2切換バルブ4、5(図1参照)は、中立位置に保持されている。したがって、電源スイッチ8がオフのとき、ベローズポンプ1の第1及び第2エアシリンダ部27,28の空気室21,26は大気に連通しているため、両空気室21,26内が大気圧でバランスした状態となるように、第1ベローズ13及び第2ベローズ14は、前記スタンバイ状態から少し伸長した位置で保持されている。
具体的には、駆動制御部6eは、第1切換バルブ4のソレノイド4aを消磁させるとともにソレノイド4bを励磁させ、第1ベローズ13を最収縮状態(スタンバイ状態)から最伸長状態まで伸長させる。これと同時に、駆動制御部6eは、第2切換バルブ5のソレノイド5aを消磁させるとともにソレノイド5bを励磁させ、第2ベローズ14も最収縮状態(スタンバイ状態)から最伸長状態まで伸長させる。
同様に、第2ベローズ14が最収縮状態から最伸長状態まで伸長するとき、第2算出部6bは、近接センサ31Aがオフになった時点(t1)から、近接センサ31Bがオンになる時点(t2)までの時間をカウントし、第2ベローズ14の第2伸長時間(t2−t1)を算出する。
その際、第1算出部6aは、近接センサ29Bがオフになった時点(t3)から、近接センサ29Aがオンになる時点(t4)までの時間をカウントし、第1ベローズ13の第1収縮時間(t4−t3)を算出する。
第1時間差=(第1伸長時間+第1収縮時間)/2=((t2−t1)+(t4−t3))/2
その際、第2算出部6bは、近接センサ31Bがオフになった時点(t4)から、近接センサ31Aがオンになる時点(t6)までの時間をカウントし、第2ベローズ14の第2収縮時間(t6−t4)を算出する。
第2時間差=(第2伸長時間+第2収縮時間)/2=((t2−t1)+(t6−t4))/2
同様に、第2算出部6b及び第2決定部6dにより、第2ベローズ14が1往復するたびに、上述のように第2伸長時間及び第2収縮時間が算出され、その算出された第2伸長時間及び第2収縮時間に基づいて第2時間差が決定される。
なお、第1ベローズ13が伸長動作を開始してから所定時間(t6−t5)後に、第2ベローズ14は最収縮状態となり、近接センサ31Bがオフからオンに切り換わるが、駆動制御部6eは、第2ベローズ14をしばらく最収縮状態のまま保持しておく。
また、駆動制御部6eは、ソレノイド4aを励磁させた時点(t8)から、上記で決定された第1時間差のカウントを開始する。
その際、第2ベローズ14が最伸長状態となった時点(t10)で、近接センサ31Bはオフからオンに切り換わるが、駆動制御部6eは、第2ベローズ14を最伸長状態のまま保持しておく。
また、駆動制御部6eは、ソレノイド5aを励磁させた時点(t11)から、上記で決定された第2時間差のカウントを開始する。
その際、第1ベローズ13が最伸長状態となった時点(t13)で、近接センサ29Bはオフからオンに切り換わるが、駆動制御部6eは、第1ベローズ13を最伸長状態のまま保持しておく。
また、駆動制御部6eは、ソレノイド4aを励磁させた時点(t14)から、直前に決定された第1時間差のカウントを開始する。この直前に決定された第1時間差は、第1ベローズ13の直前の1往復動作によって算出された第1伸長時間(t7−t5)及び第1収縮時間(t12−t8)に基づいて決定されたものである。
その際、第2ベローズ14が最伸長状態となった時点(t16)で、近接センサ31Bはオフからオンに切り換わるが、駆動制御部6eは、第2ベローズ14を最伸長状態のまま保持しておく。
また、駆動制御部6eは、ソレノイド5aを励磁させた時点(t17)から、直前に決定された第2時間差のカウントを開始する。この直前に決定された第2時間差は、第2ベローズ14の直前の1往復動作によって算出された第2伸長時間(t10−t9)及び第2収縮時間(t15−t11)に基づいて決定されたものである。
その際、第1ベローズ13が最伸長状態となった時点(t19)で、近接センサ29Bはオフからオンに切り換わるが、駆動制御部6eは、第1ベローズ13を最伸長状態のまま保持しておく。
したがって、移送流体の吐出負荷などによって第1及び第2収縮時間(吐出時間)や第1及び第2伸長時間(吸込時間)に変動があっても、その変動に追従して最適なタイミングでベローズポンプ1を駆動制御することができる。
図1及び図2おいて、第1電空レギュレータ51は、機械式レギュレータ3と第1切換バルブ4との間に配置されている。また、第2電空レギュレータ52は、機械式レギュレータ3と第2切換バルブ5との間に配置されている。各電空レギュレータ51,52は、外部から予め設定される設定圧力に基づいて出力ポート(図示省略)から出力する空気圧を無段階に調整する機能を有している。
また、第2電空レギュレータ52は、第2ベローズ14の収縮動作時において、第2エアシリンダ部28の吐出側空気室21に供給する加圧空気の空気圧を、第2ベローズ14の収縮特性に対応して上昇させるように当該空気圧を制御する。
図9は、第1及び第2電空レギュレータ51,52の空気圧の制御の一例を示すグラフである。図9において、第1ベローズ13が伸長している伸長時間T1の間(伸長動作時)、第1電空レギュレータ51は、加圧空気の空気圧が常に一定の空気圧cとなるように制御する。そして、第1ベローズ13が収縮している収縮時間T2の間(収縮動作時)、第1電空レギュレータ51は、単位時間(例えば10ms)ごとに下記の式を用いて加圧空気の空気圧を制御する。
P=at+b
ただし、Pは出力ポートから出力される加圧空気の空気圧、aは圧力増加係数、tは第1ベローズ13の収縮経過時間、bは初期空気圧である。本実施形態では、圧力増加係数aは第1ベローズ13の収縮特性を示しており、上記初期空気圧bは、上記空気圧cよりも大きい値に設定されている。
さらに、上述のように、駆動制御部6eが第1及び第2時間差に基づいてベローズポンプ1を駆動制御することで、一方のベローズの収縮(吐出)から伸長(吸い込み)への切り換えタイミング(図中の実線で囲む部分)において、他方のベローズは既に収縮して移送流体を吐出しているので、前記切り換えタイミングにおいて吐出圧力が大きく落ち込むのを低減することができる。
したがって、第1及び第2電空レギュレータ51,52の制御と、駆動制御部6eの制御とを組み合わせることで、ベローズポンプ1の吐出側の脈動を効果的に低減することができる。
図11は、上記実施形態におけるベローズポンプ装置の変形例を示す概略構成図である。本変形例におけるベローズポンプ装置は、図示を省略するが、従来と同様に、左右一対のベローズをタイロッドにより一体に連結したものであり、各エアシリンダ部27,28には、吐出側空気室21と吸排気ポート22のみが形成されている。
これにより、一方の吐出側空気室21に加圧空気を供給すると、ベローズが収縮して移送流体が吐出され、これと同時に他方のベローズが強制的に伸長して吸込通路から移送流体が吸い込まれる。また、他方の吐出側空気室21に加圧空気を供給すると、前記他方のベローズが収縮して移送流体が吐出され、これと同時に前記一方のベローズが強制的に伸長して移送流体が吸い込まれる。
切換バルブ7は、図示しない一対のソレノイドを励磁又は消磁することで、両エアシリンダ部27,28の吐出側空気室21のうちの一方に加圧空気を供給し、他方から加圧空気を排出するように、加圧空気の給排を切り換える。
また、電空レギュレータ51〜53は、切換バルブ4,5,7の上流側に配置されているが、切換バルブ4,5,7の下流側に配置されていても良い。但し、この場合には、電空レギュレータ51〜53の一次側に、切換バルブ4,5,7を切り換えたときに生じる衝撃圧力が作用するので、電空レギュレータ51〜53の故障を防止するという観点では、切換バルブ4,5,7の上流側に電空レギュレータ51〜53を配置するのが好ましい。
13 第1ベローズ(ベローズ)
14 第2ベローズ(ベローズ)
21 吐出側空気室(空気室)
27 第1エアシリンダ部(第1駆動装置)
28 第2エアシリンダ部(第2駆動装置)
29 第1検知手段
31 第2検知手段
51 第1電空レギュレータ(電空レギュレータ)
52 第2電空レギュレータ(電空レギュレータ)
53 電空レギュレータ
Claims (3)
- 密閉された空気室に加圧空気を供給することで前記空気室内に配置されたベローズを収縮動作させて移送流体を吐出するとともに、前記空気室から加圧空気を排出することで前記ベローズを伸長動作させて移送流体を吸入するベローズポンプ装置であって、
前記ベローズの収縮動作時において、前記空気室に供給する加圧空気の空気圧を、前記ベローズの収縮特性に対応して上昇させるように、前記空気圧を制御する電空レギュレータを備えていることを特徴とするベローズポンプ装置。 - 前記電空レギュレータは、単位時間ごとに以下の式を用いて前記空気圧を制御する請求項1に記載のベローズポンプ装置。
P=at+b
ただし、Pは前記空気圧、aは圧力増加係数、tは前記ベローズの収縮経過時間、bは初期空気圧である。 - 前記ベローズは、互いに独立して伸縮自在な第1ベローズ及び第2ベローズからなり、
前記第1ベローズを最伸長状態と最収縮状態との間で連続して伸縮動作させる第1駆動装置と、
前記第2ベローズを最伸長状態と最収縮状態との間で連続して伸縮動作させる第2駆動装置と、
前記第1ベローズの伸縮状態を検知する第1検知手段と、
前記第2ベローズの伸縮状態を検知する第2検知手段と、
前記第1及び第2検知手段の各検知信号に基づいて、前記第1ベローズが最収縮状態となる手前で前記第2ベローズを最伸長状態から収縮させるとともに、前記第2ベローズが最収縮状態となる手前で前記第1ベローズを最伸長状態から収縮させるように、前記第1及び第2駆動装置を駆動制御する制御部と、をさらに備えている請求項1又は2に記載のベローズポンプ装置。
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