JP2016037443A - 光リソグラフィ用ガラス基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】露光による熱膨張、および、それによるパターン精度の悪化が抑制された光リソグラフィ用ガラス基板の提供。
【解決手段】フッ素を含有する合成石英ガラスからなる、光リソグラフィ用ガラス基板であって、該光リソグラフィ用ガラス基板のパターン形成領域を、分割数が3以上になるように、その長辺方向に沿って短冊状に分割した場合に、各短冊内の平均フッ素濃度が1質量%以上であり、かつ、短冊間の平均フッ素濃度の分布が0.45質量%以下であることを特徴とする、光リソグラフィ用ガラス基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、光リソグラフィ用フォトマスク基板として使用される、光リソグラフィ用ガラス基板に関する。
従来から、光リソグラフィ技術においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して半導体集積回路を製造するための露光装置が広く利用されている。半導体集積回路の高集積化および高機能化に伴い、回路パターンの微細化が進んでいる。露光装置には、フォトマスク上に形成された従来より細かく小さな回路パターンを、より大きな焦点深度かつより高い解像度で、ウェハ面上の定められた位置に正確に転写することが求められている。そのため、露光装置は、露光光源の短波長化が進められている。露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から進んでArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられている。
半導体集積回路は、リソグラフィ工程、エッチング工程、および、成膜工程からなる、一連のプロセスを合計20〜30回繰り返し行い、様々な形状の回路パターンを順次積層形成することにより、通常作製される。ここで20〜30回繰返し行うリソグラフィ工程は、フォトマスクからウェハに転写する回路パターンの形状や密度が、各回毎に異なる。1種類の半導体集積回路を作製するために、回路パターンの形状や密度が異なる20〜30種類のフォトマスクが使用される。露光エリア中に占める遮光膜の無いエリアの割合(開口率と呼ぶ)は、2〜80%とフォトマスクの種類ごとに大きく異なる。開口率が低いフォトマスクの場合、フォトマスクに入射する光のほとんどは遮光膜で吸収される。遮光膜で吸収された光エネルギーのほとんどは熱に変わり、フォトマスクの温度の上昇をもたらす。フォトマスクの温度が上昇すると、フォトマスク基板を構成する材料が熱膨張する。その結果、回路パターンを形成する位置が所望位置からずれて、作製された半導体集積回路が動作不良を起こす恐れがある。
フォトマスク基板を構成する材料としては、室温付近における熱膨張係数(CTE)が約500ppb/Kとフッ化カルシウムなど他の光学材料と比べて小さい、紫外光から可視光域の広い範囲にて高い光透過性を有する、耐薬品性に優れるなどの諸理由により、合成石英ガラスが主に使用されてきた。フォトマスク基板を構成する材料として合成石英ガラスを用いた場合、回路パターン寸法が50nm以上と比較的大きい半導体集積回路においては、回路パターン重ね合わせ精度の要求値は10nmと比較的大きく、開口率の小さなフォトマスクを用いて回路パターンを転写する場合であっても、前述の回路パターン重ね合わせ精度の悪化は許容される範囲内であり、問題無かった。しかしながら、半導体集積回路の回路パターン寸法が50nm未満に小さくなると、回路パターン重ね合わせ精度の要求値も10nm未満と小さくなるため、前述のフォトマスク基板を構成する材料の熱膨張による回路パターン重ね合わせ精度の悪化が許容値と同程度となる場合や、さらには許容値を超える場合もあり問題となってきた。特に、開口率の小さなフォトマスク、低感度のポジ型レジストと、を使用する場合、あるいは、開口率の大きなフォトマスクと、低感度のネガ型レジストと、を使用する場合、この問題は顕著になった。具体的には、開口率が25%以下のフォトマスクと、30mJ/cm2以上の露光量を要する低感度ポジ型レジストと、を使用する場合、あるいは、開口率が75%以上のフォトマスクと、30mJ/cm2以上の露光量を要する低感度ネガ型レジストと、を使用する場合、この問題は顕著になった。加えて、半導体集積回路の回路パターン寸法が50nm未満と小さくなると、露光装置の回路パターン解像度が足りないために、半導体集積回路を構成する各層の回路パターンを複数に分割し、複数回の露光にて形成する必要が生じてきた。この場合、要求パターン重ね合わせ精度は、1回露光で各層の回路パターンを全て転写する場合と比べてさらに厳しくなり、前記問題がさらに深刻化した(非特許文献1、2、3、4、特許文献1参照)。
Effectsof chrome pattern characteristcs on image placement due to thermomechanical distortion of optical reticles during exposure,A.Abdo et.al.,Journal of Vacuum Sceience&Technology B21,3052(2003) INTERNATIONAL TECHNOLOGY ROADMAP FOR SEMICONDUCTORS(2〜3年毎に改訂される。例えば2006年版) Investigation on reticle heating effect induced overlay error,Mi Jung Lim,et.al.,SPIE, 9050−38 (2014) Imaging control functions of optical scanners,Hisashi Nishinaga,et.al.,SPIE,9052−10 (2014)
特開2000−321753号公報
光リソグラフィ用フォトマスク基板は、152mm×152mm×6.35mmの直方体形状のものが通常使用される。回路パターン原版を形成する領域(以下、「パターン形成領域」という。)は、該基板の152mm角の主面の中央132mm×104mmの長方形からなる領域である。光リソグラフィは、露光装置の投影光学系のサイズを小さくできる、平坦度などウェハの表面形状が及ぼす回路パターン転写精度への影響を比較的容易に補正することができるなどの理由により、パターン形成領域全面に露光光を照射して回路パターンを一括転写するステップ&リピート方式から、幅2〜3mmと長さ約104mmを有する細長いスリット状の露光光をフォトマスクに照射しながらフォトマスクとウェハを同時に平行移動させるスキャン方式へと移行して、該スキャン方式が主流となっている。このスキャン方式では、露光装置の照明光学系レンズや投影光学系レンズのサイズを小さくすることができるため、フォトマスクとウェハの移動方向と直交する方向が、スリット状の露光エリアの長辺となるよう配置する。ここで、フォトマスクの移動方向(スキャン方向)は、通常、該フォトマスクのパターン形成領域の長辺方向と一致する。
フォトマスクの熱膨張による変形量ΔLは、フォトマスク基板を構成する材料の熱膨張係数をαとし、対象となる部位の長さ(たとえば、パターン形成領域の長辺の長さ)をLとし、温度変化量をΔTとした場合、下記式(A)で示す関係となる。
ΔL=α・L・ΔT ・・・(A)
上記式(A)に示すように、ΔLはLに比例して大きくなる。このため、フォトマスク基板のパターン形成エリアの熱膨張による変形量は、Lが最大となるパターン形成エリアの対角線方向、長さ168mmあたりの熱膨張量が最大となる。しかしながら、パターン形成エリアの短辺104mm方向の熱膨張による変形は、細長い長方形の露光光がフォトマスクを走査する際に、フォトマスク上の回路パターンをウェハに縮小投影する倍率を随時調整するなどの補正を行うことができる。このため、パターン形成エリアの短辺104mm方向の熱膨張による回路パターン重ね合わせ精度の悪化は大きな問題とならない。一方、パターン形成エリアの長辺132mm方向の熱膨張による変形は、前述のような補正が難しい。このため、フォトマスク基板のパターン形成エリアの熱膨張による変形において問題となるのは、補正の難しいパターン形成領域の長辺方向の熱膨張である。この場合Lが最大となるパターン形成エリアの長辺方向の長さ132mmあたりの熱膨張量をなるべく小さくすることが望まれる。
上記した従来技術の問題点を解決するため、本発明は、露光による熱膨張、および、それによるパターン精度の悪化が抑制された光リソグラフィ用ガラス基板を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、フッ素を含有する合成石英ガラスからなる、光リソグラフィ用ガラス基板であって、
該光リソグラフィ用ガラス基板のパターン形成領域を、分割数が3以上になるように、その長辺方向に沿って短冊状に分割した場合に、各短冊内の平均フッ素濃度が1質量%以上であり、かつ、短冊間の平均フッ素濃度の分布が0.45質量%以下であることを特徴とする、光リソグラフィ用ガラス基板を提供する。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、前記パターン形成領域内のフッ素濃度分布が0.82質量%以下であることが好ましい。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、リソグラフィの光源が波長193nmのArFリソグラフィ用ガラス基板の場合、前記パターン形成領域内における波長163nmの吸収係数k163(1/cm)が下記式(1)を満たすことが好ましい。

(式(1)中、a=9.74×104であり、ΔTは下記式(2)で示される。

式(2)中、n0=1.561であり、b=5.04×10-3であり、WFはパターン形成領域内におけるフッ素濃度(質量%)である。)
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、前記各短冊内の平均仮想温度が1000℃以上であることが好ましい。
本発明では、露光による熱膨張、および、露光による熱膨張によるパターン精度の悪化が抑制された光リソグラフィ用ガラス基板を提供することができる。
図1は、光リソグラフィ用フォトマスク基板の平面図である。
以下、本発明について説明する。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板は、フッ素を含有する合成石英ガラスを構成材料とする。パターン形成領域におけるフッ素濃度が後述する条件を満たすことで、光リソグラフィ実施時における、パターン形成領域の熱膨張量が少なく、かつ、パターン形成領域内における熱膨張量のばらつきが少ない、光リソグラフィ用ガラス基板として、優れた特性が得られるからである。さらに、パターン形成領域におけるフッ素濃度が後述する条件を満たすことで、パターン形成領域内における光源光の波長、すなわち、波長193nm、波長248nmまたは波長365nmの光線透過率が高く、かつ、パターン形成領域内における、該波長の光線透過率のばらつきが少ない、光リソグラフィ用ガラス基板として、優れた特性が得られるからである。本発明の光リソグラフィ用ガラス基板は、光リソグラフィ用のフォトマスク基板として好適である。
上述したように、光リソグラフィ用フォトマスク基板は、152mm×152mm×6.35mmの直方体形状のものが通常使用される。パターン形成領域は、該基板の152mm角の主面の中央132mm×104mmの長方形からなる領域である。
図1は、光リソグラフィ用フォトマスク基板の平面図である。図1に示すフォトマスク基板は、主面が152mm角であり、該主面の中央の132mm×104mmの領域がパターン形成領域である。光リソグラフィ実施時におけるフォトマスク基板のスキャン方向はパターン形成領域の長辺方向と一致する。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板は、パターン形成領域を、分割数が3以上になるように、その長辺方向に沿って短冊状に分割した場合に、各短冊内の平均フッ素濃度、および、短冊間の平均フッ素濃度の分布が以下に述べる条件を満たす。図1には、フォトマスク基板のパターン形成領域を、分割数がNになるように、その長辺方向に沿って短冊状に分割した場合のイメージが示されている。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、パターン形成領域を、その長辺方向に沿って短冊状に分割して、各短冊内の平均フッ素濃度、および、短冊間の平均フッ素濃度の分布を評価する理由は以下の通りである。上述したように、パターン形成領域内における熱膨張量による回路パターン重ね合わせ精度の悪化は、フォトマスクのスキャン方向と、該スキャン方向と垂直な方向と、で異なる。フォトマスクのスキャン方向のほうが、重ね合わせ精度の悪化が大きく問題である。
フォトマスクの熱膨張による変形量ΔLは、上述したように、フォトマスク基板を構成する材料の熱膨張係数α、対象となる部位の長さL、および、温度変化量ΔTの積により求まる。本発明の光リソグラフィ用ガラス基板の構成材料のフッ素を含有する合成石英ガラスの場合、そのフッ素濃度が熱膨張係数に影響する。フッ素濃度が高いほど、熱膨張係数が低くなる。そのため、フォトマスクのスキャン方向である、パターン形成領域の長辺方向に沿った各短冊内における平均フッ素濃度を制御することにより、フォトマスクのスキャン方向における熱膨張量を制御できる。また、短冊間の平均フッ素濃度の分布を制御することにより、パターン形成領域内における熱膨張量の分布を制御できる。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、分割数が3以上になるように、パターン形成領域を分割する理由は以下の通りである。パターン形成領域内のガラス基板の熱膨張量を所定の値以下に抑える必要があることに加えて、パターン形成領域内のガラス基板の熱膨張量の分布も所定の値以下に抑える必要がある。そのため、分割数を3以上とすることにより、分割した領域間での熱膨張量の分布を規定する必要がある。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、パターン形成領域の分割数は5以上が好ましく、7以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、上記で定義した各短冊内の平均フッ素濃度が1質量%以上である。各短冊内の平均フッ素濃度が1質量%以上であると、各短冊における、20〜27℃の温度域での0.1℃上昇による長辺方向の熱膨張量が例えば5nm以下と十分小さな値になり好ましい。
光リソグラフィ実施時には、温度変化によるフォトマスク基板の寸法変化を防止するため、フォトマスク基板の温度は20〜27℃の温度域に制御されている。しかしながら、露光時には、光吸収によりフォトマスク基板の温度がわずかに上昇する。上昇温度量は、フォトマスクの開口率や露光量、単位時間あたりの露光回数など諸種の条件に依存するが、0.1〜2℃上昇する場合がある。20〜27℃の温度域での0.1℃上昇によるガラス基板の熱膨張量が5nm以下程度であれば、露光時におけるフォトマスクの熱膨張量が十分小さいため、露光時における熱膨張によるパターン精度の悪化がより抑制される。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、上記で定義した各短冊内の平均フッ素濃度が1.5質量%以上であることが好ましく、2質量%超であることがより好ましく、2.5質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明において、各短冊内の平均フッ素濃度、および、後述するパターン形成領域内におけるフッ素濃度分布を求める方法は以下の方法がある。
光リソグラフィ用ガラス基板の主面の任意の部位1か所についてのみ、以下に述べた方法によりフッ素濃度の直接測定を行う。次いで、フッ素濃度を測定した部位を含む光リソグラフィ用ガラス基板の主面の屈折率分布、すなわち、光リソグラフィ用ガラス基板の主面の各点(i)とフッ素濃度を測定した部位との屈折率の差異Δn(i)を、レーザ干渉計(例えばZygo社製Verifire、MarkIVや、フジノン社製G310S、Tropel社製FlatMasterなど)を用いて測定する。こうして得られたフッ素濃度と、屈折率差異と、を用いて、平均フッ素濃度とフッ素濃度分布をそれぞれ下式(3)および(4)に従い求めることができる。

フッ素濃度分布 = (Δn(i)max−Δn(i)min)/p ・・・(4)
ここで、pは光リソグラフィ用ガラス基板の主面における屈折率のフッ素濃度依存性である。pは、波長に依存し、例えば波長633nmの場合、3.68×10-7(1/wt−ppm)である。CF0は、光リソグラフィ用ガラス基板の主面の任意の部位1か所で測定したフッ素濃度(質量%)である。
各短冊内の平均フッ素濃度は、各短冊内の各点(i)と、フッ素濃度を測定した部位との、屈折率の差異Δn(i)を用いて、平均フッ素濃度に関する上記の式(3)により算出する。
パターン形成領域内におけるフッ素濃度分布は、パターン形成領域内の各点(i)と、フッ素濃度を測定した部位との、屈折率の差異Δn(i)を用いて、フッ素濃度分布に関する上記の式(4)により算出する。
フッ素濃度の直接測定法:
日本化学会誌、1972(2),350に記載された方法に従って、ガラスを無水炭酸ナトリウムにより加熱融解し、得られた融液に蒸留水および塩酸(1+1)を加えて試料液を調製する。試料液の起電力をフッ素イオン選択性電極および比較電極としてラジオメータトレーディング社製No.945−220およびNo.945−468をそれぞれ用いてラジオメータにより測定し、フッ素イオン標準溶液を用いてあらかじめ作成した検量線に基づいて、フッ素濃度を求めることができる。
また、各短冊内の平均フッ素濃度、各短冊間の平均フッ素濃度の分布およびパターン形成領域内におけるフッ素濃度分布は、ラマン散乱分光分析法によって求めることもできる。まず、フッ素濃度が既知かつ十分均一な標準試料を少なくとも1つ決めておく。当該標準試料の波数800cm-1と935cm-1のラマン散乱強度をそれぞれI800,s、I935,sとして測定し、その比I935,s/I800,sを求める。当該標準試料の既知フッ素濃度CF, sをその比で割った値y=CF,s/(I935,s/I800,s)を校正係数yとして算出しておく。ラマン散乱強度比I935,s/I800,sは、予め定めた頻度で定期的に測定し更新することが望ましい。既知フッ素濃度CF,sは、上述のフッ素濃度の直接測定法により求めることが可能である。
次に、測定対象基板のパターン形成領域内の各点(i)のラマン散乱強度比(I935,i/I800,i)を測定する。各点(i)のラマン散乱強度比に校正係数yを掛け、各点(i)におけるフッ素濃度CF,iを以下の式(5)を用いて算出する。前記校正係数yは適宜更新された値を使用することが望ましい。
F,i=y×(I935,i/I800,i)・・・(5)
上記短冊内の平均フッ素濃度は、式(5)で求められるパターン形成領域内の各点(i)のフッ素濃度CF,iのうち、着目する短冊内の各点フッ素濃度を用い、以下の式(6)で計算される。なお、Nは着目する短冊内のフッ素濃度測定点数を指す。

各短冊間の平均フッ素濃度の分布は、対象短冊内の各点(i)の最大値と最小値の差で定義する。またパターン形成領域内のフッ素濃度分布は、パターン形成領域内の各点(i)の最大値と最小値の差で定義する。
上記式(5)を用いることによっても、各短冊内の平均フッ素濃度、および、パターン形成領域内におけるフッ素濃度分布を求めることができる。
また、光リソグラフィ用ガラス基板を構成する合成石英ガラスは、合成石英ガラスの仮想温度が熱膨張係数に影響しうる。仮想温度が高いほど、熱膨張係数が低くなりうる。そのため、上述のフッ素濃度と同様に、各短冊内における平均仮想温度を制御すると熱膨張量をより制御できうるため好ましい。
本発明において、各短冊内の平均仮想温度は以下のような方法で求めることができる。
各短冊をさらに2つ以上の複数の小片に分割し、例えば国際公開第2011/052610号に記載の方法で各小片での仮想温度を測定する。短冊内の平均仮想温度は、着目する短冊内に属する仮想温度測定点を相加平均して求めることができる。なお、上記国際公開第2011/052610号を用いて仮想温度を測定する場合、同公報に記載の方法のうち、次のことを追加する必要がある。検量線を求める際に用いるサンプルとして、フッ素濃度が同一とみなせる複数のフッ素含有サンプルを準備する。それらのサンプルに対し、それぞれ異なる複数の保持温度で十分長い時間保持し、その後急冷する。急冷後、それらサンプルの赤外線吸収スペクトルを同公報の記載に従って測定する。さらに、フッ素濃度を変えたサンプルで、これと同様の手順で測定を行う。サンプルのフッ素濃度は少なくとも2通り、好ましくは4通り程度を準備し、測定しておくことが良い。以上の手順で取得したデータを、保持温度とフッ素濃度を2つの説明変数として、約2260cm-1付近の赤外線吸収スペクトルのピーク波数を目的変数とした回帰式を求め、検量線として用いる。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板は、短冊内の平均仮想温度が高いほど熱膨張係数が低下するため好ましい。本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、上記で定義した各短冊内の平均仮想温度が1000℃以上であることが好ましく、1050℃以上であることがより好ましく、1100℃以上であることがさらに好ましい。
フッ素を含有する合成石英ガラスにおける、フッ素含有量と熱膨張係数との関係については、米国特許第6242136号明細書のFig.7にフッ素含有量と、室温から300℃の温度域における平均熱膨張係数と、の関係が示されている。また12th European Conference on Optical Communication,Technical Digest Volume 1 Page 3−6(Characteristics of Fluorine−doped silica glass,H. Takahashi, A. Oyobe, and R. Setaka,Central Research Laboratory, Furukawa Electric Company Ltd.)のFig.1には、フッ素含有量と、室温から400℃の温度域における平均熱膨張係数と、の関係が示されている。しかしながら、これらの記載は、室温から300℃という比較的広い温度域における平均熱膨張係数と、フッ素含有量と、の関係を示したものであり、20〜27℃という光リソグラフィが実際に行われる狭い温度範囲での熱膨張係数を示したものではない。また、特開平8−67530号公報に開示の紫外光用光学ガラスは、合成石英ガラスがフッ素を1質量%以上含有する合成石英ガラスからなる。しかし、このガラスにおけるフッ素含有による効果は、耐レーザ耐性の向上であり、フッ素濃度と、熱膨張係数と、の関係は示されていない。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、上記で定義した短冊間の平均フッ素濃度の分布が0.45質量%以下である。短冊間の平均フッ素濃度の分布とは、パターン形成領域を構成する全ての短冊における、短冊内の平均フッ素濃度の最大値と短冊内の平均フッ素濃度の最小値の差である。
各短冊間の平均フッ素濃度の分布が0.45質量%以下であると、各短冊間における20〜27℃の温度域での0.1℃上昇による熱膨張量分布が十分小さくなる。
20〜27℃の温度域での0.1℃上昇による熱膨張量分布が十分小さい値であれば、露光時における熱膨張量分布が十分小さいため、露光時における熱膨張によるパターン精度の悪化がより抑制される。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、各短冊間の平均フッ素濃度の分布が0.4質量%以下であることがより好ましく、0.35質量%以下であることがさらに好ましい。
上述のとおり、本発明の光リソグラフィ用ガラス基板は、露光時に想定されるフォトマスクの温度上昇によるガラス基板の熱膨張量分布を十分小さくすることができる。そのため、露光時におけるガラス基板の熱膨張によるウェハ上レジストに転写されるパターンの精度悪化が抑制される。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板の構成材料を、フッ素を含有する合成石英ガラスとする理由の一つは、フッ素を含有する合成石英ガラスとすることで、波長193nm、波長248nm及び波長365nmの光線透過率が向上するためである。フッ素を含有する合成石英ガラスとすることで、該波長の透過率が増加する理由は、フッ素を含有すると合成石英ガラスの屈折率が低下し、表面反射率が低下するためである。
しかしながら、パターン形成領域内のフッ素濃度のばらつきが大きくなると、露光時におけるパターン寸法の面内バラツキが悪化するため、問題となる。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、パターン形成領域内のフッ素濃度分布が0.82質量%以下であることが好ましい。
パターン形成領域内のフッ素濃度分布が0.82質量%以下であると、パターン形成領域内における波長193nmの透過率分布が0.1%以下と十分小さくなる。これにより、露光時におけるパターン寸法精度の悪化がさらに抑制される。また、露光時においてフォトマスクを透過しウェハに投影される光量が均一化され、パターン寸法の面内バラツキが小さくなる。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、パターン形成領域内のフッ素濃度分布が0.7質量%以下であることがより好ましく、0.6質量%以下であることがさらに好ましい。
フッ素を含有する合成石英ガラスにおける屈折率分布の均一性については、特許第3654500号明細書におけるF2エキシマレーザー光学部材用石英ガラス材料の屈折率の最大値と最小値との差(Δn)が2×10-5と記載されている。しかしながら、この屈折率分布は波長157nmでの値であり、波長193nmでの屈折率分布ではなく、波長193nmでの透過率分布とは無関係である。
また、光リソグラフィ用ガラス基板の構成材料としてフッ素を含有する合成石英ガラスを用いることで光リソグラフィ用ガラス基板の屈折率が低下する結果、表面反射率が低下するため、波長193nmの透過率が増加する。ただし、一般に合成石英ガラスにフッ素を含有させると、合成石英ガラス中に酸素欠乏型欠陥が生成するおそれがある。酸素欠乏型欠陥は波長163nmを中心とする光吸収帯を有するため、酸素欠乏型欠陥が生成すると、波長193nmの透過率が低下するおそれがある。なお、KrFリソグラフィやi線リソグラフィの光源光の波長である248nmや365nmは、酸素欠乏型欠陥の吸収帯の中心波長163nmから大きく離れているため、これらの透過率が低下するおそれはない。そこで本発明の光リソグラフィ用ガラス基板において、リソグラフィの光源光の波長が193nmのArFリソグラフィ用ガラス基板の場合、パターン形成領域内における波長163nmの吸収係数k163(1/cm)が所定の条件満たすことにより、波長163nmを中心とする酸素欠乏型欠陥の光吸収帯の生成による波長193nmの透過率低下量が、フッ素を含有させることによる波長193nmの透過率の上昇量に比べて小さくできる。その結果、フッ素を含有するにもかかわらず、波長193nmの透過率が低下するおそれがない。下記に具体的に述べる。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板をArFリソグラフィ用として用いる場合は、パターン形成領域内における波長163nmの吸収係数k163(1/cm)が下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。

式(1)中、ΔTは下記式(2)で示される。

式(1)、(2)中、n0=1.561であり、a=9.74×104であり、b=5.04×10-3であり、WFはパターン形成領域内におけるフッ素濃度(質量%)である。
パターン形成領域内における波長163nmの吸収係数k163が上記式(1)の関係を満たしていれば、波長163nmを中心する光吸収帯の生成による波長193nm透過率低下量が、パターン形成領域内にフッ素を添加することによる波長193nm透過率上昇量を下回る。そのため、波長163nmを中心とする光吸収帯の生成により、波長193nmの透過率が低下するおそれがない。本発明の光リソグラフィ用ガラス基板、特にArFリソグラフィ用ガラス基板は、波長193nmの透過率が90.75%以上が好ましく、90.8%以上がより好ましい。
上述のとおり、パターン形成領域内における波長163nmの吸収係数k163が上記式(1)の関係を満たしている場合、波長193nmの透過率がフッ素を含有しない公知の光リソグラフィ用ガラス基板に比べて若干高くできる。そのため、ウェハ上のレジストを感光させるために必要な露光量も若干小さくなり、露光時の温度上昇を僅かながら抑制することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、例1、2、4、13は比較例であり、例3、5〜12、14〜18は実施例である。
フッ素濃度が異なる合成石英ガラス基板を準備して以下の評価を実施する。結果を下記表に示す。なお、合成石英ガラス基板は、152mm×152mm×6.35mmの直方体形状であり、152mm角の一方の主面の中央の132mm×104mm領域をパターン形成領域とする。パターン形成領域は、分割数が10になるように、パターン形成領域の長辺方向に沿って短冊状に分割する(図1参照)。
上述した方法に従い、パターン形成領域を短冊状に10分割した場合について、各短冊内の平均フッ素濃度および平均仮想温度と、パターン形成領域内のフッ素濃度分布を求める。
また、パターン形成領域を構成する全ての短冊における、短冊内の平均フッ素濃度の最大値と短冊内の平均フッ素濃度の最小値の差として、短冊間の平均フッ素濃度の分布を求める。ここで、パターン形成エリア132mm×104mm内の屈折率分布は、フジノン社製フィゾー干渉計G310S(光源波長633nm)を用いて、0.66mmピッチで測定する。
なお、表中の短冊内の平均フッ素濃度は、10分割した短冊内の平均フッ素濃度の中で、最小の値を示す。この値が1質量%以上であれば、各短冊内の平均フッ素濃度が1質量%以上であることを示す。同様に、表中の各短冊内の平均仮想温度は、10分割した短冊内の平均仮想温度の最小値を示す。この値が1000℃以上であれば、各短冊内の平均仮想温度が1000℃以上であることを示す。
各短冊内の平均熱膨張係数は、使用する熱膨張計の試料サイズが15mm程度と、今回のガラス基板と比べて小さいことから、以下の手順に従って求める。
ステップ1)熱膨張計(アルバック理工社製四重光路マイケルソン光干渉計方式熱膨張計LIX2)を用いて、フッ素濃度の異なる数種類のフッ素含有合成石英ガラスの熱膨張係数を−150〜+200℃の範囲で測定する。この方法の熱膨張係数の測定精度は、約20ppb/℃である。
ステップ2)温度25℃におけるフッ素含有合成石英ガラスの熱膨張係数のフッ素濃度依存性を求める。
ステップ3)上述した手順で得られる各短冊内の平均フッ素濃度と、ステップ2)で得られる熱膨張係数のフッ素濃度依存性から、温度25℃における各短冊内の平均熱膨張係数を求める。
なお、表中の短冊内の平均熱膨張係数は、10分割した短冊内の平均熱膨張係数の中で、最大の値を示す。
上記の手順で得られる温度25℃における各短冊内の平均熱膨張係数を用いて、各短冊内における20〜27℃の温度域での0.1℃上昇による熱膨張量を求める。短冊内における熱膨張量の最大値と短冊内における熱膨張量の最小値の差として、短冊間における20〜27℃の温度域での0.1℃上昇による熱膨張量分布を求める。
152mm×152mm×6.4mmの直方体形状を有するフッ素含有合成石英ガラス基板を2枚準備し、132mm×104mmのパターン形成領域を含む152mm×152mmの対向2面を、その表面粗さが0.1nm以下(1μm×1μmのエリアにおけるRMS値)となるように公知の方法で鏡面研磨し、外形152mm×152mm×6.35mmの直方体形状を有するフッ素含有合成石英ガラス基板1枚と、152mm×152mm×2.8mmの直方体形状を有する合成石英ガラス基板1枚と、をそれぞれ得る。このようにして得られる厚みの異なる2種類の合成石英ガラス基板について、132mm×104mmのパターン形成領域内の波長163nmにおける透過率を、真空紫外分光光度計(分光計器社製真空紫外分光光度計システム)を用いて、20mm間隔で格子状に計42点測定する。各測定点において厚さ6.35mmと2.8mmの試料の波長163nmの透過率T1,6.35mmとT1,2.8mmから、次式(7)に従って、波長163nmの吸収係数k163を得る。
163(1/cm)=ln(T1,2.8mm/T1,6.35mm)/(0.635-0.28) ・・・(7)
ここで、T1,2.8mmが透過率の測定限界値0.1%以下だった場合は、波長180nmの透過率T2,6.35mmとT2,2.8mmを上記と同様の方法で測定し、次式(8)に従って、波長163nmの吸収係数163を間接的に得る。
163(1/cm)=C163-180×ln(T2,2.8mm/T2,6.35mm)/(0.635-0.28) ・・・(8)
ここで、C163-180は、酸素欠乏型欠陥による光吸収帯の波長163nmと波長180nmの吸収係数の比を意図し、その値は35.8である。
なお、表中の値(k163(パターン形成領域内,1/cm)は、計42点の波長163nm吸収係数の中で、最大の値を示す。また、表中の値(k163(許容上限,1/cm))は、k163の許容上限を示す。k163(パターン形成領域内,1/cm)の値がk163(許容上限,1/cm)よりも小さければ、式(1)の関係を満たすことになる。
152mm×152mm×6.4mmの直方体形状を有するフッ素含有合成石英ガラス基板を1枚準備し、132mm×104mmのパターン形成領域を含む152mm×152mmの対向2面を、その表面粗さが0.1nm以下(1μm×1μmのエリアにおけるRMS値)となるように公知の方法で鏡面研磨し、外形152mm×152mm×6.35mmの直方体形状を有するフッ素含有合成石英ガラス基板を得る。得られるフッ素含有合成石英ガラス基板について、132mm×104mmのパターン形成領域内の波長193nmにおける透過率を、紫外分光光度計(日立ハイテク社製U4100)を用いて、10mm間隔で格子状に計154点測定する。表の193nm透過率(パターン形成領域内)は計154点の測定値の最小値であり、表の193nm透過率分布(パターン形成領域内)は計154点の測定値の最大値と最小値の差異である。

実施例(例3、5〜12、14〜18)は、各短冊内の平均フッ素濃度が1質量%以上であるため、各短冊内における20〜27℃の温度域での0.1℃上昇による熱膨張量が5nm以下と十分小さくなる。また、各短冊間の平均フッ素濃度の分布が0.45質量%以下であるため、各短冊間における20〜27℃の温度域での0.1℃上昇による熱膨張量分布が0.5nm以下と十分小さくなる。
例1、2はいずれも、各短冊内の平均フッ素濃度が1質量%未満であるため、各短冊内における20〜27℃の温度域での0.1℃上昇による熱膨張量が5nm超と大きい。
例4、13はいずれも、各短冊間の平均フッ素濃度の分布が0.45質量%超であるため、各短冊間における20〜27℃の温度域での0.1℃上昇による熱膨張量分布が0.5nm超と大きい。
なお、表中の熱膨張量分布の値は、各短冊間に機械的拘束力が働くことなく、各短冊が自由に膨張収縮変形した場合の計算上の値である。実際には機械的拘束力が働くため、熱膨脹量分布の実測値は上述の熱膨張量分布の計算値ほど大きな値を示すことはない。しかしながら、各短冊間の熱膨張量が異なることに起因してガラス基板に応力が発生し複屈折率が悪化するため、計算上の値であっても熱膨張量の分布が小さいことが好ましく、上述の0.5nmを上回ることは好ましくない。
また、例3、5、7〜11、14〜18は、パターン形成領域内のフッ素濃度分布が0.82質量%以下であるため、パターン形成領域内における波長193nmの透過率分布が0.1%以下と十分小さくなり、かつ、パターン形成領域内における波長163nmの吸収係数k163が式(1)の関係を満たしているため、波長193nmの透過率が90.75%以上と十分大きい。
また、例16、17は例3を基準として平均仮想温度の影響を評価した例である。例18は例14を基準として平均仮想温度の影響を評価した例である。
例16は例3よりも平均仮想温度が100℃高い1110℃である。例16と例3を比較すると、例16は例3よりも各短冊内における20〜27℃の温度領域での0.1℃上昇による熱膨張量が0.38nm小さい。例17は例3よりも平均仮想温度が30℃低い980℃である。上述の例16および例3と同様に例17と例3を比較すると、例3は例17よりも熱膨張量が0.09nm小さい。例18は例14よりも平均仮想温度が100℃高い1110℃である。上述の例16および例3と同様に例18と例14を比較すると、例18は例14よりも熱膨張量が0.38nm小さい。例3、14、16〜18から、平均仮想温度が高いほど熱膨張量がより小さくなることがわかる。
本発明の光リソグラフィ用ガラス基板は、光リソグラフィ用フォトマスク基板として使用することができる。また、本発明の光リソグラフィ用ガラス基板は、インプリント用ガラス基板として使用することも可能である。

Claims (4)

  1. フッ素を含有する合成石英ガラスからなる、光リソグラフィ用ガラス基板であって、
    該光リソグラフィ用ガラス基板のパターン形成領域を、分割数が3以上になるように、その長辺方向に沿って短冊状に分割した場合に、各短冊内の平均フッ素濃度が1質量%以上であり、かつ、短冊間の平均フッ素濃度の分布が0.45質量%以下であることを特徴とする、光リソグラフィ用ガラス基板。
  2. 前記パターン形成領域内のフッ素濃度分布が0.82質量%以下である、請求項1に記載の光リソグラフィ用ガラス基板。
  3. 前記パターン形成領域内における波長163nmの吸収係数k163(1/cm)が下記式(1)を満たす、請求項1または2に記載の光リソグラフィ用ガラス基板。

    (式(1)中、a=9.74×104であり、ΔTは下記式(2)で示される。

    式(2)中、n0=1.561であり、b=5.04×10-3であり、WFはパターン形成領域内におけるフッ素濃度(質量%)である。)
  4. 前記各短冊内の平均仮想温度が1000℃以上である、請求項1〜3のいずれかに記載する光リソグラフィ用ガラス基板。
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