JP2016036428A - シートクッション - Google Patents

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Hiroaki Tanigawa
浩明 谷川
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Abstract

【課題】合成樹脂発泡体からなるシートクッションパッドを使用したシートクッションであって、着座者の腿下から膝裏の部分のクッション性に富むシートクッションを提供する。
【解決手段】合成樹脂発泡体からなるシートパッドと、空間部9と、シートフレームとを備え、シートパッド4の曲げ変形する方向側の面に接して、伸縮性を有する帯状の補助支持体6を張設させ、シートフレームの左右のサイドフレームの前側に上下方向の長穴状のガイド7を設け、前側のシートフレームの左右端を前記ガイド7に挿入させて、前記補助支持体6を張設するために装着した前側の搖動フレーム11及び後側の支点フレーム12のうち、支点フレーム12に装着した部位を搖動中心とし搖動フレーム11に装着した部位が着座者の荷重により前記ガイド7に沿って上下方向に搖動するようにしたことにより課題解決できた。
【選択図】図10

Description

本発明は、シートクッションの軽量化に関し、特にリサイクル性に富み、フィット感、クッション性に富むシートクッションに関する。
一般にシートクッションは、金属製のシートフレームやワイヤーを内包し、一般にウレタンフォームをクッション材として用い全体を表皮材で被覆していた。乗員の体重は主にシートフレームやワイヤーと表皮材との間に挟まれたウレタンフォーム層を圧縮方向に撓ませることにより支えられており、クッション性及びフィット性は主にウレタンフォーム層が圧縮方向に撓んだ際の反力、復元力及び撓みによって得られていた。
また、シートクッションの軽量化に関する技術として、特許文献1にシートフレームが枠状を呈し、シートフレームの断面が山形を呈すると共に、シートフレームの枠状の内周側に前記山形の一側を形成して着座者に対向する傾斜面を有し、シートフレームに弾性を有するネットを被せ、その周縁部をシートフレームの山形上から引き回して該山形の他側に固定することで凹曲面状の着座面を形成するように張設し、ネットとシートフレームの傾斜面との間に角度を設けた技術が開示されている。
他の軽量化に関する技術としては、特許文献2に、シートフレームに着脱可能に取り付けられたベースプレートと、該ベースプレート上に配置されたブロックと、該ブロック上に配置されたスプリングプレートと、該スプリングプレートを被覆する表皮とを備える着座部を有し、前記ブロックは、前記ベースプレートと前記スプリングプレート間に所定の空間を形成するように配置され、前記スプリングプレートは、弾性を有する発泡体であるPP(ポリプロピレン)ビーズ発泡体、PE(ポリエチレン)ビーズ発泡体、PP発泡体、PE発泡体、AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン樹脂)発泡体、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)及びウレタンフォーム材のいずれかで形成されている発泡体で成形され、前記スプリングシートは、前記ベースプレート方向への力が加えられたときに前記空間内へ撓む車両用シートに関する技術が開示されている。
特開2002−28044号公報 特許第4009490号公報
従来の一般的なシートクッションではクッション材としてウレタンフォームが使用されており、クッション性が極めて高く快適性に優れているため今も尚、多用されている。しかし、該ウレタンフォームはリサイクル性能に劣るという問題があった。さらに、シートクッションは一般的なクッション性の他に、自動車の運動に伴い乗員に加えられる前後左右の加速度に対し、乗員の身体を最適な位置で支える機能も求められる。長時間の乗車時の疲労を軽減するためにも最適な位置で身体を支える必要がある。このため非常に軽量で軟質なウレタンフォームのみでは機能を満足することができず、ある程度の剛性を得るためにはウレタンフォームの密度を一定以上の密度とする必要があり、このため軽量化が進まないという問題があった。
特許文献1に記載の技術は、乗員による荷重を支えるネット素材がシートクッション周囲に設置されたシートフレームに引き込まれ強固に固定されており、乗員の着座により加えられた荷重はネット素材を通じ最終的にシートフレームの剛性により支えられていた。従ってシートフレームの構造は一定以上の強度を保たねばならず、このため従来のクッション材に相当するネット素材自体の重量は軽量であるものの、シートフレームの重量は増加傾向にあり全体としての重量軽減効果が十分ではないという問題があった。
さらに、ネット素材のクッション性は主に素材の伸びによって得られるため限定されており、長期間の使用によりたるみが発生し商品性に劣る傾向にもあった。またシートフレームに平面的なネット素材を張架する構造であるため、基本的なシートバックの形状は平面的であり、乗員の身体を最適な位置で支えるために必要な三次元形状を得ることが困難であり、その結果、乗員に不快感を与えるという問題があった。これは自動車の運動によって乗員へ横Gが加えられる際等、不安定なハンモック状のネット素材では乗員の身体を安定して支えることができないからである。
次に、特許文献2の技術については、スプリングプレートは外形略矩形の板状発泡体であり該スプリングプレートの乗員が着座する側には横方向に複数の溝が形成されている。しかし、溝部が浅いと柔軟性を与えることができず、溝部が深ければクッション材が撓む際、わずかに残った溝部底部の連結部分へ過大な引っ張り力が集中し大きな伸び変形が発生するため復元不能な永久変形を生じる、あるいは破断する恐れが高かった。溝底部にある連結部分が一部でも破壊されれば支えを一気に失いクッション材全体の見かけ硬さが急激に低下し、クッション材としての機能が大きく損なわれる。従って破壊を回避するためクッション材の撓みを一定以上に設計することが事実上困難であり、十分な着座時のフィット感及び快適性を付与することが困難であった。
また、特許文献2の技術は、乗員の体格に応じて、高さの異なるブロックを適宜選択することにより個人的に良好な着座感を得ることができるとの記載があるが、乗員は体重の軽重によって着座する前に自分に適する高さのブロックに変えなければならないという、現実的には実施困難な対応をしなければならないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、乗員の着座時のフィット感やクッション性に富み、軽量化を実現でき、リサイクル性に富むシートクッションを提供することである。
本発明において、合成樹脂発泡体とは、柔軟で曲げ変形が可能であり、かつ復元性に優れたものであり、JIS K7221−2:2006記載の方法(23℃±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気下でスキンを取り除いた長さ350mm、幅100mm、厚さ25mmの試験片を支点間距離300mm、試験速度20±1mm/minで撓みが最大90mmとなるまで荷重を加え、荷重撓み曲線を記録する。)に準じて測定した曲げ撓みが20mm以上、かつ20mm撓み時の荷重が2〜100Nの合成樹脂発泡成形体を指す。具体的には発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、その他ポリオレフィン系樹脂発泡体、あるいは改質ポリスチレン系樹脂発泡体などを指す。前記合成樹脂発泡体には、ビーズ発泡成形体が含まれ、ビーズ発泡成形体としては、ポリプロピレン系ビーズ発泡成形体、ポリエチレン系ビーズ発泡体などがあげられる。
材料の具体的選定にあたっては、更に長さ400mm程度の棒状又は板状の試験片の両端を支持し、中央を25mm前後押し下げ30分間保持し、その後荷重を解放した直後にサンプルの変形からの回復が90%以上あることが望ましい。あるいは従来のウレタンフォーム製のシートバックで行なわれていた試験に準じ、両端を支持したサンプルの中央部を所定回数繰り返し押し下げ変形させ、その後に測定された残留歪み(残留変位量ともいう。)が所定量以下であることが望ましい。
このような条件を満たす材料として、例えば発泡ポリプロピレンの密度0.06g/cm〜0.015g/cm、より好ましくは密度0.035g/cm〜0.015g/cm、または発泡ポリエチレンの密度0.08g/cm〜0.03g/cmなどが好ましい。一方、柔軟性に乏しく曲げ変形により容易に破断の恐れがある硬質発泡ウレタンや発泡ポリスチレンなどは好ましくない。
発明者らは軽量化を図るために材料の検討を進めた。連続気泡構造であるウレタンフォームに変わりうる素材の例として、一般に独立気泡構造を持つ合成樹脂発泡体は、従来からシートバックのクッション材として一般に用いられてきたウレタンフォームに比し、軽量で剛性に富みリサイクルも容易である等の利点を持っていたが、圧縮方向での撓み、復元力をクッションとして使用する場合、内包する空気の反発力により発泡体の変形に伴い反力が急激に高まる傾向にあるため、クッション性に欠け硬く感じられ快適性に劣っていた。
また一般に独立気泡構造を持つ合成樹脂発泡体は、ウレタンフォームと同様、圧縮方向に撓ませクッション材として使用する場合、長期間の使用に従い徐々に回復力を失いクリープが発生する。これは気泡を構成する樹脂皮膜の繰り返し変形による疲労と内包する空気の圧力低下によるところが大きい。従って長期間使用される自動車用シートバックの素材としては好ましいものではなかった。
そこで、発明者らは合成樹脂発泡体の物性を様々な角度から分析することにより、従来の一般的なクッション材として使用されてきた圧縮方向に撓ませる構造ではなく、曲げ変形が可能で復元性に優れた合成樹脂発泡体からなる支持体の曲げ変形とその回復性をクッション材として利用する方法が最適であることを見出し本発明に至った。
「発明が解決しようとする課題」に記載した課題を解決するために、請求項1に記載のシートクッション2の発明は、合成樹脂発泡体からなり、着座者の荷重がかかる面が曲げ変形するシートパッド4と、前記シートパッド4の曲げ変形を可能とする空間部9と、前記シートパッド4の周縁部を支持するシートフレーム10と、を備え、前記シートパッド4の曲げ変形する方向側の面に接して、伸縮性を有する帯状の補助支持体6を張設させ、前記シートフレーム10の左右のサイドフレーム13の前側に上下方向の長穴状のガイド7を設け、前側のシートフレーム10の左右端を前記ガイド7に挿入させて、前記補助支持体6を張設するために装着した前側の搖動フレーム11及び後側の支点フレーム12のうち、後側の支点フレーム12に装着した部位を搖動中心とし、前側の搖動フレーム11に装着した部位が着座者の荷重により前記ガイド7に沿って上下方向に搖動することにより、シートパッド4の前側を搖動するようにしたことを特徴とする。
請求項1に記載のシートクッション2の発明は、従来一般的に使用されていたウレタンフォームを合成樹脂発泡体に置換することが可能なものであり、そのため軽量化、リサイクル性の向上が可能となるものである。また、比較的硬質でありクッション性、フィット性、耐クリープ性に劣っていた合成樹脂発泡体を使用するにもかかわらず、高いクッション性、フィット性を付与させることが可能であり、設計の自由度が高く乗員の身体を適切に支持し高い快適性を得ることができ、長期間の使用によっても従来のウレタンフォームと同等の良好な耐クリープ性を発揮するため高い商品性を有するという効果を奏する。
そして、着座者の臀部や腰部の荷重に比較して軽量である腿下から膝裏の部位対しても座面が上下方向に搖動するので、高いクッション性を有するという効果を奏する。
車両用シートの概要斜視図である。 シートクッションの概要斜視図である。 シートフレームの概要斜視図である。 平面視で四角形状の1枚物の補助支持体を示す概要図である。 平面視で四角形状の2枚物の補助支持体を示す概要図である。 平面視で台形状の補助支持体を示す概要図である。 図2において表皮を取り除いた状態で、かつ搖動フレームより前側部分のシートパッドを削除した場合の、A矢視の形態を示す概要図である。 図2において表皮を取り除いた状態で、無負荷時のB−B断面を示す説明図である。 図2において表皮を取り除いた状態で、荷重を加えた場合のB−B断面を示す説明図である。 無負荷時におけるシートクッションの側面説明図である。 着座者の荷重負荷時におけるシートクッションの側面説明図である。 ガイドと搖動フレームとの断面図である。 負荷耐久性試験の概要図である。 背形加圧治具の概要図で、(a)は平面図で、(b)は正面図で、(c)は側面図である。 繰り返し荷重による残留変位量線図である。 シートバック形状での荷重―変位量線図である。 発泡体と無発泡体とのJIS K7221−2による曲げ試験の比較図である。
車両用シー1トは図1に示すようにシートクッション2やシートバック3からなる。本発明にかかるシートクッション2は、合成樹脂発泡体からなり、着座者の荷重がかかる面が曲げ変形すると、シートパッド4の曲げ変形を可能とする空間部9と、前記シートパッド4の周縁部を支持するシートフレーム10と、を備え、前記シートパッド4の曲げ変形する方向側の面に接して、伸縮性を有する帯状の補助支持体6を張設させ、前記シートフレーム10の左右のサイドフレーム13の前側に上下方向の長穴状のガイド7を設け、前側のシートフレーム10の左右端を前記ガイド7に挿入させて、前記補助支持体6を張設するために装着した前側の搖動フレーム11及び後側の支点フレーム12のうち、後側の支点フレーム12に装着した部位を搖動中心とし、前側の搖動フレーム11に装着した部位が着座者の荷重により前記ガイド7に沿って上下方向に搖動することにより、シートパッド4の前側を搖動する。
車両用シートパッド4の材質である合成樹脂発泡体は、JIS K7221−2:2006記載の方法に準じて測定した曲げ撓み量が20mm以上、かつ20mm撓み時の荷重が2〜100Nの合成樹脂発泡体である。
図1で示すようなシートクッション2から表皮20を取り除くと、外観からは、図2に示すようなシートパッド4となる。前記シートパッド4の内側には、図4に示すような補助支持体6や図3に示すようなシートフレーム10が構成されている。
前記シートフレーム10は、図3に示すように、前側を搖動フレーム11、後側を支持フレーム12、左右の両サイドにサイドフレーム13を備えている。そして、前記サイドフレーム13の前側には、側面視で上端を後方に下端を前方にした斜めの長穴形状のガイド7が設けられている。そして、搖動フレーム11の左右端はガイド7に挿入されている。
シートパッド4は、図7又は図8に示すように左右端をサイドフレーム13の上部に載設されている。そして、シートパッド4は、図9に示すように着座者の荷重Wによって左右端部を支持点とし中央部になるほど曲げ変形量が大きくなる両端支持の形態の曲げ変形をする。そして、着座者の荷重Wが軽減されるとシートパッド4の曲げ変形量が縮小されて図7又は図8に示すように元の位置まで復元し、着座者が身体を車両用シート1側に着座し荷重Wを加えるとシートパッド4の曲げ変形量が増加し図9に示すような形態となり、着座者が車両用シート1から離れるとシートパッド4が無荷重時の位置まで復元する。このように、着座者の荷重の大小に応じてシートパッド4の曲げ変形量が変化することによって着座者はクッション性を感じることができる。
したがって、曲げ変形するシートパッド4の構成要素であり座面となる支持体5の形態は、左右方向にサイドフレーム13を支持点として架設状に設けられた1枚又は数枚の平板状の形態、又は図2に示すように複数の棒状の形態からなる。そして、座面となる支持体5の左右端は、支持体5の曲げ変形時の両端支持の支持点となるように、座面に対して略垂直方向に延出した脚体の部位がサイドフレーム13の上端に当接する形態、又は、図7乃至図9に示すように座面の左右端が脚体なしで直接にサイドフレーム13の上端に当接する形態などがある。なお、シートパッド4の形態はこれらに限定されるものではなく、シートクッション2が着座者の荷重によって曲げ変形できる形態であればいずれの形態であってもよい。
補助支持体6の形態は、図4乃至図6に示すように、伸縮性を有する帯状体である。補助支持体6の平面視の形態は、図4に示すような四角形状の1枚物の形態、図5に示すように四角形状の2枚物の形態、又は、図6に示すような台形状の形態があるが、シートパッド4の裏面側に接する帯状帯であればいずれの形状であってもよい。そして、シートパッド4の曲げ変形する方向側の面に接して、合成樹脂発泡体からなる支持体5の曲げ変形を面で受けて支持体5の急激な曲げ変形の発生を抑制させている。
補助支持体6の材質としては、不織布、網、ネット材、バネックスなどの伸縮性を有する材料であればよい。
補助支持体6のシートフレーム10への装着方法は、補助支持体6の左右端部の部位については伸縮性を有さない材質のものでシートフレーム10へ引っかける。そして、補助支持体6の前後端をパイプ状に形成して縫製し、前記パイプ状の孔にシートフレーム10を挿通させたり、または、シートフレーム10の前後又は上下を構成する搖動フレーム11や支点フレーム12に巻き付けて接着剤などの固定化手段で固定する。
次に、図12に示すように、シートフレーム10の左右のサイドフレーム13の前側に周囲がフランジ加工された、上下方向の長穴状のガイド7を設けてある。前記長穴状のガイド7には樹脂ブッシュ15が装着され、その樹脂ブッシュ15に前側の搖動フレーム11の左右端を挿入し、段付きボルト14で締結する。これにより、前側の搖動フレーム11は前記ガイド7に沿って上下動できる。後側の支点フレーム12は左右のサイドフレーム13に固定されている。
一方、伸縮性を有する帯状の補助支持6体は、車両用シートパッド4の曲げ変形する方向側の面に接して張設させている。補助支持体6は、前側の搖動フレーム11と後側の支点フレーム12とに装着され、強く引っ張り合って張られている。
したがって、着座者が着座していない無負荷状態のときは、図10に示すように、補助支持体6の縮む張力により、補助支持体6の前側が持ち上げられ、前記ガイド7に沿って前側の搖動フレーム11が上昇させられる。シートパッド4は補助支持体6に接していることから、シートクッション2の前側は持ち上げられた状態を維持する。
次に、着座者が着座し荷重Wが負荷されると、図11に示すように、着座者の腿下から膝裏にかけて荷重Wが前側の搖動フレーム11にかかることにより、後側の支点フレーム12に装着した部位を搖動中心とし、前側の搖動フレーム11がガイド7に沿って、前記補助支持体6が伸びながら、図11における高さTから、支持体5の曲げ変形で吸収できなかった力と補助支持体5の縮む張力とが釣り合う位置まで下降する。これにともなって、シートクッション2の前側も下降する。
このように、荷重の大きさによって前側の搖動フレーム11が上下方向にフロートするので、着座者は高いクッション性を味わうことができる。
次に、合成樹脂発泡体について説明する。本発明における合成樹脂発泡体は、柔軟で曲げ変形が可能であり、かつ復元性に優れたものであり、JIS K7221−2:2006記載の方法(23℃±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気下でスキンを取り除いた長さ350mm、幅100mm、厚さ25mmの試験片を支点間距離300mm、試験速度20±1mm/minで最大90mmまで荷重を加え、荷重撓み曲線を記録する。)に準じて測定した曲げ撓みが20mm以上、かつ20mm撓み時の荷重が2〜100Nの合成樹脂発泡成形体を指す。曲げ撓みが20mm未満で破壊を生じるような合成樹脂発泡成形体は、耐久性面から不適である。身体による押圧を支えるため必要となる支持体3の断面が非常に大きくなり、20mm撓み時の荷重が100N超の場合、好ましい撓み量を発生させることが困難となり、ともに好ましい設計が困難となる。具体的には発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、その他ポリオレフィン系樹脂発泡体、あるいは改質ポリスチレン系樹脂発泡体などを指す。なお、上記発泡体の中でも樹脂発泡粒子の型内成形体が、フィット感を考慮した形状自由度(設計容易性)の観点から好ましい。
本発明で用いられる発泡粒子を構成するポリオレフィン系樹脂は、オレフィン成分単位を主成分とするポリオレフィン系樹脂であり、具体的にはポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂、さらにそれらの2種以上の混合物などが挙げられる。なお、上記「主成分とする」とは、オレフィン成分単位がポリオレフィン系樹脂中に50重量%以上含まれることを意味し、その含有量は好ましくは75重量%以上であり、より好ましくは85重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン成分単位が50重量%以上の樹脂が挙げられ、例えば、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと共重合可能な他のオレフィンとの共重合体等が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他のオレフィンとしては、例えば、エチレンや、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセンなどの炭素数4〜10のα−オレフィンが例示される。また上記共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよく、さらに二元共重合体のみならず三元共重合体であってもよい。なお、上記共重合体中のプロピレンと共重合可能な他のオレフィンは、25重量%以下、特に15重量%以下の割合で含有されていることが好ましく、下限値としては0.3重量%であることが好ましい。また、これらのポリプロピレン系樹脂は、単独または2種以上を混合して用いることができる。ポリプロピレン系樹脂は、JIS K7161:1994(試験片:JIS K 7162(1994)記載の試験片1A形(射出成形で直接成形)、試験速度:1mm/min)に規定する引張弾性率(E)の値で600MPa以上の基材樹脂を発泡してなる樹脂発泡体であることがのぞましい。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレン成分単位が50重量%以上の樹脂が挙げられ、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン1共重合体、エチレン−ブテン1共重合体、エチレン−ヘキセン1共重合体、エチレン−4メチルペンテン1共重合体、エチレン−オクテン1共重合体等、さらにそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
そして、前記合成樹脂発泡体の具体的選定にあたっては、長さ400mm程度の棒状の試験片の両端を支持し、中央を25mm前後押し下げ30分間保持し、その後荷重を解放した後にサンプルの変形からの回復が90%以上ある材料、又は、従来のウレタンフォーム製のシートバックで行なわれていた試験に準じ、両端を支持したサンプルの中央部を所定回数繰り返し押し下げ変形させ、その後に測定された残留歪みが所定量以下である材料が望ましい。該所定回数又は該所定量は各車両メーカーが従来材料を選定するときに任意に定めていた仕様に従う。
このような条件を満たす材料として、例えば発泡ポリプロピレンの密度0.06g/cm〜0.015g/cm、より好ましくは密度0.035g/cm〜0.015g/cm、又は発泡ポリエチレンの密度0.08g/cm〜0.03g/cmなどが好ましい。このような材料はJIS K7221−2:2006記載の方法(23℃±2℃、相対湿度50±5%の雰囲下でスキンを取り除いた長さ350mm、幅100mm、厚さ25mmの試験片を支点間距離300mm、試験速度20±1mm/minで最大90mmまで荷重を加え、荷重撓み曲線を記録する。)に準じて行う試験において、曲げ撓み20mm時の荷重が2〜100Nであり曲げに対する柔軟性と共に曲げ剛性にも優れているが、一方従来から一般に用いられていた軟質ウレタンフォームは曲げ剛性が0.46Nと大きく劣るため、本発明のシートバックを構成する材料としては適切でない。
以下に、合成樹脂発泡体を使用した場合のクリープ性や曲げ剛性について説明する。まず、クリープ性を評価するために、JIS K 6767:1999による圧縮永久歪を測定した。縦50mm、横50mm、厚み25mmの試験片を25%歪んだ状態に圧縮し、温度23℃±2℃において22時間放置する。圧縮終了24時間後の厚さを測定する。なお、圧縮永久歪は、圧縮永久歪(%)=(試験片元厚み(mm)−圧縮終了24時間後の厚さ(mm))÷試験片元厚み(mm)×100で求めた。
試験の結果、45倍ポリプロピレン発泡粒子成形体の圧縮永久歪は11%であった。一方、同測定方法による発泡ポリウレタンの圧縮永久歪は2%以下である。このことは、従来、シートバックのクッション材として一般に用いられて圧縮変形によりクッション性を発揮するウレタンフォームに対し、単純に合成樹脂発泡体に置き換えたのみでは圧縮永久歪が発生し、当初のクッション性の維持が困難であり商品性が低下することが示されている。
次に、図14に示すような背形の加圧治具40(平面視で楕円形の左右方向長さ440mm、奥行(幅)290mm、正面視で高さ60mm)を用いサンプル板41を常温下で5,000回、10,000回、15,000回繰り返し490Nの荷重を加え押圧した後の残留変位量を測定し負荷耐久性試験として実施した。なお、合成樹脂発泡体を曲げ変形させた場合の残留変位量を調査するために、図13に示したように発泡ポリプロピレン45倍発泡品である厚さ20mm、幅(奥行)600mmの平板状のサンプル板41を340mmの間隔で両端支持とし供した。該負荷耐久性試験の結果を図15に示す。
図15より、従来のウレタンフォームに要求される仕様は、残留変位量は5mm(図15で線C)以下であるのに対して、本発明の合成樹脂発泡体の場合(図15で線D)は、残留変位量は2.5mmであり、前記仕様の範囲内であることが示されている。
したがって、図15から、曲げ変形が可能で復元性に優れた合成樹脂発泡体の曲げ変形による撓みとその回復性をクッション材として使用する場合、従来から用いられてきたウレタンフォームに匹敵する、あるいは上回る耐クリープ性を有することが示されている。
前記耐クリープ性がウレタンフォームを上回るのは、合成樹脂発泡体を車両用シートパッド4として使用する場合、中央部が押し下げられ曲げ変形が発生する際、部材の各部にはそれぞれ引っ張り、圧縮、せん断等が働き、部材が変形するが、このそれぞれの変形の程度が従来のように、部材を単純に圧縮することによってクッション材とする場合の直接的な変形量と比べて少なく回復性を損なわぬ弾性域内に止まるからである。
次に、図16は、両端支持された合成樹脂発泡体からなる支持体5を使用したシートクッション型試験体と、従来構造のウレタンフォームを使用したシートクッション型試験体を、図14に示すような背形の加工治具40で圧縮速度100mm/minで押圧した際、発生する反力を比較した例である。ウレタンフォームを使用した試験体の大きさは幅650mm、長さ350mm、厚さ100mmであり、合成樹脂発泡体を使用した試験体は長さ350mm、幅50mm、厚さ30mmの発泡ポリプロピレン45発泡品を2mmの間隔を空けて複数列設した形状である。図10に示す細線Uは比較用に用意された、一般にシートクッションに使用されるウレタンフォームの荷重―変位量線図であり、太線Pは本発明による合成樹脂発泡体からなる支持体の中央を押し曲げた際の荷重―変位量線図である。また、押し下げたときの荷重―変位量線をu1及びp1に示し、押し下げ後に開放したときの荷重―変位量線をu2及びp2に示した。
図16から、比較的硬質である合成樹脂発泡体からなる支持体5によっても、曲げ変形によりクッション性を得る構造とした場合、従来のウレタンフォームとほぼ等しい柔軟性が得られることを示されている。
次に、図17は合成樹脂発泡体の例として発泡ポリプロピレンを選択し、同等の樹脂からなる無発泡の樹脂板(厚み1mm)からなるサンプルと、発泡ポリプロピレン45倍発泡品からなるサンプル(厚み45mm)をJIS K7221−2:2006(23℃±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気下でスキンを取り除いた長さ350mm、幅25mm、サンプル重量同等、厚さ任意の試験片を支点間距離300mm、試験速度20±1mm/minで最大90mmまで荷重を加え、荷重撓み曲線を記録した。)に準じ両端支持し、この中央部を押し下げた場合の荷重―変位量線図である。幅を25mmに一定にし、サンプル重量が同等になるように厚みを調整した。無発泡の樹脂板の場合を荷重―変位量線図Mで表し、発泡ポリプロピレン45倍発泡品からなるサンプルの場合を荷重―変位量線図Hで表している。
図16より、共にサンプルの重量は等しいが、発泡体とすることによって曲げ剛性が大きく高まることが示されている。従来、発泡体を曲げ変形させクッション材として使用することは一般的ではなかったが、発泡体を使用することにより同等の曲げ剛性を獲得するに必要な部品重量を減少させうる、すなわちシートクッションの軽量化が図れることが示されている。
1 車両用シート
2 シートクッション
3 シートバック
4 シートパッド
5 支持体
6 補助支持体
7 ガイド
9 空間部
10 シートフレーム
11 搖動フレーム
12 支点フレーム
13 サイドフレーム
20 表皮
W 荷重

Claims (1)

  1. 合成樹脂発泡体からなり、着座者の荷重がかかる面が曲げ変形するシートパッドと、前記シートパッドの曲げ変形を可能とする空間部と、前記シートパッドの周縁部を支持するシートフレームと、を備え、
    前記シートパッドの曲げ変形する方向側の面に接して、伸縮性を有する帯状の補助支持体を張設させ、
    前記シートフレームの左右のサイドフレームの前側に上下方向の長穴状のガイドを設け、前側のシートフレームの左右端を前記ガイドに挿入させて、
    前記補助支持体を張設するために装着した前側の搖動フレーム及び後側の支点フレームのうち、後側の支点フレームに装着した部位を搖動中心とし、前側の搖動フレームに装着した部位が着座者の荷重により前記ガイドに沿って上下方向に搖動することにより、
    シートパッドの前側を搖動するようにしたことを特徴とするシートクッション。
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