JP2016036416A - 医用画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬組織の動きを容易に観察可能な医用画像処理装置を提供する。【解決手段】実施形態の医用画像処理装置は、撮影領域における観察対象を時間経過とともに撮影することにより、観察対象の時相を示す複数の画像が取得され、所定の表示範囲で複数の画像を表示するものであり、位置合わせ部と、第1の画像処理部と、第2の画像処理部とを有する。位置合わせ部は、取得された各画像における観察対象の位置を検出し、検出された位置を位置合わせする。第1の画像処理部は、各画像の中から対象画像を代表する代表対象画像を生成する。第2の画像処理部は、位置合わせ部によって位置合わせされた各画像における観察対象の領域を、代表対象画像における観察対象の領域に置き換える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、医用画像処理装置に関する。
動きの中で同一形状を保つ硬組織を含む観察対象を撮影領域に入れ、時間経過とともに医用診断装置で撮影することにより複数の画像が取得される。ここで、硬組織には、骨、軟骨、人工骨、関節、人工関節、及び、歯が含まれる。例えば、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置及びX線診断装置により、CT画像、MR画像、超音波画像及びX線画像が取得される。取得された画像がCT画像であれば、その画像からCT値分布などを基にした硬組織の対象画像が抽出される。複数の画像における硬組織の対象画像は、硬組織が撮影されたとき(撮影時刻)に関する様相(以下、「時相」という場合がある)を示す。
硬組織は動きの中で同一形状を保つため、取得された複数の画像における硬組織の対象画像はその位置及び向きを変化させるが、その形状を変化させない。つまり、硬組織の対象画像の変化と硬組織の動きとが対応づけられるため、硬組織の対象画像の変化が表示されたとき、硬組織の動きが観察可能となる。
硬組織の対象画像には、画像再構成時のノイズが生じるときがある。また、硬組織の一部が撮影領域から外れた非撮影部分となることで、硬組織の対象画像に欠落が生じるときがある。
国際公開第2008/111549号 特開2009−194436号公報
しかしながら、ノイズや欠落により、硬組織の対象画像の形状に差が生じる。また、被ばく低減のため、硬組織を比較的に低線量、狭い範囲で撮影することが多くなると、硬組織の対象画像の形状の差はより顕著となる。ノイズ等に起因する硬組織の対象画像の形状の差は、硬組織の対象画像の変化となって表示される。つまり、硬組織の対象画像の変化と硬組織の動きとが必ずしも対応づけられないため、硬組織の動きを容易に観察することができない。
この実施形態は、上記の問題を解決するものであり、硬組織の動きを容易に観察可能な医用画像処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、実施形態の医用画像処理装置は、撮影領域における観察対象を時間経過とともに撮影することにより、観察対象の時相を示す複数の画像が取得され、所定の表示範囲で複数の画像を表示するものであり、位置合わせ部と、第1の画像処理部と、第2の画像処理部とを有する。位置合わせ部は、取得された各画像における観察対象の位置を検出し、検出された位置を位置合わせする。第1の画像処理部は、各画像の中から対象画像を代表する代表対象画像を生成する。第2の画像処理部は、位置合わせ部によって位置合わせされた各画像における観察対象の領域を、代表対象画像における観察対象の領域に置き換える。
医用画像処理装置の構成ブロック図。 画像処理を示すフロー図。 硬組織の対象画像の抽出から代表対象画像の生成までの一連の処理を示すフロー図。 撮影領域と硬組織の対象画像との位置関係を示す図。 撮影領域と硬組織の対象画像との位置関係を示す図。 位置情報の取得を示すフロー図。 位置合わせされた時の第1の硬組織の対象画像を示す図。 特定画像の生成を示すフロー図。 代表対象画像の生成を示すフロー図。 位置合わせされた時の第2の硬組織の対象画像を示す図。 第1の論理積によりノイズ除去された特定画像を示す図。 第1の論理積によりノイズ除去された特定画像を示す図。 画像における対象画像を代表対象画像に書き換えたときの図。 画像における対象画像を代表対象画像に書き換えたときの図。
次に、この実施形態の医用画像処理装置1の一例について各図を参照して説明する。図1は、医用画像処理装置の構成ブロック図である。なお、以下の説明では、医用診断装置としてのX線CT装置により、硬組織で構成された観察対象を撮影領域に入れて、時間経過とともに撮影されることにより、観察対象の時相を示す複数i(=1、2、…、n)の3次元画像(以下「n個の画像」又は「複数の画像」という)が取得されたものとする。このように、観察対象を連続して3次元撮影することが可能なものとして、例えば、高速コーンビーム3次元X線CT装置が用いられる。
X線CT装置により取得されたn個の画像は、例えば病院内の画像サーバ(図示しない)に送信される。n個の画像は、それが撮影されたときの撮影時刻ti(i=1、2、…、n)を含む付帯情報と対応づけられている。撮影時刻の中には、撮影開始時刻t1及び撮影終了時刻tnが含まれる。さらに、n個の画像は、画像サーバから医用画像処理装置1に送信され、医用画像処理装置1の記憶部3(図1参照)に記憶される。
付帯情報としての撮影時刻tiには、撮影開始時刻t1と撮影終了時刻tnとの間の中心となる第1の時刻、硬組織が往復運動するときにおいて、硬組織が両端位置にあるときの第2の時刻及び第3の時刻、第2の時刻と第3の時刻との間の中心となる第4の時刻、硬組織が静止したときの第5の時刻、撮影領域を示す画像中に硬組織の対象画像が占める割合が最も多いときの第6の時刻が含まれる。
第1の時刻は、制御部2により撮影開始時刻t1及び撮影終了時刻tnを基に求められ、画像に対応づけられて記憶される。第2の時刻及び第3の時刻は、撮影中における入力部41の操作又は音声入力を受けて、そのときの時刻が付帯情報として画像に対応づけられて記憶される。第4の時刻は、制御部2により第2の時刻及び第3の時刻から求められ、画像に対応づけられて記憶される。第5の時刻は、撮影中における入力部41の操作又は音声入力を受けて、そのときの時刻が付帯情報として画像に対応づけられて記憶される。第6の時刻は、制御部2により画像中の全画素数と硬組織のCT値に相当する輝度をもつ画素数とを基に求められ、画像に対応づけられて記憶される。
硬組織は動きの中で同一形状を保つため、取得されたn個の画像における硬組織の対象画像は、それらを代表する代表対象画像に書き換えられることができる。
この実施形態の医用画像処理装置1は、取得されたn個全部の画像を用いて、各画像における硬組織の対象画像から代表対象画像を生成し、各画像における硬組織の対象画像を代表対象画像に書き換えるためのものである。
図1は、医用画像処理装置の構成ブロック図である。図1に示すように、医用画像処理装置1は、制御部2と、記憶部3と、インターフェース4と、第1の画像処理部10と、第2の画像処理部20とを有する。
第1の画像処理部10は、画像選定部11、画像抽出部12、位置情報取得部13、特定画像生成部14、及び、ノイズ除去部15を有する。また、インターフェース4は、入力部41、表示制御部42、及び、表示部43を有する。
図2は、画像処理を示すフロー図、図3は、硬組織の対象画像の抽出から代表対象画像の生成までの一連の処理を示すフロー図である。図2では、インターフェース4、第1の画像処理部10、記憶部3、第2の画像処理部20における処理の流れを実線の矢印で示し、及び、データの送受信を破線の矢印で示す。
(画像抽出部12)
画像抽出部12は、取得されたn個の画像を記憶部3から所定順(例えば、i=1から順番)に読み出し、読み出した画像から硬組織の対象画像をそれぞれ抽出する(図2に示す「対象画像の抽出」;図3に示すステップS101)。これは、「信号値に基づいて硬組織を特定すること」に相当する。硬組織の対象画像の抽出には、画像からCT値分布などを基に一または複数の硬組織の対象画像を抽出する公知の抽出アルゴリズムが用いられる。なお、例えば、骨は、CT値の比較的低い海綿骨がCT値の比較的高い皮質骨により覆われているため、二つの骨同士が互いに接しているときでも、各骨の海綿骨は互いに離れているはずであるから、一つ一つの骨を区別可能に抽出することができる。
(インターフェース4)
表示制御部42は、抽出された一または複数の硬組織の対象画像を表示部43に表示させる(図2に示す「対象画像の表示」;図3に示すステップS102)。入力部41の操作を受けて、表示制御部42は、表示部43に表示された一または複数の硬組織の対象画像から観察対象となる一または二以上の硬組織の対象画像を指定する(図2に示す「対象画像の指定」;図3に示すステップS103)。
硬組織の対象画像の指定では、撮影領域を示す画像FOV(図4A参照)の全範囲が指定される。なお、撮影領域を示す画像FOVの一部範囲を指定してもよい。
硬組織の対象画像は、入力部41の操作、例えばマウス操作により指定される。マウス操作による硬組織の対象画像の指定は、硬組織の対象画像の外部にマウスカーソルを移動し、クリックすることで、範囲の開始位置を指定し、範囲で硬組織の対象画像を囲むようにマウスドラッグすることで行われる。硬組織の対象画像の指定により、一つまたは二以上の硬組織の対象画像が指定される。指定された一または二以上の硬組織の対象画像を、以下、「指定対象画像」という。
記憶部3から読み出される画像の付帯情報である撮影時刻tiが撮影終了時刻tn以上のとき(図3に示すステップS104:Yes)、硬組織の対象画像の選定(図3に示すステップS105)に移行する。
撮影時刻tiが撮影終了時刻tn以上でないとき(ステップS104:No)、硬組織の対象画像の抽出(ステップS101)に戻る。つまり、ti≧tnになるまで、硬組織の対象画像の抽出(ステップS101)〜硬組織の対象画像の指定(ステップS103)が繰り返される。それにより、n個の指定対象画像が撮影時刻tiと対応づけられて記憶部3に記憶される。なお、硬組織の対象画像の指定が画像APの全範囲の指定のときは、硬組織の対象画像を表示部43に表示させるステップS102の工程は、必ずしも必要でない。
(画像選定部11)
画像選定部11は、入力部41の操作による撮影時刻tiの情報を受けて、撮影時刻tiに対応づけられた指定対象画像を記憶部3に記憶されたn個の指定対象画像から選定する(図2に示す「指定対象画像の選定」;図3に示すステップS105)。
指定対象画像の選定において、次の(1)〜(4)のいずれかの画像が選定される。
(1)複数の指定対象画像において、撮影開始時刻t1と撮影終了時刻tnとの間の中心となる第1の時刻を示す画像;(2)移動軌跡上の両端に位置する第1の位置と第2の位置との間を往復運動する硬組織が撮影されたとき、硬組織が第1の位置(第2の時刻に相当する)と第2の位置(第3の時刻に相当する)との間の中心となる位置(第4の時刻に相当する)に移動されたときを示す画像;(3)硬組織が静止した状態(第5の時刻に相当する)を示す画像;(4)取得された複数の画像の中で、それらの画像に対して指定対象画像が占める割合が最も多いとき(第6の時刻に相当する)の画像
(1)〜(4)のいずれかの画像が選定される理由としては、(1)の画像では、中心となる第1の時刻を基準時として、基準時以前の時相を示す画像、あるいは、基準時以降の時相を示す画像、あるいは、基準時前後の時相を示す画像を容易に選定することができるためである。(2)の画像では、中心となる位置を基準位置として、硬組織が基準位置から第1の位置寄りの位置までの間に移動されたときを示す画像、あるいは、硬組織が基準位置から第2の位置寄りの位置までの間に移動されたときを示す画像、あるいは、硬組織が基準位置付近に移動されたときを示す画像を容易に選定することができるためである。(3)の画像では、観察すべき画像に、硬組織の動きが開始される前、及び/又はその動きが停止された後の静止した状態を示す画像が含まれることが多いためである。(4)の画像では、取得された画像に対して指定対象画像が占める割合が最も多いとき、その画像中に、指定対象画像の全部または多くが含まれる可能性が高くなるためである。
なお、(1)から(4)の画像のいずれも選定されないとき、初期設定値として、撮影開始時刻t1に対応づけられた画像が選定される。
制御部2は、第1の時刻、及び、第4の時刻〜第6の時刻を、撮影時刻t1〜tnのいずれかに対応づけ、画像の付帯情報として記憶部3に記憶させる。第1の時刻、及び、第4の時刻〜第6の時刻は、インターフェース4の表示部43に表示される。画像選定部11は、入力部41の操作による第1の時刻、及び、第4の時刻〜第6の時刻のうちのいずれかの情報を受けて、第1の時刻、及び、第4の時刻〜第6の時刻のうちのいずれかに対応づけられた指定対象画像をn個の指定対象画像(bν(t1)〜bν(tn))の中から選定する。ここでは、以下の説明を簡単にするため、画像選定部11は、初期設定値として撮影時刻t1に対応づけられた指定対象画像bν(t1)を選定する。次に、画像選定部11は、指定対象画像bν(t1)以外の、撮影時刻t2に対応づけられた指定対象画像bν(t2)を選定するものとする。
(位置情報取得部13)
図4Aは、選定された指定対象画像bν(t1)が表示されたときの図、図4Bは、指定対象画像bν(t2)が表示されたときの図である。図4A及び図4Bに、撮影領域を示す画像を“FOV”で示し、表示範囲を“AD”で示す。図4A及び図4Bに示すように、撮影領域を示す画像FOVが表示範囲ADに含まれる。なお、図4A及び図4Bでは、3次元画像である指定対象画像bνを、以下の説明を簡単にするため、2次元画像として表す。
図4A及び図4Bに示すように、指定対象画像bν(t1)には第1の硬組織の対象画像bλ(t1)及び第2の硬組織の対象画像bμ(t1)が含まれる。また、指定対象画像bν(t2)には第1の硬組織の対象画像bλ(t2)及び第2の硬組織の対象画像bμ(t2)が含まれる。
以下に、位置情報の取得(図3に示すステップS106)から代表対象画像の生成(図3に示すステップS108)に渉る画像処理について説明する。
第1の画像処理部10は、表示部43に指定対象画像(第1の硬組織の対象画像及び第2の硬組織の対象画像が含まれる)が表示されたとき、入力部41の操作を受けて、指定対象画像のうちから最初に第1の硬組織の対象画像を指定し、次に第2の硬組織の対象画像を指定する。なお、硬組織の対象画像の指定は、予め定められた順番(例えば、画像の上から順番、左から順番)で自動的に行われてもよい。
<第1の硬組織の対象画像における画像処理>
先ず、第1の硬組織の対象画像bλ(t1)、bλ(t2)における画像処理を説明し、その後に、第2の硬組織の対象画像bμ(t1)、bμ(t2)における画像処理を説明する。
図5は、指定された第1の硬組織の対象画像における位置情報の取得を示すフロー図である。
位置情報取得部13は、マウス操作などによる手動設定であるか、硬組織の対象画像同士を自動的に位置合わせする自動設定であるかを判断する(図5に示すステップS201)。
位置情報取得部13が手動設定でないと判断したとき(ステップS201:No)、自動設定による位置合わせが行われる(ステップS202)。
位置合わせには、二つの3次元形状の位置合わせにおいて、3次元領域の表面をポリゴンで表現した上で形状誤差を評価する公知の手法が用いられる。
以下に、本手法で用いられる位置合わせ手法の流れを、3次元領域Aを3次元領域Bに位置合わせする場合を例にして説明する。
先ず、領域A、Bから各領域の表面を示すポリゴン曲面Poly(A)、Poly(B)を生成する。各ポリゴン曲面は、複数個のポリゴン(多角形)により構成される。アルゴリズムの簡便さからポリゴン曲面の生成には、マーチングキューブ(Marching Cube)法を用いる。ポリゴン生成後、Poly(A)、Poly(B)を構成するポリゴンが、撮影範囲の境界近傍に存在する場合、該当するポリゴンは硬組織の表面領域でないとみなしPoly(A)、Poly(B)から削除する。ポリゴン曲面Poly(A)を構成する頂点群をPi(A)(i=1、2、…、n)としたとき、領域Aを領域Bへ位置合わせする際の形状誤差E(A、B)を次の式(1)により定義する。
Figure 2016036416
ここで、d(Pi(A),Poly(B))は、頂点Pからポリゴン曲面Poly(B)までの最近傍距離をいう。
位置情報取得部13は、最近傍距離の二乗の平均が最小となる値を求める最小二乗法を用いて、一つの時相を示す硬組織の対象画像に対して、他の一つの時相を示す硬組織の対象画像のうち上記の形状誤差Eが最小となる対象画像を、その時相における対象画像とし、位置合わせした結果、他の一つの時相を示す硬組織の対象画像が、一つの時相を示す硬組織の対象画像に対してどの位置に、また、どの向きで存在するかの情報(位置情報)を取得する(図2に示す「位置情報の取得」)。
位置情報取得部13は、位置情報を取得したとき、取得した位置情報が許容範囲内であるか否か、又は、位置情報の取得回数が最大値であるか否かを判断し、取得した位置情報が許容範囲内でなく、かつ、位置情報の取得回数が最大値でないと判断したとき(ステップS203:No)、位置合わせが行われるステップS202に戻る。
位置情報が許容範囲内であるか、又は、位置情報の取得回数が最大値であると判断したとき(ステップS203:Yes)、位置情報取得部13は、位置情報が許容範囲内であると判断したときはその位置情報に決定し、位置情報の取得回数が最大値であると判断したときは許容範囲に最も近い位置情報に決定し(ステップS204)、決定した位置情報を記憶部3に記憶させる(ステップS205)。
図6は、位置合わせされた時の第1の硬組織の対象画像bλ(t1)、bλ(t2)を示す図である。図4A、図4B及び図6に示すように、第1の硬組織の対象画像bλ(t1)、bλ(t2)同士の位置合わせにより、移動元の第1の硬組織の対象画像bλ(t2)が移動先の第1の硬組織の対象画像bλ(t1)に対してどの位置に、また、どの向きで存在するのかの情報(位置情報)が取得され、記憶部3に記憶される。以下、「位置合わせ」と記載することがあるが、「位置及び向き」を合わせることを意味する。
位置情報取得部13が手動設定であると判断したとき(ステップS201:Yes)、手動設定による位置合わせが行われる(ステップS206)。位置情報取得部13は、確定を受ける(例えば、表示部43に表示された「確定」ボタンがクリックされる)までは(ステップS207:No)、位置合わせ(ステップS206)を繰り返す。位置情報取得部13は、確定を受けたとき(ステップS207:Yes)、位置情報を決定する(ステップS204)。
(特定画像生成部14)
特定画像生成部14は、撮影領域の情報を参照して、第1の硬組織の対象画像と、表示範囲ADから撮影領域を除いた補集合としての非撮影領域を示す画像との論理和から第1の硬組織の特定画像を生成する(図2に示す「特定画像の生成」;図3に示すステップS107)。
図7は、特定画像の生成を示すフロー図である。
図7に示すように、先ず、特定画像生成部14は、第1の硬組織の対象画像bλ(ti)を取得する(図7に示すステップS301)。ここで、i=1、2である。
次に、特定画像生成部14は、撮影領域を示す画像FOVλ(ti)の補集合としての非撮影領域を示す画像FOVλ (ti)を求める(ステップS302)。
次に、特定画像生成部14は、第1の硬組織の対象画像bλ(ti)と非撮影領域を示す画像FOVλ (ti)とを加算し、第1の硬組織の特定画像b´λ(ti)を生成する(ステップS303)。
第1の硬組織の特定画像b´λ(ti)は、次の式(2)で表される。
b´λ(ti)=bλ(ti)∪FOVλ (ti) (i=1、2) (2)
ここで、撮影時刻tiにおける第1の硬組織の対象画像及び非撮影領域を示す画像をbλ(ti)及びFOVλ (ti)とする。
本来、FOV(ti)は、後記するように、第2の硬組織における欠落の部分を補完するのに役立つ。補完する部分以外のFOV(ti)は、不要となる。この第1の硬組織は補完部分がないので、全部が不要になる。
(ノイズ除去部15)
さらに、特定画像b´λ(ti)にはノイズが含まれる。図6にノイズを黒丸“●”で示す。図8は、代表対象画像の生成を示すフロー図である。
図8に示すように、ノイズ除去部15は、位置合わせた状態で特定画像b´λ(ti)について第1の論理積を行うことで、特定画像からノイズを除去する(図8に示すステップS401)。
ノイズ除去された特定画像B´λは、次の式(3)で表される。
B´λ=b´λ(t1)∩b´λ(t2) (3)
図10は、第1の論理積によりノイズ除去された特定画像を示す図である。図10に除去されたノイズをその外周が破線で表された白丸“○”で示す。なお、図10では、ノイズ除去の後工程として、除去される不要画像を削除して示す。
(不要画像の除去)
第1の画像処理部10は、ノイズ除去後の特定画像B´λと、対象画像bλ(t1)、bλ(t2)を位置合わせしたときのそれぞれの撮影領域を示す画像FOVλ(ti)のi=1,2について論理和を行ったものと、の第2の論理積を行うことにより、第1の硬組織の代表対象画像を生成する(図2に示す「代表対象画像の生成」;ステップS402)。
第1の硬組織の代表対象画像Bλは、次の式(4)で表される。
λ=B´λ∩(FOVλ(t1)∪FOVλ(t2)) (4)
以上、その説明を簡単にするため、第1の画像処理部10が第1の硬組織の対象画像bλ(t1)、bλ(t2)を基に、第1の硬組織の代表対象画像Bλを生成するものを示したが、実際は、第1の画像処理部10が全ての第1の硬組織の対象画像bλ(t1)〜bλ(tn)を基に、第1の硬組織の代表対象画像Bλを生成する。
このとき、撮影時刻ti(i=1、2、…、n)における撮影領域を示す画像FOVλ(ti)について論理和FOVλ´は、次の式(5)で表される。
Figure 2016036416
さらに、ノイズ除去後の特定画像B´λの生成は、次の式(6)で表される。
Figure 2016036416
さらに、不要画像を除去した後の代表対象画像Bλの生成は、次の式(7)で表される。
Figure 2016036416
以上のようにして、第1の硬組織の代表対象画像Bλが生成される。生成された第1の硬組織の代表対象画像Bλは、記憶部3に記憶される。
<第2の硬組織の対象画像における画像処理>
以上、第1の硬組織の対象画像bλ(t1)、bλ(t2)における画像処理を説明した。以下に、第2の硬組織の対象画像bμ(t1)、bμ(t2)における画像処理を説明する。なお、第2の硬組織の対象画像bμ(t1)、bμ(t2)における画像処理は、第1の硬組織の対象画像bλ(t1)、bλ(t2)における画像処理と同様である。
(位置情報の取得)
つまり、位置情報取得部13は、第2の硬組織の対象画像bμ(t1)、bμ(t2)の位置情報を取得する(図2に示す「位置情報の取得」;図3に示すステップS106)。図9は、位置合わせされた時の第2の硬組織の対象画像bμ(t1)、bμ(t2)を示す図である。図4A、図4B及び図9に示すように、第1の硬組織の対象画像bμ(t1)、bμ(t2)同士の位置合わせにより、移動元の第1の硬組織の対象画像bμ(t2)が移動先の第1の硬組織の対象画像bμ(t1)に対してどの位置に、また、どの向きで存在するのかの情報が取得され、記憶部3に記憶される。
図4A、図4B及び図9に示すように、第2の硬組織の対象画像bμ(t1)、bμ(t2)の位置合わせでは、位置情報取得部13は、移動先である第2の硬組織の対象画像bμ(t1)の位置に移動元となる第2の硬組織の対象画像bμ(t2)の位置を移動させることにより、第2の硬組織の対象画像bμ(t1)に対する第2の硬組織の対象画像bμ(t2)の相対的な位置情報を取得する(図3に示すステップS106)。取得される位置情報は、相対的な位置情報に限らず、撮影領域を示す画像FOVに対する第2の硬組織の対象画像bμ(t2)の絶対的な位置情報であってもよい。
図4Aに示すように、第2の硬組織の対象画像bμ(t1)に欠落が存在するときがある。この欠落は、特定画像生成部14により補完される。
(特定画像の生成)
次に、特定画像生成部14は、撮影領域の情報を参照して、第2の硬組織の対象画像と、表示範囲ADから撮影領域を除いた補集合としての非撮影領域を示す画像との論理和から第2の硬組織の特定画像b´μ(ti)を生成する(図2に示す「特定画像の生成」;図3に示すステップS107)。
図4A及び図4Bに示すように、第2の硬組織の対象画像bμ(t1)に欠落があるが、特定画像生成部14により、欠落を補完した特定画像b´μ(t1)が自動的に生成される。しかし、特定画像b´μ(ti)にはノイズが含まれる。図9にノイズを黒丸“●”で示す。
(ノイズ除去)
図11は、第1の論理積によりノイズ除去された特定画像を示す図である。図11に除去されたノイズをその外周が破線で表された白丸“○”で示す。なお、図11では、ノイズ除去の後工程として、除去される不要画像を削除して示す。図11に示すように、ノイズ除去部15は、特定画像b´μ(t1)、b´μ(t2)について第1の論理積を行うことで、特定画像からノイズを除去する(図8に示すステップS401)。
(不要画像の除去)
第1の画像処理部10は、ノイズ除去後の特定画像B´μと、撮影領域を示す画像FOVμ(ti)について論理和を行ったものと、の第2の論理積を行うことにより、第2の硬組織の代表対象画像Bμを生成する(図2に示す「代表対象画像の生成」;ステップS402)。
以上のようにして、第2の硬組織の代表対象画像Bμが生成される。生成された第2の硬組織の代表対象画像Bμは、記憶部3に記憶される。
(硬組織の対象画像の書き換え)
次に、第2の画像処理部20は、位置情報を参照して、第1の硬組織の各対象画像bλ(ti)を代表対象画像Bλに書き換える(図2に示す「代表対象画像の書き換え」)。代表対象画像Bλの書き換えは、第1の硬組織の各対象画像bλ(ti)に代表対象画像Bλを上書きすることにより行われる。続いて、第2の画像処理部20は、位置情報を参照して、第2の硬組織の各対象画像bμ(ti)を代表対象画像Bμに書き換える。代表対象画像Bμの書き換えは、第2の硬組織の各対象画像bμ(ti)に代表対象画像Bμを上書きすることにより行われる。
図12Aは、画像における第1の硬組織の対象画像bλ(t1)、第2の硬組織の対象画像bμ(t1)を第1の硬組織の代表対象画像Bλ、第2の硬組織の代表対象画像Bμに書き換えたときの図である。図12Bは画像における第1の硬組織の対象画像bλ(t2)、第2の硬組織の対象画像bμ(t2)を第1の硬組織の代表対象画像Bλ、第2の硬組織の代表対象画像Bμに書き換えたときの図である。書き換えられた代表対象画像Bλ、Bμは、記憶部3に記憶される。
(代表対象画像の表示)
表示制御部42は、記憶部3から代表対象画像Bλ、Bμを読み出し、これらを表示データに変換して、表示部43に表示させる(図2に示す「書き換えた画像の表示」)。
本実施形態の医用画像処理装置1によれば、硬組織で構成された観察対象の観察では、硬組織の対象画像を観察し易くするため、ウインドウレベル(Window Level:WW)/ウインドウ幅(Window Width:WW)の調整や色づけして表示するとき、硬組織の対象画像は、時相間で対応づけがされ、かつ、全時相で同一の形状、同輝度値が保証される。それにより、一つ時相を示す硬組織の対象画像に対して行われたWL/WWの調整、色づけの設定を他の時相を示す硬組織の対象画像に対して同様に行うだけで、全時相を示す硬組織の対象画像を同じ見た目で表示することができる。
なお、前記実施形態において、代表対象画像は、例えば、硬組織の対象画像からノイズが除かれること、及び/又は硬組織の対象画像の欠落が補完されることを含む画像処理により、生成されるものである。この画像処理の目的は、複数の画像における硬組織の対象画像を代表する一つの代表対象画像を生成することにある。つまり、この画像処理では、硬組織の対象画像からノイズがある程度除かれること、硬組織の対象画像の欠落がある程度補完されることを意味する。ノイズが完全に除かれること、及び、欠落が完全に補完されることは意味しない(ノイズが残っていることを示す図11参照)。
さらに、前記実施形態において、位置情報の取得では、欠落を有する第2の硬組織の対象画像bμ(t1)を移動先としたが、位置合わせの容易さ、及び、位置情報の精度の向上の点から、欠落のない対象画像を移動先とすることが好ましい。そのため、医用画像処理装置1は、取得された複数の画像における対象画像のうち、その対象画像が撮影領域の外周縁に接したか否かを検出し、対象画像が外周縁に接したとき欠落を有する対象画像であると判断し、対象画像が外周縁に接しないとき欠落のない対象画像であると判断する欠落判断手段を有する。欠落判断手段による判断結果は、対象画像に対応づけられて記憶部3に記憶される。このとき、位置情報取得部13は、欠落判断手段による判断結果を参照して、欠落のない対象画像を移動先として、位置情報を取得する。
さらに、前記実施形態では、欠落のない対象画像ばかりでなく、欠落を有する対象画像を用いて、第1の画像処理部10が代表対象画像を生成するように構成された。これに限らず、医用画像処理装置1は、前述する欠落判断手段を有し、欠落判断手段による判断結果を基に、欠落のない対象画像のみを用いて、第1の画像処理部10が代表対象画像を生成するように構成されてもよい。
さらに、前記実施形態で、対象画像の抽出(図3に示すステップS101)において、画像抽出部12により複数の硬組織の対象画像が抽出されたとき、表示制御部42は、抽出された各硬組織の対象画像を互いに色分け(例えば、対象画像の輪郭を示す線に色付け)して表示部43に表示させてもよい。それにより、簡単に各硬組織を見分けでき、対象画像の指定(図3に示すステップS103)が容易となる。
さらに、前記実施形態においては、医用診断装置により取得された3次元の各画像における硬組織の対象画像を代表する3次元画像としての代表対象画像を生成するものを示したが、医用診断装置により取得された2次元の各画像における硬組織の対象画像を代表する2次元画像としての代表対象画像を生成するものであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 医用画像処理装置
2 制御部
3 記憶部
4 インターフェース
41 入力部
42 表示制御部
43 表示部
10 第1の画像処理部
11 画像選定部
12 画像抽出部
13 位置情報取得部
14 特定画像生成部
15 ノイズ除去部
20 第2の画像処理部

Claims (10)

  1. 撮影領域における観察対象を時間経過とともに撮影することにより、前記観察対象の時相を示す複数の画像が取得され、所定の表示範囲で前記複数の画像を表示する医用画像処理装置において、
    前記取得された各画像における前記観察対象の位置を検出し、前記検出された位置を位置合わせする位置合わせ部と、
    前記各画像の中から対象画像を代表する代表対象画像を生成する第1の画像処理部と、
    前記位置合わせ部によって位置合わせされた前記各画像における前記観察対象の領域を、前記代表対象画像における前記観察対象の領域に置き換える第2の画像処理部と、
    を有する
    ことを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記画像における信号値に基づいて硬組織を特定する特定部を更に有し、
    前記第1の画像処理部は、前記特定された硬組織を前記観察対象として特定することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記画像はCT画像であり、前記特定部は、前記CT画像のCT値に基づいて骨を硬組織として特定することを特徴とする請求項2に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記第1の画像処理部は、前記取得された各画像における前記観察対象の対象画像を抽出する画像抽出部と、前記抽出した前記観察対象の対象画像の前記画像における位置と向きとを含む位置情報を取得する位置情報取得部とを有し、前記抽出した前記観察対象の対象画像を前記位置情報を参照して位置合わせして、前記代表対象画像を生成し、
    前記第2の画像処理部は、前記位置情報を参照して、各画像における前記観察対象の対象画像を前記代表対象画像に置き換えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の医用画像処理装置。
  5. 前記第1の画像処理部は、前記撮影領域の情報を参照して、前記取得された各画像における前記観察対象の対象画像と、前記表示範囲から前記撮影領域が除かれた補集合としての非撮影領域を示す画像との論理和から特定画像を生成し、前記各画像における前記特定画像を基に前記代表対象画像を生成することを特徴とする請求項4に記載の医用画像処理装置。
  6. 前記第1の画像処理部は、さらに、前記各画像における前記特定画像からノイズを除去することにより、前記代表対象画像を生成することを特徴とする請求項5に記載の医用画像処理装置。
  7. 前記第1の画像処理部は、前記各画像における前記特定画像について論理積を行うことで、前記ノイズを除去することを特徴とする請求項6に記載の医用画像処理装置。
  8. 前記第1の画像処理部は、さらに、前記論理積を行った前記各画像における前記特定画像と、前記対象画像について位置合わせした後に前記各画像における前記撮影領域を示す画像について論理和を行ったものとの論理積を行うことにより、前記代表対象画像を生成することを特徴とする請求項7に記載の医用画像処理装置。
  9. 前記位置情報取得部は、前記複数の画像から一つの画像が選定されたとき、前記選定された画像における前記抽出した前記観察対象の第1の対象画像から前記観察対象の第1のポリゴン曲面の頂点を生成し、前記複数の画像のうちの前記選定された画像以外の画像における前記抽出した前記観察対象の第2の対象画像から前記観察対象の第2のポリゴン曲面を生成し、各前記頂点から前記第2のポリゴン曲面までの距離の総計が最小になるように、前記第1のポリゴン曲面を移動させたときの前記第1のポリゴン曲面に対する前記第2のポリゴン曲面の相対的な位置を前記位置情報として取得することを特徴とする請求項4から請求項8のいずれかに記載の医用画像処理装置。
  10. 前記第1の画像処理部は、前記観察対象が時間経過とともに撮影されたときの撮影開始時刻と撮影終了時刻との間の中心となる第1の時刻を示す画像、第1の位置と第2の位置との間を往復運動する観察対象が撮影されたとき、観察対象が前記第1の位置と前記第2の位置との間の中心となる位置に移動されたときを示す画像、観察対象が静止した状態を示す画像、及び、取得された複数の画像の中で、それらの画像に対して指定対象画像が占める割合が最も多いときの画像のうちのいずれか一つの画像を前記複数の画像から選定する画像選定部を有することを特徴とする請求項9に記載の医用画像処理装置。
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