JP2016035816A - 保護素子及び保護回路 - Google Patents

保護素子及び保護回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2016035816A
JP2016035816A JP2014157668A JP2014157668A JP2016035816A JP 2016035816 A JP2016035816 A JP 2016035816A JP 2014157668 A JP2014157668 A JP 2014157668A JP 2014157668 A JP2014157668 A JP 2014157668A JP 2016035816 A JP2016035816 A JP 2016035816A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
electrodes
electrode
soluble conductor
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014157668A
Other languages
English (en)
Inventor
千智 小森
Kazutomo Komori
千智 小森
吉弘 米田
Yoshihiro Yoneda
吉弘 米田
貴史 藤畑
Takashi Fujihata
貴史 藤畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dexerials Corp
Original Assignee
Dexerials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dexerials Corp filed Critical Dexerials Corp
Priority to JP2014157668A priority Critical patent/JP2016035816A/ja
Priority to TW104124231A priority patent/TW201611069A/zh
Priority to PCT/JP2015/071205 priority patent/WO2016017567A1/ja
Publication of JP2016035816A publication Critical patent/JP2016035816A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H37/00Thermally-actuated switches
    • H01H37/74Switches in which only the opening movement or only the closing movement of a contact is effected by heating or cooling
    • H01H37/76Contact member actuated by melting of fusible material, actuated due to burning of combustible material or due to explosion of explosive material

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Fuses (AREA)

Abstract

【課題】小型化、高定格化を図るとともに、発熱体引出電極を省略した場合にも溶断特性を維持できる保護素子を提供する。
【解決手段】第1、第2の電極11,12が設けられた絶縁基板10と、第1、第2の電極11,12に支持され、第1、第2の電極11,12間を短絡させる第1の可溶導体13と、第1の電極11と第2の電極12との間の領域15に設けられ、通電により発熱し第1の可溶導体13を溶断する発熱体14とを有し、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12間の領域15において発熱体14と重畳され、低融点金属13aの少なくとも一面に低融点金属13aよりも融点の高い高融点金属13bが被覆されることにより溶融導体の濡れ性が向上されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、保護素子及び保護回路に関し、特に小型化を図るとともに、定格の向上が図られた保護素子及び保護回路に関する。
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
この種の保護素子には、バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行うものがある。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加されて瞬間的な大電流が流れた場合、あるいはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大異常電圧を出力した場合であっても、バッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態においても、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有するヒューズ素子からなる保護素子が用いられている。
図16に示すように、このようなリチウムイオン二次電池等向けの保護回路の保護素子80としては、電流経路上に接続された第1及び第2の電極81,82間に亘って可溶導体83を接続して電流経路の一部をなし、この電流経路上の可溶導体83を、過電流による自己発熱、あるいは保護素子80内部に設けた発熱体84によって溶断するものが提案されている。なお、図16(B)は、図16(A)のA‐A’断面図である。
具体的に、保護素子80は、絶縁基板85と、絶縁基板85に積層され、絶縁部材86に覆われた発熱体84と、絶縁基板85の両端に形成された第1、第2の電極81,82と、絶縁部材86上に発熱体84と重畳するように積層された発熱体引出電極88と、両端が第1、第2の電極81,82にそれぞれ接続され、中央部が発熱体引出電極88に接続された可溶導体83とを備える。
保護素子80は、過充電、過放電等の異常が検知されると、発熱体84が通電されることにより発熱する。すると、この熱により可溶導体83が溶融し、この溶融導体を発熱体引出電極88に集めることにより、第1及び第2の電極81,82間の電流経路を遮断する。
特開2010−003665号公報 特開2004−185960号公報 特開2012−003878号公報
ところで、この種の保護素子においては、携帯電話やノートパソコンのような電流容量が比較的低い用途に用いられていたが、リチウムイオン二次電池の用途は、近年拡大しており、より大電流の用途、例えば電動ドライバ等の電動工具から、ハイブリッドカー、電気自動車、電動アシスト自転車等の輸送機器等、幅広い分野での採用が検討され、一部採用が開始されている。これらの用途において、大電流容量にも対応した保護素子の実現が望まれている。
一方で、保護素子は、実装される電子機器の小型化に伴い、さらなる小型化が求められている。そのため、可溶導体の短縮による小型化も検討されているが、可溶導体の小型化は保護素子の定格に直結することから、大電流用途への対応を考慮すると限界もある。
また、発熱体引出電極を省略することでの小型化も検討されているが、可溶導体が第1、第2の電極間に直接支持されることにより溶断特性が悪化する恐れがある。すなわち、可溶導体は、素子の定格の向上を図る上で小型化にも一定の限度があり、また、長さが長いほど溶断しやすくなることから、速溶断性や溶断後における絶縁性を確保する観点から、第1、第2の電極間の距離、及び第1、第2の電極間にわたされる可溶導体は、発熱体引出電極を省略した場合にもある程度の長さを備える必要がある。
しかし、溶融導体の集電極として機能していた発熱体引出電極を省略した場合、溶融導体が発熱体の直上に位置する第1、第2の電極間の領域に滞留してしまい、第1、第2の電極間を遮断できない恐れもある。
そこで、本発明は、小型化、高定格化を図るとともに、発熱体引出電極を省略した場合にも溶断特性を維持できる保護素子及び保護回路を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る保護素子は、第1、第2の電極が設けられた絶縁基板と、上記第1、第2の電極に支持され、該第1、第2の電極間を短絡させる第1の可溶導体と、上記第1の電極と上記第2の電極との間の領域に設けられ、通電により発熱し上記第1の可溶導体を溶断する発熱体とを有し、上記第1の可溶導体は、上記第1、第2の電極間の領域において上記発熱体と重畳され、低融点金属の少なくとも一面に該低融点金属よりも融点の高い高融点金属が被覆されることにより溶融導体の濡れ性が向上されているものである。
また、本発明に係る保護回路は、外部回路と接続された第1、第2の端子と、上記第1の端子と第2の端子とを接続するヒューズとを備えた通電回路と、発熱により上記ヒューズを溶断する発熱体を備え、上記発熱体へ給電する給電回路とを備え、上記給電回路は、上記発熱体への通電を制御する制御部に接続されているものである。
本発明によれば、第1の可溶導体は、低融点金属の表面を被覆する高融点金属によって、表面の溶融導体に対する濡れ性が向上され、溶融導体を引き込む流路として機能する。したがって、第1の可溶導体は、発熱体によって加熱され、中央部から溶融が開始されると、溶融導体が高融点金属の表面に乗りあがって第1、第2の電極側へ順次流れていく。これにより、第1の可溶導体は、溶融導体が高温の発熱体上に凝集して絶縁領域上に滞留することなく、第1、第2の電極側に分離して、確実に遮断することができる。
図1は、本発明が適用された保護素子の内部を示す平面図である。 図2は、保護素子の溶断工程を示す断面図であり、(A)は発熱前、(B)は発熱開始時、(C)は溶断後の状態を示す。 図3は、保護素子の回路図であり、(A)は可溶導体の溶断前、(B)は可溶導体の溶断後の状態を示す。 図4は、保護素子を用いたバッテリパックの回路構成の一例を示す図である。 図5は、保護素子を用いたバッテリパックの回路構成の一例を示す図である。 図6は、発熱体と第1の電極とを接続した保護素子を示す図であり、(A)は保護素子の内部を示す平面図、(B)は回路図である。 図7は、発熱体を絶縁基板の裏面に設けた保護素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)は底面図である。 図8は、発熱体を絶縁基板の内部に設けた保護素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)は底面図である。 図9は、第2の可溶導体及び中間電極を設けた保護素子を示す図であり、(A)は保護素子の内部を示す平面図、(B)は回路図である。 図10は、第2の可溶導体と発熱体とを接続した保護素子を示す図であり、(A)は保護素子の内部を示す平面図、(B)は回路図である。 図11は、カバー部材にフラックスを保持する保持部を設けた保護素子を示す断面図である。 図12は、カバー部材に溶融導体を保持するカバー部電極を設けた保護素子を示す断面図である。 図13は、可溶導体の変形例を示す斜視図である。 図14は、図13に示す可溶導体を用いた保護素子の内部を示す平面図である。 図15は、図13に示す可溶導体を用いた他の保護素子の内部を示す平面図である。 図16は、従来の保護素子を示す図であり、(A)は保護素子の内部を示す平面図、(B)は断面図である。
以下、本発明が適用された保護素子及び保護回路について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
本発明が適用された保護素子1は、図1、図2に示すように、第1、第2の電極11,12が設けられた絶縁基板10と、第1、第2の電極11,12に支持され、第1、第2の電極11,12間を導通させる第1の可溶導体13と、第1の電極11と第2の電極12との間の領域に設けられ、通電により発熱し第1の可溶導体を溶断する発熱体14とを有する。
[絶縁基板]
絶縁基板10は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材を用いて略方形状に形成されている。絶縁基板10は、その他にも、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、第1の可溶導体13の溶断時の温度に留意する必要がある。
[第1、第2の電極]
絶縁基板10の表面10aには、第1、第2の電極11,12が形成されている。第1、第2の電極11,12は、Agペースト等の高融点金属ペーストの印刷・焼成等により、絶縁基板10の相対向する一対の側縁部10c,10dにそれぞれ形成され、所定の距離を隔てて近接配置されることにより開放されている。第1、第2の電極11,12は、後述する第1の可溶導体13が搭載されることにより導通され、発熱体14の発熱により第1の可溶導体13が溶断されることにより遮断される。
第1、第2の電極11,12は、それぞれ、スルーホールを介して絶縁基板10の裏面10bに設けられた第1、第2の外部接続端子11a,12aと接続されている。第1、第2の電極11,12は、これら第1、第2の外部接続端子11a,12aを介してバッテリ回路等の保護素子1によって不可逆的に導通経路が遮断される外部回路と接続される。これにより、保護素子1は、第1の電極11〜第1の可溶導体13〜第2の電極12に至る通電経路が、保護素子1が実装される回路基板上に形成された外部回路の一部に組み込まれる。
なお、保護素子1が組み込まれる外部回路は、保護素子1が実装される電子機器の電流ラインであり、例えばリチウムイオン二次電池のバッテリパックにおけるバッテリ回路、各種電子機器の電源回路や信号回路等、物理的な電流経路の遮断が求められるあらゆる回路に適用することができる。
[発熱体]
発熱体14は、絶縁基板10の第1、第2の電極11,12が設けられた表面10aに積層され、絶縁部材17に覆われている。発熱体14は、通電すると発熱する導電性を有する部材であって、例えばW、Mo、Ru等からなる。これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものを絶縁基板10上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成される。
また、発熱体14は、図1に示すように、絶縁基板10の表面10aに形成された第1の電極11と第2の電極12との間の絶縁領域15に、一対の側縁部10e,10f方向に亘って形成されている。これにより発熱体14は、絶縁部材17を介して、後述する第1、第2の電極11,12間にわたされる第1の可溶導体13が重畳される。これにより、保護素子1は、第1の電極11と第2の電極12との間の絶縁領域15の中央部が発熱体14の発熱中心Cとなり、当該絶縁領域15上に配置された第1の可溶導体13の略中央から溶融が開始される。
[発熱中心]
ここで、発熱体14の発熱中心とは、発熱体14が発熱することにより発現する熱分布のうち、発熱初期の段階で最も高温となる領域をいう。発熱体14より発せられる熱は絶縁基板10からの放熱量が最も多く、絶縁基板10を、耐熱衝撃性に優れるが熱伝導率も高いセラミックス材料により形成した場合などには、絶縁基板10に熱が拡散してしまう。そのため、発熱体14は通電が開始された発熱初期の段階では、絶縁基板10と接する外縁から最も遠い中心が最も熱く、絶縁基板10と接する外縁に向かうにつれて放熱されて温度が上がりにくくなる。
そして、図1に示すように、保護素子1は、第1の電極11と第2の電極12との間の絶縁領域15に発熱体14を形成するとともに、絶縁領域15上を跨いで第1、第2の電極11,12間にわたって第1の可溶導体13を配置することにより、第1の可溶導体13の略中央部が発熱体14の発熱中心に重畳される。したがって、第1の可溶導体13は、発熱体14の発熱初期において、略中央部から熱せられ、溶融が開始され、順次第1、第2の電極11,12側に向かって溶融していく。このとき、後述するように、第1の可溶導体13は、自身の溶融導体に対する濡れ性が向上されていることから、溶融導体が乗りあがって第1、第2の電極11,12側に向かって流れるため、絶縁領域15に滞留することなく、確実に溶断される(図2(B)(C)参照)。
発熱体14を覆う絶縁部材17は、例えばガラスを用いることができる。保護素子1は、発熱体14を絶縁部材17で覆うことにより、発熱体14の熱を効率良く第1の可溶導体13に伝えることができる。なお、保護素子1は、発熱体14と絶縁基板10の表面10aとの間にも絶縁部材17を積層しても良い。
発熱体14は、一端が第1の発熱体電極18に接続され、他端が第2の発熱体電極19に接続されている。第1の発熱体電極18は、絶縁基板10の側縁部10eに形成され、第2の発熱体電極19は、絶縁基板10の側縁部10f側に形成されている。
第1、第2の発熱体電極18,19は、絶縁基板10の表面10aに形成されるとともに、それぞれ絶縁基板10の裏面10bに形成された第1、第2の給電端子18a,19aと接続されている。第1、第2の発熱体電極18,19は、これら第1、第2の給電端子18a,19aを介して保護素子1の作動時に発熱体14に給電する外部回路と接続される(図4参照)。
[第1の可溶導体]
第1の可溶導体13は、発熱体14の発熱により速やかに溶断されるいずれの金属を用いることができ、例えば、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の低融点金属13aを好適に用いることができる。
また、第1の可溶導体13は、低融点金属13aの少なくとも一面、好ましくは全面に、低融点金属13aよりも融点の高い高融点金属13bが被覆されることにより、溶融導体の濡れ性が向上されている。高融点金属13bとしては、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金などを用いることが好ましい。第1の可溶導体13は、低融点金属13aの表面を被覆する高融点金属13bによって、表面の溶融導体に対する濡れ性が向上され、溶融導体を引き込む流路として機能する。したがって、第1の可溶導体13は、発熱体14によって加熱され、中央部から溶融が開始されると、図2(B)に示すように、溶融導体が高融点金属13bの表面に乗りあがって第1、第2の電極11,12側へ順次流れていく。これにより、図2(C)に示すように、第1の可溶導体13は、溶融導体が高温の発熱体14上に凝集して絶縁領域15上に滞留することなく、第1、第2の電極11,12側に分離して、確実に遮断することができる。また、溶融導体が第1、第2の電極側に流れることから、溶断後においても第1、第2の電極11,12間における高い絶縁抵抗を維持することができる。
また、第1の可溶導体13は、高融点金属13bと低融点金属13aとを含有することによって、短絡素子1をリフロー実装する場合に、リフロー温度が低融点金属13aの溶融温度を超えて、低融点金属13aが溶融しても、低融点金属13aの外部への流出を抑制し、第1の可溶導体13の形状を維持することができる。また、溶断時も、低融点金属13aが溶融することにより、高融点金属13bを溶食(ハンダ食われ)することで、高融点金属13bの融点以下の温度で速やかに溶断することができる。
また、第1の可溶導体13の酸化防止、及び溶融時における濡れ性を向上させるために、第1の可溶導体13の上部及び/又は下部にはフラックス20が塗布されていることが好ましい。
[カバー部材]
また、保護素子1は、絶縁基板10上に内部を保護するカバー部材21が取り付けられている。保護素子1は、絶縁基板10がカバー部材21に覆われることによりその内部が保護されている。カバー部材21は、保護素子1の側面を構成する側壁24と、保護素子1の上面を構成する天面部25とを有し、側壁24が絶縁基板10上に接続されることにより、保護素子1の表面10a上を覆う蓋体となる。このカバー部材21は、例えば、熱可塑性プラスチック,セラミックス,ガラスエポキシ基板等の絶縁性を有する部材を用いて形成されている。
[回路構成]
次いで、保護素子1の回路構成について説明する。図3に保護素子1の回路図を示す。図4に、保護素子1が適用された保護回路の一例としてバッテリパック30の回路構成例を示す。図3に示すように、保護素子1は、第1、第2の電極11,12と接続されるとともに外部回路との接続端子となる第1、第2の外部接続端子11a,12aが、第1の可溶導体13(ヒューズ)を介して接続され、これにより外部回路の通電経路の一部を構成する通電回路2を有する。また、保護素子1は、第1、第2の発熱体電極18,19と接続されるとともに発熱体14へ給電する外部回路との接続端子となる第1、第2の給電端子18a,19aが発熱体14(抵抗体)の両端に接続され、これにより、給電回路3を有する。このような保護素子1は、通電回路1と給電回路3とが電気的に分離され、発熱体14の発熱により第1の可溶導体13が溶融することから、熱的に接続されている。また、保護素子1は、給電回路3が、発熱体14への通電を制御する電流制御素子37及び電流制御素子37の動作を制御する第2の制御部41を備える第2の充放電制御回路41と接続される。
例えば保護素子1は、図4に示すように、例えばリチウムイオン二次電池のバッテリパック30内の回路に組み込まれて用いられる。バッテリパック30は、例えば、合計4個のリチウムイオン二次電池のバッテリセル31〜34からなるバッテリスタック35を有する。
バッテリパック30は、バッテリスタック35と、バッテリスタック35の充放電を制御する第1の制御部40と、バッテリスタック35の異常時に充電を遮断する本発明が適用された保護素子1と、各バッテリセル31〜34の電圧異常に応じて保護素子1を作動させる第2の制御部41とを備える。
バッテリスタック35は、過充電及び過放電状態から保護するための制御を要するバッテリセル31〜34が直列接続されたものであり、バッテリパック30の正極端子30a、負極端子30bを介して、着脱可能に充電装置45に接続され、充電装置45からの充電電圧が印加される。充電装置45により充電されたバッテリパック30の正極端子30a、負極端子30bをバッテリで動作する電子機器に接続することによって、この電子機器を動作させることができる。
第1の制御部40は、バッテリスタック35から充電装置45に流れる電流経路に直列接続された2つの電流制御素子42、43の動作を制御する。電流制御素子42、43は、たとえば電界効果トランジスタ(以下、FETという。)により構成され、第1の制御部40によりゲート電圧を制御することによって、バッテリスタック35の電流経路の導通と遮断とを制御する。第1の制御部40は、充電装置45から電力供給を受けて動作し、バッテリスタック35が過放電又は過充電であるとき、電流経路を遮断するように、電流制御素子42、43の動作を制御する。
保護素子1は、例えば、バッテリスタック35の充放電電流経路上に接続され、その動作が第2の制御部41によって制御される。
第2の制御部41は、各バッテリセル31〜34の電圧値を検出し、過充電等の異常電圧の際には第1の制御部40とは独立して保護素子1を作動させることにより充放電経路を遮断する。第2の制御部41は、保護素子1の給電回路3と接続され第2の制御部41の検出結果に応じて保護素子1の給電回路3への通電動作を制御するスイッチ素子となる電流制御素子37と接続され、バッテリセル31〜34の異常電圧に応じて制御信号を出力する。
電流制御素子37は、たとえばFETにより構成され、第2の制御部41から出力される検出信号によって、バッテリセル31〜34の電圧値が所定の過放電又は過充電状態を超える電圧になったとき、給電回路3へ通電させて、バッテリスタック35の充放電電流経路を電流制御素子42、43のスイッチ動作によらず遮断するように制御する。
保護素子1は、バッテリパック30の回路に実装されることにより、第1の可溶導体13の一端が搭載される第1の電極11が、外部接続端子11aを介して充放電電流経路の一端と接続され、第1の可溶導体13の他端が搭載される第2の電極12が、外部接続端子12aを介して充放電電流経路の他端と接続される。これにより、第1の可溶導体13は、第1、第2の電極11,12の各外部接続端子11a,12aを介して、充放電電流経路上に直列接続される。また、保護素子1は、第1の発熱体電極18が第1の給電端子18aを介して充放電電流経路と接続され、第2の発熱体電極19が第2の給電端子19aを介して電流制御素子37と接続される。これにより、発熱体14への給電経路3は、第2の給電端子19aと接続された電流制御素子37によって通電が制御されている。
第2の制御部41がバッテリセル31〜34のいずれかの異常電圧を検出すると、電流制御素子37へ遮断信号を出力する。すると、電流制御素子37は、発熱体14に通電するよう電流を制御する。給電回路3には、バッテリスタック35から、第1の給電端子18a及び第1の発熱体電極18を介して電流が流れ、これにより発熱体14が発熱を開始する。保護素子1は、発熱体14の発熱により第1の可溶導体13を溶断する。
これにより、保護素子1は、図3(B)に示すように、第1、第2の電極11,12間を接続する第1の可溶導体13が溶断することによりバッテリパック30の充放電電流経路を遮断する。このとき、上述したように、第1の可溶導体13は、低融点金属の表面を被覆する高融点金属によって、表面の溶融導体に対する濡れ性が向上され、溶融導体を引き込む流路として機能する。したがって、第1の可溶導体13は、発熱体14によって加熱され、中央部から溶融が開始されると、溶融導体が高融点金属表面に乗りあがって第1、第2の電極11,12側へ順次流れていく(図2(B)(C))。これにより、第1の可溶導体13は、溶融導体が発熱体14の上部に凝集し絶縁領域15上に滞留することなく、第1、第2の電極11,12側に分離して、確実に遮断することができる。また、溶融導体が第1、第2の電極側に流れることから、溶断後においても第1、第2の電極11,12間における高い絶縁抵抗を維持することができる。
第2の制御部41にはタイマーがセットされ、発熱体14の給電回路3へ、第1の可溶導体13を溶断できる十分な所定の時間だけ通電される。したがって、保護素子1は、第1の可溶導体13が溶断した後に、発熱体14の発熱が停止される。
なお、第2の制御部41は、バッテリセル31〜34又はバッテリスタック35の電圧に応じて、発熱時間を可変させてもよい。例えば、バッテリセル31〜34又はバッテリスタック35の電圧が低下している場合には発熱体14への通電時間を長くとることで、確実に第1の可溶導体13を遮断する熱量を確保することができる。
なお、本発明の遮断素子は、リチウムイオン二次電池のバッテリパックに用いる場合に限らず、電気信号による電流経路の遮断を必要とする様々な用途にももちろん応用可能である。
このような保護素子1によれば、第1の電極11と第2の電極12とを直接対向配置させ、第1の可溶導体13を第1、第2の電極11,12間にわたって搭載しているため、発熱体引出電極を介して第1、第2の電極を対向させている従来の構成に比べて、素子全体の小型化を図ることができる。
また、保護素子1は、第1の可溶導体13のサイズを必要以上に小型化せず、必要な定格を確保している。かつ、保護素子1は、第1の可溶導体13の表面の濡れ性を向上させることにより溶融導体を順次第1、第2の電極11,12側へ引き込むことで、狭小化された第1、第2の電極11,12間の絶縁領域に溶融導体が滞留することを防止し、確実に第1、第2の電極11,12を遮断することができる。
なお、保護素子1は、発熱体14の発熱により第1の可溶導体13が溶断する他、外部回路が過電流となった場合に、第1の可溶導体13が自己発熱(ジュール熱)により溶断することで、外部回路を遮断することができる。
[変形例]
また、図5に示すように、第2の制御部41から高出力(例えば100mW以上)の信号を出力できる場合には、保護素子1は、第1の給電端子18aと第2の制御部41とを接続し、第2の給電端子19aをバッテリスタック35の負極端子側の開放端に接続してもよい。
図5に示す構成では電流制御素子37が不要となる。また、保護素子1は、上述した第1、第2の電極11,12及び第1の可溶導体13が接続された通電回路2と、第1の可溶導体13を加熱、溶断する発熱体14へ給電する給電回路3とが熱的に接続され、電気的には独立されている。したがって、図5に示す保護回路においては、バッテリパック30のパワーラインである充放電電流経路と、給電回路3上に設けられ発熱体14への給電を制御する第2の制御部41とが電気的に分離されているため、大電流の流入による第2の制御部41の破壊等の危険がない。
[3端子構成]
また、本発明が適用された保護素子は、発熱体14と第1、第2の電極11,12の一方とを接続してもよい。なお、以下の説明において、上述した保護素子1と同じ部材については同じ符号を付してその詳細を省略する。
例えば図6に示すように、この保護素子50は、第1の発熱体電極18及び第1の給電端子18aが設けられておらず、発熱体14の一端が第1の電極11と接続され、発熱体14の他端が第2の発熱体電極19と接続されている。保護素子50において、発熱体14は、第1の外部接続端子11a及び第1の電極11を介して充放電電流経路に接続され、給電される。
[発熱体位置]
また、保護素子1は、発熱体14を絶縁基板10の表面10aに形成する他に、図7に示すように、絶縁基板10の裏面10bに形成してもよい。この場合、発熱体14は、絶縁基板10の表面10aに形成された第1、第2の電極11,12間の絶縁領域15の裏側に形成されるとともに、絶縁基板10の裏面10bにおいて絶縁部材17に被覆されている。また、発熱体14と接続される第1、第2の発熱体電極18,19及び第1、第2の給電端子18a,19aも、同様に絶縁基板10の裏面10bに形成されている。
保護素子1は、発熱体15が絶縁基板10の裏面10bに形成されることにより、絶縁基板10の表面10aが平坦化され、これにより、第1、第2の電極11,12を表面10a上に印刷等により一括して形成することができる。したがって、保護素子1は、第1、第2の電極11,12の製造工程を簡略化することができるとともに、低背化を図ることができる。
保護素子1は、発熱体14を絶縁基板10の裏面10bに形成した場合にも、絶縁基板10の材料としてファインセラミック等の熱伝導性に優れた材料を用いることにより、発熱体14によって、絶縁基板10の表面10a上に形成した場合と同等に第1の可溶導体13を加熱、溶断することができる。
また、保護素子1は、図8に示すように、発熱体14を絶縁基板10の内部に形成してもよい。この場合、発熱体14を被覆する絶縁部材17は設ける必要がない。また、発熱体14を絶縁基板10の内部に形成した場合にも、発熱体14は、絶縁基板10の表面10aに形成された第1、第2の電極11,12間の絶縁領域15と重畳する位置に形成される。また、発熱体14と接続される第1、第2の発熱体電極18,19は、絶縁基板10の内部に形成され、絶縁基板10の裏面10bに形成された第1、第2の給電端子18a,19aと図示しない導電スルーホールを介して接続される。
発熱体14を絶縁基板10の内部に形成することにより、保護素子1は、絶縁基板10の表面10aが平坦化され、これにより、第1、第2の電極11,12を表面10a上に印刷等により一括して形成することができる。したがって、保護素子1は、第1、第2の電極11,12の製造工程を簡略化することができるとともに、低背化を図ることができる。
保護素子1は、発熱体14を絶縁基板10の内部に形成した場合にも、絶縁基板10の材料としてファインセラミック等の熱伝導性に優れた材料を用いることにより、発熱体14によって、絶縁基板10の表面10a上に形成した場合と同等に第1の可溶導体13を加熱、溶断することができる。
[第2の可溶導体]
また、本発明が適用された保護素子は、第2の可溶導体と、第1又は第2の発熱体電極と第2の可溶導体を介して接続された中間電極とを有し、発熱体14の給電回路3を自動的に遮断してもよい。なお、以下の説明において、上述した保護素子1と同じ部材については同じ符号を付してその詳細を省略する。
この保護素子60は、例えば図9に示すように、第2の可溶導体61と、第1の発熱体電極18と第2の可溶導体61を介して接続された中間電極62とを有する。第2の可溶導体61は、上述した第1の可溶導体13と同様に、発熱体14の発熱により速やかに溶断されるいずれの金属を用いることができ、例えば、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の低融点金属にAg、Cu又はこれらを主成分とする合金などの高融点金属が積層された積層体を用いることができる。
中間電極62は、発熱体14と第1の発熱体電極18との間に設けられるものであり、第1、第2の電極11,12と同様に、Agペースト等の高融点金属ペーストの印刷・焼成等により絶縁基板10に形成される。中間電極62は、発熱体14の一端が接続されるとともに、第2の可溶導体61を介して第1の発熱体電極18と接続されている。すなわち、保護素子60の給電回路3は、発熱体14が直接第1の発熱体電極18と接続されるのではなく、中間電極62及び第2の可溶導体61を介して第1の発熱体電極18と接続される。
これにより、保護素子60は、発熱体14が発熱することによって第1の可溶導体13が溶断した後、第2の可溶導体61が溶断することにより、発熱体14の給電回路3が遮断され、自動的に発熱を停止することができる。したがって、保護素子60を用いることにより、第2の制御部41にタイマー機能を備えることなく発熱体14の発熱を停止することができる。
ここで、第2の可溶導体61は、第1の可溶導体13よりも遅れて溶断することが必要となる。第2の可溶導体61が第1の可溶導体13よりも先に溶断すると発熱体14への給電が停止され第1の可溶導体13を溶断することができないためである。
そこで、第2の可溶導体61は、第1の可溶導体13よりも発熱体14から離間した位置に設けられていることが好ましい。これにより、第2の可溶導体61は、第1の可溶導体13に比して発熱体14からの熱の伝達が遅れるため、第1の可溶導体13の溶断後に溶断する。
また、保護素子60は、図9に示すように、第1の可溶導体13を発熱体14に重畳させて配置するとともに、第2の可溶導体61を発熱体14からオフセットした位置に配置してもよい。
また、第2の可溶導体61は、第1の可溶導体13よりも融点を高くすることにより、第1の可溶導体13よりも遅れて溶断するようにしてもよい。例えば、第2の可溶導体61の材料として第1の可溶導体13の材料よりも高融点の材料を用いる、又は第2の可溶導体61の外層を構成する高融点金属の膜厚を厚く形成する等の方法により、第2の可溶導体61の融点を第1の可溶導体13の融点よりも高くすることができる。
なお、保護素子60は、上述した保護素子1と同様に、発熱体14が絶縁基板10の表面10aに設けられていてもよく、裏面10bに設けられていてもよい。
また、本発明が適用された保護素子は、第2の可溶導体を介して、第1又は第2の発熱体電極と発熱体14とを接続し、発熱体14の給電回路3を自動的に遮断してもよい。なお、以下の説明において、上述した保護素子1,60と同じ部材については同じ符号を付してその詳細を省略する。
例えば、図10に示すように、保護素子65は、中間電極を用いることなく、発熱体14と第1の発熱体電極18とが第2の可溶導体61を介して接続されている。この場合も、第2の可溶導体61は、第1の可溶導体13よりも融点を高くすることにより、第1の可溶導体13よりも遅れて溶断させ、確実に第1の可溶導体13を溶断することができる。
なお、保護素子65は、上述した保護素子1と同様に、発熱体14が絶縁基板10の表面10aに設けられていてもよく、裏面10bに設けられていてもよい。
[フラックス保持凸部]
また、保護素子1は、図11に示すように、カバー部材21の天面部25の内面側に、フラックス20を保持する保持部26を設けてもよい。保持部26は、天面部25から内側に突出する凸部であり表面張力によってフラックスを所定の位置に保持するものである。保持部26は、例えば円筒状、円柱状等、表面張力によってフラックス20を第1の可溶導体13との間で保持できる種々の形状を用いることができる。
また、保持部26は、発熱体14と第1、第2の電極11,12との間の絶縁領域15の第1の電極11側及び第2の電極12側と重畳する位置に分離して形成されている。これにより、保持部26は、第1の電極11及び第2の電極12間に搭載されている第1の可溶導体13との間でフラックス20の保持量を増加させ、第1の電極11及び第2の電極12側にかけて溶融導体の濡れ性を向上して第1の可溶導体13の溶融導体を第1、第2の電極11,12側へ流しやすくすることができる。
[フラックス保持電極]
また、保護素子1は、図12に示すように、カバー部材21の天面部25の内面側に、カバー部電極27を設けてもよい。カバー部電極27は、絶縁領域15の第1の電極11側及び第2の電極12側と重畳する位置に分離して形成されている。これにより、カバー部電極27は、発熱体14が発熱し、第1の可溶導体13が溶融されると、中央部から溶融し高融点金属表面に乗りあがった溶融導体が接触して濡れ広がることにより、溶融導体を第1、第2の電極11,12側へ流れやすくし、確実に第1、第2の電極11,12を遮断させることができる。なお、カバー部電極27は、第1の電極11及び第2の電極12と重畳する位置まで形成することにより、第1、第2の電極11,12とともに溶融導体を保持する許容量を増加させ、大型化、高定格化が図られた第1の可溶導体13においても確実に第1、第2の電極11,12間を遮断することができる。
[可溶導体の変形例]
また、本発明が適用された保護素子は、第1の可溶導体として、外層を構成する高融点金属に被覆された第1の側縁部と、内層を構成する低融点金属が露出された第2の側縁部とを有する可溶導体を用いてもよい。この可溶導体70は、図13に示すように、略矩形板状に形成され、外層を構成する高融点金属70bによって被覆され主面部71よりも肉厚に形成された相対向する一対の第1の側縁部72と、内層を構成する低融点金属70aが露出され第1の側縁部72よりも薄い厚さに形成された相対向する一対の第2の側縁部73とを有する。内層を構成する低融点金属70aは、上述した第1の可溶導体13の低融点金属13aと同じ材料を用いることができる。また、外層を構成する高融点金属70bは、上述した第1の可溶導体13の高融点金属13bと同じ材料を用いることができる。
また、図14、図15に示すように、可溶導体70は、上述した保護素子1,60の第1、第2の可溶導体13,61に代えて用いてもよい。このとき、第1、第2の電極11,12間に接続される可溶導体70は、上述したように第1の側縁部72が第1、第2の電極11,12の幅方向に沿って搭載され、第2の側縁部73が、通電方向の両側端となる向きで、第1、第2の電極11,12間に跨って接続される。一方、中間電極62と第1の発熱体電極18との間に接続される可溶導体70は、第2の側縁部73が中間電極62及び第1の発熱体電極18の幅方向に沿って搭載され、第1の側縁部72が、通電方向の両側端となる向きで、中間電極62及び第1の発熱体電極18間に跨って接続されることが好ましい。
中間電極62及び第1の発熱体電極18間に跨って接続される可溶導体70は、溶断までにより多くの熱エネルギーを要する第1の側縁部72が中間電極62及び第1の発熱体電極18間にわたされているため、第1、第2の電極11,12間に第2の側縁部73が渡されている可溶導体70が先に溶断する。すなわち、第1、第2の電極11,12間を遮断した後に、中間電極62と第2の発熱体電極19とが遮断され、発熱を停止することができる。
次いで、本発明の実施例について説明する。本実施例では、第1、第2の電極間に接続された第1の可溶導体として、ハンダ箔にAgメッキを施した可溶導体を用いた保護素子(実施例)と、ハンダ箔のみからなる可溶導体を用いた保護素子(比較例)とを用意した。実施例に係る可溶導体は、ハンダ表面を高融点金属被覆することにより、比較例に係る可溶導体に比して溶融導体に対する濡れ性が向上されている。また、第1、第2の電極、発熱体、及び可溶導体の配置は、上述した保護素子1と同様とした(図1参照)。
実施例及び比較例に係る各保護素子の発熱体に、20Wの電力を印加したところ、実施例では第1、第2の電極間が遮断するまで4.4秒であったのに対して、比較例では可溶導体の溶融導体が第1、第2の電極間に滞留して遮断できなかった。
これは、実施例では溶融導体に対する濡れ性が向上された可溶導体を用いたことから、発熱体の発熱により可溶導体が中央部から溶融すると、溶融導体が可溶導体の表面を伝って第1、第2の電極間の領域から第1、第2の電極側へ流れたことで、確実に第1、第2の電極間を遮断することができた。
一方、比較例では、溶融導体に対する濡れ性を改善する処置が施されていないことから、発熱体の発熱により可溶導体が中央部から溶融すると、溶融導体が高温の発熱体上部に凝集して第1、第2の電極間の領域に滞留してしまい、第1、第2の電極間に跨って遮断することができなかった。
これより、低融点金属の少なくとも一面に高融点金属被覆することにより溶融導体の濡れ性を向上させた可溶導体を用いることが有用であることが分かる。
1 保護素子、2 通電回路、3 給電回路、10 絶縁基板、10a 表面、10b 裏面、11 第1の電極、11a 第1の外部接続端子、12 第2の電極、12a 第2の外部接続端子、13 第1の可溶導体、13a 低融点金属、13b 高融点金属、14 発熱体、15 絶縁領域、17 絶縁部材、18 第1の発熱体電極、18a 第1の給電端子、19 第2の発熱体電極、19a 第2の給電端子、20 フラックス、21 カバー部材、24 側壁、25 天面部、26 保持部、27 カバー部電極、30 バッテリパック、31〜34 バッテリセル、35 バッテリスタック、36 第2の制御部、37 電流制御素子、40 第1の充放電制御回路、41 第2の充放電制御回路、42,43 電流制御素子、44 第1の制御部、45 充電装置、50 保護素子、60 保護素子、61 第2の可溶導体、62 中間電極、65 保護素子、70 可溶導体、70a 低融点金属、70b 高融点金属、71 主面部、72 第1の側縁部、73 第2の側縁部、75 導体リボン

Claims (17)

  1. 第1、第2の電極が設けられた絶縁基板と、
    上記第1、第2の電極に支持され、該第1、第2の電極間を短絡させる第1の可溶導体と、
    上記第1の電極と上記第2の電極との間の領域に設けられ、通電により発熱し上記第1の可溶導体を溶断する発熱体とを有し、
    上記第1の可溶導体は、上記第1、第2の電極間の領域において上記発熱体と重畳され、低融点金属の少なくとも一面に該低融点金属よりも融点の高い高融点金属が被覆されることにより溶融導体の濡れ性が向上されている保護素子。
  2. 上記第1の可溶導体にフラックスが塗布されている請求項1記載の保護素子。
  3. 上記第1の可溶導体は、外層を構成する上記高融点金属によって被覆され主面部よりも肉厚に形成された相対向する一対の第1の側縁部と、内層を構成する上記低融点金属が露出され上記第1の側縁部よりも薄い厚さに形成された相対向する一対の第2の側縁部とを有し、
    上記第1の側縁部が上記第1の絶縁基板の表面に形成された上記第1、第2の電極に沿って搭載され、上記第2の側縁部が第1、第2の電極間にわたって接続されている請求項1又は2に記載の保護素子。
  4. 上記発熱体へ給電する給電回路との接続端子となる第1、第2の発熱体電極を有し、
    上記発熱体は、一端を上記第1の発熱体電極と接続され、他端を上記第2の発熱体電極と接続され、上記第1の可溶導体の通電経路と電気的に独立している請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護素子。
  5. 上記発熱体へ給電する給電回路との接続端子となる発熱体電極を有し、
    上記発熱体は、一端を上記発熱体電極と接続され、他端を第1、第2の電極の一方と接続されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護素子。
  6. 上記発熱体は、上記絶縁基板の上記第1、第2の電極が設けられた表面に形成され、絶縁部材によって被覆されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護素子。
  7. 上記発熱体は、上記絶縁基板の上記第1、第2の電極が設けられた表面と反対側の裏面に形成され、絶縁部材によって被覆されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護素子。
  8. 上記発熱体は、上記絶縁基板の内部に形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護素子。
  9. 上記発熱体電極と第2の可溶導体を介して接続された中間電極とを有し、
    上記発熱体は、上記中間電極及び上記第2の可溶導体を介して上記発熱体電極と接続されている請求項6〜8のいずれか1項に記載の保護素子。
  10. 上記発熱体は、上記発熱体電極と第2の可溶導体を介して接続されている請求項6〜8のいずれか1項に記載の保護素子。
  11. 上記第2の可溶導体は、上記第1の可溶導体よりも上記発熱体から離間した位置に設けられている請求項9記載の保護素子。
  12. 上記第2の可溶導体は、上記第1の可溶導体よりも融点が高い請求項9〜11のいずれか1項に記載の保護素子。
  13. 上記絶縁基板の上記第1、第2の電極が設けられた表面に搭載されるカバー部材を備え、
    上記カバー部材は、上記発熱体と上記第1、第2の電極との間の領域に、フラックスを保持する保持凸部が設けられている請求項1〜12のいずれか1項に記載の保護素子。
  14. 上記絶縁基板の上記第1、第2の電極が設けられた表面に搭載されるカバー部材を備え、
    上記カバー部材は、上記発熱体と上記第1、第2の電極との間の領域に、上記第1の可溶導体の溶融導体を保持する電極が設けられている請求項1〜12のいずれか1項に記載の保護素子。
  15. 外部回路と接続された第1、第2の端子と、上記第1の端子と第2の端子とを接続するヒューズとを備えた通電回路と、
    発熱により上記ヒューズを溶断する発熱体を備え、上記発熱体へ給電する給電回路とを備え、
    上記給電回路は、上記発熱体への通電を制御する制御部に接続されている保護回路。
  16. 上記発熱体は、上記制御部によって上記ヒューズを溶断させる所定の時間だけ通電するように制御される請求項15記載の保護回路。
  17. 上記発熱体は、上記外部回路の電圧に応じて通電時間が可変する請求項15記載の保護回路。
JP2014157668A 2014-08-01 2014-08-01 保護素子及び保護回路 Pending JP2016035816A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014157668A JP2016035816A (ja) 2014-08-01 2014-08-01 保護素子及び保護回路
TW104124231A TW201611069A (zh) 2014-08-01 2015-07-27 保護元件及保護電路
PCT/JP2015/071205 WO2016017567A1 (ja) 2014-08-01 2015-07-27 保護素子及び保護回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014157668A JP2016035816A (ja) 2014-08-01 2014-08-01 保護素子及び保護回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016035816A true JP2016035816A (ja) 2016-03-17

Family

ID=55217468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014157668A Pending JP2016035816A (ja) 2014-08-01 2014-08-01 保護素子及び保護回路

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2016035816A (ja)
TW (1) TW201611069A (ja)
WO (1) WO2016017567A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017174590A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 デクセリアルズ株式会社 保護素子
JP2019201003A (ja) * 2016-03-23 2019-11-21 デクセリアルズ株式会社 保護素子
JP2021034221A (ja) * 2019-08-23 2021-03-01 デクセリアルズ株式会社 ヒューズエレメント、ヒューズ素子および保護素子
WO2021085140A1 (ja) * 2019-10-30 2021-05-06 デクセリアルズ株式会社 保護素子および保護回路

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107579195A (zh) * 2017-08-21 2018-01-12 广州市云通磁电股份有限公司 柱形动力电池及其组装方法
JP7089758B2 (ja) * 2018-09-12 2022-06-23 内橋エステック株式会社 保護素子

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3185962B2 (ja) * 1995-02-28 2001-07-11 ソニーケミカル株式会社 保護回路及び保護素子
JP4244452B2 (ja) * 1999-07-19 2009-03-25 ソニー株式会社 バッテリパック
JP5072796B2 (ja) * 2008-05-23 2012-11-14 ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 保護素子及び二次電池装置
JP5656466B2 (ja) * 2010-06-15 2015-01-21 デクセリアルズ株式会社 保護素子、及び、保護素子の製造方法
US9337671B2 (en) * 2011-12-19 2016-05-10 Dexerials Corporation Protective element, protective element fabrication method, and battery module in which protective element is embedded
JP6249600B2 (ja) * 2012-03-29 2017-12-20 デクセリアルズ株式会社 保護素子

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017174590A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 デクセリアルズ株式会社 保護素子
WO2017163765A1 (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 デクセリアルズ株式会社 保護素子
KR20180104754A (ko) * 2016-03-23 2018-09-21 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 보호 소자
JP2019201003A (ja) * 2016-03-23 2019-11-21 デクセリアルズ株式会社 保護素子
KR102089478B1 (ko) * 2016-03-23 2020-03-17 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 보호 소자
TWI726074B (zh) * 2016-03-23 2021-05-01 日商迪睿合股份有限公司 遮斷型保護元件
JP2021034221A (ja) * 2019-08-23 2021-03-01 デクセリアルズ株式会社 ヒューズエレメント、ヒューズ素子および保護素子
WO2021039426A1 (ja) * 2019-08-23 2021-03-04 デクセリアルズ株式会社 ヒューズエレメント、ヒューズ素子および保護素子
CN114245928A (zh) * 2019-08-23 2022-03-25 迪睿合株式会社 熔丝、熔断器元件以及保护元件
CN114245928B (zh) * 2019-08-23 2024-05-17 迪睿合株式会社 熔丝、熔断器元件以及保护元件
WO2021085140A1 (ja) * 2019-10-30 2021-05-06 デクセリアルズ株式会社 保護素子および保護回路
JP7477958B2 (ja) 2019-10-30 2024-05-02 デクセリアルズ株式会社 保護素子および保護回路

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016017567A1 (ja) 2016-02-04
TW201611069A (zh) 2016-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106796857B (zh) 保护元件及安装体
WO2015020111A1 (ja) 保護素子及びバッテリパック
WO2016017567A1 (ja) 保護素子及び保護回路
JP6576618B2 (ja) 保護素子
KR101946105B1 (ko) 보호 소자 및 배터리 팩
TWI585801B (zh) Protective components and battery pack
TWI765940B (zh) 保護元件
JP6621255B2 (ja) 保護素子、ヒューズ素子
KR102043051B1 (ko) 보호 소자
CN109891546B (zh) 保护元件
TWI652712B (zh) Protective component
JP6381975B2 (ja) 短絡素子
JP6254859B2 (ja) 遮断素子、遮断素子回路、
JP2016018683A (ja) 保護素子
KR20160046762A (ko) 차단 소자 및 차단 소자 회로
JP6078332B2 (ja) 保護素子、バッテリモジュール
TWI648933B (zh) 保護電路、電池電路、保護元件以及保護元件的驅動方法
JP7390825B2 (ja) 保護素子、バッテリパック
JP6343201B2 (ja) 短絡素子
JP6231323B2 (ja) 保護素子、及びこれを用いた保護回路基板
JP2018018835A (ja) 保護素子、ヒューズ素子
WO2022181652A1 (ja) 保護素子及びバッテリパック