JP2016034929A - インスリン分泌促進剤、血糖値低減剤及び糖尿病の予防または治療剤 - Google Patents

インスリン分泌促進剤、血糖値低減剤及び糖尿病の予防または治療剤 Download PDF

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Shuichi Hiyamuta
修一 冷牟田
武田 茂樹
Shigeki Takeda
茂樹 武田
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Abstract

【課題】ピロリジジン化合物またはそれらの塩を含むインスリン分泌促進剤、GLP-1分泌
促進作用、血糖値改善剤、糖尿病予防剤または糖尿病治療剤を提供することを課題とする。
【解決手段】下記式(1−1)、(1−2)、もしくは(1−3)で表される化合物またはそれらの塩を含む、インスリン分泌促進剤、GLP-1分泌促進作用、血糖値改善剤、糖尿
病予防剤または糖尿病治療剤を提供する。

【選択図】図1

Description

本発明は、下記式(1−1)、(1−2)、もしくは(1−3)で表される化合物(以下、「ピロリジジン化合物」ともいう)、またはそれらの塩を含む、インスリン分泌促進剤、グルカゴン様ペプチド−1(GLP-1)分泌促進剤、血糖値改善剤、糖尿病予防剤また
は糖尿病治療剤に関する。
(式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)中、R1は下記式(2)で表される構造を
表す。)
(式(2)中、R2はヒドロキシル基(−OH)を有する炭素数1〜12の炭化水素基を
表す。)
糖尿病は、その予備軍まで含めた患者数が約2000万人といわれており、国が医療対策において特に重点をおいている5大疾病の一つである。糖尿病は、口渇や多飲等の高血糖自体による症状をおこすこともあるが、真に恐ろしいのは様々な合併症である。合併症としては、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、および糖尿病腎症が知られており、糖尿病治療の主な目的は、それら合併症を防ぐことにあるともいえる。
合併症の中で早期に出現するのは糖尿病神経障害であり、手足の先に痛みやしびれの症状が現れる。神経障害が進行すると、感覚が鈍くなるため、傷ややけどを負っても気付かず、そのまま感染症を伴う細胞壊死となり、手足を切断しなければならない事態を招きかねない。糖尿病網膜症は、緑内障と並ぶ成人の失明の主要な原因である。その初期症状はあまりないことが多いため、自覚症状を感じたときには網膜症がかなり進んでいることが多い。糖尿病性腎症は、高血糖により腎の糸球体が硬化して、老廃物を濾過する腎臓としての機能が損なわれることにより起こり、人工透析になる原因の第1位である。人工透析
を受けるためには長時間病院に拘束されることになるため、日常生活に著しい負担となる。以上のように、糖尿病合併症は多岐に亘り、患者のクオリティオブライフを著しく損なうものである。よって、合併症を併発しないように糖尿病の治療を早期に行うこともさることながら、糖尿病にならないよう予防する必要性は依然として高い。
糖尿病の治療法としてはインスリン注射が知られているが、これは侵襲性が高く患者の負担が大きい。そのため、服用の負担が少ない様々な経口の糖尿病治療薬が開発されてきた。これまでに、スルホニル尿素(SU)剤、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻
害薬、ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)アゴニスト等が使用されているが、インスリン過剰分泌による低血糖等が問題となっており、そのような問題を解決する医薬の開発が望まれていた。
一方、ピロリジジン化合物については、様々な医薬用途が知られており、特許文献1には、ピロリジジン化合物投与により樹状細胞におけるIL-2産生を誘発し、免疫応答を調節する旨が、記載されている。特許文献2には、ピロリジジン化合物がセロトニン3受容体拮抗作用またはセロトニン4受容体刺激作用を有する旨が、記載されている。
特表2007−518785号公報 特開平7−309870号公報
本発明は、ピロリジジン化合物またはそれらの塩を含むインスリン分泌促進剤、GLP-1
分泌促進剤、血糖値改善剤、糖尿病予防剤または糖尿病治療剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定のピロリジジン化合物がインスリン分泌促進作用、GLP-1分泌促進作用、及び血糖値低減作用を有することを
見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]下記式(1−1)、(1−2)、又は(1−3)で表される化合物またはそれらの塩を含む、インスリン分泌促進剤。
(式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)中、R1は下記式(2)で表される構造を
表す。)
(式(2)中、R2はヒドロキシル基(−OH)を有する炭素数1〜12の炭化水素基を
表す。)
[2]上記式(1−1)、(1−2)、又は(1−3)で表される化合物がアルカロイド由来である、[1]に記載のインスリン分泌促進剤。
[3]上記化合物が膵臓ランゲルハンス島β細胞に働きかけることによりインスリン分泌を促進するものである、[1]または[2]に記載のインスリン分泌促進剤。
[4]下記式(1−1)、(1−2)、もしくは(1−3)で表される化合物またはそれ
らの塩を含む、グルカゴン様ペプチド−1分泌促進剤。
(式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)中、R1は下記式(2)で表される構造を
表す。)
(式(2)中、R2はヒドロキシル基(−OH)を有する炭素数1〜12の炭化水素基を
表す。)
[5]下記式(1−1)、(1−2)、又は(1−3)で表される化合物またはそれらの塩を含む、血糖値低減剤。
(式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)中、R1は下記式(2)で表される構造を
表す。)
(式(2)中、R2はヒドロキシル基(−OH)を有する炭素数1〜12の炭化水素基を
表す。)
[6]下記式(1−1)、(1−2)、又は(1−3)で表される化合物またはそれらの塩を含む、糖尿病予防剤または治療剤。
(式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)中、R1は下記式(2)で表される構造を
表す。)
(式(2)中、R2はヒドロキシル基(−OH)を有する炭素数1〜12の炭化水素基を
表す。)
本発明のピロリジジン化合物は、インスリン分泌促進作用、GLP-1分泌促進作用及び血
糖値低減作用を有する。従って、本発明のピロリジジン化合物またはそれらの塩は、インスリン分泌促進剤、GLP-1分泌促進剤、血糖値低減剤、糖尿病予防剤または治療剤等の医
薬の成分として好適である。特に、本発明のピロリジジン化合物またはそれらの塩は、摂食時などの高血糖条件下のみで血糖値の上昇を抑える。当該作用は、本発明のピロリジジン化合物またはそれらの塩の単回投与または長期投与のどちらの場合によっても、得ることができる。従って、本発明の医薬は、空腹時などの比較的低血糖条件下で、過度な低血糖を引き起こす危険性が小さく、安全性が高い。
マウス膵β細胞由来培養細胞MIN6を用いた、ピロリジジン化合物MW301が有するインスリン分泌促進作用を示す図。 ラット下部消化管GLP-1産生細胞を用いた、ピロリジジン化合物MW301が有するGLP-1分泌促進作用を示す図。 SDT/Jcl2型糖尿病モデルラットを用いた、ピロリジジン化合物MW301の血糖値抑制作用を示す図(糖負荷あり)。 SDT/Jcl2型糖尿病モデルラットを用いた、ピロリジジン化合物MW301の血糖値抑制作用を示す図(糖負荷なし)。 KK-Ay/Tajcl2型糖尿病モデルマウスを用いた、ピロリジジン化合物MW301の長期(7週間)投与後における血糖値抑制作用を示す図(糖負荷あり)。
本発明のピロリジジン化合物は、式(1−1)、(1−2)、又は(1−3)で表される。
式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)中、R1は下記式(2)で表される構造を
表す。
式(2)中、R2はヒドロキシル基(−OH)を有する炭素数1〜12の炭化水素基を
表し、炭素数3〜10の炭化水素基が好ましく、炭素数5〜8の炭化水素基がさらに好ましい。炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状等を含み、二重結合を含んでいてもよい。ヒドロキシル基は1〜6個が好ましく、1〜2個がより好ましく、2個がさらに好ましい。ヒドロキシル基を有する炭素数1〜12の炭化水素基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ジヒドロキシヘキシル基、トリヒドロキシプロピル基などのアルキル基が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明は、上記ピロリジジン化合物の塩も含む。上記ピロリジジン化合物の塩には、薬学的に許容される種々の塩が含まれ、具体的には、塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、トシル酸塩、カンシル酸塩、リンゴ酸塩が挙げられる。
上記ピロリジジン化合物またはそれらの塩は、常法に従った有機化学合成により得られたものでもよいし、植物等の天然物から抽出・分離精製をして得られたアルカロイド由来のものでもよい。上記ピロリジジン化合物を抽出可能な植物としては、ムラサキ科、キク科、ラン科またはマメ科等の植物が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のピロリジジン化合物は、下記実施例において示されるように、膵臓ランゲルハンス島β細胞に働きかけることによるインスリン分泌促進作用、GLP-1分泌促進作用、血
糖値低減作用を有する。従って、本発明のピロリジジン化合物またはそれらの塩は、インスリン分泌不足、GLP-1分泌不足または高血糖と関連する種々の疾患に対する医薬として
用いることができる。当該疾患としては、たとえば、糖尿病、肥満、高血圧、高脂血症等が挙げられる。糖尿病は、例えば、国立国際医療研究センター病院発行の糖尿病標準診療マニュアルにおいて定義される糖尿病診断基準等により診断することができる。本発明のピロリジジン化合物またはそれらの塩は、低血糖条件下で過度な低血糖を引き起こす危険性が小さく安全性が高いため、糖尿病と診断された患者だけでなく、糖尿病の疑いのある患者にも、予防の意味で投与することが可能である。
本発明の医薬の剤形は特に限定されず、治療目的に応じて適宜選択できる。具体的には、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤、貼付剤等が挙げられる。
本発明の医薬は、上記ピロリジジン化合物またはそれらの塩以外の有効成分を含有していてもよい。たとえば、SU剤等のインスリン分泌促進剤、DPP-IV阻害剤、糖吸収遅延剤、またはインスリン抵抗性改善剤等を、ピロリジジン化合物またはそれらの塩と共に1つの剤に含めてもよいし、両者を別々の剤に配合したものを1つのキットとしてもよい。
また、本発明の医薬の製剤化の際、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、保存剤、矯味矯臭剤、希釈剤等の製剤化に必要な添加剤を加えてもよい。
本発明の医薬の投与方法は、経口的投与、非経口投与の何れであってもよい。また、本発明の医薬の投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等に応じて決定されるが、一般的には、有効成分量として成人一日あたり10μg/kgから1000mg/kg程度の範囲
であり、好ましくは100μg/kgから100mg/kg程度の範囲である。
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、これら実施例にのみ、限定を受けないことは言うまでもない。
<マウス膵β細胞由来培養細胞MIN6を用いたin vitroインスリン分泌促進作用>
被検化合物がin vitroでインスリンの分泌を促進するか否かを、MIN6(マウス膵β細胞由来培養細胞:大阪大学より分譲を受けた。)を用いて検証した。
被検化合物MW301(COMPOUND ID 28670)は、Pharmeks 社より購入した。ピロリジジン
化合物MW301の構造式を以下の式(3)に示す。
対照化合物としては、Repaglinide(SU剤:フナコシ 商品コードR144500)
、オレオイルエタノールアミン(OEA、PPARαアゴニスト:フナコシ 商品コードSL−
231)、およびCarbachol(インスリン分泌刺激剤:和光純薬 商品コードASB-00003150-100)を使用した。
アッセイ2日前にマウス膵β細胞由来培養細胞MIN6を96ウェルプレートに3×104細胞/200μL培地/ウェルで播種した。
アッセイ当日に、以下の手順にて、被検化合物と対照化合物をMIN6に添加した。
96ウェルプレートの培地をアスピレータで除去した後、Krebs Ringer Buffer (125mMNaCl 5mMNaCO3 5.9mMKCl 1.28mM CaCl2・2H2O 25mM HEPES(pH7.4) 1.2mM MgSO4・7H2O BSA(ROCKLAND社 800-656-7625) 1w/v%)を200μL/ウェルで加えて2回washした。2.8mMグ
ルコース(in KRB)を200μL/ウェルに添加後、低血糖状態再現のために、37℃で30分間
、CO2インキュベーターで静置した。その後、KRBを200μL/ウェルで加えて2回washした。18.7mMグルコース(in KRB)に溶解させた被検化合物及び対照化合物を200μL/ウェルで
添加して、37℃で2時間、CO2インキュベーターで静置し、高血糖状態における薬剤の効果を検証した。
静置後のMIN6細胞培養上清において、レビス インスリン−マウス(Hタイプ)(株式会社シバヤギ 商品コードAKRIN-011H)を用いてインスリン分泌量を測定することで、被検化合物のインスリン分泌活性について検証した。
MIN6のインスリン分泌量測定結果を、図1に示す。図1が示すとおり、被検化合物であるMW301は、濃度依存的にインスリン分泌促進作用を示すことが分かった。その促進作用
は、対照化合物であるRepaglinideやOEAと同等かそれ以上であった。
<ラット下部消化管GLP-1産生細胞を用いたin vitro GLP-1分泌促進作用>
被検化合物がin vitroでGLP-1の分泌を促進するか否かを、ラット下部消化管GLP-1細胞キットRCPCC008(リプロセル社)を用いて検証した。
被検化合物は、上記と同じピロリジジン化合物MW301を使用した。対照化合物としては
、リトコール酸(LCA:上記キットに包含)を用いた。リトコール酸は二次胆汁酸であり
、L細胞の受容体に結合してGLP-1分泌を促進する作用を有する。
アッセイ前日にラット下部消化管GLP-1産生細胞の培養を開始した(75 cm2 T-Flask 又
は 100mm dish)。
アッセイ当日、GLP-1産生細胞を96ウェルプレートに均一に播種した。5.6mMグルコース(in Medium B:上記キットに包含)に溶解した被検化合物及び対照化合物を、100μL/ウェルで添加し、37℃で40分間、CO2インキュベーターで静置した。同様に、44.8mMグルコース(in Medium B)を100μL/ウェルで添加し、37℃で40分間、CO2インキュベーターで
静置した。
静置後の細胞培養上清を、Rat GLP-1 ELISA Kit Wako(和光純薬 商品コード291−59201)を用いてGLP-1分泌量を測定することで、被検化合物のGLP-1分泌活性について検証した。
GLP-1分泌活性測定結果を、図2に示す。図2から、ピロリジジン化合物MW301はGLP-1
分泌促進作用を有することが分かった。
<SDT/Jcl2型糖尿病モデルラットを用いた血糖値抑制作用>
被検化合物がin vivoで血糖値を抑制するか否かを、SDT/Jcl2型糖尿病モデルラットを用いて検証した。
SDT/Jcl2型糖尿病モデルラット(オス、11週齢)は、(日本クレア)より購入した

試験群は、以下の4群であり、それぞれn=2である。
試験群1:ネガティブコントロール(蒸留水投与)群。蒸留水は、1ml/回/匹にて経口
投与。
試験群2:ピロリジジン化合物MW301投与群。5mg/ml濃度で、1ml/回/匹にて経口投与。試験群3:Repaglinide投与群。5mg/ml濃度で、1ml/回/匹にて経口投与。
試験群4:Linagliptin(フナコシ 商品コード2240-250)投与群。5mg/ml濃度で、1ml/回/匹にて経口投与。
17時間絶食後、2.0g/kgのブドウ糖(大塚糖液50%:大塚製薬)を腹腔内投与(IP)してグルコース負荷を行った。投与化合物は血糖値測定開始(糖負荷開始)の30分前
に1回経口投与した。
絶食開始時、糖負荷時、糖負荷15分後、30分後、60分後及び120分後にラットの尾静脈から採血し、血清中の血糖値を、アキュチェックアビバ(ロシュダイアグノスティックス)を用いて測定した。
血糖値測定結果を、図3に示す。図3の結果から、ピロリジジン化合物MW301とLinagliptinに同様の血糖値低減作用があることが分かった。
次に、糖負荷を行わない以外は上記と同様の方法で、SDT/Jcl2型糖尿病モデルラット
における血糖値抑制作用を検討した。化合物を投与した0分後、30分後、45分後、60分後、90分後、及び150分後における血糖値を測定した。
血糖値測定結果を、図4に示す。図4から、RepaglinideとLinagliptinについては血糖値の低減作用が認められたが、ピロリジジン化合物MW301には血糖値の低減作用が見られ
なかった。よって、ピロリジジン化合物MW301は、糖負荷のない状態では血糖値の低減作
用を示さないが、糖負荷された状態では血糖値の低減作用を示すため、過度の低血糖になることのない安全な血糖値低減剤として使用できることが分かった。
<KK-Ay/Tajcl2型糖尿病モデルマウスを用いた血糖値抑制作用>
被検化合物を長期(7週間)投与後、in vivoで血糖値を抑制するか否かを、KK-Ay/Tajcl2型糖尿病モデルマウスを用いて検証した。
KK-Ay/Tajcl2型糖尿病モデルマウス(オス、9週齢)は、日本CLEAより購入した。
試験群は、以下の3群であり、それぞれn=6である。
試験群1:ネガティブコントロール(NC:蒸留水投与)群。蒸留水は、ゾンデで0.25ml/匹/日にて経口投与。
試験群2:ピロリジジン化合物MW301投与群。2mg/ml濃度で、ゾンデで0.25ml/匹/日にて経口投与。
試験群3:リナグリプチン(フナコシ 商品コード2240-250)投与群。2mg/ml濃度で、
ゾンデで0.25ml/匹/日にて経口投与。
上記試料を7週間(土日を除く)投与した。最終投与後、17時間絶食させた。絶食後、1.0g/kgのブドウ糖(大塚糖液50%:大塚製薬)を経口投与して、グルコース負荷を行った。
絶食開始時、糖負荷開始時、糖負荷30分後、60分後及び120分後にマウスから採血し、血清中の血糖値をアキュチェックアビバ(ロシュダイアグノスティックス)を用いて測定した。
血糖値測定結果を、図5に示す。図5の結果から、ピロリジジン化合物MW301は、7週
間という長期投与によっても血糖値低減作用を奏することが示された。また、当該血糖値低減作用は、リナグリプチン(DPPIV阻害薬)よりも優れていることが分かった。
本発明のピロリジジン化合物は、インスリン分泌促進作用、GLP-1分泌促進作用および
血糖値低減作用を有し、糖尿病予防剤若しくは治療剤の成分として使用可能である。本発明のピロリジジン化合物またはそれらの塩は、摂食時などの高血糖条件下のみで血糖値の上昇を抑えるため、空腹時などの比較的低血糖条件下で、過度な低血糖を引き起こす危険性が小さく、安全性が高い。

Claims (6)

  1. 下記式(1−1)、(1−2)、もしくは(1−3)で表される化合物またはそれらの塩を含む、インスリン分泌促進剤。
    (式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)中、R1は下記式(2)で表される構造を
    表す。)
    (式(2)中、R2はヒドロキシル基(−OH)を有する炭素数1〜12の炭化水素基を
    表す。)
  2. 上記式(1−1)、(1−2)、又は(1−3)で表される化合物がアルカロイド由来である、請求項1に記載のインスリン分泌促進剤。
  3. 上記化合物が膵臓ランゲルハンス島β細胞に働きかけることによりインスリン分泌を促進するものである、請求項1または2に記載のインスリン分泌促進剤。
  4. 下記式(1−1)、(1−2)、もしくは(1−3)で表される化合物またはそれらの塩を含む、グルカゴン様ペプチド−1分泌促進剤。
    (式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)中、R1は下記式(2)で表される構造を
    表す。)
    (式(2)中、R2はヒドロキシル基(−OH)を有する炭素数1〜12の炭化水素基を
    表す。)
  5. 下記式(1−1)、(1−2)、もしくは(1−3)で表される化合物またはそれらの塩を含む、血糖値低減剤。
    (式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)中、R1は下記式(2)で表される構造を
    表す。)
    (式(2)中、R2はヒドロキシル基(−OH)を有する炭素数1〜12の炭化水素基を
    表す。)
  6. 下記式(1−1)、(1−2)、もしくは(1−3)で表される化合物またはそれらの塩を含む、糖尿病予防剤または治療剤。
    (式(1−1)、(1−2)、及び(1−3)中、R1は下記式(2)で表される構造を
    表す。)
    (式(2)中、R2はヒドロキシル基(−OH)を有する炭素数1〜12の炭化水素基を
    表す。)
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