以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのCPAP装置の全体構成図、図2は、図1に示すCPAP装置の使用状態を示す説明図である。ただし、図2では、図1に示すコントロールユニット80は図示省略されている。
このCPAP装置100は、送風ユニット10と、サイレンサ60と、ホース70と、コントロールユニット80と、ケーブル90とを備えている。このCPAP装置100は、図2に示すように、送風ユニット10とマスク200とをサイレンサ60付きのホース70で繋ぎ、マスク200を患者300の顔面に装着し、送風ユニット10を患者300の寝具の上あるいは脇に置いた状態で使用される。ホース70は、例えば長さが50cm程度のものである。
図3〜図5は、送風ユニットとサイレンサの斜視図、図6は、送風ユニットとサイレンサの側面図である。ここで、図3は、サイレンサが送風ユニットに装着された状態の斜視図、図4,図5は、互いに離れた状態の送風ユニットとサイレンサを装着の姿勢に配置して示した斜視図である。図6は、図4,図5に示した状態の側面図である。
送風ユニット10の筐体11には後述するターボファン50(図7,図9参照)が内蔵されている。そしてその筐体11には、そのターボファン50に送り込まれる空気を筐体11内に流入させる空気流入口11aと、そのターボファン50から送り出された空気を流出させる、円筒形状に突き出た空気流出口11bが形成されている。
サイレンサ60は、送風ユニット10の筐体11の空気流出口11bに着脱自在に装着され、送風ユニット10から流出してこのサイレンサ60を通過する空気の流出音を低減する役割を担っている。このサイレンサ60には、送風ユニット10の、円筒形状に突き出た空気流出口11bを受け入れる円形の穴に形成され、空気流出口11bから流出した空気を受け入れる空気受入口61が形成されている。また、このサイレンサ60には、円筒形状に突き出し、このサイレンサ60を通過した空気をホース70に送り込む空気送込口62が形成されている。この空気送込口62にはホース70が装着される。このCPAP装置100を普段分解して収納、運搬する際は、サイレンサ60は、ホース70に装着されたまま、送風ユニット10から取り外される。
サイレンサ60が送風ユニット10に装着されると、送風ユニット10の空気流出口11bとサイレンサ60の空気受入口61とが連結される。詳細は後述するが、このCPAP装置100には、送風ユニット10とサイレンサ60とに跨って延びる2本の空気の気圧伝達路が形成されている。送風ユニット10には、その筐体11の、サイレンサ60との装着面11cから覗く2つのコネクタ12が設けられていて、それら2本の気圧伝達路の送風ユニット10側の端部に設けられている。これら2つのコネクタ12は、2本の気圧伝達路の送風ユニット10側の部分とサイレンサ60側の部分とを連結するコネクタである。また、これに対応して、サイレンサ60の、送風ユニット10との装着面63には、2つの筒状のコネクタ64が設けられている。これら2つのコネクタ64は、2本の気圧伝達路のサイレンサ60側の端部に設けられている。サイレンサ60が送風ユニット10に装着されると、送風ユニット10の空気流出口11bとサイレンサ60の空気受入口61とが連結されるほか、送風ユニット10の2つのコネクタ12のそれぞれと、サイレンサ60の2つのコネクタ64のそれぞれとが連結され、サイレンサ60と送風ユニット10とに跨って延びる2本の気圧伝達路が形成される。
送風ユニット10の装着面11cは、円筒形の連結筒11dで取り巻かれている。また、サイレンサ60の装着面63も円筒形の連結筒65で取り巻かれている。ただし、サイレンサ60の連結筒65は、その内側に送風ユニット10の連結筒11dを嵌り込ませる寸法を有し、サイレンサ60の装着面63と連結筒65との間には、送風ユニット10の連結筒11dが入り込む円形の溝661が設けられている。
送風ユニット10の連結筒11dの外面両側に係合突起11eが形成されている。一方、サイレンサ60の連結筒65には、その係合突起11eが入り込む係合穴66が形成されている。この係合穴66の両側には切り込み67が形成され、これらの切り込み67により係合穴66の部分が片持ち梁形状に形成されて、適度な撓みを可能としている。
図4,図5に示す姿勢のまま、サイレンサ60を送風ユニット10に押し当てると、サイレンサの連結筒65の中に送風ユニット10の連結筒11dが入り込み、連結筒11dの係合突起11eが連結筒65の係合穴66に嵌入し、これにより、サイレンサ60が送風ユニット10に装着される。
サイレンサ60を送風ユニット10から取り外すときは、送風ユニット10を押えてサイレンサ60を強めに引くと、サイレンサ60が送風ユニット10から取り外される。
図7は、本実施形態のCPAP装置の制御ブロック図である。
ここには、送風ユニット10からサイレンサ60およびホース70を経由し、さらにマスク200を通って流れる空気流路AFと、このCPAP装置100の主な構成要素が示されている。
送風ユニット10には、その空気流路AF上に、筐体11の空気流入口11aから流入した空気中の塵埃を除去するエアフィルタ20、空気の流入音を低減する吸入側サイレンサ40、および空気を送り出すターボファン50が備えられており、このターボファン50は空気動圧軸受によりブレード等のロータ部が回転自在に支持されているため、高速回転が可能で小型化・軽量化が図られている。尚、図3〜図6を参照して説明したサイレンサ60は、吸入側サイレンサ40とは異なり、筐体11の空気流出口11bから流出する空気の流出音を低減する吐出側のサイレンサであって、送風ユニット10とは別体に、かつ送風ユニット10に対し着脱自在に設けられている。
ターボファン50から送り出された空気は、筐体11の空気流出口11bから流出し、吐出側のサイレンサ60およびホース70を経由してマスク200に送り込まれる。マスク200に送り込まれた空気は、患者の吸気動作に伴って患者の気道に送り込まれ、患者の呼気動作により、リーク穴201(図2を合わせて参照)を通って外部に吐出される。
ここで、送風ユニット10の筐体11は、上述のエアフィルタ20、吸入側サイレンサ40、およびターボファン50が配置されて空気流路AFを形成している第1室11Aと、以下に説明する中継基板30が配置された第2室11Bとに区切られている。また、この筐体11には、その第2室11B内を大気圧に保つための穴11f(図5を合わせて参照)が形成されている。第1室11Aは、ターボファン50の作動により、その第1室11A内の気圧が変動する。これに対し、第2室11Bは、第1室11Aとは気密に保たれており、かつ穴11fが形成されていることから、ターボファン50の作動に関係なく、常に大気圧に保たれている。
この第2室11Bに配置されている中継基板30には、圧力センサ31と流量センサ32が搭載されている。前述したように、送風ユニット10と吐出側のサイレンサ60には、それらに跨って延びる気圧伝達路911が設けられている。この気圧伝達路911は、その途中が、送風ユニット10側のコネクタ12と吐出側のサイレンサ60側のコネクタ64との結合により接続されている。圧力センサ31と流量センサ32には、この気圧伝達路911を経由して、吐出側のサイレンサ60の内部の気圧が伝達されて、その部分の圧力と流量が測定される。それらの測定結果は、ケーブル90を経由してコントロールユニット80に伝えられる。コントロールユニット80には、ユーザインタフェース81と、制御基板82と、バッテリ83が内蔵されている。またこのコントロールユニット80にはACアダプタ接続端子84(図1を合わせて参照)が備えられている。
ユーザインタフェース81は、図1に示すように、複数の操作ボタン81aと表示画面81bとを有する。患者は、表示画面81bを確認しながら操作ボタン81aを操作し、固定モードとオートモードとの別、医師により指定されている、ターボファン50から送り出される空気の圧力範囲、ターボファン50のオン/オフのタイミング等を設定する。ここで、固定モードは、ターボファン50から送り出される空気の圧力を指定圧力に固定するモードであり、オートモードは、圧力センサ31や流量センサ32による圧力や流量の変化から患者の呼吸の状態を検出し、患者の呼吸の状態に応じて、指定された圧力範囲内で圧力を変化させるモードである。
ユーザインタフェース81で設定された情報は制御基板82に入力される。また、圧力センサ31や流量センサ32で測定された空気圧や空気流量も制御基板82に入力される。制御基板82では、それらの情報を基にターボファン50の単位時間あたりの回転数が算出される。そしてターボファン50を算出された回転数で回転させるためのファン駆動信号が生成され、ケーブル90および送風ユニット10内の中継基板30を経由してターボファン50に伝えられる。ターボファン50は、その伝えられてきたファン駆動信号に応じた回転数で回転する。
また、コントロールユニット80に内蔵されているバッテリ83は、このCPAP装置100を1回の睡眠時間である8時間動作させることができるだけの容量を持っているバッテリである。このバッテリが搭載されていることで、一泊であれば、商用電力を得ることのできない環境下であっても使用することができる。このバッテリは、ACアダプタ接続端子84に接続されるACアダプタ(不図示)から充電される。
以下、送風ユニットおよび吐出側のサイレンサの詳細構造を説明する。
図8は、送風ユニットを上下逆さにし底ケースを開けて示した送風ユニットの分解斜視図である。
この送風ユニット10の筐体11は、底ケース111と、本体ケース112と、蓋113と、吸入口カバー114と、吐出口カバー115とで構成されている。底ケース111を開けると、その内側に、ターボファン50等が収容された第1室11A(図7を合わせて参照)があらわれる。この図8には、第1室11A内に、吸入側サイレンサ40(図7参照)を構成する天井側吸音材41に設けられている開口41aから覗いたターボファン50の空気取入口531が示されている。詳細は後述する。底ケース111は、図示のように、4本のネジ191により、本体ケース112にネジ止めされる。送風ユニット10側の円筒形の連結筒11d(図6参照)は、底ケース111と本体ケース112とに2分されており、底ケース111を本体ケース112にネジ止めすることにより円筒形に形成される。また、吐出口カバー115のサイレンサ60側の面が、そのサイレンサ60との装着面11c(図4を合わせて参照)となっている。
この筐体11を構成する蓋113も、本体ケース112にネジ止めされている。この蓋113を開くと、その内部に中継基板30が収容された第2室11B(図7参照)があらわれる。第2室11Bについては後述する。
図9は、送風ユニットの筐体の、第1室内の構造を示した分解斜視図である。この図9では、底ケース111(図8参照)は図示省略されている。この図9も、図8と同様、上下逆さにして示している。
本体ケース112の内側には、第1室11Aが形成されている。ここで、この図9には、第2室11B(図7参照)はあらわれておらず、ここに示されている全域が第1室11Aである。第2室11Bは、この本体ケース112の、第2室11Bの床を形成している。底壁112aと、立壁112bと、蓋113にとり囲まれていて、蓋113を開けることによってあらわれる部屋である。
第1室11Aは、立壁112bにより、主に吸入側サイレンサ40(図7参照)が配置される第1区画111Aと、ターボファン50が配置される第2区画112Aとに分けられる。第2室11Bは、第1室11Aの第1区画111Aと上下に重なっている。第1室11Aの第2区画112Aは第2室11Bとは重なっておらず、ターボファン50を収容する大きな容積を有している。このように、第2室11Bを、第1室11Aのうちの吸入側サイレンサ40が収容される第1区画111Aと重ねることにより、空気流入口11a(例えば図5参照)とターボファン50との間に、吸音に必要な長い空気流路を確保している。また、第2室11Bと重ねずに大きな容積を確保した第2区画112Aを形成し、そこにターボファン50を収容している。これらの配置により、この送風ユニット10のコンパクト化が図られている。第1室11Aと第2室11Bは、立壁112bに設けられた穴(不図示)を経由する配線91によって相互に接続されている。ここでは配線91は、立壁112bを通過する部分のみ、示されている。この配線91はシリコンゴム製のグロメット21で囲まれており、第1室11Aと第2室11Bとの間の、配線91の周りからの空気の洩れが防止されている。また、本体ケース112の、底ケース111と接する端面には、吐出口カバー115が配置される箇所を除きほぼ一周に渡って延びる溝112cが形成されている。また、底ケース111の、本体ケース112と接する端面にも、同様に延びる溝111a(図10参照)が形成されている。これらの溝112cと溝111aとの双方に嵌り込むようにシリコンゴム製の丸ヒモ22が配置される。また、吐出口カバー115は、本体ケース112および底ケース111に接着される。これにより、空気流入口11a(図5参照)以外の部分から空気が吸い込まれたり、空気流出口11b(図4参照)以外の部分から空気が吹き出ることが防止されている。
また、この本体ケース112には、3つのボス112d,112e,112fが形成されている。これら3つのボス112d,112e,112fそれぞれの中央には、第1室11Aと第2室11Bとを繋ぐ穴112i,112j,112k(図12参照)が形成されている。これらのボス112d,112e,112fにはシリコンチューブ231,233,234の一端にそれぞれ接続される各コネクタ123,124,125がそれぞれ接続される。これらのシリコンチューブ231,233,234と、もう1本のシリコンチューブ232は、この送風ユニット10と吐出側のサイレンサ60とに跨って延びる気圧伝達路911(図7参照)の、送風ユニット10側の部分を形成している部材である。シリコンチューブ231は、一端がコネクタ123に接続され、もう一方の端は、吐出側のサイレンサ60と連結する2つのコネクタ12のうちの一方のコネクタ121に接続される。また、シリコンチューブ232の一端は分岐タイプのコネクタ126に接続され、もう一方の端は、2つのコネクタ12のうちのもう一方のコネクタ122に接続される。残り2本のシリコンチューブ233,234は、一端が各コネクタ124,125に接続され、もう一方の端はいずれも分岐タイプのコネクタ126に接続される。すなわち、サイレンサ60には2つのコネクタ12を介して2本の気圧伝達路が延びていて、それらのうちの1本を形成しているシリコンチューブ231はコネクタ123を介して第2室11Bに繋がっている。またもう1本の気圧伝達路は、シリコンチューブ232を経由し、コネクタ126で二又に分岐され、さらに2本のシリコンチューブ233,234を経由し、各コネクタ124,125を介して第2室11Bに繋がっている。
また、本体ケース112には、コネクタ123,124,125が接続される3本のボス112d,112e,112fの近くにさらに複数のボス112gが設けられている。これらのボス112gは、シリコンチューブ233,234の通過経路規制用である。
第2区画112Aには、ターボファン50を取り巻くスポンジ製の覆い24が配置され、その覆い24に形成された穴241内にターボファン50が収容される。この覆い24は、ターボファン50の回転に伴う振動が筐体11に伝わるのを防止する役割を担っている。また、この覆い24は、吸音の役割も担っている。ターボファン50は、覆い24に囲まれるようにして配置され、その空気吐出口542が、筐体11を構成する吐出口カバー115に形成された空気流出口11bに接続される。ターボファン50には、回路基板514が備えられており、第2室11Bから第1室11A内に延びる配線91の第1室11A側の先端に備えられた不図示のコネクタが、回路基板514に搭載されているコネクタ515に接続される。
また、第1区画111Aには、吸入側サイレンサ40(図7参照)が配置される。この図9には、その吸入側サイレンサ40を構成する吸音材のうちの第1の吸音材41が示されている。この第1の吸音材41は、その下面(図9では上向きの面)に、幅a×高さbの平板上の空気流路411が形成されている。この第1の吸音材41は、第2区画112Aに収容されたターボファン50と重なる位置まで広がっている。そしてこの第1の吸音材41には、ターボファン50と重なる位置に2つの開口41a,41bが形成されている。開口41aは空気流路411をターボファン50の空気取入口531に繋げるための開口である。また開口41bは、ターボファン50の突起591との干渉を避けるための開口である。この第1の吸音材41に設けられている、幅a×高さbの板形状の空気流路411については、後で詳細に考察する。
図10は、送風ユニットの筐体を構成する底ケースと、その底ケースに内蔵あるいは取り付けられる部材を示した分解斜視図である。
底ケース111は、本体ケース112とともに第1室11Aを形成している部品である。この底ケース111内には、吸入側サイレンサ40(図7参照)を構成する第2の吸音材42が配置されている。この第2の吸音材42の、第1の吸音材41(図9参照)側を向いた面42aは平面に形成されている。したがって、第1の吸音材41と第2の吸音材42とを組み合わせた吸入側サイレンサ40の空気流路411は、第1の吸音材41に形成された幅a×高さbの断面を有している。
また、この底ケース111には空気取入口111bが形成されている。この空気取入口111bには、空気流入口11aが形成された吸入口カバー114が、エアフィルタ20(図7を合わせて参照)を挟むようにして取り付けられる。
底ケース111の内部には補強用の複数本のリブ111cが形成されている。これに対応して、第2の吸音材42の、底ケース111の内壁面を向いた側の面(図10の下向きの面)には、リブ111cを避けるための溝(不図示)が形成されている。また、これらのリブ111cの長手方向の両端部には、第1室11A内に向かって突出した突起111dが設けられている。これに対応して、第2の吸音材42には、その溝の両端部に、リブ111cの両端部に設けられている突起111dを突き出させるためのスリット42bが形成されている。また、この底ケース111には、空気の流れの下流側の位置にも突起111eが設けられている。さらに、吸入口カバー114の、底ケース111の空気取入口111bに繋がる開口114aの上縁にも突起114bが設けられている。
図11は、第2の吸音材42や吸入口カバー114などを組み立てた状態の底ケースの内面を示した平面図である。
ここには、第2の吸音材42に設けられたスリット42bから突き出た、底ケース111の突起111dおよびその他の突起111e,114b(図10を合わせて参照)を利用して、ピアノ線等の細いワイヤ25が張架されている。このワイヤ25は、第2の吸音材42の、第1の吸音材41(図9参照)を向いた、空気流路411(図9参照)を形成している面42aに沿うように張り巡らされている。このワイヤ25は、第2の吸音材42の変形を防止するためのものである。吸入側サイレンサ40を構成する第1の吸音材41と第2の吸音材42の間に形成される空気流路411を空気が流れると空気流路411内の気圧が低下して、第1の吸音材41および第2の吸音材42に、その空気流路411を狭める向きの力が働く。そこで、本実施形態では、ワイヤ25を張架して第2の吸音材42の変形を防いでいる。第1の吸音材41については、本実施形態では、吸音性能は若干低下するものの硬めの変形し難い材質の吸音材を使用している。本実施形態では、これにより空気流路411が潰れるのを防止し、所期の空気流路411を維持している。
図12は、送風ユニットの筐体の、第2室内の構造を示した分解斜視図である。ここでは、第1室11A(図9参照)内の構成要素および筐体11の底ケース111(図8参照)は図示省略されている。
前述の通り、筐体11の蓋113を開けると、その蓋113と本体ケース112とに囲まれた第2室11Bがあらわれる。蓋113は、4本のネジ192で本体ケース112にネジ止めされる。蓋113には、半円形の切り欠き113aが形成されている。本体ケース112の対応する部分にも半円形の切り欠き112hが形成されている。このため蓋113を本体ケース112に取り付けると、その部分に円形の、ケーブル90が通過する穴が形成される。ケーブル90は、ゴムリング92に取り巻かれてその穴を通過し第2室11Bに入り込んでいる。
また、この第2室11Bには、圧力センサ31が収納されている。この圧力センサ31は筒311を有する。この圧力センサ31は、この圧力センサ31を大気圧雰囲気に置くことで筒311内の空気圧を測定するセンサである。この筒311は、本体ケース112に設けられた穴112kに差し込まれる。この穴112kは、第1室11A内に突出したボス112f(図9参照)の中央に形成された穴である。そのボス112fにはコネクタ125が嵌めこまれる。この圧力センサ31は回路基板30aに搭載されている。
また、この第2室11Bには、流量センサ32も収納されている。この流量センサ32は、2本の筒321,322を有し、それら2本の筒321,322内の空気圧の差分を測定して、空気の流量に換算するセンサである。それら2本の筒321,322が本体ケース112に設けられた2つの穴112i,112jにそれぞれ差し込まれる。これらの穴112i,112jは、2本のボス112d,112e(図9参照)の中央にそれぞれ形成された穴である。これらのボス112d,112eには、各コネクタ123,124が嵌め込まれる。この流量センサ32は回路基板30bに搭載されている。
圧力センサ31が搭載された回路基板30aは流量センサ32が搭載された回路基板30bに固定され、それら2枚の回路基板30a,30bにより、図7に示す中継基板30を構成している。圧力センサ31の筒311および流量センサ32の2本の筒321,322には、図9に示すシリコンチューブ231〜234を経由して、吐出側のサイレンサ60の内部の空気圧が伝達される。詳細は後述する。
この送風ユニット10と図1に示すコントロールユニット80とを繋ぐケーブル90は、複数本の配線90aを備えており、第2室11Bに入り、中継基板30に接続される。また、ターボファン50の回路基板514との間に延びる配線91も、中継基板30に搭載されたコネクタ33を介してその中継基板30に接続される。これにより、圧力センサ31や流量センサ32で測定された圧力や流量がコントロールユニット80に伝えられる。また、コントロールユニット80側からの、ターボファン50の回転制御用の信号は、中継基板30を経由してターボファン50の回路基板514に伝えられ、ターボファン50はその信号に応じて回転する。
また、蓋113には、ケーブル通過用の切り欠き113aのほか、2つの小さな半円形の溝113bが形成されている。また、本体ケース112にも、蓋113の2つの溝113bにそれぞれ対応する位置に、半円形の溝112mが形成されている。蓋113を本体ケース112に取り付けると、それらの溝113b,112mにより、第2室11Bを大気圧に保つための2つの空気穴11f(図5参照)が形成される。第1室11A内は、ターボファン50の作動により空気圧が変動する。第2室11Bは、第1室11Aとの間は気密に構成されており、空気穴11fにより安定的に大気圧に保たれている。
圧力センサ31は、その圧力センサ31を大気圧雰囲気に置くことで、筒311内の空気圧を測定するセンサである。本実施形態では、大気圧に保たれた第2室11Bが設けられており、この第2室11B内に圧力センサ31を配置したことにより、目的とする箇所(後述する)の空気圧が高精度に測定される。仮に、本実施形態のように、筐体11内に大気圧に保たれる第2室11Bを設けることなく圧力を高精度に測定しようとすると、圧力センサ31を小さな気密の箱に入れ、その箱の中に外部の大気圧をチューブ等で導く構造が必要となる。本実施形態の場合、筐体11に第2室11Bを設けたため、圧力センサを箱に入れることなどの複雑な構造は不要であり、小型化、軽量化、コストの低減化に寄与している。また、本実施形態の場合、この第2室11Bに中継基板30、圧力センサ31、流量センサ32等の電装部品を集めているため、蓋113を開けるだけで電装系の故障検査を行なうことができ、メンテナンス性も向上している。
本実施形態のCPAP装置100で採用されているターボファン50は、空気動圧軸受を備えたファン50である。すなわち、このターボファン50を構成する回転子は固定子とは非接触で高速回転し、必要な風量を作り出している。本実施形態のCPAP装置100は、上記のレイアウトと、空気動圧軸受を備えたターボファン50を採用したこととが相まって、送風ユニット10を大幅に小型化・軽量化することに成功している。
図13は、空気流出口側から見た送風ユニットの側面図(A)と、図13(A)に示す矢印B−Bに沿う断面図(B)である。
また、図14は、ホースに空気を送り込む空気送込口側から見た吐出側のサイレンサの側面図(A)と、図14(A)に示す矢印C−Cに沿う断面図(B)である。
さらに、図15は、サイレンサが装着された状態の送風ユニットとそのサイレンサとを、サイレンサの空気送込口側から見た側面図(A)と、図15(A)に示す矢印D−Dに沿う断面図(B)と、図15(B)に示す矢印E−Eに沿う断面図(C)である。
前述の通り、送風ユニット10の筐体11内には、第1室11Aと第2室11Bが設けられている。第1室11Aは、第2室11Bに対し空気の流れの向きと交わる、上下に重なった第1区画111Aと、第2室11Bとは重ならない第2区画112Aとを有する。第1区画111Aには、主に、第1および第2の吸音材41,42からなる吸入側サイレンサ40が配置されていて、第2区画112Aには、主にターボファン50が配置されている(図9参照)。また、第2室11Bには、中継基板30、圧力センサ31、流量センサ32などの電装部品が配置されている(図12参照)。
また、吐出側のサイレンサ60は、ホース70(図1,図2参照)に接続されるとともに、送風ユニット10に着脱自在に装着される。この吐出側のサイレンサ60には、吸音材68と、整流板69が内蔵されている。吸音材68には、空気の流れの下流側ほど広がった空気流路681が設けられている。この吸音材68は、送風ユニット10の空気流出口11bから流出する空気を受け入れて、その空気の流出音を低減する役割を担っている。また整流板69には、図14,図15(A)に示すように複数の孔691が設けられている。この整流板69は、空気を通過させて、通過前よりも通過後の空気の流れを整流に近づける役割を担っている。以下、この整流板69の役割について詳述する。
ターボファン50により送風ユニット10から送り出された空気は、速度や向きがバラバラで安定しておらず、空気流路内で渦や圧力変動が発生する。渦や圧力変動は騒音や振動の原因となり、さらに患者の呼吸のし易さに影響を与えるために、小さく抑えることが望ましい。整流板69を設置すると、その整流板69の隙間を空気が通り抜ける際に流れが整えられ、流速バラツキや圧力変動が低減される。また渦の発生もその整流板69でブロックされ、これにより渦の発生領域が整流板69の上流側に制限される。整流板69を設置すると、圧力変動等やそれに伴う騒音等が小さく抑えられるため、吸音材68の量を減らしても必要な騒音低減率を得ることができ、吸音材68の量を減らしてサイレンサ60を小型化・軽量化することができる。
ただし、整流板69は圧力損失を生じさせることで流速変動や圧力変動を抑えるものであり、必然的に圧力損失を伴う。そこで、本実施形態ではそれを逆手にとり、整流板69の前後の差圧を測定することで整流板69を通過して流れる空気の流量を測定している。空気の圧力測定のための整流板69の周りの構造は以下の通りである。
図14,図15に示すように、整流板69の周りには、空気の圧力測定のための、この整流板69を通過する直後の空気流路に繋がる第1気圧測定室692と、この整流板69を通過する直前の空気流路に繋がる第2気圧測定室693が設けられている。このサイレンサ60には、送風ユニット10の2つのコネクタ12(図4参照)と連結される2つのコネクタ64(図5参照)が設けられている。2つのコネクタ12と2つのコネクタ64を互いに結合すると、送風ユニット10とサイレンサ60とに跨って延びる2本の気圧伝達路911(図7参照)が形成される。サイレンサ60に設けられている2つのコネクタ64のうちの一方のコネクタ641(図14参照)は、サイレンサ60の筐体の壁内に延びる第2の通気路697(図19参照)により、第2の気圧測定室693に繋がっている。そして、このコネクタ641は、送風ユニット10の2つのコネクタ12のうちの一方のコネクタ121(図9,図13参照)と統合する。すなわち、第2の気圧測定室693の空気圧は、図9に示すチューブ231、コネクタ123を経由して流量センサ32(図12参照)に伝達される。また、サイレンサ60に設けられている2つのコネクタ64のうちのもう一方のコネクタ642(図14参照)は、サイレンサ60の筐体の壁内に延びる第1の通気路696(図18参照)により、第1の気圧測定室692に繋がっている。そしてこのコネクタ642は、送風ユニット10の2つのコネクタ12のうちのもう一方のコネクタ122(図9参照)と結合する。すなわち、第1の気圧測定室692の空気圧は、図9,図13に示すチューブ232に繋がり、さらに図9に示すように、分岐タイプのコネクタ126により2本のチューブ233,234に繋がり、各コネクタ124,125を経由して、一方は流量センサ32に伝達され、もう一方では圧力センサ31(図12参照)に伝達される。これにより、圧力センサ31では、サイレンサ60の第1の気圧測定室692の空気圧、すなわち、整流板69を通過した後の空気の空気圧が測定される。また、流量センサ32では、サイレンサ60の第2の気圧測定室693と第1の気圧測定室692の差圧、すなわち整流板69を通過する直前と直後の空気の圧力差に基づいて、そのサイレンサ60からホース70(図1,図2参照)に送り込まれる空気の流量が測定される。
図16,図17は、サイレンサの整流板の部分の断面図である。
ここで、図16と図17とでは断面の箇所が若干異なっている。
第1の気圧測定室692および第2の気圧測定室693は、整流板69を取り巻くように円環状に一周する部屋に区切られている。そして、第1の気圧測定室692は、円周方向複数箇所に設けられた第1の連絡路694により、空気流路の、整流板69を通過した直後の部分と繋がっている。また、これと同様に、第2の気圧測定室693は、円周方向複数箇所に設けられた第2の連絡路695により、空気流路の、整流板69を通過する直前の部分と繋がっている。これら第1の連絡路694や第2の連絡路695は、いずれも、円周方向複数箇所に設けられた第1の気圧測定室692や第2の気圧測定室693の容積と比べ、極く小さな孔である。このため、第1の気圧測定室692および第2の気圧測定室693の内部には、空気流路の、それぞれ整流板69の通過後および通過前の部分の空気圧が伝達され、かつ、空気流路を流れる空気の気圧変動の伝達が抑えられている。すなわち、これら第1の気圧測定室692と第1の連絡路694、および第2の気圧測定室693と第2の連絡路695により、それぞれ整流板69を通過した後および通過前の空気の圧力を安定的に測定できる環境が形成されている。
図18,図19は、サイレンサの整流板の部分の、半径方向端の部分の断面図
である。図18と図19では、断面の位置が若干異なっている。
図18,図19には、吸音材68の中を通って、それぞれ第1の気圧測定室692および第2の気圧測定室693にまで延びる、いずれも管形状の第1の通気路696および第2の通気路697が示されている。
このサイレンサ60が送風ユニット10に取り付けられると、図18に示す第1の通気路696は、第1の気圧測定室692内の空気圧を、図9に示すチューブ232,233,234を通って流量センサ32および圧力センサ31(図12参照)に伝達する。また、これと同様に、このサイレンサ60が送風ユニット10に取り付けられると、図19に示す第2の通気路697は、図9に示すチューブ231を通って、第2の気圧測定室693内の空気圧を流量センサ32(図12参照)に伝達する。すなわち、図18,図19に示す第1の通気路696および第2の通気路697は、サイレンサ60と送風ユニット10とに跨って延びる2本の気圧伝達路911(図7参照)の、サイレンサ60内の部分を担っている。
送風ユニット10の空気流入口11aから流入した空気は、2つの吸音材41,42に挟まれた空気流路411を通って、ターボファン50の空気取入口531からターボファン50に流入する。ターボファン50に流入した空気は、ターボファン50の回転により、そのターボファン50の空気吐出口542から吐出され、送風ユニット10の空気流出口11bから流出して吐出側のサイレンサ60に流入し、さらにホース70を経由してマスク200(図2参照)に送り込まれる。
なお、流量センサ32として、第1の気圧測定室692と第2の気圧測定室693との圧力差から流量に換算するものについて説明したが、それ以外の方法で測定するものでもよく、例えばヒータを用いた熱式の流量センサを用いることもできる。
次に送風ユニット10に内蔵されている吸入側サイレンサ40(図7,図13(B),図15(B),(C)参照)について考察する。
この吸入側サイレンサ40は、板状の空気流路411を挟んで上下に配置された2つの吸音材41,42で構成されている。前述した通り、2つの吸音材41,42に挟まれた空気流路411は幅a(図9,図15(C)参照)×高さb(図9,図13(B),図15(B)参照)の平板形状を有する。
ここで、吸音材で囲まれた空気流路を形成した構造のサイレンサについて、以下の観点から望ましい形状を検討する。
図20は、本発明者らによるサイレンサの流路長さ、断面形状、吸音材厚みを各種変化させたときの吸音性能を示した図である。
この実験結果により、吸音性能は、吸音材材質と厚みとで決まる吸音係数Cm、流路断面積Sa、流路表面積Ssにより(1)式で表されることが求められた。
以下、この関係を用いて、望ましい流路の断面形状を考察する。
断面形状を横a×縦bの矩形、流路長をlとすると、
となる。a、bを、断面形状を表すパラメータ(断面形状係数)tを用いて、
と表す。t=1で正方形、t>1でtが大きいほど横長、t<1でtが小さいほど縦長、面積はtによらずSaで一定となる。
(1)式〜(5)式を用いて吸音性能ΔNをtで表すと、
となる。
なお、吸音材厚みについてはここで用いた吸音材の場合、5mm以上が望ましく、10mmであればそれ以上厚くする必要が無い十分な厚みである。
(流路抵抗について)
次に、流路抵抗の観点から、望ましい断面形状について考察する。
層流時の円管の流路抵抗による圧力損失ΔPは、管摩擦係数λ、管長さl、直径d、密度ρ、流速uとして
また、矩形断面流路の円管等価直径deは、
(7),(8),(4),(5)式から
となる。
(容積について)
(6),(9)式から、流路長lは長いほど吸音性能も抵抗も大、断面積Saは小さいほど吸音性能も抵抗も大となる。
ここでは、断面形状を最適化することを考える。このため、(6),(9)式の断面形状係数t以外は固定して考える。流路抵抗が小さく吸音性能の高い断面形状が求まれば、その形状を用いて、許容される流路抵抗と許容される騒音の範囲内で、容積を極力小さくするような流路長lと断面積Sa選ぶことができる。
(断面形状パラメータtの検討)
断面形状が正方形のとき、すなわちt=1のときの吸音性能ΔNと流路損失ΔPを、それぞれΔN1、ΔP1とすると、
となる。
図21は、断面形状係数tに対する吸音性能比および流量損失比を表わした図である。この図21において、横軸は対数目盛でプロットした断面形状係数tである。グラフはt=1の左右で対称となるため、この図17では、t≧1の領域のみを示している。
ここで、適切な断面形状の範囲を以下のように考える。
吸音性能の正方形との比ΔN/ΔN1が、
A.5倍以上であれば7dB以上の騒音低減に対応するため、形状の効果を非常によく発揮していると認められる。このときおおよそt≧10である。
B.3倍以上であれば5dB以上の騒音低減に対応するため、形状の効果をよく発揮していると認められる。このときおおよそt≧6である。
C.2倍以上であれば3dB以上の騒音低減に対応し、形状の効果が認められる。このときおおよそt≧4である。
流路損失の正方形との比ΔP/ΔP1は、
A 1.7以下であれば通常問題なく使用することができる。このときおおよそt≦16である。
B 2以下であれば流路設計条件によっては使用することができる。このときおおよそt≦30である。
C 3以下であれば流路設計条件をよく配慮することで使用することができる。このときおおよそt≦160である。
ここでいう流路設計条件とは、
(使用最大流量時のターボファン発生可能圧力−使用最大流量時に流路で発生する圧力損失)>使用上必要な圧力
を満足するための、ファンの特性および吸入口からホースを経由してマスクに至るまでの流路の形状である。
上記を総合すると、扁平な板形状の空気流路であって、
望ましくは、4≦t≦160(図27に示す範囲A)、
さらに望ましくは、6≦t≦30(図27に示す範囲B)、
さらに望ましくは、10≦t≦16(図27に示す範囲C)、
である。
以上で、本発明の基本的な一実施形態の説明を終了し、以下、各種の変形例について説明する。以下においても、上述の実施形態における要素と共通の要素には、形状の相違等があっても同一の符号を付して説明を省略する。
図22は、第2の吸音材の変形を抑えるワイヤの張り方の変形例を示した図である。この図22は、上述の実施形態における図11に対応する図である。
ここでは、第2の吸音材42の変形を抑えるワイヤ25の張り方を変えた2例が示されている。ワイヤ25は、第2の吸音材42の変形を抑えればよく、図11のように張り巡らせてもよく、あるいは図22(A)、あるいは図22(B)のように張り巡らせてもよい。
図23は、第1の吸音材の変形例を示した図である。
上述の実施形態では、第1の吸音材41として、図9に示す形状の単一の材質の吸音材が採用されている。空気流路411を空気が流れることにより、第1の吸音材41にはその空気流路411を塞ぐ向きの力が作用する。上述の実施形態では、その力に対抗して変形を免れるだけ硬さのある材質の吸音材が採用されている。これに対し、図23(A)における第1の吸音材41は、軟らかい材質の吸音材料からなる基体41cと、その基体41cの上に重ねられた、空気流路411を塞ぐ向きの力に耐える相対的に硬い材質の吸音材料からなる、面形成層41dとで構成されている。この面形成層41dは、空気流路411を形成する、距離bだけ離れた上面と下面とのうちの下面を形成している。このように、空気流路411を形成する面形成層41dのみを変形し難い材質の吸音材料で構成し、基体41cを軟らかい材質の吸音材料で構成することで、この第1の吸音材41と図10に示す第2の吸音材42とで構成される吸入側のサイレンサ40の吸音性能を向上させることができる。
図23(B)に示す第1の吸音材41には、図23(A)の2層構造に加え、さらにこの面形成層41dに対面する上面(図10に示す第2の吸音材42の面42a)に向かって突き出たリブ411dが設けられている。このリブ411dが設けらていることにより、第1の吸音材41が変形し始めてもこのリブ411dが第2の吸音材42(図10参照)に突き当たって変形が抑えられ、図23(A)と比べ空気流路411がさらに確実に確保される。
尚、この図23(B)では、リブ411dが設けられている例を示したが、リブに代わりボスあるいはポスト形状の突起であってもよく、突起の形状が制限されるものではない。
また、この図23(B)は、基体41cと面形成層41dとの2重構造の第1吸音材41にリブ411d等の突起を設けた例であるが、リブ111d等の突起を設けるにあたり、必ずしも2重構造である必要はなく、1種類の材質の吸音材料を用いて、突起を設けた第1の吸音材を形成してもよい。
さらに、ここでは、2重構造や突起構造を第1の吸音材41に適用した例を示したが、これらの構造を第2の吸音材42(図10参照)に適用してもよい。その場合、図11に示すワイヤ25による変形の抑えと併用してもよく、ワイヤ25をなくした構造としてもよい。
図24は、吸入側のサイレンサの変形例を示した図である。
ここで、図24(A)は平面図、図24(B)は、図24(A)に示す矢印F−Fに沿う断面図である。
上述の実施形態における吸入側サイレンサ40は、平板形状の空気流路411が形成されたサイレンサである。これに対し、この図24に示す吸入側サイレンサ40の空気流路411は、平板を緩やかに曲げた形状となっている。吸入側サイレンサ40は、平板形状の空気流路であることが望ましいが、部品のレイアウト等によっては、この図20に示すように緩やかにカーブした板形状の空気流路411を有するものであってもよい。
図25は、吐出側のサイレンサの変形例を示した斜視図である。
ここには、上述の実施形態とは異なるCPAP装置400が示されている。このCPAP装置400は、本発明の特徴が含まれているか否かとは無関係であって、例えば従来型のCPAP装置であってもよい。このCPAP装置400にもホース70への接続を予定した円筒形に突き出た形状の空気吐出口401が存在する。ホース70には規格が定められており、この空気吐出口401はその規格に準拠した寸法のホース70に嵌め込まれる形状となっている。
ここに示す吐出側のサイレンサ600は、上述の実施形態におけるサイレンサ60に、空気吐出口401とサイレンサ60との双方に連結されるアダプタ601を取り付けたものである。上述の実施形態におけるサイレンサ60にこのようなアダプタ601を取り付けることにより、ホース70を直接に繋ぐことを予定しているCPAP装置400とホース70との間にサイレンサ600を介在させて、空気の流出音を低減することができる。
尚、ここでは、上述の実施形態のサイレンサ60にアダプタ601を取り付けることで新たなサイレンサ600としているが、内部に吸音構造を備えて、ホース70と、CPAP装置400のホース70の接続が予定された空気吐出口401との双方に接続され、通常の収納の際は、CPAP装置400とは分離しホース70に取り付けたままとするタイプのサイレンサとして構成してもよい。
また、上述の実施形態における吐出側のサイレンサ60は、吸音材68(図14,図15参照)を内蔵することで吸音効果を得るサイレンサであるが、洗浄可能なチャンバ構造のサイレンサとしてもよい。その場合、そのサイレンサを、ホース70に繋げたまま、ホース70とともに洗浄することも可能となる。
このように、前述の実施形態に代えて、各種の変形例を採用してもよい。