JP2016033875A - 超電導線材 - Google Patents
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Abstract
【課題】超電導特性の劣化を抑制することが可能な超電導線材を提供する。
【解決手段】超電導線材10は、積層体20と被覆層(保護層7または安定化層9)とを備える。積層体20は、主面を有する基板1と、当該主面上に形成された超電導材料層5とを含む。被覆層(保護層7または安定化層9)は、少なくとも超電導材料層5上に配置される。被覆層(保護層7または安定化層9)において、超電導材料層5上に位置する安定化層9の表面部分は凸形状になっている。
【選択図】図1
【解決手段】超電導線材10は、積層体20と被覆層(保護層7または安定化層9)とを備える。積層体20は、主面を有する基板1と、当該主面上に形成された超電導材料層5とを含む。被覆層(保護層7または安定化層9)は、少なくとも超電導材料層5上に配置される。被覆層(保護層7または安定化層9)において、超電導材料層5上に位置する安定化層9の表面部分は凸形状になっている。
【選択図】図1
Description
この発明は、超電導線材に関し、より特定的には、基板上に超電導材料層が形成された超電導線材に関する。
近年、金属基板上に超電導材料層が形成された超電導線材の開発が進められている。中でも、転移温度が液体窒素温度以上の高温超電導体である酸化物超電導体からなる超電導材料層が設けられた酸化物超電導線材が注目されている。
このような酸化物超電導線材は、一般的に、配向性の金属基板上に中間層を形成し、当該中間層上に酸化物超電導材料層を形成し、さらに、銀(Ag)や銅(Cu)の安定化層を形成することにより製造されている(たとえば特開2013−12406号公報(特許文献1)参照)。
上述した構成の超電導線材は、たとえばコイル状に巻回されて超電導コイルを構成する。このとき、巻回された超電導線材の表面(特に超電導材料層が形成された側の安定化層表面)が、当該表面上に積層された超電導線材や他の部材と接触して、当該表面が欠損するといった不良が発生する場合があった。この場合、当該不良に起因して超電導線材の超電導材料層も損傷し、結果的に超電導線材の特性が劣化することがあった。
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、超電導特性の劣化を抑制することが可能な超電導線材を提供することである。
本発明の一態様に係る超電導線材は、積層体と被覆層とを備える。積層体は、主面を有する基板と、当該主面上に形成された超電導材料層とを含む。被覆層は、少なくとも超電導材料層上に配置される。被覆層において、超電導材料層上に位置する表面部分は凸形状になっている。
上記によれば、超電導線材の被覆層の表面部分が欠けるといった不良の発生確率を低減できるので、結果的に当該不良に起因する超電導特性の劣化を抑制できる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1) 本発明の一態様に係る超電導線材10(図1参照)は、積層体20と被覆層(保護層7または安定化層9)とを備える。積層体20は、主面を有する基板1と、当該主面上に形成された超電導材料層5とを含む。被覆層(保護層7または安定化層9)は、少なくとも超電導材料層5上に配置される。被覆層(保護層7または安定化層9)において、超電導材料層5上に位置する表面部分(保護層7の上部表面または安定化層9の表面部分)は凸形状になっている。なお、上記超電導材料層5は、基板1の主面上に直接的または中間層3などを介して間接的に形成され得る。
このようにすれば、超電導線材10の被覆層(安定化層9または保護層7)における表面部分が凸形状になっているので、超電導線材10のハンドリング時などにおいて当該表面部分が他の部材と接触した場合など、表面部分の端部が欠損するといった問題の発生を抑制できる。このため、被覆層の上記欠損などに起因して超電導材料層5が破損する可能性を低減できるので、超電導線材10における超電導特性の劣化を抑制できる。
(2) 上記超電導線材10では、基板1の幅方向での断面において、表面部分の凸形状になっている領域の頂部21と端部22との間の、基板1の厚み方向における距離L1が、1μm以上100μm以下であってもよい。
この場合、凸形状になっている表面部分の端部22などが欠損する可能性を低減できるので、上述した超電導材料層5の破損の可能性を確実に低減できる。なお、ここで頂部21とは、凸形状になっている表面部分において超電導材料層5から最も離れた領域(たとえば、凸状に突出した表面部分の中央領域)を意味する。また、端部22とは、表面部分において幅方向の端部をいう。なお、上記距離L1が1μm未満では表面部分の凸形状が十分な大きさとならず、上述した効果を十分発揮できない。また、上記距離L1が100μm超えの場合、表面部分の頂部21が突出しすぎて超電導線材10の断面積が大きくなる。そのため、たとえば超電導線材10を巻回してコイルを形成する場合、上記表面部分が平坦な場合(図1の超電導線材10において、幅方向中央での厚さが当該超電導線材10の側面の高さとほぼ同じ場合)と比べて、同じターン数であってもコイルの直径が大きくなってしまう。
なお、上記距離L1の下限は好ましくは5μm、より好ましくは10μm、さらに好ましくは15μmとすることができる。また、上記距離L1の上限は、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、さらに好ましくは50μmとすることができる。
(3) 上記超電導線材10では、基板1の幅方向での断面において、表面部分は、表面部分の端部に位置し傾きが0.01以上となっている傾斜部29(図8参照)を含んでいてもよい。基板1の幅方向での断面において、被覆層(安定化層9)の最大幅W2に対する傾斜部29の幅W1の比率は0.1%以上30%以下であってもよい。なお、ここで傾きとは、以下のように規定することができる。図8に示すように表面部分において曲率が変化する変曲点である位置28と、表面部分の端部22(超電導線材10における側壁と傾斜部29との境界部であって曲率が変化する変曲点)とを規定する。このとき、表面部分において位置28より内側の領域の延在方向における位置28と端部22との間の距離である幅W1と、超電導線材10の側壁の延在方向における位置28と端部22との間の距離W3とを考える。この場合、位置28と端部22との間の領域である傾斜部29(図8参照)の傾きはW3/W1と規定することができる。
このようにすれば、凸形状になっている表面部分の端に傾斜部29が形成されているので、端部22は明確な角部にはならず当該端部22が欠損する可能性を低減できる。したがって、上述した超電導材料層5の破損の可能性を確実に低減できる。なお、上記比率が0.1%未満では表面部分の凸形状が不十分となり、上述した効果を十分発揮できない。また、上記比率が30%超えの場合、表面部分の凸形状となった部分(たとえば図1の頂部21)が突出しすぎた状態となる。そのため、たとえば超電導線材10を巻回してコイルを形成する場合、巻回された外周側の超電導線材10の部分により内周側の超電導線材の上記頂部21に加えられる応力が大きくなり、結果的に超電導材料層5に加えられる応力が過大になる可能性がある。
なお、上記比率の下限は好ましくは0.5%、より好ましくは1%、さらに好ましくは2%とすることができる。また、上記比率の上限は、好ましくは20%、より好ましくは15%、さらに好ましくは10%とすることができる。
(4) 本発明の一態様に係る超電導線材10(図18参照)は、積層体20と被覆層(保護層7または安定化層9)とを備える。積層体20は、主面を有する基板1と、当該主面上に形成された超電導材料層5とを含む。被覆層は、少なくとも超電導材料層5上に配置される。超電導線材10において、超電導材料層5上に位置する表面部分と反対側に位置する裏面部分(基板1から見て超電導材料層5が位置する側と反対側に位置する裏面側に形成された安定化層9の裏面部分)の形状は凸形状になっている。当該裏面部分の形状は曲面状の凸形状であってもよい。
このようにすれば、たとえば超電導線材10を巻回してコイルを形成する場合に、外周側の超電導線材10の裏面部分が内周側の超電導線材10の表面部分に接触しても、当該裏面部分が凸形状となっているので、断面が矩形上の超電導線材のように端部に角部は存在せず、当該角部が内周側の超電導線材10の表面部分に接触して表面部分が破損するといった問題の発生を防止できる。
(5) 上記超電導線材10では、基板1の幅方向での断面において、図18に示すように、裏面部分の凸形状になっている領域の頂部21と端部122との間の、基板1の厚み方向における距離L2が、1μm以上100μm以下であってもよい。
この場合、上述のように超電導線材10の表面部分の破損の可能性を確実に低減できる。なお、ここで裏面部分の頂部21(図18参照)とは、凸形状になっている裏面部分において超電導材料層5(または基板1)から最も離れた領域(たとえば、凸状に突出した裏面部分の中央領域)、または裏面部分の中央部を意味する。また、端部122とは、裏面部分において幅方向の端部(超電導線材10の側面と裏面部分との境界部)をいう。
なお、上記距離L2が1μm未満では裏面部分の凸形状が十分な大きさとならず、上述した効果を十分発揮できない。また、上記距離L2が100μm超えの場合、裏面部分の頂部21が突出しすぎて超電導線材10の断面積が大きくなる。そのため、たとえば超電導線材10を巻回してコイルを形成する場合、上記裏面部分が平坦な場合(図18の超電導線材10において、幅方向中央での厚さが当該超電導線材10の側面の高さとほぼ同じ場合)と比べて、同じターン数であってもコイルの直径が大きくなってしまう。
なお、上記距離L2の下限は好ましくは5μm、より好ましくは10μm、さらに好ましくは15μmとすることができる。また、上記距離L2の上限は、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、さらに好ましくは50μmとすることができる。
(6) 上記超電導線材10では、基板1の幅方向での断面において、裏面部分は、裏面部分の端部に位置し傾きが0.01以上となっている裏面傾斜部(たとえば図18の面取り部9a)を含んでいてもよい。基板1の幅方向での断面における、被覆層の最大幅(図18の超電導線材10の幅W2)に対する裏面傾斜部(面取り部9a)の幅W1の比率(W1/W2)は0.1%以上30%以下であってもよい。なお、ここで傾きとは、以下のように規定することができる。図18に示すように裏面部分において曲率が変化する変曲点である位置128と、裏面部分の端部122(超電導線材10における側壁と面取り部9aとの境界部であって曲率が変化する変曲点)とを規定する。このとき、裏面部分において位置128より内側の領域の延在方向における位置128と端部122との間の距離である幅W1(面取り部9aの幅W1)と、超電導線材10の側壁の延在方向における位置128と端部122との間の距離L2とを考える。この場合、位置28と端部22との間の領域である面取り部9a(図18参照)の傾きはL2/W1と規定することができる。
このようにすれば、凸形状になっている裏面部分の端に傾斜部(面取り部9a)が形成されているので、端部122は明確な角部にはならず当該端部122が欠損する可能性を低減できる。このため、上述した超電導材料層5の破損の可能性を確実に低減できる。なお、上記比率が0.1%未満では裏面部分の凸形状が不十分となり、上述した効果を十分発揮できない。また、上記比率が30%超えの場合、裏面部分の凸形状となった部分(図18における裏面部分の頂部21)が突出しすぎた状態となる。そのため、たとえば超電導線材10を巻回してコイルを形成する場合、巻回された内周側の超電導線材10の部分により外周側の超電導線材の上記頂部21に加えられる応力が大きくなり、結果的に超電導材料層5に加えられる応力が過大になる可能性がある。
なお、上記比率の下限は好ましくは0.5%、より好ましくは1%、さらに好ましくは2%とすることができる。また、上記比率の上限は、好ましくは20%、より好ましくは15%、さらに好ましくは10%とすることができる。
(7) 本発明の一態様に係る超電導線材10(図22参照)は、主面を有する基板1と、主面上に形成された超電導材料層5とを備える。超電導材料層5の表面は凸形状になっている。このようにすれば、超電導材料層5の表面上に保護層7や安定化層9などの被覆層を形成するときに、当該被覆層の上部表面を容易に凸形状とすることができる。この結果、超電導線材10のハンドリング時などに当該被覆層の上部表面の端部が欠損するといった問題の発生を確実に抑制できる。
(8) 上記超電導線材10では、基板1の幅方向での断面において、超電導材料層5の凸形状になっている領域の頂部41(図20参照)と端部42(図20参照)との間の、基板1の厚み方向における距離L3が、1μm以上100μm以下であってもよい。
この場合、超電導材料層5上に被覆層(保護層7や安定化層9)を形成することで、当該被覆層の表面部分も容易に凸形状にすることができる。そして、被覆層の表面部分の端部などが欠損する可能性を低減できるので、上述した超電導材料層5の破損の可能性を確実に低減できる。なお、ここで頂部41とは、凸形状になっている超電導材料層5の上部表面において基板1の裏面(超電導材料層5が形成された表面と反対側の裏面)から最も離れた領域(たとえば、凸状に突出した超電導材料層5の上部表面の中央領域)を意味する。また、端部42とは、超電導材料層5の上部表面において幅方向の端部をいう。なお、上記距離L3が1μm未満では、超電導材料層5の上部表面上に形成する被覆層の表面部分を十分に凸形状とすることができず、上述した効果を十分発揮できない。また、上記距離L3が100μm超えの場合、超電導材料層5の中央部と端部42との間で高低差が大きくなり過ぎ、当該超電導線材10に交流電流を流した場合に、超電導材料層5内での電流分布が不均一になり超電導線材10の電気的特性が劣化する可能性がある。
なお、上記距離L3の下限は好ましくは5μm、より好ましくは10μm、さらに好ましくは15μmとすることができる。また、上記距離L3の上限は、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、さらに好ましくは50μmとすることができる。
(9) 本発明の一態様に係る超電導線材10(図25参照)は、主面を有する基板1と、主面上に形成された超電導材料層5とを備える。基板1の主面は凸形状になっている。このようにすれば、超電導材料層5の上部表面は基板1の主面の形状に沿って凸形状となる。そして、超電導材料層5の表面上に保護層7や安定化層9などの被覆層を形成するときに、当該被覆層の上部表面を容易に凸形状とすることができる。この結果、超電導線材10のハンドリング時などに当該被覆層の上部表面の端部が欠損するといった問題の発生を確実に抑制できる。
(10) 上記超電導線材10では、図23に示すように、基板1の幅方向での断面において、主面の凸形状になっている領域の頂部51と端部52との間の、基板1の厚み方向における距離L4が、1μm以上100μm以下であってもよい。
この場合、超電導材料層5の上部表面は基板1の主面の形状に沿って凸形状となる。そして、超電導材料層5上に被覆層(保護層7や安定化層9)を形成することで、当該被覆層の表面部分も容易に凸形状にすることができる。そのため、被覆層の表面部分の端部などが欠損する可能性を低減できるので、上述した超電導材料層5の破損の可能性を確実に低減できる。なお、ここで頂部51とは、凸形状になっている基板1の上部表面(超電導材料層5が形成される表面)において基板1の裏面(超電導材料層5が形成された表面と反対側の裏面)から最も離れた領域(たとえば、凸状に突出した基板1の上部表面の中央領域)を意味する。また、端部52とは、超電導材料層5の上部表面において幅方向の端部をいう。なお、上記距離L4が1μm未満では、超電導材料層5の上部表面上に形成する被覆層の表面部分を十分に凸形状とすることができず、上述した効果を十分発揮できない。また、上記距離L4が100μm超えの場合、基板1の上部表面の頂部51が突出しすぎて超電導線材10の断面積が大きくなる。そのため、たとえば超電導線材10を巻回してコイルを形成する場合、超電導線材10の上部表面が平坦な場合(図25の超電導線材10において、幅方向中央での厚さが当該超電導線材10の側面の高さとほぼ同じ場合)と比べて、同じターン数であってもコイルの直径が大きくなってしまう。
なお、上記距離L4の下限は好ましくは5μm、より好ましくは10μm、さらに好ましくは15μmとすることができる。また、上記距離L4の上限は、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、さらに好ましくは50μmとすることができる。
(11) 本発明の一態様に係る超電導線材10(図28参照)は、主面を有する基板1と、主面上に形成された超電導材料層5とを備える。基板1の主面と反対側に位置する裏面は凸形状になっている。このようにすれば、基板1の裏面上に被覆層(たとえば安定化層9など)を形成する場合に、当該被覆層の表面(裏面)を基板1の裏面の形状に沿って確実に凸形状とすることができる。この結果、超電導線材10のハンドリング時などに当該被覆層の裏面の端部が欠損し、その衝撃や変形等により基板1の主面側の超電導材料層5が破損するといった問題の発生を確実に抑制できる。
(12) 上記超電導線材10(図28参照)では、基板1の幅方向での断面において、裏面の凸形状になっている領域の頂部51と端部52との間の、基板1の厚み方向における距離L5が、1μm以上100μm以下であってもよい。
この場合、上述のように被覆層の裏面の端部が欠損するといった問題の発生を確実に抑制できる。そのため、当該欠損に起因する超電導材料層5の破損の可能性を低減できる。なお、ここで上記裏面の頂部51(図26参照)とは、凸形状になっている基板1の裏面(超電導材料層5が形成される表面と反対側の裏面)において超電導材料層5から最も離れた領域(たとえば、凸状に突出した基板1の裏面の中央領域)を意味する。また、上記裏面の端部52(図26参照)とは、基板1の裏面において幅方向の端部をいう。なお、上記距離L5が1μm未満では、基板1の裏面上に形成する被覆層の表面部分を十分に凸形状とすることができず、上述した効果を十分発揮できない。また、上記距離L5が100μm超えの場合、基板1の裏面の頂部51(図26参照)が突出しすぎて超電導線材10の断面積が大きくなる。そのため、たとえば図28に示すような超電導線材10を巻回してコイルを形成する場合、超電導線材10の下部表面が平坦な場合(図28の超電導線材10において、幅方向中央での厚さが当該超電導線材10の側面の高さとほぼ同じ場合)と比べて、同じターン数であってもコイルの直径が大きくなってしまう。
なお、上記距離L5の下限は好ましくは5μm、より好ましくは10μm、さらに好ましくは15μmとすることができる。また、上記距離L5の上限は、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、さらに好ましくは50μmとすることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
<実施の形態1>
(超電導線材の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る超電導線材の構成を示す断面模式図である。図1は、実施の形態1に係る超電導線材10の延在する方向に交差する方向に切断した断面を示している。このため、紙面に交差する方向が超電導線材の長手方向であり、超電導材料層5の超電導電流は紙面に交差する方向に沿って流れるものとする。また、図1および以降の断面模式図においては、図を見やすくするために矩形状の断面における上下方向(以下、「厚み方向」とも称する)と左右方向(以下、「幅方向」とも称する)との長さの差を小さくしているが、実際は当該断面の厚み方向の長さは幅方向の長さに比べて十分に小さい。
(超電導線材の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る超電導線材の構成を示す断面模式図である。図1は、実施の形態1に係る超電導線材10の延在する方向に交差する方向に切断した断面を示している。このため、紙面に交差する方向が超電導線材の長手方向であり、超電導材料層5の超電導電流は紙面に交差する方向に沿って流れるものとする。また、図1および以降の断面模式図においては、図を見やすくするために矩形状の断面における上下方向(以下、「厚み方向」とも称する)と左右方向(以下、「幅方向」とも称する)との長さの差を小さくしているが、実際は当該断面の厚み方向の長さは幅方向の長さに比べて十分に小さい。
図1を参照して、実施の形態1に係る超電導線材10は、断面が矩形をなす長尺形状(テープ状)であり、ここでは長尺形状の長手方向に延在する相対的に大きな表面を主面とする。超電導線材10は、基板1と、中間層3と、超電導材料層5と、保護層7と、安定化層9とを備える。
基板1は、第1の主面と、第2の主面とを有する。第2の主面は、第1の主面とは反対側に位置する。基板1は、たとえば金属からなり、断面が矩形をなす長尺形状(テープ状)とすることが好ましい。コイルに巻回するためには、基板1はたとえば2km程度に長尺化されていることが好ましい。
基板1は、配向金属基板を用いることがさらに好ましい。なお、配向金属基板とは、基板表面の面内の2軸方向に関して、結晶方位が揃っている基板を意味する。配向金属基板としては、たとえばニッケル(Ni)、銅(Cu)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、および金(Au)のうちの2以上の金属からなる合金が好適に用いられる。これらの金属を他の金属または合金と積層することもでき、たとえば高強度材料であるSUSなどの合金を用いることもできる。なお、基板1の材料は特にこれに限定されず、たとえば金属以外の材料を用いてもよい。
超電導線材10の幅方向の長さは、たとえば4mm〜10mm程度である。超電導線材10に流れる電流密度を大きくするためには、基板1の断面積が小さい方が好ましい。ただし、基板1の厚み(図1における上下方向)を薄くしすぎると、基板1の強度が劣化する可能性がある。したがって、基板1の厚みはたとえば0.1mm程度にすることが好ましい。
中間層3は、基板1の第1の主面上に形成されている。超電導材料層5は、中間層3の、基板1と対向する主面と反対側の主面(図1における上側の主面)上に形成されている。すなわち、超電導材料層5は、中間層3を挟んで基板1の第1の主面上に配置されている。中間層3を構成する材料は、たとえばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化セリウム(CeO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリウム(Y2O3)およびチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)などが好ましい。これらの材料は、超電導材料層5との反応性が極めて低く、超電導材料層5と接触している境界面においても超電導材料層5の超電導特性を低下させない。特に、基板1を構成する材料として金属を用いる場合には、表面に結晶配向性を有する基板1と超電導材料層5との配向性の差を緩和して、超電導材料層5を高温で形成する際に、基板1から超電導材料層5への金属原子の流出を防止する役割を果たすことができる。なお、中間層3を構成する材料は特にこれに限定されない。
また、中間層3は、複数の層により構成されていてもよい。中間層3が複数の層により構成される場合、中間層3を構成するそれぞれの層は互いに異なる材質または一部が同じ材質により構成されていてもよい。
超電導材料層5は、超電導線材10のうち、超電導電流が流れる薄膜層である。超電導材料は特に限定されないが、たとえばRE−123系の酸化物超電導体とすることが好ましい。なお、RE−123系の酸化物超電導体とは、REBa2Cu3Oy(yは6〜8、より好ましくは6.8〜7、REとはイットリウム、またはGd、Sm、Hoなどの希土類元素を意味する)として表される超電導体を意味する。また、超電導材料層5に流れる超電導電流の値を向上させるためには、超電導材料層5の厚みは0.5μm〜10μmであることが好ましい。
保護層7は、超電導材料層5の、中間層3と対向する主面と反対側の主面(図1における上側の主面)上に形成されている。保護層7は、たとえば銀(Ag)または銀合金からなり、その厚みは0.1μm以上50μm以下とすることが好ましい。
以上に述べた基板1、中間層3、超電導材料層5および保護層7により積層体20aが形成されている。そして、この積層体20aの周囲を覆うように安定化層9が配置されている。本実施の形態では、積層体20aの外周を覆うように、すなわち、積層体20aの外側の最表面のほぼ全面を覆うように、安定化層9が配置されている。ただし、本発明における「積層体の周囲」とは、全周に限定されるものではなく、積層体20aの主面だけでもよい。
安定化層9は、良導電性の金属材料の箔またはめっき層などからなる。安定化層9は、保護層7とともに、超電導材料層5が超電導状態から常電導状態に遷移する際に超電導材料層5の電流が転流するバイパスとして機能する。安定化層9を構成する材料は、たとえば銅(Cu)または銅合金などが好ましい。安定化層9の厚みは特に限定されないが、保護層7および超電導材料層5を物理的に保護する観点から10μm〜500μmであることが好ましい。
図1を参照して、本実施形態に係る超電導線材10では、安定化層9の上部表面(超電導材料層5上に位置する表面部分)は外側に凸の曲面状となっている。当該曲面状の表面部分における頂部21と端部22との間の基板1の厚み方向における距離L1は、たとえば1μm以上100μm以下である。頂部21は、安定化層9の上部表面(表面部分)における幅方向のほぼ中央部に位置する。端部22は、安定化層9の上部表面の幅方向における端部に位置し、上部表面と安定化層9の側面との境界部である。なお、図1に示した積層体20aにおいては、基板1の上部表面が外側に凸の曲面状となっており、当該基板1の上部表面に沿うように中間層3、超電導材料層5および保護層7が形成されている。このため、積層体20aの上部表面(保護層7の上部表面)も外側に凸の曲面状となっている。
このようにすれば、安定化層9の上部表面が外側に凸の曲面状となっているので、超電導線材10のハンドリングなどにおいて安定化層9の上部表面における端部の角部などが欠損するといった問題の発生を抑制できる。このため、当該安定化層9の欠損などに起因する超電導材料層5の破損といった問題の発生を抑制できる。
また、図1に示した超電導線材においては、頂部21と端部22との間の距離L1が上述のような範囲に設定されているので、上記のような超電導材料層5の破損を抑制する効果を得られるとともに、超電導線材10の幅方向の中央部が必要以上に厚くなるといった問題の顕在化を抑制できる。すなわち、距離L1が1μm未満である場合には、上述のような安定化層9の角部の破損を防止するといった効果を十分に得ることが難しい。また、距離L1が100μm超えの場合には、超電導線材10の幅方向の中央における厚みが端部に比べて相対的に厚くなるので、超電導線材10を巻回して積層するような場合に超電導線材10を積層した積層部の厚みが当該凸部の存在により厚くなってしまう。このため、超電導線材10のターン数を同じにした場合に、コイルの直径が大きくなるため、超電導線材10を組込んだコイル超電導機器のサイズが必要以上に大きくなるといった問題が起きる。
(超電導線材の製造方法)
図2〜図7を参照して、図1に示した超電導線材10の製造方法を説明する。以下では、30mm幅に作製された積層体20から4mm幅に細線加工された積層体20を用いて超電導線材10を製造する方法を例に挙げ、本実施の形態を具体的に説明する。
図2〜図7を参照して、図1に示した超電導線材10の製造方法を説明する。以下では、30mm幅に作製された積層体20から4mm幅に細線加工された積層体20を用いて超電導線材10を製造する方法を例に挙げ、本実施の形態を具体的に説明する。
図2は、実施の形態1に係る超電導線材の製造方法を示すフローチャートである。図2を参照して、まず基板準備工程(S10)が実施される。具体的には、図3を参照して、配向金属基板からなり、30mm幅のテープ状を有する基板1が準備される。基板1は、第1の主面と、第1の主面とは反対側に位置する第2の主面とを有する。基板1の厚みは目的に応じて適宜調整すれば良く、通常は10μm〜500μmの範囲とすることができる。基板1の厚みはたとえば100μm程度である。
次に、基板1上に中間層3を形成する中間層形成工程(図2のS20)が実施される。具体的には、図4を参照して、基板1の第1の主面上に中間層3が成膜される。中間層3の成膜方法としては、任意の成膜方法を用いることができるが、たとえばパルスレーザ蒸着法(Pulsed Laser Deposition:PLD法)などの物理蒸着法を用いることができる。
次に、中間層3上に超電導材料層5を形成する超電導材料層形成工程(図2のS30)が実施される。具体的には、図5を参照して、中間層3の基板1と対向する主面と反対側の主面(図5における上側の主面)上に、RE−123系の酸化物超電導体からなる超電導材料層5を形成する。超電導材料層5の成膜方法としては、任意の成膜方法を用いることができるが、たとえば気相法および液相法、またはそれらの組合せにより形成する。気相法としては、たとえばレーザ蒸着法、スパッタリング法、および電子ビーム蒸着法などが挙げられる。レーザ蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム法、および有機金属堆積法の少なくとも1つにより行なわれると、結晶配向性および表面平滑性に優れた表面を有する超電導材料層5を形成することができる。
次に、超電導材料層5上に保護層7を形成する保護層形成工程(図2のS40)が実施される。具体的には、図6を参照して、超電導材料層5の中間層3と対向する主面と反対側の主面(図6における上側の主面)上に、銀(Ag)または銀合金からなる保護層7を、たとえばスパッタなどの物理的蒸着法や電気めっき法などにより形成する。保護層7を形成することで、超電導材料層5の表面を保護することができる。その後、酸素雰囲気下で加熱処理する酸素アニールを行ない(酸素導入工程)、超電導材料層5に酸素を導入する。以上の工程が実施されることにより、幅方向の長さが30mm程度である積層体20が形成される。
次に、30mm幅の積層体20を所定の幅(たとえば4mm幅)に切断する細線加工工程(図3のS50)が実施される。具体的には、図7に示されるように、回転刃を用いて30mm幅の積層体20を機械的に切断する機械スリット加工を行なうことにより、積層体20を4mm幅に細線化する。図7は、細線加工工程に用いられるスリッター30の構成を模式的に示す図である。図7の右側には、スリッター30によりスリットされる積層体20の構成を示している。積層体20は、基板1上に中間層3、超電導材料層5および保護層7をこの順に積層してなる。
図7を参照して、スリッター30は、複数の回転刃31と、複数のスペーサ32とを有する。本実施の形態においては、スリッター30はたとえば合計7枚の回転刃31を有している。スリッター30の上側の回転軸には、約4mm幅の回転刃31が3枚配置されている。回転軸方向に隣接する回転刃31の間にはスペーサ32が配置されている。スリッター30の下側の回転軸にも約4mm幅の回転刃31が4枚配置されている。なお、上側の回転軸と下側の回転軸とに設置する回転刃31の幅は、任意に設定することができる。
図7に示すように、基板1側から回転刃31が接触してスリットされた積層体20aは、隣接する回転刃31間の距離や重なり高さなどのスリット条件を調整することにより、超電導材料層5や保護層7の幅方向中央部が突出する(保護層7の表面が凸形状となる)ような断面形状となっている。これにより、図1に示すような断面形状の積層体20a(4mm幅の細線)を得ることができる。なお、保護層7側から回転刃31が接触してスリットされた積層体20bは、隣接する回転刃31間の距離や重なり高さなどのスリット条件を調整することにより、超電導材料層5や保護層7の幅方向端部が突出する(保護層7の表面が凹形状となる)ような断面形状となっている。
上述のように、機械スリット加工においては、上下で互いに対向する回転刃31を用いてせん断によって積層体20を切断している。得られた細線(積層体20a、20b)の各々において、回転刃31が入る方向(スリット方向)に応じてエッジ部分に湾曲が発生する。具体的には、上側の回転刃31により保護層7側からスリットした細線(積層体20b)のエッジ部分では、基板1が保護層7側に湾曲する。一方、下側の回転刃31により基板1側からスリットした細線(積層体20a)のエッジ部分では、保護層7およびセラミックス層が基板1側に湾曲し、結果的に保護層7の上部表面が凸形状となる。
なお、図7に示した機械スリット加工において、基板1側から入れる回転刃31の幅と保護層7側から入れる回転刃31の幅とを同じにしたが、基板1側から入れる回転刃31に所定の線幅(たとえば4mm幅)に対応した回転刃31を用いるとともに、保護層7側から入れる回転刃31としてより幅が狭い回転刃31を用いるようにしてもよい。これにより、基板1側からスリットされて得られる細線(図1に示すように保護層7の上部表面が凸形状となった積層体20a)の数を多くすることができる。
再び図2を参照して、最後に、細線加工された積層体20aの周囲に安定化層9を形成する安定化層形成工程(図2のS60)が実施される。具体的には、積層体20aの外周を覆うように、すなわち、積層体20aの外側の最表面のほぼ全面を覆うように、銅(Cu)または銅合金からなる安定化層9を、公知のめっき法により形成する。安定化層9を形成する方法としては、めっき法以外に、銅箔を貼り合せる方法がある。以上の工程が実施されることにより、図1に示す実施の形態1に係る超電導線材10が製造される。
図8を参照して、図1に示した超電導線材10の変形例を説明する。図8に示した超電導線材10は、基本的には図1に示して超電導線材と同様の構造を備えるが、安定化層9の上部表面の形状(上部表面における中央部および端部の構造)が図1に示した超電導線材10とは異なっている。図8に示した超電導線材10では、安定化層9の上部表面の中央部がほぼ平坦である。また、安定化層9の上部表面の端部(平坦なにおいて、傾斜部29が形成されている。傾斜部29とは、端部22と位置28(変曲点)との間の領域である。当該傾斜部29においては、図8の距離W3と幅W1との比(W3/W1)により定義される傾きが0.01以上の領域である。ここで、幅W1は、表面部分において位置28より内側の領域の延在方向における、位置28と端部22との間の距離である。また、距離W3は、超電導線材10の側壁の延在方向における、位置28と端部22との間の距離である。そして、図8に示した超電導線材10においては、超電導線材10の幅(すなわち、安定化層9の最大幅W2)に対する傾斜部29の幅W1の比率(W1/W2)が0.1%以上30%以下となっている。
上述した比率(W1/W2)の数値が0.1%未満である場合には、図1に示した超電導線材10と同様の効果を十分得ることができない。また、上述した比率が30%超えの場合には、超電導線材10を巻回して積層した場合に、超電導線材10の幅方向における中央部に応力が集中することになり、結果的に超電導材料層5に対する応力が過大になる可能性がある。
<実施の形態2>
図9を参照して、本発明による超電導線材10の実施の形態2を説明する。
図9を参照して、本発明による超電導線材10の実施の形態2を説明する。
図9を参照して、超電導線材10は、基本的には図1に示した超電導線材10と同様の構造を備えるが、積層体20bの構造が図1に示した超電導線材10における積層体20aと異なっている。また、安定化層9の上部表面の両端部には面取り加工された面取り部9aが形成されている。
図9に示した超電導線材10の積層体20bにおいては、基板1の上部表面が基板1の内部に向けて(基板1の裏面側に向けて)窪んだ曲面状(凹形状)になっている。そして、当該曲面状になっている主表面上に中間層3、超電導材料層5、保護層7が形成されている。保護層7の上部表面も、基板1の上部表面の形状に沿って基板1側に窪んだ曲面状となっている。安定化層9の上部表面においては、幅方向の両端部が傾斜面である面取り部9aになっている。この結果、面取り部9aを含む安定化層9の上部表面は外側に向けて凸形状の曲面状となっている。このため、図9に示した超電導線材10は、図1に示した超電導線材10と同様の効果を得ることができる。
図10を参照して、図9に示した超電導線材10の製造方法を説明する。図2に示した工程(S10)〜工程(S50)までを実施することにより、保護層7の両端部が突出して結果的に保護層7の上部表面が窪んだ曲面状となった積層体20bを得ることができる。この積層体20bの外周を覆うように安定化層9を形成する。この結果、図10に示すように、安定化層9において超電導材料層5上に位置する上部表面の両端部には突出したエッジ部4が形成された状態となる。そして、このエッジ部を除去するように面取り加工することにより、図9に示した面取り部9aを形成することができる。この結果、図9に示した超電導線材10を得る。
<実施の形態3>
図11を参照して、本発明による超電導線材の実施の形態3を説明する。図11を参照して、超電導線材10は基本的には図1に示した超電導線材10と同様の構造を備えるが、積層体20の超電導材料層5が配置された側の面(上部表面)の両端部にテーパ部27が形成されている点が異なっている。このようなテーパ部27が形成されることにより、積層体20の上部表面は凸状の形状となっている。また、テーパ部27の表面においては、保護層7、超電導材料層5および中間層3の端面が露出した状態になっている。このテーパ部27は、保護層7の表面に対して傾斜した方向に延びている。そして、この積層体20の上部表面の凸状の形状に沿うように、安定化層9の表面も凸状の形状となっている。
図11を参照して、本発明による超電導線材の実施の形態3を説明する。図11を参照して、超電導線材10は基本的には図1に示した超電導線材10と同様の構造を備えるが、積層体20の超電導材料層5が配置された側の面(上部表面)の両端部にテーパ部27が形成されている点が異なっている。このようなテーパ部27が形成されることにより、積層体20の上部表面は凸状の形状となっている。また、テーパ部27の表面においては、保護層7、超電導材料層5および中間層3の端面が露出した状態になっている。このテーパ部27は、保護層7の表面に対して傾斜した方向に延びている。そして、この積層体20の上部表面の凸状の形状に沿うように、安定化層9の表面も凸状の形状となっている。
このような構成の超電導線材10によっても、図1に示した超電導線材10と同様の効果を得ることができる。
次に、図12を参照して、図1に示した超電導線材の製造方法を説明する。図2の工程(S10)〜工程(S50)までを実施することにより、図12に示すように両端部が突出したエッジ部24となっている積層体20bを得る。そして、この積層体20bにおいて、エッジ部24を除去するように面取り加工を行なう。この結果、面取り加工された面が図11に示したテーパ部27となる。そして、このようにテーパ部27が形成された積層体20(図11参照)の外周を図2に示した工程(S60)と同様の方法により安定化層9で覆う。この結果、図11に示す超電導線材10を得ることができる。
なお、図12に示したように、テーパ加工を行なう対象である積層体としてエッジ部24が形成された積層体20bを用いているが、当該エッジ部が形成されていない状態の積層体20a(図1参照)に対してテーパ加工を行なうことにより、図11に示すような積層体20を形成してもよい。
<実施の形態4>
図13を参照して、本発明による超電導線材の実施の形態4を説明する。図13を参照して、超電導線材10は基本的には図1に示した超電導線材と同様の構造を備えるが、安定化層9の上部表面の端部(積層体20において超電導材料層5が形成された側に位置する安定化層9の表面部分の端部)が面取り部9aとなっている。この結果、安定化層9の上部表面は外側に凸である凸形状部となっている。このため、図13に示した超電導線材10によっても、図1に示した超電導線材10と同様の効果を得ることができる。
図13を参照して、本発明による超電導線材の実施の形態4を説明する。図13を参照して、超電導線材10は基本的には図1に示した超電導線材と同様の構造を備えるが、安定化層9の上部表面の端部(積層体20において超電導材料層5が形成された側に位置する安定化層9の表面部分の端部)が面取り部9aとなっている。この結果、安定化層9の上部表面は外側に凸である凸形状部となっている。このため、図13に示した超電導線材10によっても、図1に示した超電導線材10と同様の効果を得ることができる。
また、図13に示した超電導線材10においては、積層体20の断面形状がほぼ矩形状となっている。異なる観点から言えば、図13に示した超電導線材10においては、安定化層9の上部表面の形状と積層体20の上部表面(保護層7側の表面)の形状とが異なっている。
次に、図14を参照して、図1に示した超電導線材の製造方法を説明する。まず、図2に示した工程(S10)〜工程(S60)を実施する。このとき、上述した工程(S50)における細線加工工程ではスリッター30の回転刃31とスペーサ32との間のクリアランスや重なり代などを調整することにより積層体20の断面形状がほぼ矩形状とされている。なお、工程(S50)ではレーザ加工により積層体20を細線化してもよく、当該レーザ加工の加工条件を調整することによっても断面形状がほぼ矩形状となった積層体20を得ることができる。
そして、この積層体20の外周に形成された安定化層9は、図14に示すように、当該積層体20の外周形状に沿うようにほぼ矩形状の断面形状を有している。安定化層9の上部表面(積層体20の超電導材料層5が位置する側に位置する安定化層9の表面)においては、幅方向における両端部のエッジ部4を除去する面取り加工を行なう。この結果、図13に示すように安定化層9の上部表面の端部に面取り部9aが形成される。このようにして、図13に示す超電導線材10を得ることができる。
<実施の形態5>
図15を参照して、本発明による超電導線材の実施の形態5を説明する。図15を参照して、超電導線材10は基本的には図1に示した超電導線材10と同様の構造を備えるが、積層体20の断面形状および安定化層9の外周形状が一部異なっている。具体的には、図15に示した超電導線材10においては、積層体20の上部表面での幅方向における両端部(保護層7が形成された面の幅方向における両端部)が、基板1の厚み方向において外側に突出するような凸形状となっている。また、積層体20の基板1の裏面(超電導材料層5が配置された側とは反対側の表面)の幅方向における両端部も、基板1の厚み方向において外側に突出するように凸部が形成されている。この結果、積層体20の表面と裏面とはそれぞれ両端部が突出した凹形状部となっている。
図15を参照して、本発明による超電導線材の実施の形態5を説明する。図15を参照して、超電導線材10は基本的には図1に示した超電導線材10と同様の構造を備えるが、積層体20の断面形状および安定化層9の外周形状が一部異なっている。具体的には、図15に示した超電導線材10においては、積層体20の上部表面での幅方向における両端部(保護層7が形成された面の幅方向における両端部)が、基板1の厚み方向において外側に突出するような凸形状となっている。また、積層体20の基板1の裏面(超電導材料層5が配置された側とは反対側の表面)の幅方向における両端部も、基板1の厚み方向において外側に突出するように凸部が形成されている。この結果、積層体20の表面と裏面とはそれぞれ両端部が突出した凹形状部となっている。
さらに、安定化層9において、基板1の裏面側に位置する部分(裏面部分)では、安定化層9の当該裏面部分の幅方向における両端部が基板1の裏面の形状に沿うように突出することにより、積層体20側に向けて凹んだ曲面状となっている。一方、積層体20の保護層7側に位置する安定化層9の部分においては、安定化層9の上部表面の両端部に面取り部9aが形成されることにより、安定化層9の上部表面が外側に向けて凸となった凸形状となっている。このような構造の超電導線材10によっても、図1に示した超電導線材10と同様の効果を得ることができる。
図16を参照して、図15に示した超電導線材10の製造方法を説明する。図2に示した工程(S10)〜工程(S60)を実施することにより、図16に示すように積層体20の外周を安定化層9で囲んだ線材を準備する。このとき細線加工工程(S50)においては、たとえばレーザ加工法などを用いて積層体20の両端部の上部表面および裏面がそれぞれ凸形状となるような積層体20を得る。このような形状の積層体20の外周を覆うように安定化層9を形成することにより、安定化層9の表面は積層体20の外周表面に沿ったように上部表面および裏面の両端部がそれぞれ突出した部分を含む。そして、安定化層9の上部表面(超電導材料層5が配置された側の安定化層9の表面)における両端部のエッジ部4を除去するように面取り加工を行なう。この結果、図15に示すように安定化層9の上部表面の幅方向の端部に面取り部9aが形成される。このようにして、図15に示すような構造の超電導線材10を得ることができる。
<実施の形態6>
図17を参照して、本発明による超電導線材の実施の形態6を説明する。
図17を参照して、本発明による超電導線材の実施の形態6を説明する。
図17に示す超電導線材10は、基本的には図1に示した超電導線材10と同様の構造を備えるが、積層体20の上部表面の形状および安定化層9の上部表面の形状が図1に示した超電導線材10とは異なっている。すなわち、図17に示した超電導線材10では、図17に示す断面の幅方向における一方の端部において、積層体20の一方の端部が基板1の裏面に対して傾斜したテーパ部14となっている。一方、積層体20において保護層7の幅方向における他方の端部には、このような曲面状のテーパ部は形成されていない。そして、安定化層9の外周形状も、基本的に積層体20の外周形状に沿った形状となっていることから、積層体20のテーパ部14上に位置する安定化層9の表面部にも傾斜した面(傾斜部)が形成されている。この結果、積層体20の保護層7上に位置する安定化層9の表面部分は、全体として外側に凸の凸状部分となっている。このような構造の超電導線材10においても、図1に示した超電導線材10と同様の効果を得ることができる。
次に、図17に示した超電導線材10の製造方法を説明する。図17に示した超電導線材10は、基本的には、図2に示した工程(S10)〜工程(S60)を実施することにより得ることができる。但し、積層体20において、図17に示すように一方の端部のみにテーパ部14を形成するには、たとえば工程(S50)における回転刃31間の間隔や重なり代などを調整して、細線化される積層体20の一方端のみについて保護層7や超電導材料層5などが基板1側に押し込まれるような変形を加えることが好ましい。あるいは、細線化された積層体20に対して一方の端部のみを塑性変形させるなどの追加の加工工程を行なうことにより、図17に示すようなテーパ部14を有する積層体20を準備してもよい。
<実施の形態7>
図18を参照して、本実施形態に係る超電導線材10を説明する。図18に示す超電導線材10は、基本的には図1に示した超電導線材10と同様の構造を備えるが、積層体20の断面形状および安定化層9の断面形状が異なっている。具体的には、図18に示した超電導線材10の積層体20は、その断面形状がほぼ矩形状となっている。そして、安定化層9の裏面(積層体20の基板1側に位置する安定化層9の表面)においては、その幅方向の両端部に面取り部9aが形成されている。この結果、安定化層9の裏面は外側に向けて突出した凸形状となっている。このような構造によっても、図1に示した超電導線材10と同様の効果を得ることができる。
図18を参照して、本実施形態に係る超電導線材10を説明する。図18に示す超電導線材10は、基本的には図1に示した超電導線材10と同様の構造を備えるが、積層体20の断面形状および安定化層9の断面形状が異なっている。具体的には、図18に示した超電導線材10の積層体20は、その断面形状がほぼ矩形状となっている。そして、安定化層9の裏面(積層体20の基板1側に位置する安定化層9の表面)においては、その幅方向の両端部に面取り部9aが形成されている。この結果、安定化層9の裏面は外側に向けて突出した凸形状となっている。このような構造によっても、図1に示した超電導線材10と同様の効果を得ることができる。
また、図18に示した超電導線材10においては、安定化層9の裏面側の頂部21と端部122との間の、基板1の厚み方向における距離L2が1μm以上100μm以下となっている。なお、図18に示した頂部21は、安定化層9の裏面の幅方向における中央部である。当該頂部21を含む安定化層9の裏面の中央領域は、ほぼ平坦な形状を有している。
また、面取り部9aにおける傾きは0.01以上となっている。ここで、傾きとは、以下のように規定することができる。裏面において曲率が変化する変曲点である位置128と、裏面部分の端部122(超電導線材10における側壁と面取り部9aとの境界部であって曲率が変化する変曲点)とを図18に示すように規定する。このとき、裏面において位置128より内側の領域の延在方向における、位置128と端部122との間の距離である幅W1を考える。この場合、位置28と端部22との間の領域である面取り部9aの上記傾きはL2/W1と規定することができる。また、図18の超電導線材10の幅W2に対する面取り部9aの幅(幅W1)の比率(W1/W2)は0.1%以上30%以下である。
次に、図19を参照して、図18に示した超電導線材10の製造方法を説明する。
まず、図2に示した工程(S10)〜工程(S60)を実施し、図19に示すように積層体20の外周に安定化層9が形成された線材を準備する。このとき、積層体20としては断面形状がほぼ矩形状の積層体20を準備する。このような積層体20は、たとえば工程(S50)においてレーザ加工工法を用いる、あるいはスリッター30において回転刃31間のクリアランスや重なり代などを適宜調整することにより得ることができる。そして、図19に示すような線材において、安定化層9の裏面(基板1の裏面側に位置する安定化層9の表面)の両端部について、突出した角部であるエッジ部4を除去するように面取り加工を行なう。この結果、面取り部9aが形成され、図18に示すような超電導線材10を得ることができる。
まず、図2に示した工程(S10)〜工程(S60)を実施し、図19に示すように積層体20の外周に安定化層9が形成された線材を準備する。このとき、積層体20としては断面形状がほぼ矩形状の積層体20を準備する。このような積層体20は、たとえば工程(S50)においてレーザ加工工法を用いる、あるいはスリッター30において回転刃31間のクリアランスや重なり代などを適宜調整することにより得ることができる。そして、図19に示すような線材において、安定化層9の裏面(基板1の裏面側に位置する安定化層9の表面)の両端部について、突出した角部であるエッジ部4を除去するように面取り加工を行なう。この結果、面取り部9aが形成され、図18に示すような超電導線材10を得ることができる。
<実施の形態8>
図20は、本発明による超電導線材の実施の形態8の製造工程の途中段階を示す模式図である。図20を参照して、基板1の上部表面上に中間層3および超電導材料層5が形成されている。超電導材料層5の表面は、外側に向けて突出した凸形状となっている。超電導材料層5の表面における頂部41と端部42との間の基板1の厚み方向に沿った方向での距離L3はたとえば1μm以上100μm以下とすることができる。なお、図20に示した超電導材料層5の表面は、幅方向のほぼ中央部に位置する頂部41を含む中央領域がほぼ平坦な形状となっている。
図20は、本発明による超電導線材の実施の形態8の製造工程の途中段階を示す模式図である。図20を参照して、基板1の上部表面上に中間層3および超電導材料層5が形成されている。超電導材料層5の表面は、外側に向けて突出した凸形状となっている。超電導材料層5の表面における頂部41と端部42との間の基板1の厚み方向に沿った方向での距離L3はたとえば1μm以上100μm以下とすることができる。なお、図20に示した超電導材料層5の表面は、幅方向のほぼ中央部に位置する頂部41を含む中央領域がほぼ平坦な形状となっている。
図20に示すような構造は従来周知の任意の方法により得ることができる。たとえば、基板1の上部表面を外側に凸の曲面状となるように構成し、当該曲面状の表面上に中間層3および超電導材料層5を形成することにより、図20に示すような構造を得ることができる。
次に、図21に示すように、図20に示した構造の超電導材料層5上に保護層7を形成する。この結果、基板1、中間層3、超電導材料層5および保護層7を含む積層体20を得ることができる。このとき、保護層7の上部表面は、超電導材料層5の上部表面の形状に沿うように外側に凸の曲面状となっている。
次に、図22に示すように、積層体20の外周を覆うように安定化層9を形成する。この結果、安定化層9において超電導材料層5上に位置する部分の表面(上部表面)が外側に凸となった超電導線材10を得ることができる。このような構造の超電導線材10によっても、図1に示した超電導線材10と同様の効果を得ることができる。
<実施の形態9>
図23は、本発明による超電導線材の実施の形態9を構成する基板1を示している。基板1においては、上部表面が外側に凸の凸形状となっている。また、基板1の上部表面の頂部51と端部52との間の、基板1の厚み方向における距離L4はたとえば1μm以上100μm以下となっている。
図23は、本発明による超電導線材の実施の形態9を構成する基板1を示している。基板1においては、上部表面が外側に凸の凸形状となっている。また、基板1の上部表面の頂部51と端部52との間の、基板1の厚み方向における距離L4はたとえば1μm以上100μm以下となっている。
図23に示した基板1は、従来周知の任意の方法により形成することができる。たとえば、断面形状が矩形状の基板を準備し、当該基板の幅方向の端部を加工する(たとえば面取り加工する)ことにより、図23に示すような基板1を得ることができる。
図23に示した基板1の上部表面上に、図24に示すように中間層3、超電導材料層5および保護層7を形成する。これらの中間層3、超電導材料層5および保護層7の形成方法は、従来周知の任意の方法を用いることができる。
次に、図25に示すように、積層体20の外周を覆うように安定化層9を形成する。この結果、安定化層9の上部表面は、積層体20の上部表面(外側に凸状となっている曲面状の表面)の形状に沿うように外側に凸の曲面状となっている。このような構造の超電導線材10によっても、図1に示した超電導線材10と同様の効果を得ることができる。
<実施の形態10>
図26に示す基板1は、本発明による超電導線材の実施の形態10を構成する基板である。当該基板1は、裏面側が外側に凸となっている凸状の曲面となっている。当該裏面における頂部51と端部52との間の、基板1の厚み方向における距離L5は、たとえば1μm以上100μm以下となっている。図26に示した基板1の上部表面(凸形状となった裏面と反対側に位置する表面)は、平坦な形状になっている。
図26に示す基板1は、本発明による超電導線材の実施の形態10を構成する基板である。当該基板1は、裏面側が外側に凸となっている凸状の曲面となっている。当該裏面における頂部51と端部52との間の、基板1の厚み方向における距離L5は、たとえば1μm以上100μm以下となっている。図26に示した基板1の上部表面(凸形状となった裏面と反対側に位置する表面)は、平坦な形状になっている。
基板1の上部表面上に、図27に示すように中間層3、超電導材料層5および保護層7を形成する。これらの中間層3、超電導材料層5および保護層7は従来周知の任意の方法により形成することができる。このようにして、積層体20が得られる。
次に、図28に示すように、積層体20の外周を覆うように安定化層9を形成する。この結果、安定化層9の裏面(基板1の裏面と対向する領域の安定化層9の表面)は、基板1の裏面の形状に沿ったように外側に凸の曲面状となっている。このような構造の超電導線材10によっても図18に示した超電導線材と同様の効果を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、特に基板の表面上に超電導材料層が形成された超電導線材に有利に適用される。
1 基板
3 中間層
4,24 エッジ部
5 超電導材料層
7 保護層
9 安定化層
9a 面取り部
10 超電導線材
14,27 テーパ部
20,20a,20b 積層体
21,41,51 頂部
22,42,52,122 端部
28,128 位置
29 傾斜部
30 スリッター
31 回転刃
32 スペーサ
3 中間層
4,24 エッジ部
5 超電導材料層
7 保護層
9 安定化層
9a 面取り部
10 超電導線材
14,27 テーパ部
20,20a,20b 積層体
21,41,51 頂部
22,42,52,122 端部
28,128 位置
29 傾斜部
30 スリッター
31 回転刃
32 スペーサ
Claims (12)
- 主面を有する基板と、前記主面上に形成された超電導材料層とを含む積層体と、
少なくとも前記超電導材料層上に配置された被覆層とを備え、
前記被覆層において、前記超電導材料層上に位置する表面部分は凸形状になっている、超電導線材。 - 前記基板の幅方向での断面において、前記表面部分の前記凸形状になっている領域の頂部と端部との間の、前記基板の厚み方向における距離は、1μm以上100μm以下である、請求項1に記載の超電導線材。
- 前記基板の幅方向での断面において、前記表面部分は、前記表面部分の端部に位置し傾きが0.01以上となっている傾斜部を含み、
前記基板の幅方向での断面において、前記被覆層の最大幅に対する前記傾斜部の幅の比率は0.1%以上30%以下である、請求項1または請求項2に記載の超電導線材。 - 超電導線材であって、
主面を有する基板と、前記主面上に形成された超電導材料層とを含む積層体と、
少なくとも前記超電導材料層上に配置された被覆層とを備え、
前記超電導線材において、前記超電導材料層上に位置する表面部分と反対側に位置する裏面部分の形状は凸形状になっている、超電導線材。 - 前記基板の幅方向での断面において、前記裏面部分の前記凸形状になっている領域の頂部と端部との間の、前記基板の厚み方向における距離は、1μm以上100μm以下である、請求項4に記載の超電導線材。
- 前記基板の幅方向での断面において、前記裏面部分は、前記裏面部分の端部に位置し傾きが0.01以上となっている裏面傾斜部を含み、
前記基板の幅方向での断面における、前記被覆層の最大幅に対する前記裏面傾斜部の幅の比率は0.1%以上30%以下である、請求項4または請求項5に記載の超電導線材。 - 主面を有する基板と、
前記主面上に形成された超電導材料層とを備え、
前記超電導材料層の表面は凸形状になっている、超電導線材。 - 前記基板の幅方向での断面において、前記超電導材料層の前記凸形状になっている領域の頂部と端部との間の、前記基板の厚み方向における距離は、1μm以上100μm以下である、請求項7に記載の超電導線材。
- 主面を有する基板と、
前記主面上に形成された超電導材料層とを備え、
前記基板の前記主面は凸形状になっている、超電導線材。 - 前記基板の幅方向での断面において、前記主面の凸形状になっている領域の頂部と端部との間の、前記基板の厚み方向における距離は、1μm以上100μm以下である、請求項9に記載の超電導線材。
- 主面を有する基板と、
前記主面上に形成された超電導材料層とを備え、
前記基板の前記主面と反対側に位置する裏面は凸形状になっている、超電導線材。 - 前記基板の幅方向での断面において、前記裏面の凸形状になっている領域の頂部と端部との間の、前記基板の厚み方向における距離は、1μm以上100μm以下である、請求項11に記載の超電導線材。
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WO2018163292A1 (ja) * | 2017-03-07 | 2018-09-13 | 住友電気工業株式会社 | 超電導線材、超電導コイルおよび超電導ケーブル導体 |
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