JP2016033637A - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】解像度に優れるレジストパターンを形成可能な感光性樹脂組成物の提供。
【解決手段】(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有するバインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、バインダーポリマーの重量平均分子量が20000以上であり、バインダーポリマーが可逆的付加開裂連鎖移動重合により得られるポリマーである感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板の製造分野においては、エッチング処理又はめっき処理に用いられるレジスト材料として、感光性樹脂組成物が広く用いられている。感光性樹脂組成物は、支持体と、該支持体上に感光性樹脂組成物を用いて形成された層(以下、「感光性樹脂組成物層」ともいう)とを備える感光性エレメント(積層体)として用いられることが多い。
プリント配線板は、例えば、以下のようにして製造される。まず、支持体及び感光性樹脂組成物層を有する感光性エレメントを準備し、感光体エレメントの感光性樹脂組成物層を回路形成用の基板上に形成する(感光層形成工程)。次に、支持体を剥離除去した後、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を硬化させる(露光工程)。その後、未露光部を基板上から除去(現像)することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物(以下、「硬化レジスト」ともいう)であるレジストパターンが形成される(現像工程)。得られたレジストパターンに対しエッチング処理又はめっき処理を施して基板上に回路を形成した後(回路形成工程)、最終的にレジストパターンを剥離除去してプリント配線板が製造される(剥離工程)。
露光の方法としては、従来、水銀灯を光源としてフォトマスクを介して露光する方法が用いられている。また、近年、DLP(Digital Light Processing)又はLDI(Laser Direct Imaging)と呼ばれる、パターンのデジタルデータに基づいてフォトマスクを介さずに感光性樹脂組成物層に直接描画する直接描画露光法が提案されている。この直接描画露光法は、フォトマスクを介した露光法よりも位置合わせ精度が良好であり、且つ、高精細なパターンが得られることから、高密度パッケージ基板作製のために導入されつつある。
一般に露光工程では、生産効率の向上のために露光時間を短縮することが望まれる。しかし、上述の直接描画露光法では、光源にレーザ等の単色光を用いるほか、基板を走査しながら光線を照射するため、従来のフォトマスクを介した露光方法と比べて多くの露光時間を要する傾向がある。そのため、露光時間を短縮して生産効率を高めるためには、従来よりも感光性樹脂組成物の感度を向上させる必要がある。
一方で、近年のプリント配線板の高密度化に伴い、解像度(解像性)に優れたレジストパターンを形成可能な感光性樹脂組成物に対する要求が更に高まっている。特に、パッケージ基板作製において、L/S(ライン幅/スペース幅)が10/10(単位:μm)未満のレジストパターンを形成することが可能な感光性樹脂組成物が求められている。
これらの要求に対して、従来、種々の感光性樹脂組成物が検討されている。例えば、下記特許文献1〜7には、特定のバインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及び、増感色素を用いることで、上述の要求される特性を向上させた感光性樹脂組成物が開示されている。
特開2005−301101号公報 特開2007−114452号公報 特開2007−122028号公報 国際公開第08/078483号 国際公開第10/098175号 国際公開第10/098183号 国際公開第12/067107号
しかしながら、従来の感光性樹脂組成物においては、形成されるレジストパターンの解像度を改良する点で、未だ改善の余地がある。
本発明は、解像度に優れるレジストパターンを形成可能な感光性樹脂組成物、並びに、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する特定のバインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を組み合わせることにより、解像度に優れるレジストパターンを形成可能な感光性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の態様は、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有するバインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、前記バインダーポリマーの重量平均分子量が20000以上であり、前記バインダーポリマーが可逆的付加開裂連鎖移動重合(以下、「RAFT重合」ともいう)により得られるポリマーである、感光性樹脂組成物である。
本発明の第二の態様は、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有するバインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、前記バインダーポリマーの重量平均分子量が20000以上であり、前記バインダーポリマーの分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.4以下である、感光性樹脂組成物である。
感光性樹脂組成物が上記の態様をとることによって、解像度に優れるレジストパターンを形成することができる。上記感光性樹脂組成物によれば、L/S(ライン幅/スペース幅)が10/10(単位:μm)未満のレジストパターンを形成することが可能となる。
本発明の第三の態様は、支持体と、第一の態様又は第二の態様の感光性樹脂組成物から形成されると共に前記支持体上に設けられた感光性樹脂組成物層と、を備える、感光性エレメントである。このような感光性エレメントを用いることにより、特に解像度に優れたレジストパターンを効率的に形成することができる。
本発明の第四の態様は、基板上に、第一の態様又は第二の態様の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する感光層形成工程と、前記感光性樹脂組成物層の少なくとも一部の領域に活性光線を照射して、前記領域を光硬化させて硬化物領域を形成する露光工程と、前記感光性樹脂組成物層の前記硬化物領域以外の領域を前記基板上から除去して、前記硬化物領域であるレジストパターンを前記基板上に形成する現像工程と、を有する、レジストパターンの形成方法である。このレジストパターンの形成方法によれば、解像度に優れるレジストパターンを効率的に形成することができる。
レジストパターンの形成方法において、照射する活性光線の波長は、340nm〜430nmの範囲内であることが好ましい。これにより、解像度がより良好なレジストパターンを、優れた感度で更に効率的に形成することができる。
本発明の第五の態様は、上記レジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング処理又はめっき処理する工程を含む、プリント配線板の製造方法である。この製造方法によれば、高密度パッケージ基板のような高密度化した配線を有するプリント配線板を、優れた精度で生産性よく、効率的に製造することができる。
本発明によれば、解像度に優れるレジストパターンを形成可能な感光性樹脂組成物、並びに、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
本発明の感光性エレメントの一実施形態を示す模式断面図である。 セミアディティブ工法によるプリント配線板の製造工程の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。「(ポリ)オキシエチレン基」とは、オキシエチレン基、及び、2以上のエチレン基がエーテル結合で連結したポリオキシエチレン基の少なくとも一方を意味する。なお、「オキシエチレン基」とは、(−CHCH−O−)で表される基であり、エチレンオキシドともいう。「(ポリ)オキシプロピレン基」とは、オキシプロピレン基、及び、2以上のプロピレン基がエーテル結合で連結したポリオキシプロピレン基の少なくとも一方を意味する。なお、「オキシプロピレン基」とは、(−CHCHCH−O−)で表される基、(−CHCHCH−O−)で表される基又は(−CHCHCH−O−)で表される基であり、プロピレンオキシドともいう。なお、「EO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン基を有する化合物であることを意味し、「PO変性」とは、(ポリ)オキシプロピレン基を有する化合物であることを意味し、「EO・PO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン基及び(ポリ)オキシプロピレン基の双方を有する化合物であることを意味する。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。更に、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が脱着可能であってもよい。
<感光性樹脂組成物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分:バインダーポリマーと、(B)成分:光重合性化合物と、(C)成分:光重合開始剤と、を含有する。本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分として、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する特定のバインダーポリマー(以下、「特定バインダーポリマー」ともいう)を含有する。特定バインダーポリマーの重量平均分子量は20000以上である。また、第一の態様において特定バインダーポリマーは、可逆的付加開裂連鎖移動重合により得られるポリマーであり、第二の態様において特定バインダーポリマーの分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.4以下である。本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、その他の成分を更に含んでいてもよい。例えば、本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述の(A)〜(C)成分に加えて、(D)増感色素及び/又は(E)水素供与体を含有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する特定バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤とを用いることで、解像度に優れるレジストパターンを形成可能な感光性樹脂組成物を構成することができる。上記効果を奏する詳細な理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えることができる。従来の感光性樹脂組成物で用いられた、フリーラジカル重合により得られるバインダーポリマーと比較して、重量平均分子量が20000以上であって可逆的付加開裂連鎖移動重合により得られるバインダーポリマーは、バインダーポリマー中の構成成分の配列が異なるものと推測される。このようなバインダーポリマーを用いることで、現像液の浸透性、現像時の低分子成分の染み出し等が抑制されるため、従来の感光性樹脂組成物と比較して解像度が向上するものと推測される。また、重量平均分子量が20000以上であって分散度が1.4以下であるバインダーポリマーを用いることで、現像時の低分子成分の染み出し等が抑制されるため、従来の感光性樹脂組成物と比較して解像度が向上するものと推測される。
(A)成分:バインダーポリマー
感光性樹脂組成物は、(A)成分として、少なくとも、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する特定バインダーポリマーを含む。特定バインダーポリマーの第一の態様は、可逆的付加開裂連鎖移動重合により得られる、重量平均分子量が20000以上であるバインダーポリマーである。特定バインダーポリマーの第二の態様は、重量平均分子量が20000以上であって、分散度が1.4以下であるバインダーポリマーである。(A)成分は、必要に応じて特定バインダーポリマー以外のバインダーポリマーを更に含んでいてもよい。(メタ)アクリル酸は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2016033637
一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはメチル基であることが好ましい。
特定バインダーポリマーは、上述の構造単位以外のその他の構造単位を有していてもよい。その他の構造単位としては、例えば、下記のその他の重合性単量体に由来する構造単位を挙げることができる。
その他の重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸と重合可能であり、(メタ)アクリル酸とは異なる重合性単量体であれば、特に制限はない。その他の重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルオキシエチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシプロピルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシプロピルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシプロピルオキシエチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルオキシプロピルオキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン又はα−メチルスチレン;ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;アクリロニトリルなどが挙げられる。これらは1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
特定バインダーポリマーは、密着性及び剥離特性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位に加えて、スチレン又はα−メチルスチレンに由来する構造単位を更に有することが好ましい。
特定バインダーポリマーが、スチレン又はα−メチルスチレンに由来する構造単位を有する場合、その含有量は、密着性及び剥離特性に更に優れる点からは、特定バインダーポリマーを構成する重合性単量体の全質量を基準として10質量%〜70質量%であることが好ましく、15質量%〜60質量%であることがより好ましく、20質量%〜55質量%であることが更に好ましい。密着性に優れる点からは、この含有量が10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。また、剥離特性に更に優れる点からは、この含有量が70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、55質量%以下であることが更に好ましい。
また、特定バインダーポリマーは、現像性及び剥離特性を更に向上させる観点から、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位に加えて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を更に有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル及び(メタ)アクリル酸ドデシルが挙げられる。これらは1種類単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて用いることができる。
特定バインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を有する場合、その含有量は、剥離特性、解像度及び密着性に更に優れる点では、特定バインダーポリマーを構成する重合性単量体の全質量(100質量%)を基準として1質量%〜30質量%であることが好ましく、1質量%〜20質量%であることがより好ましく、2質量%〜10質量%であることが更に好ましい。剥離特性に更に優れる点では、この含有量が1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、解像度及び密着性に更に優れる点では、この含有量が30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
特定バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体(モノマ)として、(メタ)アクリル酸、スチレン又はα−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び、必要に応じて用いられるその他の重合性単量体を、常法により、可逆的付加開裂連鎖移動重合させることにより得られる。
この可逆的付加開裂連鎖移動重合においては、一般式(2)で表される構造を有するチオカーボネート化合物を連鎖移動剤として用いることができる。
Figure 2016033637

(Rは、一価の基を示し、Zは、一価の基を示す。)
ここで、Rとしては、クミル基、シアノプロピル基、フェニルプロピル基、シアノフェニルメチル基、エチルカルボキシプロピル基、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基、1−シアノエチル基、1−フェニルエチル基、ターシャリーブチル基、シアノメチル基、ベンジル基等が好ましいものとして挙げられる。
また、Zとしては、フェニル基、メチルチオイル基、ピロール基、メチル基、フェノキシ基、エトキシ基、ジメチルアミノ基等が好ましいものとして挙げられる。
これらの連鎖移動剤の具体例としては、クミルジチオベンゾエート、2−シアノ−2−プロピルベンゾチオエート、4−シアノ−4[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオエート、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカーボネート、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸、シアノメチルドデシルトリチオカーボネート等が挙げられ、これらは市販されているが、これらに限定されるものではない。
重合性単量体のモル比、及び、一般式(2)で表される構造を有するチオカーボネート化合物のモル比を制御することで、得られるバインダーポリマーの分子量を調整し、好ましい範囲とすることが可能である。
特定バインダーポリマーを得るためには、ラジカル開始剤を用いてもよい。ラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
一般に、連鎖移動剤(例えば、一般式(2)で表される構造を有するチオカーボネート化合物)と、ラジカル開始剤のモル比率は、20/1〜1/5であることが好ましく、10/1〜1/4であることがより好ましい。一般式(2)で表される構造を有するチオカーボネート化合物とラジカル開始剤のモル比率が20/1以下であることで、単分散性を保ちつつ重合反応速度を速めることができるので工業的に好ましく、一方、1/5以上であることで、ラジカル開始剤から直接モノマへの連鎖移動が起こることを避けることができる。
重合反応の温度は、使用するラジカル開始剤の分解温度により異なり、特に制限するものではないが、一般的に、半減期分解温度マイナス2℃からプラス20℃(「半減期分解温度−2℃」〜「半減期分解温度+20℃」)で行うことが好ましい。温度を半減期分解温度に対してこの範囲に制御することにより、分子量分布を小さくでき、一般式(2)の構造を有していないバインダーポリマーの副生の抑制が可能となる。
本実施形態の特定バインダーポリマーは、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、固相重合等で得ることができる。中でも、重量平均分子量20000〜300000のバインダーポリマーを得るには溶液重合が好ましく、重量平均分子量300000〜1000000のバインダーポリマーを得るには懸濁重合が好ましい。また、バインダーポリマーを得るために用いるモノマの極性や反応性により重合方法は適宜選択できるが、その溶解性の点から、溶媒に可溶なアクリルポリマを合成するには、溶液重合で行うことが好ましい。
溶液重合は、重合可能なモノマ、連鎖移動剤及びラジカル開始剤を溶媒に溶かし、ラジカル開始剤によって決まる温度まで加温することで行われる。このとき空気下でも重合を行うことは可能であるが、窒素下で行うことが好ましい。なお、前記溶媒としては、生成するバインダーポリマーが溶解可能な溶媒を用いてもよい。
溶液重合で使用する溶媒は、重合可能なモノマ、連鎖移動剤、ラジカル開始剤、及び、生成するバインダーポリマーを溶解可能であれば特に制限されないが、重合を行う温度以上の沸点を有することが好ましい。重合を行う温度が、使用する溶媒の沸点よりも高い場合には、加圧下での反応により行うことができる。
バインダーポリマーの重合に用いる有機溶媒としては、メトキシエタノール、エトキシエタノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、クロルベンゼン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、特に制限されない。これらは単独で、又は適宜混合して用いることができる。
(A)成分としては、1種類の特定バインダーポリマーを単独で使用してもよく、2種類以上の特定バインダーポリマーを任意に組み合わせて使用してもよい。また、特定バインダーポリマー以外のその他のバインダーポリマーを特定バインダーポリマーと共に用いてもよい。
バインダーポリマーの酸価は、現像性及び密着性にバランスよく優れる点では、90mgKOH/g〜250mgKOH/gであることが好ましく、100mgKOH/g〜240mgKOH/gであることがより好ましく、120mgKOH/g〜235mgKOH/gであることが更に好ましく、130mgKOH/g〜230mgKOH/gであることが特に好ましい。現像時間を更に短縮する点からは、この酸価は90mgKOH/g以上であることが好ましく、100mgKOH/g以上であることがより好ましく、120mgKOH/g以上であることが更に好ましく、130mgKOH/g以上であることが特に好ましい。また、感光性樹脂組成物の硬化物の密着性を更に向上させる点からは、この酸価は250mgKOH/g以下であることが好ましく、240mgKOH/g以下であることがより好ましく、235mgKOH/g以下であることが更に好ましく、230mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
バインダーポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定(標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)した場合、現像性及び密着性がバランスよく優れる点では、20000〜100000であることが好ましく、23000〜80000であることがより好ましく、25000〜60000であることが更に好ましい。現像性に優れる点では、重量平均分子量は200000以下であることが好ましく、100000以下であることがより好ましく、80000以下であることが更に好ましく、60000以下であることが特に好ましい。密着性に優れる点では、重量平均分子量は20000以上であることが好ましく、23000以上であることがより好ましく、25000以上であることが更に好ましい。
バインダーポリマーの分散度(分子量の分散度)は、解像度に更に優れる点で、1.4以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましく、1.2以下であることが更に好ましい。分散度の下限値は特に制限はないが、通常1以上である。なお、本明細書において、「分散度」とは、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(多分散度:Mw/Mn)を意味する。
バインダーポリマーは、必要に応じて340nm〜430nmの範囲内の波長を有する光に対して感光性を有する特性基をその分子内に有していてもよい。特性基としては、後述する増感色素から水素原子を少なくとも1つ取り除いて構成される基を挙げることができる。
感光性樹脂組成物における(A)成分(特定バインダーポリマーを含む)の含有量は、フィルム形成性、感度及び解像度を更に向上させる点では、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部中に、30質量部〜70質量部であることが好ましく、35質量部〜65質量部であることがより好ましく、40質量部〜60質量部であることが更に好ましい。フィルム(感光性樹脂組成物層)の形成性に更に優れる点からは、この含有量は30質量部以上であることが好ましく、35質量部以上であることがより好ましく、40質量部以上であることが更に好ましい。また、感度及び解像度が更に優れる点からは、この含有量は、70質量部以下であることが好ましく、65質量部以下であることがより好ましく、60質量部以下であることが更に好ましい。
(B)成分:光重合性化合物
次に、光重合性化合物(以下「(B)成分」ともいう。)について説明する。(B)成分である光重合性化合物は、光重合が可能なものであれば特に制限はない。光重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する化合物であることが好ましい。エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する化合物、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物、分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上有する化合物等が挙げられる。
感光性樹脂組成物における(B)成分である光重合性化合物の含有量は、光硬化後に、架橋ネットワーク中の分子運動の抑制により膨潤を更に抑制させる観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部中に、1質量部〜60質量部であることが好ましく、5質量部〜55質量部であることがより好ましく、10質量部〜50質量部であることが更に好ましい。
分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物としては、例えば、ビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート化合物、水添ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート化合物、分子内にウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート化合物、分子内に(ポリ)オキシエチレン基及び(ポリ)オキシプロピレン基の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B)成分は、レジストパターンの密着性を更に向上させる観点から、ビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。感光性樹脂組成物が(B)成分としてビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート化合物を含む場合、その含有量としては、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部中に、1質量部〜50質量部であることが好ましく、5質量部〜50質量部であることがより好ましく、10質量部〜45質量部であることが更に好ましい。
ビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート化合物のうち、商業的に入手可能なものとしては、2,2−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(日立化成(株)、「FA−324ME」等)、2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル)プロパン(エチレンオキサイド平均10mol付加物)(日立化成(株)、「FA−321M」等)、2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシプロポキシ)フェニル)プロパン(エチレンオキサイド平均12mol及びプロピレンオキサイド平均4mol付加物)(日立化成(株)、「FA−3200MY」等)などが挙げられる。
水添ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート化合物としては、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)シクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。感光性樹脂組成物が水添ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート化合物を含む場合、その含有量としては、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部中に、1質量部〜50質量部であることが好ましく、5質量部〜40質量部であることがより好ましい。
また、(B)成分は、レジストパターンの屈曲性を更に向上させる観点から、光重合性化合物としてポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの少なくとも1種を含むことが好ましい。感光性樹脂組成物がポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む場合、その含有量としては、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部中に、5質量部〜30質量部であることが好ましく、10質量部〜25質量部であることがより好ましい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物としては、分子内に(ポリ)オキシエチレン基及び(ポリ)オキシプロピレン基の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの分子内において、(ポリ)オキシエチレン基及び(ポリ)オキシプロピレン基は、それぞれ連続してブロック的に存在しても、ランダムに存在してもよい。なお、(ポリ)オキシプロピレン基におけるプロピレン基は、n−プロピレン基又はイソプロピレン基のいずれであってもよい。また、イソプロピレン基を有する(ポリ)オキシプロピレン基において、プロピレン基の2級炭素が酸素原子に結合していてもよく、1級炭素が酸素原子に結合していてもよい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、(ポリ)n−ブチレンオキシ基、(ポリ)イソブチレンオキシ基、(ポリ)n−ペンチレンオキシ基、(ポリ)ヘキシレンオキシ基、これらの構造異性体等である炭素原子数4〜6程度の(ポリ)アルキレンオキシ基を有していてもよい。
(B)成分が、光重合性化合物として、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する光重合性化合物を含む場合、その含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部中に、5質量部〜60質量部であることが好ましく、5質量部〜55質量部であることがより好ましく、10質量部〜50質量部であることが更に好ましい。
(B)成分は、光重合性化合物として、分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上有する光重合性化合物の少なくとも1種を含んでいてもよい。
エチレン性不飽和結合を3つ以上有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の構造単位数が1〜5のもの)、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート及びテトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート又はジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記エチレン性不飽和結合を3つ以上有する化合物のうち、商業的に入手可能なものとしては、テトラメチロールメタントリアクリレート(新中村化学工業(株)、「A−TMM−3」等)、EO変性トリメチロールプロパントリメタクリレート(日立化成(株)、「TMPT21E」、「TMPT30E」等)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(サートマー(株)、「SR444」等)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業(株)、「A−DPH」等)、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)、「ATM−35E」等))などが挙げられる。
(B)成分が、光重合性化合物として、分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上有する光重合性化合物を含む場合、その含有量は、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる観点から、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部中に、3質量部〜30質量部であることが好ましく、5質量部〜25質量部であることがより好ましく、5質量部〜20質量部であることが更に好ましい。
(B)成分は、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる点、又は、スカム発生の抑制の点から、光重合性化合物として分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する光重合性化合物を含んでもよい。
分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する光重合性化合物としては、例えば、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート、フタル酸化合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。上記の中でも、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる観点から、ノニルフェノキシポリオキシエチレンアクリレート又はフタル酸化合物を含むことが好ましい。
(B)成分が、光重合性化合物として、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する光重合性化合物を含む場合、その含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部中に、1質量部〜20質量部であることが好ましく、3質量部〜15質量部であることがより好ましく、5質量部〜12質量部であることが更に好ましい。
感光性樹脂組成物における(B)成分全体の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して30質量部〜70質量部であることが好ましく、35質量部〜65質量部であることがより好ましく、35質量部〜50質量部であることが更に好ましい。この含有量が30質量部以上であると、充分な感度及び解像度が得られ易くなる傾向がある。70質量部以下であると、フィルム(感光性樹脂組成物層)を形成し易くなる傾向があり、また、良好なレジスト形状が得られ易くなる傾向がある。
(C)成分:光重合開始剤
感光性樹脂組成物は、(C)成分として光重合開始剤の少なくとも1種を含む。(C)成分である光重合開始剤としては、特に制限はなく、通常用いられる光重合開始剤から適宜選択することができる。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体(例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール)、2−(2−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体などが挙げられる。これらは1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(C)成分は、感度及び密着性を更に向上させる点から、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体の少なくとも1種を含むことが好ましく、2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体を含むことがより好ましい。2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体は、その構造が対称であっても非対称であってもよい。
感光性樹脂組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1質量部〜10質量部であることが好ましく、1質量部〜7質量部であることがより好ましく、2質量部〜6質量部であることが更に好ましく、3質量部〜5質量部であることが特に好ましい。(C)成分の含有量が0.1質量部以上であると、良好な感度、解像度又は密着性が得られ易くなる傾向があり、10質量部以下であると、良好なレジスト形状を得られ易くなる傾向がある。
(D)成分:増感色素
感光性樹脂組成物は、(D)成分として増感色素の少なくとも1種を含むことが好ましい。増感色素は、露光に用いる活性光線の吸収波長を有効に利用できるものであり、極大吸収波長が340nm〜420nmである化合物が好ましい。
増感色素としては、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、キサントン化合物、オキサゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、トリアゾール化合物、スチルベン化合物、トリアジン化合物、チオフェン化合物、ナフタルイミド化合物等が挙げられる。特に、解像度、密着性及び感度を更に向上できる観点から、ピラゾリン化合物又はアントラセン化合物を含むことが好ましい。(D)成分である増感色素は、1種類単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂組成物が(D)成分を含有する場合、感光性樹脂組成物における(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.05質量部〜5質量部であることがより好ましく、0.1質量部〜3質量部であることが更に好ましい。この含有量が0.01質量部以上であると、感度及び解像度が得られ易くなる傾向があり、10質量部以下であると、充分に良好なレジスト形状が得られ易くなる傾向がある。
(E)成分:水素供与体
感光性樹脂組成物は、露光部(露光部分)と未露光部(未露光部分)とのコントラスト(「イメージング性」ともいう)を良好にするため、(E)成分として露光部の反応時に光重合開始剤に対して水素を与えることができる水素供与体の少なくとも1種を含有することが好ましい。水素供与体としては、ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メタン、ロイコクリスタルバイオレット等が挙げられる。これらは1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂組成物が(E)成分を含む場合、その含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.05質量部〜5質量部であることがより好ましく、0.1質量部〜2質量部であることが更に好ましい。この含有量が0.01質量部以上であると、充分な感度が得られ易くなる傾向がある。10質量部以下であると、フィルム形成後、過剰な(E)成分が異物として析出することが抑制される傾向がある。
(その他の成分)
感光性樹脂組成物は、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン、ビクトリアピュアブルー、ブリリアントグリーン、メチルバイオレット等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ジフェニルアミン、ベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジエチルアニリン、2−クロロアニリン等の光発色剤、熱発色防止剤、4−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを含有してもよい。これらは、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。感光性樹脂組成物がその他の成分を含む場合、これらの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、それぞれ0.01質量部〜20質量部程度であることが好ましい。
[感光性樹脂組成物の溶液]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、更に必要に応じて、粘度を調整するために、有機溶剤の少なくとも1種を更に含んでいてもよい。有機溶剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;トルエン等の芳香族炭化水素溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。これらは1種類単独でも、2種類以上を併用してもよい。感光性樹脂組成物に含まれる有機溶剤の含有量は、目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、感光性樹脂組成物は、固形分が30質量%〜60質量%程度となる溶液として用いることができる。以下、有機溶剤を含む感光性樹脂組成物を「塗布液」ともいう。
上記塗布液を、後述する支持体、金属板等の表面上に付与(例えば、塗布)し、乾燥させることにより、感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成することができる。金属板としては特に制限されず、目的等に応じて適宜選択できる。金属板としては、銅、銅含有合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄含有合金などの金属板を挙げることができる。金属板として、好ましくは銅、銅含有合金、鉄含有合金等の金属板が挙げられる。
形成される感光性樹脂組成物層の厚みは、特に制限されず、その用途により適宜選択できる。例えば、乾燥後の厚みで1μm〜100μmであることが好ましい。金属板上に感光性樹脂組成物層を形成した場合、感光性樹脂組成物層の金属板とは反対側の表面を、保護層で被覆してもよい。保護層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
感光性樹脂組成物は、後述する感光性エレメントの感光性樹脂組成物層の形成に適用することができる。すなわち、本発明の別の実施形態は、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する特定バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物の感光性エレメントへの応用である。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、後述するレジストパターンの形成方法に使用できる。すなわち、本発明の別の実施形態は、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する特定バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物のレジストパターンの形成方法への応用である。
<感光性エレメント>
本実施形態の感光性エレメントは、支持体と、上記感光性樹脂組成物から形成されると共に前記支持体上に設けられた感光性樹脂組成物層とを備える。なお、前記感光性樹脂組成物層は塗膜であってもよい。本明細書でいう塗膜とは、感光性樹脂組成物が未硬化状態のものである。感光性エレメントは、必要に応じて保護層等のその他の層を有していてもよい。
図1に、感光性エレメントの一実施形態を示す。図1に示す感光性エレメント1では、支持体2、感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂組成物層3、及び、保護層4がこの順に積層されている。感光性エレメント1は、例えば、以下のようにして得ることができる。支持体2上に、塗布液(すなわち、有機溶剤を含む感光性樹脂組成物)を塗布して塗布層を形成し、これを乾燥することで感光性樹脂組成物層3を形成する。次いで、感光性樹脂組成物層3の支持体2とは反対側の面を保護層4で被覆することにより、支持体2と、該支持体2上に形成される感光性樹脂組成物層3と、該感光性樹脂組成物層3上に積層される保護層4とを備える、本実施形態の感光性エレメント1が得られる。感光性エレメント1は、保護層4を必ずしも備えなくてもよい。
支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンなどの耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。
支持体(重合体フィルム)の厚みは、1μm〜100μmであることが好ましく、5μm〜50μmであることがより好ましく、5μm〜30μmであることが更に好ましい。支持体の厚みが1μm以上であることで、支持体を剥離する際に支持体が破れることを抑制できる。また、100μm以下であることで、解像度の低下が抑制される。
保護層としては、感光性樹脂組成物層に対する接着力が、支持体の感光性樹脂組成物層に対する接着力よりも小さいものが好ましい。また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。ここで、「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものを意味する。すなわち、「低フィッシュアイ」とは、フィルム中の異物等が少ないことを意味する。
具体的に、保護層としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンなどの耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。市販のものとしては、王子製紙(株)のアルファンMA−410、E−200、信越フィルム(株)等のポリプロピレンフィルム、帝人(株)のPS−25等のPSシリーズのポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。なお、保護層4は支持体2と同一のものでもよい。
保護層の厚みは、1μm〜100μmであることが好ましく、5μm〜50μmであることがより好ましく、5μm〜30μmであることが更に好ましく、15μm〜30μmであることが特に好ましい。保護層の厚みが1μm以上であると、保護層を剥がしながら感光性樹脂組成物層及び支持体を基板上にラミネートする際、保護層が破れることを抑制できる。100μm以下であると、取扱い性と廉価性に優れる。
本実施形態の感光性エレメントは、具体的には、例えば、以下のようにして製造することができる。(A)成分:バインダーポリマー、(B)成分:光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を有機溶剤に溶解した塗布液を準備する工程と、前記塗布液を支持体上に付与(例えば、塗布)して塗布層を形成する工程と、前記塗布層を乾燥して感光性樹脂組成物層を形成する工程と、を含む製造方法で製造することができる。
感光性樹脂組成物の溶液の支持体上への塗布は、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法により行うことができる。
塗布層の乾燥は、塗布層から有機溶剤の少なくとも一部を除去することができれば特に制限はなく、例えば、70℃〜150℃、5分〜30分間乾燥することが好ましい。乾燥後、感光性樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下であることが好ましい。
感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により適宜選択することができる。乾燥後の厚みで1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましく、5μm〜40μmであることが更に好ましい。感光性樹脂組成物層の厚みが1μm以上であることで、工業的な塗工が容易になる。100μm以下であると、密着性及び解像度が充分に得られる傾向がある。
感光性樹脂組成物層の紫外線に対する透過率は、波長350nm〜420nmの範囲の紫外線に対して5%〜75%であることが好ましく、10%〜65%であることがより好ましく、15%〜55%であることが更に好ましい。この透過率が5%以上であると、充分な密着性が得られ易くなる傾向がある。75%以下であると、充分な解像度が得られ易くなる傾向がある。なお、透過率は、UV分光計により測定することができる。UV分光計としては、(株)日立製作所の228A型Wビーム分光光度計が挙げられる。
感光性エレメントは、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層などを更に有していてもよい。これらの中間層としては、例えば、特開2006−098982号公報に記載の中間層を本発明においても適用することができる。
得られた感光性エレメントの形態は特に制限されない。例えば、シート状であってもよく、又は、巻芯にロール状に巻き取った形状であってもよい。ロール状に巻き取る場合、支持体が外側になるように巻き取ることが好ましい。巻芯としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。このようにして得られたロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。梱包方法としては、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
本実施形態の感光性エレメントは、例えば、後述するレジストパターンの形成方法に好適に用いることができる。
<レジストパターンの形成方法>
上記感光性樹脂組成物を用いて、レジストパターンを形成することができる。本実施形態のレジストパターンの形成方法は、(i)基板上に、上記感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する感光層形成工程と、(ii)前記感光性樹脂組成物層の少なくとも一部の領域に活性光線を照射して、前記領域を光硬化させて硬化物領域を形成する露光工程と、(iii)前記感光性樹脂組成物層の前記硬化物領域以外の領域を前記基板上から除去して、前記硬化物領域であるレジストパターンを前記基板上に形成する現像工程と、を有する。レジストパターンの形成方法は、必要に応じて更にその他の工程を有していてもよく、感光層形成工程における感光性樹脂組成物層は塗膜であってもよい。
(i)感光層形成工程
まず、上記感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を基板上に形成する。基板としては、絶縁層と、該絶縁層上に形成される導体層とを備える基板(回路形成用基板)を用いることができる。
感光性樹脂組成物層の基板上への形成は、例えば、上記感光性エレメント1が保護層4を有している場合には、保護層4を除去した後、感光性エレメント1の感光性樹脂組成物層3を加熱しながら基板に圧着することにより行われる。これにより、基板と感光性樹脂組成物層3と支持体2とがこの順に積層される積層体が得られる。
この感光層形成工程は、密着性及び追従性の見地から、減圧下で行うことが好ましい。圧着の際の感光性樹脂組成物層及び基板の少なくとも一方に対する加熱は、70℃〜130℃の温度で行うことが好ましく、0.1MPa〜1.0MPa程度(1kgf/cm〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着することが好ましい。これらの条件は、特に制限されず、必要に応じて適宜選択される。なお、感光性樹脂組成物層を70℃〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理しなくともよい。回路形成用基板の予熱処理を行うことで密着性及び追従性を更に向上させることができる。
(ii)露光工程
露光工程では、上記のようにして基板上に形成された感光性樹脂組成物層の少なくとも一部の領域に活性光線を照射することで、活性光線が照射された露光部が光硬化して、潜像が形成される。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する支持体が活性光線に対して透明である場合には、支持体を通して活性光線を照射することができる。一方、支持体が活性光線に対して遮光性を示す場合には、支持体を除去した後に感光性樹脂組成物層に活性光線を照射する。
露光方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。また、LDI(Laser Direct Imaging)露光法又はDLP(Digital Light Processing)露光法等の直接描画露光法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
活性光線の光源としては、特に制限されず、公知の光源を用いることができる。例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザ等のガスレーザ、YAGレーザ等の固体レーザ、半導体レーザ及び窒化ガリウム等の青紫色レーザ等の紫外線、可視光等を有効に放射するものが用いられる。
活性光線の波長(露光波長)としては、本発明の効果をより確実に得る観点から、340nm〜430nmの範囲内であることが好ましく、350nm〜420nmの範囲内であることがより好ましい。
(iii)現像工程
現像工程では、感光性樹脂組成物層の未硬化部分が回路形成用基板上から現像処理により除去されることで、感光性樹脂組成物層が光硬化した硬化物であるレジストパターンが基板上に形成される。感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去してから、未露光部の除去(現像)を行う。現像処理には、ウェット現像とドライ現像とがあるが、ウェット現像が広く用いられている。
ウェット現像による場合、感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、公知の現像方法により現像する。現像方法としては、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッビング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられ、解像度向上の観点からは、高圧スプレー方式が好ましい。これら2種以上の方法を組み合わせて現像を行ってもよい。
現像液は、感光性樹脂組成物の構成に応じて適宜選択される。現像液としては、アルカリ性水溶液、有機溶剤現像液等が挙げられる。
アルカリ性水溶液は、現像液として用いられる場合、安全且つ安定であり、操作性が良好である。アルカリ性水溶液の塩基としては、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ;リチウム、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩、その他、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム)、メタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノ−2−プロパノール、モルホリンなどが用いられる。
現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1質量%〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1質量%〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1質量%〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1質量%〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲であることが好ましい。また、その温度は、感光性樹脂組成物層のアルカリ現像性に合わせて調節される。アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
アルカリ性水溶液は、1種以上の有機溶剤を含んでいてもよい。用いる有機溶剤としては、アセトン、酢酸エチル、炭素原子数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。有機溶剤を含む場合、有機溶剤の含有量は、アルカリ性水溶液を基準として、2質量%〜90質量%であることが好ましい。また、その温度は、アルカリ現像性に合わせて調整することができる。現像に用いるアルカリ性水溶液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入していてもよい。
有機溶剤現像液に用いられる有機溶剤としては、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤に、引火防止のため、1質量%〜20質量%の範囲で水を添加して有機溶剤現像液とすることが好ましい。
レジストパターンの形成方法では、未露光部を除去した後、必要に応じて60℃〜250℃の加熱又は0.2J/cm〜10J/cmのエネルギー量での露光を行うことにより、レジストパターンを更に硬化する工程を更に含んでもよい。
<プリント配線板の製造方法>
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、上記レジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング処理又はめっき処理する工程を含む。本実施形態のプリント配線板の製造方法は、例えば、絶縁層と、該絶縁層上に形成された導体層とを備える基板(回路形成用基板)の該導体層上に、上記レジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング処理又はめっき処理して、導体パターンを形成する工程を含む。プリント配線板の製造方法は、必要に応じてレジスト除去工程等のその他の工程を含んでいてもよい。基板のエッチング処理又はめっき処理は、形成されたレジストパターンをマスクとして、基板の導体層等に対して行われる。
エッチング処理では、基板上に形成されたレジストパターン(硬化レジスト)をマスクとして、硬化レジストによって被覆されていない回路形成用基板の導体層をエッチング除去し、導体パターンを形成する。エッチング処理の方法は、除去すべき導体層に応じて適宜選択される。エッチング液としては、塩化第二銅水溶液、塩化第二鉄水溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素エッチング液等が挙げられる。これらの中でもエッチファクタが良好な点から、塩化第二鉄水溶液を用いることが好ましい。
一方、めっき処理では、基板上に形成されたレジストパターン(硬化レジスト)をマスクとして、硬化レジストによって被覆されていない回路形成用基板の導体層上に銅、はんだ等をめっきする。めっき処理の後、硬化レジストを除去し、更にこの硬化レジストによって被覆されていた導体層をエッチング処理して、導体パターンを形成する。めっき処理の方法は、電解めっき処理であっても、無電解めっき処理であってもよい。めっき処理としては、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケル等のニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっき等の金めっきなどが挙げられる。
エッチング処理及びめっき処理の後、基板上のレジストパターンは除去(剥離)される。レジストパターンの除去は、例えば、現像工程に用いたアルカリ性水溶液よりも更に強アルカリ性の水溶液を用いて行うことができる。この強アルカリ性の水溶液としては、1質量%〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1質量%〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。中でも1質量%〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液又は1質量%〜10質量%水酸化カリウム水溶液を用いることが好ましく、1質量%〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液又は1質量%〜5質量%水酸化カリウム水溶液を用いることがより好ましい。強アルカリ性の水溶液のレジストパターンへの付与方式としては、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、これらは1種類単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
めっき処理を施してからレジストパターンを除去した場合、更にエッチング処理によって硬化レジストで被覆されていた導体層を除去し、導体パターンを形成することで所望のプリント配線板を製造することができる。エッチング処理の方法は、除去すべき導体層に応じて適宜選択される。例えば、上述のエッチング液を適用することができる。
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、単層プリント配線板のみならず多層プリント配線板の製造にも適用可能であり、また、小径スルーホールを有するプリント配線板等の製造にも適用可能である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、配線板の製造に好適に使用することができる。すなわち、本発明の好適な実施形態の一つは、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有する特定バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物のプリント配線板の製造への応用である。
また、より好適な実施形態は、前記感光性樹脂組成物の高密度パッケージ基板の製造への応用であり、前記感光性樹脂組成物のセミアディティブ工法への応用である。以下に、セミアディティブ工法による配線板の製造工程の一例について図面を参照しながら説明する。
図2(a)では、絶縁層15上に導体層10が形成された基板(回路形成用基板)を準備する。導体層10は、例えば、金属銅層である。図2(b)では、上記感光層形成工程により、基板の導体層10上に感光性樹脂組成物層32を形成する。図2(c)では、感光性樹脂組成物層32上にマスク20を配置し、上記露光工程により、活性光線50を感光性樹脂組成物層32に照射して、マスク20が配置された領域以外の領域を露光して、感光性樹脂組成物層32に光硬化部を形成する。図2(d)では、感光性樹脂組成物層32において光硬化部以外の領域を現像工程により基板上から除去することにより、光硬化部であるレジストパターン30を基板上に形成する。図2(e)では、光硬化部であるレジストパターン30をマスクとしためっき処理により、導体層10上にめっき層42を形成する。図2(f)では、光硬化部であるレジストパターン30を強アルカリの水溶液により剥離した後、フラッシュエッチング処理により、めっき層42の一部とレジストパターン30でマスクされていた導体層10とを除去して回路パターン40を形成する。導体層10とめっき層42とでは、材質が同じであっても、異なっていてもよい。図2ではマスク20を用いてレジストパターン30を形成する方法について説明したが、マスク20を用いずに直接描画露光法によりレジストパターン30を形成してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<バインダーポリマーの合成>
[バインダーポリマー(A−1)の合成]
還流冷却器、温度計、撹拌器及び窒素ガス導入管を備えた500mLセパラブルフラスコに、重合性単量体(モノマ)であるメタクリル酸27g、メタクリル酸ベンジル28g及びスチレン45g(質量比27/28/45)と、クミルジチオベンゾエート1.24gと、アゾビスイソブチロニトリル0.15gとを加えて混合することにより「溶液a」を得た。
次いで、フラスコ内の溶液aを、室温で窒素をバブリングし、30分間撹拌した。なお、本発明でいう室温とは、25℃を意味する。
次いで、温度を65℃に上げ30分間撹拌し、その後、温度を70℃に上げ2時間撹拌した。
反応液の粘度が上がったら、別途、窒素を30分間バブリングしておいたプロピレングリコールモノメチルエーテル/トルエン(質量比3/2)混合物を46g加えて更に2時間撹拌した。
反応液を冷却後、ヘキサン1Lに投入し沈殿物を回収し、70℃で2時間真空乾燥した。固形物をプロピレングリコールモノメチルエーテル/トルエン(質量比3/2)混合物120gに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.6gを加えて、溶液の色が桃赤色から薄黄色になるまで75℃で撹拌した。
冷却後、反応液をヘキサン1Lに投入し沈殿物を回収し、70℃で2時間真空乾燥した。固形物をプロピレングリコールモノメチルエーテル/トルエン(質量比3/2)混合物に固形分が40%になるように溶解し、バインダーポリマー(A−1)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−1)の重量平均分子量は32000であり、分散度は1.2であった。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
GPC条件
ポンプ:日立 L−6000型((株)日立製作所)
カラム:以下の計3本、カラム仕様:10.7mmφ×300mm
Gelpack GL−R440
Gelpack GL−R450
Gelpack GL−R400M(以上、日立化成(株))
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
試料濃度:固形分が41.2質量%のバインダーポリマー溶液を120mg採取し、5mLのTHFに溶解して試料を調製した。
測定温度:40℃
注入量:200μL
圧力:49Kgf/cm(4.8MPa)
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所)
[バインダーポリマー(A−2)の合成]
重合性単量体(モノマ)であるメタクリル酸60g、メタクリル酸ベンジル210g及びメタクリル酸メチル30g(質量比20/70/10)と、クミルジチオベンゾエート1.24gと、アゾビスイソブチロニトリル1.0gとを混合して得た溶液を「溶液b」とし、溶液aの代わりに溶液bを用いたほかは、バインダーポリマー(A−1)の溶液を得るのと同様にして、バインダーポリマー(A−2)の溶液を得た。バインダーポリマー(A−2)の重量平均分子量は31000であり、分散度は1.2であった。
[バインダーポリマー(A−3)の合成]
重合性単量体(モノマ)であるメタクリル酸81g、メタクリル酸ベンジル69g、スチレン135g及びメタクリル酸メチル15g(質量比27/23/45/5)と、アゾビスイソブチロニトリル1.5gとを混合して得た溶液を「溶液c」とした。
メチルセロソルブ60g及びトルエン40g(質量比3/2)混合液100gに、アゾビスイソブチロニトリル0.5gを溶解して得た溶液を「溶液d」とした。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ180g及びトルエン120g(質量比3/2)混合液300gを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みつつ撹拌しながら加熱し、80℃まで昇温させた。
フラスコ内の上記混合液に、上記溶液cを4時間かけて滴下速度を一定にして滴下した後、80℃にて2時間撹拌した。次いで、フラスコ内の溶液に、上記溶液dを10分間かけて滴下速度を一定にして滴下した後、フラスコ内の溶液を80℃にて3時間撹拌した。更に、フラスコ内の溶液を30分間かけて撹拌しながら90℃まで昇温させ、90℃にて2時間撹拌した後、室温まで冷却して撹拌を止め、バインダーポリマー(A−3)の溶液を得た。バインダーポリマー(A−3)の重量平均分子量は44000であり、分散度は2.2であった。
[バインダーポリマー(A−4)の合成]
重合性単量体(モノマ)であるメタクリル酸60g、メタクリル酸ベンジル210g及びメタクリル酸メチル30g(質量比20/70/10)と、アゾビスイソブチロニトリル1.0gとを混合して得た溶液を「溶液e」とし、溶液cの代わりに溶液eを用いたほかは、バインダーポリマー(A−3)の溶液を得るのと同様にして、バインダーポリマー(A−4)の溶液を得た。バインダーポリマー(A−4)の重量平均分子量は44000であり、分散度は2.2であった。
バインダーポリマー(A−1)〜(A−4)について、重合性単量体(モノマ)の質量比(%)、重量平均分子量、分散度及び重合法を表1に示す。
Figure 2016033637
<感光性樹脂組成物の溶液の調製>
表2及び表3に示す(A)〜(E)成分及び染料を同表に示す配合量(単位:g)で、アセトン9g、トルエン5g及びメタノール5gと共に混合することにより、実施例1〜4及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物の溶液をそれぞれ調製した。表2及び表3に示す(A)成分の配合量は不揮発分の質量部(固形分量)である。表2及び表3に示す各成分の詳細については、以下のとおりである。なお、「−」は未配合を意味する。
(A)バインダーポリマー
上記のとおり合成したバインダーポリマー(A−1)〜(A−4)を用いた。
(B)光重合性化合物
・FA−321M:2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル)プロパン(エチレンオキサイド平均10mol付加物)(日立化成(株)、「FA−321M」)
・FA−324ME:2,2−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(日立化成(株)、「FA−324ME」)
・FA−3200MY:2,2−ビス(4−(メタクリロキシエトキシプロポキシ)フェニル)プロパン(エチレンオキサイド平均12mol及びプロピレンオキサイド平均4mol付加物)(日立化成(株)、「FA−3200MY」)
・FA−024M:(PO)(EO)(PO)変性ジメタクリレート(エチレンオキサイド平均6mol及びプロピレンオキサイド平均12mol付加物)(日立化成(株)、「FA−024M」)
・FA−MECH:(2−ヒドロキシ−3−クロロ)プロピル−2−メタクリロイルオキシエチルフタレート(日立化成(株)、「FA−MECH」)
・TMPT21E:EO変性トリメチロールプロパントリメタクリレート(エチレンオキサイド平均21mol付加物)(日立化成(株)、「TMPT21E」)
(C)光重合開始剤
・B−CIM:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール[2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体](Hampford社、「B−CIM」)
(D)増感色素
・DBA:9,10−ジブトキシアントラセン(川崎化成工業(株)「DBA」)
・PYR−1:1−フェニル−3−(4−メトキシスチリル)−5−(4−メトキシフェニル)ピラゾリン((株)日本化学工業所、「PYR−1」)
(E)水素供与体
・LCV:ロイコクリスタルバイオレット(山田化学(株)、「LCV」)
染料
・MKG:マラカイトグリーン(大阪有機化学工業(株)、「MKG」)
Figure 2016033637
Figure 2016033637
<感光性エレメントの作製>
上記で得られた感光性樹脂組成物の溶液を、それぞれ厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)、「FB−40」)(支持体)上に厚みが均一になるように塗布し、70℃及び110℃の熱風対流式乾燥器で順次乾燥処理して、乾燥後の膜厚が25μmである感光性樹脂組成物層を形成した。この感光性樹脂組成物層上にポリプロピレンフィルム(王子製紙(株)、「E−200K」)(保護層)を貼り合わせ、支持体と、感光性樹脂組成物層と、保護層とが順に積層された感光性エレメントをそれぞれ得た。
<積層基板の作製>
ガラスエポキシ材と、その両面に形成された銅箔(厚さ16μm)とを有する銅張積層板(日立化成(株)、「MCL−E−679F」)(以下、「基板」という。)を加熱して80℃に昇温させた後、実施例1〜4及び比較例1〜4に係る感光性エレメントを用いて、各々、基板の銅表面上に感光性樹脂組成物層を形成(ラミネート)した。ラミネートは、保護層を除去しながら、各感光性エレメントの感光性樹脂組成物層が基板の銅表面に密着するようにして、温度120℃、ラミネート圧力4kgf/cm(0.4MPa)の条件下で行った。このようにして、基板の銅表面上に感光性樹脂組成物層及び支持体が積層された積層基板を得た。
得られた積層基板を23℃まで放冷した。次に、積層基板の支持体上に、濃度領域0.00〜2.00、濃度ステップ0.05、タブレットの大きさ20mm×187mm、各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットを有するフォトツールを配置した。波長405nmの青紫色レーザダイオードを光源とする直描露光機(日立ビアメカニクス(株)、「DE−1UH」)を使用して、100mJ/cmのエネルギー量(露光量)でフォトツール及び支持体を介して感光性樹脂組成物層に対して露光した。なお、照度の測定には、405nm対応プローブを適用した紫外線照度計(ウシオ電機(株)、「UIT−150」)を用いた。
<感度の評価>
露光後、積層基板から支持体を剥離し、感光性樹脂組成物層を露出させ、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーすることにより現像処理し、未露光部を除去した。このようにして、基板の銅表面上に感光性樹脂組成物の硬化物であるレジストパターンを形成した。レジストパターン(硬化膜)として得られたステップタブレットの残存段数(ステップ段数)を測定することにより、感光性樹脂組成物の感度を評価した。感度は、上記ステップ段数により示され、この段数が高いほど感度が良好であることを意味する。結果を表4及び表5に示す。
<解像度の評価>
ライン幅(L)/スペース幅(S)(L/S)が3/3〜30/30(単位:μm)である描画パターンを用いて、41段ステップタブレットの残存段数が15段となるエネルギー量で上記積層基板の感光性樹脂組成物層に対して露光(描画)した。露光後、上記感度の評価と同様の現像処理を行った。
現像後、スペース部分(未露光部)がきれいに除去され、且つ、ライン部分(露光部)が蛇行、欠け等の不良を生じることなく形成されたレジストパターンにおけるライン幅/スペース幅の値のうちの最小値により、解像度を評価した。この数値が小さいほど解像度が良好であることを意味する。なお、得られたレジストパターンは、顕微鏡を用いて、倍率1000倍で拡大して観察することで不良の有無を確認した。結果を表4及び表5に示す。
Figure 2016033637
Figure 2016033637
表4及び表5から明らかなように、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有するバインダーポリマーと、光重合性化合物とを含有し、バインダーポリマーの重量平均分子量が20000以上であり、バインダーポリマーが可逆的付加開裂連鎖移動重合により得られるポリマーである感光性樹脂組成物を用いることで、比較例の感光性樹脂組成物を用いる場合に比べて、解像度に優れるレジストパターンが形成できることが分かった。また、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有するバインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、バインダーポリマーの重量平均分子量が20000以上であり、バインダーポリマーの分散度が1.4以下である感光性樹脂組成物を用いることで、比較例の感光性樹脂組成物を用いる場合に比べて、解像度に優れるレジストパターンが形成できることが分かった。
1…感光性エレメント、2…支持体、3…感光性樹脂組成物層、4…保護層、10…導体層、15…絶縁層、20…マスク、30…レジストパターン、32…感光性樹脂組成物層、40…回路パターン、42…めっき層。

Claims (6)

  1. (メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有するバインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、
    前記バインダーポリマーの重量平均分子量が20000以上であり、
    前記バインダーポリマーが可逆的付加開裂連鎖移動重合により得られるポリマーである、感光性樹脂組成物。
  2. (メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有するバインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、
    前記バインダーポリマーの重量平均分子量が20000以上であり、
    前記バインダーポリマーの分散度が1.4以下である、感光性樹脂組成物。
  3. 支持体と、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物から形成されると共に前記支持体上に設けられた感光性樹脂組成物層と、を備える、感光性エレメント。
  4. 基板上に、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する感光層形成工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の少なくとも一部の領域に活性光線を照射して、前記領域を光硬化させて硬化物領域を形成する露光工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の前記硬化物領域以外の領域を前記基板上から除去して、前記硬化物領域であるレジストパターンを前記基板上に形成する現像工程と、を有する、レジストパターンの形成方法。
  5. 前記活性光線の波長が340nm〜430nmの範囲内である、請求項4に記載のレジストパターンの形成方法。
  6. 請求項4又は5に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング処理又はめっき処理する工程を含む、プリント配線板の製造方法。
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