JP2016033074A - 外径情報生成装置、記録装置、及び外径情報生成方法 - Google Patents

外径情報生成装置、記録装置、及び外径情報生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送ローラの外径情報を生成すること。【解決手段】外径情報生成装置は、搬送ローラにより媒体が第1位置及び第2位置それぞれに搬送されたことを判断する処理と、搬送ローラにより媒体が第1位置に搬送されたと判断された時点から、当該媒体が第2位置に搬送されたと判断された時点までの第1時間を算出する処理と、搬送ローラにより媒体が搬送されるときの、エンコーダから出力されるパルス信号のパルス周期を取得する処理と、搬送ローラの外径が基準外径であるときに搬送ローラにより媒体が第1位置から第2位置まで搬送される際にエンコーダから出力されるパルス信号のパルス数を示す基準パルス数に、取得したパルス周期を乗算して第2時間を算出する処理と、第1時間と第2時間とを比較して、搬送ローラの外径情報を生成する外径情報生成処理とを実行する。【選択図】図5

Description

本発明は、搬送ローラの外径情報を生成するための外径情報生成装置、及び、それを備えた記録装置、並びに外径情報生成方法に関する。
特許文献1には、被記録材を搬送する搬送駆動ローラ(搬送ローラ)を備え、搬送駆動ローラにより被記録材を所定の搬送量で搬送する制御を実行するインクジェット記録装置が記載されている。このようなインクジェット記録装置においては、搬送駆動ローラにより被記録材を搬送する際に、搬送制御量と実際の被記録材の搬送量との間に搬送誤差が生じる。特許文献1に記載されたインクジェット記録装置では、被記録材の端部を非接触で検出可能な、第1PWセンサ及び第2PWセンサを搬送方向に沿って間隔αをもって配設させ、被記録材が第1PWセンサにより検出された時点から、第2PWセンサにより検出されるまでの搬送制御量を取得し、この搬送制御量と間隔αとの関係から搬送誤差を算出している。
特開2007−98759号公報
ところで、上記搬送誤差が生じる要因として、搬送駆動ローラの外径の変化や搬送駆動ローラの駆動モータの特性のバラツキなど種々の要因がある。上記特許文献1に記載されたインクジェット記録装置では搬送誤差を算出することはできるが、この搬送誤差が搬送駆動ローラの外径の変化により生じたのか否か判断することができない。
そこで、本発明の目的は、搬送ローラの外径情報を生成することが可能な外径情報生成装置、及びそれを備えた記録装置、並びに外径情報生成方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の外径情報生成装置は、媒体を搬送経路に沿って搬送するための搬送ローラと、前記搬送ローラの回転に伴って、この回転に関連付けられたパルス信号を出力するためのエンコーダと、前記搬送経路上の第1位置、及び前記第1位置よりも搬送方向下流側の第2位置の少なくとも何れかを検出位置として、当該検出位置に媒体が存在するか否かを検出するための検出センサと、前記搬送ローラの外径情報を生成するための外径情報生成手段とを備え、前記外径情報生成手段は、前記検出センサの検出結果に基づき、前記搬送ローラにより媒体が前記第1位置及び前記第2位置それぞれに搬送されたことを判断する判断処理と、前記搬送ローラにより媒体が前記第1位置に搬送されたことを前記判断処理により判断された時点から、当該媒体が前記第2位置に搬送されたことを前記判断処理により判断された時点までの第1時間を算出する第1時間算出処理と、前記搬送ローラにより媒体が搬送されるときの、前記エンコーダから出力される前記パルス信号のパルス周期を取得するパルス周期取得処理と、前記搬送ローラの外径が基準外径であるときに前記搬送ローラにより媒体が前記第1位置から前記第2位置まで搬送される際に前記エンコーダから出力される前記パルス信号のパルス数を示す基準パルス数に、前記パルス周期取得処理により取得した前記パルス周期を乗算して第2時間を算出する第2時間算出処理と、前記第1時間算出処理により算出された前記第1時間と、前記第2時間算出処理により算出された前記第2時間とを比較して、前記搬送ローラの外径情報を生成する外径情報生成処理とを実行することを特徴とする。
また、本発明の記録装置は、上記記載の外径情報生成装置と、前記搬送機構により搬送される媒体に画像を記録するための記録ヘッドと、前記記録ヘッドを制御するための記録制御手段とを備え、前記記録制御手段は、前記外径情報生成手段の前記外径情報生成処理により生成された前記外径情報に基づいて、前記記録ヘッドのドット記録タイミングを制御する記録タイミング制御処理を実行することを特徴とする。
また、本発明の外径情報生成方法は、媒体を搬送するための搬送ローラの外径が基準外径であるときに、前記搬送ローラにより媒体が搬送経路上の第1位置から前記搬送経路上の前記第1位置よりも搬送方向下流側の第2位置まで搬送される際に、前記搬送ローラの回転に伴ってこの回転に関連付けられたパルス信号を出力するためのエンコーダから出力されるパルスの数を示す基準パルス数を、記憶部に記憶する第1工程と、前記検出センサの検出結果に基づき、前記搬送ローラにより媒体が前記第1位置及び前記第2位置それぞれに搬送されたことを判断する第2工程と、前記第2工程において前記搬送ローラにより媒体が前記第1位置に搬送されたと判断された時点から当該媒体が前記第2位置に搬送されたと判断された時点までの第1時間を算出する第3工程と、前記第2工程において前記搬送ローラにより媒体が搬送されるときの前記エンコーダから出力される前記パルス信号のパルス周期を取得する第4工程と、前記第1工程において前記記憶部に記憶された前記基準パルス数に、前記第4工程において取得された前記パルス周期を乗算して第2時間を算出する第5工程と、前記第3工程において算出された前記第1時間と、前記第5工程において算出された前記第2時間とを比較して、前記搬送ローラの外径情報を生成する第6工程と、を備えていることを特徴とする。
第1時間は、搬送ローラの外径が変化すると、それに伴い変化する時間であり、搬送ローラの外径が大きくなるほど短くなり、外径が小さくなるほど長くなる。一方で、第2時間は、搬送ローラの外径が変化しても、それに伴っては変化しない。従って、この第1時間と第2時間とを比較することで、搬送ローラの外径情報を生成することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの概略側面図である。 図1に示すヘッド本体の部分断面図である。 図1に示すインクジェットプリンタの電気構成図である。 (a)及び(b)は、用紙センサの検出信号と、ロータリーエンコーダからのパルス信号の出力タイミングとの関係を示すタイミングチャートである。 (a)は第1時間取得回路により取得される第1時間と、第2時間取得回路により取得される第2時間のシミュレーション結果を示す図であり、(b)は吐出周期生成回路のブロック線図である。 搬送ローラの外径情報生成及び補正係数の決定に係る一連の処理を示すフロー図である。 変形例に係る吐出周期生成回路のブロック線図である。
以下、本発明の好適な実施形態として、外径情報生成装置(外径情報生成回路62)を備えるインクジェットプリンタ(記録装置)101について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、インクジェットプリンタ101は、ブラックのインクを吐出するインクジェットヘッド(記録ヘッド)1を有するモノクロインクジェットプリンタである。インクジェットプリンタ101は、略直方体形状の筐体101aを有しており、その筐体101aの天板上部には排紙部25が設けられている。この筐体101aには、ユーザに対して種々の画像を表示するディスプレイ49(図3参照)が設けられている。筐体101aの内部空間には、インクジェットヘッド1(以下、ヘッド1と称す)、用紙Pを搬送する搬送機構10、複数枚の用紙Pを積層状態で収納する用紙トレイ20、及び、インクジェットプリンタ101全体の動作を司る制御装置100などが配置されている。また、筐体101aの内部空間には、図示しないカートリッジが装着されている。このカートリッジには、ブラックインクが貯留されている。カーリッジは、チューブ及びポンプ(ともに図示せず)を介してヘッド1と接続され、インクがヘッド1に供給される。
ヘッド1は、主走査方向に長尺な略直方体形状を有し、その下方で支持枠3に固定されている。つまり、このインクジェットプリンタ101はライン式のプリンタである。ヘッド1は、その下面に複数の吐出口108(図2参照)が開口した吐出面2aが形成されたヘッド本体2と、ヘッド本体2に供給されるインクを貯留するためのリザーバユニット(図示せず)を有している。カートリッジから供給されるインクは、このリザーバユニットに一時的に貯留される。ここで、主走査方向とは、後述するPFローラ対14により搬送される用紙Pの搬送方向(副走査方向)と直交する、水平面に平行な方向である。
ヘッド本体2は、図2に示すように、流路ユニット9と、流路ユニット9の上面に固定されたアクチュエータユニット21とを含む積層体である。流路ユニット9内には、リザーバユニットと連通するマニホールド流路91、及び、マニホールド流路91の出口から圧力室92を経て吐出口108に至る多数の個別インク流路93が形成されている。流路ユニット9の下面は吐出面2aとなっており、多数の吐出口108が配置されている。また、圧力室92は、流路ユニット9におけるアクチュエータユニット21の固定面において、吐出口108と同様に多数配置されている。なお、吐出口108は、主走査方向に関して主走査方向解像度である600dpiの間隔で配列されている。
次に、アクチュエータユニット21について説明する。アクチュエータユニット21は、各圧力室92に対向した複数のアクチュエータを含んでいる。各アクチュエータは、圧力室92内のインクに吐出周期毎に選択的に吐出エネルギーを付与する。具体的には、アクチュエータユニット21は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる3枚の圧電シートから構成されている。各圧電シートは、いずれも複数の圧力室92に跨るサイズを有した連続平板である。最上層の圧電シート上における圧力室92に対向する位置のそれぞれには、個別電極23が形成されている。最上層の圧電シートとその下側の圧電シートとの間にはシート全面にわたって共通電極24が介在している。
共通電極24は、すべての圧力室92に対応する領域において等しくグランド電位に保持されている。一方、個別電極23は、ドライバIC22と電気的に接続されている。ドライバIC22は、制御装置100から送信される吐出波形に基づいてパルス状の駆動波形を有する駆動信号を生成し、生成した駆動信号をアクチュエータユニット21の複数の個別電極23にそれぞれ供給する。つまり、駆動波形に応じて、個別電極23の電位を、パルス高さに相当する所定の駆動電位とグランド電位の間で切り換えるようになっている。このように、アクチュエータユニット21において、個別電極23と圧力室92とで挟まれた部分が、個別のアクチュエータとして働き、圧力室92の数に対応した複数のアクチュエータが作り込まれている。
ここで、アクチュエータユニット21の作用について述べる。アクチュエータユニット21は、圧力室92から最も離れた1枚の圧電シートを活性層とし、且つ残り2枚の圧電シートを非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプのアクチュエータである。個別電極23に駆動信号が入力されることにより、これに対応する圧電シートが変形して圧力室92内のインクに圧力(吐出エネルギー)が付与され、吐出口108からインク滴が吐出される。
なお、本実施形態においては、個別電極23に予め所定の駆動電位を付与しておき、吐出要求があるごとに一旦個別電極23にグランド電位を付与し、その後所定のタイミングにて再び所定の駆動電位を個別電極23に付与するような駆動信号をドライバIC22から出力させる。この場合、個別電極23がグランド電位になるタイミングで、圧力室92内のインクの圧力が降下してマニホールド流路91から個別インク流路93へとインクが吸い込まれる。その後、再び個別電極23が駆動電位になるタイミングで、圧力室92内のインクの圧力が上昇し、吐出口108からインク滴が吐出される。
上記構成のヘッド本体2を有するヘッド1は、制御装置100の制御により、副走査方向に600dpiの間隔で吐出口108からのインクが用紙P上に着弾するように、インクの吐出間隔(吐出周期)が制御される。すなわち、本実施形態においては、主走査方向解像度及び副走査方向解像度はいずれも600dpiであり、用紙P上には、主走査方向と副走査方向とにそれぞれ1/600インチ間隔の格子状に区画された複数のドット位置が規定されるように構成されている。
図1に戻って、搬送機構10は、ピックアップローラ11と、上流側ローラ対12,13と、PFローラ対14と、下流側ローラ対15〜17と、ガイド18とを含んでいる。ガイド18は、用紙トレイ20からヘッド1とプラテン19との間を通過して排紙部25まで至る用紙Pの搬送経路を規定する。ピックアップローラ11は、制御装置100によって制御されるピックアップモータ41(図3参照)により回転駆動されて、用紙トレイ20内の用紙Pを1枚ずつ送出する。上流側ローラ対12,13は、ピックアップローラ11により用紙トレイ20から送出された用紙Pを挟持しつつ、PFローラ対14に向けて搬送する。上流側ローラ対12,13のそれぞれにおける一方のローラは、制御装置100によって制御される上流側モータ42(図3参照)の駆動によって回転する駆動ローラであり、他方のローラは一方のローラの回転に伴って回転する従動ローラである。
PFローラ対14は、上流側ローラ対12,13から搬送されてきた用紙Pを受け取り、当該用紙Pを挟持しつつ、ヘッド1とプラテン19との間を通過させて下流側ローラ対15に向けて搬送する。PFローラ対14における一方のローラは、制御装置100によって制御されるPFモータ43(図3参照)の駆動によって回転する駆動ローラ14aであり、他方のローラは一方のローラの回転に伴って回転する従動ローラ14bである。このPFローラ対14により用紙Pがプラテン19の上面に支持されつつヘッド1の真下を通過する際に、制御装置100の制御により、ヘッド1の複数の吐出口108から用紙Pの表面に向けてインクが吐出される。これにより用紙P上に所望のモノクロ画像が記録される。
PFローラ対14の駆動ローラ14aの回転軸には、ロータリーエンコーダ45が設置されている。ロータリーエンコーダ45は、駆動ローラ14aの回転に伴って、この回転に関連付けられたパルス信号を制御装置100に出力する。詳細は後述するが、制御装置100は、このロータリーエンコーダ45から出力されたパルス信号に基づいて、ヘッド1からのインク滴の吐出タイミング(ドット記録タイミング)を制御する。
下流側ローラ対15〜17は、PFローラ対14から搬送されてきた、画像が記録された用紙Pを受け取り、当該用紙Pを挟持しつつ、排紙部25に向けて搬送する。下流側ローラ対15〜17のそれぞれにおける一方のローラは、制御装置100によって制御される下流側モータ44(図3参照)の駆動によって回転する駆動ローラであり、他方のローラは一方のローラの回転に伴って回転する従動ローラである。
また、PFローラ対14よりも搬送方向上流側には用紙センサ28が配置されている。用紙センサ28は、搬送経路上におけるPFローラ対14よりも搬送方向上流側の第1位置を検出位置として、当該検出位置に用紙Pが存在するか否かを検出するための検出センサである。本実施形態では、用紙センサ28は、発光部と受光部とを有する透過型又は反射型の光学センサであり、受光部が発光部からの光を受光できたか否かに基づいて用紙Pの先端及び後端が検出位置を通過したことをそれぞれ検出する。そして、用紙センサ28は、その検出結果として、検出位置に用紙Pが存在する場合には(用紙Pの先端が検出位置を通過してから用紙の後端が検出位置を通過するまでの間)ON信号を制御装置100に出力し、用紙Pが存在しない場合にはOFF信号を制御装置100に出力する。これにより、制御装置100は、用紙センサ28が用紙Pの先端を検出したときには用紙Pが第1位置に搬送されたと判断することが可能となり、用紙センサ28が用紙Pの後端を検出したときには用紙Pが第2位置に搬送されたと判断することが可能となる。なお、第2位置とは、搬送経路上における第1位置よりも搬送方向下流側の位置であり、本実施形態では、第1位置よりも、用紙Pの搬送方向に関する長さ(用紙の縦方向の長さ)の距離だけ搬送方向下流側の位置である。
また、この用紙センサ28は、ヘッド1からのインク吐出開始タイミングを決定するために用いられる。具体的には、用紙Pの先端が第1位置に搬送された時点から、第1位置とヘッド1(詳細には最も搬送方向上流にある吐出口108)との距離を用紙Pの搬送速度で除算して得られる時間が経過した時点がインク吐出開始タイミングとなる。
なお、本実施形態では、第1位置とヘッド1との距離は、用紙Pの搬送方向に関する長さよりも短い。従って、用紙センサ28が用紙Pの後端を検出したときには、用紙Pの先端はヘッド1に既に到達しており、ヘッド1の吐出口108からインク滴が吐出されて当該用紙Pに対する画像の記録が開始されている。
次に、図3を参照しつつ、制御装置100について詳細に説明する。制御装置100は、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)35等を備えており、これらはバスによって互いに接続されている。ROM32には、CPU31等により実行される制御プログラム32aが記憶されている。RAM33は、制御プログラム32aが読み出される作業領域として、或いはデータを一時的に記憶する記憶領域として利用される。CPU31は、ホストコンピュータ(不図示)から送信された記録指令に基づいて、ヘッド1やモータ41〜44等を、ASIC35を介して制御して、用紙Pに画像を記録する画像記録動作を実行する。
RAM33は、印刷データ記憶部33a、パルス数記憶部33b、及び補正係数記憶部33cを有する。
印刷データ記憶部33aは、ホストコンピュータから送信された印刷データを記憶するものである。印刷データには、用紙Pに記録すべき画像に関する画像データが含まれる。パルス数記憶部33bは、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径が基準外径であるときに、PFローラ対14により用紙Pが搬送経路上の第1位置から第2位置まで搬送される際にロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数を示す基準パルス数SNが記憶されている。本実施形態において、基準外径とは、インクジェットプリンタ101の工場出荷前における駆動ローラ14aの外径である。
この基準パルス数SNは、工場出荷前において、外径が基準外径であるPFローラ対14により用紙Pを実際に搬送経路上の第1位置から第2位置まで搬送させた際に、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数を実測することで取得することができる。なお、パルス数記憶部33bに記憶させる基準パルス数SNとして、工場出荷前の同一モデルの他のインクジェットプリンタ101により実測したものを代用してもよい。また、PFローラ対14により用紙Pを実際に搬送経路上の第1位置から第2位置まで搬送させたときの搬送時間を制御装置100のシステムクロック等で計測するとともに、そのときのロータリーエンコーダ45から出力されたパルス信号のパルス周期の平均値を取得し、この搬送時間をパルス周期の平均値で除算することで基準パルス数SNを求めてもよい。この場合、基準パルス数SNを、整数単位よりも細かい単位(例えば、基準パルス数が7016.3など)で取得することが可能となる。また、駆動ローラ14aの基準外径の大きさ、1パルス周期当たりの駆動ローラ14aの回転量(用紙Pの搬送量)、及び用紙サイズ等からシミュレーションにより基準パルス数SNを求めてもよい。このようにシミュレーションで求める場合においても、整数単位よりも細かい単位で基準パルス数SNを取得することが可能となる。
なお、インクジェットプリンタ101が用紙サイズの異なる複数種の用紙Pに画像記録が可能なプリンタである場合には、パルス数記憶部33bには複数種の用紙サイズそれぞれに対応する複数種の基準パルス数SNが記憶されている。
補正係数記憶部33cは、吐出周期の補正に用いられる後述する補正係数KEが記憶される。工場出荷時において、この補正係数記憶部33cには、補正係数KEとして「1.0」が記憶されている。
ASIC35は、搬送制御回路61、外径情報生成回路62及びヘッド制御回路63を備えている。
搬送制御回路61は、ピックアップモータ41を制御して、用紙トレイ20内に積載された用紙Pが送出されるようピックアップローラ11を駆動する。また、搬送制御回路61は、上流側モータ42、PFモータ43、及び下流側モータ44を制御して、用紙トレイ20から送出された用紙Pが、搬送経路に沿って所定の設定速度で搬送されるよう上流側ローラ対12,13、PFローラ対14及び下流側ローラ対15〜17を駆動する。
ここで、PFローラ対14の駆動ローラ14aは、経時によりその外径が変化する。例えば、駆動ローラ14aに用紙Pの紙粉等が付着することで外径が大きくなる場合や、摩耗により外径が小さくなる場合がある。このように駆動ローラ14aの外径が変化すると、駆動ローラ14aの角速度が一定だとしても、周速度が変化することになるため、PFローラ対14により搬送される用紙Pの搬送速度が変化することになる。このため、用紙Pの実際の搬送速度が、設定速度から外れる虞がある。加えて、本実施形態では、ロータリーエンコーダ45から出力される、駆動ローラ14aの回転に関連付けられたパルス信号に基づいて、ヘッド1からのインク滴の吐出周期(吐出タイミング)が制御される。このため、駆動ローラ14aの外径が変化した場合、吐出口108から吐出されたインクが用紙Pに着弾して形成されるドットの搬送方向に関するドット間隔の距離が変化することになるため、用紙Pに記録される画像の品質が劣化する虞がある。
そこで、本実施形態では、外径情報生成回路62が、用紙トレイ20から送出される用紙P毎に、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径情報を生成する。そして、ヘッド制御回路63が、この生成された外径情報に基づいて吐出周期を制御するように構成されている。
外径情報生成回路62は、判断回路65、第1時間取得回路66、パルス取得回路67、第2時間取得回路68、及び比較回路69を備えている。判断回路65は、用紙センサ28からの検出信号に基づき、PFローラ対14により用紙Pが搬送経路上の第1位置及び第2位置それぞれに搬送されたことを判断する回路である。
第1時間取得回路66は、PFローラ対14により用紙Pが第1位置に搬送されたと判断回路65により判断された時点から、当該用紙Pが第2位置に搬送されたと判断回路65により判断された時点までの期間(以下、媒体検出期間とも称す)の長さである第1時間T1を計測して取得するための回路である。この第1時間T1は、PFローラ対14による用紙Pの搬送速度が変化した場合には、その長さも変化する時間である。このため、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径が変化した場合や、PFモータ43のモータ速度が変化した場合には、第1時間T1の長さも変化することになる。なお、本実施形態において、第1時間T1の計測は、制御装置100のシステムクロック(本実施形態では、クロック周波数が100MHzのシステムクロック)から出力されるクロック信号に基づいて行われる。
パルス取得回路67は、PFローラ対14により用紙Pが搬送される上記媒体検出期間内の、ロータリーエンコーダ45から出力されたパルス信号を取得するとともに、それぞれのパルス周期を計測して、当該計測したパルス周期を平均することでパルス周期の平均値PMを取得するための回路である。このパルス周期の平均値PMは、PFモータ43のモータ速度の変化に伴い変化するが、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径の変化に伴っては変化しない。本実施形態では、このパルス周期の計測も、システムクロックから出力されるクロック信号に基づいて行われる。
なお、パルス取得回路67によりパルス周期の平均値PMを取得することで、PFモータ43の速度偏差を知ることができる。本実施形態では、搬送制御回路61は、このPFモータ43の速度偏差に基づいてPFモータ43の速度制御を行う(例えば、PFモータ43の速度偏差の累積値が零となるように速度制御が行われる)。これにより、PFローラ対14による用紙Pの搬送を安定化させることができるので、用紙Pに記録される画像の品質を向上させることができる。
第2時間取得回路68は、パルス取得回路67により取得されたパルス周期の平均値PMに、RAM33のパルス数記憶部33bに記憶された基準パルス数SNを乗算して第2時間T2を取得するための回路である。ここで、基準パルス数SNは定数であるため、第2時間T2は、パルス周期の平均値PMと同様に、PFモータ43のモータ速度の変化に伴い変化するが、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径の変化に伴っては変化しない。
比較回路69は、第1時間取得回路66により取得された第1時間T1と、第2時間取得回路68により取得された第2時間T2とを比較して、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径情報を生成する。
詳細には、第1時間T1及び第2時間T2は共に、下記式1で表すことができる。
時間=用紙Pを第1位置から第2位置まで搬送させる際のロータリーエンコーダ45のパルス数(小数点以下も表現したパルス数)×ロータリーエンコーダ45のパルス周期(又はパルス周期の平均値)・・・・(式1)
ここで、第2時間T2の算出の際に用いられるパルス周期は、上述したように媒体検出期間におけるパルス周期の平均値である。従って、この第2時間T2と、媒体検出期間の長さを示す第1時間T1それぞれを表す上記式1中のロータリーエンコーダ45のパルス周期は同じとなる。従って、第1時間T1と第2時間T2とは、上記ロータリーエンコーダ45のパルス数が同じとなれば同じ長さとなる。換言すれば、PFローラ対14の駆動ローラ14aの現在の外径が基準外径である場合には、第1時間T1と第2時間T2とは一致することになる。これに対して、駆動ローラ14aの外径が基準外径よりも大きい場合には第1時間T1は第2時間T2よりも小さくなり、駆動ローラ14aの外径が基準外径よりも小さい場合には、第1時間T1は第2時間T2よりも大きくなる。この第1時間T1と第2時間T2との大小関係は、PFモータ43のモータ速度等の駆動ローラ14aの外径変化以外の要因により用紙Pの搬送速度が変動した場合でも成り立つ。従って、この第1時間T1と第2時間T2とを比較することで、駆動ローラ14aの現在の外径と基準外径との大小関係の判断や、その外径の大きさを推定することが可能となる。
ところで、駆動ローラ14aの外径の大きさと、駆動ローラ14aにより用紙Pを所定距離搬送させる際にロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数とは反比例の関係にある。即ち、駆動ローラ14aの外径が大きくなるほど、駆動ローラ14aにより用紙Pを所定距離搬送させる際にロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数は少なくなる。従って、パルス取得回路67により媒体検出期間内においてロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数を取得し、このパルス数と予め取得しておいた基準パルス数SNとを比較することで、駆動ローラ14aの外径が基準外径よりも大きいか否かを判断して駆動ローラ14aの外径情報を生成することも可能である。しかしながら、このパルス数同士を比較して生成される外径情報は、本実施形態のように第1時間T1と第2時間T2とを比較して生成される外径情報と比べて精度が低い。以下、詳細に説明する。
本実施形態では、上述したようにクロック周波数が100MHzのシステムクロックを用いて第1時間T1を計測しているため、その分解能は10nsである。一方で、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス周期は、当該パルス周期を吐出周期の生成に利用しているため、そのパルス周期は10nsよりも大きく、具体的には、50μs程度である。このため、PFローラ対14により用紙Pが第1位置に搬送されたと判断回路65により判断された時点から、当該用紙Pが第2位置に搬送されたと判断回路65により判断された時点までの媒体検出期間内において、システムクロックから発生するクロック信号の数は、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数よりも多くなる。
従って、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス周期が一定であり、このロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号を用いて媒体検出期間の時間計測をすると仮定した場合において、このロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号を用いて計測される時間の精度は、システムクロックを用いて計測された時間よりも精度が低くなる。換言すれば、システムクロックを用いて計測した方が、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号を用いて計測する場合よりも、その計測分解能は高くなる。このため、システムクロックを用いて計測された第1時間T1を、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数として置き換えた場合には、そのパルス数を整数単位よりも細かい単位で表すことができる(小数点以下も表現することができる)。
ここで、用紙センサ28からの検出信号により、システムクロックに基づいて計測される第1時間T1が、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数として置き換えると2.9個分に相当する場合(図4(a)参照)と、1.1個分に相当する場合(図4(b)参照)について考える。なお、図4の例では、説明を簡単にするために、第1時間T1に相当するパルス数の数を極端に少なくしている。
第1時間T1が2.9個分のパルス数に相当する場合において、図4(a)に示すように、ロータリーエンコーダ45からパルス信号が出力された直後に用紙センサ28からON信号が出力されると、媒体検出期間内にロータリーエンコーダ45から実際に出力されるパルス信号のパルス数は2となる。一方で、第1時間T1が1.1個分のパルス数に相当する場合において、図4(b)に示すように、用紙センサ28からON信号が出力された直後にロータリーエンコーダ45からパルス信号が出力されると、媒体検出期間内にロータリーエンコーダ45から実際に出力されるパルス信号のパルス数は2となる。このように、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号を用いる方法だと、図4(a)と図4(b)とでは、システムクロックに基づいて計測される第1時間T1としては、1.8個分のパルス数(パルス周期)ほど異なっているにもかかわらず、ロータリーエンコーダ45から実際に出力されるパルス信号のパルス数は何れも2となり、両者を区別することができない。
このため、例えば、図4(b)に示す状態において、予め取得した基準パルス数SNを仮に2個とした場合には、媒体検出期間内にロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数と基準パルス数SNとが同じとなるため、駆動ローラ14aの外径が実際には大きくなっているにも関わらす、駆動ローラ14aの外径は変動していないと判断してしまう可能性がある。また、先に少し触れたように、基準パルス数SNはシミュレーション等で整数単位よりも細かい単位で取得することができる。ここで、図4(b)に示す状態において、予め取得した基準パルス数SNが1.9個である場合には、媒体検出期間内にロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数は基準パルス数SNよりも大きくなる。このため、駆動ローラ14aの外径が実際には大きくなっているにも関わらす、駆動ローラ14aの外径が小さくなっていると誤って判断してしまう可能性がある。以上のように、パルス数同士を比較して生成された外径情報は、精度が高くはない。
これに対して、本実施形態のように第1時間T1と第2時間T2とを比較して外径情報を生成する方法では、上述したように第1時間T1はシステムクロックに基づいて計測されるため、第1時間T1の精度は十分に高い。また、第2時間T2は、基準パルス数SNに、システムクロックに基づいて計測されたパルス周期の平均値PMを乗算して求められるため、この第2時間T2についても精度は十分に高い。従って、本実施形態では、共に精度が高い第1時間T1と第2時間T2とを比較しているため、精度が高い外径情報を生成することができる。
図5(a)は、PFモータ43のモータ速度が標準モータ速度であるときのパルス周期の平均値PMを50μs、基準パルス数SNを7016とした際の、第1時間T1及び第2時間T2のシミュレーション結果である。図5(a)は、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径が、基準外径、基準外径よりも1%だけ大きい外径、基準外径よりも1%だけ小さい外径それぞれの場合における、PFモータ43のモータ速度が、標準モータ速度、標準モータ速度よりも5%だけ速いモータ速度、標準モータ速度よりも5%だけ遅いモータ速度であったときの第1時間T1及び第2時間T2のシミュレーション結果を示している。図5(a)からも分かるように、PFモータ43のモータ速度が変更したとしても、駆動ローラ14aの現在の外径と基準外径との大小関係により定まる第1時間T1と第2時間T2の大小関係は変わらない。例えば、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径が、基準外径よりも1%だけ大きい外径の場合には、PFモータ43のモータ速度が、標準モータ速度、標準モータ速度よりも5%だけ速いモータ速度、標準モータ速度よりも5%だけ遅いモータ速度の何れにおいても、第1時間T1は第2時間T2よりも小さくなる。
ここで、第1時間T1と比較するのが、第2時間T2ではなく、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径が変化したとしても、変化しない予め定められた所定時間(固定値)であった場合について考える。説明の便宜上、ここでは、固定値が、図5(a)のシミュレーション結果における、PFモータ43のモータ速度が標準モータ速度であり、且つ、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径が基準外径であるときの第2時間T2と同じ値(350.8ms)であるものとして説明する。図5(a)に示すように、PFモータ43のモータ速度が標準モータ速度であり、且つ、駆動ローラ14aの外径が基準外径よりも1%だけ大きい外径の場合、及びPFモータ43のモータ速度が標準モータ速度よりも5%だけ速いモータ速度であり、且つ、駆動ローラ14aの外径が基準外径である場合の何れの場合においても第1時間T1は固定値(350.8ms)よりも小さくなる。このため、PFモータ43のモータ速度の変化により第1時間T1が固定値よりも小さくなったのか、駆動ローラ14aの外径の変化により第1時間T1が固定値よりも小さくなったのか判断することができない。
一方で、本実施形態では、PFモータ43のモータ速度の変化に応じてそれぞれ変化する、第1時間T1と第2時間T2とを比較しているので、駆動ローラ14aの外径情報を正確に生成することが可能となる。
比較回路69は、第1時間T1が第2時間T2よりも大きい場合には駆動ローラ14aの外径が基準外径よりも小さいことを示す外径情報を生成し、第1時間T1と第2時間T2が一致する場合には駆動ローラ14aの外径が基準外径と同じであることを示す外径情報を生成し、第1時間T1が第2時間T2よりも小さい場合には駆動ローラ14aの外径が基準外径よりも大きいことを示す外径情報を生成する。本実施形態では、この外径情報には、第1時間T1と第2時間T2との差分値T3も含められている。そして、比較回路69は、生成した外径情報に係る画像が表示されるようディスプレイ49を制御する。これにより、ユーザが駆動ローラ14aの外径情報を把握することが可能となる。なお、変形例として、駆動ローラ14aの外径が基準外径と異なる場合のみ、その外径情報に係る画像が表示されるようディスプレイ49を制御してもよい。また、比較回路69は、第1時間T1と第2時間T2との差が所定値以上の場合には、駆動ローラ14aの交換や駆動ローラ14aに付着した異物を除去することを促す画像が表示されるようディスプレイ49を制御してもよい。本実施形態では、ディスプレイ49が報知手段に相当する。
ヘッド制御回路63は、搬送制御回路61によって制御された角速度で回転駆動される駆動ローラ14aに同期させて、PFローラ対14により搬送される用紙Pに対して、印刷データ記憶部33aに記憶されている印刷データに係る画像が記録されるように、ヘッド1からのインク滴の吐出周期(ドット記録タイミング)を制御するための回路である。ヘッド制御回路63は、吐出周期生成回路71と、吐出波形発生回路72とを有している。
吐出周期生成回路71は、外径情報生成回路62により生成された外径情報に基づいて、PFローラ対14により搬送される用紙Pに係るヘッド1からインク滴を吐出させる吐出周期を生成する。ここで、上述したように、用紙センサ28の検出位置である第1位置とヘッド1との間の距離は、用紙Pの搬送方向に関する長さよりも短い。このため、或る用紙PがPFローラ対14により搬送経路上の第1位置から第2位置に搬送されることで外径情報生成回路62により生成された外径情報に基づいて、当該或る用紙Pに対して吐出させるインク滴の吐出周期を生成することはできない。そこで、本実施形態では、この或る用紙Pに係る吐出周期は、当該或る用紙Pよりも前(例えば、1つ前)にPFローラ対14により搬送経路に沿って搬送された用紙Pについての外径情報に基づいて生成する。
詳細には、吐出周期生成回路71は、用紙Pが搬送経路に沿って搬送されて外径情報生成回路62により外径情報が生成される毎に、この外径情報に基づいて、次に搬送される用紙Pに係る吐出周期の補正係数KEを決定し、補正係数記憶部33cに記憶する。そして、吐出周期生成回路71は、次に搬送される用紙Pに係る吐出周期を生成するに際して、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス周期に対して補正係数記憶部33cに記憶された補正係数KEを乗ずることによって定まる周期を上記吐出周期として生成する。なお、本実施形態では、駆動ローラ14aの外径が基準外径であるときに、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス周期と、ヘッド1の吐出口108からインク滴を吐出させる吐出周期とが同期するように構成されている。即ち、駆動ローラ14aの外径が基準外径であるときに、パルス信号に関する1パルス周期の間に用紙Pが搬送される距離と、用紙P上に規定されるドットの搬送方向に関するドット間の距離とが一致するように構成されている。このため、外径情報生成回路62により生成された外径情報が、駆動ローラ14aの現在の外径が基準外径と同じであることを示す情報(第1時間T1と第2時間T2との差分値T3が零)である場合には補正係数KEは「1.0」となる。なお、先に少し触れたように、工場出荷時における駆動ローラ14aの外径は基準外径であるため、工場出荷時においては補正係数記憶部33cには、補正係数KEとして「1.0」が記憶されている。
次に、吐出周期生成回路71の補正係数KEの決定処理に係る制御内容について、図5(b)を参照しつつ説明する。図5(b)は、吐出周期生成回路71の制御系を示すブロック線図である。
この制御系では、図5(b)に示すように、まず、第1時間T1から第2時間T2を減算した差分値T3が外径情報として入力される。そして、この差分値T3を、パルス取得回路67により取得されたパルス周期の平均値PMと基準パルス数SNとの乗算値で除算した値を制御偏差Diffとする。この制御偏差Diffに「1.0」を加算した値を補正係数KEとして決定する。なお、変形例として、制御偏差Diffを求める際に、基準パルス数SNの代わりに、第1時間T1を平均値PMで除算して求められるパルス数を用いてもよい。
外径情報生成回路62により生成された外径情報が、駆動ローラ14aの外径が基準外径よりも大きいことを示す情報である場合には、差分値T3が負の値となるため、補正係数KEは「1.0」よりも小さい正の数となる。これにより、吐出周期生成回路71により生成される吐出周期は、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス周期よりも短い周期となる。
また、外径情報生成回路62により生成された外径情報が、駆動ローラ14aの外径が基準外径よりも小さいことを示す情報である場合には、差分値T3が正の値となるため、補正係数KEは「1.0」よりも大きい正の数となる。これにより、吐出周期生成回路71により生成される吐出周期は、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス周期よりも大きい周期となる。
以上のように吐出周期が調整されることで、1吐出周期の間に用紙Pが搬送される距離と、用紙P上に規定されるドットの搬送方向に関するドット間の距離とを一致させることが可能となる。その結果として、用紙Pに記録される画像の品質を向上させることができる。
吐出波形発生回路72は、用紙センサ28からの検出結果に基づいて、ヘッド1からのインク吐出開始タイミングを決定する。具体的には、用紙Pが第1位置に搬送された時点から、第1位置とヘッド1との距離を用紙Pの搬送速度で除算して得られる時間が経過した時点をインク吐出開始タイミングとする。なお、用紙Pの搬送速度は、パルス取得回路67により取得されたパルス周期の平均値PM、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径、及びロータリーエンコーダ45の1パルス当たりの駆動ローラ14aの回転角度に基づいて算出することができる。本実施形態では、用紙Pの搬送速度の算出に際して、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径として、基準外径を用いる。変形例として、第1時間取得回路66により取得された第1時間T1と、第2時間取得回路68により取得された第2時間T2と、基準外径とに基づいて、PFローラ対14の駆動ローラ14aの現在の外径を推定し、この推定した外径を用いて用紙Pの搬送速度を算出してもよい。
そして、吐出波形発生回路72は、決定したインク吐出開始タイミングにて、印刷データ記憶部33aに記憶された印刷データに基づく吐出口108からのインク滴の吐出が開始され、且つ、吐出周期生成回路71により生成された吐出周期と同期して吐出口108からインク滴が吐出されるように、アクチュエータユニット21を駆動するための吐出波形を発生させる。吐出波形発生回路72により発生された吐出波形は、ヘッド1のドライバIC22に出力される。ドライバIC22はこの吐出波形に従って駆動パルスを生成して、アクチュエータユニット21の個別電極23それぞれに供給して、吐出口108からインク滴を吐出させる。
次に、駆動ローラ14aの外径情報生成、及び補正係数KEの決定に係る一連の処理について、図6を参照しつつ説明する。
まず、インクジェットプリンタ101の工場出荷前において、CPU31は、基準パルス数SNを取得する処理を実行する(S1:第1工程の一部)。詳細には、CPU31は、搬送制御回路61を介して、ピックアップモータ41、上流側モータ42、PFモータ43、及び下流側モータ44を制御して、用紙トレイ20内に積載された一枚の用紙Pを搬送経路に沿って搬送する。そして、パルス取得回路67により、PFローラ対14により用紙Pが第1位置に搬送されたと判断回路65により判断された時点から、当該用紙Pが第2位置に搬送されたと判断回路65により判断された時点までの媒体検出期間内において、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス数を取得する。このパルス取得回路67により媒体検出期間内に取得したパルス信号のパルス数を基準パルス数SNとする。
次に、CPU31は、取得した基準パルス数SNをRAM33のパルス数記憶部33bに記憶する(S2:第1工程の一部)。
そして、インクジェットプリンタ101の工場出荷後において、CPU31は、ホストコンピュータから記録指令を受信したか否かを判断する(S3)。記録指令を受信したと判断した場合(S3:YES)にはCPU31は、印刷データ記憶部33aに記憶された印刷データに基づき、一枚の用紙Pに係る1ページ分の画像記録を開始する(S4)。詳細には、CPU31は、搬送制御回路61を介して、ピックアップモータ41、上流側モータ42、PFモータ43、及び下流側モータ44を制御して、用紙トレイ20内に積載された一枚の用紙Pの搬送経路に沿った搬送を開始する。
次に、判断回路65がPFローラ対14により用紙Pが第1位置に搬送されたか否かを判断する(S5:第2工程の一部)。そして、用紙Pが第1位置に搬送されたと判断していない場合(S5:NO)には、用紙Pが第1位置に搬送されたと判断されるまで待機する。一方で、用紙Pが第1位置に搬送されたと判断した場合(S5:YES)には、パルス取得回路67がロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス周期の取得を開始する(S6)。このとき、第1時間取得回路66がシステムクロックを用いた第1時間T1の計測を開始する。
また、CPU31は、吐出周期生成回路71及び吐出波形発生回路72を介して、ヘッド1の吐出制御を開始する(S7)。詳細には、吐出周期生成回路71が、ロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス周期に対して補正係数記憶部33cに記憶された補正係数KEを乗ずることによって定まる周期を吐出周期として生成する。そして、吐出波形発生回路72が、決定したインク吐出開始タイミングにて吐出口108からのインク滴の吐出が開始され、且つ、吐出周期生成回路71により生成された吐出周期と同期して吐出口108からインク滴が吐出されるように、アクチュエータユニット21を駆動するための吐出波形を発生する。
次に、判断回路65がPFローラ対14により用紙Pが第2位置に搬送されたか否かを判断する(S8:第2工程の一部)。そして、用紙Pが第2位置に搬送されたと判断していない場合(S8:NO)には、用紙Pが第2位置に搬送されたと判断されるまで待機する。一方で、用紙Pが第2位置に搬送されたと判断した場合(S8:YES)には、第1時間取得回路66が、システムクロックを用いた第1時間T1の計測を終了して、第1時間T1を算出する(S9:第3工程)。また、パルス取得回路67が、PFローラ対14により用紙Pが第1位置に搬送されたと判断回路65により判断された時点から、当該用紙Pが第2位置に搬送されたと判断回路65により判断された時点までの媒体検出期間内において計測したパルス信号のパルス周期を平均して、パルス周期の平均値PMを取得する(S10:第4工程)。
次に、第2時間取得回路68が、パルス取得回路67により取得されたパルス周期の平均値PMに、RAM33のパルス数記憶部33bに記憶された基準パルス数SNを乗算して第2時間T2を取得する(S11:第5工程)。そして、比較回路69が、第1時間取得回路66により取得された第1時間T1と、第2時間取得回路68により取得された第2時間T2とを比較して、PFローラ対14の駆動ローラ14aの外径情報を生成する。そして、生成した外径情報に係る画像が表示されるようディスプレイ49を制御する。(S12:第6工程)。
次に、吐出周期生成回路71が、比較回路69により生成された外径情報に基づいて補正係数KEを決定し、補正係数記憶部33cに更新記憶する(S13)。その後、CPU31は、印刷データ記憶部33aに記憶された印刷データに係る全てのページについての画像記録が終了したか否かを判断する(S14)。全てのページについての画像記録が終了したと判断した場合(S14:YES)には、ステップS3の処理に戻る。一方で、全てのページについての画像記録が終了していないと判断した場合(S14:NO)には、ステップS4の処理に戻り、次のページに係る画像の記録を開始する。以上、駆動ローラ14aの外径情報生成、及び補正係数KEの決定に係る一連の処理について説明した。
以上、本実施形態によると、駆動ローラ14aの外径の変化に伴い変化する第1時間T1と、駆動ローラ14aの外径の変化に伴っては変化しない第2時間T2とを比較することで、駆動ローラ14aの外径情報を生成することができる。
また、第2時間T2の算出に用いられるパルス周期は、媒体検出期間においてロータリーエンコーダ45から出力されるパルス信号のパルス周期の平均値PMであるため、第2時間T2をより正確に算出することができ、その結果として、より精度の高い外径情報を生成することが可能となる。
また、本実施形態では、この精度の高い外径情報を用いて、インク滴の吐出周期が調整されるため、用紙Pに記録される画像の品質を向上させることができる。
(変形例)
次に、図7を参照しつつ吐出周期生成回路の変形例について説明する。上述の実施形態では、吐出周期生成回路71は、一枚の用紙PがPFローラ対14により搬送される際に生成される一の外径情報(第1時間T1と第2時間T2)のみを利用して、補正係数KEを決定していたが、本変形例に係る吐出周期生成回路171では、過去に生成された複数の用紙Pそれぞれに係る複数の外径情報も利用して補正係数KEを決定する点である。
吐出周期生成回路171の制御系は、図7に示すように、PID(Proportional-Integral-Derivative)制御部172を有している。PID制御部172は、制御偏差Diffを入力値として、出力する操作量Mnを、比例動作、積分動作、及び微分動作(比例積分微分演算)により制御する。比例動作は、制御偏差Diffに比例ゲイン(Kp)を乗算することで、現在の制御偏差Diffの大きさに比例した操作量Mpを出力する動作である。積分動作は、制御偏差Diffの時間積分に積分ゲイン(Ki)を乗算することで、過去の制御偏差Diffの累積値に比例した操作量Miを出力する動作である。微分動作は、制御偏差Diffの時間微分に微分ゲイン(Kd)を乗算することで、将来の制御偏差Diffの変化速度に比例した操作量Mdを出力する動作である。なお、比例ゲイン(Kp)、積分ゲイン(Ki)、及び微分ゲイン(Kd)それぞれは、比例積分微分演算において、比例動作、積分動作、及び微分動作それぞれのウエイトが最適となるように、シミュレーション等により予め決められている。
PID制御部172により出力される操作量Mnは、これら3つの操作量Mp,Mi,Mdが足しあわされたものである。吐出周期生成回路171は、このPID制御部172から出力される操作量Mnに、「1.0」を加算した値を補正係数KEとして決定する。
以上のように、吐出周期生成回路171は、PID制御部172により制御偏差Diffに対して比例積分微分演算をして操作量Mnを調整することで、より最適な補正係数KEを決定することが可能となる。その結果として、この補正係数KEによる吐出周期の調整がより最適化されて、用紙Pに記録される画像の品質をさらに向上させることができる。
なお、本変形例では制御偏差Diffに対して比例積分微分演算を行うことにより操作量(補正係数KE)を調整しているが、駆動ローラ14aの外径の時間変動は小さい(制御偏差Diffの時間変化が小さい)と考えられるため、吐出周期生成回路171が、PID制御部の代わりにPI制御部を有し、このPI制御部により制御偏差Diffに対して比例積分演算を行うことにより操作量(補正係数KE)を調整してもよい。
また、PID制御部172に入力する制御偏差Diffは、差分値T3を、パルス取得回路67により取得されたパルス周期の平均値PMと基準パルス数SNとの乗算値で除算した値としていたが、差分値T3を基準パルス数SNで除算した値としてもよい。
また、本変形例では、複数の外径情報も利用して補正係数KEを決定する方法として、制御偏差Diffに対して比例積分微分演算を行うことにより補正係数KEを決定する方法を採用していたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、過去の所定期間内において生成された複数の外径情報それぞれの制御偏差Diffを平均した平均値を求め、この平均値に「1.0」を加算することで補正係数KEを決定してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した実施形態においては、1つの用紙センサ28からの検出信号に基づき、判断回路65が、PFローラ対14により用紙Pが搬送経路上の第1位置及び第2位置それぞれに搬送されたことを判断していたが、搬送経路に沿って複数の用紙センサを配置し、これら複数の用紙センサからの検出信号に基づき、用紙Pが搬送経路上の第1位置及び第2位置それぞれに搬送されたことを判断してもよい。例えば、搬送経路上の第1位置を検出位置とする第1用紙センサと第2位置を検出位置とする第2用紙センサを設け、判断回路65が、第1用紙センサが用紙Pの先端を検出したときに用紙Pが第1位置に搬送されたと判断し、第2用紙センサが用紙Pの先端を検出したときに用紙Pが第2位置に搬送されたと判断してもよい。
また、複数の用紙センサを設ける場合には、第1位置と第2位置との間の距離が、用紙Pの搬送方向に関する長さと同じである必要はない。加えて、上述の実施形態では、第1位置とヘッド1との距離は、用紙Pの搬送方向に関する長さよりも短くされていたが、特にこれに限定されるものではなく、用紙Pの搬送方向に関する長さよりも長くてもよい。
また、第2位置がヘッド1よりも搬送方向上流側となってもよい。この場合、用紙Pが第2位置に到達した時点では、ヘッド1の吐出口108から未だインク滴が吐出されていないため、外径情報生成回路62により生成された当該用紙Pに係る外径情報に基づき、当該用紙Pに対してのインク滴の吐出周期を調整してもよい。
また、上述の実施形態では、第2時間取得回路68は、第2時間T2を算出する際に、基準パルス数SNを乗算するパルス周期として、媒体検出期間内にロータリーエンコーダ45から出力されたパルス信号のパルス周期の平均値PMを採用していたが、特にこれに限定されるものではなく、媒体検出期間内にロータリーエンコーダ45から出力されたパルス信号の或る一パルス周期を採用してもよい。また、媒体検出期間の一部の期間において出力されたパルス信号のパルス周期の平均値を採用してもよく、媒体検出期間以外の期間においてPFローラ対14により用紙Pが搬送される際にロータリーエンコーダ45から出力されたパルス信号のパルス周期の平均値を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、駆動ローラ14aの基準外径は工場出荷時の外径とされていたが、特にこれに限定されるものではなく、工場出荷後のある時点における、駆動ローラ14aの外径を実測したものやシミュレーションにより推測したものであってもよい。また、上述の実施形態では、基準パルス数SNについては工場出荷前に取得するように構成されているが、工場出荷後に取得してもよい。例えば、標準紙の以外の用紙を搬送する際には、パルス数記憶部33bにはその用紙に対応する基準パルス数SNが記憶されていないため、用紙サイズセンサ等を用いて用紙サイズを計測した後、当該用紙サイズ、駆動ローラ14aの基準外径の大きさ、及び1パルス周期当たりの駆動ローラ14aの回転量に基づき、基準パルス数SNをシミュレーションで取得するように構成されていてもよい。
また、第2時間取得回路68、比較回路69、及び吐出周期生成回路71(171)については、ASIC35内のハードウエアが実行する以外に、ASIC35内の情報を用いて、CPU31が演算して実行してもよい。
また、上述した実施形態においては、用紙Pにインク滴を吐出するインクジェットヘッド1を備えたインクジェットプリンタ101に本発明を適用した例について説明したが、用紙Pにインクを熱転写するサーマルヘッドを備えたプリンタなど、他の種類の記録装置に対しても本発明は適用可能である。本発明は、媒体は用紙に限らず、また、外径情報生成回路を記録装置以外の種々の装置にも適用可能である。
1 インクジェットヘッド(記録ヘッド)
14a 駆動ローラ(搬送ローラ)
45 ロータリーエンコーダ
28 用紙センサ(検出センサ)
33 RAM(記憶部)
62 外径情報生成回路

Claims (8)

  1. 媒体を搬送経路に沿って搬送するための搬送ローラと、
    前記搬送ローラの回転に伴って、この回転に関連付けられたパルス信号を出力するためのエンコーダと、
    前記搬送経路上の第1位置、及び前記第1位置よりも搬送方向下流側の第2位置の少なくとも何れかを検出位置として、当該検出位置に媒体が存在するか否かを検出するための検出センサと、
    前記搬送ローラの外径情報を生成するための外径情報生成手段と
    を備え、
    前記外径情報生成手段は、
    前記検出センサの検出結果に基づき、前記搬送ローラにより媒体が前記第1位置及び前記第2位置それぞれに搬送されたことを判断する判断処理と、
    前記搬送ローラにより媒体が前記第1位置に搬送されたことを前記判断処理により判断された時点から、当該媒体が前記第2位置に搬送されたことを前記判断処理により判断された時点までの第1時間を算出する第1時間算出処理と、
    前記搬送ローラにより媒体が搬送されるときの、前記エンコーダから出力される前記パルス信号のパルス周期を取得するパルス周期取得処理と、
    前記搬送ローラの外径が基準外径であるときに前記搬送ローラにより媒体が前記第1位置から前記第2位置まで搬送される際に前記エンコーダから出力される前記パルス信号のパルス数を示す基準パルス数に、前記パルス周期取得処理により取得した前記パルス周期を乗算して第2時間を算出する第2時間算出処理と、
    前記第1時間算出処理により算出された前記第1時間と、前記第2時間算出処理により算出された前記第2時間とを比較して、前記搬送ローラの外径情報を生成する外径情報生成処理と
    を実行することを特徴とする外径情報生成装置。
  2. 前記外径情報生成手段は、
    前記外径情報生成処理において、
    前記第1時間と前記第2時間とが同じである場合には前記搬送ローラの外径が前記基準外径であることを示す外径情報を生成し、
    前記第1時間が前記第2時間よりも大きい場合には前記搬送ローラの外径が前記基準外径よりも小さいことを示す外径情報を生成し、
    前記第1時間が前記第2時間よりも小さい場合には前記搬送ローラの外径が前記基準外径よりも大きいことを示す外径情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の外径情報生成装置。
  3. 前記パルス周期取得処理において取得する前記パルス周期は、前記搬送ローラにより媒体が搬送されるときの所定の期間内に前記エンコーダから出力される前記パルス信号のパルス周期の平均値であることを特徴とする請求項1又は2に記載の外径情報生成装置。
  4. 前記外径情報生成処理により生成した前記外径情報を報知するための報知手段を更に備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の外径情報生成装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の外径情報生成装置と、
    前記搬送機構により搬送される媒体に画像を記録するための記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドを制御するための記録制御手段と
    を備え、
    前記記録制御手段は、前記外径情報生成手段の前記外径情報生成処理により生成された前記外径情報に基づいて、前記記録ヘッドのドット記録タイミングを制御する記録タイミング制御処理を実行することを特徴とする記録装置。
  6. 前記記録制御手段は、
    前記記録タイミング制御処理において、
    前記搬送ローラにより複数の媒体が搬送されることで前記外径情報生成手段により生成された複数の前記外径情報を用いて、前記ドット記録タイミングを制御することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記外径情報は前記第1時間と前記第2時間との偏差であり、
    前記記録制御手段は、
    前記記録タイミング制御処理において、
    前記偏差に対して比例積分演算、又は比例積分微分演算をすることにより操作量を算出し、この操作量に応じて前記ドット記録タイミングを調整することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 媒体を搬送するための搬送ローラの外径が基準外径であるときに、前記搬送ローラにより媒体が搬送経路上の第1位置から前記搬送経路上の前記第1位置よりも搬送方向下流側の第2位置まで搬送される際に、前記搬送ローラの回転に伴ってこの回転に関連付けられたパルス信号を出力するためのエンコーダから出力されるパルスの数を示す基準パルス数を、記憶部に記憶する第1工程と、
    前記検出センサの検出結果に基づき、前記搬送ローラにより媒体が前記第1位置及び前記第2位置それぞれに搬送されたことを判断する第2工程と、
    前記第2工程において前記搬送ローラにより媒体が前記第1位置に搬送されたと判断された時点から当該媒体が前記第2位置に搬送されたと判断された時点までの第1時間を算出する第3工程と、
    前記第2工程において前記搬送ローラにより媒体が搬送されるときの前記エンコーダから出力される前記パルス信号のパルス周期を取得する第4工程と、
    前記第1工程において前記記憶部に記憶された前記基準パルス数に、前記第4工程において取得された前記パルス周期を乗算して第2時間を算出する第5工程と、
    前記第3工程において算出された前記第1時間と、前記第5工程において算出された前記第2時間とを比較して、前記搬送ローラの外径情報を生成する第6工程と、
    を備えた搬送ローラの外径情報生成方法。
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