JP2016032318A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Kazuhiro Murakami
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Abstract

【課題】従来よりも適切にリップルインジェクションを実施する。【解決手段】電源制御ICは、出力電圧Voutの分圧電圧Vdivにコイル電流を模擬したリップル電圧Vrplを加算して帰還電圧Vfbを生成するリップルインジェクション回路11を有する。リップルインジェクション回路11は、入力電圧Vinに応じた電流I1を生成する電流源111と、出力電圧Voutに応じた電流I2を生成する電流源112と、出力トランジスタのオン期間には差分電流(I1−I2)により充電されて出力トランジスタのオフ期間には電流I2により放電されるコンデンサ114と、コンデンサ114の両端間電圧をリップル電圧Vrplとして分圧電圧Vdivに加算する端子電圧印加部115と、コンデンサ114と並列に接続された放電スイッチ116と、コンデンサ114の充電開始前毎に放電スイッチ116をオンさせる放電制御部117を含む。【選択図】図7

Description

本発明は、非線形制御方式のスイッチング電源装置に関する。
非線形制御方式(例えば、オン時間固定方式、オフ時間固定方式、または、ヒステリシス・ウィンドウ方式)のスイッチング電源装置は、線形制御方式(例えば、電圧モード制御方式や電流モード制御方式)のスイッチング電源装置と比べて、簡単な回路構成で高い負荷応答特性を得られるという特長を有している。
一方、非線形制御方式のスイッチング電源装置は、出力電圧のリップル成分をメインコンパレータで検出することにより、出力トランジスタのスイッチング制御を行うという構成上、ある程度大きな振幅(波高値)のリップル成分を持つ出力電圧が必要であった。そのため、従来では、ESR[equivalent series resistance]が比較的大きい出力コンデンサ(例えば導電性高分子タイプ)を用いなければならず、部品選定の制約やコストアップが招かれていた。
また、従来より、メインコンパレータに入力される帰還電圧(例えば出力電圧の分圧電圧)に対して疑似リップル成分を外部から強制的に注入することにより、メインコンパレータでのリップル検出精度を高める技術(いわゆるリップルインジェクション技術)も提案されている。
図41は、スイッチング電源装置の一従来例を示す回路ブロック図である。本従来例のスイッチング電源装置100は、矩形波状にパルス駆動されるスイッチ電圧SWを用いて帰還電圧FBにリップル成分を注入するリップルインジェクション回路RPLを有する。このように、リップルインジェクション技術を導入すれば、出力電圧OUTのリップル成分がそれほど大きくなくても、安定したスイッチング制御を行うことができるので、コンデンサC1としてESRの小さい積層セラミックコンデンサを用いることが可能となる。
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
特開2013−258892号公報
しかしながら、従来のリップルインジェクション回路RPLでは、(1)電源制御ICに外付けされるディスクリート部品が増大する、(2)リップル成分の増減に起因して出力電圧の精度が悪くなる、(3)軽負荷時に出力電圧が低下する、(4)軽負荷から重負荷への遷移がスムーズでない、という種々の課題があった。
本発明は、本願の発明者により見出された上記の課題に鑑み、従来よりも適切にリップルインジェクションを実施することのできる電源制御IC、並びに、これを用いたスイッチング電源装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本明細書中に開示されている電源制御ICは、帰還電圧と基準電圧との比較結果に応じて出力トランジスタのオン/オフ制御を行うことによりコイルを駆動して入力電圧から出力電圧を生成する非線形制御方式のスイッチング制御回路と、前記出力電圧の分圧電圧にコイル電流を模擬したリップル電圧を加算して前記帰還電圧を生成する、若しくは、所定の定電圧から前記リップル電圧を減算して前記基準電圧を生成するリップルインジェクション回路と、を有する構成(第1の構成)とされている。
なお、第1の構成から成る電源制御ICにおいて、前記リップルインジェクション回路は、前記入力電圧に応じた第1電流を生成する第1電流源と、前記出力電圧または前記出力トランジスタのオンデューティに相当する電圧に応じた第2電流を生成する第2電流源と、前記出力トランジスタのオン期間には前記第1電流から前記第2電流を差し引いた差分電流により充電されて前記出力トランジスタのオフ期間には前記第2電流により放電されるコンデンサと、前記コンデンサの両端間電圧が前記リップル電圧として前記分圧電圧に加算されるように、若しくは、前記コンデンサの両端間電圧が前記リップル電圧として前記定電圧から減算されるように、前記コンデンサの端子電圧を印加する端子電圧印加部と、前記コンデンサと並列に接続された放電スイッチと、前記コンデンサの充電開始前毎に前記放電スイッチをオンさせる放電制御部とを含む構成(第2の構成)にするとよい。
また、第2の構成から成る電源制御ICにおいて、前記放電制御部は、前記出力トランジスタと相補的にオン/オフ制御される同期整流トランジスタがオフされる毎に前記放電スイッチをオンさせる構成(第3の構成)にするとよい。
また、第3の構成から成る電源制御ICにおいて、前記放電制御部は、前記同期整流トランジスタがオフされてから前記出力トランジスタがオンされるまで前記放電スイッチをオンさせておく構成(第4の構成)にするとよい。
また、第1〜第4いずれかの構成から成る電源制御ICにおいて、前記スイッチング制御回路は、前記基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、前記帰還電圧と前記基準電圧とを比較して比較信号を生成するメインコンパレータと、前記比較信号に応じてセット信号にワンショットパルスを生成するワンショットパルス生成回路と、前記セット信号に応じて出力信号を第1論理レベルにセットし、リセット信号に応じて前記出力信号を第2論理レベルにリセットするRSフリップフロップと、前記出力信号が前記第1論理レベルにセットされてから所定のオン時間が経過した時点で前記リセット信号にワンショットパルスを生成するオン時間設定回路と、前記出力信号に応じて前記出力トランジスタを駆動するゲートドライバ回路と、を含む構成(第5の構成)にするとよい。
また、第5の構成から成る電源制御ICにおいて、前記スイッチング制御回路は、前記出力トランジスタと相補的にオン/オフ制御される同期整流トランジスタへの逆流電流を監視して前記同期整流トランジスタを強制的にオフさせる逆流電流検出回路をさらに含む構成(第6の構成)にするとよい。
また、第6の構成から成る電源制御ICにおいて、前記オン時間設定回路は、前記逆流電流の未検出時には前記オン時間を前記出力トランジスタのオンデューティに応じた変動値として設定し、前記逆流電流の検出時には前記オン時間を前記入力電圧に反比例して前記出力電圧に比例する変動値として設定する構成(第7の構成)にするとよい。
また、第7の構成から成る電源制御ICにおいて、前記オン時間設定回路は、前記入力電圧に応じた充電電流を用いてコンデンサの充放電を行うことにより第1電圧を生成する第1電圧生成回路と、前記逆流電流の未検出時には前記出力トランジスタのオンデューティに応じた第2電圧を生成する一方、前記逆流電流の検出時には前記出力トランジスタの一端に現れるスイッチ電圧に応じた第2電圧を生成する第2電圧生成回路と、前記第1電圧と前記第2電圧を比較して前記リセット信号を生成するコンパレータと、を含み、前記第2電流源は、前記第2電圧に応じて前記第2電流を生成する構成(第8の構成)にするとよい。
また、本明細書中に開示されているスイッチング電源装置は、第1〜第8いずれかの構成から成る電源制御ICと、前記電源制御ICに一部または全部が外付けされて入力電圧から出力電圧を生成するスイッチ出力段と、を有する構成(第9の構成)とされている。
また、本明細書中に開示されている電子機器は、上記第9の構成から成るスイッチング電源装置を有する構成(第10の構成)とされている。
本発明によれば、従来よりも適切にリップルインジェクションを実施することのできる電源制御IC、並びに、これを用いたスイッチング電源装置及び電子機器を提供することが可能となる。
スイッチング電源装置の第1実施形態を示すブロック図 オン時間設定回路の第1構成例を示す図 第1構成例のオン時間設定動作を説明するためのタイムチャート オン時間設定回路の第2構成例を示す図 第2構成例のオン時間設定回路の一変形例を示す図 軽負荷時の省電力動作(逆流遮断動作)を説明するためのタイムチャート リップルインジェクション回路の一構成例(帰還電圧側)を示す図 基準電圧生成回路の一構成例を示す図 放電制御部の第1構成例を示す図 放電制御部の第2構成例を示す図 リップルインジェクション動作の一例を示すタイムチャート 入力変動時における出力挙動の新旧対比図 負荷変動時における出力挙動の新旧対比図 軽負荷から重負荷に至る遷移挙動の新旧対比図 スイッチング電源装置の第2実施形態を示すブロック図 静音化回路及びオン時間設定回路の一構成例を示す回路図 静音動作の一例を示すタイムチャート 負荷漸増時における静音動作の一例を示すタイムチャート 破線領域αの拡大図 破線領域βの拡大図 静音動作の停止解除例を示すタイムチャート オーバーシュートの発生原理を説明するためのタイムチャート オーバーシュート抑制回路の一構成例を示す図 オーバーシュートの第1抑制動作を説明するためのタイムチャート 逆流検出回路の一構成例を示す図 オーバーシュートの第2抑制動作を説明するためのタイムチャート スイッチング電源装置の第3実施形態を示すブロック図 オン時間設定回路及び逆流検出回路のスリープ動作を示すタイムチャート 過電流保護回路の一構成例を示す図 過電流保護回路のスリープ動作を示すタイムチャート モード切替制御回路を備えた半導体装置の一構成例を示す図 モード切替制御動作の一例を示すタイムチャート 破線領域γの拡大図 破線領域δの拡大図 スイッチング電源装置の第4実施形態を示すブロック図 リップルインジェクション回路の一構成例(基準電圧側)を示す図 リップルインジェクション動作の第1例を示すタイムチャート リップルインジェクション動作の第2例を示すタイムチャート スイッチング電源装置を搭載したテレビの一構成例を示すブロック図 スイッチング電源装置を搭載したテレビの正面図 スイッチング電源装置を搭載したテレビの側面図 スイッチング電源装置を搭載したテレビの背面図 スイッチング電源装置の一従来例を示す回路ブロック図
<スイッチング電源装置>
図1は、スイッチング電源装置の第1実施形態を示すブロック図である。第1実施形態のスイッチング電源装置1は、非線形制御方式(ボトム検出オン時間固定方式)によって入力電圧Vinから出力電圧Voutを生成する降圧型DC/DCコンバータである。スイッチング電源装置1は、半導体装置10と、半導体装置10に外付けされた種々のディスクリート部品(Nチャネル型MOS[metal oxide semiconductor]電界効果トランジスタN1及びN2、コイルL1、コンデンサC1、並びに、抵抗R1及びR2)によって形成されるスイッチ出力段20と、を有する。
半導体装置10は、スイッチング電源装置1の全体動作を統括的に制御する主体(いわゆる電源制御IC)である。半導体装置10は、装置外部との電気的な接続を確立するための手段として、外部端子T1〜T7(上側ゲート端子T1、下側ゲート端子T2、スイッチ端子T3、帰還端子T4、入力電圧端子T5、出力電圧端子T6、及び、接地端子T7)を備えている。外部端子T1は、トランジスタN1のゲートに接続されている。外部端子T2は、トランジスタN2のゲートに接続されている。外部端子T3は、スイッチ電圧Vswの印加端(トランジスタN1のソースとトランジスタN2のドレインとの接続ノード)に接続されている。外部端子T4は、分圧電圧Vdivの印加端(抵抗R1と抵抗R2との接続ノード)に接続されている。外部端子T5は、入力電圧Vinの印加端に接続されている。外部端子T6は、出力電圧Voutの印加端に接続されている。外部端子T7は、接地端に接続されている。
次に、半導体装置10に外付けされるディスクリート部品の接続関係について述べる。トランジスタN1のドレインは、入力電圧Vinの印加端に接続されている。トランジスタN2のソースは、接地端に接続されている。トランジスタN1のソースとトランジスタN2のドレインは、いずれもコイルL1の第1端に接続されている。コイルL1の第2端とコンデンサC1の第1端は、いずれも出力電圧Voutの印加端に接続されている。コンデンサC1の第2端は、接地端に接続されている。抵抗R1と抵抗R2は、出力電圧Voutの印加端と接地端との間に直列に接続されている。
トランジスタN1は、外部端子T1から入力されるゲート信号G1に応じてオン/オフ制御される出力トランジスタである。トランジスタN2は、外部端子T2から入力されるゲート信号G2に応じてオン/オフ制御される同期整流トランジスタである。なお、整流素子としては、トランジスタN2に代えてダイオードを用いても構わない。また、トランジスタN1およびN2は、半導体装置10に内蔵することも可能である。コイルL1とコンデンサC1は、外部端子T3に現れる矩形波状のスイッチ電圧Vswを整流平滑して出力電圧Voutを生成する整流平滑部として機能する。抵抗R1及びR2は、出力電圧Voutを分圧して分圧電圧Vdivを生成する分圧電圧生成部として機能する。
次に、半導体装置10の内部構成について述べる。半導体装置10には、リップルインジェクション回路11と、基準電圧生成回路12と、メインコンパレータ13と、ワンショットパルス生成回路14と、RSフリップフロップ15と、オン時間設定回路16と、ゲートドライバ回路17と、逆流検出回路18と、が集積化されている。
リップルインジェクション回路11は、分圧電圧Vdivにリップル電圧Vrpl(コイルL1に流れるコイル電流ILを模擬した疑似リップル成分)を加算して帰還電圧Vfb(=Vdiv+Vrpl)を生成する。このようなリップルインジェクション技術を導入すれば、出力電圧Vout(延いては分圧電圧Vdiv)のリップル成分がそれほど大きくなくても安定したスイッチング制御を行うことができるので、コンデンサC1としてESRの小さい積層セラミックコンデンサなどを用いることが可能となる。
基準電圧生成回路12は、所定の基準電圧Vrefを生成する。
メインコンパレータ13は、反転入力端(−)に入力される帰還電圧Vfbと、非反転入力端(+)に入力される基準電圧Vrefとを比較して比較信号S1を生成する。比較信号S1は、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefよりも高いときにローレベルとなり、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefよりも低いときにハイレベルとなる。
ワンショットパルス生成回路14は、比較信号S1の立上りエッジをトリガとしてセット信号S2にワンショットパルスを生成する。
RSフリップフロップ15は、セット端(S)に入力されるセット信号S2の立上りエッジで出力信号S4をハイレベルにセットし、リセット端(R)に入力されるリセット信号S3の立上りエッジで出力信号S4をローレベルにリセットする。
オン時間設定回路16は、RSフリップフロップ15の反転出力信号S4B(出力信号S4の論理反転信号)がローレベルに立ち下げられてから、所定のオン時間Tonが経過した後、リセット信号S3にワンショットパルスを生成する。
ゲートドライバ回路17は、RSフリップフロップ15の出力信号S4に応じてゲート信号G1及びG2を生成し、トランジスタN1及びN2を相補的(排他的)にスイッチング制御する。なお、本明細書中で用いられる「相補的(排他的)」という文言は、トランジスタN1及びN2のオン/オフが完全に逆転している場合のほか、貫通電流防止の観点からトランジスタN1及びN2のオン/オフ遷移タイミングに遅延が与えられている場合(同時オフ期間(デッドタイム)が設けられている場合)も含む。
逆流検出回路18は、トランジスタN2への逆流電流(コイルL1からトランジスタN2を介して接地端に逆流するコイル電流IL)を監視して逆流検出信号S5を生成する。逆流検出信号S5は、トランジスタN2への逆流電流が検出された時点でハイレベル(逆流検出時の論理レベル)にラッチされ、次周期におけるゲート信号G1の立上りエッジでローレベル(逆流未検出時の論理レベル)にリセットされる。なお、逆流電流を監視する手法としては、例えば、トランジスタN2のオン期間中にスイッチ電圧Vswが負から正に切り替わるゼロクロスポイントを検出すればよい。ゲートドライバ回路17は、逆流検出信号S5がハイレベルであるときには、出力信号S4に依ることなくトランジスタN2を強制的にオフするようにゲート信号G2を生成する。
なお、上記した基準電圧生成部12、メインコンパレータ13、ワンショットパルス姿勢回路14、RSフリップフロップ15、オン時間設定回路16、ゲートドライバ回路17、及び、逆流検出回路18は、帰還電圧Vfbと基準電圧Vrefとの比較結果に応じてトランジスタN1及びN2のオン/オフ制御を行うことにより、入力電圧Vinから出力電圧Voutを生成する非線形制御方式(本構成例ではボトム検出オン時間固定方式)のスイッチング制御回路として機能する。
<オン時間設定回路(第1構成例)>
図2は、オン時間設定回路16の第1構成例を示す図である。第1構成例のオン時間設定回路16Xは、電圧/電流変換部X1と、コンデンサX2と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタX3と、コンパレータX4と、抵抗X5及びX6と、を含む。
電圧/電流変換部X1は、外部端子T5に印加される入力電圧Vinを電圧/電流変換することにより充電電流IX(=a×Vin)を生成する。充電電流IXの電流値は、入力電圧Vinの電圧値に応じて変動する。具体的には、入力電圧Vinが高いほど充電電流IXは大きくなり、入力電圧Vinが低いほど充電電流IXは小さくなる。
コンデンサX2の第1端は、電圧/電流変換部X1に接続されている。コンデンサX2の第2端は接地端に接続されている。トランジスタX3がオフされているときには、コンデンサX2が充電電流IXによって充電され、コンデンサX2の第1端に現れる第1電圧VX1が上昇する。一方、トランジスタX3がオンされているときには、コンデンサX2がトランジスタX3を介して放電され、第1電圧VX1が低下する。
トランジスタX3は、トランジスタN1及びN2のオン/オフ制御に応じてコンデンサX2の充放電を切り替える充放電スイッチである。トランジスタX3のドレインは、コンデンサX2の第1端に接続されている。トランジスタX3のソースは、接地端に接続されている。トランジスタX3のゲートは、反転出力信号S4Bの印加端に接続されている。
上記した電圧/電流変換部X1、コンデンサX2、及び、トランジスタX3は、コンデンサX2の充放電動作に応じた第1電圧VX1を生成する第1電圧生成回路に相当する。
コンパレータX4は、非反転入力端(+)に入力される第1電圧VX1と、反転入力端(−)に入力される第2電圧VX2を比較してリセット信号S3を生成する。リセット信号S3は、第1電圧VX1が第2電圧VX2よりも高いときにハイレベルとなり、第1電圧VX1が第2電圧VX2よりも低いときにローレベルとなる。
抵抗X5の第1端は、出力電圧Voutが印加される外部端子T6に接続されている。抵抗X5の第2端は、抵抗X6の第1端に接続されている。抵抗X6の第2端は、接地端に接続されている。抵抗X5及びX6は、互いの接続ノードから出力電圧Voutを分圧した第2電圧VX2を出力する第2電圧生成回路に相当する。
図3は、第1構成例のオン時間設定動作を説明するためのタイムチャートである。図3では、上から順に、帰還電圧Vfb、セット信号S2、反転出力信号S4B、第1電圧VX1、リセット信号S3、及び、出力信号S4が描写されている。
トランジスタN1のオフ期間に、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefまで低下すると、セット信号S2がハイレベルに立ち上がり、出力信号S4がハイレベルに遷移される。従って、トランジスタN1がオンとなり、帰還電圧Vfbが上昇に転ずる。このとき、トランジスタX3は、反転出力信号S4Bのローレベル遷移に伴ってオフとなるので、充電電流IXによるコンデンサX2の充電が開始される。先にも述べたように、充電電流IXの電流値は、入力電圧Vinの電圧値に応じて変動する。従って、第1電圧VX1は、入力電圧Vinに応じた上昇度(傾き)を持って上昇する。
その後、第1電圧VX1が第2電圧VX2(出力電圧Voutの分圧電圧)まで上昇すると、リセット信号S3がハイレベルに立ち上がり、出力信号S4がローレベルに遷移される。従って、トランジスタN1がオフとなって、帰還電圧Vfbが再び下降に転ずる。このとき、トランジスタX3は、反転出力信号S4Bのハイレベル遷移に伴ってオンとなる。従って、コンデンサX2がトランジスタX3を介して速やかに放電され、第1電圧VX1がローレベルに引き下げられる。
ゲートドライバ回路17は、出力信号S4に応じてゲート信号G1及びG2を生成し、これを用いてトランジスタN1及びN2のオン/オフ制御を行う。その結果、外部端子T3には矩形波形状のスイッチ電圧Vswが現れる。スイッチ電圧Vswは、コイルL1とコンデンサC1によって整流平滑され、出力電圧Voutが生成される。なお、出力電圧Voutは、抵抗R1及びR2により分圧され、分圧電圧Vdiv(延いては帰還電圧Vfb)が生成される。このような出力帰還制御により、スイッチング電源装置1では、極めて簡易な構成によって、入力電圧Vinから所望の出力電圧Voutが生成される。
ここで、オン時間設定回路16Xは、オン時間Tonを固定値として設定するのではなく、入力電圧Vinと出力電圧Voutに応じた変動値として設定する。具体的に述べると、オン時間設定回路16Xは、入力電圧Vinが高いほど第1電圧VX1の上昇度(傾き)を大きくしてオン時間Tonを短くし、入力電圧Vinが低いほど第1電圧VX1の上昇度(傾き)を小さくしてオン時間Tonを長くする。また、オン時間設定回路16Xは、出力電圧Voutが低いほど第2電圧VX2を引き下げてオン時間Tonを短くし、出力電圧Voutが高いほど第2電圧VX2を引き上げてオン時間Tonを長くする。言い換えれば、オン時間設定回路16Xは、入力電圧Vinに反比例して出力電圧Voutに比例する変動値としてオン時間Tonを設定する。
このような構成とすることにより、非線形制御方式の長所を損なうことなく、スイッチング周波数の変動を抑制することができる。従って、出力電圧精度やロードレギュレーション特性の向上、ないし、セット設計におけるEMI[electromagnetic interference]対策やノイズ対策の容易化を実現することが可能となる。また、入力電圧変動の大きいアプリケーションや、様々な出力電圧を必要とあるアプリケーションの電源手段として、スイッチング電源装置1を支障なく適用することも可能となる。
<オン時間設定回路(第2構成例)>
図4は、オン時間設定回路16の第2構成例を示す図である。第2構成例のオン時間設定回路16Yは、電圧/電流変換部Y1と、コンデンサY2(容量値CY2)と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタY3と、コンパレータY4と、レベルシフタY5と、セレクタY6と、フィルタY7を含む。第2構成例の特徴は、第1構成例の抵抗X5及びX6に代えてレベルシフタY5、セレクタY6、及び、フィルタY7を有する点である。
電圧/電流変換部Y1は、外部端子T5に印加される入力電圧Vinを電圧/電流変換することにより充電電流IY(=a×Vin)を生成する回路ブロックであり、抵抗Y11〜Y13(抵抗値:RY11〜RY13)と、オペアンプY14と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタY15と、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタY16及びY17と、を含む。
抵抗Y11の第1端は、外部端子T5に接続されている。抵抗Y11の第2端と抵抗Y12の第1端は、いずれもオペアンプY14の非反転入力端(+)に接続されている。抵抗Y12の第2端は、接地端に接続されている。オペアンプY14の反転入力端(−)はトランジスタY15のソースと抵抗Y13の第1端に接続されている。抵抗Y13の第2端は、接地端に接続されている。オペアンプY14の出力端は、トランジスタY15のゲートに接続されている。トランジスタY15のドレインは、トランジスタY16のドレインに接続されている。トランジスタY16及びY17のソースは、いずれも電源端に接続されている。トランジスタY16及びY17のゲートは、いずれもトランジスタY16のドレインに接続されている。トランジスタY17のドレインは、充電電流IYの出力端としてコンデンサY2の第1端に接続されている。
充電電流IYは、次の(1)式で表されるように、入力電圧Vinが高いほど大きくなり入力電圧Vinが低いほど小さくなる。
コンデンサY2の第1端は、電圧/電流変換部Y1に接続されている。コンデンサY2の第2端は接地端に接続されている。トランジスタY3がオフされているときには、コンデンサY2が充電電流IYによって充電され、コンデンサY2の第1端に現れる第1電圧VY1が上昇する。一方、トランジスタY3がオンされているときには、コンデンサY2がトランジスタY3を介して放電され、第1電圧VY1が低下する。
トランジスタY3は、トランジスタN1及びN2のオン/オフ制御に応じてコンデンサY2の充放電を切り替える充放電スイッチである。トランジスタY3のドレインは、コンデンサY2の第1端に接続されている。トランジスタY3のソースは、接地端に接続されている。トランジスタY3のゲートは、反転出力信号S4Bの印加端に接続されている。
上記した電圧/電流変換部Y1、コンデンサY2、及び、トランジスタY3は、コンデンサY2の充放電動作に応じた第1電圧VY1を生成する第1電圧生成回路に相当する。
コンパレータY4は、非反転入力端(+)に入力される第1電圧VY1と、反転入力端(−)に入力される第2電圧VY2を比較してリセット信号S3を生成する。リセット信号S3は、第1電圧VY1が第2電圧VY2よりも高いときにハイレベルとなり、第1電圧VY1が第2電圧VY2よりも低いときにローレベルとなる。なお、トランジスタN1のオンと同時にコンデンサY2の充電動作が開始され、リセット信号S3の立上りエッジをトリガとしてトランジスタN1がオフされることを鑑みると、オン時間Tonは、次の(2)式で算出される。
レベルシフタY5は、入力電圧Vinの供給を受けて動作し、ゲート信号G1のレベルシフト処理を行う。具体的に述べると、レベルシフタY5は、ゲート信号G1の入力を受けて、入力電圧Vinと接地電圧GNDとの間でパルス駆動される電圧信号を出力する。レベルシフタY5を形成する素子の耐圧は、入力電圧Vinと接地電圧GNDとの電圧差に応じて適宜設定すればよい。
セレクタY6は、逆流検出信号S5に応じて、逆流電流の未検出時にはレベルシフト済みのゲート信号G1を選択出力する一方、逆流電流の検出時にはスイッチ電圧Vswを選択出力する回路ブロックであり、スイッチY61及びY62を含む。なお、逆流電流の検出時には、後述する軽負荷時の省電力動作(逆流遮断動作)によってトランジスタN1及びN2がいずれもオフされるので、スイッチ電圧Vswは出力電圧Voutと一致する。
スイッチY61は、逆流検出信号S5に応じてレベルシフタY5の出力端とフィルタY7の入力端との間を導通/遮断する。より具体的に述べると、スイッチY61は、逆流検出信号S5がローレベル(逆流未検出時の論理レベル)であるときにオンとなり、逆流検出信号S5がハイレベル(逆流検出時の論理レベル)であるときにオフとなる。
一方、スイッチY62は、逆流検出信号S5に応じて外部端子T3とフィルタY7の入力端との間を導通/遮断する。より具体的に述べると、スイッチY62は、逆流検出信号S5がローレベルであるときにオフとなり、逆流検出信号S5がハイレベルであるときにオンとなる。
なお、スイッチ電圧VswをフィルタY7経由でコンパレータY4に供給する構成であれば、スイッチ電圧Vswに重畳するリンギングノイズをフィルタY7で除去することが可能となる。ただし、オン時間設定回路16Yの構成はこれに限定されるものではなく、例えば、逆流電流の検出時にスイッチ電圧VswをコンパレータY4の反転入力端(−)に直接供給する構成としても構わない。
フィルタY7は、セレクタY6の出力を平滑して第2電圧VY2を生成する回路ブロックであり、抵抗Y71〜Y73と、コンデンサY74及びY75と、を含む。抵抗Y71の第1端は、セレクタY6の出力端に接続されている。抵抗Y71の第2端は、抵抗Y72の第1端とコンデンサY74の第1端に接続されている。コンデンサY74の第2端は接地端に接続されている。抵抗Y72の第2端は、コンパレータY4の反転入力端(−)と、抵抗Y73の第1端と、コンデンサY75の第1端に各々接続されている。抵抗Y73の第2端とコンデンサY75の第2端は、いずれも接地端に接続されている。
このように、フィルタY7は、抵抗Y71及びY72とコンデンサY74及びY75から成るCRフィルタ回路を含む。なお、CRフィルタ回路の段数(図4では2段)については任意に増減が可能である。
また、フィルタY7は、CRフィルタ回路を形成する抵抗Y71及びY72と共に分圧回路を形成する抵抗Y73を含む。なお、図4では、抵抗Y72と抵抗Y73との接続ノードをフィルタY7の出力端とする構成を例に挙げたが、フィルタY7の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、抵抗Y71の第1端と接地端との間に抵抗Y73を設けることにより、抵抗Y71と抵抗Y73との接続ノードをフィルタY7の入力端とする構成としても構わない。
上記したレベルシフタY5、セレクタY6、及び、フィルタY7は、逆流電流の未検出時にはトランジスタN1のオンデューティに応じた第2電圧VY2を生成する一方、逆流電流の検出時にはスイッチ電圧Vsw(延いては出力電圧Vout)に応じた第2電圧VY2を生成する第2電圧生成回路に相当する。
上記構成から成るオン時間設定回路16Yの動作について、逆流電流の未検出時(電流連続モード時)と、逆流電流の検出時(電流不連続モード時)とに場合を分けて詳細に説明する。
まず、逆流電流の未検出時(電流連続モード時)について詳細に説明する。逆流電流の未検出時(電流連続モード時)には、逆流検出信号S5がローレベルとなるので、セレクタY6はレベルシフト済みのゲート信号G1をフィルタY7に選択出力する。このときに生成される第2電圧VY2は、次の(3)式で表される。なお、(3)式において、DUTYはスイッチ電圧Vswのデューティを示しており、RONはトランジスタN1のオン抵抗値を示している。
従って、先出の(2)式に(1)式と(3)式を代入することより、オン時間Tonは次の(4)式で算出することができる。
つまり、逆流電流の未検出時(電流連続モード時)には、オン時間TonがトランジスタN1のオンデューティ(=(Vout+Iout×RON)/Vin)に応じた変動値として設定される。
次に、逆流電流の検出時(電流不連続モード時)について詳細に説明する。逆流電流の検出時(電流不連続モード時)には、逆流検出信号S5がハイレベルとなるので、セレクタY6はスイッチ電圧Vsw(延いては出力電圧Vout)をフィルタY7に選択出力する。従って、第2電圧VY2は、スイッチ電圧Vsw(延いては出力電圧Vout)そのものとなり、オン時間Tonは次の(5)式で算出される。
つまり、逆流電流の検出時(軽負荷モード時)には、オン時間Tonが入力電圧Vinと出力電圧Voutに応じた変動値として設定される。このようなオン時間Tonの設定動作は、先の第1構成例と同様である。
上記で説明したように、第2構成例のオン時間設定回路16Yは、逆流電流の未検出時にはトランジスタN1のオンデューティに応じた第2電圧VY2を生成する一方、逆流電流の検出時にはスイッチ電圧Vsw(延いては出力電圧Vout)に応じた第2電圧VY2を生成する構成とされている。
このような構成とすることにより、軽負荷時における省電力動作(逆流遮断動作)の影響を受けることなく、先出の第1構成例と同様のメリット(スイッチング周波数の変動抑制、出力電圧精度やロードレギュレーション特性の向上、ないしは、セット設計におけるEMI対策やノイズ対策の容易化)を享受することが可能となる。
また、第2構成例のオン時間設定回路16Yは、スイッチ電圧Vswを監視してオン時間Tonを設定する。従って、先の第1構成例と異なり、出力電圧Voutを監視するための外部端子T6を半導体装置10に別途設ける必要がなくなる。
なお、図4では、レベルシフタY5にゲート信号G1を入力する構成を例に挙げたが、オン時間設定回路16Yの構成はこれに限定されるものではなく、例えば、図5で示すように、レベルシフタY5にスイッチ電圧Vswを入力する構成としても構わない。
<逆流検出回路>
図6は、逆流検出回路18による軽負荷時の省電力動作(逆流遮断動作)を説明するためのタイムチャートであり、上から順に、ゲート信号G1及びG2、逆流検出信号S5、コイル電流IL、並びに、スイッチ電圧Vswが描写されている。
時刻t1〜t2では、ゲート信号G1がハイレベルとされており、ゲート信号G2がローレベルとされているので、トランジスタN1がオンとなり、トランジスタN2がオフとなる。従って、時刻t1〜t2では、スイッチ電圧Vswがほぼ入力電圧Vinまで上昇し、コイル電流ILが増大していく。
時刻t2において、ゲート信号G1がローレベルに立ち下げられ、ゲート信号G2がハイレベルに立ち上げられると、トランジスタN1がオフとなり、トランジスタN2がオンとなる。従って、スイッチ電圧Vswが負電圧(=GND−IL×RON)まで低下し、コイル電流ILが減少に転じる。
ここで、負荷に流れる出力電流Ioutが十分に大きい重負荷時には、コイルL1に蓄えられているエネルギが大きいので、ゲート信号G1が再びハイレベルに立ち上げられる時刻t4まで、コイル電流ILはゼロ値を下回ることなく負荷に向けて流れ続け、スイッチ電圧Vswは負電圧に維持される。一方、負荷に流れる出力電流Ioutが小さい軽負荷時には、コイルL1に蓄えられているエネルギが少ないので、時刻t3において、コイル電流ILがゼロ値を下回り、トランジスタN2への逆流電流が発生して、スイッチ電圧Vswの極性が負から正に切り替わる。このような状態では、コンデンサC1に蓄えられた電荷を接地端に捨てていることになるので、軽負荷時における効率低下の原因となる。
そこで、スイッチング電源装置1は、逆流電流検出回路18を用いてトランジスタN2への逆流電流(スイッチ電圧Vswの極性反転)を検出し、逆流検出信号S5のハイレベル期間(時刻t3〜t4)において、トランジスタN2を強制的にオフさせる構成とされている。このような構成とすることにより、トランジスタN2への逆流電流を速やかに遮断することができるので、軽負荷時における効率低下を解消することが可能となる。
<リップルインジェクション回路(帰還電圧側)>
図7は、リップルインジェクション回路11の一構成例を示す図である。本構成例のリップルインジェクション回路11は、電流源111及び112と、充放電切替スイッチ113と、コンデンサ114と、端子電圧印加部115と、放電スイッチ116と、放電制御部117と、を含む。
電流源111は、入力電圧Vinに応じた第1電流I1(=α×Vin、ただしαは比例定数)を生成する第1電流源である。電流源111の第1端は、電源端に接続されている。電流源111の第2端は、充放電切替スイッチ113を介して、コンデンサ114の第1端(帰還電圧Vfbの出力端)に接続されている。
電流源112は、出力電圧Voutに応じた第2電流I2(=α×Vout)を生成する第2電流源である。電流源112の第1端は、コンデンサ114の第1端(帰還電圧Vfbの出力端)に接続されている。電流源112の第2端は、接地端に接続されている。なお、降圧型(Vin>Vout)のスイッチング電源装置1において、電流源111と電流源112が同一の比例定数αを持つ場合には、I1>I2となる。また、電流源112は、トランジスタN1のオンデューティに相当する電圧(例えば、図4の第2電圧VY2)に応じて第2電流I2を生成する構成としても構わない。
充放電切替スイッチ113は、ゲート信号G1に応じてオン/オフされることにより、電流源111の第2端とコンデンサの第1端(帰還電圧Vfbの出力端)との間を導通/遮断する。より具体的に述べると、充放電切替スイッチ113は、ゲート信号G1のハイレベル期間(トランジスタN1のオン期間)にオンとなり、ゲート信号G1のローレベル期間(トランジスタN1のオフ期間)にオフとなる。
コンデンサ114の第1端は、帰還電圧Vfbの出力端に接続されている。コンデンサ114の第2端は、端子電圧印加部115に接続されている。充放電切替スイッチ113のオン期間(トランジスタN1のオン期間)には、第1電流I1から第2電流I2を差し引いた差分電流(=I1−I2>0)がコンデンサ114に向けて流れ込む状態となるので、コンデンサ114が充電される(コンデンサ114の両端間電圧が高くなる)。一方、充放電切替スイッチ113のオフ期間(トランジスタN1のオフ期間)には、第1電流I1が遮断されることにより、コンデンサ114から第2電流I2が引き抜かれる状態となるので、コンデンサ114が放電される(コンデンサ114の両端間電圧が低くなる)。
端子電圧印加部115は、コンデンサ114の両端間電圧がリップル電圧Vrplとして分圧電圧Vdivに加算されるようにコンデンサ114の端子電圧(本図ではソース電圧Vs)を印加する回路ブロックであり、電流源115aと、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ115bと、を含む。電流源115aは、電源端とトランジスタ115bのソースとの間に接続されており、所定の第3電流I3(トランジスタ115bの動作電流)を生成する。トランジスタ115bのゲートは、分圧電圧Vdivの印加端に接続されている。トランジスタ115bのドレインは、接地端に接続されている。トランジスタ115bのソースは、コンデンサ114の第2端に接続されている。上記構成から成る端子電圧印加部115は、分圧電圧Vdivよりもトランジスタ115bのオンスレッショルド電圧Vthだけ高いソース電圧Vs(=Vdiv+Vth)をコンデンサ114の第2端に印加するソースフォロワとして機能する。従って、コンデンサ114の第1端から出力される帰還電圧Vfbは、第2端に印加されるソース電圧Vsにリップル電圧Vrplを足し合わせた電圧値(=Vdiv+Vth+Vrpl)となる。
放電スイッチ116は、コンデンサ114と並列に接続されており、放電制御部117から入力される放電制御信号Sxに応じてオン/オフ制御される。具体的に述べると、放電スイッチ116は、放電制御信号Sxがハイレベルであるときにオンとなり、放電制御信号Sxがローレベルであるときにオフとなる。放電スイッチ116がオンされると、コンデンサ114の両端間がショートされるので、コンデンサ114が急速に放電されて、リップル電圧Vrplがゼロ値にリセットされる。
放電制御部117は、コンデンサ114の充電開始前毎に放電スイッチ116をオンさせるように、放電制御信号Sxを生成する。すなわち、リップル電圧Vrplは、コンデンサ114の充電開始前毎にリセットされる。
上記構成から成るリップルインジェクション回路11は、入力電圧Vinに比例する第1電流I1と出力電流Voutに比例する第2電流I2とを用いてコンデンサ114の充放電を行うことによりコイル電流ILを模擬したリップル電圧Vrplを生成し、これを分圧電圧Vdivに加算することにより帰還電圧Vfbを生成する。
<基準電圧生成回路>
図8は、基準電圧生成回路12の一構成例を示す図である。本構成例の基準電圧生成回路12は、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ121と、電流源122及び123と、を含む。
電流源122は、電源端とトランジスタ121のソースとの間に接続されており、所定の第3電流I3(トランジスタ121の動作電流であり、先に説明したトランジスタ115bの動作電流と同一値)を生成する。トランジスタ121のゲートは、基準電圧Vref0の印加端に接続されている。トランジスタ121のドレインは、接地端に接続されている。トランジスタ121のソースは、基準電圧Vrefの出力端に接続されている。
本構成例の基準電圧生成回路12は、基準電圧Vref0よりもトランジスタ121のオンスレッショルド電圧Vthだけ高い基準電圧Vref(=Vref0+Vth)を出力するソースフォロワとして機能する。このように、基準電圧生成回路12を端子電圧印加部115と同様のソースフォロワ型とすることにより、帰還電圧Vfbに含まれるトランジスタ115bのオンスレッショルド電圧Vthをキャンセルすることが可能となる。
また、本構成例の基準電圧生成回路12は、基準電圧Vrefの出力端と接地端との間に、出力電圧Voutまたは第2電圧VY2に応じた第2電流I2(リップルインジェクション回路11のそれと同一値)を生成する電流源123を含んでいる。このような構成とすることにより、帰還電圧Vfbに影響を及ぼす電流源112の温度依存性や電源依存性をキャンセルすることが可能となる。
<放電制御部(第1構成例)>
図9は、放電制御部117の第1構成例を示す図である。第1構成例の放電制御部117は、ワンショットパルス生成部117aと、RSフリップフロップ117bとを含む。
ワンショットパルス生成部117aは、ゲート信号G2の立下りエッジをトリガとしてフォール検出信号Sfにワンショットパルスを生成する。
RSフリップフロップ117bは、セット端(S)に入力されるフォール検出信号Sfの立上りエッジで放電制御信号Sxをハイレベルにセットし、リセット端(R)に入力されるゲート信号G1の立上りエッジで放電制御信号Sxをローレベルにリセットする。
すなわち、第1構成例の放電制御部117は、トランジスタN2がオフされる毎に放電スイッチ116をオンさせる。このような構成とすることにより、コンデンサ114の充電開始前毎にリップル電圧Vrplをゼロ値にリセットすることが可能となる。
また、第1構成例の放電制御部117は、トランジスタN2がオフされてからトランジスタN1がオンされるまで放電スイッチ116をオンさせておく。すなわち、スイッチング駆動のデッドタイム(トランジスタN1及びN2の同時オフ期間)には、リップル電圧Vrplのリセット状態が維持される。このような構成であれば、フォール検出信号Sfに生成されるワンショットパルスのハイレベル期間を不必要に延ばすことなく、コンデンサ114の放電期間を稼ぐことができるので、より確実にリップル電圧Vrplをゼロ値にリセットすることが可能となる。また、本構成によれば、軽負荷時の省電力動作(逆流遮断動作)によるトランジスタN1及びN2の同時オフ期間においても、リップル電圧Vrplのリセット状態を維持することが可能となる。
<放電制御部(第2構成例)>
図10は、放電制御部117の第2構成例を示す図である。第2構成例では、第1構成例のRSフリップフロップ117bに代えて、ORゲート117cが用いられている。ORゲート117cは、フォール検出信号Sfと逆流検出信号S5との論理和信号を放電制御信号Sxとして出力する。このような構成とすることにより、先の第1構成例とほぼ同様の動作を実現することが可能である。ただし、本構成例を採用する場合には、フォール検出信号Sfに生成されるワンショットパルスのハイレベル期間を十分に長く設定することが望ましい。
<リップルインジェクション動作>
図11は、リップルインジェクション動作の一例(定常負荷時の電流連続モード)を示すタイムチャートであり、上から順番に、ゲート信号G1及びG2、帰還電圧Vfb、及び、スイッチ電圧Vswの挙動が描写されている。
時刻t11において、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefを下回り、ゲート信号G2がローレベルに立ち下げられると、放電スイッチ116がオンされてコンデンサ114が放電される。その結果、リップル電圧Vrplがゼロ値にリセットされるので、帰還電圧Vfbが分圧電圧Vdivと同一値になるまで低下する。
時刻t12において、ゲート信号G1がハイレベルに立ち上げられると、先述の差分電流(I1−I2)によるコンデンサ114の充電が開始される。その結果、リップル電圧Vrplが上昇し始めるので、これに伴って帰還電圧Vfbも上昇していく。
時刻t12から所定のオン時間Tonが経過し、時刻t13において、ゲート信号G1がローレベルに立ち下げられると、先述の第2電流I2によるコンデンサ114の放電が開始される。その結果、リップル電圧Vrplが低下し始めるので、これに伴って帰還電圧Vfbも低下していく。
時刻t14において、ゲート信号G2がハイレベルに立ち上げられた後、時刻t15において、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefを下回り、ゲート信号G2がローレベルに立ち下げられると、放電スイッチ116がオンされてコンデンサ114が放電される。この動作は時刻t11と全く同一であり、時刻t15以降も上記一連の動作が繰り返される。
このように、本構成例のリップルインジェクション回路11を用いれば、電源制御IC10に外付けされるディスクリート部品を用いることなく、スイッチング駆動の1サイクル毎にリセットされるリップル電圧Vrplを帰還電圧Vfbに加算することができる。
<入力変動時における出力挙動の新旧対比>
図12は、入力変動時における出力挙動の新旧対比図である。(A)欄には、図7のリップルインジェクション回路11を用いた場合の挙動が示されており、(B)欄には、図41のリップルインジェクション回路RPLを用いた場合の挙動が示されている。
図41のリップルインジェクション回路RPLを用いた場合、出力電圧OUTは、帰還電圧FBの中点電圧FVOUT(疑似リップル成分の振幅電圧の1/2に相当)に追従して変動する。また、帰還電圧FBに重畳される疑似リップル成分は、入力電圧INに対する依存性を持って増減する。従って、出力電圧OUTも入力電圧INに対する依存性を持って目標値Vtargetから乖離してしまう。このような出力精度の低下を防ぐためには、オペアンプなどを用いて複雑な補正処理を行う必要がある。また、抵抗RaとコンデンサCa及びCbを用いて生成される疑似リップル成分は、どうしても波形が鈍るので、帰還電圧FBと基準電圧REFとの交差角度が浅くなり、ジッタ特性が悪化する。
一方、図7のリップルインジェクション回路11を用いた場合、帰還電圧Vfbは、分圧電圧Vdivに対してリップル電圧Vrplを単純に足し合わせた電圧となるので、帰還電圧Vfbのボトム値に相当する分圧電圧Vdivが基準電圧Vrefと一致するように出力帰還制御が掛かる。すなわち、出力電圧Voutは、疑似リップル成分の大きさに依ることなく、常に所望の目標値Vtargetに合わせ込まれるので、複雑な補正処理は一切不要となる。また、第1電流I1と第2電流I2を用いて生成されるリップル電圧Vrplは、波形が鈍りにくいので、帰還電圧Vfbと基準電圧Vrefとの交差角度が深くなり、ジッタ特性を向上することが可能となる。
<負荷変動時における出力挙動の新旧対比>
図13は、負荷変動時における出力挙動の新旧対比図である。図41のリップルインジェクション回路RPLを用いた場合には、負荷が軽いほど出力電圧OUTが低下する(図中の破線を参照)。従って、目標値Vtargetの設定によっては、軽負荷時に出力電圧OUTが不足するという事態が生じ得る。
一方、図7のリップルインジェクション回路11を用いた場合、出力電圧Voutは、負荷変動に依ることなく、常に所望の目標値Vtargetに合わせ込まれるので、軽負荷時に出力電圧Voutの不足が生じる心配はない。
<軽負荷から重負荷に至る遷移挙動の新旧対比>
図14は、軽負荷から重負荷に至る遷移挙動の新旧対比図である。(A)欄には、図7のリップルインジェクション回路11を用いた場合の挙動が示されており、(B)欄には図41のリップルインジェクション回路RPLを用いた場合の挙動が示されている。
図41のリップルインジェクション回路RPLを用いた場合、軽負荷から重負荷への遷移時に電流連続モードと電流不連続モードが不規則に繰り返されるので、出力電圧OUTのリップル成分が増大して波形が乱れる。例えば、図14の(B)欄では、電流連続モードのパルス生成が2サイクルないしは3サイクル連続で行われた後、比較的長い電流不連続モード(逆流検出によるトランジスタN1及びN2の同時オフ)が1サイクルだけ生じる、といった挙動が繰り返されている。このような挙動は、リップルインジェクション動作が不要な軽負荷時においても、帰還電圧FBに疑似リップル成分が重畳されており、帰還電圧FBが出力電圧OUTを正確に表わせていないために発生する。
一方、図7のリップルインジェクション回路11を用いた場合、電流不連続モードではリップル電圧Vrplがゼロ値にリセットされるので、リップルインジェクション動作が自動的に停止される。その結果、軽負荷から重負荷への遷移時において、電流連続モードと電流不連続モードが不規則に繰り返されることがなくなる。例えば、図14の(A)欄では、(B)欄の電流不連続モードと比べて1/2〜1/3の長さを持つ電流不連続モードが1サイクル毎に生じている。すなわち、図14の(A)欄では、2〜3サイクルに1回の割合で生じていた(B)欄の電流不連続モードが各サイクルに均一分散されている。なお、(A)欄の電流不連続モードは負荷が重くなるほど短くなっていき、負荷が十分に重くなると、全てのサイクルで電流連続モードに切り替わる。このような動作により、軽負荷から重負荷へのスムーズな遷移を実現することが可能となる。
<静音化機能>
図15は、スイッチング電源装置の第2実施形態(静音化機能を備えた半導体装置10の一構成例)を示すブロック図である。本構成例の半導体装置10は、図1で示した回路ブロック11〜18に加えて、静音化回路19を有する。そこで、先と同様の構成については、図1と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、静音化回路19の構成や動作について重点的に説明する。
静音化回路19は、軽負荷時のスイッチング周波数Fswを人間の可聴域以上(例えば30kHz)に保つことにより可聴ノイズの発生を抑制するための回路ブロックであり、ゲート信号G1及びG2を監視して静音化信号S6を生成する。静音化信号S6は、基本的に、トランジスタN1のオンタイミング(ゲート信号G1の立上りエッジ)が到来してから次のオンタイミングが到来しないままで所定の閾値時間Tth(例えば33μs)が経過したときにハイレベルとなり、トランジスタN2のオフタイミング(ゲート信号G2の立下りエッジ)が到来したときにローレベルとなる。
ワンショットパルス生成回路14は、比較信号S1と静音化信号S6の入力を各々受け付けており、一方の立上りエッジをトリガとしてセット信号S2にワンショットパルスを生成する。従って、比較信号S1がハイレベルに立ち上がらなくても、静音化信号S6がハイレベルに立ち上がれば、出力信号S4がハイレベルにセットされるので、トランジスタN1がオンとなる。すなわち、静音化信号S6は、比較信号S1を無視してトランジスタN1を強制的にオンさせるための強制オン信号として機能する。
このような構成とすることにより、コンデンサC1を不必要に放電することなく、軽負荷時のスイッチング周波数Fswを人間の可聴域以上に保つことができるので、従来よりも静音動作時の効率を向上することが可能となる。
ただし、比較信号S1が未だハイレベルに立ち上がっていない状態(帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefを未だ下回っていない状態)で、トランジスタN1を強制的にオンさせると、出力電圧Voutが不必要に上昇してしまうおそれがある。
そこで、オン時間設定回路16は、静音化信号S6の入力を受け付けており、静音化回路19によってトランジスタN1が強制的にオンされたとき、出力電圧Voutが高いほどトランジスタN1のオン時間Tonを短縮して出力電圧Voutの上昇を抑制する機能を備えている。
このような構成とすることにより、出力電圧Voutを目標値Vtargetの+1〜2%程度で安定させて、それ以上の過電圧状態とならないように制御することができる。
図16は、静音化回路19の一構成例、及び、オン時間設定回路16の第3構成例を示す回路図である。本構成例の静音化回路19は、ワンショットパルス生成部191及び192と、タイマ部193と、RSフリップフロップ194と、コンパレータ195と、NORゲート196と、を含む。
ワンショットパルス生成部191は、ゲート信号G1の立上りエッジをトリガとして信号Saにワンショットパルスを生成する。
ワンショットパルス生成部192は、ゲート信号G2の立下りエッジをトリガとして信号Scにワンショットパルスを生成する。
タイマ部193は、信号Saのワンショットパルスを受けて閾値時間Tthのカウント動作を開始し、閾値時間Tthのカウント動作を完了した時点で信号Sbにワンショットパルスを生成する。すなわち、タイマ部193は、信号Saを閾値時間Tthだけ遅延させた信号Sbを生成する。ただし、閾値時間Tthのカウント動作は、信号Saのワンショットパルスが入力される毎にリセットされる。従って、信号Saのワンショットパルス生成間隔(トランジスタN1のスイッチング周期に相当)が閾値時間Tthよりも短ければ、信号Sbにワンショットパルスが生成されることはない。なお、タイマ部193としては、アナログタイマ及びデジタルタイマのいずれを用いても構わない。
RSフリップフロップ194は、セット端(S)に入力される信号Sbの立上りエッジで信号Sd(反転出力信号)をローレベルにセットし、リセット端(R)に入力される信号Scの立上りエッジで信号Sdをハイレベルにリセットする。従って、信号Sdは、トランジスタN1のオンタイミング(ゲート信号G1の立上りエッジ)が到来してから次のオンタイミングが到来しないままで閾値時間Tthが経過したときにローレベルとなり、トランジスタN2のオフタイミング(ゲート信号G2の立下りエッジ)が到来したときにハイレベルとなる。
コンパレータ195は、非反転入力端(+)に入力される分圧電圧Vdivと反転入力端(−)に入力される閾値電圧V1(出力電圧Voutの上限値に相当)とを比較して信号Seを生成する。信号Seは、分圧電圧Vdivが閾値電圧V1よりも高いときにハイレベルとなり、分圧電圧Vdivが閾値電圧V1よりも低いときにローレベルとなる。
NORゲート196は、信号Sdと信号Seとの否定論理和演算により静音化信号S6を生成する。静音化信号S6は、信号Sd及びSeの少なくとも一方がハイレベルであるときにローレベルとなり、信号Sd及びSeの両方がローレベルであるときにハイレベルとなる。すなわち、信号Seがローレベル(過電圧未検出時の論理レベル)であるときには、信号Sdの論理反転信号が静音化信号S6として出力される。一方、信号Seがハイレベル(過電圧検出時の論理レベル)であるときには、信号Sdの論理レベルに依ることなく、静音化信号S6がローレベルに固定される。従って、分圧電圧Vdivが閾値電圧V1を上回っている間、トランジスタN1の強制オン動作が停止される。
例えば、完全な無負荷状態(Iout=0A)では、トランジスタN1のオン時間Tonをいくら短縮しても、トランジスタN1の強制オン動作を繰り返すことによって出力電圧Voutが過電圧状態に至り、分圧電圧Vdivが閾値電圧V1を上回る。このような場合には、ハイレベルの信号Seによって信号Sdがマスクされ、トランジスタN1の強制オン動作が停止されるので、出力電圧Voutの過電圧状態を解消することができる。
なお、静音化信号S6は、比較信号S1とともにワンショットパルス生成回路14に入力される。ワンショットパルス生成回路14は、その入力段にORゲート141を含み、比較信号S1と静音化信号S6のうち、いずれか一方の立上りエッジをトリガとしてセット信号S2にワンショットパルスを生成するように構成しておけばよい。
第3構成例のオン時間設定回路16Zは、第1構成例のオン時間設定回路16X(図2を参照)をベースとしつつ、第2電圧生成回路の構成要素として、抵抗X5及びX6以外に、電流出力アンプZ1と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタZ2及びZ3と、コンデンサZ4と、抵抗Z5及びZ6と、インバータZ7と、スイッチZ8及びZ9とを新たに含む。そこで、第1構成例と同様の構成要素については、図2と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、新たに追加された構成要素Z1〜Z9を中心に第2電圧生成回路の詳細な説明を行う。
抵抗X5の第1端は、出力電圧Voutが印加される外部端子T6に接続されている。抵抗X5の第2端は、抵抗X6の第1端に接続されている。抵抗X6の第2端は、接地端に接続されている。このように接続された抵抗X5及びX6は、互いの接続ノードから出力電圧Voutを分圧した第1分圧電圧VX2aを出力する第1抵抗ラダーとして機能する。従って、出力電圧Voutが高いほど第1分圧電圧VX2aも高くなる。
抵抗Z5の第1端は、出力電圧Voutが印加される外部端子T6に接続されている。抵抗Z5の第2端は、抵抗Z6及びコンデンサZ4の第1端に各々接続されている。抵抗Z6及びコンデンサZ4の第2端は、いずれも接地端に接続されている。このように接続された抵抗Z5及びZ6は、互いの接続ノードから出力電圧Voutを分圧した第2分圧電圧VX2bを出力する第2抵抗ラダーとして機能する。
電流出力アンプZ1(gmアンプないしトランスコンダクタンスアンプ)は、非反転入力端(+)に入力される分圧電圧Vdivと反転入力端(−)に入力される基準電圧V2(<V1)との差分に応じたオフセット電流IZを生成する。従って、オフセット電流IZは、分圧電圧Vdiv(延いては出力電圧Vout)が高いほど大きくなる。
トランジスタZ2のドレインは、電流出力アンプZ1の出力端に接続されている。トランジスタZ2及びZ3のゲートは、いずれもトランジスタZ2のドレインに接続されている。トランジスタZ2及びZ3のソースは、いずれも接地端に接続されている。トランジスタZ3のドレインは、抵抗Z5と抵抗Z6との接続ノード(第2分圧電圧VX2bの出力端)に接続されている。このように接続されたトランジスタZ2及びZ3は、第2抵抗ラダーを形成する抵抗Z5にオフセット電流IZを流すことにより、抵抗Z5での電圧降下分(=IZ×Z5)だけ第2分圧電圧VX2bを引き下げるカレントミラーとして機能する。従って、第2分圧電圧VX2bは、オフセット電流IZが大きいほど(延いては出力電圧Voutが高いほど)引き下げられる。
スイッチZ8は、第1分圧電圧VX2aの印加端とコンパレータX4の反転入力端(第2電圧VX2の印加端)との間に接続されており、インバータZ7を介して入力される反転静音化信号S6B(静音化信号S6の論理反転信号)に応じてオン/オフされる。スイッチZ8は、静音化回路19の非動作時(S6B=H)にオンとなり、静音化回路19の動作時(S6B=L)にオフとなる。一方、スイッチZ9は、第2分圧電圧VX2bの印加端とコンパレータX4の反転入力端(第2電圧VX2の印加端)との間に接続されており、静音化信号S6に応じてオン/オフされる。スイッチZ9は、静音化回路19の非動作時(S6=L)にオフとなり、静音化回路19の動作時(S6=H)にオンとなる。このように接続されたインバータZ7、並びに、スイッチZ8及びZ9は、静音化回路19の非動作時(S6=L、S6B=H)には、第1分圧電圧VX2aを第2電圧VX2として選択し、静音化回路19の動作時(S6=H、S6B=L)には、第2分圧電圧VX2bを第2電圧VX2として選択するセレクタとして機能する。
以上より、第2電圧生成回路は、静音化回路19の非動作時(S6=L、S6B=H)には、第1分圧電圧VX2aを選択出力することにより、先の第1構成例(図2)と同様の第2電圧VX2を生成するように動作し、静音化回路19の動作時(S6=H、S6B=L)には、第2分圧電圧VX2bを選択出力することにより、出力電圧Voutが高いほど第2電圧VX2を引き下げるように動作する。
図17は、静音動作の一例を示すタイムチャートであり、上から順に、出力信号S4、ゲート信号G1及びG2、スイッチ電圧Vsw、コイル電流IL、信号Sa〜Sd、静音化信号S6、並びに、オン時間設定回路16Zの内部電圧(第1電圧VX1、第2電圧VX2、第1分圧電圧VX2a、及び、第2分圧電圧VX2b)が描写されている。なお、本図の前提条件として、比較信号S1及び信号Seは、いずれも常にローレベルとする。
時刻t20以前には、軽負荷時の省電力動作(逆流遮断動作)によってゲート信号G1及びG2がいずれもローレベルとされており、トランジスタN1及びN2が同時オフ状態となっている。
時刻t20において、信号Sbにワンショットパルスが生成され、信号Sdがローレベルにセットされると、静音化信号S6がハイレベルに立ち上がる。その結果、セット信号S2(不図示)にワンショットパルスが生成されるので、出力信号S4がハイレベルにセットされる。なお、出力信号S4がハイレベルに立ち上がると、第1電圧VX1が上昇し始める。また、静音化信号S6がハイレベルに立ち上がると、第2電圧VX2が第1分圧電圧VX2aから第2分圧電圧VX2bに切り替わる。
時刻t20から所定の同時オフ時間Tdが経過すると、時刻t21において、ゲート信号G1がハイレベルに立ち上がる。その結果、トランジスタN1がオンとなるので、スイッチ電圧Vswがほぼ入力電圧Vinまで上昇して、コイル電流ILが増大し始める。このとき、第2電圧VX2(=VX2b)は、出力電圧Vout(不図示)の上昇に伴って低下していく。また、ゲート信号G1がハイレベルに立ち上がると、信号Saにワンショットパルスが生成されるので、閾値時間Tthのカウント動作が開始される。
時刻t22において、第1電圧VX1が第2電圧VX2(=VX2b)よりも高くなると、リセット信号S3(不図示)がハイレベルに立ち上がるので、出力信号S4がローレベルにリセットされて、ゲート信号G1がローレベルに立ち下がる。その結果、トランジスタN1及びN2が同時オフ状態となるので、スイッチ電圧Vswが負電圧(=GND−Vf、ただし、VfはトランジスタN2に付随する寄生ダイオードの順方向降下電圧)まで低下し、コイル電流ILが減少に転じる。
なお、時刻t21〜t22は、トランジスタN1のオン時間Tonに相当する。先にも述べたように、出力電圧Voutが高いほど、第2電圧VX2(=VX2b)が引き下げられて、第1電圧VX1と第2電圧VX2(=VX2b)との交差タイミングが早められる。すなわち、出力電圧Voutが高いほど、トランジスタN1のオン時間Tonが短縮される。従って、トランジスタN1の強制オン動作に伴う出力電圧Voutの上昇を適切に抑制することが可能となる。
時刻t22から所定の同時オフ時間Tdが経過すると、時刻t23において、ゲート信号G2がハイレベルに立ち上がる。その結果、トランジスタN2がオンとなるので、スイッチング出力段20がダイオード整流動作から同期整流動作に切り替わり、スイッチ電圧Vswがほぼ0V(=GND−IL×RON)まで上昇する。
時刻t24において、コイル電流ILがゼロ値を下回り、トランジスタN2への逆流電流が生じてスイッチ電圧Vswの極性が負から正に切り替わると、逆流検出信号S5(不図示)がハイレベルに立ち上がるので、ゲート信号G2がローレベルに立ち下がる。その結果、トランジスタN1及びN2が同時オフ状態となるので、スイッチ電圧Vswは、共振状態を経てほぼ出力電圧Voutに落ち着く。また、ゲート信号G2がローレベルに立ち下がると、信号Scにワンショットパルスが生成されるので、信号Sdがハイレベルにリセットされて、静音化信号S6がローレベルに立ち下がる。その結果、第2電圧VX2が第2分圧電圧VX2bから第1分圧電圧VX2aに切り替わる。
その後、ゲート信号G1のハイレベルタイミングが到来しないまま、閾値時間Tthのカウント動作が完了すると、時刻t25において、信号Sbにワンショットパルスが生成される。この状況は、先の時刻t20と同様であるり、時刻t25以降についても、軽負荷状態が継続する限り、上記の静音動作が繰り返されることになる。
上記の静音動作によれば、コンデンサC1を不必要に放電することなく、出力電圧Voutを目標値Vtarget付近に維持しながら、軽負荷時のスイッチング周波数Fswを人間の可聴域以上に保つことができるので、従来よりも静音動作時の効率を向上することが可能となる。また、トランジスタN2を強制的にオンさせていた従来手法と異なり、トランジスタN1を複数周期に亘って連続的にオンしてしまうこともないので、さらなる効率の向上を期待することができる。
図18は、負荷漸増時における静音動作の一例を示すタイムチャートであり、上から順に、第1電圧VX1及び第2分圧電圧VX2b、スイッチ電圧Vsw、コイル電流IL、並びに、出力電圧Voutが描写されている。また、図19及び図20は、それぞれ図18における破線領域α及びβの拡大図である。
出力電流Ioutの小さい軽負荷時には、出力電圧Voutの上昇を抑制するために、第2分圧電圧VX2bが大きく引き下げられてオン時間Tonが短縮される。一方、出力電流Ioutが増大して出力電圧Voutの上昇量が小さくなるに連れて、第2分圧電圧VX2bの引き下げ量も小さくなり、オン時間Tonが通常時の長さに近付いていく。
なお、出力電流Ioutの増大に伴ってトランジスタN1のスイッチング周期が閾値時間Tthよりも短くなるタイミング(メインコンパレータ13が通常通りに反応し始めるタイミング)と、出力電圧Voutの過電圧状態が緩和されてオン時間Tonが通常状態に戻るタイミング(第2分圧電圧VX2bの引き下げが終了されるタイミング)については、双方が同一であるか、或いは、後者がより早いことが望ましい。
図21は、静音動作の停止解除例を示すタイムチャートであり、上から順に、出力電流Iout、出力電圧Vout、スイッチング周波数Fsw、及び、スイッチ電圧Vswが描写されている。
先にも述べたように、例えば、完全な無負荷状態(Iout=0A)では、トランジスタN1のオン時間Tonをいくら短縮しても、トランジスタN1の強制オン動作を繰り返すことによって出力電圧Voutが過電圧状態に至るので、コンパレータ195で生成される信号Se(不図示)がハイレベルに立ち上がり、先述の静音動作(トランジスタN1の強制オン動作)が停止される。
ただし、出力電流Ioutが増大し始めて、出力電圧Voutの過電圧状態が解消されると、静音動作の停止状態が遅滞なく解除されて、スイッチング周波数Fswが人間の可聴域以上に維持される。
<負荷急減時のオーバーシュート>
図22は、負荷急減時(例えば−7A@2.5A/μs)に出力電圧Voutのオーバーシュートが発生する原理を説明するためのタイムチャートであり、上から順に、比較信号S1、帰還電圧Vfb、ソース電圧Vs、基準電圧Vref、出力電圧Vout、スイッチ電圧Vsw、出力電流Iout、及び、コイル電流ILが描写されている。
出力電流Ioutが急激に減少すると、余剰となるコイル電流ILにより出力電圧Voutが上昇する。特に、図7のリップルインジェクション回路11を採用していた場合には、そのリップル生成動作に起因して、出力電圧Voutのオーバーシュートを助長してしまうおそれがある。以下では、図7を適宜参照しながらその理由について説明する。
定常負荷時には、トランジスタN1のオフ期間Toff(ゲート信号G1のローレベル期間)が十分に短いので、リップル電圧Vrplが負になるまで第2電流I2によるコンデンサ114の放電動作が継続されることはない。従って、トランジスタN1がオンされてリップル電圧Vrplがゼロ値にリセットされた後、次の周期でトランジスタN1が再びオンされるまでの間、リップル電圧Vrplは常に正に維持されるので、帰還電圧Vfbはソース電圧Vs(リップルインジェクション前の分圧電圧Vdivに相当)よりも常に高い状態に維持される。
一方、負荷急減時には、トランジスタN1のオフ期間Toffが長くなるので、リップル電圧Vrplが負になるまで第2電流I2によるコンデンサ114の放電動作が継続される場合がある。このような状況に陥ると、帰還電圧Vfbがソース電圧Vsよりも低くなるので、帰還電圧Vfbが本来よりも早いタイミングで基準電圧Vrefを下回り、比較信号S1がハイレベルに立ち上がる。その結果、トランジスタN1が不必要にオンされてしまい(図中の破線楕円を参照)、コイルL1にエネルギが再チャージされるので、出力電圧Voutのオーバーシュートが助長される。
<オーバーシュート抑制回路>
図23は、オーバーシュート抑制回路30の一構成例を示す図である。本構成例のオーバーシュート抑制回路30は、クロスコンパレータ31を含み、リップル電圧Vrplの極性反転タイミング(正負反転タイミング)を監視して出力電圧Voutのオーバーシュートを抑制する。
クロスコンパレータ31は、反転入力端(−)に入力される帰還電圧Vfb(コンデンサ114の正極電圧に相当)と、非反転入力端(+)に入力されるソース電圧Vs(コンデンサ114の負極電圧に相当)とを比較して極性反転検出信号S30を生成する。極性反転検出信号S30は、帰還電圧Vfbがソース電圧Vsよりも高いときにローレベルとなり、帰還電圧Vfbがソース電圧Vsよりも低いときにハイレベルとなる。すなわち、極性反転検出信号S30は、リップル電圧Vrplが正であるときにローレベルとなり、リップル電圧Vrplが負であるときにハイレベルとなる。
このように、本構成例のオーバーシュート抑制回路30は、リップル電圧Vrplの極性反転タイミングが到来するまでにトランジスタN1のスイッチング周期が満了しない場合、言い換えれば、リップル電圧Vrplが正から負に切り替わった時点で次周期におけるトランジスタN1のオンタイミングが到来していない場合に、オーバーシュート抑制機能を働かせるべく、極性反転検出信号S30をハイレベルに立ち上げる。
放電制御部117は、図9の構成要素に加えて、ORゲート117dをさらに含む。ORゲート117dは、ワンショットパルス生成部117aから入力されるフォール検出信号Sfと、オーバーシュート抑制回路30から入力される極性反転検出信号S30との論理和信号Sf2を生成してRSフリップフロップ117のセット端(S)に出力する。
論理和信号Sf2は、フォール検出信号Sfと極性反転検出信号S30の少なくとも一方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、フォール検出信号Sfと極性反転検出信号S30の両方がローレベルであるときにローレベルとなる。
従って、負荷急減時にコンデンサ114の放電動作が続いてリップル電圧Vrplが正から負へ切り替わり、極性反転検出信号S30がハイレベルに立ち上がると、論理和信号Sf2がハイレベルに立ち上がる。その結果、フォール検出信号Sfのワンショットパルスを待つことなく、放電制御信号Sxがハイレベルにセットされるので、放電スイッチ116がオンされてリップル電圧Vrplがリセットされる。
このように、放電制御部117は、極性反転検出信号S30の入力を受け付けており、トランジスタN2のオフタイミングだけでなく、リップル電圧Vrplが正から負へ切り替わったときにも、放電スイッチ116をオンさせてリップル電圧Vrplをゼロ値にリセットする。
上記の構成を採用することにより、負荷急減時でもリップル電圧Vrplが負とならないので、帰還電圧Vfbが本来よりも早いタイミングで基準電圧Vrefを下回ることはない。従って、トランジスタN1が不必要にオンされなくなるので、出力電圧Voutのオーバーシュートを抑制することが可能となり、延いては、コンデンサC1のさらなる低容量化を実現することが可能となる。
なお、リップル電圧Vrplの極性反転タイミングを正確に検出するためには、クロスコンパレータ31のオフセットをトリミングにより削減しておくことが望ましい。また、リップル電圧Vrplのリセット時に発生するスパイクノイズが帰還電圧Vfbに重畳しないように、コンデンサ114の両端間をショートするためのスイッチ116としては、スイッチドキャパシタなどで用いられるアナログスイッチを活用することが望ましい。
図24は、オーバーシュートの第1抑制動作(リップル電圧Vrplのリセット動作)を具体的に説明するためのタイムチャートであり、上から順に、比較信号S1、極性反転検出信号S30、帰還電圧Vfb、ソース電圧Vs、基準電圧Vref、出力電圧Vout、スイッチ電圧Vsw、出力電流Iout、及び、コイル電流ILが描写されている。
先にも述べたように、出力電流Ioutが急激に減少すると、余剰となるコイル電流ILにより出力電圧Voutが上昇するので、ソース電圧Vs(リップルインジェクション前の分圧電圧Vdivに相当)が基準電圧Vrefよりも高くなる。
従って、負荷急減時に第2電流I2によるコンデンサ114の放電動作が続くと、帰還電圧Vfbは、基準電圧Vrefを下回るよりも先にソース電圧Vsを下回る(図中の小丸印を参照)。このとき、クロスコンパレータ31で生成される極性反転検出信号S30がハイレベルに立ち上がるので、コンデンサ114の両端間がショートされて帰還電圧Vfbとソース電圧Vsとが一致される。
その結果、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefを下回るタイミングを遅らせることができるので、トランジスタN1の不必要なオンを防止して、出力電圧Voutのオーバーシュートを抑制することが可能となる。
図25は、逆流検出回路18の一構成例を示す図である。本構成例の逆流検出回路18は、コンパレータ181と、ANDゲート182と、RSフリップフロップ183と、ORゲート184と、を含む。
コンパレータ181は、非反転入力端(+)に入力されるスイッチ電圧Vswと、反転入力端(−)に入力される閾値電圧VZ(例えば−0.001V)とを比較してゼロクロス検出信号SAを生成する。ゼロクロス検出信号SAは、スイッチ電圧Vswが閾値電圧VZよりも低いときにローレベルとなり、スイッチ電圧Vswが閾値電圧VZよりも高いときにハイレベルとなる。すなわち、ゼロクロス検出信号SAは、コイル電流ILが正方向(接地端からトランジスタN2を介してコイルL1に向かう方向)へ流れているときにローレベルとなり、コイル電流ILが負方向(コイルL1からトランジスタN2を介して接地端に向かう方向)へ流れているとき(すなわち、トランジスタN2に逆流電流が流れているとき)にハイレベルとなる。
ANDゲート182は、ゼロクロス検出信号SAとゲート信号G2の論理積信号SBを生成してRSフリップフロップ183のセット端(S)に出力する。論理積信号SBは、ゼロクロス検出信号SAとゲート信号G2のいずれか一方がローレベルであるときにローレベルとなり、ゼロクロス検出信号SAとゲート信号G2の両方がハイレベルであるときにハイレベルとなる。すなわち、ゲート信号G2のハイレベル期間(トランジスタN2のオン期間)にのみゼロクロス検出信号SAが有効とされ、ゲート信号G2のローレベル期間(トランジスタN2のオフ期間)にはゼロクロス検出信号SAが無効とされる。
RSフリップフロップ183は、セット端(S)に入力される論理積信号SBの立上りエッジで逆流検出信号SC(図1の逆流検出信号S5に相当)をハイレベルにセットし、リセット端(R)に入力されるゲート信号G1の立上りエッジで逆流検出信号SCをローレベルにリセットする。すなわち、逆流検出信号SCは、トランジスタN2のオン期間中に逆流電流が検出された時点でハイレベル(逆流検出時の論理レベル)にラッチされ、次周期におけるトランジスタN1のオンタイミングでローレベル(逆流未検出時の論理レベル)にリセットされる。
ORゲート184は、RSフリップフロップ183から入力される逆流検出信号SCとオーバーシュート抑制回路30から入力される極性反転検出信号S30との論理和演算を行うことにより、同期整流停止信号S5’を生成する。同期整流停止信号S5’は、逆流検出信号SCと極性反転検出信号S30の少なくとも一方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、逆流検出信号S5と極性反転検出信号S30の両方がローレベルであるときにローレベルとなる。
ゲートドライバ回路17は、先出の逆流検出信号S5に代えて同期整流停止信号S5’の入力を受け付けており、同期整流停止信号S5’がハイレベルであるときには、出力信号S4に依ることなくトランジスタN2を強制的にオフするようにゲート信号G2を生成する。すなわち、ゲートドライバ回路17は、トランジスタN2への逆流電流が検出されたときだけでなく、負荷急減時にリップル電圧Vrplが正から負へ切り替わったときにもトランジスタN2を強制的にオフさせる。
図26は、オーバーシュートの第2抑制動作(トランジスタN2の強制オフ動作)を具体的に説明するためのタイムチャートであり、上から順に、比較信号S1、極性反転検出信号S30、帰還電圧Vfb、ソース電圧Vs、基準電圧Vref、出力電圧Vout、スイッチ電圧Vsw、出力電流Iout、及び、コイル電流ILが描写されている。
負荷電流Ioutが急激に減少した結果、時刻t30において、極性反転検出信号S30がハイレベルに立ち上がると、トランジスタN2が強制的にオフされるので、トランジスタN1及びN2が同時オフ状態となる。すなわち、負荷急減時には、スイッチング電源装置1が同期整流状態からダイオード整流状態に切り替わり、スイッチ電圧Vswが負に引き下げられる。
その結果、時刻t30以降、コイルL1の両端に掛かる電圧が大きくなり、コイル電流ILの消費を促すことができるので、出力電圧Voutのオーバーシュートを抑制することが可能となる。
<スリープ機能>
図27は、スイッチング電源装置の第3実施形態(スリープ機能を備えた半導体装置10の一構成例)を示すブロック図である。本構成例の半導体装置10は、図1で示した外部端子T1〜T7に加えて、モード切替信号S7の外部入力を受け付けるための外部端子T8を有する。そこで、先と同様の構成については、図1と同一の符号を付すことで重複した説明を割愛し、以下では、スリープ機能について重点的に説明する。
半導体装置10には、スリープ対象回路(本図の例では、オン時間設定回路16と逆流検出回路18)の動作モードを切り替えるためのモード切替信号S7が外部入力されている。例えば、モード切替信号S7がローレベルであるときには、スリープ対象回路が通常モードに切り替えられる。一方、モード切替信号S7がハイレベルであるときには、スリープ対象回路がより省電力のスリープモード(必要最低限の回路ブロックのみに電力供給を行うことで半導体装置10の消費電力を低減する動作モード)に切り替えられる。
モード切替信号S7は、オン時間設定回路16と逆流検出回路18に入力されている。モード切替信号S7がローレベルとされている場合には、出力帰還制御の安定性向上を優先すべく、オン時間設定回路16及び逆流検出回路18が常時オンとされる。一方、モード切替信号S7がハイレベルとされている場合には、軽負荷時の効率向上を優先すべく、オン時間設定回路16及び逆流検出回路18が必要に応じてオン/オフ制御される。
図28は、オン時間設定回路16及び逆流検出回路18のスリープ動作(モード切替信号S7がハイレベルである場合の動作)を示すタイムチャートであり、上から順に、帰還電圧Vfb、基準電圧Vref、セット信号S2、リセット信号S3、ゲート信号G1及びG2、コイル電流IL、スイッチ電圧Vsw、逆流検出信号S5、並びに、オン時間設定回路16及び逆流検出回路18のオン/オフ状態が描写されている。
時刻t41において、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefを下回り、セット信号S2にワンショットパルスが生成されると、ゲート信号G1がハイレベルに立ち上げられてトランジスタN1がオンされる。一方、時刻t41〜t42では、ゲート信号G2がローレベルに維持されており、トランジスタN2はオフされたままとなる。その結果、時刻t41〜t42では、スイッチ電圧Vswがほぼ入力電圧Vinまで上昇して、コイル電流ILが増大していく。
また、時刻t41では、セット信号S2のワンショットパルス(または比較信号S1の立上りエッジ)をトリガとして、オン時間設定回路16及び逆流検出回路18がそれぞれオンされる。従って、オン時間設定回路16は、トランジスタN1のオン直後からオン時間Tonの計時を開始することができる。
時刻t42において、オン時間設定回路16によるオン時間Tonの計時が完了し、リセット信号S3にワンショットパルスが生成されると、ゲート信号G1がローレベルに立ち下げられ、ゲート信号G2がハイレベルに立ち上げられる。その結果、トランジスタN1がオフとなり、トランジスタN2がオンとなる。このとき、コイルL1には、それまでと同一の方向にコイル電流ILを流し続けようとする誘起電力が生じるので、コイル電流ILは、接地端からトランジスタN2を介してコイルL1に流れ込む。従って、スイッチ電圧Vswは、接地電圧GNDよりもトランジスタN2での電圧降下分だけ低い負の電圧値まで低下する。
なお、図28では、トランジスタN1及びN2のオン/オフ遷移タイミングが完全に一致しているが、貫通電流防止の観点から、トランジスタN1及びN2のオン/オフ遷移タイミングに遅延を与えてトランジスタN1及びN2の同時オフ期間を設けても構わない。
また、オン時間設定回路16は、オン時間Tonの計時が完了した時点で遅滞なくオフとなる。より具体的に述べると、オン時間設定回路16は、リセット信号S3にワンショットパルスを生成した後、自身への電力供給経路を遮断する。このようなオン/オフ制御を行うことにより、オン時間設定回路16の消費電力を削減して、軽負荷時の効率向上を実現することが可能となる。
ここで、負荷に流れる出力電流Ioutが大きい重負荷時には、コイルL1に蓄えられているエネルギが大きいので、ゲート信号G1が再びハイレベルに立ち上げられる時刻t44まで、コイル電流ILはゼロ値を下回ることなく負荷に向けて流れ続け、スイッチ電圧Vswは負の電圧値に維持される。一方、負荷に流れる出力電流Ioutが小さい軽負荷時には、コイルL1に蓄えられているエネルギが少ないので、時刻t43において、コイル電流ILがゼロ値を下回り、トランジスタN2への逆流電流が生じて、スイッチ電圧Vswの極性が負から正に切り替わる。このような状態では、コンデンサC1に蓄えられた電荷を接地端に捨てていることになるので、軽負荷時における効率低下の原因となる。
そこで、半導体装置10は、逆流検出回路18を用いて逆流電流(スイッチ電圧Vswの極性反転)の有無に応じた逆流検出信号S5を生成し、そのハイレベル期間(時刻t43〜t44)において、トランジスタN2を強制的にオフさせる構成とされている。このような構成とすることにより、トランジスタN2への逆流電流を速やかに遮断することができるので、軽負荷時における効率低下を解消することが可能となる。
なお、逆流検出回路18は、逆流検出動作が完了した時点で遅滞なくオフとなる。具体的に述べると、逆流検出回路18は、逆流検出信号S5をハイレベルに立ち上げた後、自身への電力供給経路を遮断する。このようなオン/オフ制御を行うことにより、逆流検出回路16の消費電力を削減して、軽負荷時の効率向上を実現することが可能となる。
時刻t45以降も、上記と同様に、逆流検出時のスイッチング停止処理と、オン時間設定回路16及び逆流検出回路18のオン/オフ制御が繰り返される。すなわち、スリープモードの半導体装置10は、出力電圧Voutが基準電圧Vrefを上回っている間、トランジスタN1及びN2のスイッチング動作を停止した上で、メインコンパレータ13以外の回路ブロックをオフすることにより、自己消費電流をできる限り低減する。その後、メインコンパレータ13で出力電圧Voutの低下が検知されると、オフしていた回路ブロックを復帰してトランジスタN1及びN2のスイッチング動作を再開する。このような構成とすることにより、半導体装置10の平均消費電流を引き下げることができるので、軽負荷時の効率向上を実現することが可能となる。
<過電流保護回路>
次に、スリープ機能を備えた過電流保護回路について説明する。図29は、過電流保護回路の一構成例を示す図である。本構成例の過電流保護回路40は、Dフリップフロップ41と過電流保護部42とを含む。
Dフリップフロップ41は、クロック端に入力される出力信号S4の立上りエッジをトリガとして、データ端(D)に入力される逆流検出信号S5をラッチし、そのラッチ出力を出力端(Q)からスリープ信号SLPとして出力する。
過電流保護部42は、負荷に流れる出力電流Iout、または、コイルL1に流れるコイル電流IL、若しくは、トランジスタN1ないしN2に流れるスイッチ電流を監視して過電流保護信号S8を生成する。過電流保護信号S8は、監視対象電流が閾値よりも大きいとき(過電流検出時)にハイレベルとなり、監視対象電流が閾値よりも小さいとき(過電流未検出時)にローレベルとなる。
また、過電流保護部42は、スリープ信号SLPに応じてオン/オフされる。より具体的に述べると、スリープ信号SLPがハイレベルであるときには、過電流保護部42がオフされて駆動電流の消費量が削減される。一方、スリープ信号SLPがローレベルであるときには、過電流保護部42がオンされて過電流保護機能が有効化される。
ゲートドライバ回路17は、過電流保護信号S8の入力を受け付けており、過電流保護信号S8がハイレベルであるときには、過電流保護動作としてトランジスタN1及びN2のスイッチング動作が強制的に停止される。
図30は、過電流保護回路40のスリープ動作を示すタイムチャートであり、上から順に、スイッチ電圧Vsw、出力電圧Vout、コイル電流IL、出力電流Iout、逆流検出信号S5、スリープ信号SLP、及び、過電流保護信号S8が描写されている。
出力電流Ioutの小さい軽負荷時(時刻t52以前)には、トランジスタN1をオンしてもコイルL1に十分なエネルギが蓄えられないので、各周期毎にコイル電流ILがゼロ値を下回る(時刻t51を参照)。従って、過電流を伴うような異常(負荷短絡など)が生じない限り、軽負荷時には、Dフリップフロップ41でのラッチタイミングよりも前に逆流検出信号S5がハイレベルとなるので、スリープ信号SLPは常にハイレベルに維持される。その結果、軽負荷時には基本的に過電流保護部42がオフされて駆動電流の消費量が削減される。
なお、スリープ信号SLPがハイレベルであるという状態は、すなわち、出力電流Ioutが小さく過電流保護動作の必要性に乏しい状態であるということができるので、過電流保護部42をオフしておいてもスイッチング電源装置1の安全性を損なうことはない。
一方、時刻t52において、出力電流Ioutの増大(スリープモードから通常モードへの復帰、或いは、負荷短絡などに起因する過電流の発生)が生じると、コイル電流ILがゼロ値を下回らなくなり、逆流検出信号S5がハイレベルに立ち上がらなくなるので、スリープ信号SLPがローレベルに立ち下げられる。
本図の例に即して具体的に説明する。時刻t52で出力電流Ioutが急増して以降、最初に到来するDフリップフロップ41のラッチタイミング(時刻t53)では、直前のスイッチング周期で逆流電流が検出されていたことに伴い、逆流検出信号S5がハイレベルとなっているので、これをラッチしたスリープ信号SLPもハイレベルのままとなる。
一方、時刻t53で逆流検出信号S5がローレベルにリセットされた後、次に到来する2回目のラッチタイミング(時刻t54)では、もはやコイル電流ILがゼロ値を下回っらず、逆流検出信号S6がローレベルに維持されているので、これをラッチしたスリープ信号SLPはハイレベルからローレベルに立ち下がる。その結果、過電流保護部42がオンされて過電流保護動作が実施されるので、出力電流Ioutの上昇が抑えられる。
なお、出力電流Ioutが急増してもコイルL1にエネルギがチャージされるまでには相応の時間を要する。従って、上記のタイミングで過電流保護部42を復帰させることができれば、十分に有効な過電流保護動作を掛けることが可能である。
また、以上では、出力電流Ioutの増大に伴うスリープ解除動作を例に挙げて説明を行ったが、これとは逆に、出力電流Ioutの減少に伴うスリープ移行動作についても、上記の説明に倣って理解することができる。すなわち、負荷が軽くなりコイル電流ILが連続モードから不連続モードに遷移した場合には、不連続モード遷移後に到来する2回目のラッチタイミングでスリープ信号SLPがローレベルからハイレベルに立ち上がり、過電流保護部42がオフされることになる。
上記したように、本構成例の過電流保護回路40は、スイッチング周期毎に逆流検出信号S5(逆流電流の検出結果)をラッチし、そのラッチ出力であるスリープ信号SLPに応じて過電流保護部40のオン/オフ制御を行う。具体的に述べると、過電流保護回路40は、直前のスイッチング周期で逆流電流が検出されていたことを受けてオフとなり、直前のスイッチング周期で逆流電流が検出されていなかったことを受けてオンとなる。
このような構成とすることにより、電流連続モードであるか電流不連続モードであるかに応じて、過電流保護回路40をオン/オフさせることができるので、過電流保護機能の有効性を損なうことなく、軽負荷時の高効率化を実現することが可能となる。
また、先のオン時間設定回路16や逆流検出回路18と同じく、モード切替信号S7の入力を受け付けるスリープ対象回路として、過電流保護回路40を含めることも可能である。その場合、例えば、モード切替信号S7がローレベルとされているときには、過電流保護回路40を常時オンとし、モード切替信号S7がハイレベルとされているときには、過電流保護回路40を逆流検出信号S5に応じてオン/オフ制御すればよい。
<モード切替制御回路>
図31は、モード切替制御回路60(及びその周辺回路)を備えた半導体装置10の一構成例を示す図である。本構成例の半導体装置10は、スリープ対象回路50と、モード切替制御回路60と、スリープ対象外回路70と、ノイズマスク回路80と、を有する。
スリープ対象回路50は、モード切替信号S7に応じてその動作モードが通常モードとスリープモードのいずれか一方に切り替えられる回路ブロックである。なお、本構成例の半導体装置10では、先述のオン時間設定回路16や逆流検出回路18に加えて、メインコンパレータ13やバイアス電流生成回路51がスリープ対象回路50に含まれている。例えば、メインコンパレータ13は、モード切替信号S7がハイレベルであるときにスリープモードとなり、その駆動電流がゼロ(ないしはほぼゼロ)とされる。
モード切替制御回路60は、動作モード切替時(通常モードからスリープモードへの移行時、ないしは、スリープモードから通常モードへの復帰時)に、メインコンパレータ13の出力マスク制御や出力帰還ループの切替制御を行う回路ブロックであり、Dフリップフロップ61及び62と、ORゲート63と、インバータ64及び65と、ANDゲート66と、ORゲート67と、を含む。
Dフリップフロップ61は、反転クロック端に入力されるゲート信号G2の立下りエッジをトリガとして、データ端(D)に入力されるモード切替信号S7をラッチし、そのラッチ出力を出力端(Q)から第1ラッチ信号S61として出力する。
Dフリップフロップ62は、反転クロック端に入力されるゲート信号G2の立下りエッジをトリガとして、データ端(D)に入力される第1ラッチ信号S61をラッチし、そのラッチ出力を出力端(Q)から第2ラッチ信号S62として出力する。
従って、モード切替信号S7の論理レベルが切り替わると、その後にゲート信号G2の立下りエッジが2回到来した時点で、第2ラッチ信号S62の論理レベルが切り替わる。なお、本構成例のモード切替制御回路60では、2段のDフリップフロップ61及び62が用いられているが、Dフリップフロップの段数は1段であってもよいし、3段以上であってもよい。
ORゲート63は、モード切替信号S7と第2ラッチ信号S62との論理和信号S63を生成する。論理和信号S63は、モード切替信号S7と第2ラッチ信号S62の少なくとも一方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、モード切替信号S7と第2ラッチ信号S62の双方がローレベルであるときにローレベルとなる。従って、論理和信号S63の立上りタイミングは、モード切替信号S7の立上りタイミングと一致しているが、論理和信号S63の立下りタイミングは、モード切替信号S7の立下りタイミングではなく第2ラッチ信号S62の立下りタイミングまで遅延される。
インバータ64は、論理和信号S63を論理反転させることにより、出力ゲート信号S64を生成する。
インバータ65は、論理和信号S63を論理反転させることにより、ノイズマスク制御信号S65を生成する。
ANDゲート66は、比較信号S1と出力ゲート信号S64との論理積信号S66を生成する。出力ゲート信号S66は、比較信号S1と出力ゲート信号S64の少なくとも一方がローレベルであるときにローレベルとなり、比較信号S1と出力ゲート信号S64の双方がハイレベルであるときにハイレベルとなる。従って、出力ゲート信号S64がハイレベルであるときには、比較信号S1が論理積信号S66としてスルー出力されるが、出力ゲート信号S64がローレベルであるときには、比較信号S1の論理レベルに依ることなく、論理積信号S66がローレベルに固定される。すなわち、出力ゲート信号S64がローレベルであるときには、メインコンパレータ13の出力マスクが行われる。
ORゲート67は、論理積信号S66とサブ比較信号S71との論理和信号S67を生成する。論理和信号S67は、論理積信号S66とサブ比較信号S71の少なくとも一方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、論理積信号S66とサブ比較信号S71の双方がローレベルであるときにローレベルとなる。すなわち、メインコンパレータ13の出力マスク時(S66=L固定)には、サブ比較信号S71が論理積信号S67としてスルー出力されることになる。
上記構成から成るモード切替制御回路60は、通常モードからスリープモードへの移行時(S7=L→H)には、遅滞なくスリープ対象回路50の出力マスクを行い、スリープモードから通常モードへの復帰時(S7=H→L)には、所定の遅延を持ってスリープ対象回路50の出力マスクを解除する。その際、モード切替制御回路60は、モード切替信号S7をゲート信号G2の立下りエッジ(トランジスタN2のオフタイミング)でラッチし、そのラッチ出力を用いてスリープ対象回路50の出力マスクを解除する。
スリープ対象外回路70は、モード切替信号S7に依ることなく、常に駆動電流の供給を受けて動作し続ける回路ブロックであり、サブコンパレータ71とスイッチ72及び73を含む。また、本図には明示されていないが、出力帰還ループを形成する回路ブロックのうち、基準電圧生成回路12、ワンショットパルス生成回路14、RSフリップフロップ15、及び、ゲートドライバ回路17などもスリープ対象外回路70に含まれている。
サブコンパレータ71は、反転入力端(−)に入力されるリップルインジェクション前の分圧電圧Vdivと、非反転入力端(+)に入力される基準電圧Vref1またはVref2を比較してサブ比較信号S71を生成する。サブ比較信号S71は、分圧電圧Vdivが基準電圧Vref1またはVref2よりも高いときにローレベルとなり、分圧電圧Vdivが基準電圧Vref1またはVref2よりも低いときにハイレベルとなる。
サブコンパレータ71は、メインコンパレータ13がスリープモードとされているときにその代替動作を行うことにより、出力帰還ループの形成を維持する。なお、出力電圧Voutが下がり過ぎたときにトランジスタN1の最大オン時間を設定するためのマックスオンコンパレータが半導体装置10に搭載されている場合には、これをサブコンパレータ71として流用することが望ましい。このような流用を行うことにより、回路規模の不要な増大を招くことなく、軽負荷時の省電力化を実現することが可能となる。
なお、上記の流用により、サブコンパレータ71は、メインコンパレータ13がスリープモードとされているときだけでなく、メインコンパレータ13が通常モードとされているときにもマックスオンコンパレータとして動作を継続する。
スイッチ72は、基準電圧Vref1(例えばVref1=Vref)の印加端とサブコンパレータ71の非反転入力端(+)との間に接続されており、論理和信号S63に応じてオン/オフされる。具体的に述べると、スイッチ72は、論理和信号S63がハイレベルであるときにオンとなり、論理和信号S63がローレベルであるときにオフとなる。
スイッチ73は、基準電圧Vref2(例えばVref2=Vref×0.99)の印加端とサブコンパレータ71の非反転入力端(+)との間に接続されており、出力ゲート信号S64(論理和信号S63の論理反転信号)に応じてオン/オフされる。具体的に述べると、スイッチ73は、出力ゲート信号S64がハイレベルであるときにオンとなり、出力ゲート信号S64がローレベルであるときにオフとなる。
すなわち、スイッチ72及び73は、メインコンパレータ13の出力マスクが行われているか否かに応じて、サブコンパレータ71の非反転入力端(+)に入力される基準電圧Vref1及びVref2を切り替えるセレクタとして機能する。
より具体的に述べると、メインコンパレータ13の出力マスク時には、サブコンパレータ71をメインコンパレータ13の代替手段として機能させるべく、基準電圧Vrefと等しい基準電圧Vref1が選択される。一方、メインコンパレータ13の出力マスク解除時には、サブコンパレータ71をマックスオンコンパレータとして機能させるべく、基準電圧Vrefよりも低い基準電圧Vref2が選択される。
ノイズマスク回路80は、通常モードからスリープモードへの移行時(S7=L→H)にサブコンパレータ71の出力ノイズをマスクする回路ブロックであり、ORゲート81と、信号遅延部82と、ANDゲート83と、を含む。
ORゲート81は、ノイズマスク制御信号S65と論理和信号S67との論理和信号S81を生成する。論理和信号S81は、ノイズマスク制御信号S65と論理和信号S67の少なくとも一方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、ノイズマスク制御信号S65と論理和信号S67の双方がローレベルであるときにローレベルとなる。すなわち、メインコンパレータ13の出力マスク時(S65=L)には、論理和信号S67が論理和信号S81としてスルー出力されるが、メインコンパレータ13の出力マスク解除時(S65=H)には、論理和信号S67の論理レベルに依ることなく、論理和信号S81がハイレベルに固定される。
信号遅延部82は、論理和信号S81を所定の遅延時間(例えば1μs)だけ遅らせて遅延信号S82を生成する。
ANDゲート83は、論理和信号S67と遅延信号S82との論理積信号S1’を生成し、これを比較信号S1の代替信号としてワンショットパルス生成回路14に出力する。論理積信号S1’は、論理和信号S67と遅延信号S82の少なくとも一方がローレベルであるときにローレベルとなり、論理和信号S67と遅延信号S82の双方がハイレベルであるときにハイレベルとなる。
従って、通常モードからスリープモードへの移行時(S7=L→H)にサブコンパレータ71の出力ノイズが生じた場合であっても、所定の遅延時間以内(1μs以内)に出力ノイズが収束すれば、論理積信号S1’に出力ノイズが重畳することはないので、誤動作を防止することができる。
なお、先に述べたように、メインコンパレータ13の出力マスク解除時(S65=H)には、論理和信号S81がハイレベルに固定されるので、延いては、遅延信号S82がハイレベルに固定される。従って、ANDゲート83は、論理和信号S67(比較信号S1に相当)を論理積信号S1’としてスルー出力する状態となるので、比較信号S1を不必要に遅延させずに済む。
図32は、モード切替制御動作の一例を示すタイムチャートであり、上から順に、スイッチ電圧Vsw、出力電圧Vout、モード切替信号S7、論理和信号S63、比較信号S1、及び、サブ比較信号S71が描写されている。また、図33及び図34は、それぞれ、図32における破線領域γ及びδの拡大図である。
まず、通常モードからスリープモードへの切替動作について説明する。図33の時刻t61において、モード切替信号S7がハイレベルに立ち上げられると、スリープ対象回路50は、スリープモードに即時移行する。このとき、モード切替制御回路60は、モード切替信号S7がハイレベルに立ち上げられたことを受けて論理和信号S63を遅滞なくハイレベルに立ち上げ、メインコンパレータ13の出力マスク処理、及び、サブコンパレータ71を用いた出力帰還動作への切替処理を行う。すなわち、時刻t61を境として、比較信号S1に応じたスイッチング動作からサブ比較信号S71に応じたスイッチング動作に切り替わる。
このように、スリープ対象回路50のスリープモード時には、メインコンパレータ13を用いることなく、サブコンパレータ71を用いてスイッチング動作を行うことにより、通常モードで使用する回路の大部分(メインコンパレータ13を含む)をオフすることができるので、軽負荷時の高効率化を実現することが可能となる。
次に、スリープモードから通常モードへの切替動作について説明する。図34の時刻t71において、モード切替信号S7がローレベルに立ち下げられると、スリープ対象回路50は、通常モードに即時復帰する。ただし、通常モードへの復帰直後(駆動電流の供給再開直後)には、メインコンパレータ13が正しく動作せず、比較信号S1に誤パルスを生じるおそれがある(時刻t71〜t72の比較信号S1を参照)。
そこで、モード切替制御回路60は、モード切替信号S7がローレベルに立ち下げられた後も論理和信号S63を所定の電流復帰期間(時刻t71〜t72)に亘ってハイレベルに維持し、メインコンパレータ13の出力マスク処理と、サブコンパレータ71を用いた出力帰還動作を継続する。すなわち、時刻t71では、スリープ対象回路50への電流供給が復帰される一方、出力帰還動作はスリープモードのままとなる。
モード切替信号S7がローレベルに立ち下がった後、時刻t72において、ゲート信号G2に2回目の立下りエッジが到来すると、モード切替制御回路60は、論理和信号S63をローレベルに立ち下げてメインコンパレータ13の出力マスク処理を解除する。つまり、時刻t72を境として、サブ比較信号S71に応じたスイッチング動作から比較信号S1に応じたスイッチング動作に切り替わる。なお、メインコンパレータ13を用いた出力帰還動作への復帰タイミングは、常にトランジスタN2のオフタイミングと一致する。
このようなモード切替制御を行うことにより、スリープモードから通常モードへの復帰に際して、比較信号S1の誤パルスに起因する意図しないスイッチング動作が生じなくなるので、出力リップルの増大を解消することが可能となる。
<リップルインジェクション回路(基準電圧側)>
図35は、スイッチング電源装置の第4実施形態(基準電圧側にリップルインジェクション回路を備えた半導体装置10の一構成例)を示すブロック図である。本構成例の半導体装置10は、基本的に図1とほぼ同様の構成であり、図1のリップルインジェクション回路11に代えて、所定の定電圧Vref0(図1の基準電圧Vrefに相当)からコイル電流ILを模擬したリップル電圧Vrplを減算して基準電圧Vrefを生成するリップルインジェクション回路90を有する。
図36は、リップルインジェクション回路90の一構成例を示す図である。本構成例のリップルインジェクション回路90は、電流源91a及び91bと、電流源92a及び92bと、充放電切替スイッチ93a及び93bと、コンデンサ94と、端子電圧印加部95と、放電スイッチ96と、放電制御部97と、を含む。
電流源91aは、出力電圧Vout(またはトランジスタN1のオンデューティに相当する第2電圧VY2)に応じた電流I91a(=α×Vout)を生成する。電流源91aの第1端は、電源端に接続されている。電流源91bの第2端は、コンデンサ94の第1端(基準電圧Vrefの出力端)に接続されている。
電流源92aは、入力電圧Vinに応じた電流I92a(=α×Vin)を生成する。電流源92aの第1端は、充放電スイッチ93aを介して、コンデンサ94の第1端(基準電圧Vrefの出力端)に接続されている。電流源92aの第2端は、接地端に接続されている。なお、降圧型(Vin>Vout)のスイッチング電源装置1において、電流源91aと電流源92aが同一の比例定数αを持つ場合は、I91a<I92aとなる。
充放電切替スイッチ93aは、ゲート信号G1に応じてオン/オフされることにより、電流源92aの第1端とコンデンサの第1端(基準電圧Vrefの出力端)との間を導通/遮断する。より具体的に述べると、充放電切替スイッチ93aは、ゲート信号G1のハイレベル期間(トランジスタN1のオン期間)にオンとなり、ゲート信号G1のローレベル期間(トランジスタN1のオフ期間)にオフとなる。
電流源91bは、入力電圧Vinに応じた電流I91b(=α×Vin)を生成する。電流源91bの第1端は、電源端に接続されている。電流源91bの第2端は、充放電切替スイッチ93bを介して、コンデンサ94の第2端(バッファ電圧Vbufの印加端)に接続されている。
電流源92bは、出力電圧Vout(またはトランジスタN1のオンデューティに相当する第2電圧VY2)に応じた電流I92b(=α×Vout)を生成する。電流源92bの第1端は、コンデンサ94の第2端(バッファ電圧Vbufの印加端)に接続されている。電流源92bの第2端は、接地端に接続されている。なお、降圧型(Vin>Vout)のスイッチング電源装置1において、電流源91bと電流源92bが同一の比例定数αを持つ場合には、I91b>I92bとなる。
充放電切替スイッチ93bは、ゲート信号G1に応じてオン/オフされることにより、電流源91bの第2端とコンデンサの第2端(バッファ電圧Vbufの印加端)との間を導通/遮断する。より具体的に述べると、充放電切替スイッチ93bは、ゲート信号G1のハイレベル期間(トランジスタN1のオン期間)にオンとなり、ゲート信号G1のローレベル期間(トランジスタN1のオフ期間)にオフとなる。
コンデンサ94の第1端は、基準電圧Vrefの出力端に接続されている。コンデンサ94の第2端は、端子電圧印加部95に接続されている。充放電切替スイッチ93a及び93bのオン期間(トランジスタN1のオン期間)には、電流I92aから電流I91aを差し引いた差分電流(=I92a−I91a>0)がコンデンサ94の第1端から引き抜かれるとともに、電流I91bから電流I92bを差し引いた差分電流(=I91b−I92b>0)がコンデンサ94の第2端に向けて流れ込む状態となるので、コンデンサ94が充電される(コンデンサ94の両端間電圧が高くなる)。一方、充放電切替スイッチ93a及び93bのオフ期間(トランジスタN1のオフ期間)には、電流I92a及びI91bが各々遮断されることにより、コンデンサ94の第1端に向けて電流I91aが流れ込むとともに、コンデンサ94の第2端から電流I92bが引き抜かれる状態となるので、コンデンサ94が放電される(コンデンサ94の両端間電圧が低くなる)。
端子電圧印加部95は、コンデンサ94の両端間電圧がリップル電圧Vrplとして定電圧Vref0から減算されるようにコンデンサ94の端子電圧(本図ではバッファ電圧Vbuf)を印加する回路ブロックであり、エラーアンプ951と、バッファアンプ952と、抵抗953a及び953bと、コンデンサ954と、スイッチ955a及び955bと、インバータ956、を含む。
エラーアンプ951の非反転入力端(+)は、定電圧Vref0の印加端に接続されている。エラーアンプ951の反転入力端(−)は、スイッチ955aを介して帰還電圧Vfbの印加端に接続されると共に、抵抗953a及び955bから成る負帰還ループを介してエラーアンプ951の出力端にも接続されている。エラーアンプ951の出力端は、バッファアンプ952の入力端に接続されている。エラーアンプ951の出力端と接地端との間には、位相補償用の抵抗953bとコンデンサ954が直列接続されている。バッファアンプ952の出力端は、コンデンサ94の第2端に接続されている。スイッチ955aの制御端は、インバータ956の出力端に接続されている。スイッチ955bの制御端とインバータ956の入力端は、逆流検出信号S5の印加端に接続されている。
スイッチ955a及び955bは、逆流検出信号S5に応じて相補的にオン/オフされる。具体的に述べると、逆流検出信号S5がローレベル(逆流未検出時の論理レベル)であるときには、スイッチ955aがオンとなりスイッチ955bがオフとなる。従って、電流連続モードでは、定電圧Vref0と帰還電圧Vfbとを一致させるように誤差電圧Verrの生成動作が行われる。一方、逆流検出信号S5がハイレベル(逆流検出時の論理レベル)であるときには、スイッチ955aがオフとなりスイッチ955bがオンとなる。従って、電流不連続モードでは、エラーアンプ951がバッファとして機能し、誤差電圧Verrが帰還電圧Vfbに依らない一定値に固定される。
放電スイッチ96は、コンデンサ94と並列に接続されており、放電制御部97から入力される放電制御信号Sxに応じてオン/オフ制御される。具体的に述べると、放電スイッチ96は、放電制御信号Sxがハイレベルであるときにオンとなり、放電制御信号Sxがローレベルであるときにオフとなる。放電スイッチ96がオンされると、コンデンサ94の両端間がショートされるので、コンデンサ94が急速に放電されて、リップル電圧Vrplがゼロ値にリセットされる。
放電制御部97は、先の放電制御部117と同様の回路構成から成り、コンデンサ94の充電開始前毎に放電スイッチ96をオンさせるように、放電制御信号Sxを生成する。すなわち、リップル電圧Vrplは、コンデンサ94の充電開始前毎にリセットされる。また、本図では明示されていないが、先出のオーバーシュート抑制回路30(図23を参照)を導入し、リップル電圧Vrplの極性反転時にもリセットを行うことが望ましい。
上記構成から成るリップルインジェクション回路90は、電流I91a及びI91bと電流I92a及び92bを用いてコンデンサ94の充放電を行うことでコイル電流ILを模擬したリップル電圧Vrplを生成し、これをバッファ電圧Vbuf(=誤差電圧Verr)から減算することにより基準電圧Vref(=Verr−Vrpl)を生成する。
図37及び図38は、それぞれ、リップルインジェクション動作の第1例(C1:導電性高分子コンデンサ)及び第2例(C1:セラミックコンデンサ)を示すタイムチャートであり、上から順に、帰還電圧Vfb、誤差電圧Verr、基準電圧Vref、比較信号S1、放電制御信号Sx、及び、スイッチ電圧Vswが描写されている。
両図で示すように、コンデンサC1として導電性高分子コンデンサとセラミックコンデンサのいずれを用いた場合であっても、基準電圧Vrefには十分な大きさの疑似リップル成分(リップル電圧Vrpl)を注入することが可能である。
<テレビへの適用>
図39は、上記のスイッチング電源装置を搭載したテレビの一構成例を示すブロック図である。また、図40A〜図40Cは、それぞれ、上記のスイッチング電源装置を搭載したテレビの正面図、側面図、及び、背面図である。本構成例のテレビAは、チューナ部A1と、デコーダ部A2と、表示部A3と、スピーカ部A4と、操作部A5と、インタフェイス部A6と、制御部A7と、電源部A8と、を有する。
チューナ部A1は、テレビAに外部接続されるアンテナA0で受信された受信信号から所望チャンネルの放送信号を選局する。
デコーダ部A2は、チューナA1で選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成する。また、デコーダ部A2は、インタフェイス部A6からの外部入力信号に基づいて、映像信号と音声信号を生成する機能も備えている。
表示部A3は、デコーダ部A2で生成された映像信号を映像として出力する。
スピーカ部A4は、デコーダ部A2で生成された音声信号を音声として出力する。
操作部A5は、ユーザ操作を受け付けるヒューマンインタフェイスの一つである。操作部A5としては、ボタン、スイッチ、リモートコントローラなどを用いることができる。
インタフェイス部A6は、外部デバイス(光ディスクプレーヤやハードディスクドライブなど)から外部入力信号を受け付けるフロントエンドである。
制御部A7は、上記各部A1〜A6の動作を統括的に制御する。制御部A7としては、CPU[central processing unit]などを用いることができる。
電源部A8は、上記各部A1〜A7に電力供給を行う。電源部A8としては、先述のスイッチング電源装置1を好適に用いることができる。
<その他の変形例>
なお、上記実施形態では、同期整流方式の降圧型スイッチング電源装置に本発明を適用した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、スイッチング駆動方式として非同期整流方式を採用してもよいし、また、スイッチング電源装置の出力段を昇圧型や昇降圧型としても構わない。
このように、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本発明に係るスイッチング電源装置は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、BDレコーダ/プレーヤ、セットトップボックス、並びに、パーソナルコンピュータなど、種々の電子機器に搭載される電源(例えば、高速な応答を必要とするSOC[system-on-chip]用あるいは周辺機器用の電源)として利用することが可能である。
1 スイッチング電源装置
10 半導体装置(電源制御IC)
11 リップルインジェクション回路
111、112 電流源
113 充放電切替スイッチ
114 コンデンサ
115 端子電圧印加部
115a 電流源
115b Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ
116 放電スイッチ
117 放電制御部
117a ワンショットパルス生成部
117b RSフリップフロップ
117c ORゲート
117d ORゲート
12 基準電圧生成回路
121 Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ
122、123 電流源
13 メインコンパレータ
14 ワンショットパルス生成回路
141 ORゲート
15 RSフリップフロップ
16、16X、16Y、16Z オン時間設定回路
17 ゲートドライバ回路
18 逆流検出回路
181 コンパレータ
182 ANDゲート
183 RSフリップフロップ
184 ORゲート
19 静音化回路
191、192 ワンショットパルス生成部
193 タイマ部
194 RSフリップフロップ
195 コンパレータ
196 NORゲート
20 スイッチ出力段
30 オーバーシュート抑制回路
31 クロスコンパレータ
40 過電流保護回路
41 Dフリップフロップ
42 過電流保護部
50 スリープ対象回路
51 バイアス電流生成回路
60 モード切替制御回路
61、62 Dフリップフロップ
63 ORゲート
64、65 インバータ
66 ANDゲート
67 ORゲート
70 スリープ対象外回路
71 サブコンパレータ
72、73 スイッチ
80 ノイズマスク回路
81 ORゲート
82 信号遅延部
83 ANDゲート
90 リップルインジェクション回路
91a、91b、92a、92b 電流源
93a、93b 充放電切替スイッチ
94 コンデンサ
95 端子電圧印加部
951 エラーアンプ
952 バッファアンプ
953a、953b 抵抗
954 コンデンサ
955a、955b スイッチ
956 インバータ
96 放電スイッチ
97 放電制御部
N1 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(出力トランジスタ)
N2 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(同期整流トランジスタ)
L1 コイル
R1、R2 抵抗
C1 コンデンサ
T1〜T8 外部端子
X1、Y1 電圧/電流変換部
X2、Y2 コンデンサ
X3、Y3 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
X4、Y4 コンパレータ
X5、X6 抵抗
Y5 レベルシフタ
Y6 セレクタ
Y7 フィルタ(CRフィルタ)
Y11〜Z13 抵抗
Y14 オペアンプ
Y15 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
Y16、Y17 Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ
Y61、Y62 スイッチ
Y71〜Y73 抵抗
Y74、Y75 コンデンサ
Z1 電流出力アンプ
Z2、Z3 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
Z4 コンデンサ
Z5、Z6 抵抗
Z7 インバータ
Z8、Z9 スイッチ
A テレビ
A0 アンテナ
A1 チューナ部
A2 デコーダ部
A3 表示部
A4 スピーカ部
A5 操作部
A6 インタフェイス部
A7 制御部
A8 電源部

Claims (10)

  1. 帰還電圧と基準電圧との比較結果に応じて出力トランジスタのオン/オフ制御を行うことによりコイルを駆動して入力電圧から出力電圧を生成する非線形制御方式のスイッチング制御回路と、
    前記出力電圧の分圧電圧にコイル電流を模擬したリップル電圧を加算して前記帰還電圧を生成する、若しくは、所定の定電圧から前記リップル電圧を減算して前記基準電圧を生成するリップルインジェクション回路と、
    を有することを特徴とする電源制御IC。
  2. 前記リップルインジェクション回路は、
    前記入力電圧に応じた第1電流を生成する第1電流源と、
    前記出力電圧または前記出力トランジスタのオンデューティに相当する電圧に応じた第2電流を生成する第2電流源と、
    前記出力トランジスタのオン期間には前記第1電流から前記第2電流を差し引いた差分電流により充電されて前記出力トランジスタのオフ期間には前記第2電流により放電されるコンデンサと、
    前記コンデンサの両端間電圧が前記リップル電圧として前記分圧電圧に加算されるように、若しくは、前記コンデンサの両端間電圧が前記リップル電圧として前記定電圧から減算されるように、前記コンデンサの端子電圧を印加する端子電圧印加部と、
    前記コンデンサと並列に接続された放電スイッチと、
    前記コンデンサの充電開始前毎に前記放電スイッチをオンさせる放電制御部と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の電源制御IC。
  3. 前記放電制御部は、前記出力トランジスタと相補的にオン/オフ制御される同期整流トランジスタがオフされる毎に前記放電スイッチをオンさせることを特徴とする請求項2に記載の電源制御IC。
  4. 前記放電制御部は、前記同期整流トランジスタがオフされてから前記出力トランジスタがオンされるまで前記放電スイッチをオンさせておくことを特徴とする請求項3に記載の電源制御IC。
  5. 前記スイッチング制御回路は、
    前記基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
    前記帰還電圧と前記基準電圧とを比較して比較信号を生成するメインコンパレータと、
    前記比較信号に応じてセット信号にワンショットパルスを生成するワンショットパルス生成回路と、
    前記セット信号に応じて出力信号を第1論理レベルにセットし、リセット信号に応じて前記出力信号を第2論理レベルにリセットするRSフリップフロップと、
    前記出力信号が前記第1論理レベルにセットされてから所定のオン時間が経過した時点で前記リセット信号にワンショットパルスを生成するオン時間設定回路と、
    前記出力信号に応じて前記出力トランジスタを駆動するゲートドライバ回路と、
    を含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電源制御IC。
  6. 前記スイッチング制御回路は、前記出力トランジスタと相補的にオン/オフ制御される同期整流トランジスタへの逆流電流を監視して前記同期整流トランジスタを強制的にオフさせる逆流電流検出回路をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の電源制御IC。
  7. 前記オン時間設定回路は、前記逆流電流の未検出時には前記オン時間を前記出力トランジスタのオンデューティに応じた変動値として設定し、前記逆流電流の検出時には前記オン時間を前記入力電圧に反比例して前記出力電圧に比例する変動値として設定することを特徴とする請求項6に記載の電源制御IC。
  8. 前記オン時間設定回路は、
    前記入力電圧に応じた充電電流を用いてコンデンサの充放電を行うことにより第1電圧を生成する第1電圧生成回路と、
    前記逆流電流の未検出時には前記出力トランジスタのオンデューティに応じた第2電圧を生成する一方、前記逆流電流の検出時には前記出力トランジスタの一端に現れるスイッチ電圧に応じた第2電圧を生成する第2電圧生成回路と、
    前記第1電圧と前記第2電圧を比較して前記リセット信号を生成するコンパレータと、
    を含み、
    前記第2電流源は、前記第2電圧に応じて前記第2電流を生成する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の電源制御IC。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の電源制御ICと、
    前記電源制御ICに一部または全部が外付けされて入力電圧から出力電圧を生成するスイッチ出力段と、
    を有することを特徴とするスイッチング電源装置。
  10. 請求項9に記載のスイッチング電源装置を有することを特徴とする電子機器。
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