JP2016032019A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Toru Nakano
徹 仲野
小出 崇志
Takashi Koide
崇志 小出
智美 毛利
Tomomi Mori
智美 毛利
俊和 梶原
Toshikazu Kajiwara
俊和 梶原
卓哉 山下
Takuya Yamashita
卓哉 山下
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Abstract

【課題】 太陽電池モジュールの製造時に太陽電池素子に割れ,クラックの発生を低減できる優れた太陽電池モジュールの製造方法を提供すること。【解決手段】 電極を備えている太陽電池素子を複数有し、互いに隣り合う前記太陽電池素子の電極同士がハンダおよび長尺のインターコネクタを介して電気的に接続される太陽電池モジュールの製造方法であって、前記太陽電池素子の前記電極の上に、前記ハンダおよび前記インターコネクタを配置する配置工程と、前記インターコネクタの上に、1箇所以上の部位を加熱する加熱ユニットおよび1箇所以上の部位を冷却する冷却ユニットを配置して、前記ハンダを前記加熱ユニットで加熱するとともに、前記ハンダの周囲を前記冷却ユニットで冷却する加熱冷却工程と、を備えている。【選択図】 図7

Description

本発明は太陽電池モジュールの製造方法に関する。
一般に、結晶系シリコンを半導体基板とした太陽電池素子を複数用いた太陽電池モジュールは、通常、長尺の導線であるインターコネクタを互いに隣り合う太陽電池素子の電極同士に取り付けている。これにより、複数の太陽電池素子を電気的に接続して、所定の電気出力を得るようにしている。
太陽電池モジュールの製造工程において、太陽電池素子の電極にインターコネクタをハンダ付けによって接続する場合、接続する材料間の熱膨張率の違いによって熱応力が生じる。このため、太陽電池素子に反りが発生して、太陽電池素子に割れ,クラックが発生し、製造歩留りを低下させることがあった。
特に、バックコンタクト型の太陽電池素子を用いた場合、プラス側およびマイナス側の両電極が太陽電池素子の裏面側(非受光面側)に配置されているので、インターコネクタが全て太陽電池素子の裏面側へ接続される。このため、太陽電池素子に大きな反りが発生しやすく、製造歩留りへの悪影響が大きい。
そこで、バックコンタクト型の太陽電池素子にインターコネクタをハンダ付けで接続した後に、太陽電池素子を変形させる。これにより、太陽電池素子の一部領域をインターコネクタ側に突出させることによって、太陽電池素子の反りを小さくすることが提案されている(例えば、下記の特許文献1を参照)。
国際公開第2010/87460号
しかしながら、上述の太陽電池モジュールの製造方法では、太陽電池素子にインターコネクタで接続した直後に、反りが生じている太陽電池素子を変形させるので、太陽電池素子に割れ,クラックが発生しやすい。
そこで、本発明の一つの目的は、太陽電池モジュールの製造時に太陽電池素子に割れ,クラックの発生を低減できる優れた太陽電池モジュールの製造方法を提供することにある。
本発明の一形態に係る太陽電池モジュールの製造方法は、電極を備えている太陽電池素子を複数有し、互いに隣り合う前記太陽電池素子の電極同士がハンダおよび長尺のインターコネクタを介して電気的に接続される太陽電池モジュールの製造方法であって、前記太陽電池素子の前記電極の上に、前記ハンダおよび前記インターコネクタを配置する配置工程と、前記インターコネクタの上に、1箇所以上の部位を加熱する加熱ユニットおよび1箇所以上の部位を冷却する冷却ユニットを配置して、前記ハンダを前記加熱ユニットで加熱するとともに、前記ハンダの周囲を前記冷却ユニットで冷却する加熱冷却工程とを備えている。
上記の太陽電池モジュールの製造方法によれば、太陽電池モジュールの製造工程中に太陽電池素子に大きな反りを生じさせることがなく、インターコネクタと太陽電池素子とを接続することが可能となる。これにより、割れおよびクラックの発生を低減することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る太陽電池素子の平面図であり、図1(a)は太陽電池素子の受光面側に形成された電極形状の一例を示す平面図であり、図1(b)は太陽電池素子の裏面側に形成された電極形状の一例を示す平面図である。 図2は、図1に示す太陽電池素子の部分拡大断面図であり、図2(a)は図1(a)のX−X線の矢印方向における断面図、図2(b)は図1(a)のY−Y線の矢印方向における断面図である。 図3は、図1(b)のA部における部分拡大平面図である。 図4は、図4(a)は絶縁膜を形成した後の図1(b)のA部における部分拡大平面図であり、図4(b)は図4(a)のY0−Y0線における断面構造を示す断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを示す図であり、図5(a)は太陽電池モジュールを構成する太陽電池パネルの分解断面図であり、図5(b)は、受光面側から見た平面図である。 図6は、2つの太陽電池素子の裏面側において太陽電池素子同士を直列に接続した様子を示す平面図である。 図7は、(a)は、配置工程における図6におけるX0−X0の断面を示すものであり、(b)は、加熱冷却工程における図6におけるX0−X0の断面を示すものである。 図8は、加熱冷却工程におけるインターコネクタの幅方向の断面図である。 図9は、冷却部材を有する冷却ユニットを用いた場合の加熱冷却工程におけるインターコネクタの幅方向の断面図である。 図10(a)〜(d)は、他の実施系他に係る加熱冷却工程の流れを示す断面図である。 図11は、インターコネクタと加熱ユニットとの間に金属箔を配置した場合の断面図である。 図12は、加熱ユニット、押圧ユニットおよび冷却ユニットを上から見た様子を示す平面図である。
本発明に係る太陽電池モジュールの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面は模式的に示したものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は適宜変更し得る。
<<太陽電池素子>>
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを構成するバックコンタクト型の太陽電池素子について、図1および図2を用いて説明する。
図1(a)に示すように、太陽電池素子1は、太陽光を主に受光する第1主面である受光面1aと、図1(b)に示すように、第1主面の反対側に位置する裏面(非受光面)1bとを有する。そして、図2に示すように、受光面1a側と裏面1b側とを貫通する複数の貫通孔8を有する半導体基板5を備えている。また、この貫通孔8の内部には導電性充填材が充填され、一極性の電極2は貫通孔電極2bを有している。
半導体基板5の受光面1a側に形成された受光面電極2aは、図1(a)に示すように、一極性の電極2の一つであり、複数本の直線状細線の電極がほぼ等間隔に設けられている。さらに、各々1本の受光面電極2a上には、貫通孔電極2bが1〜5個程度接続されている。
一本の受光面電極2aに複数の貫通孔電極2bを備えることが、一つの貫通孔電極2bにおける電流密度を小さくし、太陽電池素子の直列抵抗成分を低減できるため望ましい。
受光面1aの電極に対応する裏面1bに形成された電極は以下の通りである。図1(b)に示すように、貫通孔電極2bの直下に、これと電気的に接続された一極性の電極2の一つである矩形状の第1電極2cが、複数個、一直線上にほぼ一定間隔で配置されている。そして、第1電極2cの一つには、貫通孔電極2bが一つまたは複数個、接続されている。
さらに、裏面1bには、一極性の電極2とは異なる極性を持った他極性の電極3が設けられ、この他極性の電極3は集電電極3aと出力電極3bとから成る。
すなわち、裏面1bには、上記の直線状に配置された第1電極2cと、その周辺部以外の部分に、アルミニウムなどを主成分とする電極材料を焼成して形成された集電電極3aとが配置されている。そして、この集電電極3a上に銀を主成分とする導電ペーストから形成された出力電極3bが配置されている。
図3に図1(b)のA部の拡大図を示す。図3に示すように、他極性の電極3の出力電極3bは、第1電極2cを挟んで対向する位置に設けられる。互いに対向する1対の出力電極3b1、3b2は連結部3cで電気的に接続されており、連結部3cは互いに隣り合う第1電極2cの間隙部に設けられる。出力電極3bは、集電電極3aで集電された電力を流す出力取出電極としての機能を有する。
また、連結部3cの上には、図4(a),(b)に示すように、インターコネクタを取り付けたときに、インターコネクタによって一極性の電極2と他極性の電極3との間で短絡が起こらないように、連結部3cを覆うように絶縁膜10が配置される。
また、半導体基板5は一導電型を有する。この半導体基板5の受光面1aおよび裏面1bには、図2(a),(b)に示すように、半導体基板5の導電型と異なる逆導電型半導体層6(第1逆導電型半導体層6a、第3逆導電型半導体層6c)を有する。
また半導体基板5の貫通孔8の内面には、第2逆導電型半導体層6bが設けられている。
一導電型を示す半導体基板5としてボロンをドープしたp型のシリコン基板を使用する場合、このような逆導電型半導体層6はn型となり、例えばリンなどのn型不純物を半導体基板5の表面と貫通孔8の内面に拡散して形成される。
また、図2(a),(b)において、集電電極3aの電極材料として、特にアルミニウムを用いた場合、これを塗布、焼成して集電電極3aを形成する際に、高濃度ドープ層4を同時に形成することができる。これにより、半導体基板5中で生成されたキャリアが効率よく集電される。ここで、高濃度とは半導体基板1における一導電型不純物の濃度よりも不純物濃度が大きいことを意味する。
このように、太陽電池素子1では、その受光面1aおよび貫通孔8内部に、受光面電極2aおよび貫通孔電極2bが配置される。また、裏面1b上においては、逆導電型半導体層6上に第1電極2cが配置される。さらに、逆導電型半導体層6の非形成部には他極性の電極3として、集電電極3aと出力電極3bとが配置される。
また、半導体基板5の一導電型(例えばp型)と逆導電型層(例えばn型)を電気的に分離(pn分離)するため、図1(a)に示すように、第1電極2を取り囲むように、その周辺部に分離溝9aが設けられている。さらに、半導体基板5の裏面1bの外周端部に分離溝9bが設けられている。
なお、本発明の太陽電池モジュールに使用可能な太陽電池素子は、上述のものに限定されない。例えば、集電電極3a上に出力電極3bが配置されている太陽電池素子だけでなく、部分的には出力電極3b上に集電電極3aが配置されている太陽電池素子を用いてもよい。また、バックコンタクト型の太陽電池素子の場合で、貫通孔の無いIBCと称するセルでも本発明の太陽電池モジュールに適用が可能である。
<<太陽電池素子の製造方法>>
次に、本実施形態に係る太陽電池素子の製造方法について説明する。
<半導体基板の準備工程>
まず、一導電型を示す半導体基板5として、例えばボロンなどがドープされたp型のシリコン基板を準備する。このシリコン基板は、シリコンインゴットから切り出された単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板からなるシリコン基板を用いればよく、シリコン基板の大きさは例えば一辺140〜180mm程度の矩形(正方形を含む)状であり、その厚みは100〜250μm程度にすればよい。
<電極用の貫通孔の形成工程>
次に、半導体基板5の受光面1aと裏面1bとの間に貫通孔8を形成する。貫通孔8は、機械的ドリル、ウォータージェットまたはレーザー装置等を用いて、例えば半導体基板5の受光面1a側から裏面1b側に向けて形成される。特に、貫通孔8形成時または形成後のマイクロクラックの発生を抑えるために、レーザー装置が好適に用いられる。
レーザーとしては、例えばエキシマレーザー、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーまたはYVO(イットリウム・バナデイト)レーザー等を使用することができる。
<表面エッチング>
貫通孔8を設けた半導体基板5の表面を、10〜30質量%程度、60〜90℃の水酸化ナトリウム水溶液で深さ1〜20μm程度エッチングを施し、洗浄する。
これにより、貫通孔8内部の側面もエッチングされ、その表面が清浄化される。
<逆導電型層の形成工程>
次に、半導体基板5の表面に逆導電型半導体層6を形成する。逆導電型半導体層6を形成するためのn型化ドーピング元素としてはP(リン)を用い、シート抵抗が60〜300Ω/□程度のn型とすることでpn接合部が形成される。
さらに、この逆導電型半導体層6の形成に例えば気相拡散法を用いた場合、半導体基板5の両面および貫通孔8の内壁に、同時に逆導電型半導体層6を形成することができる。
<反射防止膜の形成工程>
次に、第1逆導電型半導体層6aの上に、反射防止膜7を形成することが好ましい。反射防止膜7の材料としては、窒化珪素膜や酸化チタン膜などを用いることができる。反射防止膜7の形成方法としては、プラズマ励起化学堆積(PECVD)法、蒸着法またはスパッタリング法などを用いることができる。
<受光面電極および貫通孔電極の形成工程>
次に、半導体基板5に、受光面電極2aおよび貫通孔電極2bを形成する。これらの電極は、半導体基板5の受光面1aにスクリーン印刷法などの塗布法を用いて導電性ペーストを塗布すればよく、例えば銀等からなる導電性ペーストを、最高温度500〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することによって形成される。
<非受光面側電極の形成工程>
次に、半導体基板5の裏面1b上に、集電電極3aを形成する。
集電電極3aは、例えばスクリーン印刷法を用いて、半導体基板5の裏面1b上に導電性ペーストを塗布すればよい。例えば、アルミニウム等からなる導電性ペーストを、集電電極3aとなるような所定の電極形状に塗布し、最高温度500〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することによって集電電極3aを形成できる。これにより、一導電型半導体不純物が高濃度に拡散された高濃度ドープ層4を形成することも可能となる。
次に、半導体基板5の裏面1b上に、第1電極2、出力電極3bおよび連結部3cを形成する。上述の塗布法を用いて、半導体基板5の裏面1bに導電性ペーストを塗布すればよい。例えば、銀等からなる導電性ペーストを、例えば図1(a)の電極形状となるようにスクリーン印刷法を用いて塗布し、最高温度500〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することによって、第1電極2と出力電極3bと連結部3cとを形成する。
<pn分離工程>
pn分離は、裏面1bの周辺部のみに酸化珪素やアルミナなどの粉末を高圧で吹きつけて、裏面1bの周辺部の逆導電型層を削り取るブラスト加工法、または裏面1bの周辺端部に分離溝9bを形成するレーザー加工法を用いることで可能である。
次に、第1電極2周辺部分のpn分離を行う場合は、第1電極2、集電電極3a、連結部3c以外の部分に、YAGレーザー(波長1064nm)、またはSHG(Second Harmonic Generation)−YAGレーザー(波長532nm)などを用いてレーザー光を照射し、図示されているように断面がU字状の分離溝9aを形成することで行う。
pn分離工程は、上述のブラスト方法またはレーザー加工方法を用いたものに限定されない。例えばフッ酸(HF)と硝酸(HNO)との混合溶液などのエッチング液の液表面に、半導体基板5の裏面1bのみを接触させてもよい。この方法によっても裏面1b側の逆導電型半導体層6をエッチングして除去できる。このようなウエットエッチングを用いる場合は、上述した非受光面側電極の形成工程の前にウエットエッチングを行う。そして、第1電極2cの形成に用いる導電ペーストをp型の半導体基板とのオーミックコンタクト性が抑制された銀を主成分のものを使用するか、第1電極2cの形成部分の半導体基板5に予め絶縁膜を形成するとよい。
なお、このpn分離工程は、上述したp型の半導体基板だけでなくn型の半導体基板についても同様に適用が可能である。
<絶縁膜の形成工程>
さらに、他極性の電極3の連結部3c上には、絶縁膜10を形成する。図4(a),(b)に示すように、連結部3cの少なくとも第1電極2cの延長部分には絶縁膜10が形成される。絶縁膜10は、例えばポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂またはエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂を、スクリーン印刷法で10〜100μm程度に塗布し、大気雰囲気中で100〜400℃程度の温度で1〜60分程度の条件下で硬化させることによって形成する。
以上のようにして、本実施形態の太陽電池素子1が完成する。
<太陽電池モジュール>
図5(a)に示すように、本実施形態に係る太陽電池モジュールMは太陽電池パネルPを有する。太陽電池パネルPは、透光性部材12と裏面保護材13との間に、表側充填材14および裏側充填材15で封入した太陽電池素子1を配置した構造を有する。そして、太陽電池パネルPの外周部には、図5(b)に示すように、枠体18を取り付けている。さらに、太陽電池パネルPの裏面には、発電電力を出力配線16を通じて外部回路に出力するための端子箱17を取り付けている。
透光性基板12としては、ガラスまたはポリカーボネート樹脂などからなる基板を用いる。ここでガラスとしては、例えば、白板強化ガラス、倍強化ガラスまたは熱線反射ガラスなどを用いる。また、樹脂であれば、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂を用いる。透光性基板31は、白板強化ガラスであれば、厚さ3〜5mm程度であればよい。また、化学強化の軽量ガラスであれば、厚さ0.5〜2mm程度であればよい。
表面側充填材14および裏面側充填材15は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)またはポリビニルブチラール(PVB)から成り、Tダイと押し出し機とによって厚さ0.4〜1mm程度のシート状に成形されたものを用いる。これらはラミネート装置によって減圧下にて加熱加圧を行うことで、軟化、融着して他の部材と一体化する。
裏面保護材13は水分を透過を抑制するように、アルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂またはポリエチレンテレフタレート(PET)のシートなどを用いることができる。
<太陽電池素子の接続について>
上述のような電極を備えている複数の太陽電池素子1は、その裏面側においてインターコネクタ11によって互いに電気的に接続されている。すなわち、本実施形態に係る太陽電池素子1の接続では、互いに隣り合う太陽電池素子1の電極同士がハンダおよび長尺のインターコネクタ11を介して電気的に接続される。
本実施形態に係るインターコネクタ11は、例えば厚さ0.1〜0.6mm程度であり、幅1.0〜4.0mm程度の直線形状の銅またはアルミニウムなどの長尺の良導電性金属から成る。また、インターコネクタ11の長さは、太陽電池素子1の大きさ、接続する太陽電池素子の間の間隔などを考慮して最適な長さに決定すればよいが、一般的な150〜160mm角程度の太陽電池素子1では、例えば280〜340mm程度である。
図6は本実施形態に係る2つの太陽電池素子1Sと太陽電池素子1Tとを直列に接続した状態を示したものである。図6において、11(11d、11e、11f)はインターコネクタを示す。本実施形態においては、太陽電池素子1Sの他極性の電極3の出力電極3b2と、太陽電池素子1Tの一極性の電極2の第1電極2cとが一直線上に並ぶように太陽電池素子1S、1Tが配置されている。このため、太陽電池素子1Sと太陽電池素子1Tとの接続は、図6に示すように、直線状のインターコネクタ11を用いて、各電極と
インターコネクタ11をハンダで接着することによって、電気的に接続することができる。
<太陽電池素子の接続方法>
次に、インターコネクタ11を介した太陽電池素子の接続方法について説明する。本実施形態では、太陽電池素子1の電極の上に、ハンダおよびインターコネクタ11を配置する配置工程と、インターコネクタ11の上に、1箇所以上の部位を加熱する加熱ユニットおよび1箇所以上の部位を冷却する冷却ユニットを配置して、上記ハンダを加熱ユニットで加熱するとともに、上記ハンダの周囲を上記冷却ユニットで冷却する加熱冷却工程と、を行う。以下に配置工程および加熱冷却工程について詳述する。
まず、配置工程として、図7(a)に示すように太陽電池素子1の電極(一極性の電極2の第1電極2cと他極性の電極3の出力電極3b2)の各々の上に、ハンダ20およびインターコネクタ11を配置する。
このハンダ20の配置においては、例えば、ディスペンサーなどを用いて、ハンダペーストを太陽電池素子1の電極の上に、適量ずつ配置していくように、ハンダ20を太陽電池素子1の電極の上に間隔を空けて複数箇所に配置することで可能である。ただし、インターコネクタ11の略全面にディッピングまたはメッキなどによって、ハンダを10〜20μm程度、予めコーティングしておくことが、工数の削減になり望ましい。
その後、図7(b)に示す加熱冷却工程として、太陽電池素子1の電極(図7では例として他極性の電極3の出力電極3b2を示す)の直上に位置するインターコネクタ11の部分に加熱ユニット19を配置する。また、加熱ユニット19の両側には冷却ユニット24を配置しておく。
加熱ユニット19は、例えば主として窒化珪素やアルミナなどから成るセラミックヒーターであり、形状、大きさは太陽電池素子1の電極の大きさ、形状やインターコネクタ11の寸法により最適に決定すればよいが、例えば、縦、横(図7(b)のX、Y方向)2〜5mm程度、高さ(Z方向)20〜50mm程度の直方体状で棒状のものを用いる。
冷却ユニット24は、例えば直方体状の直方体部を有しており、この直方体部は銅またはアルミニウムなどの熱伝導の比較的良い金属で作製される。冷却ユニット24の直方体部は、その内部に空洞を有しており、この空洞部分に冷媒(冷却可能な媒体であればよく、例えば、液体でもよいし、気体等でもよい。以下、同様とする。)が外部から流通される。これにより、冷却ユニット24の表面温度は、常に所定の温度(例えば30℃程度)以下に維持されるようにしている。冷却ユニット24の直方体状部の大きさは、太陽電池素子1の電極間距離やインターコネクタ11の寸法により最適に決定すればよいが、例えば縦(図7(b)のY方向)2〜5mm程度、横(X方向)5〜20mm程度、高さ(Z方向)10〜50mm程度である。
また、加熱ユニット19および冷却ユニット24は、各々シーケンサーなどにより制御されたエアーシリンダー(不図示)に接続されており、上下方向(図7のZ方向)に動くようになっている。また、加熱ユニット19および冷却ユニット24は、いずれも下がりきった位置の近傍部分では、太陽電池素子1が割れることが無いように構成されている。例えば、スプリングなどの作用により一定の圧力で、太陽電池素子1上のインターコネクタ11と当接するように構成されている。
まず、加熱ユニット19に通電して、加熱ユニット19の下端部の温度を300〜900℃程度に昇温し、維持しておく。また、冷却ユニット24内部には冷媒を通しておく。
その後、図7(b)に示すように、加熱ユニット19および冷却ユニット24をほぼ同時に下げる。そして、加熱ユニット19および冷却ユニット24の各々の下端部を太陽電池素子1の電極の直上のインターコネクタ11に当接させる。この当接後、0.2〜3秒程度して、太陽電池素子1の電極とインターコネクタ11の間のハンダが溶融したら、加熱ユニット19のみを上げる。一方、冷却ユニット24はインターコネクタ11に当接した状態を維持する。溶融したハンダが固化し、加熱ユニット19と当接していた部分のインターコネクタ11の温度が100℃程度以下に低下するまで、約1〜10秒程度維持する。その後、冷却ユニット24をインターコネクタ11から上げる。この加熱冷却工程を図6に示す太陽電池素子1S、1Tのすべての電極に対して繰り返し行うことにより、太陽電池素子1の接続を行う。
このように、本実施形態に係る太陽電池素子1の接続方法では、ハンダ付け時にハンダ付けを行う部分のインターコネクタ11と電極のみを加熱する。また、インターコネクタ11のハンダ付けを行う部分の近傍部分を冷却ユニット24により冷却する。これらによって、ハンダ付け時のインターコネクタ11の熱膨張を抑制することができ、インターコネクタ11を接続後の太陽電池素子1の反りを低減させることが可能となる。
なお、本実施形態で使用するハンダは、錫と鉛を主成分とする共晶ハンダ(融点183℃)などの有鉛ハンダの他、実質的に鉛が含有されていない無鉛ハンダでも使用可能である。例えば、錫が99.2質量%、銀が0.3質量%および銅が0.5質量%程度の無鉛ハンダ(融点約225℃)などは、共晶ハンダよりも融点が高いので、ハンダ付け時にインターコネクタ11の熱膨張する量も大きくなる。このため、本実施形態に係る太陽電池素子1の接続方法は、実質的に鉛が含有されていない無鉛ハンダを用いたときに、反りの低減の効果がより顕著になる。
また、加熱冷却工程において、上述の加熱ユニット19と冷却ユニット24を複数個配置して、複数箇所に配置したハンダ20の全てを同時に加熱するようにしてもよい。これにより太陽電池素子1とインターコネクタ11の接続時間を短縮することができる。
また、上述した配置工程の前に太陽電池素子1の電極の上にフラックスを部分的に配置することが望ましい。例えばパット印刷(タンポ印刷)方法を用いて、太陽電池素子1の電極上のみにフラックスを太陽電池素子1の電極上に塗布する。これにより、ハンダ付け強度を向上させて、太陽電池素子1の余分な部分にフラックスが付きにくくなり、太陽電池素子1の表面をフラックスで汚れにくくすることができる。
さらに、加熱冷却工程において、加熱ユニット19として、上述のように棒状ヒーターが配置されたものを用いる。ここで、棒状ヒーターのインターコネクタ11の幅方向部分がインターコネクタ11の幅よりも大きい。また、棒状ヒーターのインターコネクタ11の幅方向部分は太陽電池素子1の電極のインターコネクタ11の幅方向部分より小さいことが望ましい。
すなわち図8に示すように、棒状ヒーター19aのインターコネクタ11の幅方向(図8のX方向)部分の寸法Mが、インターコネクタ11の幅Nよりも大きくする。さらに、棒状ヒーター19aの幅方向部分の寸法Mは、太陽電池素子1の電極のインターコネクタ11の幅方向部分の寸法Lより小さくする。これらにより、上述の配置工程において、太陽電池素子1の電極上に、ハンダおよびインターコネクタ11を配置するとき、またはこの配置後にインターコネクタ11が所定の位置より幅方向に動いた場合でも、棒状ヒーター19aをインターコネクタ11に当接することができる。また、インターコネクタ11が太陽電池素子1の電極からはみ出した状態でハンダ付けされにくくできるので、より確実に太陽電池素子1の電極とインターコネクタ11とのハンダ付けを実現することができる。
また、本実施形態に加熱冷却工程において、冷却ユニット24はインターコネクタ11に当接して冷却する冷却部材26を有しており、冷却部材26のインターコネクタ11に当接させる部位が弾性材料で構成されていることが望ましい。すなわち、図9に示すように冷却ユニット24は、インターコネクタ11に直接当接するか、またはインターコネクタ11の表面にコーティングされたハンダ20を介して間接的にインターコネクタ11に当接して、冷却する冷却部材26をその下面部に有している。冷却部材26のインターコネクタ11に当接させる部位は、弾性材料で構成されている。冷却部材26は、例えば厚さ1〜6mm程度であり、熱伝導率1W/(mK)以上のシリコーン系樹脂からなる熱伝導シートなどが、熱伝導性両面テープなどを用いて、冷却ユニット24の下面部の略全面に張り付けられている。
このように、冷却ユニット24下面部に冷却部材26を備えている。これにより、冷却ユニット24下面部がインターコネクタ11に当接した場合に、冷却部材26を介して当接することになる。このため、インターコネクタ11のうねりや凹凸があった場合でも、冷却部材26がインターコネクタ11の形状に追従して当接することになり、冷却ユニット24のハンダ付け時のインターコネクタ11の冷却を確実にできる。
<太陽電池モジュールの製造方法について>
以上のように、複数の太陽電池素子1を互いに接続することができた後に、図5(a)に示すように、太陽電池パネルPを構成する各部材、すなわち透光性部材12と、表側充填材14と、接続が完了した太陽電池素子1と、裏側充填材15と、裏面保護材13との積層体を準備する。
次いで、この積層体をラミネート装置にセットし、減圧下にて加圧しながら100〜200℃で例えば15分〜1時間程度加熱することによって、表面側充填材14および裏面側充填材15が軟化、融着して他の部材と一体化することにより、太陽電池パネルPを作製できる。
次に、太陽電池パネルPの外周部にフレーム18を設ける。次いで、非受光面側に端子箱17を取り付けることで、太陽電池モジュールMが完成する。
以上、本実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を、バックコンタクト型太陽電池素子を例に説明したが、これに限定されない。例えば、太陽電池素子の受光面側と非受光面側の両主面の電極に長尺のインターコネクタを接続する、両面電極型の太陽電池素子においても、本実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法は適用可能である。
<<他の実施形態>>
他の実施形態に係る加熱冷却工程においては、ハンダ20を加熱ユニット19で加熱する前に、1箇所以上の部位を押圧する押圧ユニット21を用いてインターコネクタ11をその上から押圧する。
すなわち、上述の配置工程により、太陽電池素子1の電極の各々の上に、ハンダ20およびインターコネクタ11を配置する。その後、加熱冷却工程として、図10(a)に示すように、太陽電池素子1の電極の直上に位置するインターコネクタ11の部分に、加熱ユニット19と、加熱ユニット19の両側に冷却ユニット24、押圧ユニット21を配置する。押圧ユニット21は、加熱ユニット19と冷却ユニット24の間に位置するように配置してもよいし、冷却ユニット24の外側に位置するように配置してもよい。押圧ユニット21は、直径0.5〜1.2mm程度の金属製のシャフトで作製されており、例えば
ハンダ付けされにくいステンレスなどで作製する。押圧ユニット21は、シーケンサーなどにより制御されたエアーシリンダーに接続されており、上下方向(図10のZ方向)に動くようになっている。また、押圧ユニット21は、下がりきった位置の近傍部分では、太陽電池素子1が割れることが無いように、スプリングなどの作用により一定の圧力で太陽電池素子1上のインターコネクタ11と当接するようになっている。また、加熱ユニット19に通電し、加熱ユニット19の下端部の温度を300〜900℃程度に昇温し、維持しておくと共に、冷却ユニット24内部に冷媒を通しておく。なお、加熱ユニット19、押圧ユニット21および冷却ユニット24を上から見た様子を図12に示す。
次に図10(b)に示すように、先に押圧ユニット21を下げて、インターコネクタ11と当接させる。
その後、図10(c)に示すように、加熱ユニット19および冷却ユニット24をほぼ同時に下げて、加熱ユニット19および冷却ユニット24の各々の下端部を太陽電池素子1の電極の直上のインターコネクタ11に当接させる。この当接後、0.2〜3秒程度して、太陽電池素子1の電極とインターコネクタ11との間のハンダが溶融する。
その後、図10(d)に示すように、加熱ユニット19のみを上げ、冷却ユニット24、押圧ユニット21は、インターコネクタ11に当接させた状態を維持する。溶融したハンダが固化し、さらに加熱ユニット19と当接していた部分のインターコネクタ11の温度が10〜50℃程度に低下するまで、約1〜10秒程度維持する。その後、冷却ユニット24および押圧ユニット21をインターコネクタ11から上げる。
上述のように、ハンダ20を加熱ユニット19で加熱する前に、押圧ユニット21を用いてインターコネクタ11をその上から押圧する。これにより、インターコネクタ11が、太陽電池素子1の電極上の所定の位置に固定されて、振動などによる動きが抑制される。そして、所定の位置に、太陽電池素子1の電極とインターコネクタ11とを確実にハンダ付けすることが可能となる。
また、本実施形態に係る加熱冷却工程においては、ハンダ20の加熱ユニット19による加熱は、インターコネクタ11と加熱ユニット19との間に金属箔25を配置することが望ましい。例えば、図11に示すように加熱ユニット19の両側に配置した押圧ユニット21の先端部に厚さ0.01〜0.1mm程度、大きさは加熱ユニット19の底面部よりも大きな、ハンダの濡れ性が比較的悪い金属からなる金属箔25(例えばアルミニウム箔)を接着剤などで貼り付ける。これにより、加熱ユニット19の底面部が、インターコネクタ11(またはインターコネクタ11の表面にコーティングされたハンダ20)と直接接することが無くなる。インターコネクタ11またはハンダ20の表面にあるごみやハンダ酸化物などが、加熱ユニット19の底面部に付着しにくくなり、安定したハンダ付けが可能となる。
1:太陽電池素子
1a:受光面
1b:非受光面
2:一極性の電極
2a:受光面電極
2b:貫通孔電極
2c:第1電極
3:他極性の電極
3a:集電電極
3b:出力電極
3bc:中央部の出力電極
3c:連結部
4:高濃度ドープ層
5:半導体基板
6:逆導電型半導体層
6a;第1逆導電型層
6b:第2逆導電型層
6c;第3逆導電型層
7:反射防止膜
8:貫通孔
9:分割溝
9a:周辺部の分離溝
9b:外周端部の分離溝
10: 絶縁膜
11:インターコネクタ
12:透光性部材
13:裏面保護材
14:表側充填材
15:裏側充填材
16:出力配線
17:端子箱
18:枠体
19:加熱ユニット
20:ハンダ
21:押圧ユニット
24:冷却ユニット
25:金属箔
26:冷却部材
M:太陽電池モジュール
P:太陽電池パネル

Claims (11)

  1. 電極を備えている太陽電池素子を複数有し、互いに隣り合う前記太陽電池素子の電極同士がハンダおよび長尺のインターコネクタを介して電気的に接続される太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記太陽電池素子の前記電極の上に、前記ハンダおよび前記インターコネクタを配置する配置工程と、
    前記インターコネクタの上に、1箇所以上の部位を加熱する加熱ユニットおよび1箇所以上の部位を冷却する冷却ユニットを配置して、前記ハンダを前記加熱ユニットで加熱するとともに、前記ハンダの周囲を前記冷却ユニットで冷却する加熱冷却工程と、
    を備えている太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 前記加熱冷却工程において、前記ハンダを前記加熱ユニットで加熱する前に、1箇所以上の部位を押圧する押圧ユニットを用いて前記インターコネクタをその上から押圧する請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 前記配置工程において、互いに隣り合う前記太陽電池素子としてバックコンタクト型太陽電池素子を用いる請求項1または2に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 前記配置工程において、前記ハンダを前記太陽電池素子の前記電極の上に間隔を空けて複数箇所に配置する請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 前記加熱冷却工程において、複数箇所に配置した前記ハンダの全てを同時に加熱する請求項4に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 前記配置工程において、前記ハンダとして実質的に鉛が含有されていないハンダを用いる請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 前記加熱冷却工程において、前記ハンダの前記加熱ユニットによる加熱は、前記インターコネクタと前記加熱ユニットとの間に金属箔を配置した状態で行う請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 前記加熱冷却工程において、前記加熱ユニットとして、棒状ヒーターが配置されたものを用い、前記棒状ヒーターの前記インターコネクタの幅方向部分が前記インターコネクタの幅よりも大きいとともに、棒状ヒーターの前記インターコネクタの幅方向部分は前記太陽電池素子の電極の前記インターコネクタの幅方向部分より小さい請求項1乃至7のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  9. 前記加熱冷却工程において、前記冷却ユニットは前記インターコネクタに当接して冷却する冷却部材を有するものを用い、該冷却部材の前記インターコネクタに当接させる部位が弾性材料で構成されている請求項1乃至8のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  10. 前記配置工程の前に、前記電極の上にフラックスを部分的に配置する請求項1乃至9のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  11. 前記加熱冷却工程の前に、前記インターコネクタの表面にハンダをコーティングする請求項1乃至10のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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