JP2016031034A - 内燃機関の運転制御装置 - Google Patents

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隆義 小島
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Abstract

【課題】排気浄化装置のDOCに吸着された燃料に含まれる硫黄を除去するため、DOCを加熱すると、白煙となるSOの排出量が増大してしまう。
【解決手段】酸化触媒コンバーター29aを含む排気浄化装置29が組み込まれた本発明の内燃機関の運転制御装置は、酸化触媒コンバーターに吸着される硫黄成分の量を取得する手段16hと、酸化触媒コンバーターの床温Tを取得する手段30と、排気に含まれる酸素濃度を制御するための手段とを具え、排気に含まれる酸素濃度を制御するための前記手段は、酸化触媒コンバーターに吸着された硫黄成分の量が所定量以上かつ酸化触媒コンバーターの床温が所定温度T未満の場合、排気に含まれる酸素濃度Aをより高く制御する一方、酸化触媒コンバーターに吸着された硫黄成分の量が所定量以上かつ酸化触媒コンバーターの床温が所定温度以上かつ酸素濃度が所定値以下の揚合、排気に含まれる一酸化炭素濃度をより高く制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、酸化触媒コンバーターを有する排気浄化装置が組み込まれた内燃機関の運転制御装置に関する。
燃料中に含まれる硫黄は、内燃機関からの排気の浄化に悪影響を与えるばかりではなく、それ自体も硫黄酸化物(SO)に変化して酸性雨などの大気汚染の原因となるため、硫黄濃度をできるだけ低減させた各種燃料が供給されている。しかしながら、燃料中の硫黄濃度を完全に0にすることは経済的にも現実的にも困難なため、内燃機関に組み込まれる排気浄化装置においても、排気に含まれるSOに対して種々の対策が取られている。例えば、特許文献1には軽油を燃料とする圧縮添加方式の内燃機関が開示されている。この内燃機関には、ディーゼル酸化触媒コンバーター(DOC:Diesel Oxidation Catalytic converter)と、ディーゼルパティキュレートフィルター(DPF:Diesel Particulate Filter)とを有する排気浄化装置が組み込まれている。引用文献1においては、内燃機関の燃料消費量に基づいてDOCに吸着される二酸化硫黄(SO)の量を推定し、これが所定量以上となった場合、排気温を上昇させることによりDOCを加熱してSOをDOCから離脱させるようにしている。この場合、排気温を上昇させるための燃料の添加に伴って生成する三酸化硫黄(SO)により、排気が白煙となって大気に放出されてしまうのを防止するため、DOCの昇温速度を緩やかに上昇させつつ、その加熱温度の上限を規定している。これにより、白煙の原因となるSOの生成が起こりにくくなるように配慮している。
特開2013−029038号公報
DOCの床温がおよそ300℃を越えると、DOCに吸着したSOが急速に酸化してSOの生成割合よりも白煙の原因となるSOの生成割合が増大する傾向にあることが一般的に知られている。
特許文献1に開示された従来の内燃機関においては、DOCの床温が低い場合、DOCに吸着したSOを離脱させるためにDOCの床温を上昇させる必要がある。このために排気温を上昇させる必要性から燃料の消費量が増えてしまい、燃費の悪化につながってしまう。しかも、DOCの床温が上昇することによって、SOの生成量も相対的に増える傾向となり、大気中に排出されるSOの量をそれほど低減させることができなかった。
本発明の目的は、DOCの床温が低温であっても、DOCに吸着されたSOをSOへと酸化させることなく離脱させることにより、SOの排出量を従来のものよりも低減させることができる内燃機関の運転制御装置を提供することにある。
酸化触媒コンバーターを含む排気浄化装置が組み込まれた本発明による内燃機関の運転制御装置は、前記酸化触媒コンバーターに吸着される硫黄成分の量を取得する手段と、前記酸化触媒コンバーターの床温を取得する手段と、排気に含まれる酸素濃度を制御するための手段とを具え、排気に含まれる酸素濃度を制御するための前記手段は、前記酸化触媒コンバーターに吸着された硫黄成分の量が所定量以上かつ前記酸化触媒コンバーターの床温が所定温度未満の場合、排気に含まれる酸素濃度をより高く制御することを特徴とするものである。
本発明においては、酸化触媒コンバーターの硫黄成分の吸着量が多く、酸化触媒コンバーターの床温が所定温度、例えば320℃よりも低い場合、排気中の酸素濃度を高く制御する。これにより、酸化触媒コンバーターの硫黄成分の吸着量が減少することとなるが、酸化触媒コンバーターの床温が低いため、硫黄成分の酸化速度が遅く、もっぱらSOとなって酸化触媒コンバーターから離脱し、SOの生成量が少なく維持される。結果として、触媒コンバーターの床温が低温であっても大気中に排出されるSOの量が従来のものよりも減少する。
本発明による内燃機関の運転制御装置において、排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置がさらに組み込まれ、排気に含まれる酸素濃度を制御するための前記手段が、燃料噴射量と、スロットル開度と、EGR開度とのうちの少なくとも1つを制御するものであってよい。
排気中の一酸化炭素濃度を制御するための手段をさらに具え、この排気中の一酸化炭素濃度を制御するための前記手段は、酸化触媒コンバーターに吸着された硫黄成分の量が所定量以上かつ酸化触媒コンバーターの床温が所定温度以上かつ酸素濃度が所定値以下の揚合、排気に含まれる一酸化炭素濃度をより高く制御するものであってよい。
排気中の一酸化炭素濃度を制御するための前記手段は、燃料噴射量と、その燃料噴射時期と、スロットル開度と、EGR開度とのうちの少なくとも1つを制御するものであってよい。
酸化触媒コンバーターの床温の所定温度は、SOの生成が急激に増加し始める最低温度、例えば320℃程度であることが有効であり、酸化触媒コンバーターが酸化セリウム(CeO)を含むものであってよい。
本発明の内燃機関の運転制御装置によると、酸化触媒コンバーターの床温を上昇せずとも酸化触媒コンバーターに吸着された硫黄成分をSOとして離脱させることができ、従来のものよりもSOの生成を抑制することができる。結果として、燃費の悪化を回避することも可能となる。
燃料噴射量を減量するか、スロットル開度を増大するか、EGR開度を低減するか、何れか少なくも1つを実行した場合、排気に含まれる酸素濃度を容易に高めることができる。
酸化触媒コンバーターに吸着された硫黄の量が所定量以上かつ酸化触媒コンバーターの床温が所定温度以上かつ酸素濃度が所定値以下の揚合、排気に含まれる一酸化炭素濃度をより高く制御することにより、次のような効果を得ることができる。すなわち、水性ガスシフト反応によって酸化触媒コンバーターに吸着された硫黄成分がSOではなく、硫化水素(HS)となり、最終的にSOへと変化して酸化触媒コンバーターから離脱する。結果として、白煙の原因となるSOの排出量を従来のものよりも削減することができる。
燃料噴射量を増量するか、燃料噴射時期を遅らせるか、スロットル開度を低減するか、EGR開度を増大するか、何れか少なくとも1つを実行した場合、排気中の一酸化炭素濃度を容易に高めることができる。
酸化触媒コンバーターの床温の所定温度をおよそ320℃程度に設定した場合、SOの生成を最小限に抑えることができる。
酸化触媒コンバーターがCeOを含む場合、硫黄の水性ガスシフト反応が促進される結果、酸化触媒コンバーターの床温が所定温度以上であっても、SOの生成を抑制することができる。
本発明を圧縮添加方式の内燃機関に応用した一実施形態の概念図である。 図1に示す実施形態の主要部の制御ブロック図である。 触媒コンバーターの床温とSO転換率との関係を表すグラフである。 DOCの床温と、排気中の酸素濃度と、DOCの硫黄成分の吸着量との関係を模式的に表すマップである。 図1に示す実施形態おいて、DOCの硫黄成分の吸着量の変化を模式的に表すグラフである。 図1に示す実施形態における制御手順を表すフローチャートである。
本発明による内燃機関の運転制御装置を圧縮添加方式の内燃機関に適用した一実施形態について、図1〜図6を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、本発明はこのような実施形態のみに限らず、ガソリンやアルコールまたは液化天然ガスなどを燃料とし、点火プラグを用いた火花点火方式の内燃機関に対しても応用することができることは言うまでもない。
本実施形態におけるエンジンシステムの概念を図1に示し、このエンジンシステムにおける制御ブロックを図2に示す。なお、図1にはエンジン10の吸排気のための動弁機構や消音器の他に、エンジン10の円滑な運転のために必要とされる各種センサー類などもその一部が便宜的に省略されていることに注意されたい。
本実施形態におけるエンジン10は、燃料である軽油を燃料噴射弁11から圧縮状態にある燃焼室12内に直接噴射することにより、自然着火させる圧縮点火方式の多気筒内燃機関である。しかしながら、単気筒の内燃機関であっても本発明を適用し得るものである。燃焼室12に臨む吸気ポート13aおよび排気ポート13bが形成されたシリンダーヘッド13には、吸気弁14aおよび排気弁14bを含む図示しない動弁機構と、先の燃料噴射弁11とが組み込まれている。
本実施形態における燃料噴射弁11は、燃料である軽油を圧縮行程の終了直前、つまりピストン15の圧縮上死点直前にのみ燃焼室12内に直接噴射する直噴単噴射型式のものである。しかしながら、この圧縮行程での燃料噴射に加え、より均一な混合気を形成するために吸気行程の途中においてにも噴射する多噴射型式のものや、吸気ポート13a内に噴射するポート噴射形式のものなどを採用することも可能である。
燃料噴射弁11から燃焼室12内に供給される燃料の噴射量および噴射時期ならびに噴射モードは、運転者によるアクセルペダル16の踏み込み量を含む車両の運転状態に基づいてECU(Electronic Control Unit)17により制御される。アクセルペダル16の踏み込み量は、アクセル開度センサー18により検出され、その検出情報がECU17に出力される。
ECU17は、周知のワンチップマイクロプロセッサーであり、図示しないデータバスにより相互接続されたCPU,ROM,RAM,不揮発性メモリーおよび入出力インターフェースなどを含む。本実施形態におけるECU17は、アクセル開度センサー18や後述する各種センサー類などからの情報に基づき、車両およびエンジン10の運転状態を判定する運転状態判定部16aと、燃料噴射設定部17bと、燃料噴射弁駆動部17cとを有する。
燃料噴射設定部17bは、運転状態判定部17aにて判定した車両の運転状態に基づき、エンジン10の駆動トルク、つまり燃料噴射弁11からの燃料噴射量と、その噴射時期と、噴射モードとを設定する。ECU17の燃料噴射弁駆動部17cは、この燃料噴射設定部17bにて設定された燃料噴射量に対応した燃料が設定された噴射時期に設定された噴射モードにて噴射されるように、燃料噴射弁11を駆動する。
吸気ポート13aに連通する吸気通路19には、この吸気通路19の開度を調整するためのスロットル弁20が組み込まれている。スロットル開度、すなわちスロットル弁20の開度は、アクセル開度センサー18によって検出されるアクセルペダル16の踏み込み量や車両の運転状態に基づき、ECU17のスロットル開度設定部17dにて設定される。そして、このスロットル開度設定部17dにて設定された開度となるように、ECU17のスロットル弁駆動部17eがスロットルアクチュエーター21を介してスロットル弁20の駆動を行う。
ピストン15が往復動するシリンダーブロック22には、クランク角センサー23が取り付けられている。このクランク角センサー23は、連接棒24を介してピストン15が連結されるクランク軸25の回転位相、つまりクランク角を検出してこれをECU17に出力する。ECU17は、クランク角センサー23からの情報に基づいてクランク軸25の回転位相やエンジン回転数を実時間で把握する。
エンジン10の排気ポート13bには排気通路26が連通している。このエンジン10には、排気通路26を流れる排気の一部を吸気通路19へと導くEGR装置27と、排気タービン式過給機(以下、単に過給機と記述する)28と、排気浄化装置29とが組み込まれている。
排気中に含まれるNO、すなわち窒素酸化物の発生量を抑制するためのEGR装置27は、EGR通路30と、EGR制御弁31とを具えている。EGR通路30は、後述する過給機28のタービン28aとシリンダーヘッド13との間の排気通路26に一端が連通すると共に他端がスロットル弁20とシリンダーヘッド13との間の吸気通路19に連通している。吸気通路19とEGR通路30との接続部分に近接したEGR通路30の一端側に配され、ECU17によりその作動が制御されるEGR制御弁31は、車両の運転状態に基づき、EGR通路30から吸気通路19へと還流される排気の流量を制御する。
ECU17のEGR量設定部17fは、排気通路26からEGR通路30を介して燃焼室12内に還流すべきEGR量をエンジン回転速度と燃料噴射量とに基づいて設定する。さらに、このEGR量と、EGR通路30の一端側の吸気圧と他端側の排気圧との比とに基づいてEGR開度、すなわちEGR制御弁31の開度を設定し、これをECU17のEGR制御弁駆動部17gに出力する。EGR制御弁駆動部17gは、EGR制御弁31の開度をEGR量設定部17fにて設定された開度となるように、EGR制御弁31を駆動する。なお、車両の運転状態がEGR運転領域外にある場合、EGR量設定部17fはEGR制御弁31の開度を0に設定し、EGR通路30を閉止した状態に維持する。
過給機28は、排気通路26を流れる排気の運動エネルギーを利用して燃焼室12への過給を行い、吸気密度を高め、吸気流量を増加させるためのものである。この過給機28は、排気通路26に組み込まれたタービン28aと、このタービン28aと一体に回転するコンプレッサー28bとで主要部が構成されている。コンプレッサー28bは、スロットル弁20よりも上流側の吸気通路19に組み込まれている。
過給機28のコンプレッサー28bとスロットル弁20との間の吸気通路19には、高温の排気にさらされるタービン28a側からの伝熱によりコンプレッサー28bを介して加熱される吸気温を低下させるためのインタークーラー32が組み込まれている。また、吸気通路19には、ここを流れる吸気流量を検出してこれらをECU17に出力するエアーフローメーター33が設けられ、これは過給機28のコンプレッサー28bよりも上流側に配されている。
燃焼室12内での混合気の燃焼により生成する有害物質を無害化するための排気浄化装置29は、過給機28のタービン28aよりも下流側の排気通路26に配されている。本実施形態における排気浄化装置29は、DOC29aと、DPF29bとを有するが、NO触媒などの他の触媒コンバーターをさらに追加することも可能である。この排気浄化装置29には、DOC29aの床温Tを検出してこれをECU17に出力する触媒温度センサー34が付設されている。本発明における酸化触媒コンバーターの床温を取得する手段としての触媒温度センサー34に代え、DOC29aに流入する直前の排気温と、DOC29aを通過した直後の排気温とに基づき、ECU17にてDOC29aの床温Tを推定するようにしてもよい。また、燃料の噴射に伴う発生エネルギーに基づき、DOC29aの床温Tを推定することも可能である。要するに、DOC29aの床温Tの取得に関しては、任意の周知の手法を適宜採用することができる。
過給機28のタービン28aと排気浄化装置29との間の排気通路26には、ここを流れる排気中の酸素濃度Aを検出してこれをECU17に出力するOセンサー35が取り付けられている。このOセンサー35に代え、エアーフローメーター33にて検出される吸入空気量と燃料噴射設定部17bにて設定された燃料噴射量とに基づき、ECU17にて排気中の酸素濃度Aを推定するようにしてもよい。要するに、排気中の酸素濃度Aの取得に関しては、任意の周知の手法を適宜採用することが可能である。
EGR通路30を介して吸気通路19内に還流される排気と共に燃焼室12内に供給される吸気は、燃料噴射弁11から燃焼室12内に噴射される燃料と混合気を形成する。そして、ピストン15の圧縮上死点直前にて自然着火して燃焼し、これによって生成する排気が排気浄化装置29を通って排気通路26から大気中に排出される。
ECU17は、アクセル開度センサー18,クランク角センサー23,エアーフローメーター33,触媒温度センサー34,Oセンサー35などからの検出情報に基づき、エンジン10の運転状態を把握する。そして、予め設定されたプログラムに従って円滑なエンジン10の運転がなされるように、燃料噴射弁11,スロットルアクチュエーター21,EGR制御弁31などの作動を制御する。
本実施形態における排気浄化装置29においては、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qが所定量、つまりあらかじめ設定した上限値Qと下限値Qとの間に維持される。これにより、排気浄化装置29を通った排気が大気中に排出される際に白煙の原因となるSOの排出量が少なくなるように配慮している。
エンジン10から排出される排気中に含まれるSOはDOC29aに吸着されるが、DOC29aの雰囲気に応じてSOとして離脱するか、あるいはここに介在する排気中の酸素により酸化され、SOなどのSOとなって離脱する。ここで、DOC29aに吸着したSOがそのまま離脱するか、あるいはSOとなって離脱するかは、DOC29aの床温Tおよび雰囲気中の酸素濃度Aに依存する。一般的には、DOC29aの床温Tが所定温、例えばおよそ320℃よりも低い場合、また排気中の酸素濃度Aが高いほどSOのまま離脱する反応が優位となる傾向を持つ。しかしながら、DOC29aの床温Tおよそ320℃を越えると、SOの酸化反応が急激に促進されてSOの生成割合が急増する結果、SOの離脱反応が優位となってしまう。このような観点から、DOC29aの床温Tがおよそ320℃よりも低温の領域にある場合にのみ、排気中の酸素濃度Aを高濃度化することで、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qを低減させると同時に、SOの生成を抑えることができる。
ここで、DOC29aの床温Tと、このDOC29aから離脱するSOがSOへと変換する割合、つまりSO→SOへの変換率(以下、これをSO変換率と記述する)との関係を模式的に図3に示す。この図から明らかなように、一般的なDOC29aでは約320℃前後でSOの酸化割合、すなわちSO転換率曲線の変曲点が存在する。このため、DOC29aの床温Tがおよそ320℃以下の領域にて酸素濃度Aを高濃度化させることが特に有効であることが理解されよう。
なお、本実施形態ではDOC29aの床温Tに関し、およそ320℃をSO転換率曲線の変曲点として設定したが、触媒浄化装置に採用される酸化触媒コンバーターの特性や性能によって、SO転換率曲線の変曲点となる温度が異なることに注意されたい。
一方、DOC29aの床温Tが約320℃以上においてO濃度が低い条件においては、水性ガスシフト反応によって排気中に含まれる一酸化炭素(CO)と水(HO)とから二酸化炭素(CO)と水素(H)とが得られる。このHと、DOC29aに吸着している硫黄成分とを反応させて硫化水素(HS)とし、硫黄成分をDOC29aから離脱させる。そして、これをDOC29a自体の機能により排気中に介在する酸素と反応させ、最終的にSOおよびHOとしてDOC29aから離脱させることができる。つまり、DOC29aの床温Tが約320℃以上であってもO濃度が低い場合には、排気中を一酸化炭素雰囲気にすることによって、DOC29aに吸着している硫黄成分をSOではなく、SOとして離脱させることが可能である。このような水性ガスシフト反応は、特にCeOを含む酸化触媒コンバーターを採用することによって促進させることができる。
ECU17の硫黄吸着量算出部16hは、DOC29aの床温Tと、排気中の酸素濃度Aと、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qとを関係付けた図4Tに示すようなマップを記憶している。そして、触媒温度センサー34およびOセンサー35からの検出情報に基づき、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qを算出する。この硫黄吸着量算出部16hにてDOC29aの硫黄成分の吸着量Qを算出する場合、例えば特開2013−019749号公報などで周知の硫黄濃度センサーを併用することも有効である。この場合、硫黄含有量が不明な燃料を用いるような状況であっても、より正確なDOC29aの硫黄成分の吸着量Qを取得することができる。
ECU17は、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qが上限値Q以上となった場合、所定の運転状態において酸素高濃度化制御または一酸化炭素高濃度化制御の何れかを実行する。また、上述した酸素高濃度化制御または一酸化炭素高濃度化制御の実行中にDOC29aの硫黄成分の吸着量Qが下限値Q以下となった場合、これらの制御を終了する。つまり、ECU17は本発明における排気に含まれる酸素濃度を制御するための手段としても、また本発明における排気中の一酸化炭素濃度を制御するための手段としても機能する。
ECU17による酸素高濃度化制御は、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qが上限値Q以上かつDOC29aの床温Tが所定温度T、例えば320℃未満の場合に実行される。より具体的には、燃料噴射量の減量と、スロットル開度の増大と、EGR開度の低下との何れか1つ以上が行われる。
また、ECU17による一酸化炭素高濃度化制御は、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qが上限値Q以上かつDOC29aの床温Tが所定温度T、例えば320℃以上かつ酸素濃度Aが所定値A以下の揚合に実行される。より具体的には、燃料噴射量と、燃料噴射時期と、スロットル開度と、EGR開度とのうちの少なくとも1つを制御する。これらに加え、燃料噴射モードを変更することによっても排気中の一酸化炭素濃度を高めることも可能である。つまり、この一酸化炭素高濃度化制御を行わない場合に対し、一酸化炭素濃度がより高くなるように燃料噴射モードを変更すればよい。
酸素高濃度化制御または一酸化炭素高濃度化制御を実行した場合のDOC29aの硫黄成分の吸着量Qの変化を図5に示す。図5において、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qが上限値Qに達した時刻tにて酸素高濃度化制御または一酸化炭素高濃度化制御が開始され、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qの低下が経時的に進行する。そして、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qが下限値Qまで低下した時刻tにて酸素高濃度化制御または一酸化炭素高濃度化制御を終了し、DOC29aに対する硫黄成分の吸着量Qの漸増が再び始まるようになっている。図5中、二点鎖線は上述した酸素高濃度化制御や一酸化炭素高濃度化制御を行わない場合を示している。
図6を用いてこのような本実施形態におけるエンジン10の制御手順を説明すると、まずS11のステップにてDOC29aの床温Tを取得し、S12のステップにてDOC29aの硫黄成分の吸着量Qを取得する。次いで、S13のステップにてDOC29aの硫黄成分の吸着量Qが上限値Q以上であるか否かを判定する。ここで、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qが上限値Q以上である、すなわちDOC29aから硫黄を離脱させる必要があると判断した場合には、S14のステップに移行してDOC29aの床温Tが閾値T未満であるか否かを判定する。ここで、DOC29aの床温Tが閾値T未満である、すなわち排気中の酸素濃度Aを高めてDOC29aから硫黄の離脱を促進させることができると判断した場合には、S15のステップに移行し、まず一酸化炭素フラグがセットされているか否かを判断する。最初は一酸化炭素フラグがセットされていないので、S16のステップに移行して酸素高濃度化制御を実施する。すなわち、燃料噴射量の減量と、スロットル開度の増大と、EGR開度の低下との何れか1つ以上が実行される。同時に酸素フラグがセットされる。そして、S17のステップにてDOC29aの硫黄成分の吸着量Qを再度取得し、S18のステップにて酸素高濃度制御により低下するDOC29aの硫黄成分の吸着量Qが下限値Q以下であるか否かを判定する。ここで、DOC29aの硫黄成分の吸着量Qが充分に低下していない、すなわちDOC29aの硫黄成分の吸着量Qが下限値Qよりもまだ多く、DOC29aから硫黄を離脱させる制御を継続する必要があると判断した場合には、S14のステップに戻る。そして、上述した処理が繰り返される。
一方、先のS14のステップにてDOC29aの床温Tが閾値T以上である、すなわち酸素高濃度化制御を実行できないと判断した場合には、S19のステップに移行して排気中の酸素濃度Aを取得する。そして、S20のステップにて排気中の酸素濃度Aが閾値A以下であるか否かを判定する。ここで、排気中の酸素濃度Aが閾値A以下である、すなわち排気中の一酸化炭素濃度を高濃度化させるための一酸化炭素高濃度化制御を実施することができると判断した場合には、S21のステップに移行し、まず酸素フラグがセットされているか否かを判定する。S21のステップにて酸素フラグがセットされている、すなわち酸素高濃度化制御を終了する必要があると判断した場合には、S22のステップに移行して酸素高濃度化制御を終了すると共に酸素フラグをリセットした後、S23のステップに移行する。そして、一酸化炭素高濃度化制御を実行、すなわち燃料噴射量の増量と、燃料噴射時期の遅角化と、スロットル開度の低減と、EGR開度の増大との何れか1つ以上を実行し、同時に一酸化炭素フラグをセットする。しかる後、先のS17のステップに移行してDOC29aの硫黄成分の吸着量Qを再度取得し、上述した処理を繰り返す。
なお、先のS15のステップにて一酸化炭素フラグがセットされている、すなわち一酸化炭素高濃度化制御を終了する必要があると判断した場合には、S24のステップに移行して一酸化炭素高濃度化制御を終了すると共に一酸化炭素フラグをリセットする。そして、S16のステップに移行して酸素高濃度化制御を実行する。
このようにして、S18のステップにてDOC29aの硫黄成分の吸着量Qが下限値Q以下である、すなわちDOC29aから硫黄を積極的に離脱させる必要がないと判断した場合には、S25のステップに移行する。そして、酸素フラグがセットされているか否かを判定する。ここで酸素フラグがセットされている、すなわち酸素高濃度化制御が実行中であると判断した場合には、S26のステップに移行して酸素高濃度化制御を終了すると共に酸素フラグをリセットした後、S11のステップに戻る。また、S25のステップにて酸素フラグがセットされていないと判断した場合には、S27のステップに移行して今度は一酸化炭素フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、一酸化炭素フラグがセットされている、すなわち一酸化炭素高濃度化制御が実行中であると判断した場合には、S28のステップに移行して一酸化炭素高濃度化制御を終了すると共に一酸化炭素フラグをリセットした後、S11のステップに戻る。
先のS13のステップにてDOC29aの硫黄成分の吸着量Qが上限値Q未満である、すなわち酸素高濃度化制御や一酸化炭素高濃度化制御を行う必要がないと判断した場合には、S11のステップに戻って上述した処理を繰り返す。また、S20のステップにて排気中の酸素濃度Aが閾値Aよりも高い、すなわち一酸化炭素高濃度化制御や酸素高濃度化制御を実施することができないと判断した場合には、S25のステップに移行して必要な処理を行う。
このように、S13のステップにて硫黄成分の吸着量Qが上限値Q以上になった場合、酸素高濃度化制御および一酸化炭素高濃度化制御の実施をエンジン10の運転状態の変化に応じて切り換え、硫黄成分の吸着量Qが下限値Q以下となるように制御する。ただし、酸素高濃度化制御または一酸化炭素高濃度化制御を実施できないエンジン10の運転状態となった場合には、制御の途中であってもこれらの制御を中止し、可能な限り燃費が悪化しないように配慮している。
なお、本発明はその特許請求の範囲に記載された事項のみから解釈されるべきものであり、上述した実施形態においても、本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が記載した事項以外に可能である。つまり、上述した実施形態におけるすべての事項は、本発明を限定するためのものではなく、本発明とは直接的に関係のないあらゆる構成を含め、その用途や目的などに応じて任意に変更し得るものである。
10 エンジン
11 燃料噴射弁
17 ECU
17a 運転状態判定部
17b 燃料噴射設定部
17c 燃料噴射弁駆動部
17d スロットル開度設定部
17e スロットル弁駆動部
17f EGR量設定部
17g EGR制御弁駆動部
17h 硫黄吸着量算出部
18 アクセル開度センサー
19 吸気通路
20 スロットル弁
21 スロットルアクチュエーター
26 排気通路
27 EGR装置
29 排気浄化装置
29a DOC
29b DPF
30 EGR通路
31 EGR制御弁
34 触媒温度センサー
35 Oセンサー
DOCの床温
制御の切り換えを判定するための閾値
排気中の酸素濃度
高濃度化制御の可否を判定するための閾値
DOCの硫黄成分の吸着量
硫黄成分の吸着量の上限値(閾値)
硫黄成分の吸着量の下限値(閾値)

Claims (1)

  1. 酸化触媒コンバーターを含む排気浄化装置が組み込まれた内燃機関の運転制御装置であって、
    前記酸化触媒コンバーターに吸着される硫黄成分の量を取得する手段と、
    前記酸化触媒コンバーターの床温を取得する手段と、
    排気に含まれる酸素濃度を制御するための手段と
    を具え、排気に含まれる酸素濃度を制御するための前記手段は、前記酸化触媒コンバーターに吸着された硫黄成分の量が所定量以上かつ前記酸化触媒コンバーターの床温が所定温度未満の場合、排気に含まれる酸素濃度をより高く制御することを特徴とする内燃機関の運転制御装置。
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