JP2016030843A - 鋳鉄及びブレーキ部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い比熱と強度を有することにより、ブレーキ部品の軽量化等を達成することができる鋳鉄及びブレーキ部品を提供する。
【解決手段】質量%で、C:2.0%以上3.0%未満、Si:3.5〜5.0%、Mn:0.5〜2.0%、Sn及び/又はSbであって、Sn:0.02〜0.2%、Sb0.01〜0.2%、Cu:1.5%以下、残部:Feおよび不可避不純物からなる鋳鉄である。
【選択図】図1
【解決手段】質量%で、C:2.0%以上3.0%未満、Si:3.5〜5.0%、Mn:0.5〜2.0%、Sn及び/又はSbであって、Sn:0.02〜0.2%、Sb0.01〜0.2%、Cu:1.5%以下、残部:Feおよび不可避不純物からなる鋳鉄である。
【選択図】図1
Description
本発明は車両等のブレーキ装置に用いて好適な鋳鉄及びブレーキ部品に係り、特に、高い比熱を備えることによりブレーキディスクの軽量化を達成可能な鋳鉄及びブレーキ部品に関する。
自動車や自動二輪車等のブレーキ装置は、車輪とともに回転するブレーキディスクと、ブレーキディスクに押し付けられるブレーキパッドとを備えている。ブレーキディスクには、発生する摩擦熱による機能低下を抑制するため、高い熱伝導率が要求される。このような要求を低コストで実現する材料として、従来、片状黒鉛鋳鉄、CV黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄が用いられている。特に、片状黒鉛鋳鉄は、黒鉛が熱の良導体であるため、黒鉛長さを大きくすることにより熱伝導率の向上が可能である。
鋳鉄に関する先行技術文献としては以下のものがある。特許文献1に記載のものは、耐食性鋳鉄に関するもので、炭素当量3.8〜4.5%の範囲で、質量%で、C:2.8〜4%、Si:1.5〜3.0%、Mn:0.3〜1.2%、P:0.2%以下、S:0.06〜0.25%、Cu:0.15〜3.5%、及び残部:Fe及び不可避不純物からなり、Cuの含有量を変化させて発錆を抑制している。
特許文献2に記載のものは、ディスクブレーキ用ディスクに関するもので、質量%で、C:2.8〜3.8%、Si:1.8〜3.4%、Mn:0.5〜1.0%、S:0.02〜0.1%、Cr:0.1〜1.5%、Mo:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.2%、Ce:0.01〜0.05%、Cu:0.1〜1.2%、残部:Fe及び不可避的不純物からなり、Ceで高強度化することで耐ヒートクラック性を向上させている。
特許文献3に記載のものは、摺動部とハブ取付け部を有し、単一溶湯による鋳造製一体構造のブレーキ部品であって、質量%で、C:3.5 〜3.90%、Si:2.3〜3.0%、Mn:0.7〜1.1%、P:<0.05%、S:0.08〜0.012%、Cu:0.7〜1.2%、残部:鉄及び不可避的不純物からなり、CE値が4.3〜4.7、引張強さが15〜20kgf/mm2、減衰能が12〜20×10−3で、ハブ取付け孔内面には硬さHRB90〜105になるよう高周波焼入れが施されている。
特許文献4に記載のものは、高熱伝導耐食鋳鉄であって、炭素当量:4〜5%の範囲で、質量%で、C:3〜4.5%、Si:1.5〜3.0%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.2%以下、S:0.06〜0.25%、Cu:0.15〜3.5%、Ca:0.02〜0.1%、Al:0.02〜0.1%、残部:鉄及び不可避不純物からなり、組織中に針状黒鉛を生成させたことにより、高熱伝導性と耐食性を向上させている。
ところで、近年、自動車等の運輸装置には、温室効果ガスの排出規制に伴い益々の軽量化が要望されており、特に鋳鉄の塊からなるブレーキディスクはかなりの重量物となるため、その軽量化が強く要望されている。
ここで、ブレーキディスクとブレーキパッドによる制動は、運動エネルギーを熱エネルギーに変換する作用を伴い、ブレーキディスクは、熱エネルギーを吸収し、車両の停止後は熱エネルギーを放出する。従って、ブレーキディスクの熱伝導率が高いほど、熱エネルギーを迅速に放出することができる。また、ブレーキディスクの比熱が高いほど、熱エネルギーを蓄える能力が高く、熱エネルギーを吸収したときの温度上昇を抑制することができる。このため、ブレーキディスクの比熱が高いほど小さい容積で同等の熱容量とできることから、ブレーキディスクを小型化することができる。
また、ブレーキディスクを小型化した場合、250MPa程度の強度を確保する必要がる。
ここで、ブレーキディスクとブレーキパッドによる制動は、運動エネルギーを熱エネルギーに変換する作用を伴い、ブレーキディスクは、熱エネルギーを吸収し、車両の停止後は熱エネルギーを放出する。従って、ブレーキディスクの熱伝導率が高いほど、熱エネルギーを迅速に放出することができる。また、ブレーキディスクの比熱が高いほど、熱エネルギーを蓄える能力が高く、熱エネルギーを吸収したときの温度上昇を抑制することができる。このため、ブレーキディスクの比熱が高いほど小さい容積で同等の熱容量とできることから、ブレーキディスクを小型化することができる。
また、ブレーキディスクを小型化した場合、250MPa程度の強度を確保する必要がる。
しかしながら、比熱と強度を同時に高めることに着目した鋳鉄の開発は、現在のところなされていないのが現状である。
又、一般に、強度や耐摩耗性を確保するため、鋳鉄にはCuが比較的多く含まれるが、Cuは材料コストが高いと共に環境に負荷を与える可能性があるため、その低減が要望されている。
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたもので、Cu含有量を低減してコストダウンと環境負荷の低減を図ることができると共に、高い比熱と強度を有することにより、ブレーキ部品の軽量化等を達成することができる鋳鉄及びブレーキ部品を提供することを目的としている。
又、一般に、強度や耐摩耗性を確保するため、鋳鉄にはCuが比較的多く含まれるが、Cuは材料コストが高いと共に環境に負荷を与える可能性があるため、その低減が要望されている。
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたもので、Cu含有量を低減してコストダウンと環境負荷の低減を図ることができると共に、高い比熱と強度を有することにより、ブレーキ部品の軽量化等を達成することができる鋳鉄及びブレーキ部品を提供することを目的としている。
本発明者等は、鋳鉄及びそれを用いたブレーキディスクを軽量化するために検討を重ねた結果、以下の組成の鋳鉄を用いると、高い比熱(例えば、600J/kg/K以上)と強度(例えば、引張強度が250MPa以上)が得られ、温室効果ガスの排出抑制効果をも十分に得られるとの結論に達した。そして、そのような比熱と強度を得るために鋭意研究を重ねた。
鋳鉄はフェライト、セメンタイト、黒鉛及びその他の微量な介在物からなる。本発明者等はこのうちもっとも重量分率の大きいフェライトの高比熱化を検討し、フェライトに固溶し比熱向上効果のある元素を種々調査した結果、Siが最も効果が大きく、また炭化物を作らず容易にフェライト中に固溶させることができることが判明した。
Siの効果は鋳鉄中に3.5%以上添加したときに顕著に発現する。Siは鋳鉄中で主としてフェライト中に濃化し、フェライト中での重量分率は4%以上になる。一般に、この濃度では、平衡状態でFe3Siが析出すると言われているが、X線回折による分析の結果からはFe3Siは通常の製造条件ではほとんど検出されない。すなわち規則構造を作らず不規則かつ過飽和に固溶したSiがフェライトの比熱を向上させていると考えられる。
また、本発明者等が検討したところ、Siを3.5%以上添加した鋳鉄において、Cの含有量が3.0%を超えると過共晶組成となり、塊状黒鉛が発生して組織中で切り欠きとなるため、強度が低下する傾向にある。このことから、Cの含有量を3.0%未満とする必要がある。
また、本発明者等が検討したところ、Siを3.5%以上添加した鋳鉄において、Cの含有量が3.0%を超えると過共晶組成となり、塊状黒鉛が発生して組織中で切り欠きとなるため、強度が低下する傾向にある。このことから、Cの含有量を3.0%未満とする必要がある。
本発明の鋳鉄は上記知見に基づいてなされたものであり、C:2.0%以上3.0%未満、Si:3.5〜5・0%、Mn:0.5〜2.0%、Sn及び/又はSbであって、Sn:0.02〜0.2%、Sb:0.01〜0.2%、Cu:1.5%以下、残部:Fe及び不可避不純物からなることを特徴とする。
本発明の鋳鉄は、引張強度が250MPa以上であることが好ましい。
又、本発明の鋳鉄は、さらに、質量%で、Cr:0.05〜1.5%を含んでもよい。本発明の鋳鉄は、さらに、質量%で、Ni及び/又はMoであって、Ni:0.3〜1.5%、Mo:0.1〜0.5%を含んでもよい。
本発明の鋳鉄は、200℃における比熱が600J/kg/K以上であることが好ましく、200℃における熱伝導率が35W/m/K以上であることが好ましい。
本発明の鋳鉄は、基地組織におけるパーライトの面積率が90%以上であることが好ましい。
本発明のブレーキ部品は、前記鋳鉄から製造されてなる。
又、本発明の鋳鉄は、さらに、質量%で、Cr:0.05〜1.5%を含んでもよい。本発明の鋳鉄は、さらに、質量%で、Ni及び/又はMoであって、Ni:0.3〜1.5%、Mo:0.1〜0.5%を含んでもよい。
本発明の鋳鉄は、200℃における比熱が600J/kg/K以上であることが好ましく、200℃における熱伝導率が35W/m/K以上であることが好ましい。
本発明の鋳鉄は、基地組織におけるパーライトの面積率が90%以上であることが好ましい。
本発明のブレーキ部品は、前記鋳鉄から製造されてなる。
以下、本発明の数値限定の根拠を本発明の作用とともに説明する。なお、以下の説明において「%」は「質量%」の意味である。
C:2.0%以上3.0%未満
Cは基地組織に黒鉛を析出させるために必要な元素である。黒鉛は熱の良導体で鋳鉄の熱伝導率を高め、吸収した熱エネルギーを速やかに放出する作用を奏する。Cの含有量が2.0%未満では、現行材の鋳鉄と同等の熱伝導率である35W/m/Kを得ることが困難となる。一方、Cの含有量が3.0%以上になると、炭素当量(CE=C+1/3Si)が4.3を超えて過共晶組成となり、塊状黒鉛が発生して組織中で切り欠きとなるため強度が低下し、250MPa以上の引張強度を達成することが困難となる場合がある。よって、Cの含有量は2.0%以上3.0%未満とする。
Cは基地組織に黒鉛を析出させるために必要な元素である。黒鉛は熱の良導体で鋳鉄の熱伝導率を高め、吸収した熱エネルギーを速やかに放出する作用を奏する。Cの含有量が2.0%未満では、現行材の鋳鉄と同等の熱伝導率である35W/m/Kを得ることが困難となる。一方、Cの含有量が3.0%以上になると、炭素当量(CE=C+1/3Si)が4.3を超えて過共晶組成となり、塊状黒鉛が発生して組織中で切り欠きとなるため強度が低下し、250MPa以上の引張強度を達成することが困難となる場合がある。よって、Cの含有量は2.0%以上3.0%未満とする。
Si:3.5〜5.0%
Siは鋳鉄の比熱を高める元素である。Siの含有量が3.5%未満では、目標とする比熱である600J/kg/Kを得ることが困難となる。一方、Siの含有量が5.0%を超えると、溶湯の粘度が高くなり鋳造が困難になる。よって、Siの含有量は3.5〜5.0%とする。
Siは鋳鉄の比熱を高める元素である。Siの含有量が3.5%未満では、目標とする比熱である600J/kg/Kを得ることが困難となる。一方、Siの含有量が5.0%を超えると、溶湯の粘度が高くなり鋳造が困難になる。よって、Siの含有量は3.5〜5.0%とする。
Mn:0.5〜2.0%
Mnは原料のスクラップから混入し基地組織を強化する効果がある。Mnの含有量が0.5%未満ではそのような効果が乏しくなる。一方、Mnの含有量が2.0%を超えると、基地組織のチル化が顕著となり、被削性を低下させる。よって、Mnの含有量は0.5〜2.0%とする。
Mnは原料のスクラップから混入し基地組織を強化する効果がある。Mnの含有量が0.5%未満ではそのような効果が乏しくなる。一方、Mnの含有量が2.0%を超えると、基地組織のチル化が顕著となり、被削性を低下させる。よって、Mnの含有量は0.5〜2.0%とする。
P:0.2%以下
Pは溶湯の流動性を向上させるが、鋳鉄を脆化させるため、不可避不純物としてPの含有量は0.2%以下とすることが望ましい。
Pは溶湯の流動性を向上させるが、鋳鉄を脆化させるため、不可避不純物としてPの含有量は0.2%以下とすることが望ましい。
S:0.25%以下
Sの含有量が0.25%を超えると、MnSの生成量が過多となって白銑化傾向が増大し、被削性が低下する。よって、不可避不純物としてのSの含有量は0.25%以下とすることが望ましい。
Sの含有量が0.25%を超えると、MnSの生成量が過多となって白銑化傾向が増大し、被削性が低下する。よって、不可避不純物としてのSの含有量は0.25%以下とすることが望ましい。
Sn及びSb
本発明では比熱を高めるためにSiの添加が必須であるが、Siはフェライト化を促進する作用を有する。ところが、フェライト分率が大きくなると強度低下や耐摩耗性の低下をもたらす。そこで、本発明においては、基地組織のパーライト化を促進して強度を向上させる元素として、Sn及びSbの群から選ばれる1種又は2種を、Sn:0.02〜0.2%、Sb:0.01〜0.2%の割合で含有する。
ここで、強度や耐摩耗性を確保するため、鋳鉄にはCuが含まれるが、Cuは材料コストが高い。そこで、本発明者らは、Cuと同様に基地組織のパーライト化を促進する元素として、Sn及びSbを見出した。Sn及びSbは、同一質量の材料コストはCuよりも高いが、Cuより少ない含有量で同等のパーライト化効果が得られるため、結果としてCuの含有量を1.5%以下に低減することができ、コストダウンを図ることができる。
本発明では比熱を高めるためにSiの添加が必須であるが、Siはフェライト化を促進する作用を有する。ところが、フェライト分率が大きくなると強度低下や耐摩耗性の低下をもたらす。そこで、本発明においては、基地組織のパーライト化を促進して強度を向上させる元素として、Sn及びSbの群から選ばれる1種又は2種を、Sn:0.02〜0.2%、Sb:0.01〜0.2%の割合で含有する。
ここで、強度や耐摩耗性を確保するため、鋳鉄にはCuが含まれるが、Cuは材料コストが高い。そこで、本発明者らは、Cuと同様に基地組織のパーライト化を促進する元素として、Sn及びSbを見出した。Sn及びSbは、同一質量の材料コストはCuよりも高いが、Cuより少ない含有量で同等のパーライト化効果が得られるため、結果としてCuの含有量を1.5%以下に低減することができ、コストダウンを図ることができる。
Cu:1.5%以下
上述のように、Cuと同等の効果を得る元素として、Sn及び/又はSbを含有させることで、Cuの含有量を1.5%以下としてもパーライト化効果を発揮することができる。
なお、Sn及び/又はSbの含有量をその規定範囲内で多くすれば、Cuの含有量をさらに低減することができ、場合によってはCuを含有しなくてもよい。なお、Cuは鋳鉄の原材料に微量含まれ、含有量を0(ゼロ)とすることは実質的に困難であり、0.01%程度は不可避的に検出される。従って、Cuの含有量の下限は不可避量とし、例えば下限として0.01%が挙げられる。但し、将来的にCuを含まないで鋳鉄を製造できる場合は、Cuの含有量を0(ゼロ)としてもよい。
上述のように、Cuと同等の効果を得る元素として、Sn及び/又はSbを含有させることで、Cuの含有量を1.5%以下としてもパーライト化効果を発揮することができる。
なお、Sn及び/又はSbの含有量をその規定範囲内で多くすれば、Cuの含有量をさらに低減することができ、場合によってはCuを含有しなくてもよい。なお、Cuは鋳鉄の原材料に微量含まれ、含有量を0(ゼロ)とすることは実質的に困難であり、0.01%程度は不可避的に検出される。従って、Cuの含有量の下限は不可避量とし、例えば下限として0.01%が挙げられる。但し、将来的にCuを含まないで鋳鉄を製造できる場合は、Cuの含有量を0(ゼロ)としてもよい。
Sn:0.02%〜0.2%
Snはフェライトの析出を抑制し、強力なパーライト化促進元素である。黒鉛と基地境界との狭い範囲にSnを濃化させることで、制動による摩擦熱の繰り返しサイクルによる黒鉛の成長を抑制し、熱亀裂の進展を防止する。Snが0.02%未満の場合、パーライト化効果が小さい。一方、Snを0.2%を超えて添加すると、靱性を低下させてヒートクラックに対するタフネスを低下させる。よって、Snの含有量は0.02%〜0.2%とする。
Snはフェライトの析出を抑制し、強力なパーライト化促進元素である。黒鉛と基地境界との狭い範囲にSnを濃化させることで、制動による摩擦熱の繰り返しサイクルによる黒鉛の成長を抑制し、熱亀裂の進展を防止する。Snが0.02%未満の場合、パーライト化効果が小さい。一方、Snを0.2%を超えて添加すると、靱性を低下させてヒートクラックに対するタフネスを低下させる。よって、Snの含有量は0.02%〜0.2%とする。
Sb:0.01〜0.2%
Sbはフェライトの析出を抑制し、パーライトを安定させる元素である。Sbはパーライト基地の中で、黒鉛サイズを微細化するために得られるA型黒鉛を含む鋳鉄の硬度の向上に寄与する。Sbは0.01%未満では基地組織の改善、すなわちパーライト安定化への寄与が少なく不十分である。Sbの含有量が0.2%を超えると、衝撃値が著しく低下し、D型黒鉛が形成しやすい。Sbの含有量は0.01%〜0.2%とする。
Sbはフェライトの析出を抑制し、パーライトを安定させる元素である。Sbはパーライト基地の中で、黒鉛サイズを微細化するために得られるA型黒鉛を含む鋳鉄の硬度の向上に寄与する。Sbは0.01%未満では基地組織の改善、すなわちパーライト安定化への寄与が少なく不十分である。Sbの含有量が0.2%を超えると、衝撃値が著しく低下し、D型黒鉛が形成しやすい。Sbの含有量は0.01%〜0.2%とする。
Cr:0.05%〜1.5%
上述のように、鋳鉄にSn及び/又はSbを含有させると、Cuの含有量を低減(又はCuの含有量を実質的に0に)することができるが、SnやSbを含有させると、炭化物が不安定になる場合があるので、Crを含有することが好ましい。
Crは炭化物を安定にし、組織を緻密にして強度を向上する元素であり、0.05%以上含有することが望ましい。なお、Crはセメンタイトに濃化し、パーライトを安定化する。すなわち、Crは成長現象を抑制し、加熱、冷却による体積の変化率を小さくする効果がある。一方、Crはフェライトに固溶し難く炭化物を形成するため、比熱向上への寄与は小さい。又、Crの含有量が1.5%を超えると、基地組織にチルが発生しやすく、被削性を低下させるため、1.5%を上限とする必要がある。よって、Crの含有量は0.05%〜1.5%とする。
上述のように、鋳鉄にSn及び/又はSbを含有させると、Cuの含有量を低減(又はCuの含有量を実質的に0に)することができるが、SnやSbを含有させると、炭化物が不安定になる場合があるので、Crを含有することが好ましい。
Crは炭化物を安定にし、組織を緻密にして強度を向上する元素であり、0.05%以上含有することが望ましい。なお、Crはセメンタイトに濃化し、パーライトを安定化する。すなわち、Crは成長現象を抑制し、加熱、冷却による体積の変化率を小さくする効果がある。一方、Crはフェライトに固溶し難く炭化物を形成するため、比熱向上への寄与は小さい。又、Crの含有量が1.5%を超えると、基地組織にチルが発生しやすく、被削性を低下させるため、1.5%を上限とする必要がある。よって、Crの含有量は0.05%〜1.5%とする。
Ni及びMo
本発明では鋳鉄の組織や性質を向上させるため、Ni及びMoの群から選ばれる1種又は2種を、Ni:0.3〜1.5%、Mo:0.1〜0.5%の割合で含有させることができる。
Ni:0.3%〜1.5%
Niは黒鉛化を促進する元素であると共に、チル化を抑制して切削性を良好にする。さらに基地組織を向上する作用を有する。ただし、Niは非常に高価であるため、多量に添加するとコストアップに繋がる。このため、上記効果とコストの両立の点から、Ni含有量は、0.3%以上、1.2%以下とすることがより望ましい。
Mo:0.1〜0.5%
Moは炭化物を安定させ、組織を緻密にして強度と耐クラック性を向上する元素であるが、フェライトに固溶し難く炭化物を形成するため、比熱向上への寄与は小さい。よって、Moの含有量は0.1%〜0.5%であることが望ましい。
本発明では鋳鉄の組織や性質を向上させるため、Ni及びMoの群から選ばれる1種又は2種を、Ni:0.3〜1.5%、Mo:0.1〜0.5%の割合で含有させることができる。
Ni:0.3%〜1.5%
Niは黒鉛化を促進する元素であると共に、チル化を抑制して切削性を良好にする。さらに基地組織を向上する作用を有する。ただし、Niは非常に高価であるため、多量に添加するとコストアップに繋がる。このため、上記効果とコストの両立の点から、Ni含有量は、0.3%以上、1.2%以下とすることがより望ましい。
Mo:0.1〜0.5%
Moは炭化物を安定させ、組織を緻密にして強度と耐クラック性を向上する元素であるが、フェライトに固溶し難く炭化物を形成するため、比熱向上への寄与は小さい。よって、Moの含有量は0.1%〜0.5%であることが望ましい。
前述のように、十分な軽量化効果(特にブレーキディスクの場合)を得るには、比熱が600J/kg/K以上で、引張強度が250MPa以上であることが必要である。ここで、加速と制動を繰り返す自動車においては、ブレーキディスクの平均温度は200℃程度であるので、200℃における比熱が600J/kg/K以上であることが望ましい。また、本発明の鋳鉄においては、200℃における熱伝導率が35W/m/K以上であることが望ましい。これにより、吸収した熱エネルギーの放出が速やかに行われ、ブレーキディスクへのヒートクラックの発生が抑制される。
また、軽量化に伴って低下する強度を補い、材料自体の強度を向上させるため、引張強度が250MPa以上であることが望ましい。
また、軽量化に伴って低下する強度を補い、材料自体の強度を向上させるため、引張強度が250MPa以上であることが望ましい。
本発明の鋳鉄は、片状黒鉛鋳鉄、CV黒鉛鋳鉄、及び球状黒鉛鋳鉄のいずれにも適用することができる。ただし、球状黒鉛鋳鉄は、黒鉛が球状のため引張強度は高いが熱伝導率は不充分である。よって、熱伝導率が高い片状黒鉛鋳鉄、または熱伝導率と引張強度のバランスがとれたCV黒鉛鋳鉄が好適であり、さらには低い引張強度が許される限り片状黒鉛鋳鉄が望ましい。
また、本発明においては、基地組織におけるパーライトの面積率が90%以上であることが好適であり、これにより、充分な強度を確保することができる。なお、パーライトの面積率は、鋳鉄の断面の金属組織写真から画像処理によって、(1)黒鉛を除いた組織を抽出し、(2)黒鉛及びフェライトを除き、パーライト組織を抽出し、(パーライトの面積)/(パーライト+フェライトの面積)によって算出した。
また、本発明においては、基地組織におけるパーライトの面積率が90%以上であることが好適であり、これにより、充分な強度を確保することができる。なお、パーライトの面積率は、鋳鉄の断面の金属組織写真から画像処理によって、(1)黒鉛を除いた組織を抽出し、(2)黒鉛及びフェライトを除き、パーライト組織を抽出し、(パーライトの面積)/(パーライト+フェライトの面積)によって算出した。
本発明は、Siを3.5〜5.0%含有することにより、鋳鉄(特に鋳鉄から製造されたブレーキ部品)に高い比熱を付与することができる。これにより、同一重量でも熱容量が向上するため摩擦熱による摺動部の温度上昇を抑制することができ、よって、熱膨張軽減、ヒートクラック軽減、熱劣化軽減などにより、鋳鉄及びそれを用いた部品の寿命が向上する。また、強度が高く、同一熱容量まで重量を減少することができるため、ブレーキ部品の軽量化を達成することができる。さらに、鋳鉄から製造されたブレーキ部品の場合、相手材であるブレーキパッドの温度が低下することでブレーキパッドの熱負荷を低減することができ、ブレーキパッドの成分を低廉なものにすることができる。
化学成分と組織の影響を調査するため、表1に示す化学成分の鋳鉄サンプルを試作した。各鋳鉄サンプルの比熱、引張強度、パーライトの面積率を測定し、表1に示す結果を得た。また、各鋳鉄サンプルの鋳造時の欠陥の有無を目視で観察し、その結果を表1に併記した。
比熱は示差走査熱量測定により行った。引張強度は、JIS Z 2241 に準拠した引張試験片を作製し、アムスラー万能試験機を用いてJIS Z 2241 に準拠して引張試験を行い、引張強度を測定した。パーライトの面積率は、上述の通り測定した。
鋳造時の欠陥は、鋳鉄サンプルの表面を目視し、引け巣、湯境などが確認される場合を「有」とした。
実施例1〜5は本発明の範囲内の化学成分を有する。比較例1〜4において、本発明の範囲を逸脱する化学成分には下線を付してある。また、比熱、引張強度、及びパーライトの面積率において、本発明が目標とする範囲を逸脱するものにも下線を付してある。図1は、表1に示す結果をグラフにしたものである。
比熱は示差走査熱量測定により行った。引張強度は、JIS Z 2241 に準拠した引張試験片を作製し、アムスラー万能試験機を用いてJIS Z 2241 に準拠して引張試験を行い、引張強度を測定した。パーライトの面積率は、上述の通り測定した。
鋳造時の欠陥は、鋳鉄サンプルの表面を目視し、引け巣、湯境などが確認される場合を「有」とした。
実施例1〜5は本発明の範囲内の化学成分を有する。比較例1〜4において、本発明の範囲を逸脱する化学成分には下線を付してある。また、比熱、引張強度、及びパーライトの面積率において、本発明が目標とする範囲を逸脱するものにも下線を付してある。図1は、表1に示す結果をグラフにしたものである。
表1から分かるように、本発明の実施例1〜5はいずれも、高い比熱(600J/kg/K以上)及び比較例1〜4に比べて高い強度が得られ、パーライトの面積率は同等であると共に、Cuの含有量を1.5%以下とすることができた。
比較例1〜4は、いずれもCの含有量が3.0%以上であるため、引張強度は250MPa未満に低下した。このことから、強度を向上させるためには、Cの含有量が3.0%未満であることが必要である。
なお、比較例2は合金元素であるCr、Ni及びMoを添加したため、比較例1に比べると引張強度が向上したが、依然として250MPa未満であった。
又、Siの含有量が3.5%未満である比較例3の場合、比熱が低い値となったことから、600J/kg/K以上の比熱を得るためには、Siの含有量が3.5%以上であることが必要である。
比較例4の場合、実施例1〜5と同様にSn及び/又はSbを含有しているため、高い比熱(640J/kg/K以上)が得られたが、Cの含有量が3.0%を超えていることから引張強度が250MPa未満であった。なお、比較例4はSn及びSbを添加したため、比較例1、3に比べると引張強度が向上したが、依然として250MPa未満であった。
なお、比較例2は合金元素であるCr、Ni及びMoを添加したため、比較例1に比べると引張強度が向上したが、依然として250MPa未満であった。
又、Siの含有量が3.5%未満である比較例3の場合、比熱が低い値となったことから、600J/kg/K以上の比熱を得るためには、Siの含有量が3.5%以上であることが必要である。
比較例4の場合、実施例1〜5と同様にSn及び/又はSbを含有しているため、高い比熱(640J/kg/K以上)が得られたが、Cの含有量が3.0%を超えていることから引張強度が250MPa未満であった。なお、比較例4はSn及びSbを添加したため、比較例1、3に比べると引張強度が向上したが、依然として250MPa未満であった。
各実施例はSn、Sbの少なくとも1種を添加することで90%以上のパーライト率(パーライトの面積率)を確保すると共に、比熱が600J/kg/K以上、熱伝導率が35W/m/K以上であった。
本発明は、ディスク状のブレーキ部品に限定されるものではなく、円筒状や長板状など任意の形状のブレーキ部品に適用可能である。
本発明は、自動車、自動二輪車、列車等の運輸装置のブレーキやプレス等の機械設備のブレーキなど、あらゆるブレーキ部品及びブレーキ装置に適用可能である。
Claims (8)
- 質量%で、C:2.0%以上3.0%未満、Si:3.5〜5・0%、Mn:0.5〜2.0%、Sn及び/又はSbであって、Sn:0.02〜0.2%、Sb:0.01〜0.2%、Cu:1.5%以下、残部:Feおよび不可避不純物からなることを特徴とする鋳鉄。
- 引張強度が250MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の鋳鉄。
- さらに、質量%で、Cr:0.05〜1.5%を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳鉄。
- さらに、質量%で、Ni及び/又はMoであって、Ni:0.3〜1.5%、Mo:0.1〜0.5%を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋳鉄。
- 200℃における比熱が600J/kg/K以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋳鉄。
- 200℃における熱伝導率が35W/m/K以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の鋳鉄。
- 基地組織におけるパーライトの面積率が90%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の鋳鉄。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の鋳鉄から製造されたブレーキ部品。
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