以下、本発明を適用したジョイント機構について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
図1及び図2に示すように、本発明を適用したジョイント機構20は、給液装置1の本体10の上面等に取り付けられ、流体を貯留する流体容器30が装着されるものである。給液装置1は、例えばウォータサーバ等であり、図1及び図2に示すように、本体10と、本体10の上面に設けられ、水やミネラルウォータ等の流体を貯留する流体容器30が装着されるジョイント機構20とを備えている。
<給液装置本体>
本体10は、図1及び図2に示すように、上部に例えば平面視矩形凹状の凹部11が形成されている。更に、この凹部11の底面部には、高さ方向の一端側に向けて突設された突部12と、突部12の周辺に突部12よりも一段低い低部13とが形成されている。更に、この突部12には、ジョイント機構20が貫設された状態で保持されている。
従って、本体10は、上部表面にこぼれた水やミネラルウォータ等の流体が突部12よりも一段低い低部13に溜るので、ジョイント機構20と突部12との間から漏水が発生することを防止出来る。更に、本体10は、溢れた流体が低部13に溜るので、容易に液体を拭きとることが出来、従来よりも簡単に掃除をすることが出来る。従って、給液装置1は、衛生状態を維持することが出来る。
なお、本体10は、突部12の上部表面に溢れた流体が低部13により確実に流れるように、突部12の上面に、中央部から低部13に向けて次第に低くなるように、傾斜を設けるようにしても良い。更に、本体10は、低部13に溢れた流体が隅部にまとめて溜るように、低部13に、突部12側から凹部11の側壁部側に向けて次第に低くなるように、傾斜を設けるようにしても良い。
また、本体10は、流体を冷却する冷却タンク(不図示)と流体を温める加熱タンク(不図示)とを内蔵している。冷却タンクは、例えば配管を介してジョイント機構20と連結されており、ジョイント機構20に装着された流体容器30から流入された流体を、本体10に内蔵された熱交換器等の冷却装置によって所定の温度となるように冷やす。加熱タンクは、例えば配管を介してジョイント機構20又は冷却タンクと連結されており、ジョイント機構20に装着された流体容器30又は冷却タンクから流入された流体を、本体10に内蔵されたヒーター等の加熱装置によって所定の温度となるように温める。
また、本体10の前面等の一側面には、冷却タンクで冷やされた流体を外部に供給する第一供給口(不図示)と、加熱タンクで温められた流体を外部に供給する第二供給口(不図示)と、レバー、ボタン、タッチパネル等の第一及び第二吐出操作部(不図示)とが設置されている。第一供給口は、例えば配管を介して冷却タンクと連結されており、使用者等によって第一吐出操作部が操作されると、冷却タンクで冷やされた流体を外部に供給する。第二供給口は、例えば配管を介して加熱タンクと連結されており、使用者等によって第二吐出操作部が操作されると、加熱タンクで加熱された流体を外部に供給する。なお、供給口は、冷やされた流体を供給する第一供給口と温められた流体を供給する第二供給口とに分かれているが、一つの供給口で冷やされた流体と温められた流体とを切り替えて供給する構造であっても良い。
<流体容器>
流体容器30は、図3〜図6に示すように、水やミネラルウォータ等の流体を貯留する容器である。更に、流体容器30は、可撓性を有し、容量が可変の可撓性容器であって、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド等の合成樹脂材料でブロー成形等によって成形されている。また、これらの合成樹脂シートを用いて製袋した容器であっても良い。更に、合成樹脂シートを用いる場合、このシートは、同種又は異種の複数のシートの積層シートであっても良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の積層シートを用いることも出来る。この際、流体を水とする場合には、水と接する面は、臭いの発生しにくい素材を選択することが望ましい。
また、流体容器30は、図3〜図6に示すように、注水口(口部)となる栓機構40を有している。そして、流体容器30は、栓機構40にジョイント機構20が挿入されることで、本体10に装着される。
なお、この流体容器30には、流体として、水やミネラルウォータ等の他に、ジュース、コーヒー、紅茶などの清涼飲料、飲料水、酒類、醤油、みりん、ドレッシング、味噌などの流体調味料、みそ汁やコーンスープなどの流体料理等を含む飲食料や、工業品等の流体、粘性流体、ゲル状体、スラリー状体などを収容することが出来る。
更に、この流体容器30は、容量が可変の可撓性容器に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂材料をブロー成形等によって成形して成る容量が可変でないハード容器であっても良い。
更に、流体容器30は、段ボール等の紙製、合成樹脂製、金属製等の収納箱に収納されて、所謂、BIB(バックインボックス)型の構造を有するようにしても良い。この際、流体容器30は、例えば、収納箱の一端面に形成された貫通口から栓機構40が外部に突出されるようにして、収納箱に収納されたままの状態で、栓機構40にジョイント機構20が挿入されることで、本体10に装着される。更に、収納箱は、流体容器30をジョイント機構20に取り付ける又はジョイント機構20から取り外す際に使用者によって把持される把持部を設けるようにしても良い。
<栓機構>
図3及び図4に示すように、流体容器30の栓機構40は、例えば、流体容器30の側面部(一主面)に設けられている。具体的に、この栓機構40は、流体容器30の側面部に設けられる口部41と、口部41に着脱可能に装着される栓体42とを有している。
口部41は、図5に示すように、比較的大径の筒状の外径部50と、この外径部50の内部に位置し、外径部50よりも小径の筒状の内径部51とを有している。この内径部51は、上面及び下面が開口されており、口部41の内側と外側とに連通する連通口52を有している。更に、内径部51は、外径部50よりも軸方向に短く、外径部50内に配設されている。
また、図5及び図6に示すように、内径部51は、外径部50から延設され且つ内径部51の位置を固定する一つ以上の支持部53を有している。具体的に、支持部53は、外径部50と内径部51との間に、外径部50と内径部51とに亘って、口部41の口軸を中心に、等間隔に複数個形成されている。更に、支持部53は、口部41の口軸方向に長く、口軸直角方向に薄いフィン状を成すように形成されている。従って、支持部53は、口軸直角方向に薄く形成されているので、平面視では肉薄であるが、口軸方向には長く形成されているので、内径部51を充分固定可能な強度を有している。
また、図5及び図6に示すように、外径部50と内径部51との間には、口部41の内側と外側とに連通する少なくとも一つ以上の連通部54を有している。具体的に、連通部54は、放射状に設けられフィン状を成す複数の支持部53,53同士の間に設けられている。そして、連通部54は、支持部53が口軸直角方向に薄いフィン状を成すように形成されているので、連通面積(開口面積)を大きく設けることが出来る。
また、図5に示すように、内径部51の基端側の内周面には、凹環状の口部封止部55が形成されている。この口部封止部55は、図3に示すように、栓体42の栓部61の外周面に形成された凸環状の栓体封止部62と嵌合される。これにより、口部封止部55は、内径部51の内周面と栓部61の外周面との隙間から漏れが発生しないようにしている。更に、口部封止部55は、栓体42の栓体封止部62が嵌合されることで、栓体42が内径部51の内部で位置ずれすることを防止する。なお、口部封止部55が凹環状に形成され、栓体封止部62が凸環状に形成されることに限定されるものではなく、例えば、口部封止部55が凸環状に形成され、栓体封止部62を凹環状に形成されるようにしても良い。
また、図5に示すように、内径部51の基端側の内周面には、段差によって構成されたストッパ56が形成されている。このストッパ56は、図4に示すように、栓体42の突部63と係止されることで、口部41の口部封止部55と栓体42の栓体封止部62との嵌合状態が解除されて栓体42が流体容器30の内部側に移動された際に、栓体42が流体容器30の内部に入り込み過ぎないように防止すると共に栓体42の位置決めを行う。
また、図5に示すように、外径部50の先端側の外周面には、栓体42の栓体装着部67と嵌合される口部装着部57が形成されている。この口部装着部57は、栓体42の栓体装着部67が配置される収納凹部57aと、この収納凹部57aによって外径部50の先端内周面側に形成された基端側よりも肉薄の突片57bと、この突片57bの先端部に張り出して形成された膨出部57cと、突片57bの基端側の外周面に形成され、栓体42の栓体装着部67に形成された第一嵌合部67aが嵌合される嵌合凹部57dとを有している。
そして、図3に示すように、内径部51内に栓体42の栓部61が収納されて、口部41の突片57bが栓体42の略U字状の栓体装着部67の隙間に差し込まれ、口部41の突片57bが栓体42の栓体装着部67で狭持された状態で、膨出部57cが内周面側から栓体42の栓体装着部67に形成された第二嵌合部67bによって嵌合されつつ、嵌合凹部57dが外周面側から栓体42の栓体装着部67に形成された第一嵌合部67aによって嵌合されることで、口部41と栓体42との間の密閉性を確保しつつ、口部41には、栓体42が着脱可能に取り付けられる。
また、図5に示すように、外径部50の先端側の外周面には、流体容器30の側面部に形成された開口部31の周縁部31aに溶着されるフランジ状を成す接合片58が形成されている。この接合片58は、外径部50の外周面の全周に外側に向けて延設され、平面視略円形状等に形成される。すなわち、口部41は、接合片58と開口部31の周縁部31aの外周面又は内周面とを面接触させた状態で、接合片58と開口部31の周縁部31aとが溶着されることで、流体容器30の側面部に取り付けられる。なお、接合片58は、平面視略円形状等に形成されることに限定されるものではなく、接合片58と開口部31の周縁部31aとが溶着可能なものであれば、矩形状等、その他の如何なる形状であっても良い。
栓体42は、図3に示すように、内径部51の内部に挿入されている。この栓体42は、図5及び図6に示すように、口部41と別部材であり、口部41の外径部50を覆って連通部54による流体容器30の外側との繋がりを封じる封鎖部60と、この封鎖部60に連なって口部41の内径部51を開栓可能に閉栓させる栓部61とを有している。
栓部61は、図5に示すように、有底筒状に形成され、外径が内径部51のストッパ56よりも先端側の内周面の内径とほぼ同じ大きさとなるように形成されており、内径部51の口軸方向に摺動可能に内径部51内に嵌合されている。
また、図5に示すように、栓部61の基端側の外周面には、外側に張り出した凸環状の栓体封止部62が形成されている。この栓体封止部62は、図3に示すように、口部封止部55に嵌合される。これにより、栓体封止部62は、内径部51の内周面と栓部61の外周面との隙間から漏れが発生しないようにしている。更に、栓体42は、栓体封止部62が口部封止部55に嵌合されることで、内径部51の内部で位置ずれを生じることが防止される。
また、図5に示すように、栓部61の先端側の外周面には、外側に張り出した突部63が連続又は断続的に形成されている。この突部63は、図4に示すように、栓部61がジョイント機構20によって流体容器30側に押されて、栓体封止部62と口部封止部55との嵌合状態が解除されて、栓部61が内径部51内を流体容器30側に移動した際に、口部41のストッパ56に係止されて、栓体42の押し込み量を規制し、栓体42が流体容器30内に入り込み過ぎないようにする。更に、突部63の外径は、内径部51の内周面と栓部61の外周面との隙間から漏れが発生しないように、内径部51のストッパ56の内径とほぼ同じ大きさ又はやや大きく設けて、内径部51のストッパ56の内周面に圧接するように設けられている。
また、図5及び図6に示すように、栓部61の基端側の側面部には、流体容器30の内部とジョイント機構20とを連通する連通孔64が複数個形成されている。この連通孔64は、栓部61の側面部の全周に亘って等間隔に複数個形成されている。ここでは、連通孔64は、栓部61の側面部の全周に亘って等間隔に二個形成されている。なお、連通孔64は、一個又は三個以上形成されるようにしても良く、非等間隔に形成されるようにしても良い。更に、連通孔64は、栓部61の口軸方向において、栓体封止部62と突部63との間に形成されている。そして、図4に示すように、連通孔64は、栓部61がジョイント機構20によって流体容器30側に押されて、栓体封止部62と口部封止部55との嵌合状態が解除されて、内径部51を閉栓する閉栓位置から栓部61が内径部51内を流体容器30側に移動して、栓部61が流体容器30の内部の内径部51を開栓する開栓位置に進入した際、流体容器30の内部の流体を取り込み、ジョイント機構20に流体を供給する。
また、図5に示すように、栓部61の基端面には、略中心部に流体容器30側に向けて凹状の摺動嵌合部65が形成されている。この摺動嵌合部65は、図10及び図11に示すように、流体容器30がジョイント機構20に取り付けられる際に、ジョイント機構20の先端面に形成された凸状の摺動嵌合部24が嵌合される。これにより、栓体42は、流体容器30がジョイント機構20から取り外される際に、流体容器30(口部41)と共に移動せず、流体容器30(口部41)がジョイント機構20の先端側に移動するのに伴って、栓部61が内径部51内に挿入される。そして、栓体42は、栓体封止部62が口部41の口部封止部55に嵌合されると、摺動嵌合部65とジョイント機構20の摺動嵌合部24との嵌合状態が解除されて、流体容器30(口部41)と共に移動する。すなわち、栓体封止部62と口部封止部55との嵌合力は、摺動嵌合部65とジョイント機構20の摺動嵌合部24との嵌合力よりも強く設けられている。また、摺動嵌合部65とジョイント機構20の摺動嵌合部24とが嵌合することで、流体容器30がジョイント機構20に位置決めされる。
また、図5に示すように、栓部61の先端部には、連通部54による流体容器30の外側との繋がりを封じる封鎖部60が形成されている。この封鎖部60は、栓部61の先端部から外側に張り出して形成されている。具体的に、封鎖部60は、栓部61の先端部から基端側に外折りに略U字状に湾曲して形成され、可撓性や伸縮性を有する変形部66と、変形部66の先端部から先端側に外折りに略U字状に湾曲して形成され、口部41の突片57bを挟持する栓体装着部67とで構成され、略S字状に形成されている。変形部66は、略U字状に湾曲して形成されており可撓性や伸縮性を有するので、図4に示すように、栓部61が内径部51内を流体容器30側に移動した際にはこれに追従して変形することが出来る。従って、栓部61は、栓体装着部67が突片57bに取り付けられた状態であっても、変形部66が追従して変形することで、口部41の内径部51内を口軸方向に摺動することが出来る。なお、栓体装着部67は、口部41の突片57bを挟持した際に外径が口部41の外径部50の外径とほぼ同じ大きさとなるように形成されることが好ましい。
また、図5に示すように、栓体装着部67の内周面には、口部41の嵌合凹部57dに対向する位置に、口部41の嵌合凹部57dに嵌合される第一嵌合部67aが形成されている。この第一嵌合部67aは、例えば、内側に張り出した凸環状に形成されている。更に、栓体装着部67の内周面には、口部41の突片57bの内周面に対向する位置に、口部41の膨出部57cに嵌合される第二嵌合部67bが形成されている。この第二嵌合部67bは、例えば、外側に張り出した凸環状に形成されている。
そして、図3に示すように、栓部61が内径部51内に収納されて、略U字状の栓体装着部67の隙間に突片57bが差し込まれ、栓体装着部67が突片57bを狭持した状態で、第一嵌合部67aによって嵌合凹部57dを外周面側から嵌合しつつ、第二嵌合部67bによって膨出部57cを内周面側から嵌合することで、口部41と栓体42との間の密閉性を確保しつつ、栓体42は、口部41に嵌合される。
なお、栓体42は、図3に示すように、栓体装着部67の先端面に保護フィルム68が貼着されるようにしても良い。この保護フィルム68は、口部41及び栓体42を塵埃や雑菌等から保護し、衛生状態を維持する。更に、このような保護フィルム68は、例えば流体容器30がジョイント機構20に挿嵌される際に、ジョイント機構20によって切り裂かれる。従って、保護フィルム68が剥がされていないことや切り裂かれていないことを確認することで、使用者は、流体容器30が密封された状態から手が加えられていないことを容易に把握することが出来る。なお、保護フィルム68は、切り裂かれた後に栓体42に干渉しないように、配向性を有する材料で形成され、切り裂かれると、配向方向に沿って内側に折り曲げられ、栓体42から退避し、破断した保護フィルム68が栓体42とジョイント機構20との間に挟み込まれることが無いように構成することが可能である。更に、保護フィルム68は、張力が付加された状態で取り付けられ、切り裂かれると、栓体装着部67の縁部側に逃げて、栓体42から縮退するように構成するなどして、破断した保護フィルム68が栓体42とジョイント機構20との間に挟み込まれることが無いように構成することが好ましい。また、破断し易くする為に、ハーフカット等の易断部を設ける等して構成しても良い。勿論、配向性フィルムの他、無配向性フィルムを用いたり、或いは、複数の機能性フィルムを積層して用いても良く、破断した保護フィルム68が栓体42とジョイント機構20との間に挟み込まれることが無いように構成されていれば、保護フィルム68の構成は特に限定されない。
<ジョイント機構>
ジョイント機構20は、図7〜図9に示すように、内部に通路21aが形成されると共に、側面部に通路21aと連通する取込開口部21bが形成された筒状体21と、筒状体21の軸方向に摺動可能に設けられ、取込開口部21bを覆うと共に露出させるシャッタ体22とを有している。
筒状体21は、図7及び図9に示すように、筒状に形成されており、内部に通路21aが形成されている。更に、筒状体21は、給液装置1の本体10の上面の凹部11の底面部(突部12)に立設されている。例えば、筒状体21は、図9に示すように、凹部11の底面部(突部12)に形成された筒状の本体取付部14に挿入又は嵌入された後に、凹部11の裏面に取り付けられた又は配置された配管部材15のネジ孔15aに螺合されることで、本体10に着脱可能に取り付けられている。なお、筒状体21は、本体取付部14の内周面に形成されたネジ孔に螺合されることで、本体10に着脱可能に取り付けられるようにしても良い。
また、図7及び図9に示すように、筒状体21の側面部の先端側には、外側に張り出したフランジ部23が形成されている。このフランジ部23は、外径が栓体42の栓部61の内径とほぼ同じ大きさとなるように形成されている。そして、図11に示すように、フランジ部23は、ジョイント機構20が栓体42の栓部61内に差し込まれた際に、栓部61の内周面に圧接される。更に、図7及び図9に示すように、筒状体21の側面部の先端側には、フランジ部23よりも基端側に、取込開口部21bが複数個形成されている。例えば、取込開口部21bは、筒状体21の側面部に等間隔に二個形成されている。なお、取込開口部21bは、筒状体21の側面部に一個又は三個以上形成されるようにしても良く、非等間隔に形成されるようにしても良い。
また、図7及び図9に示すように、筒状体21の先端面には、栓体42の栓部61の基端面の摺動嵌合部65と嵌合される凸状の摺動嵌合部24が形成されている。この摺動嵌合部24は、図10及び図11に示すように、流体容器30がジョイント機構20に取り付けられる際に、栓体42の栓部61の摺動嵌合部65に嵌合される。これにより、栓体42は、流体容器30がジョイント機構20から取り外される際に、流体容器30(口部41)と共に移動せず、流体容器30(口部41)がジョイント機構20の先端側に移動するのに伴って、栓部61が内径部51内に挿入される。そして、栓体42は、栓体封止部62が口部封止部55に嵌合されると、摺動嵌合部65とジョイント機構20の摺動嵌合部24との嵌合状態が解除されて、流体容器30(口部41)と共に移動する。すなわち、栓体42の栓体封止部62と口部封止部55との嵌合力は、栓体42の摺動嵌合部65とジョイント機構20の摺動嵌合部24との嵌合力よりも強く設けられている。また、栓体42の摺動嵌合部65とジョイント機構20の摺動嵌合部24とが嵌合することで、流体容器30がジョイント機構20に位置決めされる。
なお、栓体42の栓体装着部67の先端面に保護フィルム68が貼着される場合、筒状体21の先端面には、先端が先鋭な先鋭部が形成されるようにしても良い。これにより、流体容器30をジョイント機構20に取り付ける際に、この先鋭部によって保護フィルム68を切り裂くことが出来るので、栓体42から保護フィルム68を剥がす工程を省略することが出来る。
シャッタ体22は、図8及び図9に示すように、筒状のシャッタ部25と、シャッタ部25に一体に形成された筒状の付勢部26とを有している。
シャッタ部25は、図8及び図9に示すように、筒状に形成されており、筒状体21の外周面上に筒状体21の口軸方向に摺動可能に設けられている。更に、シャッタ部25は、外径が栓体42の栓部61の内径とほぼ同じ大きさとなるように形成されている。これにより、シャッタ部25は、栓体42の栓部61内に隙間無く圧入され、シャッタ部25と栓体42の間から漏れが発生することを防止する。
また、図8に示すように、シャッタ部25の外周面には、外側に張り出すように凸環状の封止部27aが少なくとも一個形成されている。この封止部27aは、図11に示すように、シャッタ部25が栓部61内に挿入されると、栓部61の内周面に圧接される。これにより、栓部61の内周面とシャッタ部25の外周面との隙間からの漏れの発生が防止される。
更に、図8に示すように、シャッタ部25の内周面には、内側に張り出すように凸環状の封止部27bが少なくとも一個形成されている。この封止部27bは、図11に示すように、シャッタ部25が栓体42の栓部61内に挿入されると、筒状体21の外周面に圧接される。これにより、筒状体21の外周面とシャッタ部25の内周面との隙間からの漏れの発生が防止される。
更に、図8に示すように、シャッタ部25の先端面には、先端側に張り出すように凸環状の封止部27cが少なくとも一個形成されている。この封止部27cは、図9に示すように、シャッタ部25が付勢部26によって先端側に付勢されてシャッタ部25の先端面が筒状体21のフランジ部23の基端面と当接されると、筒状体21のフランジ部23の基端面に圧接される。これにより、筒状体21のフランジ部23の基端面とシャッタ部25の先端面との間の密閉性をより確実に確保することが出来る。
付勢部26は、図8及び図9に示すように、シャッタ部25よりも拡径した筒状を成すように構成されており、シャッタ部25と一体に形成されている。すなわち、付勢部26は、シャッタ部25よりも外側に張り出して形成されている。これにより、シャッタ部25と付勢部26との間には、図10に示すように、シャッタ部25が栓体42の栓部61内に挿入された際に、栓部61の先端面に係止される段部28が形成されている。
また、付勢部26の基端部の内周面には、凹部11の筒状の本体取付部14の外周面に形成された凹環状の本体嵌合部14aと嵌合される凸環状のシャッタ嵌合部29が形成されている。従って、付勢部26は、内部に本体取付部14が挿入されてシャッタ嵌合部29が本体取付部14の本体嵌合部14aと嵌合されることで、本体10に着脱可能に取り付けられる。
また、付勢部26は、弾性を有し、流体容器30がジョイント機構20に未装着の際やジョイント機構20から取り外される際に、シャッタ部25の先端面が筒状体21のフランジ部23の基端面と当接して、シャッタ部25が筒状体21の取込開口部21bを覆うように、シャッタ部25を先端部(フランジ部23)側に付勢する。更に、付勢部26は、軸方向の圧縮する向きに押圧されると外側に撓み変形し、押圧が解除されると復元する。よって、付勢部26は、図10及び図11に示すように、段部28が栓体42の栓部61の先端面に係止されつつ流体容器30がジョイント機構20の基端側に移動されると、外側に撓んで変形することでシャッタ部25を筒状体21の基端側に移動させて、筒状体21の取込開口部21bを露出させる。その一方で、付勢部26は、流体容器30をジョイント機構20から取り外す等、流体容器30がジョイント機構20の先端側に移動されると、復元してその付勢力によってシャッタ部25を筒状体21の先端側に移動させて、図9に示すように、筒状体21の取込開口部21bを覆う。
<取付方法>
次に、ジョイント機構20に栓機構40を有する流体容器30を取り付ける方法について説明する。
先ず、栓機構40は、図9に示すように、ジョイント機構20と位置合わせされ、図10に示すように、シャッタ体22のシャッタ部25が、段部28と栓部61の先端面とが係止されるまで、栓部61内に差し込まれる。
次いで、図10に示すように、栓機構40は、シャッタ体22の段部28と栓体42の栓部61の先端面とが係止された状態のまま、さらに流体容器30が自重やユーザの操作によってジョイント機構20の基端側に移動されると、流体容器30がジョイント機構20の基端側に移動されるのに伴って、付勢部26を外側に撓み変形させてシャッタ部25を付勢部26の付勢力に抗して凹部11の本体取付部14の先端面に当接するまで基端側に移動させて、栓部61内でジョイント機構20の取込開口部21bを露出させる。更に、栓機構40は、摺動嵌合部65と摺動嵌合部24とが嵌合される。
次いで、栓機構40は、シャッタ体22の段部28と栓部61の先端面とが係止されていると共にシャッタ部25が本体取付部14の先端面に当接されているので、さらに流体容器30がジョイント機構20の基端側に移動されると、図11に示すように、栓体42の栓体封止部62と口部41の口部封止部55との嵌合状態が解除されて、突部63がストッパ56に係止されるまで、栓部61の基端側が、口部41から流体容器30の内部側に突出されて内部に進入し、連通孔64が流体容器30の内部に配置される。この際、変形部66は、栓部61の移動に追従して変形している。これにより、流体容器30の内部と栓体42の連通孔64とジョイント機構20の取込開口部21bと通路21aとが連通する。そして、流体容器30の流体が、栓機構40及びジョイント機構20を介して給液装置1に供給される。
以上のようにして、ジョイント機構20に栓機構40を有する流体容器30を取り付けることが出来る。
なお、栓体42の栓体装着部67の先端面に保護フィルム68が貼着される場合には、保護フィルム68を先ず剥がした後に、上述したようにして、流体容器30をジョイント機構20に取り付けるようにしても良い。または、保護フィルム68が貼り付けられたままの流体容器30をジョイント機構20に挿し込み、ジョイント機構20の先端部又は先端面に形成された先鋭部によって、保護フィルム68を切り裂いて、流体容器30をジョイント機構20に取り付けるようにしても良い。
<取外方法>
次に、ジョイント機構20から栓機構40を有する流体容器30を取り外す方法について説明する。
先ず、栓機構40は、図11に示すように、流体容器30の内部とジョイント機構20とが連通した状態から、流体容器30がユーザの操作等によってジョイント機構20の先端側に移動されると、栓体42の摺動嵌合部65とジョイント機構20の摺動嵌合部24とが嵌合されているので、栓体42が流体容器30(口部41)と共に移動せず、この流体容器30(口部41)の先端側の移動に伴って、図10に示すように、栓部61が内径部51内に挿入されて、栓体封止部62と口部封止部55とが嵌合される。そして、栓機構40は、栓体42の栓体封止部62と口部41の口部封止部55とが嵌合されることで、口部41の連通口52が閉栓される。従って、流体容器30は、密閉性を確保することが出来る。
次いで、図10に示すように、栓機構40は、栓体42の栓体封止部62と口部41の口部封止部55とが嵌合された状態のまま、流体容器30がさらにジョイント機構20の先端側に移動されると、栓体42の摺動嵌合部65とジョイント機構20の摺動嵌合部24との嵌合状態が解除される。
次いで、栓機構40は、流体容器30がさらにジョイント機構20の先端側に移動されると、付勢部26が復元してシャッタ部25が付勢部26によって先端側に移動されて、シャッタ部25によって栓体42の栓部61内で筒状体21の取込開口部21bが覆われる。
次いで、栓機構40は、流体容器30がさらにジョイント機構20の先端側に移動されると、図9に示すように、シャッタ体22の段部28と栓体42の栓部61の先端面との係止状態が解除され、シャッタ部25が栓体42の栓部61内から取り出される。
以上のようにして、ジョイント機構20から栓機構40を有する流体容器30を取り外すことが出来る。
<作用効果>
以上のように、ジョイント機構20は、流体容器30の未装着時において、付勢部26によってシャッタ部25が筒状体21の先端側に付勢されて筒状体21の取込開口部21bを覆っている。更に、ジョイント機構20は、流体容器30が取り付けられる際、シャッタ部25が栓体42内に差し込まれた後に、栓体42内で筒状体21の取込開口部21bを露出させる動作が行われる。更に、ジョイント機構20は、流体容器30が取り外される際、シャッタ部25が栓体42内に差し込まれた状態で、栓体42内で筒状体21の取込開口部21bを覆う動作が行われる。従って、ジョイント機構20は、流体容器30の未装着時、取り付け時、取り外し時の何れの際にも、筒状体21の取込開口部21bに塵埃や雑菌等が付着することを防止出来る。よって、ジョイント機構20は、筒状体21の取込開口部21bから塵埃や雑菌等が給液装置1の内部に侵入することを防止出来、衛生状態を維持することが出来る。
また、ジョイント機構20は、上述したように、流体容器30の未装着時において、シャッタ部25が取込開口部21bを覆っているので、取込開口部21b(フランジ部23の基端面及びシャッタ部25の先端面)に塵埃や雑菌等が付着することを防止出来るが、フランジ部23の先端面及びシャッタ部25の外周面には塵埃や雑菌等が付着する虞がある。
しかしながら、ジョイント機構20は、流体容器30の内部の流体が給液装置1に供給される際、フランジ部23は栓体42の栓部61の内周面に圧接されているので、栓体42の栓部61内のフランジ部23よりも基端側の空間部は密閉されている。すなわち、ジョイント機構20は、フランジ部23の先端面が流体容器30の流体と接触することを防止している。従って、ジョイント機構20は、フランジ部23の先端面側に塵埃や雑菌等が付着していても、フランジ部23の先端面に付着された塵埃や雑菌等が筒状体21の取込開口部21bから給液装置1の内部に侵入することを防止出来、衛生状態を維持することが出来る。
また、ジョイント機構20は、シャッタ部25の封止部27aが栓体42の栓部61の内周面に圧接されているので、封止部27aによって、シャッタ部25の外周面が流体容器30の流体と接触することを防止している。従って、ジョイント機構20は、シャッタ部25の外周面に塵埃や雑菌等が付着していても、シャッタ部25の外周面に付着された塵埃や雑菌等が筒状体21の取込開口部21bから給液装置1の内部に侵入することを防止出来、衛生状態を維持することが出来る。
また、ジョイント機構20は、シャッタ部25と付勢部26とが一体に形成されているので、構成を簡素化して低コスト化を図ることが出来る。
なお、ジョイント機構20は、シャッタ部25に封止部27aを形成することなく、シャッタ部25の外周面が栓体42の栓部61の内周面に圧接されるように設けても良い。このような場合であっても、ジョイント機構20は、栓体42の栓部61の内周面とシャッタ部25の外周面との隙間から漏れが発生しないようにすることが出来る。更に、流体容器30の流体が給液装置1に供給される際には、シャッタ部25の外周面は栓体42の栓部61の内周面に圧接されているので、シャッタ部25は先端面以外に流体容器30の流体と接触することがなく、シャッタ部25の外周面が流体容器30の流体と接触することはない。従って、ジョイント機構20は、シャッタ部25の外周面に塵埃や雑菌等が付着していても、シャッタ部25の外周面に付着された塵埃や雑菌等が筒状体21の取込開口部21bから給液装置1の内部に侵入することを防止出来、衛生状態を維持することが出来る。
また、ジョイント機構20は、本体10の上面に取り付けられることに限定されるものではなく、本体10の下部に形成された空間部内の一側面に取り付けられるようにしても良い。この場合には、下部に形成された空間部に流体容器30を収納することが出来るので、ジョイント機構20が本体10の上面に取り付けられている場合よりも流体容器30を持ち上げる負担を軽減することが出来、容易に流体容器30の取り付けを行うことが出来る。
更に、ジョイント機構20は、本体10の下部に形成された空間部内に摺動機構によって摺動可能に設置された摺動板上に取り付けられるようにしても良い。この場合にも、下部に形成された空間部に流体容器30を収納することが出来るので、ジョイント機構20が本体10の上面に取り付けられている場合よりも流体容器30を持ち上げる負担を軽減することが出来、容易に流体容器30の取り付けを行うことが出来る。更に、この場合には、ジョイント機構20が取り付けられて流体容器30が装着される摺動板を摺動機構によって容易に空間部から引き出すことが出来るので、単に本体の下部にジョイント機構20が取り付けられているものよりも、容易に流体容器30の取り付けを行うことが出来る。
また、流体容器20の栓機構40は、口部41と栓体42とで構成されることに限定されるものではなく、流体容器30のネック部等に取り付けられる有底筒状の容器コネクタと、有底筒状に形成され、容器コネクタ内に配設される開封部材とを有し、開封部材が内部にジョイント機構20が接続されてジョイント機構20によって容器コネクタ内に押し込まれると、底部で容器コネクタの底部を打ち抜き、側面に形成された開口部を介して、流体容器30内とジョイント機構20内とを連通させるようなものであっても良い。