JP2016028682A - 眼球計測装置、眼球計測方法 - Google Patents

眼球計測装置、眼球計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】眼球の計測の精度をさらに高めることの眼球計測装置を提供する。
【解決手段】眼球計測装置が物体側テレセントリック光学系と像側テレセントリック光学系との2つの光学系を備え、各光学系は当該各光学系において配置されたレンズのうち計測対象である眼球に最も近い位置のレンズを共用する。そして眼球計測装置の光学系切替部が物体側テレセントリック光学系への照射光の入射と像側テレセントリック光学系への照射光の入射とを切り替える。
【選択図】図6

Description

本発明は、眼球計測装置、眼球計測方法に関する。
眼科医療において光の干渉を用いて眼内の情報を得る装置に、光干渉断層画像化装置(Optical Coherence Tomography:以下、OCT装置と称する)や光干渉式眼軸長測定装置(以下、単に眼軸長測定装置と称する)がある。これらの装置では、光の干渉を用いて、例えば角膜前面の位置や角膜後面の位置など、眼球における層の位置(基準となる位置からの距離)を、眼球に光を照射することで測定する。OCT装置としては、前眼領域と呼ばれる角膜前面から水晶体前面までの部分の断層像を撮像する装置や、後眼領域(眼底近傍の領域)と呼ばれる網膜の断層像を撮像する装置が製品化されている。
また、眼軸長測定装置において、角膜前面から網膜までの距離を測定するための幾つかの技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の干渉測定装置は、試料である眼球の干渉測定装置が記載されている。当該干渉測定装置は、眼球に入射する測定ビームが通過する測定ビーム経路と、測定ビームに重ね合わされ、その測定ビームと干渉させられる参照ビームが通過する第1の参照ビーム経路とを含む短コヒーレンス干渉計装置を具備している。また当該干渉計装置は光経路長が該第1の参照ビーム経路の光経路長とは異なる少なくとも1つの第2の参照ビーム経路であって、該経路長差が、試料である眼球の深さ方向に離間した2つの試料領域の距離に従って選択される、少なくとも1つの第2の参照ビーム経路を具備する。さらに干渉計装置は、測定ビームと参照ビームとが重ね合わされたビームから、該参照ビーム経路の該経路長差を考慮して、フーリエ・スペクトル分析によって該試料領域間の該距離を決定する制御デバイスを具備する。特許文献1ではこのような構成を具備することにより、従来よりも眼球における深さ方向の広い測定領域部分の当該部分長を高速に測定する技術であることが記載されている。
また特許文献2には、眼球について高い測定速度及び広い測定領域を計測することを目的とする周波数領域OCTの技術が開示されている。当該特許文献2の周波数OCTは、対象物に照射される光を出力する波長可変光源と、対象物で反射された光を受光するフォトダイオードと、波長可変光源が出力した光を対象物である眼球に照射される照射光と当該照射光とは異なる経路でフォトダイオードに到達する参照光とに分岐させる光ファイバーカプラーを備えている。また特許文献2の周波数OCTは、可動に設置された反射材を具備して光ファイバーカプラーからフォトダイオードまでの照射光の経路の少なくとも一部を切り替えるスキャナーミラーと、レンズを具備してスキャナーミラーが切り替える経路に応じて照射光を対象物における異なる位置で集光させる光学系を備えている。さらに当該周波数OCTは、フォトダイオードが受光した光における照射光と参照光との干渉に基づいて、対象物である眼球の複数個所について基準位置との距離を示す情報を取得するコンピュータPCとを備えている。
また特許文献3には、被測定物体である生体眼の少なくとも第1の深度帯と第2の深度帯の断層画像をそれぞれ形成する光画像計測装置が開示されている。当該光画像計測装置は、光源からの光を信号光と参照光とに分割する分割手段、参照光の光路長を少なくとも第1の深度帯と第2の深度帯の何れかに対応した光路長に切り替える切替え手段を備える。また特許文献3の光画像計測装置は、対物レンズと合焦レンズとを含み、第1の深度帯に信号光を集光させる光学系と、光学系に挿脱自在に配置され、被測定物体である生体眼と対物レンズとを規定の作動距離に位置させた状態で光学系に挿入されると、第2の深度帯に信号光を集光させる深度帯切替えレンズを備えている。さらに当該光画像計測装置は、切替え手段により第2の深度帯に対応する光路長へ切り替えたときに、深度帯切替えレンズを光学系に挿入させる制御手段、被測定物体である生体眼から反射して光学系を経た信号光と切替え手段で切り替えられた光路長の光路を経た参照光とを干渉させることで干渉光を生成する干渉光生成手段を備えている。
特許第5149196号公報 特開2012−161610号公報 特開2010−158265号公報
ここで、上述の特許文献1〜3には、それぞれ眼球の複数の深度帯(測定領域)のOCT画像の生成に関する技術や、眼球の複数個所について基準位置との距離の計測に関する技術が開示されている。このような眼球の計測を行う装置において、眼球の計測の精度をさらに高めた技術が求められている。
本発明は、上述の課題を解決することのできる眼球計測装置、眼球計測方法を提供する。
本発明の第1の態様によれば、眼球計測装置は、光を出力する光出力部と、前記光を、対象物である眼球に照射する照射光と、前記照射光の経路とは異なる経路であって前記照射光の経路と距離の等しい経路へ出力する参照光とに分岐する分岐部と、前記眼球に入射した前記照射光の反射光と前記参照光とを干渉させた干渉光を受光する受光部と、光学系において配置されたレンズのうち計測対象である眼球に最も近い位置の共用のレンズに入射する前記照射光が当該レンズの幅方向に走査されるよう前記照射光の光線方向を変更する走査部と、前記眼球に最も近い位置の共用のレンズを通って前記眼球に対して照射する前記照射光であって前記走査によって前記眼球に最も近い位置の共用のレンズの異なる位置に入射した後に前記眼球側に出力される前記照射光の光線それぞれが、前記眼球に最も近い位置の共用のレンズと前記眼球の間の空間上で光軸と平行となる物体側テレセントリック光学系と、前記走査による前記照射光の光線それぞれが光軸と平行となって前記眼球に最も近い位置の共用のレンズの異なる位置に入射し当該レンズを通って前記眼球に対して照射される前記照射光の光線それぞれが前記眼球の瞳孔位置に入射する像側テレセントリック光学系と、前記物体側テレセントリック光学系への前記照射光の入射と前記像側テレセントリック光学系への前記照射光の入射とを切り替える光学系切替部と、を備える。
また本発明の第2の態様によれば、前記眼球計測装置は、前記物体側テレセントリック光学系は前記共用のレンズを含む奇数個のレンズが光軸上に配置され、前記像側テレセントリック光学系は前記共用のレンズを含む偶数個のレンズが光軸上に配置され、前記物体側テレセントリック光学系と前記像側テレセントリック光学系とにおける前記眼球に最も近い位置の共用のレンズと当該各光学系におけるその他の共用のレンズとを備え、前記光学系切替部は、前記物体側テレセントリック光学系及び前記像側テレセントリック光学系を構成する前記共用のレンズと、当該共用のレンズ以外のレンズとを、前記照射光が通過するよう当該照射光の方向を切り替えることにより、前記物体側テレセントリック光学系への前記照射光の入射と前記像側テレセントリック光学系への前記照射光の入射とを切り替える。
また本発明の第3の態様によれば、前記眼球に最も近い位置の共用のレンズは、前記物体側テレセントリック光学系を構成するレンズとなる場合において当該レンズを通過する前記照射光の焦点が前記眼球の前眼領域の所定位置に合う位置に配置されており、前記物体側テレセントリック光学系及び前記像側テレセントリック光学系を構成する各レンズは、前記照射光の光源側から順に隣り合って配置されている各レンズの前記光源側の一方のレンズの後側焦点距離が示す位置と他方のレンズの前側焦点距離が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されるとともに、照射光の光線方向を変更するための走査部を構成する走査ミラー鏡面の走査前後における3次元空間内不変動位置が物体側テレセントリック光学系における光軸上に一致するように走査ミラーが配置されるとともに、照射光の光線方向を変更するための走査部を構成する走査ミラー鏡面の走査前後における3次元空間内不変動位置が像側テレセントリック光学系における光軸上に一致するように走査ミラーが配置されている。
また本発明の第4の態様によれば、前記眼球計測装置は、前記受光部の受光した干渉光に基づいて情報処理を行う情報処理装置を備え、当該情報処理装置は前記受光部の受光した前記干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布に基づいて前記眼球における所定範囲の長さを算出する。
また本発明の第5の態様によれば、前記眼球計測装置において、前記情報処理装置は、前記像側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替えられた際に前記受光部の受光した干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布から後眼領域における黄斑部中心窩を特定し、当該黄斑部中心窩の特定した時点における前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布を記憶し、その直後に前記物体側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替える要求を出力し、その結果、前記物体側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替えられた際の前記受光部の受光した干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布を記憶し、それら各光学系について記憶した反射光強度分布に基づいて前記眼球の角膜前面から前記黄斑部中心窩までの長さを算出する。
また本発明の第6の態様によれば、前記眼球計測装置は、前記受光部の受光した干渉光に基づいて情報処理を行う情報処理装置を備え、当該情報処理装置は前記走査部が変更した前記照射光の光線方向毎に前記受光部の受光した前記干渉光に基づく眼球の奥行き方向の反射光強度分布を取得し、当該反射光強度分布に基づいて前記眼球の画像を生成する。
また本発明の第7の態様によれば、前記眼球計測装置において前記情報処理装置は、前記光学系切替部が前記物体側テレセントリック光学系を構成する各レンズへ前記照射光が入射されるよう切り替えた場合の前記眼球の画像と、前記光学系切替部が前記像側テレセントリック光学系を構成するレンズへ前記照射光が入射されるよう切り替えた場合の前記眼球の画像を繋ぎ合わせた画像を生成する。
また本発明の第8の態様によれば、前記眼球計測装置において、前記レンズは焦点固定レンズである。
また本発明の第9の態様によれば、眼球計測方法は、光出力部が光を出力し、分岐部が、前記光を、対象物である眼球に照射する照射光と、前記照射光の経路とは異なる経路であって前記照射光の経路と距離の等しい経路へ出力する参照光とに分岐し、受光部が、前記眼球に入射した前記照射光の反射光と前記参照光とを干渉させた干渉光を受光し、走査部が、光学系において配置されたレンズのうち計測対象である眼球に最も近い位置の共用のレンズに入射する前記照射光が当該レンズの幅方向に走査されるよう前記照射光の光線方向を変更し、光学系切替部が、前記眼球に最も近い位置の共用のレンズを通って前記眼球に対して照射する前記照射光であって前記走査によって前記眼球に最も近い位置の共用のレンズの異なる位置に入射した後に前記眼球側に出力される前記照射光の光線それぞれが前記眼球に最も近い位置の共用のレンズと前記眼球の間の空間上で光軸と平行となる物体側テレセントリック光学系と、前記走査による前記照射光の光線それぞれが光軸と平行となって前記眼球に最も近い位置の共用のレンズの異なる位置に入射し当該レンズを通って前記眼球に対して照射される前記照射光の光線それぞれが前記眼球の瞳孔位置に入射する像側テレセントリック光学系と、の各光学系のうちの、前記物体側テレセントリック光学系への前記照射光の入射と前記像側テレセントリック光学系への前記照射光の入射とを切り替える。
また本発明の第10の態様によれば、前記眼球計測方法は、情報処理装置が前記受光部の受光した干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布に基づいて前記眼球における所定範囲の長さを算出する。
また本発明の第11の態様によれば、前記眼球計測方法において、前記情報処理装置は、前記像側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替えられた際に前記受光部の受光した干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布から後眼領域における黄斑部中心窩を特定し、当該黄斑部中心窩の特定した時点における前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布を記憶し、その直後に前記物体側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替える要求を出力し、その結果、前記物体側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替えられた際の前記受光部の受光した干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布を記憶し、それら各光学系について記憶した反射光強度分布に基づいて前記眼球の角膜前面から前記黄斑部中心窩までの長さを算出する。
本発明によれば、眼球の計測を行う装置において、眼球の計測の精度をさらに高めることができる。
本発明の一実施形態における眼球計測装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における前眼領域の測定用の光学系を示す図である。 同実施形態における後眼領域の測定用の光学系を示す図である。 同実施形態における光学ユニットの装置構成の例を示す概略構成図である。 同実施形態における光源装置が出力する光の周波数の例を示すグラフである。 同実施形態の照射光路側プローブ部における照射光の経路の第1の例を示す説明図である。 同実施形態の照射光路側プローブ部における照射光の経路の第2の例を示す説明図である。 同実施形態の参照光路側プローブ部における参照光の経路の例を示す説明図である。 同実施形態における照射光の光路長と参照光の光路長との関係を示す説明図である。 同実施形態における制御・処理ユニットの機能構成の例を示す概略ブロック図である。 同実施形態における距離情報取得部が行う処理手順の例を示すフローチャートである。 同実施形態における画像生成部が生成する、前眼領域の奥行き方向の全範囲にわたる断層画像の例と後眼領域の断層画像の例とを示す説明図である。 同実施形態においてデータに示される角膜前面と網膜との位置関係を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第1の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第1の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第2の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第2の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第3の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第3の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第3の変形例における、照射光の経路の第3の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第3の変形例における、参照光の経路の第1の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第3の変形例における、参照光の経路の第2の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第4の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。 照射光路側プローブ部の第4の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態による眼球計測装置の外観を示す図である。 本発明の一実施形態による眼軸長算出処理の処理フローを示す図である。 本発明の一実施形態による眼球計測装置の表示例を示す図である。 眼球の断面構造を示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態における眼球計測装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、眼球計測装置1は、光学ユニット100と制御・処理ユニット200とを具備する。
眼球計測装置1は、測定対象物に光を照射し、測定対象物からの反射光に基づいて、測定対象物における部分の位置(基準となる位置からの光学的距離)を検出する。特に、眼球計測装置1は、測定対象物の例である眼球について、例えば角膜前面や角膜後面など層の位置を検出して画像化し、これにより眼球の断層像を生成する。また、眼球計測装置1は、測定対象物の例である眼球について、例えば角膜前面の位置と、網膜の位置とを検出し、角膜前面と網膜との距離を算出することで眼軸長を検出する。なお、以下では、測定対象物が眼球である場合を例に説明するが、眼球計測装置1は眼球に限らず光を透過し照射光を反射する対象物であればどのようなものでも計測することができる。
光学ユニット100は、眼球に光を照射し、眼球から反射や散乱などで戻った反射光(戻り光とも呼ぶ)と後述する参照光とを合波して得られる干渉光を電気信号に変換する。
制御・処理ユニット200は、後述するようにモードに応じて光学ユニット100を制御する。そして、制御・処理ユニット200は、光学ユニット100が取得した電気信号に基づいて、例えば角膜前面や角膜後面など、眼球における層の位置を測定する。特に、制御・処理ユニット200は、眼球における角膜、水晶体、網膜などの各層構造の、光の進行方向における位置を測定する。つまり制御・処理ユニット200は、眼球の角膜前面から水晶体後面付近までを前眼、網膜付近を後眼としたときに前眼から後眼に向かう方向の基準位置からの各位置を測定する。なお制御・処理ユニット200は、当該位置だけでなく、各位置情報から層厚や長さを算出するようにしてもよい。さらに制御・処理ユニット200は眼球の奥行方向と垂直な方向についての長さ(例えば隅角間距離)や表面曲率、隅角などを生成した断層像やその断層像を生成するためのデータを用いて算出するようにしてもよい。眼球の前眼領域および後眼領域の定義は様々であるが、ここでは眼球の角膜前面から水晶体後面付近までを前眼領域、網膜付近を後眼領域と呼ぶこととする。当該前眼領域の範囲の定義や後眼領域の範囲の定義は一例であって変更されてもよい。また以下では、眼球に入射した光の進行方向を、奥行き方向と称する。
制御・処理ユニット200は、さらに、前眼領域における眼球の角膜と水晶体によって網膜付近で結像した光(照射光の反射光や散乱光などを含む戻り光)と参照光とを干渉させた干渉光を計測した結果による情報に基づいて、網膜の断層の画像化や、基準位置からの眼軸長の算出を行う。
また制御・処理ユニット200は眼球の前眼領域と後眼領域の3次元立体画像(3次元のボリュームデータ)を生成することができる。また制御・処理ユニット200はさらに、前眼領域における3次元のボリュームデータから、各表面(角膜前面、角膜後面、水晶体前面、水晶体後面)のトポグラフィーを生成することができる。
(本発明の原理)
図2は本発明の一実施形態による前眼領域の測定用の光学系を示す図である。
図2で示す光学ユニット100の光学系には当該光学系の光軸X上に走査ミラーM1(走査部)が設けられている。当該光学系において光束の太さがほぼ一定なコリメート光Hが走査ミラーM1の中心(走査ミラーM1の鏡面の角度変更前後における3次元空間内の不変動位置)に入射する。当該コリメート光Hは走査ミラーM1において反射しレンズL1に入射する。なお走査ミラーM1はレンズL1の位置P2から距離fa1離れた位置P1に配置されて光学系を構成している。当該fa1はレンズL1の焦点距離(前側焦点距離fa1)である。つまり、レンズL1の入射瞳の中心は、走査ミラーM1の中心と一致している。またコリメート光HはレンズL1から眼球Eへ入射する。当該図2で示す光学系において構成されるレンズの個数はレンズL1の1個である場合の例を示している。レンズL1から眼球Eへ入射する照射光はレンズL1の位置P2から焦点距離fb1(後側焦点距離fb1)離れた位置P3において焦点を結ぶ。光軸X上におけるこのような走査ミラーM1、レンズL1の配置により、レンズL1から眼球Eに向けて照射される照射光は、走査ミラーM1の鏡面の角度を変化させたとしても光学系の光軸Xに対して平行に入射する。言い換えると照射光は、レンズL1に正対した眼球Eにおける特定位置(ここでは虹彩位置)の垂直面に対して直交して入射する。よってこの図2で示す光学系は、物体側テレセントリック光学系である。なおレンズL1は図2においては物体側テレセントリックレンズである。図2で示す物体側テレセントリック光学系は、眼球Eに最も近い位置のレンズL1を通って眼球Eに対して照射する照射光であって、走査によってレンズL1の異なる位置に入射した後に眼球E側に出力される照射光の光線それぞれが、レンズL1と眼球Eの間の空間上で光学系の光軸Xに平行となっている。
なお物体側テレセントリック光学系は、同一光軸X上に奇数個のレンズを配置して構成することができる。図2においては1つのレンズL1を配置した場合の物体側テレセントリック光学系を示しているが、例えば物体側テレセントリック光学系は、物体側テレセントリック用の第1レンズ、物体側テレセントリック用の第2レンズ、物体側テレセントリック用の第3レンズの3つのレンズが光軸X上にこの順序で配置されていてもよい。当該物体側テレセントリック光学系において眼球Eに最も近い位置の第3レンズは、当該第3レンズを通過する照射光の焦点が眼球Eの前眼領域の所定位置(虹彩位置など)に合う位置に配置されている。また物体側テレセントリック光学系を構成する奇数個のレンズが3つ以上である場合には照射光の光源側から順に隣り合って配置されている各レンズの光源側の一方のレンズの後側焦点距離が示す位置と他方のレンズの前側焦点距離が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されている。
例えば、レンズが第1〜第5レンズの5つのレンズである場合には照射光の光源側から順に隣り合って配置されている各レンズのうち第1レンズと第2レンズのうち光源側の一方のレンズ(第1レンズ)の後側焦点距離fb1が示す位置と他方のレンズ(第2レンズ)の前側焦点距離fa2が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されている。またレンズが第1〜第5レンズの5つのレンズである場合には照射光の光源側から順に隣り合って配置されている各レンズのうち第2レンズと第3レンズにおいて、光源側の一方のレンズ(第2レンズ)の後側焦点距離fb2が示す位置と他方のレンズ(第3レンズ)の前側焦点距離fa3が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されている。またレンズが第1〜第5レンズの5つのレンズである場合に、同様に、5つの各レンズのうち第3レンズと第4レンズにおいて、光源側の一方のレンズ(第3レンズ)の後側焦点距離fb3が示す位置と他方のレンズ(第4レンズ)の前側焦点距離fa4が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されている。また同様に、5つの各レンズのうち第4レンズと第5レンズにおいて、光源側の一方のレンズ(第4レンズ)の後側焦点距離fb4が示す位置と他方のレンズ(第5レンズ)の前側焦点距離fa5が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されている。また当該第5レンズは、該第5レンズを通過する照射光の焦点が眼球Eの前眼領域の所定位置(虹彩位置など)に合う位置に配置されている。
また当該物体側テレセントリック光学系では、照射光の光路を変更するための走査部を構成する走査ミラーM1の鏡面角度の変更前後における3次元空間内の不変動位置(例えば走査ミラーの中心)が、当該物体側テレセントリック光学系における光軸X上に一致するように当該走査ミラーM1が配置される。
なお図2の例では1つの走査ミラーのみ示しているが、物体側テレセントリック光学系の光軸X上の他の一つまたは複数の位置に走査ミラーが配置されていてよい。ここで、実際には走査ミラーは交差する二軸のそれぞれの軸を中心に回転する二枚のミラーから構成されている。またはMemsミラーのようにミラー1枚で直交する二軸の各軸を中心に回転する走査が可能なミラーであってもよい。直交する二軸のそれぞれの軸を中心に回転する二枚のミラーから走査ミラーが構成される場合には、例えば図2の例であればレンズL1の入射瞳の位置が二枚の走査ミラーの中心同士を結んだ直線上の中点に合うように各ミラーが配置されていなければならない。
ここで、物体側テレセントリック光学系を構成する奇数個のレンズが3つ以上である場合の例を用いてさらに詳細に説明する。上記したようにレンズの焦点距離のうちコリメートされた光線(コリメート光H)の光源側の焦点距離を前側焦点距離と呼び、当該光線の眼球E側の焦点距離を後側焦点距離と呼ぶこととする。そして例えば第1レンズL1a,第2レンズL1b,第3レンズL1cの3つ(奇数個)のレンズが光学系の光軸X上にL1a,L1b,L1cの順に直列に配置される場合を想定する。するとこの物体側テレセントリック光学系は、第1レンズL1aから後側焦点距離fb1離れた位置と第2レンズL1bから当該レンズL1bの前側焦点距離fa2離れた位置とが一致するように第1レンズL1a,第2レンズL1bが配置される。さらに、第2レンズL1bから後側焦点距離fb2離れた位置と第3レンズL1cから当該レンズL1cの前側焦点距離fa3離れた位置とが一致するように第3レンズL1bが配置される。そしてコリメート光Hが第1レンズL1aへ入射し、第1レンズL1aから出力された照射光は第1当該レンズL1aから当該第1レンズの後側焦点距離fb1離れた位置において焦点を結び、当該焦点の位置から第2レンズL1bの前側焦点距離fa2離れた位置に配置された当該第2レンズL1bに入射する。第2レンズL1bを抜けた照射光は光束の太さがほぼ一定なコリメート光Hであり第3レンズL1cに入射する。そして第3レンズL1cを抜けた光はその第3レンズL1cの後側焦点距離fb3離れた位置(焦点位置)において焦点を結ぶ。第3レンズL1cは当該第3レンズL1cの後側焦点距離fb3離れた位置に眼球Eの前眼領域の所定位置(例えば虹彩断面に合う位置)が合うように配置調整されている。また当該物体側テレセントリック光学系では、例えば、第1レンズL1aの前側焦点距離fa1離れた当該光学系の光軸X上に、走査ミラーM1の中心(走査ミラーM2の鏡面の角度変更前後における3次元空間内の不変動位置)が一致するようそれら第1レンズL1aと走査ミラーM1とが配置される。
図2の説明に戻ると、当該図2において走査ミラーM1は、上下左右に角度を変更できるように構成されている。そうすると図2で示す光学系は物体側テレセントリックな光学系のため、レンズL1の各位置から眼球Eに向けて出力された照射光は眼球Eの上下左右の幅範囲全体に亘って物体側テレセントリック光学系の光軸Xに平行に入射する。ここで眼球Eの構造は曲面を有する。したがって物体側テレセントリック光学系の光軸Xに平行な各光線のうち眼球Eの表面の前面中央部分(瞳部分)に入射した光線の基準位置からの距離は短く、各光線のうち眼球Eの隅角(g1,g2)部分に入射した光線の基準位置からの距離は長くなる。よってそれら瞳部分や隅角部分に照射される照射光の光線の基準位置(例えばP2)からの光線距離は、実際の空間上の基準位置からの距離に等しい。したがって、眼球Eの生体組織の各点で散乱および反射した照射光の戻り光と参照光との干渉光においては、それら生体組織までの基準位置からの距離に応じたより正確な情報が含まれることとなり、当該干渉光を受光した眼球計測装置1(OCT装置)でのOCT画像生成処理において、眼球Eの構造に基づいた精度の高い断層画像生成を行うことができる。
一方で照射光が物体側テレセントリック光学系の光軸Xに平行に入射しない場合には、眼球Eにおける各曲面の光線到達点までの基準位置(例えばP2)からの距離が、実際の基準位置からの距離と比較して異なってしまうため、干渉光にはそれら生体組織までの基準位置からの距離に応じたより正確な情報が含まれず、得られたOCT画像は歪んでしまう。歪むとは、例えばOCT画像処理において眼球計測装置1が眼球Eの断層画像を生成する場合には、実際の角膜曲面の曲率とは異なる曲率の角膜曲面を表した眼の断層画像を生成してしまう。したがって眼球計測装置1では眼球Eの前眼領域を計測する場合には、図2で示すような物体側テレセントリックな光学系を用いる。
また眼球計測装置1では眼球Eの前眼領域を計測するにあたり隅角g1から隅角g2の距離が十分に収まる程度の広い範囲(16mm程度)の画像を撮影できることが医療用の眼球計測装置1として必要である。このような広い範囲の歪みなく精度の高い画像を撮影することで広範囲で高度な診断や治療を行うことができる。したがって、図2で示すような物体側テレセントリック光学系において最も眼球Eに近い位置に配置されたレンズL1は、実質的に開口に制限のない焦点固定レンズを用いる。特許文献2では焦点可変レンズを用いた光学系が記載されているが、当該焦点可変レンズはレンズの精度を高めるためには技術的に開口が最大でも8mm程度であるため、焦点可変レンズを図2で示すレンズL1として用いても、隅角g1,g2の眼球幅方向の距離が十分に収まる程度の広い範囲に各光線を光学系の光軸Xと平行に入射させるよう構成できず、これにより眼球Eの曲面などの構造を高精度に反映した上でさらに撮像範囲が十分な画像を生成することはできない。
図3は本発明の一実施形態による後眼領域の測定用の光学系を示す図である。
図2で示したような物体側テレセントリック光学系により照射光を照射した場合、その照射光は、虹彩による光の遮断により著しく減衰し眼球E深部まで到達しない。これにより物体側テレセントリック光学系のみを用いた場合には眼球計測装置1は精度の高い後眼領域の計測を行うことができない。よって後眼領域を精度高く計測するために眼球計測装置1の光学ユニット100は、図3に示すような像側テレセントリック光学系を用いて眼球の瞳孔が光学系の出射瞳となるように像側テレセントリック光学系の光軸Y上に、像側テレセントリック用第1レンズL2や第2レンズL3や走査ミラーM2を設ける。これにより図3で示す眼球計測装置1は、網膜等の後眼領域まで強度の高い照射光を入射させることができ、結果として反射光の強度が高まり、精度の高い画像を生成することができる。
図3で示すように後眼領域の測定用の像側テレセントリック光学系は、走査ミラーM2と、像側テレセントリック用第1レンズL2及び像側テレセントリック用第2レンズL3の偶数個のレンズが像側テレセントリック光学系の光軸Y上に設けられている。そして、像側テレセントリック光学系を構成する偶数個の各レンズL2,L3において、当該各レンズの光源側のレンズL2の後側焦点距離fb2が示す位置と他方のレンズL3の前側焦点距離fa3が示す位置とが一致するようそれら各レンズL2,L3が配置されている。なお像側テレセントリック光学系は偶数個のレンズによって構成することができる。この場合、像側テレセントリック光学系は、照射光の光源側から順に隣り合って配置されている各レンズの光源側の一方のレンズの後側焦点距離が示す位置と他方のレンズの前側焦点距離が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置される。また像側テレセントリック光学系においても、照射光の光路を変更するための走査部を構成する走査ミラーM2の鏡面角度の変更前後における3次元空間内の不変動位置(例えば走査ミラーの中心)が、当該物体側テレセントリック光学系における光軸Y上に一致するように当該走査ミラーM2が配置されている。
例えば、レンズが像側テレセントリック用の第1〜第4レンズの4つのレンズである場合に照射光の光源側から順に隣り合って配置されている各レンズのうち照射光の光源から順に第1レンズと第2レンズとすると、光源側の一方のレンズ(第1レンズ)の後側焦点距離が示す位置と他方のレンズ(第2レンズ)の前側焦点距離が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されている。またレンズが第1〜第4レンズの4つのレンズである場合に照射光の光源側から順に隣り合って配置されている各レンズのうち第2レンズと第3レンズにおいて、光源側の一方のレンズ(第2レンズ)の後側焦点距離が示す位置と他方のレンズ(第3レンズ)の前側焦点距離が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されている。またレンズが第1〜第4レンズの4つのレンズである場合に照射光の光源側から順に隣り合って配置されている各レンズのうち第3レンズと第4レンズにおいて、光源側の一方のレンズ(第3レンズ)の後側焦点距離が示す位置と他方のレンズ(第4レンズ)の前側焦点距離が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されている。またまた第1レンズの前側焦点距離が離れた当該光学系の光軸Y上位置に、走査ミラーの中心(走査ミラーの鏡面の角度変更前後における3次元空間内の不変動位置)が一致するようそれら第1レンズと走査ミラーとが配置される。
なお図3の例では1つの走査ミラーのみ示しているが、像側テレセントリック光学系の光軸Y上の他の一つまたは複数の位置に走査ミラーが配置されていてよい。
また図3で示すように像側テレセントリック光学系は、走査ミラーM2の走査によって像側テレセントリック用第1レンズL2を抜けた照射光のそれぞれは像側テレセントリック光学系の光軸Yと平行となって当該レンズL2から当該レンズL2の後側焦点距離fb2離れた一次結像面N1で焦点を結ぶ。また走査による各照射光はその一次結像面N1から像側テレセントリック用第2レンズL3の前側焦点距離fa3離れた位置に配置された当該レンズL3の異なる位置に入射する。そして当該レンズL3を通って眼球Eに対して照射される照射光それぞれは、眼球の瞳孔位置に入射する。当該瞳孔位置に入射する各照射光はコリメート光Hである。そしてそのコリメート光Hは眼球Eの水晶体Cの焦点距離である眼球の後眼領域の網膜近傍付近の焦点位置P4で焦点を結ぶ。この過程において照射光は眼球生体内の各組織において反射および散乱する。
図3から解るように、凸レンズであるレンズL3のレンズ面における外縁領域から出射した照射光(例えば図中H1やH2)は角度を持って眼球の瞳孔から入射する。これにより当該照射光の眼球後眼領域において焦点を結ぶ範囲Sは、照射光が像側テレセントリック光学系の光軸Yと平行に眼球生体内に入射した場合と比べて広い範囲となる。なお図2で示す物体側テレセントリックな光学系では瞳孔以外の領域に入射したコリメート光Hは虹彩に遮られて瞳孔の範囲の領域を通る照射光しか眼球生体内に入射しない。図3のレンズL3は図2で説明した実質的に開口に制限のない焦点固定レンズであり、開口を大きくすることができる。よって照射光が幅の広いL3の外周から出射して角度を持って眼球の瞳孔に入射することにより、眼球後眼領域で焦点を結ぶ位置の範囲の領域Sは広くなる。また開口に制限のない焦点固定レンズにより集光した光が瞳孔から入射するため、入射した光量が多くなる。よってその照射光の反射光を用いることにより後眼領域の幅広い情報を含む干渉光を用いてOCT画像を生成するので、眼球計測装置1は、広い領域の後眼領域を精度高く撮像することができる。
本発明の眼球計測装置1は、上述の物体側テレセントリックな光学系と、像側テレセントリックな光学系の両方の光学系を有し、それら各光学系において、当該光学系それぞれにおける各レンズのうちの一部が共用するように構成されている。
具体的には、眼球計測装置1は、眼球Eに最も近い位置のレンズを物体側テレセントリックな光学系と、像側テレセントリックな光学系の両方の光学系で共用する。また眼球計測装置1は、物体側テレセントリック光学系と像側テレセントリック光学系とにおける眼球Eに最も近い位置の共用のレンズと、当該各光学系で共用するその他の共用のレンズとを備える。そして眼球計測装置1は、それら共用レンズで構成される像側テレセントリック光学系に照射光が通過するような当該照射光の方向の切替と、それら共用レンズに他のレンズを加えたレンズ群で構成される物体側テレセントリック光学系に照射光が通過するような当該照射光の方向の切替とを行う。例えば眼球計測装置1は第1から第3の順に物体側テレセントリック光学系の光軸上に配置された3つのレンズ群で構成され、像側テレセントリックに切り替える場合には像側テレセントリック光学系の光軸上に配置された第1レンズと第3レンズの2つのレンズに照射光が通るように制御し、物体側テレセントリック光学系に切り替える場合には第1から第3の3つのレンズに照射光が通るように制御する。
または眼球計測装置1は、それら共用レンズで構成される物体側テレセントリック光学系に照射光が通過するような当該照射光の方向の切替と、それら共用レンズに他のレンズを加えたレンズ群で構成される像側テレセントリック光学系に照射光が通過するような当該照射光の方向の切替とを行うようにしてもよい。この場合例えば眼球計測装置1は第1から第4の順に配置された4つのレンズ群で構成され、像側テレセントリックに切り替える場合には像側テレセントリック光学系の光軸上に配置された第1から第4レンズの4つのレンズに照射光が通るように制御し、物体側テレセントリック光学系に切り替える場合には物体側テレセントリック光学系の光軸上に配置された第1レンズ、第3レンズ、第4レンズの3つのレンズに照射光が通るように制御する。
以下本発明の実施形態による眼球計測装置1の具体例について説明する。
(第一の実施形態)
図4は、眼球計測装置1を構成する光学ユニット100の概略構成図である。同図において、光学ユニット100は、光源装置110と干渉計120と光検出器190とを具備する。
干渉計120は、光カプラ121、132、141および151と、偏光調整器131と、照射光路側プローブ部300と、参照光路側プローブ部400とを具備する。光カプラ121と偏光調整器131、偏光調整器131と光カプラ132、光カプラ132と照射光路側プローブ部300、光カプラ132と光カプラ151が、それぞれ光ファイバで接続されて照射光路W1を構成している。また、光カプラ121と光カプラ141、光カプラ141と参照光路側プローブ部400、光カプラ141と光カプラ151が、それぞれ光ファイバで接続されて参照光路W2を構成している。
光源装置110は、光出力部の例に該当し、眼球に照射される光を出力する。なお、以下では、光源装置110が、波長可変にレーザ光を出力するレーザ光源であり、眼球計測装置1がSS−OCT(Swept Source OCT)の方式で眼球の各部の位置を測定する場合を例に説明する。しかしながら眼球計測装置1に適用可能なOCTの方式はSS−OCTに限らない。例えば、光源装置110が、スーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode;SLD)を含んで構成され、眼球計測装置1が、SD−OCT(Spectral-domain OCT)の方式で眼球の各部の位置を測定するようにしてもよい。
図5は、光源装置110が出力する光の周波数の例を示すグラフである。同図の横軸は時刻を示し、縦軸は、周波数を示す。光源装置110は、SS−OCTの方式により、図5に示されるように周波数の変化するレーザ光を出力する。例えばSS−OCTの方式によれば光源装置110は、図5の時刻T1からT2までの区間に示されるように、レーザ光の周波数を増加させる。光源装置110が光の周波数を変化させることで、眼球生体内の奥行き方向の各位置の情報を得ることができる。
また、図5に示されるように、光源装置110は、周波数の変化するレーザ光を繰り返し出力する。光源装置110によるこの繰り返しのレーザ光の出力は、断層画像を得るためのスキャンや、誤差低減のための、眼球の同一箇所に対する複数回の測定に用いられる。
干渉計120は、光源装置110からの光を照射光と参照光とに分割し、それぞれ照射光路W1、参照光路W2を経由させた後、合波して干渉を生じさせる。
具体的には、光源装置110から出力された光は、光ファイバを介して光カプラ121へ入力される。光カプラ121は、光源装置110からの光を、照射光と参照光とに分割する。そして、光カプラ121は、照射光を照射光路W1へ出力し、参照光を参照光路W2へ出力する。光カプラ121は、分岐部の例に該当する。
照射光路W1へ出力された照射光は、光ファイバを介して偏光調整器131へ入力される。偏光調整器131は、照射光(照射光の反射光や散乱光を含む戻り光)と参照光とが合波した際に干渉光の振幅が大きくなるように、照射光の偏光状態を調整する。
偏光調整器131が偏光状態を調整した照射光は、光ファイバを介して光カプラ132へ出力される。光カプラ132は、偏光調整器131からの照射光を、光ファイバを介して照射光路側プローブ部300へ出力する。照射光路側プローブ部300は、光カプラ132からの照射光を眼球に照射するための光学系へ出力し、眼球にて反射や後方散乱した照射光の戻り光を受光して、光ファイバを介して光カプラ132へ出力する。
照射光路側プローブ部300からの照射光の戻り光を受けた光カプラ132は、当該照射光を、光ファイバを介して光カプラ151へ出力する。
一方、参照光路W2へ出力された参照光は、光ファイバを介して光カプラ141へ入力される。光カプラ141は、光カプラ121からの参照光を、光ファイバを介して参照光路側プローブ部400へ出力する。参照光路側プローブ部400は、光カプラ141からの参照光をミラー(鏡)で反射させて、光ファイバを介して光カプラ141へ出力する。
ミラーは反射材の例に該当する。参照光路側プローブ部400からの参照光を受けた光カプラ141は、当該参照光を、光ファイバを介して光カプラ151へ出力する。
光カプラ151は、光カプラ132からの照射光の戻り光と、光カプラ141からの参照光とを合波する。この合波によって干渉が生じる。光カプラ151は、合波された光を、光ファイバを介して光検出器190へ出力する。なお光カプラ121で分岐した照射光が計測対象の眼球に照射されその戻り光が光カプラ151に到達するまでの経路と、光カプラ121で分岐した参照光が参照光路側プローブ部400にて反射して光カプラ151に到達するまでの経路の経路長は等しく設定されている。
光検出器190は、光カプラ151からの合波された光を受光して電気信号に変換する。光検出器190は、得られた電気信号を制御・処理ユニット200へ出力する。光検出器190は受光部の例に該当する。
図6は、照射光路側プローブ部300における照射光の経路の第1の例を示す説明図である。同図は、前眼領域の情報を取得するモードにおける、照射光の経路の例を示している。なお、以下では、光の経路を光路とも称する。図6で示す照射光路側プローブ部300を構成する光学系は上述の物体側テレセントリック光学系である。この物体側テレセントリック光学系では、第1レンズ310(上記のレンズL1aに相当)、第2レンズ313(上記のレンズL1bに相当)、第3レンズ318(上記のレンズL1cに相当)の奇数個のレンズが物体側テレセントリック光学系の光軸X上に配置されている。第1レンズ310、第2レンズ313、第3レンズ318は焦点固定レンズである。第1レンズ310から後側焦点距離fb1離れた位置Paと第2レンズ313から当該第2レンズ313の前側焦点距離fa2離れた位置Paとが一致するように各第1レンズ310,第2レンズ313が物体側テレセントリック光学系の光軸X上に配置される。さらに、第2レンズ313から後側焦点距離fb2離れた位置と第3レンズ318から当該第3レンズ318の前側焦点距離fa3離れた位置とが位置において一致するように第3レンズ318が配置される。そしてコリメート光である照射光が第1レンズ310へ入射し、第1レンズ310から出力された照射光は当該第1レンズ310から当該第1レンズ310の後側焦点距離fb1離れた位置Paにおいて焦点を結び、当該焦点の位置Paから第2レンズ313の前側焦点距離fa2離れた位置に配置された当該第2レンズ313に入射する。また第2レンズ313を抜けた照射光は光束の太さがほぼ一定なコリメート光であり第3レンズ318に入射する。そして第3レンズ318を抜けた照射光はその第3レンズ318の後側焦点距離fb3離れた位置Pb(焦点位置)において焦点を結ぶ。第3レンズ318は当該第3レンズ318の後側焦点距離fb3離れた位置に眼球Eの前眼領域の所定位置(例えば虹彩断面に合う位置Pb)が合うように配置されている。
図6で示す光学系では、光ファイバを通って照射光路側プローブ部300に入った照射光は、コリメータレンズ301でコリメート光として空気中に射出される。射出された照射光は、第1可動ミラー302、分散補償プリズム303、第1固定ミラー304、第2可動ミラー308を経てガルバノミラー309に至る。
ガルバノミラー309は、照射光で眼球Eを走査(Scan)するためのミラーであり、照射光が各レンズを通って眼球Eに照射される範囲で当該照射光を眼球Eに対して上下左右(照射光の眼球E入射直前の進行方向に対して直角方向)に走査されるように動かす。
ガルバノミラー309で向きを調整された、コリメート光となっている照射光は、第1レンズ310によって第3可動ミラー311の先の後側焦点距離fb1離れた位置Paで一旦焦点を結ぶ。そして、照射光は、第2固定ミラー312を経て第2レンズ313によって再びコリメート光となり、第3固定ミラー314および315と、第4可動ミラー317とを経て第3レンズ318に至る。
第3レンズ318を通った照射光は、ダイクロイックミラー319を経て眼球Eに照射される。ここで、照射光は第3レンズ318によって集光され、眼球Eの前眼領域である角膜部分または水晶体前面部分の位置Pbで焦点を結ぶ。なお図6で示す光学系は物体側テレセントリック光学系であるため、走査によって第3レンズ318の異なる位置に入射した後に眼球E側に出力される照射光の光線それぞれが、第3レンズ318と眼球Eの間の空間上で物体側テレセントリック光学系の光軸Xと平行となっている。眼球Eに照射された照射光は、眼球Eにて反射し、散乱し、また、吸収される。眼球Eにて反射した照射光や後方散乱した照射光(戻り光)は、進んできた光路を逆進し、コリメータレンズ301を経て光カプラ132(図4)へ戻り、光カプラ151に出力される。そして当該照射光は、光カプラ151で参照光と合波される。合波にて得られた干渉光が光検出器190へ出力される。
図6で示す物体側テレセントリック光学系において、第3レンズ318の各位置から眼球Eに向けて出力された照射光の光線は眼球Eの上下左右の幅範囲全体に亘って物体側テレセントリック光学系の光軸Xと平行に入射する。ここで眼球Eの構造は曲面を有する。したがって各光線のうち眼球Eの表面の前面中央部分(瞳部分)に入射した光線の基準位置からの距離は短く、各光線のうち眼球Eの隅角(g1,g2)部分に入射した光線の基準位置からの距離は長くなる。よってそれら瞳部分や隅角部分に照射される照射光の基準位置からの光線距離は、実際の空間上の基準位置からの距離に等しい。したがって、眼球Eの生体組織の各点で散乱および反射した照射光の戻り光と参照光との干渉光においては、それら生体組織までの基準位置からの距離に応じたより正確な情報が含まれることとなり、当該干渉光を受光した眼球計測装置1でのSS−OCT画像生成処理において、眼球Eの構造に基づいた精度の高い断層画像生成を行うことができる。
また上述したように物体側テレセントリック光学系を構成する奇数個の各レンズは実質的に開口に制限のない焦点固定レンズである。よって本実施形態による眼球計測装置1は光量の多い反射光に基づく参照光との干渉光に基づいて、隅角g1から隅角g2までの距離が十分に収まる程度の広い範囲の画像を精度高く撮影することができる。
ここで、第1〜第4可動ミラー302、308、311、317は、いずれも、前眼領域の断層画像を生成するために照射光が眼球Eに照射される間、可動ミラー自らの向きを固定されている。第1〜第4可動ミラー302、308、311、317の組み合わせは、経路切替部(光学系切替部)の例に該当する。眼球計測装置1は前眼領域計測モードと後眼領域計測モードの2つのモードのうちの何れか一方に切り替える際に可動ミラーの向きを変化させることで、照射光の経路を変化させる。
眼球計測装置1の用いる2つの上記モードのうち、前眼領域計測モードは前眼領域の情報を取得(計測)するモードである。また後眼領域計測モードは後眼領域の情報を取得(計測)するモードである。前眼領域計測モードは眼球計測装置1に備わる光学系のうち物体側テレセントリック光学系を用いるモードであり、後眼領域計測モードは像側テレセントリック光学系を用いるモードである。
眼球計測装置1は、断層画像を生成する際、モードを前眼領域計測モードまたは後眼領域計測モードに切り替えることで角膜前面から網膜までの情報のうちの前眼領域と後眼領域の各領域の情報を対応するモードで取得し、角膜前面から網膜での一連の断層画像を生成する。また、眼球計測装置1は、眼軸長を測定する際、モードを前眼領域計測モードまたは後眼領域計測モードに切り替えて角膜前面から網膜までの情報のうちの前眼領域と後眼領域の各領域の情報を対応するモードで取得し、角膜前面から網膜までの距離を示す眼軸長や、その他の基準位置からの眼球E内部の所定位置までの長さを算出する。以下では、画像を生成することを撮像と称する。
なお、モードの切替が自動で行われるようにしてもよいし、手動で行われるようにしてもよい。例えば制御・処理ユニット200に備わる光学ユニット制御部210がモードの切り替えを自動で行い、制御・処理ユニット200に備わる信号処理部240が、前眼領域についての処理と後眼領域についての処理とを続けて行う。これにより信号処理部240は、前眼領域から後眼領域まで眼球Eの深さ方向全体の情報、例えば眼球Eの奥行き方向の反射光強度分布の情報を高速に取得し得る。これにより本実施形態による眼球計測装置1は、例えば被測定者の動作などの誤差を低減させることができ、測定精度を高めることができる。
また、第1〜第3レンズ310、313、318の組み合わせは、集光部の例に該当し、照射光を眼球Eにて集光させる(焦点を結ばせる)。そして、光学系切替部として構成される第1〜第4可動ミラー302、308、311および317が照射光の経路を変化させることで光学系が切り替わり、他の光学系によって照射光が眼球E内において焦点を結ぶ位置(特に、眼球Eにおける奥行き方向の位置)が変化する。
なお、分散補償プリズム303は、照射光の分散を補償するために設けられている。また、ダイクロイックミラー319は、近赤外光を反射し、可視光を透過するミラーである。ダイクロイックミラー319は、可視光カメラで眼球E表面の画像を取得する目的、または固視灯などを透過で利用する目的で設置されている。
図7は、照射光路側プローブ部300における照射光の経路の第2の例を示す説明図である。同図は、後眼領域計測モードにおける、照射光の経路の例を示す。
図7の例では、第1可動ミラー302、第2可動ミラー308の向きが、いずれも図6の場合と異なっており、照射光は、分散補償プリズム303および第1固定ミラー304を経由する代わりに、第4固定ミラー306および第5固定ミラー307を経由している。
また、図7の例では、第3可動ミラー311、第4可動ミラー317の向きが、いずれも図6の場合と異なっており、照射光は、第3可動ミラー311、第2固定ミラー312、第2レンズ313、第3固定ミラー314、第6固定ミラー315、第4可動ミラー317と、を経由する代わりに、第3可動ミラー311から第7固定ミラー316、第4可動ミラー317を経由している。
図7の例では、照射光が経由するレンズの数が図6の場合と異なっており、これによって、照射光が眼球Eにおいて焦点を結ぶ位置が異なっている。
具体的には、図6の例では、照射光が第1レンズ310、第2レンズ313および第3レンズ318の3つのレンズ(奇数個のレンズ)を経由するのに対し、図7の例では、照射光は、第1レンズ310(上述の図3で示したレンズL2に相当)および第3レンズ318(上述の図3で示したレンズL3に相当)の2つのレンズ(偶数個のレンズ)を経由し、第2レンズ313は経由しない。図7で示す光学系は上述の像側テレセントリック光学系である。この像側テレセントリック光学系では、当該光学系を構成する偶数個の各第1レンズ310,第3レンズ318において、光源側の第1レンズ310の後側焦点距離fb1が示す位置と他方の第3レンズ318の前側焦点距離fa3が示す位置とが図7の位置Pcにおいて一致するようそれら第1レンズ310,第3レンズ318が配置されている。なお像側テレセントリック光学系は4つ以上の偶数個のレンズによって構成することができる。この場合、像側テレセントリック光学系は、照射光の光源側から順に隣り合って配置されている各レンズの光源側の一方のレンズの後側焦点距離が示す位置と他方のレンズの前側焦点距離が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されるようにすればよい。
図7の例において、ガルバノミラー309で反射されて第1レンズ310に至った、コリメート光である照射光は、第1レンズ310を経由して第3可動ミラー311、第7固定ミラー316および第3可動ミラー317を経由するうちに一旦焦点を結んだ後、レンズ318に至る。照射光は、レンズ318によって再びコリメート光となり、眼球Eの角膜と水晶体によって後眼領域(例えば、網膜表面)で焦点を結ぶ。より詳細に説明すると図7で示すように像側テレセントリック光学系は、ガルバノミラー309(図3の走査ミラーM2に相当)の走査によって第1レンズ310を抜けた照射光のそれぞれは光軸Yに対して光線が平行となって当該第1レンズ310から当該第1レンズ310の後側焦点距離fb1離れた一次結像面N1で焦点を結ぶ。また走査による各照射光はその一次結像面N1(位置Pcに一致)から第3レンズ318の前側焦点距離fa3離れた位置に配置された当該第3レンズ318の異なる位置に入射する。そして当該第3レンズ318を通って眼球Eに対して照射される照射光それぞれは、位置調整された眼球Eの瞳孔位置に入射する。当該瞳孔位置に入射する照射光は光束の太さのほぼ一定なコリメート光である。そしてそのコリメート光は眼球Eの角膜と水晶体によって眼球Eの後眼領域である網膜付近の焦点位置Pdで焦点を結ぶ。この過程において照射光は眼球E生体内の各組織において反射および散乱する。
上述の像側テレセントリック光学系では、図3で説明したように第3レンズ318のレンズ面における外縁領域から出射した照射光は角度を持って眼球Eの瞳孔から入射する。これにより当該照射光の眼球後眼領域において焦点を結ぶ範囲は、照射光が像側テレセントリック光学系の光軸Yと平行に眼球生体内に入射した場合と比べて広い範囲となる。上述したように眼球Eに最も近い位置の第3レンズ318は実質的に開口に制限のない焦点固定レンズである。よって照射光が幅の広い第3レンズ318の外周から出射して角度を持って眼球Eの瞳孔に入射することにより、眼球後眼領域で焦点を結ぶ位置の範囲は広くなる。また開口に制限のない焦点固定レンズである第3レンズ318により集光した光が瞳孔から入射するため、入射した光量が多くなる。よってその照射光の強度の高い反射光を用いることにより後眼領域の幅広い情報を含む干渉光を用いてOCT画像を生成するので、眼球計測装置1は、広い領域の後眼領域を精度高く撮像することができる。
また、図7の光学系では、照射光の経路長が図6の光学系と異なる。つまり図7で示す像側テレセントリック光学系と図6で示す物体側テレセントリック光学系とでは、コリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光学的な長さが異なる。ここで上述したように本実施形態による眼球計測装置1では参照光の経路長と照射光の経路長とが等しくなるよう設定している。また眼球計測装置1は、像側テレセントリック光学系の場合には眼球Eにおける焦点が後眼領域の網膜付近に位置し、物体側テレセントリック光学系の場合には眼球Eにおける焦点が前眼領域の虹彩付近に位置するよう設計されている。したがって眼球計測装置1において像側テレセントリック光学系におけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光学的な長さを、前眼領域の焦点位置から後眼領域の焦点位置までの距離(つまり眼軸長)分短くすることで、各光学系における照射光の経路長と参照光の経路長とを一致させることができる。
図8は、参照光路側プローブ部400における参照光の経路の例を示す説明図である。
同図の例において、光ファイバを通って参照光路側プローブ部400に入った参照光は、偏光調整器401を経由し、コリメータレンズ402でコリメート光になって空気中に射出される。射出された参照光は、分散補償プリズム403を経由してレンズ404に至る。レンズ404で集光された参照光は、固定ミラー405の位置で焦点を結び、固定ミラー405にて反射される。固定ミラー405で反射した参照光は、進んできた光路を逆進し、コリメータレンズ402を経て光カプラ141(図4)へ戻り、光カプラ151で照射光と合波される。
なお、分散補償プリズム403は、照射光が眼球Eを通る際に生じる光の屈折率による分散を補正するために設置されている。
図9は、照射光の光路長と参照光の光路長との関係を示す説明図である。同図(A)は、前眼領域計測モード(物体側テレセントリック光学系)での照射光路のうち、コリメータレンズ301から眼球Eの焦点位置までの光学的距離L11を示している。同図(A)の例では、照射光は眼球Eの角膜の位置(前眼領域の所定の位置)で焦点を結んでおり、コリメータレンズ301と焦点位置との光学的距離がL11となるよう予め調整されている。
一方、図9(B)は、参照光路のうち、コリメータレンズ402と固定ミラー405との光学的距離を示している。ここで、振幅の大きい干渉光を得るために、照射光の光路長と参照光の光路長とが等しくなっている必要がある。
かかる光路長の関係を得るために、本実施形態による眼球計測装置1では、光カプラ121からコリメータレンズ301までの光学的な長さ(光学的距離)と、光カプラ121からコリメータレンズ402までの光学的な長さとが同じになっている。さらに、コリメータレンズ301から光カプラ151までの光学的な長さと、コリメータレンズ402から光カプラ151までの光学的な長さとが同じになっている。そして、図9(B)に示されるように、コリメータレンズ402と固定ミラー405との光学的距離が、同図(A)におけるコリメータレンズ301と焦点位置との光学的距離L11と同じ長さ(L11)となるよう予め調整されている。
また、図9(C)は、後眼領域計測モード(像側テレセントリック光学系)での照射光路のうち、コリメータレンズ301から眼球Eの焦点位置までの距離を示している。同図(C)の例では、照射光は眼球Eの網膜の位置で焦点を結んでおり、コリメータレンズ301と焦点位置との光学的距離が、同図(B)におけるコリメータレンズ402と固定ミラー405との光学的距離L11と同じ長さ(L11)となっている。
これにより、後眼領域計測モードにおいても前眼領域計測モードの場合と同じく、照射光の光路長と参照光の光路長とが等しくなり、振幅の大きい干渉波を得られる。
図9(A)、(B)、(C)に示される各経路長の関係にするために、後眼領域計測モード(像側テレセントリック光学系)におけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光路長を、前眼領域計測モードにおけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光路長よりも距離L12(眼軸長分)短くする。例えば、前眼領域計測モードにおけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光路長から、後眼領域計測モードにおけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光路長を減算した差L12が、一般的な眼軸長の20ミリメートル(mm)以上40ミリメートル以下の範囲になるように調整する。
図9(A)、(B)に示されるような、前眼領域計測モードにおける照射光の光路長と参照光の光路長との一致は、眼球計測装置1の設計および製造において光ファイバの長さや各部の設置位置を調整することで行われる。
一方、図9(B)、(C)に示されるような、後眼領域計測モードにおける照射光の光路長と参照光の光路長との一致は、第4固定ミラー306および第5固定ミラー307(図7)の位置を調整することで行われる。当該調整のために、第4固定ミラー306および第5固定ミラー307は、移動ステージ305に設けられている。移動ステージ305は、図7に矢印で示す方向に移動可能であり、これにより、第1可動ミラー302と第4固定ミラー306との距離、および、第5固定ミラー307と第2可動ミラー308との距離を調整することができる。例えば、眼球計測装置1の製造者が、移動ステージ305の位置を予め調整しておく。
図10は、制御・処理ユニット200の機能構成の例を示す概略ブロック図である。同図において、制御・処理ユニット200は、光学ユニット制御部210と、アンプ220と、A/Dコンバータ230と、信号処理部240と、出力部250とを具備する。信号処理部240は、距離情報取得部241と、画像生成部242と、眼軸長算出部243とを具備する。
光学ユニット制御部210は、光学ユニット100を制御する。特に、光学ユニット制御部210は、光源装置110が光を出力するタイミングを指示する信号を出力する。あるいは、光源装置110から光の出力タイミングが送信される場合、光学ユニット制御部210は、このタイミング情報を信号処理部240に出力する。また、光学ユニット制御部210は、モード切替の際、第1可動ミラー302のドライバに対して、第1可動ミラー302の向きを指示する信号を出力する。同様に、光学ユニット制御部210は、モード切替の際、第2〜第4可動ミラー308、311、317の各々のドライバに対して、それぞれ、第2〜第4可動ミラー308、311、317の向きを指示する信号を出力する。
アンプ220は、光検出器190(図4)が干渉光を変換して生成した電気信号を増幅する。
A/Dコンバータ230は、アンプ220が増幅した電気信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換する。
信号処理部240は、A/Dコンバータ230がデジタル変換した信号を処理して、眼球の断層画像を生成し、また、眼軸長を算出する。また、信号処理部240は、光学ユニット制御部210とタイミング情報をやり取りする。特に、信号処理部240は、制御・処理ユニット200が光源装置110に光の出力を指示したタイミングに応じて信号処理を行う。あるいは、光源装置110から光の出力タイミングが送信される場合、信号処理部240は、このタイミングに応じて信号処理を行う。
距離情報取得部241は、光検出器190が受光した光における照射光と参照光との干渉光に基づいて、眼球の前眼領域と後眼領域との両方について、基準位置との距離を示す情報を取得する。具体的には、距離情報取得部241は、A/Dコンバータ230がデジタル信号に変換した測定データをフーリエ変換して、パワースペクトル、すなわち、周波数領域における測定データの分布状況を求める。
ここで、図5を参照して説明したように、光源装置110は周波数の変化するレーザ光を出力している。光カプラ151が合波した際に参照光と位相が合うような照射光の光路長は波長毎に異なる(従って、周波数毎に異なる)。この違いがパワースペクトルの違いとなって現れる。具体的には、反射面が眼球の奥側になるに従って、干渉信号の周波数が高くなる。
なお、光学ユニット制御部210や信号処理部240がコンピュータを用いて構成されていてもよい。例えば、制御・処理ユニット200がコンピュータを具備し、当該コンピュータのCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、当該コンピュータの記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することで、光学ユニット制御部210や信号処理部240が構成されるようにしてもよい。
図11は、距離情報取得部241が行う処理手順の例を示すフローチャートである。なお、以下では、アンプ220が増幅した電気信号についてA/Dコンバータ230がデジタル変換した測定データをAラインデータ(A-Line Data)と称する。Aラインデータは、サンプリング時刻毎の電圧値(光検出器190が受光した照射光の反射光強度に応じて出力した電圧値)を示している。
ステップS101およびS102において、距離情報取得部241は、FFT(Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換)を行うための前処理を行う。
具体的には、距離情報取得部241は、Aラインデータに窓関数を乗算する(ステップS101)。ここでの窓関数には、ハニングウィンドウ(Hanning window)またはハミングウィンドウ(Hamming window)など、いろいろな関数を用いることができる。
次に、距離情報取得部241は、ステップS101で得られたデータ数が2の乗数となるように、ダミーのデータを追加してデータ数を調整する(ステップS102)。例えば、Aラインデータのデータ数2000点の場合、距離情報取得部241は、値0のデータを48個加えて2048点のデータにする。
そして、距離情報取得部241は、ステップS102でのデータ数調整後のAラインデータにFFTを適用して、Aラインデータのパワースペクトルを求める(ステップS103)。例えば、FFT適用前のAラインデータのデータ数が2048点の場合、FFTによって1024個の周波数成分が求められる。FFT適用後のAラインデータの中に、周波数の低い成分が含まれている場合、眼球の浅い位置(手前側の位置)に反射体や散乱体が存在することを示している。一方、FFT適用後のAラインデータの中に、周波数の高い成分が含まれている場合、眼球の深い位置(奥側の位置)に反射体や散乱体が存在することを示している。なお距離情報取得部241は周波数と奥行きとの対応関係を示す情報を記憶しており、当該対応関係に基づいてAラインデータにおける周波数成分に対応する奥行きの位置の情報を検出する。距離情報取得部241はAラインデータにおいて最初に現れた周波数成分に対応する位置を基準位置とし、最後に現れる周波数成分に対応する位置までの距離を特定する。例えば距離情報取得部241はAラインデータにおいて最初に現れた周波数成分に対応する基準位置を角膜前面、最後に現れる周波数成分に対応する位置を網膜と判定し、角膜前面から網膜までの眼軸長を特定し、出力部250へ出力する。また、FFT適用後のAラインデータにおいて、最も周波数の高い成分が計測可能距離を示している。例えば、角膜前面から水晶体後面までの前眼領域の全範囲の長さを測る場合、12mmの計測可能距離が得られ、後眼領域の長さを測る場合、6mmの計測可能距離が得られる。ステップS103の後、図11の処理を終了する。なお図11で示す眼軸長を特定する処理の詳細は後述するが、前眼領域及び後眼領域の各領域での2次元断層画像や3次元断層画像(3次元のヴォリュームデータ)を用いて、例えば網膜に存在する黄斑部中心窩に入る光が角膜のどの部位を通るかを判定することで、より精度の高い眼軸長の計測を行う。
画像生成部242は、距離情報取得部241が取得したFFT適用後のAラインデータに基づいて、眼球の断層画像を生成する。上記のように、FFT適用後のAラインデータは、眼球の奥行き方向の各部の情報を示している。光学ユニット100が、眼球の上下方向または左右方向に照射光を走査し、画像生成部242が、走査の各点におけるFFT適用後のAラインデータを画像に置き換える。画像生成部242はこのように眼球の断層画像を生成する。
画像生成部242は、前眼領域計測モード、後眼領域計測モードのそれぞれにおいて、眼球の断層画像を生成し、得られた前眼領域の断層画像の奥行き方向端部分と後眼領域の断層画像の前眼領域最近部分とを繋ぎ合わせる。これにより、画像生成部242は、角膜前面から網膜まで、眼球の奥行き方向の全範囲にわたる断層画像を生成する。特に、眼球の前眼領域と後眼領域を一つの光学系で計測する場合にはコヒーレント長(可干渉距離)の長い光を用いる必要がある。しかしながら本願の眼球計測装置1によれば前眼領域と後眼領域を別々の光学系で計測することにより、各領域の奥行き方向の短い距離を計測できれば良いためコヒーレント長の長い光を必要とせずに、眼球の奥行き方向の全範囲にわたる断層画像を生成することができる。
コヒーレント長が眼軸長の光学的な長さ以上に長い光源があれば、前眼領域と後眼領域とでモードの切り替えを行わずとも、一度に両方の情報を取得し得る。しかしながら、水による減衰の影響が少ない波長帯域において、コヒーレント長が眼軸長の光学的な長さ以上に長い光源は、実用化されていない。ここで、コヒーレント長は、パワースペクトルの減衰が6デシベル(dB)となるときの距離に相当する。
また、前眼領域の情報と後眼領域の情報とを1回の光の照射で同時に得る場合、眼球にコリメート光を照射することが考えられる。すると、コリメート光の太さにより、前眼領域で得られる情報の精度が低下してしまう。
これに対して本実施形態による眼球計測装置1では、コヒーレント長の長い光を必要とせず、かつ、前眼領域、後眼領域のそれぞれで照射光の焦点を結ばせて、より高精度な情報を得ることができる。
図12は、画像生成部242が生成する、前眼領域の奥行き方向の全範囲にわたる断層画像の例と後眼領域の断層画像の例とを示す説明図である。同図(A)は、前眼領域の奥行き方向の全範囲にわたる断層画像の例を示す。また、同図(B)は、後眼領域の断層画像の例を示す。
図12は2次元画像であるが本実施形態の眼球計測装置1は、光学ユニット100においてラスタースキャン(Raster Scan)を行い、画像生成部242が眼球の三次元画像を生成するようにしてもよい。
上述したように眼軸長算出部243は、距離情報取得部241が取得したFFT適用後のAラインデータに基づいて、眼軸長を算出する。具体的には、眼軸長算出部243は、前眼領域計測モードにて検出される角膜前面の位置と、後眼領域計測モードにて検出される網膜の位置(例えば黄斑部中心窩)との相対距離を求める。
図13は、データに示される角膜前面と網膜との位置関係を示す説明図である。同図においてG1で示される領域は、前眼領域計測モードで得られたパワースペクトル(FFT適用後のAラインデータ)にて検出される、眼球内の各部の奥行き方向の領域を示している。また、G2で示される領域は、後眼領域計測モードで得られたパワースペクトルにて検出される、眼球内の各部の奥行き方向の領域を示している。図13において横軸は、基準位置からの距離を示し、縦軸は、強度(干渉光における周波数成分の大きさ)を示す。
なお図13で示すようなAラインデータにおいて基準位置は、照射光の光路長と参照光の光路長とが等しくなる位置であってよい。また当該Aラインデータにおいて前眼領域計測モードでは原点Oの位置が基準位置であってよく、また当該Aラインデータにおいて後眼領域計測モードでは原点O’の位置が基準位置であってよい。
G1で示される領域において信号が現れている位置P11、P12、P13、P14は、それぞれ、角膜前面、角膜後面、水晶体前面、水晶体後面の位置を示している。また、G2で示される領域において信号が現れている位置P15は、網膜表面の位置を示している。眼軸長は、角膜前面の位置P11から網膜表面の位置P15までの距離L22にて示される。
ここで、G1の領域で示される前眼領域の測定データと、G2の領域で示される後眼領域の測定データとは、上記2つのモードを切り替えてそれぞれ測定されたデータであり、眼軸長として距離L22を算出するために、前眼領域の測定データに示される位置と、後眼領域の測定データに示される位置との位置関係を把握する必要がある。
かかる位置関係の例として、G1の領域における基準位置Oと、G2の領域における基準位置O’との距離L12を用いることができる。この距離L12は、図9を参照して説明した、前眼領域計測モードにおけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光路長から、後眼領域計測モードにおけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光路長を減算した差に相当する。
距離L12を用いて、眼軸長を示す距離L22は、式(1)のように示される。
ここで、L21は、前眼領域計測モードにおける基準位置(G1の領域における原点O)と角膜前面(位置P11)との距離を示す。L23は、後眼領域計測モードにおける基準位置(G2の領域における原点O’)と網膜前面(位置P15)との距離を示す。
眼軸長算出部243は、予め登録されている距離L12と、測定データから得られる距離L21および距離L23とを式(1)に適用して、眼軸長(距離L22)を算出する。
なお、眼軸長算出部243が距離として光学的距離を用いるようにしてもよいし、光学的距離を屈折率で除算して実際の距離を求めるようにしてもよい。
出力部250は、眼球の測定結果を表示する。例えば、出力部250は、液晶ディスプレイなどの表示装置を有し、画像生成部242が生成する断層画像や、眼軸長算出部243が算出する眼軸長を表示する。但し、出力部250が眼球の測定結果を出力する方法は、表示による方法に限らない。例えば、出力部250が通信回路を有し、画像生成部242が生成する断層画像の画像データや、眼軸長算出部243が算出する眼軸長を、他の機器に送信するようにしてもよい。
以上の処理によれば眼球計測装置1は、第1〜第4可動ミラー302、308、311および317は、可動ミラーの向きを変えることで前眼領域計測モードと後眼領域計測モードとを切り替える。そして眼球計測装置1は前眼領域計測モードと後眼領域計測モードのそれぞれにおいて、眼球の計測を行うための情報を取得する。眼球の前眼領域と後眼領域を一つの光学系で計測する場合にはコヒーレント長の長い光を用いる必要がある。しかしながら本願の眼球計測装置1によれば前眼領域と後眼領域を別々の光学系で計測することにより、各領域の奥行き方向の短い距離を計測できれば良いためコヒーレント長の長い光を必要とせずに、眼球の奥行き方向の全範囲にわたる計測を行うことができる。
また眼球計測装置1において第1〜第4可動ミラー302、308、311、317は、いずれも、前眼領域計測モードにおける向きと後眼領域計測モードにおける向きとの2つの向きのいずれかに切り替えればよく、高速に向きの切替を行うことができる。これにより、眼球計測装置1は、より高速に、眼内の各部分の基準位置からの距離を測定することができる。
また上述の眼球計測装置1は、物体側テレセントリック光学系に切り替えることにより第3レンズ318の各位置から眼球Eに向けて出力された照射光の光線は眼球Eの上下左右の幅範囲全体に亘って物体側テレセントリック光学系の光軸Xと平行に入射する。この場合、各光線のうち眼球Eの表面の前面中央部分(瞳部分)に入射した光線の基準位置からの距離は短く、各光線のうち眼球Eの隅角(g1,g2)部分に入射した光線の基準位置からの距離は長くなる。よってそれら瞳部分や隅角部分に照射される照射光の基準位置からの光線距離は、実際の空間上の基準位置からの距離に等しい。したがって、眼球Eの生体組織の各点で散乱および反射した照射光の戻り光と参照光との干渉光においては、それら生体組織までの基準位置からの距離に応じたより正確な情報が含まれることとなり、当該干渉光を受光した眼球計測装置1でのSS−OCT画像生成処理において、眼球Eの構造に基づいた精度の高い断層画像生成を行うことができる。
また上述の眼球計測装置1において物体側テレセントリック光学系を構成する奇数個の各レンズは実質的に開口に制限のない焦点固定レンズである。よって本実施形態による眼球計測装置1は光量の多い反射光に基づく参照光との干渉光に基づいて、隅角g1から隅角g2の距離が十分に収まる程度の広い範囲の画像を精度高く撮影することができる。
また上述の眼球計測装置1は、像側テレセントリック光学系に切り替えることによりレンズ318のレンズ面における外縁領域から出射した照射光が角度を持って眼球の瞳孔から当該眼球生体内に入射する。これにより当該照射光の眼球後眼領域において焦点を結ぶ範囲は、照射光が物体側テレセントリック光学系の光軸Xと平行に眼球生体内に入射した場合と比べて広い範囲となる。よって照射光が幅の広いレンズ318の外周から出射して角度を持って眼球の瞳孔に入射することにより、眼球後眼領域で焦点を結ぶ位置の範囲は広くなり、また開口に制限のない焦点固定レンズ318により集光した光が瞳孔から入射するため、入射した光量が多くなり、その照射光の強度の高い反射光を用いることにより後眼領域の幅広い情報を含む干渉光を用いてOCT画像を生成するので、眼球計測装置1は、広い領域の後眼領域を精度高く撮像することができる。
また、画像生成部242は、距離情報取得部241が生成した距離を示す情報であるFFT適用後のAラインデータに基づいて、眼球の画像を生成する。
距離情報取得部241は、前眼領域計測モード、後眼領域計測モードの切り替えにより、眼球の角膜前面から網膜までの奥行き方向の全体について、コヒーレント長の長い光を必要とせずに測定を行うことができる。画像生成部242は、距離情報取得部241によるFFT適用後のAラインデータに基づいて、眼球の角膜前面から網膜までの奥行き方向の全体の断層画像を生成することができる。
画像生成部242が、眼球の角膜前面から網膜までの奥行き方向の全体の断層画像を生成することで、ユーザは、当該断層画像を参照して、前眼領域と後眼領域との位置関係を把握することができる。また、一般的には、前眼領域の断層画像と後眼領域の断層画像とが別々の装置で撮像されるのに対し、眼球計測装置1では1台で両方の断層画像を生成できる。
また、眼軸長算出部243は、距離情報取得部241によるFFT適用後のAラインデータに基づいて、眼軸長を算出する。これにより、眼軸長算出部243は、コヒーレント長の長い光を必要とせずに、眼軸長を求めることができる。
また、一般的には断層画像の生成と眼軸長の算出とが別々の装置で行われるのに対し、眼球計測装置1では、1台で断層画像の生成と眼軸長の算出とを行うことができる。
また眼球計測装置1は、第1〜第4可動ミラー302、308、311、317を用いて照射光路を変更することにより前眼領域計測モードと後眼領域計測モードとを切り替える。そして眼球計測装置1は移動ステージ305の位置を調整することで、前眼領域計測モードにおける照射光路と後眼領域計測モードにおける照射光路との光路長の(光学的な)長さの差を、想定される眼軸長に応じた差に設定することができる。また眼球計測装置は複数のレンズを前眼領域計測モードと後眼領域計測モードとで共用した構成となっている。これにより眼球計測装置1は、前眼領域計測モードと後眼領域計測モードとで同一の参照光路を用いることができ、眼球計測装置1の構造を簡単化することができる。そしてこのような構成により前眼領域と後眼領域の各領域の2次元または3次元の断層画像を生成する装置を提供することができる。
なお、光源装置110として、水による減衰の影響が少なく、かつ、生体深くまで入る波長帯域を持つレーザを用いることが可能である。例えば、中心波長1060ナノメートル(nm)、掃引波長幅100ナノメートル、可干渉距離が18ミリメートル以上の性能のものを用いるようにしてもよい。これにより、可干渉距離を18ミリメートル程度とすることができ、前眼領域全体の断層像を得ることができる。
<第1の変形例>
照射光路側プローブ部300における各部の配置は、図6および図7を参照して説明したものに限らない。以下では、照射光路側プローブ部300の変形例について説明する。
図14は、照射光路側プローブ部300の第1の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。図14で示す照射光路側プローブ部300を構成する光学系は上述の物体側テレセントリック光学系である。また同図は前眼領域計測モードにおける照射光の経路の例を示している。同図において、図6の場合と同様である部分には同一の符号(301、309〜319、E)を付して説明を省略する。図14の構成では、図6の構成における第1可動ミラー302、第2可動ミラー308と、分散補償プリズム303と、固定ミラー304、306、307と、移動ステージ305とに代えて、第5可動ミラー331と、分散補償プリズム332と、第8固定ミラー333、第9固定ミラー335、第10固定ミラー336、第11固定ミラー337と移動ステージ334とが設けられている。第3〜第5可動ミラー311、317、331の組み合わせは、経路切替部(光学系切替部)の例に該当し、眼球計測装置1は前眼領域計測モードと後眼領域計測モードの各モードを切り替えるために、各可動ミラーの向きを変化させる。
図14の例において、光ファイバを通って照射光路側プローブ部300に入った照射光は、コリメータレンズ301でコリメート光として空気中に射出される。射出された照射光は、第5可動ミラー331、分散補償プリズム332を経由してガルバノミラー309に至る。ガルバノミラー309以降の機能は図6の場合と同様であり、また図6で示す光学系と同様の作用及び効果を奏する。
図15は、照射光路側プローブ部300の第1の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。同図は、後眼領域計測モードにおける照射光の経路の例を示している。
図15の例では、第5可動ミラー331の向きが図14の場合と異なっており、照射光は、分散補償プリズム332を経由する代わりに、第8〜第11固定ミラー333、335、336および337を経由している。
図6および図7の例の場合と同様、図15の例は、照射光が経由するレンズの数が図14の場合と異なる像側テレセントリック光学系に切り替えた場合の例である。当該図15で示す光学系では、図7で示す場合と同様の作用及び効果を奏する。
また、図6および図7の例の場合と同様、図15の例では、照射光の経路が図14の場合と異なることで、コリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光学的な長さが異なる。この長さの違いを眼軸長に合わせることで、参照光の光路長を図14の場合と図15の場合とで同じにすることができる。
後眼領域計測モードの場合の照射光の光路長の調整のために第9固定ミラー335および第10固定ミラー336は、移動ステージ334に設けられている。移動ステージ334は、図15に矢印で示す方向に移動可能であり、これにより、第8固定ミラー333と第9固定ミラー335との距離、および、第10固定ミラー336と第11固定ミラー337との距離を調整することができる。例えば、眼球計測装置1の製造者が、移動ステージ334の位置を予め調整しておく。
また、図14、15の各光学系を有する光学ユニット100の例では、図6、7の各光学系を有する光学ユニット100の例よりも可動ミラーの数が少ない。この点において、照射光路側プローブ部300の構成や、光学ユニット制御部210が行う制御を、より簡単にすることができる。
<第2の変形例>
図16は、照射光路側プローブ部300の第2の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。同図は、前眼領域計測モードにおける照射光の経路の例を示している。同図において、図6の場合と同様である部分には同一の符号(301、309〜319、E)を付して説明を省略する。図16の構成では、図6の構成における第1可動ミラー302、第2可動ミラー308と、分散補償プリズム303と、第1固定ミラー304、第4固定ミラー306、第5固定ミラー307と、移動ステージ305とに代えて、コリメータレンズ301よりも上流側(光源装置110に近い側)に、光スイッチ341および346と、コリメータレンズ342および344と、分散補償プリズム343と、距離調整用ファイバ345とが設けられている。
第3可動ミラー311、第4可動ミラー317と、光スイッチ341、346との組み合わせは、経路切替部(光学系切替部)の例に該当する。眼球計測装置1は前眼領域計測モードと後眼領域計測モードの各モードを切り替えるために、各可動ミラーの向きや光スイッチの接続を変化させる。
図16の例において、光源装置110側からの照射光は、光スイッチ341を経由して、コリメータレンズ342でコリメート光として空気中に射出される。射出された照射光は、分散補償プリズム343を経由してコリメータレンズ344に照射される。コリメータレンズ344に照射された照射光は、光ファイバの中を通って、光スイッチ346を経由してコリメータレンズ301で再びコリメート光として空気中に射出される。射出された照射光は、ガルバノミラー309に至る。ガルバノミラー309以降は図6の場合と同様であり、また図6で示す光学系と同様の作用及び効果を奏する。
図17は、照射光路側プローブ部300の第2の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。同図は、後眼領域計測モードにおける照射光の経路の例を示している。
図17の例では、光スイッチ341および346の接続先が図16の場合と異なっており、照射光は、コリメータレンズ342および344と、分散補償プリズム343とを経由する代わりに、距離調整用ファイバ345を経由している。
図6および図7の例の場合と同様、図17の例は、照射光が経由するレンズの数が図16の場合と異なる像側テレセントリック光学系に切り替えた場合の例である。当該図17で示す光学系では、図7で示す場合と同様の作用及び効果を奏する。
また、図6および図7の例の場合と同様、図17の例では、照射光の経路が図16の場合と異なることで、光スイッチ341からダイクロイックミラー319までの光学的な長さが異なる。この長さの違いを眼軸長に合わせることで、参照光の光路長を図16の場合と図17の場合とで同じにすることができる。
後眼領域計測モードの場合の照射光の光路長の調整は、距離調整用ファイバ345の長さを調整することで行う。当該調整は、例えば、眼球計測装置1の製造者が行う。
また、図16,図17の例では、図6,図7の例よりも可動ミラーの数が少なく、代わって光スイッチ341および346が用いられている。可動ミラーの設置の際、可動ミラーが特定の向きを向くよう、可動ミラー制御用のドライバに与える電圧値の調整が必要であるのに対し、光スイッチ341や346として市販の光スイッチを用いることができ、特に調整を行う必要はない。図16,図17の例では、この点において、眼球計測装置1の製造や調整をより簡単にできる。
<第3の変形例>
第3の変形例は、眼球計測装置1が、照射光の経路について、前眼領域の断層画像を生成するときの経路、後眼領域の断層画像を生成するときの経路、眼軸長を算出するときの経路の3つの経路のいずれかに切り替える。また、第3の変形例は、眼球計測装置1が、参照光の経路について、2つの異なる経路のいずれかに切り替える。
図18は、照射光路側プローブ部300の第3の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。同図は、前眼領域の断層画像を生成するモードにおける照射光の経路の例を示している。
図18の例において、光ファイバを通って照射光路側プローブ部300に入った照射光は、コリメータレンズ301でコリメート光として空気中に射出される。射出された照射光は、後述する可動ミラー351および354が照射光の経路から除かれているため、直接ガルバノミラー355に至る。
ガルバノミラー355は、照射光で眼球を走査(Scan)するためのミラーであり、照射光を眼球に対して上下左右(照射光の進行方向に対して直角方向)に動かす。
ガルバノミラー355で向きを調整された、コリメート光である照射光は、第1レンズ356によって可動ミラー357の先の後側焦点距離fb1離れた位置Paで一旦焦点を結ぶ。そして、照射光は、固定ミラー358を経て第2レンズ359によって再びコリメート光となり、固定ミラー360と、可動ミラー361とを経て第3レンズ362に至る。
第3レンズ362を通った照射光は、眼球Eに照射される。ここで、照射光は第3レンズ362によって集光され、眼球Eの前眼領域である角膜部分または水晶体前面部分の位置Pbで焦点を結ぶ。なお図18で示す光学系は物体側テレセントリック光学系であるため、走査によって第3レンズ362の異なる位置に入射した後に眼球側に出力される照射光の光線それぞれが、第3レンズ362と眼球Eの間の空間上で物体側テレセントリック光学系の光軸Xと平行となっている。眼球Eに照射された照射光は、眼球Eにて反射し、散乱し、また、吸収される。眼球Eにて反射した照射光や後方散乱した照射光は、進んできた光路を逆進し、コリメータレンズ301を経て光カプラ132(図4)へ戻り、光カプラ151に出力される。そして当該照射光(戻り光)は、光カプラ151で参照光と合波される。合波にて得られた干渉光が光検出器190へ出力される。
ここで、可動ミラー357、361は、いずれも、前眼領域を計測(画像生成または眼軸長計測)するために照射光が眼球Eに照射される間、その向きが固定されている。また図18で示す光学系では以下図19で示す可動ミラー351、354が、いずれも前眼領域を計測するために照射光が眼球Eに照射される間、照射光路上から外されている。可動ミラー351、354、357、361の組み合わせは、経路切替部(光学系切替部)の例に該当し、眼球計測装置1は前眼領域計測モードと後眼領域計測モードの各モードを切り替えるために、各可動ミラーの向きを変化させて、照射光の経路を変化させる。
本変形例における眼球計測装置1の用いるモードには、前眼領域の断層画像を生成する前眼領域画像生成モードと、後眼領域の断層画像を生成する後眼領域画像生成モードと、眼軸長測定時に前眼領域の情報を取得する前眼領域眼軸計測モードと、眼軸長測定時に後眼領域の情報を取得する後眼領域眼軸計測モードとがある。
眼球計測装置1は、断層画像を生成する際、モードを前眼領域画像生成モードまたは後眼領域画像生成モードの何れかに切り替えることで角膜前面から網膜までの情報のうちの前眼領域と後眼領域の各領域の情報を対応するモードで取得し、角膜前面から網膜での一連の断層画像を生成する。また、眼球計測装置1は、眼軸長を測定する際、モードを前眼領域眼軸計測モードまたは後眼領域眼軸計測モードに切り替えて角膜前面から網膜までの情報のうちの前眼領域と後眼領域の各領域の情報を対応するモードで取得し、角膜前面から網膜までの距離を眼軸長として算出する。
また、第1レンズ356、第2レンズ359、第3レンズ362の組み合わせは、集光部の例に該当し、照射光を眼球Eにて集光させる(焦点を結ばせる)。そして、光学系切替部として構成される可動ミラー351、354、357および361が照射光の経路を変化させることで光学系が切り替わり、照射光が眼球において焦点を結ぶ位置(特に、眼球Eにおける奥行き方向の位置)が変化する。
また、図18で示す焦点可変レンズ364は、集光位置調節部の例に該当し、照射光が眼球において焦点を結ぶ位置を変化させる。
図19は、照射光路側プローブ部300の第3の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。同図は、後眼領域の断層画像を生成するモード(後眼領域画像生成モード)における、照射光の経路の例を示す。
図19の例では照射光路に、図18の光学系では設置されていなかった可動ミラー351および354が設置されており、コリメータレンズ301から射出された照射光は、可動ミラー351、固定ミラー352、固定ミラー353、可動ミラー354の順に経由してガルバノミラー355に至る。
また、図19の例では、可動ミラー357および361が照射光路から除かれており、第1レンズ356を経由した照射光は、第1レンズ356の後側焦点距離fb1離れた位置Paにおいて一旦焦点を結んだ後、第3レンズ362に至る。照射光は、第3レンズ362によって再びコリメート光となり、眼球Eの角膜と水晶体によって後眼領域(例えば、網膜の近く)の位置Pdで焦点を結ぶ。
図6および図7の例の場合と同様、図19の例では、照射光が経由するレンズの数が図18の場合と異なる像側テレセントリック光学系に切り替えた場合の例である。当該図19で示す光学系では、図7で示す場合と同様の作用及び効果を奏する。
図20は、照射光路側プローブ部300の第3の変形例における、照射光の経路の第3の例を示す説明図である。同図は、眼軸長測定時に前眼領域の情報を取得するモード(前眼領域眼軸計測モード)、および、眼軸長測定時に後眼領域の情報を取得するモード(後眼領域眼軸計測モード)における、照射光の経路の例を示す。
図20の例では、図18の場合と同様、可動ミラー351および354が照射光の経路から除かれている。このため、コリメータレンズ301から射出された照射光は、直接ガルバノミラー355に至る。
また、図20の例では、可動ミラー357、361の向きが、いずれも図18の場合と異なっている。これにより、照射光は、第1レンズ356を経由した後、可動ミラー357、固定ミラー363、焦点可変レンズ364、固定ミラー365、可動ミラー361の順に経由して第3レンズ362に至る。
図20で示す例では、光学ユニット制御部210が焦点可変レンズ364の焦点を動かすことで、眼球Eの前眼領域、後眼領域のいずれでも、照射光に焦点を結ばせることができるように設計されている。
例えば、焦点可変レンズ364が、眼球Eの前眼領域にて照射光に焦点を結ばせている状態で、距離情報取得部241が、前眼領域の情報を取得する。その後、焦点可変レンズ364が焦点を動かして、眼球Eの後眼領域にて照射光に焦点を結ばせ、距離情報取得部241が、後眼領域の情報を取得する。そして、眼軸長算出部243は、前眼領域の情報および後眼領域の情報に基づいて、眼軸長を算出する。
図21は、照射光路側プローブ部300の第3の変形例における、参照光の経路の第1の例を示す説明図である。同図は、前眼領域の断層画像を生成するモード(前眼領域画像生成モード)、および、眼軸長測定時に前眼領域の情報を取得するモード(後眼領域画像生成モード)における、参照光の経路の例を示す。
図21の例において、光ファイバを通って参照光路側プローブ部400に入った参照光は、光スイッチ411および偏光調整器412を経由し、コリメータレンズ413でコリメート光として空気中に射出される。射出された参照光は、分散補償プリズム414を経由してレンズ415に至る。参照光側第1レンズ415で集光された参照光は、ミラー416の位置で焦点を結び、ミラー416にて反射される。ミラー416で反射した参照光は、進んできた光路を逆進し、コリメータレンズ413を経て光カプラ141(図4)へ戻り、光カプラ151で照射光と合波される。
なお、偏光調整器412は、照射光と参照光とを合波した際に干渉光の振幅が大きくなるように、参照光の偏光状態を調整するために設置されている。また、分散補償プリズム414は、照射光が眼球Eの前眼領域を通る際に生じる光の屈折率による分散を補正するために設置されている。
図22は、照射光路側プローブ部300の第3の変形例における、参照光の経路の第2の例を示す説明図である。同図は、後眼領域の断層画像を生成するモード、および、眼軸長測定時に後眼領域の情報を取得するモードにおける、参照光の経路の例を示す。
図22の例において、光ファイバを通って参照光路側プローブ部400に入った参照光は、光スイッチ411および偏光調整器417を経由し、コリメータレンズ418でコリメート光として空気中に射出される。射出された参照光は、分散補償プリズム419を経由して参照光側第2レンズ420に至る。参照光側第2レンズ420で集光された参照光は、ミラー421の位置で焦点を結び、ミラー421にて反射される。ミラー421で反射した参照光は、進んできた光路を逆進し、コリメータレンズ418を経て光カプラ141(図4)へ戻り、光カプラ151で照射光と合波される。
なお、偏光調整器417は、照射光と参照光とを合波した際に干渉光の振幅が大きくなるように、参照光の偏光状態を調整するために設置されている。また、分散補償プリズム419は、照射光が眼球Eの前眼領域および後眼領域を通る際に生じる光の屈折率による分散を補正するために設置されている。
図21の例と図22の例とでは、参照光の光路長が異なる。図21の例における参照光の光路長は、図20において焦点可変レンズ364が前眼領域にて参照光に焦点を結ばせる状態での、照射光の光路長に合せて設定される。また、図22の例における参照光の光路長は、図20において焦点可変レンズ364が後眼領域にて参照光に焦点を結ばせる状態での、照射光の光路長に合せて設定される。例えば、これらの光路長の差は、一般的な眼軸長に設定される。
また、図18の例における照射光の光路長は、図21の例における参照光の光路長に合せて設定され、図19の例における照射光の光路長は、図22の例における参照光の光路長に合せて設定される。これにより、眼球の断層画像の生成時と眼軸長の測定時とで、同じ参照光路を用いることができ、参照光路側プローブ部400の構成を簡単にできる。
以上のように、焦点可変レンズ364は、照射光が眼球にて焦点を結ぶ位置を変化させる。また、眼軸長算出部243は、焦点可変レンズ364を経由した照射光から距離情報取得部241が取得した情報に基づいて眼軸長を算出する。一方、画像生成部242は、焦点可変レンズ364を経由していない照射光から距離情報取得部241が取得した情報に基づいて眼球の断層画像を生成する。また、可動ミラー351、354、357および361は、照射光の経路が焦点可変レンズ364を経由するか否かを切り替える。そして、光源装置110から焦点可変レンズ364を経由して光検出器190までの照射光の経路の光学的な長さが、光源装置110から光検出器190までの参照光の経路の光学的な長さに合わせて設定されている。
これにより、眼球の断層画像の生成時と眼軸長の測定時とで、同じ参照光路を用いることができ、参照光路側プローブ部400の構成を簡単にできる。
また、図18〜図20に示されるように、光路の切替が直進又は直角の経路で行われるので、ミラーとして市販の部品を利用しやすい。これにより、眼球計測装置1の製造や調整をより簡単にできる。
<第4の変形例>
第4の変形例では、眼球計測装置1は、照射光の経路について図6および図7の例と同様、前眼領域計測モードの場合の経路と、後眼領域計測モードの場合の経路との2つの経路のいずれかに切り替える。また眼球計測装置1は、参照光の経路についても、前眼領域計測モードの場合の経路と、後眼領域計測モードの場合の経路との2つの経路のいずれかに切り替える。
図23は、照射光路側プローブ部300の第4の変形例における、照射光の経路の第1の例を示す説明図である。同図は、前眼領域計測モードにおける照射光の経路の例を示している。同図において、図6の場合と同様である部分には同一の符号(301、309〜319、E)を付して説明を省略する。図23の構成は、図6の構成から可動ミラー302、308と、分散補償プリズム303と、固定ミラー304、306、307と、移動ステージ305とを除いた構成になっている。
可動ミラー311、317の組み合わせは、経路切替部(光学系切替部)の例に該当する。眼球計測装置1は、前眼領域計測モードまたは後眼領域計測モードの何れかのモードに切り替える際に可動ミラーの向きを変化させることで、照射光の経路を変化させる。
図23の例において、光ファイバを通って照射光路側プローブ部300に入った照射光は、コリメータレンズ301でコリメート光として空気中に射出される。射出された照射光は、ガルバノミラー309に至る。ガルバノミラー309以降は図6の場合と同様である。また図23で示す光学系(物体側テレセントリック光学系)は図6で示す光学系と同様の作用及び効果を奏する。
図24は、照射光路側プローブ部300の第4の変形例における、照射光の経路の第2の例を示す説明図である。同図は、後眼領域計測モードにおける照射光の経路の例を示している。
図24の例では、可動ミラー311および317の向きが図7の場合と同様に切り替わっており、照射光は、図7の場合と同様、可動ミラー311、固定ミラー316、可動ミラー317を経由している。図24で示す光学系(像側テレセントリック光学系)は図7で示す光学系と同様の作用及び効果を奏する。
なお図23、24で示す各光学系を用いる場合の参照光の経路は、図21および図22の例と同様に、2つの経路のいずれかに切り替わる。具体的には、図23に示される前眼領域計測モードにおける照射光の光路長である場合に、図21の参照光の光路長が設定されている。また、図24に示される後眼領域計測モードにおける照射光の光路長である場合に、図22の参照光の光路長が設定されている。
図6に対する図7の例の場合と同様、図24の例では、照射光が経由するレンズの数が図23の場合と異なっており、これによって、照射光が眼球Eにおいて焦点を結ぶ位置が異なっている。
次に図12、図13を用いて説明した眼軸長算出処理の詳細について説明する。
図25は本発明の一実施形態による眼球計測装置の外観を示す図である。
図26は本発明の一実施形態による眼軸長算出処理の処理フローを示す図である。
図25で示すように眼球計測装置1は、光学ユニット100と、制御・処理ユニット200と、モニタ500とを備える。光学ユニット100は、当該光学ユニット100から眼球Eに照射される照射光の照射方向(光線方向)に眼球Eの位置を定めるために用いられる顎載せ台161及び額当て162と、光学ユニット100を設置するための可動ステージ163とを備える。また眼球計測装置1は図25で示すように、光学ユニット100の眼球Eに対する3次元方向の相対位置を定めるために用いられる顎載せ台161や可動ステージ163の位置を操作するジョイスティック等の操作レバー164を備えている。また操作レバー164には撮影タイミングを決定するシャッターボタンが設けられていてもよい。モニタ500は制御・処理ユニット200の出力部250から出力された画像情報等を表示する。またモニタ500はタッチパネル機能が設けられており、タッチ操作によって検出した位置の画像に対応する制御信号を、信号ケーブルを介して制御・処理ユニット200に出力するものであってよい。
図27は本発明の一実施形態による眼球計測装置の表示例を示す図である。
この図で示す各表示情報は制御・処理ユニット200によって生成されモニタ500に表示される。当該表示情報は、前眼領域断層画像Q1、後眼領域en-face画像Q2、後眼領域断層画像Q3を含む。また当該表示情報は、撮影開始ボタンG10、中心窩検出開始ボタンG20、撮像終了ボタンG30を含む。
医師等のオペレータは眼球計測装置1を起動させ、モニタ500に表示された表示情報において撮像開始ボタンG10を押下する。すると眼球計測装置1は照射光を発光する。この状態でオペレータは、被験者に対して顎載せ台161に顎を載せ、額が額当て162に当るように顔の位置を定めるよう指示する。またオペレータは操作レバー164を前後及び上下左右に操作して眼球Eに照射光が照射されるよう、顎載せ台161と可動ステージ163の位置を決定する。照射光が眼球Eに照射されると、その戻り光と参照光との干渉光が制御・処理ユニット200のアンプ220に入力する。この時、光学ユニット制御部210は可動ミラーを操作制御して物体側テレセントリック光学系への照射光の入射と、像側テレセントリック光学系への照射光の入射とを交互に切り替える。なお光学ユニット制御部210はガルバノミラーを操作制御して物体側テレセントリック光学系に照射光が入射している短時間の間に当該照射光の眼球Eに対する照射方向の走査を行い、また像側テレセントリック光学系に照射光が入射している短時間の間に当該照射光の眼球Eに対する照射方向の走査を行う。
具体的には光学ユニット制御部210は、物体側テレセントリック光学系に照射光が入射している短時間の間には光軸に垂直な平面をx−y平面とすると、光軸とx−y平面との交点を通り当該x−y平面のx軸方向に照射光の照射方向を走査する。これにより制御・処理ユニット200の信号処理部240は、物体側テレセントリック光学系へ照射光が入射している状況において前眼領域の奥行き方向の2次元画像を生成するための前眼領域2次元画像データD1を取得する(ステップS261)。
また光学ユニット制御部210は、像側テレセントリック光学系に照射光が入射している短時間の間には光軸に垂直なx−y平面のx軸方向に照射光の照射方向を走査すると共に、その照射方向をx軸方向への走査が終了する度にy軸方向に所定の幅、順次ずらす操作を行う。これにより制御・処理ユニット200の信号処理部240は、像側テレセントリック光学系へ照射光が入射している状況において後眼領域の3次元画像を生成するための3次元画像データD2を取得する(ステップS262)。
そして画像生成部242は前眼領域2次元画像データD1を用いて前眼領域断層画像Q1を生成する。前眼領域断層画像Q1は眼球Eの垂直方向の断層画像である。また画像生成部242は3次元画像データD2を用いて後眼領域en-face画像Q2を生成する。後眼領域en-face画像Q2は後眼領域の3次元画像データD2を奥行き方向に積算することによって(より詳細には、x―y方向の走査で得られたFFT適用後の各Aラインデータを奥行き方向にわたって積算した値を描画したものである)得られた画像であって、眼球Eの前方から俯瞰した状態を表示する画像である。なお制御・処理ユニット200においてこれら画像を生成する技術がOCT(Optical Coherence Tomography)である。具体的には制御・処理ユニット200は、Fourier-domain(FD)-OCTやSpectral-domain(SD)-OCTの技術を用いてよい。そしてこのような処理により制御・処理ユニット200はモニタ500の表示領域に前眼領域断層画像Q1と後眼領域en-face画像Q2とを表示する(ステップS263)。なお光学ユニット制御部210による光学系の切替や照射方向の走査制御はとても高速なため、光学系の切替によっても各画像Q1,Q2はモニタ500に継続して表示されているようにオペレータは認知することができる。
オペレータは、このように前眼領域断層画像Q1と後眼領域en-face画像Q2とがモニタ500に表示されている状況において、操作レバー164を操作して顎載せ台161や可動ステージ163の位置を設定し、眼球Eの位置を移動させる。これにより前眼領域断層画像Q1の断層画像の位置が変化する。オペレータは眼球Eの前眼領域全体(すなわち、角膜前面から水晶体後面までの領域)が当該前眼領域断層画像Q1の表示領域に表示されるように操作レバー164を前後方向(図25のz軸方向)に操作する。そして、オペレータは、眼球Eの前眼領域全体(すなわち、角膜前面から水晶体後面までの領域)が当該前眼領域断層画像Q1の表示領域に表示されていると判断した状態において、モニタ500に表示されている中心窩検出開始ボタンG20を押下する。するとモニタ500は中心窩検出開始ボタンG20が押下されたことを示す信号を制御・処理ユニット200に出力する。これにより信号処理部240の画像生成部242は眼球Eの後眼領域における黄斑部中心窩Cの検出処理を開始する(ステップS264)。
黄斑部中心窩Cの検出処理において画像生成部242は、まず後眼領域en-face画像Q2の中心位置に中心窩Cを検出するためのマスク画像を表示する。なお後眼領域en-face画像Q2の中心位置は物体側テレセントリック光学系と像側テレセントリック光学系の2つの光学系で共有する最も眼球Eに近い位置に設置されているレンズから眼球へ照射される照射光の光軸に一致するように光学ユニット100を構成する構造が設計されている。また当該マスク画像は例えば中心窩Cの標準サイズの画素範囲の画像であって、中心窩Cとその外側の黄斑部とが画素値によって区分けできるエッジに関する情報を保持する画像の情報である。そしてこのようなマスク画像が後眼領域en-face画像Q2の中心位置に表示されている状態において、オペレータは後眼領域en-face画像Q2に実際に写る中心窩領域とマスク画像とが重なるように操作レバー164を上下左右方向(図25のy軸及びx軸方向)に操作して顎載せ台161の位置を調整する。画像生成部242は中心窩検出開始ボタンG20が押下されたことを示す信号を入力後、マスク画像とそのマスク画像の範囲に一致する後眼領域en-face画像Q2の領域との相関値を算出し、当該相関値が閾値以上になったかどうか(画像Q2の中心に中心窩Cが一致したか)を判定する(ステップS265)。そして画像生成部242は相関値が閾値以上になった場合には、マスク画像の位置と中心窩Cの位置が合うことによって後眼領域en-face画像Q2の中心に中心窩Cが一致したと判定する。
すると画像生成部242は、その中心窩一致タイミングにおける前眼領域2次元画像データD1をメモリに記録する。また画像生成部242は直ちに光学ユニット制御部210に像側テレセントリック光学系への照射光の入射の切り替えを要求し、当該中心窩一致タイミングにおいて、光軸とx−y平面との交点を通り当該x−y平面のx軸方向に照射方向が走査されたことに基づく後眼領域奥行き方向の2次元画像を生成するための後眼領域2次元画像データD3を取得し、メモリに記録する(ステップS266)。当該切り替えは走査ミラーを走査するだけで完了するため短時間で行われる。そして画像生成部242は、中心窩一致タイミングにおいて取得した前眼領域2次元画像データD1から前眼領域断層画像Q1を生成し、そのタイミングにおいて取得した後眼領域2次元画像データD3から後眼領域断層画像Q3を生成する。そして出力部250が、当該タイミングにおいて取得した各データに基づく前眼領域断層画像Q1と後眼領域断層画像Q3とをモニタ500の所定表示領域に出力する(ステップS267)。そして画像生成部242はそれら画像Q1,Q3の生成に用いた前眼領域2次元画像データD1と後眼領域2次元画像データD3とを用いて眼軸長を算出するよう眼軸長算出部243へ指示する。
眼軸長算出部243は中心窩一致タイミングにメモリに記録された前眼領域2次元画像データD1と後眼領域2次元画像データD3とを読み取る。当該画像データD1,D3は眼球Eの奥行き方向(z軸方向)における反射信号強度Pの分布を示す情報が含まれている。図27においてグラフk1は前眼領域2次元画像データD1によって表される眼球Eのz軸方向の距離と反射信号強度Pとの関係を示すものである。当該グラフk1において最もz軸方向の距離が浅い位置で高く表れている反射信号強度Pz1は前眼領域における角膜前面の検出信号を示している。また図27においてグラフk3は後眼領域2次元画像データD3によって表される眼球Eのz軸方向の距離と反射信号強度Pとの関係を示すものである。当該グラフk3において反射信号強度Pz2は後眼領域における黄斑部中心窩Cの検出信号を示している。グラフk3の原点と後眼領域2次元画像データD3が示す画像の原点とを重ねたときに、後眼領域2次元画像データD3が示す画像のx軸方向の中心位置を通るz軸に平行な線(x方向中心線)を通り、当該画像において輝度値がz軸方向に初めて所定の値以上となった画素のz軸方向の位置(z2)を特定する。そして当該z2における反射信号強度Pz2が後眼領域における黄斑部中心窩Cの検出信号を示している。
そして眼軸長算出部243は中心窩一致タイミングにおいて取得された前眼領域2次元画像データD1から、上述の反射信号強度Pz1が検出された眼球Eの奥行きz1を検出し、当該z1の値をL21と設定する。また眼軸長算出部243は中心窩一致タイミングにおいて取得された後眼領域2次元画像データD3から、上述の反射信号強度Pz2が検出された眼球Eの奥行きz2を検出し、当該値をL23と設定する。そして眼軸長算出部243は上述の式(1)を用いて、
L22=L12−L21+L23=L12−z1+z2
により視軸長L22を算出する(ステップS268)。出力部250は算出された視軸長L22の値をモニタ500に表示するようにしてもよい。当該視軸長L22は物体側テレセントリック光学系と像側テレセントリック光学系の2つの光学系で共有する最も眼球Eに近い位置に設置されているレンズから眼球へ照射される照射光の光軸に一致する光の眼球角膜に達した位置から中心窩Cまでの距離である。この距離は眼球角膜中心と水晶体中心とを結ぶ眼球軸上における眼球角膜前面の中心から網膜に達するまでの眼球軸の軸長とは異なる。
図28は眼球の断面構造を示す図である。
図28において視軸は中心窩Cを通る軸である。上述の処理においては図28における視軸での角膜前面から中心窩Cまでの距離を算出することができる。この距離は眼球の解剖学的な中心軸である眼球軸上における角膜前面から網膜までの長さとは異なる。
なお式(1)におけるL12は上述したように前眼領域計測モードにおけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光路長と、後眼領域計測モードにおけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光路長とを用いてそれらの光路長の差である。この差L12は予め光学ユニット100の装置をオペレータが設定する際に決定される値であってもよい。また当該L12の値は、前眼領域計測モード(物体側テレセントリック光学系への切り替え時)におけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光路長と、後眼領域計測モードにおける(像側テレセントリック光学系への切り替え時)におけるコリメータレンズ301からダイクロイックミラー319までの光路長との差を光学ユニット100を制御する光学ユニット制御部210が自動計算してもよい。そして上述のような眼軸長算出部243による視軸長L22の算出により、黄斑部中心窩Cを通る視線が光軸に一致している際の後眼領域の奥行き方向の2次元画像と、そのタイミングでの前眼領域の奥行き方向の2次元画像とを撮影することができる。
また上述の処理によれば前眼領域の測定時と後眼領域の測定時の測定軸が同一であるため、正確に眼球の各部位の位置関係を統合した情報を、中心窩一致タイミングにおいて撮影した2次元画像から得ることができる。網膜の中心窩Cに入る光、すなわち患者が中心で見ている固視灯の光が、角膜のどの部位を通るかを確認してその眼球の静止位置での眼球各部位の眼球生体内位置の計測を行うことができる。これは従来の検査装置ではできないことであり、また従来のどの部位を測っているかを客観的に評価できない検査結果に比べ、検査数値の高精度が期待できる。
例えば角膜に怪我をした既往があり、角膜の中心付近に混濁・瘢痕があるという症例の白内障手術を考える。従来の装置では患者がぼんやり真ん中を見ているという条件で、各部位の測定を行う。このような患者では怪我をして濁った角膜の部位は変形し、曲率も変化していることが多い。この変化を従来の方法では区別できないため、測定した値は変形した部分を含めた信頼のできない数値となってしまう。一方、本願の眼球計測装置では、照射光がしっかり網膜の中心窩Cに入っていることを確認できる。その上で角膜の混濁・瘢痕がある部位も認識できるため、その部位を避けてクリアーな(実際の患者がもっとも使うであろう部位の)角膜の測定値を得ることができる。これらを元に挿入する眼内レンズの度数を算出すれば、より患者の臨床像にあったレンズを選ぶことができ、術後視力の向上につなげることができる。
なお、光学ユニット制御部210や信号処理部240の機能の一部または全部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することで各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1…眼球計測装置
100…光学ユニット
110…光源装置
120…干渉計
121、132、141、151…光カプラ
131、401、412、417…偏光調整器
161…顎載せ台
162…額当て
163…可動ステージ
164…操作レバー
190…光検出器
200…制御・処理ユニット
210…光学ユニット制御部
220…アンプ
230…A/Dコンバータ
240…信号処理部
241…距離情報取得部
242…画像生成部
243…眼軸長算出部
250…出力部
300…照射光路側プローブ部
301、342、344、402、413、418…コリメータレンズ
302、308、311、317、331、351、354、357、361…可動ミラー
303、332、343、403、414、419…分散補償プリズム
304、306、307、312、314、315、316、333、335、336、337、352、353、358、360、363、365、405、416、421…固定ミラー
305、334…移動ステージ
L1、L2、L3、310、313、318、356、359、362、404、415、420…レンズ
319…ダイクロイックミラー
309、355…ガルバノミラー
341、346、411…光スイッチ
345…距離調整用ファイバ
364…焦点可変レンズ
400…参照光路側プローブ部
500…モニタ

Claims (11)

  1. 光を出力する光出力部と、
    前記光を、対象物である眼球に照射する照射光と、前記照射光の経路とは異なる経路であって前記照射光の経路と距離の等しい経路へ出力する参照光とに分岐する分岐部と、
    前記眼球に入射した前記照射光の反射光と前記参照光とを干渉させた干渉光を受光する受光部と、
    光学系において配置されたレンズのうち計測対象である眼球に最も近い位置の共用のレンズに入射する前記照射光が当該レンズの幅方向に走査されるよう前記照射光の光線方向を変更する走査部と、
    前記眼球に最も近い位置の共用のレンズを通って前記眼球に対して照射する前記照射光であって前記走査によって前記眼球に最も近い位置の共用のレンズの異なる位置に入射した後に前記眼球側に出力される前記照射光の光線それぞれが、前記眼球に最も近い位置の共用のレンズと前記眼球の間の空間上で光軸と平行となる物体側テレセントリック光学系と、
    前記走査による前記照射光の光線それぞれが光軸と平行となって前記眼球に最も近い位置の共用のレンズの異なる位置に入射し当該レンズを通って前記眼球に対して照射される前記照射光の光線それぞれが前記眼球の瞳孔位置に入射する像側テレセントリック光学系と、
    前記物体側テレセントリック光学系への前記照射光の入射と前記像側テレセントリック光学系への前記照射光の入射とを切り替える光学系切替部と、
    を備えることを特徴とする眼球計測装置。
  2. 前記物体側テレセントリック光学系は前記共用のレンズを含む奇数個のレンズが光軸上に配置され、
    前記像側テレセントリック光学系は前記共用のレンズを含む偶数個のレンズが光軸上に配置され、
    前記物体側テレセントリック光学系と前記像側テレセントリック光学系とにおける前記眼球に最も近い位置の共用のレンズと当該各光学系におけるその他の共用のレンズとを備え、
    前記光学系切替部は、前記物体側テレセントリック光学系及び前記像側テレセントリック光学系を構成する前記共用のレンズと、当該共用のレンズ以外のレンズとを、前記照射光が通過するよう当該照射光の方向を切り替えることにより、前記物体側テレセントリック光学系への前記照射光の入射と前記像側テレセントリック光学系への前記照射光の入射とを切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼球計測装置。
  3. 前記眼球に最も近い位置の共用のレンズは、前記物体側テレセントリック光学系を構成するレンズとなる場合において当該レンズを通過する前記照射光の焦点が前記眼球の前眼領域の所定位置に合う位置に配置されており、
    前記物体側テレセントリック光学系及び前記像側テレセントリック光学系を構成する各レンズは、前記照射光の光源側から順に隣り合って配置されている各レンズの前記光源側の一方のレンズの後側焦点距離が示す位置と他方のレンズの前側焦点距離が示す位置とが一致するようそれら各レンズが配置されるとともに、照射光の光線方向を変更するための走査部を構成する走査ミラー鏡面の走査前後における3次元空間内不変動位置が物体側テレセントリック光学系における光軸上に一致するように走査ミラーが配置されるとともに、照射光の光線方向を変更するための走査部を構成する走査ミラー鏡面の走査前後における3次元空間内不変動位置が像側テレセントリック光学系における光軸上に一致するように走査ミラーが配置されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の眼球計測装置。
  4. 前記受光部の受光した干渉光に基づいて情報処理を行う情報処理装置を備え、
    当該情報処理装置は前記受光部の受光した前記干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布に基づいて前記眼球における所定範囲の長さを算出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の眼球計測装置。
  5. 前記情報処理装置は、
    前記像側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替えられた際に前記受光部の受光した干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布から後眼領域における黄斑部中心窩を特定し、当該黄斑部中心窩の特定した時点における前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布を記憶し、その直後に前記物体側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替える要求を出力し、その結果、前記物体側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替えられた際の前記受光部の受光した干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布を記憶し、それら各光学系について記憶した反射光強度分布に基づいて前記眼球の角膜前面から前記黄斑部中心窩までの長さを算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼球計測装置。
  6. 前記受光部の受光した干渉光に基づいて情報処理を行う情報処理装置を備え、
    当該情報処理装置は前記走査部が変更した前記照射光の光線方向毎に前記受光部の受光した前記干渉光に基づく眼球の奥行き方向の反射光強度分布を取得し、当該反射光強度分布に基づいて前記眼球の画像を生成する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の眼球計測装置。
  7. 前記情報処理装置は、前記光学系切替部が前記物体側テレセントリック光学系を構成する各レンズへ前記照射光が入射されるよう切り替えた場合の前記眼球の画像と、前記光学系切替部が前記像側テレセントリック光学系を構成するレンズへ前記照射光が入射されるよう切り替えた場合の前記眼球の画像を繋ぎ合わせた画像を生成する
    ことを特徴とする請求項6に記載の眼球計測装置。
  8. 前記レンズは焦点固定レンズであることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の眼球計測装置。
  9. 光出力部が光を出力し、
    分岐部が、前記光を、対象物である眼球に照射する照射光と、前記照射光の経路とは異なる経路であって前記照射光の経路と距離の等しい経路へ出力する参照光とに分岐し、
    受光部が、前記眼球に入射した前記照射光の反射光と前記参照光とを干渉させた干渉光を受光し、
    走査部が、光学系において配置されたレンズのうち計測対象である眼球に最も近い位置の共用のレンズに入射する前記照射光が当該レンズの幅方向に走査されるよう前記照射光の光線方向を変更し、
    光学系切替部が、前記眼球に最も近い位置の共用のレンズを通って前記眼球に対して照射する前記照射光であって前記走査によって前記眼球に最も近い位置の共用のレンズの異なる位置に入射した後に前記眼球側に出力される前記照射光の光線それぞれが前記眼球に最も近い位置の共用のレンズと前記眼球の間の空間上で光軸と平行となる物体側テレセントリック光学系と、前記走査による前記照射光の光線それぞれが光軸と平行となって前記眼球に最も近い位置の共用のレンズの異なる位置に入射し当該レンズを通って前記眼球に対して照射される前記照射光の光線それぞれが前記眼球の瞳孔位置に入射する像側テレセントリック光学系と、の各光学系のうちの、前記物体側テレセントリック光学系への前記照射光の入射と前記像側テレセントリック光学系への前記照射光の入射とを切り替える
    ことを特徴とする眼球計測方法。
  10. 情報処理装置が前記受光部の受光した干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布に基づいて前記眼球における所定範囲の長さを算出する
    ことを特徴とする請求項9に記載の眼球計測方法。
  11. 前記情報処理装置は、
    前記像側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替えられた際に前記受光部の受光した干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布から後眼領域における黄斑部中心窩を特定し、当該黄斑部中心窩の特定した時点における前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布を記憶し、その直後に前記物体側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替える要求を出力し、その結果、前記物体側テレセントリック光学系へ前記照射光が入射するよう切り替えられた際の前記受光部の受光した干渉光に基づく前記眼球の奥行き方向の反射光強度分布を記憶し、それら各光学系について記憶した反射光強度分布に基づいて前記眼球の角膜前面から前記黄斑部中心窩までの長さを算出する
    ことを特徴とする請求項10に記載の眼球計測方法。
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