JP2016028137A - 液体燃料用水分吸着フィルター - Google Patents

液体燃料用水分吸着フィルター Download PDF

Info

Publication number
JP2016028137A
JP2016028137A JP2015137017A JP2015137017A JP2016028137A JP 2016028137 A JP2016028137 A JP 2016028137A JP 2015137017 A JP2015137017 A JP 2015137017A JP 2015137017 A JP2015137017 A JP 2015137017A JP 2016028137 A JP2016028137 A JP 2016028137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
liquid fuel
fiber
absorbing
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015137017A
Other languages
English (en)
Inventor
前田 敦則
Atsunori Maeda
敦則 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2015137017A priority Critical patent/JP2016028137A/ja
Publication of JP2016028137A publication Critical patent/JP2016028137A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、ガソリンスタンド等に設けられた貯蔵タンクからガソリンなどの液体燃料を取り出す際に、液体燃料に含まれる水分を吸着するための液体燃料用水分吸着フィルターを提供する。【解決手段】本発明のフィルターは、貯蔵タンクから取り出した液体燃料を燃料用タンクへ給油する時に、液体燃料を一度通過させて水分を除去するための水分吸着フィルターであって、吸水量が100〜400グラム/グラムの吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層を含有すことを特徴とする液体燃料用水分吸着フィルターである。【選択図】なし

Description

本発明は、ガソリン、軽油、重油等の液体燃料において、貯蔵タンク及び給油配管内で液体燃料中に混入した水分を、給油中に水分を除去する水分吸着フィルターに関する。
ガソリン等の液体燃料は通常タンク内に保管されるが、水分の混入は避けられない。水分の混入経路としては、結露した大気中の水分や雨天時の貯蔵タンクへの給油などが考えられるが、いずれにしても水の侵入を完全に防止することはできない。
貯蔵タンクに保管された水分を含む液体燃料は、例えばガソリンでは自動車のガソリンタンクへ給油されることになる。ガソリン中に混入した水分が、ガソリンと共溶しているときは大きな問題はないが、水分量がある程度大きくなると2層に分離し、水分がタンク底部に沈降する。このような状態となると、タンク内や燃料のパイプなどに腐食が生じ、腐食生成物によるフィルターの汚染、不完全燃焼、エンジントラブル等を招く心配がある。
そこで従来から、一般に水抜き剤と言われる液体燃料用水分除去剤が、ガソリンスタンドなどで販売されている。特許文献1には層分離したガソリン−水系に共溶媒を加えて両者を相溶させてガソリンと共に水を燃焼させる水抜き剤が開示されているが、ガソリンと共に燃焼させるためにエンジンが故障する原因となりうることが懸念されていた。
又、特許文献2には燃料タンク下部にその比重の違いにより分離沈降した水分を選択的に透過させて分離する分離膜を設けた水分分離装置が開示されているが、タンクの構造を大幅に改造した燃料供給装置が必要であった。
特開平5−230476公報 特開2008−138114公報
本発明は上記の課題を解決するものであり、大掛かりな装置を必要とすることなく、給油中に一度フィルターを通過させるだけで液体燃料中の水分を吸着・除去すること、さらに大量の水が流入した場合には遮断する機能をも有することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、液体燃料を給油中に吸水量が100〜400グラム/グラムの吸水性繊維を含有する繊維集合体を用いた液体燃料用水分吸着フィルターを一度通過させるだけで、液体燃料中の水分を除去できること、さらには大量の水が流入した場合には遮断できることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(8)の構成を有するものである。
(1)貯蔵タンクから取り出した液体燃料を燃料用タンクへ給油する時に、液体燃料を一度通過させて水分を除去するための水分吸着フィルターであって、吸水量が100〜400グラム/グラムの吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層を含有すことを特徴とする液体燃料用水分吸着フィルター、(2)吸水性繊維がポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維及び/又はポリアクリル酸ナトリウム塩型吸水性繊維からなることを特徴する請求項1に記載の液体燃料用水分吸着フィルター、(3)繊維集合体が、吸水性繊維以外の繊維を繊維集合体全重量に対して50重量%以下で含有した不織布であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の液体燃料用水分吸着フィルター、(4)吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層が、ポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層と、ポリアクリル酸ナトリウム塩型吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層とを含む積層体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の液体燃料用水分吸着フィルター、(5)吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層の少なくとも片面に吸水性繊維を含まない不織布が積層されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の液体燃料用水分吸着フィルター、(6吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層が該吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層に対して接着性を有する層を直接接触して積層されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体燃料用水分吸着フィルター、(7)液体燃料が、ガソリン、灯油、軽油、又は重油であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体燃料用水分吸着フィルター、(8)液体燃料用水分吸着フィルターが、ガソリンスタンドで貯蔵タンクより車両に給油するガソリン給油機内でガソリン中の水分を吸着することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の液体燃料用水分吸着フィルターである。
本発明は、ガソリン、軽油、重油等の液体燃料を貯蔵タンク及び給油配管内で液体燃料中に混入した水分を給油中に水分を除去する水分吸着フィルターであり、大掛かりな設備を必要とすることなしにフィルター中を一度通過させることで水分除去を可能とするものである。又、大量の水が流入した場合には遮断することも可能となる。
本発明の液体燃料用水分吸着フィルターは貯蔵タンクから取り出した液体燃料を車両等の燃料用タンクへ給油する時に、液体燃料を一度通過させて水分を除去する水分吸着フィルターである。具体的にはガソリンスタンドで用いられ、ガソリンスタンドに設けられた貯蔵タンクからガソリンを給油する給油機内に好ましく使用できる。
本発明に用いる繊維集合体とは、繊維から加工して得られる繊維集合体である。例えば、織物、編物、繊維塊、繊維成形体、不織布などである。
本発明に用いる液体燃料用水分吸着フィルターは吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層を含有する。本発明のフィルターは吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層を含有させることで液体燃料を一度通過させるだけで水分吸着を容易に行うことができるものである。
本発明に用いる吸水性繊維は吸水量が50〜500グラム/グラム、好ましく100〜400グラム/グラムの吸水性繊維である。好ましい吸水性繊維としては、吸水量の面よりポポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維やアクリル酸ナトリウム塩型吸水性繊維などが挙げられる。
本発明に用いるポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維は、アクリルニトリル系繊維をアルカリ水溶液中に浸漬・加熱し、次いで該繊維の中の残留アルカリを水洗除去した後に中和処理を行い乾燥させることで、吸水性繊維がポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維を製造することができる。又、ポリアクリロニトリル系ポリマーを得るために共重合するモノマーとしてはアクリル酸、アクリル酸メチル、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。
本発明に用いるアクリル酸ナトリウム塩型吸水性繊維は、アクリル酸とカルボン酸基と反応する官能基を持つビニルモノマーとの共重合体を製造し、カルボン酸をナトリウム塩化することで製造できる。市販品としては、帝人(株)製のベルオアシス(商標名)などが挙げられる。
繊維集合体は、モノフィラメント、マルチフィラメント、又はフィルムヤーンなどのフィラメント、あるいは、撚糸、紡績糸、織物、編物、不織布、又は抄造紙などの繊維から構成されるものであってよい。
繊維集合体に用いる繊維としては、吸水性繊維単独でも良いが、吸水時の形態保持の面から吸水繊維以外の繊維を含有しても良い。吸水性繊維以外の繊維を含有する場合は、繊維集合体全重量に対して3〜50重量%含有することが好ましく、さらに好ましくは5〜30重量%である。含有率が50重量%を超えると水分吸着能力が低下するので好ましくない。
吸水性繊維以外の繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミドなどの合成高分子材料の中から選択して用いることができる。又、コットン、シルク、ウール、麻、パルプなどの天然繊維、又はレーヨン、キュプラなどの再生繊維を用いてもよい。
本発明の繊維集合体は、シート又は成形体として液体燃料用水分吸着フィルターに用いることができる。
吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層の少なくとも片面に吸水性繊維を含まない不織布が積層されていても良い。吸水性繊維を含まないシート状不織布を積層して表層とすることで、吸水性繊維の毛羽立ちや吸水性繊維の脱落を防止することができる。又、吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層が該吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層に対して接着性を有する層を直接接触して積層されていることが好ましい。吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層を積層することで、吸水性繊維の脱落をさらに低下させることができる。接着層としては、熱接着不織布や接着剤をコートする方法などが挙げられるが、積層した後に加熱・接着できる熱接着不織布が好ましい。
吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層の製造方法としては、吸水性繊維単独又は吸水性繊維を50重量%以上含む不織布を公知の方法で不織布を製造すれば良い。さらに表層を設ける場合は、吸水性繊維を含まないシート状不織布を吸水性繊維含有シート状不織布に積層した後に、ニードルパンチ法、サーマルボンド法やケミカルボンド法などで処理することによって多層シートを製造することができる。
吸水性繊維を含有しない繊維集合体からなる層としては、シート状の不織布が好ましい。吸水性繊維を含有しない繊維集合体に使用する繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミドなどの合成高分子材料の中から、少なくとも一つ以上を選択して用いることができる。或いは、コットン、シルク、ウール、麻、パルプなどの天然繊維、又はレーヨン、キュプラなどの再生繊維を用いても良い。
吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層は、吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層は二種類以上の層を含有していても良い。具体的にはポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層と、ポリアクリル酸ナトリウム塩型吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層とを含む積層体が挙げられる。
本発明の水分吸着フィルターは液体燃料の水分除去に使用できる。本発明の液体燃料とは、ガソリン、灯油、軽油、や重油であり、ガソリンスタンド等の給油機で給油可能なものである。
本発明の液体燃料用水分吸着フィルターが、ガソリンスタンドで貯蔵タンクより車両に給油するガソリン給油機内でガソリン中の水分を吸着するためのフィルターであり、液体燃料の水分除去及び大量の水が大量の水が流入した場合には遮断することも可能とするものである。
吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層を不織布とする場合、不織布としては、熱接着型不織布、エアスルー不織布、ケミカルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、エアレイ不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布などの接着型不織布が好ましいが、繊維間が接着されていないウェブであってよい。
吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層は、繊維集合物を構成する繊維同士が互いに接着されてなることが好ましい。繊維同士が互いに接着されることで、繊維が脱落しにくいフィルターとなる。繊維同士をお互いに接着する方法としては、熱接着性繊維を含むことが好ましい。熱接着性繊維は、繊維の表面の少なくとも一部に熱加工時の熱処理温度で溶融又は軟化する樹脂成分が構成された繊維である。例えば、鞘成分に低融点樹脂、芯成分が高融点樹脂である芯鞘構造の複合繊維が挙げられる。繊維同士を接着することで、繊維の脱落防止と液体燃料への耐性向上が可能となる。
吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層は、フィルターの径方向に粗密構造や非対称構造を有してよい。フィルターの内側から外側に向かって液体燃料を流す場合には、フィルターの内周から外周へ空隙率を段階的に又は連続的に小さくするとよい。あるいは、フィルターの外側から内側に向かって液体燃料を流す場合には、フィルターの内周から外周へ空隙率を段階的に又は連続的に大きくするとよい。
本発明に用いるフィルターの形状は、平面化したシート状、シートを筒状に巻回された形状、ハニカム構造などが考えられる。形状がシート状フィルターある場合、一枚のシート状であっても良いが、筒状に巻回された形状でも良い。一枚のシート状フィルターとして用いる場合は、平らな形状でも良いが、吸着面積を増やすためにジグザグに折り曲げたシートが好ましい。又、フィルターの強度を持たせるためにはハニカム構造としても良い。得られたシートは、ケーシング等のフィルター用容器に配置して使用される。
本発明の水吸着フィルターは成形体であっても良い。成形体を製造する方法としては、吸水性繊維と熱接着繊維とからなる未熱接着のシート状不織布を金型を用いて加圧・成形することによって所望の形状に賦形することができる。又、綿状の吸水性繊維を用いて必要により熱接着繊維を混合して金型を用いて加圧・成形することによって所望の形状に賦形することもできる。したがって、成形体の場合には、シート状と比較して形態安定性に優れるために、複雑な形状に加工することができる。
又、本発明の水吸着フィルターは、糸巻きタイプのフィルターであっても良い。例えば、ステンレスの円筒状心材に吸水性繊維を混紡した吸水性繊維含有の紡績糸を巻きつけた糸巻きタイプのフィルターを使用することができる。又、帯状の不織布を巻きつけても良い。
本発明の水吸着フィルターに用いる繊維集合体は、繊度が1〜100dtexの繊維を50質量%以上含むことが好ましい。さらに好ましくは、2〜10dtexを50質量%以上含むフィルターである。使用する繊維の繊度を2〜10dtexとすることで、液体燃料中の水分吸着、大量の水が流れた場合の止水、通液性、更には液体燃料に混入した錆や塗装片などの固体不純物をも分離することが可能となる。
本発明の水吸着フィルターに用いる繊維集合体を構成する吸水性繊維以外の繊維は、特に限定されず、単一繊維であっても良いが、芯鞘型複合繊維、海島型複合繊維、並列型複合繊維、分割型複合繊維などの複合繊維を用いることができる。また、繊維集合体を構成する繊維の断面は、円形であって良いが、三角形等の多角形、星形等の異形断面であってもよい。また、繊維の一部分又は全部分がフィブリル化されていてもよい。
また、熱接着時の収縮が抑える観点から、熱接着性複合繊維は、単繊維乾熱収縮率が20%以下であることが好ましい。
次に、本発明の液体燃料用水分吸着用フィルターの製造方法の一例を以下にて説明する。まず、繊度が1〜100dtexの吸水性繊維を用意する。続いて、上記の吸水性繊維に、必要に応じて他の繊維を混綿して、カード機またはエアレイド機で開繊された繊維ウェブ、又は一旦ロール状に巻回された不織布を製造する。このとき、他のシート等を積層してよい。また、必要に応じて、繊維集合物にニードルパンチ処理等の二次的加工を施してもよい。
次いで、得られたシート状不織布を送り出して巻芯に巻き取る。このとき、繊維集合体に熱接着性繊維を含有している場合には熱処理機にて加熱して、繊維の一部を溶融させて繊維同士及び繊維集合物の各層間を熱接着させながら巻芯に巻き取ることができる。更に、必要に応じて、巻き取られた繊維集合体を冷却し、筒状に巻回された筒状体やジクザグ状に折り曲げたなど平面状のフィルターを得ることができる。又、巻き芯に巻き取ったシートを加圧・成形することによって金型を用いて所望の形状に賦形しても良い。
このようにして得られたフィルター用繊維集合体の密度は、所定の濾過精度に合わせて適宜設定され、密度0.05〜1.00g/cm3の範囲内にあることが好ましい。さらに好ましくは、密度0.10〜0.30g/cm3の範囲である。密度の範囲が0.05〜1.00g/cm3の範囲から外れた場合、水分除去の効率が悪く、好ましくない。また、空隙率で設計する場合には、所定の濾過精度に合わせて適宜設定され、30〜85%の範囲内にあることが好ましい。
本発明の液体燃料用水分吸着フィルターは、フィルターの型くずれを防ぐためにケーシング内に水分吸着フィルターが収納されていることが好ましい。ケーシングとしては、液体燃料に対する耐油性に優れる材質を使うことが好ましい。
ケーシングを用いる場合は、その側面に開孔部を有することが好ましい。ケーシングの側面に開孔部があると、液体燃料を燃料用除塵フィルターユニットの内側から流入して、外側へ流出させることができ、その結果、燃料用除塵フィルターユニットの内側に錆や塗料片などの混入物を蓄積させることができる。
本発明の水吸着フィルターは液体燃料給油機に用いることができ、ガソリンスタンドで車両に給油する液体燃料を濾過するための水吸着ユニットに用いるフィルターであって、貯蔵タンクから取り出した液体燃料に含まれる水分を吸着・除去するために用いられる。なお、本発明でいう車両とは、ガソリンなどの液体燃料を動力源にして駆動する車をいう。例えば、自動車や自動二輪車である。
ガソリンスタンドにおいて貯蔵タンクが地下に埋設されている場合、ガソリン等の液体燃料はポンプによって引き上げられ、計量機能を有する給油機内に流入され、その後に車両等に搭載されたタンクに供給される。本発明の給油機用水分吸着フィルターは、貯蔵タンクから取り出した液体燃料中に含まれる水分が車両用ガソリンタンク等のタンクに流れ込まないようにするために用いられる。したがって、液体燃料給油機用水分吸着フィルターとして用いる場合は、貯蔵タンクから車両等に搭載されたタンクへの流路の間に設けられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中の部数は重量部を表わす。なお、実施例中の特性値の評価は以下の方法に依った。
[耐油性(目視フィルター形状判定)]
シート状に作成したフィルターを用いて目視フィルター形状判定により耐油性の評価を行った。フィルターの外径(mm)、内径(mm)、および長さ(mm)を測長し、円筒状のガラス容器に試料を入れ、試料が完全に浸る様にレギュラーガソリンをそれぞれ注ぎ入れた。25℃の温度で24時間浸漬後に試料を取り出し、以下の判断基準で評価した。
○ : フィルター形状に変化なし
△ : フィルターの一部に形状の変化あり
× : フィルターが膨潤し、全体の形状に変化あり
[液体燃料中の水分除去率]
水を0.3質量%添加したレギュラーガソリンを準備した。準備したレギュラーガソリンを均一に攪拌しながらケーシング中に配置したフィルターの中空部から外側に向かって40リットル/分の流量でフィルターを通過させて、得られたレギュラーガソリン中の水分量で評価した。
[吸水性繊維の吸水量]
吸水性繊維の吸水量をTバック法で測定した。10cm×20cmのナイロンメッシュ製ティーバッグに高吸水性ポリマー組成物約1gを入れ、これを1リットルのビーカーに入れた純水中に1時間浸漬し、15分間水切りをした後、次式によってポリマーの自重に対する吸水量を求めた。
吸水量(g/g)=(浸漬後の全体重量(g)−浸漬後のティーバッグ重量(g))/(浸漬前の高吸水性ポリマー組成物の重量(g))
(実施例1)
(繊維Aの製造)
吸水性繊維がポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維は、88%のアクリロニトリル(AN)及び12%のアクリル酸メチル(MA)よりなるアクリルニトリル系繊維(短繊維繊度3d、繊維長45mm)を30%苛性ソーダ水溶液中に浸漬し、攪拌下に10分間煮沸し、次いで該繊維の残留アルカリを水洗除去した後に乾燥させ、吸水性繊維がポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維Aを得た。得られた吸水性繊維は2.9mmol/gのナトリウム塩型カルボン酸塩を含有し、吸水量は254グラム/グラムであった。
(フィルターの作製)
次いで、100質量%の前記吸水性繊維Aを準備し、パラレルカード機を用いて開繊して、目付400g/m2の吸水性繊維ウェブを作製した。次に、吸水性繊維を含まない目付20g/m2のポリブチレンテレフタレート繊維(東洋紡(株)製)ウェブを準備した。吸水性繊維Aの両面に親水性繊維を含まない繊維ウェブを積層した後にニードルパンチ処理を行い、多層不織布フィルター用シートを得た。得られたフィルター用シートを所定のサイズにカットし、平面状の水分吸着フィルターを得た。
得られたフィルターを用いて、耐油性(目視フィルター形状判定)及び液体燃料中の水分除去率の評価を行った。耐油性は○であり、水分除去率は99%であった。
(実施例2)
実施例1において吸水性繊維Aが100質量%であった繊維の構成をレーヨンが30質量%含有する繊維を用いて実施例1と同様にして多層不織布フィルター用シートを得た。得られたフィルター用シートを所定のサイズにカットし、平面状の水分吸着フィルターを得た。
得られたフィルターを用いて、耐油性(目視フィルター形状判定)及び液体燃料中の水分除去率の評価を行った。耐油性は○であり、水分除去率は99%であった。
(比較例1)
実施例1において吸水性繊維Aを400g/m2のポリブチレンテレフタレート繊維(東洋紡(株)製)に変更して実施例1と同様にして多層不織布フィルター用シートを得た。得られたフィルター用シートを所定のサイズにカットし、平面化状の水分吸着フィルターを得た。
得られたフィルターを用いて、耐油性(目視フィルター形状判定)及び液体燃料中の水分除去率の評価を行った。耐油性は○であったが、水分除去率は0%であり、水分吸着がまったくできなかった。
(実施例3)
(繊維Bの製造)
吸水性繊維がポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維は、85%のアクリロニトリル(AN)及び15%のアクリル酸メチル(MA)よりなるアクリルニトリル系繊維(短繊維繊度3d、繊維長45mm)を20%苛性ソーダ水溶液中に浸漬し、攪拌下に15分間煮沸し、次いで該繊維の残留アルカリを水洗除去した後に乾燥させ、吸水性繊維がポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維Aを得た。得られた吸水性繊維は4.1mmol/gのナトリウム塩型カルボン酸塩を含有し、吸水量は361グラム/グラムであった。
(フィルターの作製)
次いで、実施例1と同様にして100質量%の前記吸水性繊維Cを準備し、パラレルカード機を用いて開繊して、目付400g/m2の吸水性繊維ウェブを作製した。次に、吸水性繊維を含まない目付20g/m2のポリブチレンテレフタレート繊維(東洋紡(株)製)ウェブを準備した。吸水性繊維Aの両面に親水性繊維を含まない繊維ウェブを積層した後にニードルパンチ処理を行い、多層不織布フィルター用シートを得た。得られたフィルター用シートを所定のサイズにカットし、平面状の水分吸着フィルターを得た。
得られたフィルターを用いて、耐油性(目視フィルター形状判定)及び液体燃料中の水分除去率の評価を行った。耐油性は○であり、水分除去率は99%であった。
実施例1〜3のフィルターは、優れた耐油性と水分除去率を示した。これに対して、比較例1のフィルターは十分な耐油性であったが、吸水性繊維を用いていないため、水分を除去することができなかった。
本発明のフィルターは、貯蔵タンクから取り出した液体燃料を燃料用タンクへ給油する時に液体燃料を一度通過させることで液体燃料中の水分を吸着除去するための水分吸着フィルターであり、ガソリンスタンド等の吸油設備に設置することができる。

Claims (8)

  1. 貯蔵タンクから取り出した液体燃料を燃料用タンクへ給油する時に、液体燃料を一度通過させて水分を除去するための水分吸着フィルターであって、吸水量が100〜400グラム/グラムの吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層を含有すことを特徴とする液体燃料用水分吸着フィルター。
  2. 吸水性繊維がポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維及び/又はポリアクリル酸ナトリウム塩型吸水性繊維からなることを特徴する請求項1に記載の液体燃料用水分吸着フィルター。
  3. 吸水性繊維を含有する繊維集合体が、吸水性繊維以外の繊維を繊維集合体全重量に対して50重量%以下で含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体燃料用水分吸着フィルター。
  4. 吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層が、ポリアクリロニトリル系ポリマーを芯部とし、親水性樹脂を鞘部とする芯鞘構造の吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層と、ポリアクリル酸ナトリウム塩型吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層とを含む積層体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体燃料用水分吸着フィルター。
  5. 吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層の少なくとも片面に吸水性繊維を含まない不織布が積層されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体燃料用水分吸着フィルター。
  6. 吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層が該吸水性繊維を含有する繊維集合体からなる層に対して接着性を有する層を直接接触して積層されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体燃料用水分吸着フィルター。
  7. 液体燃料が、ガソリン、灯油、軽油、又は重油であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体燃料用水分吸着フィルター。
  8. 液体燃料用水分吸着フィルターが、ガソリンスタンドで貯蔵タンクより車両に給油するガソリン給油機内でガソリン中の水分を吸着することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体燃料用水分吸着フィルター。
JP2015137017A 2014-07-09 2015-07-08 液体燃料用水分吸着フィルター Pending JP2016028137A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015137017A JP2016028137A (ja) 2014-07-09 2015-07-08 液体燃料用水分吸着フィルター

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014141175 2014-07-09
JP2014141175 2014-07-09
JP2015137017A JP2016028137A (ja) 2014-07-09 2015-07-08 液体燃料用水分吸着フィルター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016028137A true JP2016028137A (ja) 2016-02-25

Family

ID=55360668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015137017A Pending JP2016028137A (ja) 2014-07-09 2015-07-08 液体燃料用水分吸着フィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016028137A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5062189A (ja) * 1973-10-03 1975-05-28
JPS5617606A (en) * 1979-07-23 1981-02-19 Japan Exlan Co Ltd Dewatering filter and its production
JP2007045482A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Idemitsu Kosan Co Ltd 燃料油供給装置およびその方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5062189A (ja) * 1973-10-03 1975-05-28
JPS5617606A (en) * 1979-07-23 1981-02-19 Japan Exlan Co Ltd Dewatering filter and its production
JP2007045482A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Idemitsu Kosan Co Ltd 燃料油供給装置およびその方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6158958B2 (ja) フィルター用多層ろ材およびその製造方法およびエアーフィルター
KR100318980B1 (ko) 수착물품
US5503782A (en) Method of making sorbent articles
BRPI0707908B1 (pt) Meio de filtro, elemento compreendendo o meio de filtro, método para filtrar um fluido e método de remover umidade de uma corrente de ar
CN107921337B (zh) 便携式净水袋
US20100006498A1 (en) Multilayer composite nonwoven material, a fluid filter and a method of making the nonwoven material
JP2015140495A (ja) 湿式不織布およびエアフィルター用濾材
JP4882984B2 (ja) エレクトレット濾材およびフィルタユニット
JP2011036763A (ja) エアフィルタ濾材およびその製造方法
JP2010255894A (ja) 加湿エレメントおよびその使用方法
JP2007152216A (ja) フィルター用不織布
KR20170107052A (ko) 배리어 벤트 조립체
JP2016028137A (ja) 液体燃料用水分吸着フィルター
JP4207485B2 (ja) 棒状繊維成形体
JP4164989B2 (ja) フィルターカートリッジ
JP5172781B2 (ja) 極細繊維複合不織布およびその製造方法
JP6884033B2 (ja) 浸漬型濾過カートリッジ用濾材および浸漬型濾過カートリッジ
CN205569915U (zh) 两级一体化复合滤芯的油品循环净化装置
JP2014079731A (ja) バグフィルタろ材
JP2021000605A (ja) 浄水フィルター、浄水カートリッジ及びポット型浄水器
JP6829083B2 (ja) 浸漬型濾過カートリッジ用濾材およびその製造方法および浸漬型濾過カートリッジ
JP2016059903A (ja) カートリッジフィルター
KR100911483B1 (ko) 유흡착용 폴리올레핀계 단섬유 및 이를 이용한 부직포와이의 제조방법
JP3421846B2 (ja) コンクリート又は石材のスラッジを含む懸濁液の濾過方法
JP7035345B2 (ja) フィルター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190305

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190924

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200120

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200519