JP2016025653A - 通信システムおよび通信システムの通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回線切替を信頼性に優れた判定にて行うことができる通信システムを提供する。【解決手段】第一回線100、第二回線200を用いて通信を行うサーバ装置10とクライアント装置20との通信の中継を行う伝送装置30が配置された通信システムにおいて、伝送装置30の統計データを収集する統計データ収集手段110と、統計データから回線状態の信頼性の指標値を演算する信頼性指標演算手段120と、指標値から信頼性が無いと判断されると回線の回線切替の判定を行う回線切替判定手段130とを備える。【選択図】図1

Description

この発明は、信頼性に優れた判定にて回線の回線切替を行うことができる通信システムおよび通信システムの通信方法に関するものである。
従来、サーバ装置とクライアント装置との間の通信に利用している回線が不通になった場合、サービスを復旧させるため、不通になった回線を通信異常として、別の正常な回線を再選択して回線切替を行い、通信の正常化を行う。この際の、通信異常の検出手法として、サーバ装置とクライアント装置との間でヘルスチェック通信と呼ばれる回線検定用の通信を定周期で行い、ヘルスチェック通信が締め切り時間以内に行われなかったことにより、利用中の回線を通信異常と見做す処理が一般的である。
一般的な回線異常の検出手法においては、利用中の回線の通信不通が、一時的な不通であっても、ヘルスチェック通信が締め切り時間以内に行われなかった場合は、回線切替が発生する。そして、回線切替が発生すると、サーバ装置とクライアント装置との通信では通信の初期化処理や、現在の装置状態の再取得処理などを行う必要があり、この処理を行うのにコストがかかる。また、その処理を行っている時間は、運用サービスを提供できない。このため、不要な回線切替は極力行わないほうがよい。
従来の通信異常処理のうち、不要な回線切替を行わないようにする例としては、一時的な障害や、障害に位置づけられない軽微な不具合が発生した場合に、システムをバックアップ側に切り替えてしまうことを防止するため、システム内に監視装置を設け、障害の状態が所定の回数または所定の時間に達した後に、監視装置による起動要求を受けるまでは、バックアップシステムに対してサービスを提供しないことにより対応する(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の通信異常処理のうち、不要な回線切替を行わないようにする別の例としては、システム内に監視装置を設け、監視装置が通信復旧の可能性を有する一時的な障害の発生回数を計測し、その発生回数が閾値に達するまでは、回線切替を行わないことにより対応する(例えば、特許文献2参照)。
また、従来の通信異常処理のうち、不要な回線切替を行わないようにする別の例としては、データの送受信を行うデータ伝送装置が、受信タイミングの瞬時の変化に対して追従しないことにより、回線障害が誤差補正の開始から比較的早期に復旧した場合に、回線障害と判定しないことにより対応する(例えば、特許文献3参照)。
また、従来の通信異常処理のうち、不要な回線切替を行わないようにする別の例としては、受信パケットの到着時間を記録することでデータ受信間隔を監視して、受信間隔制限時間内であれば回線障害と判定しないことにより対応する(例えば、特許文献4参照)。
特開2008−92144号公報(段落「0013」「0014」、図2) 特開2006−107151号公報(段落「0016」、図6) 特開2012−129917号公報(段落「0016」、図7) 特開2003−173299号公報(段落「0012」、図4)
従来の通信システムおよび通信システムの通信方法は、不要な回線切替を行わないようにする方式は、以上のように構成されているので、監視装置などの、回線切替を判定する装置に設定された、閾値となる回数または時間以内に回線異常の発生と復旧が行われた場合は、回線切替が行われないという問題点があった。また、回線異常の発生と復旧が、繰り返し継続的に発生している場合であっても、閾値に達していない場合は、同様に回線切替が行われないという問題点があった。
このとき、回線異常の発生と復旧とが、繰り返し継続的に発生しているような回線を経由するデータは、欠落が発生するか、または、受信した装置側でデータの欠落を検出して、送信側に対して再送信の要求を行うなどの回復処理を行うため、単位時間あたりに送受信できる実効データ量は低下するという問題点があった。
このような回線は安定的にデータ送受信を行うことができないため、回線異常の発生と復旧とを繰り返し継続的に発生しているような回線は利用せずに、別の回線に回線切替を行ったほうがよいが、閾値となる回数または時間以内に達するまでは、回線切替が行われないという問題点があった。このような状態は、例えば、通信経路の中間に設置された伝送装置が高負荷な状態であり、伝送装置を経由したデータが、確率的に廃棄される場合に発生することが考えられる。
また、前記の回線異常の発生と復旧とを繰り返し継続的に発生しているような回線の代替として利用しようとする代替回線が、利用中の回線と同様に、回線異常の発生と復旧とを繰り返し継続的に発生しているような場合には、回線切替を実施したとしても安定的にデータ送受信を行うことはできないため、回線切替を行わないほうがよい。しかし、従来の、不要な回線切替を行わないようにする方式は、代替回線の状態を監視していないため、代替回線が回線切替を行う対象として適切ではない場合でも、回線切替を行ってしまうという問題点があった。
このような状態は、例えば、通信経路の中間に設置された伝送装置が利用中回線と代替回線とでともに共用されているか、または、利用中回線と代替回線とで異なる伝送装置に接続されていたとしても、それらの伝送装置がともに高負荷な状態であり、利用中回線と代替回線とのどちらを選択しても、伝送装置を経由したデータが、確率的に廃棄される場合に発生することが考えられる。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、回線切替を実施するか否かを回線の信頼性に基づいて判定することにより不要な回線切替を抑制することができる通信システムおよび通信システムの通信方法を提供することを目的とする。
この発明の通信システムは、
複数の回線を用いて通信を行うサーバ装置とクライアント装置との通信の中継を行う伝送装置が配置された通信システムにおいて、
前記伝送装置の統計データを収集する統計データ収集手段と、
前記統計データから回線状態の信頼性の指標値を演算する信頼性指標演算手段と、
前記指標値から前記信頼性が無いと判断されると前記回線の回線切替の判定を行う回線切替判定手段とを備えたものである。
また、この発明の通信システムの通信方法は、
複数の回線を用いて通信を行うサーバ装置とクライアント装置との通信の中継を行うための伝送装置が配置された通信システムの通信方法において、
前記伝送装置の統計データを収集し、
前記統計データから回線状態の信頼性の指標値を演算し、
前記指標値から前記信頼性が無いと判断されると前記回線の回線切替の判定を行い前記回線の回線切替を行うものである。
この発明の通信システムおよび通信システムの通信方法によれば、
回線切替を実施するか否かを回線の信頼性に基づいて判定することにより不要な回線切替を抑制する。
この発明の実施の形態1における通信システムの構成を示した図である。 図1に示した通信システムの通信方法におけるシーケンスを示した図である。 図1に示した通信システムの第二処理部の構成を示す図である。 図1に示した通信システムの通信方法を示したフローチャートである。 図1に示した通信システムの通信方法を示したフローチャートである。 図1に示した通信システムの通信方法を示したフローチャートである。 この発明の実施の形態2における通信システムの構成を示した図である。 図7に示した通信システムの通信方法におけるシーケンスを示した図である。 図7に示した通信システムの通信方法を示したフローチャートである。 図7に示した通信システムの通信方法を示したフローチャートである。 図7に示した通信システムの通信方法を示したフローチャートである。 この発明の実施の形態3における通信システムの通信方法を示したフローチャートである。 この発明の実施の形態3における通信システムの重要度判定結果を示した図である。 この発明の実施の形態4における通信システムの通信方法を示したフローチャートである。 この発明の実施の形態4における通信システムの重要度判定結果を示した図である。
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1における通信システムの構成を示す図である。図2は図1に示した通信システムの通信方法におけるシーケンスを示した図である。図3は図1に示した通信システムの第二処理部の構成を示す図である。図4から図6は図1に示した通信システムの通信方法を示したフローチャートである。
そして、図4は図3に示した第二処理部の統計データ収集手段の動作を示したフローチャートである。図5は図3に示した第二処理部の信頼性指標演算手段の動作を示したフローチャートである。図6は図3に示し第二処理部の回線切替判定手段の動作を示したフローチャートである。
図1において、通信システムは、サーバ装置10と、クライアント装置20とを備え、サーバ装置10とクライアント装置20とは伝送装置30を介して第一回線100および第二回線200にて接続されている。本実施の形態においては、これら回線のうち、第一優先として利用する回線は第一回線100であり、第二優先として利用する回線は第二回線200であるとして説明する。第一回線100と第二回線200とがともに正常回線であるとき、サーバ装置10とクライアント装置20と間の通信は、第一回線100を利用し、第二回線200は利用していない。
サーバ装置10は、第一処理部11と、第一通信制御部12と、第一回線100側のインタフェース(以下、I/Fと称す)である第一I/F部13aと、第二回線200側のI/Fである第一I/F部13bとを備えている。また、クライアント装置20は、第二処理部21と、第二通信制御部22と、第一回線100側のI/Fである第二I/F部23aと、第二回線200側のI/Fである第二I/F部23bとを備えている。
伝送装置30は、第三処理部31と、第三通信制御部32と、サーバ装置10の第一回線100側のI/Fである第三I/F部33aと、クライアント装置20の第一回線100側のI/Fである第三I/F部33bと、サーバ装置10の第二回線200側のI/Fである第三I/F部33cと、クライアント装置20の第二回線200側のI/Fである第三I/F部33dとを備えている。
第二処理部21は、運用データの送受信とは別に、伝送装置30から継続的に通信統計情報である統計データを収集するための統計データ収集手段110と、収集した統計データから回線状態の信頼性の指標値を演算するための信頼性指標演算手段120と、指標値から信頼性の有無の判定を行い、信頼性が無いと判定されると回線の回線切替を行う回線切替判定手段130とを備えている。これら第二処理部21の各手段は、統計データ収集手段110、信頼性指標演算手段120、回線切替判定手段130と順次処理を実行し、再び統計データ収集手段110に戻る処理を行うものである。尚、第二処理部21の各手段の処理順序は、以下の実施の形態においても同様であるためその説明は適宜省略する。
次に上記のように構成された実施の形態1の通信システムの通信方法について、サーバ装置10とクライアント装置20と伝送装置30との間で、運用データの送受信が行われている状態であって、第一回線100から第二回線200への回線切替が行われるまでの動作について図2に基づいて説明する。まず、クライアント装置20とサーバ装置10は、伝送装置30を介して運用データの送受信を行う。クライアント装置20は、第二処理部21からサーバ装置10の第一処理部11に対し、運用データを要求する(図2(a))。次に、第一処理部11は運用データを送信し、第二処理部21は運用データを受信する(図2(b))。
また、第二処理部21は、伝送装置30の第三処理部31に対して伝送装置30内の統計データを要求する(図2(c))。次に、第三処理部31は、統計データを、第二処理部21に送信し、第二処理部21は統計データを受信する(図2(d))。このときの運用データと統計データとの送受信は回線C1で行われている。よって、ここでは回線C1は第一優先として利用する第一回線100を利用していることとなる。
また、回線切替が必要であると判定されると、第二処理部21は、第二通信制御部22に回線切替するためのI/F部切替を指示する(図2(e))。そして、第二通信制御部22は回線切替が完了したことを第二処理部21に通知する(図2(f))。そして、回線はC2に回線切替され、以後運用データは回線C2を経由することになる。次に、クライアント装置20は、第二処理部21からサーバ装置10の第一処理部11に対し、運用データを要求する(図2(g))。次に、第一処理部11は運用データを送信し、第二処理部21は運用データを受信する(図2(h))。これらの動作は、回線C2の第二優先として利用する第二回線200を利用して行われる。
次に、上記に示した通信システムの第二処理部21の動作について説明する。尚、本発明においては運用データの送受信とは別に行われる回線切替について説明するものである。まず、第二処理部21の統計データ収集手段110の動作について図4に基づいて説明する。まず、伝送装置30に統計データを要求し受信を待つ(図4のステップS11)。次に、受信したか否かの判定を行う(図4のステップS12)。そして、受信した場合(YES)には、受信した統計データを統計ファイルデータベース(以下、データベースをDBと称す)15に追記して(図4のステップS13)、処理を終了する。
また、受信しなかった場合(NO)には、受信失敗回数を1増加する(図4のステップS14)。次に、受信失敗回数があらかじめ設定されている閾値を超えたか否かを判定する(図4のステップS15)。そして、超えていないと判定された場合(NO)には、受信失敗回数は統計データの1つの値として扱い、統計ファイルDB15に追記して(図4のステップS13)、処理を終了する。
また、超えていると判定された場合(YES)には、第二処理部21は第二通信制御部22に第二I/F部23aから第二I/F部23bの切替を指示する。そして、第一回線100から第二回線200に回線の回線切替が行われ(図4のステップS16)、処理を終了する。
次に、第二処理部21の信頼性指標演算手段120の動作について図5に基づいて説明する。まず、統計ファイルDB15より統計データを読み込み、単位時間当たりの統計データの変化率を算出する(図5のステップS21)。ここでは、例えば変化率として、最古の統計データと最新の統計データとにより算出した長期変化率VLと、収集周期を単位時間として、あらかじめ設定された事前設定値V1だけ遡った過去の統計データと最新の統計データとにより算出した短期変化率VSとの2つの値を算出する。尚、この変化率については、以下の実施の形態においても同様であるためその説明は適宜省略する。
次に、統計データが、信頼性の判定を行える必要量蓄積に達しているか否かを判定する(図5のステップS22)。具体的には、事前設定値V1が最古の統計データより過去の統計データを必要としている場合、すなわち、先のステップS21において、短期変化率VSの値を求めることができない場合には、統計データは必要量蓄積されていない(NO)として、処理を終了する。
また、事前設定値V1が最古の統計データより過去の統計データを必要としていない場合、すなわち、短期変化率VSの値を求めることができる場合には、統計データは必要量蓄積されている(YES)として、次のステップに移る。尚、この必要量蓄積については、以下の実施の形態においても同様であるためその説明は適宜省略する。
次に、変化率があらかじめ設定された閾値以内か否かを判定する(図5のステップS23)。具体的には、長期変化率VLと短期変化率VSとを比較する。そして、長期変化率VLと短期変化率VSとの差の絶対値があらかじめ設定された閾値以内か否かで判定する。そして、閾値以内であれば(YES)、回線状態は安定傾向であると見做して指標値を変化させず、処理は終了する。
また、閾値を外れていれば、平常時の状態と比較して回線状態に変化があったと見做すことができるため、回線状態が悪化傾向であるか、回線状態が改善傾向であるかの判定を行う(図5のステップS25)。具体的には、変化量V2=長期変化率VL−短期変化率VSを算出し、統計データに対して変化量V2が正の値であるか負の値であるかにより、回線状態が改善しているか、または、悪化しているか判定する。尚、この変化率があらかじめ設定された閾値以内か否かの判定は、以下の実施の形態においても同様であるため、その説明は適宜省略する。
このとき回線状態が改善していると判定された場合には、指標値を1増加させる(図5のステップS26)。また、回線状態が悪化していると判定された場合には、指標値を1減少させる(図5のステップS27)。尚、この回線状態が改善しているか悪化しているかの判定は、収集する回線状態を示す統計データの内容により異なる。また、この判定の例は以下の実施の形態においても同様であるため、その説明は適宜省略する。
例えば、回線状態を示す統計データがデータパケット廃棄量である場合には、変化量V2が正の値であれば、伝送装置30で廃棄されるデータパケットが減少していることを示しているので、利用中の回線状態は改善していると判定することができる。そして、変化量V2が負の値であれば、伝送装置30で廃棄されるデータパケットが増加していることを示しているので、利用中の回線状態は悪化していると判定することができる。
この例とは反対の他の例として、回線状態を示す統計データが伝送装置のスループットである場合、変化量V2が正の値であれば、伝送装置30を通過したデータ量が減少していることを示しているので、利用中の回線状態は悪化していると判定する。次に、変更した指標値を指標値ファイルDB27に書き込み(図5のステップS24)、処理を終了する。
次に、第二処理部21の回線切替判定手段130の動作について図6に基づいて説明する。まず、指標値ファイルDB27より指標値を読み込む(図6のステップS31)。次に、指標値があらかじめ設定された閾値以内であるか否かを判定する(図6のステップS32)。そして、指標値が閾値以内であれば、利用中の回線状態は安定していると判定し、処理を終了する。
また、指標値が閾値を超えていれば、回線状態が不安定になっていると判定し、第二処理部21は第二通信制御部22に第二I/F部23aから第二I/F部23bの切替を指示する。そして、第一回線100から第二回線200に回線が切り替わり(図6のステップS33)、処理を終了する。
上記実施の形態1において示した、伝送装置から取集する統計データは、ネットワーク管理用プロトコルのSNMPによる管理情報ベース(MIB)から一般的な方法で取得することができ、標準MIBとして複数の種類の統計データ項目が公開されている。このことから、指標値の算出に用いる統計データは、1つだけではなく、複数種の統計データを収集して複数種の指標値を算出してもよい。
また、統計データとして通信量を収集したい場合に、伝送装置によっては、異なるシステムの通信が同一の回線に多重されてデータパケットが混在している可能性がある。よって、このような場合には、統計を取得する対象のサーバ装置とクライアント装置の間で送受信されるデータパケットにマーキングを行うことで、通信の特定が可能である。パケットにマーキングを行うことは、ネットワーク上で特定データに対して回線サービス品質(QoS)を制御する方法として一般的である。
また、上記実施の形態1においては示していないものの、伝送装置から全く統計データが取得できないような場合については、従来において示したように、ヘルスチェック通信が一定時間以内に行われなかったことにより、利用中回線を通信異常と見做す処理により、回線切替を行ってもよい。
上記のように構成された実施の形態1の通信システムおよび通信システムの通信方法によれば、伝送装置の統計データを用いて回線状態の指標値により回線の信頼性を判定し、回線の回線切替を実施するか否かを判定しているため、不要な回線切替を抑制することができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、サーバ装置10とクライアント装置20を接続する伝送装置30が1台にて構成する例を示したが、本実施の形態2においては、第一回線100および第二回線200毎に接続される伝送装置をそれぞれ備える場合について説明する。
図7はこの発明の実施の形態2の通信システムの構成を示す図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。伝送装置30は第一回線100のみと接続する。よって、伝送装置30には、第三I/F部33aおよび第三I/F部33bのみが存在する。そして、第二伝送装置40は第二回線200を介してサーバ装置10およびクライアント装置20を接続する。そして、第二伝送装置40は、伝送装置30と同様に、第四処理部41と、第四通信制御部42と、サーバ装置10の第二回線200側のI/Fである第四I/F部43aと、クライアント装置20の第二回線200側のI/Fである第四I/F部43bとを備えている。
そして、第二処理部21の統計データ収集手段110は、各伝送装置30、40から各統計データをそれぞれ収集する。また信頼性指標演算手段120は、各統計データから回線状態の信頼性の指標値として回線接続状態を示す指標値を含めた複数の指標値を演算する。また、回線切替判定手段130は、利用中でない回線の指標値の信頼性が無いと判断されると、利用中の回線および他の回線の回線接続状態を示す指標値により回線の回線切替を行うか否かを判定する。尚、回線接続状態を示す指標値とは、例えば、回線が切断されている時間など、回線の切断状態を示すものであり、回線状態を直接的に判断できるものを示す。
次に上記のように構成された実施の形態2の通信システムの通信方法について説明する。図8はサーバ装置10とクライアント装置20と伝送装置30と第二伝送装置40との間で、運用データの送受信が行われている状態であって、第一回線100から第二回線200への回線切替が行われるまでの動作について図8に基づいて説明する。尚、図8(a)から図8(d)は、上記実施の形態1の場合の図2(a)から図2(d)と同様に行われるため、その説明は適宜省略する。
そしてこの動作と同時に、第二処理部21は第一処理部11に対して第二回線200を経由してヘルスチェック通信として、検査データを要求し(図8(e))、第一処理部11から検査データを受信する(図8(f))。また、第二伝送装置40の第四処理部41に対して第二伝送装置40内の統計データを要求する(図8(g))。次に、第四処理部41は、統計データを第二処理部21に送信し、第二処理部21は統計データを受信する(図8(h))。このときの、運用データおよび統計データの送受信は第二優先として利用する第二回線200を利用している。
また、回線切替が必要であると判定されると、図8(i)から図8(l)の動作が、上記実施の形態1の図2(g)から図2(h)の動作と同様に行われて、回線切替が行われる。
次に、上記に示した通信システムの第二処理部21の動作について説明する。まず、第二処理部21の統計データ収集手段110の動作について図9に基づいて説明する。まず、伝送装置nに統計データを要求し受信を待つ(図9のステップS111)。ここで示す「n」とは、回線番号毎に指定される数字である。よって、図8においては伝送装置30を経由する回線をn=1、第二伝送装置40を経由する回線をn=2と設定する。次に、回線nを受け持つ伝送装置n毎に個別に受信判定を行い、受信したか否かを判定する(図9のステップS121)。
そして、受信した場合(YES)には、受信した統計データを回線n毎に管理し統計ファイルDB150に追記して(図9のステップ131)、処理を終了する。また、受信しなかった場合(NO)には、回線n毎に管理する受信失敗回数[n]を1増加する。例えば、伝送装置30における受信失敗回数は受信失敗回数[1]としてあらわす。次に、受信失敗回数は統計データの1つの値として扱い、統計ファイルDB150に追記して(図9のステップ131)、処理を終了する。
次に、第二処理部21の信頼性指標演算手段120の動作について図10に基づいて説明する。まず、統計ファイルDB150より統計データを読み込み、単位時間当たりの統計データの変化率を伝送装置毎に算出する(図10のステップS211)。そして、以下、ステップ(ステップS231、S251、S261、S271)は、伝送装置毎に、上記実施の形態1と同様の処理を行い、変更した指標値を指標値ファイルDB270に書き込み(図10のステップS241)、処理を終了する。
次に、第二処理部21の回線切替判定手段130の動作について図11に基づいて説明する。まず、指標値ファイルDB270より指標値を読み込む(図11のステップS311)。次に、指標値があらかじめ設定された閾値以内であるか否かを判定する(図11のステップS321)。そして、指標値が閾値以内であれば(YES)、利用中の回線状態は安定していると判定し、処理を終了する。また、指標値が閾値を超えていれば(NO)、回線状態が不安定になっていると判定し、その指標値を超えていると判定された回線が利用中の回線であるか否かを判定する(図11のステップS311)。
そして、利用中の回線であると判定された場合(YES)には、第二処理部21は第二通信制御部22に第二I/F部23aから第二I/F部23bの切替を指示する。そして、伝送装置30の第一回線100から第二伝送装置40の第二回線200に運用データの回線が切り替わり(図11のステップS341)、処理を終了する。
また、利用中の回線ではないと判定された場合(NO)には、さらに、回線接続状態を示す指標値について、利用中の回線と利用中でない回線とを比較する。そして、利用中の回線のほうが回線接続状態を示す指標値が閾値より十分下回っているか否かにより、利用中の回線のほうがより安定しているか否かを判定する(図11のステップS351)。そして、利用中の回線のほうが安定していると判定された場合(YES)には、回線切替が不要であり、処理を終了する。
また、利用中でない回線の回線接続状態を示す指標値が閾値より十分下回っている場合(NO)には、利用中でない回線のほうがより安定していると判定できるため、第二処理部21は第二通信制御部22に第二I/F部23aから第二I/F部23bの切替を指示する。そして、伝送装置30の第一回線100から第二伝送装置40の第二回線200に運用データの回線が切り替わり(図11のステップS341)、処理を終了する。
尚、サーバ装置とクライアント装置の間の接続回線数をnとするとき、前述の動作から明らかなように、n>2でもよい。また、1台の伝送装置は複数の回線を接続できることから、統計データ収集対象の伝送装置の台数をmとするとき、n≧mの構成にも適用可能であることは明らかであり、同様の効果を奏することができる。
上記のように構成された実施の形態2の通信システムおよび通信システムの通信方法では、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、複数の伝送装置により複数の回線の信頼性を指標値として回線切替の条件に含めることができるため、より信頼性の高い回線を回線切替の対象として選択することができ、従来の方式と比較して、回線切替によるサーバ装置とクライアント装置との間の通信の異常状態を確実に回復することができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、回線切替判定手段130において、収集した複数種の統計データに対して重み付けを行った指標値を用いて、それら指標値の組み合わせにより回線切替を実施するか否かの判定を行う点が上記実施の形態2と異なる部分である。以下、上記実施の形態2と異なる点について説明する。尚、通信システムの構成自体は上記実施の形態2と同様である。
よって、本実施の形態3においては、回線切替判定手段130の動作についてのみ図12および図14を用いて説明する。まず、指標値ファイルDB270より指標値を読み込む(図12のステップS312)。次に、重み付けファイルDB32から重み付けデータを読み込み、その重み付けの内容により指標値[n]に対してそれぞれ重み付けを行う(図12のステップS332)。次に、指標値毎に閾値内であるかを判定する(図12のステップS342)。そして、これらの情報を統合して重要度を判定して(以下の詳細に説明する)、回線切替を実施するか否かを判定する(図12のステップS352)。
そして、回線切替を実施しないと判定された場合(NO)には、処理を終了する。また、回線切替を実施すると判定された場合には(YES)場合には、第二処理部21は第二通信制御部22に第二I/F部23aから第二I/F部23bの切替を指示する。そして、伝送装置30の第一回線100から第二伝送装置40の第二回線200に運用データの回線が切り替わり(図12のステップS342)、処理を終了する。
ここで、重要度を判定する具体的な方法について図13に基づいて説明する。ステップS312にて得られた統計データが、回線C1が接続された伝送装置30から統計データR31、R32、R33を、回線C2が接続された第二伝送装置40から統計データR41、R42、R43をそれぞれ得るものとする。そして、重み付けファイルDB32から得た各統計データに対する重み付けデータは、統計データR32、R42が、最も重要度が高く、統計データR31、R41の統計データが、最も重要度が低いとした場合として、それぞれ重み付けが設定されている(図13(a)参照)。
そして、この重要度に応じて統計データR31、R32、R33と、統計データR41、R42、R43に対してそれぞれ重み付けを行う。そして、各統計データが閾値を超えているときに伝送装置毎の重みに加算して得点化する(図13(b)参照)。そして、この結果に基づいて、回線切替を行うか、回線切替を行わないかを判定する。尚、重み合計値が伝送装置30と第二伝送装置40とで同じ場合は、回線の回線切替を行ったとしても、回線状況は利用中回線と同一であるため、不要な回線切替と考え、回線切替処理を行わない。
ここで、例えば統計データR31、R41とは、毎秒データ送信量などの、データの回線容量に対する余裕度に関する統計データが考えられる。また、統計データR32、R42とは、データ廃棄率などの、データの到達性に直接関係する統計データが考えられる。また、統計データR33、R43とは、データ送信待ち個数などの、いずれデータ廃棄につながる可能性のある統計データが考えられる。そして、それぞれの統計データに、それぞれの重要度に対応する重み付けが行われたものである。
尚、伝送装置30と第二伝送装置40が同等の装置ではない場合などでは、例えば同じ統計データ項目である統計データR31と統計データR41の重み付けを、異なる値にしてもよい。
上記のように構成された実施の形態3の通信システムおよび通信システムの通信方法によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、統計データのうち、回線切替の条件としてより重要な統計データに対して、重み付けを付加することができるため、統計データの変化量が同程度である場合でも、重要な統計データの変化に対して回線切替の実施に対する感度を高く設定することができる。逆に、重要ではない統計データの変化に対して回線切替の実施に対する感度を低く設定することができる。このことにより、不要な回線切替の発生を抑制することができる。
実施の形態4.
上記実施の形態4においては、上記実施の形態3のように重み付けファイルDB32の重みを固定値とするのではなく、過去に収集した複数種の統計データから、重みを動的に変更する場合について説明する。以下、上記実施の形態3と異なる点について説明する。尚、通信システムの構成自体は上記各実施の形態と同様である。
よって、本実施の形態4においては、信頼性指標演算手段120の動作についてのみ図14および図15を用いて説明する。まず、上記各実施の形態と同様に、統計データから変化率を算出し、変化率が閾値以内か否かを判定するステップS231の処理まで行う。次に、指標値[n]の変動回数があらかじめ設定された閾値以上であるか否かを判定する(図14のステップS281)。そして、閾値以上であれば、重み付けファイルDB32に対して重み付け数値を書き換える(図14のステップS291)。以下、上記各実施の形態と同様のステップを行い、処理を終了する。
例えば、図15(a)に示すように、統計データR32、R42の重みを、4から0に変更する。そして、その変更された重みによって図15(b)に示すように回線切替が判定される。よって、各統計データの閾値に対する判定が同じであっても、回線切替を行うか否かを動的に判定を変更できる。
上記のように構成された実施の形態4の通信システムおよび通信システムの通信方法によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、統計データのうち、回線切替の条件としてより重要な統計データに対して、重み付けを動的に変化させることができる。例えば、伝送装置を経由するデータ量が増加したことにより、伝送装置のCPUの利用率が適正に増加した場合でも、以前のCPUの利用率を参考にした閾値により誤って回線切替を実施することを防止でき、不要な回線切替の発生を抑制することができるものである。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
10 サーバ装置、11 第一処理部、12 第一通信制御部、
13a 第一I/F部、13b 第一I/F部、20 クライアント装置、
21 第二処理部、22 第二通信制御部、23a 第二I/F部、
23b 第二I/F部、30 伝送装置、31 第三処理部、32 第三通信制御部、
33a 第三I/F部、33b 第三I/F部、33c 第三I/F部、
33d 第三I/F部、40 第二伝送装置、41 第四処理部、
42 第四通信制御部、43a 第四I/F部、43b 第四I/F部、
100 第一回線、110 総計データ収集手段、120 信頼性指標演算手段、
130 回線切替判定手段、200 第二回線。

Claims (5)

  1. 複数の回線を用いて通信を行うサーバ装置とクライアント装置との通信の中継を行う伝送装置が配置された通信システムにおいて、
    前記伝送装置の統計データを収集する統計データ収集手段と、
    前記統計データから回線状態の信頼性の指標値を演算する信頼性指標演算手段と、
    前記指標値から前記信頼性が無いと判断されると前記回線の回線切替の判定を行う回線切替判定手段とを備えた通信システム。
  2. 前記統計データ収集手段は、前記伝送装置の複数種の前記統計データを収集し、
    前記回線切替判定手段は、複数種の前記統計データごとに設定された重要度情報を前記指標値に付加して前記回線の回線切替の判定を行う請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記信頼性指標演算手段は、前記重要度情報を前記統計データの変動により動的に変更する請求項2に記載の通信システム。
  4. 前記伝送装置が複数配置されている通信システムにおいて、
    前記統計データ収集手段は、各前記伝送装置から各前記統計データをそれぞれ収集し、
    前記信頼性指標演算手段は、各前記統計データから回線状態の前記信頼性の前記指標値として回線接続状態を示す前記指標値を含めた複数の前記指標値を演算し、
    前記回線切替判定手段は、利用中でない前記回線の前記指標値の前記信頼性が無いと判断されると、利用中の前記回線および他の前記回線の前記回線接続状態を示す前記指標値により前記回線の回線切替を行うか否かを判定する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の通信システム。
  5. 複数の回線を用いて通信を行うサーバ装置とクライアント装置との通信の中継を行うための伝送装置が配置された通信システムの通信方法において、
    前記伝送装置の統計データを収集し、
    前記統計データから回線状態の信頼性の指標値を演算し、
    前記指標値から前記信頼性が無いと判断されると前記回線の回線切替の判定を行い前記回線の回線切替を行う通信システムの通信方法。
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