JP2016025425A - エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末 - Google Patents

エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末 Download PDF

Info

Publication number
JP2016025425A
JP2016025425A JP2014146957A JP2014146957A JP2016025425A JP 2016025425 A JP2016025425 A JP 2016025425A JP 2014146957 A JP2014146957 A JP 2014146957A JP 2014146957 A JP2014146957 A JP 2014146957A JP 2016025425 A JP2016025425 A JP 2016025425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
echo
amplitude spectrum
frequency
input signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014146957A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6369189B2 (ja
Inventor
尚也 川畑
Naoya Kawabata
尚也 川畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2014146957A priority Critical patent/JP6369189B2/ja
Publication of JP2016025425A publication Critical patent/JP2016025425A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6369189B2 publication Critical patent/JP6369189B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】ダブルトークのときでも音響エコー信号の周波数成分の周波数ビンのエコーパス特性のみ更新し、エコー抑圧性能を維持するようにする。
【解決手段】本発明は、近端入力信号を周波数ビン毎に音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを判定し、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンは、当該周波数ビンのエコーパス特性を計算、更新を行い、一方、近端側の音信号の周波数成分と判定された周波数ビンは、当該周波数ビンのエコーパス特性の計算、更新を行わないようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末に関し、例えば、テレビ会議システムや電話会議システム等において用いられるエコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末に適用し得るものである。
例えば、テレビ会議システムや電話会議システム等の拡声通話システムでは、スピーカから放音された音(ここで、「音」は音響や音声等を含む。)がマイクに回り込んで、送話側に戻る音響エコー信号が発生する。音響エコー信号は通話の著しい妨げとなるため、音響エコー抑圧方法に関する研究、開発が、これまでも多く行なわれている。
音響エコー信号を抑圧する1つの手法として、エコーサプレッサ(エコー抑圧装置)を使用する手法がある。エコーサプレッサは、遠端信号と近端入力信号とから、エコーパス特性、推定エコー信号及びエコーサプレスゲインを求め、そのエコーサプレスゲインと近端入力信号とを乗算することで音響エコー信号を抑圧する手法である。このエコーサプレッサを使用することで、音響エコー信号が抑圧される。このエコーサプレッサを使用して音響エコー信号を抑圧する手法が、非特許文献1において提案されている。
非特許文献1に記載の従来のエコー抑圧装置について、図2を参照しながら説明する。非特許文献1に開示されるエコーサプレッサ200は、過去のフレームの遠端信号と近端入力信号とに基づいてエコーパス特性を求める。そして、推定エコー信号計算部209は、求めたエコーパス特性と遠端信号とを乗算した信号を、推定エコー信号として推定する。エコーサプレスゲイン計算部210が、近端入力信号と推定エコー信号とに基づいてエコーサプレスゲインを求め、積算部211が、エコーサプレスゲインを近端入力信号と乗算して音響エコー信号を抑圧する。
従来のエコー抑圧装置は、ダブルトークのときにエコーパス特性を算出すると、実際のエコーパス特性とは全く異なる値が算出され、誤学習してしまう。そのため、従来のエコー抑圧装置は、ダブルトークのときにはエコーパス特性の更新を停止している。
ここで、シングルトークとは、音響エコー信号が近端側のマイクに回り込んでおり、近端側の話者が発話していない状態である。ダブルトークとは、音響エコー信号が近端側のマイクに回り込んでおり、同時に近端側で近端側の話者が発話している状態である。
C.Faller and C.Turnery,"ESTIMATION THE DELAY AND COLORATION EFFECT OF THE ACOUSTIC ECHO PATH FOR LOW COMPLEXITY ECHO SUPPRESSION",Proc.Intl.Works,On Acoust.Echo and Noise Control(IWAENC)2005,pp.53−56,Oct.2005
しかしながら、ダブルークの状態が継続すると、エコーパス特性の更新が停止し、エコーパス特性を更新できない状態が継続してしまう。ダブルークの状態が継続しているときに、実際のエコーパス特性が変化すると、音響エコー信号を抑圧できない状態が継続するという問題が生じ得る。
そのため、ダブルトークのときであっても、エコーパス特性を計算し、エコーパス特性を更新してエコー抑圧性能を維持することができるエコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、近端入力信号を周波数ビン毎に音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを判定し、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンは、当該周波数ビンのエコーパス特性を計算、更新を行い、一方、近端側の音信号の周波数成分と判定された周波数ビンは、当該周波数ビンのエコーパス特性の計算、更新を行わないようにすることで、ダブルトークのときであっても近端入力信号の音響エコー信号の周波数成分の周波数ビンのみエコーパス特性を更新して、エコーパス特性を計算、更新することができるエコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末を提供しようとするものである。
第1の本発明のエコー抑圧装置は、近端入力信号と遠端信号に基づく音響エコー信号を抑圧するエコー抑圧装置において、(1)入力された遠端信号を周波数領域の信号に変換して、遠端信号の振幅スペクトルを求める遠端信号振幅スペクトル算出手段と、(2)入力された近端入力信号を周波数領域の信号に変換して、近端入力信号の振幅スペクトルを求める近端入力信号振幅スペクトル算出手段と、(3)遠端信号の振幅スペクトルと保持しているエコーパス特性とを用いて、推定エコー信号の振幅スペクトルを求める推定エコー信号算出手段と、(4)推定エコー信号の振幅スペクトルと近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを周波数ビン毎に判定する近端入力信号周波数成分判定手段と、(5)近端入力信号周波数成分判定手段の判定結果により、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、遠端信号の振幅スペクトルと近端入力信号の振幅スペクトルを用いて、当該周波数ビンの現フレームのエコーパス特性を計算し、近端側の音信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、エコーパス特性を計算しない周波数ビンエコーパス特性計算手段と、(6)保持しているエコーパス特性と周波数ビンエコーパス特性計算手段により計算された現フレームのエコーパス特性と用いて、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンの上記エコーパス特性を更新するエコーパス特性更新手段と、(7)推定エコー信号と近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、エコーサプレスゲインを計算し、近端入力信号の振幅スペクトルから推定エコー信号を抑圧するエコー抑圧手段とを備えることを特徴とする。
第2の本発明のエコー抑圧プログラムは、近端入力信号と遠端信号に基づく音響エコー信号を抑圧するエコー抑圧プログラムにおいて、コンピュータを、(1)入力された遠端信号を周波数領域の信号に変換して、遠端信号の振幅スペクトルを求める遠端信号振幅スペクトル算出手段、(2)入力された近端入力信号を周波数領域の信号に変換して、近端入力信号の振幅スペクトルを求める近端入力信号振幅スペクトル算出手段、(3)遠端信号の振幅スペクトルと保持しているエコーパス特性とを用いて、推定エコー信号の振幅スペクトルを求める推定エコー信号算出手段、(4)推定エコー信号の振幅スペクトルと近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを周波数ビン毎に判定する近端入力信号周波数成分判定手段、(5)近端入力信号周波数成分判定手段の判定結果により、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、遠端信号の振幅スペクトルと近端入力信号の振幅スペクトルを用いて、当該周波数ビンの現フレームのエコーパス特性を計算し、近端側の音信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、エコーパス特性を計算しない周波数ビンエコーパス特性計算手段、(6)保持しているエコーパス特性と周波数ビンエコーパス特性計算手段により計算された現フレームのエコーパス特性と用いて、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンのエコーパス特性を更新するエコーパス特性更新手段、(7)推定エコー信号と近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、エコーサプレスゲインを計算し、近端入力信号の振幅スペクトルから推定エコー信号を抑圧するエコー抑圧手段として機能させることを特徴とする。
第3の本発明のエコー抑圧方法は、近端入力信号と遠端信号に基づく音響エコー信号を抑圧するエコー抑圧方法において、(1)遠端信号振幅スペクトル算出手段が、入力された遠端信号を周波数領域の信号に変換して、遠端信号の振幅スペクトルを求め、(2)近端入力信号振幅スペクトル算出手段が、入力された近端入力信号を周波数領域の信号に変換して、近端入力信号の振幅スペクトルを求め、(3)推定エコー信号算出手段が、遠端信号の振幅スペクトルと保持しているエコーパス特性とを用いて、推定エコー信号の振幅スペクトルを求め、(4)近端入力信号周波数成分判定手段が、推定エコー信号の振幅スペクトルと近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを周波数ビン毎に判定し、(5)周波数ビンエコーパス特性計算手段が、近端入力信号周波数成分判定手段の判定結果により、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、遠端信号の振幅スペクトルと近端入力信号の振幅スペクトルを用いて、当該周波数ビンの現フレームのエコーパス特性を計算し、近端側の音信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、エコーパス特性を計算せず、(6)エコーパス特性更新手段が、保持しているエコーパス特性と周波数ビンエコーパス特性計算手段により計算された現フレームのエコーパス特性と用いて、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンのエコーパス特性を更新し、(7)エコー抑圧手段が、推定エコー信号と近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、エコーサプレスゲインを計算し、近端入力信号の振幅スペクトルから推定エコー信号を抑圧することを特徴とする。
第4の本発明の通信端末は、第1の本発明に係るエコー抑圧装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分で、音響エコー信号の周波数成分の周波数ビンだけエコーパス特性を計算し更新することで、ダブルトークのときであっても、エコーパス特性を計算、更新し、エコー抑圧性能を維持することができる。
本発明の実施形態のエコー抑圧装置の構成を示すブロック図である。 従来のエコー抑圧装置を説明するためのブロック図である。
(A)主たる実施形態
以下では、本発明に係るエコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末の主たる実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態は、例えば、テレビ会議システムや電話会議システム等の拡声通話システムの音声送受信装置のエコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末に、本発明を適用する場合を例示する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態に係るエコー抑圧装置100の構成を示すブロック図である。
図1において、実施形態に係るエコー抑圧装置100は、遠端信号入力端子101、DA変換器102、スピーカ103、マイク104、AD変換器105、遠端信号周波数領域変換部106、遠端信号振幅スペクトル計算部107、エコーパス特性保持部108、推定エコー信号計算部109、近端入力信号周波数領域変換部110、近端入力信号振幅スペクトル計算部111、近端入力信号周波数成分判定部112、周波数ビンエコーパス特性計算部113、周波数ビンエコーパス特性更新部114、エコーサプレスゲイン計算部115、エコーサプレス部116、近端出力信号時間領域変換部117、近端信号出力端子118を有する。
この実施形態に係るエコー抑圧装置100は、本発明に係るエコー抑圧装置を実装したものである。エコー抑圧装置100は、遠端信号が音響エコー信号として近端側のマイクに回り込んで入力されたときでも、近端入力信号に対してエコーサプレス処理(エコー抑圧処理)を行い、音響エコー信号を適切に抑圧するものである。
エコー抑圧装置100は、例えば専用ボードとして構築されるようにしても良い。また、エコー抑圧装置100は、例えば、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)へのエコー抑圧プログラムの書き込みによって実現されたものであっても良く、CPUと、CPUが実行するソフトウェア(エコー抑圧プログラム)によって実現されたものであっても良い。その場合でも、エコー抑圧装置100の機能は図1で表すことができる。
さらに、エコー抑圧装置100は通信端末に搭載可能なものである。エコー抑圧装置100を搭載する通信端末は、通信機能を有するものに広く適用することができ、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、ゲーム端末、ウェアラブル端末等を含むものである。
遠端信号入力端子101は、例えば、インターネットプロトコル(IP)網等のネットワークや、携帯電話等の無線ネットワークの電波等に接続されており、接続されている回線を介して遠端信号が入力される。
遠端信号入力端子101に入力された遠端信号は、DA変換器102に出力され、DA変換器102によりデジタル音信号からアナログ音信号に変換される。アナログ音信号はスピーカ103を通して近端側に出力される。
一方、近端側の話者が発した音声等の音信号や、環境音や、音響エコー信号(例えば、スピーカ103から出力されたアナログ音信号が近端側の空間を伝達して回り込んだ信号)等が重畳したアナログ音信号は、マイク104によって受音されて、AD変換器105に出力される。アナログ音信号は、AD変換器105よってデジタル音信号に変換され、近端入力信号としてエコー抑圧装置100に入力される。
遠端信号周波数領域変換部106は、例えば、高速フーリエ変換(FFT)等により、遠端信号を周波数領域の信号に変換するものである。遠端信号周波数領域変換部106は、遠端信号の周波数スペクトルを、遠端信号振幅スペクトル計算部107に出力する。
遠端信号振幅スペクトル計算部107は、遠端信号周波数領域変換部106から出力された遠端信号の周波数スペクトルに基づいて、遠端信号の振幅スペクトルを算出するものである。遠端信号振幅スペクトル計算部107は、算出した遠端信号の振幅スペクトルを、推定エコー信号計算部109及び周波数ビンエコーパス特性計算部113に出力する。
エコーパス特性保持部108は、エコーパス特性を保持するものである。エコーパス特性保持部108は、保持しているエコーパス特性を、推定エコー信号計算部109及び周波数ビンエコーパス特性更新部114に出力する。
推定エコー信号計算部109は、遠端信号の振幅スペクトルと、エコーパス特性保持部108に保持されていたエコーパス特性とを乗じて推定エコー信号の振幅スペクトルを算出するものである。推定エコー信号計算部109は、算出した推定エコー信号の振幅スペクトルを、近端入力信号周波数成分判定部112及びエコーサプレスゲイン計算部115に出力する。
近端入力信号周波数領域変換部110は、例えば、高速フーリエ変換(FFT)等により、近端入力信号を周波数領域の信号に変換するものである。近端入力信号周波数領域変換部110は、変換して得た近端入力信号の周波数スペクトルを、エコーサプレス部116及び近端入力信号振幅スペクトル計算部111に出力する。
近端入力信号振幅スペクトル計算部111は、近端入力信号周波数領域変換部110からの近端入力信号の周波数スペクトルに基づいて、近端入力信号の振幅スペクトルを算出するものである。近端入力信号振幅スペクトル計算部111は、算出した近端入力信号の振幅スペクトルを、近端入力信号周波数成分判定部112、周波数ビンエコーパス特性計算部113及びエコーサプレスゲイン計算部115に出力する。
近端入力信号周波数成分判定部112は、推定エコー信号計算部109により推定された推定エコー信号の振幅スペクトルと、近端入力信号振幅スペクトル計算部111からの近端入力信号の振幅スペクトルとに基づいて、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が、音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを周波数ビン毎に判定するものである。近端入力信号周波数成分判定部112は、周波数ビン毎に判定した判定結果を、周波数ビンエコーパス特性計算部113に出力する。
周波数ビンエコーパス特性計算部113は、遠端信号振幅スペクトル計算部107からの遠端信号の振幅スペクトルと、近端入力信号振幅スペクトル計算部11からの近端入力信号の振幅スペクトルと、近端入力信号周波数成分判定部112からの判定結果とに基づいて、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、エコーパス特性を計算するものである。周波数ビンエコーパス特性計算部113は、計算した周波数ビンのエコーパス特性を、周波数ビンエコーパス特性更新部114に出力する。
周波数ビンエコーパス特性更新部114は、周波数ビンエコーパス特性計算部113からの周波数ビン毎のエコーパス特性と、推定エコー信号計算部109に保持されている対応する周波数ビンのエコーパス特性とに基づき、周波数ビン毎に、エコーパス特性を更新するものである。周波数ビンエコーパス特性更新部114は、更新した周波数ビン毎のエコーパス特性を、エコーパス特性保持部108に出力して保持させる。
エコーサプレスゲイン計算部115は、推定エコーパス計算部109からの推定エコー信号の振幅スペクトルと、近端入力信号周波数領域変換部110からの近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、近端入力信号に重畳されている音響エコー信号を抑圧するエコーサプレスゲインを算出するものである。エコーサプレスゲイン計算部115は、算出したエコーサプレスゲインを、エコーサプレス部116に出力する。
エコーサプレス部116は、エコーサプレスゲイン計算部115からのエコーサプレスゲインと、近端入力信号の周波数スペクトルとを乗じることにより、近端入力信号に重畳されている音響エコー信号を抑圧した周波数スペクトルを求めるものである。エコーサプレス部116は、音響エコー信号を抑圧した周波数スペクトルを、近端出力信号の周波数スペクトルとして、近端出力信号時間領域変換部117に出力する。
近端出力信号時間領域変換部117は、エコーサプレス部116からの近端出力信号の周波数スペクトルを、例えば逆高速フーリエ変換(InverseFFT)等により、時間領域のデジタル音信号に変換し、近端出力信号を近端信号出力端子118に出力する。
近端信号出力端子118は、例えば、インターネットプロトコル(IP)網等のネットワークや、携帯電話等の無線ネットワークの電波等に接続されており、接続している回線を介して、近端出力信号を通信相手である遠端側に出力する。
(A−2)実施形態の動作
次に、この実施形態に係るエコー抑圧装置100におけるエコー抑圧処理の動作を詳細に説明する。
まず、エコー抑圧装置100に動作開始後、例えば、インターネットプロトコル(IP)網等のネットワークや、携帯電話等の無線ネットワークの電波等により。遠端信号が遠端信号入力端子101に入力される。
遠端信号入力端子101に入力された遠端信号はDA変換器102に出力され、遠端信号は、DA変換器102によりデジタル音信号からアナログ音信号に変換される。そして、アナログ音信号である遠端信号は、スピーカ103を通じて近端側に出力される。
一方、近端側の話者が発した音声等の音信号や、環境音や、音響エコー信号等が重畳したアナログ音信号は、マイク104によって受音されてAD変換器105に出力される。アナログ音信号はAD変換器105よってデジタル音信号に変換され、アナログ音信号は近端入力信号としてエコー抑圧装置100に入力される。
遠端信号周波数領域変換部106では、例えば、高速フーリエ変換(FFT)等により、遠端信号が周波数領域の信号に変換され、変換された遠端信号の周波数スペクトルROUT(i,ω)が遠端信号振幅スペクトル計算部107に出力する。
遠端信号振幅スペクトル計算部107では、遠端信号の周波数スペクトルROUT(i,ω)を用いて、(1)式に従い、遠端信号の振幅スペクトル|ROUT(i,ω)|が求められる。
Figure 2016025425
ここで、iはフレーム、ωは周波数ビン、ROUT_real(i,ω)とROUT_image(i,ω)は、フレームiにおける周波数ビンωの遠端信号の周波数スペクトルの実数部と虚数部を示しており、遠端信号の周波数スペクトルROUT(i,ω)は、(2)式で表すことができる。
Figure 2016025425
(2)式のjは虚数を表している。そして、遠端信号振幅スペクトル計算部107により求められた遠端信号の周波数スペクトル|ROUT(i,ω)|は、周波数ビンエコーパス特性計算部113及び推定エコー信号計算部109に出力する。
推定エコー信号計算部109では、エコーパス特性保持部108により保持されているエコーパス特性|H(i−1,ω)|と、遠端信号の振幅スペクトル|ROUT(i,ω)|とを用いて、(3)式により、推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|が求められる。
Figure 2016025425
(3)式は、遠端信号の振幅スペクトル|ROUT(i,ω)|に、エコーパス保持部108に保持しているエコーパス特性|H(i−1,ω)|の対応する周波数ビンを乗じて、当該周波数ビンの推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|を求める。そして、推定エコー信号計算部109により求められた推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|は、近端入力信号周波数成分判定部112及びエコーサプレ部115に出力される。
一方、近端入力信号周波数領域変換部110では、例えば、高速フーリエ変換等により、近端入力信号が周波数領域の信号に変換され、その変換された近端入力信号の周波数スペクトルSIN(i,ω)は近端入力信号振幅スペクトル計算部111及びエコーサプレス部116に出力される。
近端入力信号振幅スペクトル計算部111は、近端入力信号の周波数スペクトルSIN(i,ω)を用いて、(4)式に従い、近端入力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|が求められる。
Figure 2016025425
ここで、SIN_real(i,ω)とSIN_image(i,ω)とは、フレームiにおける周波数ビンωの近端入力信号の周波数スペクトルの実数部と虚数部を示しており、近端入力信号の周波数スペクトルSIN(i,ω)は(5)式で表すことができる。
Figure 2016025425
(5)式のjは虚数を表している。近端入力信号振幅スペクトル計算部111により求められた近端入力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|は、近端入力信号周波数成分判定部112、周波数ビンエコーパス特性計算部113及びエコーサプレスゲイン計算部115に出力される。
近端入力信号周波数成分判定部112は、推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|と、近端入力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|とを用いて、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が、音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを、周波数ビン毎に判定する。
ここで、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを判定する方法を説明する。
例えば、近端入力信号周波数成分判定部112は、推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|と近端入力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|を周波数ビン毎に比較して、(6)式の条件が成り立てば、その周波数ビンの周波数成分は音響エコー信号の周波数成分と判定し、(6)式の条件成り立たなければ、その周波数ビンの周波数成分は近端側の音信号の周波数成分と判定する。
Figure 2016025425
(6)式のTHは閾値である。(6)式は、近端入力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|が、推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|に閾値THを減算した値から、推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|に閾値THを加算した値までの範囲にあれば、その周波数ビンの周波数成分は音響エコー信号であることを示している。ここで、閾値THは、小さい値(例えばTH=10程度の値)とすることができ、固定値としても良いし又は変動値としても良い。
つまり、近端入力信号周波数成分判定部112は、近端入力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|と推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|とが近似しているか否かを周波数ビン毎に判定し、近似している場合、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が音響エコー信号の周波数成分であると判定できる。
また、(6)式の変形例として、近端入力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|を推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|で除して、その除した値が、所定の範囲以内にあるか否かを判定するようにしても良い。
なお、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が、音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを周波数ビン毎に判定する方法は、上記の方法に限定されるものではなく、種々の方法を広く適用することができる。
例えば、近端入力信号周波数成分判定部112は、音声のスパース性を利用して判定するようにしても良い。ここで、スパース性とは、時間周波数領域において音声信号のエネルギーがまばらにしか存在しないという性質である。具体的に、近端入力信号周波数成分判定部112は、推定エコー信号の振幅スペクトルを用いて周波数成分があるか否かを周波数ビン毎に判定し、推定エコー信号に周波数成分がある場合、近端入力信号の周波数成分の該当周波数ビンを、音響エコー信号の周波数成分の周波数ビンであると判定する方法を適用できる。
また例えば、近端入力信号周波数成分判定部112は、近端入力信号の振幅スペクトルと、推定エコー信号の振幅スペクトルとの周波数ビン毎の誤差を利用して判定するようにしても良い。つまり、周波数ビン毎の、近端入力信号の振幅スペクトルと、推定エコー信号の振幅スペクトルとの差分値が小さいか否かを判定するようにしても良い。具体的には、近端入力信号周波数成分判定部112は、近端入力信号の振幅スペクトルと、推定エコー信号の振幅スペクトルとの周波数ビン毎に差分をとり、その周波数ビン毎の差分値が所定範囲以内にあるか否かを判定し、差分値が所定の範囲以内にある場合、近端入力信号の周波数成分の該当周波数ビンを、音響エコー信号の周波数成分の周波数ビンであると判定する方法を適用できる。
さらに例えば、近端入力信号周波数成分判定部112は、近端入力信号の振幅スペクトルと、推定エコー信号の振幅スペクトルとの周波数ビン毎の相関関数を用いて判定し、近端入力信号の振幅スペクトルが推定エコー信号の振幅スペクトルと相関があると判定する場合、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が、音響エコー信号の周波数成分であると判定する方法を適用できる。
具体的には、近端入力信号周波数成分判定部112は、近端入力信号の振幅スペクトルと、推定エコー信号の振幅スペクトルを周波数ビン毎に相関係数を求め、その周波数ビン毎の相関成係数が所定範囲以内にあるか否かを判定し、相関係数が所定の範囲以内にある場合、近端入力信号の周波数成分の該当周波数ビンを、音響エコー信号の周波数成分の周波数ビンであると判定する方法を適用できる。
そして、近端入力信号周波数成分判定部112は、判定結果を周波数ビンエコーパス特性計算部113に与える。
周波数ビンエコーパス特性計算部113は、近端入力信号周波数成分判定部112からの判定結果に基づき、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンに対して、(7)式に従い、当該周波数ビンの現フレームのエコーパス特性|H1(i,ω)|を求める。
ここで、周波数ビンエコーパス特性計算部113は、遠端信号振幅スペクトル計算部107からの遠端信号の振幅スペクトル|ROUT(i,ω)|と、近端出力信号振幅スペクトル計算部109からの近端出力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|とを用いて、(7)式に従い、当該周波数ビンの現フレームのエコーパス特性|H1(i,ω)|を求める。
Figure 2016025425
現フレームのエコーパス特性|H1(i,ω)|が求まれば、周波数ビンエコーパス特定計算部113は、周波数ビンエコーパス特性更新部114に現フレームの周波数ビン毎のエコーパス特性を出力する。
なお、近端入力信号周波数成分判定部112からの判定結果に基づき、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が近端側の音信号の周波数成分であると判定された周波数ビンに対しては、周波数ビンエコーパス特性計算部113は、当該周波数ビンの現フレームのエコーパス特性を計算しない。
周波数ビンエコーパス特性更新部114は、音響エコー成分と判定された周波数ビンの現フレームのエコーパス特性|H1(i,ω)|が周波数ビンエコーパス特性計算部113から出力されると、その現フレームのエコーパス特性|H1(i,ω)|と、推定エコー信号計算部109に保持されている対応する周波数ビンのエコーパス特性|H(i−1,ω)|とを用いて、当該周波数ビンのエコーパス特性を周波数ビン毎に更新する。
このとき、周波数ビンエコーパス特性更新部114は、周波数ビンエコーパス特性更新部114で算出された周波数ビンのみエコーパス特性を更新する。しかし、近端側の音信号と判定された周波数ビンについては、周波数ビンエコーパス特性更新部114はエコーパス特性の更新を行わない。具体的には、周波数ビンエコーパス特性更新部114は、(8)式に従い、エコーパス特性|H(i,ω)|を更新する。
Figure 2016025425
(8)式のaは時定数フィルタの係数であり、aは0より大きく1以下の値である。エコーパス特性の更新を遅くしたい場合は、aは1に近い値が望ましく(例えばa=0.99等の値)、エコーパス特性の更新を早くしたい場合は、aは0に近い値が望ましい(例えばa=0.01等の値)。
(8)式は、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が音響エコー信号の周波数成分である周波数ビンについて、周波数ビンエコーパス特性更新部114は、エコーパス特性保持部108に保持されている当該周波数ビンのエコーパス特性|H(i−1,ω)|と、エコーパス特性計算部113により求められた現フレームのエコーパス特性|H1(i,ω)|とを用いて更新するという式である。
一方、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が近端側の音信号の周波数成分である周波数ビンについて、周波数ビンエコーパス特性更新部114は推定エコーパスの更新を行わない。すなわち、近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が近端側の音信号の周波数成分である周波数ビンについては、エコーパス特性保持部108に保持している当該周波数ビンのエコーパス特性|H(i−1,ω)|を用いる。
エコーサプレスゲイン計算部115では、推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|と、近端入力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|とを用いて、(9)式に従い、エコーサプレスゲインG(i,ω)が求められる。
Figure 2016025425
(9)式は、周波数ビン毎に、近端入力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|から推定エコー信号の振幅スペクトル|ECHO(i,ω)|を差し引いた振幅スペクトルを、近端入力信号の振幅スペクトル|SIN(i,ω)|で除することで、エコーサプレスゲインG(i,ω)を求める。
エコーサプレスゲイン計算部115により求められたエコーサプレスゲインG(i,ω)は、エコーサプレス部116に出力される。
エコーサプレス部116は、近端入力信号のスペクトルSIN(i,ω)とエコーサプレスゲインG(i,ω)とを用いて、(10)式、(11)式に従い、近端入力信号のスペクトルSIN(i,ω)に重畳されている音響エコー信号を抑圧する。
Figure 2016025425
ここで、SOUT_real(i,ω)とSOUT_image(i,ω)は、フレームiにおける周波数ビンωの近端出力信号の周波数スペクトルの実数部と虚数部を示しており、近端出力信号の周波数スペクトルSOUT(i,ω)は(12)式で表すことができる。
Figure 2016025425
(12)式のjは虚数を表している。(10)式と(11)式は、周波数スペクトルの実数部、虚数部にエコーサプレスゲインG(i,ω)を周波数ビン毎に乗じて、音響エコー信号を抑圧した近端出力信号の周波数スペクトルを求めるものである。
そして、エコーサプレス部116は、音響エコー信号が抑圧された近端出力信号の周波数スペクトルSOUT(i,ω)を、近端出力信号時間領域変換部117に出力する。
近端出力信号時間領域変換部117では、近端出力信号のスペクトルSOUT(i,ω)が、例えば、逆高速フーリエ変換(InverseFFT)等により、時間領域のデジタル音信号に変換され、近端出力信号を近端信号出力端子118に出力される。
近端信号出力端子118は、例えば、インターネットプロトコル(IP)網等のネットワークや、携帯電話等の無線ネットワークの電波等に接続されており、近端出力信号を接続されている回線を介して通話相手である遠端側に出力する。
(A−3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、ダブルトークのときでも、近端入力信号の振幅スペクトルを用いて、音響エコー信号の周波数成分の周波数ビンのみエコーパス特性を算出し更新することで、エコーパス特性の収束を速くし、エコー抑圧性能を維持する。
(B)他の実施形態
上述した各実施形態においても、種々の変形実施形態を説明したが、本発明は以下の変形実施形態についても適用することができる。
上述した各実施形態で説明したエコー抑圧装置は、例えば、テレビ会議システムや電話会議システム等に用いられる音声通信装置を含む装置に搭載されるようにしても良い。また、携帯電話機やスマートフォン等の携帯端末に本発明のエコー抑圧装置は搭載されるようにしても良い。
100…エコー抑圧装置、101…遠端信号入力端子、102…DA変換器、103…スピーカ、104…マイク、105…AD変換器、106…遠端信号周波数領域変換算部、107…遠端信号振幅スペクトル計算部、108…エコーパス特性保持部、109…推定エコー信号計算部、110…近端入力信号周波数領域変換部、111…近端入力信号振幅スペクトル計算部、112…近端入力信号周波数成分判定部、113…周波数ビンエコーパス特性計算部、114…周波数ビンエコーパス特性更新部、115…エコーサプレスゲイン計算部、116…エコーサプレス部、117…近端出力信号時間領域変換部、118…近端信号出力端子。

Claims (4)

  1. 近端入力信号と遠端信号に基づく音響エコー信号を抑圧するエコー抑圧装置において、
    入力された遠端信号を周波数領域の信号に変換して、遠端信号の振幅スペクトルを求める遠端信号振幅スペクトル算出手段と、
    入力された近端入力信号を周波数領域の信号に変換して、近端入力信号の振幅スペクトルを求める近端入力信号振幅スペクトル算出手段と、
    上記遠端信号の振幅スペクトルと保持しているエコーパス特性とを用いて、推定エコー信号の振幅スペクトルを求める推定エコー信号算出手段と、
    上記推定エコー信号の振幅スペクトルと上記近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、上記近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを周波数ビン毎に判定する近端入力信号周波数成分判定手段と、
    上記近端入力信号周波数成分判定手段の上記判定結果により、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、上記遠端信号の振幅スペクトルと上記近端入力信号の振幅スペクトルを用いて、当該周波数ビンの現フレームのエコーパス特性を計算し、近端側の音信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、上記エコーパス特性を計算しない周波数ビンエコーパス特性計算手段と、
    上記保持しているエコーパス特性と上記周波数ビンエコーパス特性計算手段により計算された現フレームのエコーパス特性と用いて、上記音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンの上記エコーパス特性を更新するエコーパス特性更新手段と、
    上記推定エコー信号と上記近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、エコーサプレスゲインを計算し、上記近端入力信号の振幅スペクトルから上記推定エコー信号を抑圧するエコー抑圧手段と
    を備えることを特徴とするエコー抑圧装置。
  2. 近端入力信号と遠端信号に基づく音響エコー信号を抑圧するエコー抑圧プログラムにおいて、
    コンピュータを、
    入力された遠端信号を周波数領域の信号に変換して、遠端信号の振幅スペクトルを求める遠端信号振幅スペクトル算出手段、
    入力された近端入力信号を周波数領域の信号に変換して、近端入力信号の振幅スペクトルを求める近端入力信号振幅スペクトル算出手段、
    上記遠端信号の振幅スペクトルと保持しているエコーパス特性とを用いて、推定エコー信号の振幅スペクトルを求める推定エコー信号算出手段、
    上記推定エコー信号の振幅スペクトルと上記近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、上記近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを周波数ビン毎に判定する近端入力信号周波数成分判定手段、
    上記近端入力信号周波数成分判定手段の上記判定結果により、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、上記遠端信号の振幅スペクトルと上記近端入力信号の振幅スペクトルを用いて、当該周波数ビンの現フレームのエコーパス特性を計算し、近端側の音信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、上記エコーパス特性を計算しない周波数ビンエコーパス特性計算手段、
    上記保持しているエコーパス特性と上記周波数ビンエコーパス特性計算手段により計算された現フレームのエコーパス特性と用いて、上記音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンの上記エコーパス特性を更新するエコーパス特性更新手段、
    上記推定エコー信号と上記近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、エコーサプレスゲインを計算し、上記近端入力信号の振幅スペクトルから上記推定エコー信号を抑圧するエコー抑圧手段
    として機能させることを特徴とするエコー抑圧プログラム。
  3. 近端入力信号と遠端信号に基づく音響エコー信号を抑圧するエコー抑圧方法において、
    遠端信号振幅スペクトル算出手段が、入力された遠端信号を周波数領域の信号に変換して、遠端信号の振幅スペクトルを求め、
    近端入力信号振幅スペクトル算出手段が、入力された近端入力信号を周波数領域の信号に変換して、近端入力信号の振幅スペクトルを求め、
    推定エコー信号算出手段が、上記遠端信号の振幅スペクトルと保持しているエコーパス特性とを用いて、推定エコー信号の振幅スペクトルを求め、
    近端入力信号周波数成分判定手段が、上記推定エコー信号の振幅スペクトルと上記近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、上記近端入力信号の振幅スペクトルの周波数成分が音響エコー信号の周波数成分か又は近端側の音信号の周波数成分かを周波数ビン毎に判定し、
    周波数ビンエコーパス特性計算手段が、上記近端入力信号周波数成分判定手段の上記判定結果により、音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、上記遠端信号の振幅スペクトルと上記近端入力信号の振幅スペクトルを用いて、当該周波数ビンの現フレームのエコーパス特性を計算し、近端側の音信号の周波数成分と判定された周波数ビンについて、上記エコーパス特性を計算せず、
    エコーパス特性更新手段が、上記保持しているエコーパス特性と上記周波数ビンエコーパス特性計算手段により計算された現フレームのエコーパス特性と用いて、上記音響エコー信号の周波数成分と判定された周波数ビンの上記エコーパス特性を更新し、
    エコー抑圧手段が、上記推定エコー信号と上記近端入力信号の振幅スペクトルとを用いて、エコーサプレスゲインを計算し、上記近端入力信号の振幅スペクトルから上記推定エコー信号を抑圧する
    ことを特徴とするエコー抑圧方法。
  4. 請求項1に記載のエコーパス抑圧装置を備えることを特徴とする通信端末。
JP2014146957A 2014-07-17 2014-07-17 エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末 Active JP6369189B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014146957A JP6369189B2 (ja) 2014-07-17 2014-07-17 エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014146957A JP6369189B2 (ja) 2014-07-17 2014-07-17 エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016025425A true JP2016025425A (ja) 2016-02-08
JP6369189B2 JP6369189B2 (ja) 2018-08-08

Family

ID=55271867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014146957A Active JP6369189B2 (ja) 2014-07-17 2014-07-17 エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6369189B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10320967B2 (en) 2016-09-15 2019-06-11 Oki Electric Industry Co., Ltd. Signal processing device, non-transitory computer-readable storage medium, signal processing method, and telephone apparatus

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006033789A (ja) * 2004-06-16 2006-02-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 反響路結合量推定方法、反響路結合量推定装置、反響路結合量推定プログラム、エコー抑圧方法、エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコーサプレス方法、エコーサプレッサ、エコーサプレッサプログラム、通信路上の損失量制御方法、通信路上の損失量制御装置、通信路上の損失制御プログラム、多チャネルエコー抑圧方法、多チャネルエコー抑圧装置、多チャネルエコー抑圧プログラム、記録媒体
JP2008005094A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> エコー抑圧方法、装置、エコー抑圧プログラム、記録媒体
WO2010035308A1 (ja) * 2008-09-24 2010-04-01 三菱電機株式会社 エコー消去装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006033789A (ja) * 2004-06-16 2006-02-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 反響路結合量推定方法、反響路結合量推定装置、反響路結合量推定プログラム、エコー抑圧方法、エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコーサプレス方法、エコーサプレッサ、エコーサプレッサプログラム、通信路上の損失量制御方法、通信路上の損失量制御装置、通信路上の損失制御プログラム、多チャネルエコー抑圧方法、多チャネルエコー抑圧装置、多チャネルエコー抑圧プログラム、記録媒体
JP2008005094A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> エコー抑圧方法、装置、エコー抑圧プログラム、記録媒体
WO2010035308A1 (ja) * 2008-09-24 2010-04-01 三菱電機株式会社 エコー消去装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10320967B2 (en) 2016-09-15 2019-06-11 Oki Electric Industry Co., Ltd. Signal processing device, non-transitory computer-readable storage medium, signal processing method, and telephone apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP6369189B2 (ja) 2018-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107211063B (zh) 非线性回波路径检测
US10074380B2 (en) System and method for performing speech enhancement using a deep neural network-based signal
KR101116013B1 (ko) 잡음 억압 장치, 잡음 억압 방법 및 휴대 전화기
US9591123B2 (en) Echo cancellation
JP6160403B2 (ja) エコー抑圧装置及びエコー抑圧プログラム
KR20170142001A (ko) 전자 장치, 그의 반향 신호 제거 방법 및 비일시적 컴퓨터 판독가능 기록매체
JP6295722B2 (ja) エコー抑圧装置、プログラム及び方法
WO2016025211A1 (en) Systems and methods for nonlinear echo cancellation
KR102190833B1 (ko) 에코 억제
US8804981B2 (en) Processing audio signals
JP6369189B2 (ja) エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末
JP2007189536A (ja) 音響エコーキャンセラ装置、音響エコーキャンセル方法及び通話装置
JP6648436B2 (ja) エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、及びエコー抑圧方法
JP6369192B2 (ja) エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、エコー抑圧方法及び通信端末
JP6398470B2 (ja) ステレオエコー抑圧装置、エコー抑圧装置、ステレオエコー抑圧方法及びステレオエコー抑圧プログラム
JP6432384B2 (ja) エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム及びエコー抑圧方法
JP6555057B2 (ja) 音源分離エコー抑圧装置、音源分離エコー抑圧プログラム、及び音源分離エコー抑圧方法
JP6314608B2 (ja) エコー抑圧装置、エコー抑圧プログラム、及びエコー抑圧方法
WO2013032001A1 (ja) 音声処理装置、その制御方法および制御プログラム
JP2020191604A (ja) 信号処理装置、及び、信号処理方法
Fukui et al. Hands-free audio conferencing unit with low-complexity dereverberation
JP2013005106A (ja) 場内拡声装置、場内拡声方法、及びそのプログラム
JP2015070576A (ja) エコー抑圧装置、及びエコー抑圧プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180612

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6369189

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150