JP2016025227A - デスミア処理の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線基板材料のビアホールの底部表面におけるスミアの除去状態を客観的にかつ定量的に評価することができるデスミア処理の評価方法を提供する。
【解決手段】配線層と、この配線層上に積層された、樹脂よりなる絶縁層とを有し、前記絶縁層に、前記配線層の一部によって構成された底部を有するビアホールが形成された配線基板材料について、当該ビアホールの底部表面に付着したスミアの除去状態を評価するデスミア処理の評価方法であって、前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の濃度および炭素元素の濃度を測定し、得られた測定結果から、前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の量に対する炭素元素の量の比率を求めることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、銅よりなる配線層上に樹脂よりなる絶縁層が積層されてなり、当該絶縁層にビアホールが形成された配線基板材料について、当該ビアホールの底部表面に付着したスミアの除去状態を評価するデスミア処理の評価方法に関する。
例えば半導体集積回路素子等の半導体素子を搭載するための配線基板としては、絶縁層と配線層とが交互に積層されてなる多層配線基板が知られている。このような多層配線基板においては、一の配線層と他の配線層とを電気的に接続するため、1つの若しくは複数の絶縁層を厚み方向に貫通して伸びるビアホールが形成されている。
多層配線基板の製造工程においては、絶縁層と配線層とが積層されてなる配線基板材料に、例えばレーザ加工を施すことによって絶縁層の一部を除去することにより、ビアホールが形成される。そして、絶縁層にビアホールを形成すると、得られるビアホールの底部表面には、絶縁層を構成する材料に起因するスミア(残渣)が付着する。このスミアが付着したままの状態でビアホール内にメッキ処理を施すと、配線層間の接続不良を引き起こすことがある。このため、ビアホールが形成された配線基板材料に対して、ビアホールの底部表面に付着したスミアを除去するデスミア処理が行われる。
配線基板材料のデスミア処理方法としては、湿式のデスミア処理方法および乾式のデスミア処理方法が知られている(特許文献1および特許文献2参照)。
湿式のデスミア処理方法は、配線基板材料を過マンガン酸カリウムや水酸化ナトリウムが溶解されてなるアルカリ溶液中に浸漬することにより、配線基板材料に残留するスミアを溶解若しくは剥離して除去する方法である。一方、乾式のデスミア処理方法は、配線基板材料に紫外線を照射することにより、当該紫外線のエネルギーおよび紫外線の照射に伴って生ずるオゾンによってスミアを分解して除去する方法である。
このようなデスミア処理方法においては、スミアを十分にかつ確実に除去することが肝要である。このため、実際に利用されるデスミア処理方法について、デスミア処理後におけるスミアの除去状態を予め評価することが必要である。
従来、デスミア処理の評価方法としては、(1)配線基板材料のビアホールの底部表面を例えば走査型電子顕微鏡によって観察する方法、(2)ビアホールにメッキ処理を施した後、導通試験などを行う方法が知られている。
しかしながら、上記(1)の方法は、主観的かつ定性的な方法であるため、観察者によって評価が異なる虞がある。一方、上記(2)の方法は、デスミア処理を直接評価する方法ではない。
また、デスミア処理の評価方法として、走査型電子顕微鏡によって得られたビアホールの底部表面の画像を二値化処理(白黒)することにより、スミア非付着領域(白)とスミア付着領域(黒)とに分別し、ビアホールの底部表面におけるスミア付着領域が占める面積の割合をスミアの残存率として算出する方法が提案されている(非特許文献1参照。)。
しかしながら、この評価方法においては、ビアホールの底部表面の画像を二値化処理する際に、閾値の設定に主観的要素が加わるため、閾値の設定によって評価が異なる虞がある。
特開2010−205801号公報 特開平8−180757号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、配線基板材料のビアホールの底部表面におけるスミアの除去状態を客観的にかつ定量的に評価することができるデスミア処理の評価方法を提供することにある。
本発明のデスミア処理の評価方法は、配線層と、この配線層上に積層された、樹脂よりなる絶縁層とを有し、前記絶縁層に、前記配線層の一部によって構成された底部を有するビアホールが形成された配線基板材料について、当該ビアホールの底部表面に付着したスミアの除去状態を評価するデスミア処理の評価方法であって、
前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の濃度および炭素元素の濃度を測定し、得られた測定結果から、前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の量に対する炭素元素の量の比率を求めることを特徴とする。
また、本発明のデスミア処理の評価方法は、配線層と、この配線層上に積層された、樹脂中にシリカよりなるフィラーが含有されてなる絶縁層とを有し、前記絶縁層に、前記配線層の一部によって構成された底部を有するビアホールが形成された配線基板材料について、当該ビアホールの底部表面に付着したスミアの除去状態を評価するデスミア処理の評価方法であって、
前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の濃度および珪素元素の濃度を測定し、得られた測定結果から、前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の量に対する珪素元素の量の比率を求めることを特徴とする。
本発明のデスミア処理の評価方法においては、前記ビアホールの底部に電子線を照射してエネルギー分散型X線分析を行うことにより、前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の濃度および前記炭素元素若しくは前記珪素元素の濃度を測定することが好ましい。
このようなデスミア処理の評価方法においては、前記電子線の加速電圧が1〜20kVであることが好ましい。
また、前記ビアホールの底部に、当該底部表面の法線に対して傾斜した方向から前記電子線を照射することが好ましい。
また、前記ビアホールの底部表面および内壁面並びに前記絶縁層の表面に、アルミニウム(Al)、白金(Pt)およびパラジウム(Pd)から選ばれた金属よりなる導電膜を形成し、その後、前記ビアホールの底部に電子線を照射することが好ましい。
また、本発明のデスミア処理の評価方法においては、前記配線層を構成する元素が銅元素であることが好ましい。
本発明のデスミア処理の評価方法によれば、ビアホールの底部である配線層を構成する元素の量に対するスミアを構成する炭素元素若しくは珪素元素の量の比率を求めるため、ビアホールの底部表面におけるスミアの除去状態を客観的にかつ定量的に評価することができる。
本発明のデスミア処理の評価方法の対象となる配線基板材料の一例における要部の構成を示す説明用断面図である。 図1に示す配線基板材料の製造工程を示す説明用断面図である。 サンプル複合体の作製工程を示す説明用断面図である。 ビアホールの底部表面および内壁面並びに第2絶縁層の表面に導電膜が形成された状態を示す説明用断面図である。 エネルギー分散型X線分析において、ビアホールの底部に対する電子線の照射方向を示す説明図である。
以下、本発明のデスミア処理の評価方法の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のデスミア処理の評価方法の対象となる配線基板材料の一例における要部の構成を示す説明用断面図である。この配線基板材料1は、第1絶縁層2と、この第1絶縁層2の表面上に積層された、所要のパターンの配線層3と、この配線層3を含む第1絶縁層2上に積層された第2絶縁層4とにより構成されている。第2絶縁層4には、その厚み方向に伸びるビアホール5が形成されている。このビアホール5の底部は、配線層3の一部によって構成されている。
第1絶縁層2および第2絶縁層4の各々は、無機物質よりなるフィラーが含有された樹脂によって構成されている。
第1絶縁層2および第2絶縁層4を構成する樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂などを用いることができる。
第1絶縁層2中および第2絶縁層4中に含有されるフィラーを構成する材料としては、シリカ、アルミナ、マイカ、珪酸塩、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、酸化チタンなどを用いることができる。フィラーの平均粒子径は、例えば0.1〜3μmである。
第1絶縁層2および第2絶縁層4の各々におけるフィラーの割合は、例えば20〜60質量%である。
配線層3は銅により構成されている。
第1絶縁層2の厚みは、例えば20〜800μm、第2絶縁層4の厚みは、例えば10〜50μmである。配線層3の厚みは、例えば10〜100μmである。また、ビアホール5の径は、例えば30〜100μmである。
このような配線基板材料1は、例えば以下のようにして得られる。
先ず、図2(a)に示すように、第1絶縁層2の表面上に、所要のパターンの配線層3を形成する。次いで、図2(b)に示すように、配線層3を含む第1絶縁層2の表面上に第2絶縁層4を形成する。そして、図2(c)に示すように、第2絶縁層4における所要の箇所に、当該第2絶縁層4の厚み方向に貫通して伸びるビアホール5を形成し、以て、配線基板材料1が得られる。
以上において、配線層3を形成する方法としては、特に限定されず、サブトラクティブ法、セミアディティブ法などの種々の方法を利用することができる。
第2絶縁層4を形成する方法としては、液状の熱硬化性樹脂中にフィラーが含有されてなる絶縁層形成材料を、配線層3を含む第1絶縁層2の表面上に塗布した後、当該絶縁層形成材料を硬化処理する方法や、配線層3を含む第1絶縁層2の表面上に、フィラーが含有された絶縁シートを熱圧着等によって貼り合わせる方法を利用することができる。
第2絶縁層4にビアホール5を形成する方法としては、レーザ加工による方法を利用することができる。レーザ加工によってビアホール5を形成する場合には、炭酸ガスレーザ装置やYAGレーザ装置などを用いることができる。
このようにして得られる配線基板材料1においては、第2絶縁層4におけるビアホール5の底部表面に、ビアホール5を形成する際に生じたスミア6が付着している。このスミア6は、第2絶縁層4を構成する樹脂に起因する物質により構成されている。従って、スミア6には、炭素元素が含まれている。また、第2絶縁層4中にシリカよりなるフィラーが含有されている場合には、スミア6の一部はシリカによって構成されている。従って、スミア6には、珪素元素が含まれている。
このような配線基板材料1においては、配線基板材料1に付着したスミア6を除去するために、デスミア処理が施される。デスミア処理方法としては、特に限定されず、過マンガン酸カリウムや水酸化ナトリウムなどが溶解されてなるアルカリ溶液中に配線基板材料1を浸漬する湿式のデスミア処理方法、配線基板材料1に紫外線を照射する乾式のデスミア処理方法を用いることができる。
そして、本発明のデスミア処理の評価方法においては、ビアホール5の底部における配線層3を構成する元素(この例では銅元素)の濃度およびスミア6を構成する炭素元素の濃度を測定する。
これらの元素の濃度を測定する方法としては、ビアホール5の底部に電子線を照射してエネルギー分散型X線分析を行う方法を用いることが好ましい。以下、電子線の照射によるエネルギー分散型X線分析によって、ビアホール5の底部における配線層3を構成する銅元素の濃度および炭素元素の濃度を測定する方法について、具体的に説明する。
[評価サンプルおよびサンプル複合体の作製]
先ず、デスミア処理の評価に供される評価サンプルおよびサンプル複合体を作製する。具体的に説明すると、先ず、図3(a)に示すように、デスミア処理が施された配線基板材料1を、ビアホール5が形成された領域を含むよう適宜のサイズ(例えば5mm×5mm)にカットすることにより、評価用サンプル1aを作製する。その後、図3(b)に示すように、評価用サンプル1aを金属製の試料台11の表面に、接着材12によって固定する。ここで、接着材12は、絶縁性のものであってもカーボンテープなどの導電性を有するものであってもよい。次いで、図3(c)に示すように、評価用サンプル1aの側面(配線基板材料1をカットすることによって形成された断面)に露出した配線層3と試料台11とを、導電テープまたは導電ペーストなどの導体13によって電気的に接続する。このようにして、接着材12によって試料台11の表面に評価用サンプル1aが固定され、導体13によって試料台11に配線層3が電気的に接続されたサンプル複合体10が作製される。
[評価サンプルの前処理]
次いで、サンプル複合体10における評価サンプル1aの前処理を行う。具体的には、サンプル複合体10における評価用サンプル1aに対して例えば真空蒸着を施すことにより、図4に示すように、ビアホール5の底部表面および内壁面並びに第2絶縁層4の表面に、金属よりなる導電膜15を形成する。ここで、導電膜15を構成する材料としては、融点が低くて蒸発しやすいこと、蒸発による物性の変化が小さいこと、大気中における安定性が高いこと、エネルギー分散型X線分析において銅元素および珪素元素の特性X線との識別が可能であることなどの観点から、アルミニウム(Al)、白金(Pt)およびパラジウム(Pd)から選ばれた金属を用いることが好ましい。導電膜15は、導体13に電気的に接続されている。また、導電膜15の厚みは、例えば10〜1000nmである。
[エネルギー分散型X線分析]
そして、前処理された評価サンプル1aにおけるビアホール5の底部について、エネルギー分散型X線分析を行う。具体的に説明すると、エネルギー分散型X線分析装置の試料室内に、サンプル複合体10をセットし、試料室内を真空状態とする。このとき、サンプル複合体10における試料台11は、適宜の除電手段(例えばアース)に電気的に接続される。
次いで、電子銃からビアホール5の底部に電子線を照射する。これにより、ビアホール5の底部から、当該底部を構成する元素や底部表面に付着した物質を構成する元素などに応じた固有の特性X線が放射され、この特性X線がX線検出器によって検出される。そして、X線検出器によって検出された特性X線の強度に基づいて、ビアホール5の底部における元素の濃度が測定される。
以上において、ビアホール5の底部に、当該底部表面の法線に対して傾斜した方向から電子線を照射することによって、電子銃とビアホールの底部との間の電子線の行路、およびビアホールの底部とX線検出器との間のX線の行路を確保することが好ましい。ビアホールの底部に対する電子銃およびX線検出器の配置位置、並びにビアホール5の底部表面の法線に対する電子線の傾斜角度は、ビアホール5の形状や寸法(例えばアスペクト比や深さ)に応じて適宜設定される。図5を参照して具体的な一例を示すと、評価サンプル1aにおけるビアホール5のアスペクト比が0.5で深さが25μmの場合には、ビアホール5の底部表面および電子銃の照射部を結ぶ直線L2と、ビアホール5の底部表面およびX線検出器の検出部を結ぶ直線L3とのなす角αが60°であり、ビアホール5の底部表面の法線L1と、ビアホール5の底部表面および電子銃の照射部を結ぶ直線L2とのなす角βが30°(αの0.5倍)である。
このような条件を満足することにより、例えば反射電子線が絶縁層(図示の例では第2絶縁層4)に照射されることによって発生する特性X線が、X線検出器によって検出されることを防止または抑制することができ、従って、ビアホール5の底部における元素の濃度を高い精度で測定することができる。
また、ビアホール5の底部に照射される電子線の加速電圧は1〜20kVであることが好ましく、より好ましくは5〜15kVである。電子線の加速電圧が1kV未満である場合には、検出される特性X線の強度が低いため、ビアホール5の底部における元素の濃度を安定に測定することが困難となることがある。一方、電子線の加速電圧が20kVを超える場合には、電子線が、ビアホール5の底部を構成する配線層3の下層(図示の例では第1絶縁層2)に到達する虞がある。このため、配線層3の下層からも特性X線が放射され、当該下層からの特性X線がX線検出器によって検出されてしまう。その結果、ビアホール5の底部における元素の濃度の測定において誤差が生じる。
また、エネルギー分散型X線分析におけるサンプリングエリアの寸法は、ビアホール5の形状や寸法など応じて設定されるが、1μm角〜10μm角であることが好ましい。サンプリングエリアの寸法が上記範囲であれば、ビアホール5の底部における元素の濃度を高い精度で測定することができる。
サンプリングエリアの寸法が過小である場合には、特性X線を検出することによって得られる信号量が小さく、ノイズ量が相対的に大きくなる。そのため、ビアホール5の底部における元素の濃度を高い精度で測定することが困難となることがある。一方、サンプリングエリアの寸法が過大である場合には、ビアホール5の底部以外からの特性X線がX線検出器によって検出しやすくなる。そのため、ビアホール5の底部における元素の濃度の測定において誤差が生じる虞がある。
また、配線層3および導電膜15が導体13を介して試料台11に電気的に接続され、試料台11が除電手段に電気的に接続されていることにより、エネルギー分散型X線分析において、チャージアップの発生を防止することができる。
[元素量比の算出]
このようにして測定された、ビアホール5の底部における元素の濃度のうち、配線層3を構成する元素の濃度および炭素元素の濃度を選択する。そして、これらの測定結果から、ビアホール5の底部である配線層3を構成する元素(上記の配線基板材料1では銅元素)の量に対する炭素元素の量の比率を求める。具体的には、この比率は、配線層3を構成する元素の濃度をE1 、炭素元素の濃度をE2 としたとき、比E2 /E1 の値である。
ビアホール5の底部において、配線層3を構成する元素の量は基本的に一定である。従って、ビアホール5の底部における配線層3を構成する元素の量に対するスミアを構成する炭素元素の量の比率を求めることにより、ビアホール5の底部表面に残存する樹脂に起因するスミアの量を推定することができる。
そして、配線層3を構成する元素の量に対する炭素元素の量の比率すなわち比E2 /E1 の値に基づいて、ビアホール5の底部表面におけるスミアの除去状態を評価する。
例えば配線層3を構成する元素が銅元素である場合には、比E2 /E1 の値(銅元素の量に対する炭素元素の量の比率)が例えば0.2以下であれば、スミアが十分に除去されていると判断する。
また、絶縁層中にシリカよりなるフィラーが含有されている場合には、ビアホール5の底部における元素の濃度のうち、配線層3を構成する元素の濃度および珪素元素の濃度を選択し、これらの測定結果から、ビアホール5の底部である配線層3を構成する元素の量に対する珪素元素の量の比率を求めてもよい。この比率は、配線層3を構成する元素の濃度をE1 、珪素元素の濃度をE3 としたとき、比E3 /E1 の値である。この比率を求めることにより、ビアホール5の底部表面に残存するフィラーに起因するスミアの量を推定することができる。
そして、配線層3を構成する元素の量に対する珪素元素の量の比率すなわち比E3 /E1 の値に基づいて、ビアホール5の底部表面におけるスミアの除去状態を評価する。
例えば配線層3を構成する元素が銅元素である場合には、比E3 /E1 の値(銅元素の量に対する珪素元素の量の比率)が例えば0.2以下であれば、スミアが十分に除去されていると判断する。
このようなデスミア処理の評価方法によれば、ビアホール5の底部である配線層3を構成する元素の量に対するスミアを構成する炭素元素若しくは珪素元素の量の比率を求めるため、ビアホール5の底部表面におけるスミアの除去状態を客観的にかつ定量的に評価することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[試験用配線基板材料の製造]
厚みが30μmの銅箔上に厚みが25μmの絶縁層が形成されてなる積層体を用意した。ここで、絶縁層は、エポキシ樹脂中に、平均粒子径が0.1〜1μmの範囲にあるシリカが70質量%の割合で含有されてなるものである。
この積層体における絶縁層に対して、炭酸ガスレーザ装置によってレーザ加工を施すことにより、当該絶縁層に、銅箔の一部によって構成された底部を有する、径が50μmのビアホールを形成し、以て、試験用配線基板材料を得た。以下、この試験用配線基板材料を「基板材料A」とする。
[デスミア処理]
〈処理例1〉
基板材料Aについて、下記の紫外線照射処理および物理的振動処理を行うことにより、基板材料Aのデスミア処理を行った。
(1)紫外線照射処理
キセノンエキシマランプおよび紫外線出射窓を備えた紫外線照射装置を用意し、この紫外線照射装置の紫外線出射窓に対向するよう基板材料Aを配置した。そして、基板材料Aを加熱すると共に、紫外線出射窓と基板材料Aとの間に酸素ガス(濃度100%)を供給しながら、キセノンエキシマランプによる紫外線を紫外線出射窓を介して基板材料Aに照射した。紫外線照射処理の具体的な条件は、以下の通りである。
基板材料Aの加熱温度=120℃
紫外線出射窓と基板材料Aとの離間距離=0.5mm
酸素ガスの流速=10mm/s
紫外線出射窓の外面における紫外線照度=120mW/cm2
紫外線照射時間=100秒間
(2)物理的振動処理
上記の紫外線照射処理が施された基板材料Aを純水中に浸漬した。そして、基板材料Aに対して25kHzの超音波処理を30秒間行った。
このようにしてデスミア処理された基板材料Aを「基板材料A1」とする。
〈処理例2〉
紫外線照射時間を200秒間に変更したこと以外は、処理例1と同様にして基板材料Aのデスミア処理を行った。このようにしてデスミア処理された基板材料Aを「基板材料A2」とする。
〈処理例3〉
紫外線照射時間を300秒間に変更したこと以外は、処理例1と同様にして基板材料Aのデスミア処理を行った。このようにしてデスミア処理された基板材料Aを「基板材料A3」とする。
〈実験例1〉
デスミア処理が施されていない基板材料A、およびデスミア処理が施された基板材料A1〜A3の各々を、ビアホールが形成された領域を含むよう5mm×5mmにカットすることにより、評価用サンプルを作製した。その後、これらの評価用サンプルをアルミニウムよりなる試料台にカーボンテープよりなる接着材によって固定した。次いで、評価用サンプルの側面に露出した配線層と試料台とを、カーボンテープよりなる導体によって電気的に接続した。このようにして、接着材によって試料台の表面に評価用サンプルが固定され、導体によって試料台に配線層に電気的に接続されたサンプル複合体を作製した。
各サンプル複合体における評価用サンプルに対して真空蒸着を施すことによって、ビアホールの底部表面および内壁面を含む評価用サンプルの表面に、厚みが100nmのアルミニウム(Al)よりなる金属膜を形成した。
基板材料Aおよび基板材料A1〜A3の各々から得られたサンプル複合体を用い、以下のようにして、ビアホールの底部における銅元素、炭素元素および珪素元素の濃度を測定した。
エネルギー分散型X線分析装置の試料室内に、サンプル複合体をセットした。このとき、ビアホールの底部表面および電子銃の照射部を結ぶ直線と、ビアホールの底部表面およびX線検出器の検出部を結ぶ直線とのなす角αは、60°であり、ビアホールの底部表面の法線と、ビアホールの底部表面および電子銃の照射部を結ぶ直線とのなす角βは、30°であった。
次いで、試料室内を真空状態とした後、15kVの加速電圧で、電子銃からビアホールの底部に電子線を照射し、ビアホールの底部から放射される特性X線を検出することにより、ビアホールの底部における銅元素、炭素元素および珪素元素の濃度を測定した。
そして、銅元素の量に対する炭素元素の量の比率(比E2 /E1 )および銅元素の量に対する珪素元素の量の比率(比E3 /E1 )を求めた。
以上、結果を表1に示す。
Figure 2016025227
表1の結果から、デスミア処理における紫外線照射時間が長いほど、比E2 /E1 および比E3 /E1 の各々の値が小さいことが確認された。これは、デスミア処理が十分に行われているほど、ビアホールの底部におけるスミアの残存量が少ないことを示すものである。
〈実験例2〉
基板材料A3について、電子線の加速電圧を1kV、5kV、10kVおよび20kVに変更したこと以外は、実験例1と同様にしてビアホールの底部における銅元素の量に対する炭素元素の量の比率(比E2 /E1 )および銅元素の量に対する珪素元素の量の比率(比E3 /E1 )を求めた。
結果を表2に示す。
Figure 2016025227
表2の結果から、電子線の加速電圧が1〜20kVの範囲であれば、比E2 /E1 および比E3 /E1 について、再現性が高くて安定した値が得られることが確認された。
1 配線基板材料
1a 評価サンプル
2 第1絶縁層
3 配線層
4 第2絶縁層
5 ビアホール
6 スミア
10 サンプル複合体
11 試料台
12 接着材
13 導体
15 導電膜

Claims (7)

  1. 配線層と、この配線層上に積層された、樹脂よりなる絶縁層とを有し、前記絶縁層に、前記配線層の一部によって構成された底部を有するビアホールが形成された配線基板材料について、当該ビアホールの底部表面に付着したスミアの除去状態を評価するデスミア処理の評価方法であって、
    前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の濃度および炭素元素の濃度を測定し、得られた測定結果から、前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の量に対する炭素元素の量の比率を求めることを特徴とするデスミア処理の評価方法。
  2. 配線層と、この配線層上に積層された、樹脂中にシリカよりなるフィラーが含有されてなる絶縁層とを有し、前記絶縁層に、前記配線層の一部によって構成された底部を有するビアホールが形成された配線基板材料について、当該ビアホールの底部表面に付着したスミアの除去状態を評価するデスミア処理の評価方法であって、
    前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の濃度および珪素元素の濃度を測定し、得られた測定結果から、前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の量に対する珪素元素の量の比率を求めることを特徴とするデスミア処理の評価方法。
  3. 前記ビアホールの底部に電子線を照射してエネルギー分散型X線分析を行うことにより、前記ビアホールの底部における前記配線層を構成する元素の濃度および前記炭素元素若しくは前記珪素元素の濃度を測定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデスミア処理の評価方法。
  4. 前記電子線の加速電圧が1〜20kVであることを特徴とする請求項3に記載のデスミア処理の評価方法。
  5. 前記ビアホールの底部に、当該底部表面の法線に対して傾斜した方向から前記電子線を照射することを特徴とする請求項4に記載のデスミア処理の評価方法。
  6. 前記ビアホールの底部表面および内壁面並びに前記絶縁層の表面に、アルミニウム、白金およびパラジウムから選ばれた金属よりなる導電膜を形成し、その後、前記ビアホールの底部に電子線を照射することを特徴とする請求項3に記載のデスミア処理の評価方法。
  7. 前記配線層を構成する元素が銅元素であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデスミア処理の評価方法。
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