JP2016025217A - プリント配線板及びその製造方法並びに熱硬化性樹脂組成物及び樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁層に微細な開口を有し、絶縁層上に微細な配線パターンを形成でき、且つ優れた信頼性を有するプリント配線板を充分に効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】導体回路を有する支持体の表面に形成した絶縁層に開口が設けられると共に、前記導体回路に接続される配線部が前記開口に形成されてなる、導体回路を有するプリント配線板の製造方法であって、第一の感光性樹脂層形成工程と、第一のパターン化工程と、再配線層形成工程と、金属層第一除去工程と、パターン露出工程と、開口形成工程と、金属層第二除去工程とを備えた、導体回路を有するプリント配線板の製造方法。
【選択図】図7
【解決手段】導体回路を有する支持体の表面に形成した絶縁層に開口が設けられると共に、前記導体回路に接続される配線部が前記開口に形成されてなる、導体回路を有するプリント配線板の製造方法であって、第一の感光性樹脂層形成工程と、第一のパターン化工程と、再配線層形成工程と、金属層第一除去工程と、パターン露出工程と、開口形成工程と、金属層第二除去工程とを備えた、導体回路を有するプリント配線板の製造方法。
【選択図】図7
Description
本発明は、プリント配線板及びその製造方法並びに熱硬化性樹脂組成物及び樹脂フィルムに関する。
プリント配線板は、コア基板上に複数の配線層が形成されたものであり、コア基板となる銅張積層体、各配線層間に設けられる層間絶縁材及び最表面に設けられるソルダーレジストを備えている。プリント配線板上には、通常、ダイボンディング材やアンダーフィル材を介して半導体素子が実装される。また、必要に応じて、トランスファー封止材によって全面封止される場合や、放熱性の向上を目的とした金属キャップ(蓋)が装着される場合がある。近年、半導体装置の軽薄短小化は留まるところを知らず、半導体素子や多層プリント配線板の高密度化が進んでいる。また、半導体装置の上に半導体装置を積むパッケージ・オン・パッケージといった実装形態も盛んに行われており、今後、半導体装置の実装密度は一段と高くなると予想される。
ところで、プリント配線板の層間絶縁材には、上下の配線層を電気的に接続するためのビア(開口)を設ける必要がある。プリント配線板上に実装されるフリップチップのピン数が増加すれば、そのピン数に対応する開口を設ける必要がある。しかし、従来のプリント配線板は実装密度が低く、また、実装する半導体素子のピン数も数千ピンから一万ピン前後の設計となっているため、小径で狭ピッチな開口を設ける必要がなかった。
しかしながら、半導体素子の微細化が進展し、ピン数が数万ピンから数十万ピンに増加するに従って、プリント配線板の層間絶縁材に形成する開口も半導体素子のピン数に合わせて、狭小化する必要性が高まっている。最近では、感光性材料と熱硬化性材料を組み合せて、レーザを用いずに微細な開口を設けるプリント配線板の開発が進められている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載されているプリント配線板は、レーザを用いずに感光性材料と熱硬化性材料、及びデスミア処理やプラズマ処理などの表面粗化処理の組み合せにより開口を設けている。
図14〜16は、従来の多層プリント配線板の製造方法を示す図である。図16(i)に示す多層プリント配線板100Aは表面及び内部に配線パターンを有する。多層プリント配線板100Aは、銅張積層体、層間絶縁材及び金属箔等を積層し、エッチング法やセミアディティブ法によって配線パターンを適宜形成することによって得られる。
まず、表面に配線パターン102を有する銅張積層体101の両面に感光層103を形成する(図14(a)参照)。感光層103は、感光性組成物をスクリーン印刷機やロールコータを用いて印刷してもよいし、感光性組成物からなるフィルム(感光性フィルム)を予め準備し、ラミネータを用いて、このフィルムをプリント配線板の表面に貼り付けることもできる。次いで、露光及び現像処理によって感光性組成物の硬化パターン104を形成する(図14(b)参照)。次いで、層間絶縁層105を形成する(図14(c)参照)。層間絶縁層105は、熱硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷機やロールコータを用いて印刷してもよいし、熱硬化性樹脂組成物からなるフィルム(熱硬化性樹脂フィルム)を予め準備し、ラミネータを用いて、このフィルムをプリント配線板の表面に貼り付けることもできる。次いで、デスミア処理やプラズマ処理によって層間絶縁層105の表面を除去し、感光性組成物の硬化パターン104を露出させる(図14(d)参照)。次いで、デスミア処理やプラズマ処理によって開口106を形成し、開口106底部や周辺のスミア(残渣)を除去する(図15(e)参照)。次いで、無電解めっき法によりシード層107を形成(図15(f)参照)し、上記シード層107上に感光層を形成し、所定の箇所を露光、現像処理して感光性組成物の硬化パターン108を形成する(図15(g)参照)。次いで、電解めっき法により配線パターン109を形成し、剥離液により感光性組成物の硬化パターンを除去した後、上記シード層107をエッチングにより除去する(図16(h)参照)。以上を繰り返し行い、最表面にソルダーレジスト110を形成することで多層プリント配線板100Aを作製している(図16(i)参照)。
このようにして得られた多層プリント配線板100Aは、対応する箇所に半導体素子が実装され、電気的な接続を確保することが可能である。しかしながら、このような方法で製造された多層プリント配線板100Aは、デスミア処理やプラズマ処理などの粗化処理によって表面を除去するため、除去しづらい材料を用いた場合や、感光性材料上の熱硬化性材料の厚みが厚い場合は表面の除去に時間がかかること、処理時間が長くなると基板表面が粗化され微細配線を形成しづらいといった問題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、絶縁層に微細な開口を有し、絶縁層上に微細な配線パターンを形成でき、且つ優れた信頼性を有するプリント配線板を充分に効率的に製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は上記方法によって製造されたプリント配線板、並びに、プリント配線板を製造するのに適した熱硬化性樹脂組成物及び樹脂フィルムを提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係るプリント配線板の製造方法は、導体回路を有する支持体の表面に形成した絶縁層に開口が設けられると共に、導体回路に接続される配線部が開口に形成されてなる、プリント配線板の製造方法であって、導体回路を有する支持体を準備する工程と、前記導体回路を覆うように前記支持体上に第一の感光層を形成する第一の感光層形成工程と、第一の感光層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第一のパターン化工程と、第一の感光層の硬化パターンを覆うように前記支持体上に、絶縁層として熱硬化性樹脂層と、金属層とを形成する再配線層形成工程と、前記金属層の一部を除去し熱硬化性樹脂層の一部を露出させる金属層第一除去工程と、前記熱硬化性樹脂層の一部を除去して第一の感光層のパターンの所定箇所を前記熱硬化性樹脂層から露出させるパターン露出工程と、前記熱硬化性樹脂層から露出した第一の感光層の硬化パターンを除去して前記導体回路を露出させる開口を前記熱硬化性樹脂層に形成する開口形成工程と、前記金属層を除去して前記熱硬化性樹脂層の表面を露出させる金属層第二除去工程と、前記導体回路に接続される配線部を前記開口に形成する工程と、を備える。
このプリント配線板の製造方法では、熱硬化性樹脂層に形成する開口の形状に合わせて、第一のパターン化工程において第一の感光層をパターン化することにより、様々な開口を容易に形成することができる。また、このプリント配線板の製造方法では、レーザで開口を形成する場合と異なり、複数の開口を同時に形成できることに加え、デスミアレス、又は短い時間のデスミア処理で開口周辺の樹脂の残渣を低減できる。また、残渣除去工程時に熱硬化性樹脂の表面が粗化されないため、微細な配線パターンも形成可能となる。このため、半導体素子のピン数が増加し、多数の微細な開口や微細な配線パターンを設ける必要が生じた場合でも、優れた信頼性を有するプリント配線板を効率的に製造することができる。
また、本発明に係るプリント配線板の製造方法は、再配線層形成工程後に、熱硬化性樹脂層を熱硬化する熱硬化工程を更に備え、金属層の一部を除去する金属層第一除去工程後のパターン露出工程及び開口形成工程において、プラズマ処理及びデスミア処理を施すことにより、熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部の除去と、熱硬化性樹脂層から露出した第一の感光層の硬化パターンの除去とを行うことが好ましい。この場合、プラズマ処理及びデスミア処理によって速やかに第一の感光層のパターンが露出、除去され、開口周辺の残渣発生をより確実に低減できる。
また、本発明に係るプリント配線板の製造方法は、再配線層形成工程後に、熱硬化性樹脂層を熱硬化する熱硬化工程を更に備え、金属層の一部を除去する金属層第一除去工程後のパターン露出工程及び開口形成工程において、デスミア処理を施すことにより、熱硬化性樹脂層の一部の除去と、熱硬化性樹脂層から露出した第一の感光層の硬化パターンの除去とを行ってもよい。この場合、デスミア処理によって速やかに第一の感光層のパターンが露出、除去され、開口周辺の残渣発生をより確実に低減できる。
また、本発明に係るプリント配線板の製造方法は、再配線層形成工程後に、熱硬化性樹脂層を熱硬化する熱硬化工程を更に備え、金属層の一部を除去する金属層第一除去工程後のパターン露出工程及び開口形成工程において、プラズマ処理を施すことにより、熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部の除去と、熱硬化性樹脂層から露出した第一の感光層の除去とを行ってもよい。この場合、プラズマ処理によって速やかに第一の感光層の硬化パターンが露出、除去され、開口周辺の残渣発生をより確実に低減できる。
なお、上記プラズマ処理、又はデスミア処理は、ブラスト処理等の粗化処理でもよい。
また、本発明に係るプリント配線板の製造方法は、熱硬化工程において、熱硬化性樹脂層の温度を150℃〜250℃とし、且つ加熱時間を30分〜300分とすることが好ましい。熱硬化性樹脂層の温度を150℃以上、加熱時間を30分以上とすると、熱硬化性樹脂層を充分に硬化することができるため、その後のデスミア処理による熱硬化性樹脂層の劣化を抑制でき、パターン露出工程及び開口形成工程において、熱硬化性樹脂層及び第一の感光層の硬化パターンを除去し易くなり、導体回路を露出し易くなる。一方、熱硬化性樹脂層の温度を250℃以下、加熱時間を300分以下とすると、導体回路表面の銅の酸化を抑えることができ、銅界面で熱硬化性樹脂層が剥離することを防ぐことができる。
また、上記熱硬化工程は、不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスの雰囲気で熱硬化を行うことにより、導体回路表面の銅の酸化を抑制することができる。
また、本発明に係るプリント配線板の製造方法は、開口を形成し、金属層を除去して熱硬化性樹脂層の表面を露出させた後の熱硬化性樹脂層の少なくとも一部を覆うように、無電解めっき法により配線部の下地となるシード層を形成するシード層形成工程と、シード層を覆うように、第二の感光層を形成後、第二の感光層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第二のパターン化工程と、シード層を少なくとも覆うように、電解めっき法により配線部を形成後、剥離処理により第二の感光層の硬化パターンを剥離して配線部をパターン化する配線部パターン化工程と、配線部が形成されていない領域のシード層を除去するシード層除去工程と、を更に備えることが好ましい。シード層を形成することにより、電解めっき法による配線部の形成が可能になり、配線部を選択的にパターン化することができる。
また、第一の感光層形成工程において、第一の感光層の厚さT1を2μm〜50μmとすることが好ましい。第一の感光層の厚さT1を2μm以上とすると、第一の感光層の形成に用いる感光性組成物を成膜し易くなるため、プリント配線板の製造に用いるフィルム状の感光性組成物を容易に作製することができる。第一の感光層の厚さT1を50μm以下とすると、第一の感光層に微細なパターンを形成することが容易になる。
また、再配線層形成工程において、熱硬化性樹脂層の厚さT2を2μm〜50μmとすることが好ましい。熱硬化性樹脂層の厚さT2を2μm以上とすると、熱硬化性樹脂層の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物を成膜し易くなるため、プリント配線板の製造に用いるフィルム状の熱硬化性樹脂組成物を容易に作製することができる。熱硬化性樹脂層の厚さT2を50μm以下とすると、熱硬化性樹脂層に微細なパターンを形成することが容易になる。
また、再配線層形成工程において、第一の感光層の厚さT1に対する熱硬化性樹脂層の厚さT2の比(T2/T1)を1.0〜2.0とすることが好ましい。(T2/T1)を1.0以上とすると、再配線層形成工程において、第一の感光層の硬化パターンを熱硬化性樹脂組成物で埋め込みやすくなるため、得られるプリント配線板の信頼性をより高めることができる。一方、(T2/T1)を2.0以下とすると、後続する工程において熱硬化性樹脂層が除去し易くなり、短時間で開口を熱硬化性樹脂層に形成できるため、プリント配線板をより効率的に製造することができる。
また、開口形成工程おいて、熱硬化性樹脂層に形成する開口のうち、最小の直径Rminに対する当該開口の深さDの比(D/Rmin)を0.1〜2.0とすることが好ましい。(D/Rmin)を0.1以上とすると、熱硬化性樹脂層の厚さが薄くなり過ぎないため、熱硬化性樹脂層に微細な開口を形成する場合であっても、開口の形状を安定に保つことができる。一方、(D/Rmin)を2.0以下とすると、第一の感光層の硬化パターンが除去し易くなり、直径60μm以下の微細な開口をより形成し易くなる。
また、本発明に係るプリント配線板は、上述したプリント配線板の製造方法によって製造されたプリント配線板であって、熱硬化性樹脂層が有する開口の直径が60μm以下のものを含むことが好ましい。上述した製造方法によって製造されたプリント配線板は、図14〜16に示される従来のプリント配線板と比べて、絶縁層に微細な開口を設けることができる。また、プリント配線板における熱硬化性樹脂層が有する開口の直径が60μm以下のものを含むことにより、ピン数が数万ピンから数十万ピンの多数のピンを備えた半導体素子を実装するのに適したものとなる。
また、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、上述したプリント配線板の製造方法において使用される熱硬化性樹脂組成物であって、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び熱硬化性ポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む樹脂組成物と、最大粒径が5μm以下であり且つ平均粒径が1μm以下である無機フィラーと、を含有する熱硬化性樹脂組成物であることが好ましい。このような熱硬化性樹脂組成物を用いて熱硬化性樹脂層を形成することにより、熱硬化性樹脂層に形成した開口の表面が平滑となり、開口上にシード層を形成し易くなる。また、本発明は、上述した熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂フィルムを提供する。
本発明により、絶縁層に微細な開口を有し、開口部分に微細な配線パターンを形成でき、且つ優れた信頼性を有するプリント配線板を充分に効率的に製造する方法及び製造されるプリント配線板、並びに、プリント配線板を製造するのに適した熱硬化性樹脂組成物及び樹脂フィルムを提供することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明のプリント配線板の製造方法は、半導体素子を実装するためのプリント配線板の製造に好適に用いられる。特に、フリップチップ型の半導体素子を実装するためのプリント配線板の製造に好適に用いられる。また、コアレス基板、WLP(Wafer Level Package)、eWLB(embeded Wafer Level Ball Grid Array)等の基板レスパッケージの再配線方法にも好適に用いることができる。中でも、実装される半導体素子のサイズが大きく、半導体素子の表面にエリアアレイ状に配置された数万ものバンプと電気的に接続するためのプリント配線板に特に好適である。
図1は、本発明の一実施形態に係るプリント配線板の製造方法を示す断面図である。図1(a)に示すように、まず、両側の表面に銅箔2を有する銅張積層体1を準備する。次いで、図1(b)に示すように、銅張積層体1の銅箔2の不要な箇所をエッチングにより除去して、支持体として、導体回路2aを形成したプリント配線板20を得る。なお、回路の材質は、銅に限定されない。
次いで、図2に示すように、導体回路2aをそれぞれ覆うようにプリント配線板20に後述する感光性組成物からなる第一の感光層3を形成する(第一の感光層形成工程)。第一の感光層3の厚さT1は、2μm〜50μmが好ましく、5μm〜30μmがより好ましい。第一の感光層の厚さT1を2μm以上とすると、第一の感光層の形成に用いる感光性組成物を成膜し易くなるため、プリント配線板の製造に用いるフィルム状の感光性組成物を容易に作製することができる。第一の感光層の厚さT1を50μm以下とすると、第一の感光層に微細なパターンを形成することが容易になる。なお、第一の感光層の厚さT1は、図2に示す厚さをいう。
その後、マスクパターンを通して活性光線を照射することにより、第一の感光層3において、後の現像処理後に除去しない部分を露光し、第一の感光層3を光硬化させる(第一のパターン化工程の露光処理)。活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができるが、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを使用できる。また、直接描画方式のダイレクトレーザ露光を用いてもよい。露光量は使用する装置や感光性組成物の組成によって異なるが、10mJ/cm2〜600mJ/cm2とすることが好ましく、20mJ/cm2〜400mJ/cm2とすることがより好ましい。露光量を10mJ/cm2以上とすると感光性組成物を充分に光硬化させることができ、露光量を600mJ/cm2以下とすると光硬化が過剰となり過ぎず、現像後に第一の感光層3のパターンを安定して形成することができる。
次いで、現像により露光部以外の第一の感光層3を除去することで、図3に示すようにプリント配線板の両面に第一の感光層の硬化パターン3aを形成する(第一のパターン化工程の現像処理)。第一の感光層の硬化パターン3aは、後述の開口形成工程において除去され、熱硬化性樹脂層4に形成される微細な開口となる。このときに用いる現像液としては、例えば、20℃〜50℃の炭酸ナトリウムの溶液(1〜5質量%水溶液)等のアルカリ現像液が用いられ、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像できる。これにより所定の第一の感光層の硬化パターン3aが形成される。
現像処理後、図4に示すように、第一の感光層の硬化パターン3aを覆うように、プリント配線板20上に後述する少なくとも一層からなる熱硬化性樹脂組成物からなる熱硬化性樹脂層4と、金属層5からなる再配線層を形成する(再配線層形成工程)。
熱硬化性樹脂層4を形成する工程では、液状の場合は公知のスクリーン印刷、ロールコータにより塗布する工程、フィルム状の場合は真空ラミネート等により貼り付ける工程を経ることにより、熱硬化性樹脂層4をプリント配線板上に形成させる。熱硬化性樹脂層4の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物としては、液状及びフィルム状のいずれも適用可能であるが、熱硬化性樹脂層4の厚さを精度良く制御するには、予め厚さを管理しているフィルム状のものを好適に用いることができる。
金属層5を形成する工程では、無電解めっき後に電解めっきを行うことにより形成することができる。また、熱硬化性樹脂層4を形成後に金属箔を真空ラミネート等により貼り付けることによっても形成できる。また、予め金属箔上に少なくとも一層の熱硬化性樹脂組成物からなる熱硬化性樹脂層4を形成し、熱硬化性樹脂層4が第一の感光層の硬化パターン3aを覆うように、真空ラミネート等により貼り付けることによって形成することもできる。
熱硬化性樹脂層4を形成する工程では、液状の場合は公知のスクリーン印刷、ロールコータにより塗布する工程、フィルム状の場合は真空ラミネート等により貼り付ける工程を経ることにより、熱硬化性樹脂層4をプリント配線板上に形成させる。熱硬化性樹脂層4の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物としては、液状及びフィルム状のいずれも適用可能であるが、熱硬化性樹脂層4の厚さを精度良く制御するには、予め厚さを管理しているフィルム状のものを好適に用いることができる。
金属層5を形成する工程では、無電解めっき後に電解めっきを行うことにより形成することができる。また、熱硬化性樹脂層4を形成後に金属箔を真空ラミネート等により貼り付けることによっても形成できる。また、予め金属箔上に少なくとも一層の熱硬化性樹脂組成物からなる熱硬化性樹脂層4を形成し、熱硬化性樹脂層4が第一の感光層の硬化パターン3aを覆うように、真空ラミネート等により貼り付けることによって形成することもできる。
熱硬化性樹脂層4の厚さT2は、2μm〜50μmが好ましく、5μm〜30μmがより好ましい。熱硬化性樹脂層4の厚さT2を2μmとすると、熱硬化性樹脂層4の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物を成膜し易くなるため、プリント配線板の製造に用いるフィルム状の熱硬化性樹脂組成物を容易に作製することができる。熱硬化性樹脂層4の厚さT2を50μm以下とすると、熱硬化性樹脂層4に微細なパターンを形成することが容易になる。熱硬化性樹脂層4の厚さT2は、図4に示す厚さをいう。また、第一の感光層3の厚さT1と熱硬化性樹脂層4の厚さT2は同じ厚さであることが好ましい。金属層5の厚みは特に限定されないが、後述するエッチング工程(金属層第一除去工程)の寸法精度から15μm以下が好ましく、エッチングやピール等による剥離工程(金属層第二除去工程)の容易性から3μm以上が好ましい。
再配線層形成工程において、第一の感光層3の厚さT1に対する熱硬化性樹脂層4の厚さT2の比(T2/T1)を1.0〜2.0とすることが好ましく、1.0〜1.5とすることがより好ましい。(T2/T1)を1.0以上とすると、再配線層形成工程において、第一の感光層の硬化パターン3aを熱硬化性樹脂組成物で埋め込みやすくなるため、得られるプリント配線板の信頼性をより高めることができる。一方、(T2/T1)を2.0以下とすると、短時間で熱硬化性樹脂層4に開口を形成でき、プリント配線板をより効率的に製造することができるため、デスミア処理を用いた場合に薬液の劣化を防ぐことができる。
次いで、形成した熱硬化性樹脂層4を熱硬化させる(熱硬化工程)。熱硬化処理において、温度を150℃〜250℃とし、加熱時間を30分〜300分とすることが好ましい。また、温度を160℃〜200℃とし、加熱時間を30分〜120分とすることがより好ましい。温度を150℃以上、加熱時間を30分以上とすると、熱硬化性樹脂層4を充分に硬化することができるため、その後のデスミア処理による熱硬化性樹脂層の劣化を抑制でき、パターン露出工程及び開口形成工程において、熱硬化性樹脂層及び第一の感光層の硬化パターンを除去し易くなり、導体回路2aを露出し易くなる。一方、温度を250℃以下、加熱時間を300分以下とすると、導体回路2aの表面の酸化を抑えることができ、導体回路2a界面で熱硬化性樹脂層4が剥離することを抑えることができる。なお、熱硬化には、クリーンオーブンが一般的に用いられ、銅の酸化を抑制するため、窒素等の不活性ガスの雰囲気中で硬化を行ってもよい。
次いで、エッチング処理を施すことにより、金属層5の少なくとも一部を除去し、熱硬化性樹脂層4の一部を露出させる(金属層第一除去工程、図5参照)。エッチング処理は、金属層上に露光、現像により感光層の硬化パターンを形成した後、例えば、金属層が銅の場合、塩化鉄と塩酸の混合水溶液や、塩化銅と塩酸の混合水溶液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法によって行うことができる。
次いで、デスミア処理を施すことにより、熱硬化後の熱硬化性樹脂層4の一部を除去して第一の感光層の硬化パターン3aの所定箇所を熱硬化性樹脂層4から露出させる(パターン露出工程、図6参照)。
デスミア処理は、例えば、過マンガン酸ナトリウム液、水酸化ナトリウム液、過マンガン酸カリウム液、クロム液、硫酸等の混合液に被処理基板を浸漬することによって実施できる。具体的には、熱湯や所定の膨潤液を用いて被処理基板を膨潤処理した後、過マンガン酸ナトリウム液等で残渣等を除去し、還元(中和)を行った後、水洗、湯洗、乾燥を行う。1回の処理を行っても充分な開口が形成されない場合は複数回処理を行ってもよい。なお、デスミア処理は上記のものに限定されない。また、デスミア処理後に、再度、熱硬化工程を行ってもよい。用いる熱硬化性樹脂によっても効果は異なるが、熱硬化させること、ガラス転移温度を上げることができるだけでなく、低熱膨張化を図ることができる。
第一の感光層の硬化パターン3aを熱硬化性樹脂層4から露出させた後、デスミア処理によって熱硬化性樹脂層4から露出した第一の感光層の硬化パターン3aを除去し、図7に示すように、導体回路2aを露出させる(開口形成工程)。こうして、熱硬化性樹脂層4に開口4hが形成される。
なお、パターン露出工程において、デスミア処理の代わりに、プラズマ処理又はブラスト処理を用いて熱硬化性樹脂層4を除去してもよい。また、デスミア処理、プラズマ処理又はブラスト処理のうち、二つ以上の処理を併用して熱硬化性樹脂層4を除去してもよい。また、開口形成工程において、デスミア処理の代わりに、プラズマ処理を用いて第一の感光層の硬化パターン3aを除去してもよいし、デスミア処理とプラズマ処理を併用して第一の感光層の硬化パターン3aを除去してもよい。パターン露出工程及び開口形成工程は各々個別の装置で行ってもよいし、これら処理を一連の工程として組み込んだ装置で行ってもよい。
プラズマ処理は、例えば、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス、モノシランガス、酸素ガス、水素ガス、塩素ガスといった活性及び不活性ガスを用いることができる。また、これらを併用することもできる。プラズマ処理装置としては、バレル型や平行平板型のプラズマ処理装置を用いることができる。なお、プラズマ処理の出力、流量、処理時間は適宜選択することができる。
開口形成工程において、熱硬化性樹脂層4に形成する開口の直径(図7に示すR)は、60μm以下とすることが好ましい。また、熱硬化性樹脂層4に形成する開口のうち、最小の開口の直径Rminに対する当該開口の深さの比(D/Rmin)を、0.1〜2.0とすることが好ましく、0.5〜1.5とすることがより好ましい。(D/Rmin)を0.1以上とすると、熱硬化性樹脂層4の厚さが薄くなり過ぎないため、熱硬化性樹脂層4に微細な開口を形成する場合であっても、開口4hの形状を安定に保つことができる。一方、(D/Rmin)を2.0以下とすると、第一の感光層の硬化パターン3aが除去し易くなり、直径60μm以下の微細な開口をより形成し易くなる。開口4hの形状は、円形状であるが、楕円形等であってもよい。なお、開口の形成が円以外の場合、直径Rminは、円相当直径を用いればよい。なお、開口の深さDとは、プリント配線板20の導体回路2aの表面までの熱硬化性樹脂層4の厚さである。
次いで、エッチング処理を施すことにより、金属層5を除去し、熱硬化性樹脂層4の表面を露出させる(金属層第二除去工程、図8参照)。エッチング処理は、金属層上への感光層のパターン形成は不要であり、例えば、金属層が銅の場合、金属層第一除去工程と同様に塩化鉄と塩酸の混合水溶液や、塩化銅と塩酸の混合水溶液が一般的に用いられ、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法によって実施できる。また、金属層表面の樹脂層と貼り合わさる面に離型処理が施されている場合には、ピールにより機械的に引き剥がすことによって、熱硬化性樹脂層4の表面を露出させることができる。
次いで、図9に示すように、開口4hを形成した後の熱硬化性樹脂層4の少なくとも一部を覆うように、無電解めっき法によりシード層6を両面に形成する(シード層形成工程)。シード層形成工程では、開口4hが設けられていない部分の熱硬化性樹脂層4の表面4sと、開口4hが設けられた部分における熱硬化性樹脂層4の壁面4w及び露出している導体回路2aの表面とに、シード層6を形成する。上記シード層6の厚さは特に制限はないが、通常0.1μm〜1.0μmとすることが好ましい。シード層6の形成は無電解銅めっき法の他に、スパッタ法によっても形成できる。ターゲットは適宜選択できるが、Tiの後にCuを蒸着するのが一般的である。TiやCuの厚みは特に制限はないが、Tiで20nm〜100nm、Cuで100nmから500nm程度が好適である。
次いで、フィルム状の感光性組成物を両面に貼着して第二の感光層を形成後、所定のパターンを形成したフォトツールを密着させ、露光処理及び現像処理を行い、図10に示すように、両面の第二の感光層をパターン化する(第二のパターン化工程)。両面に形成された第二の感光層の硬化パターン7a,7bは、半導体素子を実装する面により近い部分に微細な配線パターンを形成するため、第二の感光層の硬化パターン7bよりも、第二の感光層の硬化パターン7aパターンの方が、パターンのピッチが狭くなっている。
次いで、図11に示すように、シード層6の少なくとも一部を覆うように、銅電解めっき等の電解めっき法により配線部8を形成する。この工程では、第二の感光層の硬化パターン7a,7bが形成されている領域以外のシード層6の表面に配線部8を形成する。開口4hが形成された領域では、壁面4wと導体回路2aの表面に形成されたシード層6上に配線部8を形成する。配線部8の厚さは、1μm〜20μmとすることが好ましい。その後、剥離液により、第二の感光層の硬化パターン7a,7bを剥離して、配線パターン8a,8bを形成する(配線部パターン化工程、図12参照)。次いで、エッチング液を用いて配線部8が形成されていない領域のシード層6をエッチングにより除去する(シード層除去工程)。
以上の工程を経て、図12に示すように、表面に配線部(配線パターン8a,8b)を有する多層プリント配線板100を得ることができる。
更に、多層プリント配線板100の表裏の両面に対し、上述した感光層形成工程からシード層除去工程の一連の工程を繰り返し行った後、最外層にソルダーレジスト9を形成し、市販の無電解ニッケル/金めっき液等を用いてめっき処理を施すことによりニッケル/金層10を形成することで、図13に示すような多層プリント配線板200を得ることができる。例えば、多層プリント配線板200は、感光層形成工程からシード層除去工程の一連の工程を3回繰り返し行うことにより、配線部(配線パターン8a,8b)を3層有したものである。多層プリント配線板200は、各熱硬化性樹脂層4に形成された配線部(配線パターン8a,8b)がそれぞれ電気的に接続されている。
更に、多層プリント配線板100の表裏の両面に対し、上述した感光層形成工程からシード層除去工程の一連の工程を繰り返し行った後、最外層にソルダーレジスト9を形成し、市販の無電解ニッケル/金めっき液等を用いてめっき処理を施すことによりニッケル/金層10を形成することで、図13に示すような多層プリント配線板200を得ることができる。例えば、多層プリント配線板200は、感光層形成工程からシード層除去工程の一連の工程を3回繰り返し行うことにより、配線部(配線パターン8a,8b)を3層有したものである。多層プリント配線板200は、各熱硬化性樹脂層4に形成された配線部(配線パターン8a,8b)がそれぞれ電気的に接続されている。
上記の多層プリント配線板100,200は、微細化及び高密度化が進むフリップチップ型の半導体素子を実装するためのプリント配線板として好適である。中でも、実装される半導体素子のサイズが大きく、半導体素子の表面にエリアアレイ状に配置された数万ものバンプと電気的に接続するためのプリント配線板に特に好適である。
次に、上述の多層プリント配線板100,200の製造に用いられる感光性組成物及び熱硬化性樹脂組成物について詳細に説明するが、本発明はこれらの組成物に限定されるものではない。
多層プリント配線板100,200の製造に用いる感光性組成物は、特に限定するものではないが、以下のものが好適である。すなわち、感光層の形成に好適な感光性組成物は、(a)バインダーポリマーと、(b)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(c)光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物が好ましい。この感光性樹脂組成物は、第一の感光層及び第二の感光層の両方の層を形成する際に用いることができる。
多層プリント配線板100,200の製造に用いる熱硬化性樹脂組成物は、特に限定するものではないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む樹脂組成物と、最大粒径が5μm以下であり且つ平均粒径が1μm以下である無機フィラーとを含むことが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、熱硬化性樹脂層4に形成する開口の形状に合わせて、第一のパターン化工程において第一の感光層3をパターン化することにより、様々な形状の開口4hを容易に形成することができる。また、本実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、複数の開口4hを同時に形成できることに加え、残渣除去工程時に熱硬化性樹脂の表面が粗化されないため、微細な配線パターンも形成可能となる。このため、半導体素子のピン数が増加し、多数の微細な開口4hや微細な配線パターンを設ける必要があっても、優れた信頼性を有するプリント配線板を充分に効率的に製造することができる。
以上、本発明に係るプリント配線板の製造方法及び樹脂組成物の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
例えば、上記実施形態では、再配線層形成工程後の工程として、熱硬化性樹脂層4を熱硬化する熱硬化工程を備えていたが、パターン露出工程及び開口形成工程において、プラズマ処理を施すことにより、熱硬化性樹脂層4の一部を除去と、熱硬化性樹脂層4から露出した第一の感光性樹脂層3の除去を行う場合は、パターン露出工程と開口形成工程との間の工程として又は開口形成工程の後工程として、熱硬化工程をそれぞれ備えていても構わない。
また、本実施形態において、例えば、銅箔上、又は、離型フィルム上に、熱硬化性樹脂組成物の溶液を均一に塗布することにより熱硬化性樹脂組成物層を形成し、その後、熱風対流式乾燥機等を用いて、前記熱硬化性樹脂組成物層を、40〜200℃で、約1〜30分間乾燥することによって樹脂フィルム(フィルム状熱硬化性樹脂組成物、又は、熱硬化性フィルムタイプの樹脂組成物とも表す)を作製し、これを使用してもよい。なお、樹脂フィルムの厚みとしては、10〜90μmが好ましい。
(実施例1〜14)
<プリント配線板(内層基板)の準備>
まず、厚さ12μmの銅箔2が両面に貼着された銅張積層体1(日立化成株式会社製 MCL−E−679FG、「MCL」は登録商標)を準備した。銅張積層体1の厚さは400μmであった(図1(a)参照)。銅箔2を、エッチング処理し、導体回路2aを形成し、支持体として内層基板20を得た(図1(b)参照)。
<プリント配線板(内層基板)の準備>
まず、厚さ12μmの銅箔2が両面に貼着された銅張積層体1(日立化成株式会社製 MCL−E−679FG、「MCL」は登録商標)を準備した。銅張積層体1の厚さは400μmであった(図1(a)参照)。銅箔2を、エッチング処理し、導体回路2aを形成し、支持体として内層基板20を得た(図1(b)参照)。
<第一の感光層の形成>
次いで、図2に示すように、感光性組成物としてドライフィルムレジスト(日立化成株式会社 Photec H−7025、「Photec」は登録商標)をベースに、膜厚が10μmから40μmのものを準備し、ロールラミネーターで両面に貼着し、パターンを形成したフォトツールを密着させ、EXM‐1201型露光機(株式会社オーク製作所製)を使用して、50mJ/cm2のエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、感光層をパターニングして第一の感光層3の硬化パターン3aを形成した(図3参照)。
次いで、図2に示すように、感光性組成物としてドライフィルムレジスト(日立化成株式会社 Photec H−7025、「Photec」は登録商標)をベースに、膜厚が10μmから40μmのものを準備し、ロールラミネーターで両面に貼着し、パターンを形成したフォトツールを密着させ、EXM‐1201型露光機(株式会社オーク製作所製)を使用して、50mJ/cm2のエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、感光層をパターニングして第一の感光層3の硬化パターン3aを形成した(図3参照)。
<熱硬化性樹脂層の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物>
プリント配線板の熱硬化性樹脂層(層間絶縁層)の形成に使用する熱硬化性樹脂組成物として、以下に示すものを調製した。
プリント配線板の熱硬化性樹脂層(層間絶縁層)の形成に使用する熱硬化性樹脂組成物として、以下に示すものを調製した。
<熱硬化性樹脂組成物A>
ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、製品名「NC−3000H」)70質量部、下記硬化剤(A−1)30質量部、平均粒径が50nmのビニルシランでシランカップリング処理したシリカフィラーを樹脂分に対し、30質量%になるように配合した。
<硬化剤の合成実施例1>
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−アミノフェニル)スルホン:26.40gと、2,2´−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン:484.50gと、p−アミノ安息香酸:29.10g、及びジメチルアセトアミド:360.00gを入れ、140℃で5時間反応させて分子主鎖中にスルホン基を有し、酸性置換基と不飽和N−置換マレイミド基を有する硬化剤(A−1)の溶液を得た。
なお、無機フィラー成分の分散状態は、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計「UPA−EX150」(日機装株式会社製)、及びレーザ回折散乱式マイクロトラック粒度分布計「MT−3100」(日機装株式会社製)を用いて測定し、最大粒径が1μm以下となっていることを確認した。
ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、製品名「NC−3000H」)70質量部、下記硬化剤(A−1)30質量部、平均粒径が50nmのビニルシランでシランカップリング処理したシリカフィラーを樹脂分に対し、30質量%になるように配合した。
<硬化剤の合成実施例1>
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−アミノフェニル)スルホン:26.40gと、2,2´−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン:484.50gと、p−アミノ安息香酸:29.10g、及びジメチルアセトアミド:360.00gを入れ、140℃で5時間反応させて分子主鎖中にスルホン基を有し、酸性置換基と不飽和N−置換マレイミド基を有する硬化剤(A−1)の溶液を得た。
なお、無機フィラー成分の分散状態は、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計「UPA−EX150」(日機装株式会社製)、及びレーザ回折散乱式マイクロトラック粒度分布計「MT−3100」(日機装株式会社製)を用いて測定し、最大粒径が1μm以下となっていることを確認した。
<熱硬化性樹脂組成物B>
ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、製品名「NC−3000H」)70質量部、下記硬化剤(A−2)30質量部、平均粒径が50nmのビニルシランでシランカップリング処理したシリカフィラーを樹脂分に対し、30質量%になるように配合した。
<硬化剤の合成実施例2>
ジアミン化合物としてワンダミンHM(WHM)〔(4,4´−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン、新日本理化株式会社製、製品名、「ワンダミン」は登録商標〕52.7g、反応性官能基を有するジアミンとして3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル6g、トリカルボン酸無水物として無水トリメリット酸(TMA)108g及び非プロトン性極性溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)1281gを入れ、フラスコ内の温度を80℃に設定して30分間撹拌した。撹拌終了後、水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン192gをさらに添加し、フラスコ内の温度を160℃に昇温して2.5時間還流した。水分定量受器に理論量の水が貯留され、水の留出が見られなくなっていることを確認した後、水分定量受器中の水及びトルエンを除去しながら、フラスコ内の温度を180℃まで上昇させて反応溶液中のトルエンを除去した。フラスコ内の溶液を60℃まで冷却した後、長鎖炭化水素鎖骨格(炭素原子数約50)を有するジカルボン酸として水添α,ω−ポリブタジエンジカルボン酸(CI−1000、日本曹達株式会社製、製品名)309.5gを入れ、10分間撹拌した。撹拌終了後、ジイソシアネートとして4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)119.7gを添加し、フラスコ内の温度を160℃に上昇させて2時間反応させ、樹脂溶液(A−2)を得た。このポリアミドイミド樹脂溶液の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したところ47000であった。ポリアミドイミド1分子あたりの平均反応性官能基数Nは4.4であった。
ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、製品名「NC−3000H」)70質量部、下記硬化剤(A−2)30質量部、平均粒径が50nmのビニルシランでシランカップリング処理したシリカフィラーを樹脂分に対し、30質量%になるように配合した。
<硬化剤の合成実施例2>
ジアミン化合物としてワンダミンHM(WHM)〔(4,4´−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン、新日本理化株式会社製、製品名、「ワンダミン」は登録商標〕52.7g、反応性官能基を有するジアミンとして3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル6g、トリカルボン酸無水物として無水トリメリット酸(TMA)108g及び非プロトン性極性溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)1281gを入れ、フラスコ内の温度を80℃に設定して30分間撹拌した。撹拌終了後、水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン192gをさらに添加し、フラスコ内の温度を160℃に昇温して2.5時間還流した。水分定量受器に理論量の水が貯留され、水の留出が見られなくなっていることを確認した後、水分定量受器中の水及びトルエンを除去しながら、フラスコ内の温度を180℃まで上昇させて反応溶液中のトルエンを除去した。フラスコ内の溶液を60℃まで冷却した後、長鎖炭化水素鎖骨格(炭素原子数約50)を有するジカルボン酸として水添α,ω−ポリブタジエンジカルボン酸(CI−1000、日本曹達株式会社製、製品名)309.5gを入れ、10分間撹拌した。撹拌終了後、ジイソシアネートとして4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)119.7gを添加し、フラスコ内の温度を160℃に上昇させて2時間反応させ、樹脂溶液(A−2)を得た。このポリアミドイミド樹脂溶液の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したところ47000であった。ポリアミドイミド1分子あたりの平均反応性官能基数Nは4.4であった。
<熱硬化性樹脂組成物C>
ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン株式会社製、製品名「BA230S75」、不揮発分75質量%のメチルエチルケトン溶液)60質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、製品名「NC−3000H」)40質量部、硬化触媒として、コバルト(II)アセチルアセトナート(東京化成株式会社製)を30ppmとなるように加え、平均粒径が50nmのビニルシランでシランカップリング処理したシリカフィラーを樹脂分に対し、30質量%になるように配合した。
ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン株式会社製、製品名「BA230S75」、不揮発分75質量%のメチルエチルケトン溶液)60質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、製品名「NC−3000H」)40質量部、硬化触媒として、コバルト(II)アセチルアセトナート(東京化成株式会社製)を30ppmとなるように加え、平均粒径が50nmのビニルシランでシランカップリング処理したシリカフィラーを樹脂分に対し、30質量%になるように配合した。
<熱硬化性樹脂組成物D>
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、製品名「エピクロンN660」)70質量部、フェノキシ樹脂YP−55(新日鉄化学株式会社製)、メラミン変性フェノールノボラック樹脂LA7054(DIC株式会社製)30質量部、硫酸バリウムAを樹脂分に対し、30質量%になるように配合した。
<硫酸バリウムA>
平均粒径が300nmの硫酸バリウムを、スターミルLMZ(アシザワファインテック株式会社製、「スターミル」は登録商標)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速12m/sにて3時間分散して調整した。分散状態を、樹脂Aと同様の方法で測定し、最大粒径が2μmであることを確認した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、製品名「エピクロンN660」)70質量部、フェノキシ樹脂YP−55(新日鉄化学株式会社製)、メラミン変性フェノールノボラック樹脂LA7054(DIC株式会社製)30質量部、硫酸バリウムAを樹脂分に対し、30質量%になるように配合した。
<硫酸バリウムA>
平均粒径が300nmの硫酸バリウムを、スターミルLMZ(アシザワファインテック株式会社製、「スターミル」は登録商標)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速12m/sにて3時間分散して調整した。分散状態を、樹脂Aと同様の方法で測定し、最大粒径が2μmであることを確認した。
厚さ12μmの銅箔(金属層)上に、上述のように得た各熱硬化性樹脂組成物の溶液をプライマ樹脂上に均一に塗布することにより熱硬化性樹脂組成物層を形成した。その後、熱風対流式乾燥機を用いて熱硬化性樹脂組成物層を100℃で約10分間乾燥することによってフィルム状熱硬化性樹脂組成物を得た。フィルム状熱硬化性樹脂組成物の総厚は10μm〜90μmのものを準備した。
次いで、熱硬化性樹脂組成物層に埃等が付着しないように、銅箔(金属層)と接している側とは反対側の表面上にポリエチレンフィルム(NF−15、タマポリ株式会社製、製品名)を保護フィルムとして貼り合わせ、熱硬化性フィルムタイプの樹脂組成物を得た。
得られた熱硬化性フィルムタイプの樹脂組成物を用いて、プリント配線板20上に熱硬化性樹脂層4及び金属層(銅箔)5を形成した(図4参照)。詳細には、まず、熱硬化性樹脂組成物A、B、C又はDからなる熱硬化性フィルムタイプの樹脂組成物の保護フィルムを剥がし、プリント配線板20の両面(第一の感光層硬化パターン3a及び導体回路2a上)に熱硬化性樹脂組成物を載置した。プレス式真空ラミネータ(株式会社名機製作所製、製品名「MVLP−500」)を用いてプリント配線板20の表面に熱硬化性樹脂組成物を積層した。プレス条件は、プレス熱板温度80℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとした。次いで、クリーンオーブンで所定温度、所定時間で熱硬化性樹脂層4を熱硬化させた。
その後、ドライフィルムレジスト(日立化成株式会社 Photec H−7025、「Photec」は登録商標)をロールラミネーターで両面に貼着し、パターンを形成したフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製EXM‐1201型露光機を使用して、50mJ/cm2のエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、ドライフィルムレジストをパターニングした。次いで、塩化鉄と塩酸の混合水溶液を用いて銅箔(金属層)5のエッチング処理を行い、熱硬化性樹脂層の一部を露出させた。次いで、剥離液により、ドライフィルムレジストを剥離した(図5参照)。
その後、表1に示すプラズマ処理を行うことで、熱硬化性樹脂層4を研削して第一の感光層の硬化パターン3aを露出させた(図6参照)。プラズマ処理にはプラズマ処理装置(株式会社モリエンジニアリング、製品名「PB−1000S」)を用いた。プラズマ処理は、表1で示す条件に従って酸素ガスとアルゴンガスを併用して行い、15分間処理した。次いで、表2に示すデスミア処理を施し、第一の感光層の硬化パターン3aを除去し、熱硬化性樹脂層4の一部を開口4hさせた(図7参照)。実施例におけるプリント配線板の製造時における開口形成プロセス条件を表3及び表4にそれぞれ示す。
次いで、エッチング処理を行い、銅箔(金属層)5を除去した(図8参照)。その後、表2の粗化時間を、10分から3分に変更し、デスミア処理を施した。
その後、図9に示すように、熱硬化性樹脂層4を覆うように、無電解銅めっき法により厚さ1μmのシード層6を形成した。次いで、図10に示すように、第二の感光性組成物としてドライフィルムレジスト(日立化成株式会社 Photec RY−3525)をロールラミネーターで両面に貼着し、パターンを形成したフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製EXM‐1201型露光機を使用して、100mJ/cm2のエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、ドライフィルムレジストをパターニングした(第二の感光層の硬化パターン7a、7b)。次いで、電解銅めっき法により、シード層6の少なくとも一部を覆うように、厚さ10μmの銅めっき(配線部8)を形成した(図11参照)。次いで、図12に示すように、剥離液により、第二の感光層の硬化パターン7a,7bを剥離し、配線パターン8a,8bを形成した。次いでシード層6をエッチング液より除去した(図12参照)。この工程を表裏ともに3回繰り返し、最外層にソルダーレジスト9を形成した後、市販の無電解ニッケル/金めっき液を用いて、ニッケルめっき厚5μm、金めっき厚0.1μmとなるようにめっき処理を行い、ニッケル/金層10を形成した。このようにして多層プリント配線板200を得た(図13参照)。
多層プリント配線板200は、基板サイズが45mm×45mmであり、中心部20mm×20mmの範囲にエリアアレイ状に直径30μm、50μm、70μm及び90μmの開口をそれぞれ設けた。
熱硬化性樹脂層4による導体回路2a及び第一の感光性樹脂層のパターン3aの埋め込み性については、以下の基準に基づいて評価した。結果を表5及び6に示す。
A:空隙がなく埋め込みが特に良好なもの。
C:埋め込みが良好なもの。
A:空隙がなく埋め込みが特に良好なもの。
C:埋め込みが良好なもの。
熱硬化性樹脂層4の耐薬品性については、目視で確認して以下の基準に基づいて評価した。除去処理とは、露出工程及び開口形成工程におけるプラズマ処理又はデスミア処理である。結果を表5及び6に示す。
A:除去処理後に熱硬化性樹脂層が剥離しないもの。
C:除去処理後に熱硬化性樹脂層の剥離が確認されたが、プリント配線板を製造する上で問題ないもの。
A:除去処理後に熱硬化性樹脂層が剥離しないもの。
C:除去処理後に熱硬化性樹脂層の剥離が確認されたが、プリント配線板を製造する上で問題ないもの。
熱硬化性樹脂層4の開口性については、電子顕微鏡(SEM)で観察して以下の基準に基づいて評価した。結果を表5及び6に示す。また、熱硬化性樹脂層4の開口の深さDについても、表5及び6に示す。
AA:直径30μm以下で開口できたもの。
A:直径50μm以下で開口できたもの。
B:直径70μm以下で開口できたもの。
C:直径90μm以下で開口できたもの。
AA:直径30μm以下で開口できたもの。
A:直径50μm以下で開口できたもの。
B:直径70μm以下で開口できたもの。
C:直径90μm以下で開口できたもの。
熱硬化性樹脂層4の開口の壁面平滑性については、電子顕微鏡で確認して以下の基準に基づいて評価した。結果を表5及び6に示す。
A:壁面が平滑なもの。
C:壁面にフィラーの欠落や段差が確認されたが、プリント配線板を製造する上で問題ないもの。
A:壁面が平滑なもの。
C:壁面にフィラーの欠落や段差が確認されたが、プリント配線板を製造する上で問題ないもの。
熱硬化性樹脂層4の開口の残渣除去性については、以下の基準に基づいて評価した。結果を表5及び6に示す。
A:銅表面(導体回路表面)にドライフィルムレジストの残渣がなく、剥離及び除去できているもの。
C:ドライフィルムレジストの残渣が確認されたが、プリント配線板を製造する上で問題ないもの。
A:銅表面(導体回路表面)にドライフィルムレジストの残渣がなく、剥離及び除去できているもの。
C:ドライフィルムレジストの残渣が確認されたが、プリント配線板を製造する上で問題ないもの。
シード層6である無電解銅めっきについては、以下の基準に基づいて、めっき性を評価した。結果を表5及び6に示す。
A:平滑に全面めっき処理されているもの。
C:開口の銅表面(導体回路表面)にめっきむらが確認されたが、プリント配線板を製造する上で問題ないもの。
A:平滑に全面めっき処理されているもの。
C:開口の銅表面(導体回路表面)にめっきむらが確認されたが、プリント配線板を製造する上で問題ないもの。
表5及び6に示すように、実施例1〜13は、埋め込み性、耐薬品性、開口性、壁面平滑性、残渣除去性及びめっき性に優れていることがわかる。また、実施例14は、埋め込み性、耐薬品性、開口性、残渣除去性及びめっき性に優れており、壁面平滑性については、熱硬化性樹脂層の開口の壁面にフィラーの欠落や段差が確認されたが、プリント配線板を製造する上で問題ないものであった。
本発明によれば、絶縁層に微細な開口を有し、絶縁層の表層に微細な配線パターンを有し且つ優れた信頼性を有するプリント配線板を充分に効率的に製造できる。
また、本発明は、プリント配線板の層間接続に限定するものでなく、ソルダーレジストの開口プロセスやウェハレベルパッケージの再配線プロセス等、微細かつ高密度な開口部を設けるもの全てに適用することができる。
本発明によれば、絶縁層に微細な開口を有し、絶縁層の表層に微細な配線パターンを有し且つ優れた信頼性を有するプリント配線板を充分に効率的に製造できる。
また、本発明は、プリント配線板の層間接続に限定するものでなく、ソルダーレジストの開口プロセスやウェハレベルパッケージの再配線プロセス等、微細かつ高密度な開口部を設けるもの全てに適用することができる。
1…銅張積層体、2…銅箔、2a…導体回路、3…第一の感光層、3a…第一の感光層の硬化パターン、4…熱硬化性樹脂層、4h…開口、5…金属層(銅箔)、6…シード層、7a、7b…第二の感光層の硬化パターン、8…配線部、8a、8b…配線パターン、9…ソルダーレジスト、10…ニッケル/金層、20…プリント配線板(内層基板)、100…多層プリント配線板、200…ソルダーレジスト及びニッケル/金層を有する多層プリント配線板、101…銅張積層体、102…配線パターン、103…感光層、104…第一の感光性組成物の硬化パターン、105…層間絶縁層、106…開口、107…シード層、108…第二の感光性組成物の硬化パターン、109…配線パターン、110…ソルダーレジスト、100A…多層プリント配線板、T1…第一の感光層の厚さ、T2…熱硬化性樹脂層の厚さ、R…開口の直径、D…開口の深さ、4s…熱硬化性樹脂層の表面、4w…熱硬化性樹脂層の壁面。
Claims (14)
- 導体回路を有する支持体の表面に形成した絶縁層に開口が設けられると共に、前記導体回路に接続される配線部が前記開口に形成されてなる、プリント配線板の製造方法であって、
導体回路を有する支持体を準備する工程と、
前記導体回路を覆うように前記支持体上に第一の感光層を形成する第一の感光層形成工程と、
前記第一の感光層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第一のパターン化工程と、
前記第一の感光層の硬化パターンを覆うように前記支持体上に、絶縁層として熱硬化性樹脂層と、金属層とを形成する再配線層形成工程と、
前記金属層の一部を除去し熱硬化性樹脂層の一部を露出させる金属層第一除去工程と、
前記熱硬化性樹脂層の一部を除去して前記第一の感光層の硬化パターンの所定箇所を前記熱硬化性樹脂層から露出させるパターン露出工程と、
前記熱硬化性樹脂層から露出した前記第一の感光層の硬化パターンを除去して前記導体回路を露出させる開口を前記熱硬化性樹脂層に形成する開口形成工程と、
前記金属層を除去して熱硬化性樹脂層の表面を露出させる金属層第二除去工程と、
前記導体回路に接続される配線部を前記開口に形成する工程と、を備えた、プリント配線板の製造方法。 - 前記再配線層形成工程後に、前記熱硬化性樹脂層を熱硬化する熱硬化工程を更に備え、
前記パターン露出工程及び前記開口形成工程において、プラズマ処理とデスミア処理とを施すことにより、前記熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部の除去と、前記熱硬化性樹脂層から露出した前記第一の感光層の硬化パターンの除去とを行う、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記再配線層形成工程後に、前記熱硬化性樹脂層を熱硬化する熱硬化工程を更に備え、
前記パターン露出工程及び前記開口形成工程において、デスミア処理を施すことにより、前記熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部の除去と、前記熱硬化性樹脂層から露出した前記第一の感光層の硬化パターンの除去とを行う、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記再配線層形成工程後に、前記熱硬化性樹脂層を熱硬化する熱硬化工程を更に備え、
前記パターン露出工程及び前記開口形成工程において、プラズマ処理を施すことにより、前記熱硬化後の熱硬化性樹脂層の一部の除去と、前記熱硬化性樹脂層から露出した前記第一の感光層の硬化パターンの除去とを行う、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記熱硬化工程において、前記熱硬化性樹脂層の温度を150℃〜250℃とし、且つ加熱時間を30分〜300分とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記熱硬化工程において、不活性ガスの雰囲気で前記熱硬化を行う、請求項2〜5のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記開口を形成した後の熱硬化性樹脂層の少なくとも一部を覆うように、無電解めっき法により前記配線部の下地となるシード層を形成するシード層形成工程と、
前記シード層を覆うように、第二の感光層を形成後、前記第二の感光層に露光処理及び現像処理を施してパターン化する第二のパターン化工程と、
前記シード層を少なくとも覆うように、電解めっき法により前記配線部を形成後、剥離処理により前記第二の感光層のパターンを剥離して前記配線部をパターン化する配線部パターン化工程と、
前記配線部が形成されていない領域のシード層を除去するシード層除去工程と、を更に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。 - 前記第一の感光層形成工程において、前記第一の感光層の厚さT1を2μm〜50μmとする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記再配線層形成工程において、前記熱硬化性樹脂層の厚さT2を2μm〜50μmとする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記再配線層形成工程において、前記第一の感光層の厚さT1に対する前記熱硬化性樹脂層の厚さT2の比(T2/T1)を1.0〜2.0とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
- 前記開口形成工程において、前記熱硬化性樹脂層に形成する前記開口のうち、最小の開口の直径Rminに対する当該開口の深さDの比(D/Rmin)を0.1〜2.0とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法によって製造されたプリント配線板であって、
前記熱硬化性樹脂層が有する開口の直径が60μm以下である、プリント配線板。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載のプリント配線板の製造方法において使用される熱硬化性樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び熱硬化性ポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む樹脂組成物と、
最大粒径が5μm以下であり且つ平均粒径が1μm以下である無機フィラーと、を含有する熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項13に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂フィルム。
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- 2014-07-22 JP JP2014148426A patent/JP2016025217A/ja active Pending
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