JP2016023183A - 粉末状の痒み防止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮脂腺毛包や脂漏部位と呼ばれる、頭皮生え際、顔面、頸部、耳介周囲、肩、前胸部、上背部、脇の下、陰部・股部等の有毛部位に顕著に作用し、水性、油性の刺激成分を含む痒みの原因物質であり皮膚炎を誘発助長させる要因となる、持続的に分泌される発汗汁と皮脂が混じる合うことで産生される乳化物が角質層を透過し表皮細胞まで侵入するのを防止する、止痒効果の高い機能性パウダーを提供する。【解決手段】塩化アルミニウム微粉末が汗汁との作用で形成される変性角質層で乳化物を解乳させてシクロデキストリンの包接作用と塩化アルミニウムの撥水皮膜作用により痒みの原因物質を凝集ゲル化させることで問題が解決される。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、細胞障害成分とる安静時に持続的に分泌される発汗汁(持続性汗汁と呼ぶ)と皮脂が混じる合うことで産生される乳化物が、皮膚角質層でさらに濃縮される結果、角質層を透過し表皮細胞まで侵入するのを防止する機能性化粧パワダーを提供することにある。具体的には、塩化アルミニウムや明礬などの収斂剤とシクロデキストリンを主剤とした微粉末で、皮膚角質層から汗汁中の水分の放出、蒸散を阻害することなく、しっしん、皮膚炎、ざ瘡(にきび)等の皮膚疾患、及び腋臭や頭脂、足臭等の体臭を顕著に予防する機能性化粧パウダーを提供することにある。
従来から、この種のパウダー類似物として、ベビーパウダーは公知であり、主たる原料は酸化亜鉛、タルク(滑石)などの鉱物微粉末と、コーンスターチ、キカラス瓜などのデンプンをベースにして、他に無水珪酸等を配合したものである。その作用は微細な粒子による毛細管現象で汗汁を吸い上げ、酸化亜鉛の皮膜殺菌効果、澱粉の保湿作用により、肌界面の湿度を適度に保ち、タルクによって皮膚表面を滑らかにして、皮膚同士や衣類との摩擦を少なくすることで、汗疹をできにくくするとして昔から使用されている。一方、塩化アルミニウムにイソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤、酸化亜鉛微粉末を用いたデオドラントパウダー及び、そのスプレーも公知である。塩化アルミニウムのもつ収斂作用により皮膚のタンパク質を変性させて組織を収縮させる作用があり、肌の引き締めや制汗効果と、常在菌の作用で起ると言われている腋臭等の体臭に対する消臭効果を期待して化粧品として広く利用されている。
また、シクロデキストリンによる不飽和脂肪酸の安定化、及び不飽和脂肪酸と水との乳化安定化剤、また、市販の家庭用液体消臭剤として販売されているのも公知である。
これまでの皮膚科学的な理論では、エクリン汗汁とアポクリン汗汁、それに皮脂腺から分泌する皮脂とで組成される乳化物は保湿保護作用という概念で捉えられていた。しかしながら仮に皮膚角質層の水分や皮脂が抜けた状態でも、表皮細胞そのものにダメージがなければ肉眼的に皮溝が白く見える程度の乾燥でしかなく、表皮細胞層の伸縮性等の機能も何ら失われることはない。何故ならば、角質層が生きている表皮細胞のバリアとなっている為である。
一般に言われている<乾燥肌>という用語も極めて曖昧であり、ほぼ100%湿疹(皮膚炎)の発症により、本来生きている表皮細胞そのものが障害を受け、核を失った死滅表皮細胞(鱗屑)が堆積した状態を乾燥肌または乾皮症と称しているに過ぎない。こうした知見に基づき鋭意研究を重ねた結果、この乳化物こそ、急性の痒みや体臭の主たる要因となる原因物質であることを突きとめ、本発明に到達したものである。
従来の体臭、特に腋臭等の原因が皮膚常在菌や付着菌による分解生成物によるとされる通説により、この種の制汗剤には殺菌剤を配合することが必須の条件とされているが、本発明では殺菌剤を特に必要としない。
皮膚炎によらない急な痒みの出現に関わる攻撃性因子と攻撃型物質産生のメカニズムについて以下に詳述する。皮膚の炎症の有無に関わらず急な掻痒感を出現させる主たる要因は二つある。一つは持続性汗汁であり、主にアポクリン汗腺及びエクリン汗腺から分泌される。その成分は水分が主体であるが、微量でも皮膚の刺激成分となる塩分、尿酸、乳酸、酪酸、イソ吉草酸、不飽和アルデヒド、そして付着菌や皮膚常在菌の酵素作用により産生されるアミン類である。他方は皮脂線から分泌される不飽和脂肪酸である皮脂とステロイド類である。これらの攻撃性因子が角質層で濃縮され、乳化物となった時に初めて攻撃型物質に変化するものと考えられる。
その作用機序は攻撃物質が(A)又は(B)、或は(A)+(B)という条件を満たした時に惹き起こされる。
(A)表皮細胞深部に染み込み、感覚神経(C線維)の末端マイスナー小体を直接刺激する。
(B)表皮細胞膜から細胞内に直接浸透したことで細胞自体が異常シグナルとして感知し、その結果が掻痒感として認識される。
汗汁と皮脂とで産生される表皮細胞障害成分であり、且つ体臭の原因物質にもなる持続性汗汁と皮脂とで産生される乳化物が、角質層でさらに濃縮される結果、角質層を透過し表皮細胞まで染み込み掻痒感が誘発される。塩化アルミニウムとシクロデキストリンを主剤とし、タルクや澱粉、セルロース、酸化亜鉛、酸化チタン等をベース基剤とした微粉末に、主剤となる微粉末を配合してなした機能性化粧パウダーを皮膚表面に塗布することで瞬時に表皮角質層を固め、多孔性の強固な変性角質層が構築される。このポーラス状の変性角質層と、塩化アルミニウムとシクロデキストリンとで構築された三位一体の複合体バリアに該乳化物を貯留させることにより、乳化物が表皮細胞まで浸透できない。その結果、掻痒感が惹起されない。
機能性パウダーを一度、塗布することで、角質層の肌面を常にサラサラな状態に保持できる。取り分け皮脂分泌の多い顔面では、概ね12時間が経過すると、複合体における乳化物の包接量が減衰し易い傾向ができるので、僅かにベタつく感触が出現するが、7日経過後も痒みや、にきび、臭い等は生じない。その理由は、複合体バリアが形成されると、理論的には、表皮ターンオーバーサイクルまで表皮角質層での乳化物産生のメカニズムがブロックされ続けるためだと考えられる。しかしながら肌面全体は衣類やタオル等で常に何らかの物理的摩擦を受けているので、実際的には、36時間程度を実用限度とされる。
複合体バリアによる乳化物の包接化が減衰し飽和状態となり、平衡状態に達すると、余剰の乳化物及び新たに産生される皮脂は包接化されずに角質層表面に滲出してくる。たとえ余剰の機能性パウダーと混じり合うことがあっても滲出してくる。この現象が起る理由は、角質層界面で生じる界面活性作用によるもので、CD分子が疎水面(ゲストホール)を下向きに親水基を上向きにして膜状に整列されて起る現象と考えられる。それ故に親水基が皮脂及び汗汁を弾いてしまう作用効果が生じる。持続的に分泌される皮脂もベタベタした感触ではなく、容易にティッシュ等で、軽く容易に拭き取ることできるので、肌面のサラサラ感を長時間保持できる。
その他、臭いの原因となる攻撃因子も、24時間から36時間は確実に角質層に貯留、包接され続けることが臭いの官能試験、弁別法により複数の被試験者による閾値測定から判定できた。それ故に皮膚表層に出現する急激な痒みと炎症の連鎖の阻止及び皮膚炎の発現、その悪化を低減するメカニズムも概ね解明されるに至った。
塩化アルミニウム微粉末もシクロデキストリン微粉末も、それ自体塗布しても、単独で急性の痒みや炎症を抑制し、腋臭等の体臭の原因物質を除去する作用効果はないが、変性角質層と塩化アルミニウムとシクロデキストリンとの三位一体の乳化物バリアを構成することで、臭いをはじめ、皮膚炎の連鎖を有効に阻止する作用機序が発現し、種々の炎症性皮膚疾患の予防に繋げることが可能となった。
機能性パウダー、実施例1 による、うつ熱実験を試みた。
機能性パウダーを全身塗布した状態で、男女二人の被試験者により、どの程度のうつ熱が生じるかを登山及びランニングで試験をした結果は以下の通りである。
1)登山時:標高380mの低山を往復、約2.5時間で走破した。外気温は27℃ 湿度75%であった。
男性被試験者:運動後の体温は34.5〜35.0℃、登山前の温度は35.1〜35.8℃であった。
女性被試験者:運動後の体温は34〜34.5℃、登山前は34.5〜34.7℃であった。
2)10kmランニング時:約1時間で走破した。外気温は30℃ 湿度73%であった。
男性被試験者:運動後の体温は34〜35.0℃、ランニング前は35〜36℃であった。
女性被試験者:運動後の体温は34〜34.5℃、ランニング前は35〜36.2℃であった。以上の結果から考察すると、登山でもランニング時でも、発汗が極めてスムーズで、抜群の撥水効果により流れやすくなる利点を伴うことで、体温上昇は惹起されなかった。即ち、本発明の機能性化粧パウダーを全身塗布しても、生理的に何ら通常皮膚と変わらない状態を保持できることが判明した。
本発明の機能性化粧パウダーは、軟膏等での治療中においても用いることができる利点があり、場合によっては治療薬の使用頻度や治療期間を減らし、ステロイド外用薬を好まない罹患者にとっても、最適で納得のいく使用期間の呈示、または新たな使用法を提案することも可能である。下記に、具体例を挙げて課題となる疾患について更に詳述する。
塩化アルミニウムとシクロデキストリン主剤として組成された機能性パウダーを全身に塗布すると、肌面のべたつきが減少し、艶(テカリ)が減少する。例えば、入浴前、或は入浴後に顔面全体に塗布し、数時間経過後も全額部がサラサラとしており、ブツブツとした肌触りが消失する。
分かりやすい鼻の毛穴の皮脂溜まり(皮脂滴、皮脂塊、皮脂粒)は顕著に減少する。前胸部及び方〜背部への塗布を継続すると、明らかな、にきびの減少、乃至は消失を実感できる。その理由は、本発明の機能性パウダーが、1)急性掻痒の発現と2)急性期毛包炎の発症に関わる汗汁と皮脂との乳化物が毛包壁(毛穴の壁)の生きた表皮細胞層や細胞内に浸透するのを抑止していると考えられるからである。
その他、炎症性皮膚疾患には数えきれないほど種々のものがあるが、その初発病変は丘疹状皮膚炎であり、主に、毛根がターゲットになるが、大なり小なり、急な痒みに気付くか、そうでないかは別として、急な痒みが先行し、ある程度時間が経過してから丘疹となり、この丘疹を掻こうとするために、直接関係をもたない周辺の健康皮膚をも掻いてしまい疾患が拡大してしまう。
更に引っ掻く強さ、爪の先で力強く掻くのか、指の腹で擦るように掻くのか、またタオルで擦るのか、或いは衣類の上から掻くのか、どのくらいの時間、期間で掻いているのか、またこれにより、どれくらいの期間、どの程度の強さの皮膚炎が起こり続けるのかによって、種々多彩な炎症性皮膚疾患がデザインされて惹起するものである。
課題を解決する手段
本発明の機能性化粧パウダーの基本的な構成と処方例を説明する。基剤となるパウダー100gに対して、主剤と成る塩化アルミニウム・6水和物、又は無水塩化アルミニウム、明礬など、又はそれらの混合物を約2〜15%、同様に主剤である、シクロデキストリン(以下CDと記す)を組合せて配合させて製造する。CDは、一定の条件を満たすことによって、皮脂や乳化物等の疎水性の物質を包接化できる包接化合物である。本発明では主に、α−CD、β−CD、γ−CD、それらの混合組成物を指すが、他には、その誘導体であるCD以外の包接化合物も利用できるが、その前提条件は皮脂を含む乳化物を包接して水に溶解するものであれば、すべて利用できる。そして添加する溶質により包接条件が変化するので適宜、最適条件となるよう選択して使用することが望ましい。塩化アルミニウムとしては、無水でも6水和物でも利用できるが、その他、効果は劣るが明礬、塩基性塩化アルミニウムの重合体でも利用できる。一例として粉末ベース基剤100gに対して、10〜20%程度配合するのが好ましく、機能性の持続性は、塩化アルミニウムの三分の一程度と短い難はある。他には、明礬の水和物でも同様に使用できる。粉末ベース基剤の原料は、ベビーパウダー類似の組成が好ましいが、太陽光、特に紫外線の影響から毛根を保護する作用のある酸化亜鉛粉末、その他、タルク粉末、澱粉類、HPC、MC、CMC等のセルロース類、その混合物を単独のベース基剤として使用しても何ら効果に問題はなく、大きな弊害も生じない。
また、通常の保湿剤や潤い成分でもある抗酸化物質、例えばビタミンE、アスコルビン酸2リン酸塩等も予めCDや無水珪酸等の粉体化助剤で粉末化したものを適宜選択して配合することもできる。
機能性化粧パウダーの塗布方法としては、パフで肌面に直に薄く撫でるように、もしくは指腹又は掌で軽く押さえるようにして塗布することができる。或は、吸引する弊害はあるが、高圧ガスによるスプレー方式等の塗布方法も簡便である。
本発明の実施の形態について説明する。
粉末ベース基剤100gに対して、塩化アルミニウム・6水和物 7g、 β−CD 10gを陶製ボールミルに導入して 15分程 粉砕することで、48メッシュパスの粉砕混合物として機能性化粧パウダーが得られた。粉末ベース基剤は、亜鉛華40g、タルク40g、コーンスターチ澱粉20gを配合して製造した。
粉末ベース基剤100gに対して、塩化アルミニウム・6水和物 5g、β−CD 5g、を陶製ボールミルに導入して 15分粉砕混合することで、48メッシュパスの粉砕混合物として機能性化粧パウダーが得られた。粉末ベース基剤として亜鉛華50g、タルク20g、コーンスターチ30g を配合して製造した。
粉末ベース基剤100gに対して、塩化アルミニウム無水物5g、α−CD、β−CD、γ−CD を、各4g、合計12g を混合器に導入し、5分間混合することにより機能性化粧パウダーが得られた。粉末ベース基剤は、タルク60g、コーンスターチ澱粉30g、無水珪酸5g、酸化ナトリウム5gを配合して製造した。
粉末ベース基剤100gに対して、無水明礬20g、β−CD5g、を混合器に導入して65メッシュパスの機能性化粧パウダーが得られた。粉末ベース基剤は、亜鉛華40g、タルク30g、コーンスターチ澱粉30gを配合して製造した。
発明の効果
急性炎症の着火因子またはトリガーとなる細胞障害成分、または細菌の増殖や臭いの原因となる乳化物の産生を一定時間抑制(36時間〜2週間程度)させることにより、以下の効果を奏する。
1.にきび(ざ瘡)の発生を防止する作用効果がある。毛穴の皮膚炎への移行プロセスの一部、毛穴が炎症を起こす要因としては、乳化物以外では、紫外線やステロイド及び活性酸素の影響が知られている。しかしながら活性酸素は既に細胞障害が何らかの原因で惹起されたことを意味している。
毛穴の炎症の継続に伴う閉鎖面皰(めんぽう=急性毛包炎による毛穴の閉鎖により毛包内で皮脂が貯留し、毛包内壁の表皮角質が皮脂を包み形成される芯)の産生を未然に防き、全身どの部位においても、にきびの発生を防止する効果がある。
2.にきび(ざ瘡)の炎症を悪化させ難くする。毛穴にいったん生じた炎症が持続し、少しずつ増強していく一連の炎症の連鎖を抑制する。炎症の連鎖とは、毛穴の炎症が増し、毛穴の赤い隆起が大きくなる過程は、毛穴を触ったり擦ったりすることによる細菌感染が言われているが、細菌の二次的感染以前の炎症の持続および悪化に乳化物の持続的浸透が大きく関係していると考えるのが妥当である。炎症反応が持続し、増強していく過程を『炎症の連鎖』と名付ける。そして炎症の連鎖をもたらす主たる因子は乳化物である。
大きくなってきた毛穴の赤い隆起つまり毛包炎を自然消退させる効果があり、大きくなってきた毛穴の赤い隆起つまり毛包炎を自然消退させる効果がある。乳化物が毛包炎に、繰り返し刺激を与え続けることを防ぐことで化膿や膿貯留に発展させずに、自然に赤い毛穴の炎症性隆起が平坦化する作用効果がある。
3.急に生じる強い痒みを抑える効果がある。乳化物の角質層への蓄積から表皮内に浸透したことによる痒みを未然に防ぎ汗汁が滲んだ際の急速な痒みの発現を未然に防ぐ効果がある。このことは、アトピーの患者や小児が汗をかいて頭や耳、外陰部や四肢関節部を掻爬(そうは)する機会を減らすので湿疹や皮膚炎の発症を未然に防止できるばかりでなく、その範囲を縮小できる効果がある。
効果を検証するにあたり、しっしん皮膚炎の原因は乳化物以外にも紫外線・薬剤(湿布・外用薬・内服薬)、化学物質、昆虫、植物など種々の原因があることも考慮すべき点である。
4.毛孔性角化症(頬・腕のブツブツ)を作りにくくする効果がある。この疾患自体を治すものではないが、毛孔が角化する前の急性期は毛包炎(毛穴の急性皮膚炎)である。毛包炎の炎症を惹起するトリガー因子は、毛孔周囲の表皮角質層に汗と皮脂の乳化物が蓄積することである。塩化アルミニウムは角質層全体に固着し、角質層内への水分の蓄積を防ぐ。例えるならば、スポンジ状の表皮角質層が一枚板になったかのようである。
毛孔性角化症の角化とは、毛孔の出口の表皮細胞が変性や炎症変化を伴い、核を失い積み上げられた言わば表皮カスの堆積である。毛穴の出口の表皮角質層を一枚板のようにして乳化物蓄積を抑え、炎症や細胞の変性を防ぎ、結果として毛穴の角化を防ぐことで毛孔角化症を防止できる。効果は短期間(1〜2週間)で実感できる。なぜならば、毛孔角化症をもたらす皮膚の炎症は、にきび(ざ瘡)の炎症より遥かに軽度な為である。
5.腋臭・頭皮・足臭・小児の頭の臭い・陰部を含む全身の臭い、全身の加齢臭を防ぐことができる。また衣類への臭い移りを顕著に防ぐ効果があり、体の加齢臭を防ぐことができる。
6.皮脂腺から分泌される不飽和脂肪酸の酸化色、主にアポクリン腺分泌物による衣服の黄ばみを顕著に防止する作用効果がある。
7.手の多汗により生じる汗のべたつきは水分だけでなく、汗汁及び皮脂との乳化物であり、表皮角質層に蓄積される乳化物が、塩化アルミニウムとCDの界面活性効果により阻害抑制されるので、触れたものに、サラサラとした手触り感を与える。
8.塩化アルミニウムとシクロデキストリンを主剤とした機能性パウダーは医薬部外品のカテゴリーであり、虫よけ剤のような感覚で、いつでも、何処でも、頻度に関係無く気軽に利用できるので、利便性にも優れている。
皮膚変性角質層と塩化アルミニウムとシクロデキストリンとの三位一体の乳化物バリア複合体を構成することで、皮膚炎の連鎖を有効に阻止する作用機序が発現し、種々の炎症性皮膚疾患の予防に繋げることが可能となる。
本発明の機能性化粧パウダーは軟膏等での治療中においても用いることができる利点があり、場合によっては治療薬の使用頻度や治療期間を大幅に減らし、ステロイド外用薬を好まない罹患者にとっても、最適で納得のいく使用期間の呈示、または新たな使用法を提案することも可能であり、代替医療の一手段としても極めて有効性が高く、それらの疾病に対する治療方針に大なる期待と展望を与える発明である。
発明の詳細な説明
本発明は皮膚の痒みを防止する機能性パウダーに関するもので、皮膚への保持力と経済性の点で溶液状よりも有利で無駄の少ない痒み防止用機能性パウダーに関するもので、皮脂腺毛包とか脂漏部位と呼ばれる、頭皮生え際、顔面、頸部、耳介周囲、肩、前胸部、上背部、脇の下、陰部・股部等の有毛部位、特に毛漏斗と呼ばれる部位に顕著に作用し止痒効果を高めた機能性パウダーを提供することにある。
従来から、この種のパウダーとして、ベビーパウダーやシッカロールパウダーは公知公用であり、その作用は微細な粒子による毛細管現象で汗汁を吸い上げ、酸化亜鉛の殺菌効果、澱粉の保湿作用により、肌界面の湿度を適度に保ち、タルクによって皮膚表面を滑らかにして、皮膚と皮膚、皮膚と衣類との摩擦を少なくすることで、汗疹を抑え痒みを抑制するものとして使用されてきた。
昔から汗をかくから痒みが惹き起こされるという考え方は一般的であり、制汗という概念の中で、汗の分泌を抑制して肌をサラサラにすることで汗疹を抑え痒みを抑制する方法が通例であるから、この種のパウダーの主剤は、コーンスターチ等の加工デンプンや無水珪酸、酸化亜鉛、タルク、メーカーによってはクロルヒドロキシアルミニウムを配合した物もあり、原理は、デンプンや無水珪酸パウダーに汗を吸着させ、酸化亜鉛やタルクで肌の殺菌と滑りを改善、クロルヒドロキシアルミニウム粉末の制汗作用で汗の分泌、発汗を抑制するというものであり、全身に発汗を清拭後に使用すると、サラサラとして肌触りで幾分痒みが治まった気がするが、効果に持続性が無く、すぐに痒みが復活してくるので掻爬行為を止めるほどの効果は認められなかった。
他方、痒みを防ぐ作用を持つ薬剤としては、抗ヒスタミン薬の内服薬及び軟膏、抗アレルギー薬の内服薬及び軟膏、リドカイン等の局所麻酔性外用剤、鎮痒剤のクロタミトンクリーム等が用いられているが満足な効果が得られていない。痒みが誘発されて起る大きな弊害は、痒みが生じる部位を無意識に掻くことにあり、種々の湿疹皮膚炎及びアトピー性皮膚炎等の炎症の悪化を招くことになり全身各所に生じる急性の掻痒感に対し、速やかに効果の実感できる簡易な痒み防止薬が求められている。
これまでの皮膚科学的な理論では、エクリン汗汁とアポクリン汗汁、それに皮脂腺から分泌する皮脂とで組成される乳化物は保湿保護作用という概念で捉えられていた。しかしながら仮に皮膚角質層の水分や皮脂が抜けた状態でも、表皮細胞そのものにダメージがなければ肉眼的に皮溝が白く見える程度の乾燥でしかなく、表皮細胞層の伸縮性も機能も何ら失われることはない。何故ならば、角質層が生きている表皮細胞のバリアとなっている為である。
一般に言われている「乾燥肌」という用語も極めて曖昧であり、ほぼ100%湿疹(皮膚炎)の発症により、本来生きている表皮細胞そのものが障害を受け、核を失った死滅表皮細胞(鱗屑)が堆積した状態を乾燥肌または乾皮症と称しているに過ぎない。こうした所見も踏まえ、数々研究を重ねた結果、この乳化物こそ、急性の痒みを惹き起こす主たる原因物質であることを突きとめ、本発明に到達したものである。
発明が解決しようとする課題
皮膚炎によらない急な痒みの出現に関わる攻撃因子と攻撃型物質産生のメカニズムについて以下に詳述する。皮膚の炎症の有無に関わらず急な掻痒感を出現させる主たる要因は二つある。一つは持続性汗汁と急性の発汗汁であり、他方は皮脂腺やアポクリン汗腺から分泌される皮脂とステロイド類である。その成分は水分、塩分、微量でも刺激成分となる尿酸や乳酸、酪酸やイソ吉草酸などの脂肪酸、油性の不飽和アルデヒド、そして付着菌や皮膚常在菌の代謝作用により産生するアンモニウム塩やアミン類であり、これらの水性油性の攻撃因子が表皮角質層で一定濃度以上の濃縮乳化物となった時にはじめて攻撃型物質に変化し痒みが惹き起こされると考えられる。
その作用機序は攻撃物質が(A)又は(B)、或は(A)+(B)という条件を満たした場合と考えられる。
(A)表皮障害(微細な傷)により表皮細胞深部に染み込み、感覚神経(C線維)の末端、真皮乳頭のマイスナー小体を直接刺激する。
(B)表皮細胞から細胞内に直接浸透したことで細胞自体が異常シグナルとして感知し、その結果が掻痒感として認識される。
塩化アルミニウム及びシクロデキストリン(以下CDという)を主剤とした微粉末を基剤となるベース微粉末に配合したパウダーを皮膚に塗布することにより、長時間、痒みを防止する作用効果があることが判明した。塩化アルミニウム微粉末と汗汁(汗の含有水分)で形成された表皮変性角質層の撥水性皮膜は強靭で、塗布した配合微粉末を水で洗浄した後でも撥水性皮膜が保持されること、水の介在で異なる物質境界面においてもポーラス状の撥水性皮膜を形成する性質があり、これまでの定説である変性角質層における制汗作用とは真逆の水分・皮脂透過性であるから、表皮角質層で該乳化物が解乳され易い条件ができると考えられる。
それゆえCDは油性の細胞障害成分を含んだ皮脂を吸着、包接し、汗汁の水分と解乳された遊離水とでCDのコロイド状乳化物を形成するので湿潤浸透作用が促されて該CDの乳化物が角質層で濃縮される結果、凝集しゲル化すると考えられる。そして汗汁に包含される水溶性細胞障害成分はゲル化したCDの粒子間、粒子周囲に粘着状ゲル状物となって固定されるため、長時間にわたり持続的に痒みが惹起されないものと考えられる。
対照として、塩化アルミニウム微粉末(単独では皮膚障害をもたらすのでベース微粉末の酸化亜鉛に配合した塩化アルミニウム微粉末)もCDの微粉末も、それ自体塗布しても、痒みを持続的に低減する作用効果は、ほとんど認識できない。以上のことから、急な痒みの原因は水分を含んだ汗腺分泌液と皮脂の両者が相互に強く関与していること、その結果として産毛の毛孔周囲に急性炎症反応が惹起され、細胞間の化学的神経伝達系による真皮乳頭のマイスナー小体が急激に刺激され、局所的な激しい掻痒感が出現すると考えるのが妥当である。
発汗状態を確認する目的で、[実施例1]により製造した機能性パウダーを用いて、うつ熱実験を試みた。機能性パウダーを全身塗布した状態で、男女二人の被試験者により、どの程度のうつ熱が生じるかを登山及びランニングで試験をした結果は以下の通りである。
1)登山時:標高380mの低山を往復、約2.5時間で走破した。外気温は27℃ 湿度75%であった。
男性被試験者: 運動後の体温は34.5〜35.0℃、登山前の温度は35.1〜35.8℃であった。女性被試験者:運動後の体温は34〜34.5℃、登山前は34.5〜34.7℃であった。
2)10kmランニング時:約1時間で走破した。外気温は30℃ 湿度73%であった。男性被試験者:運動後の体温は34〜35.0℃、ランニング前は35〜36℃であった。
女性被試験者:運動後の体温は34〜34.5℃、ランニング前は35〜36.2℃であった。以上の結果から考察すると、登山でもランニング時でも、発汗が極めてスムーズで、抜群の撥水効果により流れやすくなる利点を伴うことで、体温上昇は惹起されなかった。即ち、本発明の機能性化粧パウダーを全身塗布しても、生理的に何ら通常皮膚と変わらない状態を保持できることが確認された。
課題を解決する手段
発明に従い説明すると、有効成分である無水塩化アルミニウム、塩化アルミニウム水和物も、酸性度が高く組織刺激性を考慮する必要があるが、ベース粉末基剤の配合割合、例えば、活性型酸化亜鉛や3号無水微粉末(富士化学)の配合割合で容易にpHが調整されるばかりか、その他の糖質を含むCDによる緩衝作用も働くるので、ベース微粉末100gに対して最大で50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲内で使用することができる。
発明に使用できるCDは、α、β、γ型を単独乃至は混合した物も使用できるが、その誘導体でも使用できる。ベース微粉末基剤100gに対してシクロデキストリンの濃度が0.5〜50.0重量%、好ましくは1.0〜20重量%の使用で、部位にもよるが目的が達成される。
微粉末ベース基剤として、酸化亜鉛又は活性型酸化亜鉛40%、タルク40%、加工でんぷん類20%を標準ベースとした組成が好ましいが、それらの割合は特に限定されるものでなく、各種単独で用いても効果にさほど影響を与えない。その他、加工澱粉類の代わりに、HPC、MC、CMC等のセルロース類、またそれらの混合物をベース基剤として配合しても何ら効果に問題はなく、大きな弊害も生じない。
微粉末の粒径は1〜300μm以下、好ましくは5〜150μm以下の粒度分布の範囲内で使用するのが、肌質感から好ましい。
また、通常の保湿剤や潤い成分でもある抗酸化物質、例えば油性のビタミンE等も予めCDに包接させたもの、べたつくものは無水珪酸等の粉体化助剤で流動特性を改善した粉末を適宜選択して配合することもできる。
機能性化粧パウダーの塗布方法としては、パフで肌面に直に薄く撫でるかロールオンタイプも好ましいが、指腹又は掌で軽く押さえるようにして塗布することもできる。或は、吸引する弊害はあるが、高圧ガスによるスプレー方式等の塗布方法も簡便である。
機能性パウダーをパフ等で軽く、一度塗布することで、長時間にわたり皮膚に痒みを生じさせずサラサラ状態に保持できること、取り分け皮脂分泌の多い顔面では白くなる弊害があるにせよ、概ね12時間が経過後すると、乳化物の包接量が飽和し減衰しはじめるので、僅かにベタつく感触ができるが、7日経過後も痒みは生じない。その理由は表皮角質層において乳化物のバリアが一旦形成されると、理論上は、表皮ターンオーバーサイクルまで該乳化物産生のメカニズムがブロックされ続けるためと考えられる。しかしながら肌面全体は衣類やタオル等で常に何らかの物理的摩擦を受けているので、実際的には、24〜36時間程度を実用限度とされる。
本発明の実施の形態について説明する。
粉末ベース基剤100gに対して、塩化アルミニウム・6水和物 15g、β−CD 10gを陶製ボールミルに導入して 15分程 粉砕することで、48メッシュパスの粉砕混合物として機能性化粧パウダーが得られた。粉末ベース基剤として、活性型酸化亜鉛40g、タルク40g、コーンスターチ澱粉20gを配合して製造した。
粉末ベース基剤100gに対して、塩化アルミニウム・6水和物 5g、β−CD 5g、を陶製ボールミルに導入して 15分粉砕混合することで、48メッシュパスの粉砕混合物として機能性化粧パウダーが得られた。粉末ベース基剤として活性型亜鉛華10g、タルク60g、コーンスターチ30g を配合して製造した。
粉末ベース基剤100gに対して、塩化アルミニウム無水物20g、α−CD、β−CD、γ―CD を、各4g、合計12g ボールミルに導入し、20分間粉砕混合することにより機能性化粧パウダーが得られた。粉末ベース基剤には、活性型酸化亜鉛95g、無水珪酸5g、を配合して製造した。
発明の効果
アトピー性皮膚炎患者の痒みを抑制し、掻爬行為と発汗性皮疹増悪を軽減し、強い炎症後色素沈着や肌理の開大した皮膚の醜状を防止する。
急性産毛一致性毛包炎の発現を予防軽減し、入浴時、発汗時、入眠時の掻爬行為を軽減し、種々の湿疹、皮膚炎を予防し悪化を防止する。
汗疱による痒みを予防し、手・足の表皮剥離を防ぐ。
異汗性湿疹による痒みを軽減し、従来のステロイド系消炎軟膏や保湿薬の効果を助ける。
汗疱による痒みが初発皮疹と考えられる足白癬を予防する。
急性産毛一致性毛包炎の発現による痒みを予防し、スイミングスクールに通い発症することの多い伝染性軟属腫の罹患を防止する。
塩化アルミニウムの皮膚面の撥水性による滑りの増加により、衣類による表皮角質層の摩擦性剥離による痒みを防止し、癜風を始めとする表皮細胞親和性の表在性皮膚糸状菌症の繰り返す発症を防止する。
ステロイド酒さ、顔面の継時的摩擦性敏感肌に伴う掻爬起因性赤ら顔を自然軽快させる。
発明の詳細な説明
本発明は、細胞障害成分とる安静時に持続的に分泌される発汗汁(持続性汗汁と呼ぶ)と皮脂が混じる合うことで産生される乳化物が、皮膚角質層でさらに濃縮される結果、角質層を透過し表皮細胞まで侵入するのを防止する粉末状の痒み防止剤を提供することにある。具体的には、塩化アルミニウムや明礬などの収斂剤とシクロデキストリンを主剤とした微粉末で、皮膚角質層から汗汁中の水分の放出、蒸散を阻害することなく、しっしん、皮膚炎等の皮膚疾患を顕著に予防する粉末状の痒み防止剤を提供することにある。
従来から、この種のパウダーとして、ベビーパウダーは公知であり、主たる原料は酸化亜鉛、タルク(滑石)などの鉱物微粉末と、コーンスターチ、キカラス瓜などのデンプンをベースにして、他に無水珪酸等を配合したものである。その作用は微細な粒子による毛細管現象で汗汁を吸い上げ、酸化亜鉛の皮膜殺菌効果、澱粉の保湿作用により、肌界面の湿度を適度に保ち、タルクによって皮膚表面を滑らかにして、皮膚同士や衣類との摩擦を少なくすることで、汗疹をできにくくするとして昔から使用されている。一方、塩化アルミニウムにイソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤、酸化亜鉛微粉末を用いたデオドラントパウダー及び、そのスプレーも公知である。塩化アルミニウムのもつ収斂作用により皮膚のタンパク質を変性させて組織を収縮させる作用があり、肌の引き締めや制汗効果と、常在菌の作用で起ると言われている腋臭等の体臭に対する消臭効果を期待して化粧品として広く利用されている。
また、シクロデキストリンによる不飽和脂肪酸の安定化、及び不飽和脂肪酸と水との乳化安定化剤、また、市販の家庭用液体消臭剤として販売されているのも公知である。
これまでの皮膚科学的な理論では、エクリン汗汁とアポクリン汗汁、それに皮脂腺から分泌する皮脂とで組成される乳化物は保湿保護作用という概念で捉えられていた。しかしながら仮に皮膚角質層の水分や皮脂が抜けた状態でも、表皮細胞そのものにダメージがなければ肉眼的に皮溝が白く見える程度の乾燥でしかなく、表皮細胞層の伸縮性等の機能も何ら失われることはない。何故ならば、角質層が生きている表皮細胞のバリアとなっている為である。
一般に言われている<乾燥肌>という用語も極めて曖昧であり、ほぼ100%湿疹(皮膚炎)の発症により、本来生きている表皮細胞そのものが障害を受け、核を失った死滅表皮細胞(鱗屑)が堆積した状態を乾燥肌または乾皮症と称しているに過ぎない。こうした知見に基づき鋭意研究を重ねた結果、この乳化物こそ、急性の痒みの主たる要因となる原因物質であることを突きとめ、本発明に到達したものである。
皮膚炎によらない急な痒みの出現に関わる攻撃性因子と攻撃型物質産生のメカニズムについて以下に詳述する。皮膚の炎症の有無に関わらず急な掻痒感を出現させる主たる要因は二つある。一つは持続性汗汁であり、主にアポクリン汗腺及びエクリン汗腺から分泌される。その成分は水分が主体であるが、微量でも皮膚の刺激成分となる塩分、尿酸、乳酸、酪酸、イソ吉草酸、不飽和アルデヒド、そして付着菌や皮膚常在菌の酵素作用により産生されるアミン類である。他方は皮脂線から分泌される不飽和脂肪酸である皮脂とステロイド類である。これらの攻撃性因子が角質層で濃縮され、乳化物となった時に初めて攻撃型物質に変化するものと考えられる。
その作用機序は攻撃物質が(A)又は(B)、或は(A)+(B)という条件を満たした時に惹き起こされる。
(A)表皮細胞深部に染み込み、感覚神経(C線維)の末端マイスナー小体を直接刺激する。
(B)表皮細胞膜から細胞内に直接浸透したことで細胞自体が異常シグナルとして感知し、その結果が掻痒感として認識される。
汗汁と皮脂とで産生される表皮細胞障害成分であり、持続性汗汁と皮脂とで産生される乳化物が、角質層でさらに濃縮される結果、角質層を透過し表皮細胞まで染み込み掻痒感が誘発される。塩化アルミニウムとシクロデキストリンを主剤とし、タルクや澱粉、セルロース、酸化亜鉛、酸化チタン等をベース基剤とした微粉末に、主剤となる微粉末を配合してなした粉末状の痒み防止剤を皮膚表面に塗布することで瞬時に表皮角質層を固め、多孔性の強固な変性角質層が構築される。このポーラス状の変性角質層で、塩化アルミニウムとシクロデキストリンとで構築された三位一体の複合体バリアに該乳化物を貯留させることにより、乳化物が表皮細胞まで浸透できない。その結果、掻痒感が惹起されない。
粉末状の痒み防止剤を一度、塗布することで、角質層の肌面を常にサラサラな状態に保持できる。取り分け皮脂分泌の多い顔面では、概ね12時間が経過すると、複合体における乳化物の吸着量が減衰し易い傾向ができるので、僅かにベタつく感触が出現するが、7日経過後も痒み生じない。その理由は、複合体バリアが形成されると、理論的には、表皮ターンオーバーサイクルまで表皮角質層での乳化物産生のメカニズムがブロックされ続けるためだと考えられる。しかしながら肌面全体は衣類やタオル等で常に何らかの物理的摩擦を受けているので、実際的には、36時間程度を実用限度とされる。
複合体バリアによる乳化物の吸着が減衰し飽和状態となり、平衡状態に達すると、余剰の乳化物及び新たに産生される皮脂は角質層表面に滲出してくる。たとえ余剰の粉末状の痒み防止剤と混じり合うことがあっても滲出してくる。この現象が起る理由は、角質層界面で生じる界面活性作用によるもので、CD分子が疎水面(ゲストホール)を下向きに親水基を上向きにして膜状に整列されて起る現象と考えられる。それ故に親水基が皮脂及び汗汁を弾いてしまう作用効果が生じる。持続的に分泌される皮脂もベタベタした感触ではなく、容易にティッシュ等で、軽く容易に拭き取ることできるので、肌面のサラサラ感を長時間保持できる。
それ故に皮膚表層に出現する急激な痒みと炎症の連鎖の阻止及び皮膚炎の発現、その悪化を低減するメカニズムも概ね解明されるに至った。
塩化アルミニウム微粉末もシクロデキストリン微粉末も、それ自体塗布しても、単独で急性の痒みや炎症を抑制する作用効果はないが、変性角質層と塩化アルミニウムとシクロデキストリンとの三位一体の乳化物バリアを構成することで、皮膚炎の連鎖を有効に阻止する作用機序が発現し、種々の炎症性皮膚疾患の予防に繋げることが可能となった。
粉末状の痒み防止剤、実施例1 による、うつ熱実験を試みた。
粉末状の痒み防止剤を全身塗布した状態で、男女二人の被試験者により、どの程度のうつ熱が生じるかを登山及びランニングで試験をした結果は以下の通りである。
1)登山時:標高380mの低山を往復、約2.5時間で走破した。外気温は27℃ 湿度75%であった。
男性被試験者:運動後の体温は34.5〜35.0℃、登山前の温度は35.1〜35.8℃であった。
女性被試験者:運動後の体温は34〜34.5℃、登山前は34.5〜34.7℃であった。
2)10kmランニング時:約1時間で走破した。外気温は30℃ 湿度73%であった。
男性被試験者:運動後の体温は34〜35.0℃、ランニング前は35〜36℃であった。女性被試験者:運動後の体温は34〜34、5℃、ランニング前は35〜36.2℃であった。以上の結果から考察すると、登山でもランニング時でも、発汗が極めてスムーズで、抜群の撥水効果により流れやすくなる利点を伴うことで、体温上昇は惹起されなかった。即ち、本発明の粉末状の痒み防止剤を全身塗布しても、生理的に何ら通常皮膚と変わらない状態を保持できることが判明した。
本発明の粉末状の痒み防止剤は、軟膏等での治療中においても用いることができる利点があり、場合によっては治療薬の使用頻度や治療期間を減らし、ステロイド外用薬を好まない罹患者にとっても、最適で納得のいく使用期間の呈示、または新たな使用法を提案することも可能である。下記に、具体例を挙げて課題となる疾患について更に詳述する。
塩化アルミニウムとシクロデキストリン主剤として組成された粉末状の痒み防止剤を全身に塗布すると、肌面のべたつきが減少し、艶(テカリ)が減少する。例えば、入浴前、或は入浴後に顔面全体に塗布し、数時間経過後も全額部がサラサラとしており、ブツブツとした肌触りが消失する。
分かりやすい鼻の毛穴の皮脂溜まり(皮脂滴、皮脂塊、皮脂粒)は顕著に減少する。前胸部及び方〜背部への塗布を継続すると、明らかな、にきびの減少、乃至は消失を実感できる。その理由は、本発明の粉末状の痒み防止剤が、1)急性掻痒の発現と2)急性期毛包炎の発症に関わる汗汁と皮脂との乳化物が毛包壁(毛穴の壁)の生きた表皮細胞層や細胞内に浸透するのを抑止していると考えられるからである。
その他、炎症性皮膚疾患には数えきれないほど種々のものがあるが、その初発病変は丘疹状皮膚炎であり、主に、毛根がターゲットになるが、大なり小なり、急な痒みに気付くか、そうでないかは別として、急な痒みが先行し、ある程度時間が経過してから丘疹となり、この丘疹を掻こうとするために、直接関係をもたない周辺の健康皮膚をも掻いてしまい疾患が拡大してしまう。
更に引っ掻く強さ、爪の先で力強く掻くのか、指の腹で擦るように掻くのか、またタオルで擦るのか、或いは衣類の上から掻くのか、どのくらいの時間、期間で掻いているのか、またこれにより、どれくらいの期間、どの程度の強さの皮膚炎が起こり続けるのかによって、種々多彩な炎症性皮膚疾患がデザインされて惹起するものである。
課題を解決する手段
本発明の粉末状の痒み防止剤の基本的な構成と処方例を説明する。基剤となるパウダー100gに対して、主剤と成る塩化アルミニウム・6水和物、又は無水塩化アルミニウム又はそれらの混合物を約2〜15%、同様に主剤である、シクロデキストリン(以下CDと記す)を組合せて配合させて製造する。CDは、一定の条件を満たすことによって、皮脂や乳化物等の疎水性の物質を包接化できる包接化合物である。本発明では主に、α−CD、β−CD、γ−CD、それらの混合組成物を指すが、他には、その誘導体であるCD以外の包接化合物も利用できるが、その前提条件は皮脂を含む乳化物を吸着して水に溶解するものであれば、すべて利用できる。そして添加する溶質により吸着条件が変化するので適宜、最適条件となるよう選択して使用することが望ましい。
塩化アルミニウムとしては、無水でも6水和物でも利用できるが、その他、効果は劣るが焼き明礬、塩基性塩化アルミニウムの重合体でも利用できる。一例として粉末ベース基剤100gに対して、10〜20%程度配合するのが好ましく、機能性の持続性は、塩化アルミニウムの三分の一程度と短い難はある。他には、明礬の水和物でも同様に使用できる。粉末ベース基剤の原料は、ベビーパウダー類似の組成が好ましいが、太陽光、特に紫外線の影響から毛根を保護する作用のある酸化亜鉛粉末等、その他、タルク粉末、澱粉類、HPC、MC、CMC等のセルロース類、その混合物を単独のベース基剤として使用しても何ら効果に問題はなく、大きな弊害も生じない。
また、通常の保湿剤や潤い成分でもある抗酸化物質、例えばビタミンE、アスコルビン酸2リン酸塩等も予めCDや無水珪酸等の粉体化助剤で粉末化したものを適宜選択して配合することもできる。
粉末状の痒み防止剤の塗布方法としては、パフで肌面に直に薄く撫でるように、もしくは指腹又は掌で軽く押さえるようにして塗布することができる。或は、吸引する弊害はあるが、高圧ガスによるスプレー方式等の塗布方法も簡便である。
本発明の実施の形態について説明する。
粉末ベース基剤100gに対して、塩化アルミニウム・6水和物 7g、β−CD 10gを陶製ボールミルに導入して 15分程 粉砕することで、48メッシュパスの粉砕混合物として粉末状の痒み防止剤が得られた。粉末ベース基剤は、亜鉛華40g、タルク40g、コーンスターチ澱粉20gを配合して製造した。
粉末ベース基剤100gに対して、塩化アルミニウム・6水和物 5g、β−CD 5g、を陶製ボールミルに導入して 15分粉砕混合することで、48メッシュパスの粉砕混合物として粉末状の痒み防止剤が得られた。粉末ベース基剤として亜鉛華50g、タルク20g、コーンスターチ30g を配合して製造した。
粉末ベース基剤100gに対して、塩化アルミニウム無水物5g、α−CD、β−CD、γ−CD を、各4g、合計12g を混合器に導入し、5分間混合することにより粉末状の痒み防止剤が得られた。粉末ベース基剤は、タルク60g、コーンスターチ澱粉30g、無水珪酸5g、酸化ナトリウム5gを配合して製造した。
粉末ベース基剤100gに対して、無水明礬20g、β−CD5g、を混合器に導入して65メッシュパスの粉末状の痒み防止剤が得られた。粉末ベース基剤は、亜鉛華40g、タルク30g、コーンスターチ澱粉30gを配合して製造した。
発明の効果
急性炎症の着火因子またはトリガーとなる細胞障害成分、または細菌の増殖や臭いの原因となる乳化物の産生を一定時間抑制(36時間〜2週間程度)させることにより、以下の効果を奏する。
毛穴の皮膚炎への移行プロセスの一部、毛穴が炎症を起こす要因としては、乳化物以外では、紫外線やステロイド及び活性酸素の影響が知られている。しかしながら活性酸素は既に細胞障害が何らかの原因で惹起されたことを意味している。
毛穴にいったん生じた炎症が持続し、少しずつ増強していく一連の炎症の連鎖を抑制する。炎症の連鎖とは、毛穴の炎症が増し、毛穴の赤い隆起が大きくなる過程は、毛穴を触ったり擦ったりすることによる細菌感染が言われているが、細菌の二次的感染以前の炎症の持続および悪化に乳化物の持続的浸透が大きく関係していると考えるのが妥当である。炎症反応が持続し、増強していく過程を『炎症の連鎖』と名付ける。そして炎症の連鎖をもたらす主たる因子は乳化物である。
大きくなってきた毛穴の赤い隆起つまり毛包炎を自然消退させる効果があり、乳化物が毛包炎に、繰り返し刺激を与え続けることを防ぐことで化膿や膿貯留に発展させずに、自然に赤い毛穴の炎症性隆起が平坦化する作用効果がある。
3.急に生じる強い痒みを抑える効果がある。乳化物の角質層への蓄積から表皮内に浸透したことによる痒みを未然に防ぎ汗汁が滲んだ際の急速な痒みの発現を未然に防ぐ効果がある。このことは、アトピーの患者や小児が汗をかいて頭や耳、外陰部や四肢関節部を掻爬(そうは)する機会を減らすので湿疹や皮膚炎の発症を未然に防止できるばかりでなく、その範囲を縮小できる効果がある。
効果を検証するにあたり、しっしん皮膚炎の原因は乳化物以外にも紫外線・薬剤(湿布・外用薬・内服薬)、化学物質、昆虫、植物など種々の原因があることも考慮すべき点である。
4.毛孔性角化症(頬・腕のブツブツ)を作りにくくする効果がある。この疾患自体を治すものではないが、毛孔が角化する前の急性期は毛包炎(毛穴の急性皮膚炎)である。毛包炎の炎症を惹起するトリガー因子は、毛孔周囲の表皮角質層に汗と皮脂の乳化物が蓄積することである。塩化アルミニウムは角質層全体に固着し、角質層内への水分の蓄積を防ぐ。例えるならば、スポンジ状の表皮角質層が一枚板になったかのようである。
毛孔性角化症の角化とは、毛孔の出口の表皮細胞が変性や炎症変化を伴い、核を失い積み上げられた言わば表皮カスの堆積である。毛穴の出口の表皮角質層を一枚板のようにして乳化物蓄積を抑え、炎症や細胞の変性を防ぎ、結果として毛穴の角化を防ぐことで毛孔角化症を防止できる。効果は短期間(1〜2週間)で実感できる。なぜならば、毛孔角化症をもたらす皮膚の炎症は、にきび(ざ瘡)の炎症より遥かに軽度な為である。
6.皮脂腺から分泌される不飽和脂肪酸の酸化色、主にアポクリン腺分泌物による衣服の黄ばみを顕著に防止する作用効果がある。
7.手の多汗により生じる汗のべたつきは水分だけでなく、汗汁及び皮脂との乳化物であり、表皮角質層に蓄積される乳化物が、塩化アルミニウムとCDの界面活性効果により阻害抑制されるので、触れたものに、サラサラとした手触り感を与える。
8.塩化アルミニウムとシクロデキストリンを主剤とした粉末状の痒み防止剤は医薬部外品のカテゴリーであり、虫よけ剤のような感覚で、いつでも、何処でも、頻度に関係無く気軽に利用できるので、利便性にも優れている。
皮膚変性角質層と塩化アルミニウムとシクロデキストリンとの三位一体の乳化物バリア複合体を構成することで、皮膚炎の連鎖を有効に阻止する作用機序が発現し、種々の炎症性皮膚疾患の予防に繋げることが可能となる。
本発明の粉末状の痒み防止剤は軟膏等での治療中においても用いることができる利点があり、場合によっては治療薬の使用頻度や治療期間を大幅に減らし、ステロイド外用薬を好まない罹患者にとっても、最適で納得のいく使用期間の呈示、または新たな使用法を提案することも可能であり、代替医療の一手段としても極めて有効性が高く、それらの疾病に対する治療方針に大なる期待と展望を与える発明である。

Claims (2)

  1. 塩化アルミニウムとシクロデキストリンを主剤とした微粉末を基剤となるベース微粉末に分散配合してなした微粉末を皮膚面に塗布することにより、皮膚変性角質層を形成させ、該皮膚変性角質層に汗汁を浸潤させることにより、変性角質層と塩化アルミニウムとシクロデキストリンによって構築された乳化物バリア複合体で、持続性汗汁と皮脂とで生成される乳化物を包接化してなる機能性化粧パウダー。
  2. 明礬とシクロデキストリンを主剤とした微粉末を基剤となるベース微粉末に分散配合してなした微粉末を皮膚面に塗布することにより、皮膚変性角質層を形成させ、該皮膚変性角質層に汗汁を浸潤させることにより、変性角質層と明礬とシクロデキストリンによって構築された乳化物バリア複合体で、持続性汗汁と皮脂とで生成される乳化物を包接化してなる機能性化粧パウダー。
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