JP2016023164A - トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のトリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の合成方法では、設備コストや製造コストが高くなるという課題があった。
【解決手段】N,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとを、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得、続いて該化合物からN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る製造方法によって、上記課題を解決した。
【選択図】図1
【解決手段】N,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとを、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得、続いて該化合物からN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る製造方法によって、上記課題を解決した。
【選択図】図1
Description
本発明は、トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の製造方法に関する。
アダマンタン誘導体は、その構造によって様々な特性を有することから、医薬品原料、光ディスク基板、光ファイバー、フォトレジスト用樹脂原料等として各種業界で幅広く利用されている。
中でも、トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物は、ゼオライトのテンプレート剤(構造規定剤)として使用され、工業的に重要な化合物である。
下記特許文献1には、トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の合成方法が開示され、該方法は、例えば図2に示すスキームによって表すことができる。
まず、出発物質としてアマンタジン塩酸塩(1−アミノアダマンタン塩酸塩)を準備し、水酸化アルカリ金属等の塩基と反応させることにより脱塩酸反応を行い、1−アミノアダマンタンを得る(脱塩酸)。次に、1−アミノアダマンタンと、ギ酸と、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドとを、アルコール溶媒中で反応させてN,N−ジメチルアダマンチルアミンを得る(ジメチル化)。続いて、N,N−ジメチルアダマンチルアミンを、ハロゲン化メチルと反応させ、1−アダマンタントリメチルアンモニウムハロゲン塩を得る(4級化)。最後に、1−アダマンタントリメチルアンモニウムハロゲン塩をOH型のイオン交換体を用いてアニオン交換を行い、トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る(イオン交換)。
まず、出発物質としてアマンタジン塩酸塩(1−アミノアダマンタン塩酸塩)を準備し、水酸化アルカリ金属等の塩基と反応させることにより脱塩酸反応を行い、1−アミノアダマンタンを得る(脱塩酸)。次に、1−アミノアダマンタンと、ギ酸と、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドとを、アルコール溶媒中で反応させてN,N−ジメチルアダマンチルアミンを得る(ジメチル化)。続いて、N,N−ジメチルアダマンチルアミンを、ハロゲン化メチルと反応させ、1−アダマンタントリメチルアンモニウムハロゲン塩を得る(4級化)。最後に、1−アダマンタントリメチルアンモニウムハロゲン塩をOH型のイオン交換体を用いてアニオン交換を行い、トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る(イオン交換)。
また、下記特許文献2には特許文献1とは異なる4級化の方法が開示されている。該方法は、例えば図3に示すスキームによって表すことができる。
まず、特許文献1に記載の方法と同様に、出発物質としてアマンタジン塩酸塩を準備し、脱塩酸、ジメチル化の工程を順次行う。続いて、反応溶媒として水や水と混和可能なアルコール類等を使用し、硫酸ジメチルとN,N−ジメチルアダマンチルアミンとを反応させ、1−アダマンチルトリメチルアンモニウムスルフェートを得る(4級化)。最後に、OH型のイオン交換体を用いてアニオン交換を行い、トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る(イオン交換)。
まず、特許文献1に記載の方法と同様に、出発物質としてアマンタジン塩酸塩を準備し、脱塩酸、ジメチル化の工程を順次行う。続いて、反応溶媒として水や水と混和可能なアルコール類等を使用し、硫酸ジメチルとN,N−ジメチルアダマンチルアミンとを反応させ、1−アダマンチルトリメチルアンモニウムスルフェートを得る(4級化)。最後に、OH型のイオン交換体を用いてアニオン交換を行い、トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る(イオン交換)。
しかし、特許文献1に記載のトリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の合成方法では、4級化に高価なハロゲン化メチルを用いる必要があり、製造コストが高くなるという問題点があった。
また、特許文献2に記載のトリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の合成方法では、4級化の反応溶媒に水や水と混和可能な低級アルコールなどのプロトン性極性溶媒を使用するため、4級化を効率的に進めるには120〜200℃の高温下、かつ5〜300バールの加圧下で行う必要があり、設備コストや製造コストが高くなるという問題点があった。
したがって本発明の目的は、低コストかつ高収率でトリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物が製造できる方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、4級化剤(メチル化剤)として硫酸ジメチルを、および反応溶媒として非プロトン性極性溶媒を使用することにより、上記のような従来の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った 。
本発明のN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化の製造方法は、
(B)N,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとを、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得る工程、及び
(C)前記N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートからN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る工程を含む。
(B)N,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとを、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得る工程、及び
(C)前記N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートからN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る工程を含む。
反応溶媒として非プロトン性極性溶媒を用い、前駆体であるN,N−ジメチルアダマンチルアミン(DMAA)とメチル化剤である硫酸ジメチルとを求核置換反応させることを特徴としている。
非プロトン性極性溶媒は分極しているため、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを溶解させることが可能である。また、プロトン性極性溶媒に比べ、非プロトン性極性溶媒は、求核剤(DMAA)への溶媒和が少ないことから、求電子剤(硫酸ジメチル)との反応性を大幅に増大させることができる。そのため、高い反応性が発現でき、4級化反応を定量的に進行させることが可能となる。
また特許文献1に記載の技術おけるハロゲン化メチルのような高価な4級化試薬を使用する必要がなく、特許文献2に記載の技術における高温および高圧下での反応条件を必要としないので、設備コストや製造コストを顕著に抑制することが可能となる。
非プロトン性極性溶媒は分極しているため、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを溶解させることが可能である。また、プロトン性極性溶媒に比べ、非プロトン性極性溶媒は、求核剤(DMAA)への溶媒和が少ないことから、求電子剤(硫酸ジメチル)との反応性を大幅に増大させることができる。そのため、高い反応性が発現でき、4級化反応を定量的に進行させることが可能となる。
また特許文献1に記載の技術おけるハロゲン化メチルのような高価な4級化試薬を使用する必要がなく、特許文献2に記載の技術における高温および高圧下での反応条件を必要としないので、設備コストや製造コストを顕著に抑制することが可能となる。
本発明の製造方法では、前記工程(B)の前に、(A)1−アミノアダマンタン塩酸塩からN,N−ジメチルアダマンチルアミンを得る工程をさらに含むことが望ましい。
1−アミノアダマンタン塩酸塩は、構造的に安定しており、貯蔵安定性が高いため、N,N−ジメチルアダマンチルアミンよりも入手しやすく、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を容易に製造することができる。
本発明の製造方法では、上記工程(C)において、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートをOH型のイオン交換体を用いてアニオン交換を行うことによりN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得ることが望ましい。OH型のイオン交換体を用いることで、容易にイオン交換ができる。
本発明の製造方法では、上記非プロトン性極性溶媒がN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドから選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドは、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートの溶解度が高く、また沸点も高いため、効率よく反応を進めることが可能となり、少ない溶媒で同量のN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得ることができる。
本発明の製造方法では、上記工程(B)において、N,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとの反応を常圧下で行うことが望ましい。常圧下で行うことで、設備コストや製造コストを顕著に抑制することが可能となる。
本発明の製造方法では、N,N−ジメチルアダマンチルアミンに対する硫酸ジメチルの割合がモル比で0.90〜1.30であることが望ましい。かかる割合により、収率よくN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得ることができる。
本発明の製造方法では、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物溶液中に含まれる、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェート量が0.5質量%以下、アルカリ金属が0.1質量%以下であることが望ましい。
N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートが0.5質量%以上である、もしくは、アルカリ金属が0.1質量%以上であると、ゼオライトのテンプレート剤(構造規定剤)として使用したときに、得られるゼオライトの結晶性が低くなることがある。
本発明の製造方法では、上記工程(A)において、1−アミノアダマンタンと、ギ酸と、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドとを、アルコール溶媒中で反応させてN,N−ジメチルアダマンチルアミンを得ることが望ましい。定量的にN,N−ジメチルアダマンチルアミンを得ることができる。
本発明の製造方法では、上記工程(B)の反応終了後、反応液の冷却により生成物であるN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルメチルスルフェートの溶解度を低下させることにより、または溶媒を除去することにより、再結晶による精製を行うことが望ましい。純度の高い、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得ることができる。
本発明の製造方法では、上記工程(B)で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートが全質量に対し、少なくとも95%含まれることが望ましい。
本発明の製造方法では、上記工程(C)において、得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物溶液から溶媒を除去して15質量%以上に濃縮する工程をさらに含むことが望ましい。濃縮することで、ゼオライトのテンプレート剤(構造規定剤)として使用しやすくなる。
本発明では、4級化反応を定量的に進行させることが可能となる。
また本発明では、特許文献1に記載の技術おけるハロゲン化メチルのような高価な4級化試薬を使用する必要がなく、また、特許文献2に記載の技術における高温および高圧下での反応条件を必要としないので、設備コストや製造コストを顕著に抑制することが可能となる。
さらに、非プロトン性極性溶媒に対するN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートの溶解度は、該溶媒の温度に大きく依存するため、反応後の冷却により再結晶精製を兼ねることが可能となる。
また本発明では、特許文献1に記載の技術おけるハロゲン化メチルのような高価な4級化試薬を使用する必要がなく、また、特許文献2に記載の技術における高温および高圧下での反応条件を必要としないので、設備コストや製造コストを顕著に抑制することが可能となる。
さらに、非プロトン性極性溶媒に対するN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートの溶解度は、該溶媒の温度に大きく依存するため、反応後の冷却により再結晶精製を兼ねることが可能となる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の製造方法は、図1に示すような、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の合成方法において、前駆体であるN,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとを求核置換反応させ4級化する際に、反応溶媒として非プロトン性極性溶媒を用いることを特徴としている。
本発明の製造方法は、図1に示すような、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の合成方法において、前駆体であるN,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとを求核置換反応させ4級化する際に、反応溶媒として非プロトン性極性溶媒を用いることを特徴としている。
以下、本発明の製造方法を実施する上で好適な各工程について説明する。
本発明の製造方法において出発物質として入手の容易な1−アミノアダマンタン塩酸塩を使用するのが好ましい。この場合、本発明の製造方法は、図1に示すように、1−アミノアダマンタン塩酸塩の脱塩酸、ジメチル化、4級化、イオン交換の各工程を経て実施することができる。なお本発明では上述のように4級化工程に特徴を有するものであり、脱塩酸、ジメチル化、イオン交換の各工程は適宜選択して実施してよい。
本発明の製造方法において出発物質として入手の容易な1−アミノアダマンタン塩酸塩を使用するのが好ましい。この場合、本発明の製造方法は、図1に示すように、1−アミノアダマンタン塩酸塩の脱塩酸、ジメチル化、4級化、イオン交換の各工程を経て実施することができる。なお本発明では上述のように4級化工程に特徴を有するものであり、脱塩酸、ジメチル化、イオン交換の各工程は適宜選択して実施してよい。
(脱塩酸工程)
脱塩酸工程は、出発物質としての1−アミノアダマンタン塩酸塩を比誘電率が10.0〜20.0であるアルコールに溶解し、塩基と反応させ、1−アミノアダマンタンを得る工程である。該アルコールとしては、例えば、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、sec−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール等が挙げられる。また、該塩基としては、水酸化アルカリ金属等が好ましく、例えば、水酸化ナトリウムが好ましい。水酸化ナトリウムは、通常水溶液として反応系内に加えられ、水酸化ナトリウム水溶液の濃度は通常25〜50質量%程度である。反応は、例えば50℃程度の加温下、数時間行われる。
1−アミノアダマンタン塩酸塩と塩基を反応させた後は、反応物の分離や精製等の必要はなく、そのまま反応系において、続くジメチル化工程を行うことができる。
脱塩酸工程は、出発物質としての1−アミノアダマンタン塩酸塩を比誘電率が10.0〜20.0であるアルコールに溶解し、塩基と反応させ、1−アミノアダマンタンを得る工程である。該アルコールとしては、例えば、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、sec−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール等が挙げられる。また、該塩基としては、水酸化アルカリ金属等が好ましく、例えば、水酸化ナトリウムが好ましい。水酸化ナトリウムは、通常水溶液として反応系内に加えられ、水酸化ナトリウム水溶液の濃度は通常25〜50質量%程度である。反応は、例えば50℃程度の加温下、数時間行われる。
1−アミノアダマンタン塩酸塩と塩基を反応させた後は、反応物の分離や精製等の必要はなく、そのまま反応系において、続くジメチル化工程を行うことができる。
なお、1−アミノアダマンタンが直接入手可能であれば、上記脱塩酸工程を行う必要はなく、1−アミノアダマンタンを上記アルコールに溶解させ、続くジメチル化工程を行うことができる。
(ジメチル化工程)
次に、脱塩酸工程で得られた1−アミノアダマンタンと、ギ酸と、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドとを、アルコール溶媒中で反応させてN,N−ジメチルアダマンチルアミンを得る。このジメチル化工程は、上述した脱塩酸工程と合わせて本発明における工程(A)に相当する。
ジメチル化工程は、1級アミンにメチル基を導入する還元的アミノ化反応であるエシュバイラー・クラーク反応(Eschweiler−Clarke methylation)を行うものであり、エシュバイラー・クラーク反応は、1級アミンに過剰のギ酸、および過剰のホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを加えて加温し、2級アミンへと還元する反応である。これにより、1級アミンに対してメチル基を導入し、同様の反応機構で2級アミンに対してメチル基を導入して、3級アミンを効率的にかつ高純度および高収率で得ることができる。使用するギ酸は、通常75〜97質量%程度のギ酸水溶液として反応系内に加えることが好ましい。ギ酸の使用量は、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドに対して、通常0.3〜0.7モル倍が好ましく、0.4〜0.5モル倍がより好ましい。ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドは、通常30〜50質量%程度の水溶液として反応系内に加えることが好ましい。ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドの使用量は、1−アミノアダマンタンに対して、通常2〜20モル倍が好ましく、3〜8モル倍がより好ましい。ギ酸と、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドとを加えた後の反応系内の温度は、50〜90℃程度であることが好ましい。
ジメチル化工程の最後に、得られたN,N−ジメチルアダマンチルアミンを酢酸エチル、トルエン等によって抽出し、精製を行ってもよい。
次に、脱塩酸工程で得られた1−アミノアダマンタンと、ギ酸と、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドとを、アルコール溶媒中で反応させてN,N−ジメチルアダマンチルアミンを得る。このジメチル化工程は、上述した脱塩酸工程と合わせて本発明における工程(A)に相当する。
ジメチル化工程は、1級アミンにメチル基を導入する還元的アミノ化反応であるエシュバイラー・クラーク反応(Eschweiler−Clarke methylation)を行うものであり、エシュバイラー・クラーク反応は、1級アミンに過剰のギ酸、および過剰のホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを加えて加温し、2級アミンへと還元する反応である。これにより、1級アミンに対してメチル基を導入し、同様の反応機構で2級アミンに対してメチル基を導入して、3級アミンを効率的にかつ高純度および高収率で得ることができる。使用するギ酸は、通常75〜97質量%程度のギ酸水溶液として反応系内に加えることが好ましい。ギ酸の使用量は、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドに対して、通常0.3〜0.7モル倍が好ましく、0.4〜0.5モル倍がより好ましい。ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドは、通常30〜50質量%程度の水溶液として反応系内に加えることが好ましい。ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドの使用量は、1−アミノアダマンタンに対して、通常2〜20モル倍が好ましく、3〜8モル倍がより好ましい。ギ酸と、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドとを加えた後の反応系内の温度は、50〜90℃程度であることが好ましい。
ジメチル化工程の最後に、得られたN,N−ジメチルアダマンチルアミンを酢酸エチル、トルエン等によって抽出し、精製を行ってもよい。
(4級化工程)
本発明における4級化工程は、上記ジメチル化工程で得られたN,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとを、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得る工程であり、この4級化工程は、本発明における工程(B)に相当する。
本発明における4級化工程は、上記ジメチル化工程で得られたN,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとを、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得る工程であり、この4級化工程は、本発明における工程(B)に相当する。
非プロトン性極性溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素などの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド(スルホラン)などのスルホキシド・スルホン系溶媒、ベンゾニトリル、アクリロニトリルなどのニトリル系溶媒、ジフェニルエーテルなどのジアリールエーテル系溶媒、ベンゾフェノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、およびこれらの混合物等が挙げられる。中でも本発明の効果が向上するという観点から、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびこれらの混合物が好ましい。
N,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとの反応は、常圧下で行うことができる。上述のように、非プロトン性極性溶媒は、N,N−ジメチルアダマンチルアミンの求核性を大幅に増大させる働きがあるため、高い反応性が発現でき、特許文献2に記載の技術のような、高温かつ高圧下で4級化反応を行う必要がない。したがって、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の製造にあたり設備コストや製造コストを大幅に抑制することができる。
なお、必要に応じて4級化工程は、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲で、加圧下で行うこともできる。例えば、反応圧力は、例えば101.3kPa〜405.2kPa、好ましくは101.3kPa〜202.6kPaであることができる。
また、4級化工程における反応温度は、例えば50℃〜150℃、好ましくは80℃〜120℃である。
また、4級化工程における反応温度は、例えば50℃〜150℃、好ましくは80℃〜120℃である。
また、N,N−ジメチルアダマンチルアミンに対する硫酸ジメチルの割合は、モル比で例えば0.90〜1.30であり、好ましくは0.90〜1.10である。かかる割合により、収率よくN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得ることができる。
また、非プロトン性極性溶媒の使用割合は、N,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとの合計容量に対し、例えば1.0〜12.0倍であり、好ましくは2.0〜8.0倍である。かかる割合により、収率よくN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得ることができる。
また、非プロトン性極性溶媒の使用割合は、N,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとの合計容量に対し、例えば1.0〜12.0倍であり、好ましくは2.0〜8.0倍である。かかる割合により、収率よくN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得ることができる。
上記のような4級化工程により、生成物であるN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートが得られる。4級化工程の終了後は、反応液の冷却により該生成物の溶解度を低下させることにより、または溶媒を除去することにより、再結晶による精製を行ってもよい。これにより純度の高い、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得ることができる。
反応液の冷却時の温度は、例えば−20℃〜10℃、好ましくは−10℃〜0℃である。溶媒の除去は、例えば単蒸留およびエバポレーター等の公知の濃縮装置を用い、溶媒の沸点を考慮して適宜行うことができる。
4級化工程の最後に、得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートをアセトン等によって洗浄し、さらに精製を行ってもよい。
反応液の冷却時の温度は、例えば−20℃〜10℃、好ましくは−10℃〜0℃である。溶媒の除去は、例えば単蒸留およびエバポレーター等の公知の濃縮装置を用い、溶媒の沸点を考慮して適宜行うことができる。
4級化工程の最後に、得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートをアセトン等によって洗浄し、さらに精製を行ってもよい。
上記のような4級化工程によれば、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートは、全質量(第4級アンモニウム塩の質量の合計)に対し、例えば少なくとも95%含まれ、好ましくは99.5%含まれる。
(イオン交換工程)
イオン交換工程は、上記の4級化工程で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートからN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る工程であり、本発明の工程(C)に相当する。
具体的には、イオン交換工程は、上記の4級化工程で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートに対し、強塩基性のアニオン交換体、例えばOH型のイオン交換体を用いてアニオン交換を行うことによりN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る工程である。すなわち、4級化工程で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを含む溶液中にOH型のイオン交換体、例えばOH型のイオン交換樹脂を添加した後、該樹脂をろ過等で除去する方法や、OH型のイオン交換樹脂を充填したカラム中に4級化工程で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを含む溶液を仕込み、展開溶媒として水やアルコールを使用して、カラム出口より流出させる方法等が挙げられる。OH型のイオン交換体を用いることで、容易にイオン交換ができる。
OH型のイオン交換樹脂としては、強塩基性のものであれば使用可能で、例えばアンバーライトIRA400J(オルガノ社製)、ダイヤイオンSA10A(三菱化学社製)、SANUPB(三菱樹脂社製)、DOWEX MONOSPHERE 550A(DOW Chemical社製)、MuromacA2004(ムロマチテクノス社製)等が代表的なものとして挙げられる。
イオン交換工程は、上記の4級化工程で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートからN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る工程であり、本発明の工程(C)に相当する。
具体的には、イオン交換工程は、上記の4級化工程で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートに対し、強塩基性のアニオン交換体、例えばOH型のイオン交換体を用いてアニオン交換を行うことによりN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る工程である。すなわち、4級化工程で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを含む溶液中にOH型のイオン交換体、例えばOH型のイオン交換樹脂を添加した後、該樹脂をろ過等で除去する方法や、OH型のイオン交換樹脂を充填したカラム中に4級化工程で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを含む溶液を仕込み、展開溶媒として水やアルコールを使用して、カラム出口より流出させる方法等が挙げられる。OH型のイオン交換体を用いることで、容易にイオン交換ができる。
OH型のイオン交換樹脂としては、強塩基性のものであれば使用可能で、例えばアンバーライトIRA400J(オルガノ社製)、ダイヤイオンSA10A(三菱化学社製)、SANUPB(三菱樹脂社製)、DOWEX MONOSPHERE 550A(DOW Chemical社製)、MuromacA2004(ムロマチテクノス社製)等が代表的なものとして挙げられる。
上記のイオン交換工程後のN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物溶液中に含まれる、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェート量は、0.5質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、アルカリ金属が0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下であるのがよい。
なお、上記のイオン交換工程後において、得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物溶液から溶媒である水を除去し、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の濃度を15質量%以上に濃縮する工程をさらに設けることもできる。このような濃縮工程を経ることにより、ゼオライトのテンプレート剤(構造規定剤)として使用することができる。また、運搬/貯蔵時の体積を低減できる点で有利となる。
水を除去する手段としては、単蒸留、エバポレーター、フラッシュ蒸留、および薄膜式蒸発器等の方法が挙げられる。
水を除去する手段としては、単蒸留、エバポレーター、フラッシュ蒸留、および薄膜式蒸発器等の方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
<実施例1>
(脱塩酸工程)
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた500ml三口フラスコに、2−プロパノールを30g入れ、撹拌下で1−アミノアダマンタン塩酸塩(分子量:187.1)30.0g(0.16mol)を添加した。反応系を50℃に昇温した後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液14.0g(0.17mol)をゆっくり滴下して、1時間攪拌することで脱塩酸反応を行った。
(脱塩酸工程)
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた500ml三口フラスコに、2−プロパノールを30g入れ、撹拌下で1−アミノアダマンタン塩酸塩(分子量:187.1)30.0g(0.16mol)を添加した。反応系を50℃に昇温した後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液14.0g(0.17mol)をゆっくり滴下して、1時間攪拌することで脱塩酸反応を行った。
(ジメチル化工程)
次いで、撹拌下で76質量%ギ酸水溶液(分子量:46.0)29.1g(0.48mol)を15分かけて添加し、さらに37質量%ホルムアルデヒド水溶液(分子量:30.0)65.1g(0.81mol)を15分かけて添加した。滴下終了後、2−プロパノールの還流温度まで昇温し、5時間反応を行った。冷却した後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、過剰分のギ酸およびホルムアルデヒドを失活させ、反応液水層のpHが10以上になるように調整した。
次いで、トルエン200mlを加え、有機相を抽出した。その後、トルエンを40℃で加熱除去することにより、N,N−ジメチルアダマンチルアミン(淡黄色液体)27.8gを得た(収率96.8%)。ガスクロマトグラフィー(装置:島津社製GC−2010 カラム:DB−1 (0.25mm×30m、0.25um)、キャリアガス:He、気化温度:270℃、検出器:FID(300℃))によるピーク面積から純度を求めたところ、99.8%以上であった。
次いで、撹拌下で76質量%ギ酸水溶液(分子量:46.0)29.1g(0.48mol)を15分かけて添加し、さらに37質量%ホルムアルデヒド水溶液(分子量:30.0)65.1g(0.81mol)を15分かけて添加した。滴下終了後、2−プロパノールの還流温度まで昇温し、5時間反応を行った。冷却した後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、過剰分のギ酸およびホルムアルデヒドを失活させ、反応液水層のpHが10以上になるように調整した。
次いで、トルエン200mlを加え、有機相を抽出した。その後、トルエンを40℃で加熱除去することにより、N,N−ジメチルアダマンチルアミン(淡黄色液体)27.8gを得た(収率96.8%)。ガスクロマトグラフィー(装置:島津社製GC−2010 カラム:DB−1 (0.25mm×30m、0.25um)、キャリアガス:He、気化温度:270℃、検出器:FID(300℃))によるピーク面積から純度を求めたところ、99.8%以上であった。
(4級化工程)
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた500ml三口フラスコに、N,N−ジメチルアダマンチルアミン(分子量179.3)を27.8g(0.16mol)およびN,N−ジメチルアセトアミド158gを入れ、50℃へ昇温した。次いで、撹拌下で硫酸ジメチル(分子量:126.1)を19.8g(0.16mol)をゆっくり滴下した。その後、反応系を100℃に昇温して、常圧下にて6時間反応を行い、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得た。
反応終了後、反応溶液を−20℃まで冷却すること、および溶媒を除去することで、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを再結晶化させた。これをろ過により回収することでN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェート固体44.5gを得た(収率94%)。液体クロマトグラフィー(装置:Waters Alliance社製2795 カラム:Xbridge C18 膜厚:3.5μm サイズ:4.6×150mm 温度:40℃ 溶出液:0.1%ギ酸/CH3CN=9/1 検出器:MS)によるピークの面積から純度を求めたところ、純度は99.5%以上であった。
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた500ml三口フラスコに、N,N−ジメチルアダマンチルアミン(分子量179.3)を27.8g(0.16mol)およびN,N−ジメチルアセトアミド158gを入れ、50℃へ昇温した。次いで、撹拌下で硫酸ジメチル(分子量:126.1)を19.8g(0.16mol)をゆっくり滴下した。その後、反応系を100℃に昇温して、常圧下にて6時間反応を行い、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得た。
反応終了後、反応溶液を−20℃まで冷却すること、および溶媒を除去することで、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを再結晶化させた。これをろ過により回収することでN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェート固体44.5gを得た(収率94%)。液体クロマトグラフィー(装置:Waters Alliance社製2795 カラム:Xbridge C18 膜厚:3.5μm サイズ:4.6×150mm 温度:40℃ 溶出液:0.1%ギ酸/CH3CN=9/1 検出器:MS)によるピークの面積から純度を求めたところ、純度は99.5%以上であった。
(イオン交換工程)
カラムに強塩基性イオン交換樹脂(SANUPB(三菱樹脂製))400mlを充填し、SV(Space Velocity)4でイオン交換水を通水して十分に洗浄した。次に上記4級化工程で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェート(分子量:305.4)44.5g(0.15mol)を400mlのイオン交換水に溶解させた後、カラム内に流し込んだ。次いで展開溶媒としてイオン交換水を投入し、イオン交換樹脂の6体積分の流出液を回収し、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の水溶液を得た(収率98%)。さらに回収した水溶液中のN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の濃度が25質量%となるように40℃で加熱濃縮した。
カラムに強塩基性イオン交換樹脂(SANUPB(三菱樹脂製))400mlを充填し、SV(Space Velocity)4でイオン交換水を通水して十分に洗浄した。次に上記4級化工程で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェート(分子量:305.4)44.5g(0.15mol)を400mlのイオン交換水に溶解させた後、カラム内に流し込んだ。次いで展開溶媒としてイオン交換水を投入し、イオン交換樹脂の6体積分の流出液を回収し、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の水溶液を得た(収率98%)。さらに回収した水溶液中のN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の濃度が25質量%となるように40℃で加熱濃縮した。
液体クロマトグラフィー(装置:Waters Alliance社製2795 カラム:Xbridge C18 膜厚:3.5μm サイズ:4.6×150mm 温度:40℃ 溶出液:0.1%ギ酸/CH3CN=9/1 検出器:MS)によるピークの面積から純度を求めたところ、99.5%以上であった。
ICP(装置:アジレントテクノロジー社製710ICP−OES 試料(TMAA−OH)3.0mLに対して、H2Oを2.7mLと69%HNOを30.3mL加える 測定温度:20℃)によりアルカリ金属含有量を測定したところ、0.5%未満であった。
核磁気共鳴スペクトル(装置:JOEL 300MHz 溶媒:d6−DMSO 積算回数:16回)でスペクトルデータを測定したところ、1H−NMR(300MHz):1.6ppm(b’,6H)、2.0ppm(d’,6H)、2.2ppm(c’,3H)、2.9ppm(a’,9H)であり、下記式(1)で示す構造であることが確認された。
中和剤に0.1規定のHCl水溶液、指示薬にフェノールフタレイン液を用いた滴定により、メチルスルフェートイオンはヒドロキシイオンへ99.5%以上イオン交換されていることが確認された。
ICP(装置:アジレントテクノロジー社製710ICP−OES 試料(TMAA−OH)3.0mLに対して、H2Oを2.7mLと69%HNOを30.3mL加える 測定温度:20℃)によりアルカリ金属含有量を測定したところ、0.5%未満であった。
核磁気共鳴スペクトル(装置:JOEL 300MHz 溶媒:d6−DMSO 積算回数:16回)でスペクトルデータを測定したところ、1H−NMR(300MHz):1.6ppm(b’,6H)、2.0ppm(d’,6H)、2.2ppm(c’,3H)、2.9ppm(a’,9H)であり、下記式(1)で示す構造であることが確認された。
中和剤に0.1規定のHCl水溶液、指示薬にフェノールフタレイン液を用いた滴定により、メチルスルフェートイオンはヒドロキシイオンへ99.5%以上イオン交換されていることが確認された。
<実施例2>
実施例1と同様に脱塩酸工程及びジメチル化工程を経て、N,N−ジメチルアダマンチルアミンを得た。
実施例1と同様に脱塩酸工程及びジメチル化工程を経て、N,N−ジメチルアダマンチルアミンを得た。
(4級化工程)
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた500ml三口フラスコに、N,N−ジメチルアダマンチルアミン(分子量:179.3)を27.8g(0.16mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド137gを加えた後、50℃へ昇温した。次いで、撹拌下で硫酸ジメチル(分子量126.1)19.8g(0.16mol)をゆっくり滴下した。その後、反応系を100℃に昇温して、常圧下にて6時間反応を行い、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得た。
反応終了後、溶媒を除去することで、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを固化させた。これをろ過により回収することでN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートの固体44.0gを得た(収率93%)。実施例1同様に液体クロマトグラフィーにより純度を測定したところ、99.5%以上であった。
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた500ml三口フラスコに、N,N−ジメチルアダマンチルアミン(分子量:179.3)を27.8g(0.16mol)およびN,N−ジメチルホルムアミド137gを加えた後、50℃へ昇温した。次いで、撹拌下で硫酸ジメチル(分子量126.1)19.8g(0.16mol)をゆっくり滴下した。その後、反応系を100℃に昇温して、常圧下にて6時間反応を行い、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得た。
反応終了後、溶媒を除去することで、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを固化させた。これをろ過により回収することでN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートの固体44.0gを得た(収率93%)。実施例1同様に液体クロマトグラフィーにより純度を測定したところ、99.5%以上であった。
(イオン交換工程)
実施例1と同様にイオン交換工程を経て、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の水溶液を得た(収率87%)。回収した水溶液中のN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の濃度が25質量%となるように40℃で加熱濃縮した。
実施例1同様に、液体クロマトグラフィーにより純度を測定したところ99.5%以上であり、ICPによりアルカリ金属含有量を測定したところ、0.5%未満であり、核磁気共鳴スペクトルによりスペクトルデータを測定したところ、1H−NMR(300MHz):1.6ppm(b’,6H)、2.0ppm(d’,6H)、2.2ppm(c’,3H)、2.9ppm(a’,9H)であり、上記式(1)で示す構造であることが確認できた。中和剤に0.1規定のHCl水溶液、指示薬にフェノールフタレイン液を用いた滴定により、メチルスルフェートイオンはヒドロキシイオンへ99.5%以上イオン交換されていることが確認された。
実施例1と同様にイオン交換工程を経て、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の水溶液を得た(収率87%)。回収した水溶液中のN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の濃度が25質量%となるように40℃で加熱濃縮した。
実施例1同様に、液体クロマトグラフィーにより純度を測定したところ99.5%以上であり、ICPによりアルカリ金属含有量を測定したところ、0.5%未満であり、核磁気共鳴スペクトルによりスペクトルデータを測定したところ、1H−NMR(300MHz):1.6ppm(b’,6H)、2.0ppm(d’,6H)、2.2ppm(c’,3H)、2.9ppm(a’,9H)であり、上記式(1)で示す構造であることが確認できた。中和剤に0.1規定のHCl水溶液、指示薬にフェノールフタレイン液を用いた滴定により、メチルスルフェートイオンはヒドロキシイオンへ99.5%以上イオン交換されていることが確認された。
(実施例3〜8)
4級化工程における、溶媒、硫酸ジメチルの添加量、合成温度、合成時間、合成圧力を表1の通りに変えた以外は実施例1と同様にしてN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物(TMAA−OH)を合成した。その結果、収率、純度、アルカリ金属含有量、構造、ヒドロキシイオン交換率は表1に示した通りであった。
4級化工程における、溶媒、硫酸ジメチルの添加量、合成温度、合成時間、合成圧力を表1の通りに変えた以外は実施例1と同様にしてN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物(TMAA−OH)を合成した。その結果、収率、純度、アルカリ金属含有量、構造、ヒドロキシイオン交換率は表1に示した通りであった。
Claims (10)
- (B)N,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとを、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートを得る工程、及び
(C)前記N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートからN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る工程を含む、
トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物の製造方法。 - 前記工程(B)の前に、(A)1−アミノアダマンタン塩酸塩から前記N,N−ジメチルアダマンチルアミンを得る工程をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
- 前記工程(C)において、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートをOH型のイオン交換体を用いてアニオン交換を行うことによりN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物を得る、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記非プロトン性極性溶媒がN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程(B)において、N,N−ジメチルアダマンチルアミンと硫酸ジメチルとの反応を常圧下で行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- N,N−ジメチルアダマンチルアミンに対する硫酸ジメチルの割合がモル比で0.9〜1.3である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物溶液中に含まれる、N,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェート量が0.5質量%以下、アルカリ金属が0.1重量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 工程(B)の反応終了後、反応液の冷却により生成物であるN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルメチルスルフェートの溶解度を低下させることにより、または溶媒を除去することにより、再結晶により精製を行う請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 工程(B)で得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウムメチルスルフェートが全質量に対し、少なくとも95%含まれる請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
- 工程(C)において、得られたN,N,N−トリメチルアダマンチルアンモニウム水酸化物溶液から溶媒を除去して15質量%以上に濃縮する工程をさらに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
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