JP2016022082A - メンタルゲーム装置、メンタルゲームシステム、メンタルゲームサーバー装置、メンタルゲーム装置プログラム、メンタルゲームサーバー装置プログラム、メンタルゲーム端末装置、メンタルゲーム端末装置プログラム、および、電子装置 - Google Patents

メンタルゲーム装置、メンタルゲームシステム、メンタルゲームサーバー装置、メンタルゲーム装置プログラム、メンタルゲームサーバー装置プログラム、メンタルゲーム端末装置、メンタルゲーム端末装置プログラム、および、電子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自己の精神面の健康の管理を楽しみながら手軽におこなう技術手段を提供する。【解決手段】遊技者の精神的緊張状態の変化をゲーム展開に応じて作り出すことができるメンタルゲーム装置は、血流に応じて変化する皮膚の輝度の時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、ディスプレイと、RR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づきメンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、メンタルゲーム装置、メンタルゲームシステム、メンタルゲームサーバー装置、メンタルゲーム装置プログラム、メンタルゲームサーバー装置プログラム、メンタルゲーム端末装置、メンタルゲーム端末装置プログラム、および、電子装置に関する。
スマートフォンを用いて、各種ゲームをおこなう技術が知られている。従来のスマートフォンを用いる各種ゲームに関する発明は、そのほとんどが各種ゲームの面白みを提供することのみをその目的としている。
インターネットの発達に伴い、ネットワーク上に存在するサーバーが提供するサービスを、それらのサーバー群を意識することなしに利用できるクラウド・コンピューティング技術が提供されている。
現代社会は、複雑化しており、人間が現代社会において受けるストレスは大きい。しかしながら、このストレスは自覚症状がない場合が多いので、客観的に評価する技術が必要とされている。
特許文献1には、被測定者の心電データを心電図モニタにより測定し、測定された心電データに基づいて、心拍変動の高周波成分HF、低周波成分LFおよびCVRR(心電図R−R間隔変動係数)を算出する。そして、算出されたこれらの値に基づいて、交感神経活動度指標(LF/HF)、副交感神経活動度指標(CVRR×HF/(LF+HF))を算出し、算出された交感神経活動度指標と副神経活動度指標との関係を表示装置に対して2次元表示してストレスに関係する自律神経機能を客観的に評価することが記載されている。
特許第4487015号公報
自分の精神状態を客観的に把握することは困難であるが、自分の精神状態を簡易に知ることができれば、精神面の自己管理に有用である。しかしながら、特許文献1に記載の発明によれば、心電図モニタを用いるなど装置は大掛かりになってしまい簡単にストレスの客観的な評価をおこなうことはできなかった。ストレスは日常的なものであるので、日常の生活の中で簡易に客観的なストレスの評価をおこなうことができる技術手段が求められるとともに、面倒に思うことなく積極的にストレスの把握のための行動の動機づけをするような技術手段が要望されていた。
本発明は、係る問題点に鑑みなされたものであり、遊技者(被験者)がゲームを楽しむ感覚で積極的に自己意思により、客観的にストレスの把握をすることができる技術手段を提供するものである。また、種々の装置(例えば、スポーツジムで用いるトレーニングマシーン)に付加することによって、それらの種々の装置を使用する中で、または、持ち運び可能な単独な装置によって簡易にストレスの把握をすることができる電子装置を提供するものである。
本発明のメンタルゲーム装置は、遊技者の精神的緊張状態の変化をゲーム展開に応じて作り出すことができるメンタルゲーム装置であって、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、画像表示をする画像表示部と、前記時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づき前記メンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備える。
本発明のメンタルゲーム装置プログラムは、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、画像表示をする画像表示部とを有し、遊技者の精神的緊張状態の変化をゲーム展開に応じて作り出すことができるメンタルゲーム装置のコンピュータに実行させるメンタルゲーム装置プログラムであって、前記時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づき前記メンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備えるように前記コンピュータを機能させる。
本発明のメンタルゲームシステムは、遊技者の精神的緊張状態の変化をゲーム展開に応じて作り出すことができるメンタルゲーム端末装置とメンタルゲームサーバー装置とを備えるメンタルゲームシステムであって、前記メンタルゲーム端末装置は、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、前記皮膚の輝度に応じた時系列輝度データをメンタルゲームサーバー装置に対して出力する時系列輝度データ出力処理部と、前記サーバーから出力される前記メンタルゲームの勝敗の結果を表示する画像表示部と、を具備し、前記メンタルゲームサーバー装置は、前記時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づき前記メンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を具備する。
本発明のメンタルゲームサーバー装置は、メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲーム端末装置と協調して動作するメンタルゲームサーバー装置であって、血流に応じて変化する皮膚の輝度を前記メンタルゲーム端末装置において撮影して得られる時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づき前記メンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備える。
本発明のメンタルゲームサーバー装置プログラムは、メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲーム端末装置と協調して動作するメンタルゲームサーバー装置のコンピュータに実行させるメンタルゲームサーバー装置プログラムであって、血流に応じて変化する皮膚の輝度を前記メンタルゲーム端末装置において撮影して得られる時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づき前記メンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備えるように前記コンピュータを機能させる。
本発明のメンタルゲーム端末装置は、メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲームサーバー装置と協調して動作するメンタルゲーム端末装置であって、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、前記皮膚の輝度に応じた時系列輝度データをメンタルゲームサーバー装置に対して出力する時系列輝度データ出力処理部と、前記サーバーから出力される前記メンタルゲームの勝敗の結果を表示する画像表示部と、を備え、前記時系列輝度データ取得部は、撮影された画像のR(赤色)、G(緑色)、B(青色)に分離される各成分の割合から肌色を含むことを判断するとともに前記肌色の部分の前記画像に占める割合を検出して予め定める所定割合以上であることを検出した後、または/および、前記時系列輝度データが略一定の周期を有する繰り返し波形であるとともにエンベロープが略一定であることを検出した後に、前記時系列輝度データの取得を開始する。
本発明のメンタルゲーム端末装置プログラムは、メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲームサーバー装置と協調して動作するメンタルゲーム端末装置のコンピュータに実行させるメンタルゲーム端末装置プログラムであって、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、前記皮膚の輝度に応じた時系列輝度データをメンタルゲームサーバー装置に対して出力する時系列輝度データ出力処理部と、前記サーバーから出力される前記メンタルゲームの勝敗の結果を表示する画像表示部と、を備えるように前記コンピュータを機能させ、前記時系列輝度データ取得部においては、撮影された画像のR(赤色)、G(緑色)、B(青色)に分離される各成分の割合から肌色を含むことを判断するとともに前記肌色の部分の前記画像に占める割合を検出して予め定める所定割合以上であることを検出した後、または/および、前記時系列輝度データが略一定の周期を有する繰り返し波形であるとともにエンベロープが略一定であることを検出した後に、前記時系列輝度データの取得を開始する、処理をおこなう。
本発明の電子装置は、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、前記時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、予め測定した適度の緊張状態のときの前記低周波成分を前記高周波成分で除した値である基準値を含む所定範囲内であるか否かを判定する判定部と、を備える。
本発明の技術によれば、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して得られる時系列輝度データに基づきストレス/リラックス度を演算することによって、勝敗を決するメンタルゲーム装置を提供し、協調して動作するメンタルゲーム端末装置とメンタルゲームサーバー装置を提供し、メンタルゲーム端末装置プログラムとメンタルゲームサーバー装置プログラムを提供できる。また、ストレス/リラックス度を演算する電子装置を提供できる。これによって、被験者はゲームを楽しみながら、このような装置を用いて自己の精神面の健康の管理をすることができる。また、ストレス/リラックス度を演算する電子装置によって自己の精神面の健康の管理をすることができる。
実施形態のメンタルゲームシステムを示す図である。 メンタルゲーム端末装置に表示される画面1、画面2を示す図である。 メンタルゲーム端末装置に表示される画面3、画面4を示す図である。 メンタルゲーム端末装置に表示される画面5、画面6を示す図である。 メンタルゲーム端末装置に表示される画面7、画面8を示す図である。 メンタルゲーム端末装置に表示される画面9、画面10を示す図である。 メンタルゲーム端末装置に表示される画面11、画面12を示す図である。 メンタルゲーム端末装置に表示される画面13、画面14を示す図である。 メンタルゲーム端末装置に表示される画面15、画面16を示す図である。 メンタルゲーム端末装置における処理およびメンタルゲームサーバー装置における処理を示す図である。 メンタルゲーム端末装置における処理およびメンタルゲームサーバー装置における図10に続く処理を示す図である。 メンタルゲーム端末装置における処理およびメンタルゲームサーバー装置における図11に続く処理を示す図である。 メンタルゲーム端末装置における処理およびメンタルゲームサーバー装置における図12に続く処理を示す図である。 前倒しロジック処理を模式的に示す図である。 サーバーにおける各ステップの処理終了後の時系列輝度データを示す図である。 ローパスフィルタの定数をどのように定めるかについての説明図である。 ローパスフィルタの定数をどのように定めるかについての別の説明図である。
実施形態のメンタルゲーム装置は、遊技者の精神的緊張状態の変化をゲーム展開に応じて作り出すことができるメンタルゲーム装置であって、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、画像表示をする画像表示部と、時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づきメンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備える。
ここで、ゲーム展開中の高い緊張状態とは、ゲーム展開中における各場面によって遊技者の緊張が変化する中で、一般的な遊技者であれば通常は極度に緊張する場面における遊技者の精神の緊張状態を言う。高い緊張状態のときには、一般的な遊技者の低周波成分(RR間隔時系列データをフーリエ変換した信号の低周波成分)を高周波成分(RR間隔時系列データをフーリエ変換した信号の高周波成分)で除した値は大きい。また、適度の緊張状態とは、遊技者ゲームから離れている場合の低い緊張状態でもなく、ゲーム展開中の高い緊張状態でもない遊技者の精神の緊張状態を言う。例えば、ゲーム開始直後でこれからゲーム展開が始まる前の緊張状態は適度の緊張状態の一例である。適度の緊張状態のときの一般的な遊技者の低周波成分を高周波成分で除した値は中ぐらいである。なお、一般的な遊技者がゲームから離れ、全く緊張感なく安楽にしている状態における低周波成分を高周波成分で除した値は小さい。上記の低周波成分(RR間隔時系列データをフーリエ変換した信号の低周波成分)を高周波成分(RR間隔時系列データをフーリエ変換した信号の高周波成分)で除した値が、大きい、中ぐらい、小さいは、相対的なものであるが、例えば、血圧が高い、中ぐらい、低いが肉体面における健康状態を表すと同様な意味で、精神面における緊張状態を表すものである。
低周波成分(RR間隔時系列データをフーリエ変換した信号の低周波成分)を高周波成分(RR間隔時系列データをフーリエ変換した信号の高周波成分)で除した値をストレス/リラックス度とも称する。ここで、低周波成分と高周波成分とを分離するフィルタの特性は、規格化した一定の特性であるとする。このようにして分離した低周波成分を高周波成分で除した値、すなわち、ストレス/リラックス度は、一般的な遊技者であれば、ゲーム展開中における各場面に応じて変化する。しかしながら、ゲームの同一の場面であっても、ストレス/リラックス度は個人毎にばらつき、また、同一人であってもその時の精神状態に応じて変化する。
健全な精神状態(健全状態)の同一人における適度の緊張状態のときのストレス/リラックス度の値(中ぐらいの値)を基準値とすると、高い緊張状態のときのストレス/リラックス度の値は基準値よりも大きく、安楽にしている状態のときのストレス/リラックス度の値は基準値よりも小さい。また、同一人であっても、高い緊張状態の場面(ゲーム中においては緊張する場面)において、自分で意識して緊張度を緩めるように深呼吸をした後のストレス/リラックス度の値は、大きいながらも基準値により近づく。一方、高い緊張状態の場面(ゲーム中においては緊張する場面)において、自分を見失いパニック(恐怖)状態に陥った場合にはストレス/リラックス度の値はさらに大きくなり、基準値から大きく離れる。通常から訓練をしているスポーツ競技者、座禅を積み重ねた禅僧等は、高い緊張状態の場面(ゲーム中においては緊張する場面)においても意識することなく自然に緊張度を緩めることができると言われている。
実施形態のメンタルゲーム装置は、RR間隔時系列データ(アール・アール間隔時系列データ)に含まれるノイズを除去するためのローパスフィルタリング処理部を備えてもよい。
実施形態のメンタルゲーム装置は、時系列輝度データに含まれるノイズを除去しピーク検出をするためのSavitzky-Golayフィルタ(サビツキ・ゴレイフィルタ)を備えてもよい。
実施形態のメンタルゲーム装置は、時系列輝度データの連続補間をするための関数化処理部を備えてもよい。
実施形態のメンタルゲーム装置は、時系列輝度データの値が連続して同値である場合には、予め定める所定複数回数以上の時系列輝度データを処理の対象から除く前倒しロジック処理部を備えてもよい。
実施形態のメンタルゲーム装置は、時系列輝度データの検出をおこなうに際してディスプレイに時系列輝度データの波形を表示してもよい。
実施形態のメンタルゲーム装置は、時系列輝度データの検出をおこなう前にディスプレイに、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影する指の画像を表示するとともに時系列輝度データの波形を表示してもよい。
実施形態のメンタルゲーム装置は、RR間隔時系列データ(アール・アール間隔時系列データ)の値に逆比例する瞬時心拍数を得て、現在の瞬時心拍数と直前の瞬時心拍数との差分が第1所定値よりも大きい場合には、現在のRR間隔時系列データを処理の対象から除去するRR間隔時系列データの異常値除去処理部を備えてもよい。
実施形態のメンタルゲーム装置は、RR間隔時系列データ(アール・アール間隔時系列データ)の値に逆比例する瞬時心拍数を得て、現在の瞬時心拍数と直前までの瞬時心拍数の移動平均値との差分が第2所定値よりも大きい場合には、現在のRR間隔時系列データを処理の対象から除去するRR間隔時系列データの異常値除去処理部を備えてもよい。
実施形態のメンタルゲーム装置プログラムは、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、画像表示をする画像表示部とを有し、遊技者の精神的緊張状態の変化をゲーム展開に応じて作り出すことができるメンタルゲーム装置のコンピュータに実行させるメンタルゲーム装置プログラムであって、時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づきメンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備えるようにコンピュータを機能させる。
実施形態のメンタルゲームシステムは遊技者の精神的緊張状態の変化をゲーム展開に応じて作り出すことができるメンタルゲーム端末装置とメンタルゲームサーバー装置とを備えるメンタルゲームシステムであって、メンタルゲーム端末装置は、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、皮膚の輝度に応じた時系列輝度データをメンタルゲームサーバー装置に対して出力する時系列輝度データ出力処理部と、サーバーから出力されるメンタルゲームの勝敗の結果を表示する画像表示部と、を具備し、メンタルゲームサーバー装置は、時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づきメンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を具備する。
実施形態のメンタルゲームサーバー装置は、メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲーム端末装置と協調して動作するメンタルゲームサーバー装置であって、血流に応じて変化する皮膚の輝度をメンタルゲーム端末装置において撮影して得られる時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づきメンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備える。
実施形態のメンタルゲームサーバー装置プログラムは、メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲーム端末装置と協調して動作するメンタルゲームサーバー装置のコンピュータに実行させるメンタルゲームサーバー装置プログラムであって、血流に応じて変化する皮膚の輝度をメンタルゲーム端末装置において撮影して得られる時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、ゲーム展開中の高い緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づきメンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備えるようにコンピュータを機能させる。
実施形態のメンタルゲーム端末装置は、メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲームサーバー装置と協調して動作するメンタルゲーム端末装置であって、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、皮膚の輝度に応じた時系列輝度データをメンタルゲームサーバー装置に対して出力する時系列輝度データ出力処理部と、サーバーから出力されるメンタルゲームの勝敗の結果を表示する画像表示部と、を備え、時系列輝度データ取得部は、撮影された画像のR(赤色)、G(緑色)、B(青色)に分離される各成分の割合から肌色を含むことを判断するとともに肌色の部分の画像に占める割合を検出して予め定める所定割合以上であることを検出した後、または/および、時系列輝度データが略一定の周期を有する繰り返し波形であるとともにエンベロープが略一定であることを検出した後に、時系列輝度データの取得を開始する。
実施形態のメンタルゲーム端末装置プログラムは、メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲームサーバー装置と協調して動作するメンタルゲーム端末装置のコンピュータに実行させるメンタルゲーム端末装置プログラムであって、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、皮膚の輝度に応じた時系列輝度データをメンタルゲームサーバー装置に対して出力する時系列輝度データ出力処理部と、サーバーから出力されるメンタルゲームの勝敗の結果を表示する画像表示部と、を備えるようにコンピュータを機能させ、時系列輝度データ取得部においては、撮影された画像のR(赤色)、G(緑色)、B(青色)に分離される各成分の割合から肌色を含むことを判断するとともに肌色の部分の画像に占める割合を検出して予め定める所定割合以上であることを検出した後、または/および、時系列輝度データが略一定の周期を有する繰り返し波形であるとともにエンベロープが略一定であることを検出した後に、時系列輝度データの取得を開始する、処理をおこなう。
実施形態の電子装置は、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、低周波成分を高周波成分で除した値が、予め測定した適度の緊張状態のときの低周波成分を高周波成分で除した値である基準値を含む所定範囲内であるか否かを判定する判定部と、を備える。
『第1実施形態』
(メンタルゲームシステムの概要)
図1は、実施形態のメンタルゲームシステム10を示す。
メンタルゲームシステム10は、メンタルゲーム端末装置として機能するスマートフォン11と、メンタルゲームサーバー装置として機能するサーバー12と、スマートフォン11とサーバー12とを接続するインターネット13とを備える。
スマートフォン11は、携帯電話として機能するのみならず、インターネットに接続し、種々のアプリケーションソフトの動作を可能とするオペレーションシステム(OS)、液晶画面(LCD)とタッチパネルとを主たるユーザインターフェイスデバイスとする多機能携帯電話である。スマートフォン11は、メンタルゲーム端末装置の一実施形態として機能する。スマートフォン11の多機能性は、オペレーションシステムによって保障される。現在普及している主なるオペレーションシステムは、アンドロイド(Android:登録商標)、アイオーエス(iOS:登録商標)である。
スマートフォン11は、電話機能以外に、液晶画面を含む画像表示部が発揮する画像表示機能、液晶表示画面とタッチパネルを組み合わせることによって発揮される画像表示の位置認識をするタッチパネル機能、音声送出機能、音声入力機能、カメラ機能、インターネット接続機能、GPS(Global Positioning System)機能を備えるのが一般的である。そして、一般的なパーソナルコンピュータと同様に、オペレーションシステムが動作するハードウエアであるマイクロプロセッサ(MPU)を中心としてラム、ロム、インターフェイスデバイス等の周辺機器がバスラインによって接続されている。オペレーションシステムはMPUにおいて実行され、周辺機器を制御して所望の上述した機能を発揮する。スマートフォン11は、メンタルゲーム端末装置の一実施形態であり、メンタルゲーム端末装置の他の実施形態として、上述した各種機能を有するタブレット(多機能携帯端末)、本実施形態の使用に特化したメンタルゲーム端末装置であってもよい。
図1に示すようにスマートフォン11は、インターネット接続機能によって無線でインターネット13と接続される。
スマートフォン14は、メンタルゲームを一人でおこなうのではなく二人でおこなう場合における、メンタルゲームの対戦相手のスマートフォンである。二人でメンタルゲームをおこなう場合には、スマートフォン14も同様にインターネット接続機能によって無線でインターネット13と接続され、スマートフォン11を操作する者(スマートフォン11の被験者)とスマートフォン14を操作する者(スマートフォン14の被験者)とは、お互いを対戦相手としてメンタルゲームを楽しむことができる。
サーバー12は、高速で大容量のデータを処理することが可能なコンピュータであり、高速、高機能なCPU(セントラルプロセッシングユニット:中央演算装置)、大容量ラム、大容量ロム、大容量書換可能不揮発メモリ、等を備え、複雑な処理を高速でおこなうことができる。よって、多数のクライアント(スマートフォン)がインターネット13を介してサーバー12にアクセスした場合であっても、高速にクライアントからの要求を受信し、瞬時に情報の処理をおこない、その処理結果を、高速なインターネット13を介してクライアントに返送する。
スマートフォン11からサーバー12に対して後述する時系列輝度データを送信し、サーバー12における演算処理の後、サーバー12からスマートフォン11に対して解析結果データを送信する。このように、実施形態においては、スマートフォン11とサーバー12とで処理の分担をおこなっている。その理由は、スマートフォン11にインストールできるアプリケーションの許容サイズ、処理速度に限界があるので全ての処理をスマートフォン11の内部で処理する場合には、解析結果データを得るために要する時間が長くなるという課題を有するからである。クライアント・サーバー・システムを採用することによってこのような課題は解決する。また、サーバーにおいてクライアントから得られる多量のデータを集積し、これをクライアントの共通の資産として利用できる。
このようにスマートフォン11とサーバー12とは、インターネット13を介して接続され、協調して動作する。すなわち、スマートフォン11を操作する者から見ると、インターネット13を介して接続されるサーバー12はクラウド・コンピュータとして機能してサーバー12は「雲」のようにその存在が明確には認識されず、あたかも、サーバー12における処理はスマートフォン11がおこなう処理であるかのように認識される。
(メンタルゲーム端末装置に表示される画面)
本実施形態のメンタルゲームは、サッカーのペナルティキック(PK)をテーマにしたメンタルペナルティキック合戦(メンタルPK合戦)として構成されている。図2〜図9は、メンタルペナルティキック合戦を視覚的に表現するためにメンタルゲーム端末装置として機能するスマートフォン11の液晶画面に表示される画像を示す。
図2は、メンタルゲーム端末装置に表示される画面1、画面2を示す。図3は、メンタルゲーム端末装置に表示される画面3、画面4を示す。図4は、メンタルゲーム端末装置に表示される画面5、画面6を示す。図5は、メンタルゲーム端末装置に表示される画面7、画面8を示す。図6は、メンタルゲーム端末装置に表示される画面9、画面10を示す。図7は、メンタルゲーム端末装置に表示される画面11、画面12を示す。図8は、メンタルゲーム端末装置に表示される画面13、画面14を示す。図9は、メンタルゲーム端末装置に表示される画面15、画面16を示す。
図2に示す画面1は、メンタルペナルティキック合戦(メンタルPK合戦)のアプリケーションの起動後、最初にスマートフォン11の液晶画面に表示される画面である。
図2に示す画面2は、スマートフォン11の液晶画面に表示されるメンタルペナルティキック合戦の利用規約を示す画面である。
画面2の下部の「同意」をタッチすると、タッチパネル機能によってメンタルゲームをおこなう者(同時にストレスチェックを受ける被験者である)が同意したことがMPUによって認識され、図3に示す画面3がスマートフォン11の液晶画面に表示される。一方、画面2の下部の「同意しない」をタッチすると、タッチパネル機能によって同意しないことがMPUによって認識され、メンタルペナルティキック合戦のゲームは終了する。
図3に示す画面3は、メンタルペナルティキック合戦の開始時にスマートフォン11の液晶画面に表示される画面である。
画面3は、メンタルゲームをおこなう者の情報をユーザ情報として登録するための画面である。
「ニックネーム」を登録して、メンタルゲームをおこなう者の識別情報とすることができる。ニックネームの登録に際しては、液晶画面の適当な場所にキーボードとして機能するタッチキーを表示してタッチキーによってMPUにニックネームを認識させる。
「性別」については、男性、女性のいずれかにタッチすることによって、メンタルゲームをおこなう者が男性であるか女性であるかをMPUに認識させる。
「生年月日」については、液晶画面の適当な場所にタッチキーを表示してタッチキーによってMPUに生年月日を認識させる。
メンタルゲームをおこなう者が「登録する」を最後にタッチして、MPUはスマートフォン11のラムの所定領域に「ニックネーム」、「性別」、「生年月日」を登録する。
図3に示す画面4は、試合日程を確認する画面である。
試合日程は、メンタルゲームをおこなう者が画面4から選択できる。例えば、グループA第1節「ブラジル vs. クロアチア」を選択した場合を画面4は示す。
メンタルゲームをおこなう者が「次へ」をタッチすると、図4に示す図面6が選択される。
メンタルゲームをおこなう者が「グループリーグ&決勝Tを確認する」をタッチすると、図4に示す図面5が選択される。
図4に示す画面5は、「グループリーグ&決勝Tを確認する」をタッチした場合に表示される画面である。
画面5の上段には「グループリーグ組み合わせ」が表示され、画面5の下段には「決勝トーナメント」が表示されるので、メンタルゲームをおこなう者は、「決勝トーナメント」の勝ち負けの状態、試合の組み合わせを知ることができる。
図4に示す画面6は、「ブラジル vs. クロアチア」をタッチした場合に表示される画面である。
メンタルゲームをおこなう者は、ブラジルまたはクロアチアのいずれかのユニフォームをタッチしてチームを選ぶ。例えば、「ブラジル」のユニフォームにタッチすれば、メンタルゲームをおこなう者のチームはブラジルとなり、その結果、対戦相手はクロアチアとなる。
メンタルゲームをおこなう者が「次へ」をタッチすると、図5に示す図面7が選択される。
図5に示す画面7、画面8は、メンタルゲームをおこなう者の平常心(画面11を開く前の、通常人の適度の緊張感を持ちながら落ち着いた精神状態)を測定するに際しての指示の画面である。
メンタルゲームをおこなう者は、手の指先をカメラに近接させて指先に流れる血流に応じて変化する皮膚の輝度を、スマートフォン11のカメラ機能を利用して撮影する。すなわち、カメラ機能は時系列輝度データ取得部の一部として機能する。具体的には、図7、図8の指示画面に従い以下のようにして撮影をする。
図5に示す画面7について説明をする。
スマートフォン11の液晶画面に画面7の上段に「試合前に、あなたの平常心をはかります。」と表示される。
スマートフォン11の液晶画面に画面7の中段左側の指先をカメラレンズ(カメラのレンズ)にかざすように指示する画面が表示されるので、画面の指示に従って、メンタルゲームをおこなう者は、スマートフォン11のカメラレンズに指先を近接させる。
スマートフォン11の液晶画面に画面7の中段右側にカメラレンズが撮像する画面が表示され、画面7の下段に波形図の画面が表示される。
画面7の中段右側の測定に適した画面は、指先が撮像される画面であり、画面7の下段の測定に適した画面は、指先に流れる血流に応じて変化する皮膚の輝度信号波形(脈波)を示す画図である。
メンタルゲームをおこなう者は、指先が撮像される画面によって指先が撮像されていることを確認し、かつ、輝度信号波形が特徴ある脈波であることを確認する。メンタルゲームをおこなう者は、確認後、例えば、キーボードのエンターキーにタッチして画面8を表示する処理に移す。
スマートフォン11のMPUは、指先が撮像されていることを確認、または/および、輝度信号波形が特徴ある脈波であることを認識すると、自動的に、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得の処理を開始するとともに、画面8を表示するようにしてもよい。
より具体的には、MPUは、撮影された画像のR(赤色)、G(緑色)、B(青色)に分離される各成分の割合から肌色を含むことを判断するとともに肌色の部分の画像に占める割合を検出して予め定める所定割合以上であることを検出した後、または/および、時系列輝度データが略一定の周期を有する繰り返し波形であるとともにエンベロープが略一定であることを検出した後に、時系列輝度データの取得を開始する。ここで、肌色の部分の画像に占める割合を確認する理由は、この割合が少ない場合には指先の極一部しか撮像されていないと判断して測定を開始しないためである。
図5に示す画面8について説明をする。
画面8は、輝度信号波形であり、脈波を測定している間、表示される。
画面8が表示されている間、スマートフォン11のMPUは、所定時間に渡る脈波の振幅を離散的にサンプリングしディジタル化して時系列輝度信号データとしてスマートフォン11のラムに記憶させる。
時系列輝度信号データをスマートフォン11のラムに記憶中に図面8に示すように「測定中」が表示されるので、メンタルゲームをおこなう者はその間、指先をカメラに近接させ続ける。短時間軸部分拡大図が測定中は表示され続けるので測定が安定に行われているか否かを、メンタルゲームをおこなう者は確認できる。
画面8が表示された後に、時系列輝度信号データはサーバー12にアップロードされ、サーバー12における自律神経解析エンジン処理が行われる。自律神経解析エンジン処理の内容は後述する。
図6に示す画面9について説明をする。
画面9は、サーバー12における自律神経解析エンジン処理の処理結果をスマートフォン11の液晶画面を示すものである。
自律神経解析エンジン処理の処理結果は、メンタルゲームをおこなう者の平常心が半ドーナツ部の左端の「のんびり」から、ドーナツ部の右端の「ピリピリ」までのどこの範囲であるかが、スマートフォン11の液晶画面に画面9に示すように表示される。
ここで、適度の緊張状態(平常心)は、上述したように、ゲーム開始直後の緊張状態であるとしている。適度の緊張状態におけるストレス/リラックス度をどの様にして求めるかの詳細については後述する。ストレス/リラックス度は、本来は一点(画面9の半ドーナツ表示では、半ドーナツ部の円弧の中心を通る直線)で表されるものである。しかしながら、適度の緊張状態におけるストレス/リラックス度は、測定毎にばらつき、ある程度の範囲があるので、画面9に黒部で示すように、「平常心」は、一定の範囲を有するようにしている。この黒部の範囲(所定範囲)は、実験によって定める、適度の緊張状態における低周波成分を高周波成分で除した値を含む所定範囲内である、例えば、ゲーム開始直後に測定したストレス/リラックス度を半ドーナツ部の円弧の中心を通る直線で表し、その直線からの角度が±15°となる2本の直線で挟まれる範囲としている。
図面9の「試合開始」をタッチすると図6に示す画面10を経て、図7に示す画面11が表示される。なお、画面10は「準備画面」であり、その画面の内容には制限はない。
図面9の「遊び方」をタッチすると図示しない画面が現れ遊び方を説明する。
図7に示す画面11について説明をする。
画面11の画面右上の「15秒」は、「キック」、すなわち、図面11の「キック」にタッチをしなければならない残り時間であり、1秒ごとに数字が減算され表示される。メンタルゲームをおこなう者は、残り時間が零になる前に「キック」にタッチしなければならない。残り時間が零になった後にタッチした場合にはゴールが決まらなかったと判定される。このような時間的な圧迫感により遊技者の緊張は高まる。
ここで、メンタルゲームをおこなう者のカメラレンズに近接させる手の指先が左手の指先である場合には、メンタルゲームをおこなう者の右手の指先で「キック」にタッチする。このようにすれば、「キック」する直前の所定時間長の左手の指先の時系列輝度信号データを収集しながら、「キック」にタッチすることができる。
画面11の画面中段の「キック」の横にキックをするプレイヤーであるキッカーの動画または静止画の画像が表示される。
「キック」をタッチする直前の所定時間の時系列輝度信号データを解析して得た、ストレス/リラックス度が画面11の下段の半ドーナツ部に、「矢印の直線」で表示される。
画面11に示す例においては、メンタルゲームをおこなう者のボールを蹴ったときのストレス/リラックス度は、適度の緊張状態(平常心)におけるストレス/リラックス度よりも高く、下段の半ドーナツ部の黒部(所定範囲)よりも高い。すなわち、「ピリピリ」に寄った側にメンタルゲームをおこなう者のストレス/リラックス度は位置している。
メンタルゲームをおこなう者のボールを蹴ったときのストレス/リラックス度が半ドーナツ部の黒部よりも高い場合、すなわち、「平常心」を逸脱している場合には、「キック」が終わった後で、「ちょっと緊張気味。深呼吸しよ〜。」とスマートフォン11の音声送出機能(例えばスピーカ)を用いてメッセージを送出するようにしてもよく、画面表示をしてもよい。
図7に示す画面12について説明をする。
サーバー12のCPUは、ボールを蹴った時の方が平常時よりもストレス/リラックス度が高いと判断するときは、ゴールを外すと判定する。そして、画面12の下段のゴールキーパーがボールをはじく画像をスマートフォン11に表示する。
サーバー12のCPUは、ボールを蹴った時の方が平常時よりもストレス/リラックス度が高くないと判断するときは、ゴールが決まると判定する。そして、画面12の上段のゴールが決まった画像をスマートフォン11に表示する。
図8に示す画面13について説明をする。
画面12が表示された後に、画面13の「攻守が切り替え画面」を表示する。
「攻守切り替え画面」は、攻守が切り替わることを表示する画面であればどのようなものでもよく、例えば、「攻撃はクロアチア」と表示するだけでもよい。
「攻守切り替え」後においては、遊技者はキッカーからゴールキーパーの立場に立つ。
図8に示す画面14について説明をする。
画面14は、画面11と同様な画面であるが、画面11の下段の半ドーナツ部と「矢印の直線」の図と同一の図がゴールキーパー側に表示される。また、図11の表示時と同様に、「ちょっと緊張気味。深呼吸しよ〜。」とスマートフォン11の音声送出機能(例えばスピーカ)を用いてメッセージを送出するようにしてもよく、画面表示をしてもよい。
キックをするタイミングは、予め定める一定の時間、または、スマートフォン11のMPUが乱数を発生することによって定める時間としてもよい。
図9に示す画面15について説明をする。
サーバー12のCPUは、クロアチアのキッカーが「キック」をする毎に乱数を発生し、クロアチアのキッカーのストレス/リラックス度を発生させる。そして、クロアチアのキッカーのストレス/リラックス度と予め決めておいたクロアチアのキッカーの平常心(平常時)におけるストレス/リラックス度とに基づき、ゴールが決まると判定するか、ゴールを外すと判定する。そして、図15の上段に示すゴールが決まったときの画面、または、図15の下段に示すゴールを外すときの画面のいずれかを生成する。なお、クロアチアのキッカーが、ゴールを決めるか、ゴールを外すかは、いずれにしてもCPUが乱数で決めるので、「キック」毎に、1または0からなる2値の乱数を発生させ、そのいずれが出現するかによって図15の上段に示すゴールが決まったときの画面、または、図15の下段に示すゴールを外すときの画面のいずれかを生成するようにしてもよい。
図9に示す画面16について説明をする。
攻守を切り替え各チーム5人、すなわち、遊技者は5回、「キック」をして、両チームで10人のキッカーのキックが終了したら、試合勝敗表示画面を表示する。
試合勝敗表示画面は、対戦する2チームのゴールが決まった数とゴールが失敗した数とを対比して比較するものであれば、どのようなものであってもよい。
なお、10人のキッカーが全てキックする前に勝敗が決着した場合、例えば、ブラジルの3人のキッカーが連続してゴールを決め、クロアチアの3人のキッカーが連続してゴールを決められなかった場合には試合の勝敗は確定するが、両チームの各5人がキックをするようにしている。
(メンタルゲーム端末装置とサーバーとにおける処理の概要)
図10〜図13を参照して、メンタルゲームシステムのメンタルゲーム端末装置とサーバーとにおける処理の概要を説明する。
図10〜図13は連続した一連の処理を示す図であり、時間は、各処理をつなぐ矢印の方向に図10.図11、図12、図13と順に経過する。図10〜図13の各図の上段は、メンタルゲーム端末装置(スマートフォン端末)における処理を示し、図10〜図13の各図の下段は、サーバーにおける処理を示す。図10〜図13の各図の上段の処理について図2〜図9の対応する画面がある場合には対応する画面番号を付す。
(メンタルゲーム端末装置における処理)
ステップST11〜ステップST17の処理はメンタルゲーム端末装置における処理である。
ステップST11(メンタルゲームの開始)では、メンタルゲームをおこなう遊技者が図3の画面3の「登録」をタッチする。すなわち、スマートフォン11のMPUは、画面3を表示させ、「登録」がタッチされたことを認識してメンタルゲームの実質的な開始の処理をする。
ステップST12(属性情報の入力)では、メンタルゲームをおこなう者が、必要に応じて図3の画面5を参照して、図3の画面4の試合日程にタッチして、メンタルゲームをおこなう者がどの試合に出場するかを入力する。例えば、ブラジル対クロアチア戦を選択する。すなわち、スマートフォン11のMPUは、必要に応じて図3の画面5を表示させ、図3の画面4の試合日程がタッチされたことによりメンタルゲームの対象となる試合がブラジル対クロアチア戦であることを認識する。
ステップST13(対戦相手の選択)では、メンタルゲームをおこなう者が図4の画面6のいずれかのユニフォームにタッチすることによって、自己のチームを選び、対戦相手も選択される。例えば、自己のチームのユニフォームとしてブラジルのユニフォームを選べば、対戦相手はクロアチアが選択される。すなわち、スマートフォン11のMPUは、図4の画面6を表示させ、ユニフォームのタッチによって選択された対戦相手を認識する。
ステップST14(脈波測定モードの開始処理)では、メンタルゲームをおこなう者が図5の画面7の指示に従い、指先をカメラレンズに近接させ、キーボードのエンターキーにタッチすることにより脈波測定モードが開始する。または、スマートフォン11のMPUは、図5の画面7を表示させるとともに、時系列輝度信号データを適正に検出していると判断する場合には自動的に脈波測定モードを開始するようにしてもよい。
自動的に脈波測定モードを開始する場合には、MPUは、(1)肌色が画像全体に占める割合を検出し、予め定める所定割合以上であることを確認することによって指先が撮像されていると判断する。ここで、MPUは、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)に分離される輝度信号の各成分の割合から、肌色であることを判断する。また、MPUは、(2)輝度信号波形が、略一定の周期を有する繰り返し波形であり、そのエンベロープが略一定であることから脈波であると判断する。以上の(1)または(2)のいずれかを判断して自動的に脈波測定モードを開始するようにしてもよく、以上の(1)および(2)の両方を判断して自動的に脈波測定モードを開始するようにしてもよい。
ステップST15(測定の開始通知処理)では、脈波測定モードが開始したことを通知する。すなわち、スマートフォン11のMPUは、図5の画面8を表示させるとともに、時系列輝度信号データを順次、スマートフォン11のラムに取り込む処理を開始する。
ステップST16(カメラに近接した手の指の画像の撮影処理)では、脈波測定モードが進行する。すなわち、スマートフォン11のMPUは、図5の画面8を表示させるとともに、時系列輝度信号データを順次、スマートフォン11のラムに取り込み続ける。
ステップST17(測定の終了通知処理・演算中の表示処理・サーバーへのデータアップロード処理)では、脈波測定モードが終了し、時系列輝度信号データをサーバー12にアップロードする。すなわち、スマートフォン11のMPUは、例えば、スピーカからの音声信号によって、測定の終了を通知し、演算中であることを通知するともに、スマートフォン11のラムに取り込んだ時系列輝度データをサーバー12にアップロードする。
(サーバーにおける処理)
図10のステップST18〜ステップST21、および、図11のステップST22〜ステップST25は、サーバー12における自律神経解析エンジン処理である。
ステップST18〜ステップST25は、サーバー12のCPU(中央演算装置)が、実行する処理のフローチャートである。なお、ステップST18〜ステップST25の各処理の詳細については後述する。
サーバー12のCPUは、前倒しロジック処理をおこなう(ステップST18)。
前倒しロジック処理とは、時系列輝度データ信号のピークをより検出しやすいようにする処理であり、時系列輝度データの値が連続して同値である場合には、予め定める所定複数回数以上の同値の連続する時系列輝度データを処理の対象から除く処理である。
CPUは、時系列輝度データの関数化処理をおこなう(ステップST19)。
時系列輝度データは、離散時間サンプリングデータであり、そのサンプリング時刻はスマートフォン11内の時刻に同期している。関数化処理は、サーバー12内の時刻に同期するために、スマートフォン11で検出する時系列輝度データが存在しない時間における時系列輝度データを関数化して連続的に補間し、リサンプリングを可能とする。リサンプリング可能とすることによってステップST24におけるフーリエ変換処理を精度よく実行できるようにする。
CPUは、Savitzky-Golay(サビツキ・ゴレイ)フィルタによるノイズ除去およびピーク検出処理をおこなう(ステップST20)。
Savitzky-Golayフィルタ自体は公知のフィルタリング技術である。スマートフォン11のカメラで検出する時系列輝度データ信号の波形は専用の脈波検出器で検出する脈波波形に比べて精度が悪く、簡単なフィルタリングでは専用の脈波検出器で検出するような脈波のピークを再生することは困難である。ここで、脈波のピークを再生する際に、単純な微分を用いる場合には、高域のノイズが増加してしまいその目的を達することができない。よって、ノイズを増加させることなくピークが明確に表れるようなフィルタとしてSavitzky-Golayフィルタを用いている。
CPUは、RR間隔時系列データの検出処理をおこなう(ステップST21)。
RR間隔時系列データ(アールアール間隔時系列データ)の検出処理は、時系列輝度データ信号をRR間隔時系列データに変換する処理である。RR間隔時系列データの検出処理は、ステップST20のSavitzky-Golayフィルタによって明瞭に再生された時系列輝度データ信号に含まれる脈波のピークを微分演算により検出する処理と、この微分演算により検出された隣接する2つのピーク間の時間を検出する処理とを含んでいる。
CPUは、ローパスフィルタリング処理をおこなう(ステップST22)。
ローパスフィルタリング処理は、時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出した後において、時系列輝度データが正確に脈波を検出したならば本来得られるであろうRR間隔時系列データに変換する処理である。
CPUは、RR間隔時系列データの異常値除去処理をおこなう(ステップST23)。
RR間隔時系列データの異常値除去処理は、RR間隔時系列データに含まれる異常値を除去する処理である。ここで異常値とは通常は検出されないであろうRR間隔時系列データの値である。異常値の検出には、60をRR間隔時系列データの値で除して得る、RR間隔時系列データの値に逆比例する瞬時心拍数(H.R)を用いる。異常値が検出された場合には、RR間隔時系列データに混入したノイズ(すなわち、時系列輝度データ信号に混入したノイズ)がなせるものとして、ステップST24のフーリエ変換以降の処理において、異常値を示したRR間隔時系列データを用いない。異常値除去処理における異常値をどのようなものであるとみなすかについては、以下の第1のルールないし第3のルールいずれか1つが成立する場合に異常値であるとしてもよく、第1のルールないし第3のルールの任意の2つ以上の組み合わせが成立する場合に異常値であるとしてもよい。第1のルールないし第3のルールについては、より詳しく後述する。
<第1のルール>
nを正整数、t(n)はn回目に検出するRR間隔時系列データとして、|60/t(n)-60/t(n-1)|≦第1所定値ではないときは、異常値であるする。すなわち、現在の瞬時心拍数と直前の瞬時心拍数との差分が第1所定値よりも大きい場合には、そのときのRR間隔時系列データを除去する。
<第2のルール>
(meanH.R(N))は移動平均値であり、Nは正整数(例えば、5、8)として、|60/t-meanH.R(N)|≧第2所定値の範囲であるときは、異常値であるとする。すなわち、現在の瞬時心拍数と直前までの瞬時心拍数の移動平均値との差分が第2所定値よりも大きい場合には、そのときのRR間隔時系列データを除去する。
<第3のルール>
第2のルールを適用した結果、所定回数(例えば、8回)連続して異常値である場合に、meanH.R(8)をリセットして、再び、meanH.R(8)を算出し直す。すなわち、第3のルールは、第2のルールを適用するに際して、現在の瞬時心拍数と移動平均値との差分が第2所定値よりも大きい場合が所定回数連続したときには、その移動平均値をリセットして、新たに、移動平均値を求めるものである。
CPUは、フーリエ変換処理 をおこなう(ステップST24)。
周知のハミング窓を用い、周知のFFT(高速フーリエ変換)によって、ステップST23で得られた異常値除去処理後のRR間隔時系列データをフーリエ変換処理する。ステップST19において時系列輝度データの関数化処理がなされているので、高速フーリエ変換に際しては、スマートフォン11におけるデータサンプリングタイミングとは異なるタイミングにおいてリサンプリングすることができる。また、異常値除去処理後のRR間隔時系列データをフーリエ変換するので、時系列輝度データ信号にノイズが混入しない場合に本来得られるであろうフーリエ変換後のパワースペクトルを得ることができる。
CPUは、高周波成分HF・低周波成分LFの検出処理をおこなう(ステップST25)。
フーリエ変換した後、高周波成分HF、低周波成分LFを検出する。高周波成分HFは、フーリエ変換され得られた所定周波数範囲の高域のパワースペクトルの積分値である。低周波成分LFは、フーリエ変換され得られた所定周波数範囲の低域のパワースペクトルの積分値である。
ステップST25で得られた高周波成分HF、低周波成分LF値は、測定時点における被験者のストレス/リラックス度に関係するものである。この被験者のストレス/リラックス度は、画面9においては表示される情報は角度情報だけであるが半ドーナツ部として2次元表示される。よって、ステップST25においては、スマートフォン11の被験者の高周波成分HF値、低周波成分LF値に基づいて、被験者の状態を表示するための解析結果データを生成する。
解析結果データの作成に際しては、スペクトルを正規分布に近づけるために、公知の論文等でも用いている高周波成分HFを対数表示するLnHF、低周波成分LFを対数表示するLnLFを用いる。以下、LnHFを自律神経活動指標LnHFと称し、LnLFを自律神経活動指標LnLFと称する。
表示は、画面9において半ドーナツ部で示すような極座標を用いる。半ドーナツ部の中心点(外側の円弧および内側の円弧の中心点)から放射状に伸びる直線(中心点から放射状に伸びる直線)と半ドーナツ部左端の「のんびり」と半ドーナツ部左端の「ピリピリ」とを結ぶ直線(中心点を通過する直線)とのなす角度がストレス/リラックス度を表す。
すなわち、(自律神経活動指標LnLF)/(自律神経活動指標LnHF)=∞(無限大)のときに、中心点から放射状に伸びる直線と中心点を通過する直線とのなす角度は0°となり、ストレス/リラックス度は、「のんびり」である。一方、(自律神経活動指標LnLF)/(自律神経活動指標LnHF)=0(零)のときに、中心点から放射状に伸びる直線と中心点を通過する直線とのなす角度は180°となり、ストレス/リラックス度は、「ピリピリ」である。ストレス/リラックス度は、(自律神経活動指標LnLF)/(自律神経活動指標LnHF)=∞である角度0°から(自律神経活動指標LnLF)/(自律神経活動指標LnHF)=0である角度180°の間の角度であらわされる。例えば、「平常心」は、すでに述べたように、メンタルPK合戦において、キックをする前の精神状態において測定される被験者の精神状態であり、通常は、「平常心」のストレス/リラックス度は、角度90°より若干大きい角度である(画面9を参照)。
半ドーナツ部の円弧の中心点から放射状に伸びる直線と半ドーナツ部左端の「のんびり」と半ドーナツ部左端の「ピリピリ」とを結ぶ中心点を通過する直線とのなす角度θは、以下の式(1)で求められる。
式(1)
θ=180°- 2×tan-1{(自律神経活動指標LnLF)/(自律神経活動指標LnHF)}
(メンタルゲーム端末装置における処理)
ステップST26〜ステップST29の処理はメンタルゲーム端末装置における処理である。
ステップST26(平常時の解析結果の表示処理)では、図6の画面9に示すようにメンタルゲームをおこなう者の平常心の範囲を示す。すなわち、スマートフォン11のMPUは、サーバー12のCPUが、ステップST25において演算した被験者の状態を2次元表示するための解析結果データに基づく画面9を表示させる。ここで、平常心の範囲は、(自律神経活動指標LnLF)/(自律神経活動指標LnHF)に応じた角度に予め定める所定角度の幅を有するものとして表示する。例えば、(自律神経活動指標LnLF)/(自律神経活動指標LnHF)に応じた角度±15°の範囲を平常心の範囲として表示する。
ステップST27(試合(PK)ゲームの開始処理)では、画面7に示す画面を表示する。すなわち、スマートフォン11のMPUは、図5の画面7を表示させるとともに、時系列輝度信号データを適正に検出していると判断する場合には脈波の測定を開始する。
ステップST28(測定の開始通知処理)では、脈波測定モードが開始したことを通知する。すなわち、スマートフォン11のMPUは、図5の画面8を表示させるとともに、時系列輝度信号データを順次、スマートフォン11のラムに取り込む処理を開始する。
ステップST29(カメラに近接した手の指の画像の撮影処理)では、脈波測定モードが進行する。すなわち、スマートフォン11のMPUは、図5の画面8を表示させるとともに、時系列輝度信号データを順次、スマートフォン11のラムに取り込み続ける。
そして、スマートフォン11のMPUは、時系列輝度信号データをサーバー12にアップロードする。
(サーバーにおける処理)
ステップST30では、サーバー12のCPU(中央演算装置)が、ステップST18〜ステップST25と同様の各処理を実行する。
すなわち、ステップST30では、サーバー12のCPUが以下の処理を順次おこなう。
サーバー12のCPUは、前倒しロジック処理をおこなう(ステップST18と同様の内容)。
CPUは、時系列輝度データの関数化処理をおこなう(ステップST19と同様の内容)。
CPUは、Savitzky-Golay(サビツキ・ゴレイ)フィルタによるノイズ除去およびピーク検出処理をおこなう(ステップST20と同様の内容)。
CPUは、RR間隔時系列データの検出処理をおこなう(ステップST21と同様の内容)。
CPUは、ローパスフィルタリング処理をおこなう(ステップST22と同様の内容)。
CPUは、RR間隔時系列データの異常値除去処理をおこなう(ステップST23と同様の内容)。
CPUは、フーリエ変換処理 をおこなう(ステップST24と同様の内容)。
CPUは、高周波成分HF・低周波成分LFの検出処理をおこなう(ステップST25と同様の内容)。
(メンタルゲーム端末装置における処理)
ステップST31(ボールを蹴る処理)では、スマートフォン11のMPUは、図7の画面11を表示させる。
ステップST32(平常時とボールを蹴った時のストレス/リラックス度を比較)では、サーバー12のCPUは、平常時のストレス/リラックス度とボールを蹴った時(「キック」をタッチした時)のストレス/リラックス度とを比較する。すなわち、平常時の(自律神経活動指標LnLF)/(自律神経活動指標LnHF)と、ボールを蹴った時の(自律神経活動指標LnLF)/(自律神経活動指標LnHF)とのいずれが大きいかを比較する。(自律神経活動指標LnLF)/(自律神経活動指標LnHF)の値が大きいほどストレス/リラックス度が高いこととなる。
(サーバーにおける処理)
ステップST33〜ステップST35では、サーバー12のCPUが、PK処理の判定ロジックの処理を以下のようにおこなう。
ステップST33(ボールを蹴った時の方が平常時よりストレス度合が高いか)では、サーバー12のCPUは、ボールを蹴った時のストレス/リラックス度=ボールを蹴った時の(自律神経活動指標LnLF/自律神経活動指標LnHF)>平常時のストレス/リラックス度=平常時の(自律神経活動指標LnLF/自律神経活動指標LnHF)であると判断する場合には、処理をステップST34(ゴールを外すと判定)に移し、ボールを蹴った時のストレス/リラックス度=ボールを蹴った時の(自律神経活動指標LnLF/自律神経活動指標LnHF)>平常時のストレス/リラックス度=平常時の(自律神経活動指標LnLF/自律神経活動指標LnHF)でないと判断する場合には、処理をステップST35(ゴールが決まると判定)に移す。
(メンタルゲーム端末装置における処理)
ステップST36(ゴールの結果の画面表示)では、スマートフォン11のMPUは、図7の画面12の表示をさせる。すなわち、MPUはゴールを外すと判定する場合には図7の下段の画像を画面12として表示させ、MPUはゴールが決まると判定する場合には図7の上段の画像を画面12として表示させる。
ステップST37(攻守の交代処理)では、スマートフォン11のMPUは、図8の画面13の表示をさせる。
ステップST38(ボールを蹴る処理)では、スマートフォン11のMPUはスマートフォン11に図8の画面14を表示させる。
(サーバーにおける処理)
ステップST39では、サーバー12のCPUが、ST33〜ステップST35と同様のPK処理の判定ロジックの処理をおこなう。
サーバー12のCPUは、クロアチアのキッカーが「キック」をする図14が表示される毎に、乱数を発生し、適宜の時間が経過したときにクロアチアのキッカーが「キック」をしたとして図面14の右上に表示される残り時間の減算を止め、クロアチアのキッカーのストレス/リラックス度を発生させる。そして、クロアチアのキッカーのストレス/リラックス度と予め決めておいたクロアチアのキッカーの平常心(平常時)におけるストレス/リラックス度とに基づき、ゴールが決まると判定するか、ゴールを外すと判定する。そして、図15の上段に示すゴールが決まったときの画面、または、図15の下段に示すゴールを外すときの画面のいずれかを生成する。なお、クロアチアのキッカーが、ゴールを決めるか、ゴールを外すかは、いずれにしてもCPUが乱数で決めるので、「キック」毎に、1または0からなる2値の乱数を発生させ、そのいずれが出現するかによって図15の上段に示すゴールが決まったときの画面、または、図15の下段に示すゴールを外すときの画面のいずれかを生成するようにしてもよい。
(メンタルゲーム端末装置における処理)
ステップST40(ゴールの結果の画面表示)では、スマートフォン11のMPUは、図9の画面15の表示をさせる。すなわち、スマートフォン11のMPUはゴールを外すと判定する場合には図9の下段の画像を画面15として表示させ、スマートフォン11のMPUはゴールが決まると判定する場合には図9の上段の画像を画面15として表示させる。
ステップST41(勝敗の判定処理)では、ステップST28ないしステップST40までの処理を5回繰り返して、5回のPK結果の各々についてブラジルチーム対クロアチアチームの試合の勝敗を判定する。ステップST28ないしステップST40までの処理を1回おこなう毎に画面10〜画面12および画面14、画面15をスマートフォン11に表示する。
なお、ステップST28、ステップST29、ステップST31、ステップST32、ステップST36〜ステップST38、ステップST40の各処理は、メンタルゲーム端末装置における処理であり、ステップST30、ステップST33〜ステップST35、ステップST39の各処理は、サーバーにおける処理である。
ステップST42(勝敗の結果表示処理)では、スマートフォン11のMPUは、液晶画面に、5回のPK結果を集計して勝敗の結果を画面16として表示させる。画面16には表示の具体的な内容は示されていないが、1回毎のPK結果を表示するとともに集計した結果を表示するようにすればどのような表示方法であってもよい。
ステップST42の次に、スマートフォン11のMPUは、メンタルPK合戦を終了させる処理をおこなう。そして、メンタルPK合戦は終了する。
(サーバーにおける各処理の詳細について)
上述したステップST18ないしステップST25に記載の自律神経解析エンジン処理の詳細について順に説明をする。
(ステップST18の前倒しロジック処理)
図14は、前倒しロジック処理を模式的に示す図である。
前倒しロジック処理は、時系列輝度データの数値が3回以上同じ場合に、2回連続に縮めるロジックである。すなわち、予め定める所定複数回数(例えば3回)以上の同値の連続する時系列輝度データを処理の対象から除く。ここで、同値には幅を持たせて、微小な所定範囲内の値のばらつきは、同値であるとして前倒しロジック処理の対象に含めるようにしてもよい。この処理によって、ステップST21のRR間隔時系列データの検出処理において、ピークがより検出しやすいようにできる。図14(a)は、前倒しロジック処理前の時系列輝度データである。図14(a)では、同じデータが4回連続している。図14(b)は、前倒しロジック処理後の時系列輝度データである。図14(b)では、同じデータの4回連続は2回連続となるように処理されている。
(ステップST19の時系列輝度データの関数化処理)
時系列輝度データの関数化は、全ての時系列輝度データのサンプル点を通過するB-スプライン関数によっておこなう。B-スプライン関数を用いることによってスマートフォン11で検出する時系列輝度データが存在しない時間における時系列輝度データも滑らかに連続関数として補間できるので、サーバー12のCPUのクロック信号を基準としてステップST20以降の処理をおこなうことができる。また、FFT(高速フーリエ変換)をおこなうための一定サンプル周期(10msec(ミリ秒))毎の時系列輝度データを新たな時系列データとして得ることができる。B-スプライン関数自体は公知の関数である。なお、データ補間の手法としては、直線補間も知られているが、B-スプライン関数を用いることによってデータの補間精度は直線補間に比べてより向上する。
(ステップST20のSavitzky-Golayフィルタによるノイズ除去処理およびピーク検出処理)
Savitzky-Golayフィルタは、ディジタル平滑化多項式フィルタ、または、最小二乗平滑化フィルタとも称されている。時間領域で設計される平滑フィルタであり、かつ微分フィルタである。実施形態のSavitzky-Golayフィルタは、例えば、窓は0.9(秒)、3次多項式で近似して2階微分を実行する。
(ステップST21のRR間隔時系列データの検出処理)
時系列輝度データ信号のピーク検出をおこなった後、隣接するピーク間の時間であるRR間隔時系列データの検出をおこなう。ピーク検出のロジックは、公知技術である単純な符号逆転としている。隣接するピーク間の時間の検出は、クロック信号に同期して動作するカウンタによっておこなう。ここで、単純な符合逆転ロジックでピーク検出が可能となり、RR間隔時系列データの検出が可能となったのは、ステップST23におけるSavitzky-Golayフィルタの効果が寄与している。
(ステップST18からステップST21までの処理をおこなった時系列データの一覧)
図15は、サーバー12における各ステップの処理終了後の時系列輝度データを示す図である。
図15(a)は、ステップST20の時系列輝度データ入力処理終了後の時系列輝度データを示す図である。図15(b)は、ステップST19の時系列輝度データの関数化処理終了後の時系列輝度データを示す図である。図15(c)は、ステップST20のSavitzky-Golayフィルタによるノイズ除去処理およびピーク検出処理後の時系列輝度データを示す図である。
(ステップST22のローパスフィルタリング処理)
カメラに入射する周囲の光は迷光としてノイズ発生原となる。スマートフォン11のカメラは、通常の風景、人物を写すカメラの機能を発揮するように設計されている。よって、カメラがとらえるごくわずかな皮膚の輝度の変化に対してノイズとなる迷光のレベルは相対的に大きく、ステップST21において時系列輝度データから検出したRR間隔時系列データ(RRI)にはノイズが含まれるので、ステップST21において得られるRR間隔時系列データの中から適切にノイズを除かないとRR間隔時系列データを精度よく分離することができない。
そこで、ノイズを除去するのに最適なフィルタ特性を予め実験によって求め、このような特性を有するローパスフィルタをステップST22の処理において用いた。以下、どのようにして、最適なフィルタ特性を求めたかについて説明をする。
市販の専用の脈波検出器から得られるRR間隔(RRI)時系列データの波形を基準波形として、この基準波形にステップST19の処理後に得られるRR間隔時系列データの波形を近づけるローパスフィルタの特性を求めた。ステップST22のローパスフィルタリング処理によってスマートフォン11のカメラから得られた輝度信号から検出されるRR間隔時系列データからノイズが除去されて、本来検出されるべきであろうRR間隔時系列データにより近いRR間隔時系列データが得られた。
図16、図17は、ローパスフィルタの定数をどのように定めるかについての説明図である。
図16は、市販の専用の脈波検出器(MyBeat(登録商標))から得られるRR間隔時系列データとスマートフォン11から得られるステップST22のローパスフィルタリング処理をしないRR間隔時系列データとを対比する図である。
図16(a)は、市販の心拍センサから得られるRR間隔時系列データである。図16(b)は、スマートフォン11から得られるステップST22のローパスフィルタリング処理をしないRR間隔時系列データである。図16(a)と図16(b)とは、同一人から同時に得られたデータである。
図16(a)の市販の心拍センサのデータと図16(b)のスマートフォン11からのステップST22のローパスフィルタリング処理前のRR間隔時系列データとはかなり異なっている。そこで、平滑化スプラインを用いたローパスフィルタによってスマートフォン11からのRR間隔時系列データをフィルタリングすることを試みた。
図17は、平滑化パラメータ(spar)を変化させたときに、ローパスフィルタリング処理後のRR間隔時系列データがどのように変化するかを示す図である。
図17(a)の平滑化パラメータ(spar)は、0.7である。図17(b)の平滑化パラメータ(spar)は、0.6である。図17(c)の平滑化パラメータ(spar)は、0.5である。図17(d)の平滑化パラメータ(spar)は、0.4である。図17(e)の平滑化パラメータ(spar)は、0.3である。図17(f)の平滑化パラメータ(spar)は、0.2である。
図16(a)に示す市販の心拍センサから得られるRR間隔時系列データを基準として、図17(a)〜図17(f)に示すローパスフィルタリング処理後のRR間隔時系列データを対比する。平滑化パラメータ(spar)が0.2〜0.4の範囲で両者が近似する好適な結果が得られる。平滑化パラメータ(spar)が0.3の〜0.4の範囲で両者がより近似するより好適な結果が得られる。よって、本実施形態においては、市販の心拍センサから得られるRR間隔時系列データとスマートフォン11から得られるRR間隔時系列データを最も近くする平滑化パラメータ(spar)の値として0.3の〜0.4の範囲を用いている。
(ステップST23のRR間隔時系列データの異常値除去処理)
表1は、RR間隔時系列データの異常値除去処理を説明するための表である。表1を参照して以下に説明をする。
表1の第1列目は、RR間隔時系列データが検出された順番に対応する数字である。RR間隔時系列データが最初に検出された1回目から14回目までが表1には記載されている。
表1の第2列目は、RR間隔時系列データの値であり、1回目に検出されたRR間隔時系列データの値は時間t1、2回目に検出されたRR間隔時系列データの値は時間t2・・・13回目に検出されたRR間隔時系列データの値は時間t13、14回目に検出されたRR間隔時系列データの値は時間t14である。
表1の第3列目は、60をRR間隔時系列データの値で除して、RR間隔時系列データの値に逆比例する瞬時心拍数(H.R)を得た値である。
表1の第4列目は、瞬時心拍数(H.R)の1回毎の増減量の絶対値|60/tn -60/tn-1|を演算した結果である。ルール1に対応する演算である。
表1の第5列目は、当該瞬時心拍数(H.R)と、当該瞬時心拍数(H.R)の前の所定拍数(表1の例では8拍)の瞬時心拍数を移動平均によって平均化した値との差分の絶対値である。ルール2に対応する演算である。すなわち、9回目の瞬時心拍数(H.R)である60/t9と、9回目に対応する移動平均であるmeanH.R(8(t1,t2,t3,t4,t5,t6,t7,t8))(1回目から8回目までの移動平均)との差分の絶対値が9回目のHR差分である。同様に、10回目の瞬時心拍数(H.R)である60/t10と、10回目の測定に対応する移動平均であるmeanH.R(8(t2,t3,t4,t5,t6,t7,t8,t9))(2回目から9回目までの移動平均)との差分の絶対値が10回目のHR差分である。以下同様にして、11回目以降についても演算をする。
表1の12回目の第4列目が「error」と記載されているのは、12回目の瞬時心拍数(H.R)である60/t12 をエラー値であるとして、HR差分の演算に用いず、当該RR間隔時系列データであるt12を除去してデータ処理の対象としないことを意味している。
RR間隔時系列データの除去に際しては 、上述した第1のルール、第2のルール、第3のルールの3つのルールが適用される。第1のルールないし第3のルールのいずれか1つでもクリアしない場合には、当該RR間隔時系列データは除去されデータ処理の対象とはしないとしてもよく、第1のルールないし第3のルールの任意の2つ以上の組み合わせ(第1のルールないし第3のルールの全ての組み合わせも当然に含む)をクリアしない場合には、当該RR間隔時系列データは除去されデータ処理の対象とはしないとしてもよい。
本実施形態においては、第1のルール(ルール1)、第2のルール(ルール2)、第3のルール(ルール3)を以下のように組み合わせて用いている。
第1のルールは、以下のように用いている。1回目にはRR間隔時系列データの前のデータがないので第1のルールは適用しない。2回目以降は、当該瞬時心拍数と1回前の瞬時心拍数との差分である|60/t(n)-60/t(n-1)|の演算結果が第1所定値以下のときにのみ、RR間隔時系列データを採用する、それとともに、8拍の瞬時心拍数(H.R)であるmeanH.R(8)の算出に際して、|60/t(n)-60/t(n-1)|の演算結果が第1所定値以下のときにのみ当該瞬時心拍数(60/t(n))を用いる。
表1の1回目〜11回目はこのルール1に則り、|60/t(n)-60/t(n-1)|の演算結果が第1所定値以下のときの処理をおこなう。
|60/t(n)-60/t(n-1)|の演算結果が第1所定値よりも大きい場合には、突然に前と異なる瞬時心拍数(H.R)がノイズ等により発生したと判断して(すなわち、突然に前と異なるRR間隔時系列データがノイズ等により発生したと判断して)、当該RR間隔時系列データは除去されデータ処理の対象とはしない。それとともに、本実施形態においては8拍の瞬時心拍数(H.R)であるmeanH.R(8)の算出に際しても、第1のルールを適用してerror(エラー)となった瞬時心拍数(H.R)を移動平均の演算に用いない。ここで、meanH.R(8)の表記は8拍の瞬時心拍数(H.R)についての移動平均値を意味し、N拍の移動平均値であれば、meanH.R(N)と記載する。Nの値は適宜に決め得るものである。
表1の13回目のmeanH.R(8)の算出はこのルールに則っており、meanH.R(8)として|60/t13-meanH.R(8(t4,t5,t6,t7,t8,t9,t10,t11))|(4回目から11回目の移動平均)を用いている。本来あるべき13回目のmeanH.R(8)である|60/t13-meanH.R(8(t5,t6,t7,t8,t9,t10,t11,t12))|は、用いていない。また、14回目のmeanH.R(8)の算出もこのルールに則っており、meanH.R(8)として|60/t14-meanH.R(8 (t5,t6,t7,t8,t9,t10,t11,t13))|(5回目から13回目までで12回目を除く移動平均)を用いている。
また、表1には表れていないが、本実施形態では第2のルールも用いている。第2のルールは、|60/t-meanH.R(8)|の演算結果が第2所定値以上のときは、前の8拍の平均値と異なる異常な瞬時心拍数(H.R)が発生したと判断して、当該RR間隔時系列データは除去されデータ処理の対象とはしない。なお、第1所定値と第2所定値の大小関係によって、|60/t(n)-60/t(n-1)|≦第1所定値ではない(第1のルール)、または、|60/t-meanH.R(N)|≧第2所定値である(第2のルール)のいずれか一方に該当し、または、その双方に該当して、異常値であると判断される。
また、表1には表れていないが、本実施形態では第3のルールも用いている。第3のルールは、所定拍数(例えば、8拍)についての移動平均値(meanH.R(8))の演算結果が、所定回数(例えば、8回)連続して第2所定値の範囲にない場合は、meanH.R(8)をリセットして、再び、meanH.R(8)を算出し直す。この演算は、表1の1回目から8回目の処理に対応するが、表1とは異なり、この場合には1回目の値が検出されるので1回目についても第1のルールが適用され、1回早く表1の8回目において移動平均値が得られる。
(ステップST24のフーリエ変換処理)
フーリエ変換処理は、窓として、周知技術の方形窓(窓なし)、ハニング窓、ハミング窓の3種類の窓を試みた。その結果、ハミング窓が後述する高周波成分HFと低周波成分LFとの分離において最も良好な結果が得られので、ハミング窓を用いる。RR間隔時系列データは、関数化処理がなされているので、一定の周期でリサンプリングをおこなう高速フーリエ変換が可能となる。
(ステップST25の高周波成分HF・低周波成分LFの検出処理)
高周波成分HFは副交感神経の活動を表し、低周波成分LFは交感神経の活動を表す指標として定義されて既住の論文、文献において用いられている。高周波成分HFは、フーリエ変換した後、0.15〜0.4Hzの帯域を通過させるフィルタによって得られる0.15〜0.4Hzのパワースペクトルの積分値である。低周波成分LFは、0.04〜0.15Hzの帯域を通過させるフィルタによって得られるパワースペクトルの積分値である。
自律神経活動指標LnLFは、低周波成分LFの対数表示である。対数表示によって自律神経活動指標LnLFは、複数回測定すると正規分布に近づく。自律神経活動指標LnHFは、高周波成分HFの対数表示である。対数表示によって自律神経活動指標LnHFは、複数回測定すると正規分布に近づく。
自律神経活動指標LnLFの値が大きいほど、交感神経の活動は高く、自律神経活動指標LnLFの値が小さいほど、交感神経の活動は低い。また、自律神経活動指標LnHFの値が大きいほど、副交感神経の活動は高く、自律神経活動指標LnHFの値が小さいほど、副交感神経の活動は低い。自律神経活動指標LnLFの値は「ストレス度」に関係しており、自律神経活動指標LnLFの値が大きいほど「ストレス度」は大きくなる。自律神経活動指標LnHFの値は「リラックス度」に関係しており、自律神経活動指標LnHFの値が大きいほど「リラックス度」は高くなる。また、(自律神経活動指標LnLFの値/自律神経活動指標LnHFの値)、が大きいほど、ストレス/度が高くなる(「ピリピリ」に近づく)。一方、(自律神経活動指標LnLFの値/自律神経活動指標LnHFの値)、が小さいほど、ストレス度が低くなる(「のんびり」に近づく)。
人間が活動するに際して、「ピリピリ」でもなく、「のんびり」でもなく、適当な緊張感を保つように、(自律神経活動指標LnLFの値/自律神経活動指標LnHFの値)が適当な大きさであることが望ましい。すなわち、「ピリピリ」ではなく、「のんびり」でもなく、「平常心」であることが望ましい。
本実施形態においては、メンタルPK合戦を手軽に楽しむために、ステップST26において、メンタルPK合戦を開始する気持ちになってはいるが、「キック」をする直前でもない状態が、平常心に近い精神状態であるとして、1回の測定によって「平常心」のストレス/リラックス度=(自律神経活動指標LnLFの値/自律神経活動指標LnHFの値)を求めるようにしている。複数回の平均値から「平常心」のストレス/リラックス度を求めるとより精度は高くなる。
本実施形態では、フーリエ変換処理の後に、さらに、式(1)を用いて角度θを求め、角度θを半ドーナツ形状の極座標を用いる2次元表示(画面9を参照)するための画像データを生成する。
「第1実施形態の変形例」
(ハードウエアの変形例)
上述した実施形態においては、メンタルゲームシステムのクライアントとサーバーとの接続は、インターネット回線を用いるものとして説明をしたが、両者の接続はこれに限るものではなく、専用回線、公衆回線を問わず、有線通信回線、無線回線を問わず、あらゆる回線を用いることができる。例えば、LAN、専用の微弱電波を用いた専用回線、電話回線等も用いることができる。
クライアントとしてのメンタルゲーム端末装置は、スマートフォン、タブレット、専用端末を始めとして、種々のものを使用できる。また、メンタルゲーム端末装置はMPUとMPUにおいて実行されるプログラムを中心にして構成するのみならず、処理の一部、または、全部をランダムロジック回路でおこなうようにしてもよい。この場合においては、各処理部は、コンピュータにプログラムを実行させて実現するのでなく、ハードウエアで構成して実現される。
サーバーとしてのメンタルゲームサーバー装置は、コンピュータとソフトウエアとの組み合わせによって実現するのみならず、各処理の一部、または、全部を集積回路、ランダムロジック回路等のハードウエアで構成しておこなってもよい。この場合においては、ランダムロジック回路等のハードウエアでおこなう各処理は、コンピュータとプログラムとで実行するのでなく、ハードウエアで構成する各処理部で実行する。
ハードウエア構成においては、前倒しロジック処理部で前倒しロジック処理を実行し、時系列輝度データの関数化処理部で時系列輝度データの関数化処理を実行し、Savitzky-Golayフィルタ部でノイズ除去およびピーク検出処理を実行し、RR間隔時系列データ検出処理部でRR間隔時系列データの検出処理を実行し、ローパスフィルタリング処理部でローパスフィルタリング処理を実行し、RR間隔時系列データの異常値除去処理部でRR間隔時系列データの異常値除去処理を実行し、フーリエ変換処理部でフーリエ変換処理を実行し、高周波成分HF・低周波成分LFの検出処理部で高周波成分HF・低周波成分LFの検出処理を実行する。
また、前倒しロジック処理、Savitzky-Golayフィルタによるノイズ除去処理およびピーク検出処理、ローパスフィルタリング処理、RR間隔時系列データの異常値除去処理は、いずれも、時系列輝度データに含まれるノイズ、または、RR間隔時系列データに含まれるノイズを除去するための処理であり、これらのいずれかの一つ、または、これらの二つ以上の組み合わせ(これらの全部の組み合わせを含む)を適宜に用いることができる。
クライアント側のメンタルゲーム端末装置における処理と、サーバー側のメンタルゲームサーバー装置における処理とをどのように分けるかは、適宜に決め得るものである。例えば、メンタルゲーム端末装置にあるカメラに応じて異なる性能をメンタルゲーム端末装置において補正するために、前倒しロジック処理(ステップST18)、時系列輝度データの関数化処理(ステップST19)、Savitzky-Golayフィルタによるノイズ除去およびピーク検出処理(ステップST20)、RR間隔時系列データの検出処理(ステップST21)、ローパスフィルタリング処理(ステップST22)、RR間隔時系列データの異常値除去処理(ステップST23)のうちの一部または、その全部をメンタルゲーム端末装置においておこなうようにしてもよい。このようにすることによって、カメラの特性にあわせた適切な処理をメンタルゲーム端末装置においておこなうことができる。
『第2実施形態』
第1実施形態においては、クライアント・サーバー・システムとしてメンタルゲームシステムを構成した。第2実施形態は、第1実施形態のサーバー側における全ての処理をクライアント側に移すようにする実施形態であるメンタルゲーム装置に関する。このようなメンタルゲーム装置は、例えば、図1に記載されたスマートフォン11がサーバー12の支援を受けることなく、単独で全ての処理をおこなう場合に相当する。メンタルゲーム装置として機能するスマートフォンが単体で上述した処理の全てをおこなう場合には、サーバーを用いなくともよい。
『第1、第2実施形態の変形例』
上述した実施形態においては、スマートフォン11を操作する者の対戦相手は、コンピュータであった。しかしながら、対戦相手がコンピュータであると緊張感に欠けるので、実在の者を対戦相手とすることができる。例えば、スマートフォン11のみを用いて画面13の「攻守が切り替え画面」の前後で、スマートフォン11を操作する者が交代し、一人の者がブラジルチームのキッカーの役割を果たし、もう一人の者がクロアチアチームのキッカーの役割を果たすようにしてもよい。この場合においては、「平常心」については、ブラジルチームのキッカーの役割の者の「平常心」と、クロアチアチームのキッカーの役割の者の「平常心」と、を各々登録しておき、二人の者の対戦形式とすることによって、1台のスマートフォン11を用いて二人の者がメンタルゲームを楽しむことができる。
また、別の例としては、インターネットを介してインターネット上で、スマートフォン(例えば、スマートフォン14)を操作する者を対戦相手として見つけて攻守の交代をすることができる。この場合においては、ステップST37(攻守の交代処理)では、スマートフォン11のMPUは、図8の画面13の表示をさせるとともに、スマートフォン11に「攻守が切り替え画面」が表示されている間に、対戦相手のスマートフォン14(図1を参照)およびサーバー12において、ステップST14〜ステップST32と同様の処理をおこない、クロアチアチームに所属する他のメンタルゲームをおこなう者(対戦相手)の「平常心」、および、対戦相手の平常心時とボールを蹴った時のストレス/リラックス度を比較する。また、この場合においては、ステップST38(ボールを蹴る処理)では、スマートフォン11のMPUはスマートフォン11に図8の画面14を表示させ、スマートフォン14のMPUはスマートフォン14に図8の画面14を表示させる。また、この場合においては、ステップST42(勝敗の結果表示処理)では、スマートフォン11のMPUおよびスマートフォン14のMPUの各々は、各々の液晶画面に、5回のPK結果を集計して勝敗の結果を画面16として表示させる。
さらに、「キック」をおこなうに際してのストレス/リラックス度がより高まるようにしてゲームを面白くするために以下の様にしてもよい。スマートフォン11のMPU、または、サーバー11のCPUは、スマートフォン11に表示されるキッカーの画像の動作と「キック」がタッチされる時刻との両者のタイミングに応じてボールが跳ぶ方向を演算するとともに、ゴールキーパーの画像の位置が、ボールが跳ぶ方向の線上にあるか否かを演算する。ゴールキーパーの画像の位置が、ボールが跳ぶ方向の線上にない場合には、画面12の上段の「GOAL」の画面がスマートフォン11に表示され、ゴールキーパーの位置が、ボールが跳ぶ方向の線上にある場合には、画面12の下段の[ゴールキーパーがボールをはじく図がスマートフォン11に表示されるようにしてもよい。
また、さらに、ゲームを面白くするために以下の様にしてもよい。画面11の画面上段に表示されるゴールキーパーの守備位置は、メンタルゲームの難易度に応じた速度で左右方向にランダムに移動するようにしてもよい。このようにすれば、「キック」をおこなうに際してのストレス/リラックス度が、さらに、より高まる。それとともに、「キック」をする時点において「平常心」を保つためのより高度の訓練をして、より強いストレスに打ち勝つことができる精神面の健康管理方法を身につけることができる。
上述した実施形態においては、メンタルゲームは、メンタルPK合戦として構成されたが、適度の緊張を伴う「平常心」状態と、極度の緊張を招来する「ストレス」状態とを、ゲーム展開に応じて作り出すことができるゲームであれば、その他のゲームであってもよい。そして、「ストレス」状態における{(自律神経活動指標LnLFの値)/(自律神経活動指標LnHFの値)}が、「平常心」状態にどの程度近いかを判定して、その判定結果をゲームの勝敗に関連づけるようにして、ゲームを楽しみながら、ストレスに打ち勝つ精神力を鍛えることができる。このようなゲームとしては、例えば、一人でおこなうゲームとしては、狭い通路をはみ出すことなく所定時間内において指先でなぞるゲーム、的に弾を当てる射撃ゲーム等がある。また、二人でおこなうゲームとしては、メンタルPK合戦以外には、例えば、テニスゲームを模したメンタルゲーム等がある。
『第3実施形態』
第1実施形態、第2実施形態、および、第1、第2実施形態の変形例における、ストレス/リラックス度を演算する技術は、ゲーム以外の一般的な電子装置に応用することができる。
例えば、日常的な緊張する場面において、自己のストレス/リラックス度が高くなりすぎないように精神面の管理をする電子装置として用いることができる。そして、ストレス/リラックス度が高くなりすぎた場合には、意識的に深呼吸をするなどしてストレス/リラックス度を下げることができる。
また、スポーツジムに設置するトレーニングマシーン等にストレス/リラックス度を演算する電子装置を付加することができる。このような電子装置を付加したトレーニングマシーンを用いれば、夢中になってトレーニングマシーンを用いてトレーニングをしている間において、無意識のうちにストレス/リラックス度が許容限度を超えた場合には、トレーニングマシーンが無理なトレーニングを続けないように警告を出すことができる。
すなわち、実施形態の電子装置は、血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、低周波成分を高周波成分で除した値が、予め測定した適度の緊張状態のときの低周波成分を高周波成分で除した値である基準値を含む所定範囲内であるか否かを判定する判定部と、を備える。
ここで、予め測定した適度の緊張状態のときの低周波成分を高周波成分で除したである基準値は、冷静な判断ができるとともに積極的な気分となっているとき、すなわち、適度の緊張状態における、低周波成分を高周波成分で除した値である。そして、この基準値を含む所定範囲内である場合には、冷静な判断ができるとともに積極的な気分でいることができる。
上述した各実施形態の一部または全部を組み合わせた実施形態も実施可能である。また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、同一の技術的思想の範囲に及ぶことは言うまでもない。
一般的に、スポーツ活動、社会活動において、重大な局面においてストレス/リラックス度は高まる。適度のストレス/リラックス度は、スポーツ活動では勝利、社会活動では成功に繋がることが経験則として知られている。しかしながら、過度の緊張は、却って、スポーツ活動では敗北、社会活動では失敗に繋がることも経験則として知られている。重大局面でも自らを省みて平常心を保つことができれば、冷静な判断も可能となり、全体を見渡す余裕も生まれる。本発明によれば、自己の精神状態を客観的に判断できる装置が提供されるので、本発明の装置を日常的に使用することによって、どのようにすれば、自己の精神状態を平常心に保つことができるかを個人毎に自分で理解できるようになる。その結果、スポーツ活動、社会活動において、成功を収めることが可能となり、産業上の利用可能性は大なるものがある。また、ストレス/リラックス度を測定し、冷静な判断ができるとともに積極的な気分となっているか否かを判断できる電子装置は、それ自体の製造販売のみならず、そのような電子装置を従来からある種々の装置に付加して価値をより高くすることができる。このような点で本願の発明は産業上の利用可能性がある。
11、14 スマートフォン、
12 サーバー、
13 インターネット



Claims (16)

  1. 遊技者の精神的緊張状態の変化をゲーム展開に応じて作り出すことができるメンタルゲーム装置であって、
    血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、
    画像表示をする画像表示部と、
    前記時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、
    前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、
    前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、
    ゲーム展開中の高い緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づき前記メンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備える、
    メンタルゲーム装置。
  2. 前記RR間隔時系列データに含まれるノイズを除去するためのローパスフィルタリング処理部を備える、請求項1に記載のメンタルゲーム装置。
  3. 前記時系列輝度データに含まれるノイズを除去しピーク検出をするためのサビツキ・ゴレイフィルタを備える、請求項1または請求項2に記載のメンタルゲーム装置。
  4. 前記時系列輝度データの連続補間をするための関数化処理部を備える、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のメンタルゲーム装置。
  5. 前記時系列輝度データの値が連続して同値である場合には、予め定める所定複数回数以上の前記時系列輝度データを処理の対象から除く前倒しロジック処理部を備える、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のメンタルゲーム装置。
  6. 前記時系列輝度データの検出をおこなうに際して前記ディスプレイに前記時系列輝度データの波形を表示する、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のメンタルゲーム装置。
  7. 前記RR間隔時系列データの値に逆比例する瞬時心拍数を得て、
    現在の瞬時心拍数と直前の瞬時心拍数との差分が第1所定値よりも大きい場合には、現在のRR間隔時系列データを処理の対象から除去するRR間隔時系列データの異常値除去処理部を備える、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のメンタルゲーム装置。
  8. 前記RR間隔時系列データの値に逆比例する瞬時心拍数を得て、
    現在の瞬時心拍数と直前までの瞬時心拍数の移動平均値との差分が第2所定値よりも大きい場合には、現在のRR間隔時系列データを処理の対象から除去するRR間隔時系列データの異常値除去処理部を備える、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のメンタルゲーム装置。
  9. 血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、画像表示をする画像表示部とを有し、遊技者の精神的緊張状態の変化をゲーム展開に応じて作り出すことができるメンタルゲーム装置のコンピュータに実行させるメンタルゲーム装置プログラムであって、
    前記時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、
    前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、
    前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、
    ゲーム展開中の高い緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づき前記メンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備えるように前記コンピュータを機能させる、
    メンタルゲーム装置プログラム。
  10. 遊技者の精神的緊張状態の変化をゲーム展開に応じて作り出すことができるメンタルゲーム端末装置とメンタルゲームサーバー装置とを備えるメンタルゲームシステムであって、
    前記メンタルゲーム端末装置は、
    血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、
    前記皮膚の輝度に応じた時系列輝度データをメンタルゲームサーバー装置に対して出力する時系列輝度データ出力処理部と、
    前記サーバーから出力される前記メンタルゲームの勝敗の結果を表示する画像表示部と、を具備し、
    前記メンタルゲームサーバー装置は、
    前記時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、
    前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、
    前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、
    ゲーム展開中の高い緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づき前記メンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を具備する、
    メンタルゲームシステム。
  11. メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲーム端末装置と協調して動作するメンタルゲームサーバー装置であって、
    血流に応じて変化する皮膚の輝度を前記メンタルゲーム端末装置において撮影して得られる時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、
    前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、
    前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、
    ゲーム展開中の高い緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づき前記メンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備える、
    メンタルゲームサーバー装置。
  12. メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲーム端末装置と協調して動作するメンタルゲームサーバー装置のコンピュータに実行させるメンタルゲームサーバー装置プログラムであって、
    血流に応じて変化する皮膚の輝度を前記メンタルゲーム端末装置において撮影して得られる時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、
    前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、
    前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、
    ゲーム展開中の高い緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、適度の緊張状態における前記低周波成分を前記高周波成分で除した値を含む所定範囲内であるか否かに基づき前記メンタルゲームの勝敗を判定する判定部と、を備えるように前記コンピュータを機能させる、
    メンタルゲームサーバー装置プログラム。
  13. メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲームサーバー装置と協調して動作するメンタルゲーム端末装置であって、
    血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、
    前記皮膚の輝度に応じた時系列輝度データをメンタルゲームサーバー装置に対して出力する時系列輝度データ出力処理部と、
    前記サーバーから出力される前記メンタルゲームの勝敗の結果を表示する画像表示部と、を備え、
    前記時系列輝度データ取得部は、
    撮影された画像のR(赤色)、G(緑色)、B(青色)に分離される各成分の割合から肌色を含むことを判断するとともに前記肌色の部分の前記画像に占める割合を検出して予め定める所定割合以上であることを検出した後、または/および、前記時系列輝度データが略一定の周期を有する繰り返し波形であるとともにエンベロープが略一定であることを検出した後に、前記時系列輝度データの取得を開始する、
    メンタルゲーム端末装置。
  14. メンタルゲームシステムにおいてメンタルゲームサーバー装置と協調して動作するメンタルゲーム端末装置のコンピュータに実行させるメンタルゲーム端末装置プログラムであって、
    血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、
    前記皮膚の輝度に応じた時系列輝度データをメンタルゲームサーバー装置に対して出力する時系列輝度データ出力処理部と、
    前記サーバーから出力される前記メンタルゲームの勝敗の結果を表示する画像表示部と、を備えるように前記コンピュータを機能させ、
    前記時系列輝度データ取得部においては、
    撮影された画像のR(赤色)、G(緑色)、B(青色)に分離される各成分の割合から肌色を含むことを判断するとともに前記肌色の部分の前記画像に占める割合を検出して予め定める所定割合以上であることを検出した後、または/および、前記時系列輝度データが略一定の周期を有する繰り返し波形であるとともにエンベロープが略一定であることを検出した後に、前記時系列輝度データの取得を開始する、処理をおこなう、
    メンタルゲーム端末装置プログラム。
  15. 前記メンタルゲームはサッカーのペナルティキックを模したメンタルペナルティキック合戦であり、
    前記ストレス状態は前記ペナルティキックを模したキックの操作をおこなう時点における被験者の精神状態であり、前記平常心状態は前記メンタルペナルティキック合戦を開始する時点における被験者の精神状態である、
    請求項1に記載のメンタルゲーム装置。
  16. 血流に応じて変化する皮膚の輝度を撮影して時系列輝度データを取得する時系列輝度データ取得部と、
    前記時系列輝度データからRR間隔時系列データを検出するRR間隔時系列データ検出処理部と、
    前記RR間隔時系列データをフーリエ変換するフーリエ変換処理部と、
    前記フーリエ変換処理された信号の高周波成分と低周波成分とを分離する高周波成分・低周波成分検出処理部と、
    前記低周波成分を前記高周波成分で除した値が、予め測定した適度の緊張状態のときの前記低周波成分を前記高周波成分で除した値である基準値を含む所定範囲内であるか否かを判定する判定部と、を備える、
    電子装置。
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