JP2016021665A - 通信装置および送信帯域推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯域の利用効率を向上させることが可能な通信装置を得ること。【解決手段】本発明は、利用可能な帯域が変動するネットワークにおいて、利用可能な送信帯域を推定してデータを送信する通信装置であって、自身が送信したデータの受信実績をデータの送信先である対向装置から取得する受信パケット量読み出しメッセージ処理部11と、受信パケット量読み出しメッセージ処理部11が取得した受信実績および自身におけるデータ送信実績に基づいてパケットロス量を算出し、算出したパケットロス量と2種類のしきい値との比較結果に従った手順で利用可能な送信帯域の推定値を求める送信帯域推定部12と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、利用可能な帯域が変動するネットワークにおいてデータ通信を行う通信装置に関する。
車や列車などの移動体が携帯電話網やWiMAXといった公衆サービスの無線アクセス回線上でデータ通信を行う場合、移動による無線環境変化や、同じ基地局に接続する他ユーザの通信量の変化により、無線アクセス回線で利用可能な送信帯域は、上り方向(移動体から基地局への方向)と下り方向(基地局から移動体への方向)のいずれの方向でも動的に変化する。移動体が行う通信において、無線アクセス回線の送信帯域が低い時にVoIPの電話音声データ伝送等の高優先度の通信を優先的に行うためには、無線アクセス回線で利用可能な送信帯域を推定し、推定した送信帯域以下で送信するように送信帯域制御を行い、推定した送信帯域の範囲内で複数通信に対する優先制御を行うことが必要となる。送信帯域の推定が必要となる理由は、無線アクセス回線を構成する基地局や無線移動局が内部で管理する送信帯域に関する情報を装置外からは一般にはアクセスできないため、移動体上の送信端末は現在の送信帯域を知ることができないためである。ネットワークが有線回線のみから構成される場合でも、公衆サービスのネットワークではネットワーク構成が一般ユーザには公開されていないこと、他ユーザの通信量変化により利用可能な送信帯域が変化することから、同様に送信帯域の推定が必要となる。
送信帯域推定に適用可能な従来技術が記載されている文献として、下記の非特許文献1や2が存在する。
"A Measurement Study of Available Bandwidth Estimation Tools", Jacob Strauss, Dina Katabi, Frans Kaashoek (MIT Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory)
"Host-to-Host Congestion Control for TCP", Alexander Afanasyev, Neil Tilley, Peter Reiher, and Leonard Kleinrock, IEEE COMMUNICATIONS SURVEYS & TUTORIALS
非特許文献1では、packet pairやpacket trainと呼ばれるプローブパケットを用いて送信帯域を推定する方法が開示されている。Packet pairやpacket trainと呼ばれるプローブパケット方式では、正確な送信帯域推定を行うために多数のプローブパケット送信が必要となる。例えば、100Mbps程度の送信帯域推定の場合、一回の推定のために130KBから2.5MBのプローブパケット送信が必要となる。送信帯域が絶えず変化するネットワークの場合、1秒毎等頻繁に送信帯域推定を行う必要がある。頻繁に送信帯域推定を行う場合は、プローブパケット送信に使用する送信帯域が、ネットワーク自体の送信帯域(例えばWiMAXの場合で数百kbpsから20Mbps程度)に対して無視できないものとなり、本来送信対象のデータ送信の妨げとなる問題がある。
非特許文献2では、IPネットワークのレイヤ4プロトコルとして使用されるTCP(Transmission Control Protocol)の輻輳制御技術が複数種類開示されている。TCPの輻輳制御処理は、輻輳が発生したか否か、即ち、送信端末が現在使用している送信帯域がネットワークの最大送信帯域を超過したか否かの判定と、判定結果に基づく次に使用する送信帯域の決定の2つの要素から構成される。TCPの輻輳判定処理では、高信頼通信機能実現の目的で使われるパケットに付与するシーケンス番号と、受信済みシーケンス番号を示す送達確認メッセージから推測される、パケットロス発生,ラウンドトリップ時間(RTT)増加等の情報を用いて輻輳発生を判定する。そして、輻輳発生時に送信側が送信可能なデータ量(輻輳制御ウィンドウ)を減らし、輻輳無しで通信している間は輻輳制御ウィンドウを増やすという形で、次の送信帯域決定を行う。TCPの輻輳制御技術を適用して送信帯域推定を行う場合、各送信パケットにシーケンス番号を含むヘッダを付与する必要があるため本来のデータ送信に利用可能な帯域が減少するという問題がある。また、送信パケットに対する送達確認メッセージを送信パケットに対して一定以上(例えば2パケットに1回)の割合で送信する必要があるため、本来のデータ送信に利用可能な帯域がさらに減少するという問題もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、帯域の利用効率を向上させることが可能な通信装置および送信帯域推定方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、利用可能な帯域が変動するネットワークにおいて、利用可能な送信帯域を推定してデータを送信する通信装置であって、自身が送信したデータの受信実績をデータの送信先である対向装置から取得する受信実績取得手段と、前記受信実績取得手段が取得した受信実績および自身におけるデータ送信実績に基づいてパケットロス量を算出し、算出したパケットロス量と2種類のしきい値との比較結果に従った手順で前記利用可能な送信帯域の推定値を求める送信帯域推定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる通信装置によれば、送信帯域を推定するために必要なオーバヘッドを削減し、帯域の利用効率を向上させることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる通信装置および送信帯域推定方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明にかかる通信装置においてデータを送信する送信処理部の一例を示す図である。図2は、本発明にかかる通信装置においてデータを受信する受信処理部の一例を示す図である。
図1は、本発明にかかる通信装置においてデータを送信する送信処理部の一例を示す図である。図2は、本発明にかかる通信装置においてデータを受信する受信処理部の一例を示す図である。
図1に示した送信処理部1は、受信実績取得手段として動作する受信パケット量読み出しメッセージ処理部11、送信帯域推定手段として動作する送信帯域推定部12、時計13、データ送信アプリケーション14、シェーパ15およびネットワークインタフェース部16を備える。送信処理部1は、対向する通信装置に対してデータを送信する場合に動作する。
図2に示した受信処理部2は、受信パケット量読出し要求処理部21、時計22、データ受信アプリケーション23およびネットワークインタフェース部24を備える。受信処理部2は、対向する通信装置が送信したデータを受信する場合に動作する。
なお、説明の便宜上、図1に示した送信処理部1と図2に示した受信処理部2のそれぞれが時計を備えているような構成としたが、図1に示した時計13と図2に示した時計22は同じものとする。すなわち、図1における符号13と図2における符号22は同じ時計を示しているものとする。図1に示したネットワークインタフェース部16と図2に示したネットワークインタフェース部24も同じものとする。
図1に示した送信処理部1において、受信パケット量読み出しメッセージ処理部11は、所定のタイミングでネットワークインタフェース部16から送信パケット量(例えば、送信したパケットの数を示す送信パケット数、送信したデータの量を示す送信バイト数、など)の情報を読み出すとともに時計13から時刻の情報を読み出し、データ受信側の通信装置(以下、受信側装置)へ受信パケット量読み出し要求メッセージを送信する。同時に、送信パケット量、時刻、受信パケット量読み出し要求メッセージと受信パケット量読み出し応答メッセージの対応付けに必要なシーケンス番号情報を、送信帯域推定部12へ通知する。また、受信側装置から受信パケット量読み出し応答メッセージを受信すると、受信したメッセージに含まれる情報を送信帯域推定部12へ通知する。
送信帯域推定部12は、受信パケット量読み出しメッセージ処理部11から通知される、受信パケット量読み出し要求メッセージ送信時の送信パケット量、時刻、および受信パケット量読み出し要求メッセージと受信パケット量読み出し応答メッセージの対応付けに必要なシーケンス番号情報と、受信パケット量読み出し応答メッセージに含まれる受信パケット量(例えば、受信したパケットの数を示す受信パケット数、受信したデータの量を示す受信バイト数、など)、時刻およびシーケンス番号情報と、に基づいて、送信帯域推定値を算出する。また、算出した送信帯域推定値をシェーパ15に設定する。
時計13は、ローカル時刻を計測する。なお、受信側装置の時計との絶対時刻の同期は不要だが、経過時間の測定精度は一定程度あるものとする。
データ送信アプリケーション14は、データを送信するアプリケーションである。本実施の形態の通信装置において、データ送信アプリケーション14は、送信帯域推定機能を利用するものである。
シェーパ15は、データ送信アプリケーション14が送信する通信データと、受信パケット量読み出しメッセージ処理部11が送信する受信パケット量読み出し要求メッセージを合わせたトラフィックに対し、送信帯域推定部12により設定された送信帯域推定値に従ってシェーピングを行い、ネットワークインタフェース部16にネットワークへの送信を要求する。
ネットワークインタフェース部16は、ネットワークとの間の通信データ送受信に関わる通信プロトコル処理を行う。また、送信パケット量の累積値を管理し、受信パケット量読み出しメッセージ処理部11からの読み出し要求に対して送信パケット量の累積値を返す。
図2に示した受信処理部2において、受信パケット量読み出し要求処理部21は、データ送信側の通信装置(以下、送信側装置)から受信パケット量読み出し要求メッセージを受信した時に、ネットワークインタフェース部24から受信パケット量の累積値を読み出すとともに、時計22が管理している時刻(ローカル時刻)を読み出し、受信パケット量読み出し応答メッセージを送信側装置へ送信する。
時計22は、ローカル時刻を計測する。なお、送信側装置の時計との絶対時刻の同期は不要だが、経過時間の測定精度は一定程度あるものとする。
データ受信アプリケーション23は、データを受信するアプリケーションである。本実施の形態の通信装置において、データ受信アプリケーション23は、送信帯域推定機能を利用するものである。
ネットワークインタフェース24は、ネットワークとの間の通信データ送受信に関わる通信プロトコル処理を行う。また、受信パケット量の累積値を管理し、受信パケット量読み出し要求処理部11からの読み出し要求に対して受信データ量の累積値を返す。
つづいて、本実施の形態にかかる通信装置の特徴的な動作、具体的には、図1に示した送信処理部1が、対向する通信装置へのデータ送信で使用可能な帯域(送信帯域)を推定する動作について、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明にかかる通信装置による送信帯域推定手順の一例を示すシーケンス図である。
図3に示したように、本実施の形態にかかる通信装置(送信側)は、対向する通信装置(受信側)との間で図3に示した<1>から<5>の各処理を一定以上の間隔を空けて繰り返し実行して送信帯域を推定する。
すなわち、送信側の通信装置(送信側装置)において、受信パケット量読出しメッセージ処理部11が、まず、<1>送信済みパケット量(パケット数、バイト数、など)をネットワークインタフェース部16から読み出し、このときの時刻(時計13が管理している時刻)とともに記憶する。受信パケット量読出しメッセージ処理部11は、次に、<2>受信パケット量読み出し要求メッセージを生成してデータ受信側の通信装置(受信側装置)へ送信する。
受信パケット量読み出し要求メッセージを受信した受信側装置においては、受信パケット量読み出し要求処理部21が、まず、<3>受信済みパケット量(パケット数、バイト数、など)をネットワークインタフェース部24から読み出し、次に、<4>読み出した値と、読み出しを行った時刻の情報を含んだ受信パケット量読み出し応答メッセージを生成して送信側装置へ送信する。
受信パケット量読み出し応答メッセージを受信した送信側装置においては、送信帯域推定部12が、<5>帯域推定値を更新する。より詳しくは、まず、受信パケット量読み出しメッセージ処理部11が、受信したメッセージに含まれている情報と、上記の処理<1>で記憶した情報とを送信帯域推定部12へ出力し、送信帯域推定部12が、通知された情報に基づいて送信帯域を推定する。帯域推定値の更新が終了すると、<6>データ送信アプリケーション14が、更新後の帯域推定値に従ってパケット(データ)を送信する。
ここで、上記の処理<5>においては、以下の<手順1>から<手順5>に従って帯域推定値を更新する。
<手順1>
周期的に実行する処理<1>で記憶しておいた送信済みパケット量から送信パケット量を計算する。すなわち、記憶している最新の送信済みパケット量と2番目に新しい送信済みパケット量の差を求めて送信パケット量とする。なお、2番目に新しい送信済みパケット量を記憶していない場合、記憶している最新の送信済みパケット量を送信パケット量とする。
周期的に実行する処理<1>で記憶しておいた送信済みパケット量から送信パケット量を計算する。すなわち、記憶している最新の送信済みパケット量と2番目に新しい送信済みパケット量の差を求めて送信パケット量とする。なお、2番目に新しい送信済みパケット量を記憶していない場合、記憶している最新の送信済みパケット量を送信パケット量とする。
<手順2>
受信パケット量読み出し応答メッセージにより受信側装置から通知された受信済みパケット量から受信パケット量(受信側装置へ到達したパケット量)を計算する。すなわち、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済みパケット量と前回の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済みパケット量の差を求めて受信パケット量とする。なお、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージが初めて受信したものである場合(過去に受信パケット量読み出し応答メッセージを受信した実績がない場合)、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済みパケット量を受信パケット量とする。
受信パケット量読み出し応答メッセージにより受信側装置から通知された受信済みパケット量から受信パケット量(受信側装置へ到達したパケット量)を計算する。すなわち、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済みパケット量と前回の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済みパケット量の差を求めて受信パケット量とする。なお、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージが初めて受信したものである場合(過去に受信パケット量読み出し応答メッセージを受信した実績がない場合)、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済みパケット量を受信パケット量とする。
<手順3>
上記<手順1>で計算した送信パケット量と上記<手順2>で計算した受信パケット量の差分を求めてパケットロス量とする。
上記<手順1>で計算した送信パケット量と上記<手順2>で計算した受信パケット量の差分を求めてパケットロス量とする。
<手順4>
パケットロス量を2つのしきい値(TH1,TH2)と比較して帯域推定値Rを更新する。具体的には、以下に示すように、パケットロス量と各しきい値との関係に応じた方法で帯域推定値Rを更新する。
パケットロス量を2つのしきい値(TH1,TH2)と比較して帯域推定値Rを更新する。具体的には、以下に示すように、パケットロス量と各しきい値との関係に応じた方法で帯域推定値Rを更新する。
[TH1<パケットロス量の場合]
この場合、発生トラフィック量が通信路の帯域より多く、かつ、現在の帯域推定値Rが通信路の帯域より大きいと判断する。そして、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済パケット量および時刻と、前回の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済パケット量および時刻とに基づいて、受信側装置における平均受信レートを算出し、新帯域推定値(更新後の帯域推定値)Rとする。
すなわち、新帯域推定値R=(最新の受信済パケット量−前回の受信パケット量)/(最新の時刻−前回の時刻)とする。なお、最新の受信済パケット量は、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済パケット量、前回の受信済パケット量は、前回の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済パケット量、最新の時刻は、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された時刻、前回の時刻は、前回の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された時刻、である。
この場合、発生トラフィック量が通信路の帯域より多く、かつ、現在の帯域推定値Rが通信路の帯域より大きいと判断する。そして、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済パケット量および時刻と、前回の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済パケット量および時刻とに基づいて、受信側装置における平均受信レートを算出し、新帯域推定値(更新後の帯域推定値)Rとする。
すなわち、新帯域推定値R=(最新の受信済パケット量−前回の受信パケット量)/(最新の時刻−前回の時刻)とする。なお、最新の受信済パケット量は、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済パケット量、前回の受信済パケット量は、前回の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された受信済パケット量、最新の時刻は、最新の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された時刻、前回の時刻は、前回の受信パケット量読み出し応答メッセージで通知された時刻、である。
[TH2<パケットロス量≦TH1の場合]
この場合、発生トラフィック量が通信路の帯域より少なく、かつ、帯域推定値Rが通信路の帯域より大きいと判断する。そして、受信側装置における平均受信レートを算出し、算出した平均受信レートと現在の帯域推定値Rの間の値を新帯域推定値(更新後の帯域推定値)Rとする。
例えば、「新帯域推定値R=平均受信レート+(現在の帯域推定値R−平均受信レート)×α」とする。なお、平均受信レートは受信側装置における平均受信レート、現在の帯域推定値Rは更新前の帯域推定値Rであり、0<α<1とする。平均受信レートの算出方法は、上記のTH1<パケットロス量の場合と同様である。αは固定値としてもよいし、何らかの判断基準で動的に変更してもよい。これにより、ネットワークにおける送信帯域の増加減少に対して、送信帯域推定値を追従する形で増加減少させることができる。
この場合、発生トラフィック量が通信路の帯域より少なく、かつ、帯域推定値Rが通信路の帯域より大きいと判断する。そして、受信側装置における平均受信レートを算出し、算出した平均受信レートと現在の帯域推定値Rの間の値を新帯域推定値(更新後の帯域推定値)Rとする。
例えば、「新帯域推定値R=平均受信レート+(現在の帯域推定値R−平均受信レート)×α」とする。なお、平均受信レートは受信側装置における平均受信レート、現在の帯域推定値Rは更新前の帯域推定値Rであり、0<α<1とする。平均受信レートの算出方法は、上記のTH1<パケットロス量の場合と同様である。αは固定値としてもよいし、何らかの判断基準で動的に変更してもよい。これにより、ネットワークにおける送信帯域の増加減少に対して、送信帯域推定値を追従する形で増加減少させることができる。
[パケットロス量≦TH2の場合]
この場合、帯域推定値Rが通信路の帯域以下と判断する。そして、現在の帯域推定値R以上の値を新帯域推定値(更新後の帯域推定値)Rとする。
例えば、「新帯域推定値R=現在の帯域推定値R+D」とする。ここで、Dは帯域推定値Rの補正量を示す値であり、このDの値は以下の様に決定する。前回帯域推定値を更新した時に「TH1<パケットロス量」または「TH2<パケットロス量≦TH1」であった場合、「D=定数値δ」とする。これは、前回の帯域推定において帯域推定値が実際の送信帯域より大きいと判定したため、今回は帯域推定値を増やし過ぎない様に、予め設定されるパラメータである定数値δとするものである。また、前回帯域推定値を更新した時に「パケットロス量≦TH2」であった場合、「D=現在のD×β」とする。ただし、βは1以上の定数、Dの最大値は定数Mとし、現在のD×βがMを越える場合には「D=M」とする。これは、前回の帯域推定でも帯域推定値を増やしているため、送信帯域の増加への追従性を高める目的で帯域推定値の増加を加速する目的で、指数関数的に帯域推定値を増やすためのものである。但し、1回の帯域推定処理における帯域推定値の増加分が大きくなり過ぎない様にするため、帯域推定値の増加分Dに上限値Mを設けている。これにより、ネットワークにおける送信帯域の増加減少に対して、送信帯域推定値を追従する形で増加減少させることができる。
この場合、帯域推定値Rが通信路の帯域以下と判断する。そして、現在の帯域推定値R以上の値を新帯域推定値(更新後の帯域推定値)Rとする。
例えば、「新帯域推定値R=現在の帯域推定値R+D」とする。ここで、Dは帯域推定値Rの補正量を示す値であり、このDの値は以下の様に決定する。前回帯域推定値を更新した時に「TH1<パケットロス量」または「TH2<パケットロス量≦TH1」であった場合、「D=定数値δ」とする。これは、前回の帯域推定において帯域推定値が実際の送信帯域より大きいと判定したため、今回は帯域推定値を増やし過ぎない様に、予め設定されるパラメータである定数値δとするものである。また、前回帯域推定値を更新した時に「パケットロス量≦TH2」であった場合、「D=現在のD×β」とする。ただし、βは1以上の定数、Dの最大値は定数Mとし、現在のD×βがMを越える場合には「D=M」とする。これは、前回の帯域推定でも帯域推定値を増やしているため、送信帯域の増加への追従性を高める目的で帯域推定値の増加を加速する目的で、指数関数的に帯域推定値を増やすためのものである。但し、1回の帯域推定処理における帯域推定値の増加分が大きくなり過ぎない様にするため、帯域推定値の増加分Dに上限値Mを設けている。これにより、ネットワークにおける送信帯域の増加減少に対して、送信帯域推定値を追従する形で増加減少させることができる。
<手順5>
上記<手順4>において更新した後の帯域推定値Rで送信シェーピングをかけるように、シェーパ15を設定する。
上記<手順4>において更新した後の帯域推定値Rで送信シェーピングをかけるように、シェーパ15を設定する。
以上の手順で帯域推定値Rを更新する場合、受信パケット量読み出し要求メッセージと受信パケット量読み出し応答メッセージを一定時間(例えば1秒)以上の間隔に1度送信するだけで、送信帯域推定のために大量のプローブパケット送信を伴わず、また、送信データへのシーケンス番号付与や送達確認メッセージ送信は不要である。例えば、受信パケット量読み出し要求メッセージと受信パケット量読み出し応答メッセージをUDP/IPv4パケットとして実装した場合、受信パケット量読み出し要求メッセージは、UDP/IPv4ヘッダ28バイトと、受信パケット量読み出し要求メッセージであることとシーケンス番号を示すヘッダ4バイトの合計32バイトで実現可能である。受信パケット量読み出し応答メッセージは、UDP/IPv4ヘッダ28バイトと、受信パケット量読み出し応答メッセージであることとシーケンス番号を示すヘッダ4バイトと、受信パケット数(4バイト)、受信バイト数(4バイト)、時刻(4バイト)を示すデータの合計44バイトで実現可能である。つまり、1秒に1回の割合で送信帯域推定を行うために、1秒に1回、32バイト+44バイト=76バイトのオーバヘッドが発生することとなる。また、1秒以上に1回送信となるが、受信パケット量読み出し要求メッセージを、上記の様に独立したメッセージとして送信するのではなく、通常の送信パケットに付加するヘッダ(受信パケット量読み出し要求メッセージであることとを示す2バイトと、ヘッダ付加前のIPパケットのペイロードのプロトコルを示す2バイトの計4バイト)として実装する方法も考えられ、この場合、オーバヘッドは4バイト+受信パケット量読み出し応答メッセージ44バイト=48バイトとなる。
既存手法の内、上記の非特許文献1で開示されている技術を適用し、packet pairやpacket trainを用いて1秒に1回の割合で送信帯域推定を行う場合、1回の推定のために130KBから2.5MBのプローブパケットを送信する必要があるのと比較すると、大幅に送信帯域推定のためのオーバヘッドを減らすことができる。
また、上記の非特許文献2で開示されているTCPの輻輳制御と同様に、パケットに付加するシーケンス番号と、受信済みシーケンス番号を示す送達確認メッセージを使用する場合、送信側装置が送信する全パケットにシーケンス番号を含むヘッダを付加し、1秒以上の時間間隔に1回送達確認メッセージを返す様にヘッダで受信側装置に通知し、受信側装置が送達確認メッセージを返すこととなる。シーケンス番号と送達確認メッセージ送信を要求するフラグの合計4バイトと、ヘッダ付与前のIPパケットのペイロードのプロトコルを示す2バイトの計6バイトがヘッダサイズとなる。送達確認メッセージは本実施の形態の通信装置が使用する受信パケット量読み出し応答メッセージと同等の情報を含むので44バイトとなる。すなわち、送信帯域推定のためのオーバヘッドは、(44バイト+6バイト×送信帯域推定実行の時間間隔の間に送信するパケット数)となる。上述したように、本実施の形態の通信装置を適用した場合のオーバヘッドは48または76バイトであり、48バイトの場合と比較すると、送信帯域推定実行の時間間隔の間に送信するパケット数が1以上でオーバヘッドが大きくなり、送信パケット数が増えるとオーバヘッドが送信パケット数に比例して増える。また、オーバヘッドが76バイトの場合と比較すると、送信帯域推定実行の時間間隔の間に送信するパケット数が6以上でオーバヘッドが大きくなり、送信パケット数が増えるとオーバヘッドが送信パケット数に比例して増える。
以上のように、本実施の形態の通信装置によれば、送信帯域推定に必要なオーバヘッドとなる送信データ量を従来よりも削減することが可能である。
このように、本実施の形態の通信装置は、受信側の通信装置に対して受信したデータ量を問い合わせ、通知されてきた最新の受信データ量および過去の受信データ量と最新の送信データ量および過去の送信データ量とに基づいてパケットロス量を求め、パットロス量をしきい値と比較することにより送信帯域を推定することとした。これにより、送信帯域を推定するために必要なオーバヘッドを削減することができ、帯域の利用効率を向上させることができる。
本発明にかかる通信装置は、利用可能な帯域が動的に変化する通信システムにおいて、送信で使用可能な帯域を推定してデータを送信する通信装置として有用である。
1 送信処理部、2 受信処理部、11 受信パケット量読み出しメッセージ処理部、12 送信帯域推定部、13,22 時計、14 データ送信アプリケーション、15 シェーパ、16,24 ネットワークインタフェース部、21 受信パケット量読み出し要求処理部、23 データ受信アプリケーション。
Claims (5)
- 利用可能な帯域が変動するネットワークにおいて、利用可能な送信帯域を推定してデータを送信する通信装置であって、
自身が送信したデータの受信実績をデータの送信先である対向装置から取得する受信実績取得手段と、
前記受信実績取得手段が取得した受信実績および自身におけるデータ送信実績に基づいてパケットロス量を算出し、算出したパケットロス量と2種類のしきい値との比較結果に従った手順で前記利用可能な送信帯域の推定値を求める送信帯域推定手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。 - 前記2種類のしきい値をTH1およびTH2、かつTH2<TH1とした場合、
前記送信帯域推定手段は、
「TH1<前記パケットロス量」であれば、
前記受信実績に基づいて前記対向装置における平均受信レートを算出し、算出した平均受信レートを前記推定値とし、
「TH2<前記パケットロス量≦TH1」であれば、
前記受信実績に基づいて前記対向装置における平均受信レートを算出し、算出した平均受信レートと前回の推定値とに基づいて、最新の推定値を求め、
「前記パケットロス量≦TH2」であれば、
前回の推定値に対して、当該前回の推定値を得るために実施した処理の内容に応じた値を加算し、最新の推定値とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記送信帯域推定手段は、
「TH2<前記パケットロス量≦TH1」であれば、
前記最新の推定値を「前記平均受信レート+(前記前回の推定値−前記平均受信レート)×α」、ただし0<α<1、とする、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。 - 前記送信帯域推定手段は、
「前記パケットロス量≦TH2」であれば、
前回の推定値を得るための処理で算出したパケットロス量である前回のパケットロス量とTH2を比較し、比較結果に基づいて適宜更新される補正値Dを前回の推定値に加算して最新の推定値を求め、
「TH2<前回のパケットロス量」の場合、
補正値Dを一定値δに更新してから前回の推定値に加算し、
「TH2≧前回のパケットロス量」の場合、
補正値Dに1以上の定数βを乗算して補正値Dを更新し、
更新後の補正値Dが既定の最大値未満の場合は更新後の補正値Dを前回の推定値に加算し、
更新後の補正値Dが既定の最大値以上の場合は規定の最大値を前回の推定値に加算する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。 - 利用可能な帯域が変動するネットワークにおいて、データ送信元の通信装置が利用可能な送信帯域を推定するための送信帯域推定方法であって、
自身が送信したデータの受信実績をデータの送信先である対向装置から取得する受信実績取得ステップと、
前記受信実績取得ステップで取得した受信実績および自身におけるデータ送信実績に基づいてパケットロス量を算出するパケットロス算出ステップと、
前記算出したパケットロス量を2種類のしきい値との比較する比較ステップと、
前記比較ステップにおける比較結果に従った手順で前記利用可能な送信帯域の推定値を求める送信帯域推定ステップと、
を含むことを特徴とする送信帯域推定方法。
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JP2014144571A JP2016021665A (ja) | 2014-07-14 | 2014-07-14 | 通信装置および送信帯域推定方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001320440A (ja) * | 2000-05-02 | 2001-11-16 | Sony Corp | 通信装置及び方法 |
JP2003169090A (ja) * | 2001-11-30 | 2003-06-13 | Fujitsu Ltd | 伝送システム |
JP2008085906A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Fujitsu Ltd | パケット損失率算出システム |
-
2014
- 2014-07-14 JP JP2014144571A patent/JP2016021665A/ja active Pending
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