JP2015149658A - 通信システム、通信方法、tcpヘッダ監視装置および回線割当装置 - Google Patents

通信システム、通信方法、tcpヘッダ監視装置および回線割当装置 Download PDF

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寿美 加納
中平 勝也
Katsuya Nakahira
勝也 中平
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Takatoshi Sugiyama
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Abstract

【課題】端末局に設定する割当回線速度の制御遅延を解消し、さらにTCPウィンドウサイズに対してパケット量が少ない場合でも割当回線速度と実速度の誤差を縮小する。【解決手段】TCPを用いて通信を行う複数の端末局装置と、該端末局装置間の通信を中継するノード局装置と、該ノード局装置を介する該端末局装置間の通信に用いる割当回線速度に対応する通信回線を割り当てる回線割当装置とにより構成される通信システムにおいて、端末局装置と回線割当装置との間のラウンドトリップ時間をRTTとし、回線割当装置は、端末局装置でTCPウィンドウサイズWが更新された時刻からRTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTTを算出し、該予測値WRTTに該TCPウィンドウサイズWに対するパケット量Tの比率α(T/W)を乗算した値に基づいて、端末局装置に設定する割当回線速度を決定する構成である。【選択図】 図5

Description

本発明は、端末局と端末局がノード局を介してTCP(Transmission Control Protocol)を用いた通信を行う無線または有線の通信システムに関する。特に、ノード局のリソース(周波数帯域、時間、符号)を有効利用するために、端末局への回線割当を行う通信システム、通信方法、TCPヘッダ監視装置および回線割当装置に関する。
ここで、ノード局としては、無線の通信システムとして衛星通信システムにおける衛星中継局や移動通信システムにおけるセルラ基地局、有線の通信システムにおけるゲートウェイなどがある。
端末局と端末局がノード局を介して通信を行う無線または有線の通信システムでは、全通信回線の周波数帯域幅の総和は、ノード局が利用可能な全周波数帯域幅に制限される。
端末局へ割り当てる回線の速度(以下、「割当回線速度」という)が常に一定である固定回線割当方式では、図10に示すように、通信回線に一定時間に流れるパケットの量(以下、「実速度」という)が割当回線速度を大きく下回ることがある。この場合には、通信回線に必要以上の周波数帯域幅が割り当てられていることになり、無駄な割り当てとなる。
一方、割当回線速度を実速度に応じて変動させる動的回線割当方式は、図11に示すように、区間(時刻0[s] から時刻T[s] )の実速度の平均値を算出し、次の区間(時刻T[s] から時刻T’[s] )の割当回線速度として設定する(非特許文献1)。
この動的回線割当方式では、図12に示すように、1つ前の区間における平均実速度を測定するための制御遅延が発生する。さらに、端末局に回線が割り当てられるまでには、端末局が測定した平均実速度を回線割当装置に通知し、回線割当装置が算出した割当回線速度を端末局に通知するまでのRTT(ラウンドトリップ時間)に相当する制御遅延が生じる。したがって、端末局の実速度が変動している場合には、これらの制御遅延により割当回線速度と実速度との間の誤差が大きくなり、端末局に必要以上の割当回線速度が割り当てられ、ノード局の周波数帯域が無駄になることがある。
この制御遅延を短縮して割当回線速度と実速度の間の差分を減らすことで、ノード局の周波数帯域を有効利用する手法として、現時刻のTCPウィンドウサイズから予測したRTT経過後のTCPウィンドウサイズを用いて割当回線速度を決定する方法が考えられている(非特許文献2,3)。
荒谷、鹿間、「移動体通信システムにおけるデータパケットの回線割り当て制御方式の検討」、信学技報、NS2006-170、pp.67-70、2007年3月 加納、中平、杉山、「TCPウィンドウサイズを用いたトラヒック追従型帯域幅割当法の提案」、2013年信学会総合大会、B-3-17 加納、中平、杉山、「変動トラフィックを用いたTCPウィンドウサイズ追従型帯域幅割当法の性能検証」、2013年信学会ソサイエティ大会、B-3-25
現時刻のTCPウィンドウサイズから予測したRTT経過後のTCPウィンドウサイズを用いて割当回線速度を決定する方法により、実速度の測定に要する制御遅延および割当に要する制御遅延が発生する問題が解決される。しかし、パケット伝送の終盤では、伝送するべきパケットが少ない一方で、TCPウィンドウサイズはパケット量の大小で変動しないため、図13に示すように割当回線速度と実速度の間に差分が生じ、ノード局の周波数帯域が無駄になる課題が残る。
本発明は、端末局に設定する割当回線速度の制御遅延を解消し、さらにTCPウィンドウサイズに対してパケット量が少ない場合でも割当回線速度と実速度の誤差を縮小し、ノード局のリソースを有効利用することができる通信システム、通信方法、TCPヘッダ監視装置および回線割当装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、TCPを用いて通信を行う複数の端末局装置と、該端末局装置間の通信を中継するノード局装置と、該ノード局装置を介する該端末局装置間の通信に用いる割当回線速度に対応する通信回線を割り当てる回線割当装置とにより構成される通信システムにおいて、端末局装置と回線割当装置との間のラウンドトリップ時間をRTTとし、回線割当装置は、端末局装置でTCPウィンドウサイズWが更新された時刻からRTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出し、該予測値WRTT に該TCPウィンドウサイズWに対するパケット量Tの比率α(T/W)を乗算した値に基づいて、端末局装置に設定する割当回線速度を決定する構成である。
第1の発明の通信システムにおいて、端末局装置に入力するデータからTCPヘッダを取り出し、TCPウィンドウサイズWが更新されたときに、その更新された時刻におけるTCPウィンドウサイズWとパケット量Tを取得して比率α(T/W)を算出し、該TCPウィンドウサイズWと該比率α(T/W)を回線割当装置に通知するTCPヘッダ監視装置を備える。
第1の発明の通信システムにおいて、TCPウィンドウサイズWは、MSS(Maximum Segument Size) から、受信側が一度に受け取り可能な最大のデータサイズRWIN(Received Window size) まで規則的に変動し、RWINに達した以降は一定値で保たれるときに、TCPウィンドウサイズの予測値WRTT は、TCPウィンドウサイズWが増加するときにTCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも小さいスロースタート区間であれば
RTT =W+MSS
に従って計算し、TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも大きい輻輳回避区間であれば
RTT =W+MSS(MSS/W)
に従って計算し、TCPウィンドウサイズWが減少するときにTCPウィンドウサイズWがスロースタート区間であれば
RTT =W−MSS
に従って計算し、TCPウィンドウサイズWが輻輳回避区間であれば
RTT =W−MSS(MSS/W)
に従って計算する。
第2の発明は、TCPを用いて通信を行う複数の端末局装置と、該端末局装置間の通信を中継するノード局装置と、該ノード局装置を介する該端末局装置間の通信に用いる割当回線速度に対応する通信回線を割り当てる回線割当装置とにより構成される通信システムの通信方法において、端末局装置と回線割当装置との間のラウンドトリップ時間をRTTとし、回線割当装置は、端末局装置でTCPウィンドウサイズWが更新された時刻からRTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出し、該予測値WRTT に該TCPウィンドウサイズWに対するパケット量Tの比率α(T/W)を乗算した値に基づいて、端末局装置に設定する割当回線速度を決定する。
第2の発明の通信方法において、TCPウィンドウサイズWは、MSS(Maximum Segument Size) から、受信側が一度に受け取り可能な最大のデータサイズRWIN(Received Window size) まで規則的に変動し、RWINに達した以降は一定値で保たれるときに、TCPウィンドウサイズの予測値WRTT は、TCPウィンドウサイズWが増加するときにTCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも小さいスロースタート区間であれば
RTT =W+MSS
に従って計算し、TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも大きい輻輳回避区間であれば
RTT =W+MSS(MSS/W)
に従って計算し、TCPウィンドウサイズWが減少するときにTCPウィンドウサイズWがスロースタート区間であれば
RTT =W−MSS
に従って計算し、TCPウィンドウサイズWが輻輳回避区間であれば
RTT =W−MSS(MSS/W)
に従って計算する。
第3の発明は、第1の発明の通信システムでTCPヘッダを監視するTCPヘッダ監視装置において、端末局装置に入力するデータからTCPヘッダを取り出し、TCPウィンドウサイズWが更新されたときに、その更新された時刻におけるTCPウィンドウサイズWとパケット量Tを取得し、比率α(T/W)を算出する手段と、TCPウィンドウサイズWと比率α(T/W)を回線割当装置に通知する手段とを備える。
第4の発明は、第1の発明の通信システムの回線割当装置において、端末局装置でTCPウィンドウサイズWが更新された時刻からRTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出し、該予測値WRTT に該TCPウィンドウサイズWに対するパケット量Tの比率α(T/W)を乗算した値に基づいて、端末局装置に設定する割当回線速度を決定し、端末局装置に通知する構成である。
第4の発明の回線割当装置において、TCPウィンドウサイズWは、MSS(Maximum Segument Size) から、受信側が一度に受け取り可能な最大のデータサイズRWIN(Received Window size) まで規則的に変動し、RWINに達した以降は一定値で保たれるときに、TCPウィンドウサイズの予測値WRTT は、TCPウィンドウサイズWが増加するときにTCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも小さいスロースタート区間であれば
RTT =W+MSS
に従って計算し、TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも大きい輻輳回避区間であれば
RTT =W+MSS(MSS/W)
に従って計算し、TCPウィンドウサイズWが減少するときにTCPウィンドウサイズWがスロースタート区間であれば
RTT =W−MSS
に従って計算し、TCPウィンドウサイズWが輻輳回避区間であれば
RTT =W−MSS(MSS/W)
に従って計算する。
本発明は、TCPウィンドウサイズの変動の規則性を利用し、更新されたTCPウィンドウサイズWからRTT後におけるTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出し、この予測値WRTT にTCPウィンドウサイズWに対するパケット量Tの比率α(T/W)を乗算した値に基づいて割当回線速度を決定する。これにより、RTTの間に実速度が変動しても、割当回線速度の割り当てに要する制御遅延による誤差およびTCPウィンドウサイズに対してパケット量Tが少ない場合の誤差を含めて、割当回線速度と実速度の誤差を低減することができ、ノード局装置のリソースを有効利用する回線割当が可能となる。
本発明の通信システムの構成例を示す図である。 TCPヘッダ監視装置10の構成例を示す図である。 TCPヘッダ監視装置10の処理手順例を示すフローチャートである。 回線割当装置20の構成例を示す図である。 回線割当装置20の処理手順例を示すフローチャートである。 TCPウィンドウサイズの変動を説明する図である。 TCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出する手順を示すフローチャートである。 ACK信号の数を用いてTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出する手順を示すフローチャートである。 従来法および発明技術における実速度との誤差を示す図である。 固定回線割当方式の例を示す図である。 動的回線割当方式の例を示す図である。 動的回線割当方式における制御遅延を説明する図である。 割当回線速度と実速度の間の差分を説明する図である。
図1は、本発明の通信システムの構成例を示す。
図1(1) は衛星通信システムであり、端末局Aと端末局Bがノード局である衛星中継局を介して接続される。図1(2) は移動通信システムであり、端末局Aと端末局Bがノード局であるセルラ基地局を介して接続される。図1(3) は有線通信システムであり、端末局Aと端末局Bがノード局であるゲートウェイを介して接続される。実線矢印は無線または有線の通信回線を示し、点線矢印は無線または有線の制御回線を示す。
本発明の通信システムの特徴は次の通りである。端末局A,BでTCPヘッダを常に監視し、端末局A,Bの通信に用いているTCPウィンドウサイズWと、シーケンス番号からパケット量Tを取得するTCPヘッダ監視装置10を備え、更新されたTCPウィンドウサイズWと、TCPウィンドウサイズWに対するパケット量Tの比率α(T/W)を制御回線を介して、回線割当を実行する回線割当装置20に伝達する。回線割当装置20は、TCPウィンドウサイズWが更新された時刻のRTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出し、その予測値WRTT に比率α(T/W)を乗算した値に基づいて、端末局A,Bの割当回線速度V(=WRTT ×α/RTT)を決定し、この割当回線速度に対応する回線を制御回線を介して端末局A,Bに伝達する。端末局A,Bは、回線割当装置20から指示された回線に変更する。
ここで、TCPヘッダ監視装置10は、端末局A,Bにそれぞれソフトウェアとして内蔵される構成でもよいし、外付け装置として接続される構成でもよい。回線割当装置20は、各通信システムのノード局(衛星中継局、セルラ基地局、ゲートウェイ)に無線または有線の制御回線を介して接続される。
図2は、TCPヘッダ監視装置10の構成例を示す。
図2において、TCPヘッダ監視装置10は、データ入力部11、TCPヘッダ取り出し部12、TCPウィンドウサイズ保存部13、パケット量算出部14、TCPウィンドウサイズ比較部15、比率算出部16、制御回線送受信部17により構成される。
図3は、TCPヘッダ監視装置10の処理手順例を示す。
図2および図3において、TCPヘッダ監視装置10は、TCPヘッダ取り出し部12でデータ入力部11に入力したデータからTCPヘッダを取り出し、TCPウィンドウサイズWとシーケンス番号を取得する。ここで得たTCPウィンドウサイズWはTCPウィンドウサイズ保存部13に保存される。保存される値は、新たなTCPウィンドウサイズを得る毎にアップデートされる。パケット量算出部14では、シーケンス番号から次式に基づいてパケット量Tを算出する。
T=(送達未確認の最大シーケンス番号−送達未確認の最小シーケンス番号)+1
なお、シーケンス番号とは、TCPヘッダの情報であり、パケット量1byteごとに付加される番号である。送達未確認のシーケンス番号とは、ACK信号が未受信のパケットに付加されたシーケンス番号である。
TCPウィンドウサイズ比較部15は、新たに取得したTCPウィンドウサイズWとTCPウィンドウサイズ保存部13にて保存されているTCPウィンドウサイズW’を比較し、これらの値が異なる場合に、今回更新されたTCPウィンドウサイズWを比率算出部16を介して制御回線送受信部17に通知する。比率算出部16は、TCPウィンドウサイズ比較部15から更新されたTCPウィンドウサイズWを入力し、パケット量算出部14からパケット量Tを入力し、TCPウィンドウサイズWに対するパケット量Tの比率α(T/W)を算出し、制御回線送受信部17に通知する。
制御回線送受信部17は、端末局から回線割当装置20へ送信される制御信号(回線要求信号)にTCPウィンドウサイズWおよびパケット量Tの比率α(T/W)の情報を付加する。また、この制御信号には、送信元の端末局の端末局IDと、その通信相手の端末局の端末局IDも、併せて付加される。
図4は、回線割当装置20の構成例を示す。
図4において、回線割当装置20は、制御回線送受信部21、アクセス制御部22、回線速度割当部23、回線管理部24、端末局管理部25、パラメータ保存部26により構成される。
図5は、回線割当装置20の処理手順例を示す。
図4および図5において、制御回線送受信部21が制御信号(回線要求信号)を受信すると、アクセス制御部22が送信元およびその通信相手の端末局(端末局A,B)の端末局IDと、TCPウィンドウサイズWとパケット量Tの比率α(T/W)の情報を抽出し、回線速度割当部23に通知する。回線速度割当部23は、パラメータ保存部26からRTTやパケット長、回線速度等の情報を得て、本発明の回線割当法を用いて、TCPウィンドウサイズWが更新された時刻のRTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を計算し、その予測値WRTT にパケット量Tの比率α(T/W)を乗算した値に基づき、端末局A,Bの割当回線速度Vを
V[bps] =WRTT [bit] ×(T/W)/RTT[s]
の計算により決定し、回線管理部24の未使用帯域情報から割当回線速度Vに対応する割当回線Walloc を決定する。決定した割当回線Walloc は、端末局管理部25の情報に基づき、端末局IDを持つ送信元およびその通信相手の端末局に通知され、回線管理部24の内容はアップデートされる。
以下、端末局でTCPウィンドウサイズWが更新された時刻のRTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出する処理について説明する。
TCPウィンドウサイズWは、図6に示すように、MSS(Maximum Segument Size) から、受信側が一度に受け取り可能な最大のデータサイズ(以下、RWIN(Received Window size) という)まで、ACK信号を受け取るごとに規則的に変動し、RWINに達した以降は一定値で保たれる。MSSおよびRWINは共に定数である。ここで、TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも小さい区間をスロースタート区間とし、TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも大きい区間を輻輳回避区間とする。
図7は、TCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出する手順を示す。
図7において、回線割当装置20は、TCPヘッダ監視装置10から通知されるTCPウィンドウサイズWと、1つ前に通知されたTCPウィンドウサイズW’とを比較し、TCPウィンドウサイズWの増減を判断する(S1)。すなわち、W>W’の場合はTCPウィンドウサイズが増加とし、W<W’の場合はTCPウィンドウサイズが減少と判断する。なお、TCPヘッダ監視装置10において、更新されたTCPウィンドウサイズWを回線割当装置20に送信する際に、更新されたTCPウィンドウサイズWの増減情報も付加し、回線割当装置20で当該増減情報を抽出してTCPウィンドウサイズWの増減を判断してもよい。
TCPウィンドウサイズWが増加したとき(S1:Yes )、TCPウィンドウサイズの予測値WRTT は、TCPウィンドウサイズWがスロースタート区間であれば
RTT =W+MSS
に従って計算され、TCPウィンドウサイズWが輻輳回避区間であれば
RTT =W+MSS(MSS/W)
に従って計算される。
ここでは、まずスロースタート区間の式を用いて予測値WRTT を計算し(S2)、この予測値WRTT がスロースタート閾値Wthを上回った場合に輻輳回避区間に変わったと判断し(S3:Yes )、輻輳回避区間の式を用いて予測値WRTT を再計算する(S4)。
ただし、TCPウィンドウサイズはRWINよりも大きな値にはならないため、S2またはS4で算出した予測値WRTT がRWINよりも大きくなる場合は(S5:Yes )、
RTT =RWIN
とする(S6)。
TCPウィンドウサイズWが減少したとき(S1:No)、TCPウィンドウサイズの予測値WRTT は、TCPウィンドウサイズWがスロースタート区間であれば
RTT =W−MSS
に従って計算され、TCPウィンドウサイズWが輻輳回避区間であれば
RTT =W−MSS(MSS/W)
に従って計算される。
ここでは、まず輻輳回避区間の式を用いて予測値WRTT を計算し(S7)、この予測値WRTT がスロースタート閾値Wthを下回った場合にスロースタート区間に変わったと判断し(S8:Yes )、スロースタート区間の式を用いて予測値WRTT を再計算する(S9)。
以上のように、TCPウィンドウサイズWが更新された時刻のRTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT が決定する(S10)。
図8は、ACK信号の数を用いてTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出する手順を示す。この手順では、TCPウィンドウサイズWは、ACK信号を1つ受信するごとに更新されることから、RTTの間に受信するACK信号の数を用いてTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出するものである。なお、ACK信号の数の情報は、TCPヘッダ監視装置から回線割当装置へ制御回線を介して逐次通知される。
受信側の端末局は、2セグメント受信するごとにACK信号を1つ返信する。また、1セグメント受信した後に一定期間次のセグメントを受信しない場合にもACK信号を1つ返信する。そのため、3セグメントを送信した端末局では、ACK信号を複数回受信することになる。
図8において、端末局が送信する1セグメントの最大の大きさはMSS[bit] であり、MSS×2[bit] の送信に対してACK信号を1つ受信する。そのため、セグメントを送信する際のTCPウィンドウサイズW[bit] に対して、端末局が受信するACK信号の数Rは、TCPウィンドウサイズW[bit] をMSS×2[bit] で除算することで算出される。このとき、小数点以下の値が得られる場合があるが、2セグメント受信しなくてもACK信号が1つ返信されることから、小数点以下の値として表れるセグメントに対してもACK信号が1つ返信される。したがって、ACK信号の数Rは天井関数|*|を用いて
R=|W/(MSS×2)|
により算出する(S11)。
ただし、端末局におけるACK信号の受信間隔はRTTによらず、セグメントの送信間隔と等しいため、RTTの間に受信するACK信号の最大数RMAX はRTTにより制限され、
MAX =|RTT/(Tpacket×2)|
packet=L/V
と表される。Tpacketは1パケットの送信に要する時間[s] 、Lはパケット長[bit] 、Vは回線割当速度[bps] を示す。
ACK信号の数Rが、ACK信号の最大数RMAX よりも大きくなる場合(S12:Yes )は、
R=RMAX =|RTT/(Tpacket×2)|
となる(S13)。
TCPウィンドウサイズWが増加するとき(S14:Yes )、TCPウィンドウサイズの予測値WRTT は、RTTの間に受信するACK信号の数Rとスロースタート区間の式
RTT =W+(MSS×R)
を用いて計算される(S15)。この予測値WRTT がスロースタート閾値Wthを上回った場合に輻輳回避区間に変わったと判断し(S16:Yes )、輻輳回避区間の式を用いて、
RTT =W+MSS(MSS/W)
をR回繰り返すことにより計算される(S17〜S20)。
ただし、TCPウィンドウサイズはRWINよりも大きな値にはならないため、算出した予測値WRTT がRWINよりも大きくなる場合は(S21:Yes )、
RTT =RWIN
とする(S22)。
また、TCPウィンドウサイズWが減少するとき(S14:No)、TCPウィンドウサイズの予測値WRTT は、輻輳回避区間の式を用いて
RTT =W−MSS(MSS/W)
をR回繰り返すことにより計算される(S23〜S26)。この予測値WRTT がスロースタート閾値Wthを下回った場合にスロースタート区間に変わったと判断し(S27:Yes )、スロースタート区間の式
RTT =W−(MSS×R)
を用いて予測値WRTT を再計算する(S28)。
以上のように、TCPウィンドウサイズWが更新された時刻のRTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT が決定する(S29)。
ここで、平均実測度を用いた従来法と、TCPウィンドウサイズの予測値WRTT とパケット量Tの比率α(T/W)を用いた発明技術について、割当回線速度と実速度の差分の絶対値を誤差としてプロットした結果を図9に示す。通信トラヒックはオフィス環境で実際に取得したものを用いており、RTTは 0.5sとした。図9に示すように、発明技術を用いることで割当回線速度と実速度の誤差が20%抑制されることがわかる。
なお、これらのシミュレーションはノード局のリソースとして周波数帯域を端末局に割り当てているが、周波数帯域の他、時間や符号、またはこれらを組み合わせたものを割り当てることも可能である。
また、ノード局を介した通信環境を構築してシミュレーションを実施したが、ノード局を介さず、端末局が回線割当装置と直接通信を行うことも可能である。
10 TCPヘッダ監視装置
11 データ入力部
12 TCPヘッダ取り出し部
13 TCPウィンドウサイズ保存部
14 パケット量算出部
15 TCPウィンドウサイズ比較部
16 比率算出部
17 制御回線送受信部
20 回線割当装置
21 制御回線送受信部
22 アクセス制御部
23 回線速度割当部
24 回線管理部
25 端末局管理部
26 パラメータ保存部

Claims (8)

  1. TCPを用いて通信を行う複数の端末局装置と、該端末局装置間の通信を中継するノード局装置と、該ノード局装置を介する該端末局装置間の通信に用いる割当回線速度に対応する通信回線を割り当てる回線割当装置とにより構成される通信システムにおいて、
    前記端末局装置と前記回線割当装置との間のラウンドトリップ時間をRTTとし、
    前記回線割当装置は、前記端末局装置でTCPウィンドウサイズWが更新された時刻から前記RTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出し、該予測値WRTT に該TCPウィンドウサイズWに対するパケット量Tの比率α(T/W)を乗算した値に基づいて、前記端末局装置に設定する前記割当回線速度を決定する構成である
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 請求項1に記載の通信システムにおいて、
    前記端末局装置に入力するデータからTCPヘッダを取り出し、前記TCPウィンドウサイズWが更新されたときに、その更新された時刻におけるTCPウィンドウサイズWとパケット量Tを取得して前記比率α(T/W)を算出し、該TCPウィンドウサイズWと該比率α(T/W)を前記回線割当装置に通知するTCPヘッダ監視装置を備えた
    ことを特徴とする通信システム。
  3. 請求項1に記載の通信システムにおいて、
    前記TCPウィンドウサイズWは、MSS(Maximum Segument Size) から、受信側が一度に受け取り可能な最大のデータサイズRWIN(Received Window size) まで規則的に変動し、RWINに達した以降は一定値で保たれるときに、
    前記TCPウィンドウサイズの予測値WRTT は、TCPウィンドウサイズWが増加するときに前記TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも小さいスロースタート区間であれば
    RTT =W+MSS
    に従って計算し、前記TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも大きい輻輳回避区間であれば
    RTT =W+MSS(MSS/W)
    に従って計算し、
    TCPウィンドウサイズWが減少するときにTCPウィンドウサイズWが前記スロースタート区間であれば
    RTT =W−MSS
    に従って計算し、前記TCPウィンドウサイズWが前記輻輳回避区間であれば
    RTT =W−MSS(MSS/W)
    に従って計算する
    ことを特徴とする通信システム。
  4. TCPを用いて通信を行う複数の端末局装置と、該端末局装置間の通信を中継するノード局装置と、該ノード局装置を介する該端末局装置間の通信に用いる割当回線速度に対応する通信回線を割り当てる回線割当装置とにより構成される通信システムの通信方法において、
    前記端末局装置と前記回線割当装置との間のラウンドトリップ時間をRTTとし、
    前記回線割当装置は、前記端末局装置でTCPウィンドウサイズWが更新された時刻から前記RTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出し、該予測値WRTT に該TCPウィンドウサイズWに対するパケット量Tの比率α(T/W)を乗算した値に基づいて、前記端末局装置に設定する前記割当回線速度を決定する
    ことを特徴とする通信方法。
  5. 請求項4に記載の通信方法において、
    前記TCPウィンドウサイズWは、MSS(Maximum Segument Size) から、受信側が一度に受け取り可能な最大のデータサイズRWIN(Received Window size) まで規則的に変動し、RWINに達した以降は一定値で保たれるときに、
    前記TCPウィンドウサイズの予測値WRTT は、TCPウィンドウサイズWが増加するときに前記TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも小さいスロースタート区間であれば
    RTT =W+MSS
    に従って計算し、前記TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも大きい輻輳回避区間であれば
    RTT =W+MSS(MSS/W)
    に従って計算し、
    TCPウィンドウサイズWが減少するときにTCPウィンドウサイズWが前記スロースタート区間であれば
    RTT =W−MSS
    に従って計算し、前記TCPウィンドウサイズWが前記輻輳回避区間であれば
    RTT =W−MSS(MSS/W)
    に従って計算する
    ことを特徴とする通信方法。
  6. 請求項1に記載の通信システムで前記TCPヘッダを監視するTCPヘッダ監視装置において、
    前記端末局装置に入力するデータからTCPヘッダを取り出し、前記TCPウィンドウサイズWが更新されたときに、その更新された時刻におけるTCPウィンドウサイズWとパケット量Tを取得し、前記比率α(T/W)を算出する手段と、
    前記TCPウィンドウサイズWと前記比率α(T/W)を前記回線割当装置に通知する手段と
    を備えたことを特徴とするTCPヘッダ監視装置。
  7. 請求項1に記載の通信システムの回線割当装置において、
    前記端末局装置でTCPウィンドウサイズWが更新された時刻から前記RTT後のTCPウィンドウサイズの予測値WRTT を算出し、該予測値WRTT に該TCPウィンドウサイズWに対するパケット量Tの比率α(T/W)を乗算した値に基づいて、前記端末局装置に設定する前記割当回線速度を決定し、前記端末局装置に通知する
    ことを特徴とする回線割当装置。
  8. 請求項7に記載の回線割当装置において、
    前記TCPウィンドウサイズWは、MSS(Maximum Segument Size) から、受信側が一度に受け取り可能な最大のデータサイズRWIN(Received Window size) まで規則的に変動し、RWINに達した以降は一定値で保たれるときに、
    前記TCPウィンドウサイズの予測値WRTT は、TCPウィンドウサイズWが増加するときに前記TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも小さいスロースタート区間であれば
    RTT =W+MSS
    に従って計算し、前記TCPウィンドウサイズWがスロースタート閾値Wthよりも大きい輻輳回避区間であれば
    RTT =W+MSS(MSS/W)
    に従って計算し、
    TCPウィンドウサイズWが減少するときにTCPウィンドウサイズWが前記スロースタート区間であれば
    RTT =W−MSS
    に従って計算し、前記TCPウィンドウサイズWが前記輻輳回避区間であれば
    RTT =W−MSS(MSS/W)
    に従って計算する
    ことを特徴とする回線割当装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017029231A (ja) * 2015-07-29 2017-02-09 京楽産業.株式会社 遊技機
JP2018078400A (ja) * 2016-11-08 2018-05-17 日本電気株式会社 無線リソース割り当て装置、無線リソース割り当て方法、及び、無線リソース割り当てプログラム

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