JP2016020495A - 接着剤用ポリイミド樹脂 - Google Patents
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Abstract
Description
前記芳香族テトラカルボン酸無水物が、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を含み、
前記ジアミン成分が、ダイマー酸から誘導される脂肪族ジアミンを含むことを特徴とする。
架橋ポリイミド樹脂は、(A)ケトン基を有するポリイミド樹脂、及び(B)少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物、を反応させて得られる架橋ポリイミド樹脂である。(A)成分は、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、脂肪族ジアミンを含むジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド樹脂である。このポリイミド樹脂におけるケトン基は、前記酸無水物成分と前記ジアミン成分のどちらか片方、あるいは両方に由来するものである。そして、ポリイミド樹脂におけるケトン基に、前記(B)成分のアミノ基が反応してC=N結合を形成していることにより、ポリイミド樹脂がアミノ化合物によって架橋された構造を有している。
架橋ポリイミド樹脂に用いる(A)成分のケトン基を有するポリイミド樹脂は、具体的には、例えば下記一般式(1)及び(2)で表される構成単位を有するポリイミド樹脂を挙げることができる。
上記(A)成分のケトン基を有するポリイミド樹脂は、上記芳香族テトラカルボン酸無水物、脂肪族ジアミン及び芳香族ジアミン(必要な場合)を溶媒中で反応させ、前駆体樹脂であるポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、酸無水物成分とジアミン成分をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリドン、2−ブタノン、ジメチルスホキシド、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。
上記(B)成分の少なくとも2つの第1級のアミノ基を官能基として有するアミノ化合物としては、(I)ジヒドラジド化合物、(II)芳香族ジアミン、(III)脂肪族アミン等を例示することができる。
ジヒドラジド化合物としては、下記一般式(4)で表されるものを挙げることができる。
芳香族ジアミンとしては、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2’−メトキシ−4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ビスアニリンフルオレン等が好ましく挙げられる。さらに、芳香族ジアミンの他の例として、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1−(3−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4’−(4−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、ビス[4,4’−(3−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレンジ−o−トルイジン、4,4’−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4’−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4'’−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3'’−ジアミノ−p−テルフェニル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、ピペラジン等を挙げることができる。以上の芳香族ジアミンは、単独でもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
脂肪族アミンとしては、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン等のジアミノアルカン類、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、ジエチレントリアミン、N−メチル−2,2’−ジアミノジエチルアミン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン等の窒素原子を含有するアミン類、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン等の酸素原子を含有するアミン類、2,2’−チオビス(エチルアミン)等の硫黄原子を有するアミン類等を挙げることができる。以上の脂肪族アミンは、単独でもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
架橋ポリイミド樹脂は、上記(A)成分のケトン基を有するポリイミド樹脂を含む樹脂溶液に、(B)成分の少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物を加えて、ポリイミド樹脂中のケトン基とアミノ化合物の第1級アミノ基とを縮合反応させることにより製造される。この縮合反応により、樹脂溶液(接着剤樹脂組成物)は硬化して硬化物となる。この場合、アミノ化合物の添加量は、ケトン基1モルに対し、第1級アミノ基が合計で0.004モル〜1.5モル、好ましくは0.005モル〜1.2モル、より好ましくは0.03モル〜0.9モル、最も好ましくは0.04モル〜0.5モルとなるようにアミノ化合物を添加することができる。ケトン基1モルに対して第1級アミノ基が合計で0.004モル未満となるようなアミノ化合物の添加量では、アミノ化合物によるポリイミド樹脂の架橋が十分ではないため、ポリイミド樹脂を含む接着剤樹脂組成物を硬化させた後の硬化物において半田耐熱性が発現しにくい傾向となり、アミノ化合物の添加量が1.5モルを超えると未反応のアミノ化合物が熱可塑剤として作用し、同硬化物において半田耐熱性を低下させたり、高温での長期耐熱性を低下させたりする傾向がある。
(a)ポリイミド樹脂の合成(イミド化)に引き続き、アミノ化合物を添加して加熱すること、
(b)ジアミン成分として予め過剰量のアミノ化合物を仕込んでおき、ポリイミド樹脂の合成(イミド化)に引き続き、イミド化(若しくはアミド化)に関与しない残りのアミノ化合物とともにポリイミド樹脂を加熱すること、又は、
(c)アミノ化合物を添加したポリイミド樹脂の組成物を所定の形状に加工した後(例えば任意の基材に塗布した後やフィルム状に形成した後)に加熱すること、
等によって行うことができる。
架橋ポリイミド樹脂は、任意の(C)成分として、平均粒径が2〜25μmの範囲内の板状の無機フィラーを含有することができる。(C)成分の無機フィラーを配合することによって、架橋ポリイミド樹脂を例えばカバーレイフィルムの接着剤層に利用する場合に、ガスバリア性を有する無機フィラーにより、大気中の酸素の透過が遮断される結果、銅配線の酸化と銅の拡散が抑制されて長期耐熱性を向上させることができる。
架橋ポリイミド樹脂おいて、上記(A)成分のポリイミド樹脂のケトン基と(B)成分のアミノ化合物の第1級アミノ基との反応は、脱水縮合反応である。つまり、ポリイミド樹脂中のケトン基の炭素原子と第1級アミノ基の窒素原子がC=N結合を形成する結果、鎖状のポリイミド樹脂がアミノ化合物によって架橋されて網目状の高分子を形成するものと考えられる。ポリイミド樹脂は分子間相互作用を生じにくいため、ポリイミド樹脂の配向制御は困難であるが、このような架橋構造が生じると、ポリイミド樹脂における見かけ上の高分子量化のみならず、ポリイミド樹脂の分子同士をある程度拘束することが可能になるので、ポリイミド樹脂の耐熱性が向上し、極めて優れた半田耐熱性が得られると考えられる。また、C=N結合における窒素原子近傍が立体的に嵩高くなることにより、ポリイミド樹脂に含まれる極性基の銅原子の求核能を低下させることによって、銅配線からの銅の接着剤層への拡散を抑制することができ、高温環境での使用における接着強度の低下を抑制する効果が得られるものと考えられる。このような理由により、アミノ化合物は、少なくとも2つのアミノ基を有する必要があり、アミノ基の数は好ましくは2〜5、より好ましくは2〜3である。また、アミノ基を3つ以上有するアミノ化合物では、2つのアミノ基がC=N結合を形成した後の架橋構造体が立体的に嵩高くなるために、残りの未反応のアミノ基がケトン基と反応しにくくなることから、アミノ基の数は2であることが特に好ましい。さらに、上記のとおり接着剤樹脂組成物の硬化時間を短縮するという観点では、アミノ化合物としてジヒドラジド化合物を用いることが最も好ましい。
接着剤樹脂組成物は、ケトン基を有するポリイミド樹脂[(A)成分]と、少なくとも2つの第1級のアミノ基を官能基として有するアミノ化合物[(B)成分]と、を必須成分として含有する。この接着剤樹脂組成物は、(A)成分及び(B)成分を混合もしくは混練させることにより、並びに/または(A)成分及び(B)成分を含有した状態で加熱することにより、前記ポリイミド樹脂のケトン基とアミノ化合物の第1級のアミノ基とが縮合反応してC=N結合を形成する性質を有する。すなわち、ポリイミド樹脂とアミノ化合物との縮合反応によって硬化物である架橋ポリイミド樹脂に変化する。接着剤樹脂組成物において、(A)成分の重量平均分子量は10,000〜200,000が好ましく、20,000〜150,000がより好ましい。(A)成分の重量平均分子量が10,000未満であると、接着剤樹脂組成物を溶液にした場合の流動性の制御が困難になり、また硬化物の耐熱性の低下が生じる傾向になる。一方、重量平均分子量が200,000を超えると、溶剤への可溶性を損なう傾向になる。
カバーレイフィルムは、カバーレイフィルム材と、該カバーレイフィルム材に積層された、上記接着剤樹脂組成物により構成される接着剤層とを備えている。カバーレイフィルムにおけるカバーレイ用フィルム材としては、限定する趣旨ではないが、例えばポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等のポリイミド系樹脂フィルムや、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルムなどを用いることができる。これらの中でも、優れた耐熱性を持つポリイミド系樹脂フィルムを用いることが好ましい。カバーレイ用フィルム材層の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば5μm以上100μm以下が好ましい。また、接着剤層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば10μm以上50μm以下が好ましい。
回路基板は、以上のようにして得られるカバーレイフィルムやボンディングシートを備えている限り、その構成に特に制限はない。例えば、回路基板の好ましい形態は、少なくとも、基材と、基材上に所定のパターンで形成された銅などの金属からなる配線層と、該配線層を覆うカバーレイフィルムとを備えている。回路基板の基材としては、特に限定する趣旨ではないが、FPCの場合は、上記カバーレイ用フィルム材と同様の材質を用いることが好ましく、ポリイミド系樹脂製の基材を用いることが好ましい。
接着強度は、幅10mm、長さ100mmに切り出した試験片の接着剤面を銅箔(35μm厚み)の光沢面(防錆金属を除去したもの)の上に置き、温度170℃、圧力1MPa、時間1分の条件でプレスし、その後オーブンにて温度150℃、時間6時間の条件で加熱(但し、参考例7については、温度170℃、圧力1MPa、時間1分の条件でプレスし、その後オーブンにて温度150℃、時間24時間の条件で加熱)した後、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−M1)を用いて、180°方向に50mm/分の速度で引き剥がす時の力を接着強度とする。
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー株式会社製、HLC−8220GPCを使用)により測定した。標準物質としてポリスチレンを用い、展開溶媒にテトラヒドロフランを用いた。
反りの評価は、以下の方法で行った。厚さ25μmのカプトンフィルム上に乾燥後の厚さが35μmになるようにポリイミド接着剤を塗布した。この状態でカプトンフィルムが下面になるように置き、フィルムの4隅の反り上がっている高さの平均を測定し、5mm以下を「良」、5mmを超える場合を「不可」とした。
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸無水物(別名;5,5’−オキシビス−1,3−イソベンゾフランジオン)
BAPP:2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン
BAFL:ビスアニリンフルオレン
DDA:炭素数36の脂肪族ジアミン(クローダジャパン株式会社製、商品名;PRIAMINE1074、アミン価;205mgKOH/g、環状構造及び鎖状構造のダイマージアミンの混合物、ダイマー成分の含有量;95重量%以上)
N−12:ドデカン二酸ジヒドラジド
ADH:アジピン酸ジヒドラジド
K−1:タルク(日本タルク株式会社製、商品名;MICRO ACE K−1、形状;鱗片状、平均長径;7.0μm、平均短径;5.8μm、長径と厚みとの比;15以上、平均粒子径;6.6μm、メジアン径(D50);6.9μm、最大粒子径;64.9μm、最小粒子径;0.5μm、最頻径;8.7μm、粒径10μm以下の積算粒子量;77%、粒径20μm以上の積算粒子量;5%)
3000mlのセパラブルフラスコに、111.96gのBTDA(0.347モル)、188.04gのDDA(0.347モル)、420gのN−メチル−2−ピロリドン及び280gのキシレンを装入し、40℃で1時間良く混合して、ポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液を190℃に昇温し、4時間加熱、攪拌し、80gのN−メチル−2−ピロリドン及び200gのキシレンを加えてイミド化を完結したポリイミド溶液aを得た。得られたポリイミド溶液aにおける固形分は29.5重量%であり、ポリイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は75,700であった。
3000mlのセパラブルフラスコに、105.66gのBPDA(0.359モル)、194.34gのDDA(0.359モル)、420gのN−メチル−2−ピロリドン及び280gのキシレンを装入し、40℃で1時間良く混合して、ポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液を190℃に昇温し、4時間加熱、攪拌し、80gのN−メチル−2−ピロリドン及び200gのキシレンを加えてイミド化を完結したポリイミド溶液bを得た。得られたポリイミド溶液bにおける固形分は29.5重量%であり、ポリイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は60,100であった。
3000mlのセパラブルフラスコに、63.51gのBTDA(0.197モル)、61.14gのODPA(0.197モル)、106.66gのDDA(0.197モル)、68.67gのBAFL(0.197モル)、420gのN−メチル−2−ピロリドン及び280gのキシレンを装入し、40℃で1時間良く混合して、ポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液を190℃に昇温し、4時間加熱、攪拌し、80gのN−メチル−2−ピロリドン及び200gのキシレンを加えてイミド化を完結したポリイミド溶液cを得た。得られたポリイミド溶液cにおける固形分は29.5重量%であり、ポリイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は68,600であった。
実施例1で得られたポリイミド溶液aの169.49g(固形分として50g)に3.5gのN−12(0.014モル)及び25gのK−1を配合し、20.07gのN−メチル−2−ピロリドンを加えて希釈し、更に1時間攪拌することでポリイミド溶液1を得た。
参考例1における25gのK−1を配合したことの代わりに、K−1を配合しなかったこと以外は、参考例1と同様にして、ポリイミド溶液2を得たのち、カバーレイフィルム2を得、評価サンプル2を得た。硬化後の銅箔との接着強度は1.8kN/mであった。また、カバーレイフィルムの反りも問題なかった。
参考例1における3.5gのN−12を配合したことの代わりに、2.0gのN−12(0.008モル)を配合したこと以外は、参考例1と同様にして、ポリイミド溶液3を得たのち、カバーレイフィルム3を得、評価サンプル3を得た。硬化後の銅箔との接着強度は1.4kN/mであった。また、カバーレイフィルムの反りも問題なかった。
参考例1における3.5gのN−12を配合したことの代わりに、1.0gのN−12(0.004モル)を配合したこと以外は、参考例1と同様にして、ポリイミド溶液4を得たのち、カバーレイフィルム4を得、評価サンプル4を得た。硬化後の銅箔との接着強度は1.5kN/mであった。また、カバーレイフィルムの反りも問題なかった。
参考例1における3.5gのN−12を配合したことの代わりに、5.0gのN−12(0.019モル)を配合したこと以外は、参考例1と同様にして、ポリイミド溶液5を得たのち、カバーレイフィルム5を得、評価サンプル5を得た。硬化後の銅箔との接着強度は1.4kN/mであった。また、カバーレイフィルムの反りも問題なかった。
参考例1におけるポリイミド樹脂aの代わりに、実施例3で得られたポリイミド樹脂cを使用したこと、及び3.5gのN−12を配合したことの代わりに、0.9gのN−12(0.003モル)を配合したこと以外は、参考例1と同様にして、ポリイミド溶液6を得たのち、カバーレイフィルム6を得、評価サンプル6を得た。硬化後の銅箔との接着強度は1.0kN/mであった。また、カバーレイフィルムの反りも問題なかった。
参考例1における3.5gのN−12を配合したことの代わりに、5.0gのBAPP(0.012モル)を配合したこと以外は、参考例1と同様にして、ポリイミド溶液7を得た。カバーレイフィルム7を得た。このカバーレイフィルム7を表面の防錆金属層を除去した銅箔上に置き、温度170℃、圧力1MPa、時間1分の条件でプレスし、その後オーブンにて温度150℃、時間24時間の条件で加熱し、評価サンプル7を得た。硬化後の銅箔との接着強度は1.3kN/mであった。また、カバーレイフィルムの反りも問題なかった。
参考例1における3.5gのN−12を配合したことの代わりに、N−12を配合しなかったこと以外は、参考例1と同様にして、ポリイミド溶液を得たのち、カバーレイフィルムを得、評価サンプルを得た。この評価サンプルについて、参考例1と同様にして評価した。
参考例1におけるポリイミド溶液aの代わりに、実施例2で得られたポリイミド溶液bを使用したこと、及び3.5gのN−12を配合したことの代わりに、N−12を配合しなかったこと以外は、参考例1と同様にして、ポリイミド溶液を得たのち、カバーレイフィルムを得、評価サンプルを得た。この評価サンプルについて、参考例1と同様にして評価した。
参考例1におけるポリイミド溶液aの代わりに、実施例2で得られたポリイミド溶液bを使用したこと以外は、参考例1と同様にして、ポリイミド溶液を得たのち、カバーレイフィルムを得、評価サンプルを得た。この評価サンプルについて、参考例1と同様にして評価した。
Claims (5)
- 芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、ジアミン成分と、を反応させて得られる接着剤用ポリイミド樹脂であって、
前記芳香族テトラカルボン酸無水物が、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を含み、
前記ジアミン成分が、ダイマー酸から誘導される脂肪族ジアミンを含むことを特徴とする接着剤用ポリイミド樹脂。 - 前記ダイマー酸から誘導される脂肪族ジアミンが、炭素数24〜48の範囲内にある脂肪族ジアミンである請求項1に記載の接着剤用ポリイミド樹脂。
- 前記芳香族ジアミンが、4,4’―ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、及び、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項3に記載の接着剤用ポリイミド樹脂。
- 原料としてシロキサン化合物を含まない請求項1から4のいずれか1項に記載の接着剤用ポリイミド樹脂。
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