JP2016020323A - 神経再生足場材料用組成物 - Google Patents

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圭 安藤
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史郎 今釜
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Zenya Ito
全哉 伊藤
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康弘 横山
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秀典 横井
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祐介 永井
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Abstract

【課題】より生体安全性が高く、脊髄等の中枢神経をも再生可能な神経再生足場材料を提供すること。【解決手段】本発明の神経再生足場材料は、自己組織化ペプチドを含み、該自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸残基の中性領域における電荷の総和が0を超えて+5以下である【選択図】なし

Description

本発明は、神経再生足場材料用組成物に関する。より詳細には、自己組織化ペプチドを含む神経再生足場材料用組成物に関する。
日本では、毎年5000人以上の患者が脊髄損傷を来たしており、麻痺を抱えたままの生活を余儀なくされている。麻痺による肉体的、精神的、経済的負担による影響は、個人だけではなく、社会に極めて大きいものである。近年、損傷神経を再生する様々な試みが提案されている(特許文献1および特許文献2)。例えば、ES細胞やIPS細胞を含む神経幹細胞、骨髄幹細胞、シュワン細胞、歯髄幹細胞治療では、神経栄養因子、および、神経再生抑制因子阻害剤を併用することが神経再生に有効であることが明らかとなっている。そのため、脊髄損傷後の再生医療にこれらを適用することへの期待が高まっている。
しかしながら、中枢神経の再生には様々な阻害要因が存在するため、神経再生の際に効果的に軸索伸長を行うことが困難である。例えば、脊髄の損傷部位周辺では、神経修復の結果としてグリア瘢痕が形成され、これにより物理的に軸索伸長が阻害されると考えられる。さらに、脳や脊髄等の白質にはそもそもミエリン関連糖タンパク(MAG)やNogo−A等の軸索伸長を阻害する物質が存在することに加え、損傷部周辺ではNG2等のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンや、テネイシン等の阻害因子が存在することが確認されている。このような、阻害要因を抑制することができ、中枢神経をも効果的に再生可能な神経再生足場材料が求められている。
特表2011−512322号公報 特表2013−533093号公報
本発明は、より生体安全性が高く、脊髄等の中枢神経をも再生可能な神経再生足場材料用組成物および該組成物を用いた神経再生足場材料を提供することを目的とする。
本発明によれば、神経再生足場材料用組成物が提供される。本発明の神経再生足場材料用組成物は、自己組織化ペプチドを含み、該自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸残基の中性領域における電荷の総和が0を超えて+5以下である。
1つの実施形態において、上記自己組織化ペプチドは、下記のアミノ酸配列からなる自己組織化ペプチドである。
アミノ酸配列:adb
(該アミノ酸配列中、a〜aは、塩基性アミノ酸残基であり;b〜bは、非電荷極性アミノ酸残基および/または疎水性アミノ酸残基であり、ただし、そのうちの少なくとも5個は、疎水性アミノ酸残基であり;cおよびcは、酸性アミノ酸残基であり;dは、疎水性アミノ酸残基である。)
1つの実施形態において、上記神経再生足場材料用組成物は神経栄養因子をさらに含む。
1つの実施形態において、上記神経再生足場材料用組成物は神経再生抑制因子阻害剤をさらに含む。
本発明の別の局面によれば、神経再生足場材料が提供される。本発明の神経再生足場材料は、上記神経再生足場材料用組成物を含む。
本発明によればより生体安全性が高く、脊髄等の中枢神経をも再生可能な神経再生足場材料用組成物が提供される。本発明の神経再生足場材料用組成物は、中性領域、すなわち生体内に近いpH条件(pH7.0付近)において、神経再生足場材料用組成物に含まれる自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸残基の中性領域における電荷の総和が0を超えて+5以下である。これにより、本発明の神経再生足場材料は、生体内環境で十分な強度および細胞接着性を発揮することができる。そのため、高い生体安全性の確保と、効果的な神経再生とを両立することができる。
中枢神経系では様々な軸索伸長の阻害要因が働くため、効果的な神経再生が困難である。しかしながら、本発明の神経再生足場材料によれば、阻害要因を抑制するための添加剤を含まない場合であっても、中枢神経系における軸索伸長の阻害要因の働きを抑制し、効果的な軸索伸長を行うことができる。具体的には、本発明の神経再生足場材料は、グリア瘢痕の形成自体を抑制することができ、神経再生を促進することができる。また、神経成長因子であるNGFは炎症にも関連することが知られている。本発明の神経再生足場材料は、炎症を抑制することも可能であり、脊髄損傷後の複雑な回復過程において、抗炎症作用をも発揮し得る。
細胞培養試験における2日後および7日後のBNDF、NGF、および、TrkAの発現量を示すグラフである。 細胞培養試験における2日後および7日後のMMP−3、および、MMP−9の発現量を示すグラフである。 マウス投与試験における7日後、14日後、および、28日後のNT−3、GDNF、TrkC、および、p75の発現量を示すグラフである。 マウス投与試験における7日後、14日後、および、28日後のMMP−2、MMP−3、MMP−9の発現量を示すグラフである。 マウス投与試験における投与14日後の脊髄組織のHE染色写真である。 マウス投与試験における投与28日後の脊髄組織のHE染色写真である。 マウス投与試験における投与14日後および28日後の脊髄組織のCollagen type4染色写真である。 マウス投与試験における投与14日後および28日後の脊髄組織のIba1染色写真である。 マウス投与試験における投与14日後および28日後の脊髄組織のGFAP染色写真である。
[A.神経再生足場材料用組成物]
本発明の神経再生足場材料用組成物は、自己組織化ペプチドを含む。本発明の神経再生足場材料用組成物に含まれる自己組織化ペプチドは、該自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸残基の中性領域における電荷の総和が0を超えて+5以下であり、好ましくは+1〜+3である。自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸残基の中性領域における電荷が上記の範囲内であることにより、生体内環境で十分な強度および細胞接着性を発揮することができ、より生体安全性が高く、より効率的に神経再生が可能な神経再生足場材料用組成物とすることができる。中性領域において自己組織化ペプチドに含まれるアミノ酸残基の側鎖に由来するプラス電荷とマイナス電荷とが相殺されないことにより、ゲル形成に適した静電的引力及び斥力のバランスが保たれ、その結果として、中性領域で透明かつ安定なゲルを形成し得るからである。上記自己組織化ペプチドの電荷は、例えば、レーニンジャー(Lehninger)〔Biochimie、1979〕の方法に従って算出され得る。レーニンジャーの方法は、例えば、EMBL WWW Gateway to Isoelectric Point Serviceのウェブサイト(http://www.embl−heidelberg.de/cgi/pi−wrapper.pl)上で利用可能なプログラムにより行なわれ得る。なお、本明細書において、「中性領域」とは、pH5.0〜8.0、好ましくはpH5.5〜7.5、より好ましくはpH6.0〜7.0、さらに好ましくはpH7.0の領域をいう。
[A−1.自己組織化ペプチド]
自己組織化ペプチドとしては、水溶液中においてペプチド分子同士の相互作用を介して自発的に集合してゲルを形成し得る任意の適切なペプチドが用いられ得る。より具体的には、水溶液中においてペプチド分子同士の相互作用を介して自発的に集合して繊維状分子集合体を形成し、当該分子集合体間の相互作用により三次元網目構造を発達させてゲルを形成し得るペプチドが好ましく用いられ得る。ペプチド分子同士の相互作用としては、例えば、水素結合、イオン間相互作用、ファンデルワールス力等の静電的相互作用および疎水性相互作用が挙げられる。
自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸は、L−アミノ酸であってもよく、D−アミノ酸であってもよい。好ましくはL−アミノ酸である。また、天然アミノ酸であってもよく、非天然アミノ酸であってもよい。低価格で入手可能であり、ペプチド合成が容易であることから、好ましくは天然アミノ酸である。
本発明に好ましく使用され得る自己組織化ペプチドの具体例としては、下記の式(I)のアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。
db(I)
(上記アミノ酸配列中、a〜aは、塩基性アミノ酸残基であり;b〜bは、非電荷極性アミノ酸残基および/または疎水性アミノ酸残基であり、ただし、そのうちの少なくとも5個は、疎水性アミノ酸残基であり;cおよびcは、酸性アミノ酸残基であり;dは、疎水性アミノ酸残基である。)
上記アミノ酸配列中、a〜aは、塩基性アミノ酸残基である。塩基性アミノ酸は、好ましくはアルギニン、リシン、またはヒスチジンであり、より好ましくはアルギニンまたはリシンである。これらのアミノ酸は、塩基性が強いからである。a〜aは、同一のアミノ酸残基であってもよく、異なるアミノ酸残基であってもよい。
上記アミノ酸配列中、b〜bは、非電荷極性アミノ酸残基および/または疎水性アミノ酸残基であり、そのうちの少なくとも5個は、疎水性アミノ酸残基である。疎水性アミノ酸は、好ましくはアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、グリシン、またはプロリンである。非電荷極性アミノ酸は、好ましくはチロシン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、またはシステインである。これらのアミノ酸は、入手が容易だからである。
好ましくは、bおよびbは、それぞれ独立して任意の適切な疎水性アミノ酸残基であり、さらに好ましくはロイシン残基、アラニン残基、バリン残基、またはイソロイシン残基であり、特に好ましくはロイシン残基またはアラニン残基である。
好ましくは、b〜bはすべて疎水性アミノ酸残基である。自己組織化ペプチドが好適にβシート構造を形成し、自己組織化し得るからである。より好ましくは、b〜bは、それぞれ独立してロイシン残基、アラニン残基、バリン残基、またはイソロイシン残基であり、さらに好ましくはロイシン残基またはアラニン残基である。好ましい実施形態においては、b〜bのうちの4個以上がロイシン残基であり、より好ましくはそのうちの5個以上がロイシン残基であり、さらに好ましくは全てがロイシン残基である。
上記アミノ酸配列中、cおよびcは、酸性アミノ酸残基である。酸性アミノ酸は、好ましくはアスパラギン酸またはグルタミン酸である。これらのアミノ酸は、入手が容易だからである。cおよびcは、同一のアミノ酸残基であってもよく、異なるアミノ酸残基であってもよい。
上記アミノ酸配列中、dは、疎水性アミノ酸残基である。dは、好ましくはアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、またはイソロイシン残基である。
1つの好ましい実施形態においては、b、d、bの連続する3つのアミノ酸残基のうち2つがロイシン残基であり、残りがアラニン残基である。この場合、b、d、bのいずれがアラニン残基であってもよい。また、別の好ましい実施形態においては、b、d、bの連続する3つのアミノ酸残基がすべてロイシン残基である。
式(I)のアミノ酸配列の好ましい具体例を以下に例示する。
n−RLDLRLALRLDLR−c(配列番号1)
n−RLDLRLLLRLDLR−c(配列番号2)
n−RADLRLALRLDLR−c(配列番号3)
n−RLDLRLALRLDAR−c(配列番号4)
n−RADLRLLLRLDLR−c(配列番号5)
n−RADLRLLLRLDAR−c(配列番号6)
n−RLDLRALLRLDLR−c(配列番号7)
n−RLDLRLLARLDLR−c(配列番号8)
本発明に好ましく使用され得る別の自己組織化ペプチドとしては、WO2007/000979に記載のペプチド、すなわち、極性アミノ酸残基と非極性アミノ酸残基(疎水性アミノ酸残基)とを有する自己組織化ペプチドであって、該極性アミノ酸残基として酸性アミノ酸残基及び塩基性アミノ酸残基を含み、中性領域において、該酸性アミノ酸残基の電荷と該塩基性アミノ酸残基の電荷との総和が0を除く数であり、水溶液中において自己組織化した際に該非極性アミノ酸残基のみが一方の面に配置されたβ−シート構造を形成しうる自己組織化ペプチドが挙げられる。
上記自己組織化ペプチドのなかでも、極性アミノ酸として、酸性アミノ酸残基と塩基性アミノ酸残基と非電荷極性アミノ酸とを含むペプチドが好ましい。係る自己組織化ペプチドの好ましい具体例を以下に例示する。
n−RASARADARASARADA−c(配列番号9)
n−RANARADARANARADA−c(配列番号10)
n−RAAARADARAAARADA−c(配列番号11)
n−RASARADARADARASA−c(配列番号12)
n−RADARASARASARADA−c(配列番号13)
n−RASARASARASARADA−c(配列番号14)
n−RASARADARASA−c (配列番号15)
n−KASAKAEAKASAKAEA−c(配列番号16)
n−SAEAKAEASAEAKAEA−c(配列番号17)
n−KLSLKLDLKLSL−c (配列番号18)
n−KLALKLDLKLAL−c (配列番号19)
上記自己組織化ペプチドは、任意の適切な製造方法によって製造され得る。例えば、Fmoc法等の固相法又は液相法等の化学合成方法、遺伝子組換え発現等の分子生物学的方法が挙げられる。
上記自己組織化ペプチドは、目的等に応じて任意の適切な修飾が施されていてもよい。修飾が行われる部位は、特に限定されず、例えば、自己組織化ペプチドのN末端アミノ基、C末端カルボキシル基、またはその両方が挙げられる。
上記修飾としては、修飾後のペプチドが自己組織化能を有する範囲において任意の適切な修飾が選択され得る。例えば、N末端アミノ基のアセチル化、C末端カルボキシル基のアミド化等の保護基の導入;アルキル化、エステル化、またはハロゲン化等の官能基の導入;水素添加;単糖、二糖、オリゴ糖、または多糖等の糖化合物の導入;脂肪酸、リン脂質、または糖脂質等の脂質化合物の導入;アミノ酸またはタンパク質の導入;DNAの導入;その他生理活性を有する化合物等の導入が挙げられる。修飾は1種のみ行われてもよく、2種以上を組み合わせて行ってもよい。例えば、上記自己組織化ペプチドのC末端に所望のアミノ酸を導入した付加ペプチドのN末端をアセチル化し、C末端をアミド化してもよい。
アミノ酸またはタンパク質が導入される場合、導入されるアミノ酸の数は、好ましくは1〜180であり、より好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜30、特に好ましくは1〜10、最も好ましくは1〜5である。導入するアミノ酸残基数が180を超えると、自己組織化能が損なわれる場合がある。
本発明の神経再生足場材料用組成物は、1種類のみの自己組織化ペプチドを含んでもよく、2種以上の自己組織化ペプチドを含んでもよい。
本発明の神経再生足場材料用組成物における自己組織化ペプチドの濃度は、組成、用途等に応じて適切に設定され得る。自己組織化ペプチドの濃度は、好ましくは0.1重量%〜5.0重量%、より好ましくは0.1重量%〜1.5重量%、さらに好ましくは0.2重量%〜1.0重量%である。上記範囲の濃度であれば、本発明の効果が好適に得られ得る。
本発明の神経再生足場材料用組成物は、さらに水を含むことが好ましい。本発明の神経再生足場材料用組成物がさらに水を含むことにより、自己組織化ペプチドをゲル化し、所望の強度および硬さを有する神経再生足場材料を提供することができる。水としては、イオン交換水、蒸留水等の精製された水が好ましく用いられ得る。
本発明の神経再生足場材料用組成物の含水率(%)(=神経再生足場材料用組成物中の水の重量/神経再生足場材料用組成物の総重量×100)は、例えば、80%〜99.9%、好ましくは85%〜99.8%であり得る。
[A−2.神経栄養因子]
本発明の神経再生足場材料用組成物は、神経栄養因子をさらに含むことが好ましい。本発明の神経再生足場材料用組成物は、神経栄養因子を含まない場合であっても優れた神経再生効果を発揮し得るが、神経栄養因子を併用することにより、神経再生をさらに促進し得る。本発明の神経再生足場材料用組成物が含み得る神経栄養因子としては、任意の適切な神経栄養因子が挙げられる。具体的には、神経成長因子(Nerve Growth Factor:NGF)、脳由来神経栄養因子(Brain Derived Neurotrophic Growth Factor:BDNF)、グリア細胞由来神経栄養因子(Glial−Cell Derived Neurotrophic Factor:GDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、ニューロトロフィン−3(NT−4)等が挙げられる。これらの神経栄養因子は1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。神経栄養因子は、任意の適切な組織から、分離・精製したものを用いてもよく、市販のものを用いてもよい。また、神経栄養因子自体に代えて、後述する神経栄養因子を産生し得る細胞を用いてもよい。
本発明の神経再生足場材料用組成物における神経栄養因子の濃度は、通常0.001ppm〜1000ppm、好ましくは0.01ppm〜500ppmである。当該濃度範囲であれば、神経栄養因子の作用が好適に発揮されて、神経再生が促進され得る。
[A−3.神経再生抑制因子阻害剤]
本発明の神経再生足場材料用組成物は、神経再生抑制因子阻害剤をさらに含むことが好ましい。神経再生抑制因子阻害剤をさらに含むことにより、本発明の神経再生足場材料用組成物による神経再生がさらに促進され得る。神経再生抑制因子としては、例えば、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンであるNG2、フォスファカン、ニューロカン、テネイシン、セマフォリン、Ephとephrin等が知られている。これらの神経再生抑制因子、および、その受容体の阻害剤をさらに含むことにより、より効率よく、神経を再生することができる。阻害剤としては、例えば、Rhoキナーゼ阻害剤、コンドロイチナーゼABC、ケラタナーゼ等が挙げられる。神経再生因子阻害剤は1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の神経再生足場材料用組成物における神経再生抑制因子阻害剤の濃度は、通常0.001ppm〜1000ppm、好ましくは0.01ppm〜500ppmである。当該濃度範囲であれば、神経再生抑制因子の作用を適切に阻害することができ、神経再生が促進され得る。
[A−4.細胞]
本発明の神経再生足場材料用組成物は、任意の適切な細胞をさらに含んでいてもよい。具体的には、グレア細胞、シュワン細胞、角化細胞、線維芽細胞等の神経栄養因子を産生し得る細胞、ES細胞、iPS細胞等の万能細胞等が挙げられる。細胞としては、神経栄養因子を産生し得る細胞が好ましい。これらの細胞は、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、それを継代培養したものでもよく、あるいは、それらを保存(凍結保存、低温保存)したものでもよい。細胞はまた、神経再生足場材料用組成物の中で所定期間培養されていてもよく、培養期間中に他の細胞への分化あるいは脱分化がおこなわれたものでもよい。培養期間は、投与対象、細胞の種類等によって異なるが、例えば、1日〜20日程度であり得る。
細胞の由来は、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、ブタ、ヒツジ、サル等であり得る。
[A−5.他の添加物]
本発明の神経再生足場材料用組成物は、必要に応じて任意の適切な添加物をさらに含み得る。添加物の具体例としては、pH調整剤;緩衝剤;等張化剤;塩類;アミノ酸類;ビタミン類;アルコール類;細胞培養用培地成分;蛋白質;薬物等が挙げられる。これらの添加物は、1種のみ用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
pH調整剤としては、塩酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
緩衝剤としては、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム等のリン酸塩;ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のホウ酸塩;クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等のクエン酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩、Tris、HEPES等が挙げられる。
等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の塩化物;グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖;スクロース、トレハロース、マルトース、ラクトース等の二糖;マンニトール、ソルビトール等の糖アルコール;等が挙げられる。
塩類としては、上記で例示した添加物以外の任意の適切な塩が用いられ得る。例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
細胞培養用培地成分としては、目的等に応じて任意の適切な液体培地成分が選択され得る。液体培地としては、例えば、神経細胞用培養液、神経細胞用分散液(具体的には、住友ベークライト株式会社製、神経細胞用分散液 品番:MB−X9901等)、イーグル培地(例えば、MEM、DMEM、MEMα)等が挙げられる。
上記添加物の添加量は、その目的等に応じて任意の適切な値に設定され得る。
[B.神経再生足場材料用組成物の調製方法]
本発明の神経再生足場材料用組成物の調製方法は、任意の適切な方法で行われる。例えば、本発明の神経再生足場材料用組成物は、自己組織化ペプチドと水と任意の構成成分とを混合することにより調製され得る。混合順は特に限定されず、目的等に応じて適切に設定される。例えば、自己組織化ペプチドを均一に分散または溶解させる観点から、細胞等の激しい撹拌に不向きな構成成分は、自己組織化ペプチドと水との混合後に添加され得る。
[C.神経再生足場材料]
本発明の神経再生足場材料は、上記神経再生足場材料用組成物を含む。上記神経再生足場材料用組成物を含むことにより、これまで困難であった中枢神経の再生にも適用可能な神経再生足場材料を得ることができる。
[D.神経再生足場材料の調製方法]
本発明の神経再生足場材料は任意の適切な方法で行われる。例えば、本発明の神経再生足場材料は、自己組織化ペプチドと水と任意の構成成分とを含む神経再生足場材料用組成物を静置することにより、調製され得る。これにより、神経再生足場材料組成物に含まれる自己組織化ペプチドがペプチド分子同士の相互作用を介して自発的に集合して繊維状の分子集合体を形成し、静置を続けることにより、当該分子集合体間の相互作用によって三次元網目構造が発達してゲルの形態となる。
上記自己組織化ペプチドのゲル化は、中性領域のpHで好適に進行し得る。したがって、必要に応じて、pH調整剤を用いて、神経再生足場材料用組成物のpHが中性領域となるよう調整することが好ましい。神経再生足場材料用組成物のpHを中性にした後、静置することにより好適にゲル化が進行し、神経再生足場材料が得られる。静置時間および静置温度を調整することにより、所望の硬度を有する神経再生足場材料を得ることができる。投与手段に応じて、神経再生足場材料の硬度は調整され得る。また、静置時間および静置温度は、投与対象、自己組織化ペプチドの濃度および種類等に応じて適切に設定され得る。
本発明の神経再生足場材料の調製方法は、ろ過等の精製;高圧蒸気滅菌、放射線滅菌、乾熱滅菌等の滅菌;包装容器への分注;等の任意の工程をさらに含み得る。
[E.使用方法]
本発明の神経再生足場材料は、好ましくはゲルの形態である神経再生足場材料を投与対象部位に投与(注入)することにより、使用され得る。1つの実施形態において、本発明の神経再生足場材料の使用方法は、ゲルの形態の神経再生足場材料を投与対象部位に投与(注入または留置)することを含む。
神経再生足場材料の投与対象部位への注入は、シリンジ、チューブ、ピペット等の任意の適切な手段を用いて行われ得る。また、外科的手段により、投与対象部位に直接神経再生足場材料を投与(留置)してもよい。
投与対象部位は通常生理的環境下であることから、投与対象部位における本発明の神経再生足場材料のゲル化は、自発的に進行し得る。そのため、投与する段階で、投与に適した濃度となるよう自己組織化ペプチドの濃度を調整した場合であっても、投与後投与対象部位において神経再生の足場として適した強度へとさらにゲル化が進行し得る。
本発明の神経再生足場材料は生体分解性に優れることから、投与対象部位における神経再生に伴って経時的に分解または吸収され得る。
本発明の神経再生足場材料は、例えば、末梢神経、脊髄、脳等の中枢神経等における神経再生等に用いられ得る。本発明の神経再生足場材料は、神経成長因子(NGF)が関連し得る炎症を抑制し得るため、神経再生の足場材料として好適に用いることができる。さらに、中枢神経系における再生阻害因子として知られている、グリア瘢痕の形成をも抑制し得る。そのため、従来は再生が特に困難であった中枢神経についても、神経再生を促進することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[試験例1:脊髄前角細胞および神経再生足場材料培養試験]
マウス脊髄前角細胞から採取した細胞を用いて初代神経細胞培養試験を行った。自己組織化ペプチドゲル(株式会社メニコン製、商品名:Panacea Gel SPG−178−208(N末端がアセチル化され、C末端がアミド化された配列番号1のペプチド(自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸残基の中性領域における電荷の総和:+2)を含むペプチドゲル、ペプチド濃度:0.8w/w%)を、神経再生足場材料1として用いた。96ウェルプレートに、神経再生足場材料1を30μl/well、神経細胞用培養液(住友ベークライト株式会社製、商品名:SUMITOMO Nerve−Cell Culture System Neuron Culture Medium、品番:MB−X9901)を100μl/wellを加え、採取した細胞を細胞数が600,000cell/wellとなるよう播種した。同様に、8ウェルチャンバーに神経再生足場材料1を90μl/well、神経細胞用培養液を300μl/well加え、採取した細胞を細胞数が150,000cell/wellとなるよう播種した。次いで、96ウェルプレートおよび8ウェルチャンバーを37℃で培養した。培養から2日後、および、7日後にサンプルを採取した。採取した各サンプルにおける、BDNF、NGFおよびこれらの受容体であるTrkA、脊髄損傷後の細胞外基質の再構築に関与するMMP−9、およびその活性化因子であるMMP−3の発現量をPCRにて測定した。
また、自己組織化ペプチドゲル(3Dマトリックス社製、製品名「PuramatrixTM」、Ac−RADARADARADARADA−CONH、自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸残基の中性領域における電荷の総和:0、ペプチド濃度:1w/v%)を、神経再生足場材料C1として用いた。神経再生足場材料1に代えて、神経再生足場材料C1を用いた以外は同様にして、細胞培養を行い、培養から2日後、および、7日後にサンプルを採取した。採取した各サンプルにおける、BDNF、NGFおよびこれらの受容体であるTrkA、脊髄損傷後の細胞外基質の再構築に関与するMMP−9、およびその活性化因子であるMMP−3の発現量をPCRにて測定した。
さらに、神経再生足場材料1に代えて、ポリ−L−リシン(PLL)(10μg/ml)500μlを用いた以外は同様にして細胞培養し、培養から2日後、および、7日後にサンプルを採取した(参考例1)。また、神経再生足場材料1に代えて、ラミニン(20μg/ml)1mlを用いた以外は同様にして細胞培養し、培養から2日後、および、7日後にサンプルを採取した(参考例2)。採取した各サンプルにおける、BDNF、NGFおよびこれらの受容体であるTrkA、脊髄損傷後の細胞外基質の再構築に関与するMMP−9、およびその活性化因子であるMMP−3の発現量をPCRにて測定した。
(結果)
神経再生足場材料1、神経再生足場材料C1、PLLおよびラミニンのBDNF、NGF、TrkAの発現量を示すグラフを図1に、MMP−3および、MMP−9の発現量を示すグラフを図2にそれぞれ示す。培養2日後および7日後のいずれのサンプルにおいても、全ての因子の発現量が神経再生足場材料1を用いた場合に最も高かった。培養2日後においては、神経再生足場材料1でのBDNF、NGFおよびTrkAの発現量は、神経再生足場材料C1よりも有意に高い値であった(BDNF、NGF:p<0.01、TrkA:p<0.05)。また、培養7日後においては、NGFおよびTrkAの発現量は、神経再生足場材料C1よりも有意に高い値であった(BDNF:p<0.01、TrkA:p<0.05)。この結果から、本発明の神経再生足場材料を用いることにより、細胞での神経栄養因子の産生が促進され、結果として神経再生が促進されると考えられた。
また、神経再生足場材料1では培養2日後にMMP−3およびMMP−9の発現量が他の足場材料を用いたものよりも高くなっていた。神経再生足場材料1でのMMP−3の発現量は、神経再生足場材料C1よりも有意に高い値であった(p<0.05)。本発明の神経再生足場材料1を用いた場合、速やかにMMP−9の活性因子であるMMP−3の発現量が増加し、神経再生足場材料の適用後速やかに神経再生が開始されると考えられる。また、これらの因子は炎症性サイトカインでもある。神経再生足場材料1では、培養7日後にはこれらの発現量が減少していた。そのため、神経再生開始後は、これらの因子による炎症が抑制されると考えられた。
[試験例2:マウス脊髄投与試験]
C57/BL6Jマウスのdorsal−hemisection modelを用いて、脊髄投与試験を行った。C57/BL6Jマウス(8週齢、n=54)を尖刃を用いて脊髄の背側を切離して、dorsal−hemisection modelマウスを作製した。作製したマウスの脊髄損傷部位に神経再生足場材料2(自己組織化ペプチドゲル(株式会社メニコン製、商品名:Panacea Gel SPG−178−208、ペプチド濃度:0.8w/w%))1μl〜2μlをシリンジで注入した。各マウスの脊髄から、7日後、14日後、28日後にサンプルを採取した。各サンプルにおける神経栄養因子であるNT−3、GDNF、およびこれらの受容体であるTrk−C、p75、脊髄損傷後の細胞外基質の再構築に関与するMMP−2、MMP−9、およびその活性化因子であるMMP−3の発現量をPCRにて測定した。また、神経再生足場材料投与後14日後、および、28日後のマウスから、脊髄を採取して、HE染色、Collagen type4染色、Iba1染色、および、GFAP染色をそれぞれ行い、損傷部位を観察した。各染色に用いたキットは以下の通りである。
(HE染色)
ヘマトキシリン:マイヤーヘマトキシリン溶液(×2)(Mayer’s hematoxylin solution (×2))(和光純薬工業株式会社製、コードNo.134−13065)
エオシン:エオシン溶液(武藤化学株式会社製、商品名:エオシンY 1%液)1mlに酢酸1μlを添加した溶液
(Collagen type4染色)
Anti−Collagen IV 抗体(ab6586)(abcam株式会社製、Rabbit polyclonal to Collagen IV 1/200)
(Iba1染色)
Anti Iba1, Rabbit (for Immunocytochemistry) 抗Iba1, ウサギ(免疫細胞化学用)(和光純薬工業株式会社製)
(GFAP染色)
GFAP (D1F4Q) XP(登録商標) Rabbit mAb #12389 (Cell Signaling Technology, Inc.製)
比較として、未投与のdorsal−hemisection modelマウス、および、神経再生足場材料2に代えて神経再生足場材料C2(自己組織化ペプチドゲル(3Dマトリックス社製、製品名「PuramatrixTM」ペプチド濃度:1w/v%))1μl〜2μlを注入したマウスの脊髄からも、7日後、14日後、28日後にサンプルを採取した。各サンプルにおける神経栄養因子であるNT−3、GDNF、および、これらの受容体であるTrk−C、p75、脊髄損傷後の細胞外基質の再構築に関与するMMP−2、MMP−9、およびその活性化因子であるMMP−3の発現量をPCRにて測定した。また、神経再生足場材料C2を投与後14日後、および、28日後のマウスから、脊髄を採取して、HE染色、Collagen type4染色、Iba1染色、および、GFAP染色を行い、損傷部位を観察した。
(結果)
神経再生足場材料2または神経再生足場材料C2を投与されたマウス、および、未投与のマウスの脊髄におけるNT−3、GDNF、およびこれらの受容体であるTrk−C、p75の発現量を示すグラフを図3に、脊髄損傷後の細胞外基質の再構築に関与するMMP−2、MMP−9、およびその活性化因子であるMMP−3の発現量を示すグラフを図4にそれぞれ示す。神経再生足場材料2または神経再生足場材料C2を投与されたマウスの脊髄の投与14日後の組織をHE染色した写真を図5に、投与28日後の組織をHE染色した写真を図6にそれぞれ示す。また、神経再生足場材料2または神経再生足場材料C2を投与されたマウスの脊髄の投与14日後および28日後の組織をCollagen type4染色した写真を図7に示す。神経再生足場材料2または神経再生足場材料C2を投与されたマウスの脊髄の投与14日後および28日後の組織をIba1染色した写真を図8に、GFAP染色した写真を図9にそれぞれ示す。
神経再生足場材料2を投与したマウスでは、投与後7日後から神経成長因子およびその受容体の発現量が増加し、神経再生の促進が投与後速やかに開始されたと考えられた。また、神経再生足場材料2を投与したマウスでは、MMP−2、MMP−9、およびMMP−3の発現量が投与7日後に最も高い値を示し、経時的に低い値となった。そのため、神経再生開始後は、これらの因子による炎症が抑制されると考えられた。
投与14日後においては、神経再生足場材料2または神経再生足場材料C2の投与群の間で組織の再生に明確な差異は見られなかった(図6)。しかしながら、投与28日後においては、神経再生足場材料2を投与したマウスでは、神経組織が再構築されていることが確認された。一方、神経再生足場材料C2を投与したマウスでは、神経組織が破綻していることが認められた。
Collagen type4染色では、繊維性瘢痕が染色される。繊維性瘢痕は物理的バリアーとなり軸索伸長を阻害し得る。Collagen type4染色では、神経再生足場材料2を投与したマウスにおいて、染色範囲が減少していることが確認された。このことから、神経再生足場材料2を用いた場合には、軸索伸長を阻害する瘢痕の形成が抑制されたと考えられた(図7)。また、炎症系細胞であるミクログリアを染色するIba1染色では、神経再生足場材料2を投与されたマウスにおいて、染色範囲が狭く、抗炎症作用が発揮されたと考えられた。さらに、瘢痕形成減少に関与するグリア細胞を染色するGFAP染色した組織では、損傷部位周辺において染色される範囲が大きく、損傷部位周辺において瘢痕形成が抑制されていた。
上記試験例1および試験例2の結果からも明らかな通り、本発明の神経再生足場材料を用いることにより、in vitroおよびin vivoのいずれにおいても神経栄養因子の発現増加、および、組織損傷後の再構築が確認された。これらの結果から、本発明の神経再生足場材料は、脊髄等の中枢神経系の神経再生足場材料としても有用であることが確認された。
本発明の神経再生足場材料は、研究開発や医療の分野において好適に利用され得る。

Claims (5)

  1. 自己組織化ペプチドを含む神経再生足場材料用組成物であって、
    該自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸残基の中性領域における電荷の総和が0を超えて+5以下である、神経再生足場材料用組成物。
  2. 前記自己組織化ペプチドが、下記のアミノ酸配列からなる自己組織化ペプチドである、請求項1に記載の神経再生足場材料用組成物。
    アミノ酸配列:adb
    (該アミノ酸配列中、a〜aは、塩基性アミノ酸残基であり;b〜bは、非電荷極性アミノ酸残基および/または疎水性アミノ酸残基であり、ただし、そのうちの少なくとも5個は、疎水性アミノ酸残基であり;cおよびcは、酸性アミノ酸残基であり;dは、疎水性アミノ酸残基である。)
  3. 神経栄養因子をさらに含む、請求項1または2に記載の神経再生足場材料用組成物。
  4. 神経再生抑制因子阻害剤をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の神経再生足場材料用組成物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の神経再生足場材料用組成物を含む、神経再生足場材料。
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