JP2016019450A - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態の情報処理装置は、算出部を持つ。算出部は、負荷に対してエネルギーを供給する複数のエネルギー供給装置による所定のタイミング毎の一次エネルギー消費量と、前記複数の前記エネルギー供給装置による所定のタイミング毎の一次エネルギー生産量とを取得し、取得した前記一次エネルギー消費量と前記一次エネルギー生産量とに基づいて、所定のタイミング毎の一次エネルギー正味消費量を算出し、算出した所定のタイミング毎の前記一次エネルギー正味消費量に基づいて、所定の期間における前記一次エネルギー正味消費量の積算値を算出する。
【選択図】図2
Description
(第1の実施形態)
本実施形態に係る情報処理装置は、負荷に対してエネルギーを供給する複数のエネルギー供給装置による一次エネルギー正味消費量(生産量)の積算値を算出する機能を有する。そして、情報処理装置又は情報処理装置と通信する端末装置は、情報処理装置により算出された一次エネルギー正味消費量(生産量)の積算値を表示する機能を有してもよい。これにより、情報処理装置又は端末装置は、例えば、建築物などによる年間での一次エネルギー消費量(生産量)が正味でどの程度であるかを提示することができるため、ユーザは、建築物がZEBを達成可能かどうかを容易に判断することができる。
なお、一次エネルギーとは、石炭、石油、天然ガス、薪、水力、原子力、風力、潮流、地熱、及び太陽エネルギーなど自然から直接採取されるエネルギーのことである。一次エネルギー量は、消費又は生産された電力、温熱、及び温熱のエネルギー量や燃料の消費量などに対して、それぞれの一次エネルギー換算係数を乗じることにより算出される。
なお、一次エネルギー正味消費量とは、電力、温熱、及び冷熱などの生成においてエネルギー供給装置により消費された一次エネルギー量から、エネルギー供給装置により生産された一次エネルギー量を差し引いた量である。一次エネルギー生産量は、太陽光発電やバイオマスコジェネなどにより生産された再生可能エネルギーの量に一次エネルギー換算係数を乗じて算出される。以下では、エネルギー管理装置1は、一次エネルギー正味消費量を算出するものとして説明するが、一次エネルギー正味消費量の代わりに、一次エネルギー正味生産量を算出してよい。一次エネルギー正味生産量は、正味の一次エネルギー産出量の符号のプラスとマイナスとを反転させることにより得られる。すなわち、一次エネルギー正味消費量と、一次エネルギー正味生産量とは、互いに置換可能であり、例えば、建築物がZEBを達成可能か否かなどについて同様の情報を示す。
図1は、エネルギー管理装置1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るエネルギー管理システム0は、エネルギー管理装置1と、端末装置2と、複数のエネルギー供給装置と、監視制御装置5と、外部通信サーバ6と、を備える。これらの装置は、内部ネットワーク4を介して有線又は無線により互いに通信可能に接続されている。
端末装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット、スマートフォン、PHS(Personal Handy-phone System)端末装置、又はPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器である。端末装置2は、例えば、本実施形態の負荷である建築物B内に設置されてもよい。
受電設備311は、電力会社から電力を受電し、施設に適した電圧に変換する。
PV312は、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光パネルを備えた発電設備である。PV312が供給する電気エネルギーの量は、天候などの気象条件により変化する。
蓄電池313は、充電及び放電の双方を行うことが可能な二次電池を利用した設備である。
ボイラ322は、ガスをエネルギー源として温熱を供給する。
温熱槽323は、貯留した熱媒により蓄熱を行う。温熱槽323は、例えば、水蓄熱槽である。
水冷冷凍機332は、水を熱源として冷媒の相変化により冷水を供給する機器である。
冷熱槽333は、貯留した熱媒により蓄熱を行う。冷熱槽333は、例えば、水蓄熱槽や氷蓄熱槽である。
吸収式冷凍機334は、冷媒の凝縮器と蒸発器との間に、水蒸気の吸収と熱源による再生プロセスとを介在させて、冷水を供給する機器である。
外部通信サーバ6は、内部ネットワーク4及び外部ネットワーク7に接続され、内部ネットワーク4に接続された各種装置と、外部ネットワーク7に接続された各種装置との間における各種データの送受信を中継するサーバ装置である。例えば、外部通信サーバ6は、エネルギー管理装置1からの要求に応じて、気象情報サーバ8と通信を行う。そして、外部通信サーバ6は、気象情報サーバ8から取得したデータをエネルギー管理装置1に送信する。
図2は、エネルギー管理装置1の概略構成を示すブロック図である。
エネルギー管理装置1は、通信部11と、入力部12と、記憶部と、制御部と、を備える。
通信部11は、通信用インターフェイスを備える。通信部11は、内部ネットワーク4を介して監視制御装置5(図1)及び外部通信サーバ6(図1)と通信を行う。
プロセスデータ記憶部131は、プロセスデータD1を記憶する。
プロセスデータD1は、エネルギー供給プラントP(図1)内のエネルギー供給装置の運転記録、建築物Bのエネルギー需要量(電力負荷B1、温熱負荷B2、及び冷熱負荷B3)の記録などの情報を含む。これらの情報は、日時と対応付けられて記憶され、その時間間隔は、例えば、1時間単位である。
なお、本実施形態において、日時とは、年月日と時刻(時、分、秒など)とからなる時間のことをいう。また、日時は、例えば、分及び秒など、その一部が省略されてもよい。
気象データD2は、天候や日照量、日照時間、気温、湿度など、建築物B(図1)のエネルギー需要、又はエネルギー供給プラントP(図1)内のエネルギー供給装置によるエネルギー生成効率などに影響しうる気象の情報を含む。これらの情報は日時と対応付けられて記憶され、その時間間隔は、例えば、1時間単位である。また、気象データD2は、過去の気象記録の情報の他、天気予報などの未来の気象予測の情報を含む。
評価期間データD3は、エネルギー管理装置1の演算処理部15による各種処理における評価期間を定めるデータである。評価期間とは、演算処理部15による各種処理において、参照するデータの範囲を定めるものであり、例えば、一次エネルギー正味消費量を積算する場合に、積算する期間を定めるものである。評価期間データD3が、例えば、評価期間として2014年4月1日から2015年3月31日までの期間を定める場合、演算処理部15は、当該期間内の日時と対応付けられているプロセスデータD1、気象データD2、一次エネルギー実績データD6、需要予測データD7、運転計画データD8、及び一次エネルギー予測データD9などを参照して処理を行う。評価期間は、ユーザの任意に定めてよい。例えば、建築物BについてZEBを達成可能か否かを評価する場合には、年間での一次エネルギー正味消費量の積算値を算出する必要があるため、評価期間は1年間である。
モデルパラメータデータD5は、エネルギー供給プラントP(図1)内に設置されたエネルギー供給装置の詳細を示すデータである。モデルパラメータデータD5は、例えば、各エネルギー供給装置が供給するエネルギーの最大出力や、各エネルギー供給装置の入力エネルギーに対する出力エネルギーの変換効率などの情報を含む。
なお、この変換効率には、例えば、空冷冷凍機331、水冷冷凍機332、及び吸収式冷凍機334のCOP(Coefficient Of Performance;成績係数)、CGS321の発電効率、排熱回収効率、及び総合効率、並びにボイラ322のボイラ効率などがある。
また、モデルパラメータデータD5は、蓄電池313、温熱槽323、冷熱槽333が蓄積可能なエネルギー量のデータを含む。また、モデルパラメータデータD5は、受電設備311が受電する電力、CGS321が消費するバイオマス燃料、及びボイラ322が消費するガスの各日時におけるエネルギー単価の情報を含む。また、モデルパラメータデータD5は、電力、ガス、及びバイオマス燃料の一次エネルギー換算係数などのデータを含む。
一次エネルギー実績データD6は、エネルギー供給プラントP(図1)内に設置された全エネルギー供給装置による一次エネルギー消費量の実績値、一次エネルギー生産量の実績値、及び一次エネルギー正味消費量の積算値の実績値(以下「実績積算値」という。)の情報を含む。これら各種実績値は、日時と対応付けられて記憶され、その時間間隔は、例えば、1時間単位である。
なお、実績値とは、エネルギー供給装置の運転記録に基づいて算出された値である。すなわち、一次エネルギー消費量の実績値、一次エネルギー生産量の実績値、及び一次エネルギー正味消費量の実績積算値は、それぞれ、実際に消費された一次エネルギー量、実際に生産された一次エネルギー量、及び実際に消費された正味の一次エネルギー量の積算値を示す。
運転計画データD8は、エネルギー供給プラントPが備えるエネルギー供給装置の年間の運転計画を示す。運転計画データD8は、例えば、エネルギー供給装置の起動、停止、及び運転時の出力レベルなどを示す制御設定値を示す。制御設定値は、例えば、日時と対応付けられて記憶され、その時間間隔は、例えば、1時間単位である。
ZEB評価データD10は、建築物B(図1)について、ZEBを達成可能か否かについての評価結果を示す。
性能評価データD11は、エネルギー供給プラントP(図1)内に設置されたエネルギー供給装置の性能について、予定された性能を発揮しているか否かの評価結果を示す。
エネルギー管理装置1の制御部が有する機能の一部又は全ては、例えば、エネルギー管理装置1が備えるCPU(不図示)がエネルギー管理装置1の記憶部に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。
また、エネルギー管理装置1の制御部は、プロセスデータ取得部141、気象データ取得部142、データ送信部143、入力制御部144、及び演算処理部15として機能する。
データ送信部143は、例えば、端末装置2(図1)から受け付けたデータの送信要求に応じて、演算結果記憶部134から一次エネルギー実績データD6、需要予測データD7、運転計画データD8、一次エネルギー予測データD9、及び性能評価データD11などを読み出す。データ送信部143は、通信部11を介して、読み出した各種データを要求元の端末装置2に送信する。
入力制御部144は、入力部12が受け付けた評価期間データD3、プラントモデルデータD4及びモデルパラメータデータD5を、それぞれ、設定入力データ記憶部133に記憶させる。
需要予測部151は、プロセスデータD1及び気象データD2を取得する。需要予測部151は、取得したプロセスデータD1及び気象データD2に基づいて、建築物B(図1)によるエネルギー需要量の予測を行う。
需要予測部151は、例えば、過去のエネルギー需要の平均値を、例えば1時間毎など、所定のタイミング毎に算出し、1年間の平均的な1日のエネルギー需要の経時変化を算出する。各時刻に対応する建築物Bのエネルギー需要量は、例えば、プロセスデータD1において各時刻に対応付けられているエネルギー供給装置各々の出力エネルギー量の総和を算出することにより取得される。ここで、例えば、0時〜23時の各時刻に対応する建築物Bの電力負荷B1をB1(0)〜B1(23)とする。1年間分のプロセスデータD1に基づいて需要予測を行う場合、需要予測部151は、1日目〜365日目までの各日に対応する電力負荷B1(0)〜B1(23)を算出する。需要予測部151は、算出した電力負荷B1(0)〜B1(23)について、各時刻における平均値を算出することにより各時刻における需要予測値を取得する。需要予測部151は、例えば、0時、1時、…、23時に対応する電力負荷B1の予測値を、それぞれ、1日目〜365日目までの電力負荷B1(0)、B1(1)、…B1(23)の平均値を算出することにより取得する。
運転計画作成部152は、プラントモデルデータD4、モデルパラメータデータD5、及び需要予測データD7に基づいて、エネルギー供給プラントP内に設置されたエネルギー供給装置の運転計画を作成する。運転計画作成部152は、例えば、エネルギー供給プラントP(図1)の運転における制約条件を満足する中で、エネルギーコストを最小化する運転計画を作成する。ここで、制約条件とは、例えば、1年間において、建築物B(図1)に対してエネルギーを供給する全エネルギー供給装置による一次エネルギー正味消費量の積算値がゼロ又はマイナスの値になること、すなわち一次エネルギー正味生産量の積算値がゼロ又はプラスの値になることである。エネルギーコストを最小化する方法には、数理計画法やヒューリスティクスなどが採用可能である。運転計画作成部152は、作成した運転計画を示す運転計画データD8を演算結果記憶部134に記憶させる。
算出部153は、一次エネルギー消費量などの実績値を算出する場合、評価期間データD3を取得し、取得した評価期間データD3が示す評価期間に対応するプロセスデータD1を取得する。また、算出部153は、プラントモデルデータD4及びモデルパラメータデータD5を取得する。算出部153は、取得したプロセスデータD1、プラントモデルデータD4、及びモデルパラメータデータD5に基づいて、エネルギー供給プラントP(図1)内に設置された全エネルギー供給装置による一次エネルギー消費量の実績値と、一次エネルギー生産量の実績値と、一次エネルギー正味消費量の実績積算値とを算出する。
なお、一次エネルギー消費量の実績値と、一次エネルギー生産量の実績値とは、例えば、他の装置により算出されてもよい。そして、算出部153は、当該他の装置により算出された一次エネルギー消費量の実績値と、一次エネルギー生産量の実績値との情報を取得して、取得した情報に基づいて、一次エネルギー正味消費量の実績積算値を算出してもよい。
なお、一次エネルギー消費量の予測値と、一次エネルギー生産量の予測値とは、例えば、他の装置により算出されてもよい。そして、算出部153は、当該他の装置により算出された一次エネルギー消費量の予測値と、一次エネルギー生産量の予測値との情報を取得して、取得した情報に基づいて、一次エネルギー正味消費量の実績積算値を算出してもよい。
評価開始からd日目の時刻tにおける一次エネルギー消費量Ec(d,t)は、需要電力量および冷凍機消費電力量に電力の一次エネルギー換算係数を乗じた値と、ボイラのガス消費量にガスの一次エネルギー換算係数を乗じた値と、コジェネの燃料消費量にバイオマス燃料の一次エネルギー換算係数を乗じた値と、の和であり、以下の式(1)により計算される。
ed(d,t):評価開始からd日目の時刻tの需要電力量(1時間積算値)[kWh]
eR(d,t):評価開始からd日目の時刻tの冷凍機消費電力量(1時間積算値)[kWh]
ou(d,t):評価開始からd日目の時刻tのコジェネの燃料消費量(1時間積算値)[kWh]
gu(d,t):評価開始からd日目の時刻tのボイラのガス消費量(1時間積算値)[kWh]
αe:電力の一次エネルギー換算係数[−]
αg:ガスの一次エネルギー換算係数[−]
αo:バイオマス燃料の一次エネルギー換算係数[−]
eCGS(d,t):評価開始からd日目の時刻tのコジェネ発電電力量(1時間積算値)[kWh]
ePV(d,t):評価開始からd日目の時刻tの太陽光発電電力量(1時間積算値)[kWh]
D:評価期間の日数
T:評価期間の各日のデータ数
本実施形態において、プロセスデータD1、需要予測データD7、及び運転計画データD8は、一例として1時間単位で記録されている。従って、1日当り各時の24個のデータがあるため、Tは24である。算出部153は、式(1)〜式(3)により、実績値ベースの場合には一次エネルギー正味消費量の実績積算値を、予測値ベースの場合には一次エネルギー正味消費量の予測積算値を算出する。
ZEB可能性評価部154は、演算結果記憶部134が記憶する一次エネルギー実績データD6又は一次エネルギー予測データD9がそれぞれ示す一次エネルギー正味消費量の積算値の実績値又は予測値を所定の閾値と比較する処理を行う。ここでは、一例として建築物B(図1)についてZEBを達成可能か否かを評価するために、当該所定の閾値をゼロとするが、所定の閾値はこれには限定されない。
図3及び図4は、算出部153が算出する電力負荷B1の予測値と実績値との関係の例を示す図である。
図3及び図4において、縦軸は、電力負荷[kWh]を示す。また、横軸は、日時[月日]を示す。図3において、グラフG11は、建築物Bの電力負荷B1の実績値の経時変化を示す。図3において、グラフG12は、建築物Bの電力負荷B1の予測値の経時変化を示す。図4において、グラフG13は、建築物Bの電力負荷B1について実績値と予測値との差の経時変化を示す。図3及び図4に示すグラフG11〜G13及び閾値などは、例えば端末装置2(図1)により表示されてもよい。
なお、性能評価部155は、負荷の実績値と予測値との比較する前に、各日時に対応する負荷の実績値と予測値とについて、それぞれ、移動平均を算出し、負荷の実績値と予測値とを平滑化してから比較してもよい。
図5及び図6は、エネルギー供給装置の性能評価指標について、予定値と、算出部153が算出する実績値との関係の例を示す図である。
図5及び図6において、縦軸は、COPを示す。また、横軸は、日時[月日]を示す。図5において、グラフG21は、COPの実績値の経時変化を示す。図5において、グラフG22は、COPの予定値(設計値)を示す。図6において、グラフG23は、COPの実績値と予定値との差を示す。図5又は図6に示すグラフG21〜G23、及び閾値などは、例えば端末装置2(図1)により表示されてもよい。
なお、性能評価部155は、COPの実績値と予定値とを比較する前に、各日時に対応するCOPの実績値について移動平均を算出し、COPの実績値を平滑化してから比較してもよい。
図7は、端末装置2の概略構成を示すブロック図である。
端末装置2は、通信部21と、入力部22と、表示部23と、記憶部24と、制御部25と、を備える。
通信部21は、通信用インターフェイスを備える。通信部21は、内部ネットワーク4を介してエネルギー管理装置1(図1)と通信を行う。
表示部23は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示装置を備える。
制御部25は、表示処理部251を備える。
表示処理部251は、入力部22がユーザから受け付けた操作に基づいて、表示部23に各種情報を表示させる。例えば、入力部22がユーザから建築物B(図1)の一次エネルギー正味消費量の実績積算値の表示要求を受け付けた場合、表示処理部251は、通信部21を介して、エネルギー管理装置1に一次エネルギー実績データD6の送信要求を送信する。表示処理部251は、当該送信要求に応じてエネルギー管理装置1から送信された一次エネルギー実績データD6を取得すると、取得した一次エネルギー実績データD6が示す一次エネルギー正味消費量の実績積算値を表示部23に表示させる。
図8は、エネルギー管理装置1(図2)の動作の第1例を示すフローチャートである。
ここでは、一次エネルギー消費量の実績値、一次エネルギー生産量の実績値、及び一次エネルギー正味消費量の実績積算値の算出処理の流れについて説明する。
(ステップS101)まず、入力制御部144(図2)は、入力部12が受け付けた評価期間データD3を設定入力データ記憶部133に記憶させる。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、ステップS102に処理を進める。
(ステップS102)次に、算出部153(図2)は、設定入力データ記憶部133に記憶されている評価期間データD3が示す評価期間内において、その日時を評価期間の開始から1時間ずつ進めながら、ステップS103〜ステップS107の処理を実行する。エネルギー管理装置1の制御部は、評価期間の終了に至るまで、ステップS103〜S107の処理を繰り返す。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、図8に示される処理を終了する。
(ステップS104)次に、算出部153は、式(1)に基づいて、その日時における一次エネルギー消費量の実績値を算出する。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、ステップS105に処理を進める。
(ステップS105)次に、算出部153は、式(2)に基づいて、その日時における一次エネルギー生産量の実績値を算出する。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、ステップS106に処理を進める。
(ステップS107)次に、算出部153は、その日時における一次エネルギー消費量の実績値、一次エネルギー生産量の実績値、及び一次エネルギー正味消費量の実績積算値の情報を含む一次エネルギー実績データD6を演算結果記憶部134に記憶させる。
図9に示される各値は、図8を参照して説明した処理により算出される。図9に示されるグラフG31〜グラフG33は、例えば、端末装置2(図7)により表示される。図9において、縦軸は、一次エネルギー量[kWh]を示し、横軸は、日付[月日]を示す。図9に示される例において、評価期間は4月1日から3月31日までの1年間であり、横軸の日時は、4月1日から3月31日までの期間を示す。また、グラフG31は、一次エネルギー生産量の実績値の経時変化を示す。また、グラフG32は、一次エネルギー消費量の実績値の経時変化を示す。また、グラフG33は、マイナスの一次エネルギー正味消費量の実績積算値(すなわち、一次エネルギー正味生産量の実績積算値)の経時変化を示す。図9に示される例において、「現在」は、評価期間内であるため、各種実績値は、4月1日から「現在」までについてのみ算出されており、グラフG31〜グラフG33も、4月1日から「現在」までの実績値の経時変化を示す。
ここでは、一次エネルギー消費量の予測値、一次エネルギー生産量の予測値、及び一次エネルギー正味消費量の予測積算値の算出処理の流れについて説明する。
(ステップS201)まず、入力制御部144(図2)は、入力部12が受け付けた評価期間データD3を設定入力データ記憶部133に記憶させる。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、ステップS202に処理を進める。
(ステップS202)次に、需要予測部151(図2)は、評価期間データD3が示す評価期間の日時に対応するプロセスデータD1及び気象データD2を、それぞれ、プロセスデータ記憶部131及び気象データ記憶部132から読み込む。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、ステップS203に処理を進める。
(ステップS204)次に、運転計画作成部152(図2)は、設定入力データ記憶部133に記憶されているプラントモデルデータD4及びモデルパラメータデータD5、及び演算結果記憶部134に記憶されている需要予測データD7に基づいて、エネルギー供給プラントP内に設置されたエネルギー供給装置各々の運転計画を作成する。運転計画作成部152は、作成した運転計画を示す情報を含む運転計画データD8を演算結果記憶部134に記憶させる。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、ステップS205に処理を進める。
(ステップS206)次に、算出部153は、評価期間内の各日時における一次エネルギー消費量の予測値、一次エネルギー生産量の予測値、及び一次エネルギー正味消費量の予測積算値を示す情報を含む一次エネルギー実績データD6を演算結果記憶部134に記憶させる。
図11に示される各値は、図10を参照して説明した処理により算出される。また、図11に示されるグラフG41〜グラフG43は、例えば、端末装置2(図7)により表示される。図11において、縦軸は、一次エネルギー量[kWh]を示し、横軸は、日付[月日]を示す。また、図11に示される例において、評価期間は4月1日から3月31日までの1年間であり、横軸の日時は、4月1日から3月31日までの期間を示す。また、グラフG41は、一次エネルギー生産量の予測値の経時変化を示す。また、グラフG42は、一次エネルギー消費量の予測値の経時変化を示す。また、グラフG43は、マイナスの一次エネルギー正味消費量の予測積算値(すなわち、一次エネルギー正味生産量の予測積算値)の経時変化を示す。
ここでは、図10を参照して説明した処理により算出した一次エネルギーについての各種予測値を更新する処理の流れについて説明する。
(ステップS301)まず、ZEB可能性評価部154(図2)は、演算結果記憶部134から一次エネルギー予測データD9を読み込む。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、ステップS302に処理を進める。
(ステップS302)次に、ZEB可能性評価部154は、演算結果記憶部134から一次エネルギー実績データD6を読み込む。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、ステップS303に処理を進める。
(ステップS304)次に、ZEB可能性評価部154は、建築物BについてZEBが達成可能か否かの評価結果を示す情報を含むZEB評価データD10を生成する。次に、ZEB可能性評価部154は、生成したZEB評価データD10を演算結果記憶部134に記憶させる。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、ステップS305に処理を進める。
(ステップS306)次に、性能評価部155(図2)は、エネルギー供給プラントP(図1)内に設置されたエネルギー供給装置の性能評価を行う。次に、性能評価部155は、性能評価の結果、予定された性能を発揮していないと評価されたエネルギー供給装置について、プロセスデータD1が示す当該エネルギー供給装置の入出力の実績値から算出した性能評価指標により、設定入力データ記憶部133が記憶するモデルパラメータデータD5における当該エネルギー供給装置の性能評価指標の情報を更新する。その後、エネルギー管理装置1の制御部は、ステップS307に処理を進める。
図13に示される各値は、図8、図10、図12を参照して説明した処理により算出される。また、図13に示されるグラフG31〜G33、G41〜G43、G51〜G53は、例えば、端末装置2(図7)により表示される。図13において、縦軸は、一次エネルギー量[kWh]を示し、横軸は、日付[月日]を示す。また、図13に示される例において、評価期間は4月1日から3月31日までの1年間であり、横軸の日時は、4月1日から3月31日までの期間を示す。
図14において、縦軸は、一次エネルギー[kWh]を示す。横軸は、日時[月日]を示す。図14に示される例において、評価期間は4月1日から3月31日までの1年間であり、横軸の日時は、4月1日から3月31日までの期間を示す。図14に示されるグラフG61〜グラフG63、第1の閾値、及び第2の閾値は、例えば、端末装置2(図7)により表示される。グラフG61〜G63は、それぞれ、マイナスの一次エネルギー正味消費量の予測積算値(すなわち、一次エネルギー正味生産量の予測積算値)の経時変化を示す。
変形例に係るエネルギー管理システム0aは、エネルギー管理システム0と同様に、エネルギー管理装置1と、端末装置2と、複数のエネルギー供給装置と、監視制御装置5と、外部通信サーバ6と、を備える。ただし、エネルギー管理システム0aでは、各装置の接続態様がエネルギー管理システム0と異なっている。具体的には、エネルギー管理システム0において、エネルギー管理装置1及び端末装置2は、内部ネットワーク4に接続されるのに対し、エネルギー管理システム0aにおいて、エネルギー管理装置1及び端末装置2は、外部ネットワーク7に接続される。エネルギー管理システム0aにおいて、エネルギー管理装置1は、外部通信サーバ6を介して、監視制御装置5から各種データを受信し、上述した各種処理を実行する。
このように、エネルギー管理装置1と端末装置2とのうちのいずれか又は両方が、外部ネットワーク7に接続されてもよく、エネルギー管理システム0aは、いわゆるクラウドサービスをユーザに提供してもよい。
Claims (7)
- 負荷に対してエネルギーを供給する複数のエネルギー供給装置による所定のタイミング毎の一次エネルギー消費量と、前記複数の前記エネルギー供給装置による所定のタイミング毎の一次エネルギー生産量とを取得し、取得した前記一次エネルギー消費量と前記一次エネルギー生産量とに基づいて、所定のタイミング毎の一次エネルギー正味消費量を算出し、算出した所定のタイミング毎の前記一次エネルギー正味消費量に基づいて、所定の期間における前記一次エネルギー正味消費量の積算値を算出する算出部、
を備える情報処理装置。 - 前記算出部が算出する前記一次エネルギー正味消費量の積算値が所定の閾値以上か否かを評価する一次エネルギー評価部、
を備える請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記算出部は、所定の期間における前記一次エネルギー正味消費量の積算値について、予測値と実績値とを算出し、
前記一次エネルギー評価部は、前記算出部が算出した前記一次エネルギー正味消費量の積算値の予測値を、前記算出部が算出した一次エネルギー正味消費量の積算値の実績値に基づいて補正し、補正した前記一次エネルギー正味消費量の積算値が所定の閾値以上か否かを評価する、
請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記複数のエネルギー供給装置各々の運転状態を示すプロセスデータを取得するプロセスデータ取得部と、
前記プロセスデータ取得部が取得するプロセスデータに基づいて、前記エネルギー供給装置が予定された性能を発揮しているか否かを評価する性能評価部と、
を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。 - 前記性能評価部は、前記プロセスデータ取得部が取得するプロセスデータに基づいて、前記エネルギー供給装置のエネルギー変換効率又はエネルギー生成効率を算出し、
前記情報処理装置は、
前記性能評価部が算出した前記エネルギー供給装置の前記エネルギー変換効率又は前記エネルギー生成効率に基づいて、前記複数のエネルギー供給装置各々の運転計画を作成する運転計画作成部、
を備える請求項4に記載の情報処理装置。 - 情報処理装置が、負荷に対してエネルギーを供給する複数のエネルギー供給装置による所定のタイミング毎の一次エネルギー消費量と、前記複数の前記エネルギー供給装置による所定のタイミング毎の一次エネルギー生産量とを取得する取得過程と、
前記情報処理装置が、前記取得過程において取得した前記一次エネルギー消費量と前記一次エネルギー生産量とに基づいて、所定のタイミング毎の一次エネルギー正味消費量を算出する第1の算出過程と、
前記情報処理装置が、前記第1の算出過程において算出した所定のタイミング毎の前記一次エネルギー正味消費量に基づいて、所定の期間における前記一次エネルギー正味消費量の積算値を算出する第2の算出過程と、
を含む情報処理方法。 - 情報処理装置のコンピュータに、
負荷に対してエネルギーを供給する複数のエネルギー供給装置による所定のタイミング毎の一次エネルギー消費量と、前記複数の前記エネルギー供給装置による所定のタイミング毎の一次エネルギー生産量とを取得手順、
前記取得手順において取得した前記一次エネルギー消費量と前記一次エネルギー生産量とに基づいて、所定のタイミング毎の一次エネルギー正味消費量を算出する第1の算出手順、
前記第1の算出手順において算出した所定のタイミング毎の前記一次エネルギー正味消費量に基づいて、所定の期間における前記一次エネルギー正味消費量の積算値を算出する第2の算出手順、
を実行させるためのプログラム。
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