以下、実施形態のエネルギー管理装置、エネルギー管理方法及びエネルギー管理プログラムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、エネルギー管理システム1aの構成の例を示す図である。エネルギー管理システム1aは、需要家群におけるエネルギーを管理するためのシステムである。エネルギー管理システム1aは、エネルギー管理装置2と、外部エネルギー源3と、エネルギー供給プラント4と、需要家群5とを備える。内部ネットワーク100は、通信回線である。内部ネットワーク100は、例えば、光ファイバ、同軸ケーブルである。
エネルギー管理装置2は、サーバ装置などの情報処理装置である。エネルギー管理装置2は、需要家群5の負荷に合うようにエネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器のエネルギーを管理するための装置である。エネルギー管理装置2の運用者は、例えば、ビル管理者、工場運営者、一般家庭世帯主、地域エネルギー事業者、管理者又は運用管理委託者である。
エネルギー管理装置2は、内部ネットワーク100を介して、エネルギー供給プラント4と通信する。エネルギー管理装置2は、内部ネットワーク100を介してエネルギー供給プラント4の動作を制御することによって、エネルギー供給プラント4を介して需要家群5にエネルギーを供給する。エネルギー管理装置2は、内部ネットワーク100を介して、需要家群5と通信してもよい。
エネルギー管理装置2は、エネルギー供給プラント4と別体でもよいし、ローカルBEMSや工場内監視室などのローカル監視室の情報処理装置としてエネルギー供給プラント4と一体でもよい。エネルギー管理装置2は、クラウドコンピューティング技術によって、エネルギー供給プラント4を遠隔から制御してもよい。例えば、エネルギー管理装置2は、地域冷暖房(DHC: District Heating and Cooling)に関する処理を実行してもよい。例えば、エネルギー管理装置2は、クラウド型BEMSでもよい。
外部エネルギー源3は、エネルギーを供給するための設備である。外部エネルギー源3は、エネルギー管理装置2の運用者とは異なる外部運用者によって運用される。外部エネルギー源3は、エネルギー供給プラント4にエネルギーを供給する。エネルギーは、例えば、系統電力、外部電源電力及び市場電力などの電力である。系統電力は、例えば、電気事業者、発電所、新電力会社、市場電力及び外部電源業者などから供給される電力である。エネルギーは、例えば、ガス、水素、灯油、石炭、石油及び薪などの燃料でもよい。ガスは、例えば、ガス会社から供給される。
エネルギー供給プラント4は、外部エネルギー源3から供給されたエネルギーに応じて、電力、冷熱、温熱及び蒸気などのエネルギーを需要家群5に供給するための設備である。エネルギー供給プラント4は、エネルギー管理装置2による制御に基づいて、外部エネルギー源3から供給されたエネルギーを利用して生成された電力、冷熱、温熱及び蒸気などのエネルギーを需要家群5に供給する。
需要家群5は、特定の地域における需要家500である。需要家群5は、特定の地域における複数の需要家500でもよい。需要家500は、建築物(ビル)、工場設備、建造物、家、病院施設、商用施設などである。需要家500は、負荷を備える。負荷は、例えば、電力負荷と、冷熱負荷と、温熱負荷と、蒸気負荷とである。需要家500の負荷は、エネルギー供給プラント4から供給されたエネルギーを消費する。
需要家群5の負荷は、需要家群5のエネルギー供給機器から供給されたエネルギーを消費してもよい。需要家群5のエネルギー需要は、需要家群5のエネルギー供給機器から需要家群5の負荷にエネルギーが供給されるほど少なくなる。すなわち、外部エネルギー源3がエネルギー供給プラント4に供給するエネルギー量は、需要家群5のエネルギー供給機器から需要家群5の負荷にエネルギーが供給されるほど少なくなる。
以下では、外部エネルギー源3がエネルギー供給プラント4に供給するエネルギー量(エネルギー供給量)に関して、年間制約が需要家群5に課せられる。年間制約は、例えば、ZEB、PEB及びZEHなどの年間エネルギー生産制約(年間一次エネルギー収支に関する制約)である。年間制約は、例えば、ガス会社と需要家との間の大口供給契約に基づく年間ガス需要量制約でもよい。年間制約は、例えば、外部電源業者との年間取引量契約でもよい。年間制約は、例えば、エネルギー供給機器の運転に関する制約でもよい。
図2は、エネルギー管理装置2の構成の例を示す図である。エネルギー管理装置2は、プロセスデータ取得部21と、プロセスデータ記憶部22と、設定データ取得部23と、取得制御部24と、設定データ記憶部25と、演算処理部26と、演算結果記憶部27とを備える。
プロセスデータ取得部21とプロセスデータ記憶部22と設定データ取得部23と取得制御部24と演算処理部26とのうち一部又は全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。
プロセスデータ取得部21とプロセスデータ記憶部22と設定データ取得部23と取得制御部24と演算処理部26とのうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
設定データ記憶部25と演算結果記憶部27とは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶媒体(非一時的な記録媒体)を有する。設定データ記憶部25と演算結果記憶部27とは、例えば、RAMやレジスタなどの揮発性の記憶媒体を有していてもよい。
通信部20は、内部ネットワーク100を介して、エネルギー供給プラント4と通信する。例えば、通信部20は、内部ネットワーク100を介して、エネルギー供給プラント4の計測装置からプロセスデータ220を取得する。プロセスデータ220は、例えば、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器のエネルギー残存量(計測残存データ)、運用状態、故障状態、燃料残存量及びプラント構成を表すデータである。プロセスデータ220は、例えば、エネルギー供給プラント4の運用記録を表すデータでもよい。プロセスデータ220は、例えば、需要家群5が所有するエネルギー供給機器のエネルギー残存量、運用状態、故障状態、燃料残存量、プラント構成を表すデータでもよい。プロセスデータ220は、例えば、需要家群5のエネルギー負荷の記録を表すデータでもよい。通信部20は、内部ネットワーク100を介して取得したプロセスデータ220を、プロセスデータ取得部21に送信する。
プロセスデータ取得部21は、エネルギー供給プラント4に関するプロセスデータ220を、通信部20から取得する。プロセスデータ取得部21は、通信部20を介さずに、エネルギー供給プラント4からプロセスデータを取得してもよい。プロセスデータ取得部21は、取得したプロセスデータ220を、時刻に対応付けてプロセスデータ記憶部22に記憶させる。時刻の単位は、例えば、1時間である。プロセスデータ記憶部22は、プロセスデータ220を日時に対応付けて記憶する。
設定データ取得部23(データ取得部)は、キーボード、タッチパネル及びマウスなどの操作部である。設定データ取得部23は、設定データ取得部23に対する操作に応じて、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の設定データを取得する。エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器は、例えば、蓄電池、冷熱槽、温熱槽である。エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の設定データは、例えば、プラントモデルデータ251、モデルパラメータデータ252である。
プラントモデルデータ251は、エネルギー供給プラント4の態様を示す設定データである。例えば、プラントモデルデータ251は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の種類を表すデータでもよい。例えば、プラントモデルデータ251は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の接続態様を表すデータでもよい。接続態様は、例えば、エネルギーの流れの態様、通信の流れの態様である。
モデルパラメータデータ252は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の詳細を示す設定データである。例えば、モデルパラメータデータ252は、エネルギー供給機器が供給するエネルギーの最大出力及び最小出力を表すデータでもよい。例えば、モデルパラメータデータ252は、エネルギーの変換効率を表すデータでもよい。エネルギーの変換効率は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器が消費したエネルギー量に対してエネルギー供給機器が生成したエネルギー量に基づいて表される。
例えば、モデルパラメータデータ252は、エネルギー単価を表すデータでもよい。エネルギー単価は、例えば、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器がエネルギーを生成する際に消費するエネルギーの単価である。モデルパラメータデータ252は、日時に対応付けられてもよい。エネルギー供給機器がエネルギーを製造する際に消費するエネルギーは、外部エネルギー源3から供給される。エネルギー供給機器がエネルギーを製造する際に消費するエネルギーは、例えば、電力、ガス、灯油、石炭、石油、天然ガス及び薪などのエネルギーである。
モデルパラメータデータ252は、気象条件に応じてエネルギーの生成効率が変化する太陽光発電設備(PV: Photo Voltaics)などについて、気象条件に応じて生成されるエネルギー量を表すデータでもよい。モデルパラメータデータ252は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器が蓄積可能なエネルギー量を表すデータでもよい。
設定データ取得部23は、通信用インターフェースを備えてもよい。設定データ取得部23は、通信用インターフェースを介して、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の設定データを外部記憶装置から取得してもよい。
取得制御部24は、設定データ取得部23が取得した設定データを、設定データ記憶部25に記憶させる。取得制御部24は、評価期間データ250を設定データ記憶部25に記憶させる。評価期間データ250は、演算処理部26が運転計画を作成する対象となる期間(以下、「評価期間」という。)を表すデータである。評価期間データ250は、評価期間における年間制約の設定内容を表すデータを更に含む。設定データ記憶部25は、評価期間データ250と、プラントモデルデータ251と、モデルパラメータデータ252とを記憶する。
演算処理部26は、プロセスデータ220をプロセスデータ記憶部22から取得する。演算処理部26は、評価期間データ250と、プラントモデルデータ251と、モデルパラメータデータ252とを、設定データ記憶部25から取得する。演算処理部26は、プロセスデータ220と評価期間データ250とプラントモデルデータ251とモデルパラメータデータ252とに基づいて、エネルギー供給プラント4に関する年間制約係数データ270を作成する。
演算処理部26は、プロセスデータ220と評価期間データ250とプラントモデルデータ251とモデルパラメータデータ252とに基づいて、需要家群5における年間需要予測データ271を作成する。年間需要予測データ271は、需要家群5における年間エネルギー需要量(エネルギー消費量)の予測結果を表すデータである。年間需要予測データ271は、例えば、1時間単位で表される。演算処理部26は、プロセスデータ220と評価期間データ250とプラントモデルデータ251とモデルパラメータデータ252とに基づいて、エネルギー供給プラント4に関する日間需要予測データ273を作成する。
演算処理部26は、年間制約係数データ270と、年間需要予測データ271と、年間運転計画データ272と、日間需要予測データ273と、日間運転計画データ274とを、演算結果記憶部27に記憶させる。
演算処理部26は、年間制約優先度演算部260と、年間需要予測部261と、年間運転計画部262と、日間需要予測部263と、日間運転計画部264とを備える。
年間制約優先度演算部260(優先度決定部)は、評価期間データ250を、設定データ記憶部25から取得する。年間制約優先度演算部260は、年間制約の設定内容を表すデータを、評価期間データ250から抽出する。年間制約優先度演算部260は、年間制約の設定内容と目的関数の設定内容とに基づいて、予め定められた基準に従って、年間制約の優先度を定める。年間制約優先度演算部260は、複数の年間制約がある場合、複数の年間制約について、優先度を年間制約ごとに定める。
年間制約優先度演算部260は、年間制約の優先度を、年間運転計画部262に送信する。年間制約優先度演算部260は、年間制約の優先度を、年間制約係数データ270に含めて演算結果記憶部27に記憶させる。
年間制約優先度演算部260は、年間制約の設定内容と目的関数の設定内容とに基づいて、年間のエネルギーコストを低減するための年間制約の優先度を算出する。優先度は、優先順位を表す番号で表現される。優先度は、重みづけを表す値で表現されてもよい。年間制約優先度演算部260は、年間制約の設定内容と目的関数の設定内容とに基づいて、CO2の排出量を低減するための年間制約の優先度を算出してもよい。
年間制約には、目標のエネルギーコストの達成のしやすさに違いがあってもよい。年間制約優先度演算部260は、達成にしくい年間制約であるほど、より大きな重みづけを与えてもよい。すなわち、年間制約優先度演算部260は、達成にしくい年間制約であるほど、より大きな重みづけに応じた大きな係数を与えてもよい。年間制約は、重みづけが大きいほど達成しやすくなる。エネルギーコストは、年間制約の重みづけが大きいほど高くなる。
年間需要予測部261(長期予測部)は、プロセスデータ220をプロセスデータ記憶部22から取得する。年間需要予測部261は、プロセスデータ220に基づいて、需要家群5における年間エネルギー需要量を予測する。年間需要予測部261は、需要家群5における年間エネルギー需要量の予測結果を、年間運転計画部262に送信する。年間需要予測部261は、需要家群5における年間エネルギー需要量の予測結果を、日時に対応付けて年間需要予測データ271として演算結果記憶部27に記憶させる。
年間運転計画部262(長期計画部)は、評価期間データ250とプラントモデルデータ251とモデルパラメータデータ252とを、設定データ記憶部25から取得する。年間運転計画部262は、年間制約係数データ270と年間需要予測データ271とを、演算結果記憶部27から取得する。
年間運転計画部262は、評価期間データ250とプラントモデルデータ251とモデルパラメータデータ252と年間制約係数データ270と年間需要予測データ271とに基づいて、エネルギー供給プラント4の年間運転計画を作成する。例えば、年間運転計画部262は、エネルギー供給プラント4の年間燃料制約や運転制約などの複数の制約を満たす範囲でエネルギーコストを最小化することによって、エネルギー供給プラント4の年間運転計画を作成する。例えば、電力のエネルギーコストは、電力需要量に電力単価を乗算した結果に基づく金額である。例えば、ガスのエネルギーコストは、ガス需要量にガス単価を乗算した結果に基づく金額である。年間運転計画部262は、数理計画法や発見的方法(ヒューリスティクス)に基づいて、エネルギーコストを最小化する。
年間運転計画部262は、エネルギー供給プラント4の年間運転計画に基づいて、年間におけるエネルギー需要量や運転などの制約に関する係数(以下、「年間制約係数」という。)を定める。年間運転計画部262は、年間制約係数を定めることによって、年間運転計画を作成する。年間制約係数が大きくなるに従い、エネルギーは多く使用される。例えば、ガスの年間制約係数が大きくなるに従い、ガスは多く使用される。
年間運転計画部262は、年間制約係数を、年間制約係数データ270に含めて演算結果記憶部27に記憶させる。したがって、年間制約係数データ270は、年間制約優先度演算部260が作成した年間制約の優先度と、年間運転計画部262が作成した年間制約係数とを含む。
年間運転計画部262は、エネルギー供給プラント4の年間運転計画を表すデータを、年間運転計画データ272として演算結果記憶部27に記憶させる。すなわち、年間運転計画データ272は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の年間の運転計画を表すデータである。年間運転計画データ272は、例えば、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器における年間の運転計画を1時間単位で示す。エネルギー供給機器は、負荷にエネルギーを供給する機器である。エネルギー供給機器は、例えば、蓄電池、水冷チラー、吸収式冷凍機(ABR: absorption refrigerator)、コジェネレーションシステム(CGS: Co-Generation System)である。
日間需要予測部263(短期予測部)は、プロセスデータ220をプロセスデータ記憶部22から取得する。日間需要予測部263は、プロセスデータ220に基づいて、需要家群5における日間エネルギー需要量を予測する。日間需要予測部263は、需要家群5における日間エネルギー需要量の予測結果を、日間運転計画部264に送信する。
日間需要予測部263は、需要家群5における日間エネルギー需要量の予測結果を、日時に対応付けて、日間需要予測データ273として演算結果記憶部27に記憶させる。すなわち、日間需要予測データ273は、需要家群5における日間エネルギー需要量の予測結果を表すデータである。日間需要予測データ273は、例えば、1時間単位で表される。
日間運転計画部264(短期計画部)は、評価期間データ250とプラントモデルデータ251とモデルパラメータデータ252とを、設定データ記憶部25から取得する。日間運転計画部264は、年間制約係数データ270と日間需要予測データ273とを、演算結果記憶部27から取得する。
日間運転計画部264は、評価期間データ250とプラントモデルデータ251とモデルパラメータデータ252と年間制約係数データ270と日間需要予測データ273とに基づいて、エネルギー供給プラント4の日間運転計画を作成する。例えば、日間運転計画部264は、エネルギー供給プラント4の年間燃料制約や運転制約などの複数の制約を満たす範囲でエネルギーコストを最小化することによって、エネルギー供給プラント4の日間運転計画を作成する。日間運転計画部264は、数理計画法や発見的方法(ヒューリスティクス)に基づいて、エネルギーコストを最小化する。
日間運転計画部264は、長期間などについて予め定められた複数の制約を満たす範囲で、短期間におけるエネルギー供給機器の運転計画を定める。日間運転計画部264は、評価期間に含まれている短期間におけるエネルギー供給機器の運転計画を定める。
日間運転計画部264は、エネルギー供給プラント4の日間運転計画を、日間運転計画データ274として演算結果記憶部27に記憶させる。すなわち、日間運転計画データ274は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の日間の運転計画を表すデータである。日間運転計画データ274は、例えば、1時間単位で表される。
演算結果記憶部27は、年間制約係数データ270と、年間需要予測データ271と、年間運転計画データ272と、日間需要予測データ273と、日間運転計画データ274とを記憶する。
図3は、外部エネルギー源3と、エネルギー供給プラント4と、需要家群5との構成の例を示す図である。図3では、外部エネルギー源3は、電力会社30と、新電力会社(PPS: Power Producer and Supplier)31と、電力市場32と、ガス会社33と、燃料会社34とを備える。
電力会社30の装置は、エネルギー供給プラント4に系統電力を供給する。新電力会社31の装置は、エネルギー供給プラント4に外部電源の電力を供給する。電力市場32などの装置は、エネルギー供給プラント4に電力を供給する。ガス会社33の装置は、エネルギー供給プラント4にガスを供給する。ガスは、例えば、ガスパイプライン又はタンクローリー車によって、エネルギー供給プラント4のガスタンクに供給される、燃料会社34の装置は、エネルギー供給プラント4に燃料を供給する。
エネルギー供給プラント4は、受電設備400と、PV401(太陽光発電設備)と、蓄電池402と、水冷チラー403と、空冷HPチラー404(Heat-Pomp、ヒートポンプ)と、熱回収HPチラー405と、CGS406と、ボイラ407と、ABR408と、冷熱槽409と、温熱槽410とを、エネルギー供給機器として備える。
受電設備400は、系統電力を電力会社30の装置から取得する。受電設備400は、系統電力の電圧をエネルギー供給プラント4に適した電圧に変換する。受電設備400は、外部電源の電力を新電力会社31の装置から取得する。受電設備400は、外部電源の電力の電圧をエネルギー供給プラント4に適した電圧に変換する。受電設備400は、電力を電力市場32の装置から取得する。受電設備400は、取得した電力の電圧をエネルギー供給プラント4に適した電圧に変換する。受電設備400は、蓄電池402と水冷チラー403と空冷HPチラー404と熱回収HPチラー405と需要家500とに、電力を供給する。
PV401は、発電設備である。PV401は、太陽光パネルを備える。太陽光パネルは、太陽光を電気エネルギーに変換する。PV401の発電量は、天候などの気象条件に応じて変化する。PV401は、蓄電池402と需要家500とに電力を供給する。
蓄電池402は、二次電池である。蓄電池402は、充電又は放電する。蓄電池402は、需要家500に電力を供給する。水冷チラー403は、水を熱源として冷媒を相変化させることによって、冷水を生成する。水冷チラー403は、冷熱槽409及び需要家500に冷水を供給する。
空冷HPチラー404は、空気を熱源として冷媒を相変化させることによって、冷水又は温水を生成する。空冷HPチラー404は、冷水又は温水(冷熱)を冷熱槽409及び需要家500に供給する。熱回収HPチラー405は、水又は空気を熱源として冷媒を相変化させることによって、冷水又は温水を生成する。熱回収HPチラー405は、冷水又は温水(冷熱)を冷熱槽409及び需要家500に供給する。
CGS406は、内燃機関又は外燃機関を備える。CGS406は、内燃機関又は外燃機関によって発電する。CGS406は、ABR408、温熱槽410及び需要家500に、排熱を温熱として供給する。ボイラ407は、ガスをエネルギー源として、ABR408、温熱槽410及び需要家500に、温熱又は蒸気を供給する。
ABR408は、水蒸気の吸収と熱源による水蒸気の再生プロセスとを、冷媒の凝縮器及び蒸発器の間で発生させる。ABR408は、ガスをエネルギー源としてもよいし、バイオマス燃料をエネルギー源としてもよい。ABR408は、冷熱槽409及び需要家500に冷水を供給する。
冷熱槽409は、例えば、水蓄熱槽、氷蓄熱槽又は潜熱蓄熱槽である。冷熱槽409は、貯留した熱媒を用いて蓄熱する。温熱槽410は、例えば、水蓄熱槽である。温熱槽410は、貯留した熱媒を用いて蓄熱する。
需要家群5の需要家500は、電力負荷501と、冷熱負荷502と、温熱負荷503と、蒸気負荷504とを備える。電力負荷501は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器から電力を取得する。冷熱負荷502は、水を媒体として、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器から冷熱を取得する。温熱負荷503は、水を媒体として、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器から温熱を取得する。蒸気負荷504は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器から蒸気を取得する。
図4は、エネルギー管理装置2の動作の例を示すフローチャートである。エネルギー管理装置2は、図4に示す動作を定期的に実行してもよい。例えば、エネルギー管理装置2は、図4に示すステップS104からステップS107までの動作を、1カ月ごとに実行してもよい。例えば、エネルギー管理装置2は、図4に示すステップS106からステップS107までの動作を、1日ごとに実行してもよい。
エネルギー管理装置2の演算処理部26は、プロセスデータをプロセスデータ記憶部22から取得する。エネルギー管理装置2の演算処理部26は、評価期間データ250とプラントモデルデータ251とモデルパラメータデータ252とを、設定データ記憶部25から取得する(ステップS101)。
年間需要予測部261は、需要家群5における年間エネルギー需要量を予測する。例えば、年間需要予測部261は、過去1年間における月間エネルギー需要量の平均値が1年間続くと仮定して、需要家群5における年間エネルギー需要量を予測する。
例えば、年間需要予測部261は、直近のN日間(Nは1以上の整数)のエネルギー需要量の実績値又は予測値の平均値を、移動平均法、加重移動平均法又は指数平滑法などによって時間ごとに算出することによって、需要家群5における年間エネルギー需要量を予測してもよい。例えば、年間需要予測部261は、ステップS106において算出された日間需要予測データ273に基づいて、需要家群5における年間エネルギー需要量を予測してもよい(ステップS102)。
年間運転計画部262は、評価期間データ250とプラントモデルデータ251とモデルパラメータデータ252と年間制約係数データ270と年間需要予測データ271とに基づいて、エネルギー供給プラント4の年間運転計画を作成する(ステップS103)。
年間需要予測部261は、需要家群5における年間エネルギー需要量の予測結果を1カ月ごとに更新することによって、更新された年間需要予測データ271を作成する。例えば、年間需要予測部261は、ステップS102と同様の方法を用いて、更新された年間需要予測データ271を作成してもよい(ステップS104)。
年間運転計画部262は、更新された年間需要予測データ271に基づいて、エネルギー供給プラント4の年間運転計画を更新する。例えば、年間運転計画部262は、ステップS103と同様の方法を用いて、エネルギー供給プラント4の年間運転計画を更新してもよい(ステップS105)。
日間需要予測部263は、プロセスデータ220に基づいて需要家群5における日間エネルギー需要量を1日ごとに予測することによって、日間需要予測データ273を作成する。例えば、日間需要予測部263は、ステップS102と同様の方法を用いて、日間需要予測データ273を作成してもよい。例えば、日間需要予測部263は、需要家500におけるエネルギー需要量の履歴データから、評価対象日に類似する日におけるエネルギー需要量のデータを抽出してもよい。日間需要予測部263は、抽出された日におけるエネルギー需要量の履歴データに対して、パターンマッチングを時間ごとに施すことによって、日間需要予測データ273を作成してもよい(ステップS106)。
日間運転計画部264は、年間制約係数データ270と日間需要予測データ273とに基づいて、エネルギー供給プラント4の日間運転計画を作成する(ステップS107)。
次に、エネルギーコストを最小化するための年間運転計画の作成について説明する。
需要家群5の需要家500におけるエネルギー負荷は、電力負荷と、冷熱負荷と、温熱負荷と、蒸気負荷とである。以下、電力負荷を表す添え字はeである。冷熱負荷を表す添え字はCである。温熱負荷を表す添え字はHである。蒸気負荷を表す添え字はSである。
外部エネルギー源3が供給するエネルギーは、系統電力と、外部電源の電力と、ガスと、灯油などの燃料とである。以下、系統電力を表す上付添え字はGである。系統電力を表す下付添え字はeである。外部電源の電力を表す上付添え字はoutである。ガスを表す添え字はgである。燃料を表す添え字はoである。
以下、運転計画の目的関数は、エネルギーコストを最小化することを目的とした関数である。運転計画の目的関数は、CO2の排出量を最小化することを目的とした関数でもよい。年間制約の一つである外部電源の電力の年間調達量制約には、上限及び下限が定められている。年間制約の一つであるガスの年間調達量制約には、上限及び下限が定められている。時刻tdは、日にちdにおける時刻tを表す。時間tdと日にちdと時刻tとは、いずれも離散値である。時刻tdは連続値でもよい。時刻tdが連続値である場合、式におけるΣ(総和)は、∫(積分)と読み替えられてもよい。外部エネルギー源の構成は、図3に示されている構成と異なっていてもよい。年間制約の数は任意でもよい。
年間運転計画部262は、図4に示すステップS103において、エネルギーコストを最小化するための目的関数を表す式(1)を算出する。式(1)は、年間の積算値である。年間運転計画部262は、式(1)に基づいて年間運転計画を作成する。
ここで、式(2)〜(16)が成り立つ。式(2)は、年間の積算値であって、年間外部電源需要量制約を表す条件式である。式(3)は、年間の積算値であって、年間ガス需要量制約を表す条件式である。式(4)は、電力需給バランスを表す条件式である。式(5)は、冷熱需給バランスを表す条件式である。式(6)は、温熱の需給バランスを表す条件式である。式(7)は、蒸気の需給バランスを表す条件式である。式(8)は、エネルギーを蓄積する機器(以下、「蓄エネ機器」という。)におけるエネルギー残量を表す条件式である。蓄エネ機器は、例えば、蓄電池402、冷熱槽409、温熱槽410である。式(9)は、ガス需要量を表す条件式である。式(10)は、燃料需要量を表す条件式である。式(11)は、CGS406の電熱出力を表す条件式である。式(12)は、ABR408の冷熱出力を表す条件式である。式(13)は、電源機器の熱源出力を表す条件式である。式(14)は、ボイラ407の熱出力を表す条件式である。式(15)は、蓄エネ機器における容量制約を表す条件式である。式(16)は、各エネルギー供給機器の上限出力及び下限出力により定まる制約を表す条件式である。式(4)〜(16)は、各時刻における制約条件を表す。
式(1)〜(16)における各記号の説明は、以下の通りである。
次に、年間運転計画における年間制約などの複数の制約条件を緩和することについて説明する。
式(2)及び(3)についてラグランジュ緩和の考え方が応用された場合、式(1)〜(16)に基づいて、式(17)〜(19)が得られる。式(17)は、制約条件が緩和された場合における、年間のエネルギーコストを最小化するための目的関数を表す。
ここで、式(4)〜(16)において、式(18)及び式(19)が成り立つ。式(18)は、年間外部電源制約係数を表す条件式である。年間外部電源制約係数は、年間における外部電源の電力に関する制約係数である。式(19)は、ガスの年間制約係数を表す条件式である。
ここで、γ1は、外部電源の電力に関する年間制約係数を表す。γ2は、ガスに関する年間制約係数を表す。年間制約係数γは、年間制約が上限値及び下限値によって定められている場合、式(18)に示すように任意の範囲である。年間制約係数γは、年間制約が下限値によって定められている場合、式(19)に示すように(γ≧0)である。年間制約係数γは、年間制約が上限値によって定められている場合、(γ≦0)である。
以下、エネルギー単価から係数が減算された結果を「仮想エネルギー単価」という。以下、外部電源の電力のエネルギー単価Pe out(td)から年間制約係数γ1が減算された結果を、「外部電源の電力の仮想エネルギー単価」という。外部電源の電力の仮想エネルギー単価(=電力のエネルギー単価Pe out(td)−γ1)は、外部電源の電力に関する年間制約係数γ1が大きくなるほど安くなる。これにより、外部電源の電力の需要量は、外部電源の電力に関する年間制約係数γ1が大きくなるほど増える。
以下、ガスのエネルギー単価Pg(td)から年間制約係数γ2が減算された結果を、「ガスの仮想エネルギー単価」という。ガスの仮想エネルギー単価(=ガスのエネルギー単価Pg(td)−γ2)は、ガスに関する年間制約係数γ2が大きくなるほど安くなる。これにより、ガスの需要量は、ガスに関する年間制約係数γ2が大きくなるほど増える。
式(17)は、式(1)と異なり、外部電源の電力のエネルギー単価の代わりに外部電源の電力の仮想エネルギー単価を含む。式(17)は、式(1)と異なり、ガスのエネルギー単価の代わりにガスの仮想エネルギー単価を含む。
式(17)の制約条件は、年間制約を表す式(2)及び式(3)が式(17)の制約条件から除外されているので、各時刻における仮想エネルギー単価に基づく制約条件のみとなる。これにより、日間運転計画部264は、年間制約をみたす日間運転計画を作成することができる。
次に、日間運転計画における複数の制約条件を緩和することについて説明する。
式(20)は、制約条件が緩和された場合における、日間のエネルギーコストを最小化するための目的関数を表す。
ここで、式(4)〜(16)、(18)、(19)が成り立つ。なお、年間制約は、ガス又は燃料に基づいて定められる制約条件でなくてもよい。例えば、年間制約は、複合型の年間制約でもよい。複合型の年間制約は、例えば、ZEBにおける年間制約(年間エネルギー生産制約)である。
図5は、年間運転計画部262の構成の例を示す図である。年間運転計画部262は、年間制約係数初期化部2620と、収束判定部2621と、年間制約係数更新部2622とを備える。年間制約係数初期化部2620は、年間制約係数を初期化する。
日間運転計画部264は、初期化された年間制約係数を、年間制約係数初期化部2620から取得する。日間運転計画部264は、更新された年間制約係数を、年間制約係数更新部2622から取得する。日間運転計画部264は、エネルギーコストを最小化する年間制約係数を探索することによって、探索された年間制約係数に基づいてエネルギー供給プラント4の日間運転計画を作成する。日間運転計画部264は、収束した年間制約係数に基づいて、エネルギー供給プラント4の日間運転計画を1年間について作成する。
収束判定部2621は、年間制約係数を探索する処理において年間制約係数が収束したか否かを判定する。収束判定部2621は、年間制約係数が収束した場合、収束した年間制約係数を年間制約優先度演算部260に送信する。
年間制約優先度演算部260は、年間制約の設定内容と目的関数の設定内容とに基づいて、年間制約の優先度を算出する。年間制約優先度演算部260は、年間制約の優先度を、年間制約係数更新部2622に送信する。
年間制約係数更新部2622は、年間制約係数を更新する。年間制約係数更新部2622は、更新された年間制約係数を含む年間制約係数データ270を、日間運転計画部264に送信する。
図6は、年間運転計画部262の動作(ステップS103)の例を示すフローチャートである。年間運転計画部262が年間運転計画を作成する場合において(ステップS103)、年間運転計画部262の年間制約係数初期化部2620は、年間制約係数データ270を初期化する。例えば、年間制約係数初期化部2620は、モデルパラメータデータ252に含まれている年間制約係数γi 0で、年間制約係数データ270を初期化する(ステップS201)。
年間制約係数データ270が更新されてない場合、日間運転計画部264は、初期化された年間制約係数データ270と年間需要予測データ271とに基づいて、エネルギー供給プラント4の日間運転計画を1年間について作成する。年間制約係数データ270が更新されている場合、日間運転計画部264は、更新された年間制約係数データ270と年間需要予測データ271とに基づいて、エネルギー供給プラント4の日間運転計画を1年間について作成する(ステップS107)。
収束判定部2621は、年間制約係数が収束したか否かを判定する。例えば、収束判定部2621は、評価期間データ250に含まれている年間制約の設定内容に基づいて、絶対誤差を表す式(21)と年間制約を表す式(2)及び(3)とを満たすか否かを判定する。
ここで、γi kは、年間制約iに関するk回目の年間制約係数の更新値を表す。εiは、年間制約iの年間制約係数に関する正の一定値である(ステップS202)。
年間制約優先度演算部260は、年間制約係数が収束していない場合(ステップS202:NO)、年間制約の設定内容と目的関数の設定内容とに基づいて、年間制約の優先度を算出する。例えば、年間制約優先度演算部260は、年間制約の優先度を、年間制約iに関して予め定められた重みづけ値wiと等しい値にする。例えば、年間制約優先度演算部260は、年間制約の余裕度(上限及び下限)に基づいて、式(22)及び式(23)を算出してもよい。式(22)は、外部電源の電力に関する年間制約iの優先度(重みづけ値)を表す。式(23)は、ガスに関する年間制約iの優先度(重みづけ値)を表す。式(23)におけるEgは、制約値の下限である。したがって、式(23)は、制約値の下限とガスの需要量との差を表す(ステップS203)。
年間制約係数更新部2622は、年間制約の優先度に基づいて、年間制約係数を更新する。例えば、年間制約係数更新部2622は、エネルギーコストの各変数について二分法や勾配法を実行することによって、年間制約係数を更新する。
図7は、年間制約係数の更新をエネルギー種別ごとに示す図である。横軸は、エネルギー種別を示す。縦軸は、エネルギー需要量を示す。年間制約係数更新部2622は、優先度の高い年間制約の年間制約係数を優先して更新してもよい。図7では、年間制約係数更新部2622は、電力に関する年間制約係数を、ガスに関する年間制約係数よりも優先して更新している。
年間制約係数更新部2622は、エネルギー需要量が年間制約から離れるほど、年間制約の年間制約係数をより大きく更新してもよい。これにより、日間運転計画部264は、複数の年間制約を満たす場合でも、更新された年間制約係数γに基づいて計算結果の収束を早めて、年間制約係数γの全数探索をすることなく短時間の計算で日間運転計画を作成することができる。年間運転計画部262は、更新された年間制約係数γに基づいて計算結果の収束を早めて、年間制約係数γの全数探索をすることなく短時間の計算で年間運転計画を作成することができる。
図7では、ドット300〜330は、電力に関する年間制約係数γ1に応じたエネルギー需要量を示す。図7では、ドット300は、電力に関する年間制約係数γ1の初期値に対応するエネルギー需要量を示す。ドット330は、年間制約のエネルギー需要量の最適解を示す。
図7では、エネルギー需要量を示すドットの位置は、電力に関する年間制約係数γ1を年間制約係数更新部2622が更新するごとに、ドット300〜330の順に変化する。ドット300とドット310との間隔は、年間制約のエネルギー需要量の最適解からドット300の位置が離れているので、ドット310とドット320との間隔よりも長い。ドット310とドット320との間隔は、最適解の位置からドット310の位置が離れているので、ドット320とドット330との間隔よりも長い。
図8は、年間制約係数の更新を示す図である。横軸は、電力に関する年間制約係数γ1を示す。縦軸は、ガスに関する年間制約係数γ2を示す。制約範囲340は、年間制約が満たされる範囲を示す。ドット350〜380は、年間制約係数γ1と年間制約係数γ2とを示すドットである。図8では、ドット350の位置は、年間制約係数γ1の初期値と年間制約係数γ2の初期値とに対応する位置を示す。ドット380の位置は、年間制約のエネルギー需要量の最適解に対応する年間制約係数γ1及び年間制約係数γ2を示す。
図8では、ドットの位置は、年間制約係数更新部2622が年間制約係数γ1と年間制約係数数γ2とを更新するごとに、ドット350〜380の順に変化する。ドット350とドット360との間隔は、年間制約のエネルギー需要量の最適解からドット350の位置が離れているので、ドット360とドット370との間隔よりも長い。ドット360とドット370との間隔は、最適解の位置からドット360の位置が離れているので、ドット360とドット370との間隔よりも長い。
年間制約係数更新部2622は、年間制約の優先度(重みづけ値)と式(24)とに基づいて、年間制約係数を更新してもよい。式(24)は、年間制約係数の第1の更新例を表す。
式(24)において、aは定数である。年間制約係数更新部2622は、年間制約の優先度(重みづけ値)と式(25)とに基づいて、年間制約係数を更新してもよい。式(25)は、年間制約係数の第2の更新例を表す。
式(25)において、b及びcは定数である。年間制約係数更新部2622は、年間制約の優先度(重みづけ値)と式(26)とに基づいて、年間制約係数を更新してもよい。
式(26)は、年間制約係数の第3の更新例を表す(ステップS204)。年間制約係数更新部2622は、ステップS107に処理を戻す。
年間制約優先度演算部260は、年間制約係数が収束した場合(ステップS202:YES)、収束した年間制約係数と年間運転計画データ272とを、年間制約優先度演算部260に送信する(ステップS205)。
図9は、年間運転計画の表示の例を示す図である。年間運転計画を表すグラフは、表示装置に表示されてもよい。図9の下段の横軸は、ガスの年間制約係数γ2を示す。図9の下段の横軸は、電力の年間制約係数γ1を示してもよい。図9の下段の縦軸は、年間のエネルギーコストを示す。年間のエネルギーコストは、ガスの年間制約係数が大きくなるほど少なくなる場合がある。図9の中段の横軸は、ガスの年間制約係数γ2を示す。図9の中段の縦軸は、年間のガス需要量を示す。年間のガス需要量は、ガスの年間制約係数が大きくなるほど多くなる。図9の上段の横軸は、ガスの年間制約係数γ2を示す。図9の上段の縦軸は、年間の外部電源の電力の需要量を示す。年間の外部電源の電力の需要量は、ガスの年間制約係数が大きくなるほど少なくなる。
年間制約優先度演算部260は、外部電源の電力の年間制約とガスの年間制約とを満たす範囲で、年間のエネルギーコストが最も少なくなる年間制約係数γ(最適解)を算出する。年間制約優先度演算部260は、複数の年間制約を満たす場合でも、年間制約係数γに基づいて計算結果の収束を早めて、年間制約係数γの全数探索をすることなく短時間の計算でエネルギーコストを低減することができる。
図10は、日間運転計画部264の構成の例を示す図である。日間運転計画部264は、年間制約係数取得部2640と、電源機器運転計画部2641と、冷熱源機器運転計画部2642と、温熱源機器運転計画部2643と、蒸気熱源機器運転計画部2644と、蓄エネ機器運転計画部2645とを備える。
年間制約係数取得部2640は、年間運転計画部262の年間制約係数初期化部2620が初期化した年間制約係数データ270を取得する。電源機器運転計画部2641は、年間制約係数データ270に含まれている年間制約係数γに基づいて、電源機器の運転計画を作成する。電源機器は、例えば、発電することが可能であるコジェネレーションシステムである。
冷熱源機器運転計画部2642は、年間制約係数γに基づいて、水冷チラー403などの冷熱源機器の運転計画を作成する。温熱源機器運転計画部2643は、年間制約係数γに基づいて、空冷HPチラー404、熱回収HPチラー405、ボイラ407及びCGS406などの温熱源機器の運転計画を作成する。蒸気熱源機器運転計画部2644は、年間制約係数γに基づいて、蒸気熱源機器の運転計画を作成する。蓄エネ機器運転計画部2645は、蓄エネ機器の運転計画を作成する。
図11は、日間運転計画部264の動作(ステップS107)の例を示すフローチャートである。日間運転計画部264が日間運転計画を作成する場合において(ステップS107)、日間運転計画部264の年間制約係数取得部2640は、年間制約係数を取得する。例えば、年間制約係数取得部2640は、モデルパラメータデータ252に含まれている年間制約係数γi 0で、年間制約係数データ270を取得する(ステップS301)。
電源機器運転計画部2641は、年間制約係数データ270に含まれている年間制約係数と日間需要予測データ273とに基づいて、受電設備400、PV401及び蓄電池402などの電源機器における1時間単位の日間運転計画を作成する。
例えば、電源機器運転計画部2641は、限界コストを算出する。限界コストとは、単位量のエネルギーをエネルギー供給機器に供給するために必要となる単価である。単位量のエネルギーをエネルギー供給機器に供給するために必要となる単価は、供給されるエネルギーの単価をエネルギーの変換効率で除算した結果に基づいて定まる。エネルギーの変換効率は、運転計画を作成する対象のエネルギー供給機器の入出力特性に基づいて定まる。電源機器運転計画部2641は、限界コストに基づいて、電源機器の動作の優先順位を決定する。
例えば、電源機器運転計画部2641は、エネルギーの変換効率が高い電源機器を優先して動作させるための運転計画を作成してもよい。例えば、電源機器運転計画部2641は、エネルギー単価が安い電源機器を優先して動作させるための運転計画を作成してもよい。電源機器運転計画部2641は、需要家500のエネルギー需要を満たす量のエネルギーを供給するように、定められた優先順位に基づいて、電源機器の1時間単位の日間運転計画を作成する(ステップS302)。
冷熱源機器運転計画部2642は、年間制約係数データ270に含まれている年間制約係数と日間需要予測データ273とに基づいて、冷熱源機器の1時間単位の日間運転計画を作成する。冷熱源機器運転計画部2642は、限界コストに基づいて、冷熱源機器の動作の優先順位を決定する。
例えば、冷熱源機器運転計画部2642は、エネルギーの変換効率が高い冷熱源機器を優先して動作させるための運転計画を作成してもよい。例えば、冷熱源機器運転計画部2642は、エネルギー単価が安い冷熱源機器を優先して動作させるための運転計画を作成してもよい。冷熱源機器運転計画部2642は、需要家500のエネルギー需要を満たす量のエネルギーを供給するように、定められた優先順位に基づいて冷熱源機器の1時間単位の日間運転計画を作成する(ステップS303)。
温熱源機器運転計画部2643は、年間制約係数データ270に含まれている年間制約係数と日間需要予測データ273とに基づいて、冷熱源機器の1時間単位の日間運転計画を作成する。温熱源機器運転計画部2643は、限界コストに基づいて、温熱源機器の動作の優先順位を決定する。
例えば、温熱源機器運転計画部2643は、エネルギーの変換効率が高い温熱源機器を優先して動作させるための運転計画を作成してもよい。例えば、温熱源機器運転計画部2643は、エネルギー単価が安い温熱源機器を優先して動作させるための運転計画を作成してもよい。温熱源機器運転計画部2643は、需要家500のエネルギー需要を満たす量のエネルギーを供給するように、定められた優先順位に基づいて温熱源機器の1時間単位の日間運転計画を作成する(ステップS304)。
蒸気熱源機器運転計画部2644は、年間制約係数データ270に含まれている年間制約係数と日間需要予測データ273とに基づいて、蒸気熱源機器の1時間単位の日間運転計画を作成する。蒸気熱源機器運転計画部2644は、限界コストに基づいて、蒸気熱源機器の動作の優先順位を決定する。
例えば、蒸気熱源機器運転計画部2644は、エネルギーの変換効率が高い蒸気熱源機器を優先して動作させるための運転計画を作成してもよい。例えば、蒸気熱源機器運転計画部2644は、エネルギー単価が安い蒸気熱源機器を優先して動作させるための運転計画を作成してもよい。蒸気熱源機器運転計画部2644は、需要家500のエネルギー需要を満たす量のエネルギーを供給するように、定められた優先順位に基づいて蒸気熱源機器の1時間単位の日間運転計画を作成する(ステップS305)。
電源機器運転計画部2641は、各電源機器のエネルギー需要量(消費エネルギー量)を算出する。電源機器運転計画部2641は、各電源機器のエネルギー需給のバランスに基づいて、系統電力の受電量を電源機器ごとに算出してもよい。冷熱源機器運転計画部2642は、各冷熱源機器のエネルギー需要量を算出する。冷熱源機器運転計画部2642は、各冷熱源機器のエネルギー需給のバランスに基づいて、系統電力の受電量を冷熱源機器ごとに算出してもよい。温熱源機器運転計画部2643は、各温熱源機器のエネルギー需要量を算出する。温熱源機器運転計画部2643は、各温熱源機器のエネルギー需給のバランスに基づいて、系統電力の受電量を温熱源機器ごとに算出してもよい。蒸気熱源機器運転計画部2644は、蒸気熱源機器のエネルギー需要量を算出する(ステップS306−1)。
蓄エネ機器運転計画部2645は、蓄エネ機器の運転計画を作成する。例えば、蓄エネ機器運転計画部2645は、蓄エネ機器の限界コストとエネルギーの変換効率とに基づいて、エネルギーコストをより低減することができるように蓄熱又は放熱するための運転計画を作成する(ステップS307)。
電源機器運転計画部2641は、各電源機器のエネルギー需要量(消費エネルギー量)を算出する。電源機器運転計画部2641は、各電源機器のエネルギー需給のバランスに基づいて、系統電力の受電量を電源機器ごとに算出してもよい。冷熱源機器運転計画部2642は、各冷熱源機器のエネルギー需要量を算出する。冷熱源機器運転計画部2642は、各冷熱源機器のエネルギー需給のバランスに基づいて、系統電力の受電量を冷熱源機器ごとに算出してもよい。温熱源機器運転計画部2643は、各温熱源機器のエネルギー需要量を算出する。温熱源機器運転計画部2643は、各温熱源機器のエネルギー需給のバランスに基づいて、系統電力の受電量を温熱源機器ごとに算出してもよい。蒸気熱源機器運転計画部2644は、蒸気熱源機器のエネルギー需要量を算出する(ステップS306−2)。
電源機器運転計画部2641は、電源機器の日間運転計画データ274を年間運転計画部262に送信する。冷熱源機器運転計画部2642は、冷熱源機器の日間運転計画データ274を年間運転計画部262に送信する。温熱源機器運転計画部2643は、温熱源機器の日間運転計画データ274を年間運転計画部262に送信する。蒸気熱源機器運転計画部2644は、蒸気熱源機器の日間運転計画データ274を年間運転計画部262に送信する(ステップS308)。
図12は、日間運転計画の表示の例を示す図である。日間運転計画を表すグラフは、表示装置に表示される。図12に示すグラフの各横軸は、時間を示す。図12の上段に示すグラフの縦軸は、電力エネルギーを示す。図12の上段は、蓄電池402などのエネルギー供給機器が需要家500にエネルギーを供給するための日間運転計画を表す。図12の上段に示すグラフは、外部エネルギー源3の外部電源が需要家500にエネルギーを供給するための日間運転計画を表す。図12の上段に示すグラフは、需要家500における需給バランスを表す。すなわち、図12の上段に示すグラフは、需要家500について、電力のエネルギー需要量(総電力負荷)と、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器のエネルギー供給量と、外部エネルギー源3の系統電力及び外部電源のエネルギー供給量とのバランスを表す。
図12の中段に示すグラフの縦軸は、冷熱エネルギーを示す。図12の中段は、水冷チラー403などのエネルギー供給機器が需要家500にエネルギーを供給するための日間運転計画を表す。図12の中段に示すグラフは、ABR408が需要家500にエネルギーを供給するための日間運転計画を表す。図12の中段に示すグラフは、需要家500における需給バランスを表す。すなわち、図12の中段に示すグラフは、需要家500について、冷熱のエネルギー需要量(総冷熱負荷)と、水冷チラー403のエネルギー供給量と、ABR408のエネルギー供給量とのバランスを表す。図12の下段に示すグラフの縦軸は、エネルギー単価を示す。図12の下段は、系統電力と外部電源とガスとについて、エネルギー単価に関する日間運転計画を表す。
日間運転計画部264は、外部電源のエネルギー単価が系統電力のエネルギー単価よりも安い時間帯では、外部電源の電力を優先的に需要家500に供給するための日間運転計画を作成する。
電力エネルギーについて、日間運転計画部264は、外部電源の電力のエネルギー単価の安い時間帯では、外部電源の電力を蓄電するための日間運転計画を作成する。日間運転計画部264は、需要家500におけるエネルギー需要量が外部電源の電力エネルギー(kWh)の上限を超える時間帯では、蓄電池402から需要家500に放電するための日間運転計画を作成する。これによって、日間運転計画部264は、エネルギーコストを削減することができる。
冷熱エネルギーについて、日間運転計画部264は、電力のエネルギー単価がガスのエネルギー単価よりも高い時間帯では、電力を利用して駆動する水冷チラー403よりも、ガスを利用して駆動するABR408を優先し、ABR408を動作させるための日間運転計画を作成する。ガスのエネルギー単価は、1日間を通して一定でもよい。
以上のように、第1の実施形態のエネルギー管理装置2は、年間需要予測部261と、年間運転計画部262と、日間需要予測部263と、日間運転計画部264とを持つ。年間需要予測部261は、エネルギー供給機器からエネルギーが供給される対象である負荷のエネルギー需要量を予め定められた長期間について予測する。長期間における負荷のエネルギー需要量は、例えば、年間需要予測データ271である。予め定められた長期間は、例えば、1年間である。年間運転計画部262は、長期間におけるエネルギー需要量の予測結果に基づいて、複数の制約を満たす範囲で、長期間におけるエネルギー供給機器の運転計画を定める。長期間におけるエネルギー供給機器の運転計画は、例えば、年間運転計画データ272である。日間需要予測部263は、長期間に含まれている短期間について負荷のエネルギー需要量を予測する。短期間について負荷のエネルギー需要量は、例えば、日間需要予測データ273である。短期間は、例えば、1日間である。日間運転計画部264は、長期間におけるエネルギー供給機器の運転計画と短期間におけるエネルギー需要量の予測結果とに基づいて、複数の制約を満たす範囲で、短期間におけるエネルギー供給機器の運転計画を定める。短期間におけるエネルギー供給機器の運転計画は、例えば、日間運転計画データ274である。
これによって、第1の実施形態のエネルギー管理装置2は、複数の年間制約を満たす場合でもエネルギーコストを低減することができる。
日間運転計画部264は、短期間におけるエネルギー需要量pと、年間制約γなどの係数を用いて変更されたエネルギー単価(仮想エネルギー単価)とを乗算する。エネルギーコストは、例えば、「(電力の需要量×電力の仮想エネルギー単価)+(ガスの需要量×ガスの仮想エネルギー単価)…」のように表される。日間運転計画部264は、乗算結果に基づくエネルギーコストに応じて、短期間におけるエネルギー供給機器の運転計画を定める。短期間におけるエネルギー供給機器の運転計画は、例えば、日間運転計画データ274である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、エネルギー管理システムが監視制御サーバ等を更に備える点が、第1の実施形態と相違する。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図13は、エネルギー管理システム1bの構成の例を示す図である。エネルギー管理システム1bは、需要家群におけるエネルギーを管理するためのシステムである。エネルギー管理システム1bは、エネルギー管理装置2と、外部エネルギー源3と、エネルギー供給プラント4と、需要家群5とを備える。エネルギー管理システム1bは、監視制御サーバ6と、気象サーバ7と、DRサーバ8と、外部通信サーバ9と更に備える。外部ネットワーク200は、通信回線である。外部ネットワーク200は、例えば、光ファイバ、同軸ケーブルである。
監視制御サーバ6は、サーバ装置などの情報処理装置である。監視制御サーバ6は、内部ネットワーク100を介して、エネルギー管理装置2、エネルギー供給プラント4及び需要家群5と通信する。監視制御サーバ6は、内部ネットワーク100及び外部ネットワーク200を介して、外部通信サーバ9と通信してもよい。監視制御サーバ6は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の監視データを、エネルギー管理装置2に送信する。監視データは、例えば、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の運転データを含む。運転データは、例えば、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器のエネルギー供給量の実測値を含む。
気象サーバ7は、サーバ装置などの情報処理装置である。気象サーバ7は、外部ネットワーク200を介して、気象データを外部通信サーバ9に送信する。DRサーバ8は、サーバ装置などの情報処理装置である。DRサーバ8は、外部ネットワーク200を介して、デマンドレスポンスに関するデータ(以下、「DRデータ」という。)を外部通信サーバ9に送信する。
外部通信サーバ9は、外部ネットワーク200を介して、気象サーバ7から気象データを取得する。外部通信サーバ9は、外部ネットワーク200を介して、DRサーバ8からDRデータを取得する。
図14は、エネルギー管理装置2の構成の例を示す図である。エネルギー管理装置2は、プロセスデータ取得部21と、プロセスデータ記憶部22と、設定データ取得部23と、取得制御部24と、設定データ記憶部25と、演算処理部26と、演算結果記憶部27と、表示制御部28と、表示部29とを備える。
プロセスデータ記憶部22は、プロセスデータ220と、気象データ221と、DRデータ222とを、日時に対応付けて記憶する。気象データ221は、例えば、気温や湿度などを表すデータである。気象データ221は、例えば、気象庁から提供されたデータである。
DRデータ222は、デマンドレスポンスに関するデータである。DRデータ222は、例えば、時間ごとのインセンティブの金額、デマンドレスポンスの信号を発行する時間帯、デマンドレスポンスの信号を入札する期限などを表すデータである。DRデータ222は、例えば、ネガワットアグリゲータのDRサーバ8から送信される。
演算処理部26は、年間制約優先度演算部260と、年間需要予測部261と、年間運転計画部262と、日間需要予測部263と、日間運転計画部264と、性能評価部265と、機器制御部266と、DR演算部267とを備える。
年間需要予測部261は、外気温データを含む気象データ221にニューラルネットワーク又はパターンマッチング法などの予測手法を施すことによって、年間の各エネルギー供給機器のエネルギーの変換効率を算出する。
日間需要予測部263は、外気温データを含む気象データ221にニューラルネットワーク又はパターンマッチング法などの予測手法を施すことによって、日間の各エネルギー供給機器のエネルギーの変換効率及びエネルギー需要量を算出する。
性能評価部265(評価部)は、エネルギー需要量の実測値とエネルギー供給量の実測値とに基づいて、作成された運転計画により定まるエネルギーコストが年間制約に対して達成できているか否かを、エネルギー供給機器ごとに評価する。性能評価部265は、エネルギーコストの評価結果を表す性能評価データ275を、年間運転計画部262に送信する。性能評価部265は、性能評価データ275を演算結果記憶部27に記憶させる。
機器制御部266は、例えば、プラントモデルデータ251とモデルパラメータデータ252と日間運転計画データ274とに基づいて、エネルギー供給機器を制御するための機器制御データ276を作成する。機器制御データ276は、運転制約条件を満たす範囲の設定値を含む。運転制約条件は、例えば、エネルギー供給機器が供給するエネルギーの最大出力の制約条件である。機器制御部266は、機器制御データ276を各エネルギー供給機器に送信する。機器制御部266は、機器制御データ276を演算結果記憶部27に記憶させる。
DR演算部267は、DRデータ222に基づいて、仮想エネルギー単価を時間帯ごとに算出する。DR演算部267は、仮想エネルギー単価に基づいて、日間運転計画データ274を更新する。DR演算部267(判定部)は、デマンドレスポンスを入札することによってエネルギーコストのメリットがあるか否かを、日間運転計画データ274に基づいて判定する。DR演算部267は、エネルギーコストのメリットがある場合、入札対象のデマンドレスポンスを選択する。DR演算部267(入札実行部)は、エネルギーコストのメリットがある場合、選択されたデマンドレスポンスに対する入札処理を実行する。DR演算部267は、入札対象のデマンドレスポンスを表す情報を含むDR入札データ277を、演算結果記憶部27に記憶させる。
演算結果記憶部27は、年間制約係数データ270と、年間需要予測データ271と、年間運転計画データ272と、日間需要予測データ273と、日間運転計画データ274と、性能評価データ275と、機器制御データ276と、DR入札データ277とを記憶する。
表示制御部28は、年間制約係数データ270と年間需要予測データ271と年間運転計画データ272と日間需要予測データ273と日間運転計画データ274と性能評価データ275と機器制御データ276とDR入札データ277とを、演算結果記憶部27から取得する。表示制御部28は、各種データを表す画像を表示部29に表示させる。
例えば、表示制御部28は、年間制約係数データ270と年間需要予測データ271と年間運転計画データ272と日間需要予測データ273と日間運転計画データ274と性能評価データ275と機器制御データ276とDR入札データ277とのうち少なくとも一つを、表示部29に表示させてもよい。
例えば、表示制御部28は、エネルギー供給プラント4の1時間単位の年間需要予測データ271を、表形式又はグラフ形式などで表示部29に表示させてもよい。例えば、表示制御部28は、エネルギー供給プラント4の1時間単位の年間運転計画データ272を、表形式又はグラフ形式などで表示部29に表示させてもよい。例えば、表示制御部28は、エネルギー供給プラント4の1時間単位の日間需要予測データ273を、表形式又はグラフ形式などで表示部29に表示させてもよい。例えば、表示制御部28は、エネルギー供給プラント4の1時間単位の日間運転計画データ274を、表形式又はグラフ形式などで表示部29に表示させてもよい。
例えば、表示制御部28は、機器制御データ276を、表形式又はグラフ形式などで表示部29に表示させてもよい。例えば、表示制御部28は、DR入札データ277を、表形式又はグラフ形式などで表示部29に表示させてもよい。例えば、表示制御部28は、ウェブページを表示部29に表示させてもよい。
表示部29は、表示装置である。表示部29は、表示装置を備えた情報処理装置でもよい。例えば、表示部29は、タブレット端末、スマートフォン端末でもよい。表示部29は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示デバイスを備える。表示部29は、表示制御部28による制御に応じて、各種データを表す画像を表示する。表示部29は、操作を受け付けるための操作部を備えてもよい。操作部は、例えば、タッチパネル、マウス又はキーボードである。
図15は、性能評価部265の構成の例を示す図である。性能評価部265は、監視データ取得部2650と、年間制約実績評価部2651とを備える。監視データ取得部2650は、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器の監視データを、内部ネットワーク100を介して監視制御サーバ6から取得する。
年間制約実績評価部2651は、評価期間の開始時刻から一定時間が経過した場合、エネルギーコストが年間制約に対して達成できているか否かを、エネルギー需要量の実測値とエネルギー供給量の実測値とに基づいて、エネルギー供給機器ごとに評価する。年間制約実績評価部2651は、性能評価データ275を年間運転計画部262に送信する。
年間運転計画部262は、エネルギー供給プラント4の年間燃料制約や運転制約などの複数の制約を満たす範囲でエネルギーコストを性能評価データ275に基づいて最小化することによって、エネルギー供給プラント4の年間運転計画を更新する。
図16は、年間運転計画部262の動作(ステップS105)の例を示すフローチャートである。エネルギー管理装置2の運用者は、図16に示す動作を、任意のタイミング又は定期的に年間運転計画部262に実行させてよい。年間運転計画部262が年間運転計画を更新する場合(ステップS105)、性能評価部265の監視データ取得部2650は、監視データを監視制御サーバ6から取得する(ステップS401)。
年間制約実績評価部2651は、評価期間の開始時刻から一定時間が経過した場合、エネルギーコストが年間制約に対して達成できているか否かを、エネルギー需要量の実測値とエネルギー供給量の実測値とに基づいて、エネルギー供給機器ごとに評価する。
年間制約実績評価部2651は、年間制約の対象の評価開始日d=1から現在日d=dnowまでについて、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器のエネルギー供給量の実測値を算出する。
以下、式において文字の上に記載された記号は、文字の直前に記載する。式(27)は、年間の外部電源の電力供給量の実績値(^Ee out)を表す。式(28)は、年間のガス供給量の実績値(^Ee)を表す(ステップS402)。
年間運転計画部262は、年間制約に対する外部エネルギー源3のエネルギー供給量の実績値として、エネルギー供給プラント4のエネルギー供給機器のエネルギー供給量の実測値を、監視制御サーバ6から取得する(ステップS403)。
年間運転計画部262の年間制約係数初期化部2620は、年間制約係数データ270を初期化する。例えば、年間制約係数初期化部2620は、式(29)及び式(30)に基づいて、年間制約係数データ270を初期化する。
式(29)は、外部電源の電力供給量の実測値に基づいて式(2)が更新された結果を表す年間外部電源需要量制約の式である。式(30)は、ガス供給量の実測値に基づいて式(3)が更新された結果を表す年間ガス需要量制約の式である(ステップS201)。
日間運転計画部264は、1年間である評価期間のうち現在以降の残りの日数(Nか月間)を、更新された評価期間と定める。日間運転計画部264は、更新された年間制約係数データ270と年間需要予測データ271とに基づいて、エネルギー供給プラント4について更新された日間運転計画を、更新された評価期間について作成する(ステップS107)。
収束判定部2621は、年間制約係数が収束したか否かを判定する。例えば、収束判定部2621は、評価期間データ250に含まれている年間制約の設定内容に基づいて、絶対誤差を表す式(21)と年間制約を表す式(29)及び(30)とを満たすか否かを判定する(ステップS202)。
年間制約優先度演算部260は、年間制約係数が収束していない場合(ステップS202:NO)、年間制約の設定内容と目的関数の設定内容とに基づいて、年間制約の優先度を算出する(ステップS203)。
年間制約係数更新部2622は、年間制約の優先度に基づいて、年間制約係数を更新する(ステップS204)。年間制約係数更新部2622は、ステップS107に処理を戻す。
年間制約優先度演算部260は、年間制約係数が収束した場合(ステップS202:YES)、収束した年間制約係数と更新された年間運転計画データ272とを、年間制約優先度演算部260に送信する(ステップS205)。
年間制約優先度演算部260は、年間運転計画データ272を更新することを承認する依頼を、エネルギー管理装置2の運用者に通知してもよい。年間制約優先度演算部260は、設定データ取得部23を介してエネルギー管理装置2の運用者の承認が得られた場合、更新した年間運転計画データ272を演算結果記憶部27に記憶させてもよい。
図17は、DR演算部267の構成の例を示す図である。DR演算部267は、DRデータ取得部2670と、DR時間別単価演算部2671と、DR入札判定部2672と、DR入札出力部2673とを備える。
DRデータ取得部2670は、DRデータ222をプロセスデータ記憶部22から取得する。DR時間別単価演算部2671は、DRデータ222に基づいて、デマンドレスポンスを実行する時刻における仮想エネルギー単価を時間帯ごとに算出する。日間運転計画部264は、更新された年間制約係数データ270と年間需要予測データ271とに基づいて、エネルギー供給プラント4について更新された日間運転計画を、更新された評価期間について作成する。
DR入札判定部2672は、デマンドレスポンスを入札することによってエネルギーコストのメリットがあるか否かを、DRデータ222及び日間運転計画データ274に基づいて判定する。DR入札判定部2672は、エネルギーコストのメリットがある場合、入札対象のデマンドレスポンスを選択することによって、DR入札データ277を作成する。DR入札出力部2673は、入札対象のデマンドレスポンスを表す情報を含むDR入札データ277を、演算結果記憶部27に記憶させる。
図18は、日間運転計画部264の動作(ステップS107)の例を示すフローチャートである。日間運転計画部264が日間運転計画を作成する場合(ステップS107)、DRデータ222をプロセスデータ記憶部22から取得する(ステップS501)。
DR時間別単価演算部2671は、デマンドレスポンスを実行する時刻における仮想エネルギー単価を、DRデータ222と式(31)とに基づいて時間帯ごとに算出する。
ここで、pA DR(t)は、エネルギー供給機器Aがデマンドレスポンスを実行する時刻tにおける仮想エネルギー単価[円/kWh]を表す。pDR A(t)は、エネルギー供給機器Aがデマンドレスポンスを実行する時刻tにおけるインセンティブの取得見込み額[円/kWh]を表す。インセンティブの取得見込み額pDR A(t)は、設定データ取得部23に対する操作に基づいて、予め定められる。インセンティブの取得見込み額pDR A(t)は、DRデータ222と日間需要予測データ273と日間運転計画データ274とに基づいて算出されてもよい(ステップS502)。
ステップS301からステップS306−1までは、図11に示すステップS301からステップS306−1までと同様である。ステップS307からステップS306−2までは、図11に示すステップS307からステップS306−2までと同様である。
DR入札判定部2672は、デマンドレスポンスを入札することによってエネルギーコストのメリットがあるか否かを、DRデータ222及び日間運転計画データ274に基づいて判定する。例えば、DR入札判定部2672は、デマンドレスポンスを入札する場合における日間運転計画と、デマンドレスポンスを入札しない場合における日間運転計画とを作成する。DR入札判定部2672は、1日間においてエネルギーコストがより安い日間運転計画にエネルギーコストのメリットがある、と判定する(ステップS503)。
デマンドレスポンスを入札することによってエネルギーコストのメリットがある場合(ステップS503:YES)、DR入札判定部2672は、エネルギーコストのメリットがある場合、入札対象のデマンドレスポンスを選択することによって、DR入札データ277を作成する。DR入札出力部2673は、入札対象のデマンドレスポンスを表す情報を含むDR入札データ277を、演算結果記憶部27に記憶させる(ステップS504)。
機器制御部266は、機器制御データ276をエネルギー供給機器ごとに作成する(ステップS505)。機器制御部266は、機器制御データを各エネルギー供給機器に送信する(ステップS506)。
以上のように、第2の実施形態の日間需要予測部263は、気象データに基づいて、短期間について負荷のエネルギー需要量を予測する。これによって、第2の実施形態のエネルギー管理装置2は、複数の年間制約を満たす場合でも、エネルギーコストを効率的に低減することができる。
日間運転計画部264は、エネルギーコストが制約に対して達成できていないと評価された場合、短期間におけるエネルギー供給機器の運転計画を更新する。日間運転計画部264は、複数の運転計画の候補から選択された運転計画に、短期間におけるエネルギー供給機器の運転計画を更新する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、エネルギー管理システムがエネルギーセンターを備える点と、需要家群5の構成とが、第1の実施形態と相違する。第3の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
図19は、エネルギー管理システム1cの構成の例を示す図である。エネルギー管理システム1cは、エネルギー管理装置2と、外部エネルギー源3と、需要家群5と、エネルギーセンター10とを備える。
外部エネルギー源3は、需要家群5の需要家500と、エネルギーセンター10の機器とにエネルギーを供給する。エネルギーは、例えば、系統電力、外部電源電力及び市場電力などの電力である。
需要家群5は、需要家500と、共用部負荷510とを備える。需要家群5は、複数の需要家500を備えてもよい。共用部負荷510は、需要家群5の共用部における負荷である。共用部負荷510は、例えば、電力負荷と、冷熱負荷と、温熱負荷と、蒸気負荷とである。需要家500は、需要家EMS505と、エネルギー供給機器506と、負荷とを備える。負荷は、例えば、電力負荷501と、冷熱負荷502と、温熱負荷503と、蒸気負荷504とである。
需要家EMS505は、需要家500の運用者が運用するEMS(以下、「需要家EMS」を備える。需要家EMS505が備えられる場所は、特定の場所に限定されない。需要家EMS505は、需要家500の敷地内に備えられてもよいし、需要家500の敷地外に備えられてもよい。需要家EMS505は、例えば、BEMS、FEMS、HEMS、MEMSである。需要家EMS505は、エネルギー供給機器506の動作を制御することによって、エネルギー供給機器506のエネルギー供給量を管理する。
需要家EMS505は、年間運転計画データ272及び日間運転計画データ274を、エネルギー管理装置2の演算処理部26の機器制御部266(通信部)から取得してもよい。需要家EMS505は、年間運転計画データ272及び日間運転計画データ274に基づいて、エネルギー供給機器506の動作を制御してもよい。
エネルギー供給機器506は、負荷にエネルギーを供給する機器である。エネルギー供給機器506は、例えば、非常用発電機、無停電電源装置(UPS: Uninterruptible Power Supply)、受電設備400と、PV401と、蓄電池402と、水冷チラー403と、空冷HPチラー404と、熱回収HPチラー405と、CGS406と、ボイラ407と、ABR408と、冷熱槽409と、温熱槽410とである。エネルギー供給機器506は、外部エネルギー源3からエネルギーを取得する。エネルギー供給機器506は、需要家EMS505による制御に応じて、電力負荷501と冷熱負荷502と温熱負荷503と蒸気負荷504とにエネルギーを供給する。
エネルギーセンター10の機器は、外部エネルギー源3から供給されたエネルギーに応じて、電力、冷熱、温熱及び蒸気などのエネルギーを需要家群5に供給するための機器である。エネルギーセンター10の機器は、内部ネットワーク100を介して、エネルギー管理装置2と通信する。エネルギーセンター10は、外部エネルギー源3から供給されたエネルギーを利用して生成された電力、冷熱、温熱及び蒸気などのエネルギーを、エネルギー管理装置2による制御に基づいて需要家群5に供給する。図19では、エネルギーセンター10の機器は、電力負荷501と冷熱負荷502と温熱負荷503と蒸気負荷504と共用部負荷510とに、エネルギーを供給する。
図20は、エネルギー管理装置2の構成の例を示す図である。エネルギー管理装置2は、プロセスデータ取得部21と、プロセスデータ記憶部22と、設定データ取得部23と、取得制御部24と、設定データ記憶部25と、演算処理部26と、演算結果記憶部27と、表示制御部28と、表示部29とを備える。
演算処理部26は、年間制約優先度演算部260と、年間需要予測部261と、年間運転計画部262と、日間需要予測部263と、日間運転計画部264と、機器制御部266と、配分演算部268とを備える。
配分演算部268は、エネルギーセンター10のエネルギー供給量とエネルギー供給機器506のエネルギー供給量との配分を定める。例えば、配分演算部268は、需要家500の各負荷におけるエネルギー需要量と、需要家群5の共用部負荷510におけるエネルギー需要量と、エネルギーセンター10のエネルギー供給量の上限と、エネルギー供給機器506のエネルギー供給量の上限とに基づいて、エネルギーセンター10のエネルギー供給量とエネルギー供給機器506のエネルギー供給量との配分を定める。
配分演算部268は、配分データ278を演算結果記憶部27に記憶させる。配分データ278は、エネルギー供給量の配分を表すデータである。例えば、配分データ278は、エネルギーセンター10のエネルギー供給量とエネルギー供給機器506のエネルギー供給量との配分を表すデータである。例えば、配分データ278は、需要家500の各負荷におけるエネルギー需要量の配分を表すデータでもよい。
年間運転計画部262は、配分データ278を演算結果記憶部27から取得する。年間運転計画部262は、定められたエネルギー供給量の配分を表す配分データ278に基づいて、エネルギーセンター10の年間運転計画データ272を定める。年間運転計画部262は、定められたエネルギー供給量の配分を表す配分データ278に基づいて、エネルギー供給機器506の年間運転計画データ272を定める。
日間運転計画部264は、配分データ278を演算結果記憶部27から取得する。日間運転計画部264は、定められたエネルギー供給量の配分に基づいて、エネルギーセンター10の日間運転計画データ274を定める。日間運転計画部264は、定められたエネルギー供給量の配分に基づいて、エネルギー供給機器506の日間運転計画データ274を定める。
機器制御部266は、年間運転計画データ272及び日間運転計画データ274に基づく機器制御データ276に基づいて、エネルギーセンター10を制御する。機器制御部266は、年間運転計画データ272及び日間運転計画データ274に基づく機器制御データ276に基づいて、需要家EMS505を介してエネルギー供給機器506を制御してもよい。
演算結果記憶部27は、年間制約係数データ270と、年間需要予測データ271と、年間運転計画データ272と、日間需要予測データ273と、日間運転計画データ274と、機器制御データ276と、配分データ278とを記憶する。表示制御部28は、配分データを表す画像を表示部29に表示させてもよい。
図21は、エネルギー配分の表示の例を示す図である。エネルギー配分を表すグラフは、表示部29に表示される。表示部29は、エネルギー管理システム1cにおける、外部エネルギー源3のエネルギー供給量と、エネルギー供給機器506のエネルギー供給量と、需要家群5におけるエネルギー需要量とを表すグラフを表示する。図21に示すグラフの横軸は、時間を示す。図21に示すグラフの縦軸は、電力エネルギーを示す。表示部29は、需要家群5におけるエネルギー需要量(総負荷)と、需要家500におけるエネルギー需要量とを、時間帯ごとに表形式で表示してもよい。
表示部29は、表示部29に備えられた操作部を介して、選択操作を受け付けてもよい。表示部29は、需要家500を選択する指示に応じて、グラフ及び表に表示する対象の需要家500を切り替えてもよい。すなわち、表示部29は、需要家500における、外部エネルギー源3のエネルギー供給量と、エネルギー供給機器506のエネルギー供給量と、需要家群5のエネルギー需要量とを表すグラフを表示してもよい。表示部29は、エネルギー負荷の種別を選択する指示に応じて、グラフ及び表に表示する対象のエネルギー負荷の種別を切り替えてもよい。
エネルギー管理装置2の運用者は、外部電源の電力のエネルギー単価が系統電力のエネルギー単価よりも安い時間帯ではエネルギー供給機器506が外部電源の電力を優先して取得することを、グラフによって確認することができる。エネルギー管理装置2の運用者は、電力のエネルギー単価がガスのエネルギー単価と比較して高い時間帯にエネルギーセンター10の太陽光発電設備(PV)がエネルギーを供給することを、グラフによって確認することができる。エネルギー管理装置2の運用者は、電力のエネルギー単価がガスのエネルギー単価と比較して高い時間帯に需要家500のコジェネレーションシステム(CGS)がエネルギーを供給することを、グラフによって確認することができる。
以上のように、第3の実施形態の日間運転計画部264は、負荷を備える需要家500のエネルギー供給機器と、負荷にエネルギーを供給するエネルギーセンターの機器と、需要家500の負荷とについて、短期間における運転計画を定める。短期間における運転計画は、例えば、日間運転計画データ274である。これによって、第3の実施形態の配分演算部268は、エネルギーセンター10及び需要家群5などにおけるエネルギーの需給バランスに基づいて、エネルギーコストを低減することができる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、長期間におけるエネルギー供給機器の運転計画と短期間におけるエネルギー需要量の予測結果とに基づいて、複数の制約を満たす範囲で、短期間におけるエネルギー供給機器の運転計画を定める短期計画部を持つことにより、複数の年間制約を満たす場合でもエネルギーコストを低減することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。