JP2016019372A - 3相モータの電流センシング構造、電流センシング方法、モータ制御システムおよびモータ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】3相モータのPWM制御でのモータ電流値取り込みにおいて、取り込み精度や応答を悪化させることなく、低ノイズに電流値を取り込むことのできる3相モータの電流センシング構造を提供すること。
【解決手段】3相モータにおける電流センシングを行う本発明電流センシング構造10は、各相(U、V、W)のPWMゲート幅がQ軸電流演算に適切か否かを判定するゲート幅判定部2と、ゲート幅判定部2による判定に基づいてQ軸電流の演算を行うQ軸電流演算部8と、ゲート幅判定部2において不適切と判定された相のある場合にこれを受けて前記算出値が算出される不適切相算出部5とを備えている構成である。なお「演算に不適切な場合」とは、電流センシングができない程度、またはPWM制御でのスイッチングにおけるノイズが入る程度にPWMゲートがONする幅の広い場合のことである。
【選択図】図1
【解決手段】3相モータにおける電流センシングを行う本発明電流センシング構造10は、各相(U、V、W)のPWMゲート幅がQ軸電流演算に適切か否かを判定するゲート幅判定部2と、ゲート幅判定部2による判定に基づいてQ軸電流の演算を行うQ軸電流演算部8と、ゲート幅判定部2において不適切と判定された相のある場合にこれを受けて前記算出値が算出される不適切相算出部5とを備えている構成である。なお「演算に不適切な場合」とは、電流センシングができない程度、またはPWM制御でのスイッチングにおけるノイズが入る程度にPWMゲートがONする幅の広い場合のことである。
【選択図】図1
Description
本発明は3相モータの電流センシング構造、電流センシング方法、モータ制御システムおよびモータ制御方法に係り、特に、3相モータのPWM制御でのモータ電流値取り込みにおいて、取り込み精度や応答を悪化させずに、低ノイズに取り込むことのできる、3相モータの電流センシング構造等に関するものである。
ACサーボモータ等の3相モータにおいて、位置・速度・トルク制御等のフィードバック制御を行う場合は、モータ電流をセンシングする必要がある。モータ電流をセンシングするには、通常3相モータラインを電流センサやシャント抵抗を通してセンシングする方法が取られる。これに対してモータに電流を流す方法としては、現在ディジタル制御が主流であり、PWMによるゲートスイッチングによって電流を制御している。図5は、3相モータライン上に電流センサを配置して電流センシングする方法を示す回路図である。なお後述するように、電流センサの代わりにシャント抵抗を用いてることとしてもよい。
3相モータの電流をセンシングする場合、多くのサーボドライバでは、3相の電流を最終的にはベクトル変換してQ軸電流(下式1)とし、これが制御において利用される。
3相の電流とモータ角度が分かればQ軸電流が算出できるが、必ずしも3相全てについて電流センシングする必要はない。つまり、2相の電流が分かれば、残り1相の電流については、下記の例のように、計算により求めることが可能である。
例) W相電流= −(U相電流+V送電流)
そのため、2相だけセンシングしてモータ制御をしている装置も、一般的には存在する。
例) W相電流= −(U相電流+V送電流)
そのため、2相だけセンシングしてモータ制御をしている装置も、一般的には存在する。
ところで電流センシングについては、従来、複数の技術的提案がなされている。たとえば後掲特許文献1には、インバータ母線に配した電流検出用抵抗に流れる電流の通流時間を増加させ、電流検出を可能にし、位置決め、同期運転における電動機電流を安定させて起動性の良いベクトル制御インバータを提供するために、同期運転の開始時における回転子の位置決めを行う際は、インバータ母線に配した電流検出抵抗の両端電圧を参照してインバータ出力電流を検出することによって電動機の1相の電流を再現し、かつd軸電流の検出値が所定のd軸電流指令と一致するようd軸電圧指令を補正して位置決めを行い、3相インバータ回路の所定の1相に流れる電流が他の2相にそれぞれ半分として流れるよう所定の1相から他の2相に分流させ、また、同期運転の期間中においてd軸電流の検出値が所定のd軸電流指令と一致するよう同期電動機の電圧方程式の誘起電圧定数を補正して同期運転を行う、という技術が開示されている。
また特許文献2には、電動機駆動装置全体の大きさの小型化を実現し、取り扱いやすさ、構造の簡単化を実現するために、電動機を駆動する交流電圧を出力するインバータ主回路部と、センサを用いずにインバータ制御におけるパルス巾変調制御のデッドタイムに電流位相を検出する電流位相検出回路部と、検出した電流位相から回転子の位置を知り、電動機を駆動する電圧生成のためのパルス巾変調波形をインバータ主回路部に出力するインバータ制御回路部とを備え、インバータ主回路部とインバータ制御回路部と電流位相検出回路部を半導体片に集積するという構成が、開示されている。
さて、3相モータにおいて電流制御を行う場合は、上述したQ軸電流が〔1〕高精度に、かつ〔2〕高速に、算出されることが重要である。より高精度でQ軸電流を算出するには、2相でセンシングするよりも3相でセンシングする方が有利である。これは、センシング回路のバラツキによる影響を受けにくくなるからである。一方、より高速でQ軸電流を算出するには、センシング値(アナログ電圧)を、できるだけフィルタリングせずに高速にA/D変換する必要があり、そのためには、アナログ回路に入るノイズの影響をできるだけ減らす必要がある。
図6は、PWM制御における電流センシングへの影響をグラフで示す説明図である。図示するようにPWM制御を行う場合は、高電圧をスイッチングするため、スイッチングの瞬間に非常に大きなノイズが発生する。電流センシング時にこのノイズが乗ると正常な電流をセンシングできなくなるため、できるだけPWMスイッチングの少ないPWMキャリアの中間点でセンシングを行う方法が、従来はよく採られている。しかし、この方法にも限界がある。
図7は、PWMデューティーによるノイズの影響をグラフで示す説明図である。図示するように、PWMゲートのスイッチングがキャリアの中間点に近づく場合は、どうしてもPWMノイズが乗ることを回避することができない。なお、キャリアの中間点に近づく状態とは、センシングのタイミングがOFF側中間点の場合には、PWMデューティー100%の時のことである。
図8は、シャント抵抗によるローアム電流センシング方式を示す回路図である。図示するようにシャント抵抗方式で電流センシングする場合は、回路構成がより単純なローアムセンシング方式が使われることがある。この方式の場合、シャント抵抗に電流が流れているタイミングはPWMゲートの状態により決まるため、必ずPWMキャリアの中間点で必ずセンシングする必要がある。この場合、PWMが100%近くまで開くとシャント抵抗に電流が流れずセンシングできなくなるため、上記ノイズの問題だけではなく、より切実に、電流センシングできるPWMゲート幅に制限が生じるという問題がある。
以上述べたとおり、従来の3相モータにおける電流センシング技術においては、PWMゲート幅が100%に近づくと、その相は電流センシングできない、もしくは大きなノイズが乗るという問題があった。PWMゲートが100%に近づくのは、主にモータが高速回転している際において、誘起電圧が生じている時であり、すなわち高速・高負荷動作をしている場合である。したがって従来は、モータの高速・高負荷動作に対して制限を設けることを避けることができなかった。
Q軸電流算出精度の向上のため、できる限り3相でセンシングを行いたい。また、Q軸電流算出速度の高速化のため、応答速度を遅くすることとなるノイズ除去のためのフィルタリングを避けたい。しかしながら、この両方を十分に満足する技術は、従来存在しない。なお、上記特許文献1は1相電流センシングでのインバータ制御に関しての技術であり、特許文献2はインバータ回路の簡素化、小型化に関しての技術である。つまり、3相電流センシングの高性能化を実現できるものではない。
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点を踏まえ、3相モータのPWM制御でのモータ電流値取り込みにおいて、取り込み精度や応答を悪化させることなく、低ノイズに電流値を取り込むことのできる、3相モータの電流センシング構造、電流センシング方法、モータ制御システムおよびモータ制御方法を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、PWMゲート幅に応じて3相センシングと2相センシングを切り替えて、モータQ軸電流を算出する方法に想到した。つまり、PWMゲートがある程度開いてセンシングに影響が出てしまう前に、センシングできない相はカットし、残り2相での計算により3相電流を算出するというものである。そして、かかる着想に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
〔1〕 3相モータにおける電流センシングを行う構造であって、通常はQ軸電流の演算が3相全てにより行われ、一方3相のうちいずれか1相が演算に不適切な場合にはこれに代えて残り2相による算出値を得た上で当該2相および算出値によりQ軸電流の演算が行われるよう構成されていることを特徴とする、3相モータの電流センシング構造。
〔2〕 前記不適切な場合とは、電流センシングができない程度、またはPWM制御でのスイッチングにおけるノイズが入る程度にPWMゲートがONする幅の広い場合であることを特徴とする、〔1〕に記載の3相モータの電流センシング構造。
〔3〕 各相のPWMゲート幅がQ軸電流演算に適切か否かを判定するゲート幅判定部と、該ゲート幅判定部による判定に基づいてQ軸電流の演算を行うQ軸電流演算部と、該ゲート幅判定部において不適切と判定された相のある場合にこれを受けて前記算出値が算出される不適切相算出部とを備えてなることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の3相モータの電流センシング構造。
〔2〕 前記不適切な場合とは、電流センシングができない程度、またはPWM制御でのスイッチングにおけるノイズが入る程度にPWMゲートがONする幅の広い場合であることを特徴とする、〔1〕に記載の3相モータの電流センシング構造。
〔3〕 各相のPWMゲート幅がQ軸電流演算に適切か否かを判定するゲート幅判定部と、該ゲート幅判定部による判定に基づいてQ軸電流の演算を行うQ軸電流演算部と、該ゲート幅判定部において不適切と判定された相のある場合にこれを受けて前記算出値が算出される不適切相算出部とを備えてなることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の3相モータの電流センシング構造。
〔4〕 前記ゲート幅判定部は、PWMゲート幅の開きに関して予め設定された閾値に基づき、またはPWMゲート幅の開きに関してノイズの影響等により随時演算され更新される閾値に基づき、該閾値未満の相についてはそのまま後過程に送出し、該閾値以上の場合には送出しないよう構成されていることを特徴とする、〔3〕に記載の3相モータの電流センシング構造。
〔5〕 前記ゲート幅判定部からの送出を受けてその相数が3か2かを判定する受信相数判定部が設けられていることを特徴とする、〔3〕または〔4〕に記載の3相モータの電流センシング構造。
〔6〕 前記受信相数判定部において受信した相数が3と判定された場合は当該3相は前記Q軸電流演算部に送出され、2と判定された場合には前記不適切相算出部に送出され、該不適切相算出部において算出された算出値は該Q軸電流演算部に送出されることを特徴とする、〔5〕に記載の3相モータの電流センシング構造。
〔5〕 前記ゲート幅判定部からの送出を受けてその相数が3か2かを判定する受信相数判定部が設けられていることを特徴とする、〔3〕または〔4〕に記載の3相モータの電流センシング構造。
〔6〕 前記受信相数判定部において受信した相数が3と判定された場合は当該3相は前記Q軸電流演算部に送出され、2と判定された場合には前記不適切相算出部に送出され、該不適切相算出部において算出された算出値は該Q軸電流演算部に送出されることを特徴とする、〔5〕に記載の3相モータの電流センシング構造。
〔7〕 〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の3相モータの電流センシング構造を用いて行われ、これによりノイズに影響されず安定した電流センシングが得られることを特徴とする、3相モータの電流センシング方法。
〔8〕 〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の3相モータの電流センシング構造と、該電流センシング構造によりセンシングされた電流に基づきモータに対し所定のフィードバック制御を行う制御部とからなることを特徴とする、モータ制御システム。
〔9〕 〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の3相モータの電流センシング構造によりセンシングされた電流に基づき、制御部においてモータに対する所定のフィードバック制御が行われることを特徴とする、モータ制御方法。
〔10〕 高速かつ高負荷時の出力トルクを高められることを特徴とする、〔9〕に記載のモータ制御方法。
〔8〕 〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の3相モータの電流センシング構造と、該電流センシング構造によりセンシングされた電流に基づきモータに対し所定のフィードバック制御を行う制御部とからなることを特徴とする、モータ制御システム。
〔9〕 〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の3相モータの電流センシング構造によりセンシングされた電流に基づき、制御部においてモータに対する所定のフィードバック制御が行われることを特徴とする、モータ制御方法。
〔10〕 高速かつ高負荷時の出力トルクを高められることを特徴とする、〔9〕に記載のモータ制御方法。
本発明の3相モータの電流センシング構造、電流センシング方法、モータ制御システムおよびモータ制御方法は上述のように構成されるため、これによれば、3相モータのPWM制御でのモータ電流値取り込みにおいて、取り込み精度や応答を悪化させることなく、低ノイズに電流値を取り込むことができる。これにより電流センシング結果が安定するために、安定したモータ制御が可能となり、結果的にモータの高速・高負荷時の出力トルクを向上させることができる。
ACサーボモータ制御においては、低コストのため、シャント抵抗方式の電流センシングがよく用いられている。これは、シャント抵抗によって電流センシングし、電流制御するものである。本発明によれば、かかる方式においてもその効果を十分に得ることができる。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の3相モータの電流センシング構造の基本構成を示す説明図である。図示するように、3相モータにおける電流センシングを行う本発明電流センシング構造10は、各相(U、V、W)のPWMゲート幅がQ軸電流演算に適切か否かを判定するゲート幅判定部2と、ゲート幅判定部2による判定に基づいてQ軸電流の演算を行うQ軸電流演算部8と、ゲート幅判定部2において不適切と判定された相のある場合にこれを受けて前記算出値が算出される不適切相算出部5とを備えていることを、主たる構成とする。なお、「演算に不適切な場合」とは、電流センシングができない程度、またはPWM制御でのスイッチングにおけるノイズが入る程度にPWMゲートがONする幅の広い場合のことである。
図1は、本発明の3相モータの電流センシング構造の基本構成を示す説明図である。図示するように、3相モータにおける電流センシングを行う本発明電流センシング構造10は、各相(U、V、W)のPWMゲート幅がQ軸電流演算に適切か否かを判定するゲート幅判定部2と、ゲート幅判定部2による判定に基づいてQ軸電流の演算を行うQ軸電流演算部8と、ゲート幅判定部2において不適切と判定された相のある場合にこれを受けて前記算出値が算出される不適切相算出部5とを備えていることを、主たる構成とする。なお、「演算に不適切な場合」とは、電流センシングができない程度、またはPWM制御でのスイッチングにおけるノイズが入る程度にPWMゲートがONする幅の広い場合のことである。
また、ゲート幅判定部2は、PWMゲート幅の開きに関して予め設定された閾値に基づいて、またはPWMゲート幅の開きに関してノイズの影響等により随時演算され更新される閾値に基づいて、閾値未満の相についてはそのまま後過程に送出し、閾値以上の場合には送出しないよう構成されるものとする。
かかる構成により本電流センシング構造10においては、まずゲート幅判定部2において各相(U、V、W)のPWMゲート幅がQ軸電流演算に適切か否かが判定される。ここでは、PWMゲート幅の開きに関して予め設定された閾値に基づいて、またはPWMゲート幅の開きに関してノイズの影響等により随時演算され更新される閾値に基づいて、閾値未満の相についてはそのまま後過程に送出し、閾値以上の場合には送出しない、という処理がなされる。
そして、閾値未満の相についてはそのまま送出される対象の後過程であるところのQ軸電流演算部8ではQ軸電流の演算が行われる。また、ゲート幅判定部2において不適切と判定された相のある場合には、不適切相算出部5がこれを受けて算出値が算出された後に、Q軸電流演算部8でのQ軸電流の演算に供され、Q軸電流が得られる。
つまり本発明の3相モータの電流センシング構造10によれば、通常はQ軸電流の演算が3相全てにより行われ、一方、3相のうちいずれか1相が演算に不適切な場合には、これに代えて残り2相による算出値を得た上で当該2相、および、その余の1相については算出値によりQ軸電流の演算が行われて、最終的なQ軸電流が得られる。
図示するように本電流センシング構造10は、ゲート幅判定部2からの送出を受けてその相数が3か2かを判定する受信相数判定部3が設けられる。かかる構成により、受信相数判定部3においては、受信した相数が「3」と判定された場合は、当該3相はそのままQ軸電流演算部8に送出され、一方「2」と判定された場合には、不適切相算出部5に送出され、不適切相算出部5において算出された算出値はQ軸電流演算部8に送出されて、そこでの処理に供される。
すなわち本発明電流センシング構造10は、3相PWM制御においてははPWMゲートが100%開くのは瞬間的には3相の内1相のみであることに着目し、通常は3相の電流を用いてQ軸電流を算出してQ軸電流の精度を確保するとともに、もしどこか1相のPWMゲートが100%に近づいた場合には、その相の電流を使用せず、残り2相の電流からQ軸電流を算出することにより、電流センシング方法やPWMノイズに影響されずに安定した電流センシングを実現可能としたものである。かかる3相モータの電流センシング方法も本発明の範囲内である。これにより、高速・高負荷時の性能を上げることが可能となる。
PWMデューティー値を決定しているのはサーボドライバ制御ソフト内なので、PWMデューティーを更新する制御周期上で、今回のPWM幅が100%近い相が存在する場合は、次回の電流センシング結果でその相のセンシング結果を使わずに、残り2相でQ軸電流を算出する構成とすればよい。
図2は、PWMデューティーが3相とも小さい場合の本発明電流センシング構造による処理例をグラフにより示す説明図である。この場合は、図示するタイミングで電流センシングがなされ、下式2によって、3相全てを用いたQ軸電流計算がなされる。
また図3は、PWMデューティーが100%近い相のある場合の本発明電流センシング構造による処理例をグラフにより示す説明図である。
この場合は、U相とW相については図示するタイミングで電流センシングがなされるが、V相についてはPWMデューティーが100%に近いためにこれを用いず、下式3によって、V相を除いた残り2相の電流からQ軸電流計算がなされる。
式中、V相予想電流 = −(U相実電流 + W相実電流) である。
この場合は、U相とW相については図示するタイミングで電流センシングがなされるが、V相についてはPWMデューティーが100%に近いためにこれを用いず、下式3によって、V相を除いた残り2相の電流からQ軸電流計算がなされる。
式中、V相予想電流 = −(U相実電流 + W相実電流) である。
なお、上述のとおりゲート幅判定部2は、予め設定された閾値または随時演算され更新される閾値に基づいて処理を行うが、簡単にはたとえば、それぞれの機種での実測に基づき、最適なゲート幅を決めるものとすることができる。つまり、どのくらいの%のゲート幅まで開くと電流センシングができなくなるのかを調べておき、そのゲート幅を、プログラム上は定数の閾値として使用する方法である。
図4は、本発明のモータ制御システムの基本構成を示す概念図である。図示するように本モータ制御システム30は、3相モータMの電流センシング構造10と、電流センシング構造10によりセンシングされた電流に基づきモータMに対し所定のフィードバック制御を行う制御部20とから構成される。
かかる構成により本モータ制御システム30では、3相モータMの電流センシング構造10において3相モータの電流がセンシングされ、制御部20においてセンシングされた電流に基づく所定のフィードバック制御がモータMに対してなされる。
本モータ制御システム30によって、3相モータに対する制御方法が実行されるが、これにより、高速かつ高負荷時の出力トルクを高めることができる。実際、ACサーボドライバにて、高速・高負荷時において大幅にトルク向上することが確認された。
本発明の3相モータの電流センシング構造、電流センシング方法、モータ制御システムおよびモータ制御方法によれば、3相モータのPWM制御でのモータ電流値取り込みにおいて、取り込み精度や応答を悪化させることなく、低ノイズに電流値を取り込むことができ、安定したモータ制御が可能となって、モータの高速・高負荷時の出力トルクを向上させることができる。したがって、モータ制御分野および関連する全分野において、産業上利用性が高い発明である。
2…ゲート幅判定部
3…受信相数判定部
5…不適切相算出部
8…Q軸電流演算部
10…3相モータの電流センシング構造
20…制御部
30…モータ制御システム
M…モータ
3…受信相数判定部
5…不適切相算出部
8…Q軸電流演算部
10…3相モータの電流センシング構造
20…制御部
30…モータ制御システム
M…モータ
Claims (10)
- 3相モータにおける電流センシングを行う構造であって、通常はQ軸電流の演算が3相全てにより行われ、一方3相のうちいずれか1相が演算に不適切な場合にはこれに代えて残り2相による算出値を得た上で当該2相および算出値によりQ軸電流の演算が行われるよう構成されていることを特徴とする、3相モータの電流センシング構造。
- 前記不適切な場合とは、電流センシングができない程度、またはPWM制御でのスイッチングにおけるノイズが入る程度にPWMゲートがONする幅の広い場合であることを特徴とする、請求項1に記載の3相モータの電流センシング構造。
- 各相のPWMゲート幅がQ軸電流演算に適切か否かを判定するゲート幅判定部と、該ゲート幅判定部による判定に基づいてQ軸電流の演算を行うQ軸電流演算部と、該ゲート幅判定部において不適切と判定された相のある場合にこれを受けて前記算出値が算出される不適切相算出部とを備えてなることを特徴とする、請求項1または2に記載の3相モータの電流センシング構造。
- 前記ゲート幅判定部は、PWMゲート幅の開きに関して予め設定された閾値に基づき、またはPWMゲート幅の開きに関してノイズの影響等により随時演算され更新される閾値に基づき、該閾値未満の相についてはそのまま後過程に送出し、該閾値以上の場合には送出しないよう構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の3相モータの電流センシング構造。
- 前記ゲート幅判定部からの送出を受けてその相数が3か2かを判定する受信相数判定部が設けられていることを特徴とする、請求項3または4に記載の3相モータの電流センシング構造。
- 前記受信相数判定部において受信した相数が3と判定された場合は当該3相は前記Q軸電流演算部に送出され、2と判定された場合には前記不適切相算出部に送出され、該不適切相算出部において算出された算出値は該Q軸電流演算部に送出されることを特徴とする、請求項5に記載の3相モータの電流センシング構造。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の3相モータの電流センシング構造を用いて行われ、これによりノイズに影響されず安定した電流センシングが得られることを特徴とする、3相モータの電流センシング方法。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の3相モータの電流センシング構造と、該電流センシング構造によりセンシングされた電流に基づきモータに対し所定のフィードバック制御を行う制御部とからなることを特徴とする、モータ制御システム。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の3相モータの電流センシング構造によりセンシングされた電流に基づき、制御部においてモータに対する所定のフィードバック制御が行われることを特徴とする、モータ制御方法。
- 高速かつ高負荷時の出力トルクを高められることを特徴とする、請求項9に記載のモータ制御方法。
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