JP2016018594A - 光源装置および電気機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射面が高い姿勢精度を持つ階段ミラーを備えた簡素かつ安価な光源装置および電気機器を提供する。【解決手段】光源装置10は、複数の光源(LD1)と、ミラー部材(階段ミラー4)と、レンズ部(集光レンズ5)とを備える。階段ミラー4は、複数の光源から出射される光(励起光Lx)を反射するため階段状に配置された複数の反射面4rを有する。レンズ部(集光レンズ5)は、階段ミラー4の反射面4rで反射された光を集光する。階段ミラー4は一体成型された部材である。このようにすれば、階段ミラー4が一体成型されているので、従来のように複数の短冊ミラーを保持体に接合したり、複数の短冊ミラー同士を接合したりする場合のように短冊ミラーの位置精度や接合工程の誤差などに起因する問題の発生を防止できるとともに、製造工程自体も簡略化できるので光源装置10の製造コストが増大することを抑制できる。【選択図】図1
Description
この発明は、光源装置および電気機器に関し、より特定的には階段状に配置された複数の反射面を有するミラーを備えた光源装置および電気機器に関する。
蛍光灯や白熱電球などの従来光源に比べ、発光ダイオードは長寿命であり、近年その発光効率や光束の向上に伴って、様々な照明装置の光源として用いられるようになってきている。たとえば、パソコン画面やビデオ映像をスクリーンに投影するプロジェクタのような電気機器においても、高圧水銀ランプに代わり、発光ダイオードやレーザダイオードなどの半導体発光素子が用いられはじめている。以降、発光ダイオードをLED(Light Emitting Diode)、レーザダイオードをLD(Laser Diode)と称す。
プロジェクタでは、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)や液晶パネルなどの表示素子に光を照射し、当該表示素子の各画素で反射または透過された映像光をスクリーンに結像している。表示素子にはランプの白色光をカラーホイールで時分割した光、あるいはダイクロイックミラーで分光した赤・緑・青の3色の光、場合によってはさらに白や黄の光が照射される。
LEDやLDを用いるプロジェクタでは、赤・緑・青の光の全てをLEDやLDで生成することもできる。しかし、緑色光を出射する半導体発光素子は他の赤色光や青色光を出射する半導体発光素子に比べて発光効率が低い。そのため、緑色光は蛍光体を用いて青色光や紫外光を励起光とした蛍光光として生成される。また、赤色光や青色光も蛍光光として生成されることがある。
プロジェクタにおいて、蛍光体から緑、または赤・青を生成する場合、励起光源にはLDが用いられる。但し、LDが1本では十分な光量が得られないため、特許文献1のように、多数のLDが並べられる。特許文献1に開示されたプロジェクタにおいて、LDは縦と横の2次元方向に配列され、また個々のLDにコリメータレンズが設けられている。特許文献1に開示されたプロジェクタの光源は、全体として数十〜数百[W]の平行光束を発する大面積光源となっている。
特許文献1のプロジェクタにおける光源からの光(平行光束となった励起光)は蛍光体上にφ2mm程度のスポットで集光される。特許文献1に開示されるように、集光用のレンズサイズを小さく抑え、プロジェクタをコンパクトにするため、階段状のミラーが用いられる場合がある。この階段状のミラー(階段ミラーとも称する)により、当該階段ミラーからの反射時に平行光束の一方向の幅が圧縮される。
特許文献1に開示されたプロジェクタにおいて、階段ミラーは、複数の短冊状のミラーが保持体に接着されることにより形成される。2次元配列されたLDの一方向を行方向、当該行方向に直交するもう一方向を列方向とすると、短冊ミラーの数は例えば列方向のLDの数と同じである。また、個々の短冊ミラーはLDの各列の正面に配置される。これらの短冊ミラーの貼り付け姿勢に誤差があると、階段ミラーにおいて反射される光の光軸が設計時の正しい位置からずれるため、蛍光体上の励起光のスポットサイズが大きくなったり、あるいは光路の途中で励起光の一部がケラレたりする場合がある。そして、この場合、励起光や蛍光光の伝達効率が低下しスクリーンへ投射される光量が減る。このため、短冊ミラーには±0.1deg程度の高い姿勢精度が求められる。
このような高い姿勢精度が必要になるといった課題を解決するために、特許文献2では、表裏面が高い平行度を持つ短冊ミラーを用い、隣り合う短冊ミラーの表面と裏面とを一部重ねて貼り合わせ、これを列方向につなげている。特許文献2では、このような構成とすることで、個々の短冊ミラーの姿勢精度が高い階段ミラーを実現できるとしている。
複数の短冊ミラーを列方向にずらしながら、隣り合う短冊ミラーの表面と裏面を重ねて貼り合わることにより階段ミラーを形成する場合、2次元配列されたLDの列数が多いと、階段ミラーでは個々の短冊ミラーの厚み誤差が累積する。例えば階段ミラーの列方向端部の短冊ミラーがLDの正面に位置しなくなり、励起光の一部が短冊ミラーの反射面に当たらなくなるといった問題が発生する。よって、短冊ミラーには表裏面の平行度だけでなく、厚みにも高い精度が必要となるが、このような高精度の短冊ミラーを用いることは階段ミラーの製造コストを増大させることになる。
また、短冊ミラー同士が重なり合った接触界面ではなく、短冊ミラーの側面(接触界面と交差する方向に延びる側面)同士を接着する場合、対向する面同士の接着ではないため、振動や衝撃、熱履歴に対する強度が不十分になる恐れもある。さらには、短冊ミラーの接合に用いられる接着剤として紫外線硬化樹脂等の接着剤を用いる場合、これらの樹脂は励起光の散乱光により劣化するので、接着剤の強度低下も懸念される。
本発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、反射面が高い姿勢精度を持つ階段ミラーを備えた簡素かつ安価な光源装置および電気機器を提供することである。
この発明に従った光源装置は、複数の光源と、ミラー部材と、レンズ部とを備える。ミラー部材は、複数の光源から出射される光を反射するため階段状に配置された複数の反射面を有する。レンズ部は、ミラー部材の反射面で反射された光を集光する。ミラー部材は一体成型された部材である。
本発明による光源装置において、個々の短冊ミラーに相当する反射面の姿勢精度を高くできるため、効率が高く、構造が簡素で安価、さらに振動や衝撃、熱、光に対する強度の信頼性が高い光源装置およびプロジェクタが実現できる。
以下、添付の図面を用いて、本発明の実施の一形態を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光源装置10および光源装置10を備える電気機器の一例であるプロジェクタ20の構成を示す概略図である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光源装置10および光源装置10を備える電気機器の一例であるプロジェクタ20の構成を示す概略図である。
<光源装置10およびプロジェクタ20の構成>
本実施形態に係るプロジェクタ20は、光源装置10と、当該光源装置10から出射される光が照射される表示部と、当該表示部から出射される光を外部に投影するためのレンズを含む光学系と、表示部に表示するための画像データを外部のコンピュータなどから入力するためのインターフェース部と、光源装置10、表示部、光学系、インターフェース部などを制御するための制御部と、表示部や光源装置10などを駆動するための電力を供給するための電源部とを備える。表示部としては、たとえば液晶表示装置などの表示素子を用いることができるが、他の任意の画像表示装置を用いることができる。
本実施形態に係るプロジェクタ20は、光源装置10と、当該光源装置10から出射される光が照射される表示部と、当該表示部から出射される光を外部に投影するためのレンズを含む光学系と、表示部に表示するための画像データを外部のコンピュータなどから入力するためのインターフェース部と、光源装置10、表示部、光学系、インターフェース部などを制御するための制御部と、表示部や光源装置10などを駆動するための電力を供給するための電源部とを備える。表示部としては、たとえば液晶表示装置などの表示素子を用いることができるが、他の任意の画像表示装置を用いることができる。
光源装置10は、複数の光源としてのレーザダイオード1(LD1)と、ミラー部材としての階段ミラー4と、レンズ部としての集光レンズ5とを備える。階段ミラー4は、複数のLD1から出射される光を反射するため階段状に配置された複数の反射面4rを有する。集光レンズ5は、階段ミラー4の反射面4rで反射された光を集光する。階段ミラー4は一体成型された部材である。
励起光源である複数のLD1は、図示しない基板上に2次元に配列され、実装されている。図1中の矢印の方向を列方向とし、紙面垂直方向を行方向とする。基板においてLD1が実装された表面と反対側の裏面には、LD1を冷却するためのヒートシンク3が接続されている。LD1において光を出射する発光部の前面にはコリメータレンズ2が配置されている。個々のLD1から出射された励起光Lxは、LD1の正面に配置されたコリメータレンズ2によって略平行化される。なお、LD1の励起光Lxは青色光または紫外光である。また、上述したLD1に変えて、励起光源としてLEDを用いてもよい。
コリメータレンズ2から見てLD1と反対側には、階段ミラー4が配置されている。階段ミラー4は複数の反射面4rを有する。また、階段ミラー4では、複数の反射面4rがLD1からの励起光Lxの光軸に対して傾斜するように階段状に配置されている。反射面4rの配置は、当該反射面4rにおいて励起光Lxが反射することにより、反射光が集光レンズ5(具体的には集光レンズ5の凸レンズ5a)に入射するように決定されている。
集光レンズ5は、上述した凸レンズ5aと、凹レンズ5bと、ダイクロイックミラー6と、凸レンズ5c、5dとを含む。凸レンズ5aに入射した光(反射光)は、凹レンズ5b、ダイクロイックミラー6、凸レンズ5c、凸レンズ5dをそれぞれ透過しつつ最終的に集光される。そして、当該集光された光は、凸レンズ5dの後ろに配置された蛍光体素子7に照射される。蛍光体素子7は、照射された光(励起光Lx)を波長変換するための素子である。蛍光体素子7により波長変換された光(蛍光光Lm)は、後述するように凸レンズ5d、凸レンズ5cを透過してダイクロイックミラー6に入射する。当該蛍光光Lmはダイクロイックミラー6において反射され、光源装置10からの出射光として光源装置10の外部へ出射される。
図2および図3に示すように、階段ミラー4は保持体8に取り付けた状態で固定される。ここで、図2は保持体8に保持された階段ミラー4を反射面4r側から見た鳥瞰図であり、図3は階段ミラー4の反射面4rと反対側から、保持体8に保持された階段ミラー4を見た鳥瞰図である。図2および図3からもわかるように、階段ミラー4は、複数の短冊ミラーを保持体8に貼り付けたものではなく、階段形状(段々形状)を有する一つの部品となっている。階段ミラー4としては、プレス成形したガラス、あるいは射出成形した樹脂(たとえばポリカーボネート等)を用いることができる。
反射面4rには、反射膜として銀やアルミニウムなどの金属膜、あるいは誘電体多層膜が被覆される。さらに、当該金属膜の上に増反射コートまたは保護コートが施されていてもよい。階段ミラー4の列方向(図1参照)の両端部には、保持体8の基準面8aに押し付け、固定するための位置決め部4aが設けられている。当該位置決め部4aは、保持体8に押えバネ8d(図3参照)によって押圧されることにより固定される。すなわち、押えバネ8dは保持体8の基準面8aと対向するように配置され、当該基準面8aと押えバネ8dとの間に階段ミラー4の位置決め部4aが把持された状態となっている。
階段ミラー4は成形により一体化した部品なので、複数の短冊ミラーを接合して形成する場合のように一枚一枚短冊ミラーの姿勢精度を出す必要がない。つまり、本実施形態に係る光源装置10の階段ミラー4では、例えば位置決め部4aを保持体8の基準面8aに押し付けて固定することで、階段ミラー4全体の反射面4rについて一度に必要な姿勢精度を満足できる。
なお、階段ミラー4の全体的な位置と角度について十分な精度を達成するためには、基準面8aだけでなく、互いに平行でない複数の基準面、好ましくは互いに直交する3つの基準面に階段ミラー4の表面を押し付けて階段ミラー4の位置決めを行うことが好ましい。図2および図3では、例えば保持体8の面8b(基準面8aに連なり基準面8aと交差する方向に延びる面)と面8c(基準面8aおよび面8bとそれぞれ交差する方向に延びる面)とが基準面8a以外の基準面である。
また、階段ミラー4側にも、上述した基準面8a、8b、8cに押し付けられる箇所に基準面が必要である。ミラー側の基準面の一つは、例えば位置決め部4aにおける反射面4r側の面である。ミラー側の基準面のうちの他の二つは、たとえば階段ミラー4の側面(階段ミラー4において基準面8bに対向する側面および基準面8cに対向する側面)である。
なお、階段ミラー4は金型を用いてガラスやポリカーボネート等の樹脂を成形して製作する。この場合、上記側面には離型のために2〜8°程の抜き勾配が設けられる。したがって、上記のような抜き勾配が設けられた側面は、そのままではミラー側の基準面に適さない。
そこで、階段ミラー4の側面に数箇所、抜き勾配0°の基準面を部分的に設けることが好ましい。図4は、階段ミラー4の側面に設けられた基準面の例を表した図である。階段ミラー4の側面に設けられた突起部4cは、抜き勾配0°の基準面4bを有する。つまり、位置決め部4aにおける反射面4r(図2参照)側の面および位置決め部4aにおいて反射面4rと反対側の裏面に対し90°となる基準面4bが突起部4cに形成される。突起部4cは階段ミラー4の側面に複数箇所設けられることが好ましく、当該突起部4cの基準面4bが基準面8bや基準面8cに押し付けられる。なお、金型構造の工夫次第では基準面8bに押し付けられる階段ミラー4の側面を、位置決め部4aにおける反射面4r側の面に対して90°となるように形成することで、そのまま基準面として用いることもできる。
図5は、階段ミラー4の側面の一部拡大図である。階段ミラー4は、短冊ミラーに相当する(反射面4rを有する)部分4dと、部分4d同士をつなぐ(連結部としての)部分4eとから成る。部分4dの延在方向と部分4eの延在方向とが成す角は鈍角となるため、階段ミラー4の素材をガラスにする場合、プレス加工により当該ガラスを変形させるときの変形量(プレス時の押す量)を、上記角が鋭角となる場合よりも少なくすることができる。また、部分4dと部分4eとの境界部分において、凸部4fはプレス加工に用いる金型側が凹となるため、角が丸まった形状となる。
また、階段ミラー4を射出成形により成形された樹脂製とする場合、成形後の樹脂のヒケを抑えるため均肉化することが好ましい。たとえば、凸部4fの表面を曲面状とするとともに、当該凸部4fの表面の曲率半径Rを階段ミラー4の厚みTと同等程度にする(たとえば厚みTの1倍以上1.5倍以下にする)ことが好ましい。また、部分4dと部分4eとの境界部において、たとえば凹部4gの角部は部分4dと部分4eとの表面をつなぐ曲面(たとえばフィレット)または平面(たとえば面取り加工部)となっていてもよい。
<光源装置10およびプロジェクタ20の製造方法>
階段ミラー4やLD1、ヒートシンク3、コリメータレンズ2や集光レンズ5など、光源装置10を構成する部品を準備し、これらの部品を組み立てることにより光源装置10を製造することができる。また、当該光源装置10およびプロジェクタ20を構成する他の部品を準備し、これらの部品を組み立てることによりプロジェクタ20を製造することができる。
階段ミラー4やLD1、ヒートシンク3、コリメータレンズ2や集光レンズ5など、光源装置10を構成する部品を準備し、これらの部品を組み立てることにより光源装置10を製造することができる。また、当該光源装置10およびプロジェクタ20を構成する他の部品を準備し、これらの部品を組み立てることによりプロジェクタ20を製造することができる。
本実施形態に係る階段ミラー4は、たとえば一枚の平板状のガラスをプレス成形することにより製作することができる。あるいは、ポリカーボネート等の樹脂を溶融して金型内へ射出成形して製作してもよい。このようにすれば、個々の短冊ミラーに相当する反射面4rの角度や形状精度、さらに階段ミラー4側の基準面(例えば位置決め部4aにおける反射面4r側の面)の位置や角度の精度は、金型に依存する。一般に金型の精度は高く、また必要に応じて、成形後の形状誤差を元に金型の形状も修正できる。したがって、成形後の階段ミラー4の形状精度は非常に高いものとなる。
さらに、階段ミラー4を図2や図3に示すように均肉な形状(たとえば全体の厚みT(図5参照)がほぼ均一になっている形状)としておけば、必要な精度を達成し易い。また、プレス成形や射出成形により階段ミラー4を作成するので、階段ミラー4を多数製作しても個体ばらつきを小さくし、安定した形状精度を得ることができる。
図6〜図8は、階段ミラー4をガラス製とした場合、ガラス板11を金型12によりプレス成形することで階段ミラー4を製造する様子を表した模式図である。図6〜図8は、図6、図7、図8の順番で、ガラス板11が金型12によりプレス成形される様子を示している。具体的には、まず図6に示すように1組の金型12の間にガラス板11が配置される。そして、図6の白抜き矢印に示す方向に金型12が移動して、ガラス板11が金型12により押圧、変形される。ガラス板11は、図7に示すように金型12の形状に沿って徐々に変形する。そして、金型12がガラス板11を十分に押圧し変形させることによって、最終的には図8に示すように金型12の形状に沿ってガラス板11が変形し階段ミラー4が形成される。図7に示すように、ガラス板11の屈曲部である凸部4fには矢印で示す方向に引張り応力が働く。そのため、凸部4fの厚みはガラス板11の厚みT(図5参照)より薄く、また凸部4fの曲率半径Rも厚みTより大きくなる傾向にある。よって、凸部4fの曲率半径Rを厚みTの1倍以上1.5倍以下とすることが望ましい。また、図7に示すガラス板11の凹部4gは、金型側が凸になっており、当該金型の形状を調整することによって角が立った形状にできる。しかし、面取りするなど凹部4gについては角を落とした形状とすることで、階段ミラー4のプレス時における応力集中を緩和できる。
すなわち、本実施の形態1の階段ミラー4において、階段ミラー4の厚みTと凸部4fの曲率半径RとについてT≦R≦1.5Tという関係を満足し、さらに、凹部4gは角を落とした形状とすることが好ましい。この場合、階段ミラー4が樹脂製の場合はヒケを抑えることができる。また、階段ミラー4がガラス製の場合は、成形時とその後の励起光Lxの照射等による熱負荷印加時の階段ミラー4の割れを抑制できる。
<光源装置10およびプロジェクタ20の動作>
次に、本実施形態に係る光源装置10およびプロジェクタ20の動作について簡単に説明する。
次に、本実施形態に係る光源装置10およびプロジェクタ20の動作について簡単に説明する。
光源装置10において、LD1から出射しコリメータレンズ2で略平行化された励起光Lxは、階段ミラー4で反射されると同時に、階段ミラー4で反射される前の光線束の列方向の幅より、階段ミラー4で反射された後の光線束の幅(凸レンズ5aの幅方向おける光線束の幅)が圧縮される。その後、励起光Lxは集光レンズ5の凸レンズ5a、凹レンズ5b、ダイクロイックミラー6、凸レンズ5c、5dを透過しつつ、蛍光体素子7上に集光される。蛍光体素子7によって、励起光Lxは蛍光光Lmに波長変換される。蛍光光Lmは例えば緑色光である。
蛍光体素子7から発せられた蛍光光Lmは凸レンズ5d、5cを透過した後、ダイクロイックミラー6によって反射される。このようにして光源装置10から所定の波長の光が出射される。その後、光源装置10から出射された光は、図示しない表示素子や投射レンズなどの光学系を経て、外部のスクリーンへと出射される。なお、上記とは逆に、ダイクロイックミラー6で励起光Lxが反射され、反射された励起光Lxが蛍光体素子に入射して波長変換された後、蛍光光Lmがダイクロイックミラー6を透過する光路系を採用してもよい。
このように、本実施の形態1に係る光源装置10によれば、成形により一体化した部品として製作される階段ミラー4を用いることで、個々の短冊ミラーに相当する反射面4rの姿勢精度を高くでき、効率の高い光源装置10を容易に実現できる。また、本実施の形態1の階段ミラー4は、均肉な形状なので必要な精度を達成し易く、プレス成形や射出成形により製造するために成形時間は短く安価である。また、階段ミラー4が一つの部品となっているので、従来のように複数の短冊ミラーを接合する場合より光源装置10の構造を簡素化できる。したがって、光源装置10の組立時間を従来より短縮できるので光源装置10の製造コストを低減できる。さらには、複数の短冊ミラーを接着剤で貼り合わせるといった工程を採用していないので、当該接着剤が振動や衝撃、熱、光などによって劣化するといった問題も発生しない。したがって、従来よりも光源装置10の信頼性を高めることができる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る光源装置10の構成を示す概略図である。また、図10は図9の領域Xの拡大断面模式図である。図9および図10を参照して、本発明の実施の形態2に係る光源装置10を説明する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る光源装置10の構成を示す概略図である。また、図10は図9の領域Xの拡大断面模式図である。図9および図10を参照して、本発明の実施の形態2に係る光源装置10を説明する。
図9に示した光源装置10は、実施の形態1に係る光源装置10に対し励起光源であるLD1p、1qの数を増やし、より多くの励起光Lxp、Lxqを蛍光体素子7上に集光することで、高輝度化したものである。LD1p、1qの数を増やす方法としては、たとえばLD1p、1qより出射される励起光Lxp、Lxqが略直線偏光であるという特性を利用する手法がある。
たとえば、S偏光は反射し、P偏光は透過する偏光分離膜を備えたガラス平板を用い、このガラス平板に対して45°の角度でS偏光の励起光を入射させる。S偏光の励起光は、入射方向に対し90°方向へ反射される。一方、P偏光の励起光は、S偏光の励起光の反射方向とは逆方向から、やはり45°の角度でガラス平板に入射させる。P偏光の励起光は、S偏光の励起光の反射方向と同じ方向へ透過される。このようにすれば、S偏光とP偏光の励起光を合成し、2倍の強度の励起光で蛍光体素子7を照射できる。しかし、階段ミラー4は反射時に光線束の列方向の幅を圧縮するという機能を併せ持つ。このため、上記のような単純な手法は使えない。以下、図9に示した光源装置10の構成を説明する。
図9に示した光源装置10は、基本的には実施の形態1に示した光源装置10と同様の構成を備えるが、励起光源であるLDの数を増やし、さらに増やしたLDからの励起光を集光レンズ5に効率的に入射させるための構成を備える点が実施の形態1に係る光源装置10と異なっている。
具体的には、図9に示した光源装置10において、図9および図10に示すように階段ミラー4の片方の面4pは偏光分離膜22を、もう一方の面4qは反射防止膜23を備えている。階段ミラー4の本体部21は、実施の形態1における階段ミラー4の材料(ガラスや樹脂など)と同様の材料により構成されている。階段ミラー4の面4p側に複数の励起光源(複数のLD1p)、コリメータレンズ2pおよびヒートシンク3pの組が配置されている。階段ミラー4の面4q側に複数の励起光源(複数のLD1q)、コリメータレンズ2qおよびヒートシンク3qの組が配置されている。
また、階段ミラー4から見て集光レンズ5と反対側には4分の1波長板90が配置されている、4分の1波長板90において階段ミラー4と対向する表面と反対側の裏面90aに対向するように、反射ミラー91が配置されている。
ここで、LD1pからの励起光Lxpも、LD1qからの励起光Lxqも階段ミラー4に対してS偏光である。LD1pからの励起光Lxpはコリメータレンズ2pを透過することで略平行化された後、階段ミラー4の面4pで反射されると同時に、光線束の幅(励起光Lxpの光軸に対して垂直な方向における幅)が圧縮される。その後、反射された励起光Lxpは4分の1波長板90を透過し、反射ミラー91で反射された後、再度4分の1波長板90を透過する。階段ミラー4に戻ってきた励起光Lxpの偏光方向は90°回転している。つまり、反射ミラー91で反射されて階段ミラー4に戻ってきた励起光Lxpは、階段ミラー4に対してP偏光となっている。このため、励起光Lxpは階段ミラー4を面4q側へと透過する。
一方、LD1qからの励起光Lxqはコリメータレンズ2qにより略平行化された後、階段ミラー4に入射する。当該励起光Lxqは階段ミラー4の面4qを透過するが、裏面側の面4pで反射され再度面4qを透過して階段ミラー4から出射される。この場合、励起光Lxqの振る舞いは当該励起光Lxqが面4qで直接反射される場合と同様であり、集光レンズ5側へ反射される。また、励起光Lxqは階段ミラー4で反射されることで光線束の幅(励起光Lxqの光軸に対して垂直な方向における幅)も圧縮されている。このようにして、階段ミラー4から出射された励起光Lxpと励起光Lxqは、共に集光レンズ5によって蛍光体素子7上に集光される。蛍光体素子7に集光された励起光Lxp、Lxqはともに波長変換され、実施の形態1の場合と同様にダイクロイックミラー6で反射されて光源装置10から出射される。
すなわち、本実施の形態2に係る光源装置10によれば、成形により一つの部品として製作される階段ミラー4の片方の面4pを偏光分離膜22とし、もう片方の面4qを反射防止膜23とし、さらに4分の1波長板90と反射ミラー91とを備えることで、異なる2方向からの励起光Lxp、Lxqを合成し、より高輝度な蛍光光Lmを出射することが可能な光源装置10を実現できる。
なお、4分の1波長板90と反射ミラー91とを一体にする(たとえば、4分の1波長板90の裏面90aに銀やアルミニウムなどの金属膜を配置する)ようにしてもよい。この場合、光源装置10の部品点数を削減し、製造コストを低減できる。また、階段ミラー4の表裏を逆にし、面4pを反射防止膜、面4qを偏光分離膜としてもよい。さらには、面4pと面4qとを双方とも偏光分離膜としてもよい。いずれの場合も、図9に示した光源装置10と同様、高輝度な光源装置が得られる。なお、面4pと面4qとを双方とも偏光分離膜とした場合は、階段ミラー4の表裏面の違いが無くなり、保持体8へ階段ミラー4を組込む作業におけるミスの発生を防止できる。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3に係る光源装置10の構成を示す概略図である。図12は、階段ミラー4によって2次元に配列されたLD1からの励起光Lxが点Pに集まる様子を表した図である。図13は、個々の反射面4sの、LD1の行方向に垂直な面における形状を表す図である。図11〜図13を参照して、本発明の実施の形態3に係る光源装置10を説明する。
図11は、本発明の実施の形態3に係る光源装置10の構成を示す概略図である。図12は、階段ミラー4によって2次元に配列されたLD1からの励起光Lxが点Pに集まる様子を表した図である。図13は、個々の反射面4sの、LD1の行方向に垂直な面における形状を表す図である。図11〜図13を参照して、本発明の実施の形態3に係る光源装置10を説明する。
図11および図12に示した光源装置10は、上記実施の形態1に係る光源装置10と基本的に同様の構成を備えるが、集光レンズ5の凸レンズ5aの機能を階段ミラー4に付与した点が実施の形態1に係る光源装置10と異なっている。具体的には、階段ミラー4における反射面4sを曲面状としている。
ここで、階段ミラー4の個々の短冊ミラーに相当する反射面の形状は平面である必要はない。階段ミラー4はガラスやポリカーボネート等の樹脂を成形して製造されているので、複雑な形状であっても同じ形状のものを安定して多数製作できる。そこで、個々の短冊ミラーに相当する反射面4sを凹形状にすることで、当該反射面4sで反射した励起光Lxを集光することができる。このため、実施の形態1において図1で示した光源装置10の凸レンズ5aを削減できる。以降、前記実施の形態1と異なる点についてのみ記す。
図11および図12に示すように、階段ミラー4の個々の短冊ミラーに相当する反射面4sは凹形状を有する。このため、LD1から出射されコリメータレンズ2で略平行化された励起光Lxは、反射面4sで反射されて略一点Pに向かって集まるように進む。その後、階段ミラー4の反射面4sで反射された励起光Lxは、凹レンズ5bから凸レンズ5c、5dまでの集光レンズ5によって蛍光体素子7上に集光される。この後、蛍光体素子7により波長変換された蛍光光Lmが、実施の形態1の光源装置10と同様にダイクロイックミラー6で反射されて光源装置10から出射される。
ここで、平行光束を一点に集光する反射面形状として、放物面が知られている。つまり、LD1から出射されコリメータレンズ2によって略平行化された励起光Lxを点Pに集光する反射面形状としては、回転放物面を用いることができる。たとえば、回転放物面の回転対称軸を、点Pを通りLD1やコリメータレンズ2の光軸と略平行な軸Aに採る。軸Aを回転対称軸とすることで、2次元に配列されたLD1の紙面垂直方向(図11参照)、つまり行方向に並べられたLD1からの励起光Lxも点Pに集められる。
このように、図11および図12に示した光源装置10では、階段ミラー4の反射面4sが上記の回転放物面となっているため、行方向(図11の紙面に垂直な方向)に並べられた複数のLD1からの励起光Lxも、列方向に並べられたLD1からの励起光Lxも点Pに集まることが分かる。
また、階段ミラー4は段々形状(階段状の形状)を有しているため、個々の反射面4s(回転放物面)の焦点は共通だが、それぞれの焦点距離は異なる。つまり、図13に示すように、複数の反射面4sについての焦点は共通の点Pだが、個々の反射面4sを成す放物線4tは異なっていることが分かる。
このように、本実施の形態3に係る光源装置10によれば、階段ミラー4の個々の短冊ミラーに相当する反射面4sを凹形状とし、特に反射面4sを回転放物面とすることで、集光レンズ5の構成枚数を減らし(たとえば図1に示した光源装置10より凸レンズ5aを削減し)、製造コストを低減できる。また、実施の形態1において図1で示した最も口径の大きい凸レンズ5aを無くすことができるので、プロジェクタ20そのものをコンパクトにできる。
また、このような複雑な形状のミラーを製作するのは通常困難だが、上述のように階段ミラー4はプレス成形によるガラス製、あるいは射出成形による樹脂製なので、金型を一度作成すれば同じ形状のものを安定して繰返し製作できる。また、個々の反射面4sについて回転対称軸を同一の軸Aとしているため、本実施形態の階段ミラー4を製造するための金型は、精密旋盤等で比較的容易に作成できる。したがって、当該金型を製造するためのコストが増大することを抑制できるので、結果的に光源装置10の製造コストの増大を抑制できる。
(実施の形態4)
図14は、本発明の実施の形態4に係る光源装置10の構成を示す概略図である。図15は、図14に示した光源装置10において、2次元に配列されたLD1からの励起光Lxが階段ミラー4によって反射される様子を表した図である。図14および図15を参照して、本発明の実施の形態4に係る光源装置10を説明する。
図14は、本発明の実施の形態4に係る光源装置10の構成を示す概略図である。図15は、図14に示した光源装置10において、2次元に配列されたLD1からの励起光Lxが階段ミラー4によって反射される様子を表した図である。図14および図15を参照して、本発明の実施の形態4に係る光源装置10を説明する。
図14および図15に示した光源装置10は、上記実施の形態1に係る光源装置10と基本的に同様の構成を備えるが、コリメータレンズ2の機能を階段ミラー4に付与した点が実施の形態1に係る光源装置10と異なっている。具体的には、階段ミラー4において個々のLD1に対応する曲面状の反射面4uを複数(LD1と同数)設けている。
なお、上記実施の形態3では、図1に示した光源装置10の凸レンズ5aを削減したが、階段ミラー4において個々のLD1に対応する反射面4uを凹形状にすることで、コリメータレンズ2を削減できる。コリメータレンズ2はLD1と同数必要なので、数が多く組立時間も要することから、コストに対する影響が大きい。したがって、コリメータレンズ2を削減することは光源装置10の製造コストを低減することに特に有効である。以下、実施の形態1と異なる点について特に説明する。
階段ミラー4において個々のLD1に対応する反射面4uは、図15からもわかるように行方向のLD1の数と同じだけ行方向にアレイ状に並べられている。個々の反射面4uで反射された励起光Lxは略平行化された後、集光レンズ5によって蛍光体素子7上に集光される。
ここで、実施の形態1の光源装置10に含まれるコリメータレンズ2は、個々のLD1から出射された励起光Lxを略平行化するという機能を持っている。そのため、コリメータレンズ2を削減するためには、凹形状の反射面4uがこの機能を有する必要がある。そして、一点から出射された光を平行にする反射面形状も、実施の形態3で検討した反射面の場合と同様に放物面である。つまり、LD1から出射された励起光Lxを略平行化する反射面形状は、回転放物面である。回転放物面の回転対称軸は、LD1内の発光点Q(図14参照)を通り集光レンズ5の光軸と略平行な軸Bに採ることができる。個々の回転放物面の焦点は、各々対応するLD1内の発光点Qであり、回転対称軸も各々対応する点Qを通る軸Bである。
すなわち、本実施の形態4に係る光源装置10によれば、階段ミラー4の個々の短冊ミラーに相当する反射面を、凹形状の反射面4uを並べた(特に回転放物面からなる反射面を並べた)アレイとすることで、コリメータレンズ2を削減できる。この結果、光源装置10のコストを低減できる。
なお、LD1から出射される励起光Lxは、ある発散角を持っている。このため、反射面4uがLD1から所定の距離を隔てて配置されている場合、反射面4uが大きくなるためLD1同士の列方向の間隔を広げる必要が生じ、プロジェクタが大型化する恐れがある。このような場合は、回転放物面である反射面4uよりもコリメータレンズ2で、励起光Lxを略平行化する方が、プロジェクタ20の小型化という観点からは望ましい。つまり、階段ミラー4において個々のLD1に対応する反射面4uは全てが凹形状である必要はない。例えば、反射面4uまでの距離が離れているLD1(たとえば集光レンズ5に近い側のLD1)にはコリメータレンズ2を設け、そのLD1に対応する階段ミラー4の反射面は平面としても良い。
また、実施の形態3と同様、コリメータレンズ2に加え、さらに集光レンズ5のうち凸レンズ5aを削減することも可能である。この場合、階段ミラー4の個々の反射面4uは、各々対応するLD1内の発光点Qから出射された励起光Lxを、実施の形態3の略一点Pに集光する機能を持てば良い。
このような、一点から出射された光を別の一点に集光する反射面形状として、楕円面が知られている。つまり、LD1から出射された励起光Lxを点P(図12参照)に集光する反射面形状は、回転楕円面である。回転楕円面の回転対称軸は、LD1内の発光点Qと点Pを結ぶ線分に採る。個々の回転楕円面4uの焦点は2点存在し、当該焦点は各々対応するLD1内の発光点Qと点Pとする。また、回転対称軸も各々対応する点Qと点Pを結ぶ線分とする。このような設定に基づき、2次元に配列された個々のLD1に対応した、回転楕円面からなる反射面4uを設けることで、全てのLD1からの励起光Lxが点Pに集められる。
すなわち、階段ミラー4の個々の短冊ミラーに相当する反射面を回転楕円面の反射面4uを並べたアレイとすることで、コリメータレンズ2に加え、集光レンズ5の構成枚数も減らす(図1に示した凸レンズ5aを削減する)ことができる。このようにすれば、光源装置10の製造コストをさらに低減できる。また、図1で示した最も口径の大きい凸レンズ5aを無くすことができるので、プロジェクタ20そのものをコンパクトにできる。
なお、上記実施の形態2〜実施の形態4に示した光源装置10は、実施の形態1に示した光源装置10と同様にプロジェクタ20などの電気機器に組み込むことができる。また、上述した各実施形態に係る光源装置10は、プロジェクタ20以外の装置であって光源を必要とする任意の電気機器に適用することができる。また、実施の形態2〜実施の形態4に示した電源装置10の階段ミラー4において、図5に示した凸部4fや凹部4gの形状を適用してもよい。
以下、上述した実施の形態と一部重複する部分もあるが、本発明の特徴的な構成を列挙する。
この発明の実施形態に従った光源装置10は、複数の光源(LD1、LD1q)と、ミラー部材(階段ミラー4)と、レンズ部(集光レンズ5)とを備える。階段ミラー4は、複数の光源(LD1、LD1q)から出射される光(励起光Lx、Lxq)を反射するため階段状に配置された複数の反射面4r、4p、4q、4s、4uを有する。レンズ部(集光レンズ5)は、階段ミラー4の反射面4r、4p、4q、4s、4uで反射された光を集光する。階段ミラー4は一体成型された部材である。
このようにすれば、階段ミラー4が一体成型されているので、従来のように複数の短冊ミラーを保持体に接合したり、複数の短冊ミラー同士を接合したりする場合のように短冊ミラーの位置精度や接合工程の誤差などに起因する問題の発生を防止できるとともに、製造工程自体も簡略化できるので光源装置10の製造コストが増大することを抑制できる。
上記光源装置10において、反射面4s、4uは凹形状となっている領域を含んでいてもよい。この場合、光源(LD1、LD1q)からの光が反射面4s、4uで反射することにより、当該反射光を集光することができる。このため、反射光を集光するための集光レンズ5におけるレンズの枚数を削減することが可能になる。この結果、光源装置10の製造コストをより低減できる。
上記光源装置10において、階段ミラー4の反射面4s、4uにおいて凹形状となっている領域は、回転放物面および回転楕円面のいずれか一方を含んでいてもよい。この場合も、反射面4s、4uで反射する反射光を効果的に集光することができるので、集光レンズ5におけるレンズの枚数を削減することができる。
上記光源装置10において、反射面4uは、図14および図15に示すように複数の光源(LD1)に対応する複数の凹形状部分を含んでいてもよい。この場合、複数の光源(LD1)から階段ミラー4に入射する光について、光源毎に対応する凹形状部分を配置しておくことで、各光源からの光が当該凹形状部分で反射された反射光を平行化したり、集光したりすることができる。
上記光源装置10では、階段状に配置された複数の反射面4r、4p、4q、4s、4uの並ぶ方向に沿った階段ミラー4の断面において、凸状になった角部(凸部4f)は曲線状になっていてもよい。また、凹状になった角部(凹部4g)は曲線状または直線状になっていてもよい。この場合、階段ミラー4をプレス成型法や樹脂モールド成形法などを用いて形成するときに、凸状の角部(凸部4f)の曲率半径Rを大きくする、あるいは凹状になった角部(凹部4g)での階段ミラー4の厚みTを十分確保するといったことが可能になる。このため、当該角部(凸部4fまたは凹部4g)での不良が発生する可能性を低減できる。
上記光源装置10において、階段ミラー4の反射面4r、4p、4q、4s、4uが形成された領域における厚みTに対して、凸状になった角部(凸部4f)の曲率半径Rが1倍以上1.5倍以下であってもよい。この場合、階段ミラー4の不良(材料のヒケや割れなどの損傷)の発生確率を低減できる。
上記光源装置10は、複数の裏面光源(LD1p)と、4分の1波長板90と反射ミラー91と、偏光分離膜22とを備えていてもよい。複数の裏面光源(LD1p)は、階段ミラー4を介して、複数の光源(LD1q)と反対側に位置してもよい。4分の1波長板90は、裏面光源(LD1p)から出射される光(励起光Lxp)が階段ミラー4により反射される方向に配置されてもよい。反射ミラー91は、4分の1波長板90から見て階段ミラー4と反対側に配置されてもよい。偏光分離膜22は、階段ミラー4において複数の光源(LD1q)から出射される光が入射する部分および裏面光源(LD1p)から出射される光が入射する部分の少なくともいずれか一方(つまり、複数の光源(LD1q)から出射される光が入射する部分、もしくは裏面光源(LD1p)から出射される光が入射する部分のいずれか、あるいはこれらの双方)に配置されてもよい。
この場合、複数の光源(LD1q)と複数の裏面光源(LD1p)とからの光をまとめて階段ミラー4から出射することができるので、高輝度な光源装置10を実現できる。
上記光源装置10では、階段ミラー4において、反射面4r、4p、4q、4s、4uが形成された面と交差する側面が基準部(基準面4b)を含んでいてもよい。この場合、階段ミラー4を固定部材(保持体8)などに固定するときに、当該基準面4bを利用して階段ミラー4の位置を正確に決定することができる。このため、光源装置10において光の出射方向などを正確に設定することができる。
この発明に従った電気機器(プロジェクタ20)は、上記光源装置10を備える。このようにすれば、低コストで高い精度を有する光源装置10を利用した、高い信頼性を有し低コストな電気機器(プロジェクタ20)を実現できる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行ったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
複数の光源からの光を集光して出射する光源装置において、特に有利に適用される。
1 レーザダイオード(LD)、2,2p,2q コリメータレンズ、3,3p,3q ヒートシンク、4 階段ミラー、4a 位置決め部、4b,8a,8b,8c 基準面、4c 突起部、4d,4e 部分、4f 凸部、4g 凹部、4p,4q,8b,8c 面、4r,4s,4u 反射面、4t 放物線、5 集光レンズ、5a,5c,5d 凸レンズ、5b 凹レンズ、6 ダイクロイックミラー、7 蛍光体素子、8 保持体、8d 押えバネ、10 光源装置、11 ガラス板、12 金型、20 プロジェクタ、21 本体部、22 偏光分離膜、23 反射防止膜、90 4分の1波長板、90a 裏面、91 反射ミラー、A,B 軸、Lm 蛍光光、Lx,Lxp,Lxq 励起光、P 点、Q 発光点、R 曲率半径、T 厚み。
Claims (9)
- 複数の光源と、
前記複数の光源から出射される光を反射するため階段状に配置された複数の反射面を有するミラー部材と、
前記ミラー部材の前記反射面で反射された光を集光するレンズ部とを備え、
前記ミラー部材は一体成型された部材である、光源装置。 - 前記反射面は、凹形状となっている領域を含む、請求項1に記載の光源装置。
- 前記凹形状となっている領域は、回転放物面および回転楕円面のいずれか一方を含む、請求項2に記載の光源装置。
- 前記反射面は、前記複数の光源に対応する複数の凹形状部分を含む、請求項2または請求項3に記載の光源装置。
- 前記階段状に配置された複数の前記反射面の並ぶ方向に沿った前記ミラー部材の断面において、凸状になった角部は曲線状になっている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記ミラー部材の前記反射面が形成された領域における厚みに対して、前記凸状になった角部の曲率半径が1倍以上1.5倍以下である、請求項5に記載の光源装置。
- 前記ミラー部材を介して、前記複数の光源と反対側に位置する、複数の裏面光源と、
前記裏面光源から出射される光が前記ミラー部材により反射される方向に配置された4分の1波長板と、
前記4分の1波長板から見て前記ミラー部材と反対側に配置された反射ミラーと、
前記ミラー部材において前記複数の光源から出射される前記光が入射する部分および前記裏面光源から出射される前記光が入射する部分の少なくともいずれか一方に配置された偏光分離膜とを備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記ミラー部材において、前記反射面が形成された面と交差する側面が基準部を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光源装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光源装置を備える電気機器。
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