JP2016018131A - 光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置 - Google Patents

光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロマシン技術により歩留良く安価に作製できる光偏向器を提供する。【解決手段】ミラー部103は一対のトーション梁110、110によって支持され、トーション梁110の他端はカンチレバー109に接続されている。カンチレバー109には圧電部材104が設けられ、圧電部材104は、下部電極材料120と圧電材料121と、上部電極材料122とから構成され、表面は絶縁膜108で覆われている。下部電極材料120の一部は配線部120aとして引出し配線材料111に接続されている。配線部120aの上面には圧電材料121が存在しており、配線部120aは圧電材料121をパターン化する際のフッ素系ガスに晒されない。これにより、配線部120aにおける絶縁膜108との密着性低下が抑制される。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロマシン技術を用いた光偏向器、該光偏向器を備えた光走査装置、該光走査装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいはこられのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置、及び前記光走査装置を備えた画像投影装置に関する。
マイクロマシン技術を用いた光偏向器は、ポリゴンミラーや従来型のガルバノミラーに比べて省電力化、小型化や高速化が期待できる。
駆動部分の形成もシリコンウェハを素材として、半導体微細加工技術を用いて大量で安価に形成できる可能性があるため、その実用化が期待されている。
従来のマイクロマシン技術を用いた光偏向器としては、例えば特許文献1、2に記載のものが知られている。
この光偏向器は、ミラー部の対向した2辺に、一対のトーション梁が一直線をなす位置関係でそれぞれの一端で接続されている。
トーション梁に対応して、その軸方向に直交した方向に延びるカンチレバーが設けられ、これらカンチレバーの一方の端は枠部に固定され、枠部に固定されていない他の端(自由端)はトーション梁の他端に接続されている。
カンチレバーの一面に、カンチレバーの反り変形を生じさせる手段として圧電部材が設けられている。
圧電部材は、PZT等の圧電材料の層とこれを挟む電極層とから成り、電極層間に電圧を印加することにより圧電材料層がカンチレバーの長さ方向に伸縮して、カンチレバーの厚み方向の反りを生じさせる。
カンチレバーの反りはトーション梁の捻りに変換され、トーション梁の捻りはミラー部を回転させる。
圧電部材は、下部電極材料と、圧電材料と、上部電極材料とを順に積層した後にパターニングして形成され、上部電極材料の表面側は絶縁膜で覆われている。
下部電極材料と上部電極材料は、引き出し配線材料により電位供給パッドに接続されており、電位供給パッドで電圧を印加されるようになっている。
引き出し配線材料のみで配線の配置が困難な場合には、下部電極材料を延長して配線部とし、該配線部を介して引き出し配線材料に接続することが行われている。
しかしながら、圧電部材を構成する下部電極材料が配線部として用いられる構成では、絶縁膜と下部電極材料との密着性不良に起因した絶縁膜の剥離が頻繁に発生する。
絶縁膜の剥離は製品としての歩留を低下させるため、製造コストの増加を来たしていた。
すなわち、マイクロマシン技術による光偏向器は、1つのウェハ上に小型で大量に作製できるので安価である利点があるが、その製造方法はいまだ確立されておらず、歩留良く製造できる手段が不明であった。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、マイクロマシン技術により歩留良く安価に作製できる光偏向器の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光偏向器は、光反射面を有するミラー部と、前記ミラー部を支持する支持部材と、前記支持部材に設けられる圧電部材と、前記圧電部材の表面を覆う絶縁膜と、を備え、前記圧電部材は、下部電極材料と、圧電材料と、上部電極材料とを積層して形成され、前記圧電部材への電圧印加による前記圧電材料の変位によって前記支持部材が変形し、該支持部材の変形を介して前記ミラー部を偏向走査するように振動させることが可能であり、前記下部電極材料と前記上部電極材料は、前記絶縁膜に形成された接続孔を介してそれぞれ、電圧を印加するための引き出し配線材料に接続されており、前記下部電極材料には、前記引き出し配線材料に接続するための配線部が延長して形成され、前記配線部と前記絶縁膜との間の少なくとも一部に前記圧電材料が存在している。
本発明によれば、光偏向器をマイクロマシン技術により歩留良く安価に作製できる。
本発明の第1の実施形態に係る光偏向器の構成を示す図で、(a)は光反射面の法線方向の正面図、(b)は(a)のA−A’線での断面図である。 下部電極材料の配線部の範囲と圧電材料の残存部の範囲を示す要部断面図である。 第2の実施形態に係る光偏向器の構成を示す図で、(a)は光反射面の法線方向の正面図、(b)は(a)のA−A’線での断面図である。 第3の実施形態に係る光偏向器の構成を示す図で、(a)は光反射面の法線方向の正面図、(b)は(a)のA−A’線での断面図である。 第4の実施形態に係る光偏向器の構成を示す図で、(a)は配線の要部を示す平面図、(b)は(a)のA−A’線での断面図である。 図1の光偏向器を用いた光走査装置及び該光走査装置を有する画像形成装置を示す概要構成図である。 図1の光偏向器を用いた光走査装置を有する画像投影装置の概要構成図である。 画像投影装置の他例の概要構成図である。 従来の光偏向器の構成を示す図で、(a)は光反射面の法線方向の正面図、(b)は(a)のA−A’線での断面図、(c)は(a)のB−B’線での断面図、(d)は(a)のC−C’線での断面図である。 従来の2軸タイプの光偏向器における光反射面の法線方向からの正面図である。 従来における下部電極材料を配線部として用いる光偏向器の構成を示す図で、(a)は光反射面の法線方向からの正面図、(b)は(a)のA−A’線での断面図である。 絶縁膜の剥離状態を示す概要断面図である。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
まず、本実施形態の構成を説明する前に、図9乃至図12に基づいて従来の構成とその問題点について説明する。
図9(a)は、従来の光偏向器におけるミラー部103の光反射面の法線方向から見た正面図、図9(b)は(a)のA−A’線での断面図、図9(c)は(a)のB−B’線での断面図、図9(d)は(a)のC−C’線での断面図である。
図10に示すように、光偏向器100は、シリコン基板101上に構成される。
図9(b)では、左右の図は分離しているが、A−A’線での断面のみを示したもので、実際には繋がっている(他の図において同じ)。
図9(b)、(c)は、主にミラー部103を回転(振動)させる駆動力を発生する梁状部材としてのカンチレバー109の部位を示している。
換言すれば、圧電部材104の積層構成を示している。図9(d)はミラー部103の部位の断面構成を示している。
シリコン基板101は通常SOI(Silicon on Inslator)基板が使用され、本実施形態における基板も同様である。
シリコン基板101は、活性層側のシリコン層102と、一般的にBOX層と称される、埋め込み酸化膜層116と、基材層側のシリコン層105とから構成されている。
シリコン基板101の表面にシリコン酸化膜107が成膜され、その後、下部電極材料120、圧電材料121、上部電極材料122が順に成膜される。
その後、上部電極材料122、圧電材料121、下部電極材料120がそれぞれ異なるパターンでパターン化される。
この時、それぞれのパターンは光偏向器に要求される性能等に応じて任意の形でパターン化されており、下部電極材料120と同一パターンでシリコン酸化膜107をエッチングしている。
その後、絶縁膜108を成膜し、接続孔112を開口して引出し配線材料111が成膜され、パターン化される。
その後、パッシベーション膜113及びミラー部103のミラー膜を成膜し、順次パターン化される。
その後、活性層側のシリコン層102と基材層側のシリコン層105と埋め込み酸化膜層116とを順次パターン化及びエッチングし、光偏向器が完成される。
ウェハ上からチップに個片化する方法は、ブレードによるダイシング技術、レーザーダイシング技術、あるいはドライエッチング技術が採用される。
図9(b)、(c)において、両方向矢印はカンチレバー109の反り変形による振動方向を示し、図9(d)における両方向矢印はミラー部103の振動方向を示す(他の図において同じ)。
図10に、主走査方向と副走査方向の2軸方向に光走査が可能な光偏向器100の従来例を示す。
図10はウェハ上に多数配置されたチップを抽出して記載した概略図である。主走査方向におけるミラー部の振動と、副走査方向におけるミラー部の振動とを発生させるカンチレバー構造がそれぞれ構成されている。
シリコン基板101、ミラー部103、ミラー部103か振動可能に支持する一対の弾性支持部材としてのトーション梁110、110、圧電部材104は図9と同様である。
すなわち、圧電部材104は下部電極材料120、圧電材料121、上部電極材料122の積層構造を有している。
パッド201は主走査方向及び副走査方向にミラー部を回転させるための圧電部材に電圧印加するための電位供給用のパッドであり、後にワイヤボンディング等によりパッケージにアセンブリされる。
符号202は、前述のチップの個片化のためのダイシングラインを示している。
カンチレバー109の一端はミラー枠205に固定され、他端側はトーション梁110に接続されている。
カンチレバー109とトーション梁110はミラー部103を支持する支持部材を構成している。
カンチレバー109には圧電部材104が設けられている。
電圧が印加されると圧電材料121がカンチレバー109の長手方向に伸縮変位し、これによってカンチレバー109の厚み方向の反り(変形)が生じる。
カンチレバー109の上記変形によってミラー部103が主走査方向に回転(振動)する。
カンチレバー109と圧電部材104との一体構成を、ミラー部103を主走査方向に振動させる駆動梁と称することもできる。
副走査方向のミラー部103の振動は、支持部材としてのカンチレバー204と圧電部材104とが一体となった駆動梁によってなされる。
カンチレバー204は、数回の折れ曲がり箇所を有しており、一端はチップ外枠(シリコン基板101)に固定され、もう一端はミラー枠205に接続されている。
カンチレバー204には細長い圧電部材104が設けられている。
圧電部材104を有するカンチレバー204は、ミラー枠205をミラー部103の回転軸心に直交する方向に振動させる。
上記構成により任意に各圧電部材104の下部電極材料120、上部電極材料122に電圧を印加することにより、主・副方向への光走査が可能になる。
下部電極材料120は、図11に示すように、配線部120aとしても活用されるのが一般的であり、この構成が本発明の課題と関係している。
図11は、ミラー枠205内における下部電極材料120を延長して、該延長部分を配線部120aとして用いている構成の概略図である。
図11(a)はミラー枠205周りの正面図であり、図11(b)は(a)のA−A’線での断面図である。
すなわち、主走査方向にミラー部103を振動させるためのカンチレバー109の部位の断面図である。
圧電部材104は、下部電極材料120と圧電材料121と上部電極材料122とがそれぞれパターン化されて積層されている。
上記構成を形成するために、シリコン基板101上にシリコン酸化膜107を熱酸化法により形成し、例えば下部電極材料120として白金(Pt)/チタン(Ti)をスパッタリング技術により成膜する。
その後、圧電材料121としてチタン酸ジルコン酸鉛(一般的にPZTと称す)をスパッタリング技術により成膜する。
次に上部電極材料122として白金(Pt)をスパッタリング技術により成膜する。その後、圧電部材104をパターン化する訳であるが、一般的に下部電極材料120は配線材料部120aとしても用いられる。
この場合、配線部120aは下部電極材料120のみで構成されるのが一般的である。
上記圧電部材の各構成材料の成膜後に、逆に上部電極材料122であるPtからパターニングしてエッチング加工する訳であるが、具体的にはPtは塩素(Cl2)/アルゴン(Ar)ガス系によりエッチングされる。
次に圧電材料121としてPZT膜をエッチングする訳であるが、下層膜(下部電極材料)であるPt/Ti膜とのエッチング選択性が良い条件として、六フッ化硫黄(SF6)とパーフルオロシクロブタン(C4F8)等のフッ素系ガスを用いるのが普通である。
本発明における課題は、このPZTのエッチングが大きな原因である。
すなわち下地Pt/Ti膜とのエッチング選択性を確保するためにフッ素系ガスによるエッチングを行うため、下地Pt表面層にフッ素系元素の混入が発生する。
このフッ素系元素の混入は後工程で成膜される絶縁膜108との密着性を大幅に低下させ、絶縁膜108を局所的に剥離又は浮かせる不良を招く。
図12に示すように、下部電極材料120を配線部120aとして用いる場合には、下部電極材料120のみが露出する部位、すなわち配線部120aの部位が広く構成されることになり、絶縁膜108を局所的に剥離又は浮かせる不良を招く。
この不良によって発生する歩留は一定ではなくばらつきを有するが、この不良発生は製品の歩留を低下させることになり、ひいてはコスト上昇につながる。
図1及び図2に基づいて、上記課題を解決するための本発明の第1の実施形態を説明する。なお、上記従来技術と同一部分は同一符号で示し、既にした構成上及び機能上の説明は適宜省略する。
図1(a)は、本実施形態に係る光偏向器50のミラー部103における光反射面の法線方向から見た正面図、図1(b)は(a)のA−A’線での断面図である。
光偏向器50は、1軸(主走査方向)のみ偏向走査する構成を示している。この場合にはパッド201はミラー枠205上に配置される。
なお、図1では、図10の2軸タイプにも対応可能な構成として示している。本実施形態における2軸タイプの光偏向器は図示しないが、副走査方向の走査についての構成は図10で示したものと同じである。
図1(b)に示すように、下部電極材料120の一部が延長され、圧電材料121の変位に基づく反り変形を伴わない配線部120aとして用いられている。
配線部120a上の少なくとも一部にはパターニング処理において圧電材料121を残存させている。すなわち、配線部120a上の少なくとも一部に圧電材料121が存在している。符号121aは圧電材料121の残存部を示している。
図2に、配線部120aの範囲と、圧電材料121の残存範囲を示す。
配線部120aは絶縁膜108を介して引出し配線材料111と交差しており、かつ該交差部において配線部120a上に圧電材料121が残存している。
圧電材料121の残存部121aには電圧が印加されないので、残存部121aは変位せず、よって配線部120aは支持部材の変形の影響を受けず、あるいは受けにくい。
下部電極材料120の配線部120aの上の少なくとも一部に圧電材料121を残存させることにより、圧電材料121が残存している領域の配線部120aは、圧電材料121をパターン化する際のフッ素系ガスに晒されない。
これにより、配線部120aにおける絶縁膜108との密着性低下が抑制され、絶縁膜108の剥離や浮きを抑制することができる。
また、本実施形態では、配線部120aが絶縁膜108を介して引出し配線材料111と交差しており、かつ該交差部において配線部120a上に圧電材料121が残存している。
圧電材料121のPZT膜は絶縁性を有することから、交差部における配線部120aと引出し配線材料111との絶縁性が通常の絶縁膜のみに比べて高くなり、電気的短絡等の不具合の発生確率を大幅に抑制することができる。
図1(a)に示すように、図中左側の圧電部材104においても引出し配線材料111と接続するために下部電極材料120から配線部120bが延長されているが、配線部120bの引き出し量は短く、絶縁膜108の剥離問題は生じない。
このため、配線部120bにおいては圧電材料121を残存させる対策は施されていない。
2軸タイプの構成では、引出し配線材料111は副走査方向のミラー部の振動に関与するカンチレバー204上の圧電部材104へ配設される。
図3に第2の実施形態を示す。なお、上記実施形態で説明した部分は適宜省略する。
本実施形態では、下部電極材料120の配線部120a上に残存させる圧電材料121上に、さらに上部電極材料122を残存させている。すなわち、配線部120a上に存在する圧電材料121上に、さらに上部電極材料122が存在している。
上部電極材料122の残存部122aは、どの部位にも電気的に接続されておらず、電気的に浮いた状態となっている。
これにより、下部の圧電材料121に電圧が印加されず、不要な部分のPZTの歪(伸縮変位)を抑制する構成となっている。
換言すれば、圧電材料121の残存部121aは変位せず、配線部120aは支持部材の反り変形の影響を受けにくい。
図4に第3の実施形態を示す。
本実施形態では、配線部120a上の圧電材料121の残存部121aと、上部電極材料122の残存部122aとが、他の部位と構造的に分離されている。
上部電極材料122の残存部122aは他の部位と電気的に接続されていないので電気的に浮いており、このため下部の圧電材料121の残存部121aには電圧が印加されない。
また、カンチレバー109とともに駆動梁を構成する圧電材料121と、配線部120a上の部材としてなる圧電材料121の残存部121aとが構造として分離されているので、駆動梁を構成する圧電材料121の歪が残存部121aに伝達されることはない。
すなわち、配線部120aの領域における支持部材の反り変形の影響を完全に遮断することができる。
上記各実施形態では、下部電極材料120がカンチレバー109の部位と電気的に接続されている構成で例示しているが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、カンチレバー等の変形を行う部位に限らず、下部電極材料を単に配線として使用する場合の構成においても同様に実施することができる。
その一例を図5に示す(第4の実施形態)。
図5に示す例は、主走査方向及び副走査方向へ光走査するミラー部及びカンチレバーの部位の周辺に構成される配線部を任意に抽出した図である。
周辺に下部電極材料120を配線材料(配線部)として用いる主な理由は、引出し配線材料111のみで配線の配置が困難な場合に交差させるためである。
下部電極材料120が配線部120aとして用いられる場合に、下部電極材料120上に圧電材料121と上部電極材料122とを異なるパターン化で残存させている。
また、配線部120a上の上部電極材料122はどの部位にも電気的に接続されていないことにより電気的に浮いている。
このため、配線部120a上の圧電材料121は変位せず、支持部材の反り変形は発生しない。
このような構成とすることにより、接続孔112を開口する部位以外の下部電極材料120上は圧電材料121のパターン化の際のフッ素系ガスに晒されないので、下部電極材料120と絶縁膜108との密着性を低下させることはなく、歩留の低下を抑制することができる。
上部電極材料122のパターン化時に圧電材料121の上部には上部電極材料122が存在するので、Cl2/Arガス系により圧電材料121の表面が晒されない。
このため、圧電材料121の表面のダメージを抑制することができ、それにより上部に配置される可能性のある引出し配線材料111との電気的短絡の発生確率をさらに下げることができる。
また、同時に上部電極材料122は電気的に接続されていないので、圧電材料121に歪を発生させることが無く、上部に配置される絶縁膜108の剥離や浮きをさらに抑制する効果がある。
図6に第5の実施形態(画像形成装置)を示す。
本実施形態における光偏向器50は、主走査方向のみを走査する1軸タイプの構成である。
本実施形態に係る画像形成装置は、光線を偏向走査する振動ミラー(光偏向器)50を備えた光走査装置901を有している。
像担持体としての感光体ドラム902は、矢印903方向に回転駆動され、帯電部904で表面が一様に帯電される。
帯電された感光体ドラム902の表面に光走査装置901により画像情報に基づいて静電潜像が形成される。
静電潜像は、該静電潜像を可視像化する現像手段としての現像部905でトナー像に顕像化され、トナー像は転写部906で記録媒体としての記録紙908に転写される。転写されたトナー像は定着部907によって記録紙908に定着される。
感光体ドラム902の転写部906を通過した表面部分は、クリーニング部909で残留トナーを除去される。感光体ドラム902に代えてベルト状の感光体を用いる構成としてもよい。
また、トナー像を転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙に転写して定着させる中間転写方式としてもよい。
光走査装置901は、レーザビームで感光体ドラム902の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向(主走査方向)に走査するものである。
光走査装置901は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームを発する光源部910と、振動ミラー50と、振動ミラー50のミラー面34に光源部910からのレーザビームを結像させるための結像光学系922と、ミラー部103のミラー面で反射された1本又は複数本のレーザビームを感光体ドラム902の表面に結像させるための走査光学系923とから構成されている。
振動ミラー50は、その駆動のための集積回路924と共に回路基板925に実装された形で光走査装置901に組み込まれている。
上記構成に係る光走査装置901は、次のような利点を有する。
振動ミラー50は、カンチレバー109やトーション梁110、ミラー部103等の可動部の変形が少なくビーム形状が安定しているため、安定したビームスポット径での書き込みが可能である。
また、回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の高画質化、省電力化に有利である。
振動ミラー50のミラー部の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静音化の改善に有利である。
振動ミラー50は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また発熱量もわずかであるため、光走査装置901の小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
また、振動ミラーは高速の往復走査が可能であるため、画像記録速度の高速化が可能である。
なお、記録紙908の搬送機構、感光体ドラム902の駆動機構、現像部905、転写部906などの制御手段、光源部910の駆動系などは、従来の画像形成装置と同様でよいため、図中では省略している。
図7及び図8に第6の実施形態(画像投影装置)を示す。
本実施形態における光偏向器50は、主走査方向と副操作方向の偏向走査が可能な2軸タイプである。
ミラー部103の主走査方向(X軸方向)の駆動は、カンチレバー109の振幅によってミラー部を支持するトーション梁110に回転を与え、共振を利用して高速に振動させることによりなされる。
副走査方向の駆動(Y軸方向)は、蛇行状の梁形状を有するカンチレバー204の振幅により、低速でなされる。
これにより、X軸方向周りとY軸方向周りで大きな速度差が得られるので、ラスタースキャンが可能となり、高画質で2次元的に走査することができる。
図7は、本実施形態に係る画像投影装置を示している。
画像投影装置は、赤色のレーザー光を射出する赤色光源装置1Rと、緑色のレーザー光を射出する緑色光源1Gと、青色のレーザー光を射出する青色光源装置1Bと、クロスダイクロイックプリズム38と、クロスダイクロイックプリズム38から射出されたレーザー光を走査する振動ミラー50とを備え、投影面(スクリーン)40に投影する。
画像投影装置は投射面を一体とする構成であってもよい。
赤色光源装置1Rは、中心波長が630nm前後である半導体レーザー(LD)であり、青色光源装置1Bは、中心波長が430nm前後である半導体レーザー(LD)である。
緑色光源装置1Gは、中心波長が540nm前後である緑色のレーザー光を出射する。
振動ミラー50は、上記のように2軸周りに振動できる構造を備えており、入射したレーザー光をスクリーン40に反射させる。
これにより、スクリーン40の水平方向及び垂直方向にレーザー光を走査することが可能となり、投影位置に応じて、各色の光源の発光量を調整することで、所望の画像を表示することができる。
例えば、主走査方向は共振特性を利用し、共振周波数で駆動し、副走査方向はそれよりも低速で駆動する必要があるので、図10で示したように、ミラー枠205を蛇行状梁部としてのカンチレバー204で保持し、振動させる。
画像投影装置は、図8に示すように、赤、緑、青で光路を1つにしない構成であってもよい。
ここではカラー画像を投影する構成を例示したが、白黒の場合にも同様に実施することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
50 光偏向器
103 ミラー部
104 圧電部材
108 絶縁膜
109、204 支持部材としてのカンチレバー
110 一対の弾性支持部材としてのトーション梁
111 引き出し配線材料
112 接続孔
120 下部電極材料
120a 配線部
121 圧電材料
122 上部電極材料
205 ミラー枠
901 光走査装置
905 現像手段としての現像部
907 定着する手段としての定着部
908 記録媒体としての記録紙
特開2011−95331号公報 特開2010−197994号公報

Claims (9)

  1. 光反射面を有するミラー部と、
    前記ミラー部を支持する支持部材と、
    前記支持部材に設けられる圧電部材と、
    前記圧電部材の表面を覆う絶縁膜と、
    を備え、
    前記圧電部材は、下部電極材料と、圧電材料と、上部電極材料とを積層して形成され、
    前記圧電部材への電圧印加による前記圧電材料の変位によって前記支持部材が変形し、該支持部材の変形を介して前記ミラー部を偏向走査するように振動させることが可能であり、
    前記下部電極材料と前記上部電極材料は、前記絶縁膜に形成された接続孔を介してそれぞれ、電圧を印加するための引き出し配線材料に接続されており、
    前記下部電極材料には、前記引き出し配線材料に接続するための配線部が延長して形成され、
    前記配線部と前記絶縁膜との間の少なくとも一部に前記圧電材料が存在している光偏向器。
  2. 請求項1に記載の光偏向器において、
    前記配線部が前記支持部材の変形の影響を受けないように構成されている光偏向器。
  3. 請求項1又2に記載の光偏向器において、
    前記配線部が、前記絶縁膜を介して前記引出し配線材料と交差しており、該交差部において前記圧電材料が存在している光偏向器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の光偏向器において、
    前記配線部上に存在する前記圧電材料の上にさらに前記上部電極材料が存在しており、
    前記配線部上に存在する前記上部電極材料はどの部位にも電気的に接続されていない光偏向器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の光偏向器において、
    前記支持部材は、前記ミラー部を振動可能に支持する一対の弾性支持部材と、
    前記弾性支持部材の他端側に接続され、前記圧電部材が設けられた一対の梁状部材と、
    を有している光偏向器。
  6. 光源と、該光源からの光を偏向走査する光偏向器とを有する光走査装置において、
    前記光偏向器が請求項1〜4のいずれか1つに記載の光偏向器である光走査装置。
  7. 像担持体と、
    画像情報に基づいて前記像担持体に静電潜像を形成する光走査装置と、
    前記静電潜像を可視像化する現像手段と、
    前記可視像を記録媒体に転写して定着する手段と、
    を有し、
    前記光走査装置が請求項6に記載の光走査装置である画像形成装置。
  8. 請求項6の光走査装置において、
    前記ミラー部と前記支持部材とを含むミラー枠を、前記ミラー部の回転軸心に直交する方向に振動させる構成を有している光走査装置。
  9. 請求項8に記載の光走査装置を有し、投影面に光線を走査して画像を表示する画像投影装置。
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