本発明の含フッ素熱分解性樹脂は、重合性単量体の重合体構造を有する主鎖(a)と、フッ素化アルキル基を有する側鎖またはポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を有する側鎖(b)と前記一般式(1)で表される官能基を有する側鎖(c)とを有することを特徴とする。
前記フッ素化アルキル基を有する側鎖(b)の中でも、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のフッ素化アルキル基を有する側鎖が優れた平滑性を発現する含フッ素熱分解性樹脂が得られることから好ましく、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4〜6のフッ素化アルキル基を有する側鎖が、より好ましい。
前記一般式(1)で表される官能基を有する側鎖(c)の中でも、R1、R2およびR3がそれぞれ水素原子で、R4が炭素原子数1〜18の有機基でY1が酸素原子またはイオウ原子であるものが、ブロック化されたカルボキシル基と復活したカルボキシル基の極性の差が大きく、その結果、リコート性に優れるレジスト膜やカラーフィルター保護膜等の硬化塗膜が得られる含フッ素熱分解性樹脂が得られることから好ましく、下記式(1−1)
本発明の含フッ素熱分解性樹脂は、例えば、下記の方法により効率よく製造することができる。
製法1:フッ素化アルキル基またはポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を有する重合性単量体(α)とカルボキシル基を有する重合性単量体(β)とを重合させて得られる重合体と、下記一般式(2)
(式中、R
1、R
2及びR
3はそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜18の有機基、R
4は炭素原子数1〜18の有機基であって、R
3とR
4はたがいに結合してY
1をヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y
1は酸素原子又はイオウ原子である。)
で表されるビニルエーテル化合物とを反応させる方法。
製法2:カルボキシル基を有する重合性単量体(β)と前記一般式(2)で表されるビニルエーテル化合物とを反応させてブロック化されたカルボキシル基を有する重合性単量体を得た後、該重合性単量体と前記重合性単量体(α)とを反応させる方法。
前記製法1及び製法2で用いる重合性単量体(α)としては、例えば、下記一般式(α1)で表されるものを好ましく例示することができる。
〔上記一般式(α1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Lは、下記式(L−1)〜(L−10)のいずれか1つの基を表し、Rfは下記式(Rf−1)〜(Rf−7)のいずれか1つの基を表す。〕
上記式(Rf−1)〜(Rf−4)中のnは、例えば1〜6の整数であり、好ましくは4〜6の整数である。上記式(Rf−5)中のmは、例えば1〜18の整数であり、nは0〜5の整数であり、かつm及びnの合計は1〜23である。好ましくは、mは1〜5の整数であり、nは0〜4の整数であり、かつm及びnの合計は4〜5である。上記式(Rf−6)中のmは例えば1〜6の整数であり、nは1〜3の整数であり、lは1〜20の整数であり、pは0〜5の整数であり、かつ、m、p及びnとlとの積の合計は2〜71である。好ましくは、mは1〜3の整数であり、nは1〜3の整数であり、lは1〜6の整数であり、pは0〜2の整数であり、かつ、m、p及びnとlとの積の合計は2〜23である。
本発明で用いる重合性単量体(α1)の具体的な例として、例えば下記の重合性単量体(α1−1)〜(α1−15)等を好ましく例示することができる。重合性単量体(α)は、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。
式(α1−1)〜式(α1−11)におけるnは、例えば、0〜5である。また、(α1−12)〜(α1−15)におけるnは、例えば、0〜20である。
また、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とその両末端に重合性不飽和基を有する単量体(α2)も前記製法1及び製法2で用いる重合性単量体(α)として好ましく例示することができる。
前記ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖としては、例えば、炭素原子数1〜3の2価フッ化炭素基と酸素原子が交互に連結した構造を有するものが挙げられる。炭素原子数1〜3の2価フッ化炭素基は、一種類であっても良いし複数種の混合であっても良い。前記単量体(α2)としては、例えば、下記に示す単量体を好ましく例示することができる。ここで、下記「PFPE」とは、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を表し、該鎖中のフッ素原子が結合した炭素原子の合計数は3〜100が好ましく、6〜70がより好ましく、12〜60が更に好ましい。
前記カルボキシル基を有する重合性単量体(β)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸等を好ましく例示できる。中でも、安価で取り扱いが容易であることから(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいう。
カルボキシル基を有する重合性単量体(β)の使用量は、重合性単量体(α)100質量部に対して20〜200質量部が加熱前後での極性差が大きい硬化塗膜となり、その結果としてリコート性に優れる硬化塗膜が得られる含フッ素熱分解性樹脂となることから好ましく、50〜150質量部がより好ましい。
本発明において、重合性単量体(α)とカルボキシル基を有する重合性単量体(β)とを重合させる際に、本発明の効果を損なわない範囲で重合性単量体(α)や重合性単量体(β)以外の重合性単量体(γ)を併用して重合体を得ることもできる。重合性単量体(γ)としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等が挙げられる。
前記アクリル酸エステル類としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられる。
前記メタクリル酸エステル類としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、クロルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
前記アクリルアミド類としては、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素原子数1〜3のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素原子数1〜3のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等が挙げられる。
前記メタクリルアミド類としては、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素原子数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素原子数1〜3のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミド等が挙げられる。
前記アリル化合物としては、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノール等が挙げられる。
前記ビニルエーテル類としては、例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等、ビニルエステル類:ビニルビチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等が挙げられる。
前記イタコン酸ジアルキル類としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等が挙げられる。フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類としては、ジブチルフマレート等、その他、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレン等も挙げられる。
また、重合性単量体(γ)として、オキシアルキレン基を有するラジカル重合性単量体も使用することができる。オキシアルキレン基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(テトラエチレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(トリメチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリトリメチレングリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(ブチレングリコール・トリメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール・ポリトリメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、前記「ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのランダム共重合物を意味し、「ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール」は、エチレングリコールとプロピレングリコールとのブロック共重合物を意味し、他のものも同様である。
前記オキシアルキレン基を有するラジカル重合性単量体の市販品としては、例えば、新中村化学工業株式会社製の「NKエステルAMP−10G」、「NKエステルAMP−20G」、「NKエステルAMP−60G」、日油株式会社製の「ブレンマーPME−100」、「ブレンマーPME−200」、「ブレンマーPME−400」、「ブレンマーPME−4000」、「ブレンマーPP−1000」、「ブレンマーPP−500」、「ブレンマーPP−800」、「ブレンマー70PEP−350B」、「ブレンマー55PET−800」、「ブレンマー50POEP−800B」、「ブレンマー10PPB−500B」、「ブレンマーNKH−5050」、「ブレンマーAP−400」、サートマー社製の「SR604」等が挙げられる。ラジカル重合性単量体(γ)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記一般式(2)で表されるビニルエーテル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル化合物;これらに対応する脂肪族ビニルチオエーテル化合物;2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなどの環状ビニルエーテル化合物;これらに対応する環状ビニルチオエーテル化合物等が挙げられる。中でも前記重合性単量体(α)と重合性単量体(β)とを重合させて得られる重合体との反応が容易に進み、且つ、加熱前後での極性差が大きい硬化塗膜となり、その結果としてリコート性に優れる硬化塗膜が得られる含フッ素熱分解性樹脂となることから脂肪族ビニルエーテル化合物が好ましく、シクロヘキシルビニルエーテルがより好ましい。
前記製法1において、重合性単量体(α)と重合性単量体(β)と必要に応じ使用しても良い重合性単量体(γ)とを反応させ重合体を製造する方法としては、特に制限はないが、例えば、重合性単量体(α)、重合性単量体(β)及び必要に応じラジカル重合性単量体(γ)を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を使用して重合させる方法等が挙げられる。ここで用いる有機溶媒としては、ケトン類、エステル類、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、炭化水素類が好ましく、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは、沸点、相溶性、重合性を考慮して適宜選択される。ラジカル重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が例示できる。さらに必要に応じてラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノ−ル、チオグリセロール、エチルチオグリコ−ル酸、オクチルチオグリコ−ル酸等の連鎖移動剤を使用することができる。
前記製法1において、前記重合体と、前記一般式(2)ビニルエーテル化合物とは、例えば、酸触媒の存在下、20〜100℃程度に加熱することにより反応させることができる。この反応により重合体が有するカルボキシル基がブロック化し、前記一般式(1)で表される構造を有する重合体が得られる。前記ブロック化したカルボキシル基は、高温環境下、例えば、150〜300℃の環境下でブロック化したビニルエーテルが外れ、カルボキシル基が再生する。
前記製法2では、カルボキシル基を有する重合性単量体(β)と前記一般式(2)で表されるビニルエーテル化合物とを反応させる。これによりブロック化されたカルボキシル基を有する重合性単量体が得られる。反応条件は、例えば、酸触媒の存在下、20〜100℃程度に加熱する条件を挙げることができる。そして、ブロック化されたカルボキシル基を有する重合性単量体と重合性単量体(α)との反応は、前記した重合性単量体(α)と重合性単量体(β)とを重合させる条件にて行うことができる。
本発明の含フッ素熱分解性樹脂は、フッ素原子を含有する為、塗膜表面に偏析する。この表面に偏析した状態でカルボキシル基が再生することにより、塗膜表面の極性が増加し、増加した極性により塗膜表面の濡れ性が向上するためにリコートしやすい塗膜が得られるものと発明者らは考えている。
本発明の含フッ素熱分解性樹脂の数平均分子量(Mn)は、レジスト膜やカラーフィルター保護膜等の硬化塗膜を形成する他の樹脂との相溶性が良好なことから、1,000〜20,000の範囲が好ましく、1,500〜10,000の範囲がより好ましく、2,000〜8,000の範囲がさらに好ましい。また、重量平均分子量(Mw)は、硬化塗膜を形成する他の樹脂との相溶性が良好なことから、1,000〜100,000の範囲が好ましく、5,000〜50,000の範囲がより好ましい。
本発明において、なお、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:ELSD(オルテック製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
本発明の含フッ素熱分解性樹脂中のフッ素原子の含有率は、硬化塗膜を形成する他の樹脂との相溶性が良好で、且つ、平滑性に優れる硬化塗膜が得られることから、該含フッ素熱分解性樹脂の質量を基準として1〜35質量%の範囲が好ましく、5〜30質量%の範囲がより好ましく、10〜25質量%の範囲がさらに好ましい。なお、前記フッ素原子の含有率は、本発明の含フッ素熱分解性樹脂の調製に用いた原料の合計量に対するフッ素原子の質量比率から算出したものである。
本発明のレジスト組成物は、本発明の含フッ素熱分解性樹脂を含むことを特徴とする。具体的には、本発明のレジスト組成物としては、例えば、フォトレジスト組成物、カラーレジスト組成物等が挙げられる。前記フォトレジスト組成物は、例えば、本発明の含フッ素熱分解性樹脂とフォトレジスト剤からなり、このフォトレジスト剤は、例えば、(1)アルカリ可溶性樹脂、(2)放射線感応性物質(感光性物質)、(3)溶剤を含む。
前記(1)アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、レジストのパターン化時に使用する現像液であるアルカリ性溶液に対して可溶な樹脂が挙げられる。前記アルカリ可溶性樹脂の例としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、フロログリシノール、ハイドロキノン等の芳香族ヒドロキシ化合物及びこれらのアルキル置換又はハロゲン置換芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド化合物とを縮合して得られるノボラック樹脂、o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、p−ビニルフェノール、α−メチルビニルフェノール等のビニルフェノール化合物及びこれらのハロゲン置換化合物の重合体又は共重合体、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸系又はメタアクリル酸系重合体もしくは共重合体、ポリビニルアルコール、更に上記各種樹脂の水酸基の一部を介してキノンジアジド基、ナフトキノンアジド基、芳香族アジド基、芳香族シンナモイル基等の放射性線感応性基を導入した変性樹脂等が挙げられる。これらのアルカリ可溶性樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
更に、前記アルカリ可溶性樹脂としては、分子中にカルボン酸やスルホン酸等の酸性基を含むウレタン樹脂を用いることが可能であり、またこのウレタン樹脂を上記のアルカリ可溶型樹脂と併用することも可能である。
本発明のレジスト組成物に用いられる(2)放射性感応性物質(感光性物質)としては、上記アルカリ可溶性樹脂と混合し、紫外線、遠紫外線、エキシマレーザー光、X線、電子線、イオン線、分子線、γ線、等を照射することにより、アルカリ可溶性樹脂の現像液に対する溶解性を変化させる物質であれば用いることができる。
前記放射線感応性物質としては、例えば、キノンジアジド系化合物、ジアゾ系化合物、ジアジド系化合物、オニウム塩化合物、ハロゲン化有機化合物、ハロゲン化有機化合物と有機金属化合物との混合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物、そして特開昭59−152号公報に記載されているポリ(オレフィンスルホン)化合物等が挙げられる。
前記キノンジアジド系化合物としては、例えば、1,2−ベンゾキノンアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、その他1,2−ベンゾキノンアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド、2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド等のキノンジアジド誘導体のスルホン酸クロライド等が挙げられる。
前記ジアゾ化合物としては、例えば、p−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドとの縮合物の塩、例えばヘキサフルオロ燐酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、過塩素酸塩又は過ヨウ素酸塩と上記縮合物との反応性生物であるジアゾ樹脂無機塩、USP3,300,309号明細書に記載されているような、上記縮合物とスルホン酸類との反応生成物であるジアゾ樹脂有機塩等が挙げられる。
前記アジド化合物及びジアジド化合物としては、例えば、特開昭58−203438号公報に記載されているようなアジドカルコン酸、ジアジドベンザルメチルシクロヘキサノン類及びアジドシンナミリデンアセトフェノン類、日本化学会誌No.12、p1708−1714(1983年)記載の芳香族アジド化合物又は芳香族ジアジド化合物等が挙げられる。
前記ハロゲン化有機化合物としては、例えば、有機化合物のハロゲン化物であれば用いることができるが、具体例としては、ハロゲン含有オキサジアゾール系化合物、ハロゲン含有トリアジン系化合物、ハロゲン含有アセトフェノン系化合物、ハロゲン含有ベンゾフェノン系化合物、ハロゲン含有スルホキサイド系化合物、ハロゲン含有スルホン系化合物、ハロゲン含有チアゾール系化合物、ハロゲン含有オキサゾール系化合物、ハロゲン含有トリゾール系化合物、ハロゲン含有2−ピロン系化合物、ハロゲン含有脂肪族炭化水素系化合物、ハロゲン含有芳香族炭化水素系化合物、その他のハロゲン含有ヘテロ環状化合物、スルフェニルハライド系化合物等の各種化合物、更に例えばトリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモ−3−クロロプロピル)ホスフェート、クロロテトラブロモメタン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモビフェニル、トリブロモフェニルアリルエーテル、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビス(ブロモエチルエーテル)テトラブロモビスフェノールA、ビス(クロロエチルエーテル)テトラクロロビスフェノールA、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のハロゲン系難燃剤として使用されている化合物、ジクロロフェニルトリクロロエタン等の有機クロロ系農薬として使用されている化合物等も挙げられる。
前記有機酸エステルとしては、例えば、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。また、前記有機酸アミドとしては、カルボン酸アミド、スルホン酸アミド等が挙げられる。さらに、有機酸イミドとしては、カルボン酸イミド、スルホン酸イミド等が挙げられる。これらの放射線感応性物質は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記フォトレジスト組成物において、放射線感応性物質の配合割合は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して10〜200質量部の範囲が好ましく、50〜150質量部の範囲がより好ましい。
本発明のレジスト組成物に用いられる(3)溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ブチロラクトン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコ−ル、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール等のアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコールエーテル類;蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類;
セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類;プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類;ジエチレルグリコールモノメチルエーテル、ジエチレルグリコールモノエチルエーテル、ジエチレルグリコールジメチルエーテル、ジエチレルグリコールジエチルエーテル、ジエチレルグリコールメチルエチルエーテル等のジエチレングリコール類;トリクロロエチレン、フロン溶剤、HCFC、HFC等のハロゲン化炭化水素類;パーフロロオクタンの様な完全フッ素化溶剤類、トルエン、キシレン等の芳香族類;ジメチルアセチアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤など、成書「溶剤ポケットハンドブック」(有機合成化学協会編、オ−ム社)に記載されている溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明のレジスト組成物のもう一つの具体的形態であるカラーレジスト組成物は、例えば、本発明の含フッ素熱分解性樹脂とカラーレジスト剤からなり、このカラーレジスト剤は、例えば、(1)アルカリ可溶性樹脂、(4)重合性化合物、(5)着色剤を含む。
カラーレジスト組成物に用いる(1)アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、前記フォトレジスト組成物に用いるアルカリ可溶性樹脂等を用いることができる。
前記(4)重合性化合物は、紫外線等の活性エネルギー線照射により重合又は架橋反応可能な光重合性官能基を有する化合物であれば特に限定されることなく用いることができる。このような(4)重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル、ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有する重合性化合物等が挙げられる。
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、これらアクリレートの(メタ)アクリル酸の部分を、イタコン酸に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸に代えたクロトン酸エステル、或いは、マレイン酸に代えたマレイン酸エステル等も挙げられる。
前記芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、例えば、ハイドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、不飽和カルボン酸、多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得られるエステルは、単一物であっても、混合物であってもよい。このようなエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、フタル酸及びエチレングリコールから得られるエステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸及びジエチレングリコールから得られるエステル、(メタ)アクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールから得られるエステル、(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンから得られるエステル等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有する重合性化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ〔1,1,1−トリ(メタ)アクリロイルオキシメチル〕プロパン等の(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
上記以外の本発明に用いられる(4)重合性化合物としては、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;フタル酸ジアリル等のアリルエステル;ジビニルフタレート等のビニル基を有する化合物などが挙げられる。
また、前記(4)重合性化合物として、酸基を有する重合性化合物を用いてもよい。この酸基を有する重合性化合物としては、例えば、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応の水酸基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましい。また、前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物にペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールを用いたものが特に好ましい。これらのモノマーは、1種類のみで用いることも2種以上併用することもできる。また、酸基を有するモノマーと酸基を有しないモノマーとを併用してもよい。
さらに、酸基を有する多官能の重合性化合物の好ましい具体例として、例えば、東亞合成株式会社から「アロニックスTO−1382」として市販されているジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物が挙げられる。この多官能の重合性化合物は、他の多官能の重合性化合物と併用することもできる。
前記酸基を有する多官能の重合性化合物の酸価は、現像性、硬化性等が良好となることから、0.1〜40の範囲が好ましく、5〜30の範囲がより好ましい。また、異なる酸価の多官能の重合性化合物を2種以上併用する場合や酸基を有しない多官能の重合性化合物を併用する場合には、全多官能の重合性化合物を混合した後の混合物の酸価が上記の範囲内になるようにすることが好ましい。
前記カラーレジスト組成物において、前記(4)重合性化合物の含有割合は、全固形分中、5〜80質量%の範囲であることが好ましく、10〜70質量%の範囲であることがより好ましく、20〜50質量%の範囲であることがさらに好ましい。また、後述する(5)着色剤に対する前記(4)重合性化合物の比率は、5〜200質量%であることが好ましく、10〜100質量%の範囲であることがより好ましく、20〜80質量%の範囲であることがさらに好ましい。
前記(5)着色剤としては、着色が可能なものであれば、顔料でも染料でも特に制限無く用いることができる。また、顔料は有機顔料、無機顔料のいずれであっても用いることができる。前記有機顔料としては、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料等の各色相の顔料を使用することができる。また、有機顔料の化学構造としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等が挙げられる。なお、下記の「C.I.」は、カラーインデックスを意味する。
前記赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、1 01、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242又は254が好ましく、C.I.ピグメントレッド177、209、224又は254がより好ましい。
前記緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントグリーン7、36又は58が好ましい。
前記青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、又は15:6が好ましく、C.I.ピグメントブルー15:6がより好ましい。
前記黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180又は185が好ましく、C.I.ピグメントイエロー83、138、139、150又は180がより好ましい。
前記紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントバイオレット19又は23が好ましく、C.I.ピグメントバイオレット23がより好ましい。
前記オレンジ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントオレンジ38又は71が好ましい。
液晶表示装置および有機EL表示装置に用いるカラーフィルターの3原色の各画素は、赤(R)、緑(G)、青(B)であるため、前記赤色顔料、緑色顔料及び青色顔料を主成分とし、色再現性を向上する目的で、黄色、紫色、オレンジ等の色の有機顔料を色相調整として用いてもよい。
また、前記無機顔料としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム等が挙げられる。
なお、前記有機顔料の平均粒径は、カラー液晶表示装置および有機EL表示装置の輝度を高めるため、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.3μm以下がさらに好ましい。これらの平均粒径となるよう、有機顔料を分散処理して使用することが好ましい。また、前記有機顔料の平均一次粒径は、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、40nm以下がさらに好ましく、10〜30nmの範囲が特に好ましい。なお、有機顔料の平均粒径は、動的光散乱式の粒度分布計で測定したものであり、例えば、日機装株式会社製のナノトラック(Nanotrac)粒度分布測定装置「UPA−EX150」、「UPA−EX250」等で測定することができる。
前記カラーレジスト組成物を、ブラックマトリックス(BM)を形成するのに用いる場合に用いる(5)着色剤としては、黒色であれば特に限定されるものではないが、カーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、ボーンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、黒鉛、鉄黒、チタンブラック等が挙げられる。また、2種以上の有機顔料を混合し、混色により黒色とした組み合わせでも構わない。これらの中でも、遮光率、画像特性の観点からカーボンブラック、チタンブラックが好ましい。
前記カーボンブラックの市販品としては、例えば、三菱化学株式会社製のMA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA220、MA230、MA600、#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#50、#52、#55、#650、#750、#850、#950、#960、#970、#980、#990、#1000、#2200、#2300、#2350、#2400、#2600、#3050、#3150、#3250、#3600、#3750、#3950、#4000、#4010、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B、OIL31B等が挙げられ、エボニックデグサジャパン株式会社製のPrintex3、Printex3OP、Printex30、Printex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、Printex60、Printex75、Printex80、Printex85、Printex90、Printex A、Print ex L、Printex G、Printex P、Printex U、Printex V、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack 350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170等が挙げられ、キャボットジャパン株式会社製のMonarch120、Monarch280、Monarch460、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Monarch4630、REGAL99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARLS480、PEARLS130、VULCAN XC72R、ELFTEX−8等が挙げられ、コロンビヤンカーボン社製のRAVEN11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVEN5750、RAVEN7000等が挙げられる。
上記のカーボンブラックの中でも、カラーフィルターのブラックマトリックスに要求される高い光学濃度及び高い表面抵抗率を有するものとして、樹脂で被覆されたカーボンブラックを用いるのが好ましい。なお、樹脂で被覆されたカーボンブラックは、例えば、特開平9−26571号公報、特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−238863号公報又は特開平11−60989号公報に記載の方法で、公知のカーボンブラックを処理することにより得ることができる。
また、前記チタンブラックの作製方法としては、特開昭49−5432号公報記載の二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気下で加熱し還元させる方法、特開昭57−205322号公報記載の四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法、特開昭60−65069号公報及び特開昭61−201610号公報記載の二酸化チタン又は水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法、特開昭61−201610号公報記載の二酸化チタン又は水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法等が挙げられる。チタンブラックの市販品としては、例えば、三菱マテリアル株式会社製のチタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C等が挙げられる。
2種以上の有機顔料を混合し、混色により黒色とした組み合わせとしては、赤色、緑色、青色の三色の顔料を混合した黒色顔料が挙げられる。黒色顔料を調製するために混合使用可能な色材としては、ビクトリアピュアブルー(C.I.42595)、オーラミンO(C.I.41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(C.I.45160)、ローダミンB(C.I.45170)、サフラニンOK70:100(C.I.50240)、エリオグラウシンX(C.I.42080)、No.120/リオノールイエロー(C.I.21090)、リオノールイエローGRO(C.I.21090)、シムラーファーストイエロー8GF(C.I.21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(C.I.21095)、シムラーファーストレッド4015(C.I.12355)、リオノールレッド7B4401(C.I.15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(C.I.74160)、リオノールブルーSM(C.I.26150)、リオノールブルーES(C.I.ピグメントブルー15:6)、リオノーゲンレッドGD(C.I.ピグメントレッド168)、リオノールグリーン2YS(C.I.ピグメントグリーン36)等が挙げられる。
黒色顔料を調製するために混合使用可能なその他の色材としては、例えば、C.I.黄色顔料20、24、86、93、109、110、117、125、137、138、147、148、153、154、166、C.I.オレンジ顔料36、43、51、55、59、61、C.I.赤色顔料9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、C.I.バイオレット顔料19、23、29、30、37、40、50、C.I.青色顔料15、15:1、15:4、22、60、64、C.I.緑色顔料7、C.I.ブラウン顔料23、25、26等が挙げられる。
一方、黒色顔料としてカーボンブラックを使用する場合、平均一次粒径は0.01〜0.08μmの範囲が好ましく、現像性が良好なことから0.02〜0.05μmの範囲がより好ましい。また、使用するカーボンブラックのジブチルフタル酸(以下、「DBP」と略記する。)吸収量は、40〜100cm3/100gの範囲が好ましく、分散性・現像性が良好なことから50〜80cm3/100gの範囲がより好ましい。さらに、使用するカーボンブラックのBET法による比表面積は50〜120m2/gの範囲が好ましく、分散安定性が良好なことから60〜95m2/gの範囲がより好ましい。
また、カーボンブラックは、粒子形状が有機顔料等と異なり、1次粒子が融着したストラクチャーと呼ばれる状態で存在し、また後処理により粒子表面に微細な細孔を形成させる場合がある。したがって、カーボンブラックの粒子形状を表すため、一般的には、前記有機顔料と同じ方法で求められる1次粒子の平均粒径の他に、DBP吸収量(JIS K6221)とBET法による比表面積(JIS K6217)を測定しストラクチャーや細孔量の指標とすることが好ましい。
また、本発明で用いる着色剤として染料も使用することができる。このような染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。
前記アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
前記アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
前記フタロシアニン系染料としては、例えば、C.I.パッドブルー5等が挙げられ、前記キノンイミン系染料としては、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が挙げられ、前記キノリン系染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が挙げられ、前記ニトロ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
上記で挙げた(5)着色剤のうち、最終的に得られる塗膜の耐光性、耐候性及び堅牢性が優れるという点において、顔料を使用することが好ましいが、色相の調整を行うため、必要に応じて顔料に染料を併用してもよい。
前記カラーレジスト組成物中の前記(5)着色剤の含有比率は、全固形分中、1質量%以上であることが好ましく、5〜80質量%の範囲であることがより好ましく、5〜70質量%の範囲であることがさらに好ましい。
また、前記カラーレジスト組成物をカラーフィルターの赤(R)、緑(G)、青(B)の各画素の形成に用いる場合、本発明のカラーレジスト組成物中の前記(5)着色剤の含有比率は、全固形分中、5〜60質量%の範囲であることが好ましく、10〜50質量%の範囲であることがより好ましい。
さらに、前記カラーレジスト組成物をカラーフィルターのブラックマトリックスの形成に用いる場合、カラーレジスト組成物中の(5)着色剤の含有比率は、全固形分中、20〜80質量%の範囲であることが好ましく、30〜70質量%の範囲であることがより好ましい。
前記カラーレジスト組成物において、(5)着色剤が顔料の場合は、分散剤を用いて有機溶剤中で分散させて調製した顔料分散液を予め調製して用いることが好ましい。前記分散剤としては、界面活性剤;顔料の中間体もしくは誘導体;染料の中間体もしくは誘導体;ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂型分散剤等が挙げられる。これらの中でも、窒素原子を有するグラフト共重合体、窒素原子を有するアクリル系ブロック共重合体、ウレタン樹脂分散剤等が好ましい。これらの分散剤は、窒素原子を有しているため、窒素原子が顔料表面に対して親和性をもち、窒素原子以外の部分が媒質に対する親和性を高めることにより、分散安定性が向上する。なお、これらの分散剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記分散剤の市販品としては、エフカーケミカルズ社製の「エフカ」シリーズ(「「エフカ46」等);ビックケミー・ジャパン株式会社製の「Disperbyk」シリーズ、「BYK」シリーズ(「BYK−160」、「BYK−161」、「BYK−2001」等);日本ルーブリゾール株式会社製の「ソルスパース」シリーズ;信越化学工業株式会社製の「KP」シリーズ、共栄社化学株式会社製の「ポリフロー」シリーズ;楠本化成株式会社製の「ディスパロン」シリーズ;味の素ファインテクノ株式会社製の「アジスパー」シリーズ(「アジスパーPB−814」等)などが挙げられる。
また、前記顔料分散液の調製の際に用いられる有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤;エトキシプロピオネート等のプロピオネート系溶剤;トルエン、キシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤;ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン等の窒素化合物系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤;カルバミン酸エステル等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記顔料分散液の調製方法としては、(5)着色剤の混練分散工程及び微分散工程を経る方法、微分散工程のみで行う方法等が挙げられる。前記混練分散工程では、(5)着色剤、(1)アルカリ可溶性樹脂の一部、及び必要に応じて前記分散剤を混合し混練する。混練に用いる機械は、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは二軸の押出機等が挙げられ、これらの混練機を用いて強い剪断力を加えながら分散することにより着色剤を分散することができる。また、(5)着色剤は、上記の混練を行う前に、ソルトミリング法等によって粒子サイズを微細化しておくことが好ましい。
一方、前記微分散工程では、前記混練分散工程で得られた(5)着色剤を含む組成物に溶剤を加えたもの、又は、(5)着色剤、(1)アルカリ可溶性樹脂、溶剤及び必要に応じて前記分散剤を混合したものを、ガラス、ジルコニアやセラミックの微粒の分散用メディアと共に分散機を用いて混合分散することにより、(5)着色剤の粒子を一次粒子に近い微小な状態にまで分散することができる。
また、カラーフィルターの透過率、コントラスト等を向上する観点から、(5)着色剤の一次粒子の平均粒径は、10〜100nmであることが好ましく、10〜60nmであることがより好ましい。なお、この(5)着色剤の平均粒径は、動的光散乱式の粒度分布計で測定したものであり、例えば、日機装株式会社製のナノトラック(Nanotrac)粒度分布測定装置「UPA−EX150」、「UPA−EX250」等で測定することができる。
本発明のレジスト組成物の含フッ素熱分解性樹脂の含有量は、レジスト組成物の種類、塗工方法、目的とする膜厚等によって異なるが、少量添加で本発明の上記効果を発現できることからレジスト組成物中の固形分100質量部に対して0.0001〜10質量部が好ましく、0.00001〜5質量部がより好ましく、0.01〜2質量部がさらに好ましい。
本発明のカラーフィルター保護膜用組成物は、本発明の含フッ素熱分解性樹脂を含むことを特徴とする。カラーフィルター保護膜用組成物は、その主成分として、活性エネルギー線硬化型樹脂又は活性エネルギー線硬化性単量体を用いることができる。なお、前記の活性エネルギー線硬化型樹脂と活性エネルギー線硬化性単量体とは、それぞれ単独で用いてもよいが、併用しても構わない。
前記活性エネルギー線硬化型樹脂は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、アクリル(メタ)アクリレート樹脂、マレイミド基含有樹脂等が挙げられる。
ここで用いるウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、脂肪族ポリイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるウレタン結合と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられ、また、芳香族ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の3価のアルコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、あるいは、これらのアルコール性水酸基の一部をε−カプロラクトンで変性した水酸基含有モノ及びジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の1官能の水酸基と3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいは、該化合物をさらにε−カプロラクトンで変性した水酸基含有多官能(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等のブロック構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のランダム構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記した脂肪族ポリイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物との反応は、例えば、ウレタン化触媒の存在下、常法により行うことができる。ここで使用し得るウレタン化触媒は、具体的には、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン類;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィンなどのホフィン類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫などの有機錫化合物;オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物が挙げられる。
これらのウレタン(メタ)アクリレート樹脂の中でも特に脂肪族ポリイソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるものが硬化塗膜の透明性に優れ、かつ、活性エネルギー線に対する感度が良好で硬化性に優れる点から好ましい。
次に、不飽和ポリエステル樹脂は、例えば、α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物、該二塩基酸又はその酸無水物以外の二塩基酸及び、及び、グリコール類の重縮合によって得られる硬化性樹脂等が挙げられる。α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸、及びこれらのエステル等が挙げられる。
α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物以外の二塩基酸やその酸無水物としては、例えば、芳香族飽和二塩基酸、脂肪族二塩基酸、脂環族飽和二塩基酸及びこれらの酸無水物等が挙げられる。芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等が挙げられる。脂肪族二塩基酸、脂環族飽和二塩基酸及びこれらの酸無水物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びこれらのエステル等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、エチレングリコールカーボネート、2,2−ジ−(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパン等が挙げられ、その他にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の酸化物も同様に使用できる。
次に、エポキシビニルエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるもの等が挙げられる。
マレイミド基含有樹脂としては、例えば、N−ヒドロキシエチルマレイミドとイソホロンジイソシアネートとをウレタン化して得られる2官能マレイミドウレタン化合物、マレイミド酢酸とポリテトラメチレングリコールとをエステル化して得られる2官能マレイミドエステル化合物、マレイミドカプロン酸とペンタエリスリトールのテトラエチレンオキサイド付加物とをエステル化して得られる4官能マレイミドエステル化合物、マレイミド酢酸と多価アルコール化合物とをエステル化して得られる多官能マレイミドエステル化合物等が挙げられる。これらの活性エネルギー線硬化型樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記活性エネルギー線硬化性単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、数平均分子量が150〜1000の範囲にあるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、数平均分子量が150〜1000の範囲にあるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールのヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールのペンタ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングルリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリスチリルエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ステアリルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、2−マレイミドエチル−エチルカーボネート、2−マレイミドエチル−プロピルカーボネート、N−エチル−(2−マレイミドエチル)カーバメート、N,N−ヘキサメチレンビスマレイミド、ポリプロピレングリコール−ビス(3−マレイミドプロピル)エーテル、ビス(2−マレイミドエチル)カーボネート、1,4−ジマレイミドシクロヘキサン等のマレイミド類等が挙げられる。
これらのなかでも特に硬化塗膜の硬度に優れる点からトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートが好ましい。これらの活性エネルギー線硬化性単量体は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明のカラーフィルター保護膜用組成物は、基材に塗布後、活性エネルギー線を照射することで硬化塗膜とすることができる。この活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線をいう。活性エネルギー線として紫外線を照射して硬化塗膜とする場合には、活性エネルギー線硬化型組成物中に光重合開始剤を添加し、硬化性を向上することが好ましい。また、必要であればさらに光増感剤を添加して、硬化性を向上することもできる。一方、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を用いなくても速やかに硬化するので、特に光重合開始剤や光増感剤を添加する必要はない。
前記光重合開始剤としては、分子内開裂型光重合開始剤及び水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられる。分子内開裂型光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
前記水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4´−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4´−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ−ケトン、4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。
上記の光重合開始剤の中でも、カラーフィルター保護膜用組成物中の前記活性エネルギー線硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性単量体との相溶性に優れる点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及びベンゾフェノンが好ましく、特に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。これらの光重合開始剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
また、前記光増感剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン類、o−トリルチオ尿素等の尿素類、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルホネート等の硫黄化合物などが挙げられる。
これらの光重合開始剤及び光増感剤の使用量は、カラーフィルター保護膜用組成物中の不揮発成分100質量部に対し、各々0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.3〜7質量部がさらに好ましい。
また、上記カラーフィルター保護膜用組成物中には必要に応じて、有機溶剤;顔料、染料、カーボン等の着色剤;シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の無機粉末;高級脂肪酸、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油樹脂、フッ素樹脂(PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種樹脂微粉末;帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、防錆剤、スリップ剤、ワックス、艶調整剤、離型剤、相溶化剤、導電調整剤、分散剤、分散安定剤、増粘剤、沈降防止剤、シリコーン系又は炭化水素系界面活性剤等の各種添加剤を適宜添加することが可能である。
前記有機溶剤は、上記塗料組成物の溶液粘度を適宜調整する上で有用であり、特に薄膜コーティングを行うためには、膜厚を調整することが容易となる。ここで使用できる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記本発明のレジスト組成物やカラーフィルター保護膜用組成物の塗工方法は用途により異なるが、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、ホイーラーコーター、スピンコーター、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、アプリケーター、バーコーター、静電塗装等を用いた塗布方法、あるいは各種金型を用いた成形方法等が挙げられる。
上記のレジスト組成物やカラーフィルター保護膜用組成物は、可視光、紫外光等の光を照射することにより樹脂の溶解性、粘度、透明度、屈折率、伝導度、イオン透過性等の物性が変化するものである。この活性エネルギー線硬化型組成物の中でも、レジスト組成物(フォトレジスト組成物、カラーフィルター用のカラーレジスト組成物等)は、高度なレベリング性が要求される。通常、半導体又は液晶に関するフォトリソグラフィーにおいては、レジスト組成物をスピンコーティングやスリットコーティングによって、厚さが0.01〜5μm程度になるようにシリコンウェハー又は各種金属を蒸着したガラス基板上に塗布するのが一般的である。この際、塗布膜厚の振れは、半導体や液晶素子の品質の低下や欠陥となり得るが、本発明のフッ素系界面活性剤は、この感光性樹脂組成物の添加剤として用いることで、その高いレベリング性により均一な塗膜を形成することができるため、半導体、液晶素子の生産性向上、高機能化等が可能となる。
本発明のレジスト組成物やカラーフィルター保護膜用組成物を用いて塗膜層を形成後、150〜300℃の環境下にて塗膜層を加熱することによりブロック化されたカルボキシル基からカルボキシル基が生成する。このカルボキシル基により極性が増加する。その結果、塗膜層の濡れ性が向上し、リコート性に優れる塗膜層となると発明者らは考えている。
以下、本発明の実施例を挙げ、比較例と比較しながら本発明を詳述する。例中、「部」、「%」は特に断りのない限り質量基準である。
実施例1(本発明の含フッ素熱分解性樹脂)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、溶媒としてメチルイソブチルケトン75.5gを仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、トリデカフルオロヘキシルエチルアクリレート19.3g、ベンジルメタクリレート2.9g及びメタクリル酸15.6gをメチルイソブチルケトン30.2gに溶解したモノマー溶液と、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)1.9gをメチルイソブチルケトン7.6gに溶解した重合開始剤溶液との2種類の滴下液をそれぞれ別々の滴下装置にセットし、フラスコ内を80℃に保ちながら同時に滴下を開始し、モノマー溶液を3時間、開始剤溶液を4時間かけてそれぞれ滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌した後、110℃へ昇温し、1時間撹拌したあと、減圧下で溶媒のほとんどを留去することによって、重合体(P1)溶液を得た。
次いで、室温下にて、シクロヘキシルビニルエーテル33.7gを添加し、室温にて5時間攪拌した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、60℃にて2時間攪拌し、含フッ素熱分解性樹脂(1)を20質量%含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。得られた含フッ素熱分解性樹脂(1)の分子量をGPC(ポリスチレン換算分子量)で測定した結果、数平均分子量3,400、重量平均分子量47,000、最大分子量700,000であった。含フッ素熱分解性樹脂(1)のIRスペクトルのチャート図を図1に、13C−NMRスペクトルのチャート図を図2に、GPCチャート図を図3にそれぞれ示す。
実施例2(同上)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、溶媒としてメチルイソブチルケトン88.2gを仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、トリデカフルオロヘキシルエチルアクリレート13.2gと、ベンジルメタクリレート12.7g及びメタクリル酸18.2gをメチルイソブチルケトン35.3gに溶解したモノマー溶液と、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)2.2gをメチルイソブチルケトン8.8gに溶解した重合開始剤溶液との2種類の滴下液をそれぞれ別々の滴下装置にセットし、フラスコ内を80℃に保ちながら同時に滴下を開始し、モノマー溶液を3時間、開始剤溶液を4時間かけてそれぞれ滴下した。滴下終了後、80℃で4時間攪拌した。その後110℃へ昇温し、1時間撹拌した。減圧下で溶媒のほとんどを留去することによって、重合体(P2)溶液を得た。
次いで、室温下にて、シクロヘキシルビニルエーテル39.1gを添加し、室温にて5時間攪拌した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加した。その後60℃にて2時間攪拌を行い、含フッ素熱分解性樹脂(2)を20質量%含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。得られた含フッ素熱分解性樹脂(2)の分子量をGPC(ポリスチレン換算分子量)で測定した結果、数平均分子量4,000、重量平均分子量43,000、最大分子量600,000であった。
実施例3(同上)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、メタクリル酸60.8gとシクロヘキシルビニルエーテル89.2gとを仕込み、乾燥空気気流下、室温にて20時間攪拌した。次いで、メトキノン0.03gと10%炭酸水素ナトリウム100gを加えて分液した。次いで、上層を取り出した後、イオン交換水150gを加えて分液した。更に、上層を取り出した後、飽和塩化ナトリウム50gを加えて分液し、前記一般式(1)で表される構造(熱分解性結合)を含有するモノマーを得た。
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200gを仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、トリデカフルオロヘキシルエチルアクリレート30g、ベンジルメタクリレート10g及び前記熱分解性結合を含有するモノマー60gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80gに溶解したモノマー溶液と、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)5.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20gに溶解した重合開始剤溶液との2種類の滴下液をそれぞれ別々の滴下装置にセットし、フラスコ内を80℃に保ちながら同時に滴下を開始し、モノマー溶液を3時間、開始剤溶液を4時間かけてそれぞれ滴下した。滴下終了後、80℃で8時間攪拌した後、更にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、含フッ素熱分解性樹脂(3)を20質量%含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。得られた含フッ素熱分解性樹脂(3)の分子量をGPC(ポリスチレン換算分子量)で測定した結果、数平均分子量1,900、重量平均分子量13,000、最大分子量100,000であった。
実施例4(同上)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート133gを仕込み、窒素気流下にて攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、トリデカフルオロヘキシルエチルアクリレート30g及び実施例3で用いた熱分解性結合を含有するモノマー70質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80gに溶解したモノマー溶液と、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)4.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20gに溶解した重合開始剤溶液との2種類の滴下液をそれぞれ別々の滴下装置にセットし、フラスコ内を80℃に保ちながら同時に滴下を開始し、モノマー溶液を2時間、開始剤溶液を2.5時間かけてそれぞれ滴下した。滴下終了後、80℃で9時間攪拌した後、更にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、含フッ素熱分解性樹脂(4)を20質量%含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。得られた含フッ素熱分解性樹脂(4)の分子量をGPC(ポリスチレン換算分子量)で測定した結果、数平均分子量1,700、重量平均分子量19,000、最大分子量200,000であった。
実施例5(カラーフィルター保護膜用組成物)
紫外線硬化型樹脂であるDIC株式会社製ユニディックRS20−160 3部、光重合性モノマーとして東亞合成株式会社製アロニックスM−402 1.2部、光重合開始剤としてBASFジャパン株式会社製イルガキュア#369 0.1部、含フッ素熱分解性樹脂(1)を固形分として換算で0.0024部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート8部に混合して、本発明のカラーフィルター保護膜用組成物(1)を調製した。得られたカラーフィルター保護膜用組成物(1)を用いて硬化塗膜を得た。硬化塗膜の外見及び硬化塗膜へのリコート性を評価した。硬化塗膜の作成方法及び評価方法を下記に示す。評価結果を第1表に示す。
<硬化塗膜の作成方法>
カラーフィルター保護膜用組成物(1)を7cm×7cmのガラス板上に回転数1000rpmで10秒間スピンコーティングした後、高圧水銀灯で50mJ/cm2の条件で露光して塗膜を形成した。
<硬化塗膜の外見の評価方法>
硬化塗膜にナトリウムランプを照射して塗膜表面の凹凸(塗布ムラ)の発生具合を目視で観察し、以下の判断基準で塗膜表面の平滑性を評価した。
◎:塗膜ムラがほとんど観察されない。
○:塗布ムラが一部観察される。
×:塗布ムラが多く観測される。
<硬化塗膜へのリコート性を評価方法>
硬化塗膜表面の極性の変化を測定し、リコート性の評価とした。具体的には、硬化塗膜を230℃の乾燥機を用いて20分間加熱し、その前後でのメチル−3メトキシプロピオネートの接触角を測定し、その差から極性変化を下記基準に従い評価した。この極性変化が大きい程、リコート性に優れる硬化塗膜が得られると判断した。
○:リコート層が平滑に塗工可能
×:リコートがはじいてしまい塗工不可能
実施例6(同上)
含フッ素熱分解性樹脂(1)のかわりに含フッ素熱分解性樹脂(2)を用いた以外は実施例5と同様にしてカラーフィルター保護膜用組成物(2)を得た。実施例5と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
実施例7(同上)
含フッ素熱分解性樹脂(1)のかわりに含フッ素熱分解性樹脂(3)を用いた以外は実施例5と同様にしてカラーフィルター保護膜用組成物(3)を得た。実施例5と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
実施例8(同上)
含フッ素熱分解性樹脂(1)のかわりに含フッ素熱分解性樹脂(4)を用いた以外は実施例5と同様にしてカラーフィルター保護膜用組成物(4)を得た。実施例5と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
比較例1(比較対照用カラーフィルター保護膜用組成物)
含フッ素熱分解性樹脂(1)を加えない以外は実施例5と同様にして比較対照用カラーフィルター保護膜用組成物(1´)を得た。実施例5と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
比較例2(同上)
含フッ素熱分解性樹脂(1)のかわりに含フッ素非熱分解性樹脂(DIC株式会社製のフッ素系界面活性剤 メガファックF−560)を用いた以外は実施例5と同様にして比較対照用カラーフィルター保護膜用組成物(2´)を得た。実施例5と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。