JP2016017095A - 表面改質方法及び表面改質弾性体 - Google Patents

表面改質方法及び表面改質弾性体 Download PDF

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Abstract

【課題】摺動性、耐液漏れ性などの機能性を経済的に有利に付与できる加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーの表面改質方法を提供する。【解決手段】加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、前記改質対象物の表面に重合開始点Aを形成する工程1と、前記重合開始点Aを起点にして2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させる工程2と、前記共重合ポリマー鎖の表面に重合開始点Bを形成する工程3と、前記重合開始点Bを起点にして前記2種類以上のモノマーより電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させる工程4とを含む表面改質方法。【選択図】なし

Description

本発明は、表面改質方法、並びに、該改質方法により得られる改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケットや注射器用シリンジ等の医療用具、タイヤの溝表面を少なくとも一部に有するタイヤ、などの表面改質弾性体に関する。
シール状態を維持しながら摺動する部分、例えば、注射器のプランジャーに一体化されてプランジャーとシリンジのシールを行うガスケットには、耐液漏れ性を重視し、ゴム等の弾性体が使用されているが、摺動性に若干問題がある(特許文献1参照)。そのため、摺動面にシリコーンオイルなどの摺動性改良剤を塗布しているが、最近上市されているバイオ製剤にシリコーンオイルが悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。一方、摺動性改良剤を塗布していないガスケットは摺動性に劣るため、投与の際にプランジャーを円滑に押せずに脈動し、注入量が不正確になる、患者に苦痛を与えるなどの問題が生じる。
このような、耐液漏れ性と摺動性の相反する要求を満たすため、自己潤滑性を有するPTFEフィルムを被覆する技術が提案されているが(特許文献2参照)、一般に高価なため、加工製品の製造コストが上昇し、応用範囲が限定されてしまう。また、PTFEフィルムを被覆した製品を、摺動などが繰り返され耐久性が要求される用途に適用することについて、信頼性の不安もある。更に、PTFEは放射線に弱いため、照射線による滅菌ができないという問題もある。
また、水存在下での摺動性が要求される他の用途への応用も考えられる。すなわち、プレフィルドシリンジのシリンジ内面や水を送るための管又はチューブの内面の流体抵抗を下げることや、水との接触角を上げる、又は目覚しく下げることでロスなく水を送れる。カテーテルのチューブの内外表面の表面抵抗を下げることで、体内への挿入をしやすくすることや、カテーテル内にガイドワイヤーを通しやすくすることができる。タイヤの溝表面の流体抵抗を下げることや、水との接触角を上げる、又は目覚しく下げることでウエットや雪上路面での水や雪のはけが良くなり、結果としてグリップ性、ハイドロプレーニング性が向上し安全性が改善される。タイヤのサイドウォール面や建物の壁の摺動抵抗を減少させることや、水との接触角を上げることでゴミや粉塵が付着しにくくなることも期待できる。
更に、ダイヤフラムポンプ、ダイヤフラム弁などのダイヤフラムで水又は水溶液等を送る時の圧損が少なくなる。スキー板やスノーボード板の滑走面の摺動性を高めることで滑りやすくなる。道路標識や看板の摺動性を高めて雪が滑りやすくすることで標識が見やすくなる。船の外周面の摺動抵抗を低下させることや、水との接触角を上げることで水の抵抗が減少するとともに外周面に菌が付着しにくくなる。水着の糸表面の摺動性を改良することで水の抵抗が減る、などの有利な効果も期待できる。
特開2004−298220号公報 特開2010−142573号公報
本発明は、前記課題を解決し、摺動性、耐液漏れ性などの機能性を経済的に有利に付与できる加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーの表面改質方法を提供することを目的とする。また、該表面改質方法により得られる改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケットやシリンジ等の医療用具、タイヤの溝表面やサイドウォール表面を少なくとも一部に有するタイヤ、などの表面改質弾性体を提供することも目的とする。
本発明は、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、前記改質対象物の表面に重合開始点Aを形成する工程1と、前記重合開始点Aを起点にして2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させる工程2と、前記共重合ポリマー鎖の表面に重合開始点Bを形成する工程3と、前記重合開始点Bを起点にして前記2種類以上のモノマーより電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させる工程4とを含む表面改質方法に関する。
前記工程2は、前記重合開始点Aを起点にして前記2種類以上のモノマーを300〜450nmのLED光の照射によりラジカル重合させて前記共重合ポリマー鎖を成長させるものであり、前記工程4は、前記重合開始点Bを起点にして前記電荷の偏りの少ないモノマーを300〜450nmのLED光の照射によりラジカル重合させて前記電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させるものであることが好ましい。
前記工程1は、前記改質対象物の表面に光重合開始剤Aを吸着させ、又は更に300〜450nmのLED光を照射し、前記表面上の光重合開始剤Aから重合開始点Aを形成させるものであり、前記工程3は、前記共重合ポリマー鎖の表面に光重合開始剤Bを吸着させ、又は更に300〜450nmのLED光を照射し、前記表面上の光重合開始剤Bから重合開始点Bを形成させるものであることが好ましい。
本発明はまた、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、前記改質対象物の表面に光重合開始剤Aの存在下で2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させる工程Iと、前記共重合ポリマー鎖の表面に光重合開始剤Bの存在下で前記2種類以上のモノマーより電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させる工程IIとを含む表面改質方法に関する。
前記工程Iは、前記2種類以上のモノマーを300〜450nmのLED光の照射によりラジカル重合させて前記共重合ポリマー鎖を成長させるものであり、前記工程IIは、前記電荷の偏りの少ないモノマーを300〜450nmのLED光の照射によりラジカル重合させて前記電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させるものであることが好ましい。
前記光重合開始剤A及びBは、同一又は異なって、ベンゾフェノン系化合物及び/又はチオキサントン系化合物であることが好ましい。
前記工程2、工程4、工程I、及び工程IIの少なくとも1つの工程の後に、前記改質対象物を洗浄する工程を行うことが好ましい。
前記洗浄が、110〜150℃で行う水蒸気洗浄であることが好ましい。
前記加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーが二重結合に隣接する炭素原子であるアリル位の炭素原子を有することが好ましい。
前記表面改質方法は、不活性ガス雰囲気下で重合させることが好ましい。
前記表面改質方法は、真空脱気条件下で重合させることが好ましい。
前記2種類以上のモノマーは、カルボキシル基又は水酸基を有するモノマーと、アミノ基又はアミド基を有するモノマーとを含むものであることが好ましい。
前記カルボキシル基又は水酸基を有するモノマーが、(メタ)アクリル酸、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記アミノ基又はアミド基を有するモノマーが、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記電荷の偏りの少ないモノマーが(メタ)アクリロニトリルであることが好ましい。
前記2種類以上のモノマー、前記電荷の偏りの少ないモノマー(液体)、又はそれらの溶液が重合禁止剤を含むもので、該重合禁止剤の存在下で重合させることが好ましい。
前記工程4又は工程IIの後に、成長させた前記共重合ポリマー鎖及び前記電荷の偏りの少ないポリマー鎖に電子線を照射することが好ましい。
前記共重合ポリマー鎖及び前記電荷の偏りの少ないポリマー鎖を合わせた全ポリマー鎖の長さは、10〜50000nmであることが好ましい。
前記共重合ポリマー鎖及び前記電荷の偏りの少ないポリマー鎖の長さの比は、50:50〜99.9:0.1であることが好ましい。
本発明は、前記表面改質方法により得られる表面改質弾性体に関する。
本発明は、前記表面改質方法により得られる水存在下又は乾燥状態での摺動性、低摩擦又は水の低抵抗が要求される表面改質弾性体に関する。
本発明は、前記表面改質方法により三次元形状の固体表面の少なくとも一部が改質された表面改質弾性体に関する。
前記表面改質弾性体はポリマーブラシであることが好ましい。
本発明は、前記表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する医療用具に関する。
本発明は、前記表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケットに関する。
本発明は、前記表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用シリンジに関する。
本発明は、前記表面改質方法により改質されたタイヤの溝表面及び/又はサイドウォール表面を少なくとも一部に有するタイヤに関する。
本発明によれば、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、前記改質対象物の表面に重合開始点Aを形成する工程1と、前記重合開始点Aを起点にして2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させる工程2と、前記共重合ポリマー鎖の表面に重合開始点Bを形成する工程3と、前記重合開始点Bを起点にして前記2種類以上のモノマーより電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させる工程4とを含む表面改質方法であるので、摺動性、耐液漏れ性などの機能性を付与できる。つまり、モノマーを重合させた共重合ポリマー鎖に、更に電荷の偏りの少ないモノマーを重合させた電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させているため、摺動性、耐液漏れ性などを顕著に改善することが可能になる。また、経済性にも優れている。
注射器用ガスケットの実施形態の側面図の一例である。 空気入りタイヤ(全体不図示)のトレッド部の展開図の一例である。 図2のA1−A1断面図の一例である。
本発明の表面改質方法は、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、前記改質対象物の表面に重合開始点Aを形成する工程1と、前記重合開始点Aを起点にして2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させる工程2と、前記共重合ポリマー鎖の表面に重合開始点Bを形成する工程3と、前記重合開始点Bを起点にして前記2種類以上のモノマーより電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させる工程4とを含む。
加硫ゴム等の表面に、カルボキシル基や水酸基を有するモノマー、アミノ基やアミド基を有するモノマー等の2種以上のモノマーを重合させた共重合ポリマー鎖を作製した後、アクリロニトリル等の電荷の偏りの少ないモノマーを重合させて更に電荷の偏りの少ないポリマー鎖を延長させて表面改質を施すことにより、優れた摺動性、耐液漏れ性等を付与できる。
また、適切な共重合ポリマー鎖で足場を築き、その上に電荷の偏りの少ないポリマー鎖を築くことで、経済的に有利な改質方法を提供することも可能である。
工程1では、加硫成形後のゴム又は成形後の熱可塑性エラストマー(改質対象物)の表面に重合開始点Aを形成する。
前記加硫ゴム、前記熱可塑性エラストマーとしては、二重結合に隣接する炭素原子(アリル位の炭素原子)を有するものが好適に使用される。
改質対象物としてのゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、脱タンパク天然ゴムなどのジエン系ゴム、及びイソプレンユニットを不飽和度として数パーセント含むブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどが挙げられる。ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムの場合、加硫ゴムからの抽出物が少なくなる点から、トリアジンによる架橋ゴムが好ましい。この場合、受酸剤を含んでもよく、好適な受酸剤としては、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウムが挙げられる。
他のゴムの場合は、硫黄加硫が好ましい。その場合、硫黄加硫で一般に使用されている加硫促進剤、酸化亜鉛、フィラー、シランカップリング剤などの配合剤を添加してもよい。フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどを好適に使用できる。
なお、ゴムの加硫条件は適宜設定すれば良く、ゴムの加硫温度は、好ましくは150℃以上、より好ましくは170℃以上、更に好ましくは175℃以上である。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、可塑性成分(ハードセグメント)の集まりが架橋点の役割を果たすことにより常温でゴム弾性を有する高分子化合物(スチレン−ブタジエンスチレン共重合体などの熱可塑性エラストマー(TPE)など);熱可塑性成分及びゴム成分が混合され架橋剤によって動的架橋が行われたゴム弾性を有する高分子化合物(スチレン系ブロック共重合体又はオレフィン系樹脂と、架橋されたゴム成分とを含むポリマーアロイなどの熱可塑性エラストマー(TPV)など)が挙げられる。
また、他の好適な熱可塑性エラストマーとして、ナイロン、ポリエステル、ウレタン、ポリプロピレン、及びそれらの動的架橋熱可塑性エラストマーが挙げられる。動的架橋熱可塑性エラストマーの場合、ハロゲン化ブチルゴムを熱可塑性エラストマー中で動的架橋したものが好ましい。この場合の熱可塑性エラストマーは、ナイロン、ウレタン、ポリプロピレン、SIBS(スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体)などが好ましい。
重合開始点Aは、例えば、改質対象物の表面に光重合開始剤Aを吸着させることで形成される。光重合開始剤Aとしては、例えば、カルボニル化合物、テトラエチルチウラムジスルフィドなどの有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられ、なかでも、カルボニル化合物が好ましい。
光重合開始剤Aとしてのカルボニル化合物としては、ベンゾフェノン及びその誘導体が好ましく、例えば、下記式で表されるベンゾフェノン系化合物を好適に使用できる。
Figure 2016017095
(式において、R〜R及びR′〜R′は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、水酸基、1〜3級アミノ基、メルカプト基、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよい炭化水素基を表し、隣り合う任意の2つが互いに連結し、それらが結合している炭素原子と共に環構造を形成してもよい。)
ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、ベンゾフェノン、キサントン、9−フルオレノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。なかでも、良好にポリマーブラシが得られるという点から、ベンゾフェノン、キサントン、9−フルオレノンが特に好ましい。
ベンゾフェノン系化合物として、フルオロベンゾフェノン系化合物も好適に使用でき、例えば、下記式で示される2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾフェノン、デカフルオロベンゾフェノンなどが挙げられる。
Figure 2016017095
光重合開始剤Aとしては、重合速度が速い点、及びゴムなどに吸着及び/又は反応し易い点から、チオキサントン系化合物も好適に使用可能である。例えば、下記式で表される化合物を好適に使用できる。
Figure 2016017095
(式中、R11〜R14及びR11′〜R14′は、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。)
前記式で示されるチオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,3−ジエチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントン、4−シクロヘキシルチオキサントン、2−ビニルチオキサントン、2,4−ジビニルチオキサントン、2,4−ジフェニルチオキサントン、2−ブテニル−4−フェニルチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、2−p−オクチルオキシフェニル−4−エチルチオキサントンなどが挙げられる。なかでも、R11〜R14及びR11′〜R14′のうちの1〜2個、特に2個がアルキル基により置換されているものが好ましく、2,4−Diethylthioxanthone(2,4−ジエチルチオキサントン)がより好ましい。
ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などの光重合開始剤Aの改質対象物表面への吸着方法は、公知の方法を用いれば良い。例えば、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物については、対象物の改質する表面部位を、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物を有機溶媒に溶解させて得られた溶液で処理することで表面に吸着させ、必要に応じて有機溶媒を乾燥により蒸発させることにより、重合開始点が形成される。表面処理方法としては、該ベンゾフェノン系化合物溶液、該チオキサントン系化合物溶液を改質対象物の表面に接触させることが可能であれば特に限定されず、例えば、該ベンゾフェノン系化合物溶液、該チオキサントン系化合物溶液の塗布、吹き付け、該溶液中への浸漬などが好適である。更に、一部の表面にのみ表面改質が必要なときには、必要な一部の表面にのみ光重合開始剤Aを吸着させればよく、この場合には、例えば、該溶液の塗布、該溶液の吹き付けなどが好適である。前記溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、THFなどを使用できるが、改質対象物を膨潤させない点、乾燥・蒸発が早い点でアセトンが好ましい。
また、改質対象部位に該ベンゾフェノン系化合物溶液、該チオキサントン系化合物溶液による表面処理を施して光重合開始剤Aを吸着させた後、更に光を照射して改質対象物の表面に化学結合させることが好ましい。例えば、波長300〜450nm(好ましくは300〜400nm、より好ましくは350〜400nm)の紫外線を照射して、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物を表面に固定化できる。下記式に示されるように、前記工程1及び該固定化においては、ゴム表面の水素が引き抜かれ、ベンゾフェノンのC=Oの炭素とゴム表面の炭素に共有結合が形成されると同時に、引き抜かれた水素がC=Oの酸素に結合し、C−O−Hが形成される。また、この水素引き抜き反応は改質対象物のアリル位の水素で選択的に行われるため、ゴムはアリル水素を持つブタジエン、イソプレンユニットを含むものが好ましい。
Figure 2016017095
なかでも、改質対象物の表面を光重合開始剤Aで処理することで該光重合開始剤Aを表面に吸着させ、次いで、処理後の表面に300〜450nmのLED光を照射することにより、重合開始剤Aを形成することが好ましく、特に、改質対象物の表面にベンゾフェノン系化合物溶液、チオキサントン系化合物溶液による表面処理を施して光重合開始剤Aを吸着させた後、更に処理後の表面に300〜450nmのLED光を照射することで、吸着させた光重合開始剤Aを表面に化学結合させることが好ましい。波長が300nm未満では、改質対象物の分子を切断させて、ダメージを与える可能性があるため、300nm以上の光が好ましく、改質対象物のダメージが非常に少ないという観点から、355nm以上の光が更に好ましい。一方、450nmを超える光では、重合開始剤が活性されにくく、重合反応が進みにくいため、450nm以下の光が好ましく、重合開始剤をより活性させる観点から、400nm以下の光が更に好ましい。LED光の波長は、355〜380nmが特に好適である。なお、LED光は波長が狭く、中心波長以外の波長が出ない点で好適であるが、水銀ランプ等でもフィルターを用いて、300nm未満の光をカットすれば、LED光と同様の効果を得ることも可能である。
工程2では、重合開始点Aを起点にして2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させる。
前記2種類以上のモノマーは、複数種のモノマーを適宜選択すれば良いが、優れた摺動性、耐液漏れ性が得られる観点から、カルボキシル基又は水酸基を有するモノマーと、アミノ基又はアミド基を有するモノマーとを含むモノマーを用いることが好ましい。なお、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等、カルボキシル基又は水酸基と、アミノ基又はアミド基とを有するモノマーを用いる場合、当該モノマーの他、更に別のカルボキシル基又は水酸基を有するモノマーやアミノ基又はアミド基を有するモノマーを含むことが好適である。
カルボキシル基又は水酸基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、優れた摺動性、耐液漏れ性が得られる観点から、カルボキシル基を有するモノマーが好ましい。より好ましくは(メタ)アクリル酸、更に好ましくはアクリル酸である。
アミノ基又はアミド基を有するモノマーとしては、例えば、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なかでも、優れた摺動性、耐液漏れ性が得られる観点から、アミド基を有するモノマーが好ましい。より好ましくは(メタ)アクリルアミド、更に好ましくはアクリルアミドである。
工程2の2種以上のモノマーのラジカル重合の方法としては、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などが吸着又は共有結合した改質対象物の表面に、2種以上のモノマー若しくはその溶液を塗工(噴霧)し、又は、該改質対象物を2種以上のモノマー若しくはその溶液に浸漬し、紫外線などの光を照射することでラジカル重合(光ラジカル重合)が進行し、該改質対象物表面に対して、共重合ポリマー鎖を成長させることができる。更に前記塗工後に、表面を透明なガラス・PET・ポリカーボネートなどで覆い、その上から紫外線などの光を照射することでそれぞれのラジカル重合(光ラジカル重合)を進行させ、改質対象物表面に対して、共重合ポリマー鎖を成長させることもできる。
また、ラジカル重合性モノマーの使用量は、形成するポリマー鎖の長さ、その鎖により発揮される性能などにより、適宜設定すればよい。
塗工(噴霧)溶媒、塗工(噴霧)方法、浸漬方法、照射条件などは、従来公知の材料及び方法を適用できる。なお、ラジカル重合性モノマーの溶液としては、水溶液又は使用する光重合開始剤(ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物など)を溶解しない有機溶媒に溶解させた溶液が使用される。また、ラジカル重合性モノマー(液体)、その溶液として、4−メチルフェノールなどの公知の重合禁止剤を含むものも使用できる。
本発明では、モノマー(液体)若しくはその溶液の塗布後又はモノマー若しくはその溶液への浸漬後、光照射することで2種以上のモノマーのラジカル重合が進行するが、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプなどのUV照射光源を好適に利用できる。照射光量は、重合時間や反応の進行の均一性を考慮して適宜設定すればよい。また、反応容器内における酸素などの活性ガスによる重合阻害を防ぐために、光照射時又は光照射前において、反応容器内や反応液中の酸素を除くことが好ましい。そのため、反応容器内や反応液中に窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを導入して酸素などの活性ガスを反応系外に排出し、反応系内を不活性ガス雰囲気に置換すること、反応容器内を真空引きし、酸素を脱気すること、などが適宜行われている。更に、酸素などの反応阻害を防ぐために、UV照射光源をガラスやプラスチックなどの反応容器と反応液や改質対象物の間に空気層(酸素含有量が15%以上)が入らない位置に設置する、などの工夫も適宜行われる。
紫外線を照射する場合、その波長は、好ましくは300〜450nm、より好ましくは300〜400nmである。これにより、改質対象物の表面に良好に共重合ポリマー鎖を形成できる。光源としては高圧水銀ランプや、365nmの中心波長を持つLED、375nmの中心波長を持つLEDなどを使用することが出来る。なかでも、300〜400nmのLED光を照射することが好ましく、355〜380nmのLED光を照射することがより好ましい。特に、ベンゾフェノンの励起波長366nmに近い365nmの中心波長を持つLEDなどが効率の点から好ましい。
工程2の後、後述する工程3を行う前に、必要に応じて、前記共重合ポリマー鎖を成長させた改質対象物に洗浄処理を施してもよい。これにより、より低溶出性になると同時に、耐液漏れ性がより向上する。
洗浄処理としては、浸漬水洗等の従来公知の方法を採用できるが、水蒸気洗浄が好ましく、例えば、オートクレーブ処理等、加圧条件下、加熱条件下での洗浄処理を好適に採用できる。
洗浄処理の条件は、圧力は、0.1〜0.5MPaが好ましく、0.15〜0.4MPaがより好ましい。温度は、110〜150℃が好ましく、120〜140℃がより好ましい。時間は、20〜1000分が好ましく、30〜500分がより好ましい。前記条件で洗浄処理を施すと、良好な耐液漏れ性が得られる。
工程3では、共重合ポリマー鎖の表面に重合開始点Bを形成する。
該重合開始点Bの形成は、得られた共重合ポリマー鎖の表面に対して、新たに光重合開始剤Bを吸着させること、必要に応じて更に化学結合させること等、工程1と同様の手法を適用することで実施できる。ここで、光重合開始剤Bは、光重合開始剤Aと同様のものを使用できる。
工程4では、前記重合開始点Bを起点にして前記2種類以上のモノマーに比べて、電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させる。共重合ポリマー鎖に、更に電荷の偏りの少ないポリマー鎖を延長することで、優れた耐液漏れ性、摺動性が得られる。
工程4では、前記2種類以上のモノマーに比べて、電荷の偏りの少ないモノマー(電子の偏りの少ないモノマー)が用いられる。ここで、本発明において、電荷の偏りの少ないモノマーとは、分子軌道計算によって求められる全原子の電荷が−0.2〜0.2のモノマーを言う。なかでも、耐液漏れ性、摺動性の点から、該全原子の電荷が−0.15〜0.15が好ましく、−0.1〜0.1がより好ましい。
電荷の偏りの少ないモノマーの具体的な化合物としては、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。なかでも、耐液漏れ性、摺動性の点から、アクリロニトリルが好ましい。
なお、本発明では、前記2種類以上のモノマーとして、分子軌道計算によって求められる各原子の電荷の少なくとも1つが−0.2未満又は0.2を超える複数種のモノマーを使用できるが、本発明の効果の観点から、少なくとも1つの電荷が−0.3未満又は0.3を超えるモノマーが好ましく、−0.35未満又は0.35を超えるモノマーがより好ましい。
本発明の効果の観点から、前記2種類以上の各モノマーの各原子の電荷の絶対値の最大値δ1、電荷の偏りの少ないモノマーの各原子の電荷の絶対値の最大値δ2が、下記式を満たすことが好ましい。
δ1−δ2>0.20
より好ましくはδ1−δ2>0.25である。一方、δ1−δ2の上限は特に限定されないが、好ましくはδ1−δ2<0.50、より好ましくはδ1−δ2<0.40である。
なお、本発明において、具体的な電荷の計算方法は、MOPAC6を用いて、各モノマーの構造最適化を下記キーワードで計算する。
キーワード:MMOK EF PRECISE GNORM=0.05 NOINTER GRAPH
前記電荷の偏りの少ないモノマーのラジカル重合の方法としては、例えば、工程2の2種類以上のモノマーをラジカル重合する方法と同様のものを適用できる。
なお、工程4を行った後も、必要に応じて、前記共重合ポリマー鎖及び電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させた改質対象物に洗浄処理を施してもよい。該処理は、前述と同様の方法を採用できる。
また、工程4の後に、成長させた共重合ポリマー鎖、電荷の偏りの少ないポリマー鎖に電子線を照射してもよい。これにより、ポリマー鎖間に架橋が起こり、架橋前に比べて、摺動性、耐液漏れ性がより良好な表面改質弾性体が得られると同時に、該表面改質弾性体を滅菌できる。ここで形成される架橋構造の詳細は明らかではないが、電子線照射によりポリマー鎖にラジカルが形成され、鎖間に架橋構造が形成されるものと推察される。
なお、前記洗浄処理が施される場合、特に順番は限定されないが、電子線の照射は洗浄後に行うことが好ましい。
照射される電子線の加速電圧は、10〜1000kVが好ましく、50〜500kVがより好ましく、100〜200kVが更に好ましい。
照射される電子線の線量は、1kGy以上が好ましい。また、該線量は、500kGy以下が好ましく、250kGy以下がより好ましく、100kGy以下が更に好ましく、30kGy以下が特に好ましい。500kGyを超えると、ポリマー鎖や改質対象物において分子切断等の悪影響が出るおそれがある。
なお、電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
本発明はまた、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、前記改質対象物の表面に光重合開始剤Aの存在下で2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させる工程Iと、前記共重合ポリマー鎖の表面に光重合開始剤Bの存在下で前記2種類以上のモノマーより電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させる工程IIとを含む表面改質方法である。具体的には、光重合開始剤Aを開始剤として2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を作製し、次いで、光重合開始剤Bを開始剤として前記電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させてポリマー鎖を延長して電荷の偏りの少ないポリマー鎖を作製することで、最表面に電荷の偏りの少ないポリマー層が形成された表面改質弾性体を製造できる。特に、電荷の偏りの少ないモノマーとして、前記2種類以上のモノマーに比べて、電荷の偏りの少ないものを用いているため、優れた摺動性、耐液漏れ性が得られる。
工程Iは、改質対象物の表面で光重合開始剤Aから形成される重合開始点Aを起点として2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させ、工程IIは、該共重合ポリマー鎖の表面で光重合開始剤Bから形成される重合開始点Bを起点として前記電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させることが好ましい。例えば、工程Iは、改質対象物の表面に光重合開始剤A及び2種類以上のモノマーを接触させた後、300〜450nmのLED光を照射することで、該光重合開始剤Aから重合開始点Aを生じさせるとともに、該重合開始点Aを起点として2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させ、工程IIは、光重合開始剤B及び電荷の偏りの少ないモノマーを接触させた後、300〜450nmのLED光を照射することで、該光重合開始剤Bから重合開始点Bを生じさせるとともに、該重合開始点Bを起点として前記電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させることにより実施できる。
工程Iの2種類以上のモノマー、及び工程IIの電荷の偏りの少ないモノマーのそれぞれのラジカル重合の方法としては、改質対象物の表面又は共重合ポリマー鎖が形成された改質対象物に、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などの光重合開始剤A又はBを含む2種類以上のモノマー又は電荷の偏りの少ないモノマー(液体)若しくはそれらの溶液を塗工(噴霧)し、又は、改質対象物又は共重合ポリマー鎖が形成された改質対象物を光重合開始剤A又はBを含む2種類以上のモノマー又は電荷の偏りの少ないモノマー(液体)若しくはそれらの溶液に浸漬し、紫外線などの光を照射することでそれぞれのラジカル重合(光ラジカル重合)が進行し、該改質対象物表面に対して、共重合ポリマー鎖、電荷の偏りの少ないポリマー鎖をこの順に成長させることができる。更に、前述の透明なガラス・PET・ポリカーボネートなどで覆い、その上から紫外線などの光を照射する方法なども採用できる。なお、前記と同様、還元剤、抗酸化物質を添加してもよい。また、塗工(噴霧)溶媒、塗工(噴霧)方法、浸漬方法、照射条件などは、前述と同様の材料及び方法を適用できる。
なお、工程I、IIの後、必要に応じて、共重合ポリマー鎖、電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させた改質対象物に洗浄処理を施してもよい。また、工程IIの後、成長させた共重合ポリマー鎖、電荷の偏りの少ないポリマー鎖に電子線を照射してもよい。洗浄処理、電子線照射は、前述と同様の方法を採用できる。
電荷の偏りの少ないポリマー鎖を含むポリマー鎖を形成することにより、優れた摺動性、耐液漏れ性が得られる。形成されるポリマー鎖の重合度は、好ましくは20〜200000、より好ましくは350〜50000である。
共重合ポリマー鎖及び電荷の偏りの少ないポリマー鎖を合わせた全ポリマー鎖の長さは、好ましくは10〜50000nm、より好ましくは100〜50000nmである。10nm未満であると、良好な摺動性が得られない傾向がある。50000nmを超えると、摺動性の更なる向上が期待できず、耐液漏れ性が低下する傾向がある。
全ポリマー鎖において、共重合ポリマー鎖及び電荷の偏りの少ないポリマー鎖の長さの比(共重合ポリマー鎖の長さ:電荷の偏りの少ないポリマー鎖の長さ)は、好ましくは50:50〜99.9:0.1、より好ましくは90:10〜99.5:0.5である。
前記工程4、工程IIでは、重合開始点Bを起点にして2種以上の電荷の偏りの少ないモノマーを同時にラジカル重合させてもよい。更に、共重合ポリマー鎖、電荷の偏りの少ないポリマー鎖は、それぞれ2層以上積層されたものでもよい。更に、改質対象物の表面に複数のポリマー鎖を成長させてもよい。本発明の表面改質方法は、ポリマー鎖間を架橋してもよい。この場合、ポリマー鎖間には、イオン架橋、酸素原子を有する親水性基による架橋、ヨウ素などのハロゲン基による架橋が形成されてもよい。
加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーに前記表面改質方法を適用することで、表面改質弾性体が得られる。例えば、水存在下又は乾燥状態での摺動性に優れた表面改質弾性体が得られ、これは低摩擦で、水の抵抗が少ないという点にも優れている。また、三次元形状の固体(弾性体など)の少なくとも一部に前記方法を適用することで、改質された表面改質弾性体が得られる。更に、該表面改質弾性体の好ましい例としては、ポリマーブラシ(高分子ブラシ)が挙げられる。ここで、ポリマーブラシとは、表面開始リビングラジカル重合によるgrafting fromのグラフトポリマーを意味する。また、グラフト鎖は、改質対象物の表面から略垂直方向に配向しているものがエントロピーが小さくなり、グラフト鎖の分子運動が低くなることにより、摺動性が得られて好ましい。更に、ブラシ密度として、0.01chains/nm以上である準濃度及び濃度ブラシが好ましい。
また、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーに前記表面改質方法を適用することで、改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケットや注射器用シリンジ等の医療用具を製造できる。改質は、少なくともガスケットやシリンジ表面の摺動部に施されていることが好ましく、表面全体に施されていてもよい。
図1は、注射器用ガスケットの実施形態の側面図の一例である。図1に示されているガスケット1は、注射器の注射筒内周面と接触する外周面に、連続して円周方向に突出した3つの環状突起部11a、11b、11cを有している。ガスケット1において、前記表面改質を適用する部位としては、(1)環状突起部11a、11b、11cなどのシリンジと接する突起部表面、(2)環状突起部11a、11b、11cを含む側面の表面全部、(3)該側面の表面全部と底面部の表面13、などが挙げられる。
更に、乗用車などの車両に使用されるタイヤのトレッドに形成された溝に前記表面改質方法を適用し、溝にポリマーブラシを生成させることにより、ウエットや雪上路面における溝表面の流体抵抗が下がったり、水との接触角が上がったりするので、水や雪の排除及びはけを向上させ、グリップ性を改善できる。
図2は、空気入りタイヤ(全体不図示)のトレッド部2の展開図の一例、図3は、図2のA1−A1断面図の一例を示す。
図2〜3において、中央縦溝3a(溝深さD1)、ショルダー縦溝3b(溝深さD2)は、タイヤ周方向に直線状にのびるストレート溝で構成される。このようなストレート溝は、排水抵抗を小さくし、直進走行時に高い排水性能を発揮しうる。
また、空気入りタイヤは、ショルダー縦溝3b側でタイヤ周方向にのびる細溝5(溝深さD3)、この細溝5から中央縦溝3aに向かって傾斜してのびる中間傾斜溝6(溝深さD4)、細溝5よりもタイヤ軸方向内側に位置しかつタイヤ周方向で隣り合う中間傾斜溝6、6間を接続する継ぎ溝7(溝深さD5)、ショルダー縦溝3bからタイヤ外間に向かうショルダー横溝8、8a、8b(溝深さD6)などが配され、このような溝でも排水性能が発揮しうる。そして、これらの溝に前記方法を適用することで、前述の効果が発揮される。また、サイドウォール表面に前記方法を適用することでゴミや粉塵の付着を抑制する効果も期待される。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(実施例1)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)をトリアジンで架橋した加硫ゴムガスケット(180℃で10分加硫)をベンゾフェノンの1wt%アセトン溶液に浸漬して、加硫ゴム表面にベンゾフェノンを吸着させ、乾燥させた。
乾燥した加硫ゴムガスケットを、アクリル酸/アクリルアミドの混合水溶液(2.5M:1.8gのアクリル酸と16.0gのアクリルアミドを100mLの水に溶解)の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つLED−UVライトを80分間照射してラジカル重合を行って加硫ゴム表面に共重合ポリマー鎖を成長させた。その後、表面を水洗し、乾燥させた。
次に、乾燥した加硫ゴムガスケットを再度ベンゾフェノンの1wt%アセトン溶液に浸漬して、共重合ポリマー鎖の表面にベンゾフェノンを吸着させ、乾燥させた。
更に、乾燥した加硫ゴムガスケットを、アクリロニトリルの水溶液(0.57M:2.95gのアクリロニトリルを100mlの水に溶解)の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つLED−UVライトを30分間照射してラジカル重合を行って、共重合ポリマー鎖の表面に電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させた。これにより表面改質弾性体(積層されたポリマーブラシ)を得た。
(実施例2)
加硫ゴム表面に共重合ポリマー鎖を成長させ、表面を水洗した後に、更に加硫ゴムガスケットをガスケット体積の10倍量の水に浸漬し、135℃、0.32MPaで1時間の水蒸気洗浄(オートクレーブ洗浄)をした以外は実施例1と同様にして表面改質弾性体(積層されたポリマーブラシ)を得た。
(実施例3)
2種類のモノマー(アクリル酸/アクリルアミド)の重合時間(LED−UVライトの照射時間)を100分間に変更した以外は実施例1と同様にして表面改質弾性体(積層されたポリマーブラシ)を得た。
(実施例4)
2種類のモノマー(アクリル酸/アクリルアミド)の重合時間(LED−UVライトの照射時間)を100分間に変更した以外は実施例2と同様にして表面改質弾性体(積層されたポリマーブラシ)を得た。
(実施例5)
電荷の偏りの少ないモノマー(アクリロニトリル)の重合時間(LED−UVライトの照射時間)を22.5分間に変更した以外は実施例3と同様にして表面改質弾性体(積層されたポリマーブラシ)を得た。
(実施例6)
電荷の偏りの少ないモノマー(アクリロニトリル)の重合時間(LED−UVライトの照射時間)を22.5分間に変更した以外は実施例4と同様にして表面改質弾性体(積層されたポリマーブラシ)を得た。
(実施例7)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)をトリアジンで架橋した加硫ゴムガスケット(180℃で10分加硫)を、アクリル酸/アクリルアミドの混合水溶液(2.5M:1.8gのアクリル酸と16.0gのアクリルアミドを100mLの水に溶解)に、ベンゾフェノン3mgを加えた水溶液の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つLED−UVライトを80分照射してラジカル重合を行ってゴム表面に共重合ポリマー鎖を成長させた。その後、表面を水洗し、乾燥させた。
次に乾燥した前記ガスケットを、アクリロニトリルの水溶液(0.57M:2.95gのアクリロニトリルを100mLの水に溶解)に、ベンゾフェノン3mgを加えた水溶液の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つLED−UVライトを30分間照射してラジカル重合を行い、共重合ポリマー鎖の表面に電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させた。これにより表面改質弾性体(積層されたポリマーブラシ)を得た。
(比較例1)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)をトリアジンで架橋した加硫ゴム(180℃で10分加硫)そのものを用いた。
(比較例2)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)をトリアジンで架橋した加硫ゴムガスケット(180℃で10分加硫)をベンゾフェノンの1wt%アセトン溶液に浸漬して、加硫ゴム表面にベンゾフェノンを吸着させ、乾燥させた。
乾燥した加硫ゴムガスケットを、アクリル酸の水溶液(2.5M:18.0gのアクリル酸を100mLの水に溶解)の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つLED−UVライトを30分間照射してラジカル重合を行って加硫ゴム表面にポリマー鎖を成長させた。これにより表面改質弾性体(積層されたポリマーブラシ)を得た。
(比較例3)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)をトリアジンで架橋した加硫ゴムガスケット(180℃で10分加硫)をベンゾフェノンの1wt%アセトン溶液に浸漬して、加硫ゴム表面にベンゾフェノンを吸着させ、乾燥させた。
乾燥した加硫ゴムガスケットを、アクリル酸/アクリルアミドの混合水溶液(2.5M:1.8gのアクリル酸と16.0gのアクリルアミドを100mLの水に溶解)の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つLED−UVライトを80分間照射してラジカル重合を行って加硫ゴム表面に共重合ポリマー鎖を成長させた。これにより表面改質弾性体(積層されたポリマーブラシ)を得た。
なお、上記分子軌道計算によって求めた、アクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリルの各原子の電荷を、以下の表1〜3に示す。
Figure 2016017095
Figure 2016017095
Figure 2016017095
実施例、比較例で作製した表面改質弾性体を以下の方法で評価した。
(ポリマー鎖の長さ)
加硫ゴム表面に形成されたポリマー鎖の長さは、ポリマー鎖が形成された改質ゴム断面を、SEMを使用し、加速電圧15kV、1000倍で測定した。撮影されたポリマー層の厚みをポリマー鎖の長さとした。
(摩擦抵抗力)
表面改質弾性体の表面の摩擦抵抗力を測定するために、実施例、比較例で作製した加硫ゴムガスケットを注射器のCOP樹脂シリンジにセットし、引張試験機を用いて押し込んでいき、そのときの摩擦抵抗力を測定した(押し込み速度:30mm/min)。比較例1の摩擦抵抗力を100として、下記式を用い、各実施例について摩擦抵抗性指数で示した。指数が小さい方が、摩擦抵抗力が低いことを示す。
(摩擦抵抗性指数)=各実施例の摩擦抵抗力/比較例1の摩擦抵抗力×100
(耐液漏れ性)
実施例、比較例で作製した加硫ゴムガスケットを食紅水溶液に1日浸漬して、引き上げ、水洗を行い、食紅の表面への吸着状態を目視(赤色の染まり具合)で評価した。食紅の赤色がつくことは、イオン性の薬剤が僅かに吸着されることを意味し、赤色がつかない方が耐液漏れ性に優れることを示す。
Figure 2016017095
表4より、2種類のモノマーによる共重合ポリマー鎖、電荷の偏りの少ないモノマーによる電荷の偏りの少ないポリマー鎖を形成することで、耐液漏れ性を向上でき、良好な摺動性も得られた。また、水蒸気洗浄により、摺動性、耐液漏れ性が更に改善されることも明らかとなった。
従って、注射器のプランジャーのガスケットに使用した場合、十分な耐液漏れ性とともにプランジャーのシリンジに対する摩擦力が軽減され、注射器による処置を容易にかつ正確に行うことができる。また、静摩擦係数と動摩擦係数との差が少ないため、プランジャーの押し始めとその後のプランジャー進入動作とを脈動させることなく円滑に行うことができる。更に、注射器のシリンジを熱可塑性エラストマーで作製し、その内表面にポリマー鎖を生成させたときも、前記と同様に注射器による処方を容易に行うことができる。
また、乗用車などに使用されるタイヤのトレッドに形成された溝、サイドウォール、ダイヤフラム、スキーやスノーボード板の滑走面、水泳水着、道路標識、看板などの表面にポリマー鎖を形成することで、前述の効果も期待できる。
1 ガスケット
11a、11b、11c 環状突起部
13 底面部の表面
2 トレッド部
3a 中央縦溝
3b ショルダー縦溝
5 細溝
6 中間傾斜溝
7 継ぎ溝
8、8a、8b ショルダー横溝

Claims (26)

  1. 加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、
    前記改質対象物の表面に重合開始点Aを形成する工程1と、
    前記重合開始点Aを起点にして2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させる工程2と、
    前記共重合ポリマー鎖の表面に重合開始点Bを形成する工程3と、
    前記重合開始点Bを起点にして前記2種類以上のモノマーより電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させる工程4とを含む表面改質方法。
  2. 前記工程2は、前記重合開始点Aを起点にして前記2種類以上のモノマーを300〜450nmのLED光の照射によりラジカル重合させて前記共重合ポリマー鎖を成長させるものであり、
    前記工程4は、前記重合開始点Bを起点にして前記電荷の偏りの少ないモノマーを300〜450nmのLED光の照射によりラジカル重合させて前記電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させるものである請求項1記載の表面改質方法。
  3. 前記工程1は、前記改質対象物の表面に光重合開始剤Aを吸着させ、又は更に300〜450nmのLED光を照射し、前記表面上の光重合開始剤Aから重合開始点Aを形成させるものであり、
    前記工程3は、前記共重合ポリマー鎖の表面に光重合開始剤Bを吸着させ、又は更に300〜450nmのLED光を照射し、前記表面上の光重合開始剤Bから重合開始点Bを形成させるものである請求項1又は2記載の表面改質方法。
  4. 加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、
    前記改質対象物の表面に光重合開始剤Aの存在下で2種類以上のモノマーをラジカル重合させて共重合ポリマー鎖を成長させる工程Iと、
    前記共重合ポリマー鎖の表面に光重合開始剤Bの存在下で前記2種類以上のモノマーより電荷の偏りの少ないモノマーをラジカル重合させて電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させる工程IIとを含む表面改質方法。
  5. 前記工程Iは、前記2種類以上のモノマーを300〜450nmのLED光の照射によりラジカル重合させて前記共重合ポリマー鎖を成長させるものであり、
    前記工程IIは、前記電荷の偏りの少ないモノマーを300〜450nmのLED光の照射によりラジカル重合させて前記電荷の偏りの少ないポリマー鎖を成長させるものである請求項4記載の表面改質方法。
  6. 前記光重合開始剤A及びBは、同一又は異なって、ベンゾフェノン系化合物及び/又はチオキサントン系化合物である請求項3〜5のいずれかに記載の表面改質方法。
  7. 前記工程2、工程4、工程I、及び工程IIの少なくとも1つの工程の後に、前記改質対象物を洗浄する工程を行う請求項1〜6のいずれかに記載の表面改質方法。
  8. 前記洗浄が、110〜150℃で行う水蒸気洗浄である請求項7記載の表面改質方法。
  9. 前記加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーが二重結合に隣接する炭素原子であるアリル位の炭素原子を有する請求項1〜8のいずれかに記載の表面改質方法。
  10. 不活性ガス雰囲気下で重合させる請求項1〜9のいずれかに記載の表面改質方法。
  11. 真空脱気条件下で重合させる請求項1〜10のいずれかに記載の表面改質方法。
  12. 前記2種類以上のモノマーは、カルボキシル基又は水酸基を有するモノマーと、アミノ基又はアミド基を有するモノマーとを含むものである請求項1〜11のいずれかに記載の表面改質方法。
  13. 前記カルボキシル基又は水酸基を有するモノマーが、(メタ)アクリル酸、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記アミノ基又はアミド基を有するモノマーが、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜12のいずれかに記載の表面改質方法。
  14. 前記電荷の偏りの少ないモノマーが(メタ)アクリロニトリルである請求項1〜13のいずれかに記載の表面改質方法。
  15. 前記2種類以上のモノマー、前記電荷の偏りの少ないモノマー(液体)、又はそれらの溶液が重合禁止剤を含むもので、該重合禁止剤の存在下で重合させる請求項1〜14のいずれかに記載の表面改質方法。
  16. 前記工程4又は工程IIの後に、成長させた前記共重合ポリマー鎖及び前記電荷の偏りの少ないポリマー鎖に電子線を照射する請求項1〜15のいずれかに記載の表面改質方法。
  17. 前記共重合ポリマー鎖及び前記電荷の偏りの少ないポリマー鎖を合わせた全ポリマー鎖の長さは、10〜50000nmである請求項1〜16のいずれかに記載の表面改質方法。
  18. 前記共重合ポリマー鎖及び前記電荷の偏りの少ないポリマー鎖の長さの比は、50:50〜99.9:0.1である請求項1〜17のいずれかに記載の表面改質方法。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の表面改質方法により得られる表面改質弾性体。
  20. 請求項1〜18のいずれかに記載の表面改質方法により得られる水存在下又は乾燥状態での摺動性、低摩擦又は水の低抵抗が要求される表面改質弾性体。
  21. 請求項1〜18のいずれかに記載の表面改質方法により三次元形状の固体表面の少なくとも一部が改質された表面改質弾性体。
  22. ポリマーブラシである請求項19〜21のいずれかに記載の表面改質弾性体。
  23. 請求項1〜18のいずれかに記載の表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する医療用具。
  24. 請求項1〜18のいずれかに記載の表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケット。
  25. 請求項1〜18のいずれかに記載の表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用シリンジ。
  26. 請求項1〜18のいずれかに記載の表面改質方法により改質されたタイヤの溝表面及び/又はサイドウォール表面を少なくとも一部に有するタイヤ。
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